JP2023181997A - 航空機の振動触覚システム、その動作方法、および射出シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 航空機シートの振動触覚システム、及び航空機シートの振動触覚システムの動作方法を提供する。【解決手段】 航空機の振動触覚システムは、複数の触覚器と、複数の触覚器に動作可能に接続された触覚器ドライバとを備え得る。触覚器ドライバは、航空機コントローラから受信した信号に応答して、複数の触覚器の振動シーケンスを決定し、振動シーケンスに対応する振動コマンドを、複数の触覚器に送信するように構成され得る。【選択図】図3
Description
本開示は、航空機シートに関し、より具体的には、航空機シートの振動触覚システム、及び航空機シートの振動触覚システムの動作方法に関する。
航空機は、通常、乗組員に情報及び/または警告を視覚的及び聴覚的に伝える手段を含む。例えば、ディスプレイモニタ、表示灯、ヘッドアップディスプレイ、ヘルメットマウントディスプレイ、スピーカなどを介して、乗組員に情報が伝達され得る。運航中、乗組員は、視覚的情報及び聴覚的情報に圧倒され得、集中するのが難しいと感じる場合がある。さらに、視覚的コミュニケーションの場合、乗組員は、ディスプレイを見て情報を受け取る必要がある。この点に関して、乗組員は、外部または他のコックピットシステムを見ている場合、情報を即座に見ない場合がある。
したがって、本発明の目的は、上記の不利な点が低減されるように、航空機を改良することである。
様々な実施形態によれば、航空機の振動触覚システムが開示され、振動触覚システムは、複数の触覚器と、触覚器ドライバとを備え、触覚器ドライバは、複数の触覚器に動作可能に接続され、航空機コントローラから受信した信号に応答して、振動コマンドを複数の触覚器に送信するように構成される。
様々な実施形態では、振動触覚システムは、さらに、シートクッションを備え、複数の触覚器は、シートクッション内に配置された複数の左シート触覚器と、シートクッション内に配置された複数の右シート触覚器とを含み、複数の左シート触覚器は、シートクッションの中立面とシートクッションの左側面との間に配置され、複数の右シート触覚器は、シートクッションの中立面とシートクッションの右側面との間に配置される。
様々な実施形態では、振動触覚システムは、さらに、シートバッククッションを備え、複数の触覚器は、さらに、シートバッククッション内に配置された複数の左シートバック触覚器と、シートバッククッション内に配置された複数の右シートバック触覚器とを含み、複数の左シートバック触覚器は、シートバッククッションの中立面とシートバッククッションの左側面との間に配置され、複数の右シートバック触覚器は、シートバッククッションの中立面とシートバッククッションの右側面との間に配置される。
様々な実施形態では、振動触覚システムは、さらに、触覚器ドライバと通信するように構成された第1の有形非一時的メモリを備え、第1の有形非一時的メモリには命令が格納されており、命令は、触覚器ドライバによる実行に応答して、触覚器ドライバに動作を実行させ、動作は、触覚器ドライバにより、航空機コントローラから信号を受信することと、航空機コントローラから受信した信号に基づいて、触覚器ドライバにより、複数の触覚器の振動シーケンスを決定することと、触覚器ドライバにより、複数の左シート触覚器、複数の右シート触覚器、複数の左シートバック触覚器、及び複数の右シートバック触覚器のうちの少なくとも1つに、振動シーケンスに対応する振動コマンドを出力することと、を含む。
様々な実施形態では、振動シーケンス及び振動コマンドは、複数の左シート触覚器、複数の右シート触覚器、複数の左シートバック触覚器、及び複数の右シート触覚器のそれぞれを、同時に振動させるように構成される。
様々な実施形態では、振動シーケンス及び振動コマンドは、複数の左シート触覚器または複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第1の触覚器が最初に振動し、複数の左シート触覚器または複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第2の触覚器が最後に振動するように、複数の左シート触覚器または複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つを順次振動させるように構成され、第1の触覚器は、シートクッションの第1の端部に近接して配置され、第2の触覚器は、第1の端部とは反対側のシートクッションの第2の端部に近接して配置される。
様々な実施形態では、振動触覚システムは、さらに、航空機コントローラと、航空機コントローラと通信するように構成された第2の有形非一時的メモリとを備え、第2の有形非一時的メモリには命令が格納されており、命令は、航空機コントローラによる実行に応答して、航空機コントローラに動作を実行させる。動作は、航空機コントローラにより、フライト及び航空機データを受信することと、フライト及び航空機データに基づいて、航空機コントローラにより、触覚器ドライバに送信する信号を決定することと、航空機コントローラにより、触覚器ドライバに信号を出力することと、を含む。
様々な実施形態では、フライト及び航空機データは、アビオニクスシステム、センサ、または着陸装置システムのうちの少なくとも1つから受信される。
様々な実施形態では、フライト及び航空機データは、シート乗員監視システムから受信される。
様々な実施形態によれば、航空機の振動触覚システムの動作方法が開示される。方法は、触覚器ドライバにより、航空機コントローラから信号を受信することと、航空機コントローラから受信した信号に基づいて、触覚器ドライバにより、複数の触覚器の振動シーケンスを決定することと、触覚器ドライバにより、複数の触覚器に対し、振動シーケンスに対応する振動コマンドを出力することと、を含む。
様々な実施形態では、方法はさらに、航空機コントローラにより、フライト及び航空機データを受信することと、フライト及び航空機データに基づいて、航空機コントローラにより、触覚器ドライバに送信する信号を決定することと、航空機コントローラにより、触覚器ドライバに信号を出力することと、を含む。
様々な実施形態では、フライト及び航空機データは、アビオニクスシステム、センサ、着陸装置システム、またはシート乗員監視システムのうちの少なくとも1つから受信される。
様々な実施形態では、フライト及び航空機データは、境界に対する航空機の位置を示し、航空機コントローラにより触覚器ドライバに送信する信号を決定することは、航空機コントローラにより、航空機と境界との間の距離を閾値距離と比較することを含み、航空機コントローラは、距離が閾値距離未満であることに応答して、触覚器ドライバに信号を送信するように構成される。
様々な実施形態では、航空機コントローラにより送信される信号、及び触覚器ドライバにより送信される振動コマンドは、航空機と境界との間の距離が減少するにつれて、複数の触覚器をより速く振動させるように構成される。
様々な実施形態では、フライト及び航空機データは、航空機に接近する異物を示し、振動シーケンスは、異物が航空機に近づいて来ている方向を伝達するように構成される。
様々な実施形態では、複数の触覚器は、シートバッククッション内に配置された複数の左シートバック触覚器と、シートバッククッション内に配置された複数の右シートバック触覚器とを含み、複数の左シートバック触覚器は、シートバッククッションの中立面とシートバッククッションの左側面との間に配置され、複数の右シートバック触覚器は、シートバッククッションの中立面とシートバッククッションの右側面との間に配置される。
様々な実施形態では、複数の触覚器は、さらに、シートクッション内に配置された複数の左シート触覚器と、シートクッション内に配置された複数の右シート触覚器とを含み、複数の左シート触覚器は、シートクッションの中立面とシートクッションの左側面との間に配置され、複数の右シート触覚器は、シートクッションの中立面とシートクッションの右側面との間に配置される。
様々な実施形態では、振動シーケンス及び振動コマンドは、複数の左シート触覚器または複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第1の触覚器が最初に振動し、複数の左シート触覚器または複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第2の触覚器が最後に振動するように、複数の左シート触覚器または複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つを順次振動させるように構成され、第1の触覚器は、シートクッションの第1の端部に近接して配置され、第2の触覚器は、第1の端部とは反対側のシートクッションの第2の端部に近接して配置される。
様々な実施形態によれば、射出シートが開示される。射出シートは、シートバッククッションを含むシートバックと、シートバックに連結され、シートクッションを含むシートバケットと、シートバッククッション内に配置された複数のシートバック触覚器と、シートクッション内に配置された複数のシート触覚器と、複数のシートバック触覚器及び複数のシート触覚器に動作可能に接続された触覚器ドライバとを備え、触覚器ドライバは、複数のシートバック触覚器及び複数のシート触覚器に振動コマンドを送信するように構成される。
様々な実施形態では、触覚器ドライバは、航空機コントローラから信号を受信し、航空機コントローラから受信した信号に基づいて振動シーケンスを決定するように構成される。
前述の特徴及び要素は、別段に明記されない限り、非排他的に様々な組み合わせで組み合わされてもよい。これらの特徴及び要素、ならびにそれらの動作は、下記の説明及び添付図面に照らして、より明らかになるであろう。しかし、下記の説明及び図面は、本質的に例示を意図し、限定する意図はないことを理解されたい。
本開示の主題は、明細書の最終部分において、具体的に指摘され、明確に特許請求される。
しかし、本開示のより完全な理解は、発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を参照することにより、同様の数字が同様の要素を示す図と関連して検討した場合に、最もよく得ることができる。
しかし、本開示のより完全な理解は、発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を参照することにより、同様の数字が同様の要素を示す図と関連して検討した場合に、最もよく得ることができる。
本明細書における例示的実施形態の詳細説明は、例解として例示的実施形態を図示する添付図面を参照する。これらの例示的実施形態は、当業者が本開示の実施形態を実施できるように十分詳細に説明されているが、他の実施形態が実現されてもよいこと、ならびに本明細書における開示及び教示に従って、論理的変更ならびに設計及び構造の適応が行われてもよいことを、理解されたい。よって、本明細書における詳細説明は、限定ではなく、例示のみを目的として、提示される。方法またはプロセスの説明のうちのいずれかに列挙されるステップは、いずれの順序で実行されてもよく、必ずしも提示される順序に限定されない。
さらに、単数へのいずれの言及も、複数の実施形態を含み、2つ以上の構成要素またはステップへのいずれの言及も、単数の実施形態またはステップを含み得る。また、取り付けられる(attached)、固定される(fixed)、または接続される(connected)などへのいずれの言及も、永続的な、取り外し可能な、一時的な、部分的な、完全な、及び/または任意の他の可能な取り付け選択肢を含み得る。さらに、接触なし(または同様の句)へのいずれの言及も、低減された接触または最小限の接触も含み得る。図を通して異なる部分を示すために表面の陰影線が使用される場合があるが、必ずしも同じ材料または異なる材料を示すとは限らない。
本明細書で使用される「非一時的」という用語は、特許請求の範囲から一時的信号自体を伝播することのみを取り除くと理解されるべきであり、一時的信号自体及びそれ以外も伝播するすべての標準的なコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄しない。別の言い方をすると、「非一時的コンピュータ可読媒体」及び「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という用語の意味は、In re Nuijtenで米国特許法第101条に基づき特許可能な主題の範囲に含まれないと認知された一時的コンピュータ可読媒体類のみを除外するように、解釈されるべきである。
本明細書で開示されるのは、航空機の乗組員(例えばパイロットまたは副パイロット)に警告及び/または情報伝達するための振動触覚システムである。様々な実施形態では、振動触覚システムは、射出シートに設置され得る。振動触覚システムは、射出シートのシートクッション及び/またはシートバッククッション内に配置され得る触覚器を含む。様々な実施形態によれば、触覚器は、振動触覚システムの触覚器ドライバにより作動され得る。触覚器ドライバは、航空機コントローラと通信し、航空機コントローラから信号を受信するように構成される。様々な実施形態によれば、触覚器ドライバは、航空機コントローラから受信した信号に応答して、触覚器を作動させる(例えば触覚器に振動コマンドを送信する)ように構成される。様々な実施形態によれば、航空機コントローラが出力する信号に応じて、触覚器は、個々に、グループで、及び/または集合的に、様々な周波数で、様々な順序(複数可)/シーケンス(複数可)で、及び/または様々な間隔(例えば持続時間)で、作動され得る。触覚器の振動は、乗組員(すなわち射出シートの乗員)に対し、シートの乗員が気付くべき差し迫った危険または他の状況を、警告し得る。振動の位置、強さ、シーケンス、及び/または持続時間により、シートの乗員に情報を伝達することができ、及び/またはシートの乗員の注意を特定の方向に向けることができる。この点に関して、本明細書で開示される振動触覚システムは、標準の視覚的及び/または聴覚的なアラートと比較して、向上したミッション能力及び向上した安全性を提供することができる。
ここで図1を参照すると、航空機100が示される。様々な実施形態では、航空機100は、機体102と、乗員108(例えばパイロット)が航空機100の操縦中に位置する内部コックピット106を囲むキャノピー104とを含む。射出シート110は、コックピット106内に配置される。射出シート110は、航空機100の操縦中、ならびに緊急事態、航空機100の故障、または任意の他の射出事象に応答して開始され得る射出シーケンス中に、乗員108を収容するように構成される。
様々な実施形態によれば、航空機100内に航空機コントローラ112が設置される。航空機コントローラ112は、ネットワーク、コンピュータベースのシステム、及び/またはソフトウェア構成要素を備え得、これらは、航空機100の様々なシステム、エンジン、及び構成要素へのアクセスポイントを提供するように構成される。様々な実施形態では、航空機コントローラ112は、航空機コントローラ112による実行に応答してロジックを実施することが可能な1つ以上のプロセッサ及び/または1つ以上の有形非一時的メモリとして実装されてもよく、これらを含んでもよい。各プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラムマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。航空機コントローラ112は、プロセッサを備え得、プロセッサは、命令の実行に応答して、例えば航空機コントローラ112と通信するように構成された非一時的有形コンピュータ可読メモリ114に格納された命令の実行に応答して、様々な論理演算を実施するように構成される。振動触覚システム120の制御(例えば振動触覚システム120に送信される信号116の制御)に関する動作実行及び決定を行うために、ロジックデバイス(複数可)により使用可能な命令を、メモリ114は格納し得る。
様々な実施形態によれば、振動触覚システム120は、射出シート110に設置され得る。振動触覚システム120は、シートクッション126内に配置されたシート触覚器122及び/または射出シート110のシートバッククッション128内に配置されたシート触覚器124を含む。様々な実施形態によれば、シート触覚器122及びシートバック触覚器124(集合的に触覚器122、124と称される)は、振動触覚システム120の触覚器ドライバ130により作動され得る。触覚器ドライバ130は、有線接続または無線接続を介して、航空機コントローラ112と通信する。様々な実施形態によれば、触覚器ドライバ130は、航空機コントローラ112から受信した信号116に応答して、触覚器122、124を作動させる(例えば触覚器122、124に振動コマンドを送信する)ように構成される。
様々な実施形態によれば、触覚器122、124は、個々に、グループで、及び/または集合的に、様々な周波数で、様々な順序(複数可)/シーケンス(複数可)で、及び/または様々な間隔(例えば持続時間)で、作動され得る。この点に関して、触覚器ドライバ130は、航空機コントローラ112から受信した信号(複数可)116に基づいて、どの触覚器122、124を作動させるかを決定するように構成される。触覚器122、124の振動は、乗員108が気付くべき差し迫った危険または他の状況を、乗員108に警告するように構成され得る。振動の位置、強さ、シーケンス、及び/または持続時間は、乗員108に情報を伝達し、及び/または乗員108の注意を特定の方向に向けるように構成され得る。
振動触覚システム120は、射出シート110を参照して説明されるが、振動触覚システム120は、商用航空機を含む他の種類の乗組員用シートで使用できることが企図され、理解される。例えば、振動触覚システム120は、航空機から射出されない乗組員のシート(例えば商用航空機及び/または自家用航空機ならびに/あるいは回転翼航空機または固定翼航空機のパイロットシートまたは副パイロットシート)に設置され得る。様々な実施形態では、乗員108が着用するフライトスーツに、触覚器122、124と同様の触覚器が設置され得る。様々な実施形態では、触覚器122または触覚器124のうちの1つ以上が、中立面148または中立面158に、それぞれ配置され得る。
図2を参照すると、射出シート110及び振動触覚システム120のさらなる詳細が示される。様々な実施形態によれば、射出シート110は、シートバック140と、シートバケット142とを含む。シートクッション126は、シートバケット142の上方及び/または上に、配置され得る。シートバッククッション128は、シートバック140の上方及び/または上に、配置され得る。シート触覚器122は、シートクッション126の左側面144に近接して配置された複数の第1の(または左)シート触覚器122Lと、シートクッション126の右側面146に近接して配置された複数の第2の(または右)シート触覚器122Rとを含み得る。左シート触覚器122Lは、シートクッション126の中立面148とシートクッション126の左側面144との間に配置され得る。中立面148は、仮想平面/線であり、シートクッション126の左側面144とシートクッション126の右側面146との中間に位置し、シートクッション126の後側面150からシートクッション126の前側面152まで延在する。シートクッション126の後側面150は、シートバック140に近接して配置される。シートクッション126の前側面152は、シートクッション126の後側面150及びシートバック140の反対側に存在する。言い換えると、シートクッション126の前側面152は、シートバック140から遠位に存在する。様々な実施形態では、左シート触覚器122Lは、シートクッション126の中立面148とシートクッション126の左側面144との中間に、配置され得る。様々な実施形態では、左シート触覚器122Lは、シートクッション126の中立面148ではなくシートクッション126の左側面144に対してより近くに配置され得る。様々な実施形態では、右シート触覚器122Rは、シートクッション126の中立面148とシートクッション126の右側面146との中間に、配置され得る。様々な実施形態では、右シート触覚器122Rは、シートクッション126の中立面148ではなくシートクッション126の右側面146に対してより近くに配置され得る。
左シート触覚器122Lは、シートクッション126の左側面144に沿って直列に(例えば一列に)配置され得る。右シート触覚器122Rは、シートクッション126の右側面146に沿って直列に(例えば一列に)配置され得る。様々な実施形態では、シートバック140に最も近い左シート触覚器122L及び右シート触覚器122Rは、後側面150から、シートクッション126の長さLの少なくとも15%、少なくとも25%、及び/または少なくとも33%離して、配置され得る。シートクッション126の長さLは、シートクッション126の後側面150と、シートクッション126の前側面152上で後側面150から最も遠い点との間で、測定され得る。言い換えると、後側面150及びシートバック140に近接する領域には、左シート触覚器122L及び右シート触覚器122Rが存在しないように、左シート触覚器122L及び右シート触覚器122Rは、シートクッション126の長さLの85%、75%、及び/または67%に沿って配置され得る。
左シート触覚器122L及び右シート触覚器122Rを、シートクッション126の左側面144及び右側面146にそれぞれ近接して、及び後側面150から離して配置することは、左シート触覚器122L及び右シート触覚器122Rが脊椎、殿筋粗面、及び骨盤の骨の外側に存在することで、射出中に左シート触覚器112L及び/または右シート触覚器122Rが脊椎負荷を増加させる可能性が低減されるため、射出中の乗員の安全性を高める傾向がある。この点に関して、中立面148に近接する領域、特にシートクッション126の中立面148及び後側面150に近接する領域には、シート触覚器122が不在であり得る。
シートバック触覚器124は、シートバッククッション128の左側面154に近接して配置された複数の第1の(または左)シートバック触覚器124Lと、シートバッククッション128の右側面156に近接して配置された複数の第2の(または右)シートバック触覚器124Rとを含み得る。左シートバック触覚器124Lは、シートバッククッション128の中立面158とシートバッククッション128の左側面154との間に配置され得る。中立面158は、仮想平面/線であり、シートバッククッション128の左側面154とシートバッククッション128の右側面156との中間に位置し、シートバッククッション128の下端145からシートバッククッション128の上端147まで延在する。シートバッククッション128の下端145は、シートバケット142に近接して配置される。シートバッククッション128の上端147は、シートバッククッション128の下端145及びシートバケット142の反対側に存在する。言い換えると、シートバッククッション128の上端147は、シートバケット142から遠位に存在する。様々な実施形態では、左シートバック触覚器124Lは、シートバッククッション128の中立面158とシートバッククッション128の左側面154との中間に配置され得る。様々な実施形態では、左シートバック触覚器124Lは、シートバッククッション128の中立面158ではなくシートバッククッション128の左側面154に対してより近くに配置され得る。様々な実施形態では、右シートバック触覚器124Rは、シートバッククッション128の中立面158とシートバッククッション128の右側面156との中間に配置され得る。様々な実施形態では、右シートバック触覚器124Rは、シートバッククッション128の中立面158ではなくシートバッククッション128の右側面156に対してより近くに配置され得る。
左シートバック触覚器124Lは、シートクッション128の左側面154に沿って直列に(例えば一列に)配置され得る。右シート触覚器124Rは、シートクッション128の右側面156に沿って直列に(例えば一列に)配置され得る。様々な実施形態では、上端147に最も近い左シートバック触覚器124L及び右シートバック触覚器124Rは、上端147から、シートバッククッション128の長さL1の少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも33%、または少なくとも50%離して、配置され得る。長さL1は、下端145と上端147との間で測定され得る。言い換えると、シートバッククッション128の上端147に近接する領域(例えばシートバッククッション128の上部15%、上部25%、上部3分の1、及び/または上部半分)には、左シートバック触覚器124L及び右シートバック触覚器124Rが存在しないように、左シートバック触覚器124L及び右シートバック触覚器124Rは、シートバッククッション128の長さL1の85%、75%、67%、または50%に沿って配置され得る。
左シートバック触覚器124L及び右シートバック触覚器124Rを、シートバッククッション128の下部85%、下部75%、下部3分の2、または下部半分のみに配置することにより、シートバック触覚器124を含むシートバッククッション128の部分に、シートの乗員の背中が接触または近接する可能性が高くなる傾向がある。例えば、シートの乗員が前傾している状態、及び/または乗員の肩がシートバッククッション128から離れている状態でも、乗員の背中の下部は、依然としてシートバッククッション128と接触している可能性が高く、または少なくとも、シートバック触覚器124の振動を感じられるほどシートバッククッション128の近くに位置する。
図3は、振動触覚システム120の例示的な概略図を示す。図2及び図3を合わせて参照すると、様々な実施形態によれば、触覚器ドライバ130は、振動コマンド160(例えば電気信号)を左シート触覚器122Lに送信し、振動コマンド162を右シート触覚器122Rに送信し、振動コマンド164を左シートバック触覚器124Lに送信し、振動コマンド166を右シートバック触覚器124Rに送信するように構成される。左シート触覚器122Lは、振動コマンド160の受信に応答して、振動する。右シート触覚器122Rは、振動コマンド162の受信に応答して、振動する。左シートバック触覚器124Lは、振動コマンド164の受信に応答して、振動する。右シートバック触覚器124Rは、振動コマンド166の受信に応答して、振動する。触覚器ドライバ130は、有線接続または無線接続を介して、航空機コントローラ112と通信する。様々な実施形態によれば、触覚器ドライバ130は、航空機コントローラ112から受信した信号(複数可)116に基づいて、どの触覚器122L、122R、124L、124Rを作動させるかを決定するように構成される。言い換えると、触覚器ドライバ130は、信号(複数可)116に基づいて触覚器122L、122R、124L、124Rの振動シーケンスを決定し、振動シーケンスを実現するためにどの振動コマンド160、162、164、166を送信するかを決定するように構成される。「シーケンス」と称されるが、本明細書で開示される「振動シーケンス」は、信号116に応じて、触覚器122L、122R、124L、及び/または124Rの順次励起及び同時励起のどちらも含むことが企図され、理解される。
様々な実施形態では、触覚器ドライバ130は、触覚器ドライバ130による実行に応答してロジックを実施することが可能な1つ以上のプロセッサ及び/または1つ以上の有形非一時的メモリとして実装されてもよく、これらを含んでもよい。各プロセッサは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAもしくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。触覚器ドライバ130は、プロセッサを備え得、プロセッサは、命令の実行に応答して、例えば触覚器ドライバ130と通信するように構成された非一時的有形コンピュータ可読メモリ134に格納された命令の実行に応答して、様々な論理演算を実施するように構成される。触覚器122L、122R、124L、124Rの制御及び/または振動シーケンスに関する動作実行及び決定を行うために、ロジックデバイス(複数可)により使用可能な命令を、メモリ134は格納し得る。
様々な実施形態によれば、振動コマンド160は、左シート触覚器122Lを順次振動させる、または同時に振動させるように構成され得る。例えば、触覚器ドライバ130は、第1の信号116に基づいて、左シート触覚器122Lが順次振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、シートクッション126の前側面152に最も近い左シート触覚器122Lが最初に振動し、後側面150に最も近い左シート触覚器122Lが最後に振動するように、またはその逆順で振動するように、振動コマンド160を左シート触覚器122Lに順次送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第2の)信号116に応答して、左シート触覚器122Lが同時に振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、すべての左シート触覚器122L、または左シート触覚器122Lの組み合わせを同時に振動させるように構成された振動コマンド(複数可)160を送信し得る。様々な実施形態では、振動コマンド(複数可)160は、左シート触覚器122Lを非同期的に振動させる、及び/または順次振動させるように構成され得る。
様々な実施形態によれば、振動コマンド162は、右シート触覚器122Rを順次振動させる、または同時に振動させるように構成され得る。例えば、触覚器ドライバ130は、信号116に基づいて、右シート触覚器122Rが順次振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、後側面150に最も近い右シート触覚器122Rが最初に振動し、前側面152に最も近い右シート触覚器122Rが最後に振動するように、またはその逆順で振動するように、振動コマンド162を右シート触覚器122Rに順次送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第2の)信号116に応答して、右シート触覚器122Rが同時に振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、すべての右シート触覚器122R、または右シート触覚器122Rの組み合わせを同時に振動させるように構成された振動コマンド162を送信し得る。触覚器ドライバ130は、別の(例えば第3の)信号116に応答して、振動シーケンスを決定し得、左シート触覚器122L及び右シート触覚器122Rを同時に振動させるように構成された振動コマンド(複数可)160及び振動コマンド(複数可)162を送信し得る。
様々な実施形態によれば、振動コマンド164は、左シートバック触覚器124Lを順次振動させる、または同時に振動させるように構成され得る。例えば、触覚器ドライバ130は、信号116に基づいて、左シートバック触覚器124Lが順次振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、上端147に最も近い左シートバック触覚器124Lが最初に振動し、下端145に最も近い左シートバック触覚器124Lが最後に振動するように、またはその逆順で振動するように、振動コマンド164を左シートバック触覚器124Lに順次送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第2の)信号116に応答して、左シートバック触覚器124Lが同時に振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、すべての左シートバック触覚器124L、または左シートバック触覚器124Lの組み合わせを同時に振動させるように構成された振動コマンド164を送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第3の)信号116に応答して、振動シーケンスを決定し得、左シート触覚器122L及び左シートバック触覚器124Lを同時に振動させるように構成された振動コマンド(複数可)160及び振動コマンド(複数可)164を送信し得る。
様々な実施形態によれば、振動コマンド166は、右シートバック触覚器124Rを順次振動させる、または同時に振動させるように構成され得る。例えば、触覚器ドライバ130は、信号116に基づいて、右シートバック触覚器124Rが順次振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、上端147に最も近い右シートバック触覚器124Rが最初に振動し、下端145に最も近い右シートバック触覚器124Rが最後に振動するように、またはその逆順で振動するように、振動コマンド166を右シートバック触覚器124Rに順次送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第2の)信号116に応答して、右シートバック触覚器124Rが同時に振動する振動シーケンスを採用することを決定し得る。触覚器ドライバ130は、次に、すべての右シートバック触覚器124R、または右シートバック触覚器124Rの組み合わせを同時に振動させるように構成された振動コマンド166を送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第3の)信号116に応答して、振動シーケンスを決定し得、右シート触覚器122R及び右シートバック触覚器124Rを同時に振動させるように構成された振動コマンド(複数可)162及び振動コマンド(複数可)166を送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第4の)信号116に応答して、振動シーケンスを決定し得、左シートバック触覚器124L及び右シートバック触覚器124Rを同時に振動させるように構成された振動コマンド(複数可)164及び振動コマンド(複数可)166を送信し得る。触覚器ドライバ130は、異なる(例えば第5の)信号116に応答して、振動シーケンスを決定し得、左シート触覚器122L、右シート触覚器122R、左シートバック触覚器124L、及び右シートバック触覚器124Rを同時に振動させるように構成された振動コマンド(複数可)160、振動コマンド(複数可)162、振動コマンド(複数可)164、及び振動コマンド(複数可)166を送信し得る。
様々な実施形態によれば、航空機コントローラ112は、フライト及び航空機データ170を受信する。航空機コントローラ112は、フライト及び航空機データ170に基づいて信号(複数可)116を決定し、出力する。フライト及び航空機データ170は、アビオニクスシステム172からのデータを含み得る。例えば、フライト及び航空機データ170は、高度、速度、全地球測位システム(GPS)、通信、ナビゲーション、表示、ミッション、環境、または任意の他のアビオニクスシステム関する情報を含み得る。フライト及び航空機データ170は、航空機着陸装置システム174からのデータも含み得る。例えば、フライト及び航空機データ170は、航空機着陸装置のうちの1つ以上の航空機着陸装置の位置及び/または状態に関する情報、及び/または着陸装置の車輪及びブレーキアセンブリに関する情報を含み得る。フライト及び航空機データ170は、1つ以上のセンサ176からのデータも含み得る。例えば、フライト及び航空機データ170は、エンジンに関する情報を含み得る。言い換えると、センサ(複数可)176は、航空機エンジンに関する情報を監視及び出力し得る。様々な実施形態では、センサ(複数可)176は、異物(例えば航空機の外側の物体)、及び異物の航空機への近接度及び/または軌道を検出するように構成され得る。この点に関して、フライト及び航空機データ170は、異物データを含み得る。
フライト及び航空機データ170は、シート乗員監視システム178からのデータも含み得る。シート乗員監視システム178は、乗員108(図1)の健康及び/または注意力を監視するように構成され得る。例えば、シート乗員監視システム178は、乗員108(図1)の様々な生理学的状態を監視するように構成された非侵襲性の軽量なバイオセンサを含み得る。様々な実施形態では、シート乗員監視システム178は、乗員108が着用して、乗員108の血圧、心拍数、体温、酸素飽和度、脳内の電気的活動、及び/または他の生理学的状態を検出するように構成されたウェアラブル(例えばセンサを有するスマートウォッチ、胸郭バンド、スカルキャップなど)を含み得る。様々な実施形態では、シート乗員監視システム178は、乗員108のバイオメトリック特徴に対応する眼球運動及び/または画像データを検出するように設計された眼球運動及び/または顔認識センサ(例えばカメラ(複数可)、光検出器(複数可)、赤外線検出器(複数可)、または乗員108に対応する画像データを検出できる任意の他のセンサ)を含み得る。眼球運動及び/または顔認識センサは、キャノピー104(図1)に、乗員108が着用するヘルメットバイザーに、または乗員108の眼及び顔を監視できる任意の他の場所に、配置され得る。航空機コントローラ112は、信号調整を行い、様々なアルゴリズムを実行して、乗員108の意識状態を検出し得る。航空機コントローラ112は、乗員108の脳波(EEG)、血圧(BP)、体温、酸素含量、眼球運動、及び/またはECGのうちの1つ以上に基づいて、乗員108の意識状態に関する判定を行い得る。
様々な実施形態によれば、航空機コントローラ112は、フライト及び航空機データ170の受信に応答して、信号116を出力する。例えば乗員108が眠っている、意識がない、あるいはぼんやりとしていることを示すフライト及び航空機データ170の受信に応答して、航空機コントローラ112は、「目覚まし」信号116を触覚器ドライバ130に送信し得る。触覚器ドライバ130は、目覚まし信号116の受信に応答して、振動シーケンスを決定し、振動コマンド(複数可)160、振動コマンド(複数可)162、振動コマンド(複数可)164、及び振動コマンド(複数可)166を出力し、これにより触覚器122、124を振動させ得る。様々な実施形態では、航空機コントローラ112は、フライト及び航空機データ170に基づいて、乗員108が励振された触覚器に応答するか否かを判定するように構成され得る。乗員108が応答しない場合、航空機コントローラ112は、第2の「目覚まし」信号116を送信し得る。第2の目覚まし信号116は、第1の目覚まし信号116とは異なり得る。例えば、第2の目覚まし信号116により、触覚器ドライバ130は、振動シーケンスを決定し、第1の目覚まし信号116に関連付けられた振動コマンドド160、162、164、166と比較して、触覚器振動をより長くまたはより強くするように構成された振動コマンドド160、162、164、166を出力し得る。
様々な実施形態では、航空機コントローラ112は、方向信号116を出力する。航空機コントローラ112は、例えば航空機の後部右舷側から接近する物体を示すフライト及び航空機データ170に応答して、方向信号116を触覚器ドライバ130に出力し得る。触覚器ドライバ130は、方向信号116に応答して、振動シーケンスを決定し、振動コマンド166を右シートバック触覚器124Rのうちの1つ以上に送信し得る。様々な実施形態では、方向信号116は、乗員108(図1)の注意を、コックピットのディスプレイ上のアラート(例えば光またはメッセージ)に向けるように構成され得る。航空機コントローラ112は、例えばエンジン故障状態を示すフライト及び航空機データ170の受信に応答して、コックピットのディスプレイに配置されたアラートに警告を表示するように命令し得、乗員108の注意をアラートの方向に向けるように構成された様式で触覚器を振動させるように構成されたアラート方向信号116を送信し得る。航空機コントローラ112は、例えばコックピットのディスプレイの左側に配置されたアラートに警告を出力するように命令したことに応答して、アラート方向信号116を触覚器ドライバ130に出力し得る。触覚器ドライバ130は、アラート方向信号116の受信に応答して、振動シーケンスを決定し、シートクッション126の後側面150に最も近い左シート触覚器122Lで始まり、シートクッション126の前側面152に最も近い左シート触覚器122Lで終わるよう、左シート触覚器Lを順次振動させるように構成された振動コマンド160を送信し得る。触覚器振動の順序は、乗員108がコックピットのディスプレイの左側(すなわちアラートの方向)を見るように構成される。
様々な実施形態では、振動触覚システム120は、乗員108に危険を警告し得る。例えば、フライト及び航空機データ170は、目に見えない及び/または地理的な境界(例えば飛行禁止区域、国境、別の航空機の飛行空間など)に対する航空機の位置を示し得る。航空機と境界との距離が閾値距離未満になることに応答して、航空機コントローラ112は、境界接近信号116を送信し得る。触覚器ドライバ130は、境界接近信号116の受信に応答して、振動シーケンスを決定し、境界が左舷側にある場合は振動コマンド160、164を送信し、境界が右舷側にある場合は振動コマンド162、166を送信し得る。様々な実施形態では、航空機が境界に近付くにつれて、境界接近信号116及び振動コマンドは、触覚器122、124をより速く振動させ得る。この点に関して、振動と振動との間隔時間及び振動の持続時間は、航空機が境界に近付くにつれてより短くなり、これにより、境界が接近していることが乗員108に示され得る。
疲労した及び/または注意散漫な乗員108は視覚的アラートを見ない場合があるため、振動を使用した乗員108への警告により、乗員108は危険または他の異常を警告される可能性が高まる傾向にある。例えば、疲労したパイロットは、自身の着陸進入が浅すぎることを知らせるアラートを見ない及び/またはゲージを読まない場合がある。しかし、振動触覚システム120では、フライト及び航空機データ170は、航空機が安全な着陸を行う状態にないことを、航空機コントローラ112に伝達する(例えばフライト及び航空機データ170は、進入が浅すぎる、速度が高すぎる、着陸装置(複数可)のうちの1つ以上が所定位置にないなどを示し得る)。航空機コントローラ112は、フライト及び航空機データ170に応答して、障害信号116を触覚器ドライバ130に送信する。触覚器ドライバ130は、障害信号116の受信に応答して、振動シーケンスを決定し、振動コマンド160、162、164、166のうちの1つ以上を送信し、これにより、触覚器122L、122R、124L、124Rのうちの1つ以上を振動させる。触覚器の振動により、着陸進入に問題があることが乗員108に即座に伝達され、これにより、乗員108が航空機を上昇させ、問題に対処する方法を決定することが可能となる。
前述は、振動触覚システム120のいくつかまたは多数の例示的な使用であり、任意の数の状況を乗員108に警告するために、励振された触覚器及び振動シーケンスの複数の組み合わせが使用され得ることを、理解されたい。
図4Aを参照すると、航空機の振動触覚システムを制御するための方法200が示される。様々な実施形態によれば、方法200は、触覚器ドライバにより、航空機コントローラから信号を受信すること(ステップ210)と、航空機コントローラから受信した信号に基づいて、触覚器ドライバにより、複数の触覚器の振動シーケンスを決定すること(ステップ220)と、触覚器ドライバにより、複数の触覚器に対し、振動シーケンスに対応する振動コマンドを出力すること(ステップ230)と、を含み得る。
図4A及び図3を合わせて参照すると、ステップ210は、触覚器ドライバ130が航空機コントローラ112から信号116を受信することを含み得る。ステップ220は、触覚器ドライバ130が信号116に基づいて触覚器122、124の振動シーケンスを決定することを含み得る。ステップ230は、触覚器ドライバ130が、左シート触覚器122L、右シート触覚器122R、左シートバック触覚器124L、及び右シートバック触覚器124Rのうちの1つ以上に対し、振動コマンド160、162、164、166のうちの1つ以上をそれぞれ送信することを含み得る。1つ以上の振動コマンド160、162、164、166は、左シート触覚器122L、右シート触覚器122R、左シートバック触覚器124L、及び/または右シートバック触覚器124Rを、決定された振動シーケンスで振動させるように構成される。
図4Bを参照すると、航空機の振動触覚システムを制御するための方法300が示される。方法300は、方法200(図4Aを参照)と同様であるが、方法300は、さらに、航空機コントローラにより、フライト及び航空機データを受信すること(ステップ310)と、フライト及び航空機データに基づいて、航空機コントローラにより、触覚器ドライバに送信する信号を決定すること(ステップ320)と、航空機コントローラにより、触覚器ドライバに信号を出力すること(ステップ330)と、を含む点で異なり得る。
図4B及び図3を合わせて参照すると、様々な実施形態では、ステップ310は、航空機コントローラ112がフライトデータ及び航空機データ170を受信することを含み得る。ステップ320は、航空機コントローラ112が、フライト及び航空機データ170に基づいて、触覚器ドライバ130に送信する信号116を決定することを含み得る。ステップ330は、航空機コントローラ112が触覚器ドライバ130に信号116を出力することを含み得る。
本明細書では、具体的な実施形態に関して、利益及び他の利点が説明された。さらに、本明細書に含まれる様々な図に示される接続線は、例示的な機能関係及び/または様々な要素間の物理的接続を表すことが意図される。実際のシステムでは、多くの代替的または付加的な機能関係または物理的接続が存在し得ることに、留意されたい。しかしながら、利益、利点、及び任意の利益もしくは利点を生じ得る、またはより顕著にし得る任意の要素は、本開示の重要な、必要な、または不可欠な特性もしくは要素として解釈されるべきではない。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、特許請求の範囲では、単数形の要素への言及は、明示的に「1つのみ」と記されていない限り「1つのみ」を意味せず、むしろ「1つ以上」を意味することが意図される。さらに、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」に類似する句が請求項で使用される場合、その句は、実施形態にAのみが存在し得る、実施形態にBのみが存在し得る、実施形態にCのみが存在し得る、または単一の実施形態に要素A、B、及びCの任意の組み合わせ、例えばAとB、AとC、BとC、AとBとCが存在し得ることを意味すると、解釈されることが意図される。
本明細書では、システム、方法、及び装置が提供される。本明細書における発明を実施するための形態において、「様々な実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、しかし、あらゆる実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含み得ないことを示す。さらに、このような句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して説明される場合、他の実施形態に関連してこのような特徴、構造、または特性が用いられることは、明確に記載されているか否かにかかわらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。説明の読了後、代替的な実施形態で本開示を実施する方法が、関連技術分野(複数可)の当業者には明らかであろう。
さらに、本開示の要素、構成要素、または方法のステップは、要素、構成要素、または方法のステップが特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かに関係なく、一般に公開されることを意図していない。本明細書における特許請求の範囲の要素は、「~ための手段(means for)」という句を使用して要素が明示的に挙げられない限り、米国特許法第112(f)条を行使することを意図していない。本明細書で使用される用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、またはこれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を指すことが意図され、よって、要素のリストを含むプロセス、方法、製品、または装置は、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはこのようなプロセス、方法、製品、もしくは装置に特有な他の要素も含み得る。
Claims (15)
- 航空機の振動触覚システムであって、
複数の触覚器と、
前記複数の触覚器に動作可能に接続され、航空機コントローラから受信した信号に応答して、振動コマンドを前記複数の触覚器に送信するように構成された触覚器ドライバと、
を備える、振動触覚システム。 - 前記振動触覚システムは、さらに、シートクッションを備え、
前記複数の触覚器は、前記シートクッション内に配置された複数の左シート触覚器と、前記シートクッション内に配置された複数の右シート触覚器とを含み、
前記複数の左シート触覚器は、前記シートクッションの中立面と前記シートクッションの左側面との間に配置され、前記複数の右シート触覚器は、前記シートクッションの前記中立面と前記シートクッションの右側面との間に配置され、
前記振動触覚システムは、さらに、シートバッククッションを備え、
前記複数の触覚器は、さらに、前記シートバッククッション内に配置された複数の左シートバック触覚器と、前記シートバッククッション内に配置された複数の右シートバック触覚器とを含み、
前記複数の左シートバック触覚器は、前記シートバッククッションの中立面と前記シートバッククッションの左側面との間に配置され、前記複数の右シートバック触覚器は、前記シートバッククッションの前記中立面と前記シートバッククッションの右側面との間に配置される、
請求項1に記載の振動触覚システム。 - 前記振動触覚システムは、さらに、前記触覚器ドライバと通信するように構成された第1の有形非一時的メモリを備え、前記第1の有形非一時的メモリには命令が格納されており、前記命令は、前記触覚器ドライバによる実行に応答して、前記触覚器ドライバに動作を実行させ、前記動作は、
前記触覚器ドライバにより、前記航空機コントローラから前記信号を受信することと、
前記航空機コントローラから受信した前記信号に基づいて、前記触覚器ドライバにより、前記複数の触覚器の振動シーケンスを決定することと、
前記触覚器ドライバにより、前記複数の左シート触覚器、前記複数の右シート触覚器、前記複数の左シートバック触覚器、及び前記複数の右シートバック触覚器のうちの少なくとも1つに、前記振動シーケンスに対応する振動コマンドを出力することと、
を含む、請求項2に記載の振動触覚システム。 - 前記振動シーケンス及び前記振動コマンドは、前記複数の左シート触覚器、前記複数の右シート触覚器、前記複数の左シートバック触覚器、及び前記複数の右シート触覚器のそれぞれを、同時に振動させるように構成される、請求項3に記載の振動触覚システム。
- 前記振動シーケンス及び前記振動コマンドは、前記複数の左シート触覚器または前記複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第1の触覚器が最初に振動し、前記複数の左シート触覚器または前記複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第2の触覚器が最後に振動するように、前記複数の左シート触覚器または前記複数の右シート触覚器のうちの前記少なくとも1つを順次振動させるように構成され、
前記第1の触覚器は、前記シートクッションの第1の端部に近接して配置され、前記第2の触覚器は、前記第1の端部とは反対側の前記シートクッションの第2の端部に近接して配置される、
請求項3に記載の振動触覚システム。 - 前記振動触覚システムは、さらに、
前記航空機コントローラと、
前記航空機コントローラと通信するように構成された第2の有形非一時的メモリと、
を備え、前記第2の有形非一時的メモリには命令が格納されており、前記命令は、前記航空機コントローラによる実行に応答して、前記航空機コントローラに動作を実行させ、前記動作は、
前記航空機コントローラにより、フライト及び航空機データを受信することと、
前記フライト及び航空機データに基づいて、前記航空機コントローラにより、前記触覚器ドライバに送信する前記信号を決定することと、
前記航空機コントローラにより、前記触覚器ドライバに前記信号を出力することと、
を含む、請求項3に記載の振動触覚システム。 - 前記フライト及び航空機データは、アビオニクスシステム、センサ、着陸装置システム、またはシート乗員監視システムのうちの少なくとも1つから受信される、請求項6に記載の振動触覚システム。
- 航空機の振動触覚システムの動作方法であって、
触覚器ドライバにより、航空機コントローラから信号を受信することと、
前記航空機コントローラから受信した前記信号に基づいて、前記触覚器ドライバにより、複数の触覚器の振動シーケンスを決定することと、
前記触覚器ドライバにより、前記複数の触覚器に対し、前記振動シーケンスに対応する振動コマンドを出力することと、
を含む、方法。 - 前記航空機コントローラにより、フライト及び航空機データを受信することと、
前記フライト及び航空機データに基づいて、前記航空機コントローラにより、前記触覚器ドライバに送信する前記信号を決定することと、
前記航空機コントローラにより、前記触覚器ドライバに前記信号を出力することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。 - 前記フライト及び航空機データは、アビオニクスシステム、センサ、着陸装置システム、またはシート乗員監視システムのうちの少なくとも1つから受信される、請求項9に記載の方法。
- 前記フライト及び航空機データは、境界に対する前記航空機の位置を示し、
前記航空機コントローラにより前記触覚器ドライバに送信する前記信号を決定することは、前記航空機コントローラにより、前記航空機と前記境界との間の距離を閾値距離と比較することを含み、
前記航空機コントローラは、前記距離が前記閾値距離未満であることに応答して、前記触覚器ドライバに前記信号を送信するように構成され、
前記フライト及び航空機データは、前記航空機に接近する異物を示し、
前記振動シーケンスは、前記異物が前記航空機に近づいて来ている方向を伝達するように構成され、
前記複数の触覚器は、シートバッククッション内に配置された複数の左シートバック触覚器と、前記シートバッククッション内に配置された複数の右シートバック触覚器とを含み、
前記複数の左シートバック触覚器は、前記シートバッククッションの中立面と前記シートバッククッションの左側面との間に配置され、前記複数の右シートバック触覚器は、前記シートバッククッションの前記中立面と前記シートバッククッションの右側面との間に配置される、請求項10に記載の方法。 - 前記航空機コントローラにより送信される前記信号、及び前記触覚器ドライバにより送信される前記振動コマンドは、前記航空機と前記境界との間の前記距離が減少するにつれて、前記複数の触覚器をより速く振動させるように構成される、請求項11に記載の方法。
- 前記複数の触覚器は、さらに、シートクッション内に配置された複数の左シート触覚器と、前記シートクッション内に配置された複数の右シート触覚器とを含み、
前記複数の左シート触覚器は、前記シートクッションの中立面と前記シートクッションの左側面との間に配置され、前記複数の右シート触覚器は、前記シートクッションの前記中立面と前記シートクッションの右側面との間に配置され、
前記振動シーケンス及び前記振動コマンドは、前記複数の左シート触覚器または前記複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第1の触覚器が最初に振動し、前記複数の左シート触覚器または前記複数の右シート触覚器のうちの少なくとも1つである第2の触覚器が最後に振動するように、前記複数の左シート触覚器または前記複数の右シート触覚器のうちの前記少なくとも1つを順次振動させるように構成され、
前記第1の触覚器は、前記シートクッションの第1の端部に近接して配置され、前記第2の触覚器は、前記第1の端部とは反対側の前記シートクッションの第2の端部に近接して配置される、
請求項11に記載の方法。 - シートバッククッションを含むシートバックと、
前記シートバックに連結され、シートクッションを含むシートバケットと、
前記シートバッククッション内に配置された複数のシートバック触覚器と、
前記シートクッション内に配置された複数のシート触覚器と、
前記複数のシートバック触覚器及び前記複数のシート触覚器に動作可能に接続された触覚器ドライバであって、前記複数のシートバック触覚器及び前記複数のシート触覚器に振動コマンドを送信するように構成された、前記触覚ドライバと、
を備えた、射出シート。 - 前記触覚器ドライバは、航空機コントローラから信号を受信し、前記航空機コントローラから受信した前記信号に基づいて振動シーケンスを決定するように構成される、請求項14に記載の射出シート。
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