JP2023183086A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性が良好であることを保持しつつ、輝度が大きく、鮮明な色彩表現を行うことができ、かつ、黒色も安定して表示可能な表示装置を提供する。【解決手段】第1の透明表示パネルP1と、第1の透明表示パネルP1に対向して配置され、エレクトロクロミック素子をマトリクス状に配置した第2の透明表示パネルP2と、を有し、第1の透明表示パネルが有する画素と、第2の透明表示パネルのエレクトロクロミック素子とが対応して配置され、少なくとも一つの画素と、少なくとも一つのエレクトロクロミック素子の大きさが同じである、表示装置TD。この表示装置TDにおいて、表示する画像データの、黒色データとその他の色データとを分離し、黒色データは第2の透明表示パネルP2に、その他の色データは第1の透明表示パネルP1に、それぞれ送信する画像データ分離部IDSを有し、上記分離したデータをそれぞれの透明表示パネルで表示させる。【選択図】図1

Description

本発明は、鮮明な色彩表現を行うとともに、安定した黒色表示も可能な表示装置に関する。
液晶層を用いた表示装置として、液晶層を挟む基板の光透過率を向上させることにより、観察者が、表示画像と背景とを重ね合わせて認識することが可能な表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、表示パネルと、光変調素子とを組み合わせて、表示装置の周囲の外光の影響により表示光を視認しにくくなる表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2020-60682号公報 特開2018-44984号公報
本願発明者は、観察者が、表示画像と背景とを重ね合わせて認識することが可能な透明表示装置の開発を行っている。透明表示装置の場合、その表示装置の前面および背面のそれぞれが可視光を透過させる特性を備えている必要がある。
このような表示装置は、光源としてマイクロLED、有機EL等の自発光素子を用いた表示装置や、上述の特許文献1及び特許文献2にあるように表示パネルの側方から光源からの光を入光させる液晶表示装置を用いることにより、輝度が大きく、R(赤)、G(緑)、B(青)を組合せた鮮明な色彩表現が可能である。しかし、このような表示装置においては、上記のように透明性を確保するために、従来表示装置に用いられていた黒色表示を行うための構造をそのまま用いることが難しく、黒色の表現が困難である。すなわち、これまでの表示装置では、R(赤)、G(緑)、B(青)の発色をさせないようにすると透明となってしまい、黒色にならない。
また、上記特許文献2に記載のように、光変調素子と組み合わせた場合、表示品位を向上させることができるものの、表示装置の透明性が低下することとなり、背景の視認性が低下してしまい、さらに、黒色表示について改善をするものではないため、上記と同様にその表現が困難である。
本発明の目的は、表示装置として、背景が認識できる透明表示装置であって、輝度が大きく、鮮明な色彩表現を行いつつ、黒色も安定して表示可能な表示装置を提供することにある。
本発明の一態様である表示装置は、第1の透明表示パネルと、前記第1の透明表示パネルに対向して配置され、エレクトロクロミック素子をマトリクス状に配置した第2の透明表示パネルと、を有し、前記第1の透明表示パネルが有する画素と、前記第2の透明表示パネルの前記エレクトロクロミック素子とが対応して配置され、前記第1の透明表示パネルが有する少なくとも一つの前記画素と、前記第2の透明表示パネルが有する少なくとも一つの前記エレクトロクロミック素子の大きさが同じである。
この表示装置において、表示する画像データの、黒色データとその他の色データとを分離し、黒色データは第2の透明表示パネルに、その他の色データは第1の透明表示パネルに、それぞれ送信する画像データ分離部を有し、上記分離したデータをそれぞれの透明表示パネルで表示させることが好ましい。
表示装置の一方の面側にいる観察者が、反対面側にある背景を、表示装置を介して視認する場合の位置関係を示す説明図である。 表示装置を介して視認される背景の一例を示す説明図である。 図1に示す第1の透明表示パネルの一例を示す斜視図である。 図3に示す第1の透明表示パネルのA-A断面図である。 図3の第1の透明表示パネルが備える回路の一例を示す回路ブロック図である。 図1に示す第2の透明表示パネルの一例を示す断面図である。 図6の第2の透明表示パネルの一部拡大断面図である。 表示する画像データの、色データの分離と各透明表示パネルへのデータ送信の流れを示す図である。 図8のようにデータを送信した際に、表示装置により視認される画像および背景を示した図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更に関して容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一または関連する符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<表示装置>
本実施の形態の表示装置は、透明表示装置であり、まず、表示装置の概略構成について説明する。図1は、表示装置TDの一方の面側にいる観察者が、反対面側にある背景を、表示装置TDを介して視認する場合の位置関係を示す説明図である。図2は、表示装置TDを介して視認される背景の一例を示す説明図である。
図1に示すように、観察者100が、表示装置TDの一方から他方をみる場合、背景101が表示装置TDを透過して視認される。図2に示すように、表示領域DAおよび表示領域DAの外側の周辺領域PFAが共に可視光透過性を有する場合、背景101の全体を違和感なく視認することができ好ましい。なお、周辺領域PFAは可視光透過性を有していなくてもよい。ここで、表示領域DAと周辺領域PFAの境界を二点鎖線で示している。
ここで、表示装置TDは、第1の透明表示パネルP1と、第1の透明表示パネルP2と、画像データ分離部IDSと、を有して構成される。この第1の透明表示パネルP1と第2の透明表示パネルP2は、それぞれ表示領域DAに対応する表示領域(以下、いずれも「表示領域DA」と称する。)および周辺領域PFAに対応する周辺領域(以下、いずれも「周辺領域PFA」と称する。)を有しており、図2に示したように背景101は、第1の透明表示パネルP1と第2の透明表示パネルP2とを通して観察される。
以下、表示装置TDを構成する、第1の透明表示パネルP1、第2の透明表示パネルP2および画像データ分離部IDSについて、より詳細に説明する。
<第1の透明表示パネル>
まず、第1の透明表示パネルP1について説明する。ここで用いられる第1の透明表示パネルP1は、透明なガラス板を有し、背景を透過して視認可能としつつ、画像を表示可能な透明表示パネルであればよく、公知の透明表示パネルを制限されずに使用できる。この透明表示パネルとしては、自発光素子を光源として有する透明表示パネルが好ましく、例えば、マイクロLED表示パネル、有機EL表示パネル、液晶表示パネル等が挙げられる。この第1の透明表示パネルP1は、光源が基板の平面に設けられたタイプでもよいし、基板の平面上にはなく、反射・拡散させるタイプの構成でもよい。
本実施の形態では、第1の透明表示パネルP1として、液晶分子による可視光の散乱を利用して画像を表示させる透明表示パネル(液晶表示パネル)を用いる場合を例に、以下説明する。
ここで、液晶表示パネルは、液晶層に含まれる分子の配向を変化させることにより、表示画像を形成する装置であるが、光源を必要とする。以下では、液晶層を含む表示パネルのサイドに光源を備えた態様を例に挙げている。
まず、表示パネルの構成について説明する。図3は、本実施の形態で用いられる第1の透明表示パネルP1の一例を示す斜視図である。この第1の透明表示パネルP1は、上記のように表示装置TDと同一の大きさの表示領域DAと周辺領域PFAを有しており、これは、第2の透明表示パネルP2においても同様である。
また、図3では、第1の透明表示パネルP1が備える回路のうち、液晶を駆動するための信号を伝送する信号配線の一部(詳しくは、ゲート線GLおよびソース線SL)を一点鎖線で模式的に示している。図3を含む以下の図面において、第1の透明表示パネルP1の厚さ方向に沿った方向をZ方向、Z方向に直交するX-Y平面において、第1の透明表示パネルP1の一辺の延在方向をX方向、X方向に交差する方向をY方向として説明する。図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。
図3に示すように、本実施の形態の第1の透明表示パネルP1は、基板(アレイ基板)10、基板(対向基板)20、サイド光源装置30、および駆動回路40を備える。第1の透明表示パネルP1は、図3に示す第1の透明表示パネルP1が備える各部分の他、例えば制御回路、あるいは第1の透明表示パネルP1に接続されるフレキシブル基板、あるいは筐体などが含まれる場合がある。図3では、第1の透明表示パネルP1以外の部分は図示を省略している。第1の透明表示パネルP1は、外部から供給される入力信号に応じて表示領域DAに画像が形成される。
なお、図3に示す第1の透明表示パネルP1の表示領域DAは四角形であるが、表示領域が多角形や円形など、四角形以外の形状であってもよい。表示領域DAは、表示面を視た平面視において、第1の透明表示パネルP1が画像を表示する有効領域である。基板10および20のそれぞれは、平面視において表示領域DAと重なる位置にある。サイド光源装置30、および駆動回路40のそれぞれは、基板10上に搭載されている。
図4に示すように、第1の透明表示パネルP1は、液晶層LQLを介して対向するように貼り合せられた基板10および基板20を有している。基板10と基板20とは、第1の透明表示パネルP1の厚さ方向であるZ方向に配列される。言い換えれば、基板10と基板20とは、第1の透明表示パネルP1の厚さ方向(Z方向)において互いに対向する。
基板10は、液晶層LQL(および基板20)と対向する前面(主面、面)10fを有する。また基板20は、基板10の前面10f(および液晶層LQL)と対向する背面(主面、面)20bを有する。基板10は、スイッチング素子(能動素子)Tr(図5参照)としての複数のトランジスタ(トランジスタ素子)がアレイ状に配置されたアレイ基板である。また、基板20は、表示面側に設けられた基板である。基板20は、アレイ基板に対向配置された基板という意味で、対向基板と言い換えることができる。
液晶LQを含む液晶層LQLは、基板10の前面10fと基板20の背面20bとの間にある。液晶層LQLは、光学変調素子である。第1の透明表示パネルP1は、上記したスイッチング素子を介して液晶層LQLの周辺に形成される電界の状態を制御することにより、そこを通過する光を変調する機能を備えている。この第1の透明表示パネルP1を平面視したとき、基板10および基板20にある表示領域DAは、図4に示すように液晶層LQLと重畳する。
また、基板10と基板20とは、シール部(シール材)SLMを介して接着される。図3および図4に示すように、シール部SLM(図4参照)は、表示領域DAの周囲を囲むように、周辺領域PFAに配置される。シール部SLMの内側には、図4に示すように液晶層LQLがある。シール部SLMは、基板10と基板20との間に液晶を封入するシールとしての役割を果たす。また、シール部SLMは、基板10と基板20とを接着する、接着材としての役割を果たす。
サイド光源装置30は、光源部31を有する。光源部31は、基板20の側面20s1と対向する位置に配置される。図4に二点鎖線で模式的に示すように、光源部31から出射された光源光L1は、基板10の背面10bおよび基板20の前面20fで反射しながら、側面20s1から遠ざかる方向に伝搬する。光源光L1の伝搬経路において、基板10の背面10bおよび基板20の前面20fは、屈折率の大きな媒質と、屈折率の小さな媒質との界面である。このため、光源光L1が前面20fおよび背面10bに入射する入射角が臨界角よりも大きい場合、光源光L1は、前面20fおよび背面10bにおいて全反射する。
液晶LQは高分子分散型液晶LCであり、液晶性ポリマーと液晶分子を含んでいる。液晶性ポリマーは、筋状に形成され、液晶分子は、液晶性ポリマーの隙間に分散される。液晶性ポリマー及び液晶分子の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。液晶性ポリマーの電界に対する応答性は、液晶分子の電界に対する応答性より低い。液晶性ポリマーの配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子の配向方向は、液晶LQにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。
液晶LQに電圧が印加されていない状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LQLに入射した光源光L1は、液晶層LQL内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。液晶LQに電圧が印加された状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶LQに入射した光源光L1は、液晶層LQL内で散乱される(散乱状態)。
第1の透明表示パネルP1は、光源光L1の伝搬経路における液晶LQの配向を制御することにより、透明状態と散乱状態とを制御する。散乱状態において光源光L1は液晶LQにより放出光L2として前面20f側から第1の透明表示パネルP1の外部に出射される。また、背面10b側から入射した背景光L3は、基板10、液晶層LQL、および基板20を透過して、前面20fから外部に出射される。放出光L2および背景光L3は、前面20f側にいる観察者に視認される。観察者は、放出光L2と、背景光L3とを組み合わせて認識することができる。
(回路の構成例)
次に、図3に示す第1の透明表示パネルP1が備える回路の構成例について説明する。図5は、図3の第1の透明表示パネルが備える回路の一例を示す回路ブロック図である。図5に示すコモン電極CEに接続される配線経路は、例えば図4に示す基板20に形成されている。図5では、基板20に形成された配線を点線で図示している。図5に示す例では、光源制御部32が、駆動回路40に含まれる。変形例としては、駆動回路40とは別に光源制御部32を設ける場合もある。光源制御部32は、例えば図3に示すサイド光源装置30に接続される配線基板(図示は省略)に形成され、当該配線基板を介して光源部31に電気的に接続されている。
図5に示す例では、駆動回路40は、信号処理回路41、画素制御回路42、ゲート駆動回路43、ソース駆動回路44、およびコモン電位駆動回路45を備える。また、光源部31は、例えば赤色光源、緑色光源、および青色光源となる発光ダイオード素子31r、31g、31bを備える。図1に示すように、基板10は、基板20よりも面積が大きいので、駆動回路40およびサイド光源装置30のそれぞれは、基板10上に設けられている。
信号処理回路41は、入力信号解析部(入力信号解析回路)411、記憶部(記憶回路)412、および信号調整部413を備える。第1の透明表示パネルP1は、画像の表示を制御する制御回路を備える制御部90を有し、信号処理回路41の入力信号解析部411には、制御部90から図示しないフレキシブル配線板などの配線経路を介して入力信号VSが入力される。なお、制御部90には、画像データ分離部IDSから黒色データ以外の色データからなる画像データが送られてくる。入力信号解析部411は、外部から入力された入力信号VSに基づいて解析処理を行い、入力信号VCSを生成する。入力信号VCSは、例えば、入力信号VSに基づいて、第1の透明表示パネルP1の各画素PIX(図3参照)にどのような階調値を与えるかを定める信号である。
信号調整部413は、入力信号解析部411から入力された入力信号VCSから入力信号VCSAを生成する。信号調整部413は、入力信号VCSAを画素制御回路42へ送出し、光源制御信号LCSAを光源制御部32へ送出する。光源制御信号LCSAは、例えば、画素PIXへの入力階調値に応じて設定される光源部31の光量の情報を含む信号である。例えば、暗い画像が表示される場合、光源部31の光量は小さく設定される。明るい画像が表示される場合、光源部31の光量は大きく設定される。
画素制御回路42は、入力信号VCSAに基づいて水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとを生成する。例えば、本実施形態では、フィールドシーケンシャル方式で駆動されるので、水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとが光源部31が発光可能な色毎に生成される。ゲート駆動回路43は水平駆動信号HDSに基づいて1垂直走査期間内に第1の透明表示パネルP1(図3参照)のゲート線GLを順次選択する。ゲート線GLの選択の順番は任意である。図3に示すように複数のゲート線(信号配線)GLは、X方向に延び、かつ、Y方向に沿って配列されている。
ソース駆動回路44は垂直駆動信号VDSに基づいて1水平走査期間内に第1の透明表示パネルP1の各ソース線SLに各画素PIX(図3参照)の出力階調値に応じた階調信号を供給する。図3に示すように複数のソース線(信号配線)SLは、Y方向に延び、かつ、X方向に沿って配列されている。ゲート線GLとソース線SLとの交差毎に、一つの画素PIXが形成される。ゲート線GLとソース線SLとが交差する部分のそれぞれには、スイッチング素子Tr(図5参照)が形成されている。図3および図5に示す複数のゲート線GLおよび複数のソース線SLは、図に示す液晶LQを駆動する駆動信号を伝送する複数の信号配線に相当する。
図5に示すスイッチング素子Trとして例えば、薄膜トランジスタが用いられる。薄膜トランジスタの種類は特に限定されず、例えば、以下のようなものを例示できる。ゲートの位置で分類すると、ボトムゲート型トランジスタ又はトップゲート型トランジスタを挙げることができる。また、ゲートの数で分類すると、シングルゲート薄膜トランジスタと、ダブルゲート薄膜トランジスタとを挙げられる。スイッチング素子Trのソース電極及びドレイン電極のうち一方はソース線SLに接続され、ゲート電極はゲート線GLに接続され、ソース電極及びドレイン電極のうち他方は、高分子分散型液晶LC(図4に示す液晶LQ)の容量の一端に接続されている。高分子分散型液晶LCの容量は、一端がスイッチング素子Trに画素電極PEを介して接続され、他端がコモン電極CEを介してコモン電位配線CMLに接続されている。また、画素電極PEと、コモン電位配線CMLに電気的に接続されている保持容量電極との間には、保持容量HCが生じる。なお、コモン電位配線CMLは、コモン電位駆動回路45より供給される。
<第2の透明表示パネル>
次に、第2の透明表示パネルP2について説明する。ここで用いられる第2の透明表示パネルP2は、透明なガラス板を有し、背景を透過して視認可能としつつ、黒色画像を表示可能な透明表示パネルである。このような透明表示パネルとして、エレクトロクロミック素子をマトリクス状に配置して、電圧の印加により複数のエレクトロクロミック素子ごとに黒色を表示させることが可能な透明表示パネルが挙げられる。
まず、表示パネルの構成について説明する。本実施の形態で用いられる第2の透明表示パネルP2は、表示領域DAにおいて、図3で示した第1の透明表示パネルP1と同様に、第1の透明表示パネルの画素PIXに対応するように複数のエレクトロクロミック素子をマトリックス状に有している。このエレクトロクロミック素子は、それぞれエレクトロクロミック材料を有し、素子ごとに電圧の印加ができるようになっている。
図6に示すように、本実施の形態の第2の透明表示パネルP2は、基板(アレイ基板)50、基板(対向基板)60、駆動回路70を備える。第2の透明表示パネルP2は、第1の透明表示パネルP1と同様に、第2の透明表示パネルP2以外の部分は図示を省略している。第2の透明表示パネルP2は、外部から供給される入力信号に応じて表示領域DAに黒色画像が形成される。
この第2の透明表示パネルP2は、第1の透明表示パネルP1と同様に、表示領域DAの形状は、四角形以外に、多角形や円形などの形状とできる。表示領域DAは、表示面を視た平面視において、第2の透明表示パネルP2が画像を表示する有効領域である。基板50および60のそれぞれは、平面視において表示領域DAと重なる位置にある。駆動回路70は、基板50上に搭載されている。
図6に示すように、第2の透明表示パネルP2は、エレクトロクロミック層ECLを介して対向するように貼り合せられた基板50および基板60を有している。基板50と基板60とは、第2の透明表示パネルP2の厚さ方向であるZ方向に配列される。言い換えれば、基板50と基板60とは、第2の透明表示パネルP2の厚さ方向(Z方向)において互いに対向する。
基板50は、エレクトロクロミック層ECL(および基板60)と対向する面を有する。また基板60は、基板50(およびエレクトロクロミック層ECL)と対向する面を有する。基板50は、図5の基板10と同様に、スイッチング素子(能動素子)Trとしての複数のトランジスタ(トランジスタ素子)がアレイ状に配置されたアレイ基板である。また、基板60は、表示面側に設けられた基板である。基板60は、アレイ基板に対向配置された基板という意味で、対向基板と言い換えることができる。
エレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック層ECLは、基板50と基板60との間にある。エレクトロクロミック層ECLは、光学変調素子である。第2の透明表示パネルP2は、上記したスイッチング素子を介してエレクトロクロミック層ECLの周辺に形成される電界の状態を制御することにより、そこを通過する光を変調する機能を備えている。この第2の透明表示パネルP2を平面視したとき、基板50および基板60にある表示領域DAは、図6に示すようにエレクトロクロミック層ECLと重畳する。
また、基板50と基板60とは、シール部(シール材)SLMを介して接着される。図6に示すように、シール部SLMは、表示領域DAの周囲を囲むように、周辺領域PFAに配置される。シール部SLMの内側には、図6に示すようにエレクトロクロミック層ECLがある。シール部SLMは、基板50と基板60との間にエレクトロクロミック層ECLを構成する電解液を封入するシールとしての役割を果たす。また、シール部SLMは、基板50と基板60とを接着する、接着材としての役割を果たす。
図7には、この第2の透明表示パネルP2の一部拡大断面図を示す。図7に示すように、エレクトロクロミック層ECLは、基板50の内面側に設けられた第1の透明電極TE1(一対の電極の一方の電極)と、基板60の内面側に設けられた第2の透明電極TE2(一対の電極の他方の電極)と、その間に配置されているエレクトロクロミック材料ECMと電解液ELTから構成されている。
基板50及び基板60は、ガラスやプラスチック等の材料からなり、透明な基板である。
基板50の内面側(エレクトロクロミック層ECL側)には、エレクトロクロミック素子ECEごとにマトリックス状に複数の透明電極TE1が形成され、基板60の内面側(エレクトロクロミック層ECL側)には、表示領域DAの全面に透明電極TE1と対向する透明電極TE2が形成されている。
透明電極TE1,TE2は、MgAg、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)などから形成された透明な電極である。図示は省略しているが、第1の透明電極TE1と基板50との間には、走査線、データ線、及び選択トランジスタなどが形成されている。
この透明電極TE1と透明電極TE2は、平面視した際に、重なる部分にエレクトロクロミック材料ECMが配置、形成されており、このエレクトロクロミック材料ECMが形成されている(独立して光調変化を制御できる)部分がエレクトロクロミック素子ECEとなる。エレクトロクロミック素子ECEは、上記説明した、透明電極TE1、透明電極TE2、エレクトロクロミック材料ECMおよび電解液ELTで形成され、黒色表示と透明表示とを切り替えることができる最小単位である。すなわち、このエレクトロクロミック素子ECEが1画素に相当する。
このとき、第1の透明表示パネルP1の画素PIXと、第2の透明表示パネルP2のエレクトロクロミック素子ECE(図7参照)は、互いに少なくとも1つの大きさが同じであることが好ましく、全てが同じ大きさであることがより好ましい。これは、第1の透明表示パネルP1の画素電極PEと、第2の透明表示パネルP2の第1の透明電極TE1(図7参照)の大きさが同じである、と言い換えてもよい。
エレクトロクロミック材料ECMは、電圧の印加により、黒色に着色した不透明状態と消色して透明状態とを可逆的に変化させることができる材料である。なお、ここで印加する電圧は正および負のいずれの電圧も印加できるようにする。
ここで使用されるエレクトロクロミック材料ECMとしては、着色時に黒色となり、消色時に透明となる、公知のエレクトロクロミック材料を挙げることができる。また、エレクトロクロミック材料ECMと他の材料とを組み合わせて黒色となるようにしてもよい。
ここで用いることができるエレクトロクロミック材料ECMとしては、V、Nb、TiO、WO等の還元発色型材料や、NiO、Cr、MnO、CoO等の酸化発色型材料等が挙げられる。電解液ELTとしては、通常、極性溶媒に支持電解質を混合・溶解させた組成物を用いることができる。
例えば、エレクトロクロミック材料ECMに還元発色型材料を用いた場合、透明電極TE1が正極、透明電極TE2が負極となるように電圧を印加すると、このエレクトロクロミック層ECLは透明となり、逆に、透明電極TE1が負極、透明電極TE2が正極となるように電圧を印加すると、このエレクトロクロミック層ECLは黒色となる。
また、エレクトロクロミック材料ECMと他の材料とを組み合わせて黒色とする構成例としては、例えば、国際公開第2019/172139号に記載されているように、エレクトロクロミック材料と銀化合物を併用することで、銀の還元析出も併せて行うものが例示できる。
この第2の透明表示パネルP2は、このように黒色と透明の表示を、エレクトロクロミック素子ECEごとに任意に選択して切り替えられるようになっており、第1の透明表示パネルP1の画素と同様の駆動方法を適用することで、駆動することができる。なお、第2の透明表示パネルP2は、第1の透明表示パネルP1とは異なり、黒色か透明かの変化を電圧の印加状態で調整できるため、入力信号の処理を簡素にでき、また光源装置の制御も必要がない。
<画像データ分離部>
本実施の形態においては、表示する画像データを、第1の透明表示パネルP1および第2の透明表示パネルP2に送る前に、画像データの色データに基づいてデータを振り分ける画像データ分離部IDSを有している。この画像データ分離部IDSは、表示する画像データから、黒色表示のデータのみで構成される黒色データと、黒色以外の色表示のデータで構成されるそれ以外の色データとに分離するものである。
このような黒色データとそれ以外の色データとを分離して、それぞれを表示する表示パネルを分けることで、黒色は黒表示専用の表示パネルで表示でき、かつ、その以外の色データは色彩表現の得意な表示パネルで表示させることで、色鮮やかな表現に加え、黒色も安定した表示を行うことができる。
すなわち、上記のように分離したデータのうち、黒色データは第2の透明表示パネルP2に、それ以外の色データは第1の透明表示パネルP1に送り、それぞれ表示させるようにする。ここで、図8を参照しながら、表示する画像データについて、そのデータの分離の流れの一例を説明する。
まず、表示する画像データとして、図8に示した画像データIMGを用意する。ここで例示する画像データIMGは、三角形に囲まれたエクスクラメーションマーク(感嘆符)を示しており、エクスクラメーションマークと三角形の外周部分が黒色データであり、それ以外の三角形の外周で囲まれた内部(エクスクラメーションマーク除く)が黄色で着色された画像データである。
この画像データIMGを、本実施の形態における表示装置TDで表示する場合、まず、画像データ分離部IDSにより、画像データIMGの黒色データIMGbと、それ以外の色データIMGaとに分離する。そして、分離した色データについて、黒色データを第2の透明表示パネルP2へ送信し、それ以外の色データを第1の透明表示パネルP1へ送信する。
データを受信した各透明表示パネルP1,P2は、受信したデータにより、どの画素に表示させるか各種の処理を行い、電圧を印加するなどの所定の処理を行ことで、それぞれの透明表示パネルに表示させる。このような処理を行って表示される画像は、図8に示したように、第1の透明表示パネルP1には、黄色部分のデータのみの画像データ(IMGa)が表示され、それ以外は透明であり、第2の透明表示パネルP2には、黒色部分のデータのみの画像データ(IMGb)が表示され、それ以外は透明である。ここで、第1の透明表示パネルP1の画素PIX、第2の透明表示パネルP2のエレクトロクロミック素子ECEが、それぞれ最小単位を示すように表しており(最小の四角)、互いに対応する位置に同じ大きさで設けられている。
なお、上記画像表示にあたっては、第1の透明表示パネルP1と第2の透明表示パネルP2での応答速度の違いから、表示する画像のタイミングを合わせる必要がある。一般には、エレクトロクロミック素子の応答速度が遅いため、画像データ分離部IDSで分離した画像について、第2の透明表示パネルP2での黒色データの表示に合わせて、第1の透明表示パネルP1でのそれ以外の色データを表示させる。
このように表示された画像を、図1および図2で示した観察者の視点から表示装置TDを見た場合、図9に示したように表示装置TDに表示された画像と、背景の景色とが、両方を確認でき、さらに、黒色表示もしっかりと認識できる。
なお、上記説明では、観察者100側から、第1の透明表示パネルP1、第2の透明表示パネルP2の順に配置されている例について説明したが、この順番を入れ替えて、観察者100側から、第2の透明表示パネルP2、第1の透明表示パネルP1の順に配置されていてもよい。
第2の透明表示パネルP2では、エレクトロクロミック素子により黒色が表示されるため、その配置位置が、第1の透明表示パネルP1の観察者100側でも、背景101側でも、あまり影響を受けることなく、黒色表示が可能である。
したがって、より鮮明な色彩表現を観察者100に認識させたい場合には、第1の透明表示パネルP1を観察者100側に、第2の透明表示パネルP2を背景101側に配置することが好ましく、黒色を際立たせ、より明瞭なコントラストを観察者100に認識させたい場合には、第2の透明表示パネルP2を観察者100側に、第1の透明表示パネルP1を背景101側に配置することが好ましい。これは、表示画像が他方の透明表示パネルを透過することで、わずかながら光吸収が生じるためである。
以上、実施の形態および代表的な変形例について説明したが、上記した技術は、例示した変形例以外の種々の変形例に適用可能である。例えば、上記した変形例同士を組み合わせてもよい。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、表示装置や表示装置が組み込まれた電子機器に利用可能である。
10,20,50,60 基板
30 サイド光源装置
31 光源部
31r,31g,31b 発光ダイオード素子
32 光源制御部
40 駆動回路
41 信号処理回路
42 画素制御回路
43 ゲート駆動回路
44 ソース駆動回路
45 コモン電位駆動回路
90 制御部
100 観察者
101 背景
CE コモン電極
CML コモン電位配線
DA 表示領域
ECE エレクトロクロミック素子
ECL エレクトロクロミック層
ECM エレクトロクロミック材料
ELT 電解液
GL ゲート線(信号配線)
HC 保持容量
HDS 水平駆動信号
IMG 画像データ
L1 光源光
L2 放出光
L3 背景光
LC 高分子分散型液晶
LCSA 光源制御信号
LQ 液晶
LQL 液晶層
P1,P2 透明表示パネル
PE 画素電極
PFA 周辺領域(額縁領域)
PIX 画素
RF 光反射膜
SL ソース線(信号配線)
SLM シール部
TE1,TE2 透明電極
Tr スイッチング素子
VCS,VCSA,VS 入力信号
VDS 垂直駆動信号

Claims (7)

  1. 第1の透明表示パネルと、
    前記第1の透明表示パネルに対向して配置され、エレクトロクロミック素子をマトリクス状に配置した第2の透明表示パネルと、
    を有し、
    前記第1の透明表示パネルが有する画素と、前記第2の透明表示パネルの前記エレクトロクロミック素子とが対応して配置され、
    前記第1の透明表示パネルが有する少なくとも一つの前記画素と、前記第2の透明表示パネルが有する少なくとも一つの前記エレクトロクロミック素子の大きさが同じである、表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置において、
    表示する画像データの、黒色データとその他の色データとを分離し、前記黒色データは前記第2の透明表示パネルに、前記その他の色データは前記第1の透明表示パネルに、それぞれ送信する画像データ分離部を有する、表示装置。
  3. 請求項2に記載の表示装置において、
    観察側から、前記第1の透明表示パネル、前記第2の透明表示パネルの順に配置されている、表示装置。
  4. 請求項2に記載の表示装置において、
    観察側から、前記第2の透明表示パネル、前記第1の透明表示パネルの順に配置されている、表示装置。
  5. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記第1の透明表示パネルが、自発光素子を光源として有する、表示装置。
  6. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記第1の透明表示パネルは、マイクロLED表示パネル、有機EL表示パネルまたは液晶表示パネルである、表示装置。
  7. 請求項2の表示装置において、
    前記画像データ分離部で分離した画像について、前記第2の透明表示パネルでの前記黒色データの表示に合わせて、前記第1の透明表示パネルでの前記その他の色データを表示させる、表示装置。
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