JP2023180471A - 多段遠心圧縮機 - Google Patents

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Masahiro Okada
澄賢 平舘
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Abstract

【課題】シュラウドからハブまでの流路高さ方向全体で旋回速度成分を除去できる多段遠心圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の多段遠心圧縮機100は、回転軸2と、回転軸2に固定される遠心羽根車1と、シュラウド1bとハブ1aとで構成されるリターン流路4とを備え、リターン流路4は、径方向流路9、L字ベンド流路7、および軸方向流路8でL字流路が構成され、径方向流路9とL字ベンド流路7にリターンベーン5が配置され、L字ベンド流路7内まで内径側に延長されたリターンベーン5の後縁51は、ハブ側接続部51a近くが直線形状で、シュラウド側接続部51b近くが下流に向かって凸状の湾曲形状になっており、リターンベーン5のハブ側接続部51aはシュラウド側接続部51bより内径側にある。【選択図】図4

Description

本発明は、多段遠心圧縮機に関する。
遠心圧縮機の内部は、遠心式羽根車、ディフューザ、次段への流路であるリターンチャネル等で構成されている。
遠心式羽根車は、回転することで流体にエネルギーを与える。ディフューザは、遠心式羽根車により昇圧された流体の動圧を静圧へ変換する。リターンチャネルには、流体の遠心式羽根車の回転軸周りの旋回速度成分を除去するリターンベーンが配置されている。
ところで、流体がリターンチャネルを通過する際に、回転軸の中心軸を中心として周方向に等間隔で並ぶリターンベーンを通過することで、流体がリターンベーンに当接して流体の旋回速度成分が除去される。しかし、流体の旋回速度成分が十分に除去されていない場合に損失となり、次段の羽根車でのエネルギー付与効率や、流体の圧力上昇が低下することが一般的に知られている。
リターンベーンで効率よく流れを転向し、流体の旋回速度成分を除去し、整流するための構造が、特許文献1、2に提案されている。
特開2018-135815(図2、図5、図6、段落0042、0043、段落0055、0058) 特開2018-178769(図4、段落0023~0026)
まず、従来の遠心圧縮機200を示す図8~図10を参照しながら発明が解決しようとする課題について説明する。
図8に、従来の遠心圧縮機200の全体構成の上半分を示す子午面断面図を示す。
図9に、従来の遠心圧縮機200の概略の部分拡大断面図を示す。
図8に示す遠心圧縮機200の内部流路において、羽根車101の外径~ディフューザ103~リターンチャネル104で構成される静止流路について、図9の斜線部の部品に示す通り、内部構造はリターンベーン105を介して外部構造と接合されることで、静止流路(101の外径、103、104)を形成している。リターンチャネル104は、転向部106aおよび転向部106bとリターンベーン105とを有している。
図8に示すように、羽根車101、ディフューザ103、およびリターンチャネル104は、ケーシング130に収容されている。
ケーシング130には、吸込流路132と吐出流路133が設けられている。吸込流路132からは、圧縮前の流体が吸込まれる。吐出流路1333からは、羽根車101、ディフューザ103、リターンチャネル104等で加圧された流体が吐出される。
ここで、多段の遠心圧縮機200の小型化のためにリターンチャネル104を内径側に移動させると静止流路(101の外径、103、104)を流れる流体速度の増大やリターンベーン105の翼長さの減少により、流れを急減速/急転向させることによる流れの剥離や、リターンベーン105の出口における旋回速度成分の増大という課題が発生する。
図10に、図9に示す従来の部分拡大図のリターンベーン後縁105kを直線形状のままL字ベンド流路107内まで内径側に延長したときの断面を示す。
リターンベーン105の下流は、L字ベンド流路107、軸方向流路108が形成され、次段の羽根車101、ディフューザ103、リターンチャネル104に続いている。
そこで、静止流路(101の外径、103、104)の幅が広い大容量段ではリターンベーン105の翼長さを確保するために、リターンベーン後縁105kを子午面にて直線状のまま内径側のL字ベンド流路107内まで延長した場合、リターンベーン後縁105kのシュラウド側105k1から流路高さ中央付近(リターンベーン後縁105kの中間付近)にかけて流体の予旋回速度成分が残り、逆にハブ側105k2n付近は逆旋回速度成分が強くなるといった問題が発生する。予旋回速度成分とは、羽根車101の回転方向速度成分である。逆旋回速度成分とは、羽根車101の回転方向の逆方向の速度成分である。
特許文献1に記載の技術では、図2に示すように、リターンベーン(50)後縁のハブ側接続部がシュラウド側接続部より径方向外側にあり、リターンベーン(50)の翼長さを十分に確保できておらず、ハブ側を流れる流体の旋回速度成分を除去することが困難である。
特許文献2に記載の技術についても同様に、図4に示すように、リターンベーン(11)の下流側に配置している旋回除去部材(13)の後縁のハブ側(17)の接続部がシュラウド側(16)の接続部より径方向外側にあるためハブ側(17)を流れる流体の旋回速度成分を除去することが困難である。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、リターン流路の径方向流路を成すシュラウドからハブまでの流路高さ方向全体で旋回速度成分を除去できる多段遠心圧縮機の提供を目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の多段遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸に固定される遠心羽根車と、シュラウドとハブとで構成されるリターン流路とを備え、前記リターン流路は、径方向流路、L字ベンド流路、および軸方向流路でL字流路が構成され、前記径方向流路と前記L字ベンド流路にリターンベーンが配置され、前記L字ベンド流路内まで内径側に延長された前記リターンベーンの後縁は、ハブ側接続部近くが直線形状で、シュラウド側接続部近くが下流に向かって凸状の湾曲形状になっており、前記リターンベーンの前記ハブ側接続部はシュラウド側接続部より内径側にあることを特徴とする。
本発明によれば、リターン流路の径方向流路を成すシュラウドからハブまでの流路高さ方向全体で旋回速度成分を除去できる多段遠心圧縮機を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る遠心圧縮機の全体構成の上半分を示す子午面断面図。 図1に示す遠心圧縮機の要部の部分拡大断面図。 リターンベーンを軸方向から見た時の断面図。 本発明に係るリターンベーン後縁の拡大断面図。 図10に示す従来(比較例)の直線状のリターンベーン後縁を図2に示す実施形態1の湾曲状のリターンベーン後縁にした時の軸方向流路での4分割した各流路高さにおける旋回角の抑制割合を示す表。 図10に示す従来(比較例)の直線状のリターンベーン後縁を図2に示す実施形態1の湾曲状のリターンベーン後縁にした時の軸方向流路での4分割した各流路高さにおける旋回角の抑制割合を示すグラフ。 実施形態2の前置翼と後置翼の二列に分かれているリターンベーンを軸方向から見た時の断面図。 実施形態2の図6に示した前置翼と後置翼の位置関係を示す図。 従来の遠心圧縮機の全体構成の上半分を示す子午面断面図。 従来の遠心圧縮機の概略の部分拡大断面図。 図9に示す従来の部分拡大図のリターンベーン後縁を直線形状のままL字ベンド流路内まで内径側に延長したときの断面を示す図。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、多段遠心圧縮機に係り、特に静止流路を構成する戻り流路にリターンベーンが配置される遠心圧縮機に関する。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また、部材のサイズおよび形状は説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
<<実施形態1>>
図1に、本発明の実施形態1に係る遠心圧縮機100の全体構成の上半分を示す子午面断面図を示す。
実施形態1の遠心圧縮機100について説明する。
遠心圧縮機100は、流体に遠心羽根車1により回転エネルギーを付与し、該回転エネルギーを流体の圧力のエネルギーに変換する。
遠心圧縮機100は、概略、遠心羽根車1と遠心羽根車1が取り付けられる回転軸2とディフューザ3とを備えて構成されている。
回転軸2は、その延在方向の両端側に配置されるラジアル軸受34aとラジアル軸受34bとで回転自在に支持されている。
遠心羽根車1は、回転軸2が回転することで、流体中で回転して流体に回転エネルギーを付与する。
ディフューザ3は、遠心羽根車1の半径方向外側に設けられている。ディフューザ3は、遠心羽根車1から流出された流体の動圧を静圧へと変換する。
ディフューザ3の下流には、後段の遠心羽根車1へ流体を導くための流路であるリターンチャネル4(図1参照)が設けられている。
<遠心羽根車1>
図2に、図1に示す遠心圧縮機100の要部の部分拡大断面図を示す。
遠心羽根車1は、ハブ(円盤)1aとシュラウド(側板)1bと複数枚の羽根1cとを有している。
ハブ(円盤)1aは、回転軸2に締結されている。
シュラウド1bは、ハブ1aに対向して配置されている。
複数枚の羽根1cは、ハブ1aとシュラウド1b間に位置している。複数枚の羽根1cは、回転軸2廻りの周方向に間隔をおいて配置されている。
遠心羽根車1は、回転軸2に複数取り付けられている。なお、図1では2枚(2段)の遠心羽根車1が設けられた場合を示している。
<ディフューザ3>
ディフューザ3には、図1に示すベーン付きのディフューザ3または図2に示すベーンレスのディフューザ3の何れかが用いられる。
図1に示すベーン付きのディフューザ3は、回転軸2廻りの周方向にほぼ等ピッチで複数枚の翼3yが配置されている。図2に示すベーンレスのディフューザ3は、翼を有していない。
<リターンチャネル4>
図1に示すリターンチャネル4は、図2に示すように、転向部6aおよび転向部6bとリターンベーン5とを有している。
転向部6aは、ディフューザ3Aを外径方向(図2の矢印α11)に流れた流体の流れを、外径方向から軸方向(図2の矢印α12)に転向する。
転向部6bは、軸方向(図2の矢印α12)の流体の流れを、内径方向(図2の矢印α13)に転向する。
図3に、リターンベーン5を軸方向から見た時の断面図を示す。
リターンベーン5は、回転軸2の中心軸2Oを中心に周方向にほぼ等ピッチに配置された複数枚の翼5yから構成されている。
リターンベーン5は、内径方向(図3、図2の矢印α13)に流れる流体がもち遠心羽根車1の回転方向(図3の矢印β11)の旋回成分を除去する。
リターンベーン5は、流体の旋回速度成分を除去し、径方向流路9(図3参照)を通る流体(図3の矢印α13)を整流しながら、下流の次段の遠心羽根車1へと流入させる役割を担っている。
<ケーシング30>
図1に示すように、遠心羽根車1とディフューザ3及びリターンチャネル4は、ケーシング30内に収容されている。
ケーシング30は、回転軸2の延在方向の一方のフランジ31aと、他方のフランジ31bとにより、支持されている。
<吸込流路32と吐出流路33>
図1に示すケーシング30の流体の流れの上流側となる吸込み側には吸込流路32が設けられている。一方、ケーシング30の流体の流れの下流側となる吐出側には吐出流路33が設けられている。
吸込流路32から、図1の矢印β1に示すように、圧縮前の流体が吸い込まれる。
吸込流路32から吸引された流体は、各段の遠心羽根車1とディフューザ3及びリターンチャネル4を通過するごとに昇圧される。
昇圧された流体は、図1の矢印β2に示すように、吐出流路33から吐出される。こうして、流体は、最終的に所定圧力になって吐出流路33から吐出される。
<リターンベーン5>
図4に、本発明に係るリターンベーン後縁51の拡大断面図を示す。
リターンベーン5は、下流端に位置するリターンベーン後縁51をL字ベンド流路7内まで内径側に延長することでリターンベーン5の翼長さを十分に確保している。詳細には、リターンベーン後縁51のハブ1aの側のハブ側接続部51aの近傍を直線形状としている。つまり、リターンベーン後縁51のハブ側接続部51aの近傍は湾曲していない(曲率半径R2=∞)。
一方、リターンベーン後縁51のシュラウド1bの側のシュラウド側接続部51bの近傍が、回転軸2に向かって(図4の下に)凸の湾曲した形状を有している(曲率半径R1)。シュラウド側接続部51bの近傍が、下流に向かって凸の湾曲した形状を有している。
そして、リターンベーン後縁51の湾曲形状が軸方向流路8に露出している。換言すれば、リターンベーン後縁51の湾曲形状が軸方向流路8の延長上にある。これに対して、リターンベーン後縁51のシュラウド側接続部51bは軸方向流路8の延長上にない。換言すれば、リターンベーン後縁51のシュラウド側接続部51bは軸方向流路8に露出していない。
また、リターンベーン後縁51のシュラウド側接続部51の湾曲半径R1がハブ側接続部51aの湾曲半径R2より小さい。ハブ側接続部51aは直線状であるため、湾曲半径R2は無限大である。
リターンベーン後縁51のハブ側接続部51aはシュラウド側接続部51bより内径側(回転軸2の側)にある。
これにより、リターンベーン5のハブ1a側の翼長さ増大を抑えてハブ1a側の逆旋回速度成分の強まりを抑制しつつ、予旋回速度成分が大きなシュラウド1b側から、流路高さ中央付近(ハブ側接続部51aとシュラウド側接続部51bとの中間付近)の翼長さを増大させる。
以上の構成により、シュラウド側接続部51b近くの領域の予旋回速度成分の低減が可能となる。
なお、予旋回速度成分とは、回転軸2の回転方向の+(プラス)の速度成分をいう。一方、逆旋回速度成分とは、回転軸2の回転方向と逆方向の-(マイナス)の速度成分をいう。
図5Aに、図10に示す従来(比較例)の直線状のリターンベーン後縁105kを図2に示す実施形態1の湾曲状のリターンベーン後縁51にしたときの軸方向流路108、8での旋回角の抑制割合の流体解析結果を示す。旋回角の抑制割合とは直線状のリターンベーン後縁105kでの流路高さ全体の平均旋回角Aと、直線状のリターンベーン後縁105kでの4分割した各流路高さの平均旋回角aと、実施形態1の湾曲状のリターンベーン後縁51での4分割した各流路高さの平均旋回角bとして、(|a|-|b|)/Aで定義される。旋回角(deg)は0であることが理想のため、回転軸2の回転方向と同じ+(プラス)の旋回速度と逆方向の-(マイナス)の速度成分の両者は絶対値の大きさで評価する必要がある。したがって、4分割した各流路高さの平均旋回角a、bのそれぞれ絶対値の差分を旋回角の抑制割合の分子としているため、旋回角の抑制割合は従来(比較例)から実施形態1にすることによる旋回角の改善度合いを表している。
図5Bに、図10に示す従来(比較例)の直線状のリターンベーン後縁105kを図2に示す実施形態1の湾曲状のリターンベーン後縁51にしたときの軸方向流路108、8での旋回角の抑制割合の流体解析結果のグラフを示す。
図10に示す従来(比較例)では、旋回角(deg)は軸方向流路108の段出口104oで測定した。図10に示す軸方向流路108のハブ101a側からシュラウド101b側を無次元化し、ハブ101a側を0とし、シュラウド101b側を1としている。
図2に示す実施形態1では、旋回角(deg)は軸方向流路8の段出口4oで測定した。比較例と同様に、図2に示す軸方向流路8のハブ1a側からシュラウド1b側を無次元化し、ハブ1a側を0とし、シュラウド1b側を1としている。
図5Aから分るように、流路無次元高さ0~0.25においては旋回角の抑制割合は-25%となっている。この流路無次元高さにおいては、回転軸2の回転方向と逆方向の-(マイナス)の速度成分を持ち、従来(比較例)から実施形態1にすることでその逆方向の速度成分が強まっている。その一方で流路無次元高さ0.25~1において、旋回角の抑制割合は37%~52%となっている。この流路無次元高さにおいては、回転軸2の回転方向の+(プラス)の速度成分を持ち、従来(比較例)から実施形態1にすることでその+(プラス)の速度成分を抑制している。図5Bでは、ハブ1a側付近では旋回角の抑制割合がマイナスとなっているものの、流路高さ中心からシュラウド1b側において旋回角の抑制割合が高いことが確認できる。遠心羽根車1による流体の圧力上昇は、ハブ1a側よりもシュラウド1b側の旋回角に大きく影響されるため、ハブ1a側付近で旋回角の抑制割合がマイナスでも、流路高さ中心からシュラウド1b側において旋回角の抑制割合がプラスになることで圧縮機の性能向上が見込める。
図5A、図5Bの結果より、従来(比較例)から実施形態1にすることでハブ1a側の逆旋回速度成分の強まりを抑制しつつ、予旋回速度成分が大きなシュラウド1b側から流路高さ中央付近の旋回速度成分を低減できることが確認された。
実施形態1によれば、遠心圧縮機100を小型化した際にも、リターンベーン5の後縁51の形状を工夫することで、シュラウド1bからハブ1aまでに接続されるリターンベーン5の流路高さ方向全体で旋回速度成分を除去できる。
なお、旋回速度成分とは、回転軸2の回転方向の+(プラス)の速度成分と、回転軸2の回転方向と逆方向の-(マイナス)の速度成分の両者をいう。
なお、平均旋回速度成分が0で正接が0°であることが理想的である。
なお、遠心羽根車1を複数備える遠心圧縮機を多段遠心圧縮機と称する。
<<実施形態2>>
以下、本発明における実施形態2の遠心圧縮機について図6、図7を用いて説明する。
図6に、実施形態2の前置翼5Aと後置翼5Bの二列に分かれているリターンベーンを軸方向から見た時の断面図を示す。
図7に、実施形態2の図6に示した前置翼5Aと後置翼5Bの位置関係を示す。
実施形態2の遠心圧縮機100Aは、タンデム型(2つ)のリターンベーンの前置翼5A、後置翼5Bを備える場合である。
遠心圧縮機の更なる小型化のために、リターンベーン5の径方向の長さを縮小した場合、リターンベーン5の出入口間に要求される流れの転向量が、遠心羽根車1の長さに対して大きくなる。そのため、リターンベーン5からの流れの剥離が生じる恐れがあり、効率の向上が図れない可能性がある。
これを解決するため、実施形態2の遠心圧縮機100Aでは径方向流路9において流体の流れの上流側(外径側)に前置翼5Aが回転軸2を中心に円形に複数配置されている。また、径方向流路9の流体の流れの下流側(内径側)に後置翼5Bが回転軸2を中心に円形に複数配置されている。
実施形態2では、図7に示すように、リターンベーン5のうちで下流側に設けられる後置翼5Bの入口羽根角β3が、リターンベーン5のうちで上流側に設けられる前置翼5Aの入口羽根角α3に対して、周方向により寝ていることを特徴としている。
具体的には、リターンベーン5の後置翼5Bの入口羽根角β3と前置翼5Aの入口羽根角α3が、β3<α3の関係(前置翼5Aの入口羽根角α3が大きい)にすることで、流体は流れて後置翼5Bの負圧面5B1側から流入する。
これにより、リターンベーン5の前置翼5Aと後置翼5Bの翼間に構成される径方向流路9内の圧力を上昇させ、径方向流路9を通過する流れの流速を上昇させることができる。流速が上昇すると、後置翼5Bの負圧面5B1を通過する流れの運動量が増えるため、後置翼5Bの負圧面5B1で生じる流れの剥離を抑えることが可能となる。
流れの剥離を抑えることで、剥離に伴う効率低下抑制と流れの転向を両立することができる。
更に、実施形態2では、実施形態1のリターンベーン後縁51と同様、後置翼5Bの後縁5B2がベンド流路7(図2参照)内まで内径側に延長されている。そして、後置翼5Bの後縁5B2が回転軸2に向かって凸の湾曲形状になっている。また、図4と同様に、後置翼5Bの後縁5B2のシュラウド1b側の湾曲半径がハブ1a側より小さく、ハブ側接続部51aはシュラウド側接続部51bより内径側にある。
この構成により、リターンベーン5のハブ1a側の翼長さ増大を抑えて、リターンベーン5のハブ1a側の逆旋回速度成分の強まりを抑制しつつ、リターンベーン5の予旋回速度成分が大きなシュラウド1b側から流路高さ中央付近のみ翼長さを増大させることでこの領域の予旋回速度成分の低減が可能となる。
また、遠心圧縮機100Aは、リターンベーンの前置翼5Aと後置翼5Bとをもつタンデム型であることから、更に小形化が可能になる。
<<その他の実施形態>>
1.本発明は、前記した実施形態の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
1 遠心羽根車、
1b シュラウド
1a ハブ
2 回転軸、
3 ディフューザ(ディフューザー流路)、
4 リターンチャネル(リターン流路)、
5 リターンベーン、
5A 前置翼
5B 後置翼
51 リターンベーン後縁、
51a リターンベーン後縁のハブ側接続部、
51b リターンベーン後縁のシュラウド側接続部、
6a 流体を外径方向から軸方向へ転向するリターンベンド、
6b 流体を軸方向から内径方向へ転向するリターンベンド、
7 L字ベンド流路(ベンド部)、
8 軸方向流路、
9 径方向流路、
100、100A 遠心圧縮機(多段遠心圧縮機)
R1 シュラウド側の湾曲半径
R2 ハブ側の湾曲半径
α3 前置翼の入口羽根角
β3 後置翼の入口羽根角
A 比較例の直線後縁の段出口における流路高さ全体の平均旋回角
a 比較例の直線後縁の段出口における4分割した各流路高さの平均旋回角
b 実施形態1の湾曲後縁の段出口における4分割した各流路高さの平均旋回角

Claims (7)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に固定される遠心羽根車と、
    シュラウドとハブとで構成されるリターン流路とを備え、
    前記リターン流路は、径方向流路、L字ベンド流路、および軸方向流路でL字流路が構成され、
    前記径方向流路と前記L字ベンド流路にリターンベーンが配置され、
    前記L字ベンド流路内まで内径側に延長された前記リターンベーンの後縁は、ハブ側接続部近くが直線形状で、シュラウド側接続部近くが下流に向かって凸状の湾曲形状になっており、
    前記リターンベーンの前記ハブ側接続部はシュラウド側接続部より内径側にあることを特徴とする多段遠心圧縮機。
  2. 回転軸と、
    前記回転軸に固定される羽根車と、
    前記羽根車の外径側に位置するディフューザ流路と、
    シュラウドとハブとで構成され、前記ディフューザ流路に流れる流体を前記回転軸に向かって戻すリターン流路とを備え、
    前記リターン流路は、
    外径側から内径側に流れる径方向流路と、前記回転軸に沿って流れる軸方向流路と、前記径方向流路と前記軸方向流路とを繋ぐベンド部と、前記径方向流路から前記ベンド部にかけて形成されたリターンベーンとを有し、
    前記リターンベーンの後縁は、ハブ側接続部がシュラウド側接続部より内径側にあり、前記回転軸に向かって凸状の湾曲形状になっており、
    前記後縁の湾曲形状が、前記軸方向流路の延長上にある、または、前記軸方向流路に露出していることを特徴とする多段遠心式流体機械
  3. 請求項1または請求項2に記載の多段遠心圧縮機において、
    前記リターンベーンの前記シュラウド側接続部は前記軸方向流路の延長上にない、または、前記軸方向流路に露出していないことを特徴とする多段遠心圧縮機。
  4. 請求項1または請求項2に記載の多段遠心圧縮機において、
    前記リターンベーンの後縁の前記シュラウド側の湾曲半径が前記ハブ側の湾曲半径より小さいことを特徴とする多段遠心圧縮機。
  5. 請求項1または請求項2に記載の多段遠心圧縮機において、
    前記リターンベーンの後縁の前記ハブ側接続部近傍は湾曲していないことを特徴とする多段遠心圧縮機。
  6. 請求項1または請求項2に記載の多段遠心圧縮機において、
    前記リターンベーンは、タンデム型であることを特徴とする多段遠心圧縮機。
  7. 請求項1または請求項2に記載の多段遠心圧縮機において、
    前記リターンベーンは、上流側に設けられる前置翼と、下流側に設けられる後置翼とであり、
    後置翼の入口羽根角より前置翼の入口羽根角が大きいことを特徴とする多段遠心圧縮機。
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