JP2023180676A - カルボニル化抑制剤 - Google Patents

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寿 吉岡
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宏行 山羽
Hiroyuki Yamaha
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Abstract

【課題】本発明が解決する課題は、カルボニル化を抑制する植物由来成分を見出し、これを有効成分とする、作用点が明確であり、且つ優れたカルボニル化抑制剤、アクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤を提供することである。【解決手段】本発明は、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物を含有することを特徴とする、カルボニル化による肌のくすみを予防・改善する化粧品、医薬品、医薬部外品及び食品である。本発明のハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物は、優れたカルボニル化抑制作用をもち、タンパク質のカルボニル化や、アクロレインとタンパク質との付加体形成を防ぐことで、肌のくすみを軽減させる効果を示した。【選択図】図1

Description

本発明は、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラからなる群より選ばれる一種又は二種以上の抽出物を含有することを特徴とするタンパク質のカルボニル化抑制剤に関するものである。
我々の身体の最外層に位置する皮膚は、紫外線や大気汚染物質等の酸化ストレスの影響を受けやすい。本来、生体は、酸化ストレスにより生じる活性酸素を消去するメカニズムを備えている。しかし、加齢等によって活性酸素の消去能が低下すると、皮膚のタンパク質には、酸化、カルボニル化、糖化等の変化が生じる。
特に、カルボニル化は、活性酸素により非酵素的、非特異的に起こる不可逆的な酸化修飾である。活性酸素により脂質が酸化されることで過酸化脂質が生じるが、近年、その分解物であるアクロレイン等のアルデヒド類が、タンパク質に付加してタンパク質をカルボニル化させることが分かってきた(非特許文献1)。
アクロレインは、脂質の過酸化反応の過程で生成する一方(非特許文献2)、生体内ではポリアミンから生成したり(非特許文献3)、プラスティックの燃焼、タバコの煙、排気ガス、油脂の加熱によっても生成される環境汚染物質の一つである。このように、アクロレインは活性酸素以外からも生成され、タンパク質のカルボニル化等の変性や細胞毒性に関わる反応性の高い物質である。近年、西洋バラ等の植物抽出物が、活性酸素ではなく、より直接的なアクロレインを捕捉し、皮膚老化を予防・改善することが分かってきた(特許文献1)。
カルボニル化は、非酵素的、非特異的に起こるため、あらゆる組織において様々な疾患の原因となる。例えば、加齢に伴い、カルボニル化タンパク質等の異常タンパク質の生体内における蓄積が、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体病、トリプレットリピート病、筋委縮性側索硬化症、白内障、動脈硬化、糖尿病性腎症等の多くの疾患に関与していることが知られている(特許文献2)。
カルボニル化タンパク質は、皮膚ではくすみ、シワやたるみ等の原因となる。最近では、表皮において、露光部角質のカルボニル化タンパク質が光学的透過性を低下させること(非特許文献4)や、真皮において、カルボニル化タンパク質が複製老化した培養正常ヒト線維芽細胞の黄色化に関与していること(非特許文献5)等が報告されている。これらのように、表皮タンパク質のカルボニル化は肌の透明化の低下、真皮タンパク質のカルボニル化は肌の黄色化等に関与している。従って、表皮タンパク質のカルボニル化を予防したり、低減させたりすることは、くすみの改善や肌の透明感の向上に有用であると考えられる。また、真皮タンパク質のカルボニル化を予防したり、低減させたりすることは、シワやたるみの改善や皮膚の黄色化抑制に有用であると考えられる。このような背景から、タンパク質のカルボニル化を抑制する製剤の開発が望まれている。
これまでに、カルボニル化抑制剤として、カルボニル化抑制剤(特許文献3)、表皮タンパク質のカルボニル化抑制剤、並びに、該カルボニル化抑制剤を含む化粧料及び皮膚外用剤(特許文献4)、抗老化剤(特許文献5)等が知られているが、より安全で、効果の高い製剤が求められている。
近年、ハマナス(バラ科)、サンシチニンジン(ウコギ科)及びホンダワラ(ホンダワラ科)についての研究が進められ、ハマナスにおいてはDNAメチル化調節剤(特許文献6)、AGEs産生抑制剤(特許文献7)等、サンシチニンジンにおいては皮膚外用剤(特許文献8)、NF-κB活性化抑制剤(特許文献9)等、ホンダワラにおいてはヒアルロン酸産生促進剤、コラーゲン産生促進剤、MMP阻害剤、シワ改善剤、医薬品又は食品組成物(特許文献10)、アポトーシス抑制剤(特許文献11)等が知られている。しかしながら、これまでにハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラによるカルボニル化抑制効果については何ら知られていない。
特開2006-160630 特開2011-148715 特開2012-246226 特開2021-17407 特開2018-150262 特開2019-77621 特開2013-173712 特開2004-107232 特開2005-194246 特開2019-210212 特開2009-242325
岩井一郎 他,粧技誌,42(1),16-21(2008) 内田浩二,日本油化学会誌,47(11),29-37(1998) Houen G et al,Acta Chem.Scand.,48(1),52-60(1994) Iwai I et al,Int.J.Cosmet.Sci.,30(1),41-46(2008) 江口琴音 他,日本香粧品学会誌,44(2),92-98(2020)
本発明が解決する課題は、カルボニル化を抑制する植物由来成分を見出し、これを有効成分とする、作用点が明確であり、且つ優れたカルボニル化抑制剤、アクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決に向け鋭意検討を行った結果、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物に優れたカルボニル化抑制作用、アクロレインとタンパク質との付加体形成抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物を含有することを特徴とするカルボニル化抑制剤、アクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤に関する。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラからなる群より選ばれる一種又は二種以上の抽出物を含有することを特徴とするタンパク質のカルボニル化抑制剤。
(2)ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラからなる群より選ばれる一種又は二種以上の抽出物を含有することを特徴とするアクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤。
(3)タンパク質が、表皮のタンパク質である請求項1又は2記載の抑制剤。
(4)タンパク質が、角質のタンパク質である請求項1又は2記載の抑制剤。
(5)タンパク質が、ケラチノサイトにおけるタンパク質である請求項1又は2記載の抑制剤。
本発明のハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物は、カルボニル化抑制効果に優れていた。また、これらの抽出物を含有することを特徴とするカルボニル化抑制剤、アクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤は、安全で、カルボニル化を抑制することによる肌のくすみの予防・改善効果に優れていた。
実験例1で、テープストリップで採取したヒトの角質をアクロレインによりカルボニル化誘導し、同時にハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物を添加した場合のカルボニル化タンパク質を染色した顕微鏡写真である。
本発明におけるタンパク質のカルボニル化は、脂質の過酸化等で生じたアルデヒド等のカルボニル化合物が、非酵素的、非特異的にタンパク質を修飾する反応を意味する。脂質が活性酸素に曝されると、過酸化脂質が形成され、更に分解されることで、アクロレイン、4-ハイドロキシ-2-ノネナール、マロンジアルデヒド等の反応性の高いアルデヒドが生じる。これらの中間生成物質は、極めて反応性が高いため、タンパク質を修飾する。
本発明におけるアクロレインは、紫外線や酸化ストレスにより生体内で発生する脂質過酸化物質から産生されたり、生体内ではポリアミンから生成されたり、タバコの煙や環境汚染物質等にも含まれたりするアルデヒドの一種である。
本発明におけるアクロレインとタンパク質との付加体形成は、アクロレインがタンパク質と結合することで、タンパク質の変性や細胞毒性を引き起こすことである。
本発明に用いるハマナス(バラ科、学名:Rosa rugosa)は、日本、朝鮮半島、中国北部等に自生する落葉低木である。ハマナスは、多くの品種が存在し、観賞用の他、染料や香料の原料として用いられており、果実はローズヒップとしてジャム等の食用にもなる。本発明に用いるハマナスとしては、ハマナス(学名:Rosa rugosa Thunb.)、ヤエハマナス(学名:Rosa rugosa Thunb.var.plena)、マイカイ(学名:Rosa rugosa Thunb.var.plena Regel)等が挙げられる。
本発明において、ハマナスの抽出物は、植物体全体(全草)、或いは葉、茎、花、芽、実、種子、根等の植物体の一部、又はそれらの混合物の抽出物をいうが、葉の抽出物が好ましい。また、抽出にはこれらの植物体をそのまま使用してもよく、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってもよい。
本発明に用いるサンシチニンジン(ウコギ科、学名:Panax noto-ginseng)は、中国南部雲南省近郊の標高約1500mの高山の斜面で栽培され、漢方処方薬として、止血、滋養強壮薬に用いられる。生薬としては、三七人参、田七人参、三七、田七、山漆、金不換等の名称があり、製造方法の違いから、根をそのまま乾燥した三七人参、田七人参と、蒸気で蒸して加熱処理をしてから乾燥した熟三七人参、熟田七人参等に大別できる。
本発明において、サンシチニンジンの抽出物は、植物体全体(全草)、或いは葉、茎、花、芽、実、種子、根等の植物体の一部、又はそれらの混合物の抽出物をいうが、根の抽出物が好ましい。サンシチニンジンの根は、三七人参の名称で生薬として市販されているので、これを使用すればよい。また、サンシチニンジンの根は、加熱処理をするのが好ましく、例えば、蒸気での加湿下、70~150℃で数時間処理したり、蒸したりするとよい。熟三七人参の名称で生薬として市販されているので、これを使用すればよい。その抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであってもよく、常温抽出したものであってもよい。
本発明に用いるホンダワラ(ホンダワラ科、学名:Sargassum fulvellum)は、主に九州から本州の太平洋沿岸の全面、日本海では越後付近まで分布している海藻である。藻体は披針形をしており、切れ込みがあるのが特徴である。
ホンダワラは、上記の生育地域から入手することができる。本発明において、上記海藻の抽出原料としては、海藻全体(全藻)を使用することが好ましいが、その一部、例えば、葉部(葉体・成葉)、茎部(中芯・中肋)、胞子葉部、根部等であってもよい。また、抽出には、海藻本体をそのまま使用してもよく、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってもよい。
溶媒による抽出方法は、特に限定されないが、水、若しくは熱水、又は水と有機溶媒の混合溶媒を用い、加熱抽出(例えば40~100℃)、常温抽出(例えば15~25℃)、低温抽出(例えば0~15℃)、撹拌抽出又はカラム抽出する方法等により行うことができる。抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等)、液状多価アルコール類(1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒がよく、特に好ましくは、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール及びプロピレングリコールがよい。これらの溶媒は、一種でも二種以上を混合して用いてもよい。特に好ましい抽出溶媒としては、水、又は水-エタノール系の混合極性溶媒が挙げられる。中でも、エタノール又は1,3-ブチレングリコールを20~100重量%含有するのが好ましく、50~100重量%含有するのが最も好ましい。また、上記抽出溶媒に酸やアルカリを添加してpH調整した溶媒を使用することもできる。
溶媒の使用量については、特に限定はなく、例えば、ハマナスの葉(乾燥重量)、サンシチニンジンの根(乾燥重量)、ホンダワラの全藻(乾燥重量)に対し、10倍以上、好ましくは20倍以上であればよいが、抽出後に濃縮を行ったり、単離したりする場合の操作の便宜上、100倍以下であることが好ましい。また、抽出温度や時間は、用いる溶媒の種類や抽出時の圧力等によって適宜選択できる。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いてもよいが、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲で、濃縮(減圧濃縮、膜濃縮等による濃縮)、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理を行ってから用いてもよい。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いてもよい。本発明で用いるハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラは、天然由来の植物であり、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラから抽出される成分は、多様な構造の化合物が多数同時に存在する混合物である。従って、含有する成分の構造又は特性を全て明らかにすることは困難であり、抽出物として扱うことが好ましい。
本発明は、上記抽出物をそのまま使用してもよく、抽出物の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分が含有されていてもよい。
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、錠菓、カプセル剤、チョコレート、ガム、飴、飲料、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤、坐剤、注射用溶液等が挙げられる。
外用の場合、本発明に用いる上記抽出物の含有量は、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001~10重量%がより好ましい。更に、0.01~5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を越えると、効果の増強は認められにくく不経済である。また、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物を混合して用いることで顕著に効果が高まり、各抽出物を1:1:1の割合で混合するのがより好ましい。
内用の場合、摂取量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる。通常、成人1人あたりの1日の摂取量としては、5mg以上が好ましく、10mg~5gがより好ましい。更に、20mg~2gが最も好ましい。
次に、本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、処方例及び実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。製造例に示す%とは重量%を、処方例に示す含有量の部とは重量部を示す。
ハマナスの抽出物を、以下の通り製造した。
(製造例1)ハマナスの熱水抽出物の調製
ハマナスの葉の乾燥物50gに精製水を1L加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥することによりハマナスの熱水抽出物を5.2g得た。
(製造例2)ハマナスの50%エタノール抽出物の調製
ハマナスの葉の乾燥物50gに50%エタノール水溶液を1L加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することによりハマナスの50%エタノール抽出物を4.8g得た。
(製造例3)ハマナスのエタノール抽出物の調製
ハマナスの葉の乾燥物50gにエタノールを1L加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することによりハマナスのエタノール抽出物を4.1g得た。
(製造例4)ハマナスの1,3-ブチレングリコール抽出物の調製
ハマナスの葉の乾燥物50gに1,3-ブチレングリコールを1L加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過してハマナスの1,3-ブチレングリコール抽出物を820g得た。
サンシチニンジンの抽出物を、以下の通り製造した。
(製造例5)サンシチニンジンの熱水抽出物の調製
サンシチニンジンの根の乾燥物40gに精製水を800mL加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥することによりサンシチニンジンの熱水抽出物を7.5g得た。
(製造例6)サンシチニンジンの50%エタノール抽出物の調製
サンシチニンジンの根の乾燥物100gに50%エタノール水溶液を1L加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することによりサンシチニンジンの50%エタノール抽出物を9.8g得た。
(製造例7)サンシチニンジンのエタノール抽出物の調製
サンシチニンジンの根の乾燥物100gにエタノールを2L加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することによりサンシチニンジンのエタノール抽出物を5.2g得た。
(製造例8)サンシチニンジンの1,3-ブチレングリコール抽出物の調製
サンシチニンジンの根の乾燥物20gに1,3-ブチレングリコールを200mL加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過してサンシチニンジンの1,3-ブチレングリコール抽出物を160g得た。
ホンダワラの抽出物を、以下の通り製造した。
(製造例9)ホンダワラの熱水抽出物の調製
ホンダワラの全藻の乾燥物10gに精製水を200mL加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥することによりホンダワラの熱水抽出物を2.0g得た。
(製造例10)ホンダワラの50%エタノール抽出物の調製
ホンダワラの全藻の乾燥物10gに50%エタノール水溶液を200mL加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することによりホンダワラの50%エタノール抽出物を1.0g得た。
(製造例11)ホンダワラのエタノール抽出物の調製
ホンダワラの全藻の乾燥物10gにエタノールを200mL加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することによりホンダワラのエタノール抽出物を0.2g得た。
(製造例12)ホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物の調製
ホンダワラの全藻の乾燥物10gに1,3-ブチレングリコールを200mL加え、室温で1週間抽出した。得られた抽出液を濾過してホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物を185g得た。
(処方例1)化粧水
処方 含有量(部)
1.ハマナスのエタノール抽出物(製造例3) 2.0
2.1,3-ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~6及び11と、成分1及び7~10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
(処方例2)クリーム
処方 含有量(部)
1.サンシチニンジンの熱水抽出物(製造例5) 1.0
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.1,3-ブチレングリコール 8.5
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
(処方例3)乳液
処方 含有量(部)
1.ホンダワラの50%エタノール抽出物(製造例10) 0.01
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分10~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
(処方例4)パック
処方 含有量(部)
1.ハマナスの熱水抽出物(製造例1) 5.0
2.サンシチニンジンの50%エタノール抽出物(製造例6) 5.0
3.ホンダワラの熱水抽出物(製造例9) 5.0
4.ポリビニルアルコール 12.0
5.エタノール 5.0
6.1,3-ブチレングリコール 8.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
8.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
9.クエン酸 0.1
10.クエン酸ナトリウム 0.3
11.香料 適量
12.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~12を均一に溶解し、製品とする。
(処方例5)ゲル剤
処方 含有量(部)
1.ハマナスの50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3-ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
(処方例6)ファンデーション
処方 含有量(部)
1.サンシチニンジンの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例8) 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、次いで成分1及び10~13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14~17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例7)浴用剤
処方 含有量(部)
1.ホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例12) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1~5を均一に混合し、製品とする。
(処方例8)軟膏
処方 含有量(部)
1.ハマナスの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例4) 5.0
2.サンシチニンジンのエタノール抽出物(製造例7) 5.0
3.ホンダワラのエタノール抽出物(製造例11) 5.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
5.モノステアリン酸グリセリン 10.0
6.流動パラフィン 5.0
7.セタノール 6.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.プロピレングリコール 10.0
10.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~7を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び8~10を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例9)散剤
処方 含有量(部)
1.ハマナスの熱水抽出物(製造例1) 0.5
2.乾燥コーンスターチ 39.0
3.微結晶セルロース 60.5
[製造方法]成分1~3を混合し、散剤とする。
(処方例10)錠剤
処方 含有量(部)
1.サンシチニンジンの熱水抽出物(製造例5) 2.5
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 5.5
[製造方法]成分1~4を混合し、次いで成分5の水溶液を結合剤として加えて顆粒成型する。成型した顆粒に成分6を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
(処方例11)錠菓
処方 含有量(部)
1.ホンダワラの熱水抽出物(製造例9) 1.0
2.乾燥コーンスターチ 49.8
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 0.1
7.精製水 1.1
[製造方法]成分1~4及び7を混合し、顆粒成型する。成型した顆粒に成分5及び6を加えて打錠する。1粒1.0gとする。
(処方例12)飲料
処方 含有量(部)
1.ハマナスの熱水抽出物(製造例1) 0.025
2.サンシチニンジンの熱水抽出物(製造例5) 0.025
3.ホンダワラの熱水抽出物(製造例9) 0.025
4.ステビア 0.05
5.リンゴ酸 5.0
6.香料 0.1
7.精製水 94.775
[製造方法]成分4及び5を少量の水に溶解する。次いで成分1~3及び6~7を加えて混合する。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
(実験例1)ヒト角質における、アクロレインによるカルボニル化タンパク質の誘導に及ぼすハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物の影響
男性被験者(20~30代、3名)の右上腕内側部から、透明両面テープ(Nittoニトムズ)10×30mmを用いて角質を採取した。テープの半分(10×15mm)を、ハマナスの熱水抽出物(製造例1)、サンシチニンジンの50%エタノール抽出物(製造例6)、ホンダワラの熱水抽出物(製造例9)の最終濃度が1mg/mL、又は各抽出物の最終濃度が0.33mg/mLになるよう三種類全ての抽出物を添加した30mMアクロレイン(東京化成)水溶液に3時間浸漬した。洗浄後、テープ全域を20μM蛍光ヒドラジド(fluorescein-5-thiosemicarbazide、chemodex)の100mM MES-Na緩衝液(pH5.5)を用いて、室温にて1時間反応させた。反応終了後に十分洗浄し、蛍光顕微鏡にて緑色の蛍光を観察した。撮影は、未浸漬部位及びアクロレイン(又はアクロレイン+抽出物)浸漬部位それぞれで行った。画像解析により、撮影画像における角質の面積あたりの蛍光輝度を求めた。被験者各々の未浸漬部位に対するアクロレイン(又はアクロレイン+抽出物)浸漬部位の蛍光輝度から算出したカルボニル化タンパク質量を求めた。
未浸漬部位に対するアクロレイン(又はアクロレイン+抽出物)浸漬部位の蛍光輝度から算出したカルボニル化タンパク質量(被験者3名の平均値)の結果を表1、その場合の代表角質画像を図1に示す。アクロレインにより、カルボニル化タンパク質量が増加した。また、アクロレインと同時にハマナス抽出物、サンシチニンジン抽出物、ホンダワラ抽出物を添加することで、アクロレインによるカルボニル化タンパク質量の増加が抑制された。更に、三種類全てを合わせることによって、単独での効果を著しく上回る顕著なカルボニル化タンパク質量の増加を抑制する効果が認められた。また、異なる製造方法による抽出物にも同様の効果が認められた。
ハマナス抽出物、サンシチニンジン抽出物、ホンダワラ抽出物の三種類全てを合わせることによって、単独での効果を著しく上回る顕著なカルボニル化タンパク質量の増加を抑制する効果が認められた。このことから、濃度の濃い単独使用では抽出物の色やにおいが影響を与えかねない製剤において、三種類を全て合わせることによって濃度を薄くすることができ、抽出物の色やにおいの影響を考慮する必要がなくなると考えられる。
本発明に関わる、ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラの抽出物を含有することを特徴とするカルボニル化抑制剤、アクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤は、各剤の目的に対して優れた改善効果を発揮する。従って、カルボニル化を抑制することによる肌のくすみの予防・改善を目的とする化粧品、医薬品、医薬部外品及び食品を提供することができる。

Claims (5)

  1. ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラからなる群より選ばれる一種又は二種以上の抽出物を含有することを特徴とするタンパク質のカルボニル化抑制剤。
  2. ハマナス、サンシチニンジン及びホンダワラからなる群より選ばれる一種又は二種以上の抽出物を含有することを特徴とするアクロレインとタンパク質との付加体形成抑制剤。
  3. タンパク質が、表皮のタンパク質である請求項1又は2記載の抑制剤。
  4. タンパク質が、角質のタンパク質である請求項1又は2記載の抑制剤。
  5. タンパク質が、ケラチノサイトにおけるタンパク質である請求項1又は2記載の抑制剤。
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