JP2023183213A - パラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パラレルリンク機構の動作を最適に制御するための、パラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法を提供する。【解決手段】複数の直動アクチュエータ54を有するパラレルリンク機構50の機械インピーダンス推定方法であって、パラレルリンク機構50に所定の衝撃F1が付与された後のパラレルリンク機構50の挙動からパラレルリンク機構50の各直動アクチュエータ54の粘性および剛性を含む第1のパラメータ群を推定する第1のパラメータ推定工程を有する。【選択図】図3

Description

本発明はテープ貼付装置などパラレルリンク機構を有する装置におけるパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法に関する。
予め樹脂が含浸された炭素繊維等の繊維束をテープ状に成形したもの(プリプレグテープ、UDテープなどとも呼ぶ)を被貼付面に貼付けてゆくことで、所望の形状をした繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)成形品を製造する方法が知られている。
これらの製法は、ATL(Auto Tape Layup)、ATW(Auto Tape Welding)、AFP(Auto Fiber Placement)など種々の称呼があるが、これらは厳密に区別されているものでない。本明細書に於いては、テープを押圧しながら被貼付面に貼付けていく製法を総称してATLと呼び、その装置(テープ貼付装置)をATL装置と呼ぶこととする。
従来のATL装置の一例が下記の特許文献1に開示されている。
特許文献1記載のATL装置は、多関節ロボットのアーム先端にATLヘッドが取り付けられている。前記ATLヘッドは、テープを保持搬送するフィーダー、テープ及び/又はワークの被貼付面を加熱するヒータ、及びテープを被貼付面に貼り付ける押圧ローラを含んで構成されている。
前記ワークは、例えば、熱可塑性樹脂の射出成型品であって、様々な形状(3次元形状)を有しており、設計上の形状、寸法に対して形状誤差を有していることが多い。
そのため、特許文献1に開示されたような前記多関節ロボットによる前記ATLヘッドの姿勢制御では、前記押圧ローラによる前記ワークの被貼付面への押圧が不十分な箇所が生じたりして、押圧状態にばらつきが生じることがあり、前記被貼付面に対する押圧ローラの押圧状態を一定に保つことが難しいという課題があった。
係る課題を解決するために本出願人らは、下記の特許文献2に開示されたATL装置を提案した。特許文献2記載のATL装置は、ATLヘッドが、押圧部と、パラレルリンク機構とを備えた構成となっている。
特許文献2記載のATL装置によれば、前記パラレルリンク機構の動作制御により、ワークの被貼付面にテープを押し付ける前記押圧部の押圧位置及び/又は押圧姿勢を前記被貼付面の形状に倣うように動作させることが可能となり、前記ワークが幾らかの形状誤差を有している場合であっても、前記被貼付面に対する前記押圧部の押圧状態を一定に保つことが可能となり、前記テープの貼付性能を高めることが可能となった。
特開2018-149730号公報 特開2020-147035号公報
上記特許文献2のようにパラレルリンク機構を備えたATL装置においてパラレルリンク機構の動作を正確に制御するためには、パラレルリンク機構の機械インピーダンスがあらかじめ推定されていることが好ましいが、パラレルリンク機構では、特許文献2において複数のリンク部がエンド部に取り付けられているように、複数の直動アクチュエータが1つの制御対象に取り付けられるよう構成されており、単一の直動アクチュエータの機械インピーダンスを推定するのと比較して機械インピーダンスを推定することが困難である。一方、仮に機械インピーダンスの推定なしにたとえばフィードフォワードによってパラレルリンク機構を制御しようとしても、制御誤差が大きくなり、応答精度が低下する。そして、この応答精度の低下をカバーするためにPID制御のようなフィードバック制御を行う場合には、PID制御におけるP(比例)、I(積分)、D(微分)の各パラメータのチューニングはオペレータが経験則的に行うことが一般的であり、このような制御形態ではパラレルリンク機構の理想的な制御が困難となるおそれがあった。
本願発明は、上記問題点を鑑み、パラレルリンク機構の動作を正確に制御するための、パラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法は、複数の直動アクチュエータを有するパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法であって、前記パラレルリンク機構に所定の衝撃が付与された後の前記パラレルリンク機構の挙動から前記パラレルリンク機構の各前記直動アクチュエータの粘性および剛性を含む第1のパラメータ群を推定する第1のパラメータ推定工程を有することを特徴としている。
本発明のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法では、第1のパラメータ推定工程によって、一度の衝撃の付与により複数の直動アクチュエータの特性を同時に推定することができ、容易にパラレルリンク機構全体の機械インピーダンスを推定することが可能である。
また、前記パラレルリンク機構が重力下において静止した状態における各前記直動アクチュエータにかかる荷重から各前記直動アクチュエータの慣性を含む第2のパラメータ群を推定する第2のパラメータ推定工程をさらに有すると良い。
こうすることにより、パラレルリンク機構の重心位置が偏っている場合にその重心位置を推定することができ、パラレルリンク機構全体の機械インピーダンスをさらに正確に推定することが可能である。
また、前記衝撃は、前記パラレルリンク機構の外部から機械的に付与される外的衝撃であっても良い。
また、前記衝撃は、前記パラレルリンク機構の各前記直動アクチュエータそのものによって引き起こされる衝撃的運動であっても良い。
本発明のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法を用いることにより、パラレルリンク機構の動作を正確に制御することができる。
パラレルリンク機構を有するテープ貼付装置を説明する図である。 図1に示すテープ貼付装置において、パラレルリンク機構の動作によってテープの押圧姿勢が変化した状態を説明する図である。 本発明の一実施形態のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法における第1のパラメータ推定工程を説明する図である。 本発明の一実施形態のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法における第2のパラメータ推定工程を説明する図である。 本発明の他の実施形態のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法における第1のパラメータ推定工程を説明する図である。
本発明の一実施形態におけるパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法が用いられうるテープ貼付装置(ATL装置とも呼ぶ)について、図1を参照してまず説明する。図1(a)は正面図であり、図1(b)は図1(a)におけるAA矢視図である。なお、以下の説明では、テープ1の貼付方向をY軸方向、これと水平面で直交する方向をX軸方向、X軸及びY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明する。
ATL装置10は、ワーク2の被貼付面2a上に図示しないフィーダーにより搬送されたテープ1を所定の貼付方向(Y軸方向)に貼り付けることにより、テープ1で補強された成型品を製造するための装置であり、パラレルリンク機構50を備えるATLヘッド20を含んで構成されている。
テープ1は、例えば、繊維束の少なくとも一部に予め樹脂を含浸させてテープ状にしたものであり、熱可塑性の樹脂が含浸されたもの(UDテープとも呼ばれる)や、熱硬化性の樹脂が含浸されたもの(プリプレグテープとも呼ばれる)などが適用され得る。テープ1は、炭素繊維を含むものでもよいし、樹脂テープに多数の短い繊維が混ぜ込まれたものでもよい。テープ1は、ワーク2の材質などに応じて、その種類が適宜選択され得る。また、テープ1は、複数のテープが並列に配置された形態のものであってもよい。
ワーク2は、例えば、3次元形状を有する成型品であり、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂などの樹脂製の成型品であってもよいし、金属製の成型品などであってもよい。
ATLヘッド20は、ハンドリングロボット80に取り付けられており、このハンドリングロボット80によってATLヘッド20全体をワーク2に離接させる。ハンドリングロボット80は、少なくとも1軸方向に対象物を移動させる汎用産業用ロボット、例えば、ガントリ構造体(直交座標形機構ともいう)で構成してもよいし、多関節ロボット(シリアル多関節機構ともいう)で構成してもよい。ハンドリングロボット80は、ATLヘッド20を少なくともXYZ軸方向に並進運動可能な機構(3自由度)を備えているものが好ましい。ハンドリングロボット80の動作制御は、ロボット制御部80aにより実行される。
ATLヘッド20は、押圧部30とパラレルリンク機構50とを含んで構成されている。また、パラレルリンク機構50は、エンド部40と、ベース部60と、エンド部40とベース部60を接続する複数のリンク部51から構成される。
押圧部30は、図示しないフィーダーによって搬送されたテープ1をワーク2の被貼付面2aとの間に挟持、押圧しつつテープ1を被貼付面2aに貼り付けるものである。
押圧部30は、テープ1を押圧するローラ31を有し、さらにローラ31を回転軸31a周りに回転可能に支持するローラ支持部32を備えている。ローラ支持部32は、ローラ31の長手(回転軸31a)方向両側に配設されている。
パラレルリンク機構50は、押圧部30の押圧位置及び/又は押圧姿勢を被貼付面2aに倣うように動作するものである。
エンド部40は、押圧部30を保持する平板であり、エンド部40のリンク部51が取り付けられた面とは反対側の面に押圧部30が取り付けられている。
ベース部60は、パラレルリンク機構50のエンド部40側とは反対側を保持するものであり、ベース部60にハンドリングロボット80が取り付けられている。
パラレルリンク機構50は、ベース部60とエンド部40との間に並列に設けられる複数のリンク部51を備えている。これら各リンク部51は、両端に自在継手52、53と、これら自在継手52、53の間に設けられる直動アクチュエータとしてのエアシリンダ54とを含んで構成されている。リンク部51の本数は特に限定されない。例えば、リンク部51は4本で構成されてもよいし、3本~6本で構成されてもよい。
エアシリンダ54は、例えば、シリンダ部54aと、シリンダ部54a内の圧力に応じて進退するロッド部54bと、シリンダ部54a内の圧力を検出する圧力センサ54cと、ロッド部54bの変位を検出する変位センサ54dとを備えている。
シリンダ部54aは、圧力センサ54cを介してサーボバルブ54eに接続されている。サーボバルブ54eは、シリンダ部54a内への空気の流入量や排気量を調整し、シリンダ部54aの両室の差圧を制御する。サーボバルブ54eは、コンプレッサなどの圧縮した空気を出力する空気圧供給部54fに接続されている。圧力センサ54cで検出された圧力信号と、変位センサ54dで検出された変位信号とは、それぞれATLヘッド制御部54gに出力される。
ATLヘッド制御部54gには、ワーク2の被貼付面2aの3次元座標データの他、これら3次元座標データ、圧力信号、変位信号などに基づいてATLヘッド20各部の動作を制御するプログラムなどが記憶されている。ATLヘッド制御部54gは、汎用のコンピューター装置で構成されてもよい。また、ATLヘッド制御部54gとロボット制御部80aとが1つの制御部で構成されてもよい。
パラレルリンク機構50は、複数のリンク部51の各々の長さをエアシリンダ54でそれぞれ制御することにより、エンド部40の位置(並進)及び/又は姿勢(回転)を変化させて、ローラ31の押圧位置及び/又は押圧姿勢を被貼付面2aの形状に倣うように動作させる機能を備えている。
なお、本実施形態では、パラレルリンク機構50には、エンド部40を変位させることにより、ローラ31をロールピッチ(θx)方向に回動可能な自由度を有するものを採用している。また、パラレルリンク機構50の自由度は、ハンドリングロボット80の動作機能(自由度)を考慮して設定してもよい。また、ハンドリングロボット80の動作機能に関わらずに、パラレルリンク機構50が、6自由度機構、すなわち、6方向(並進3方向、回転3方向)に運動させる機構を備えてもよい。
ATLヘッド制御部54gは、各エアシリンダ54の圧力センサ54cや変位センサ54dから取り込んだ検出信号を用いて、各エアシリンダ54のサーボバルブ54eの動作(加圧動作又は減圧動作)を制御する。そして、ATLヘッド制御部54gは、サーボバルブ54eの動作制御により、各エアシリンダ54のシリンダ部54a内の圧力及び/又はロッド部54bの変位を制御して、ローラ31の押圧位置及び/又は押圧姿勢が被貼付面2aの形状に倣うようにエンド部40の変位を制御する処理を実行する。
ATLヘッド制御部54gは、エンド部40の変位制御において、望ましいコンプライアンス特性を得る観点からインピーダンス制御を行うように構成されている。このインピーダンス制御では、エンド部40に慣性、粘性、剛性からなる機械的インピーダンスを仮想的に実現させるようアクチュエータ推力が制御される。例えば、前記インピーダンス制御では、目標インピーダンスである慣性、粘性、剛性のパラメータが設定される。そして、エンド部40の位置及び姿勢の目標値に対するエンド部40の変位を計測し、エンド部40の変位とエンド部40が外部へ与える力との関係が所定の関係(インピーダンス制御則)を満たすようにパラレルリンク機構50の動作を制御する。
また、ATLヘッド制御部54gは、エンド部40の変位を制御する際に、目標とするエンド部40の位置及び姿勢を実現するための各エアシリンダ54のロッド部54bの長さ(変位)を計算する。そして、これら計算値が各エアシリンダ54のロッド部54bの長さの目標値として記憶される。ATLヘッド制御部54gは、これら記憶された目標値と、貼付動作時における各エアシリンダ54の変位センサ54dの出力値とを比較して、目標値になるようにフィードバック制御を行ってもよい。なお、前記目標値には、ワーク2の形状誤差が加味された、各エアシリンダ54のロッド部54bの長さが設定されてもよい。また、目標とするエンド部40の位置及び姿勢は、ワーク2の3次元座標データに基づく動作軌跡に対し、直交する方向(法線方向)からローラ31で被貼付面2aを押圧するためのエンド部40の位置及び姿勢である。
次に、図1に示すテープ貼付装置において、パラレルリンク機構の動作によってテープの押圧姿勢が変化した状態を図2に示す。
ATL装置10では、上記の通りパラレルリンク機構50によってエンド部40を変位させ、押圧部30の押圧位置及び/又は押圧姿勢を被貼付面2aに倣うように動作させる。具体的には、被貼付面2aの傾きに応じて(本実施形態では図2に示すように被貼付面2aとエンド部40が平行となるように)パラレルリンク機構50がエンド部40の傾きを調節し、押圧部30の特定の位置がテープ1もしくは被貼付面2aと当接するようにすることで、正確な押圧姿勢で押圧部30にテープ1を押圧させる。
なお、この特定の位置とは、本実施形態では押圧部30のローラ31におけるエンド部40からもっとも遠い位置であり、本説明ではその位置をTool-Center-Point(TCP)と呼ぶ。このTCPにおいてローラ31がテープ1もしくは被貼付面2aと当接する状態において、パラレルリンク機構50がエンド部40をエンド部40の厚さ方向(図1(a)におけるZ軸方向)に変位させるように動作することにより、ローラ31はテープ1もしくは被貼付面2aを法線方向に押圧する。
次に、本発明の一実施形態のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法における第1のパラメータ推定工程を、図3を用いて説明する。図3(a)は一実施形態における第1のパラメータ推定工程を行うための動作を示し、図3(b)は本実施形態の第1のパラメータ推定工程を行うための動作の変形例を示しており、この第1のパラメータ推定工程を行うことにより、パラレルリンク機構の機械インピーダンスを推定している。
ここで、本説明においてパラレルリンク機構50が有する複数のリンク部51のうちn番目のリンク部51のエアシリンダ54の機械インピーダンスZを式(1)の運動方程式で表す。ここで、MはATLヘッド20における押圧位置(本実施形態では、上記TCP)にかかる機構の荷重に対する各エアシリンダ54における分力(いわゆる慣性)、Dはエアシリンダ54のダンパ係数(いわゆる粘性)、Kはエアシリンダ54のばね定数(いわゆる剛性)、aはエアシリンダ54の加速度、vはエアシリンダ54の速度、xはエアシリンダ54の変位である。
=Ma+Dv+Kx ・・・(1)
このとき、複数のリンク部51が組み合わさってパラレルリンク機構50が組み上げられる一方、上記のパラメータのうちDとKが未知であった場合、これら未知のパラメータを推定することによって、押圧部30の最適な姿勢制御ができるようになる。
その場合、まず図3(a)に示す通りエンド部40といったパラレルリンク機構50により制御されるものに対しインパルス入力に近い機械的衝撃F1が与えられる。なお、本実施形態において、この機械的衝撃F1はパラレルリンク機構50の重心に向かって与えられる力であり、パラレルリンク機構50に回転方向の動作を生じさせないいわゆる並進方向の力となっている。
エンド部40に機械的衝撃F1が与えられると、図3(a)に鎖線で示すように、エンド部40はその機械的衝撃F1の付与方向(図3(a)に示す矢印の方向(+X軸方向))に一旦変位し、その後パラレルリンク機構50が有する機械インピーダンス特性に応じた往復変位が生じた後に機械的衝撃F1の付与前の位置へ戻る挙動を示す。その挙動を測定した結果をもとに、それぞれのエアシリンダ54においてパラメータD、Kを含む第1のパラメータ群を一度に推定することができる。本説明では、この第1のパラメータ群を推定する工程を、第1のパラメータ推定工程と呼ぶ。
この第1のパラメータ群の推定にあたっては、たとえば公知の代数的求解手法により式(1)で表されるシステムの伝達関数を推定することが行われても良い。この代数的求解手法のほかにも、たとえば解析的手法、人工知能による方法など公知の方法も用いられうる。
なお、このような並進方向の機械的衝撃は、パラレルリンク機構50が変形しやすい方向から加えることが好ましい。
また、1方向からだけでなく互いに異なる方向からの機械的衝撃の付与を複数回実施し、これら実施の結果を総合してパラレルリンク機構50の機械インピーダンスを推定しても良い。
このような第1のパラメータ推定工程を実施することによって、パラレルリンク機構50を構成する複数の直動アクチュエータ(エアシリンダ54)の機械インピーダンスにかかるパラメータを同時に推定することにより、パラレルリンク機構50全体の機械インピーダンスを推定することができる。そして、この推定された機械インピーダンスに基づき、パラレルリンク機構50の動作を正確に制御することができる。
また、本実施形態の第1のパラメータ推定工程において機械的衝撃を付与することによってパラレルリンク機構50の機械インピーダンスを推定するにあたり、図3(a)に示すように機械的衝撃F1を並進方向に加える以外にも、図3(b)に示す通り、パラレルリンク機構50により制御される側(エンド部40)に対しモーメントを発生させる衝撃的外力F2が与えられても良い。
このようにモーメントを発生させるような衝撃的外力F2がエンド部40に付与されることにより、図3(b)に鎖線で示すように、エンド部40は回転するように一旦変位し、その後パラレルリンク機構50が有する機械インピーダンス特性に応じた往復変位が生じた後に衝撃的外力F2の付与前の位置へ戻る挙動を示す。その挙動を測定した結果をもとに、それぞれのエアシリンダ54においてパラメータD、Kを含む第1のパラメータ群を一度に推定しても良い。なお、このようにモーメントを発生させる衝撃的外力は、偶力であっても良い。
次に、本発明の一実施形態のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法における第2のパラメータ推定工程を、図4を用いて説明する。
パラレルリンク機構50はエンド部40と接続するよう複数のリンク部51が並列に設けられているという特徴があることから、各リンク部51のエアシリンダ54において上記式(1)においてパラメータMを推定するにあたり、パラレルリンク機構50の重心位置情報が密接に関連する。
特に、パラレルリンク機構50の重心位置が偏っている場合では複数のエアシリンダ54において式(1)のパラメータMは均等ではないため、各エアシリンダ54におけるパラメータMを推定することによってパラレルリンク機構50の機械インピーダンスをさらに正確に推定できる。ただし、図3(a)、(b)で示したような衝撃付与後のパラレルリンク機構50の復帰挙動にはこのパラメータMは関与せず、上記第1のパラメータ推定工程ではパラメータMの推定はできない。
これに対し、本発明では第1のパラメータ推定工程とは別に、パラレルリンク機構50が重力下において静止した状態における各エアシリンダ54にかかる荷重から各エアシリンダ54の慣性(パラメータM)を含む第2のパラメータ群を推定する工程を実施する。
具体的には、各エアシリンダ54によってエンド部40および押圧部30が所定の姿勢で吊り下がり、かつ静止している状態において、各エアシリンダ54にかかる荷重を確認している。特にエアシリンダ54は空気圧で制御されているため、シリンダ部54a内の差圧(図4に示す圧力V1と圧力V2の差)、すなわち2つの圧力センサ54cの測定値の差がこの状態における各エアシリンダ54の荷重である。
上記所定の姿勢において各エアシリンダ54の荷重を測定することにより、各エアシリンダ54の上記式(1)におけるパラメータMを含む第2のパラメータ群を一度に推定することができる。また、第2のパラメータ群の推定結果からパラレルリンク機構50の重心位置も推定することが可能である。なお、本説明では、この第2のパラメータ群を推定する工程を、第2のパラメータ推定工程と呼ぶ。
最後に、第1のパラメータ推定工程と第2のパラメータ推定工程とで得られた結果を合わせ、各エアシリンダ54の機械インピーダンスを完全に推定し、パラレルリンク機構50全体の機械インピーダンスを推定する。本説明では、これを機械インピーダンス推定工程と呼ぶ。この機械インピーダンス推定工程を行うことにより、パラレルリンク機構の動作を正確に予測し、最適に制御することができるようになる。
次に、本発明の他の実施形態における第1のパラメータ推定工程にかかる動作を、図5に示す。
この実施形態における第1のパラメータ推定工程では、機械的衝撃を外部から付与するのに代わり、パラレルリンク機構50の各エアシリンダ54そのものによって引き起こされる衝撃的運動を用いている。具体的には、ATLヘッド制御部54gからの制御により図5に矢印で示すインパクト入力に近い所定の衝撃F3をエアシリンダ54に付与することによってエアシリンダ54を瞬時に伸長させている。さらに具体的には、ATLヘッド制御部54gが衝撃F3に応じたインパルス状の制御信号をサーボバルブ54eに入力している。この制御信号に基づいてサーボバルブ54eが図示しない弁を操作して、前記制御信号の大きさに応じた量の空気を空気圧供給部54fからシリンダ部54a内のベース部60側の空間に流入させる、あるいはシリンダ部54a内のエンド部40側の空間から流出させる。この空気の流入あるいは流出により、シリンダ部54aの内部では急激な空気圧の変化が生じるため、空気圧が安定する方向(エアシリンダ54を伸長させる方向)にロッド部54bが変位する。
この衝撃的運動の実施後の各エアシリンダ54の復帰挙動を測定した結果をもとに、図3に示した実施形態と同様、それぞれのエアシリンダ54におけるパラメータD、Kを含む第1のパラメータ群を推定することができる。そのため、インパクトハンマーなど器具を別途準備することなく、パラレルリンク機構50単体で本発明の第1のパラメータ推定工程を行うことができる。
以上のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法を用いることにより、パラレルリンク機構の動作を最適に制御することが可能である。
ここで、本発明のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法は、以上で説明した形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、上記の説明ではパラレルリンク機構は複数のエアシリンダから構成されているが、これに限らず、たとえば油圧シリンダ、モータ駆動のシリンダといった直動アクチュエータから構成されていても良い。
また、上記の説明では第1のパラメータ推定工程ではインパルス入力に近い機械的衝撃を与えるようにしているが、ステップ入力となるような力をパラレルリンク機構50に付与するようにしても良い。
また、上記の説明では衝撃F3はエアシリンダ54を伸長させる力としているが、エアシリンダ54を短くする力であっても構わない。
また、上記の説明では第1のパラメータ推定工程と第2のパラメータ推定工程の両方を行うことによりパラレルリンク機構50の機械インピーダンスの推定を実施しているが、各エアシリンダ54に均等に荷重がかかるような重心位置をパラレルリンク機構50が有しているのであれば、第2のパラメータ推定工程を省略してパラレルリンク機構50の機械インピーダンスの推定を実施しても良い。
1 テープ
2 ワーク
2a 被貼付面
10 ATL装置
20 ATLヘッド
30 押圧部
31 ローラ
31a 回転軸
32 ローラ支持部
40 エンド部
50 パラレルリンク機構
51 リンク部
52 自在継手
53 自在継手
54 エアシリンダ
54a シリンダ部
54b ロッド部
54c 圧力センサ
54d 変位センサ
54e サーボバルブ
54f 空気圧供給部
54g ATLヘッド制御部
60 ベース部
80 ハンドリングロボット

Claims (4)

  1. 複数の直動アクチュエータを有するパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法であって、
    前記パラレルリンク機構に所定の衝撃が付与された後の前記パラレルリンク機構の挙動から前記パラレルリンク機構の各前記直動アクチュエータの粘性および剛性を含む第1のパラメータ群を推定する第1のパラメータ推定工程を有することを特徴とする、パラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法。
  2. 前記パラレルリンク機構が重力下において静止した状態における各前記直動アクチュエータにかかる荷重から各前記直動アクチュエータの慣性を含む第2のパラメータ群を推定する第2のパラメータ推定工程をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法。
  3. 前記衝撃は、前記パラレルリンク機構の外部から機械的に付与される外的衝撃であることを特徴とする、請求項1に記載のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法。
  4. 前記衝撃は、前記パラレルリンク機構の各前記直動アクチュエータそのものによって引き起こされる衝撃的運動であることを特徴とする、請求項1に記載のパラレルリンク機構の機械インピーダンス推定方法。
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