JP2023183838A - 透光性基板、接合型固体撮像素子、および透光性基板の製造方法 - Google Patents

透光性基板、接合型固体撮像素子、および透光性基板の製造方法 Download PDF

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和典 宮川
Kazunori Miyakawa
圭忠 峰尾
Keitada Mineo
成亨 為村
Shigeaki Tamemura
正和 難波
Masakazu Nanba
聡 相原
Satoshi Aihara
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Abstract

【課題】製造上の手間およびコストを抑えた接合型固体撮像素子が備える透光性基板を提供する。【解決手段】接合型固体撮像素子に用いられる透光性基板60は、表面から裏面における画像取得領域60Dへと繋がる透明導電膜50a,50bを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、透光性基板、接合型固体撮像素子、および透光性基板の製造方法に関する。
従来、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)回路基板上に第1非晶質セレン膜を形成し、透光性基板上に第2非晶質セレン膜を形成し、これらの非晶質セレン膜に加熱および加圧を施して接合することで、画像取得および電荷増倍動作を達成した接合型固体撮像素子が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
このような接合型固体撮像素子として、例えば、図7に示すように、端部にテーパ加工が施された透光性基板と、透光性基板の形状に沿った透明導電膜と、を備えることで、電源と透明導電膜との接続を容易としたものが知られている。
宮川ほか、NHK技研、「固体撮像デバイスの高感度化に向けた結晶セレン増倍膜接合型固体撮像素子の試作」、映像情報メディア学会冬期大会、23C-1、2021
しかしながら、従来の接合型固体撮像素子は、透光性基板の加工に手間とコストがかかるという問題があった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、製造上の手間およびコストを抑えた接合型固体撮像素子が備える透光性基板を提供することにある。
一実施形態に係る透光性基板は、接合型固体撮像素子に用いられる透光性基板であって、表面から裏面における画像取得領域へと繋がる透明導電膜を備える、ことを特徴とする。
さらに、一実施形態に係る透光性基板において、前記透明導電膜は、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛スズ、酸化スズ、金、アルミニウム、銅、モリブデン、および亜鉛の何れか一つの材料で形成される、ことを特徴とする。
さらに、一実施形態に係る透光性基板において、前記透光性基板は、単結晶サファイア、石英、光学ガラス、ベリリウム、アクリル、およびプラスチックの何れか一つの材料で形成される、ことを特徴とする。
さらに、一実施形態に係る透光性基板において、前記透光性基板は、長方形、正四角形、台形、多角形、円形、またはフレキシブルである、ことを特徴とする。
一実施形態に係る接合型固体撮像素子は、信号読み出し回路基板と、電子注入阻止強化層と、光電変換膜と、正孔注入阻止強化層と、表面から裏面における画像取得領域へと繋がる透明導電膜を備える透光性基板と、をこの順に備える、ことを特徴とする。
一実施形態に係る透光性基板の製造方法は、接合型固体撮像素子に用いられる透光性基板の製造方法であって、前記透光性基板の表面、側面、および裏面に第1スパッタリングを施して、前記表面から前記裏面へと繋がる第1透明導電膜を形成する工程と、前記第1透明導電膜上に第2スパッタリングを施して、前記表面から前記裏面へと繋がる第2透明導電膜を形成する工程と、前記裏面における画像取得領域に第3スパッタリングを施して、一部が前記第2透明導電膜と重なる第3透明導電膜を形成する工程と、を含む、ことを特徴とする。
さらに、一実施形態に係る透光性基板の製造方法において、前記第1透明導電膜は、前記表面と前記裏面の一方が他方よりも厚く形成され、前記第2透明導電膜は、前記表面と前記裏面の他方が一方よりも厚く形成される、ことを特徴とする。
本発明によれば、製造上の手間およびコストを抑えた接合型固体撮像素子が備える透光性基板を提供することができる。
本実施形態に係る接合型固体撮像素子の構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る透光性基板の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る透光性基板の構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る透光性基板の構成の一例を示す外観写真である。 本実施形態に係る透光性基板の製造方法の一例を示す模式図および模式断面図である。 本実施形態に係る透光性基板の製造方法の一例を示す模式図および模式断面図である。 本実施形態に係る透光性基板の製造方法の一例を示す模式図および模式断面図である。 本実施形態に係る透光性基板の製造方法の一例を示す模式図および模式断面図である。 本実施形態に係るスパッタリングの様子の一例を示す図である。 本実施形態に係るスパッタリングの様子の一例を示す図である。 本実施形態に係る透明導電膜における抵抗値の一例を示す図である。 本実施形態に係る透明導電膜における抵抗値の測定箇所の一例を示す図である。 従来に係る接合型固体撮像素子の構成の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。各図において、説明の便宜上、各構成の縦横の比率を実際の比率から誇張して示している。
本明細書において、「表面」とは、図面に描かれた光の入射側における透光性基板の面を意味するものとし、「裏面」とは、図面に描かれた光の非入射側における透光性基板の面を意味するものとする。ただし、「表」、「裏」とは、便宜的に定められたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。
<接合型固体撮像素子>
図1、図2A、図2B、および図3を参照して、本実施形態に係る接合型固体撮像素子100の構成の一例について説明する。
接合型固体撮像素子100は、信号読み出し回路基板10と、電子注入阻止強化層20と、光電変換膜30と、正孔注入阻止強化層40と、透明導電膜50a,50bを備える透光性基板60と、をこの順に備える。
接合型固体撮像素子100は、ボンディングワイヤ2を介して、パッケージ1と電気的に接続される。パッケージ1は、当該技術分野で適用される公知のパッケージであってよい。ボンディングワイヤ2は、例えば、金(Au)などの導電性材料で形成されてよい。
信号読み出し回路基板10は、例えば、シリコン基板上にCMOS構造が形成された基板である。信号読み出し回路基板10は、複数の画素電極が設けられる画素領域10Dを含む。複数の画素電極は、各画素と対応して設けられ、例えば、電源3の負極と電気的に接続される。信号読み出し回路は、光Lの入射により光電変換膜30で発生、増倍した電荷を、複数の画素電極を介して読み出す。
画素電極は、例えば、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属膜で形成される。画素電極は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などで成膜された後、ドライエッチング法などでパターニングされるという公知の半導体製造プロセスにより形成される。画素電極は、膜厚が、必要とされる導電性が得られる厚さであればよく、例えば、200nm以上1μm以下であることが好ましい。なお、画素電極間には、例えば、酸化シリコン(SiO)などで形成される絶縁膜が設けられていてよい。
電子注入阻止強化層20は、複数形成される画素電極から光電変換膜30への電子注入を阻止する機能、および複数の画素電極のそれぞれを絶縁する機能を有する。電子注入阻止強化層20は、信号読み出し回路基板10と光電変換膜30との間に設けられる。電子注入阻止強化層20を設けることで、接合型固体撮像素子100における暗電流の発生を抑制することができる。
電子注入阻止強化層20は、複数形成される画素電極から光電変換膜30への電子注入を阻止可能な材料で形成されることが好ましい。このような材料としては、例えば、三酸化モリブデン(MoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化ガリウム(Ga)などが挙げられる。電子注入阻止強化層20は、膜厚が、10nm以上であることが好ましい。これにより、複数の画素電極から光電変換膜30への電子注入を効率良く阻止することができる。
光電変換膜30は、接合型固体撮像素子100における光電変換部であり、光Lの照射により電荷を発生、増倍させる。光電変換膜30は、電子注入阻止強化層20と正孔注入阻止強化層40との間に設けられる。
光電変換膜30は、例えば、結晶セレン膜であってよい。光電変換膜30は、膜厚が、0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上であれば、可視光全域で十分な感度を得られる接合型固体撮像素子100を実現できる。また、光電変換膜30は、膜厚が、5μm以下、好ましくは1μm以下であれば、効率良く形成されるため、生産性の観点で好ましい。なお、信号読み出し回路基板10の耐圧性が高ければ、光電変換膜30の膜厚を厚くすることができるため、より高い増倍率を得られる。
正孔注入阻止強化層40は、透明導電膜50から光電変換膜30への正孔注入(漏れ電流)を阻止する機能を有する。正孔注入阻止強化層40は、透明導電膜50と光電変換膜30との間に設けられる。
正孔注入阻止強化層40は、透明導電膜50から光電変換膜30への正孔注入を阻止可能な材料で形成されることが好ましい。このような材料としては、例えば、酸化ガリウム(Ga)などが挙げられる。正孔注入阻止強化層40は、膜厚が、10nm以上であることが好ましく、当該範囲を満たすことで、透明導電膜50から光電変換膜30への正孔注入(漏れ電流)を効率良く阻止することがで、暗電流の発生を抑制できる。
透光性基板60は、特に可視光全域にわたって透光性を有する材料で形成されることが好ましい。このような材料としては、例えば、単結晶サファイア、石英、光学ガラス、ベリリウム、アクリル、プラスチック、光ファイバー(FOP)、シリコンなどが挙げられる。特に、透光性基板60が単結晶サファイアで形成される場合、結晶セレンからなる光電変換膜30の結晶構造を整え易くすることができ、さらに、透明導電膜50および正孔注入阻止強化層40に高温処理を施す際、透明導電膜50および正孔注入阻止強化層40の結晶化を促進させることができる。
透光性基板60は、形状が、特に限定されるものではないが、例えば、長方形、正四角形、台形、多角形、円形、またはフレキシブルであってよい。
透光性基板60は、厚さが、特に限定されるものではないが、0.03mmより厚く、30.0mmより薄いことが好ましい。透光性基板60は、例えば、厚さが1.1mmの薄型基板であってもよい。
透光性基板60は、図2Aおよび図2Bに示すように、表面から裏面における画像取得領域60Dへと繋がる透明導電膜50を備える。透明導電膜50は、例えば、電源3の正極と電気的に接続される。透光性基板60が当該透明導電膜50を備えることで、透光性基板60自体に研削加工を施さずとも、電源3と画像取得領域60Dの透明導電膜50とを容易に接続することができる。さらに、透光性基板60が当該透明導電膜50を備えることで、透光性基板60が極薄基板(例えば、厚さが1.1mmの薄型基板)であっても、電源3と透明導電膜50とを容易に接続することができる。
透明導電膜50aは、例えば、図2Bに示すように、透光性基板60の表面における一部領域、透光性基板60の1つの側面、および透光性基板60の裏面における一部領域に設けられる。透光性基板60の表面における一部領域とは、その領域が特に限定されるものではないが、少なくとも、表面における縦の長さが1mm以上、表面における横の長さ1mm以上の領域であればよい。透光性基板60の裏面における一部領域とは、その領域が特に限定されるものではないが、少なくとも、裏面における縦の長さが1mm以上、裏面における横の長さ1mm以上の領域であればよい。透明導電膜50aは、透光性基板60の表面に対する膜厚と、透光性基板60の裏面に対する膜厚とを等しくするのが望ましい。
透明導電膜50bは、例えば、図2Bに示すように、一部が透光性基板60の裏面における透明導電膜50aの一部領域と重なり、且つ、透光性基板60の裏面における画像取得領域60Dに設けられる。透明導電膜50bが透明導電膜50aと繋がるように設けられることで、電源3から透明導電膜50を介した光電変換膜30への電圧供給が容易となり、さらに、光Xに応じた接合型固体撮像素子100の画像取得に悪影響が生じないように、透明導電膜50における導電性を十分に確保することができる。
画像取得領域60Dは、例えば、縦の長さが光電変換膜30の成膜面より長くなるように設定され、横の長さが光電変換膜30の成膜面より短くなるように設定されていてよい。画像取得領域60Dは、例えば、縦の長さが13.95mmであり、横の長さが25.0mmであってよい。このように設定された画像取得領域60Dに、透明導電膜50bが形成されることで、信号読み出し回路基板10側への漏れ電流の発生を防止できる。
透明導電膜50は、透光性を有し、導電性に優れた材料で形成されることが好ましい。このような材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化亜鉛スズ)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、SnO(酸化スズ)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、Au(金)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、Zn(亜鉛)などが挙げられる。透明導電膜50は、膜厚が、特に限定されるものではないが、光透過率および抵抗値を考慮すると、5nm以上50nm以下であることが好ましい。
なお、接合型固体撮像素子100は、導電性ペーストなどにより、透明導電膜50のN部と電圧供給部11との間に配線が貼り付けられることで、透明導電膜50と電圧供給部11とが電気的に接続され、信号出力7により画像取得を実現する構成であってもよいし、あるいは、電源3から透明導電膜50のN部へ電源供給し、信号出力7により画像取得を実現する構成であってもよい。
図3は、本実施形態に係る透光性基板60の構成の一例を示す外観写真である。
透光性基板60は、例えば、縦の長さが13.0mm、横の長さが20.0mm、厚さが0.1mmであってよい。透明導電膜50aは、例えば、縦の長さが1.0mm、横の長さが20.0mm、断面部の厚さが0.1mmであってよい。透明導電膜50bは、例えば、縦の長さが11.3mm、横の長さが18.1mmであってよい。
但し、透明導電膜50aは、いずれかの箇所で透明導電膜50bと、透光性基板60上で電気的に接触していることが必要である。
なお、透光性基板60及び透明導電膜50bのサイズは、作製する固体撮像素子によって、適宜設定することができる。
図3に示すように、表面から裏面における画像取得領域60Dへと繋がる透明導電膜50を備える透光性基板60を実際に製造可能であることで、従来のように、透光性基板の端部にテーパ加工を施すなど、透光性基板の加工に手間とコストをかけずとも、電源3と透明導電膜50との接続を容易とすることができる。
本実施形態に係る接合型固体撮像素子100は、透光性基板60が、表面から裏面における画像取得領域60Dへと繋がる透明導電膜50を備える。これにより、製造上の手間およびコストを抑えた接合型固体撮像素子100が備える透光性基板60を実現できる。さらに、透光性基板が極薄基板であり、基板に対するテーパ加工自体が困難である場合には、特に有用な透光性基板60を実現できる。
<透光性基板の製造方法>
図4A乃至図5Bを参照して、本実施形態に係る接合型固体撮像素子100に用いられる透光性基板60の製造方法の一例について説明する。
接合型固体撮像素子100に用いられる透光性基板60の製造方法は、透光性基板60の表面、側面、および裏面に第1スパッタリングを施して、表面から裏面へと繋がる第1透明導電膜(透明導電膜50a´)を形成する工程(S101)と、第1透明導電膜上に第2スパッタリングを施して、表面から裏面へと繋がる第2透明導電膜(透明導電膜50a)を形成する工程(S102)と、裏面における画像取得領域60Dに第3スパッタリングを施して、一部が第2透明導電膜と重なる第3透明導電膜(透明導電膜50b)を形成する工程(S103)と、を含む。
以下、各工程の詳細を順次説明する。なお、同一の構成要素に同一の参照番号を付しており、各構成要素の材料、膜厚などの説明は既述のとおりであり、重複する説明を省略する。
ステップS101において、作業者は、固定用ネジ303a,303bを緩めてターンテーブル301上に設けられる固定用治具302に透光性基板60を装填し、固定用ネジ303a,303bを締めて固定用治具302に透光性基板60を固定する(図5A参照)。当該固定用ネジ303a,303bを調整することで、透光性基板60の厚さが変化しても、固定用治具302に透光性基板60を装填あるいは固定することができ、ターンテーブル301に設置される。透光性基板60は、例えば、図3に示したような、縦の長さが13.0mm、横の長さが20.0mm、厚さが0.1mmである単結晶サファイア基板であってよい。
ターンテーブル301は、大きさ、形状が特に限定されるものではないが、例えば、半径200mmの円形状であってよい。ターンテーブル301は、図5Bに描かれる矢印方向に回転する。
固定用治具302は、例えば、テフロン(登録商標)、プラスチック、アクリル、ステンレス、アルミニウムなどの材料で形成されることが好ましい。固定用治具302が、例えば、テフロンで形成される場合、透光性基板60に、傷または欠けが生じることを抑制することができる。
次に、作業者は、材料源となるITOターゲット304を、ターンテーブル301の中心から距離b(例えば、85.0mm)ずらした直径a(例えば、76.2mm)の円領域に配置し、円領域の中心を外した半径c(例えば、60mm)の軌道上に、透光性基板60を配置する(図5B参照)。ITOターゲット304は、底にマグネットが設置されているため、このような軌道上に透光性基板60を配置することで、ターンテーブル301の内周側における透光性基板60に、ターンテーブル301の外周側における透光性基板60より、多くのITOを付着させることができる。つまり、ITOターゲット304に対して、透光性基板60を傾斜させずに、透光性基板60の側面を向けるのみで、透光性基板60の側面は勿論のこと、ターンテーブル301の内周側における透光性基板60に形成されるITO膜の膜厚が、ターンテーブル301の外周側における透光性基板60に形成されるITO膜の膜厚より厚くなるように、透光性基板60の表面あるいは裏面にITOターゲット304を付着させることができる。
次に、作業者は、スパッタリング装置を用いて、透光性基板60の表面、側面、および裏面に、第1スパッタリングを施す。これにより、表面から裏面へと繋がる透明導電膜50a´が形成される(図4B参照)。
成膜条件は、例えば、酸素ガス分圧:7.6×10-3Pa、アルゴンガス分圧:6.0×10-1Pa、成膜時間:12分であってよい。透明導電膜50a´は、透光性基板60の表面に対する膜厚が、透光性基板60の裏面に対する膜厚より厚くなる。また、透明導電膜50a´は、透光性基板60の側面に対する膜厚が、例えば、30nm程度である。
ステップS102において、作業者は、透光性基板60を支えている固定用治具302を、180度回転させた後、スパッタリング装置を用いて、透明導電膜50a´に、第2スパッタリングを施す。これにより、表面から裏面へと繋がる透明導電膜50aが形成される(図4C参照)。
成膜条件は、例えば、酸素ガス分圧:7.6×10-3Pa、アルゴンガス分圧:6.0×10-1Pa、成膜時間:12分であってよい。透明導電膜50aは、透光性基板60の表面に対する膜厚と、透光性基板60の裏面に対する膜厚と、が等しくなる。透明導電膜50aは、透光性基板60の側面に対する膜厚が、例えば、60nm程度である。
ステップS103において、作業者は、スパッタリング装置を用いて、透光性基板60の裏面における画像取得領域60Dに、第3スパッタリングを施す。これにより、一部が透明導電膜50aと重なる透明導電膜50bが形成される(図4D参照)。
成膜条件は、例えば、酸素ガス分圧:7.6×10-3Pa、アルゴンガス分圧:6.0×10-1Pa、成膜時間:1分であってよい。透明導電膜50bは、透光性基板60の裏面に対する膜厚が、例えば、10nm程度である。
上述した製造方法により、表面から裏面における画像取得領域60Dへと繋がる透明導電膜50を備える透光性基板60を製造することで、製造上の手間およびコストを抑えつつ、電源3と透明導電膜50との接続を容易とした接合型固体撮像素子100を実現できる。なお、ステップS101とステップS102において、先に厚い透明導電膜を形成する面は、表面と裏面のどちらであってもよい。
<検証>
図6Aおよび図6Bを参照して、透明導電膜50a´,透明導電膜50a、透明導電膜50bにおける抵抗値の測定結果の一例について説明する。
プローバー(先端の直径φ=0.2mm)を使用し、2点の測定箇所の間隔を2mmとした際の抵抗値を、テスターによって測定した。抵抗値の数値が小さい程、透明導電膜の導通性能が良いことを示し、抵抗値の数値が大きい程、透明導電膜の導通性能が悪いことを示している。
裏面における透明導電膜50a´の抵抗値、すなわち、測定箇所A-Bの抵抗値は、1.5kΩであった。
表面における透明導電膜50a´の抵抗値、すなわち、測定箇所C-Dの抵抗値は、2.0MΩであった。
側面における透明導電膜50a´の抵抗値、すなわち、測定箇所E-Fの抵抗値は、1.2kΩであった。
裏面と表面との間における透明導電膜50a´の抵抗値、すなわち、測定箇所G-Hの抵抗値は、500kΩであった。
裏面における透明導電膜50aの抵抗値、すなわち、測定箇所A-Bの抵抗値は、1.5kΩであった。
表面における透明導電膜50aの抵抗値、すなわち、測定箇所C-Dの抵抗値は、3.5kΩであった。
側面における透明導電膜50aの抵抗値、すなわち、測定箇所E-Fの抵抗値は、600Ωであった。
裏面と表面との間における透明導電膜50aの抵抗値、すなわち、測定箇所G-Hの抵抗値は、3kΩであった。
裏面と表面との間における透明導電膜50bの抵抗値、すなわち、測定箇所G-Hの抵抗値は、3kΩであった
測定結果を参照すると、3回のスパッタリング後における測定箇所G-Hの抵抗値が、5MΩ以下となっていた。つまり、接合型固体撮像素子100における映像出力は、問題無いことがわかった。また、各スパッタリング後における測定箇所A-Bの抵抗値、測定箇所C-Dの抵抗値、測定箇所E-Fの抵抗値、測定箇所G-Hの抵抗値が、全て3MΩ以下となっていた。つまり、接合型固体撮像素子100として、良好に動作する見通しを得られることがわかった。
<接合型固体撮像素子の製造方法>
本実施形態に係る接合型固体撮像素子100の製造方法の一例について、簡単に説明する。
まず、パッケージ1にアッセンブルされた信号読み出し回路基板10(例えば、縦25.0mm×横31.2mm)上に、例えば、基板回転式抵抗加熱蒸着法(真空度:1.0×10-5Pa)により膜厚150nmの第1非晶質セレン膜を形成する。そして、上述したように、第1スパッタリング、第2スパッタリング、第3スパッタリング、と3回のスパッタリングが施されることで形成された透明導電膜50(50a,50b)を備える透光性基板60上に、例えば、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法、真空蒸着法などにより膜厚20nmの酸化ガリウム膜からなる正孔注入阻止強化層40を形成し、酸素雰囲気中で800度、60分の高温処理を施して、透明導電膜50および酸化ガリウム膜を結晶成長させる。そして、酸化ガリウム膜上に、例えば、基板回転式抵抗加熱蒸着法(真空度:1.0×10-5Pa)により膜厚150nmの第2非晶質セレン膜を形成する。そして、これらの非晶質セレン膜に加熱および加圧を施して接合し、結晶化させて、結晶セレンからなる光電変換膜30を形成する。第1非晶質セレン膜と第2非晶質セレン膜との接合プロセスの詳細については、非特許文献1を参照できる。
<変形例>
本実施形態では、透光性基板60が、接合型固体撮像素子100に適用される場合を一例に挙げて説明したが、透光性基板60の用途は、これに限定されない。例えば、透光性基板60は、撮像管、冷陰極撮像素子、真空管などの真空デバイスに適用されてもよい。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態により制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形または変更が可能である。
1 パッケージ
2 ボンディングワイヤ
3 電源
7 信号出力
10 信号読み出し回路基板
11 電圧供給部
20 電子注入阻止強化層
30 光電変換膜
40 正孔注入阻止強化層
50,50a´,50a,50b 透明導電膜
60 透光性基板
60D 画像取得領域
100 接合型固体撮像素子

Claims (7)

  1. 接合型固体撮像素子に用いられる透光性基板であって、
    表面から裏面における画像取得領域へと繋がる透明導電膜を備える、
    透光性基板。
  2. 前記透明導電膜は、
    酸化インジウムスズ、酸化亜鉛スズ、酸化スズ、金、アルミニウム、銅、モリブデン、および亜鉛の何れか一つの材料で形成される、
    請求項1に記載の透光性基板。
  3. 前記透光性基板は、
    単結晶サファイア、石英、光学ガラス、ベリリウム、アクリル、およびプラスチックの何れか一つの材料で形成される、
    請求項1又は2に記載の透光性基板。
  4. 前記透光性基板は、
    長方形、正四角形、台形、多角形、円形、またはフレキシブルである、
    請求項1又は2に記載の透光性基板。
  5. 信号読み出し回路基板と、電子注入阻止強化層と、光電変換膜と、正孔注入阻止強化層と、表面から裏面における画像取得領域へと繋がる透明導電膜を備える透光性基板と、をこの順に備える、
    接合型固体撮像素子。
  6. 接合型固体撮像素子に用いられる透光性基板の製造方法であって、
    前記透光性基板の表面、側面、および裏面に第1スパッタリングを施して、前記表面から前記裏面へと繋がる第1透明導電膜を形成する工程と、
    前記第1透明導電膜上に第2スパッタリングを施して、前記表面から前記裏面へと繋がる第2透明導電膜を形成する工程と、
    前記裏面における画像取得領域に第3スパッタリングを施して、一部が前記第2透明導電膜と重なる第3透明導電膜を形成する工程と、
    を含む透光性基板の製造方法。
  7. 前記第1透明導電膜は、前記表面と前記裏面の一方が他方よりも厚く形成され、
    前記第2透明導電膜は、前記表面と前記裏面の他方が一方よりも厚く形成される、
    請求項6に記載の透光性基板の製造方法。
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