JP2023175259A - テレグラフ装置、方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的の一つは、船舶の実船速を所望の通りに調整し易くする技術を提供することにある。【解決手段】本発明のある態様のテレグラフ装置は、船舶の実船速を取得する取得部101と、取得した実船速を表示する表示部103と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、テレグラフ装置、方法、及びプログラムに関する。
従来、船舶のブリッジ等に設けられたテレグラフ装置には、船舶の主機の実回転数が表示されている。操船者は、この表示された実回転数に基づいて必要に応じてテレグラフ装置を操作することにより、船速等を調整している。
しかし、船舶の実船速は船舶が航行している海域における気象及び海象により変動する。そのため、従来のようにテレグラフ装置に表示された実回転数に基づいて船速を調整したとしても、船舶の実船速を所望のように調整しにくい場合があった。
上記を鑑み、本発明の目的は、船舶の実船速を所望の通りに調整し易くする技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のテレグラフ装置は、船舶の実船速を取得する取得部と、前記実船速を表示する表示部と、を備える。
本発明の別の態様の方法は、船舶の実船速を取得するステップと、前記実船速をテレグラフ装置のディスプレイに表示するステップと、を備える、方法である。
本発明のさらに別の態様のプログラムは、コンピュータに、船舶の実船速を取得するステップと、前記実船速をテレグラフ装置のディスプレイに表示するステップと、を実行させるためのプログラムである。
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、船舶の実船速を所望の通りに調整し易くする技術を提供できる。
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、共通点のある別々の構成要素には、名称の冒頭に「第1、第2」等と付して区別し、総称するときはこれらを省略する。また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
第1実施形態
図1は、第1実施形態の船舶20の航海システム1を例示する。図1の航海システム1は、陸上に設置された管理センタ10と、海上を運航する船舶20と、を含む。第1実施形態では、管理センタ10は、航海計画作成装置11を含む。管理センタ10及び船舶20は、互いに通信可能に構成される。
図1は、第1実施形態の船舶20の航海システム1を例示する。図1の航海システム1は、陸上に設置された管理センタ10と、海上を運航する船舶20と、を含む。第1実施形態では、管理センタ10は、航海計画作成装置11を含む。管理センタ10及び船舶20は、互いに通信可能に構成される。
航海計画作成装置11は、航海条件データを取得する。航海条件データは、船舶20の識別情報、船舶20の出発地点および到着地点(発着地点)と、出発時刻および目標到着時刻(発着時刻)と、を含む。航海条件データは、例えば、経由地点やその経由地点の発着時刻を含んでもよい。航海条件データは、例えば、管理センタ10に設けられたPCなどのユーザ入力装置(不図示)を介してオペレータ等によって入力される。航海条件データは、例えば、船舶20に設けられたPCなどのユーザ入力装置(不図示)を介して船舶20の船長/乗組員などによって入力されて船舶20から管理センタ10に送信されてもよい。
航海計画作成装置11は、取得した航海条件データに基づいて船舶20の航海計画を作成する。この航海計画は、例えば、発着地点間の航路と、航路中のウェイポイント(変針点)、航路のウェイポイント間の後述の目標船速Vtと、船舶20の識別情報と、船舶20の出発地点および到着地点(発着地点)と、出発時刻および目標到着時刻(発着時刻)と、その航路を運航した場合に予想される船舶20の燃料消費量等を含む。航海計画作成装置11は、例えば、発着地点間において発着時刻内で航行され得る複数の航海計画を公知の方法を用いて作成し、その作成した航海計画のうち、燃料消費量が最も少ない航路を含む航海計画を決定する。航海計画作成装置11は、決定した航海計画を船舶20に送信することができる。
図2は、第1実施形態の船舶20の構成を概略的に例示する。船舶20は、推進機構30と、制御装置40と、船速センサ50と、船位出力装置60と、情報提供装置70と、テレグラフ装置100と、を含む。
推進機構30は、船体を推進させる推進力を生じさせる機構である。推進機構30は、船体を推進させ得るものであればよい。本実施形態の推進機構30は、原動機としてディーゼルエンジン(以下、「主機」という)を備え、主機によってシャフトを駆動することによりプロペラを回転させて推進力を得る(主機、シャフト、プロペラのいずれも不図示)。
テレグラフ装置100は、処理装置110と、操作ハンドル120と、ディスプレイ130と、を含む。処理装置110は、操作ハンドル120の位置(以下、「ハンドル位置P」という)に応じた大きさの推進力の指令値を含む指令信号を制御装置40に送信する。操船者は、操作ハンドル120の位置を変えることによって、推進機構30の推進力を、ゼロ、前進及び後進を含む所定の範囲内で変更できる。本実施形態では、推進機構30の推進力の指令値は主機の回転数の指令値を示し、指令信号はこの主機の回転数の指令値を含む。また、処理装置110は、ディスプレイ130に表示する各種画像(後述の速度表示領域等)を生成する。
なお、図2では、テレグラフ装置100は一台しか示していないが、本実施形態では、船舶20の異なる位置、例えばブリッジ、コントロールルーム及び機関室にそれぞれテレグラフ装置100が設けられている(つまり、船舶20に複数台のテレグラフ装置100が設けられている)。しかし、これに限定されず、船舶20に少なくとも1台のテレグラフ装置100が設けられればよい。
制御装置40は、テレグラフ装置100の指令信号に応じて推進機構30に発生させる推進力を制御する。本実施形態では、テレグラフ装置100の指令信号に基づいて推進機構30としての主機の燃料噴射量を制御することにより、主機の回転数を制御(増減、停止等)する。
船速センサ50は、船舶20の現在の船速(実船速V)を計測する。後述の第6実施形態を除く各実施形態では、船体の対地船速を用いて実船速V及び目標船速Vtを表すものとする。
船位出力装置60は、衛星航法システム、例えばGPS用の衛星から送信される衛星航法システム用信号、例えばGPS信号を受信する例えばGPS受信機(図示せず)の受信信号に基づいて、例えば船舶20の緯度及び経度などの現在の船舶20の位置(以下、現在の船位という)を出力する。
情報提供装置70は、目標船速Vt等を制御目標値としてテレグラフ装置100に提供する。本実施形態の情報提供装置70は、管理センタ10から提供された航海計画を記憶しており、例えば、船位出力装置60から出力された現在の船位に対応する、航海計画におけるウェイポイント間の目標船速Vtをテレグラフ装置100に提供する。本実施形態では、目標船速Vtにより制御目標値が表される。
図3は、第1実施形態の処理装置110の機能ブロック図である。第1実施形態の処理装置110は、取得部101と、決定部102と、表示部103と、記憶部104と、を備える。以下の各図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
取得部101は、船舶20の実船速V及び目標船速Vtを取得する。決定部102は、後述の目標船速範囲Vrを決定する。表示部103は、実船速V等を表示する。記憶部104は、テレグラフ装置100の各種処理を実行するためのプログラム、予め設定された後述のプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vm等を記憶している。
図4は、第1実施形態の処理装置110の処理S100を示すフローチャートである。処理S100は、所定の時間間隔(例えば、数マイクロ秒)で実行される。
ステップS101で、取得部101は、船舶20の実船速V及び目標船速Vtを取得する。船舶20の実船速Vは、例えば、船速センサ50の検知結果から取得される。目標船速は、情報提供装置70から提供される。ステップS101の後、処理S100はステップS102に進む。
ステップS102で、決定部102は、取得した目標船速Vt、プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmに基づいて、目標船速範囲Vrを決定する。本実施形態の決定部102は、(Vt-Vm)から(Vt+Vp)の船速範囲を目標船速範囲Vrとして決定する。本実施形態では、プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmは0より大きく且つ同じ値に設定される。ステップS102の後、処理S100はステップS103に進む。
ステップS103で、表示部103は、取得した実船速V及び目標船速Vt、並びに決定した目標船速範囲Vrを示す速度表示領域Rをディスプレイ130に表示する。図5は、実船速V、目標船速Vt、目標船速範囲Vrの速度表示領域Rの例を示す。図5では、例として、速度表示領域Rが0knから30knを下限及び上限とする船速範囲を示すが、これに限定されず、船速範囲の下限及び上限は適宜変更可能である。
図5の速度表示領域Rでは、実船速Vと目標船速Vtと目標船速範囲Vrとが同じ速度軸x上で表示される。図5の速度表示領域Rにおいて、実船速V、目標船速Vt及び目標船速範囲Vrはその変化に応じて速度軸x上を移動する。図5の例では、実船速Vは速度軸x上において実線で表示され、目標船速Vtは速度軸x上において点線で表示され、目標船速範囲Vrは(Vt-Vm)から(Vt+Vp)の船速範囲を示す四角形の領域により表示される。ただし、これに限定されず、速度表示領域Rは種々の手法により実船速Vと目標船速Vtと目標船速範囲Vrとを表示することができる。
なお、表示部103は、速度表示領域Rの他にも、例えば、実回転数を示す表示領域や航路を示す表示領域等をティスプレイに表示してもよい。
ステップS103の後、処理S100は終了する。
ここで、従来、テレグラフ装置100には主機の実回転数が表示され、操船者はこの表示された実回転数に基づいて必要に応じてテレグラフ装置100を操作することにより、船速等を調整している。しかし、船舶20の実船速は船舶20が航行している海域における気象及び海象により変動する。そのため、従来のようにテレグラフ装置100に表示された実回転数に基づいて船速を調整したとしても、船舶20の実船速を所望のように調整しにくい場合があった。
また、従来、船舶20では、テレグラフ装置100が設けられた場所とは別の場所に船速センサ50の計測した実船速を表示する航海機器が設けられており、テレグラフ装置100を扱う操船者とは別の人がこの航海機器に表示された実船速を確認し、操船者にその実船速を連絡していた。そのため、テレグラフ装置100を操作する操船者が実船速を把握するのに手間がかかっていた。
さらに、運航時に作成される航海計画においては、航路中のウェイポイント間で目標船速が設定されることが一般的である。従来のように、テレグラフ装置100において主機の実回転数を表示する場合、船舶20の実船速を目標船速に合わせて調整しにくいという問題もあった。
上記に対し、本実施形態では、表示部103は、実船速を表示する。本構成によると、実船速をテレグラフ装置100で表示することにより、実船速を所望のように調整しやすくなる。
本実施形態では、表示部103は、実船速Vと目標船速Vt(制御目標値)とを表示する。本構成によると、実船速を目標船速に調整しやすくなる。
本実施形態では、表示部103は、実船速Vと目標船速Vtとを同じ速度軸x上で表示する。本構成によると、実船速Vを目標船速Vtに合わせるように調整することが極めて容易になる。
本実施形態では、決定部102は(Vt-Vm)から(Vt+Vp)の船速範囲を目標船速範囲Vrとして決定する。本構成によると、実船速Vが目標船速Vtから逸脱してしまうことを抑制できる。
以下、変形例について説明する。
実施形態では、航海計画作成装置11は、管理センタ10に設けられたが、これに限定されず、例えば、船舶20に設けられてもよい。
実施形態では、推進機構30の例として主機を挙げたが、これに限定されない。推進機構30は、例えば、テレグラフ装置100の指令信号に応じてプロペラ翼の翼角を変更可能な可変ピッチプロペラや電力供給に応じてトルクを出力することにより推進力を発生させる推進モータ等であってもよい(いずれも不図示)。
実施形態では、制御目標値の例として目標船速Vtを挙げたが、これに限定されず、制御目標値は、例えば、主機や推進モータの目標回転数、可変ピッチプロペラの目標翼角等であってもよい。
実施形態では、実船速V、目標船速Vt及び目標船速範囲Vrが同時に表示されたが、これに限定されず、例えば、実船速Vのみが表示されてもよい。また、例えば、実船速Vとともに、目標船速Vt及び目標船速範囲Vrの少なくとも1つが表示されてもよい。
実施形態では、実船速Vと目標船速Vtとが同じ速度軸x上で表示されたが、これに限定されず、表示部103は、実船速V及び目標船速Vtを別の速度軸上で表示したり、実船速V及び目標船速Vtを別の箇所で数値により表示してもよい。本構成によると、実船速Vを目標船速Vtに合わせるように調整することが容易になる。また、実船速Vと目標船速Vtと目標船速範囲Vrとがそれぞれ異なる色で表示されてもよい。
実施形態では、決定部102は、(Vt-Vm)から(Vt+Vp)の船速範囲を目標船速範囲Vrとして決定したが、これに限定されず、Vtから(Vt+Vp)、(Vt-Vm)から(Vt+Vp)、(Vt-Vm)からVtのうちの少なくとも1つの船速範囲を目標船速範囲Vrとして決定してもよい。例えば、上記船速範囲のうちの複数の船速範囲が目標船速範囲Vrとして決定された場合、決定された複数の船速範囲が目標船速範囲Vrとしてそれぞれ表示されればよい。例えば、ユーザ入力や船舶20が航行している領域に基づいてこれらの船速範囲のいずれを目標船速範囲Vrとするかが決定されればよい。
実施形態では、プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmは同じ値としたが、これに限定されず、プラス側余裕値Vpとマイナス側余裕値Vmとは異なってもよい。本構成によると、例えば、プラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを大きくすることにより、操船者が燃料の消費をより抑制する低船速運航を心掛けるように誘導することができ、逆に目的地への到着時刻厳守が要求される場合、プラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを小さくすることにより、定時到着を重視した高速運航を心掛けるように誘導することができる。
実施形態では、プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmは予め設定されたものとしたが、これに限定されない。例えば、決定部102は、テレグラフ装置100のユーザ入力装置(不図示)を介したユーザ入力に基づいてプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmを決定してもよい。本構成によると、状況に応じて操船者が適切な運航を心掛けるように誘導できる。また、プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmは、それぞれ、例えば、航行している領域毎に定められてもよい。
表示部103は、船舶20の航行状態が所定の航行基準を満たさない場合には目標船速Vt(制御目標値)を表示しなくてもよい。「船舶20の航行状態が航行基準を満たさない場合」とは、例えば、荒天時、船舶20の推進機構30や制御装置40等の異常や故障が発生した場合などの目標船速Vtに合わせて操船したときに燃料消費量が大きく増加してしまう場合や運航の安全性が損なわれる場合、テレグラフ装置100や管理センタ10のユーザ入力装置(不図示)を介して船舶20の航行状態が所定の燃費又は安全基準を満たさないことを示すユーザ入力をテレグラフ装置100が受け付けた場合などを指す。所定の航行基準を満たさない場合に実船速Vを目標船速Vtに合わせようとすると、燃料消費量が逆に増加したり運航の安全性を損なうことが想定されるため、これを抑制することが可能となる。
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
第2実施形態では、情報提供装置70は、例えば、目標船速Vtに加えて、船位出力装置60から出力された現在の船位に基づいて、船舶20が次に到達するウェイポイント及びそのウェイポイントの目標到達時刻をテレグラフ装置100に提供する。
図6は、第2実施形態の処理装置110の機能ブロック図である。図6に示すように、第2実施形態の処理装置110は、次に到達するウェイポイントの予測到達時刻を予測する予測部105を備える。
図7は、第2実施形態の処理装置110の処理S200を示すフローチャートである。図7のステップS206及びS207は、特に言及する点を除いて図4のステップS102及びS103と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
ステップS201で、取得部101は、船舶20の実船速V、目標船速Vt、船舶20が次に到達するウェイポイント、次に到達するウェイポイントの目標到着時刻、及び現在の船位を取得する。船舶20が次に到達するウェイポイント及び次に到達するウェイポイントの目標到着時刻は、情報提供装置70から取得される。現在の船位は船位出力装置60から取得される。ステップS201の後、処理S200はステップS202に進む。
ステップS202で、予測部105は、次に到達するウェイポイントの予測到達時刻を予測する。例えば、予測部105は、船位等に基づいて、公知の手法により次に到達するウェイポイントの予測到達時刻を算出することができる。ステップS202の後、処理S200はステップS203に進む。
ステップS203で、決定部102は、予測到達時刻が目標到達時刻よりも前であるか、後であるか、又は両者が同じ時刻のいずれであるかを判断する。予測到達時刻が目標到達時刻よりも前である場合、処理S200はステップS204に進む。予測到達時刻が目標到達時刻よりも後である場合、処理S200はステップS205に進む。予測到達時刻と目標到達時刻とが同じ時刻である場合、処理S200はステップS206に進む。
ステップS204で、決定部102は、プラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを大きく設定し、設定したプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmに基づいて目標船速範囲Vrを決定する。例えば、決定部102は、本実施形態のようにプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmが同じ値に設定されている場合、プラス側余裕値Vpを所定値減算し、マイナス側余裕値Vmを所定値加算することにより、プラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを大きく設定する。ステップS204の後、処理S200はステップS207に進む。
ステップS205で、決定部102は、マイナス側余裕値Vmよりもプラス側余裕値Vpを大きく設定し、設定したプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmに基づいて目標船速範囲Vrを決定する。例えば、決定部102は、本実施形態のようにプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmが同じ値に設定されている場合、プラス側余裕値Vpを所定値加算し、マイナス側余裕値Vmを所定値減算することにより、マイナス側余裕値Vmよりもプラス側余裕値Vpを大きく設定する。ステップS205の後、処理S200はステップS207に進む。
ステップS206で、決定部102は、目標船速範囲Vrを決定する。ステップS206の後、処理S200はステップS207に進む。
ステップS207の後、処理S200は終了する。
第2実施形態では、決定部102は、次に到達するウェイポイントの予測到達時刻がそのウェイポイントの目標到達時刻よりも前の場合にはプラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを大きく設定し、次に到達するウェイポイントの予測到達時刻がそのウェイポイントの目標到達時刻よりも後の場合にはマイナス側余裕値Vmよりもプラス側余裕値Vpを大きく設定する。本構成によると、船舶20が予定よりも先に進行している場合にはプラス側余裕値Vpを小さくすることにより燃料消費を抑制するような運航を心掛けるように誘導することができ、船舶20が予定よりも遅延している場合にはプラス側余裕値Vpを大きくすることにより遅延を解消して定時到着するような運航を心掛けるように誘導することができる。
第3実施形態
以下、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の図面および説明では、第2実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第2実施形態と重複する説明を適宜省略し、第2実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の図面および説明では、第2実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第2実施形態と重複する説明を適宜省略し、第2実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図8は、第3実施形態の処理装置110の機能ブロック図である。図8に示すように、第3実施形態の処理装置110は、次に到達するウェイポイントの予測到達時刻がそのウェイポイントの目標到達時刻よりも前の場合には次に到達するウェイポイントに対して船舶20が予定よりも先行している度合いを示す先行度合いを判断し、次に到達するウェイポイントの予測到達時刻がそのウェイポイントの目標到達時刻よりも後の場合には次に到達するウェイポイントに対して船舶20が予定よりも遅延している度合いを示す遅延度合いを判断する判断部106を備える。
図9は、第3実施形態の処理装置110の処理S300を示すフローチャートである。図9のステップS301~S303、S308、S309は、特に言及する点を除いて図7のステップS201~S203、S206、S207と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
ステップS301及びS302を経て、ステップS303で、決定部102は、予測到達時刻が目標到達時刻よりも前であるか、後であるか、又は両者が同じ時刻のいずれであるかを判断する。予測到達時刻が目標到達時刻よりも前である場合、処理S300はステップS304に進む。予測到達時刻が目標到達時刻よりも後である場合、処理S300はステップS306に進む。予測到達時刻と目標到達時刻とが同じ時刻である場合、処理S300はステップS308に進む。
ステップS304で、判断部106は、次に到達するウェイポイントに対して船舶20が予定よりも先行している度合いを示す先行度合いを判断する。例えば、判断部106は、予測到達時刻と目標到達時刻との差分の時間を算出し、この算出した差分の時間を先行度合いとして判断する。例えば、判断部106は、予測到達時刻が目標到達時刻の1時間(h)前である場合には、先行度合いを1hとすることができる。ただし、これに限定されず、判断部106は、種々の手法により先行度合いを判断可能である。ステップS304の後、処理S300はステップS305に進む。
ステップS305で、決定部102は、上記先行度合いに基づいてプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmを設定して目標船速範囲Vrを決定する。具体的には、決定部102は、上記先行度合いが相対的に大きい場合には上記先行度合いが相対的に小さい場合に比べてマイナス側余裕値Vmを大きい値に設定し且つプラス側余裕値Vpを小さい値に設定する。例えば、決定部102は、上記先行度合いに比例してプラス側余裕値Vpを小さくし且つマイナス側余裕値Vmを大きくする。また、例えば、決定部102は、上記先行度合いの値の範囲に応じてプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmをそれぞれステップ状に増減させてもよい(例えば、0≦(上記先行度合い)<1hの場合はプラス側余裕値Vpを1だけ減算し、マイナス側余裕値Vmを1だけ加算し、1h≦(上記先行度合い)<2hの場合はプラス側余裕値Vpを2だけ減算し、マイナス側余裕値Vmを2だけ加算する)。ステップS305の後、処理S300はステップS309に進む。
ステップS306で、判断部106は、次に到達するウェイポイントに対して船舶20が予定よりも遅延している度合いを示す遅延度合いを判断する。例えば、判断部106は、予測到達時刻と目標到達時刻との差分の時間を算出し、この算出した差分の時間を遅延度合いとして判断する。例えば、判断部106は、予測到達時刻が目標到達時刻の1h後である場合には、遅延度合いを1hとすることができる。ただし、これに限定されず、判断部106は、種々の手法により遅延度合いを判断可能である。ステップS306の後、処理S300はステップS307に進む。
ステップS307で、決定部102は、上記遅延度合いに基づいてプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmを設定して目標船速範囲Vrを決定する。具体的には、決定部102は、上記遅延度合いが相対的に大きい場合には上記遅延度合いが相対的に小さい場合に比べてプラス側余裕値Vpを大きい値に設定し且つマイナス側余裕値Vmを小さい値に設定する。例えば、決定部102は、上記遅延度合いに基づいて、ステップS305において上述した上記先行度合いに基づくプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmの設定手法と同様の手法を利用して、プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmを設定することができる。ステップS307の後、処理S300はステップS309に進む。
ステップS309の後、処理S300は終了する。
第3実施形態では、決定部102は、上記先行度合いが相対的に大きい場合には上記進行度合いが相対的に小さい場合に比べてマイナス側余裕値Vmをより大きい値に設定し且つプラス側余裕値Vpをより小さい値に設定し、上記遅延度合いが相対的に大きい場合には上記遅延度合いが相対的に小さい場合に比べてプラス側余裕値Vpをより大きい値に設定し且つマイナス側余裕値Vmをより小さい値に設定する。本構成によると、先行度合い及び遅延度合いに応じてプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmを適切に決定できるため、より効果的に燃料消費の抑制や定時到着のための運航を心掛けるように誘導することが可能となる。
第4実施形態
以下、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図10は、第4実施形態の処理装置110の処理S400を示すフローチャートである。図10のステップS404及びS405は、特に言及する点を除いて図4のステップS102及びS103と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
ステップS401で、取得部101は船舶20の実船速V、目標船速Vt、及び現在の燃料消費量(以下、実燃料消費量という)を取得する。本実施形態の実燃料消費量は、例えば、その船舶20が出発したときから現在の時点までの燃料消費量である。船舶20の実燃料消費量は、例えば、主機に燃料を供給するための燃料配管(不図示)内を移動する燃料の流量を計測する流量計の計測値に基づいて公知の方法により算出される。実燃料消費量は、例えば、主機の運転状態(例えば、主機の負荷、燃料噴射量指令値など)から公知の手法により算出されてもよい。ステップS401の後、処理S400はステップS402に進む。
ステップS402で、決定部102は、実燃料消費量が消費量基準値以上であるか否かを判断する。消費量基準値は、例えば、航海距離に比例して大きくなるように記憶部104に予め記憶されている。決定部102は、例えば、航海距離に基づいて適切な消費量基準値を記憶部104から読み出して使用する。消費量基準値は、これに限定されず、例えば航海計画においてウェイポイント毎に設定するなど、適宜設定可能である。実燃料消費量が消費量基準値以上である場合(ステップS402のY)、処理S400はステップS403に進む。実燃料消費量が消費量基準値以上ではない場合(ステップS402のN)、処理S400はステップS404に進む。
ステップS403で、決定部102は、プラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを大きく設定し、設定したプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmに基づいて目標船速範囲Vrを決定する。ステップS403は図7のステップS204と同様であるため、その説明を省略する。ステップS403の後、処理S400はステップS405に進む。
ステップS404で、決定部102は、目標船速範囲Vrを決定する。ステップS404の後、処理S400はステップS405に進む。
ステップS405の後、処理S400は終了する。
第4実施形態では、決定部102は実燃料消費量が消費量基準値以上の場合にはプラス側余裕値Vpよりもマイナス側余裕値Vmを大きく設定する。本構成によると、実燃料消費量が消費量基準値以上の場合に操船者に燃料の消費を抑えるような運航を心掛けるように誘導することができる。
第5実施形態
以下、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図11は、第5実施形態の処理装置110の処理S500を示すフローチャートである。図11のステップS505及びS507は、特に言及する点を除いて図7のステップS204及びS207と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
ステップS501で、取得部101は、船舶20の実船速V、目標船速Vt、及び現在の船位を取得する。ステップS501の後、処理S500はステップS502に進む。
ステップS502で、決定部102は、船舶20が航路の出発地点から所定の航行距離を進行したか否かを判断する。船舶20の航行距離は、例えば、現在の船位及び船舶20の航路に基づいて公知の方法を用いて算出される。所定の航行距離は、適宜設定される。出発地点から第1航行距離が進行した場合(ステップS502のY)、処理S500はステップS504に進む。出発地点から第1航行距離が進行していない場合(ステップS502のN)、処理S500はステップS503に進む。
ステップS503で、決定部102は、マイナス側余裕値Vmよりもプラス側余裕値Vpを大きく設定する。プラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmの設定手法は、上述のステップS205と同様であるため、その説明を省略する。ステップS503の後、処理S500はステップS504に進む。
ステップS504で、決定部102は、現在の船位から船舶20の航路の到着地点までの航行距離が所定の到着距離よりも小さいか否かを判断する。所定の到着距離は適宜設定される。所定の到着距離よりも小さい場合(ステップS504のY)、処理S500はステップS505に進む。所定の到着距離よりも小さくない場合(ステップS504のN)、処理S500はステップS506に進む。
ステップS505で、決定部102は、マイナス側余裕値Vmよりもプラス側余裕値Vpを大きく設定し、設定したプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmに基づいて目標船速範囲Vrを決定する。ステップS505の後、処理S500はステップS507に進む。
ステップS506で、決定部102は、目標船速範囲Vrを決定する。ここでは、ステップS503においてプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmが設定された場合(ステップS502のNの場合)にはその設定された値が用いられ、そうではない場合(ステップS502のYの場合)には記憶部104において予め設定されていたプラス側余裕値Vp及びマイナス側余裕値Vmが用いられる。ステップS506の後、処理S500はステップS507に進む。
ステップS507の後、処理S500は終了する。
第5実施形態では、決定部102は、船舶20の航路の出発地点から所定の航行距離を進行するまでマイナス側余裕値Vmをプラス側余裕値Vpよりも大きく設定する。本構成によると、出港直後には操船者に燃料の消費を抑えるような運航を心掛けるように誘導し、到着地点が近づいた際に定時到着のための運航を心掛けるように誘導することが可能となる。その結果、燃料の消費の抑制と定時到着の確実性とを両立できるような運航を操船者に促すことが可能となる。
第6実施形態
以下、本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図12は、第6実施形態の処理装置110の機能ブロック図である。図12に示すように、第6実施形態の処理装置110は、目標対水船速Vtwを算出する算出部107を備える。第6実施形態では、船速センサ50は、現在の対地船速(以下、実対地船速という)と現在の対水船速(以下、実対水船速という)とをそれぞれ計測する。第6実施形態では、船舶20の実対地船速をVe、船舶20の実対水船速をVw、船舶20の目標対地船速をVte、船舶20の目標対水船速をVtwとする。ここで、航海計画において設定される目標船速Vtは目標対地船速Vteを表す。
図13は、第6実施形態の処理装置110の処理S600を示すフローチャートである。
ステップS601で、取得部101は、実対地船速Veと、実対水船速Vwと、目標対地船速Vteとを取得する。実対地船速Ve及び実対水船速Vwは船速センサ50から提供される。目標対地船速Vteは、情報提供装置70から提供される。ステップS601の後、処理S600はステップS602に進む。
ステップS602で、算出部107は、Vtw=Vte+Vw-Veに基づいて目標対水船速Vtwを算出する。ステップS602の後、処理S600はステップS603に進む。
ステップS603で、決定部102は、目標対水船速範囲Vrwを決定する。第6実施形態の決定部102は、(Vtw-Vm)から(Vtw+Vp)の船速範囲を目標対水船速範囲Vrwとして決定する。ステップS603の後、処理S600はステップS604に進む。
ステップS604で、表示部103は、実対水船速Vw、目標対水船速Vtw及び目標対水船速範囲Vrwを表示する。ステップS604の後、処理S600は終了する。
ここで、航海計画において設定される目標船速Vtは一般的には対地船速によって表される。目標到着地点への定時到着を目的とする場合は、目標船速は対地船速で表した方が操船者等の視点からわかりやすいためである。一方で、潮流の向きが変わると対地船速は大きく変化する。例えば、同じ対水船速であっても、追い潮のときと向かい潮のときとでは対地船速は大きく異なる。仮にディスプレイ130において実船速等が対地船速で表される場合、頻繁に潮流が変わって実対地船速Veが変化する度に実対地船速Veを目標対地船速Vteに合わせるように操作ハンドル120を調整する必要が生じ、手間がかかる場合がある。
これに対し、第6実施形態では、表示部103は実対水船速Vwを実船速Vとして表示するとともに目標対水船速Vtwを表示する。本構成によると、実対水船速Vwは潮流の向きによって大きく変化しないことから、頻繁に潮流が変わるような状況においても、操作ハンドル120を頻繁に調整する手間を少なくすることが可能となる。
なお、例えばテレグラフ装置100のユーザ入力装置(不図示)のユーザ入力によって、表示部103は、対地船速又は対水船速で表示するように切り替えてもよいし、対地船速及び対水船速の両方を表示してもよい。
第7実施形態
以下、本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図14は、第7実施形態の処理装置110の機能ブロック図である。図14に示すように、第7実施形態の処理装置110は、実船速Vが後述の中間船速範囲外である場合に実船速Vが中間船速範囲外である旨を警告する警告部108を備える。第7実施形態では、記憶部104は、0より大きく且つプラス側余裕値Vp以下の値を有するプラス側中間余裕値Vp’と、0より大きく且つマイナス側余裕値Vm以下の値を有するマイナス側中間余裕値Vm’とを記憶している。
図15は、第7実施形態の処理装置110の処理S700を示すフローチャートである。図15のステップS701は、特に言及する点を除いて図4のステップS101と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
ステップS701の後、ステップS702で、決定部102は、目標船速範囲及び中間船速範囲Vr’を決定する。本実施形態では、決定部102は、(Vt-Vm’)から(Vt+Vp’)の船速範囲を中間船速範囲Vr’として決定する。ステップS702の後、処理S700はステップS703に進む。
ステップS703で、表示部103は、取得した実船速V及び目標船速Vt、並びに決定した目標船速範囲Vr及び中間船速範囲Vr’を示す速度表示領域Rをディスプレイ130に表示する。図16は、実船速V、目標船速Vt、目標船速範囲Vr、中間船速範囲Vr’の速度表示領域Rの例を示す。
図16の速度表示領域Rでは、実船速Vと目標船速Vtと目標船速範囲Vrとに加え、中間船速範囲Vr’が同じ速度軸x上で表示される。図16の例では、中間船速範囲Vr’は、(Vt-Vm’)から(Vt+Vp’)の船速範囲を示し且つ目標船速範囲Vrよりも小さい四角形の領域により表示される。ただし、これに限定されず、速度表示領域Rは種々の手法により中間船速範囲Vr’を表示することができる。ステップS703の後、処理S700はステップS704に進む。
ステップS704で、警告部108は、実船速Vが中間船速範囲外であるか否かを判断する。実船速Vが中間船速範囲外である場合(ステップS704のY)、処理S700はステップS705に進む。実船速Vが中間船速範囲外ではない場合(ステップS704のN)、処理S700は終了する。
ステップS705で、警告部108は、実船速Vが中間船速範囲外である旨を警告する。例えば、警告部108は、ディスプレイ130やテレグラフ装置100に設けられたスピーカ(不図示)を用いて実船速Vが中間船速範囲外である旨を表示させたり音声出力させることができる。本構成によると、実船速Vが中間船速範囲外になった時点でその旨を警告できるため、実船速Vが目標船速範囲Vrから逸脱することを抑制するような運航を操船者に促すことが可能となる。
ステップS705の後、処理S700は終了する。
実施形態では、決定部102は、(Vt-Vm’)から(Vt+Vp’)の船速範囲を中間船速範囲Vr’として決定したが、これに限定されず、Vtから(Vt+Vp’)、(Vt-Vm’)から(Vt+Vp’)、(Vt-Vm’)からVtのうちのいずれかの船速範囲を中間船速範囲Vr’として決定してもよい。例えば、ユーザ入力や船舶20が航行している領域に基づいてこれらの船速範囲のいずれを中間船速範囲Vr’とするかが決定されればよい。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述した各実施形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
1 航海システム、 10 管理センタ、 20 船舶、 30 推進機構、 40 制御装置、 50 船速センサ、 60 船位出力装置、 70 情報提供装置、 100 テレグラフ装置、 101 取得部、 102 決定部、 103 表示部、 104 記憶部、 105 予測部、 106 判断部、 107 算出部、 108 警告部、 110 処理装置、 120 操作ハンドル、 130 ディスプレイ。
Claims (15)
- 船舶の実船速を取得する取得部と、
前記実船速を表示する表示部と、
を備える、
テレグラフ装置。 - 前記取得部は前記船舶を推進させる推進機構に発生させる推進力の目安として制御目標値を取得し、
前記表示部は前記実船速と前記制御目標値とを表示する、
請求項1に記載のテレグラフ装置。 - 前記制御目標値は船舶の目標船速を示し、
前記表示部は前記実船速と前記目標船速とを同じ速度軸上を表示する、
請求項2に記載のテレグラフ装置。 - 前記制御目標値は船舶の目標船速を示し、
前記目標船速をVt、前記目標船速からのプラス側余裕値をVp、前記目標船速からのマイナス側余裕値をVmとすると、
Vtから(Vt+Vp)、(Vt-Vm)から(Vt+Vp)、(Vt-Vm)からVtのうちの少なくとも1つの船速範囲を目標船速範囲として決定する決定部を備え、
前記表示部は前記目標船速範囲を表示する、
請求項2に記載のテレグラフ装置。 - 前記プラス側余裕値と前記マイナス側余裕値とは異なる、
請求項4に記載のテレグラフ装置。 - 前記取得部は、前記船舶の航路におけるウェイポイントと、前記ウェイポイントの目標到達時刻と、を取得し、
次に到達する前記ウェイポイントの予測到達時刻を予測する予測部を備え、
前記決定部は、前記次に到達するウェイポイントの前記予測到達時刻がそのウェイポイントの前記目標到達時刻よりも前の場合には前記プラス側余裕値よりも前記マイナス側余裕値を大きく設定し、前記次に到達するウェイポイントの前記予測到達時刻がそのウェイポイントの前記目標到達時刻よりも後の場合には前記マイナス側余裕値よりも前記プラス側余裕値を大きく設定する、
請求項4に記載のテレグラフ装置。 - 前記次に到達するウェイポイントの前記予測到達時刻がそのウェイポイントの前記目標到達時刻よりも前の場合には前記次に到達するウェイポイントに対して前記船舶が予定よりも先行している度合いを示す先行度合いを判断し、前記次に到達するウェイポイントの前記予測到達時刻がそのウェイポイントの前記目標到達時刻よりも後の場合には前記次に到達するウェイポイントに対して前記船舶が予定よりも遅延している度合いを示す遅延度合いを判断する判断部を備え、
前記決定部は前記先行度合いが相対的に大きい場合には前記先行度合いが相対的に小さい場合に比べて前記マイナス側余裕値を大きい値に設定し且つ前記プラス側余裕値を小さい値に設定し、前記遅延度合いが相対的に大きい場合には前記遅延度合いが相対的に小さい場合に比べて前記プラス側余裕値を大きい値に設定し且つ前記マイナス側余裕値を小さい値に設定する、
請求項6に記載のテレグラフ装置。 - 前記取得部は前記船舶の実燃焼消費量を取得し、
前記決定部は前記実燃焼消費量が消費量基準値以上の場合には前記プラス側余裕値よりも前記マイナス側余裕値を大きく設定する、
請求項4に記載のテレグラフ装置。 - 前記決定部は、前記船舶の航路の出発地点から所定の航行距離を進行するまで前記マイナス側余裕値を前記プラス側余裕値よりも大きく設定し、前記船舶の現在の船位から前記航路の到着地点までの前記船舶の航海距離が所定の到着距離以内の場合には前記プラス側余裕値を前記マイナス側余裕値よりも大きく設定する、
請求項4に記載のテレグラフ装置。 - 前記決定部はユーザ入力に基づいて前記プラス側余裕値及び前記マイナス側余裕値を決定する、
請求項4に記載のテレグラフ装置。 - 0より大きく且つ前記プラス側余裕値Vp以下の値をプラス側中間余裕値Vp’とし、0より大きく且つ前記マイナス側余裕値Vm以下の値をマイナス側中間余裕値Vm’とすると、
前記決定部はVtから(Vt+Vp’)、(Vt-Vm’)から(Vt+Vp’)、(Vt-Vm’)からVtのうちのいずれかの船速範囲を中間船速範囲として決定し、
前記実船速が前記中間船速範囲外である場合に前記実船速が前記中間船速範囲外である旨を警告する警告部を備える、
請求項4に記載のテレグラフ装置。 - 前記取得部は、前記船舶の実対地船速Veと、前記船舶の実対水船速Vwと、目標対地船速Vteとを取得し、
目標対水船速をVtwとすると、Vtw=Vte+Vw-Veに基づいて前記目標対水船速を算出する算出部を備え、
前記表示部は前記実対水船速を前記実船速として表示するとともに前記目標対水船速を表示する、
請求項1から11のいずれか1項に記載のテレグラフ装置。 - 前記表示部は前記船舶の航行状態が所定の航行基準を満たさない場合には前記制御目標値を表示しない、
請求項2から11のいずれか1項に記載のテレグラフ装置。 - 船舶の実船速を取得するステップと、
前記実船速をテレグラフ装置のディスプレイに表示するステップと、
を備える、
方法。 - コンピュータに、
船舶の実船速を取得するステップと、
前記実船速をテレグラフ装置のディスプレイに表示するステップと、
を実行させるためのプログラム。
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