JP2023181982A - 樹脂組成物、ポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、ポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置 Download PDF

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Mitsutaka Nakamura
隆志 岩田
Takashi Iwata
佳祐 和田
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Abstract

【課題】加熱(キュア)工程の前、後ともに良好な着色度合い(低透過率)を有する膜であり、かつ、十分な膜伸度を保持した該ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得ることができる、樹脂組成物を提供する。【解決手段】以下の成分:(A)一般式(A1)で表されるポリイミド前駆体;(B)有機染料;及び(C)有機溶媒を含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物をスピンコートした後に、110℃で240秒間に亘って乾燥して得られるプリベーク膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)が40%以下であり、前記プリベーク膜を、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱して得られるポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)が0.4以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、ポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置に関する。
半導体装置(以下、本明細書において単に「素子」と称する場合がある。)は、目的に合わせて、様々な方法でプリント基板に実装される。従来の素子は、素子の外部端子(パッド)からリードフレームまで細いワイヤで接続する、ワイヤボンディング法により作製されることが一般的であった。しかし、素子の高速化が進み、動作周波数がGHzまで到達した今日、実装における各端子の配線長さの違いが、素子の動作に影響を及ぼすまでに至った。そのため、ハイエンド用途の素子の実装では、実装配線の長さを正確に制御する必要が生じた。しかしながら、ワイヤボンディングではその要求を満たすことが困難であった。
そこで、半導体チップの表面に再配線層を形成し、その上にバンプ(電極)を形成した後、該チップを裏返し(フリップ)て、プリント基板に直接実装する、フリップチップ実装が提案されている。このフリップチップ実装では、配線距離を正確に制御できる。このため、フリップチップ実装は、高速な信号を取り扱うハイエンド用途の素子に、あるいは、実装サイズの小ささから携帯電話等に、それぞれ採用され、需要が急拡大している。
従来、電子部品の絶縁材料、並びに半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、及び層間絶縁膜等には、優れた耐熱性及び電気特性を併せ持つポリイミドが用いられている。パッシベーション膜、表面保護膜、及び層間絶縁膜等を構成する樹脂の表面に、レリーフパターンを形成すること、並びに、該表面に半導体装置の製品仕様、ロット番号及び製造年月日を刻印すること、等のためには、レーザー装置を用いることが一般的である。
レーザー処理したときに、所望のレリーフパターンを形成でき、また、刻印できるためには、パッシベーション膜、表面保護膜、及び層間絶縁膜等が、レーザー波長に対して吸収を有することが求められる。
ここで、ポリイミド膜を着色することで該ポリイミド膜に適度な光吸収を持たせる手法が知られている。例えば、特許文献1では、C.I.ピグメントブルー又はカーボンブラック等の顔料を含有せしめることにより、ポリイミド膜を着色する旨が開示されている。また、特許文献2では、ペリレン系又はベンゾフラノン系の顔料を含有せしめることにより、ポリイミド膜を着色する旨が開示されている。なお、顔料としては、上記の他、チタンブラック、グラファイト、ペリレンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
国際公開第2020/175150号 特許第6418248号公報
しかしながら、顔料を添加して着色したポリイミド膜は、引張応力がかかる場合に顔料成分が破断点となり易く、そのため、良好な膜伸度を達成することが不可能である、という問題があった。この点、有機染料を用いてポリイミド膜を着色する方法も知られている。他方、200℃以上の加熱を経ると有機染料が分解、及び揮発し、その結果、樹脂が著しく退色すると考えられる。また、有機染料が加熱により重合して著しく着色する場合には、加熱による着色具合を制御することが難しいといった課題があった。
他方で近年、出力エネルギーの小さな532nmのレーザー(グリーンレーザー)を用いて、樹脂の表面に刻印することが求められていた。グリーンレーザーを用いて樹脂の表面に刻印するためには、該樹脂が良好な着色度合い(低透過率)を有することが望ましいものの、これまで、グリーンレーザーの使用に適した樹脂を得るための樹脂組成物について、十分な検討が成されていない背景があった。
本発明の目的は、加熱(キュア)工程の前、後ともに良好な着色度合い(低透過率)を有する膜であり、かつ、十分な膜伸度を保持した該ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得ることができる、樹脂組成物を提供することである。また、本発明の目的は、かかる樹脂組成物を用いたポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置を提供することである。
本発明の一態様は以下のとおりである。
[1]
以下の成分:
(A)下記一般式(A1):
{式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、R及びRは、水素原子、下記一般式(R):
(式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは、2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRは同時に水素原子ではない。}
で表されるポリイミド前駆体;
(B)有機染料;及び
(C)有機溶媒
を含む樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物をスピンコートした後に、110℃で240秒間に亘って乾燥して得られるプリベーク膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)が40%以下であり、
前記プリベーク膜を、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱して得られるポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)が40%以下である、樹脂組成物。
[2]
UV透過率の差Δ(b-a)が、-10%≦Δ(b-a)≦10%の関係を満たす、項目1に記載の樹脂組成物。
[3]
前記一般式(A1)において、前記Xが、下記式(2):
で表される構造を含む、項目1又は2に記載の樹脂組成物。
[4]
前記一般式(A1)において、前記Yが、下記式(8):
及び/又は下記式(9):
で表される構造を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[5]
前記(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.5~30質量部である、項目1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[6]
前記樹脂組成物が、前記(A)成分100質量部に対して、(D)光重合開始剤を1~50質量部含む、項目1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[7]
前記(B)成分が、アジン系染料誘導体、及びアントラセン系染料誘導体の少なくとも一方を含む、項目1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[8]
前記(C)成分が、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、γ-ブチロラクトン(GBL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、及び乳酸エチルから成る群より選ばれる少なくとも1つを含む、項目1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[9]
更に以下の成分:
(D)光重合開始剤
を含み、前記(D)成分が、オキシム類である、項目1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[10]
(1)項目1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を基板に塗布することにより、樹脂組成物膜を形成する工程と、
(2)前記樹脂組成物膜を露光、及び現像する工程、又は前記樹脂組成物膜にレーザー照射する工程により、レリーフパターンを形成する工程と、
(3)前記レリーフパターンを加熱して硬化レリーフパターンを形成する工程と、
を有する、硬化レリーフパターンの製造方法。
[11]
前記基板が、銅又は銅合金から形成されて成る、項目10に記載の硬化レリーフパターンの製造方法。
[12]
項目1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られる硬化レリーフパターンを絶縁層として有する、半導体装置。
[13]
以下の成分:
(A)下記一般式(A1):
{式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、R及びRは、水素原子、下記一般式(R):
(式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは、2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRは同時に水素原子ではない。}
で表されるポリイミド前駆体;
(B)有機染料;及び
(C)有機溶媒
を含む樹脂組成物を用いた、ポリイミドの製造方法であって、
前記樹脂組成物をスピンコートした後に、110℃で240秒間に亘って乾燥して得られるプリベーク膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)が40%以下であり、
前記プリベーク膜を、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱して得られる前記ポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)が40%以下である、ポリイミドの製造方法。
[14]
UV透過率の差Δ(b-a)が、-10%≦Δ(b-a)≦10%の関係を満たす、項目13に記載のポリイミドの製造方法。
本発明によれば、加熱(キュア)工程の前、後ともに良好な着色度合い(低透過率)を有する膜であり、かつ、十分な膜伸度を保持した該ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得ることができる、樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、かかる樹脂組成物を用いたポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する。)について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。本明細書中、ある一般式において同一符号で表されている構造は、それが分子中に複数存在する場合、互いに同一でも異なってもよい。本明細書中、「~」を用いて記載した数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。また、本明細書中、段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換わってよい。また、本明細書中、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換わってよい。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体と、(B)有機染料と、(C)有機溶媒と、を含有する。本実施形態の樹脂組成物によれば、膜物性を悪化させることなく、少量の有機染料の添加で加熱(キュア)後も良好な着色度合いを発現することができる。
ここで、本実施形態の樹脂組成物は、
以下の成分:
(A)下記一般式(A1):
{式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、R及びRは、水素原子、下記一般式(R):
(式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは、2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRは同時に水素原子ではない。}
で表されるポリイミド前駆体;
(B)有機染料;及び
(C)有機溶媒
を含む樹脂組成物であって、
上記樹脂組成物をスピンコートした後に、110℃で240秒間に亘って乾燥して得られるプリベーク膜(樹脂膜)の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)が40%以下であり、
上記プリベーク膜を、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱して得られるポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)が40%以下である。
このような樹脂組成物によれば、加熱(キュア)工程の前、後ともに良好な着色度合い(低透過率)を有する膜であり、かつ、十分な膜伸度を保持した該ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得ることができる。
≪UV透過率≫
<UV透過率(a)>
本実施形態では、上記UV透過率(a)が40%以下である。UV透過率(a)は、プリベーク膜における着色度合いを示す指標として位置づけられることができ、UV透過率(a)が40%以下であることは、プリベーク膜が好適に着色していることを示す。かかる観点から、UV透過率(a)は、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下である。
UV透過率(a)は、樹脂組成物の原料種、及びそれらの含有量比等により制御可能である。UV透過率(a)は、実施例の手法に基づいて算出される。なお、乾燥条件(110℃、及び240秒間)は、プリベーク膜を好適に得る観点で選択されている。
<UV透過率(b)>
本実施形態では、上記UV透過率(b)が40%以下である。UV透過率(b)は、ポリイミド膜における着色度合いを示す指標として位置づけられることができ、UV透過率(b)が40%以下であることは、ポリイミド膜が好適に着色していることを示す。かかる観点から、UV透過率(b)は、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下である。
UV透過率(b)は、樹脂組成物の原料種、及びそれらの含有量比等により制御可能である。UV透過率(a)は、実施例の手法に基づいて算出される。なお、加熱(キュア)条件(230℃、2時間、及び窒素雰囲気下)は、ポリイミド膜を好適に得る観点で選択されている。
<UV透過率の差Δ(b-a)>
樹脂組成物において、上記UV透過率の差Δ(b-a)は、-10%≦Δ(b-a)≦10%の関係を満たすことが好ましい。UV透過率の差Δ(b-a)は、プリベーク膜が加熱(キュア)を経るときの、膜の変色度合いを示す指標として位置づけられることができ、UV透過率の差Δ(b-a)が上記関係を満たすことは、加熱(キュア)を経ても、ポリイミド膜が、十分にプリベーク膜の着色性を維持していることを示す。本実施形態では、プリベーク膜が所定の着色性を有し、かつ、その着色性の程度をポリイミド膜においても好適に保持することができるため、ポリイミド膜における光吸収の程度をプリベーク膜の時点でチューニングし易い。かかる観点から、UV透過率の差Δ(b-a)は、より好ましくは-8%≦Δ(b-a)≦8%、更に好ましくは-6%≦Δ(b-a)≦6%である。
UV透過率の差Δ(b-a)が0%超えであること、すなわち、上記UV透過率(b)>上記UV透過率(a)であることは、加熱(キュア)によって膜の退色が進行するにも関らず、その進行の程度を十分に抑制することができることを意味する。
UV透過率の差Δ(b-a)が0%未満であること、すなわち、上記UV透過率(b)<上記UV透過率(a)であることは、加熱(キュア)を利用して膜を更に着色することができていることを意味する。
UV透過率の差Δ(b-a)は、波長532nmにおける紫外線(UV)に基づいて得られる値であり、従って、本実施形態におけるポリイミド膜(硬化レリーフ)は、532nmのグリーンレーザーを搭載したレーザー装置への利用適格性を判断し易い。かかるレーザー装置は、パッシベーション膜、表面保護膜、及び層間絶縁膜等を構成する樹脂の表面に、レリーフパターンを形成すること、並びに、該表面に半導体装置の製品仕様、ロット番号及び製造年月日を刻印すること、等のために用いられる場合がある。ポリイミド膜における光吸収の程度をプリベーク膜の時点でチューニングし易いという本実施形態の特性も相まって、本実施形態の樹脂組成物は、ハイエンド用途の素子におけるポリイミド膜、特に、パッシベーション膜、表面保護膜、及び層間絶縁膜等としてのポリイミド膜を形成するのに有用である。
≪(A)成分;ポリイミド前駆体≫
本実施形態の(A)成分は、上記一般式(A1)で表されるポリイミド前駆体である。
これによれば、露光時に(C)光重合開始剤を効果的に作用させ易くなり、その結果、各種特性に優れた硬化レリーフパターンを得易くなる。
<上記一般式(A1)中のX>
上記一般式(A1)中、Xで表される4価の有機基は、例えば、(A)成分の原料であるテトラカルボン酸二無水物に由来する有機基である。かかる有機基は、好ましくは、炭素数6~40の有機基であり、更に好ましくは、
(1)-COOR基及び-CONH-基が同一の環に結合している;
(2)-COOR基及び-CONH-基が互いにオルト位置にある;
の両者を満たす、4価の芳香族基又は4価の脂環式脂肪族基である。上記(1)において、-COOR基が結合している芳香環と、-COOR基が結合している芳香環とは、同一でも異なってもよい。この文脈における「環」は、好ましくはベンゼン環である。また、この文脈における-COOR基におけるRは、上記一般式(R)で表される1価の有機基であることが好ましい。
Xで表される4価の有機基として、特に好ましくは、下記式:
で表される構造が挙げられる。Xは、1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。
本実施形態では、良好な膜物性を発現する観点から、上記Xは、下記式(1)~(3):
で表される群から選択される少なくとも一つの構造を含むことが好ましい。
本実施形態では、良好な膜物性(例えば、膜伸度)を発現する観点から、(A)成分において、上記Xが、下記式(2):
で表される構造を含むことが好ましい。すなわち、(A)成分は、ODPA(4,4’-オキシジフタル酸無水物)由来の構造を含むことが好ましい。
上記一般式(A1)におけるR及びRXの少なくとも一方が、上記一般式(R)で表される1価の有機基である場合、その一般式(R)中のRは、水素原子又はメチル基が好ましく、R及びRは、感光特性の観点から、それぞれ水素原子が好ましい。また、pは、感光特性の観点から、好ましくは2以上10以下の整数、より好ましくは2以上4以下の整数である。
<上記一般式(A1)中のY>
上記一般式(A1)中、Yで表される2価の有機基は、例えば、(A)成分の原料であるジアミンに由来する有機基である。かかる有機基は、好ましくは、炭素数6~40の芳香族基であり、例えば、下記式:
{上記式中、Aは、それぞれ独立に、メチル基(-CH)、エチル基(-C)、プロピル基(-C)、ブチル基(-C)、又はトリフルオロメチル基(-CF)である。}で表される構造が挙げられる。Yは、1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。
本実施形態では、良好な膜物性を発現する観点から、上記Yは、下記一般式(4)~(7):
{上記式中、Aは、それぞれ独立に、メチル基(-CH)、エチル基(-C)、プロピル基(-C)、ブチル基(-C)、又はトリフルオロメチル基(-CF)である。}で表される群から選択される少なくとも一つの構造を含むことが好ましい。
なかでも、本実施形態では、良好な膜物性(例えば、膜伸度)を発現する観点から、(A)成分において、上記Yが、下記式(8):
及び/又は下記式(9):
で表される構造を含むことが好ましい。すなわち、(A)成分は、DADPE(4,4’-ジアミノジフェニルエーテル)由来の構造、及び/又はm-TB(2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル)由来の構造を含むことが好ましい。
<上記一般式(A1)中のX及びYの組み合わせの一例>
本実施形態では、一般式(A1)において、上記Xが、下記式(2):
で表される構造を含み、かつ、上記Yが、下記式(8):
で表される構造を含むことが、接着性をより高め、かつ、良好な膜物性を発現する観点から好ましい。
また、本実施形態では、一般式(A1)において、上記Xが、下記式(2):
で表される構造を含み、かつ、上記Yが、下記式(8):
及び、下記式(10):
で表される群より選択される少なくとも一つの構造を含むことが、良好な膜物性を発現する観点から好ましい。
上記を含め、本実施形態における、上記X及び上記Yの組み合わせの一例は、下記のとおりである。これらの組み合わせによれば、樹脂組成物、及び/又は、これから得られる硬化レリーフパターンについて、各種特性の向上を図り易い。所定番号におけるX及びYの組み合わせと、他の番号におけるX及びYの組み合わせとは、併用されてよい。
<(A)成分の物性>
(A)成分の重量平均分子量は、加熱(キュア)後に得られるポリイミド膜の、耐熱性及び機械特性の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは5,000以上であり、また、好ましくは100,000以下である。有機溶媒に対する溶解性の観点から、(A)成分の重量平均分子量は、50,000以下がより好ましい。本実施形態の樹脂組成物は感光性を有するところ、露光感度、並びに、露光及び現像後に得られるパターンの解像度と、かかるパターンに対する加熱(キュア)後の膜物性と、の両立の観点から、(A)成分の重量平均分子量は、好ましくは6,000以上、7,000以上、8,000以上であり、また、好ましくは、40,000以下、30,000以下、22,000以下である。「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として算出される。
≪(B)成分;有機染料≫
本実施形態の樹脂組成物は、上記(B)成分を含む。(B)成分としての染料(dye)は、溶媒(主として水)に溶解する点で、溶剤と作用せず、かつ、溶剤に溶解しないと定義される「顔料(pigment)」とは異なる。(B)成分としては、波長400~800nm付近に極大吸収波長をもつ有機染料が好ましく挙げられる。
(B)成分として、具体的には、アジン系、アゾメチン系、アントラセン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリドン系、イソインドリノン系、インダンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、キノリン系、及びトリフェニルメタン系から成る群より選択される少なくとも一つの染料誘導体が挙げられる。なかでも、(B)成分の好例としては、アジン系染料誘導体、及びアントラセン系染料誘導体の少なくとの一方が挙げられる。これらの(B)成分は、(A)成分と高い相溶性を示すため、ポリイミド膜の膜伸度の向上を図り易い。
(B)成分は、可視域の波長を好適に吸収すること、(A)成分のようなポリマーとの好適な相溶性を有すること、及び、レーザー光に対する散乱特性が低いこと、の少なくとも一つを満たす有機染料を、複数種の組み合せたものが好ましい。更に、(B)成分は、(A)成分の加熱(キュア)工程における高温、又は、レーザー光の照射による溶融時の高温に晒されたときに退色し難いこと、優れた耐熱性を有すること、及び、レーザー光の波長を好適に吸収すること、の少なくとも一つを満たす有機染料を有することが好ましい。ここで言う「レーザー光」は、例えば、波長532nmのグリーンレーザーによるレーザー光であってよい。
アジン系染料誘導体としては、C.I.Solvent Black 5、C.I.Solvent Black 7、及び、C.I.Acid Black 2としてカラーインデックスに記載されているような、黒色アジン系縮合混合物が挙げられる。このようなアジン系染料誘導体は、例えば、アニリン、アニリン塩酸塩、及びニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160~180℃で酸化、及び脱水縮合することで得ることができる。
アントラセン系染料誘導体としては、下記で示すアントラセン系染料誘導体が、良好な耐熱性を示し、かつ、加熱(キュア)工程前、後でともに良好な着色度合い(低透過率)を有する膜が得られ易いため、特に好ましい。すなわち、アントラセン系染料誘導体としては、アントラセン系油溶性染料が好ましく、具体的には、C.I.Solvent Blue 11、12、13、14、26、35、36、44、45、48、49、58、59、63、68、69、70、78、79、83、87、90、94、97、98、101、102、104、105、122、129、及び132;
C.I.Disperse Blue 14、35、102、及び197; C.I.Solvent Green 3、19、20、23、24、25、26、28、31、33、及び65;
C.I.Solvent Violet 13、14、15、26、30、31、33、34、36、37、38、40、41、42、45、47、48、51、59、及び60のカラーインデックスで市販されている染料が好ましく挙げられる。
なかでも、
B-4:下式で表される化合物;
B-5:下式で表される化合物;
B-6:下式で表される化合物;
B-7:下式で表される化合物;
B-8:下式で表される化合物;
B-9:下式で表される化合物;
B-10:下式で表される化合物;
B-11:下式で表される化合物;
から成る群より選択される少なくとも一つのアントラセン系染料誘導体が、より好ましく挙げられる。
本発明の効果を奏し易い観点から、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.5~30質量部、より好ましくは1~20質量部、更に好ましくは1~5質量部である。(B)成分の含有量が上記下限値より少ないと、プリベーク膜の段階で着色性が十分に得られない。(B)成分の含有量が上記上限値より多いと、得られるポリイミド膜の膜物性が悪化し易い。(B)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
≪(C)成分;有機溶媒≫
本実施形態の樹脂組成物は、上記(C)成分を含む。
(C)成分としては、例えば、(A)成分に対する溶解性の点から、極性を有する有機溶媒が好ましく挙げられる。具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン(GBL)、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
また、(C)成分としては、樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点から、アルコール類が好ましく挙げられる。好適なアルコール類は、分子内にアルコール性水酸基を持ち、かつ、オレフィン系二重結合を有さないアルコールである。具体的には、
メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等のアルキルアルコール類;
乳酸エチル等の乳酸エステル類;
プロピレングリコール-1-メチルエーテル、プロピレングリコール-2-メチルエーテル、プロピレングリコール-1-エチルエーテル、プロピレングリコール-2-エチルエーテル、プロピレングリコール-1-(n-プロピル)エーテル、プロピレングリコール-2-(n-プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル等のモノアルコール類;
2-ヒドロキシイソ酪酸エステル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類;
等が挙げられる。なかでも、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2-ヒドロキシイソ酪酸エステル類、及びエチルアルコールが好ましく、特に、乳酸エチル、プロピレングリコール-1-メチルエーテル、プロピレングリコール-1-エチルエーテル、及びプロピレングリコール-1-(n-プロピル)エーテルがより好ましい。
(C)成分は、樹脂組成物の塗布膜厚、及び/又は粘度に応じ、(A)成分の100質量部に対して、30~1,500質量部、好ましくは100~1,000質量部で用いられる。(C)成分が、オレフィン系二重結合を有さないアルコールを含む場合、(C)成分の全量に占める、オレフィン系二重結合を有さないアルコールの割合は、好ましくは5~50質量%、より好ましくは10~30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記割合が5質量%以上の場合、樹脂組成物の保存安定性が良好になり、50質量%以下の場合、(A)成分の溶解性が良好になる。
以上を総合的に鑑みると、(C)成分のなかでも、N-メチル-2-ピロリドン、GBL、DMSO、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、及び乳酸エチルから成る群より選択される少なくとも1種が特に好ましい。(C)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
≪(D)成分;光重合開始剤≫
本実施形態の樹脂組成物は、上記(D)成分を更に含むことができる。(D)成分は、特定の波長を吸収して分解することで、ラジカルを発生することができる。本実施形態の樹脂組成物が(D)成分を更に含むことにより、感光性樹脂組成物として好適に用いることができる。
(D)成分としては、
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体;
2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体;
チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;
ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体;
1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム等のオキシム類;
N-フェニルグリシン等のN-アリールグリシン類;
ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類;
芳香族ビイミダゾール類
チタノセン類;
α-(n-オクタンスルフォニルオキシイミノ)-4-メトキシベンジルシアニド等の光酸発生剤類;
等が好ましく挙げられる。なかでも、光感度の点で、オキシム類がより好ましい。
オキシム類のなかでも、樹脂組成物と基板との接着性の観点から、下記式(D1)~(D6):
(式中、R39は、メチル基又はフェニル基であり、R40は、それぞれ独立に炭素数1~12の1価の有機基であり、Zは、イオウ又は酸素原子であり、R41は、メチル基、フェニル基又は2価の有機基であり、R42~R44は、水素原子又は1価の有機基である。)
で表される群より選択される少なくとも一つの構造を含むものが更に好ましい。
(D)成分の機能の好適な発現の観点、ひいては、本発明の効果を奏し易い観点から、樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、(D)成分を0.1~100質量部含むことが好ましく、1~50質量部含むことがより好ましい。
≪(E)成分;その他の成分≫
本実施形態の樹脂組成物は、上記(A)~(D)以外の成分((E)成分;その他の成分)を、(A)~(C)成分とともに、又は(A)~(D)成分とともに、更に含有してよい。
(E)成分としては、例えば、不飽和結合を有する架橋剤が挙げられる。これにより、(D)成分を更に含有する場合、本実施形態の樹脂組成物を感光性樹脂組成物としてより好適に用い易くなる。このほか、(E)成分としては、
(A)成分以外の樹脂;
増感剤;
接着助剤;
重合禁止剤;
アゾール化合物;
ヒンダードフェノール化合物;
等が挙げられる。(E)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-1)架橋剤)
本実施形態の樹脂組成物は、ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)の物性、及び解像性を向上させる観点から、光重合性の不飽和結合を有する架橋剤を含有してよい。このような架橋剤としては、(D)成分によってラジカル重合反応することができる、(メタ)アクリル化合物が挙げられる。このような化合物としては、
ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
グリセロールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;
シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート;
1,4-ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールのジ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
ベンゼントリメタクリレート;
イソボルニル(メタ)アクリレート;
アクリルアミド及びその誘導体;
メタクリルアミド及びその誘導体;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
グリセロールのジ又はトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールのジ、トリ、又はテトラ(メタ)アクリレート;
並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物;
等が好ましく挙げられる。
光重合性の不飽和結合を有する架橋剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、より好ましくは2~50質量部である。光重合性の不飽和結合を有する架橋剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-2)(A)成分以外の樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、(A)成分以外の樹脂成分を含有してよい。このような樹脂成分は、例えば、ポリイミド、ポリオキサゾール、ポリオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、アクリル樹脂等である。(E)成分としてポリイミドを含有する場合、そのポリイミドは、(A)成分の骨格に由来する骨格を有するポリイミドであってもよく、また、該骨格を有しないポリイミドであってもよい。
(A)成分以外の樹脂成分の樹脂成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01~20質量部である。(A)成分以外の樹脂成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-3)増感剤)
本実施形態の樹脂組成物を感光性樹脂組成物として用いる場合、光感度を向上させるため、該樹脂組成物は、増感剤を任意に含有してよい。該増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p-ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p-ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2-(p-ジメチルアミノフェニルビフェニレン)-ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3-ビス(4’-ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3-アセチル-7-ジメチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンジロキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-メトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、N-フェニル-N’-エチルエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、N-p-トリルジエタノールアミン、N-フェニルエタノールアミン、4-モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2-メルカプトベンズイミダゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2-d)チアゾール、2-(p-ジメチルアミノベンゾイル)スチレン、ジフェニルアセトアミド、ベンズアニリド、N-メチルアセトアニリド、3‘,4’-ジメチルアセトアニリド等が挙げられる。
増感剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~25質量部が好ましい。増感剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-4)接着助剤)
樹脂組成物と基板との接着性の向上のため、該樹脂組成物は、接着助剤を任意に含有してよい。接着助剤としては、例えば、γ-アミノプロピルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル-3-ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ-3-グリシドキシプロピルメチルシラン、N-(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン-3,3’-ビス(N-〔3-トリエトキシシリル〕プロピルアミド)-4,4’-ジカルボン酸、ベンゼン-1,4-ビス(N-〔3-トリエトキシシリル〕プロピルアミド)-2,5-ジカルボン酸、3-(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤が挙げられる。なかでも、接着性の観点から、シランカップリング剤が好ましい。
接着助剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5~25質量部が好ましい。接着助剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-5)重合禁止剤)
本実施形態の樹脂組成物は、(C)成分として有機溶媒を含むために溶液状態にある。この場合、保存時の粘度及び光感度の安定性を向上させるため、該樹脂組成物は、熱重合禁止剤を任意に含有してよい。熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N-ニトロソジフェニルアミン、p-tert-ブチルカテコール、フェノチアジン、N-フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6-ジ-tert-ブチル-p-メチルフェノール、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、2-ニトロソ-5-(N-エチル-N-スルフォプロピルアミノ)フェノール、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N-ニトロソ-N(1-ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1オキシル等が挙げられる。
熱重合禁止剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.005~12質量部が好ましい。熱重合禁止剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-6)アゾール化合物)
本実施形態の樹脂組成物を塗布する基板が、銅又は銅合金を含む場合、銅表面の変色を抑制するため、該樹脂組成物はアゾール化合物を任意に含有してよい。アゾール化合物としては、例えば、1H-トリアゾール、5-メチル-1H-トリアゾール、5-エチル-1H-トリアゾール、4,5-ジメチル-1H-トリアゾール、5-フェニル-1H-トリアゾール、4-t-ブチル-5-フェニル-1H-トリアゾール、5-ヒドロキシフェニル-1H-トリアゾール、フェニルトリアゾール、p-エトキシフェニルトリアゾール、5-フェニル-1-(2-ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5-ベンジル-1H-トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5-ジメチルトリアゾール、4,5-ジエチル-1H-トリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、1H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、1-メチル-1H-テトラゾール等が挙げられる。なかでも、トリルトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、及び4-メチル-1H-ベンゾトリアゾールから成る群より選択される少なくとも一種以上が好ましい。
アゾール化合物の含有量は、接着性の観点から、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.5~5質量部である。アゾール化合物の含有量が0.1質量部以上である場合、本実施形態の樹脂組成物を基板上に形成した場合、その基板に含まれる銅又は銅合金の変色を抑制し易く、また、20質量部以下である場合、該樹脂組成物が良好な保存安定性を示し易い。アゾール化合物は、単独でも2種以上を併用してもよい。
((E-7)ヒンダードフェノール化合物)
基板表面の変色を抑制するため、本実施形態の樹脂組成物は、上記アゾール化合物に代えて、又はアゾール化合物とともに、ヒンダードフェノール化合物を任意に含有してよい。ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,5-ジ-t-ブチル-ハイドロキノン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ-ト、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’-メチレンビス(2、6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-イソプロピルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-s-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[4-(1-エチルプロピル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[4-トリエチルメチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-フェニルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,5,6-トリメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5-エチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-6-エチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-6-エチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5,6-ジエチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5‐エチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられる。なかでも、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオンが好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の含有量は、樹脂組成物と基板との接着性の観点から、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.5~10質量部である。ヒンダードフェノール化合物の含有量が0.1質量部以上である場合、本実施形態の樹脂組成物を基板上に形成した場合、その基板に含まれる銅又は銅合金の変色を抑制し易く、また、20質量部以下である場合、該樹脂組成物が良好な保存安定性を示し易い。
≪(A)成分の調製方法≫
(A)成分は、各工程により調製することができる。
(1)所望の4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物と、光重合性基(例えば、不飽和二重結合)を有するアルコール類と、を反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、「アシッド/エステル体」とも称する)を調製する。
(2)アシッド/エステル体と、2価の有機基Yを有するジアミン類と、をアミド重縮合させる。
上記(1)において、光重合性基を有するアルコール類とともに、飽和脂肪族アルコール類を任意に併用してよい。これらの化合物は、単独でも2種以上を併用してもよい。
<アシッド/エステル体の調製>
(4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物)
アシッド/エステル体を調製するために好適な、4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸無水物、ジフェニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)プロパン、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
(光重合性基を有するアルコール類)
アシッド/エステル体を調製するために好適な、光重合性基を有するアルコール類としては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルアルコール、1-アクリロイルオキシ-3-プロピルアルコール、2-アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2-ヒドロキシエチルビニルケトン、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-t-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルアルコール、1-メタクリロイルオキシ-3-プロピルアルコール、2-メタクリルアミドエチルアルコール、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-t-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
(飽和脂肪族アルコール類)
任意的に使用できる飽和脂肪族アルコール類としては、例えば、炭素数1~4の飽和脂肪族アルコールが挙げられる。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノールが好ましい。
(反応溶媒及び反応条件)
上記テトラカルボン酸二無水物と上記アルコール類とは、好ましくはピリジン等の塩基性触媒の存在下、好ましくは適当な反応溶媒中、温度20~50℃で4~10時間に亘り、撹拌、及び混合されてよい。これにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を好適に得ることができる。
上記反応溶媒としては、原料(テトラカルボン酸二無水物及びアルコール類)、並びに生成物であるアシッド/エステル体を溶解可能な溶媒が好ましい。より好ましくは、アシッド/エステル体とジアミンとのアミド重縮合生成物であるポリイミド前駆体を溶解可能な溶媒である。このような反応溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、DMSO、テトラメチル尿素、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等が挙げられる。このうち、
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン;
エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル;
ラクトン類としては、例えば、GBL;
エーテル類としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン;
ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,4-ジクロロブタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン;
炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン;
等が挙げられる。
<(A)成分の調製>
アシッド/エステル体(典型的には、上記反応溶媒中に溶解された溶液状態にあるアシッド/エステル体)に、好ましくは氷冷下、適当な脱水縮合剤を投入混合してアシッド/エステル体を、中間体であるポリ酸無水物に変換する。これに、2価の有機基Yを有するジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下し、両者をアミド重縮合させることにより、目的の(A)成分が得られる。
脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン、1,1-カルボニルジオキシ-ジ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネートが挙げられる。
2価の有機基Yを有するジアミン類としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト-トリジンスルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等;
これらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン原子等で置換されたもの(置換体);
これらの混合物;
等が挙げられる。
置換体の具体例としては、例えば、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル等;
これらの混合物;
等が挙げられる。
ジアミノシロキサン類は、樹脂組成物と基板との接着性の向上のため、(A)成分の調製に際して、2価の有機基Yを含むジアミン類と併用されてよい。ジアミノシロキサン類の具体例としては、例えば、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
アミド重縮合の終了後、反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を、必要に応じて濾別した後、重合体を含む溶液に適当な貧溶媒(例えば、水、脂肪族低級アルコール、その混合液)を投入し、重合体成分を析出させてよい。更に、再溶解、及び再沈操作を必要に応じて繰り返して重合体を精製した後、真空乾燥を行うことにより、目的の(A)成分を単離してよい。精製度を向上させるため、陰イオン、及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体を含む溶液を通過させ、イオン性不純物を除去してよい。
(A)成分の重量平均分子量は、加熱後に得られるポリイミド膜(硬化レリーフパターン)の耐熱性、及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として、好ましくは1,000以上、より好ましくは5,000以上であり、また、好ましくは100,000以下である。現像液に対する溶解性の観点から、重量平均分子量は、50,000以下がより好ましい。感度と解像度の両立の観点から、重量平均分子量は、好ましくは6,000~40,000、より好ましくは7,000~30,000、更に好ましくは8,000~22,000である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒は、テトラヒドロフラン又はN-メチル-2-ピロリドンが推奨される。分子量は、標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求められる。標準単分散ポリスチレンは、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM-105から選ぶことが推奨される。
≪硬化レリーフパターンの製造方法≫
本実施形態の一態様は、硬化レリーフパターンの製造方法である。
本実施形態の製造方法は、以下の工程:
(1)上記樹脂組成物を基板に塗布することにより、樹脂組成物膜を形成する工程と、
(2)樹脂組成物膜を露光、及び現像する工程、又は樹脂組成物膜にレーザー照射する工程により、レリーフパターンを形成する工程と、
(3)レリーフパターンを加熱して硬化レリーフパターンを形成する工程と、を有する。
(1)塗布工程
本工程では、上記樹脂組成物を基板に塗布することにより、樹脂組成物膜を形成する。樹脂組成物を基板に塗布した後、必要に応じて乾燥させてよい。
基板としては、例えば、
シリコン、アルミニウム、銅、銅合金等から成る金属基板;
エポキシ、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール等の樹脂基板;
前記樹脂基板に金属回路が形成された基板;
複数の金属、又は金属と樹脂とが多層に積層された基板;
等が挙げられる。
塗布方法としては、従来から樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、
スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法;
スプレーコーターで噴霧塗布する方法;
等が挙げられる。
樹脂組成物を乾燥させる場合、その乾燥方法としては、
風乾;
オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥;
真空乾燥;
等の方法が挙げられる。なお、乾燥は、(A)成分のイミド化が起こり難い条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃~140℃で、1分~1時間の条件で乾燥を行うことができる。
(2)レリーフパターンを形成する工程
本工程では、樹脂組成物膜を露光、及び現像する工程、又は樹脂組成物膜にレーザー照射する工程により、レリーフパターンを形成する。本工程は、上記樹脂組成物を感光性樹脂として用いる場合に好適である。すなわち、フォトリソグラフィー工程(露光、及び現像工程)を行うことにより、又は、二酸化炭素レーザー、UVレーザー、グリーンレーザー等の高エネルギー密度を用いたレーザードリル加工を行う工程(レーザードリル加工工程)により、レリーフパターンを好適に形成することができる。
(フォトリソグラフィー工程)
フォトリソグラフィー工程は、露光装置によって行われることができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置が挙げられる。
露光工程では、光線からの露光光を樹脂組成物膜に照射する。樹脂組成物膜への露光光の照射は、パターンが形成されたフォトマスク又はレチクルを介して、又は直接に、行うことができる。露光に使用する光線は、紫外線光源等である。
露光工程後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度、及び任意の時間の組合せによる、露光後ベーク(PEB)、及び/又は現像前ベークを施してよい。ベーク条件の一例は、温度は40~120℃、時間は10秒~240秒である。
現像工程では、露光後の樹脂組成物膜のうち、未露光部を現像液によって除去する。現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法;パドル法;超音波処理を伴う浸漬法;等が挙げられる。
現像工程後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて、任意の温度、及び任意の時間の組合せによる現像後ベークを施してよい。現像後ベークの条件の一例は、例えば、温度は80~130℃であり、また、時間は0.5~10分である。
現像液は、樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。良溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン等が好ましい。貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合、樹脂組成物中の樹脂成分の溶解性に応じて、良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整してよい。各溶媒は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(レーザードリル加工工程)
レーザードリル加工工程では、532nmのグリーンレーザー波長を用いる場合、高スループットを実現し易く、かつ、半導体装置へのダメージを最小限に抑え易いため好ましい。本実施形態の樹脂組成物は、532nmに吸収波長を有しているため、グリーンレーザーによりレリーフパターンを好適に形成することができる。
(3)加熱工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して硬化レリーフパターンを形成する。このとき、(A)成分をイミド化させて、ポリイミドを含む硬化レリーフパターンに変換する。
加熱の方法としては、ホットプレートによるもの;オーブンを用いるもの;温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの;等の種々の方法が挙げられる。加熱の条件の一例は、温度は200℃~400℃、時間は30分~5時間である。加熱の際の雰囲気中の気体としては、空気でもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスでもよい。
≪半導体装置≫
本実施形態の一態様は、上記樹脂組成物から得られる硬化レリーフパターンを、絶縁層として有する、半導体装置である。半導体装置は、例えば、半導体素子である基板と、該基板上に配される上記硬化レリーフパターンと、を有する。
上記半導体装置は、例えば、基板として半導体素子を用い、上記硬化レリーフパターンの製造方法を、該半導体装置の製造工程の一部に含む方法により製造することができる。半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、例えば、表面保護膜;層間絶縁膜;再配線用絶縁膜;フリップチップ装置用保護膜;又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜;等として形成し、更に、公知の半導体装置の製造方法と組合せることにより、製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されない。実施例欄における樹脂組成物の物性は、下記方法に従って測定及び評価した。
(1)硬化レリーフパターンのUV透過率
以下の製造例に従って調製した樹脂組成物を、コーターデベロッパー(D-Spin60A型、SOKUDO社製)を用いてスピンコート法により石英板上に塗布し、樹脂組成物の膜を得た。その膜を、大気雰囲気下において110℃で240秒間に亘って乾燥(プリベーク)することにより、石英板上に、10μm厚のプリベーク膜を得た。紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製、UV-1800)により、上記プリベーク膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)を算出した。
プリベーク膜を、昇温プログラム式キュア炉(VF-2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱(キュア)することにより、石英板上に、約6~7μm厚のポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得た。紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製、UV-1800)により、上記ポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)を算出した。
前記(a)、(b)がともに40%以下であるものを評価対象とした。そして、下記式:
UV透過率の差Δ(b-a)=UV透過率(b)-UV透過率(a)
で表される、上記加熱(キュア)する前後でのUV透過率の差Δ(b-a)を、以下の基準に基づき評価した。「優」及び「良」の両方に該当する評価結果は、「優」として取り扱った。
「優」:-5%≦Δ(b-a)≦5%
「良」:-10%≦Δ(b-a)≦10%
「可」:Δ(b-a)<-10%、又は、Δ(b-a)>10%
(2)硬化レリーフパターンの伸度
上記加熱(キュア)後の膜厚が約7μmとなるように、硬化レリーフパターンを得た。すなわち、以下の製造例に従って調製した樹脂組成物を、スピンコート法により6インチシリコンウエハー上に塗布し、乾燥(プリベーク)した。その後、昇温プログラム式キュア炉(VF-2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱(キュア)することによって、ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得た。
得られたポリイミド膜を、ダイシングソー(DAD3350型、DISCO社製)を用いて3mm幅の短冊状にカットした後、46%フッ化水素酸を用いてシリコンウェハーから剥離することで、ポリイミドテープを得た。得られたポリイミドテープの伸度を、引張試験機(UTM-II-20型、オリエンテック社製)を用いて、ASTM D882-09に従って測定した。そして、伸度を、以下の基準に基づき評価した。
「優」:50%以上
「良」:20%以上50%未満
「不可」:20%未満
<製造例1>((A)ポリイミド前駆体(ポリマーA-1)の合成)
4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2L容量のセパラブルフラスコに入れ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g及びγ-ブチロラクトン400mlを加えて室温下で攪拌しながらピリジン79.1gを加え、反応させた。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置し、反応混合物を得た。
次に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ-ブチロラクトン180mlに溶解した溶液と、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ-ブチロラクトン350mlに懸濁した懸濁液と、を用意した。氷冷下において、反応混合物に、上記溶液を攪拌しながら40分かけて加え、続いて、上記懸濁液を、攪拌しながら60分かけて加えた。その後、更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌した後に、γ-ブチロラクトン400mlを加え、混合液を得た。混合液に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3Lのエタノールに加え、粗ポリマーを含む沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾取し、テトラヒドロフラン1.5Lに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28Lの水に滴下してポリマーを沈殿させ、沈殿物を濾取した後に真空乾燥することにより、粉末状のポリマーA-1を得た。ポリマーA-1の重量平均分子量(Mw)は、20,000であった。
<製造例2>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-2)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、3,3’4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)147.1gを用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-2を得た。ポリマーA-2の重量平均分子量(Mw)は、22,000であった。
<製造例3>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-3)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)(190.7g)を用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-3を得た。ポリマーA-3の重量平均分子量(Mw)は21,000であった。
<製造例4>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-4)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)(98.6g)を用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-4を得た。ポリマーA-4の重量平均分子量(Mw)は、21,000であった。
<製造例5>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-5)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、p-フェニレンジアミン(p-PD)(50.2g)を用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-5を得た。ポリマーA-5の重量平均分子量(Mw)は、21,000であった。
<製造例6>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-6)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)160.1gを用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-6を得た。ポリマーA-6の重量平均分子量(Mw)は、21,000であった。
<製造例7>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-7)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、ピロメリット酸無水物(PMDA)54.5gと4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)77.6gとを用い、また、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)98.6gを用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-7を得た。ポリマーA-7の重量平均分子量(Mw)は、21,000であった。
<製造例8>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-8)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)77.6gと、3,3’4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)73.6gとを用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-8を得た。ポリマーA-8の重量平均分子量(Mw)は、20,000であった。
<製造例9>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-9)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、ピロメリット酸無水物(PMDA)109.1gを用い、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、p-フェニレンジアミン(p-PD)50.2gを用いた以外は、製造例1と同様の手法により、ポリマーA-9を得た。ポリマーA-9の重量平均分子量(Mw)は、20,000であった。
<実施例1>
(A)成分として、ポリマーA-1(100質量部)と、
(B)成分として、B-1(ソルベントブラック7;3.0質量部)と、
その他成分として、テトラエチレングリコールジメタクリレート8質量部)、及びN-フェニルジエタノールアミン4質量部)とを、
(C)成分として、C-1(GBL及びDMSOの重量比80:20混合物)に溶解し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の粘度は、約3.5Pa・sであった。この樹脂組成物について、上記方法により評価した。評価結果は下表に示した。
<実施例2~36、及び比較例1~11>
下記のとおりの各原料を混合した以外は、実施例1と同様の手法により、実施例2~36及び比較例1~11の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記方法により評価した。評価結果は下表に示した。
下表に記載の各番号は、それぞれ、下記化合物を意味する。
(A)成分;ポリイミド前駆体
A-1/A-2:A-1とA-2を各50質量部ずつ使用した混合物
A-1/A-5:A-1とA-5を各50質量部ずつ使用した混合物
(B)成分;有機染料
B-1:ソルベントブラック7
B-2:ソルベントブラック3
B-3:アシッドブラック2
B-4:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-5:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-6:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-7:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-8:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-9:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-10:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
B-11:下式で表されるアントラセン誘導体化合物
b-12:下式で表されるロイコクリスタルバイオレット(4,4’,-メチリジントリス(N,N-ジメチルアニリン))
b-13:下式で表されるクリスタルバイオレット(4,4’,4’’-メチリジントリス(N,N-ジメチルアニリン))
b-14:ジフェニルアントラセン
b-15:9-フェニルアクリジン
(b)顔料
b-16:カーボンブラック
b-17:グラファイト
b-18:チタンブラック
b-19:酸化鉄
(C)成分;有機溶媒
C-2:N-メチルピロリドン
C-3:N-メチルピロリドン及び乳酸エチルの重量比80:20混合物
C-4:エクアミド
C-5:エクアミド及びDMSOの重量比80:20混合物
C-6:アセトン
C-7:ヘキサン
(D)成分;光重合開始剤
D-1:下式で表される光重合開始剤
D-2:式(D4)で表される光重合開始剤
D-3:式(D6)で表される光重合開始剤
上記表に示されるとおり、実施例はいずれも、キュア工程前、後ともに良好な着色度合い(低透過率)を有する膜であり、かつ、十分な膜伸度を保持した該ポリイミド膜(硬化レリーフパターン)を得ることができることが確かめられた。
以上、本実施形態について説明してきたが、本発明は本実施形態のみに限定されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、例えば、半導体装置、及び多層配線基板等の、電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野において、好適に利用できる。例えば、本発明は、電子部品の絶縁材料、並びに半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜等に用いられる樹脂組成物として産業上利用可能であり、また、本発明は、それを用いたポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置としても産業上利用可能である。このような本発明は、半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途にも好適に適用され得る。また、本発明は、532nmのレーザー(グリーンレーザー)の使用に適した樹脂を得る観点でも有用である。

Claims (14)

  1. 以下の成分:
    (A)下記一般式(A1):
    Figure 2023181982000052
    {式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、R及びRは、水素原子、下記一般式(R):
    Figure 2023181982000053
    (式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは、2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRは同時に水素原子ではない。}
    で表されるポリイミド前駆体;
    (B)有機染料;及び
    (C)有機溶媒
    を含む樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物をスピンコートした後に、110℃で240秒間に亘って乾燥して得られるプリベーク膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)が40%以下であり、
    前記プリベーク膜を、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱して得られるポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)が40%以下である、樹脂組成物。
  2. UV透過率の差Δ(b-a)が、-10%≦Δ(b-a)≦10%の関係を満たす、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記一般式(A1)において、前記Xが、下記式(2):
    Figure 2023181982000054
    で表される構造を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記一般式(A1)において、前記Yが、下記式(8):
    Figure 2023181982000055
    及び/又は下記式(9):
    Figure 2023181982000056
    で表される構造を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.5~30質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂組成物が、前記(A)成分100質量部に対して、(D)光重合開始剤を1~50質量部含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(B)成分が、アジン系染料誘導体、及びアントラセン系染料誘導体の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. 前記(C)成分が、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、γ-ブチロラクトン(GBL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、及び乳酸エチルから成る群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 更に以下の成分:
    (D)光重合開始剤
    を含み、前記(D)成分が、オキシム類である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  10. (1)請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を基板に塗布することにより、樹脂組成物膜を形成する工程と、
    (2)前記樹脂組成物膜を露光、及び現像する工程、又は前記樹脂組成物膜にレーザー照射する工程により、レリーフパターンを形成する工程と、
    (3)前記レリーフパターンを加熱して硬化レリーフパターンを形成する工程と、
    を有する、硬化レリーフパターンの製造方法。
  11. 前記基板が、銅又は銅合金から形成されて成る、請求項10に記載の硬化レリーフパターンの製造方法。
  12. 請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られる硬化レリーフパターンを絶縁層として有する、半導体装置。
  13. 以下の成分:
    (A)下記一般式(A1):
    Figure 2023181982000057
    {式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、R及びRは、水素原子、下記一般式(R):
    Figure 2023181982000058
    (式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは、2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRは同時に水素原子ではない。}
    で表されるポリイミド前駆体;
    (B)有機染料;及び
    (C)有機溶媒
    を含む樹脂組成物を用いた、ポリイミドの製造方法であって、
    前記樹脂組成物をスピンコートした後に、110℃で240秒間に亘って乾燥して得られるプリベーク膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(a)が40%以下であり、
    前記プリベーク膜を、230℃で2時間に亘って、窒素雰囲気下で加熱して得られる前記ポリイミド膜の、532nmにおける10μm膜厚換算のUV透過率(b)が40%以下である、ポリイミドの製造方法。
  14. UV透過率の差Δ(b-a)が、-10%≦Δ(b-a)≦10%の関係を満たす、請求項13に記載のポリイミドの製造方法。
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