JP2023179450A - 抗-ヒトプログラム細胞死リガンド-1(pd-l1)の抗体及びその用途 - Google Patents

抗-ヒトプログラム細胞死リガンド-1(pd-l1)の抗体及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する抗体及び抗原結合フラグメント、これらの抗体及び抗原結合フラグメントをコードする核酸、前記抗体及び抗原結合フラグメントを含む医薬組成物及びキット、並びにT細胞の機能を増強、及びT細胞が介した免疫応答をアップレギュレートするためのそれらの使用、腫瘍免疫といったPD-L1の発現異常及びT細胞の機能異常に関連する病気を治療するためのそれらの使用を提供する。【解決手段】本願は、T細胞の機能を増強又はT細胞が介した免疫応答をアップレギュレートすることが可能な、ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する抗体又は抗原結合フラグメント、及び腫瘍などのPD-L1の発現異常及び/又はT細胞の機能異常に関連する疾患を治療するための該抗体又は抗原結合フラグメントの使用、に関する。【選択図】図9

Description

[相互参照]
この出願は、2019年11月08日に中国特許庁へ出願された、出願番号201911088643.5、発明の名称「抗-ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)の抗体及びその用途」の中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全内容を援用により本願に組み込まれる。
本発明は、抗-ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)の抗体又はその抗原結合フラグメント、それをコードする核酸、発現ベクター及び発現細胞、作製方法、医薬組成物、並びにT細胞の機能を増強、又はT細胞が介した免疫応答をアップレギュレートするためのそれらの使用、及び腫瘍といったPD-L1の発現異常又はT細胞の機能異常に関連する疾患を治療するためのそれらの使用に関する。
免疫療法は、腫瘍治療において最も急速に発展し、最も見通しのある研究分野の1つであり、そして、PD-1/PD-L1モノクローナル抗体、CTLA-4モノクローナル抗体などの免疫チェックポイント阻害剤の使用は、悪性腫瘍患者の生存期間を大幅に向上させ、腫瘍免疫療法における革新的な治療法となっている。
T細胞が介した免疫応答は、抗原免疫応答と自己耐性の維持との間に最適なバランスを維持するように、共刺激及び共抑制機構によって厳格に調節される。このバランスには、様々な活性化及び抑制タンパク質が関与する。抑制タンパク質は、免疫チェックポイント様タンパク質とも呼ばれ、細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte,CTL)の活性化及びエフェクター機能を調節し、自己耐性を維持する。免疫チェックポイント様抑制タンパク質は、腫瘍の調節経路において重要な役割を果たしている。PD-1は、重要な免疫チェックポイントタンパク質の1つで、そのリガンドであるPD-L1に結合すると、免疫抑制シグナルを伝達し、T細胞の活性を低下させる。その一方、腫瘍細胞は、細胞表面にPD-L1を発現することによりT細胞の活性化及び増殖を抑制し、CTLの攻撃及び傷害を回避することもできる。そこで、PD-1又はPD-L1モノクローナル抗体を用いて、PD-1/PD-L1の結合及び相互作用を防ぐことは、T細胞の機能を部分的に回復させ、腫瘍細胞を傷害する能力を高めることができる。
2011年、最初の免疫チェックポイント阻害剤であるイピリムマブは、抗CTLA-4モノクローナル抗体として、黒色腫の治療に成功した腫瘍免疫療法となり、これまで治療を受けた多くの患者は、従来の治療法よりも良い5年間の生存期間を取得してきた。その後、FDAによって順次に承認された3つのPD-1モノクローナル抗体及び3つのPD-L1モノクローナル抗体は、黒色腫以外の十数種類の腫瘍の免疫療法にうまく用いられ、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎細胞癌(RCC)、及び膀胱、又は尿路上皮癌などの多くのがんの一次治療手段となってきた。中国では、これまでに2つの輸入PD-1抗体及び3つの国産PD-1抗体の発売が承認されているが、PD-L1抗体はまだ承認されていない。また、PD-L1抗体とPD-1抗体とが治療メカニズム及び現在の臨床試験における併用薬と適応症の面で相違していることに鑑み、新しいPD-L1モノクローナル抗体及びPD-L1に基づいた二重抗体の開発が依然として重大な社会的及び経済的意味を持っている。
本発明は、ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する抗体及び抗原結合フラグメント、これらの抗体及び抗原結合フラグメントをコードする核酸、前記抗体及び抗原結合フラグメントを含む医薬組成物及びキット、並びにT細胞の機能を増強、及びT細胞が介した免疫応答をアップレギュレートするためのそれらの使用、腫瘍免疫といったPD-L1の発現異常及びT細胞の機能異常に関連する病気を治療するためのそれらの使用を提供する。この抗体は、ヒト及びカニクイザルのPD-L1タンパク質に結合するだけでなく、ヒトPD-L1とヒトPD-1との相互作用を遮断することもできる。
いくつかの実施形態において、ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する単離された抗体又は抗原結合フラグメントは、重鎖CDRsの組み合わせと軽鎖CDRsの組み合わせとを含み、
(1)前記重鎖CDRsの組み合わせは、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHを含み、
Figure 2023179450000002
(2)前記軽鎖CDRsの組み合わせは、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLを含み、
Figure 2023179450000003
ここで、CDR1-VH、CDR2-VH、CDR3-VH、CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLのそれぞれは、KABAT、Chothia又はIMGTの通用分析方法に従って定義される。
いくつかの実施形態において、ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する単離されたヒト化抗体又は抗原結合フラグメントは、重鎖CDRsの組み合わせと軽鎖CDRsの組み合わせとを含み、
(1)前記重鎖CDRsの組み合わせは、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHを含み、
Figure 2023179450000004
(2)前記軽鎖CDRsの組み合わせは、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLを含み、
Figure 2023179450000005
ここで、CDR1-VH、CDR2-VH、CDR3-VH、CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLのそれぞれは、KABAT、Chothia又はIMGTの通用分析方法に従って定義される。
特に、例えば、本発明に係る抗体又はその抗原結合フラグメントは、VH1+VL1、VH2+VL2、VH3+VL3、VH4+VL4、VH5+VL5、VH6+VL6、VH7+VL7、VH8+VL8、VH9+VL9、VH10+VL10、VH11+VL11、VH12+VL12、VH13+VL13、VH14+VL14、VH15+VL15、VH16+VL16、VH17+VL17、VH18+VL18、VH19+VL19、VH20+VL20、VH21+VL21、VH22+VL22、VH23+VL23、VH24+VL24、VH25+VL25、及びVH26+VL26からなる群より選択される重鎖CDRsと軽鎖CDRsとの組み合わせ、前記重鎖CDRsと軽鎖CDRsの組み合わせの配列よりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有するCDRsの組み合わせを含む。
別の具体的な実施形態では、本発明に係る抗体又はその抗原結合フラグメントは、
1)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号1及び配列番号2で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
2)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号3及び配列番号4で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
3)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号5及び配列番号6で示される配列又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
4)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号7及び配列番号8で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
5)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号9及び配列番号10で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
6)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号11及び配列番号12で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
7)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号13及び配列番号14で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
8)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号15及び配列番号16で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
9)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号17及び配列番号18で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
10)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号127及び配列番号128で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
11)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号129及び配列番号130で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、
12)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号131及び配列番号132で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するもの、或いは、
13)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号133及び配列番号134で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有するものである。
好適な一実施形態では、本発明に係る抗体又はその抗原結合フラグメントは、キメラ、又はヒト化、又は完全ヒト化ものである。
好適な一実施形態では、本発明に係る抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に結合する解離定数(KD)が10nMを超えなく、カニクイザルプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に結合する解離定数(KD)が100nMを超えない。
好適な一実施形態では、本発明に係る抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE又はIgDのいずれかの定常領域の配列を含み、好ましくは、ヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4の定常領域の配列、又は変異したヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4の定常領域の配列を含む。
好適な一実施形態では、本発明に係る抗原結合フラグメントは、F(ab)、Fab’、Fab、Fv、scFv、二重特異抗体、ナノ抗体及び抗体の最小認識単位から選択される1つ又は複数である。
好適な一実施形態では、本発明に係る抗体又はその抗原結合フラグメントは、番号34、50、90、130、156、370、373、413、又は794からなる群より選択される抗体と競合的にPD-L1に結合することができ、かつ、
1)PD-L1組換えタンパク質及びPD-L1を発現する細胞に特異的に結合する特性、
2)PD-L1とPD-1タンパク質との結合を遮断する特性、
3)PD-1と細胞表面に発現するPD-L1との結合を抑制する特性、
4)T細胞活性を増強する特性、
5)抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を媒介する特性、又は/及び
6)腫瘍の成長を抑制する特性、を備える。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明に係る抗体、抗原結合フラグメント、又はそれらの任意の組み合わせをコードする、単離された核酸分子を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明に係る単離された核酸分子を含む発現ベクターを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明に係る単離された核酸分子又は発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
好適な一実施形態では、前記宿主細胞は、真核細胞又は原核細胞である。より好ましくは、前記宿主細胞は、哺乳動物の細胞、酵母細胞、昆虫細胞、大腸菌及び/又は枯草菌に由来するものである。さらに好ましくは、前記宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明に係る宿主細胞を適切な条件下で培養し、抗体又は抗原結合フラグメントを単離する工程を含む抗体又は抗原結合フラグメントの作製方法、を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明に係る抗体又は抗原結合フラグメント、本発明に係る単離された核酸分子、本発明に係る発現ベクター、本発明に係る宿主細胞、又は本発明に係る方法により作製される製品(例えば、抗体及び抗原結合フラグメント)と、薬学的に許容されるキャリアとを含む医薬組成物を提供する。
好適な一実施形態では、前記医薬組成物は、さらに追加的な抗腫瘍剤を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者に本発明に係る抗体又は抗原結合フラグメント、本発明に係る単離された核酸分子、本発明に係る発現ベクター、本発明に係る宿主細胞、本発明に係る方法により作製される製品(例えば、抗体及び抗原結合フラグメント)、又は本発明に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、PD-L1の発現異常及び/又はT細胞の機能異常に関連する疾患を予防及び/又は治療する方法を提供する。前記疾患は、腫瘍であることが好ましい。前記腫瘍は、結腸・直腸癌がであることが好ましい。
いくつかの実施形態において、本発明は、PD-L1の発現異常に関連する疾患を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における前記の抗体又は抗原結合フラグメント、本発明に係る単離された核酸分子、本発明に係る発現ベクター、本発明に係る宿主細胞、本発明に係る方法により作製される製品(例えば抗体及び抗原結合フラグメント)、又は本発明に記載の医薬組成物の使用を提供する。前記疾患は、腫瘍であることが好ましい。前記腫瘍は、結腸・直腸癌がであることが好ましい。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明に係る抗体又は抗原結合フラグメント、本発明に係る単離された核酸分子、本発明に係る発現ベクター、本発明に係る宿主細胞、又は本発明に係る方法により作製される製品(例えば抗体及び抗原結合フラグメント)と、使用説明書とを含む、キットを提供する。
用語及び定義:
別段の説明がない限り、本明細書で使用される用語は、当業者に一般的に理解される意味を有するが、ただし、本明細書で明確に定義される用語については、ここで定義された意味を持っている。
本明細書で使用される場合、「抗体」(Ab)という用語とは、目的抗原に特異的に結合するか、又は免疫応答性を有する免疫グロブリン分子を指し、抗体のポリクローナル、モノクローナル、遺伝子工学によって操作されたもの、及び他の修飾形態(キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、異種構造共役抗体(例えば二重特異性、三重特異性及び四重特異性抗体、二重抗体、三重抗体及び四重抗体)、抗体抱合体)及び抗体の抗原結合フラグメント(例えばFab’、F(ab’)、Fab、Fv、rIgG、及びscFvフラグメントである。)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、特に断りがない限り、「モノクローナル抗体」(mAb)という用語は、標的タンパク質に特異的に結合できるインタクト抗体分子及び不完全な抗体フラグメント(例えば、Fab及びF(ab’)フラグメントであり、それらはインタクト抗体のFcフラグメントを欠いているため(動物の循環からより速く除去される)、Fcが介したエフェクター機能(effector function)を欠いている(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316,1983を参照のこと。その内容が本明細書に組み込まれる))の意味を包含する。
本明細書で使用される場合、「抗原結合フラグメント」という用語とは、標的抗原に特異的に結合する能力を保持する1つ又はそれ以上の抗体フラグメントを指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体のフラグメントにより実行することができる。抗体フラグメントは、Fab、F(ab’)、scFv、SMIP、二重抗体、三重抗体、親和体(affibody)、ナノ抗体、アプタマー又はドメイン抗体であり得る。抗体の「抗原結合フラグメント」という用語を含む結合フラグメントの実例には、(i)VL、VH、CL及びCHlドメインからなる一価フラグメントであるFabフラグメント、(ii)ジスルフィド結合によりヒンジ領域で連結される2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab)フラグメント、(iii)VH及びCHlドメインからなるFdフラグメント、(iv)抗体片腕のVL及びVHドメインからなるFvフラグメント、(V)VH及びVLドメインを含むdAb、(vi)VHドメインからなるdAbフラグメント(Wardら、Nature 341:544-546,1989)、(vii)VH又はVLドメインからなるdAb、(viii)単離された相補性決定領域(CDR)、及び(ix)合成リンカーにより任意に連結され得る2つ又はそれ以上の単離されたCDRの組み合わせ、が含まれるが、これらに限定されない。なお、Fvフラグメントの2つのドメインであるVLとVHは、別々の遺伝子によりコードされるが、この2つのドメインは、組換え方法を使用してリンカーにより結合でき、このリンカーは、VLとVHの領域が互いに対になって一価分子の単一タンバク質鎖(単鎖Fv(scFv)と呼ばれる、例えばBirdら、Science 242:423-426,1988及びHustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883,1988を参照のこと。)を形成することを可能にする。これらの抗体フラグメントは、当業者に知られている従来の技術を用いて得ることができ、これらのフラグメントは、インタクト抗体と同じ方法で使用するためにスクリーニングされる。抗原結合フラグメントは、組換えDNA技術、完全免疫グロブリンの酵素的又は化学的切断により、又は幾つかの実施形態では、当技術分野で知られている化学的ペプチド合成手順により産生することができる。
本明細書で使用される場合、「PD-L1」という用語とは、重要な免疫抑制分子であるCD279(分化クラスター279)とも呼ばれるプログラム細胞死リガンド-1を指す。前記PD-L1は、ヒトPD-L1であることが好ましい。
本明細書で使用される場合、「抗-プログラム細胞死リガンド-1抗体」、「プログラム細胞死リガンド-1抗体」、「抗PD-L1抗体」、「PD-L1抗体」、「抗-PD-L1抗体部分」及び/又は「抗-PD-L1抗体フラグメント」という用語などとは、PD-L1に特異的に結合可能な免疫グロブリン分子の少なくとも一部(例えば、重鎖又は軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部分、重鎖又は軽鎖の可変領域、重鎖又は軽鎖の定常領域、フレームワーク領域又はその任意の部分が挙げられるが、それらに限られない)を含む任意的なタンバク質又はペプチド含有分子を指す。PD-L1抗体には、抗体CDRと構造及び溶媒接近性に類似するBC、DE及びFG構造ループを含む、抗体様タンパク質足場(例えば10番目のフィブロネクチンIII型ドメイン(10Fn3))も含まれる。10Fn3ドメインの三次構造はIgG重鎖の可変領域の三次構造と類似しており、10Fn3のBC、DE及びFGループの残基をPD-L1モノクローナル抗体由来のCDR-H1、CDR-H2又はCDR-H3領域の残基で置換することにより、当業者は、例えばPD-L1モノクローナル抗体のCDRをフィブロネクチン足場にグラフトすることができる。
本明細書で使用される場合、「二重特異性抗体」用語とは、少なくとも2つの異なる抗原に対してモノクローナル結合特異性を有する抗体を指し、典型的にヒト又はヒト化抗体である。本発明においては、結合特異性の1つは、PD-L1の抗原エピトープに対して検出され、もう1つは、例えば、細胞表面タンパク質、受容体、受容体サブユニット、組織特異性抗原、ウイルス由来タンパク質、ウイルスコード化エンベロープタンパク質、細菌由来タンパク質又は細菌表面タンパク質などの、PD-L1の他の抗原エピトープ又は他の任意の抗原に対して検出されることができる。
本明細書で使用される場合、「キメラ」抗体という用語とは、一種のソース生物(例えばラット又はマウス)に由来する免疫グロブリンの可変配列及び異なる生体(例えばヒト)に由来する免疫グロブリンの定常領域を有する抗体を指す。キメラ抗体を製造するための方法は当技術分野で知られている。例えば、Morrison,1985,Science 229(4719):1202-7;Oiら,1986,Bio Techniques 4:214-221;Gilliesら,1985 J Immunol Methods 125:191-202を参照されたい。これらの文献の記載を引用により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「相補性決定領域」(CDR)という用語とは、軽鎖及び重鎖の両方の可変ドメインに見られる超可変領域を指す。可変ドメイン中のより高い保存性の部分は、フレームワーク領域(FR)を呼ばれる。当技術分野で理解されるように、抗体の超可変領域を表すアミノ酸の位置は、文脈及び当技術分野で知られている様々な定義に従って変化することができる。可変ドメイン内のいくつかの位置は、ヘテロ接合超可変位置と見なすことができ、それは、これらの位置が1つの群の基準(例えばIMGT又はKABAT)での超可変領域以内にあると見なされ、異なる群の基準(例えばKABAT又はIMGT)での超可変領域以外にあると見なされることができるのためである。これらの位置のうちの1つ又はそれ以上は、拡張される超可変領域にも見られる。本発明では、これらのヘテロ接合超可変の位置に修飾を行った抗体が含まれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、主にシート構造を用いる4つのフレームワーク領域を含み、3つのCDR(CDR1、CDR2及びCDR3)により連結され、これらの3つのCDRはシート構造を連結するループを形成し、場合によってはシート構造の一部を形成する。各鎖中のCDRは、FR領域によりFR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4の順で緊密に保持され、他の抗体鎖からのCDRと共に抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabatら,Sequences of Protein sofImmunological Interest,National Institute of Health,Bethesda,Md.1987を参照のこと、これは、引用により本明細書に組み込まれる。)。例えば、本明細書では、CDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHは、それぞれ重鎖の可変領域(VH)の第1のCDR、第2のCDR及び第3のCDRを指し、これらの3つCDRは、重鎖(又はその可変領域)のCDRの組み合わせ(VHCDRの組み合わせ)を構成する。CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLは、それぞれ軽鎖の可変領域(VL)の第1のCDR、第2のCDR及び第3のCDRを指し、これらの3つCDRは、軽鎖(又はその可変領域)のCDRの組み合わせ(VLCDRの組み合わせ)を構成する。
本明細書で使用される場合、「抗体抱合体」という用語とは、抗体分子が直接又はリンカーを介して別の分子に化学的に結合して形成される共役体/抱合体を指す。例えば、抗体-医薬抱合体(ADC)では、医薬分子が前記の別の分子である。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語とは、抗体の生成方法に限定されるものではなく、単一のクローン(任意の真核、原核、又はファージクローンを含む。)に由来する抗体を指す。
本明細書で使用される場合、「VH」という用語とは、抗体の免疫グロブリン重鎖(Fv、scFv又はFabの重鎖を含む。)の可変領域を指す。「VL」という用語とは、免疫グロブリン軽鎖(Fv、scFv、dsFv又はFabの軽鎖を含む。)の可変領域を指す。
本明細書で使用される場合、「配列同一性のパーセント(%)」という用語とは、最大の配列同一性パーセントを達成するために配列アライメント及びギャップ導入(必要の場合)(例えば、最適な比較のために、候補及び参照配列の中の1つ又は2つにギャップを導入することができ、また、比較の目的で、非相同配列を無視することができる。)が行われた後、参照配列のアミノ酸(又はヌクレオチド)残基に対する候補配列のアミノ酸(又はヌクレオチド)残基の同一性のパーセントを指す。配列同一性パーセントを決定する目的で、アラインメントは、当業者によく知られている様々な方式で、例えば、BLAST、ALIGN又はMegalign(DNASTAIi)ソフトウェアのような一般的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して実現することができる。当業者は、アライメントされる配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、アラインメント測定ための適切なパラメータを決定することができる。例えば、候補配列との比較のためにアラインメントされる参照配列は、候補配列の全長又は候補配列から選択される部分の連続アミノ酸(又はヌクレオチド)残基において候補配列が50%から100%までの配列同一性を示すこと、を示すことができる。比較の目的でアラインメントされる候補配列の長さは、例えば、参照配列の長さの少なくとも30%(例えば30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%)であり得る。候補配列中の位置が参照配列中の対応する位置で同じアミノ酸(又はヌクレオチド)残基に占められている場合、これらの分子は、その位置で同じである。
本明細書で使用される場合、「特異的に結合」という用語とは、タンバク質及び他の生物分子の1つ異質性集団における抗原の存在状態を決定する結合反応を指し、前記タンバク質及び他の生物分子は、例えば抗体又はその抗原結合フラグメントにより特異的に認識される。抗原に特異的に結合する抗体又はその抗原結合フラグメントは、100nM未満のKDで抗原に結合する。例えば、抗原に特異的に結合する抗体又はその抗原結合フラグメントは、100nM((例えば1pM~100nM)と高いKDで抗原に結合する。特定の抗原又はそのエピトープへの特異的に結合を示さない抗体又はその抗原結合フラグメントは、この特定の抗原又はそのエピトープに対して100nM(例えば500nM、1μM、100μΜ、500μΜ又は1mMより大きい)より大きいKDを示す。特定のタンパク質又は炭水化物と特異的な免疫応答を起こす抗体は、例えば、慣用されている固相ELISAのような様々な免疫学的測定法より選択することができる。特異的な免疫応答性を決定するために使用できる免疫学的測定法及び条件について説明されている、Harlow&Lane,Antibodies,ALaboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,NewYork(1988)及びHarlow&Lane,Using Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,NewYork(1999)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語には、例えば、DNAベクター(例えばプラスミド)、RNAベクター、ウイルス又は他の適切なレプリコン(例えばウイルスベクター)のような核酸ベクターが含まれる。外来タンバク質をコードするポリヌクレオチドを原核又は真核細胞に送達するための様々なベクターが開発されている。本発明に係る発現ベクターは、ポリヌクレオチド配列と、例えばタンバク質を発現及び/又はこれらのポリヌクレオチド配列を哺乳動物の細胞ゲノムにインテグレートするために用いられる追加の配列要素とを含む。本発明に係る抗体及び抗体フラグメントを発現するために使用できるいくつかのベクターには、遺伝子転写を制御する調節配列(例えばプロモーター及びエンハンサー領域)を含むプラスミドが含まれる。抗体及び抗体フラグメントを発現するための他の有用なベクターは、これらの遺伝子の翻訳速度を増強するか、又は遺伝子転写で産生したmRNAの安定性又は核外輸送を改善するかのポリヌクレオチド配列を含む。これらの配列要素には、発現ベクターで運ばれる遺伝子の効率的な転写を制御するために、例えば5’及び3’非翻訳領域、内部リボソーム進入部位(IRES)及びポリアデニル化シグナル部位が含まれる。本発明に係る発現ベクターは、このようなベクターを含む細胞を選択するための標識をコードするポリヌクレオチドを含むこともできる。適切な標識の実例には、抗生物質(例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン又はヌールセオスリシン)の耐性をコードする遺伝子が含まれる。
本明細書で使用される場合、「被検者」、「対象」及び「患者」という用語とは、本明細書に記載された特定の疾患又は病気(例えばがんや伝染性疾患)への治療を受ける生体を指す。対象及び患者の実例には、疾患又は病気(例えばがんや伝染性疾患のような細胞増殖性病気)の治療を受ける、ヒト、霊長類、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、ネコ、イヌ、モルモット、ウシ科のメンバー(例えば家牛、バイソン、バッファロー、エルク及びヤクなど)、ウシ、ヒツジ、馬及びバイソンといった哺乳動物が含まれる。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語とは、治療対象における望ましくない生理的変化又は病変、例えば、細胞増殖性病気(例えばがんや伝染性疾患)の進行を予防、緩和(低減)することを目的とする外科手術又は医薬処理(surgical or therapeutic treatment)を指す。有益な又は望ましい臨床結果には、検出可能又は検出不可能にかかわらず、症状の軽減、疾患の程度の減少、疾患状態の安定化(即ち、悪化していない)、疾患進行の遅延又は減速、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解(部分寛解又は客観寛解にかかわらない)が含まれるが、これらに限定されない。治療を必要とする対象には、すでに病気又は疾患をかかっている対象、病気又は疾患をかかりやすい対象、病気又は疾患を予防しようとする対象が含まれる。緩和、軽減、減少、緩和、寛解などの用語に言及する場合、それらの意味は、除去、消失、発生しないなどの場合も含まれる。
以下、本発明の詳細な説明及び図面を通じて、本発明の前に述べた態様及び他の態様を明確に説明する。本明細書における図面は、本発明のいくつかの好適な実施形態を例示して説明するためのものであるが、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されないことが理解されたい。
図1は、最後の免疫後に測定されたヒトPD-L1-mFc(A)及びPD-L1-His(B)組換えタンパク質へのマウス血清の結合力価を示すグラフである。 図2は、PD-L1特異性B細胞の蛍光活性化セルソーティング(FACS)及びゲーティング戦略を示す図である。 図3は、競合ELISA法により測定した、抗PD-L1抗体がPD-L1タンパク質とPD-1タンパク質との結合を遮断する結果を示すグラフである。 図4は、FACSにより測定した、抗PD-L1抗体が細胞表面のPD-L1タンパク質に結合するEC50を示すグラフである。 図5は、抗PD-L1抗体がJurkat-PD-1-CHO-PD-L1-NFATシステムでのレポーター遺伝子の発現及び活性を増加させることを示すグラフである。 図6は、抗PD-L1抗体が混合リンパ球反応でのIFN-γの分泌を促進することを示すグラフである。 図7は、A431細胞に対する抗PD-L1抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示すグラフである。 図8は、マウス由来抗PD-L1抗体がヒトPD-1/PD-L1トランスジェニックマウス体内のMC38-hPD-L1結腸がん腫瘍の成長を抑制することを示すグラフである。 図9は、ヒト化抗PD-L1抗体がヒトPD-L1トランスジェニックマウス体内のMC38-hPD-L1結腸がん腫瘍の成長を抑制することを示すグラフである。
以下、本発明を実施例及び図面を参照して詳細に説明する。本明細書における図面は、本発明のいくつかの好適な実施形態を例示して説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するものと見なされるへきではない。また、本発明が開示されている特定の実施形態に限定されないことが理解されたい。実施例に具体的な条件が明記されていない場合、従来の条件又はメーカーが提案した条件に従って行う。使用される試薬又は機器にメーカーが明記されていないものは、いずれも市販により購入できる従来製品である。
実施例1 マウス免疫によるPD-L1抗体の産生
6~8週齢の雌性SJLマウス(北京維通利華実験動物技術有限公司から購入)又はBalb/cマウス(上海斯莱克実験動物有限公司から購入)に対して、マウスFcを融合したヒトPD-L1タンパク質(PD-L1-mFc,Novoprotein,Cat.CM06,又はSino Biological,Cat.10084-H05H)又はヒトPD-L1-His(Novoprotein,Cat.C315又はSino Biological,Cat:.10084-H08H)、及びフロイント完全アジュバント(complete freund’s adjuvant,CFA,Sigma,Cat.F5881)を用いて初回免疫を行った。上記のPD-L1-mFc又はヒトPD-L1-His、フロイント不完全アジュバント(incomplete freund’s adjuvant,IFA,Sigma,Cat.F5506)及び非メチル化シトシン-グアニンジヌクレオチド(CpGODN1826、上海生工生物より合成した)を用いて後の三回免疫を行った。ここで、免疫時に乳化操作により形成された均一で安定したエマルジョンを50μg/匹/回注射した。特に、高力価、高親和力、及び高特異性の抗血清と特異的な免疫細胞を得るには、初回と2回目の免疫では、後ろ足パッド及び背中に注射し、3回目と4回目の免疫では、尾部皮下と背中に注射した。最後の免疫(4回目の免疫)から5~7日目にマウスを安楽死させ、脾臓を無菌的に摘出し、マウスの脾臓リンパ球を無菌的に分離抽出し、凍結保存チューブに分装し、液体窒素中に凍結保存した。2回目の免疫、3回目の免疫から10日目及びマウスを安楽死させた当日にそれぞれにマウスの採血操作を行い、血清を分離し、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)法を用いて血清中の抗PD-L1特異性抗体の力価を測定した。
実験の結果は、図1に示すように、4回の免疫後、免疫されたマウスの血清がヒトPD-L1-mFc及びPD-L1-Hisと結合する力価が高かったことを示している。この方法を用いてマウスの免疫を行い、マウスに高力価の抗PD-L1抗体を産生させることができたことが認められた。
実施例2 PD-L1特異的単一B細胞の蛍光活性化セルソーティング(Fluorescence-activated cell sorting,FACS)
PD-L1タンパク質で免疫したマウスの脾臓細胞は、抗原PD-L1-Hisタンパク質(Novoprotein,Cat.C315又はSino Biological,Cat.10084-H08H)及び間接標識抗体anti-His-APC(R&D Systems,Cat.IC050A)及びマウスB細胞表面に特有的な標識に対する抗体(anti-mouse B220-Pacfic Blue,R&D Systems,Cat.553089;anti-mouse IgD-PE,R&D Systems,Cat.558597;anti- mouse IgM-PE Cy7,R&D Systems,Cat.552867)により染色され、また、分取前に死細胞と生細胞を区別するための染料7-AAD(R&D Systems,Cat.51-68981E)を添加し、AriaIII(BD社)フローサイトメトリーでPD-L1特異的な単一B細胞(7AADB220IgDIgMPDL1-His)を細胞溶解液、RNA酵素阻害剤を含んだPCRウェルに分取し、各ウェルに1つの細胞を収集した。その結果(図2)より示されるように、ブランク対照の免疫されていないマウス脾臓(A)、又はHisを有する非関連タンパク質CREG-His染色を用いたPD-L1免疫のマウス脾臓(B)には、いずれも明らかなPD-L1抗原特異的なB細胞サブグループが検出されず、PD-L1-His染色を用いたPD-L1免疫のマウス脾臓(C)には、PD-L1B細胞の集団が検出され、106脾臓細胞あたり約114個のPD-L1B細胞を有した。
実施例3 モノクローナル抗体の増幅及びハイスループット発現
特許「ネストされた増幅のための組み合わせたプライマー及びその適用」特許出願番号:201811618134.4に記載された実施例1の方法を使用して、単一細胞のmRNAをcDNAに逆転写した。次に、cDNAをテンプレートとしてネストされたPCRを行い、それぞれ抗体の重鎖及び軽鎖の増幅を行った。増幅により得られた抗体の重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域を、それぞれ相同組換え法により重鎖発現ベクター及び軽鎖発現ベクターにクローンした。重鎖発現ベクター及び軽鎖発現ベクターの定常領域は、いずれもヒトIgG1に由来したものであった。完全な重鎖発現配列は、シグナルペプチド-VH-CH1-ヒンジ領域-CH2-CH3であり、完全な軽鎖発現配列は、シグナルペプチド-Vκ-Cκであった。上述した単一B細胞抗体のクローン及び発現は、いずれも96ウェルプレートでハイスループットの方式で抗体の迅速な同定及び発見を実現した。324ペアのクローン発現した抗体の重鎖及び軽鎖を一連の物理化学的及び機能的スクリーニングした後に、市販のPD-L1抗体であるアベルマブ又はアテゾリズマブと同等又はそれ以上の物理化学的及び機能的活性を有する候補マウス抗体分子、合計9つを得た。それらの配列のCDRsは、それぞれIMGT及びKABATソフトウェアで分析され、対応する配列情報は、以下の表1~2に示す。表1はマウス抗体分子のVH及びVL配列、表2はマウス抗体分子のIMGT及びKABATの分析結果を示した。
Figure 2023179450000006
それぞれKABAT及びIMGTソフトウェアを使用して各抗体のCDRsを分析した。具体的な配列情報を以下の表2に示した。
Figure 2023179450000007
Figure 2023179450000008
実施例4 抗体ヒト化
まず、古典的な「CDRs移植」法を用いて抗体ヒト化を行い、即ち、配列により相同性が最も高いヒト型抗体を抗体フレームワーク領域(FRs)として選択して、目的抗体のKabat命名法による抗原結合フラグメント相補性決定領域(CDRs)をFRsに移植してヒト化抗体を形成した。次に、抗体の活性及び親和力をより良く維持するために、抗体構造モデリング分析(MOEソフトウェア)に基づいて、以下のように行った:1).抗体フレームワーク領域がVH-VL界面に位置するか、CDRsに近接するか、又はCDRsと直接相互作用するなどのアミノ酸残基を選択して回復変異を行うこと(このようなアミノ酸残基は、CDRs領域の立体配座を維持するのに重要である)、2).免疫原性を考慮する場合、できるだけタンパク質内部に埋め込まれたアミノ酸を選択して回復変異を行うこと、3).抗体の安定性及び発現レベルを考慮する場合、分子エネルギーの低下変異を優先的に考慮すること、4).ヒト化過程で、CDRs領域のアミノ酸定点変異によりヒト化抗体の親和力をさらに向上させてみたこと。異なる変異を含むヒト化抗体とヒトPD-L1との親和力、及びそれと表面にPD-L1を発現する細胞との結合を測定することにより、マウスPD-L1抗体との親和力、抗体特徴付け、及び活性機能に同等又はそれ以上のヒト化抗体をスクリーニングした。
その中で、PDL1-156抗体がヒト化された後の好適な候補抗体分子の配列のCDRsは、以下の通りである。IMGT及びKABATソフトウェアで分析した配列情報は、それぞれ表3及び表4に示す。表3にはヒト化抗体分子のVH及びVL配列、表4にはヒト化抗体分子のIMGT及びKABAT分析結果が示される。
Figure 2023179450000009
それぞれKABAT及びIMGTソフトウェアを使用して各ヒト化抗体のCDRsを分析した。具体的な配列情報は、以下の通りである。
Figure 2023179450000010
実施例5 サイズ排除クロマトグラフィーによる抗体純度の測定
TSKgel G3000SWXLクロマトカラム(TOSOH,0008541)、プレカラムTskgel guard column SWXL(TOSOH,Cat.0008543)を使用してサイズ排除クロマトグラフィーによる抗体純度の測定を行った。移動相としては、8.88gのNaHPO・2HO、33.33gのNaHPO・12HOを計量して調製したリン酸塩緩衝液(NaHPO-NaHPO)を使用した。1mL/minの流速で移動相でクロマトカラムをバランスさせた。ベースラインが安定した後にサンプリングを注入し、サンプリング体積を10μLとし、紫外検出波長を280nmとし、バンド幅を16nmとし、参照波長をオフにした。測定結果を表5に示した。
Figure 2023179450000011
実施例6 ヒト及びカニクイザルのPD-L1組換えタンパク質に結合する抗体のKD測定
ヒト及びカニクイザルのPD-L1-Hisタンパク質に対するPD-L1抗体の結合親和力をBiacore T200(GE Healthcare)を用いて測定した。25℃でCM5チップ(GE Healthcare,Cat.BR-1005-30)にanti-human IgG Fc(Genway,Cat.GWB-20A705)を固定した。anti-human Fc(Genway,Cat.GWB-20A705)をAcetate pH5.0(GE Healthcare,BR-1003-51)で20μg/mLに希釈した。固定化方法(Immobilization method)のAmine法を用いて固定を行った。又は、市販Protein A(GE Healthcare,Cat.29127556)チップを用いて検出した。25℃でマルチサイクル速度論的法により抗体と抗原の親和力を測定した。各サイクルで、まず被検抗体を固定されたCM5チップに捕捉し、次に組換えヒトPD-L1-His(Novoprotein,Cat.315)及びカニクイザルPD-L1-Hisタンパク質(Sino Biological,Cat.90251-C08H)を注入し、最後にGlycine pH1.5で再生した。移動相としては、HBS-EP+ Buffer(GE Healthcare,Cat.BR-1006-69)を使用し、流速を30μL/minとし、結合時間を300秒間とした。再生流速を30μL/minとし、時間を30秒間とした。Biacore T200 Evaluation Software(version 3.0)を使用して、1:1結合モデルで試験データを分析し、抗体抗原の解離定数KDを適合させ、結合速度定数ka及び解離速度定数kdを決定した。
結果から、ヒトPD-L1組換えタンパク質に対する被検PD-L1抗体の結合がnM又はそれ以上の親和力を示し、また、カニクイザルのPD-L1組換えタンパク質との親和力が62.5nM~0.375nMの範囲内にあったことが分かった。その結果を下表6に示す。
Figure 2023179450000012
表7から、マウス抗体PDL1-156に由来するヒト化抗体156-1H、156-7H、156-10H及び156-11HのヒトPD-L1タンパク質への結合がPDL1-156と同等の親和力を示した、ことが分かった。
Figure 2023179450000013
実施例7 PD-L1とPD-1の相互作用を遮断する抗体のIC50測定
競合ELISA法により、PD-L1タンパク質とPD-1タンパク質の結合を遮断する抗PD-L1抗体のIC50を決定した。
炭酸塩緩衝液で希釈したヒトPD-L1組換えタンパク質(Sino Biological,Cat.10084-H05H)を96ウェル酵素プレートに添加し、最終濃度を1μg/mlとした。3%BSAを含むPBS溶液でブロックし、段階希釈した抗PD-L1抗体(6000ng/ml~2ng/ml)及びヒトPD-1-His組換えタンパク質(Sino Biological,Cat.10377-H08H)を加えて共インキュベートした後、HRP標識抗Hisタグ抗体(MBL,Cat.D291-7)を添加し、TMBで発色させ、1M硫酸で終了した後にOD値(二重波長450nm-630nm)を読み取った。抗体濃度をOD値に対応させて、受試抗体の競合結合曲線を描き、IC50値を計算した。図3は、抗PD-L1抗体とヒトPD-L1組換えタンパク質との競合結合曲線を示している。その結果、図面に示されるように、被検された9つのマウス抗PD-L1抗体(A)及び4つのヒト化抗体(B)は、何かの遮断作用もない抗体同型陰性対照anti-Hel(百英生物製)と比較して、ヒトPD-L1タンパク質とヒトPD-1タンパク質との相互作用を効果的に遮断することができ、ヒト化抗体は、ヒト化前のマウスPDL1-156の阻害活性と同等となり(B)、IC50がそれぞれ197.0ng/mL(156-1H)、230.5ng/mL(156-7H)、250.1ng/mL(156-10H)、207.2ng/mL(156-11H)であった。マウスPD-L1-156のIC50は221.3ng/ml、陽性対照アテゾリズマブ(百英生物製)は446.4ng/ml、アベルマブ(Pfizer,lot AU020322)は190.3ng/mlであった。
実施例8 FACSによる細胞表面PD-L1へのPD-L1抗体結合のEC50測定
勾配濃度を有する被検抗体(抗体の最終濃度:10000ng/ml~0.1ng/ml、10倍段階希釈)と細胞表面にPD-L1を高発現したCHO-PD-L1細胞(南京勇山生物科技有限公司、105個/ウェル)を4℃で30分間共にインキュベートした。インキュベート終了後、1:250に希釈したanti-human IgG PE蛍光抗体(eBioscience,Cat.12-4998-8)を添加し、4℃で30min共にインキュベートした。蛍光抗体が被検抗体のFcセグメントに特異的に結合し、FACSによりPE蛍光強度の高低を検出して細胞表面に高発現しているPD-L1タンパク質への被検抗体の結合能力を分析した。図4の結果から、被検対象のマウスPD-L1抗体のEC50は、本実験の陽性対照のアベルマブ(EC50が58.2ng/mlであった)及びアテゾリズマブ(~99.73ng/ml)に近く、PDL1-156及びPDL1-370のEC50は最も低く、検出されたヒト化抗体156-1H、156-7H、156-10H及び156-11HのEC50はそれぞれ49.42ng/ml、78.37ng/ml、63.5ng/ml及び49.97ng/mlであり、本実験の陽性対照アベルマブ(EC50が56.88ng/mlであった)に近かったことが分かった。このアッセイから、各被検PD-L1抗体が細胞表面でのPD-L1標的用量に依存的に結合する能力が定量的に確信された。MFI fold=実験群MFI値/薬剤を添加していない対照群MFI値。
実施例9 PD-1:PD-L1の結合及びシグナル伝達への抗PD-L1抗体の阻害に関するPD-1/PD-L1-NFATレポーター遺伝子アッセイ
PD-1を安定的にトランスフェクトしたJurkat細胞株(GenScript,Cat.00612)とPD-L1を安定的にトランスフェクトしたCHO細胞株(GenScript,Cat.M00613)を使用して、PD-1/PD-L1タンパク質相互作用及びそのシグナル経路に対するPD-L1抗体の拮抗作用を比較した。シグナル経路阻害が抑制されると、NFATに制御された発光レポーター遺伝子の発現が増強し、発光シグナル値が増加する。PD-L1に対する抗体の遮断作用の強弱は、読み取った発光値の強弱(relative light units,RLU)に反映される。
PD-L1を安定的にトランスフェクトしたCHO細胞株を96ウェルの白底プレートに、1ウェルあたり40000個の細胞、100μl/ウェルで接種し、一晩中インキュベーターした。翌日、ウェルプレートを取り出し、培地を吸引して除去し、PD-1を安定的にトランスフェクトした細胞株、及び被検出PD-L1抗体を添加して共インキュベートした。ここで、1ウェルあたりPD-1細胞の添加量は16000個/ウェルとし、抗体は段階希釈され、各用量に対しては3つの複製ウェルが設置され、インキュベート体積は100μl/ウェルとし、インキュベート時間は6時間とした。インキュベート完了後、ウェルプレートを取り出し、等体積(100μl)で発光検出試薬を加え、発光値を読み取った。検出値に基づき、Graphpadで4パラメータ解析を行い、回帰曲線を作成し、各抗体のEC50値を得た。その結果、図5Aに示すように、被検マウスPD-L1抗体のEC50値は、陽性対照抗体であるアベルマブ及びアテゾリズマブのEC50値(222.9ng/ml,321.6ng/ml)に近く、また、図5B及び5Cに示すように、4つのヒト化PD-L1抗体である156-1H、156-7H及び156-10H、156-11HのEC50は、それぞれ342ng/ml、313.7ng/ml、357.1ng/ml及び282.2ng/mlであり、陽性対照アベルマブのEC50に近かった。このアッセイから、マウス及びヒト化の抗PD-L1抗体が細胞表面PD-1:PD-L1の相互作用によるT細胞活性の抑制に対して用量依存性の阻害能力を示すことが定量的に確信され、それによってJurkat細胞内のレポーター遺伝子の活性を用量依存的に増強した。
実施例10 ELISAによる混合リンパ球反応においてT細胞により分泌されたIFN-γの検出
混合リンパ球反応(mixed lymphocyte reaction,MLR)により、PD-L1モノクローナル抗体がT細胞の活性を増強するのを測定した。健常なトナー1の末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells,PBMC)からCD14単球を分離し、組換えヒト顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF,Peprotech,Cat.300-03)及び組換えヒトインターロイキン4(rhIL-4, Peprotech,Cat.200-04)を用いてインビトロで樹状細胞(dendritic cell,DC)へ誘導分化させ、インキュベートの6日目にLPS(Sigma,Cat:L4516)を添加して成熟DCを刺激した。7日目にトナー1のDC細胞を健常なトナー2のPBMCから濃化したCD4T細胞と混合して共培養し(DC:CD4T細胞数の比例を1:10とした)、被検抗体又は陽性対照抗体のアベルマブ又はアテゾリズマブ(抗体濃度を1000ng/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/mlとした)を加え、4日間共インキュベートした。4日後に細胞培養上清を収集し、ELISA法で上清でのIFN-γの含有量を検出した。図6に示すように、試験されたマウス抗体及び陽性対照抗体であるアベルマブ、アテゾリズマブは、anti-HELモノクローナル抗体及び処理なし(即ち、投与なし)陰性対照群と比較して、MLR実験におけるCD4T細胞のIFN-γ分泌能力を有意に増強することができ、PD-L1抗体医薬品濃度が低下すると、IFN-γの分泌を増加させる活性も低下した。この結果は、PD-L1抗体がT細胞の機能を増強でき、用量依存性を有することを示した。T-test、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001.
実施例11 抗PD-L1抗体の抗体依存性細胞傷害(Antibody Dependent Cell-mediated Cytotoxicit,ADCC)活性アッセイ
ヒトPD-L1を高発現するA431細胞に対する単離及び精製された健常なヒトPBMC中のナチュラルキラー(natural killer,NK)細胞の傷害実験により、抗PD-L1モノクローナル抗体が介した抗体依存性細胞傷害活性を測定した。
エフェクター細胞の作製:凍結保存されたヒトPBMC細胞(Stemexpress社)を蘇生させた後、100IU/ml組換えヒトインターロイキン2(rhIL-2,Peprotech,Cat.200-02)を補充したRPMI1640培地(インビトロジェン 、Cat.11835030)で一晩インキュベートした。その後、細胞を収集した後に生細胞をカウントした。次に、NK細胞磁気ビーズ分離キット(Stemcell,Cat.17955)を用いて、PBMCからNK細胞を精製し、NK細胞を10%失活させたウシ胎児血清を補充したDMEM(インビトロジェン ,Cat.11965084)で再懸濁した後にカウントし、エフェクター細胞として使用した。
標的細胞の作製:標的細胞A431を10%ウシ胎児血清を含むDMEM 培地で培養し、ADCC実験の前日に、最終濃度500IUのインターフェロンIFN-γ(Peprotech,Cat.300-02)を添加し、一晩刺激培養しておいた。
10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地で抗PD-L1抗体を希釈し、希釈された抗体を白壁96ウェルプレート(Corning,Cat.3610)に25μl/ウェルで分注し、そして、標的細胞をウェル中(25μl/ウェル、10000細胞/ウェル)に添加した。プレートを37℃、5%CO2インキュベーターで30分間インキュベートした。続いて、エフェクター細胞をウェル(25μl/ウェル、40000細胞/ウェル、即ち、効果細胞-標的細胞比のNK:A431を4:1とした)に総体積が100μlとなるように添加し、プレートを37℃、5%CO2インキュベーターで4時間インキュベートした。
培地バックグラウンド対照ウェル(即ち、ウェルに100μl培地を加えた)、標的細胞の自然死放出ウェル(即ち、標的細胞のみがウェルにある)、エフェクター細胞自然死放出ウェル(即ち、NK細胞のみがウェルにある)、標的細胞最大死放出ウェル(即ち、CytoTox-GloTM Cytotoxicity キット(Promega,Cat.G9291)で提供されるlysis buffer及び標的細胞を加えた)を同時に設定する必要があり、すべての対照ウェルの体積を最後に培地で100μlまで補充した。4時間培養した後、プレートを取り出し、ウェルあたりに50μl CytoTox-GloTM Cytotoxicity Assay Reagentを加え、シェーカーで均一に混合した後、室温で15分間放置した後に化学発光(luminescence,RLU)を読み取った。
ADCC活性による細胞溶解率は、以下のステップに従って算出した。まず、すべてのウェルの読み取り値から培地バックグラウンド対照ウェルの平均読み取り値を差し引き、次に、切断率%=(実験ウェルの読み取り値-標的細胞自然死放出ウェルの読み取り値-エフェクター細胞自然死放出ウェルの読み取り値)/(標的細胞最大死放出ウェルの読み取り値-標的細胞自然死放出ウェルの読み取り値)×100として算出した。
結果を図7に示す。実験結果から、被検された3つのマウスPD-L1抗体及びFDAで市販が承認された陽性対照抗PD-L1薬であるアベルマブは、標的細胞A431細胞に対する抗体濃度依存性の溶解傷害活性及び近いEC50値を示し、陰性同型対照抗体hIgG1,K(Abdserotec,PHP010)は、最高濃度でもADCC活性を示さなかったこと、が示された。
実施例12 マウスPD-L1抗体のPDL1-156のマウス体内の薬効アッセイ
B-hPD-1/hPD-L1トランスジェニックマウス(バイオサイトジェン(北京)製薬株式会社)を用いて、MC38-hPD-L1結腸がん動物モデルを構築してPD-L1抗体の有効性実験を行った。マウスの右側に5×10 MC38-hPD-L1結腸がん細胞を皮下接種した。腫瘍体積が~110mmに達した時、固体腫瘍体積の適当なマウスを群に選択し、動物を腫瘍体積に応じてランダムに群分けするソフトウェアを用いて3つの実験群:anti-Hel hIgG同型対照群、抗PDL1-156抗体群、陽性薬アベルマブ群(Pfizer,lot AU020322)に、各群に8匹ずつに分配し、群分けの当日に投与を開始した(研究0日目と定義した)。各群に10mg/kg用量で、週に2回、合計7回腹腔注射により投与した。腫瘍体積及びマウス体重を週に2回測定し、測定値を記録し、腫瘍体積(長径×短径2/2)及び成長阻害率(tumor growth inhibition%,TGITV(%)=[1-(Ti-T0)/(Vi-V0)]×100%、ここで、Tiは、治療群の投与i日目の腫瘍体積平均値、T0は、治療群の投与0日目の腫瘍体積平均値、Viは、溶媒対照群の投与i日目の腫瘍体積平均値、V0は、溶媒対照群の投与0日目の腫瘍体積平均値を示す)を算出した。また、腫瘍体積を統計学的な手法で分析した。P<0.05は有意差があると見なされた。
図8A、B、C、表8に示すように、群分けして投与後の21日目に、対照群と比べて、陽性薬アベルマブ群及びPDL1-156マウス抗PD-L1抗体群は、腫瘍体積で有意かつ近い抑制効果を示し、統計的に有意差(P<0.05)が見られた。
Figure 2023179450000014
また、実験では、hIgG対照群で1匹のマウスが早期に異常死したのを除いて、残りの実験動物は投与期間に活動及び食事状態が良好で、体重がある程度に上昇した。この結果は、図8D、表9に示し、この抗体の安全性が高かったことを示した。
Figure 2023179450000015
実施例13 ヒト化抗PD-L1抗体のマウス体内薬効検出
MC38-hPD-L1細胞を雌性6~8週齢のB-hPD-L1トランスジェニックマウス(百奥采図江蘇基因生物技術有限公司)の右側皮下に5×10個/0.1mL濃度で接種し、腫瘍が約108mmまで成長した時に、腫瘍体積に基づき24匹を選択し、ランダムに各群8匹ずつに合計3群:生理食塩水、アベルマブ(5mg/kg)、156-10H(5mg/kg)に群分けした。各群の投与経路を腹腔注射とし、週に2回、連続6回投与し、最後の投与から5日後に実験を終了した。投与及び観測期間中、マウス体重及び腫瘍体積を週に3回測定し、測定値を記録し、腫瘍体積(長径×短径2/2)及び成長阻害率(TGITV(%))を算出した。群分け投与の21日目に、生理食塩水対照群と比べて、陽性薬アベルマブ群及びPD-L1抗体156-10H群は、図9A、B、C、表10に示すように、腫瘍体積で有意かつ近い抑制効果を有し、統計学的有意差(P<0.05)が見られた。
Figure 2023179450000016
実験動物は、図9D、表11に示すように、投与期間中に活動及び食事状態が良好で、体重はある程度に上昇した。
Figure 2023179450000017
以上結果は、ヒト化のPD-L1抗体156-10Hが、MC38-hPD-L1腫瘍皮下移植瘤の成長に対して有意な抑制作用を有し、より高い安全性を示すことを示した。陽性対照抗体であるアベルマブと比べて、両者のTGIレベルが同等であるが、156-10Hの方がより均一な抗腫瘍効果を示した。
以上、本発明で提供される抗-ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)の抗体及びその用途について詳述した。本明細書では、本発明の原理及び実施形態について具体例を用いて説明したが、上記の実施例の説明は、本発明の方法及びその要旨を理解するために用いられるもので過ぎない。なお、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、本発明に幾つかの改善及び修飾を行うこともでき、これらも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
本発明の例示的な態様を以下に記載する。
<1>
重鎖CDRsの組み合わせと軽鎖CDRsの組み合わせとを含む抗体又は抗原結合フラグメントであって、
(1)前記重鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHを含み、
Figure 2023179450000018

(2)前記軽鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLを含み、
Figure 2023179450000019

CDR1-VH、CDR2-VH、CDR3-VH、CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLのそれぞれは、KABAT、Chothia又はIMGTの通用分析方法に従って定義される、
ことを特徴とするヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する単離された抗体又は抗原結合フラグメント。
<2>
重鎖CDRsの組み合わせと軽鎖CDRsの組み合わせとを含む抗体又は抗原結合フラグメントであって、
(1)前記重鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHを含み、
Figure 2023179450000020

(2)前記軽鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLを含み、
Figure 2023179450000021

CDR1-VH、CDR2-VH、CDR3-VH、CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLのそれぞれは、KABAT、Chothia又はIMGTの通用分析方法に従って定義される、
ことを特徴とするヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する単離されたヒト化抗体又は抗原結合フラグメント。
<3>
VH1+VL1、VH2+VL2、VH3+VL3、VH4+VL4、VH5+VL5、VH6+VL6、VH7+VL7、VH8+VL8、VH9+VL9、VH10+VL10、VH11+VL11、VH12+VL12、VH13+VL13、VH14+VL14、VH15+VL15、VH16+VL16、VH17+VL17、VH18+VL18、VH19+VL19、VH20+VL20、VH21+VL21、VH22+VL22、VH23+VL23、VH24+VL24、VH25+VL25、及びVH26+VL26からなる群より選択される重鎖CDRsと軽鎖CDRsとの組み合わせ、又は前記重鎖CDRsと軽鎖CDRsの組み合わせの配列よりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有するCDRsの組み合わせを含む、ことを特徴とする<1>又は<2>に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
<4>
1)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号1及び配列番号2で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
2)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号3及び配列番号4で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
3)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号5及び配列番号6で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
4)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号7及び配列番号8で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
5)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号9及び配列番号10で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
6)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号11及び配列番号12で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
7)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号13及び配列番号14で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
8)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号15及び配列番号16で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
9)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号17及び配列番号18で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
10)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号127及び配列番号128で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
11)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号129及び配列番号130で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
12)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号131及び配列番号132で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、或いは、
13)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号133及び配列番号134で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、を特徴とする<1>~<3>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
<5>
ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に結合する解離定数(KD)が10nMを超えなく、カニクイザルプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に結合する解離定数(KD)が100nMを超えない、ことを特徴とする<1>~<4>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
<6>
前記抗体又は抗原結合フラグメントが、
(1)キメラ抗体又はそのフラグメント、
(2)ヒト化抗体又はそのフラグメント、又は
(3)全ヒト抗体又はそのフラグメントである、ことを特徴とする<1>~<5>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
<7>
前記抗体が、ヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE又はIgDのいずれかの定常領域の配列を含み、
好ましくは、ヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4の定常領域の配列を含む、ことを特徴とする<1>~<6>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
<8>
前記抗原結合フラグメントが、F(ab)、Fab’、Fab、Fv、scFv、二重特異抗体、ナノ抗体、及び抗体の最小認識単位から選択される1つ又は複数である、ことを特徴とする<1>~<7>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
<9>
<1>~<8>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメントと競合的にPD-L1又はその抗原エピトープに結合し、かつ、
1)PD-L1組換えタンパク質及びPD-L1を発現する細胞に特異的に結合する特性、
2)PD-L1とPD-1タンパク質との結合を遮断する特性、
3)PD-1と細胞表面に発現するPD-L1との結合を抑制する特性、
4)T細胞活性を増強する特性、
5)抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を媒介する特性、又は/及び
6)腫瘍の成長を抑制する特性を備える、
ことを特徴とする抗体又は抗原結合フラグメント。
<10>
<1>~<9>のいずれかに記載の抗体、抗原結合フラグメント、又はそれらの任意の組み合わせをコードする、ことを特徴とする単離された核酸分子。
<11>
<10>に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクター。
<12>
<10>に記載の単離された核酸分子、又は<11>に記載の発現ベクターを含む、単離された宿主細胞であって、
前記宿主細胞は、
好ましく、真核細胞又は原核細胞であり、
より好ましく、哺乳動物の細胞、酵母細胞、昆虫細胞、大腸菌及び/又は枯草菌に由来するものであり、
さらに好ましく、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)から選択されるものである、宿主細胞。
<13>
<12>に記載の宿主細胞を適切な条件下で培養し、抗体又は抗原結合フラグメントを単離する工程を含む、ことを特徴とする抗体又は抗原結合フラグメントの作製方法。
<14>
<1>~<9>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、<10>に記載の単離された核酸分子、<11>に記載の発現ベクター、<12>に記載の宿主細胞、又は<13>に記載の方法により作製された製品と、薬学的に許容されるキャリアとを含み、
好ましくは、追加的な抗腫瘍剤をさらに含む、ことを特徴とする医薬組成物。
<15>
PD-L1の発現異常に関連する疾患(該疾患は、腫瘍であることが好ましい)を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における、<1>~<9>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、<10>に記載の単離された核酸分子、<11>に記載の発現ベクター、<12>に記載の宿主細胞、<13>に記載の方法により作製された製品、又は<14>に記載の医薬組成物、の使用。
<16>
それを必要とする患者に、<1>~<9>のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、<10>に記載の単離された核酸分子、<11>に記載の発現ベクター、<12>に記載の宿主細胞、<13>に記載の方法により作製された製品、又は<14>に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、PD-L1の発現異常及び/又はT細胞の機能異常に関連する疾患(該疾患は、腫瘍がであることが好ましく、該腫瘍は、結腸・直腸癌がであることが好ましい)を予防及び/又は治療する方法。
<17>
<1>~<9>のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、<10>に記載の単離された核酸分子、<11>に記載の発現ベクター、<12>に記載の宿主細胞、又は<13>に記載の方法により作製された製品と、使用説明書とを含む、キット。

Claims (17)

  1. 重鎖CDRsの組み合わせと軽鎖CDRsの組み合わせとを含む抗体又は抗原結合フラグメントであって、
    (1)前記重鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHを含み、
    Figure 2023179450000022

    (2)前記軽鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLを含み、
    Figure 2023179450000023

    CDR1-VH、CDR2-VH、CDR3-VH、CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLのそれぞれは、KABAT、Chothia又はIMGTの通用分析方法に従って定義される、
    ことを特徴とするヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する単離された抗体又は抗原結合フラグメント。
  2. 重鎖CDRsの組み合わせと軽鎖CDRsの組み合わせとを含む抗体又は抗原結合フラグメントであって、
    (1)前記重鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VH、CDR2-VH及びCDR3-VHを含み、
    Figure 2023179450000024

    (2)前記軽鎖CDRsの組み合わせが、以下から選択される任意の配列の組み合わせ、或いは前記配列の組み合わせよりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有する配列の組み合わせを有するCDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLを含み、
    Figure 2023179450000025

    CDR1-VH、CDR2-VH、CDR3-VH、CDR1-VL、CDR2-VL及びCDR3-VLのそれぞれは、KABAT、Chothia又はIMGTの通用分析方法に従って定義される、
    ことを特徴とするヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に特異的に結合する単離されたヒト化抗体又は抗原結合フラグメント。
  3. VH1+VL1、VH2+VL2、VH3+VL3、VH4+VL4、VH5+VL5、VH6+VL6、VH7+VL7、VH8+VL8、VH9+VL9、VH10+VL10、VH11+VL11、VH12+VL12、VH13+VL13、VH14+VL14、VH15+VL15、VH16+VL16、VH17+VL17、VH18+VL18、VH19+VL19、VH20+VL20、VH21+VL21、VH22+VL22、VH23+VL23、VH24+VL24、VH25+VL25、及びVH26+VL26からなる群より選択される重鎖CDRsと軽鎖CDRsとの組み合わせ、又は前記重鎖CDRsと軽鎖CDRsの組み合わせの配列よりも1、2、3又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を有するCDRsの組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  4. 1)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号1及び配列番号2で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    2)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号3及び配列番号4で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    3)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号5及び配列番号6で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    4)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号7及び配列番号8で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    5)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号9及び配列番号10で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    6)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号11及び配列番号12で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    7)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号13及び配列番号14で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    8)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号15及び配列番号16で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    9)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号17及び配列番号18で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    10)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号127及び配列番号128で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    11)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号129及び配列番号130で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、
    12)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号131及び配列番号132で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、或いは、
    13)重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域が、それぞれ配列番号133及び配列番号134で示される配列、又は該配列と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性を有する配列を有すること、を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  5. ヒトプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に結合する解離定数(KD)が10nMを超えなく、カニクイザルプログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に結合する解離定数(KD)が100nMを超えない、ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  6. 前記抗体又は抗原結合フラグメントが、
    (1)キメラ抗体又はそのフラグメント、
    (2)ヒト化抗体又はそのフラグメント、又は
    (3)全ヒト抗体又はそのフラグメントである、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  7. 前記抗体が、ヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE又はIgDのいずれかの定常領域の配列を含み、
    好ましくは、ヒト又はマウス抗体IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4の定常領域の配列を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  8. 前記抗原結合フラグメントが、F(ab)、Fab’、Fab、Fv、scFv、二重特異抗体、ナノ抗体、及び抗体の最小認識単位から選択される1つ又は複数である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメントと競合的にPD-L1又はその抗原エピトープに結合し、かつ、
    1)PD-L1組換えタンパク質及びPD-L1を発現する細胞に特異的に結合する特性、
    2)PD-L1とPD-1タンパク質との結合を遮断する特性、
    3)PD-1と細胞表面に発現するPD-L1との結合を抑制する特性、
    4)T細胞活性を増強する特性、
    5)抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を媒介する特性、又は/及び
    6)腫瘍の成長を抑制する特性を備える、
    ことを特徴とする抗体又は抗原結合フラグメント。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載の抗体、抗原結合フラグメント、又はそれらの任意の組み合わせをコードする、ことを特徴とする単離された核酸分子。
  11. 請求項10に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクター。
  12. 請求項10に記載の単離された核酸分子、又は請求項11に記載の発現ベクターを含む、単離された宿主細胞であって、
    前記宿主細胞は、
    好ましく、真核細胞又は原核細胞であり、
    より好ましく、哺乳動物の細胞、酵母細胞、昆虫細胞、大腸菌及び/又は枯草菌に由来するものであり、
    さらに好ましく、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)から選択されるものである、宿主細胞。
  13. 請求項12に記載の宿主細胞を適切な条件下で培養し、抗体又は抗原結合フラグメントを単離する工程を含む、ことを特徴とする抗体又は抗原結合フラグメントの作製方法。
  14. 請求項1~9のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、請求項10に記載の単離された核酸分子、請求項11に記載の発現ベクター、請求項12に記載の宿主細胞、又は請求項13に記載の方法により作製された製品と、薬学的に許容されるキャリアとを含み、
    好ましくは、追加的な抗腫瘍剤をさらに含む、ことを特徴とする医薬組成物。
  15. PD-L1の発現異常に関連する疾患(該疾患は、腫瘍であることが好ましい)を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における、請求項1~9のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、請求項10に記載の単離された核酸分子、請求項11に記載の発現ベクター、請求項12に記載の宿主細胞、請求項13に記載の方法により作製された製品、又は請求項14に記載の医薬組成物、の使用。
  16. それを必要とする患者に、請求項1~9のいずれかに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、請求項10に記載の単離された核酸分子、請求項11に記載の発現ベクター、請求項12に記載の宿主細胞、請求項13に記載の方法により作製された製品、又は請求項14に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、PD-L1の発現異常及び/又はT細胞の機能異常に関連する疾患(該疾患は、腫瘍がであることが好ましく、該腫瘍は、結腸・直腸癌がであることが好ましい)を予防及び/又は治療する方法。
  17. 請求項1~9のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、請求項10に記載の単離された核酸分子、請求項11に記載の発現ベクター、請求項12に記載の宿主細胞、又は請求項13に記載の方法により作製された製品と、使用説明書とを含む、キット。
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