JP2023184374A - ハイブリッド回転翼航空機 - Google Patents
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Abstract
【課題】主として内燃機関で回転翼を駆動するハイブリッド回転翼航空機において、ごく小容量のバッテリで済ますこと。【解決手段】内燃機関(40、42)と、少なくとも4つの回転翼と、モータ(30)と、M/G(32、34)と、を備え、モータ(30)と連結した回転翼(21q、21r)を第1回転翼と定義し、M/G(32、34)と連結し、且つ内燃機関(40、42)とそれぞれOWC(36a)を介して連結可能な回転翼(24q、24r)を第2回転翼と定義したとき、第1回転翼は少なくとも2つの回転翼(21q、21r)で構成し、それぞれ機体(10)の前部の左右両端側に配置し、第2回転翼は少なくとも2つの回転翼(24q、24r)で構成し、機体(10)の左右それぞれに配置した。【選択図】図1
Description
本発明は、一般にドローンまたはマルチコプターと呼ばれ、主として内燃機関を動力源とする、回転翼(プロペラ)を4つ以上備えたハイブリッド回転翼航空機に関する。
従来、主として内燃機関を動力源とする、回転翼を4つ以上備えたハイブリッド回転翼航空機としては、内燃機関の動力で発電機を駆動して、そこで得られた電力を各モータに供給して各回転翼を駆動する例(例えば特許文献1)が知られている。
しかしながら、上記従来の内燃機関を動力源とする、回転翼を4つ以上備えたハイブリッド回転翼航空機にあっては、バッテリを主動力源とする方式に比べて飛行可能時間が長い特徴を有するが、万一内燃機関が故障で失陥した場合の安全確保のために、内燃機関の70%程度のパワーを出力可能な容量のバッテリが必要という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、内燃機関が故障で失陥した場合の動力源を、パワー密度の低いバッテリに依存するので、搭載するバッテリの容量が大きく、製造コストが高いこと、また重量が重いことから飛行におけるエネルギ消費が大きいという点である。
すなわち、本発明の目的は、ごく小容量のバッテリで済ませて、製造コストが安く、重量が軽いハイブリッド回転翼航空機を得ることにある。
本発明のハイブリッド回転翼航空機は、機体に、第1内燃機関と第2内燃機関の少なくとも2つの内燃機関と、少なくとも4つの回転翼と、モータと、モータ・ジェネレータと、を備え、回転翼のうちの一部とモータとを連結した回転翼を第1回転翼と定義する一方、回転翼のうちの残りとモータ・ジェネレータとを連結し、且つ第1内燃機関または第2内燃機関とそれぞれワンウエイクラッチを介して連結可能な回転翼を第2回転翼と定義したとき、第1回転翼は少なくとも2つの回転翼で構成し、少なくとも2つの第1回転翼をそれぞれ機体の前部の左右両端側に配置し、第2回転翼は少なくとも2つの回転翼で構成し、機体の左右それぞれに配置した。
第2回転翼の1つ当たり定格パワーを、第1回転翼の1.5倍以上にしたことも好ましい。
第1回転翼のうちの2つを、第2回転翼のうちの2つと、それぞれ同じ回転中心に配置したことも好ましい。
本発明のハイブリッド回転翼航空機によれば、第1内燃機関と第2内燃機関の少なくとも2つの内燃機関と、少なくとも4つの回転翼と、モータと、モータ・ジェネレータと、を備え、回転翼のうちの一部とモータとを連結した回転翼を第1回転翼と定義する一方、回転翼のうちの残りとモータ・ジェネレータとを連結し、且つ第1内燃機関または第2内燃機関とそれぞれワンウエイクラッチを介して連結可能な回転翼を第2回転翼と定義したとき、第1回転翼は少なくとも2つの回転翼で構成し、少なくとも2つの第1回転翼をそれぞれ機体の前部の左右両端側に配置し、第2回転翼は少なくとも2つの回転翼で構成し、機体の左右それぞれに配置したため、ごく小容量のバッテリで済ませることができるので、製造コストが安く重量が軽いハイブリッド回転翼航空機を得ることができる。
以下、本発明に係るハイブリッド回転翼航空機を、実施形態に基づき図を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド回転翼航空機1の概要を上方から見た状態で表した平面図である。同図中、矢印2は、ハイブリッド回転翼航空機1が水平方向に飛行する際の前進方向を示す。図2は、図1の第2回転翼24rと第1内燃機関40との連結関係を示す、図1の断面A-Aにて表した模式図である。図3は、図1のクラッチユニット36における径方向の断面図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド回転翼航空機1の概要を上方から見た状態で表した平面図である。同図中、矢印2は、ハイブリッド回転翼航空機1が水平方向に飛行する際の前進方向を示す。図2は、図1の第2回転翼24rと第1内燃機関40との連結関係を示す、図1の断面A-Aにて表した模式図である。図3は、図1のクラッチユニット36における径方向の断面図である。
ハイブリッド回転翼航空機1は、機体10と、この機体10から、それぞれ放射方向外側に伸長する第1アーム11q、第2アーム12qと、第1アーム11r、第2アーム12rとが設けてある。なお、符号の後尾にqがつく要素は機体10の左側に配置されていることを表し、同様にrがつく要素は右側に配置されていることを表すもので、以降の全てに共通する。
これら各アームの先端には、それぞれ第1回転翼又は第2回転翼のいずれかを備えている。すなわち、機体10の四隅に4つの回転翼がそれぞれ設けられている。第1回転翼はそれぞれモータ30と連結しており、第2回転翼は同様に第1モータ・ジェネレータ(以降、M/Gと記述する)32又は第2M/G34と連結している。第1回転翼は、機体10の進行方向前部の左右両端に配置されており、左側の、第1アーム11qには第1回転翼21qが、右側の、第1アーム11rには第1回転翼21rが、それぞれ設けてある。以降、これらをまとめて「2つの第1回転翼」と記述する場合がある。
第2アーム12qの先端には、第1回転翼21q、21rより直径の大きい第2回転翼24qが設けてあり、同様に第2アーム12rに第2回転翼24rが設けてある。第2回転翼24qは、第1M/G32と連結しており、第1M/G32はクラッチユニット36を介して第1内燃機関40と連結可能になっている。
クラッチユニット36は、第1ワンウエイクラッチ(以降、OWCと記述する)36aと第2OWC36bとで構成されている。ここで、第1OWC36aと第2OWC36bの詳細を、図3を参照して説明する。なお、第1OWC36aと第2OWC36bは、周知のラチェット型である。図3は第1内燃機関40の出力軸40aと、第1M/G32と連結した外輪32aが、時計回りする場合を例に描いている。また、図2では、第1OWC36aと第2OWC36bを軸方向に並べて配置して描いているが、具体的な構成は図3に示すように、第1OWC36aと第2OWC36bの両者を同一断面に設けることができる。
すなわち、はじめに第1OWC36aは、第1出力軸40aの外周の等分3カ所に形成した3カ所のポケット40bに、それぞれ揺動可能な第1ラッチ36cを収納している。図のように、第1ラッチ36cは外輪32aの内周に形成したノッチ32cと係合して時計回り方向のトルクを伝えることができる。図示は省略したが、ラッチ36cを径方向外側へ軽く押圧する弾性体を備えている。ノッチ32cは、図のように円周上の等分9カ所のうちの6カ所に形成している。
つぎに、第2OWC36bは、外輪30aの内周の等分3カ所に形成したポケット32bに、それぞれ揺動可能な第2ラッチ32dを収納している。第2ラッチ32dは、第1出力軸40aと外輪30aとの回転方向の位相が図の状態からずれると、揺動して、第1出力軸40aの外周に形成したノッチ40cと係合して時計回り方向のトルクを伝えることができる。ここでも図示は省略したが、第2ラッチ32dをノッチ40d側へ軽く押圧する弾性体を備えている。ノッチ40cは、図示のように円周上の等分9カ所のうちの6カ所に形成している。第2ラッチ32dが揺動してノッチ40dと係合するのは、第1内燃機関40を始動する低速回転時のみであり、後述の離陸後においては、遠心力の作用で第2ラッチ32dは図3のようにポケット32bに収納される。
第1OWC36aと第2OWC36bの両者に共通するが、ノッチ32cとノッチ40cを円周上の等分9カ所のうちの6カ所に形成している理由は、等分9カ所のうちの3カ所に、ポケット40bとポケット32bが設けられているからである。したがって、第1出力軸40aと外輪30aとの回転方向の位相が図の状態からずれて、第1ラッチ36cと第2ラッチ32dとが接する状態にあっては、第1ラッチ36c及び第2ラッチ32dは、ノッチ32c及びノッチ40cと噛み合わずにスキップする。
従って、第1OWC36aは、第1内燃機関40側から第1M/G32と第2回転翼24qを駆動する方向にのみ動力伝達が可能であり、第2OWC36bは、第1内燃機関40を始動する低速回転時においてのみ、第1M/G32から第1内燃機関40を駆動する方向に動力伝達が可能である。
これらと同様に、第2アーム12rに設けた第2回転翼24rは、第2M/G34と連結しており、第2M/G34はクラッチユニット36を介して第2内燃機関42と連結可能になっている。
第1内燃機関40及び第2内燃機関42は、レシプロ型であっても良いし、ロータリ型やタービン型であっても良い。タービン型の場合は、第1M/G32及び第2M/G34と、第2回転翼24q及び第2回転翼24rとの間に、減速歯車を備えるのが好適である。また、これら内燃機関の燃料は化石燃料であっても良いし、水素のように炭酸ガスを出さない燃料であればなお良い。
ここで、これら各回転翼のうち、2つの第1回転翼は、それぞれが連結したモータ30から駆動されて回転して揚力を発出し、2つの第2回転翼24q、24rは、それぞれが連結可能な第1内燃機関40又は第2内燃機関42から駆動されて回転して揚力を発出するとともに、後述する非常時において、それぞれが連結した第1M/G32又は第2M/G34から駆動されて揚力を発出する。
つまり、第1M/G32及び第2M/G34は、それぞれ第1内燃機関40又は第2内燃機関42から駆動されて発電して、その電力を各モータ30に供給することができるとともに、第1内燃機関40及び第2内燃機関42の一方が失陥した場合に、後述するように電力の供給を受けて、それぞれが連結している第2回転翼を駆動可能である。各回転翼は、周知のように、図1において周方向に隣合って配置された回転翼同士が互いに逆回転する。
本実施形態のハイブリッド回転翼航空機1は、図示を省略するが、ハイブリッド回転翼航空機1の作動全体を制御するコントローラ、燃料タンク、バッテリ、各モータ及びM/Gの監視センサ、高度センサ、通信装置、カメラ、及びGPS(全地球測位システム)や、必要に応じてフライトレコーダ及び測距センサなどを備えている。中でもM/Gの監視による内燃機関の異常検出が重要である。これから説明する動作及び作用は、人の操作によるか又は自動的に、コントローラを介して行われる。なお、後述の内燃機関の始動以外の、内燃機関にかかわる電気系統は、第1内燃機関40及び第2内燃機関42にそれぞれ備えることが望ましい。これらは、以降の実施形態に共通する。
次に、第1の実施形態の動作及び作用について説明する。始めに、バッテリから第1M/G32及び第2M/G34に電力を供給して、これにより第1内燃機関40及び第2内燃機関42を回転させて始動する。この際に、前述したように第2OWC36bの作用で第1M/G32及び第2M/G34側から第1内燃機関40及び第2内燃機関42を駆動するが、これらが始動するとバッテリからの電力供給をやめて、以降は第2OWC36bの係合が解除される。つづいて第1OWC36aが係合して、第1内燃機関40及び第2内燃機関42が、第1M/G32及び第2M/G34とともに第2回転翼22q及び第2回転翼22rを駆動するようになる。
第1内燃機関40及び第2内燃機関42から駆動された第1M/G32及び第2M/G34は発電して、これにより得られた電力は2つのモータ30に供給されて、各モータ30と連結した2つの第1回転翼を駆動する。つまり、第1内燃機関40及び第2内燃機関42は、これらと連結可能な第2回転翼24q及び第2回転翼24rを機械的に駆動するとともに、2つの第1回転翼を電気的に駆動する。
全ての回転翼は、回転することで揚力を発出し、これら4つの回転翼の回転速度を制御することで、周知のようにハイブリッド回転翼航空機1を離陸させ、上昇・空中停止(ホバリング)・飛行・方向転換・降下・着陸を、自在に制御することができる。
ここで、各要素のパワーについて説明する。第1回転翼の定格パワーを1として、第2回転翼の定格パワーを2とした場合、2つのモータ30のパワーをそれぞれ1として、第1M/G32及び第2M/G34のパワーはそれぞれ2とする。そして、第1内燃機関40及び第2内燃機関42のパワーはそれぞれ3とする。これらの数値は説明のために単純化しているが、実際にはさまざまな効率等を考慮して設定する。
飛行中に、第1内燃機関40及び第2内燃機関42の一方が、万一故障して失陥した場合は、コントローラの指示で直ちに他方の内燃機関による駆動に切り替える。例えば、第1内燃機関40が失陥した場合は、第2内燃機関42と連結した第2M/G34が発電した電力を、バッテリからの補填を含めて第1M/G32及び2つのモータ30に供給して、第2内燃機関42が全ての回転翼を駆動し続ける。
この際、内燃機関の一方が失陥した場合に、各回転翼を駆動するパワーの合計を正常時の70%確保する前提で説明する。前述のように第1内燃機関40が失陥した場合は、第2内燃機関42が第2回転翼24rを1.4のパワーで駆動するとして、第2M/G34は1.6のパワーの発電が可能であり、これにバッテリから1.2のパワーの電力を補填して、合わせて以下のように供給する。すなわち、第1M/G32に1.4のパワーを供給して、第2回転翼24qを駆動する。そして、2つのモータ30にそれぞれ0.7のパワーを供給して第1回転翼21q、21rを駆動すると、全体の合計で正常時の70%のパワーになる。従って、バッテリからの補填パワーは1.2である。
以上説明した第1の実施形態のハイブリッド回転翼航空機1によれば、第1内燃機関40及び第2内燃機関42のうち、一方が失陥した場合に、他方の動力による飛行が可能であり、バッテリに大きく頼ることなく、安全に降下して着陸させることができる。従来例で上記と同じ仕様で、仮に4つの回転翼を有する場合にあっては、内燃機関が失陥した場合に回転翼の駆動を全面的にバッテリに頼るので、上記したように正常時の70%のパワーで駆動するとしたら、4つの回転翼に合計4.2のバッテリのパワーが必要になる。本実施形態は、バッテリに求められるパワーは1.2であるので、バッテリパワーの70%以上の縮減が可能である。バッテリパワーの縮減の程度は、上記の第2回転翼24q、24r及び第2M/G32、34の定格パワーの設定値で変化するが、本実施形態にあっては、第2回転翼の1つ当たり定格パワーを、前記第1回転翼の1.5倍以上に設定するのが好ましい。
また、電機容量に関しては、本実施形態では上記した2つのモータ30と第1M/G32及び第2M/G34のパワーを合計すると6である。従来例で同様の回転翼を有する場合、それぞれと連結したモータのパワー合計を6として、それと同容量のジェネレータとすると合計12であり、本実施例はそれに対して50%の縮減ができる。したがって、コントローラに付随するインバータなどの容量も減らすことができるので、電気系の重量や製造コストだけでなく、内燃機関から回転翼への動力伝達効率も向上するので、総合的にエネルギ消費を抑える効果が期待できる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド回転翼航空機1の概要を上方から見た状態で表した平面図であり、内燃機関まわりの構成を示すため機体10の一部をくりぬいて、図1に対応して描いている。図5は、図4の第2回転翼24qv及び第1回転翼22qvと第1内燃機関40との連結関係を示す、図4の矢視Bにて表した模式図であり、図2に対応して描いている。ここでは、第1の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明し、それらと実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明と図示を省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド回転翼航空機1の概要を上方から見た状態で表した平面図であり、内燃機関まわりの構成を示すため機体10の一部をくりぬいて、図1に対応して描いている。図5は、図4の第2回転翼24qv及び第1回転翼22qvと第1内燃機関40との連結関係を示す、図4の矢視Bにて表した模式図であり、図2に対応して描いている。ここでは、第1の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明し、それらと実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明と図示を省略する。
第2の実施形態の、第1の実施形態との第1の違いは、第2の実施形態では、第1回転翼を6つ備えるとともに配置が異なることと、第2回転翼の外径が大きくなっていることである。すなわち、第1回転翼21qu、21qv、21ru、21rvは、第1アーム11q及び第1アーム11rの上下にそれぞれ1つ備えていることと、第1回転翼22qv、22rvは、第2アーム12q及び第2アーム12rの下側、つまり第2回転翼24qu、24ruと同じ回転中心に配置している。
また、第2回転翼24qu、24ruは、第1の実施形態と同じ配置であるが、外径を大きくして第1回転翼の3倍のパワーで駆動する大きさにしている。なお、符号の後尾にuがつく要素は各アームの上側に配置されていることを表し、同様にvがつく要素は下側に配置されていることを表すもので、以降の全てに共通する。また、上下に配置された各回転翼同士は、周知のように互いに逆回転して揚力を発出する。
第2の実施形態の、第1の実施形態との第2の違いは、第2の実施形態では、内燃機関の配置が第1の実施形態と異なることである。すなわち、図5を参照して左側の第1内燃機関40側の例で説明すると、第2アーム12qの先端部に傘歯車35qが設けてあり、第1内燃機関40は傘歯車35q及びOWC36aを介して第1M/G32及び第2回転翼24quを駆動可能である。
また、これと関連して傘歯車35qの下側に配置されて、第1回転翼22qvと連結したモータ30は、第3OWC36cを介して傘歯車35qと連結可能である。すなわち、モータ30が第1回転翼22qvに揚力を発出させるのと逆方向に回転したときに第3OWC36cが動力伝達可能にしてあり、第3OWC36cは、第1の実施形態で説明した第2OWC36bと同様に、第1内燃機関40の始動時のみに係合するラチェット型が好適である。これらは、右側の第2内燃機関42に関しても同様である。これら以外は、コントローラなども含めて第1の実施形態と基本的に同様であるので、詳細の説明を省略する。
次に、第2の実施形態の動作及び作用については、上述したように、第1回転翼の数と第2回転翼の大きさが異なることと、内燃機関の配置が異なることと、第3OWC36cの構成以外は第1の実施形態と基本的に同様であり、動作及び作用についても同様であるので、詳細の説明を省略するが、内燃機関の始動と、第1の実施形態でも説明した電機容量等と、非常時の作動に関してのみ概要を説明する。
始めに、バッテリから第1M/G32及び第2M/G34に電力を供給して、前述したように、これらを、揚力を発出するのと逆方向に回転させると、第3OWC36cの作用で、第1内燃機関40及び第2内燃機関42は通常の回転方向に回転して始動する。これらが始動した以降は、第3OWC36cの係合が解除されて、飛行に至るのは、第1の実施形態と同様である。
続いて、電機容量等と非常時の作動に関して説明する。6つの第1回転翼の定格パワーを1として、これと連結した6つのモータ30のパワーも同じくそれぞれ1として、2つの第2回転翼の定格パワーをそれぞれ3として、第1M/G32及び第2M/G34のパワーはそれぞれ3とする。そして、第1内燃機関40及び第2内燃機関42のパワーはそれぞれ6とする。
ここでも、第1内燃機関40及び第2内燃機関42の一方が失陥した場合に、各回転翼が合計で正常時の70%のパワーを出すものとして、非常時の作動を説明する。例えば、飛行中に、第1内燃機関40が失陥した場合は、第2内燃機関42と連結した第2M/G34が発電した電力を、バッテリからの補填と合わせて第1M/G32及び6つのモータ30に供給して、第2内燃機関42が全ての回転翼を駆動し続ける。
すなわち、前述のように第1内燃機関40が失陥した場合は、第2内燃機関42が第2回転翼24quを3のパワーで駆動するとして、第2M/G34は3のパワーの発電が可能であり、これにバッテリから2.4のパワーの補填電力を合わせて、第1M/G32及び6つのモータ30に供給して、第2回転翼24quを3のパワーで駆動し、6つの第1回転翼を平均0.4のパワーで駆動すると、合計で正常時の70%のパワーになる。この際、第2回転翼24qu及び第2回転翼24ruと同じ回転中心の、第1回転翼22qv及び第1回転翼22rvのパワーを0(ゼロ)にすれば、残る4つの第1回転翼を0.6のパワーで駆動することもできる。従って、バッテリからの補填パワーは2.4である。
詳細の説明は省略するが、本実施形態の場合、第1回転翼の合計パワーと第2回転翼の合計パワーが同じであるので、第2回転翼をさらに大きくして、第2回転翼の合計パワーを第1回転翼の合計パワーの1.5倍程度にすると、非常時の駆動パワーの配分自由度が上記に比べて高まる。
以上説明した第2の実施形態のハイブリッド回転翼航空機1によれば、第1の実施形態の場合と同様に、2つの第1内燃機関40及び第2内燃機関42のうち、一方が失陥した場合に、他方の動力による飛行が可能であり、バッテリに大きく頼ることなく、安全に降下して着陸させることができる。そして、非常時においてバッテリに求められるパワーが、同じ条件の従来例では8.4になるのに対して、70%以上の縮減が可能であることも第1の実施形態と同様である。
また、電機容量に関しても、第1の実施形態と同様に、50%の縮減ができるので、電気系の重量や製造コストだけでなく、総合的にエネルギ消費を抑える効果が期待できる。
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド回転翼航空機1の概要を上方から見た状態で表した平面図であり、内燃機関まわりの構成を示すため機体10の一部をくりぬいて、図1に対応して描いている。図7は、図6の第2回転翼24qu及び第2回転翼24qvと第1内燃機関40との連結関係を示す、図6の矢視Cにて表した模式図であり、図2に対応して描いている。ここでは、第1の実施形態及び第2の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明し、それらと実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明と図示を省略する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド回転翼航空機1の概要を上方から見た状態で表した平面図であり、内燃機関まわりの構成を示すため機体10の一部をくりぬいて、図1に対応して描いている。図7は、図6の第2回転翼24qu及び第2回転翼24qvと第1内燃機関40との連結関係を示す、図6の矢視Cにて表した模式図であり、図2に対応して描いている。ここでは、第1の実施形態及び第2の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明し、それらと実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明と図示を省略する。
第3の実施形態の、第1の実施形態及び第2の実施形態との違いは、第3の実施形態では、機体10の左右にそれぞれ3つのアームを設けて、各アームにそれぞれ回転翼を備えていることである。すなわち、第1アーム11q、11r、第3アーム13q、13rに、第1回転翼21q、第1回転翼21q、第1回転翼22q、第1回転翼22rの、それぞれモータ30と連結した4つの第1回転翼を備え、第2アーム12q、12rの上下には、第1回転翼より外径を大きくして、駆動パワーが1.5倍の、第2回転翼24qu、第2回転翼24qv、第2回転翼24ru、第2回転翼24rvを備えている。
また、これと関連して、第1内燃機関40及び第2内燃機関42と第1M/G32及び第2M/G34とクラッチユニット36を、機体10の中に設けている。すなわち、機体10の左側の例で説明すると、第2回転翼24qu及び第2回転翼24qvは傘歯車35qを介して第1M/G32と連結しており、第1M/G32はクラッチユニット36を介して第17内燃機関40と連結可能である。右側の第2回転翼24ru及び第2回転翼24rvも、これと同様に第2内燃機関42と連結可能になっている。これら以外は、コントローラなども含めて第1の実施形態及び第2の実施形態と基本的に同様であるので、詳細の説明を省略する。
次に、第3の実施形態の動作及び作用については、上述したように、4つの第1回転翼と4つの第2回転翼を備えて、それぞれの配置が上記したようになっていること以外は、第1の実施形態及び第2の実施形態と基本的に同様であるので、詳細の説明を省略するが、第1の実施形態で説明した電機容量等と非常時の作動に関してのみ概要を説明する。
4つの第1回転翼の定格パワーを1として、第1回転翼と連結した4つのモータ30のパワーも同じくそれぞれ1として、4つの第2回転翼の定格パワーをそれぞれ1.5として、第1M/G32及び第2M/G34のパワーはそれぞれ3とする。そして、第1内燃機関40及び第2内燃機関42のパワーはそれぞれ5とする。
ここでも、第1内燃機関40及び第2内燃機関42の一方が失陥した場合に、各回転翼が合計で正常時の70%のパワーを出すものとして、非常時の作動を説明する。例えば、飛行中に、第1内燃機関40が失陥した場合は、第2内燃機関42と連結した第2M/G34が発電した電力を、バッテリからの補填と合わせて第1M/G32及び4つのモータ30に供給して、第2内燃機関42が全ての回転翼を駆動し続ける。
すなわち、前述のように第1内燃機関40が失陥した場合は、第2内燃機関42が第2回転翼24ru及び第2回転翼24rvを、それぞれ1.05のパワーで駆動するとして、第2M/G34は2.9のパワーの発電が可能であり、これにバッテリから2のパワーの補填電力を合わせて、第1M/G32及び4つのモータ30に供給して、第2回転翼24qu及び第2回転翼24qvをそれぞれ1.05のパワーで駆動し、4つ第1回転翼を0.7のパワーで駆動すると、合計で正常時の70%のパワーになる。従って、バッテリからの補填パワーは2である。
以上説明した第2の実施形態のハイブリッド回転翼航空機1によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態の場合と同様に、2つの第1内燃機関40及び第2内燃機関42のうち、一方が失陥した場合に、他方の動力による飛行が可能であり、バッテリに大きく頼ることなく、安全に降下して着陸させることができる。そして、非常時においてバッテリに求められるパワーが、従来例の場合は7になるのに対して、70%以上の縮減が可能であることも第1の実施形態と同様である。
また、電機容量に関しても、第1の実施形態と同様に、50%の縮減ができるので、電気系の重量や製造コストだけでなく、総合的にエネルギ消費を抑える効果が期待できる。
なお、本実施形態は、合計8の回転翼を備えた例で説明したが、様々な応用が可能である。例えば、本実施形態では4つの第1回転翼を、第2回転翼の前方に2つ、後方に2つ配置したが、これら第1回転翼の数を増すことも可能であり、その場合は、第2回転翼の大きさや第2M/Gの定格パワー、並びに内燃機関の定格パワーも変更するのが好ましい。
また、揚力を発出する合計8の回転翼とは別に、モータで駆動して前進方向の推力を発出する、第3回転翼と言うべき回転翼を追加することもできる。この際、定格パワーが1の第3回転翼とモータをそれぞれ2つ追加した場合、第1M/G32及び第2M/G34のパワーをそれぞれ4にして、第1内燃機関40及び第2内燃機関42のパワーをそれぞれ6にする。その場合、詳細の説明は省略するが、非常時においては第3回転翼を駆動する必要がないので、第1M/G32及び第2M/G34の容量が増えた分だけ、非常時にバッテリに求められる補填電力をさらに減らすことができる。
以上、本発明のハイブリッド回転翼航空機の概要を説明したが、各実施形態に共通しているのは、第1内燃機関40及び第2内燃機関42を備えて、万一の場合の安全性を確保しながら、バッテリの容量を必要最小限にすることができる点である。これにより製造コストを削減するとともに、機体1の重量が軽くなるので燃料消費を抑える効果が期待できる。
本発明のハイブリッド回転翼航空機の具体的な構成は、各実施形態で図示した内容にこだわることなく、例えば、一部の第1回転翼をチルト可能にすることや、各実施形態の特徴同士を組み合わせるなど、種々の工夫をこらした態様で実施することができる。
本発明のハイブリッド回転翼航空機は、有人飛行、無人飛行に関係なく実施できるし、大型で長距離飛行を要求される物品の運搬のみでなく、人の輸送に用いることができる。
1 ハイブリッド回転翼航空機
10 機体
21qu、21qv、21ru、21rv、22qu、22qv、22ru、22rv 第1回転翼
24qu、24qv、24ru、24rv 第2回転翼
30 モータ
32、34 モータ・ジェネレータ(M/G)
36 クラッチユニット
36a、36b、36c ワンウエイクラッチ(OWC)
40 第1内燃機関
42 第2内燃機関
10 機体
21qu、21qv、21ru、21rv、22qu、22qv、22ru、22rv 第1回転翼
24qu、24qv、24ru、24rv 第2回転翼
30 モータ
32、34 モータ・ジェネレータ(M/G)
36 クラッチユニット
36a、36b、36c ワンウエイクラッチ(OWC)
40 第1内燃機関
42 第2内燃機関
Claims (3)
- 機体に、第1内燃機関と第2内燃機関の少なくとも2つの内燃機関と、少なくとも4つの回転翼と、モータと、モータ・ジェネレータと、を備え、
前記回転翼のうちの一部と前記モータとを連結した前記回転翼を第1回転翼と定義する一方、前記回転翼のうちの残りと前記モータ・ジェネレータとを連結し、且つ前記第1内燃機関または前記第2内燃機関とそれぞれワンウエイクラッチを介して連結可能な前記回転翼を第2回転翼と定義したとき、
前記第1回転翼は少なくとも2つの前記回転翼で構成し、少なくとも2つの前記第1回転翼をそれぞれ前記機体の前部の左右両端側に配置し、前記第2回転翼は少なくとも2つの前記回転翼で構成し、前記機体の左右それぞれに配置したことを特徴とするハイブリッド回転翼航空機。 - 前記第2回転翼の1つ当たり定格パワーを、前記第1回転翼の1.5倍以上にしたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド回転翼航空機。
- 前記第1回転翼のうちの2つを、前記第2回転翼のうちの2つと、それぞれ同じ回転中心に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド回転翼航空機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022098498A JP2023184374A (ja) | 2022-06-18 | 2022-06-18 | ハイブリッド回転翼航空機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022098498A JP2023184374A (ja) | 2022-06-18 | 2022-06-18 | ハイブリッド回転翼航空機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023184374A true JP2023184374A (ja) | 2023-12-28 |
Family
ID=89333494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022098498A Pending JP2023184374A (ja) | 2022-06-18 | 2022-06-18 | ハイブリッド回転翼航空機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023184374A (ja) |
-
2022
- 2022-06-18 JP JP2022098498A patent/JP2023184374A/ja active Pending
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