JP2023183125A - 建造物の補強工法及び建造物 - Google Patents

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Hitoshi Niikura
寛人 石川
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Abstract

【課題】本発明は、建造物の居住空間の堅牢性を含めて、建造物の美観を損なわずに建造物の堅牢性を補強できる建築物の補強方法と、当該補強方法で補強された建築物を提供する。
【解決手段】人及び/又は動物の居住空間1A1及び外壁を備える建造物の補強工法であって、前記居住空間1A1は前記建造物の主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の部分構造部と前記部分構造部の接合部の表面で囲まれており、前記外壁は主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の部分構造部と前記部分構造部の接合部の表面を備え、前記居住空間を囲む前記部分構造部の接合部の表面、及び/又は、前記外壁が備える前記部分構造部の接合部の表面、を含む前記表面の一部又は全部を被覆樹脂材5で被覆する建造物の補強工法。
【選択図】図1-1

Description

本発明は、建造物の接合部隣接壁面を被覆樹脂材で被覆する当該建造物の補強方法及び当該補強方法で補強された建造物に関する。
木造建造物は、木柱を組合わせた軸組に木板を組合わせて建造物の内壁及び外壁を形成し、内壁で囲われた人及び/又は動物(以下「居住者」ともいう。なお、動物にはペット・家畜・実験用動物・閲覧用動物を含む)の居住空間(居住者が生活・作業をする空間)が形成される。
鉄筋コンクリート建造物は、鉄筋を囲った型枠内にコンクリートを充填して硬化させ、鉄筋と硬化コンクリートの複合体である鉄筋コンクリートによって建造物の壁体を構成し、壁体の両面が建造物の内壁と外壁を構成しうることになり、内壁で囲われた人又は動物の居住空間が形成される。
即ち、建造物は少なくとも主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分(以下「付属構造部」ともいう)を除く)で構成され、
建造物における居住空間は、建造物の主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の構造部(以下「部分構造部」という)の表面(以下「部分構造部表面」ともいう)で囲まれており、さらに、建造物の外壁も部分構造部表面で構成される。
なお、本明細書では、部分構造部表面が、居住空間を囲む場合は内壁といい、建造物の外部に向く場合は外壁という。
内壁及び外壁は、多くの場合、その表面が外装材で被覆されているが、デザイン性の観点から、内壁及び/又は外壁の表面がそのまま剥き出しになっている場合もある。
外装材は、建造物全体の強度を向上(言い換えると建造物を補強)するためではなく、専ら、美観、密閉性、保温性、耐燃性、防音性などを向上するために使用される(例えば、特許文献1~3)。
また、建造物の部分構造表面である内壁又は外壁は、さらに、間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分である付属構造部を備える場合がある。
特開平08-170052号公報 特開平11-254567号公報 特開2020-122271号公報
上述した建造物は、主要構造部が老朽化すると共に、耐震性・耐圧性・耐衝撃性等の建造物の強度に関わる機能(以下「堅牢性」ともいう)が劣化する。
しかし、中古建造物の堅牢性の劣化に対して、建造物全体を立替えることは、直接的な立替費用の他、立替中の代替居住空間の確保、騒音・環境汚染対策、周囲環境の保全対策等の経済的コストが大きな負担となる。中古建造物の補強工法も、鉄骨フレームを設置する等種々提案されているが、建造物全体の堅牢性を補強できても、建造物全体の外観の維持が難しい、個々の居住空間の堅牢性の劣化を補うことは容易ではない、等の課題がある。
本発明は、建造物の居住空間の堅牢性を含めて、建造物の美観を損なわずに建造物の堅牢性を補強できる建築物の補強方法と、当該補強方法で補強された建築物を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕人及び/又は動物の居住空間及び外壁を備える建造物の補強工法であって、
前記居住空間は前記建造物の主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の部分構造部と前記部分構造部の接合部の表面で囲まれており、
前記外壁は主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の部分構造部と前記部分構造部の接合部の表面を備え、
前記居住空間を囲む前記部分構造部の接合部の表面、及び/又は、前記外壁が備える前記部分構造部の接合部の表面、を含む前記表面の一部又は全部を被覆樹脂材で被覆する建造物の補強工法(以下「本発明1」ともいう)、並びに、
〔2〕前項〔1〕記載の建造物の補強工法で補強された建造物(以下「本発明2」ともいう)に関する(以下、本発明1及び2をまとめて「本発明」ともいう)。
本発明によれば、建造物の居住空間の堅牢性を含めて、建造物の美観を損なわずに建造物の堅牢性を補強できる建築物の補強工法と、当該補強工法で補強された建築物を提供することができる。
居住空間(1A1)の補強工法の態様例A1の透視図である。本態様の居住空間は、天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1~3)及び床表面(2-1-3)で囲まれている(側壁表面(2-1-2-1~3)以外の側壁表面は図示されていない)。 居住空間(1A1)の補強工法の態様例A1の他の態様の透視図である。 居住空間(1A2)の補強工法の態様例A2の透視図である。本態様の居住空間は、天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1~3)、床表面(2-1-3)、梁表面(2-2-1S,U,2-2-2S,U,2-2-3S,U,)、柱表面(2-3-2-1~2,2-3-3-1~2,2-3-4-1~2)及で囲まれている(前記以外の側壁表面、梁表面及び柱表面は図示されていない)。 居住空間(1A2)の補強工法の態様例A2の他の態様の透視図である。 居住空間(1A2)の補強工法の態様例A2の他の態様の透視図である。 居住空間(1A2)の補強工法の態様例A2の他の態様の被覆樹脂材の被覆部分近傍の模式図であり、図2-4(a)は居住空間(1A2)の鉛直方向の断面の正面図(図中の側壁表面、梁表面及び柱表面以外の部分構造部表面は省略されている)であり、図2-4(b)は図2-4(a)のX-X断面図である。 7階建ビル(建造物(BL))の模式図であり、図3(a)は情報からみた斜視図であり、図3(b)は図3(a)のY-Y断面図である。 居住空間の隅の部分の近傍だけを複層の被覆樹脂材で被覆する場合の模式態様の1例である。 居住空間の隅の部分の近傍だけを複層の被覆樹脂材で被覆する場合の模式態様の1例である。 居住空間の隅の部分の近傍だけを複層の被覆樹脂材で被覆する場合の模式態様の1例である。 居住空間の隅の部分の近傍だけを複層の被覆樹脂材で被覆する場合の模式態様の1例である。 居住空間の隅の部分の近傍だけを複層の被覆樹脂材で被覆する場合の模式態様の1例である。
〔本発明1〕
(居住空間と外壁)
本発明1における居住空間は、建造物の主要構造部である少なくとも床と、壁、柱及びはりからなる群から選ばれる1以上の構造部である部分構造部の表面で囲まれている。
マンションやオフィスビルのような複数の天井を含む居住空間を備える鉄筋コンクリート建造物では、部分構造部は、鉄筋の周囲に充填されたコンクリートが硬化した硬化コンクリートで形成され、硬化コンクリートで形成された部分構造部が接合されて、その表面が、居住空間の天井、床、側壁を形成して、居住空間を囲んでいる。
なお、建造物における、天井を備えない屋上、ベランダの庇以外の部分、バルコニー及びテラスは居住空間に含まれ、これらの居住空間は、床並びに手摺及び/又はパラペットの表面で囲まれている(但し、ベランダの庇は天井に含める)。
居住空間を囲む部分構造部表面は、例えば、天井表面、床表面及び側壁表面で構成され、それぞれが連続した1枚の鉄筋コンクリートパネル又は木造パネルで構成され、それらが接合した接合体の表面が居住空間を囲んでいる形態がありえ、ツーバイフォー工法やプレハブ工法のように、規格化された複数のパネルを接合して各部分構造部のパネル(例えば、天井用のパネル、床用のパネル、側壁用のパネル)を構成し、これらが接合した接合体の表面である部分構造部表面が居住空間を囲んでいる形態がありえる(例えば、図1-1及び1-2)。
本発明1における外壁も、居住空間と同様に、部分構造部表面で構成されている。
単独の鉄筋コンクリート板の一方の表面が、その階の居住空間の床表面を構成し、
他方の表面が、その階の下の居住空間では天井表面を構成する場合や、
単独の鉄筋コンクリート板の一方の表面が、その階の居住空間の側壁表面を構成し、
他方の表面が、その階の外壁表面を構成する場合がある。
居住空間を囲む部分構造部表面や外壁を構成する部分構造部表面は、天井表面、床表面及び側壁表面だけでなく、柱表面及び梁表面も含めて構成され、それらの部分構造部表面が居住空間を囲み、外壁表面を構成する形態がありえる(例えば、図2-1、図2-2、図4)。
部分構造部の材質は、鉄筋コンクリート板に限らず、板状又は柱体状の木材、樹脂材、セラミックス材等であってよく、本明細書で鉄筋コンクリート板を例にした説明は、板状又は柱体状の木材、樹脂材、セラミックス材等で置き換えても成立する。
木造住宅等の木造建造物では、
木造軸組工法の場合は、柱と梁で補強しながら骨、屋根、床及び壁の骨組みを作りこみ、壁の骨組み部分にパネル・モルタル等を組み込んで壁とし、当該壁によって居住空間を囲んだり、外壁を構成したりしており、
木造壁式工法(ツーバイフォー)の場合は、規格化された木材パネルで組み立て、当該木造パネルが壁を構成し、当該壁によって居住空間を囲んだり、外壁表面を構成したりしている。
(建造物の補強工法)
建造物が地震や大型台風の風圧に晒されると、建造物の部分構造部の接合部に応力が集中して部分構造部自体が破壊されなくても、部分構造部の接合部が破壊されて、部分構造部がばらけてしまい、天井の落下、壁の倒壊、床の脱落等の居住者の命に係わる建造物の破壊が生じ、部分構造部自体の材質(鉄筋、硬化コンクリート、木材等の材質)が劣化していれば部分構造部自体が破壊してしまい、同様に居住者の命に係わる建造物の破壊が生じうる。
本発明1では、居住空間を囲む部分構造部や外壁を構成する部分構造部の接合部を含む表面(以下「接合部隣接壁面」ともいう)の一部又は全部を被覆樹脂材で被覆する(図1)。
被覆樹脂材は、被覆樹脂自体が高強度であることに加えて、部分構造部の材質である木材・金属・セラミックス材に比べて伸縮性及び/又は靭性が高いので、接合部隣接壁面を被覆すると、部分構造部の接合部に加わる応力を吸収・分散できるため、部分構造部の接合物の破壊が生じ難くなり、接合部隣接壁面だけでなく、更に部分構造部の表面を広く被覆すれば、部分建造物の強度劣化に伴う部分構造部自体の破壊も生じ難くなる。
その結果、本発明1による補強工法を建造物に適用することにより、建造物が大きな地震・風圧に晒された際に、居住空間の部分構造部を構成する部分構造部が全倒壊して居住者が生き埋めになり難く、居住者が収まる空間が残る程度に半倒壊する可能性が増え、命に係わりうる居住空間の倒壊・脱落・破壊が生じ難くなる。
(被覆樹脂材)
被覆樹脂材は、耐震補強の観点から、繊維ネット、樹脂フィルム、繊維強化樹脂(FRP(Fiber Reinforced Plastics))等であることが好ましく、樹脂フィルム及び/又は繊維強化脂材シートであることがより好ましく、繊維強化樹脂であることが更に好ましい。
繊維ネットとしては、ナイロン等の従来から使用される汎用被覆樹脂材製繊維;帝人テクノプロダクツ社「テクノーラ」「トワロン」(以上、登録商標)、東レ・デュポン社「ケブラー」(登録商標)等のパラ系アラミド繊維;東洋紡社「ダイニーマ」(登録商標)等の超高分子量ポリエチレン繊維;クラレ社「ベクトラン」(登録商標)等のポリアリレート繊維;及び東洋紡社「ザイロン」(登録商標)等のPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維;東レ社「トレカ」(登録商標)、東邦テナックス社「テナックス」(登録商標)、三菱レイヨン社「パイロフィル」(登録商標)等の炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の繊維で構成されるネットが好ましい。
繊維ネットは、例えば、以下のような態様が挙げられ、被覆対象表面の状態に応じて適宜選択又は組合わせて使用することができる。
(1)上述した好適繊維のステープル又はストランドが分散したウェブを結合剤(ポリビニルアルコール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)で接着固定した不織布(例えば、チョップドストランドマット、サーフェイスマット);
(2)上述した好適繊維のフィラメント、ステープル又はこれらの撚糸を(例えば縦横に)織り込んだ織布(例えば、ロービングクロス、ガラスクロス)。
チョップドストランドマットは、300~700g/m程度(厚み1mm程度)のストランドが分散した不織布で、成形し易く、被覆対象表面の形状に沿って変形し易いため、被覆樹脂材の基材として好適に使用できる。
ロービングクロスは、500~1000g/m程度の厚手の織布で、被覆樹脂材全体の強度を付与するために好適に使用できる。
ガラスクロスは、50g超~500g未満/m程度の薄手の織布で、被覆樹脂材に強度と柔らかさを付与するために好適に使用できる。
サーフェイスマットは、10~50g/m程度の薄手の不織布で、繊維長が30mm以下、繊維径が、ガラス繊維では直径が約8~25μm程度、炭素繊維では4~15μm程度で、柔らかく表面が滑らかであるため、被覆樹脂材の最外層に積層するのに好適に使用できる。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリブテン、ポリエステル、ビニルエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エポキシ被覆樹脂材、フッ素被覆樹脂材、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ポリイミド等のエンジニアプラスチックを、所望の強度に応じで厚みと延伸条件等の製造条件を調整してフィルム化したものが使用できる。
樹脂フィルムの市販品としては、東レ社「ルミラー」(登録商標)等の二軸延伸ポリエステルフィルム、帝人デュポンフィルム社「テイジンテトロンフィルム」「メリネックス」「マイラー」「テフレックス」(以上、登録商標)等のPETフィルム;帝人デュポンフィルム社「テオネックス」(登録商標)等のPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムが挙げられる。
繊維強化樹脂としては、繊維ネット及び被覆樹脂材フィルムで挙げられた好適被覆樹脂材の繊維又はガラス繊維を練り込んでフィルム化する、又はこれらの被覆樹脂材をネット化したシートを骨格基材として、ネット化したシートに、例えば光又は熱(好ましくは熱)で硬化する、例えばアクリレート系、エポキシ系等の硬化性被覆樹脂材を含浸・硬化して形成されたものが好ましい。
被覆樹脂材の厚みは、所望の強度を達成するように調整されるが、耐震性の観点から、0.1~20mmが好ましく、1~15mmがより好ましく、2~10mmが更に好ましい。
(接合部隣接壁面)
本発明1の対象となる部分主要部の接合部としては、天井と側壁の接合部、床と側壁の接合物、天井と柱の接合部、側壁と柱の接合部、床と柱の接合部、柱とはりの接合部等、部分主要部のあらゆる組合せに係る接合部が挙げられる。
また、特定の部分主要部が複数の素材を接合されてなる場合は、それらの接合部も本発明1の対象となる部分主要部の接合部である。
(居住空間の補強工法の態様例)
本発明1による居住空間の補強工法の好適な態様例A1を図1-1及び図1-2を参照して説明し、
本発明1による居住空間の補強工法の好適な態様例A2を図2-1、図2-2及び図2-3を参照し、
本発明1による居住空間の補強工法の態様例A3を、図2-4を参照して説明する。
(1)居住空間の補強工法の態様例A1及びA2
態様例A1は、居住空間(1A1)の部分構造部表面(天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1,2-1-2-2,2-1-2-3)及び床表面(2-1-3))とそれらの接合線(3-1,3-2,3-3,3-4,3-5,3-6,3-7,3-8)で構成される接合部隣接壁面(4-1.4-2,4-3,4-4,4-5))の、
一部を被覆樹脂材(5)で被覆する場合(図1-1)と、
全部を被覆樹脂材(5)で被覆する場合(図1-2)である。
態様例A2は、居住空間(1A2)の部分構造部表面(天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1,2-1-2-2,2-1-2-3)及び床表面(2-1-3)、梁表面(2-2-1S,2-2-1U,2-2-2S,2-2-1U,2-2-3S,2-2-3U)及び柱表面(2-3-1L,2-3-1R,2-3-2L.2-3-2R.2-3-3L,2-3-2R,2-3-4L,2-3-4R))の接合部隣接壁面(4-1-1等、4-1-2,4-1-3,4-6等)の、
一部を被覆樹脂材(5)で被覆する場合(図2-1)と、
全部を被覆樹脂材(5)で被覆する場合(図2-2)である。
接合部隣接壁面は、隣接する部分主要部の境界線(以下「接合線」という)とその両サイドの部分主要部の表面とから形成されている。
(1-1)態様例A1の説明
態様例A1では、被覆樹脂材(5)で被覆される接合部隣接表面(4-1,4-2,4-3,4-4)は以下のように構成される(図1-1)。
接合部隣接壁面(4-1)は、
天井表面(2-1-1)と側壁表面(2-1-2-1)の接合線(3-1)と、
接合線(3-1)に隣接する天井表面(2-1-1)と側壁表面(2-1-2-1)とで構成される。
接合部隣接壁面(4-2)は、接合線(3-1)と、
天井表面(2-1-1)と側壁表面(2-1-2-2)の接合線(3-2)と、
側壁表面(2-1-2-1)と側壁表面(2-1-2-2)の接合線(3-3)と、
側壁表面(2-1-2-2)と床表面(2-1-3)の接合線(3-4)と、
側壁表面(2-1-2-1)と床表面(2-1-3)の接合線(3-5)と、
接合線(3-1)、(3-2)、(3-3)、(3-4)及び(3-5)とそれぞれ隣接する天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1)、側壁表面(2-1-2-2)及び床表面(2-3)とで成される。
接合部隣接壁面(4-3)は、
側壁表面(2-1-2-1)と床表面(2-3)の接合線(3-5)と、
接合線(3-5)に隣接する側壁表面(2-1-2-1)と床表面(2-3)とで構成される。
接合部隣接壁面(4-4)は、接合線(3-1)及び(3-5)と、
天井表面(2-1-1)と側壁表面(2-1-2-3)の接合線(3-8)と、
側壁表面(2-1-2-2)と側壁表面(2-1-2-3)の接合線(3-7)と、
側壁表面(2-1-2-3)と床表面(2-1-3)の接合線(3-6)と、
接合線(3-1)、(3-5)、(3-6)、(3-7)及び(3-8)とそれぞれ隣接する天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1)、側壁表面(2-1-2-3)、床表面(2-3)とで成される。
態様例A1では、被覆樹脂材(5)で被覆される接合部隣接壁面(4-5)は、
接合線(3-1)~(3-8)、天井表面(2-1-1)、側壁表面(2-1-2-1)~(2-1-2-3)及び床表面(2-1-3)の全てで構成され(図1-2)、図示されていない接合線及び側壁表面も全て被覆樹脂材で被覆されている。
(1-2)態様例A2の説明(その1)
態様例A2では、被覆樹脂材(5)で被覆される接合部隣接壁面(4-1-1等、4-1-2,4-1-3,4-6等))は以下のように構成される(図2-1)。
接合部隣接壁面(4-1-1)は、
天井表面(2-1-1)と梁表面(2-2-1S)の接合線(3-1-1)と、
側壁表面(2-1-2-1)と梁表面(2-2-1U)の接合線(3-1-2)と、
側壁表面(2-1-2-1)と床表面(2-1-3)の接合線(3-8)と、
接合線(3-1-1)、(3-1-2)及び(3-8)のそれぞれと隣接する天井表面(2-1-1)、梁表面(2-2-1S)、梁表面(2-2-1U)、側壁表面(2-1-2-1)、床表面(2-1-3)とで構成される。
接合部隣接壁面(4-1-1)は側壁表面(2-1-2-1)の鉛直方向に沿って短冊状の被覆樹脂材(5)で被覆され、接合部隣接壁面(4-1-1)と同様の側壁表面(2-1-2-1)の鉛直方向に沿って短冊状の4か所の接合部隣接壁面(接合部隣接壁面(4-1-1)と併せて接合部隣接壁面(4-1-1)等という)が被覆樹脂材(5)で被覆されている。
接合部隣接壁面(4-1-2)は、
天井表面(2-1-1)と梁表面(2-2-2S)の接合線(3-2-1)と、
側壁表面(2-1-2-2)と梁表面(2-2-2U)の接合線(3-2-2)と、
側壁表面(2-1-2-2)と床表面(2-1-3)の接合線(3-9)と、
接合線(3-2-1)、(3-2-2)及び(3-9)のそれぞれと隣接する天井表面(2-1-1)、梁表面(2-2-2S)、梁表面(2-2-2U)、側壁表面(2-1-2-2)、床表面(2-1-3)とで構成される。
接合部隣接壁面(4-1-3)は、
天井表面(2-1-1)と梁表面(2-2-3S)の接合線(3-3-1)と、
側壁表面(2-1-2-3)と梁表面(2-2-3U)の接合線(3-3-2)と、
側壁表面(2-1-2-3)と床表面(2-1-3)の接合線(3-10)と、
接合線(3-3-1)、(3-3-2)及び(3-10)のそれぞれと隣接する天井表面(2-1-1)、梁表面(2-2-3S)、梁表面(2-2-3U)、側壁表面(2-1-2-3)、床表面(2-1-3)とで構成される。
接合部隣接壁面(4-6)は、柱表面(2-3-2R)及び柱表面(2-3-3L)と、
柱表面(2-3-2L)と側壁表面(2-1-2-2)との接合線(3-5-1)と、
側壁表面(2-1-2-2)と柱表面(2-3-1R)の接合線(3-4-2)と、
柱表面(2-3-1L)と側壁表面(2-1-2-1)の接合線(3-4-1)と、
側壁表面(2-1-2-1)と柱表面(2-3-4R)の接合線(3-7-1)と、
柱表面(2-3-4L)と側壁表面(2-1-2-3)の接合線(3-7-2)と、
側壁表面(2-1-2-3)と柱表面(2-3-3R)の接合線(3-6-1)と、
接合線(3-5-1)、(3-4-2)、(3-4-1)、(3-7-1)、(3-7-2)、(3-6-1)とそれぞれ隣接する柱表面(2-3-2L)、側壁表面(2-1-2-2)、柱表面(2-3-1R)、柱表面(2-3-1L)、側壁表面(2-1-2-1)、柱表面(2-3-4R)、柱表面(2-3-4L)、側壁表面(2-1-2-3)、柱表面(2-3-3R)とで構成される。
接合部隣接壁面(4-6)は側壁表面(2-1-2-2)の水平方向に沿って短冊状の被覆樹脂材(5)で被覆され、接合部隣接壁面(4-6)と同様の側壁表面(2-1-2-2)の水平方向に沿って短冊状の2か所の接合部隣接壁面(接合部隣接壁面(4-6)と併せて接合部隣接壁面(4-6)等という)が被覆樹脂材(5)で被覆されている。
(1-3)態様例A2の説明(その2)
態様例A2では、上述した接合部隣接壁面を、
側壁表面に、鉛直方向及び水平方向に短冊状に複数の被覆樹脂材(5)で被覆する場合(図2-1)の他に、
側壁表面に、筋交にクロスする2本の被覆樹脂材(5)で接合部隣接壁面(4-7-1)及び(4-7-2)を被覆する場合(図2-2)を例示できる。
側壁表面に筋交にクロスする2本の被覆樹脂材(5)で接合部隣接壁面(4-7-1)及び(4-7-2)を被覆する場合(図2-2)は、2本の被覆樹脂材(5)の被覆で、鉛直方向の応力と水平方向の応力の両方の応力に対して補強できるので、被覆樹脂材(5)による被覆面積を抑制できる場合がある。
態様例A2の場合も、接合部隣接壁面の全部を被覆樹脂材(5)で被覆することが好ましい(図2-3)。
(2)居住空間の補強工法の態様例A3
態様例A1及び2に共通する態様例A3について、図24を参照して説明する。
居住空間(1A2)の接合部隣接表面を被覆樹脂材(5)で被覆する場合、接合線の近傍のみ、被覆樹脂材(5)の被覆層が積層し、接合線(3)を含まない部分構造部表面は単層にして被覆して、接合線近傍の耐応力性を向上すると、被覆樹脂材(5)の被覆面積を抑制できる場合がある(図2-4)。
図2-4の天井表面(2-1-1)側では、
天井表面(2-1-1)と梁表面(2-2-1S)の接合線(3-1-1)、梁表面(2-2-1S)、梁表面(2-2-1U)、梁表面(2-2-1U)と側壁表面(2-1-2-1)の接合線(3-1-2)及び側壁表面(2-1-2-1)に跨る接合部隣接表面(4-10-1)が被覆樹脂材(5-2-1)で被覆され、
接合線(3-1-1)と天井表面(2-1-1)と梁表面(2-2-1S)だけを含む接合部隣接表面(4-9-1)が被覆樹脂材(5-1-1)で被覆され、
接合線(3-1-2)と梁表面(2-2-1U)と側壁表面(2-1-2-1)だけを含む接合部隣接表面(4-9-2)が被覆樹脂材(5-1-2)で被覆され、
接合線(3-1-1)の近傍の接合部隣接表面は、被覆樹脂材(5-2-1)と被覆樹脂材(5-1-1)が積層して被覆され、
接合線(3-1-2)の近傍の接合部隣接表面は、被覆樹脂材(5-2-1)と被覆樹脂材(5-1-2)が積層して被覆されている。
図2-4の床表面(2-1-3)側では、
床表面(2-1-3)と側壁表面(2-1-2-1)の接合線(3-8)の近傍の接合部隣接表面(4-10-2)が被覆樹脂材(5-2-2)で被覆され、
接合部隣接表面(4-10-2)の外部近傍までの接合部隣接表面(4-9.3)がさらに被覆樹脂材(5-1-3)で被覆され、
接合線(3-8)の近傍の接合部隣接表面は、被覆樹脂材(5-2-2)と被覆樹脂材(5-1-3)が積層して被覆されている。
(3)好適な被覆態様
本発明1では、居住空間(1)を囲む部分構造部表面に含まれる接合線(3)の長さの、好ましくは20~100%、より好ましくは40~100%、更に好ましくは50~100%、更に好ましくは60~100%、更に好ましくは70~100%、更に好ましくは80~100%、更に好ましくは90~100%、更に好ましくは95~100%を含む接合部隣接壁面を被覆樹脂材で被覆することが好ましい。
本発明1では、接合部隣接壁面の接合線(3)の両側の部分構造部表面の面積(居住空間の部分構造部表面中、接合部隣接壁面の接合線(3)の面積は無視できるほど小さいので、実質的に居住空間(1)を囲む部分建造物の部分構造部表面の全面積)の、好ましくは20~100%、より好ましくは40~100%、更に好ましくは50~100%、更に好ましくは60~100%、更に好ましくは70~100%、更に好ましくは80~100%、更に好ましくは90~100%、更に好ましくは95~100%を被覆樹脂材(5)で被覆することが好ましい。
(外壁の補強工法の態様例)
本発明1では、建造物の外壁の部分構造部表面を構成する部分構造部の接合部を含む接合部隣接壁面の一部又は全部を被覆樹脂材で被覆することが好ましい。
建造物の外壁においても、接合部隣接壁面は、通常、隣接する部分構造部表面とその接合線とから形成されているが、建造物の外壁の場合は、接合部隣接壁面は、建造物の最上階の天板(壁)と側壁の接合に伴う、天板表面と側壁表面とその境界線、並びに、側壁同士の接合に伴う隣接する側壁表面とその接合線で構成される場合が多い。
(1)外壁の補強工法の態様例B1
外壁の補強工法の好適な態様例B1を、図3を参照して説明する。
図3(a)は、7階建ビル(建造物(BL))を、玄関(ET)側を正面として、左上方から見た斜視図であり、
図3(b)は、図3(a)の外装材を除去した建造物(BL)の正面からみた左側面図である。
図3(a)(b)では、
最上階の外装材を除去して露出した部分構造部に対して、最上階の側面周囲と屋上(HT)の周囲を合せた部分構造部表面(4-HT)が被覆樹脂材(5-HT)で被覆されており、
3~5階の外装材を除去して露出した部分構造部に対して、3~5階の部分構造部表面(4-345)が被覆樹脂材(5-345)で被覆されている(窓(WD)は被覆されていない)。
露出した部分構造部表面は、
屋上では、天井又は床の表面、梁の側面、柱の側端面及びこれらの接合線等(図示されていない)で、
3~5階では、天井又は床の側端部表面(2-1-1SS)、側壁側端表面(2-1-2SS)、側壁表面(2-1-2FS)、梁の側端部表面(2-2SS)及びこれらの接合線等で構成されている。
図3(b)の1及び2階と6及び7階の露出した部分構造部で構成される外壁の表面に外装材を設置すると図3(a)のように仕上がり、被覆樹脂材(5-HT,5-345)で被覆された部分構造部表面(4-345)は、外観、対候性及び強度に問題なければ、このまま、被覆樹脂材(5-HT,5-345)が外部に露出した状態でもよいし、さらに外装材を設置してもよい。
(2)好適な被覆態様
本発明1では、建造物の外部分構造部表面に含まれる部分主要部の接合線の長さの、好ましくは20~100%、より好ましくは40~100%、更に好ましくは50~100%、更に好ましくは60~100%、更に好ましくは70~100%、更に好ましくは80~100%、更に好ましくは90~100%、更に好ましくは95~100%を含む接合部隣接壁面を被覆樹脂材で被覆することが好ましい。
本発明1では、建造物の部分構造部表面の接合部隣接壁面の接合線の両側の部分構造部表面の面積(部分構造部表面中、接合部隣接壁面の接合線の面積は無視できるほど小さいので、実質的に部分構造部表面の全面積)の、好ましくは20~100%、より好ましくは40~100%、更に好ましくは50~100%、更に好ましくは60~100%、更に好ましくは70~100%、更に好ましくは80~100%、更に好ましくは90~100%、更に好ましくは95~100%を被覆樹脂材で被覆することが好ましい。
(本発明1の補強工法の好適な工程)
(1)中古建造物の場合
■工程1-1:部分構造部表面の露出及び下地処理工程
(1-1-1)補強対象の居住空間及び外壁について、被覆樹脂材の被覆の作業に支障のない程度に、居住空間を囲む内壁の外装材及び外壁の外装材と、主要構造部以外の付属構造部を取り除き、部分構造部表面を露出させる。
(1-1-2)露出した部分構造部表面を清掃後、ケレン等で不陸調整し、さらに、必要に応じて、下地調整のためのプライマー処理をする。
■工程1-2:被覆樹脂材の被覆工程
(1-2-1)単層の被覆樹脂材の施工例
被覆対象表面に熱硬化性樹脂1を、上述した好適厚みに塗工して熱硬化性樹脂層1を形成し、
塗工した熱硬化性樹脂層1上に繊維ネット1を敷設し、
その上から熱硬化性樹脂2を、上述した好適厚みに塗工して熱硬化性樹脂層2を形成し、
室温(好ましくは0~40℃、より好ましくは5~35℃、更に好ましくは10~30℃)で、好ましくは10~120分、より好ましくは20~90分、更に好ましくは30~60分養生して、繊維ネットと硬化性樹脂を一体にして硬化させる。
(1-2-3)複層の被覆樹脂材の施工例
(a)被覆対象表面に熱硬化性樹脂1を上記の好適厚みで塗工し熱硬化性樹脂層1を形成し、
(b)熱硬化性樹脂1に繊維ネット1を敷設し、
(c)その上から熱硬化性樹脂2を上記の好適厚みで塗工して熱硬化性樹脂層2を形成し、
以下、熱硬化性樹脂kを塗工して形成する熱硬化性樹脂層k(k=2,3,・・・n(nは2以上の整数))に対して上記工程(b)(c)を施し、熱硬化性樹脂層k(k=2,3,・・・n)と繊維ネットkの積層体を形成し、上記好適温度で養生して熱硬化性樹脂層kを硬化させ、熱硬化性樹脂層kと繊維ネットkが一体になった複層の被覆樹脂材を形成する。
複層の被覆樹脂材の施工では、例えば、下地処理をした被覆対象表面に熱硬化性樹脂層1/チョップドストランドマット層/熱硬化性樹脂層2/ロービングマット/熱硬化性樹脂層3/チョップドストランドマット層/硬化性樹脂層3/サーフェイスマット層の積層体を形成する態様が好ましい。
(1-2-4)接合部集中部位の施工例
例えば、床、壁、柱、梁等の部分構造部が複数隣接する居住空間の隅の部分は、地震等による振動の応力が集中するので、被覆樹脂材を複層にすることが好ましいが、他の部分構造部と隣接部から離れた各部分構造部(例えば、床表面の中央部)まで被覆樹脂材を複層にする必要がない場合、矩形の繊維ネットを折り曲げて硬化性樹脂層と積層することで、居住空間の隅の部分の近傍だけを複層の被覆樹脂材で被覆することができる。
図4-1~5に基づいて説明するが、図4-1~5では、上記(1-2-3)の(b)(c)における矩形sの繊維ネット層(51,52,53,54,55)の積層態様だけを、繊維ネットに代えて紙を使用して模式的に示すが、実際は、各繊維ネット層は硬化性樹脂層と交互に積層される。
(1-2-4-1)矩形繊維ネット(51)の縦方向の折り目(L)と横方向の折り目(C1,C2)で折り曲げ、さらに縦方向に折り曲げたときに床表面を丸囲み1と丸囲み2で重ねて被覆できるように、スリット(SL)を入れる(図4-1(a)(b))。横方向の折り目(C1,C2)の上方が隣接する壁表面(図示されていない)を被覆し、下方が床表面(2-1-3)を被覆する(図4-1(c))。
(1-2-4-2)別の矩形繊維ネット(52)を繊維ネット(51)と同様に構成し(図4-2(a))、被覆方向を変えて、矩形繊維ネット(51)に一部重複するように、床表面と隣接する壁表面(図示されていない)を被覆する(図4-2(b)(c))。
(1-2-4-3)別の矩形繊維ネット(53)を繊維ネット(51)(52)と同様に構成し(図4-3(a))、被覆方向を変えて、矩形繊維ネット(51)(52)に一部重複するように、床表面(2-1-3)と隣接する壁表面(図示されていない)を被覆する(図4-2(b)(c))。
(1-2-4-4)別の短冊状の繊維ネット(54)を繊維ネット(51)~(53)と縦の折り目はつけず、横の折り目(C1,C2,C3,C4)の向きと数を変えて(図4-4(a))、被覆方向を変えて、矩形繊維ネット(51)(52)(53)に一部重複するように、床表面(2-1-3)と隣接する壁表面(図示されていない)を被覆する(図4-5(b))。
(1-2-4-5)別の短冊状の繊維ネット(55)を繊維ネット(54)と同様に構成し(図4-6(1))、被覆方向を変えて、矩形繊維ネット(51)(52)(53)(54)に一部重複するように、床表面と隣接する壁表面を被覆する(図4-5(b))。(図4-6(2))、床表面(2-1-3)と隣接する壁表面(図示されていない)を被覆する(図4-5(b))。
図4-1(c)では、繊維ネットが床表面(2-1-3)に、
単層積層した部分(丸囲み1又は丸囲み2)と、
2層積層した部分(丸囲み1+丸囲み2)ができる。
図4-2(c)では、繊維ネットが床表面(2-1-3)又は隣接する壁表面(図時されていない)に、
単層積層した部分(丸囲み1、丸囲み2、丸囲み3、丸囲み4)と、
2層積層した部分(丸囲み1+丸囲み2、丸囲み1+丸囲み3、丸囲み2+丸囲み4)と、
3層積層した部分(丸囲み1+丸囲み2+丸囲み3、丸囲み1+丸囲み3+丸囲み4)ができる。
図4-3(c)では、繊維ネットが床表面(2-1-3)又は隣接する壁表面(図時されていない)に、
単層積層した部分(丸囲み1、丸囲み2、丸囲み3、丸囲み4、丸囲み5、丸囲み6)と、
2層積層した部分(丸囲み1+丸囲み3、丸囲み2+丸囲み5、丸囲み4+丸囲み6)と、
4層積層した部分(丸囲み1+丸囲み2+丸囲み3+丸囲み5、丸囲み1+丸囲み3+丸囲み4+丸囲み6、、丸囲み2+丸囲み4+丸囲み6+丸囲み6)ができる。
図4-4(b)では、床表面(2-1-3)又は隣接する壁表面(図時されていない)に積層した、図4-3(c)の繊維ネットの積層態様に、更に、繊維ネット(54)の丸囲み7が積層した部分ができる。
図4-5(b)では、床表面(2-1-3)又は隣接する壁表面(図時されていない)に積層した、図4-4(c)の繊維ネットの積層態様に、更に、繊維ネット(55)の丸囲み8、丸囲み9及び丸囲み10が積層した部分ができる。
(1-2-5)仕上げの施工例
被覆樹脂材の熱硬化性樹脂層が硬化後、必要に応じてさらに最外層の繊維ネット上に、耐摩耗性、耐紫外線、耐腐食性、耐薬品性、断熱性等を強化するための樹脂塗装をしたり、さらに美観を付与するための化粧塗装をしたり化粧シート又は化粧パネルを設置したりする。
■工程1-3:外装・付属構造部設置工程
(1-3-1)居住空間を囲む内壁の外装及び外壁の外装は、
被覆樹脂材自体に美観性があれば、被覆樹脂材自体を外装としてもよく、必要に応じて、
被覆樹脂材上にさらに化粧塗装や外断熱のための断熱塗装をしたり、化粧シート、化粧パネル又は外断熱のための断熱パネルを設置したりして外装とする。
(1-3-2)工程1―1で取り除いた、主要構造部以外の付属構造部を取り付けて居住空間及び外壁を復旧する。
(2)新築建造物の場合
補強対象の居住空間及び外壁について、居住空間を囲む内壁の外装材及び外壁の外装材を設置し、主要構造部以外の付属構造部を取り付ける前に、露出している部分構造部表面に対して、中古建造物の工程1-1~1-2の場合と同様に被覆樹脂材を設置し、その後、必要に応じて、居住空間を囲む内壁の外装材及び外壁の外装材を設置し、主要構造部以外の付属構造部を取り付ける
(本発明1の補強工法の効果)
本発明1を、新築の建造物に適用すると、居住空間又は居住空間と外壁の接合部隣接壁面が補強されるだけでなく、接合部隣接壁面の劣化の原因となりうる接合部隣接壁面と外部環境との接触も遮るため、建造物の居住空間や外壁の堅牢性の劣化がさらに抑止される。
本発明1を、中古の建造物に適用すると、居住空間又は居住空間と外壁の接合部隣接壁面が補強されるだけでなく、接合部隣接壁面のさらなる劣化の原因となりうる接合部隣接壁面と外部環境との接触も遮るため、中古の建造物の居住空間や外壁の堅牢性の劣化がさらに抑止される。
〔本発明2〕
本発明2は、本発明1の建造物の補強工法で補強された建造物であり、新築でも、中古でもよい。
本発明2の建造物としては、好ましくは1~20階建て、より好ましくは2~15階建て、更に好ましくは3~10階建て、更に好ましくは5~8階建ての木造又は鉄筋コンクリート製の住宅、マンション、オフィス用ビル、デパート等の商業用ビル、役所・病院等の公共施設、劇場等の興行施設等の主に人が居住空間を利用する建造物や、動物舎、屋内動物園、水族館等の動物を囲い込むための居住空間を利用する建造物を挙げることができる。
本発明2の建造物は、居住空間の接合部隣接壁面を被覆樹脂材で被覆されているため、被覆樹脂材の伸縮性及び靭性により、地震又は風圧に晒された場合に、居住空間の部分構造部の接合物の破壊が生じ難くなり、接合部隣接壁面だけでなく、更に部分構造部の表面を広く被覆すれば、部分建造物の強度劣化に伴う部分構造部自体の破壊も生じ難くなり、建造物が大きな地震・風圧に晒された際に、居住空間の部分構造部を構成する部分構造部が全倒壊による居住者の生き埋めが生じ難く、居住者が収まる空間が残る程度に半倒壊する可能性が増え、命に係わりうる居住空間の倒壊・脱落・破壊が生じ難くなる。
居住者の命に係わるような居住空間の倒壊・脱落及び破壊を抑止することができる。
本発明2の建造物は、建造物の外壁の接合部隣接壁面を被覆樹脂材で被覆されている場合、被覆樹脂材の伸縮性及び靭性により、地震又は風圧に晒された場合に、居住空間内及び外壁の部分構造部の接合物の破壊が生じ難くなり、居住者の命に係わるような居住空間の倒壊・脱落及び破壊、並びに、建造物全体の倒壊・脱落及び破壊を抑止することができる。
本発明2の居住空間又は居住空間及び外壁の接合部隣接壁面を被覆樹脂材で被覆された建造物は、被覆樹脂材が、居住者や外部の視線に晒される居住空間及び外壁の部分構造部表面の表面を構成しても、被覆樹脂材の模様・色彩の自由度が高いため、居住空間や建造物外壁の美観を損ない難く、被覆樹脂材の表面をさらに装飾用外装材(例えば、装飾用フィルム、装飾用パネル、装飾用タイル等)で被覆できるため、同様に、居住空間や建造物外壁の美観を損ない難い。
1A1,1A2 居住空間
2-1-1 天井表面
2-1-2-1,2-1-2-2,2-1-2-3 側壁表面
2-1-3 床表面
2-2-1S,2-2-1U,2-2-2S,2-2-2U,2-2-3S,2-2-3U 梁表面
2-3-1-1,2-3-1-2,2-3-2-1,2-3-2-2 柱表面
2-3-3-1,2-3-3-2,2-3-4-1,2-3-4-2 柱表面
3-1,3-2,3-3,3-4,3-5,3-6,3-7,3-8 接合線
3-1-1,3-1-2,3-2-1,3-2-2,3-3-1,3-3-2 接合線
3-4-1,3-4-2,3-5-1,3-6-1,3-7-1,3-7-2 接合線
3-9,3-10 接合線
4-1,4-2,4-3,4-4,4-5,4-6 接合部隣接壁面
4-1-1,4-1-2,4-1-3,4-7-1,4-7-2,4-8 接合部隣接壁面
4-9-1,4-9-2,4-9-3,4-10-1,4-10-2 接合部隣接壁面
5,5-1-1,5-1-2,5-1-3,5-2-1,5-2-2 被覆樹脂材
BL 建造物
HT 屋上
WD 窓
ET 玄関
2-1-1SS 天井又は床の側端部表面
2-1-2SS 側壁側端表面
2-1-2FS 側壁表面
2-2SS 梁の側端部表面
4-HT,4-345 部分構造部表面
5-HT,5-345 被覆樹脂材
51,52,53,54,55 矩形繊維ネット
L 縦方向折り目
C1,C2,C3,C4 横方向折り目
SL スリット

Claims (2)

  1. 人及び/又は動物の居住空間及び外壁を備える建造物の補強工法であって、
    前記居住空間は前記建造物の主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の部分構造部と前記部分構造部の接合部の表面で囲まれており、
    前記外壁は主要構造部である壁、柱、はり及び床からなる群から選ばれる1以上の部分構造部と前記部分構造部の接合部の表面を備え、
    前記居住空間を囲む前記部分構造部の接合部の表面、及び/又は、前記外壁が備える前記部分構造部の接合部の表面、を含む前記表面の一部又は全部を被覆樹脂材で被覆する建造物の補強工法。
  2. 請求項1記載の建造物の補強工法で補強された建造物。

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