JP2023179548A - 衣類 - Google Patents

Abstract

【課題】エンドユーザによって制御されるか、または制御可能な１つ以上の要因に基づいてカスタマイズされる、履物具および衣類を含むカスタマイズ可能な物品を可能にするシステムおよび方法を提供する。【解決手段】ソール構造体と、ソール構造体に取り付けられたアッパーとを含む履物が提供される。アッパーは、外層とベース層とを含み、外層は、生分解性層と、生分解性層を生分解することができる生物学的活性剤とを含む。【選択図】図１２

Description

本開示は、一般に、分解可能な部分を含む履物具のような物品に関する。特に、本開示は、ユーザに反応して適応する生分解性部分を有する物品に関する。

多くの消費者は、固有の、またはそれらの特定の用途に特有の物品または製品を求めています。例えば、多くの消費者は、各消費者の特定の歩き方に適合するソール構造体、特定の程度の通気性または特定の空気の流れのレベルを持つアッパー、および／または固有の美的外観を有する履物具を望んでいる。さらに、多くの消費者は、動的（ｄｙｎａｍｉｃ）でユーザに適応する履物具または衣類を望んでいる。しかし、個々のユーザに固有のこのような物品または製品を作成することは、費用および時間がかかり、消費者および製造業者の両方にとって典型的には望ましくない。

例えば、ある消費者は、特定の程度の通気性を有する履物具や衣類を望むことがある。しかし、物品を通る最適な通気性を提供するために、履物具または衣類上の開口または開口を含む場所を決定することは、物品を使用する個人およびその使用状況に依存し得る。

製造業者は通常、消費者にとって多種多様なオプションを提供することを目的とする種々の製品を提供する。また、多くの製造業者は、消費者に固有な製品を提供するために、製品を購入する前に消費者が製品をカスタマイズすることを可能にする。しかし、典型的には、これらの製品は通常、製造に時間がかかり、より高価になる。履物具または衣類に関しては、特注またはカスタムのオプションを追加すると、製造業者のコストが大幅に増加する可能性があり、既製品とカスタム製品の間に大きな価格差があるため、提供する意欲をそぐ可能性がある。多くの衣類または履物具は大量に生産されるため、特定の物品をカスタマイズする必要がある場合、著しい非効率性が生じる可能性がある。

また、多くの消費者は、動的である物品または製品、あるいは、外観が変化する物品を求めており、物品が変化または進化する間、ユーザに体験を提供する。いくつかの例では、物品や製品の動的な性質は、ユーザの気分または感覚（例えば、ムードを作るために色を変えるランプ）を変更することができ、ユーザに驚き（例えば、宝くじの賞金を示すスクラッチ式の宝くじ券）を提供することができ、または、物品の状態（例えば、低バッテリー状態を示すライト）を示すことがある。しかし、これらの動的な特徴を組み込んだ物品または製品を生産または製造し、これらの動的な特徴をユーザに楽しい体験を提供するような方法で組み込むことは困難であり得る。

したがって、エンドユーザによって制御されるか、または制御可能な１つ以上の要因に基づいてカスタマイズされる、履物具および衣類を含むカスタマイズ可能な物品を可能にするシステムおよび方法の必要性が存在する。さらに、ユーザ体験を提供する動的及び物品である履物具および衣類を含む物品を可能にするシステムおよび方法に対する必要性が存在する。

履物具は、本明細書に記載されているように、様々な構成を有してもよい。履物具は、アッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造体とを有していてもよい。

一態様では、履物具は、外層及びベース層を含むアッパーを含む。外層は、生物学的活
性剤および生分解性層を含む。さらに、生物学的活性剤は、生分解性層を生分解することができる。

関連する態様において、外層は、中間層およびトップ層をさらに含み、中間層は、斑点（ｐａｔｃｈ）のパターンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、履物具は、インステップ（ｉｎｓｔｅｐ）層およびカラー（ｃｏｌｌａｒ）層をさらに含む。外層は、足先領域、中央領域、および踵領域に沿ってソール構造体から上向きに境界まで延びてもよい。境界は、アッパーの周縁部の周りに、足先領域、中央領域、および踵領域のそれぞれを通って延びていてもよい。特定の実施形態において、生分解性層は、ポリ（エチレンテレフタレート）を含んでいてもよく、生物学的活性剤は、イデオネラ サカイエンシス（Ｉｄｅｏｎｅｌｌａ ｓａｋａｉｅｎｓｉｓ）を含んでいてもよい。さらに、インステップ層およびカラー層は、境界から上方に向かって延びていてもよい。

別の態様では、履物具は、ソール構造体と、ソール構造体に取り付けられたアッパーとを含む。アッパーは、生分解性層と、生分解性層を生分解することができる生物学的活性剤とを含む。アッパーは、生分解性層を有するトップ層と、ベース層と、トップ層とベース層との間に配置された中間層とをさらに含むことができる。いくつかの態様では、中間層は、第１の状態では、トップ層によって遮られ、中間層は、第２の状態では、少なくとも部分的に視認可能であり、生分解性層は、第２の状態では、少なくとも部分的に生分解される。生分解性層は、トップ層内のパターンの分解を可能にするために、トップ層の一部に沿って配置されてもよく、または、他の態様では、生分解性層は、トップ層内のトレードマーク（ｔｒａｄｅｍａｒｋ）の分解を可能にするために、トップ層の一部に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、履物具は、第１の状態で第１の色を含み、生分解性層が消費された後、履物具は、第２の状態で第１の色とは異なる第２の色をさらに含んでもよい。さらなる態様では、ベース層は、非生分解性の基材を含んでもよく、履物具は、着用者の足の周りに履物具を締め付けるための締め付け部材をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、生分解性層は、ポリカプロラクトン（ｐｏｌｙｃａｐｒｏｌａｃｔｏｎｅ）を含んでもよく、生物学的活性剤は、以下からなる群から選択される。バチルス ブレビス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｂｒｅｖｉｓ）；クロストリジウム ボツリヌス（Ｃｌｏｓｔｒｉｄｉｕｍ ｂｏｔｕｌｉｎｕｍ）；Ｃ． アセトブチリカム（Ｃ．ａｃｅｔｏｂｕｔｙｌｉｃｕｍ）；アミコラトプシス（Ａｍｙｃｏｌａｔｏｐｓｉｓ） ｓｐ．；フサリウム ソラニ（Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｓｏｌａｎｉ）；アスペルギルス フラバス（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｆｌａｖｕｓ）；シュードザイマ ジャポニカ（Ｐｓｅｕｄｏｚｙｍａ ｊａｐｏｎｉｃａ） Ｙ７－０９；Ｒ． デポリメラーゼ（Ｒ． ｄｅｐｏｌｙｍｅｒａｎｓ） ｓｔｒａｉｎ ＴＢ－８７；レプトスリックス（Ｌｅｐｔｏｔｈｒｉｘ） ｓｐ． ｓｔｒａｉｎ ＴＢ－７１；Ｐ． アンタークティカ（Ｐ． ａｎｔａｒｃｔｉｃａ） ＪＣＭ １０３１７；および、クリプトコッカス（Ｃｒｙｐｔｏｃｏｃｃｕｓ） ｓｐ． ｓｔｒａｉｎ Ｓ２。

さらなる態様では、ソール構造体と、ソール構造体に取り付けられ、生物学的活性剤を含むアッパーとを含み、生物学的活性剤が二酸化炭素を発散する物品が提供される。

本開示の特徴および利点を含む履物具の他の態様は、本明細書の図面および詳細な説明を検討した上で、当業者に明らかになる。したがって、履物具のすべてのそのような態様は、詳細な説明およびこの要約に含まれることが意図されている。

図１は、複合基材と材料層を含む複合材料の分解斜視図である。 図２は、図１の複合材料の平面図である。 図３Ａは、第１の態様による、図２の複合材料の３－３線に沿った断面図である。図３Ｂは、第２の態様による、図２の複合材料の３－３線に沿った断面図である。図３Ｃは、第３の態様による、図２の複合材料の３－３線に沿った断面図である。 図４Ａは、生分解の初期状態にある複合材料の平面図である。図４Ｂは、生分解の第１の中間状態にある複合材料の平面図である。図４Ｃは、生分解の第２の中間状態にある複合材料の平面図である。 図５Ａは、生分解の初期状態にある複合材料の平面図である。図５Ｂは、生分解の第１の中間状態にある複合材料の平面図である。図５Ｃは、生分解の第２の中間状態にある複合材料の平面図である。 図６は、図１の複合材料を組み込んだ履物具の一例を示す斜視図である。 図７は、図６の履物具の横方向の側面図である。 図８Ａは、図６の履物具の平面図である。図８Ｂは、図６の履物具の平面図であり、アッパーが取り外され、その上にユーザの骨格の足の構造が重ねられている。 図９は、図６の履物具の別の実施形態の斜視図である。 図１０は、図６の履物具の分解斜視図である。 図１１は、本開示の別の態様による、図１の複合材料を組み込んだ履物具の分解斜視図である。 図１２は、本開示のさらに別の態様による、図１の複合材料を組み込んだ履物具の分解斜視図である。 図１３Ａは、図６の履物具の斜視図である。図１３Ｂは、第１の量の生分解を受けた後の、図１３Ａの履物具の斜視図である。 図１４Ａは、図６の履物具を着用しているユーザの側面図であり、履物具は生分解の初期状態にある。図１４Ｂは、図６の履物具を着用しているユーザの側面図であり、履物具は生分解の第１の中間状態にある。図１４Ｃは、図６の履物具を着用しているユーザの側面図であり、履物具は生分解の第２の中間状態にある。 図１５Ａは、本開示の一実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ履物具を着用するユーザの側面図である。図１５Ｂは、図１５Ａのユーザの側面図であり、その履物具が第１の量の生分解を受けた後の図である。 図１６Ａは、本開示の一実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ履物具を着用するユーザの側面図である。図１６Ｂは、図１６Ａのユーザの側面図であり、その履物具が第１の量の生分解を受けた後の図である。 図１７Ａは、本開示の別の実施形態による、図１の複合材料を有する履物具を着用するユーザの側面図である。図１７Ｂは、図１７Ａのユーザの側面図であり、その履物具が第１の量の生分解を受けた後の図である。 図１８は、履物具のアッパーの例示的なヒートマップを示す平面図である。 図１９Ａは、履物具のアッパーの別の例示的なヒートマップの平面図である。図１９Ｂは、履物具のアッパーのさらに別の例示的なヒートマップの平面図である。 図２０Ａは、本開示の別の態様による、図１の複合材料を組み込んだ履物具の一例の斜視図である。図２０Ｂは、第１の量の生分解を受けた後の、図２０Ａの履物具の斜視図である。 図２１Ａは、本開示のさらに別の態様による、図１の複合材料の構成要素を組み込んだ履物具の一例を示す斜視図である。図２１Ｂは、第１の量の生分解を受けた後の、図２１Ａの履物具の斜視図である。 図２２は、図１の複合材料を有する一対の物品を着用するユーザの側面図である。 図２３Ａは、本開示の一実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ物品の正面図である。図２３Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図２３Ａの物品の正面図である。 図２４Ａは、本開示の別の実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ物品の正面図である。図２４Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図２４Ａの物品の正面図である。 図２５Ａは、本開示のさらに別の実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ物品の正面図である。図２５Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図２５Ａの物品の正面図である。 図２６Ａは、本開示の一実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ別の物品の正面図である。図２６Ｂは、図２６Ａの物品が生分解を受けた後の正面図である。 図２７Ａは、本開示の別の実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ物品の正面図である。図２７Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図２７Ａの物品の正面図である。 図２８Ａは、本開示のさらに別の実施形態による、図１の複合材料を組み込んだ物品の正面図である。図２８Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図２８Ａの物品の正面図である。 図２９Ａは、履物具のためのインソールの平面図であり、インソールは、図１の複合材料を含んでいる。図２９Ｂは、図２９Ａのインソールが第１の量の生分解を受けた後の、インソールの平面図である。 図３０は、図１の複合材料を組み込んだ１つまたは複数の物品を着用しているユーザの背面図である。 図３１Ａは、図３０のユーザの正面立面図であり、ユーザは、図１の複合材料を組み込んだ物品を着用している。図３１Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図３１Ａの物品の正面立面図である。 図３２Ａは、図３０のユーザの正面立面図であり、ユーザは、図１の複合材料を組み込んだ物品を着用している。図３２Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図３２Ａの物品の正面立面図である。 図３３Ａは、図３０のユーザの正面立面図であり、ユーザは、図１の複合材料を有する物品を利用している。図３３Ｂは、物品が第１の量の生分解を受けた後の、図３３Ａの物品の正面立面図である。 図３４は、図１の複合材料を有する履物具を製造するための典型的な方法を示すプロセスフローチャートである。 図３５は、図３４に示されたプロセスの一つの工程中の履物具のアッパーの平面図である。

以下の議論および添付の図は、履物具または靴などの物品に使用または組み込むことができる複合材料の様々な実施形態または構成を開示している。本明細書でさらに議論されるように、複合材料のコンセプトまたは態様は、履物具、衣類、アクセサリ、運動具、または、布または繊維材料を使用する可能性のある任意の物品に適用されるか、またはそれらに組み込まれる可能性がある。

例えば、複合材料のコンセプトは、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズ、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーまたはスノーボードブーツ、サッカーシューズまたはクリート、ウォーキングシューズ、トラッククリート、またはアッパーを利用する任意の運動用履物など、運動用履物またはスポーツシューズとみなされる履物具に適用するか、またはそれらに組み込むことができる。また、本開示の実施形態に関連するコンセプトは、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、またはヒールを含む非運動用の履物など、広範な他の履物および履物の様式にも適用することができる。

履物に加えて、本明細書に記載されている特定のコンセプトは、衣類（例えば、シャツ、ショーツ、パンツ、帽子、ソックス、カーフスリーブ、ヘッドバンド、リストバンド、
アームスリーブ、手袋など）、ヘルメット、パディングまたは保護パッド、すね当てなど、他の種類のアパレルまたは他の種類の運動具に適用し、組み合わせることができる。さらに、本明細書に記載される特定のコンセプトは、インソール、クッション、バックパックストラップ、ゴルフクラブ（例えば、ゴルフクラブのグリップ）、または他の消費者または工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書に記載されるコンセプトは、様々な製品に利用することができる。

ここで使用される「約」という用語は、数的な量のばらつきを意味するものであり、このようなばらつきは、例えば、ここで開示される実施形態を含み得る履物具または他の製造品で用いられる典型的な測定および製造手順を通して、これらの手順における不注意によるエラーを通して、製品、原料、または組成物もしくは混合物を作製するため、またはその方法を行うために用いる材料の純度の違いなどを通して生じる。本開示を通し、「約」と「おおよそ」という用語は、この用語に先行される数値の±５％の範囲を意味する。

本明細書で使用される「重量パーセント」、「ｗｔ－％」、「重量による百分率」、「重量による％」、およびそれらの変化形は、当該物質または成分の濃度として参照され、当該物質または成分の重量を総重量、例えば、組成物または組成物の特定の成分の総重量で割って１００を掛けたものとして参照するものである。本明細書で使用される「パーセント」、「％」などは、「重量パーセント」および「ｗｔ－％」と同義であることが理解される。

本明細書で使用される「分解する」、「分解性」、「分解」という用語は、履物具などの物品の材料、組成物、構成要素、または部分を参照しており、例えば、与えられる刺激または刺激による活性化の後に、または、履物具の材料、組成物、構成要素、または部分が刺激または活性剤なしで分解されるまま放置された場合よりも急速な速度で分解を促進する活性剤への暴露後に、それらは化学的または生物学的に分解されることが可能である。

本明細書で使用される「生分解する」、「生分解性」、および「生分解」という用語は、履物具などの物品の材料、組成物、構成要素、または部分を参照しており、それらは生物学的に分解されることが可能である。さらに、本明細書で使用される「生分解する」、「生分解性」、および「生分解」という用語は、例えば、微生物（例えば、細菌、真菌、微細藻類など）による、履物具などの物品の有機材料、組成物、構成要素、または部分の分解を参照している。「生分解する」、「生分解性」、および「生分解」という用語は、生物劣化（すなわち、材料、組成物、または構成要素の機械的、物理的、または化学的な性質または特性を変更する表面レベルの劣化）、バイオフラグメンテーション（例えば、材料や組成物内の化学結合が切断または破壊される過程）、および／または同化（すなわち、バイオフラグメンテーションの生成物が微生物細胞に統合されるか、または、微生物細胞に消費される過程）を含む生分解のすべての段階を包含することもある。

さらに、本明細書で使用される「生分解する」、「生分解性」、「生分解」という用語は、履物具などの物品の材料、組成物、構成要素、または部分を参照しており、例えば、それらは、与えられる生物学的刺激または刺激による活性化の後に、および／または、履物具の材料、組成物、構成要素、または部分が生物学的活性剤なしで分解されるまま放置される場合よりも急速に分解を促進する生物学的活性剤への暴露後に、生物学的に分解されることが可能である。本明細書でさらに議論されるように、光、水、酸素、および温度変化が含まれるが、これらに限定されない多くの要因が生分解の速度を決定する。

分解または生分解は、分子量の減少、機械的強度の減少、表面特性の喪失、材料の断片への分解、材料の色または色調の変化、材料の重量の変化、材料の柔軟性の変化、材料の
靭性の変化など、ポリマーまたは材料の特性の変化に基づいて、または、ＣＯ_２、ＣＨ_４、Ｈ_２Ｏを含むがこれらに限定されないポリマー、材料、または物品（例えば、履物具、衣類など）から１つまたは複数の小分子が放出されることに基づいて、識別されることができる。このように、分子（例えば、ＣＯ_２、ＣＨ_４、Ｈ_２Ｏ）の放出（または、受動的な放出）は、生分解の兆候である可能性がある。他の実施形態では、劣化または生分解は、材料を通る開口部の形成に基づいて識別されてもよい。例えば、特定の実施形態では、材料の劣化または生分解は、約１ｍｍ^２と約２０，０００ｍｍ^２の間、約１００ｍｍ^２と約１０，０００ｍｍ^２の間、または約２００ｍｍ^２と約１，０００ｍｍ^２の間の面積を有する開口部の形成に基づいて識別されてもよい。

図１～３は、物品（履物具または衣類など）に組み込むことができる複合材料１００の例示的な実施形態を示しており、この複合材料１００は、複合基材または布地１０２および材料層１０４を含んでいてもよい。本明細書でさらに議論されるように、複合材料１００は、生物学的活性剤、および／または、細菌または真菌の細胞間接着を促進する細胞外高分子物質のマトリックスの集合によって形成された細菌または真菌のフィルム状の層を含んでもよい。複合基材１０２は、例えば、材料層１０４のような、分解されるポリマーや材料の表面などの表面への細胞の吸着を促進してもよい。このようにして、複合材料１００は、細菌または真菌の成長および生存を促進し、複合基材１０２および複合材料１００を維持する媒体を用いて、物品、例えば、履物具、衣類、物品に組み込まれた布片、繊維材料などに導入されてもよい。他の態様では、本明細書でさらに議論されるように、複合材料１００は、それ自体で物品に導入されてもよい。図１に示されるように、材料層１０４は、透明または半透明の層であってもよい。他の実施形態では、本明細書でさらに議論されるように、材料層１０４は、不透明または非透明な層であってもよい。

なお、図１～３を参照すると、材料層１０４は、複合基材１０２上に配置されてよく、隣接して配置されてもよい。複合基材１０２は、基材またはベース層１０６と、基材１０６に塗布された、または基材１０６に組み込まれた生分解性材料または生分解性媒体１０８とを含む複合材料であってもよい。例えば、図３Ａに示されるように、複合基材１０２は、基材１０６と、１つ以上のキャビティ１１０内に配置された生分解性材料１０８とを含んでいてもよく、または、図３Ｂに示されるように、複合布地１０２は、基材１０６ａと、その上に配置された生分解性材料１０８ａとを含んでいてもよい。さらなる実施形態では、図３Ｃに示されるように、複合基材１０２は、基材１０６ｂと、その上およびその中に配置された生分解性材料１０８ｂとを含んでもよい。または、本明細書でさらに議論されるように、複合材料１００は、複合基材１０２のみで構成され、材料層１０４を含まなくてもよい。実施形態では、生分解性材料１０８は、複数のキャビティ１１０に設けられており、キャビティ１１０は、約１ｍｍより大きい、約１ｍｍと約３０ｍｍの間、または約３ｍｍと約１０ｍｍの間の幅を有する上部開口部を有していてもよい。

特定の態様では、生分解性材料または生分解性媒体１０８は、キャバン（ｃａｖｅｒｎ）またはキャビティ１１０内にあるゼラチン、または基材１０６上にあるゼラチンに組み込まれている。さらなる態様では、生分解性材料または生分解性媒体１０８は、１つまたは複数の微生物（例えば、細菌、真菌、微細藻類など）、ならびに微生物によって代謝され得る栄養素を含むカプセル化された媒体である。このような実施形態では、生分解性材料または生分解性媒体１０８の微生物は、生分解性材料または生分解性媒体１０８内に封止または収容されてもよい。そして、活性化すると、生分解性材料または生分解性媒体１０８の微生物は、周囲の環境に放出されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、低分子量生分解性ポリマーの薄層が、キャビティ１１０の上端を覆って延在し、生分解性材料１０８をその中に封止してもよい。

本明細書でさらに議論されるように、生分解性材料または生分解性媒体１０８に刺激ま
たは複数の刺激を適用して活性化させ、それによって生分解性材料または生分解性媒体１０８から１つまたは複数の微生物を放出させてもよい。例えば、低分子量生分解性ポリマーの薄層がキャビティ１１０の上端を覆って延在し、生分解性材料１０８をその中に封止している場合には、まず、刺激または複数の刺激が低分子量生分解性ポリマーの生分解を引き起こし、その結果、微生物が放出されることがある。そのような刺激または複数の刺激は、圧力の量、湿度のレベル、熱の量などであってもよい。生分解性材料または生分解性媒体１０８は、上述のように、その中の微生物の生存を維持するために、より詳細には、刺激または複数の刺激が生分解性封入物、生分解性材料、または生分解性媒体１０８に適用されるまで、微生物の生存を維持するために、１つまたは複数の栄養素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、生分解性媒体１０８は、さらなる刺激または複数の刺激なしに、活性化または生分解性媒体１０８からの微生物の放出を提供する刺激または複数の刺激をその中に含んでいてもよい（例えば、その中の水の量）。

図１および２に示される実施形態などのいくつかの実施形態では、生分解性材料１０８は、パターンとして、特に、離散的な斑点のパターンとして、基材１０６に適用され、取り付けされ、その中に配置され、または基材１０６上に配置されてもよい。より詳細には、本明細書でさらに議論されるように、生分解性材料１０８は、装飾的または視覚的に好ましい方法（パターン、画像、幾何学的形状など）で、特定の形状（例えば、トレードマーク、ブランドマーク、バーコード、一般的な幾何学的形状など）を形成する方法で、または、一度劣化すると特定の特徴を提供する方法（複合材料が適用される物品を通る最適または所望の空気流のための開口部を提供するパターン、複合材料が適用される物品の状態に関する視覚的表示を提供するパターン、複合材料が適用される物品の状態を示すために複合材料が適用される物品の状態を変化させるパターンなど）で、およびそれらの組み合わせなどで、基材１０６に適用され、取り付けられ、内部に配置され、または基材１０６上に配置されてもよい。

上述したように、生分解性材料１０８は、細菌または真菌の細胞間接着を促進する細胞外高分子物質のマトリックスが集合して形成された細菌または真菌のフィルム状の層であってもよく、生物学的活性剤を含んでいてもよい。より詳細には、生分解性材料１０８は、生分解性材料１０８自体、材料層１０４、および／または基材１０６などの複合材料１００の少なくとも一部を生分解する生物学的活性剤を含んでいてもよい。

図４Ａ～４Ｃは、生分解の初期状態（図４Ａ参照）、生分解の第１の中間状態（図４Ｂ参照）、および生分解の第２の中間状態（図４Ｃ参照）にある、材料層１５２、基材１５４、および生分解性部分１５６を含む、複合材料１００と同様の複合材料１５０を示している。より詳細には、図４Ａは、どちらも生分解を受けていない基材１５４および生分解性材料１５６を有する複合材料１５０を示しており、図４Ｂは、生分解性材料１５６の一部が生分解を受けた後の複合材料１５０を示しており、図４Ｃは、生分解性材料１５６の一部がさらに生分解を受けた後の複合材料１５０を示している。

本明細書で述べたように、いくつかの実施形態では、生分解性材料１０８は、パターンとして基材１０６に適用され、取り付けされ、基材１０６の中に配置され、または基材１０６上に配置されてもよい。図５Ａ～５Ｃは、複合材料１００と同様の複合材料２００であって、図４Ａ～４Ｃのパターンとは異なるパターンで、材料層２０２、基材２０４、および生分解性部分２０６を含む複合材料２００を示している。さらに図５Ａ～５Ｃを参照すると、図５Ａは、初期状態（すなわち、生分解のない状態）の複合材料２００を示しており、図５Ｂは、生分解の第１の状態にある複合材料２００であって、生分解性材料２０６の一部が生分解を受けた後の複合材料２００を示しており、図５Ｃは、生分解の第２の状態にある複合材料２００であって、生分解性材料２０６および材料層２０２の一部が生分解を受けた後の複合材料２００を示している。特に、材料層２０２は、生分解性材料２
０６内の生物学的活性剤によって分解され、材料層２０２を通して１つまたは複数の開口部２０８が形成されるようになっている。

本明細書に記載されている材料、組成物、複合材料１００の構成要素、および複合材料１００（例えば履物具などの物品に組み込まれてもよい）の一部の生分解に使用される生物学的活性剤は、バクテリア、アクチノバクテリア、プロテオバクテリア、バクテロイデス門、真菌、酵母、藻類、または原生動物などの微生物であってもよいが、これらに限定されない。

本明細書に記載された物品、例えば、履物具の物品の材料、組成物、構成要素、および複合材料の一部の生分解に使用するのに適した微生物は、当技術分野で知られており、例えば、Ｙｏｓｈｉｄａ ｅｔ ａｌ．（“Ａ ｂａｃｔｅｒｉｕｍ ｔｈａｔ ｄｅｇｒａｄｅｓ ａｎｄ ａｓｓｉｍｉｌａｔｅｓ ｐｏｌｙ（ｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ），” Ｓｃｉｅｎｃｅ， ２０１６， ３５１（６２７８）：１１９６－１１９９）、Ｐａｔｈａｋ ａｎｄ Ｎａｖｎｅｅｔ （“Ｒｅｖｉｅｗ ｏｎ ｔｈｅ ｃｕｒｒｅｎｔ ｓｔａｔｕｓ ｏｆ ｐｏｌｙｍｅｒ ｄｅｇｒａｄａｔｉｏｎ： ａ ｍｉｃｒｏｂｉａｌ ａｐｐｒｏａｃｈ，” Ｂｉｏｒｅｓｏｕｒｃｅｓ ａｎｄ Ｂｉｏｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ， ２０１７， ４：１５）、Ｓｈａｈ ｅｔ ａｌ．（“Ｍｉｃｒｏｂｉａｌ ｄｅｇｒａｄａｔｉｏｎ ｏｆ ａｌｉｐｈａｔｉｃ ａｎｄ
ａｌｉｐｈａｔｉｃ－ａｒｏｍａｔｉｃ ｃｏ－ｐｏｌｙｅｓｔｅｒｓ，” Ａｐｐｌ
Ｍｉｃｒｏｂｉｏｌ Ｂｉｏｔｅｃｈｎｏｌ， ２０１４， ９８：３４３７－３４４７）， Ａｂｄｅｌ－Ｍｏｔａａｌ ｅｔ ａｌ． （“Ｂｉｏｄｅｇｒａｄａｔｉｏｎ
ｏｆ ｐｌｏｙ （ε－ｃａｐｒｏｌａｃｔｏｎｅ） （ＰＣＬ） ｆｉｌｍ ａｎｄ
ｆｏａｍ ｐｌａｓｔｉｃ ｂｙ Ｐｓｅｕｄｏｚｙｍａ ｊａｐｏｎｉｃａ ｓｐ．ｎｏｖ． ， ａ ｎｏｖｅｌ ｃｕｔｉｎｏｌｙｔｉｃ ｕｓｔｉｌａｇｉｎｏｍｙｃｅｔｏｕｓ ｙｅａｓｔ ｓｐｅｃｉｅｓ，” ３ Ｂｉｏｔｅｃｈ， ２０１４， ４：５０７－５１２）を参照することにより、これらはすべて、その全体が本明細書に組み込まれる。

いくつかの態様では、複合材料１００のための生物学的活性剤として選択されるべき微生物は、物品の材料、組成物または部分、または分解または生分解されるように設計された履物具に適合され得る。例えば、複合材料１００のための生物学的活性剤は、複合基材１０２の生分解性部分１０８を構成するために使用される特定の材料、または材料層１０４を構成するために使用される特定の材料に合わせてもよい。例えば、イデオネラ サカイエンシスという微生物は、ポリ（エチレンテレフタレート）（ＰＥＴ）プラスチック材料を分解するために使用されてもよい。このように、履物具または衣類などの物品が、ポリ（エチレンテレフタレート）で構成された材料層１０４、または生分解性材料１０８を有する複合材料１００を含む例では、材料層１０４または生分解性材料１０８が生分解性材料１０８によって分解または生分解されるように設計されている場合、生分解性材料１０８は、その中に生物学的活性剤としてイデオネラ サカイエンシスを含んでもよい。

別の例として、生分解性材料１０８のための生物学的活性剤は、複合材料１００が適用される物品の特定の部分、または物品に沿った特定の場所に基づいて選択されてもよい。例えば、本明細書でさらに議論されるように、衣類の脇の下領域など、より高い体温を経験する衣類の特定の部分が、より低い体温を経験する衣類の別の部分、または衣類の首や腰の領域など、衣類の物品に対する支持または安定性を提供する衣類の別の部分、よりも、より速く分解または生分解するか、または分解または生分解の速度が速いことが望まれる場合がある。

適切かつ例示的な微生物と、それらが分解することが知られている対応する材料を以下
の表１に示す。

いくつかの実施形態では、生分解性部分１０８で使用され本明細書に記載されている履物具などの物品の複合材料１００の材料、組成物、構成要素、および部分の生分解で使用される生物学的活性剤は、材料または組成物の生分解において、活性を示すことが知られている微生物から１つまたは複数の代謝酵素を発現するように遺伝子的に操作された組換え微生物であってもよい。例えば、生分解性部分１０８で使用される生物学的活性剤は、生物劣化の過程で生体高分子の加水分解を起こし、バイオフラグメンテーションの過程で生体高分子の断片化を起こし、同化の過程で生体高分子の断片の吸収または消費を起こす１つ以上の代謝酵素を発現するように遺伝子的に操作された微生物であってもよい。さらなる実施形態では、生分解性部分１０８に使用され、履物具などの物品の複合材料１００の材料、組成物、構成要素、および部分の生分解に使用される生物学的活性剤は、微生物による微生物代謝によって代謝物として有機酸を排泄するように操作された微生物であっ
てもよい。

例えば、生物学的活性剤は、ポリ（エチレンテレフタレート）ヒドロラーゼ（ジェンバンク（Ｇｅｎｂａｎｋ） アクセッション番号 ＧＡＰ３８３７３．１）、モノ（２－ヒドロキシエチル）テレフタル酸ヒドロラーゼ（ジェンバンク アクセッション番号 ＧＡＰ３８９１１．１）、テレフタル酸－１，２－ジオキシゲナーゼ、１，２－ジヒドロキシ－３，５－シクロヘキサジエン－１，４－ジカルボキシレートデヒドロゲナーゼ、ＰＣＡ
３，４－ジオキシゲナーゼ、またはこれらの組み合わせを、イデオネラ サカイエンシスから、発現するように遺伝子的に操作された微生物であってもよい。生物学的活性剤として使用するために組換え微生物を遺伝子的に操作する際に使用する代謝酵素またはその他の目的の遺伝子には、エステラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、ＰＨＡデポリメラーゼ、クチナーゼ、モノオキシゲナーゼ、ジオキシゲナーゼ、ヒドロラーゼ、デヒドロゲナーゼ、カリノイド依存性酵素、およびバイオフィルム形成を促進するためのアルギン酸産生遺伝子（例えば、ａｌｇＣ）が含まれるが、これらに限定されない。さらに、生物学的活性剤は、例えば、乳酸、酢酸、Ｈ_２ＳＯ_４など有機酸を排泄または放出する微生物であってもよい。

さらに、いくつかの実施形態では、生分解性部分１０８に使用される、または生分解性部分１０８内にカプセル化された生物学的活性剤は、微生物によって生産された代謝酵素または有機酸であってもよいが、生分解性部分１０８は微生物自体を含まなくてもよい。

生分解性部分１０８に使用され、本明細書に記載されている、例えば履物具などの物品の材料、組成物、構成要素、および部分の生分解に使用される生物学的活性剤は、生物学的活性剤の生存および成長に適した任意の媒体で物品に含まれるか、または物品に送達されてもよい。

例えば、媒体は、ゲル、ヒドロゲル、液体、クリーム、オイル、発泡体、ペースト、パウダー、フィルムなどを含む任意の形態であるが、これらに限定されない。媒体の成分としては、寒天、アガロース、ペプトン、ポリペプトン、グルコース、酵母エキス、麦芽エキス、ポリエチレングリコール、塩類（例えば、炭酸水素ナトリウム（ＮａＨＣＯ_３）、硫酸アンモニウム（（ＮＨ_４）_２ＳＯ_４）、炭酸カルシウム（ＣａＣＯ_３）、硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ_４）、塩化ナトリウム（ＮａＣｌ）など）、緩衝剤（例えば、リン酸塩緩衝剤、トリス緩衝剤、酢酸ナトリウム緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤など）、ビタミン類（チアミン、ナイアシン、アミノ安息香酸、ピリドキサール－ＨＣｌ、パンソテン酸、ビオチン、ビタミンＢ１２など）、微量元素、水、溶媒（メタノール、およびエタノールなど）、またはそれらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。

媒体のｐＨは、生物学的活性剤の成長と生存をサポートするように調整してもよい。例えば、ｐＨは、２．０、２．５、３．０、３．５、４．０、４．５、５．０、５．５、６．０、６．５、７．０、７．５、８．０、８．５、９．０、９．５、１０．０、１０．５、または１１．０であってもよいが、これらに限定されない。また、媒体は、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、低結晶性ＰＥＴフィルム、低分子量ポリカプロラクチンフィルム、ｐ－ニトロフェニルブチレート、およびｐ－ニトロフェニルパルミテートなどの低結晶性または低密度のポリマーを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、媒体は、生物学的活性剤として選択された微生物の生存および成長を支援するために、低結晶度（例えば、１．９％）のＰＥＴフィルムを含む。

また、複合材料１００または生分解性部分１０８が適用される物品の材料、組成物、構成要素、または部分の分解性または生分解性を調整するために、媒体、生分解性部分１０８、または複合材料１００の他の部分に１つまたは複数の添加剤が添加されてもよい。添
加剤は、ベンゾフェノン、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）ポリエステル、または別のタイプの添加剤を含むことができるが、これらに限定されない。

さらに、複合材料１００、より詳細には、基材１０６または材料層１０４は、高分子材料を含んでもよい。履物具などの物品に使用される高分子材料は、卵殻、ココナッツ、アバカ、ケナフ、海藻、稲わら、サイザル、コーヒー殻、コーンストーバー、木屑、およびおがくずなどの有機充填材を含んでもよいが、これらに限定されない。高分子材料に有機充填剤（複数可）を含めることで、分解または生分解を促進することができ、分解または生分解のタイミングおよび／または程度を調整することができる。例えば、上述したように、衣類の脇の下領域など、より高い体温を経験する衣類の特定の部分が、より低い体温を経験する衣類の別の部分や、衣類の首や腰の領域など、衣類に支持または安定性を提供する衣類の別の部分よりも、より早く劣化すること、または劣化の速度が速いことが望まれる場合がある。このように、ある特定の実施形態では、衣類の脇の下領域が有機充填剤を有する複合材料１００で構成され、衣類の首の領域が有機充填剤を欠く複合材料１００で構成され、衣類の脇の下領域がその首の領域よりも早く劣化するようにしてもよい。

他の実施形態では、均一な分解または生分解の速度を有する物品が望まれる場合があり、そのような実施形態では、物品は、均一な分解または生分解を提供するために有機充填剤を含んでもよい。例えば、より暖かい部分や、より高い体温を経験する物品の部分は、より低い体温を経験する部分などの物品の他の領域よりも速い速度で劣化または生分解する可能性がある。このように、より遅い速度で劣化または生分解する領域は、より速い速度の劣化または生分解を経験する物品の領域または部分とほぼ等しい速度に劣化または生分解の速度を加速するために、有機充填剤を含んでもよい。

上述したように、いくつかの実施形態では、生物学的活性剤は、バイオフィルムとして、履物具などの物品に導入されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「バイオフィルム」は、細菌または真菌の細胞間接着を促進する細胞外高分子物質のマトリックスの集合によって形成される細菌または真菌のフィルム状の層を示す。複合基材１０２のようなバイオフィルムは、分解されるべきポリマーや材料の表面などへの細胞の吸着を促進する可能性がある。複合材料１００は、それ自体で履物具などの物品に導入されてもよいし、細菌または真菌の成長および生存を促進するとともに、複合材料１００、およびその生分解性部分１０８の維持を促進する媒体とともに導入されてもよい。いくつかの実施形態では、バイオフィルムの形成および成長を視覚化するために、または履物具などの物品に使用するために複合材料１００（またはその構成要素）を着色するために、１つまたは複数の染料が複合材料１００（またはその構成要素）に添加されてもよい。より詳細には、生分解性部分または生分解性媒体１０８は、染料を含んでいてもよく、刺激または複数の刺激によって活性化されると、染料は、生分解性部分または生分解性媒体１０８から、周囲の環境の中にまたは上に放出されてもよい。例えば、生分解性媒体１０８は、生物学的活性剤および染料を含む封止されたカプセル化物であってもよく、刺激または複数の刺激によって活性化されると、染料を周囲の基材または布地（例えば、基材１０６）に放出し、周囲の基材または布地の色または外観を変化させることができる。

任意で、生物学的に活性な微生物を含む媒体は、例えば、複合材料１００、複合基材１０２、または生分解性部分１０８内のナノ充填剤（ｎａｎｏ－ｆｉｌｌｅｒ）の一部のように、複合材料１００内または複合材料１００上に埋め込まれてもよい。さらなる実施形態では、生物学的に活性な微生物を含む媒体は、物品内の１つ以上のキャビティ（例えば、キャビティ１１０）内に含まれていてもよい。さらに、生物学的に活性な微生物を含む媒体は、物品から離れていてもよく、ユーザによって物品に適用されてもよい。例えば、本明細書で議論されるいくつかの実施形態では、生物学的に活性な微生物を含む媒体は、流体スプレーまたはエアロゾル組成物であってもよく、必要に応じて、ユーザによって物
品に塗布、噴霧、またはその他の方法で配布されてもよい。

いくつかの実施形態では、分解を促す、加速する、または脱加速するために刺激または複数の刺激が使用されてもよい。例えば、いくつかの態様では、分解または生分解を促進または加速するために使用される刺激または複数の刺激は、温度の変化（熱の増加または減少など）、汗、光、紫外光、圧力の変化、湿度の変化、ｐＨの変化、液体（例えば、水、塩水、酸性溶液、塩基性溶液）への暴露、ガス（例えば、ＣＯ_２、ＮＨ_３、Ｏ_２）への暴露、または溶媒を含むが、これらに限定されない。

刺激または複数の刺激は、１つまたは複数の刺激物による１回の暴露後に、分解または生分解を促し、加速し、または減速してもよく、または、刺激、複数の刺激、または刺激のグループへの繰り返しの暴露後に、分解または生分解が反応するように調整してもよい。一態様では、刺激または複数の刺激は、ユーザからの体温または汗であってもよい。別の態様では、刺激または複数の刺激は、気象条件、湿度、または圧力を含む１つまたは複数の自然要素への暴露などの環境刺激または複数の刺激であってもよく、分解は、特定の閾値に達した後または一定期間が経過した後に環境刺激または刺激に反応するように調整されてもよい。さらに別の態様では、刺激または複数の刺激は、温度の変化であってもよく、分解は、特定の閾値に達した後または一定期間が経過した後に、温度または温度の変化に応答するように調整されてもよい。さらに別の態様では、刺激または複数の刺激は、紫外光、可視光、または赤外線などの所定の波長の光であってもよく、または幅広いスペクトルの光であってもよく、分解は、特定の閾値に達した後または一定期間経過した後に、光に反応するように調整されてもよい。

いくつかの特定の実施形態では、分解または生分解は、約３０℃から約８０℃の間の温度（例えば、２５℃、３０℃、３５℃、４０℃、４５℃、５０℃、５５℃、６０℃、６５℃、７０℃、７５℃、８０℃Ｃまたは８５℃）で活性化される。いくつかの実施形態では、分解または生分解は、約２０％の相対湿度から約１００％の相対湿度（例えば、１５％、２０％、２５％、３０％、３５％、４０％、４５％、５０％、５５％、６０％、６５％、７０％、７５％、８０％、８５％、９０％、９５％、または１００％）の間の湿度で活性化される。いくつかの実施形態では、分解または生分解は、３０℃以下、２５℃以下、２０℃以下、１５℃以下、１０℃以下、５℃以下、または０℃以下の温度で活性が低いか、完全に不活性化される。いくつかの実施形態では、分解または生分解は、２０％以下、１５％以下、１０％以下、５％以下、または２％以下の湿度で活性が低いか、完全に不活性化される。

履物具などの物品の材料、組成物、または部分の分解または生分解のタイミングおよび期間は、さまざまな要因に基づいて調整または制御することができることを理解すべきである。例えば、複合材料１００に使用される特定の材料、生物学的に活性な微生物に使用される材料を含む基材１０６および／または生分解性部分１０８に使用される材料、生物学的に活性な微生物を含む媒体、添加剤、有機充填剤など、および材料層１０４に使用される材料は、生分解の特定の程度または特定の速度を有する物品を提供するために選択されてもよい。さらなる実施形態では、物品（およびその分解のタイミングおよび期間）は、物品の特定の使用および／または生分解性部分を有する物品を含む可能性のある物品の特定の使用に基づいて、調整または制御されてもよい。例えば、履物具は、所定の使用時間後（例えば、約１５０ｋｍ走行後、約３００ｋｍ走行後、約４００ｋｍ走行後、約５００ｋｍ走行後、約６００ｋｍ走行後、約７００ｋｍ走行後、約８００ｋｍ走行後、約９００ｋｍ走行後、または約１０００ｋｍ走行後）に生分解するように調整されたその構成要素、例えば、履物のアッパーの一部分を含んでもよい。一態様では、レーシングフラットのような低走行距離または短距離で使用される履物具の構成要素は、約１５０ｋｍから約５００ｋｍの間の所定の距離の使用後に劣化または視覚的に変化するように調整されても
よい。別の態様では、トレーニングシューズのように、高走行距離またはより長距離に利用される履物具の構成要素は、約５００キロメートルから約８００キロメートルの間の所定の距離の使用後に劣化または視覚的に変化するように調整されてもよい。このように、また、本明細書でさらに議論されるように、生分解性部分を組み込んだ履物具の部分は、履物具をいつ交換すべきか、または、ユーザがタスク（例えば、マラソンの完走）を完了した後に、指標を提供することができる。

他の態様では、履物具または衣類などの物品の材料、組成物、または部分の分解または生分解のタイミングおよび期間は、例えば、履物具または衣類が、その寿命の間に様々な装飾的または美的外観を含むことを提供する生分解の所定の速度に基づいて、調整または制御されてもよい。例えば、履物具または衣類、またはその構成要素は、所定の時間後（例えば、１２時間後、２４時間後、２日後、３日後、４日後、５日後、６日後、１週間後、２週間後、３週間後、４週間後、１ヶ月後、２ヶ月後、３ヶ月後、６ヶ月後、１年後など）に生分解されて、新しい装飾的な外観を提供するように調整されてもよい。例えば、本明細書でさらに議論されるように、履物具または衣類は、所定の使用時間後に外観（例えば、色、形状、質感など）が変化し、それによって、スタイルが連続的に変化する物品を提供することができる。

さらなる態様では、履物具または衣類などの物品の材料、組成物、または部分の分解または生分解のタイミングおよび期間は、生分解の所定の速度に基づいて調整または制御されてもよい。例えば、履物具または衣類は、所定の時間後（例えば、１２時間後、２４時間後、２日後、３日後、４日後、５日後、６日後、１週間後、２週間後、３週間後、４週間後、１ヶ月後、２ヶ月後、３ヶ月後、６ヶ月後、１年後など）に生分解するように調整されたその構成要素を含んでもよい。特定の実施形態では、履物具または衣類は、所定の時間後に生分解するように調整されたその構成要素を含み、その結果、そのユーザが賞品を受け取ったかまたはコンテストに入賞したかどうかに関する指標を提供することができる。ある特定の態様では、履物具または衣類は、約１週間から約１ヶ月の間の所定の時間後に生分解するように調整され、その結果、履物具または衣類のユーザが賞品を受け取るか、またはコンテスト（例えば、懸賞）に当選するという指標（例えば、兆候（ｉｎｄｉｃｉａ）、色、テキストなど）を表示することができる。

さらに別の態様では、履物具または衣類などの物品の材料、組成物、または部分の分解または生分解のタイミングおよび期間を、生分解が所定の時間だけ可能になるように調整または制御してもよい。例えば、履物具または衣類は、所定の時間（例えば、１２時間後、２４時間後、２日後、３日後、４日後、５日後、６日後、１週間後、２週間後、３週間後、４週間後、１ヶ月後、２ヶ月後、３ヶ月後、６ヶ月後、１年後など）だけ生分解するように調整され、その後は生分解を停止するその構成要素を含んでもよい。例えば、履物具または衣類は、所定の長さ（例えば、１週間、１ヶ月、１年など）の寿命を有する生物学的に活性な微生物を有する生分解性部分１０８および／または材料層１０４を含んでもよく、これにより、生分解性部分１０８または材料層１０４は、その所定の長さの間は生分解することができるが、その後は生分解を停止する。このように、履物具または衣類の生分解性部分（例えば、生分解性部分１０８および／または材料層１０４）は、その所定の長さの時間の間の着用、運動、または活動の程度に関する指標を提供することができる（例えば、ユーザが運動すればするほど、物品の生分解が進む）。

さらに別の態様では、履物具または衣類などの物品の材料、組成物、または部分の分解または生分解のタイミングと期間は、生分解がユーザのための環境暴露の指標を提供するように調整または制御されてもよい。例えば、本明細書で議論されるように、物品の分解または生分解は、温度の変化、光、紫外光、圧力の変化、湿度の変化、ｐＨの変化、液体（例えば、水、塩水、酸性溶液、塩基性溶液）への曝露、および／またはガス（例えば、
ＣＯ_２、ＮＨ_３、Ｏ_２）への曝露を含むがこれらに限定されない環境要因に基づいて、促進、または加速される。したがって、本開示の一態様によれば、履物具または衣類は、例えば、ＣＯ_２に一定量さらされた後に分解または生分解してもよく、および／または、大気中のＣＯ_２の量が増加したときに分解または生分解してもよい。

本明細書でさらに議論されるように、本発明の多数の変更は、前述の説明を考慮して当業者に明らかになるであろう。したがって、この説明および前述の実施例は、例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本開示の実施形態を作成および使用することを可能にし、それを実施する最良の態様を教示する目的で提示されている。

図６～８は、複合材料１００、またはその個々の構成要素を含んでもよい履物具３００の例示的な実施形態を示している。この実施形態では、履物具３００は、ソール構造体３０２およびアッパー３０４を含み、これらは、ソール構造体３０２に取り付けられてもよく、一緒に足が挿入され得る内部キャビティ３０６を規定してもよい。

参照箇所を提供するために、特に図８Ａを参照すると、履物具３００は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４によって定義されてもよい（図７、８Ａ、および８Ｂを参照）。図８Ａおよび８Ｂを参照すると、足先領域３１０は、足指または指骨３１８、足の親指の付け根のふくらみ３２０、および足３１６の中足骨３２４と足指または指骨３１８とを連結する関節３２２を含む足３１６の部分を包囲する履物具３００の部分に概して対応してもよい。中央領域３１２は、足先領域３１０に近接しており、足先領域３１０に隣接している。中央領域３１２は、一般的に、足３１６のブリッジ３２８とともに足３１６のアーチを包み込む履物具３００の部分に対応する。踵領域３１４は、中央領域３１２に近接しており、中央領域３１２に隣接している。踵領域３１４は、踵または踵骨３３０、足首３３２、および／またはアキレス腱（図示せず）を含む、足３１６の後部を包囲する履物具３００の部分に概して対応する。

図６～８に戻って、履物具３００はまた、内側面３５０および外側面３５２を含む。特に、外側面３５２は、履物具３００の外側の部分に対応し、内側面３５０は、履物具３００の内側の部分に対応する。このように、左履物具と右履物具は、ユーザが履物具３００を着用しているときに内側面３５０が互いに最も近くにあるように、対向する側方および内側の側面を有し、一方、外側面３５２は、着用されているときに互いに最も遠い側面として定義される。以下でさらに詳細に議論されるように、内側面３５０および外側面３５２は、履物具３００の長手方向の中心面または軸３５４に沿って互いに隣接する。本明細書でさらに議論されるように、長手方向中心面または軸３５４は、履物具３００の内側面３５０と外側面３５２との間の中央中間軸を画定してもよい。別の言い方をすれば、長手方向の平面または軸３５４は、履物具３００の後部、遠位端３５６と、履物具３００の前部、遠位端３５８との間に延在していてもよく、履物具３００のインソール３６０、ソール構造体３０２、および／またはアッパー３０４の中央を連続的に画定していてもよく、すなわち、長手方向の平面または軸３５４は、踵領域３１４の後部、遠位端３５６を通り、足先領域３１０の前部、遠位端３５８まで延びる直線軸である。

本開示の特定の態様は、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および／または外側面３５２のうちの１つまたは複数と共在する部分または要素を参照してもよい。さらに、アッパー３０４およびソール構造体３０２の両方は、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４内、および内側面３５０および外側面３５２上に部分を有することを特徴とすることができる。したがって、アッパー３０４およびソール構造体３０２、および／またはアッパー３０４およびソール構造体３０２の個々の部分は、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、および内側面３５０および外側面３５２上に配置されるその部分を含んでいてもよい。

本明細書で特に指定しない限り、具体的には図８Ａおよび図８Ｂの平面図を参照すると、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および外側面３５２は、履物具３００の境界または領域を定義することを意図している。そのために、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および外側面３５２を上方で一般的に定義したが、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１０、内側面３５０、および外側面３５２は、特定の実施形態では、履物具３００の正確な部分としても特徴付けられる。このように、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および／または外側面３５２の特定の参照は、履物具の特定の部分への参照を提供するための一般的な用語と、履物具３００などの履物の物品を横切る離散的な境界を提供するための正確な用語の両方で定義されてもよい。

例えば、前述の説明を鑑みて、当業者には多数の変更が明らかになる可能性があり、複合材料１００およびその個々の構成要素は、多数の履物の物品に組み込まれる可能性があることを理解すべきである。したがって、履物具３００およびその構成要素（例えば、そこに組み込まれた複合材料１００）の態様は、本明細書に記載された足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および／または外側面３５２の境界が履物具間で異なる可能性があることを理解した上で、履物具３００の一般的な領域または部分を参照して説明されてもよい。

しかし、履物具３００の態様およびその個々の構成要素は、履物具３００の正確な領域または部分を参照して説明することもでき、本明細書の添付の請求項の範囲は、本明細書で議論される足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および／または外側面３５２のこれらの境界に関連する限定を組み込むことができる。

上記を踏まえて、図８Ａおよび図８Ｂの平面図を引き続き参照しながら、足先領域３１０、中央領域３１２、踵領域３１４、内側面３５０、および外側面３５２をより詳細に示す。足先領域３１０は、履物具３００の足先領域３１０のつま先側の端部または前側の遠位端３５８から最幅広部分４００まで延在している。特定の態様において、足先領域３１０は、つま先の端部または前部の遠位端３５８から、履物具３００のインソール３６０、ソール構造体３０２、および／またはアッパー３０４の最も広い部分まで延在していてもよい。最幅広部分４００は、足先領域３１０の前部遠位端３５８から、足先領域３１０の前部の遠位端３５８の反対側にある履物具３００の踵領域３１４の後部の遠位端３５６まで延在する長手方向の中心軸３５４に対して垂直な線４０２に沿って定義または測定されてもよい。履物具３００の最幅広部分４００は、また、近位指骨、すなわち近位指骨３１８が足３１６の中足骨３２４に接続する点で足３１６の部分を包囲する履物具３００の一部によって一般的に定義されてもよい。

中央領域３１２は、最幅広部分４００から履物具３００の最薄部分４０４まで延びている。履物具３００の最薄部分４０４は、長手方向の中心軸３５４に対して垂直な線４０６を横切って測定された、履物具３００のインソール３６０、ソール構造体３０２、および／またはアッパー３０４の最も薄い部分として定義される。履物具３００のかかと領域３１４は、履物具３００のインソール３６０、ソール構造体３０２、および／またはアッパー３０４の最薄部分４０４から、履物具３００の後方の遠位端３５６まで延びている。

さらに、図８Ａおよび図８Ｂを参照すると、内側面３５０は、後方の遠位端３５６から始まり、履物具３００の内側に沿って、踵領域３１４に沿って中央領域３１２に向かって外側に弓なりになっている。内側面３５０は、最幅広踵部分４５０に達し、その地点で、内側面３５０は、中央の長手方向の軸３５４に向かって、内側に弓なりになっている。内側面３５０は、最幅広踵部分４５０から、最薄部分４０４に向かって延在しており、その
地点で、内側面３５０は、中央領域３１２に入る（すなわち、線４０６を越えた地点で）。最薄部分４０４から、内側面３５０は、長手方向の中心の軸３５４から離れて、最幅広部分４００に向かって外側に弓なりになり、その地点で、内側面３５０は、足先領域３１０に延びる（すなわち、線４０２を越える際に）。最幅広部分４００に到達すると、内側面３５０は、前部の遠位端３５８に向かって内側に湾曲し、内側面３５０が長手方向の中心の軸３５４と出会う点で終了する。

引き続き図８Ａおよび図８Ｂを参照すると、外側面３５２も、踵領域３１４の後方の遠位端３５６から始まり、踵領域３１４に沿って履物具３００の外側に沿って中央領域３１２に向かって弓なりになっている。外側面３５２は、最幅広踵部分４５０に達し、その地点で、外側面３５２は、長手方向の中心の軸３５４に向かって、内側に弓なりになっている。外側面３５２は、最幅広踵部分４５０から、最薄部分４０４に向かって延在しており、地点で、外側面３５２は、中央領域３１２に入る（すなわち、線４０６を越えた地点で）。最薄部分４０４から、外側面３５２は、最幅広部分４００に向かって、長手方向の中心軸３５４から離れて外側に弓なりになり、その地点で、外側面３５２は、足先領域３１０に入り込む（すなわち、線４０２を越える際に）。最幅広部分４００に入ると、外側面３５２は、前部の遠位端３５８に向かって内側に弓なりになり、外側面３５２が長手方向の中心の軸３５４と出会う点で終了する。

図６～８に戻って参照すると、ソール構造体３０２は、アッパー３０４に接続または固定されており、履物具３００がユーザによって着用されたときに、ユーザの足と地面との間に延在する。ソール構造体３０２はまた、アウトソール、ミッドソール、ヒール、ヴァンプ（ｖａｍｐ）、および／またはインソールを含む、１つまたは複数の構成要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造体は、ユーザに牽引力（ｔｒａｃｔｉｏｎ）を提供するとともに、ソール構造体に構造的整合性を提供するアウトソール、クッションシステムを提供するミッドソール、およびユーザのアーチのためのサポートを提供するインソールを含んでもよい。

また、図６～８および図１０を参照すると、本実施形態のソール構造体３０２は、アウトソール領域４８０、ミッドソール領域４８２、およびインソールまたはインソール領域３６０（図８Ａおよび図１０を参照）によって特徴付けられてもよい。アウトソール領域４８０、ミッドソール領域４８２、およびインソール領域３６０、および／またはそれらの任意の構成要素は、足先領域３１０、中央領域３１２、および／または踵領域３１４内の一部を含んでもよい。さらに、アウトソール領域４８０、ミッドソール領域４８２、およびインソール領域３６０、および／またはそれらの任意の構成要素は、外側面３５２および／または内側面３５０内の一部を含んでもよい。アウトソール領域４８０、ミッドソール領域４８２、およびインソール領域３６０は、ソール構造体３０２の正確なまたは厳密な領域を定義することを意図していない。むしろ、アウトソール領域３８０、ミッドソール領域４８２、およびインソール領域３６０は、本明細書において、ソール構造体３０２およびその構成要素の議論を支援するために一般的に定義される。

他の実施例では、アウトソール領域４８０は、履物具３００が着用されたときに、少なくとも部分的に外部表面（例えば、地面）に接触するソール構造体３０２の一部として定義されてもよく、インソール領域３６０は、履物具が着用されたときに、少なくとも部分的にユーザの足に接触するソール構造体３０２の一部として定義されてもよく、ミッドソール領域４８２は、アウトソール領域３８０とインソール領域３６０との間に延在して。それらと接続するソール構造体３０２の少なくとも一部として定義されてもよい。

図６～８に示されるように、アッパー３０４は、ソール構造体３０２から上方に延在し、ユーザの足を受け入れて固定する内部キャビティ３０６を規定する。アッパー３０４は
、図６および図７に示されるように、足領域５００および足首領域５０２によって定義されてもよい。一般に、足領域５００は、ソール構造体３０２から上方に、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４を通って延在している。足首領域５０２は、主に踵領域５１６に位置するが、いくつかの実施形態では、足首領域５０２は、中央領域５１４に部分的に延在してもよい。

履物具３００はまた、靴ひも５２２、複数の開口部５２４、および複数のバンドまたはレーシングストラップ（図示せず）を含む締め付けシステム５２０（例えば、履物具の別の態様を示す図９を参照）を有してもよい。例えば、レーシングストラップは、開口部５２４から延在していてもよく、靴ひも５２２は、レーシングストラップのループ（ｌｏｏｐｓ）またはひも穴（ｅｙｅｌｅｔｓ）を通って延在していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、レーシングストラップは、弾性バンドであってもよい。締め付けシステム５２０は、ユーザがアッパー３０４の寸法を変更することを可能にしてよく、例えば、着用者が望むように足の周囲で、アッパー３０４の一部を締めたり緩めたりすることを可能にしてもよい。締め付けシステム５２０はまた、アッパー３０４の中心に沿って走り、靴ひも５２２が案内され得る１つまたは複数のループを含むバンド（図示せず）を含んでもよい。他の実施形態では、締め付けシステム５２０は、ベルクロ（登録商標）などのフックアンドループ（ｈｏｏｋ－ａｎｄ－ｌｏｏｐ）締め付けシステムであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、締め付けシステム５２０は、１つ以上のフックアンドループ式の留め具ストラップを含んでもよい。さらなる実施形態では、締め付けシステム５２０は、当技術分野で知られている別の靴ひもの無い締め付けシステムであってもよい。

引き続き図６～８を参照すると、アッパー３０４は、外側面３５２および内側面３５０に沿って延在してもよく、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４を横切って延在して、ユーザの足を収容し、囲み、または包み込んでもよい。アッパー３０４は、いくつかの実施形態では、アッパー３０４の外側面３５２と内側面３５２との間の境界を規定する長手方向の中心の軸３５４である、頂点を含んでもよい。長手方向、中心の軸３５４がアッパー３０４の頂点を規定する実施例では、アッパー３０４の外側面３５２は、頂点から延びるアッパー３０４の外側部分であってもよく、アッパーの内側面３５０は、頂点から延在するアッパー３０４の内側部分であってもよい。

この特定の実施形態では、アッパー３０４はまた、内面５４０および外面５４２を含む。内面５４０は、内側に向いており、内部空間３０６を概して規定し、アッパー３０４の外面５４２は、外側に向いており、アッパー３０４の外周を概して規定する。アッパー３０４はまた、履物具３００の踵領域３１４に少なくとも部分的に配置され、内部空間３０６へのアクセスを提供し、それを通して足を挿入することおよび取り外すことができる開口部５４４を含む。いくつかの実施形態では、アッパー３０４は、踵領域３１４の開口部５４４から、足の甲（インステップ）に対応する領域を越えて、足先領域３１０に隣接する領域まで延在するインステップ領域５４６も含んでもよい。

図７に示される実施形態では、アッパー３０４は、外層５４８と、インステップ層５５０と、カラー層５５２とを備える。より詳細には、外層５４８は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４に沿ってソール構造体３０２から上方に境界５５４まで延在している。本実施形態では、境界５５４は、遷移点を定義し、その地点で、アッパー３０４は、外層５４８からインステップ層５５０に遷移し、および／または、アッパー５０４は、外層５４８からカラー層５５２に遷移する。より詳細には、境界５５４は、インステップ層５５０が外層５４８から上方に延在し始めるアッパー３０４の一部を規定し、または、カラー層５５２が外側層５４８から上方に延伸し始める上部３０４の部分を規定する。いくつかの実施形態では、インステップ層５５０およびカラー層５５２は、ともに一般的に第２の層５５０、５５２と呼ばれてもよい。

境界線５５４は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４のそれぞれを通って、および／または、履物具３００の内側面３５０および外側面３５２を横切って、アッパー３０４の周縁部の周辺に、延在してもよい。したがって、インステップ層５５０の一部は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４内部にあってよく、かつ、内側面３５０および／または外側面３５２に沿っていてもよい。さらに、カラー層５５２の一部は、踵領域３１４内部にあってよく、および／または、部分的に中央領域３１２内部にあってもよい。

図６～８および１０に示される特定の実施形態では、インステップ層５５０は、足先領域３１０から中央領域３１２を通って延在しており、カラー層５５２は、踵領域３１４の足首領域に配置されている。他の実施形態では、インステップ層５５０は、足先領域３１０に部分的に、または、完全に入り込んで延在し、および／または、踵領域３１４に部分的に、または、完全に入り込んで延在していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、カラー層５５２は、中央領域３１２の中に少なくとも部分的に延在していてもよい。

以下で議論されるように、いくつかの実施形態では、境界５５４は、インステップ層５５０および／またはカラー層５５２に関連する特性、例えば、ステッチタイプ、ヤーンタイプ、または、異なるステッチタイプもしくはヤーンタイプに関連する特性、例えば、弾性、美的外観、厚さ、通気性、またはスカッフ抵抗性などが、外層５４８またはアッパー３０４の他の部分から変化されてもよいアッパー３０４の一部を、定義してもよい。例えば、アッパー３０４、およびその個々の構成要素（例えば、外層５４８、インステップ層５５０、およびカラー層５５２）は、様々な要素、繊維（ｔｅｘｔｉｌｅ）、ポリマー（発泡ポリマーおよびポリマーシートを含む）、皮革、合成皮革などを用いて個別に形成されてもよい。さらに、アッパー３０４、およびその個々の構成要素は、接着、ステッチ、または縫い目によって一緒に接合されて、アッパー３０４を作成してもよい。

一態様では、本明細書でさらに議論されるように、履物具３００の物品のアッパー３０４は、１つまたは複数のニット構造（ｋｎｉｔｔｅｄ ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ）またはニット構成要素から形成されてもよい。そのような態様では、ニット構成要素は、アッパー３０４に様々な異なる特性を提供することができる様々な種類の糸、または他の繊維材料を含んでもよい。たとえば、アッパー３０４の一つの領域は、第１の特性を付与または植え付ける第１のタイプのヤーンまたは材料から形成または構成されてよく、アッパー３０４の別の領域は、第２の特性を付与または植え付ける第２のタイプのヤーンまたは材料から形成されてもよい。このように、アッパー３０４の特定の部分は、様々な異なる特性を含んでいてもよい。一例として、一実施形態では、外側層５４８は、複合材料１００を含んでもよく、それによって、生物学的活性剤と、分解または生分解する材料とを含んでもよいが、インステップ層５５０および／またはカラー層５５２は、生物学的活性剤にさらされても分解または生分解しない材料を含んでもよい。

図６～８に示す特定の実施形態では、外側層５４８は、ソール構造体３０２の上部周囲全体を連続的に周回する均一な構造である。しかし、他の実施形態では、外層５４８は、足先の外層、中央の外層、および／または踵の外層などの複数の部分を含み、それらが接続されて外層５４８を形成してもよい。例えば、これらの実施形態では、足先の外層、中央の外層、および踵の外層は、１つ以上の縫い目によって接続され、外層５４８を形成してもよい。

また、図１０に示されるように、アッパー３０４は、トップ層６００、中間層６０２、およびベース層６０４を含む複数の層を含んでいてもよい。本実施形態では、ベース層６０４の内面（図示せず）は、内部空間３０６を画定する内面５４０であり、中間層６０２
は、ベース層６０４上で、トップ層６００とベース層６０４との間に配置される。ベース層６０４は、外側面３５２および内側面３５０の両方でソール構造体３０２から延在していてもよく、および／または、インステップ領域５４６を横切っていてもよい。特定の態様では、ベース層６０２は、足先領域３１０、中央領域３１２、および／または踵領域３１４に沿って、ソール構造体３０２から上方に延在してもよく、また、インステップ領域５４６を横切って、および／または足首領域５０２内に情報に延在してもよい。

別の態様では、本明細書で議論されたように、ベース層６０４は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４に沿ってソール構造体３０２から上方に境界５５４まで延在していてもよい。本実施形態では、境界５５４は、遷移点を定義し、その地点で、ベース層６０４の材料が遷移する。例えば、境界５５４は、遷移点を定義してもよく、その地点で、アッパー３０４の材料が、劣化または生分解する材料から、劣化または生分解しない材料に遷移する。境界線５５４は、アッパー３０４の周囲に、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４のそれぞれを通って、および／または、履物具３００の内側面３５０および外側面３５２を横切って、延在してもよい。したがって、少なくとも第１の材料（例えば、生物学的活性剤に曝されたときに分解しない材料または生分解を受けない材料）を構成するインステップ層５５０および／またはカラー層５５２の一部は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４内にあってよく、ならびに内側面３５０および／または外側面３５２に沿っていてもよい。

ベース層６０４を構築するために使用される材料は、それに対して望まれる特定の特性に基づいて選択されてもよい。さらに、本明細書でさらに議論されるように、ベース層６０４を構築するために使用される材料は、複合材料１００の基材１０６に類似した材料であってもよく、生分解性部分１０８などの生分解性部分または材料が適用され得るベースを提供してもよい。

特定の実施形態では、ベース層６０４は、非生分解性の材料または布地、細菌または他の生物によって分解できない材料、または、細菌、真菌、または本明細書で前述された他の生物学的活性剤などの微生物にさらされても有機的に分解されない材料、から構成される。特定の態様では、ベース層６０４は、ポリエステルなどの非生分解性の通気性布地基材、織られたポリエステル織物、編まれたポリエステル織物、組まれたポリエステル織物、または不織布のポリエステル織物、または、アッパー３０４に疎水性の耐久性のある材料を提供するポリエステルメッシュ材料（チュール（Ｔｕｌｌｅ）など）を含んでもよい。他の実施形態では、ベース層６０４は、ベース層６０４およびアッパー３０４に所定の程度の弾性および回復性を提供することができる、エラスタンおよび／またはストレッチポリエステルを含んでもよい。さらなる実施形態では、ベース層６０４は、アッパー３０４に耐摩耗性のある耐久性のある材料を提供するナイロンベースの織物材料を含んでもよい。さらに別の実施形態では、ベース層６０４は、ベース層６０４に柔らかい布地または自然な美観を提供するために、綿ベースの織物を含んでもよい。また、ベース層６０４は、ポリウレタンまたはポリウレタンレザー、ゴム、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体、ポリエチレン、および／または、それらの組み合わせを含んでもよい。

いくつかの態様では、本明細書で議論されるように、ベース層６０４は、履物具３００に組み込まれた特定の微生物または生物学的活性微生物に基づいて選択されてもよい。例えば、履物具３００が、シュードモナス フルオレセン Ｂ－２２、Ｐ．プチダ ＡＪ、Ｐ．クロロラフィス、オクロバクトラム ＴＤ、および／またはアスペルギルス ニガーからなる群から選択される微生物を組み込んでいる例では、ベース層６０４は、シュードモナス フルオレセン Ｂ－２２、Ｐ．プチダ ＡＪ、Ｐ．クロロラフィス、オクロバクトラム ＴＤ、および／またはアスペルギルス ニガー（本明細書の表１を参照）に曝されると分解または生分解するポリ塩化ビニル以外の材料で構成されてよい。

引き続き図１０を参照すると、中間層６０２は、ベース層６０４とトップ層６００との間に配置されている。より詳細には、中間層６０２は、ベース層６０４によって受け取られ（または、ベース層６０４に適合し）、ソール構造体３０２のインソール領域３６０から、履物具３００の外側面３５２および内側面３５０に、インステップ層５５０まで延在し、そこで境界線５５４に沿って止まる。より詳細には、中間層６０２は、足先領域３１０、中央領域３１２、および踵領域３１４に沿ってソール構造体３０２から上方に境界５５４まで延在していてもよい。本実施形態では、境界５５４は、遷移点を定義し、その地点で、中間層６０２は停止する。

特定の態様では、中間層６０２は、アッパー３０４の離散的な部分に沿って戦略的に配置されてもよい。例えば、中間層６０２は、個々に、内側面３５０および／または外側面３５２に沿って、足先領域３１０、中央領域３１２、および／または踵領域３１４上にその離散的な部分を含んでもよい。さらに、本明細書でさらに議論されるように、中間層６０２は、最初はトップ層６００によって隠され、遮られ、または覆われていても、トップ層６００が分解または生分解すると、視覚的に、遮られず、または部分的もしくは完全に覆われなくてもよい。したがって、トップ層６００が部分的または完全に分解または生分解すると、中間層６０２のパターン（装飾的または視覚的に楽しいパターン、画像、幾何学的形状、トレードマーク、ブランドマーク、バーコード、ＱＲコード（登録商標）、履物具３００を通る最適または所定の空気流のための開口部を提供するパターン、履物具３００の状態に関する視覚的な表示を提供するパターン、および／またはそれらの組み合わせ）が見えるようになってもよい。

例えば、図１０に示されるように、中間層６０２は、パターンとして、より詳細には、小さな斑点６０６のパターンとして提供されてもよい。また、中間層６０２は、生分解性材料１０８（図示せず）を含んでいてもよく、小さな斑点６０６は、例えば、生分解性材料１０８で構成されていてもよい。上述したように、生分解性材料１０８は、装飾的または視覚的に好ましい方法（パターン、画像、幾何学的形状など）で、基材に適用され、接着され、内部に配置され、または基材上に配置されてもよい。あるいは、図１３Ｂに示されるように、中間層６０２は、本明細書でさらに議論されるように、生分解性材料がその中にコーティングされた、またはその中にある均一な層であってもよい。

本明細書の図１０に示されるような他の実施形態では、中間層６０２は、非生分解性の材料または布地、細菌または他の生物によって分解できない材料、または、細菌、真菌、または本明細書で前述された他の生物学的活性剤などの微生物にさらされても有機的に分解されない材料から構成されてもよい。これらの特定の実施形態において、中間層６０２は、疎水性を提供するポリエステルまたはポリエステル織物、アッパー３０４に対して耐久性のある材料、所望の程度の弾性および回復性を提供するエラスタンおよび／またはストレッチポリエステル、耐摩耗性のある耐久性のある材料を提供するナイロンベースの織物材料、柔らかい生地または自然な美観を提供する綿ベースの織物、ポリウレタンまたはポリウレタンレザー、ゴム、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体、ポリエチレン、および／またはそれらの組み合わせなどの、非生分解性の通気性のある布地の基材を含んでもよい。さらに、これらの特定の実施形態では、中間層６０２は、図１０に示されるようなパターンとして、または図１１に示されるような均一な層として提供されてもよく、これについては本明細書でさらに議論される。

トップ層６００は、中間層６０２およびベース層６０４の上に配置されてもよく、外側面３５２および内側面３５０の両方でソール構造体３０２から延在してもよく、および／または、インステップ領域５４６を横切って延在してもよい。特定の態様では、トップ層６００は、履物具３００の中間層６０２および／またはベース層６０４を完全に包囲する
か、または取り囲む。

特定の実施形態では、トップ層６００は、複合材料１００と同様の材料から構成されてもよく、例えば、トップ層６００は、基材１０６、少なくとも１つの生物学的活性剤を含む生分解性材料１０８、および／または材料層１０４を含んでもよい。いくつかの実施形態では、微生物は、バイオフィルムとしてトップ層６００に組み込まれてもよい。他の実施形態、例えば、中間層６０４が生分解性材料１０８からなる実施形態では、トップ層６０４は材料層１０４のみを含んでもよい。

特定の態様では、生分解性材料１０８、生物学的活性剤、および／または、トップ層６００の材料層１０４は、アッパー３０４の離散的な部分、より詳細には、トップ層６００の離散的な部分に沿って戦略的に配置されてもよい。例えば、トップ層６００は、個々に、足先領域３１０、中央領域３１２、および／または踵部分３１４上に、および内側面３５０および／または外側面３５２に沿って、その離散的な部分を含んでもよい。さらに、本明細書で前述したように、中間層６０２は、最初はトップ層６００によって隠され、妨げられ、または覆われているが、トップ層６００が分解または生分解すると、視覚的に、妨げられず、または部分的もしくは完全に覆われる離散的な部分を含むこともできる。このように、いくつかの実施形態では、生分解性材料１０８、生物学的活性剤、および／または、トップ層６００の材料層１０４は、中間層６０２の離散的な部分に重なるトップ層６００の一部に沿って戦略的に配置されてもよい。その結果、トップ層６００のこれらの離散的な部分は、選択的に分解または生分解して、中間層６０２の離散的な部分を露出させてもよいが、トップ層６００の他の部分は、生物学的、化学的、または構造的に無傷のままであってもよい。一態様では、ユーザは、アッパーの他の部分よりも柔軟性のある離散的な部分を有するアッパーを望むこともある。そのような実施形態では、トップ層６００の離散的な部分は、アッパーの特定の領域の柔軟性または伸縮性を高めるために、選択的に分解または生分解してもよい。

図１１は、ソール構造体６１２およびアッパー６１４を有する履物具６１０を示す。さらに、履物３００と同様に、アッパー６１４は、トップ層６１６、中間層６１８、およびベース層６２０を含む、複数の層を含んでもよい。しかし、上述したように、中間層６１８は、均一な層として提供され、トップ層６１６および／またはベース層６２０に概ね適合する層であってもよい。さらに、特定の実施形態では、中間層６１８は、トップ層６１６とは異なる材料、異なる色、異なるテクスチャであり、またはそうでなければ外観が異なる。このように、ある特定の例では、履物具６１０は、トップ層６１６が分解または生分解すると、色または色の濃淡を変えることができる。

図１２は、ソール構造体６３２およびアッパー６３４を有する履物６３０を描いている。さらに、履物具３００と同様に、アッパー６３４は、トップ層６３６、第１の中間層６３８、第２の中間層６４０、およびベース層６４２を含む、複数の層を含んでもよい。この特定の実施形態において、トップ層６３６および第１の中間層６３８はそれぞれ、履物具６３０が分解または生分解の複数の状態を経るように、複合材料１００を含んでもよく、そのように、履物具６３０は、少なくとも第１の初期状態（すなわち。履物具６３０のいずれの部分も劣化していない状態）、第２の中間状態（例えば、トップ層６３６が分解／生分解した状態、または部分的に分解／生分解した状態）、および第３の最終状態（例えば、トップ層６３６および第１の中間層６３８が分解／生分解した状態、または部分的に分解／生分解した状態）の間で遷移することができる。

あるいは、引き続き図１２を参照すると、第１の中間層６３８は複合材料１００を含み、トップ層６３６は、本明細書で前述した細菌または他の生きた微生物によって分解または生分解され得ない材料から構成されていてもよい。例えば、本実施形態のトップ層６３
６は、分解性または生分解性な中間層６３８を含むする保護外層であってもよい。これらの実施形態では、トップ層６３６は、例えば、疎水性を提供するポリエステルまたはポリエステル織物またはメッシュ材料（チュール（Ｔｕｌｌｅ）など）、アッパー６３４に対して耐久性のある材料などの非生分解性の通気性布基材を含んでもよい。他の実施形態では、トップ層６３６は、トップ層６３６およびアッパー６３４に所望の程度の弾性および回復性を提供することができるエラスタンおよび／またはストレッチポリエステルを含んでもよい。さらなる実施形態では、トップ層６３６は、アッパー６３４に耐摩耗性のある耐久性材料を提供するナイロンベースの繊維材料を含んでもよい。さらなる実施形態では、トップ層６３６は、トップ層６３６に柔らかい生地または自然な美観を提供するために、綿ベースの繊維を含んでもよい。また、トップ層６３６は、ポリウレタンまたはポリウレタンレザー、ゴム、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体、複数のビーズまたは粒子を有する発泡体、ポリエチレン、および／またはこれらの組み合わせを含んでもよい。さらなる実施形態では、図１２に示されるように、トップ層６３６はまた、透明、半透明、または半透明であってもよい。例えば、トップ層６３６は、第１の中間層６３８の分解または生分解が見えるように透明であってもよく、その結果、第１の中間層６３８が分解または生分解した後に、第２の中間層６４０が見えるようになってもよい。特定の実施形態では、本明細書でさらに議論されるように、第１の中間層６３８の一部が分解または生分解して、増加した通気性または空気流を履物具６３０に提供してもよい。このような実施形態では、トップ層６３６は、増加した通気性を確実に達成するために、ポリエステルまたはポリエステル織物またはメッシュ材料などの非生分解性の通気性布基材であってもよい。任意選択的に、これらの実施形態では、履物具６３０は、第２の中間層６４０を含まず、むしろ、履物具６３０は、単に、トップ層６３６、第１の中間層６３６、およびベース層６４２を含むだけであってもよい。

本明細書で議論された構成を用いて、トップ層６００、６１６、６３６、６３８またはその個々の部分（すなわち、基材１０６、生分解性材料１０８、および／または材料層１０４）は、所定の時間後に、または分解もしくは生分解を促すもしくは加速する刺激または複数の刺激に接触した後に、分解もしくは生分解するように構成されてもよい。例えば、いくつかの態様では、分解または生分解を促すまたは加速するために使用される刺激または複数の刺激は、温度の変化（熱の増加または減少など）、汗、光、紫外光、圧力の変化、湿度の変化、ｐＨの変化、液体（例えば、水、塩水、酸性溶液、塩基性溶液、アルコール、ベンゾール、ガソリン）への暴露、気体（例えば、ＣＯ_２、ＮＨ_３、Ｏ_２）への暴露、または溶媒を含んでもよいが、これらに限定されない。

分解または生分解の後、ユーザは、トップ層６００、６１６、６３６、６３８のうちの１つまたは複数を交換することも望むことができる。このように、特定の実施形態では、トップ層６００、６１６、６３６、６３８は、アッパー（例えば、トップ層６００が劣化した後に、トップ層６００をアッパー３０４に取り付けてもよい）の交換可能な構成要素であってもよく、履物具のアッパーとは別に製造されてもよい。その結果、必要に応じて、ユーザは、分解または生分解プロセスを「再開」することができる。

図１３Ａは、初期状態、すなわち、刺激または複数の刺激が履物具３００に適用される前の、履物具３００の斜視図を示す。図１３Ｂは、履物具３００が刺激または複数の刺激６５０に曝され、そのような曝露のために、トップ層６００が部分的または完全に分解または生分解した後の履物具３００の斜視図を示す。トップ層６００の生分解（または部分的な生分解）の結果として、中間層６０２および／またはベース層６０４は、目に見える可能性がある。さらに、本明細書で前述したように、トップ層６００の生分解性材料１０８、生物学的活性剤、および／または、トップ層６００の材料層１０４は、中間層６０２の離散的な部分に重なるトップ層６００の一部に沿って戦略的に配置されてもよい。例えば、図１０、１３Ａ、および１３Ｂに示されるように、中間層６０２は、履物具３００の
ベース層６４２の外側層５４８を横切って延在していてもよく、そのようなものとして、トップ層６００は、トップ層６００の外側層５４８の周囲に生分解性材料１０８、生物学的活性剤、および／または材料層１０４のみを有していてもよい。そのような実施形態では、中間層６０２は、トップ層６００の形状、および／またはトップ層６００上の生分解性材料１０８、生物学的活性剤、および／または材料層１０４の位置を少なくとも部分的に規定してもよい。

別の例を参照すると、図１４Ａ～１４Ｃは、分解または生分解の複数の状態の間に履物具３００を着用しているユーザの側面図を示している。図１４Ａは初期状態でのユーザおよび履物３００を示しており、図１４Ｂは、履物具３００が刺激または複数の刺激（例えば、使用者からの汗、日光またはＵＶ光、使用者の体温など）にさらされた後の、生分解の第１の中間状態でのユーザおよび履物３００を示しており、図１４Ｃは、履物具が刺激または複数の刺激にさらにさらされた後の、生分解の第２の中間状態におけるユーザおよび履物具３００を示している。

本明細書で前述したように、いくつかの実施形態では、生分解性材料１０８は、パターン、特に、小さな斑点のパターンとして、基材１０６に適用され、接着され、その中に配置され、または基材１０６上に配置されてもよい。図１０に示すような同様の方法で、中間層６０２は、パターン、特に、小さな斑点のパターンとして、基材層６０４に適用され、それに接着され、その中に配置され、または基材層６０４上に配置されてもよい。さらに、本明細書で議論されたように、中間層６０２は、装飾的または視覚的に好ましい方法（パターン、画像、幾何学的形状など）で、特定の形状を形成する方法（商標、ブランドマーク、バーコード、一般的な幾何学的形状など）、または、一度劣化すると特定の機能を提供する方法（複合材料が適用された物品を通過する最適または所望の空気流のための開口部を提供するパターン、複合材料が適用された物品の状態を視覚的に示すパターン、複合材料が適用された物品の状態を示すために複合材料が適用された物品の状態を変化させるパターンなど）、および／またはそれらの組み合わせで、ベース層６０４に適用され、接着され、その中に配置され、またはベース層６０４上に配置されてもよい。

本開示の一態様では、図１５Ａおよび１５Ｂに示されるように、中間層６０２は、ロゴ、トレードマーク、またはブランドマーク７００を含んでもよい。このように、図１５Ａに示すような初期状態では、トップ層６００は、ロゴが見えないようにロゴ７００を覆ったり、ブロックしたりしてもよいが、トップ層６００が分解または生分解すると（図１５Ｂに示すように）、ロゴ、トレードマーク、またはブランドマーク７００が見えるようになってもよい。

図１６Ａおよび１６Ｂを参照すると、中間層６０２は、履物具３００が勝者であること、または、履物具３００のユーザが賞品を受け取るかまたはコンテストに勝つこと（例えば、懸賞）を示す視覚的表示などの、視覚的表示８００を含んでもよい。このように、図１６Ａに示すような初期状態では、トップ層６００は、視覚的表示が見えないように、視覚的表示８００を覆い隠すか、または、遮ってもよい。しかしながら、トップ層６００が分解または生分解すると（図１６Ｂに示されるように）、視覚的表示８００が見えるようになってもよい。

本開示のさらに別の態様では、図１７Ａおよび１７Ｂに示されるように、中間層６０２は、バーコード、ＱＲコード、またはクーポン９００を含んでいてもよい。このように、図１７Ａに示されるような初期状態では、トップ層６００がバーコード９００を覆い隠すか、または、遮って、バーコードが見えないようにしてもよい。しかしながら、トップ層６００が分解したり生分解したりすると（図１７Ｂに示されるように）、バーコード９００が見えるようになってもよい。

図１４Ａ～１４Ｃにさらに示されるように、トップ層６００の領域は、トップ層６００の他の領域よりも早くまたは速いペースで分解または生分解してもよい。例えば、図１４Ｂに最もよく示されているように、中間層６０２の他の部分が見える前に、中間層６０２の一部は見えてもよい。特に、これらの実施形態では、より早いまたは速い速度で分解または生分解するトップ層６００の一部は、より高い程度の刺激または複数の刺激に曝される（または、別の言い方をすれば、刺激または複数の刺激への曝露の程度がより高い部分である）。例えば、本明細書でさらに議論されるように、ユーザの足の特定の領域は、体温が高くなるか、またはユーザの足の特定の領域は、発汗の程度が高くなる可能性があり、高められた発汗の程度を有する可能性があり、したがって、トップ層６００に沿ったこれらの特定の領域または場所は、トップ層６００に沿った他の領域または場所よりも、より早くまたはより速い速度で分解する可能性がある。

例えば、図１８は、履物具のアッパー９５２の例示的なヒートマップ９５０を示す。この特定の実施形態に示されているように、アッパー９５２は、低熱活動または低発汗の範囲または領域（すなわち、領域９５４）、中熱活動または中レベルの発汗の範囲または領域（すなわち、領域９５６）、および／または高熱活動または高レベルの発汗の範囲または領域（すなわち、領域９５８）を含んでいてもよい。さらに、当業者には理解されるべきであるが、これらの領域は、ユーザまたは個人によって異なる場合がある。例えば、第１および第２の個人のための履物具のアッパーに関する例示的なヒートマップ９７０、９７２の平面図である図１９Ａおよび１９Ｂに示されるように、１人の個人は、（図１９Ａに示されるような）アッパーの足先またはつま先領域９７４に近接した高熱活動または高レベルの発汗の領域を有することがある。一方、別の個人は、（図１９Ｂに示されるような）足先領域９７６、外側領域９７８、および外側インステップ領域９８０に近接して、高い熱活動または高いレベルの発汗の領域を有することがある。このように、特定の実施形態では、トップ層６００、６１６、６３６、６３８の一部は、履物具の特定のユーザに基づいて異なるように分解してもよい。

図２０Ａおよび２０Ｂは、ソール構造体１００２と、ソール構造体１００２に取り付けられたアッパー１００４とを含んでもよい本開示の別の態様による履物１０００を示す。さらに、履物具３００と同様に、アッパー１００４は、ベース層１００６およびトップ層１００８、ならびに、いくつかの実施形態では、中間層（図示せず）を含んでもよい。図１２に関連して議論したように、履物具１０００は、保護外層として作用し得る、トップ層１００８を包むトップ層も含んでもよい。また、トップ層１００８は、複合材料１００（またはその個々の部分）を含んでもよい。この構成を用いて、トップ層１００８またはその任意の個々の部分（例えば、基材１０６、生分解性材料１０８、および／または材料層１０４）は、所定の時間後に、または分解もしくは生分解を促すもしくは加速する刺激もしくは複数の刺激１０１０に接触した後に、分解もしくは生分解するように構成されてもよい。例えば、本明細書で前述したように、分解または生分解を促すまたは加速するために使用される刺激または複数の刺激には、温度の変化（熱の増加または減少など）、汗、光、紫外光、圧力の変化、湿度の変化、ｐＨの変化、液体（例えば、水、塩水、酸性溶液、塩基性溶液）への暴露、気体（例えば、ＣＯ_２、ＮＨ_３、Ｏ_２）への暴露、または溶媒が含まれるが、これらに限定されない。この特定の態様では、刺激または複数の刺激は、温度または熱の変化、並びに汗への暴露であってもよい。

より詳細には、トップ層１００８の特定の領域は、刺激または複数の刺激１０１０に曝されると、分解または生分解し、それによって開口部１０１２を形成してもよい。開口部１０１２は、ベース層１００６の一部を露出させることができ、その結果、開口部または開口部１０１２が、履物具１０００のトップ層１００８を通って、ベース層１００６を横切って空気が流れることを可能にするため、換気または通気性が向上した領域を提供する
ことができる。例えば、図２０Ａは、アッパー１００４が刺激１０１０に曝される前の履物具１０００を示し、図２０Ｂは、アッパー１００４が刺激１０１０に曝され、少なくとも１つの開口部１０１２がトップ層１００８を通って延在した後の履物具１０００を示す。本明細書で前述したように、開口部（開口部１０１２など）の形成は、分解または生分解の指標となり得る。これらの特定の実施形態では、開口部１０１２は、例えば、約１ｍｍ^２から約２０，０００ｍｍ^２の間、約１００ｍｍ^２から約１０，０００ｍｍ^２の間、または約２００ｍｍ^２から約１，０００ｍｍ^２の間の面積を有してもよい。

また、本明細書で前述したように、生物学的に活性な微生物を含む媒体は、物品から離れていてもよく、使用者によって物品に適用されてもよい。例えば、図２１Ａおよび２１Ｂに示すように、生物学的に活性な微生物を含む媒体は、流体スプレーまたはエアロゾル組成物１０５０であってもよく、必要に応じて、ユーザ１０５４によって、履物具１０５２などの物品に塗布、噴霧、または他の方法で適用されてもよい。この実施形態では、流体スプレーまたはエアロゾル組成物１０５０を履物具１０５２上に適用し、履物具１０５２のアッパー１０５６を分解または生分解させてもよく、特定の実施形態では、アッパー１０５６を通る開口部１０５８の形成を引き起こしてもよい。他の実施形態では、アッパー１０５６は、流体スプレーまたはエアロゾル組成物１０５０内の生物学的に活性な微生物を活性化するための刺激１０６０を依然として必要とする場合がある。

履物に加えて、本明細書に記載されている特定のコンセプトは、衣類（例えば、シャツ、ショーツ、パンツ、帽子、ソックス、カーフスリーブ、ヘッドバンド、リストバンド、アームスリーブ、手袋など）、インソール、ヘルメット、パッドまたは保護パッド、すね当てなど、他の種類の衣服（ａｐｐａｒｅｌ）または他の運動具にも適用して組み込むことができます。さらに、本明細書に記載された特定のコンセプトは、クッション、バックパックのストラップ、ゴルフクラブ（例えば、ゴルフクラブのグリップ）、または他の消費者または工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書に記載されたコンセプトは、様々な製品に利用することができる。

例えば、図２２に示されるように、複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、帽子１１００、シャツ１１１２、一対のショーツまたはパンツ１１１４、リストバンド１１１６、および／またはソックスまたはカーフスリーブ１１１８などの任意の衣類に組み込まれてもよい。

一態様では、図２３～２５に示されるように、複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、衣類１１５０、１１６０、１１７０に組み込まれてもよい。そのような実施形態では、履物具３００と同様に、衣類１１５０、１１６０、１１７０は、ベース層、中間層、およびトップ層を含んでもよい。

例えば、図２３Ａおよび２３Ｂは、パターン、またはその中間層もしくはベース層１１５２の一部などのような複合材料１００を衣類１１５０のトップ層内またはトップ層上に含んでもよい衣類１１５０を示しており、当該複合材料は外面に形成されてもよいし、刺激または複数の刺激１１５４が当該複合材料に適用された後に衣類１１５０の外面から見えるようになってもよい。別の例として、図２４Ａおよび２４Ｂは、刺激または複数の刺激１１６４が複合材料に適用された後に衣類１１６０の外装１１６２が変化する（例えば、色が変わる）ように、複合材料１００をトップ層内またはトップ層上に含んでもよい衣類１１６０を示している。さらに別の例として、図２５Ａおよび２５Ｂは、刺激または複数の刺激１１７４が複合材料に適用された後に１つまたは複数の開口部１１７２が形成されるように、複合材料１００を衣類１１７０のトップ層内またはトップ層上に含むことができる衣類１１７０を示している。

別の態様では、図２６～２８に示されるように、複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、帽子１１８０、１１９０、１２００に組み込まれてもよい。図２６Ａおよび２６Ｂは、パターン、またはその中間層もしくはベース層１１８２の一部が、その外面に形成されてもよく、または刺激または複数の刺激１１８４が複合材料に適用された後に帽子１１８２の外面から見えるように、帽子１１８０のトップ層内またはトップ層上に複合材料１００を含んでもよい帽子１１８０を示している。別の例として、図２７Ａおよび２７Ｂは、刺激または複数の刺激１１９４が複合材料に適用された後に帽子１１９０の外面１１９２が変化する（例えば、色が変わる）ように、複合材料１００をトップ層内またはトップ層上に含んでもよい帽子１１９０を示している。さらに別の例として、図２８Ａおよび２８Ｂは、刺激または複数の刺激１２０４が複合材料に加えられた後に１つまたは複数の開口部１２０２が形成されるような、複合材料１００を含んでもよい帽子１２００を描いている。

さらなる態様では、図２９Ａおよび２９Ｂに示されるように、複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、インソール１２１０に組み込まれてもよい。図２９Ａおよび２６Ｂは、刺激または複数の刺激１２１６が複合材料に適用されてベース層１２１８を露出させた後に、１つまたは複数の開口部１２１４がインソール１２１０のトップ層１２１２を通って形成されるように、インソール１２１０のトップ層１２１２内または上に複合材料１００を含んでもよいインソール１２１０を示している。

さらなる実施形態では、履物具または衣類は、バイオフィルムの形成および成長を複合材料１００の色の変化として視覚化する複合材料１００（またはその個々の構成要素）を組み込んでもよい。このような実施形態では、生分解性材料１０８の生物学的活性剤は、材料層１０４を生物学的または化学的に変化させ、それによって、刺激を受けると材料層１０４の視覚的外観を変化させることができる。例えば、履物具または衣類は、前述の特性を有する複合材料１００から構成されてもよく、その結果、刺激または複数の刺激を受けた後に、履物具または衣類の物理的外観（例えば、色、色の濃淡、反射率）を変化させてもよい。例えば、本明細書で前述したいくつかの態様では、物品は、染料を含む生分解性部分または生分解性媒体１０８を含んでもよく、刺激または複数の刺激によって活性化されると、染料は、生分解性部分または生分解性媒体１０８から、周囲の環境の中に、または周囲の環境上に放出されてもよい。例えば、生分解性媒体１０８は、生物学的活性剤および染料を含む封止されたカプセル化物であってもよく、刺激または複数の刺激によって活性化されると、染料を周囲の基材または布地（例えば、基材１０６）に放出し、周囲の基材または布地の色または外観を変化させてもよい。

例えば、図３０に示すように、染料（またはその個々の構成要素）を有する前述の複合材料１００は、帽子１２２０、シャツ１２３０、一対のショーツまたはパンツ１２４０、または履物具１２５０などの任意の衣類に組み込まれてもよい。

図３１Ａおよび３１Ｂを参照すると、一態様では、上述の複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、帽子１２２０に組み込まれてもよく、帽子１２２０の視覚的外観（例えば、色）は、刺激または複数の刺激１２５２を受けた後に変化してもよい。

別の態様では、図３２Ａおよび３２Ｂを参照すると、前述の複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、シャツ１２３０に組み込まれてもよく、シャツ１２３０の視覚的外観（例えば、色）は、刺激または複数の刺激１２５４にさらされた後に変化してもよい。

ここで図３３Ａおよび３３Ｂを参照すると、さらなる態様において、前述の複合材料１００（またはその個々の構成要素）は、履物具１２５０に組み込まれてもよく、履物具１
２５０の視覚的外観（例えば、色）は、刺激または複数の刺激１２５６を受けた後に変化してもよい。

履物に加えて、本明細書に記載されている特定のコンセプトは、衣類（例えば、シャツ、ショーツ、パンツ、帽子、ソックス、カーフスリーブ、ヘッドバンド、リストバンド、アームスリーブ、手袋など）、ヘルメット、パディングまたは保護パッド、すね当てなど、他の種類の衣類または他の運動具にも適用して組み込むことができる。さらに、本明細書に記載された特定のコンセプトは、クッション、バックパックのストラップ、ゴルフクラブ（例えば、ゴルフクラブのグリップ）、または他の消費者または工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書に記載されたコンセプトは、様々な製品に利用することができる。

図３４は、図１の複合材料を有する履物具３００を製造するための例示的な方法論またはプロセス１３００のプロセスフローチャートを示す。この実施形態では、方法論１３００は、ステップ１３０２、１３０４、および１３０６を含むことができる。まず、ステップ１３０２において、ベース層、例えば、ベース層６０４、中間層、例えば、中間層６０２、およびトップ層、例えば、トップ層６００が、当該技術分野における標準的な手段によって構成されてもよい。次に、ステップ１３０４において、中間層、例えば、中間層６０２は、ベース層、例えば、ベース層６０４と融合してもよいし、ベース層上に融合してもよい。例えば、図３５は、プロセス１３００のステップ１３０４を示しており、ここでは、中間層６０２が、ベース層６０４、またはベース層６０４上に融合される。中間層がベース層と融合されると、ステップ１３０６において、トップ層、例えば、トップ層６００が、中間層およびベース層に取り付けられてもよい。

以下の説明は履物具に関するものであるが、ここで議論される方法論は、シャツ、ショーツ、パンツ、帽子、ソックス、カーフスリーブ、ヘッドバンド、リストバンド、アームスリーブ、手袋、または本明細書で前述したその他の物品を含む（ただし、これらに限定されない）他の物品を製造するために使用されてもよいことが理解される。

本明細書に記載された実施形態のいずれも、異なる実施形態に関連して開示された構造または方法論のいずれかを含むように変更することができる。さらに、本開示は、具体的に示されたタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示されたいずれかの実施形態の履物具の態様は、任意のタイプの履物、衣類、または他の運動具で機能するように変更されてもよい。

本発明の多数の変更は、前述の説明を考慮して当業者に明らかになるであろう。したがって、この説明は例示的なものとしてのみ解釈され、当業者が本発明を製造および使用することを可能にし、それを実施する最良の方法を教える目的で提示される。添付された請求項の範囲内にあるすべての変更に対する排他的権利は留保される。

Claims (14)

1. 少なくとも１つの材料層と、別個のベース層と、を有する複合材料であって、
   前記複合材料の第１の状態において、前記少なくとも１つの材料層の第１の部分が、前記少なくとも１つの材料層の下に位置する前記複合材料の１つ以上の他の層の第１の部分を覆い隠し、
   前記別個のベース層は、複数の微生物が配置される密閉されたキャビティを形成する複数の収容空間を備え、
   前記複数の微生物は、第２の状態では、前記複合材料の前記１つ以上の他の層の第１の部分が、前記少なくとも１つの材料層によって覆い隠されないように、前記少なくとも１つの材料層の第１の部分を腐食するように選択される、
   衣類。
2. 前記複数の微生物に加えて、ゼラチン状媒体が前記複数の収容空間内に配置される、請求項１に記載の衣類。
3. 前記ゼラチン状媒体がゼラチン状ゲルである、請求項２に記載の衣類。
4. 前記少なくとも１つの材料層は、ポリエチレンテレフタレート及びポリウレタンからなる群から選択され、前記少なくとも１つの材料層は、前記別個のベース層の上面に沿って延在する、請求項１に記載の衣類。
5. 前記衣類は、アッパーとソールとを備える靴であって、
   前記複合材料は、前記アッパーの一部と前記ソールの一部のうちの少なくとも１つである、
   請求項１に記載の衣類。
6. 前記衣類は、スポーツシューズ、スポーツスーツ、スポーツジャケット、スポーツズボン、およびスポーツシャツからなる群から選択される、請求項１に記載の衣類。
7. 前記収容空間は、長方形、円形、又は六角形の形状を有する、請求項１に記載の衣類。
8. 前記複数の微生物のうちの少なくとも１つは、前記材料層を腐食して前記材料層に開口部を形成するように構成され、前記複数の微生物は細菌である、請求項１に記載の衣類。
9. 少なくとも１つの材料層と、別個のベース層と、を有する複合材料であって、
   前記複合材料は、前記少なくとも１つの材料層が腐食されていない第１の状態を有し、 前記別個のベース層は、複数の微生物及びゼラチン状媒体が配置される複数の収容空間を備え、
   前記複数の微生物は、前記少なくとも１つの材料層を部分的に腐食するように構成され、
   前記複合材料の第２の状態では、複数の開口が前記少なくとも１つの材料層に設けられ、前記複数の開口は前記複数の微生物を用いて設けられる、
   衣類。
10. 前記ゼラチン状媒体がゼラチン状ゲルであり、前記複数の微生物が細菌である、請求項９に記載の衣類。
11. 前記複数の収容空間が、前記別個のベース層の構造内に設けられた密閉された複数のキャビティによって画定され、それぞれの密閉されたキャビティ内に含まれる前記複数の微生物及び前記ゼラチン状媒体が、前記別個のベース層の前記構造の一部によって、隣接する密閉されたキャビティ内に含まれる前記複数の微生物及び前記ゼラチン状媒体から隔離されている、請求項９に記載の衣類。
12. 前記衣類は、アッパーとソールとを備える靴であって、
    前記複合材料は、前記アッパーの一部と前記ソールの一部のうちの少なくとも１つである、
    請求項９に記載の衣類。
13. 前記少なくとも１つの材料層は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリウレタンからなる群から選択される、請求項９に記載の衣類。
14. 少なくとも１つの材料層と別個のベース層とを有する複合材料であって、
    前記複合材料の第１の状態において、前記複合材料の１つ以上の他の層の第１の部分が、前記少なくとも１つの材料層の第１の部分の下に位置する前記複合材料の１つ以上の他の層の第１の部分は、視認されず、
    前記別個のベース層は、複数の微生物が配置される密閉されたキャビティを形成する複数の収容空間を備え、
    前記複数の微生物は、第２の状態において、前記複合材料の１つ以上の他の層の第１の部分が少なくとも部分的に視認されるように、前記少なくとも１つの材料層の第１の部分を少なくとも部分的に分解するように選択される、
    衣類。

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