JP2023173745A - ヘルメット用音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動二輪車を走行させたときに生ずる特有の問題を解決して快適に自動二輪車を走行させることができるようにしたヘルメット用音響装置を提供する。【解決手段】 自動二輪車用のヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、駆動信号を発生する音響装置本体と、ヘルメットの左右の側面に固定され、駆動信号によりヘルメットを振動させて音響を発生する加振型音響ユニットを有し、加振型音響ユニット内の外音マイクで検出した外部の騒音の位相を反転した音響信号を、音楽の音響信号と合成処理した駆動信号により音響を発生して、外部の騒音がノイズキャンセルされるようにしたので、快適に自動二輪車を走行させることができるものとなった。【選択図】図3

Description

本発明はヘルメット用音響装置に関する。より詳細には自動二輪車用のヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置に関する。
近年、自動二輪車用のヘルメットを装着したままで、音響を聞けるようにした装置が求められている。この場合、自動二輪車を走行させたときに生ずる特有の問題を解決して快適に自動二輪車を走行させることができるようにすることが必要となる。
従来のこれらの構成を有するヘルメット用音響装置として、非特許文献1にて開示されたものがある。この音響装置は自動二輪車を走行させているときに通話を可能とするインカム装置であって、同じインカム装置同士で最大8人のインターコム会話が可能に構成されている。また、スマートフォン等の携帯端末とBluetooth(登録商標)によりペアリングすれば、ツーリング仲間との連絡、安全確認を取りつつ、音楽、GPS案内を自由に聞きながら、自動二輪車のライドを楽しむことができる。このインカム装置は、Bluetoothモジュール及び、Bluetoothモジュールとケーブルで接続された2つのスピーカー、マイク、音量等を操作する操作ボタン、アンテナのユニットを有している。
ここで、このインカム装置は、非特許文献2にて開示されている自動二輪車用ヘルメット等専用にデザインされたものであり、このヘルメットにはインカム装置を取り付けるための構成を備えている。すなわち、ヘルメット内面の耳近傍の位置には凹部、そして溝を有し、2つのスピーカーが凹部に、溝にケーブルが配線されて収納され取り付けられる。マイクもアームの根本が同様に取り付けられるよう構成されている。ヘルメットの後部の下縁部は背面側に少し膨出しており、膨出部の内側の、ヘルメットの内側底部には上向きの凹部である収納凹部があり、Bluetoothモジュールが収納される。また、ヘルメット外面の左右側部の下縁部には略三角形の取り付け部を有し、着脱可能な三角カバーが設けられ、この三角カバーを取り付け部からそれぞれ取り外し、同様の外形を有する操作ボタンとアンテナのユニットが取り付け部に取り付けられる構成となっている。
また、これらのヘルメット用音響装置として、特許文献1にて開示されたものがある。この音響装置は自動二輪車を走行させているときに生ずる風切り音やエンジン音、排気音やロードノイズ等の騒音を特許文献1の図11のグラフに示すように減衰させる。そして、交差点や駐車場で停車した際等には、特許文献1の図10に示されるようにして、他のライダーと会話ができるように構成された音響信号処理装置である。すなわち、両耳近傍にはそれぞれスピーカーが設けられ、マイクで検出された騒音は位相を反転し、音声は同相のまま増幅してスピーカーから発することで、騒音減衰と音声会話支援とを両立させたものである。
ここで、この音響信号処理装置の外音を検出するマイクはヘルメットの下縁部またはその近傍の位置、さらに好ましくはヘルメットの外面に配置される。この場合、ヘルメット内部にあって耳近傍の位置にあるスピーカーとの間に音の伝達における時間差が生じるが、数ミリ秒乃至数十マイクロ秒程度の時間遅れを生ぜしめて、それにより音響発生処理に要する位相ずれを縮小させている。
また、これらのヘルメット用音響装置として、特許文献2にて開示されたものがある。このヘルメット用音響装置は、加振型音響発生器(エキサイター)であって、磁気回路とボイスコイルとが収納されたケースに、ヘルメットの外周曲面に密着する形状を有する凹曲面が設けられている。凹曲面はベース板表面に設けられており、ベース板はボイスコイルの一端部に嵌め込まれ一体となっている。ケース内には永久磁石を含む磁気回路が固定され、ケース内面に固定されたダンパーによりボイスコイルは保持されている。
この凹曲面により、ヘルメットの外周曲面に加振型音響発生器を容易かつ確実に密着させて取り付けることが可能となり、また満足する低音域を得ることができる。低音域を受け持つ加振型音響発生器をヘルメットの背面中央下部に1個取り付け、中高音域を受け持つ圧電素子型音響発生装置を2個、ヘルメットのバイザー(シールド)に取り付ければ、全音域で音楽特性が優れたものとなる。ここで、加振型音響発生器を低音域増強用として使用したが、高音域性能は劣るものの、全音域用としても使用できる。この場合、LR2チャンネルの加振型音響発生器をヘルメットの左右側面下部に取り付ければよい。
また、これらのヘルメット用音響装置として、本発明と同一の出願人により開発された、特許文献3にて開示されたものがある。このヘルメット用音響装置は、横型の筐体の左右にエキサイターを配置したものを、ヘルメットの背面に取り付けてヘルメットを振動させて、音響を発生させるように構成されたものである。背面の2つのエキサイターにより耳横部のヘルメットの部分が間接的に振動し、この振動により発生した音響が耳に届くので、周囲の音である外音も聞き取りやすく、また、耳近くにスピーカーを配置する必要がなくなるので、スピーカーが耳に当たる煩わしさから解放されるというメリットを有している。
SRLカタログ、[令和4年1月29日検索]、インターネット〈URL:https://senabluetooth.jp/global-image/units/upfiles/sena-SRL_detail.pdf〉 NEOTEC(登録商標)2、[令和4年1月29日検索]、インターネット〈URL:https://www.shoei.com/contact/rider/catalog/NEOTEC%20II_web_20201001.pdf〉
特許第6124203号公報 特開2008-236637号公報 特開2021-188169号公報
しかしながら、非特許文献1に記載の技術において、この音響装置を非特許文献2に記載の自動二輪車用ヘルメットに取り付けた場合、スピーカーのカバーの部分が耳に常に当接するため、耳を圧迫して煩わしいという不都合があった。自動二輪車で高速道路等の長距離を移動する際には、長時間にわたり耳の圧迫が続くことになり、使用者の大きな苦痛となるものであった。
また、非特許文献2に記載されているように、音量設定によっては周囲の音が聞こえなくなることがあり、音量を調整する必要があった。これは、耳近傍の位置にあるスピーカーで音を発生させ、その音が直接耳に届くので、マスキング効果により、周囲の音である外音が聞こえにくくなるということによる。この場合、緊急車両のサイレン等の緊急音が聞こえにくくなる等という不都合を生じるおそれのあるものであった。
更にまた、この音響装置に用いられているスピーカーは小口径のものであって、低音域の再生が難しいという不都合があった。
また、特許文献1に記載の技術では、非特許文献1に記載の技術と同様に両耳近傍にそれぞれスピーカーを取り付けるため、スピーカーが耳を圧迫するという不都合があった。また、音響信号処理装置のマイクはヘルメットの下縁部等の位置に取り付けられるが、この場合、下縁部等のどの位置にマイクを取り付けるかは、取り付ける人にまちまちになり、前後の位置関係が変わってしまう。そうすると、耳とマイクの間隔も変わることになり、距離が変われば音の伝達における時間差も変わるので、位相ずれに対する補正を十分に行うことが難しいという不都合があった。
また、特許文献1の図11のグラフに示されているように、高速走行時には数百Hzにピークを有する風切り音成分と、数kHzにピークを有するエンジン音、ロードノイズ、排気音成分という大きな騒音が発生する。そして、この風切り音成分の低音域の音を減衰させるために位相を反転した音をスピーカーで発生させるためには、小口径のスピーカーでは低音域の音の再生は難しい。すなわち、実際には、低音域の音の再生が可能なスピーカーボックスに入れた口径の大きなスピーカーを用いる必要がある。しかし、このようなスピーカーボックス付きの大きなスピーカーを、ヘルメットの内部に取り付けることは困難であるという不都合があった。
また、特許文献2に記載の技術では、特許文献2に記載があるように、加振型音響発生器を左右側面部に取り付けて全音域用に用いた場合、高音域性能は劣るものとなってしまうという不都合があった。また、特許文献2の図7及び図8に示されるように、左右側面部から加振型音響発生器が突出することになり、実際に自動二輪車を走行させた場合に、特に高速走行させたとき、問題となる。すなわち、ヘルメットの側面部は風が直接当たる部分であり、この突出部によって大きな風切り音が発生してしまうという不都合が生じる。
また、加振型音響発生器は、特許文献2の図7及び図8に示されるように、左右側面下部であって耳の近傍の位置に装着されている。そして、耳近傍の位置のヘルメットは加振型音響発生器により直接振動されることになるので、耳近傍では外音の伝達が難しくなり、外音が聞こえにくくなるという不都合があった。また、ヘルメットの側面部は丈夫で振動させにくい部分であり、この位置で満足する低音域を得るためには、大きな加振型音響発生器を用いる必要がある。この場合、ヘルメットの左右側面から大きく突出することになり、安全性にも問題が生じるという不都合があった。
また、特許文献3に記載の技術では、ヘルメット用音響装置をヘルメットの背面に取り付けたために、ヘルメット側面にある場合と異なり、エキサイターによる風切り音の発生等の不都合が生じることは少ないが、自動二輪車走行中に生じる一般的な風切り音等の騒音への対応はされていないという不都合があった。
本発明の目的は、自動二輪車のヘルメットを装着したままで音響を聞けるようにした装置において、自動二輪車を走行させたときに生ずる特有の問題を解決して快適に自動二輪車を走行させることができるようにしたヘルメット用音響装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。
本発明は、自動二輪車用のヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置に関する。
そして、ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生する音響装置本体と、音響装置本体と接続ケーブルで接続され、ヘルメットを振動させる加振型音響発生器と加振型音響発生器を収納する筐体とを備える2つの加振型音響ユニットを有し、2つの加振型音響ユニットはヘルメット外面の左右の側面にそれぞれ固定され、それぞれの加振型音響発生器が駆動信号により振動を発生させて、その振動によりヘルメットを振動させることにより音響が発生され、音響装置本体は携帯端末と通信可能に構成され、携帯端末からの音楽の音響信号により音響装置本体は駆動信号を発生し、加振型音響ユニットが駆動されてヘルメット内で音楽再生がされ、加振型音響ユニットには、筐体内にそれぞれ外音マイクが加振型音響発生器の近傍に収納され、外部の騒音を外音マイクにより検出し、音響装置本体で信号処理して外部の騒音の位相を反転した音響信号を、音楽再生がされている場合には音楽の音響信号と合成処理されて、駆動信号を発生し、これにより加振型音響ユニットが駆動されて、ヘルメット内においてノイズキャンセルがされるように構成されているように構成されていることを特徴とする。
また、2つの加振型音響ユニットは、それぞれヘルメットの左右側面の外面の下縁部に固定されていることを特徴とする。
また、加振型音響発生器と外音マイクは、それぞれの筐体内において、自動二輪車の進行方向に対して略前後に並んだ位置に収納されていることを特徴とする。
また、加振型音響発生器の定格入力は、1ワット以下であって、0.3ワット以上のものであることを特徴とする。
また、ヘルメット用音響装置は、音響装置本体と接続ケーブルで接続された音声マイクを有し、音声マイクと加振型音響ユニットを用いて、使用者は音響装置本体と通信可能に構成された携帯端末または音響装置本体を介して通話が可能に構成されていることを特徴とする。
また、ヘルメットの後部の内側底部には上向きの収納凹部を有し、音響装置本体の筐体の少なくとも一部が収納凹部に収納されて、取り付け可能に構成されていることを特徴とする。
また、ヘルメットの左右側面の外面の下縁部には、略三角形型の取り付け部を有し、加振型音響ユニットは同様の外形の略三角形型の形状をなし、取り付け部に取り付け可能に構成されていることを特徴とする。
また、音響装置本体の筐体は、収納凹部の開口部より広い面積で、開口部を覆って蓋をするような形の所定厚の底面の部分と、底面の部分の上面から上方向に膨出し、収納凹部に収納される膨出部を有し、底面の部分にはワイヤレス充電のための受電用コイルが設けられていることを特徴とする。
また、音響装置本体は収納凹部に少なくともその一部が収納されて取り付けられるよう構成されており、音響装置本体内のバッテリーに充電用の電源を供給する接続コネクターを有し、接続コネクターがヘルメットの下縁部より突出するとともに、ヘルメットの底部を下に載置したときの載置面に対して接続コネクターが略横方向に向いているように構成されているように構成されているように構成されていることを特徴とする。
また、ヘルメット用音響装置は、外音マイクが検出した外部の騒音について緊急音が所定音量以上ある場合には、ノイズキャンセルを中断するか、または緊急音の略音域幅の位相の反転を中断するよう構成されていることを特徴とする。
そして、ヘルメット用音響装置は、外音マイクが検出した外部の騒音について緊急音が所定音量以上ある場合には、音楽再生がされている場合には、音楽再生の音量を下げるか、または再生を中断するよう構成されていることを特徴とする
本発明によれば、上述の特徴を有することから、下記に示すことが可能となる。
自動二輪車用のヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生する音響装置本体と、音響装置本体と接続ケーブルで接続され、ヘルメットを振動させる加振型音響発生器と加振型音響発生器を収納する筐体とを備える2つの加振型音響ユニットを有し、2つの加振型音響ユニットはヘルメット外面の左右の側面にそれぞれ固定され、それぞれの加振型音響発生器が駆動信号により振動を発生させて、その振動によりヘルメットを振動させることにより音響が発生され、音響装置本体は携帯端末と通信可能に構成され、携帯端末からの音楽の音響信号により音響装置本体は駆動信号を発生し、加振型音響ユニットが駆動されてヘルメット内で音楽再生がされ、加振型音響ユニットには、筐体内にそれぞれ外音マイクが加振型音響発生器の近傍に収納され、外部の騒音を外音マイクにより検出し、音響装置本体で信号処理して外部の騒音の位相を反転した音響信号を、音楽再生がされている場合には音楽の音響信号と合成処理されて、駆動信号を発生し、これにより加振型音響ユニットが駆動されて、ヘルメット内においてノイズキャンセルがされるように構成されているので、加振型音響発生器と外音マイクはヘルメットの同じ外面側にあり、また耳との間隔は略一致することになるため、外音マイクで捉えた外部の騒音を反転させ、加振型音響発生器でヘルメットを振動させて騒音を反転させた音を発生させるようにすれば、外部の騒音のノイズキャンセルをすることが可能となり、自動二輪車を走行させているときに生ずる風切り音やエンジン音、排気音やロードノイズ等の騒音を減少させ、明瞭な音楽を楽しみながら、快適に自動二輪車を走行させることができるものとなる。
また、2つの加振型音響ユニットは、それぞれヘルメットの左右側面の外面の下縁部に固定されているので、ヘルメットのそれぞれの耳側の内面を効果的に振動させることが可能となり、良い音を発生させることができる。すなわち、ヘルメットの側面の下縁部は、ヘルメットの構造上、シェルを大きな振幅で振動させやすい部分であることを発明者達は見出した。そして、この下縁部を加振型音響発生器を用いて振動させると、その振動が伝達され、シェルの耳側の内面が振動板として振動して音響が発生する。ここで、ヘルメットの耳側の内面は、内側に向かって略円弧を持つ曲面であり、音響がそれぞれの耳に集まりやすい構造となっている。また、耳横からは、ずれた位置に加振型音響発生器を配置することになり、外音がヘルメットを通過するのを妨げにくく、使用者は外音が聴きやすくなるという効果を有する。更に、下縁部は振動をさせやすい場所なので、小型の加振型音響発生器を用いることが可能となり、加振型音響ユニットの小型化が可能となり、これは加振型音響ユニットの形状による風切り音の減少等に役立つことになる。
また、加振型音響発生器と外音マイクは、左右それぞれの筐体内において、自動二輪車の進行方向に対して略前後に並んだ位置に収納されているので、自動二輪車の進行方向から見たときのヘルメット外面の左右の側面から突出する面積を減少させることが可能となり、自動二輪車の走行における風の抵抗を減らし、風切り音を減少させることができるものとなる。すなわち、自動二輪車走行中は大きな風がヘルメットに直接吹き付けてくることになるが、その風を直接受けやすいヘルメットの側面に加振型音響ユニットが固定して走行中のノイズをキャンセルさせるための音響を発生するよう構成した場合、その加振型音響ユニット自体によって大きな風切り音のノイズを発生してしまっては、何のためのノイズキャンセルなのか問題となってしまうが、加振型音響発生器と外音マイクの一方が他方の風下にくるように配置されるようしたので、風の抵抗が減少し、風切り音を低減させることが可能となった。
また、加振型音響発生器の定格入力は、1ワット以下であって、0.3ワット以上のものであるので、小型でヘルメットの側面に設置した場合でも風切り音が少なく、かつ、十分な音圧の得られるパワーが得られるものとなる。
また、ヘルメット用音響装置は、音響装置本体と接続ケーブルで接続された音声マイクを有し、音声マイクと加振型音響ユニットを用いて、使用者は音響装置本体と通信可能に構成された携帯端末または音響装置本体を介して通話が可能に構成されているので、ヘルメット用音響装置で音楽等の音響を楽しむだけでなく、通話も楽しむことが可能となる。
また、ヘルメットの後部の内側底部には上向きの収納凹部を有し、音響装置本体の筐体の少なくとも一部が収納凹部に収納されて、取り付け可能に構成されているので、例えば、非特許文献2にて開示されているような、ヘルメットの後部の内側底部に設けられた音響装置のBluetoothモジュール等の通信機を組み込んで収納される凹部に、音響装置本体の筐体の少なくとも一部が収納凹部に収納することが可能となり、音響装置本体をヘルメット底部からの突出部を減少させるとともに、音響装置本体をヘルメットにしっかりと固定することが可能となる。
また、ヘルメットの左右側面の外面の下縁部には、略三角形型の取り付け部を有し、加振型音響ユニットは同様の外形の略三角形型の形状をなし、取り付け部に取り付け可能に構成されているので、例えば、非特許文献2にて開示されているような、ヘルメット外面の左右側部の下縁部に、音響装置の操作ボタンとアンテナのユニットを取り付けるための略三角形型の取り付け部を有するヘルメットに対して、加振型音響発生器を備える加振型音響ユニットを、それぞれピッタリと違和感なく取り付けが可能となる。また、もともとのインカム装置のスピーカーは不要となり、取り付け等の必要がなくなり、またスピーカーが耳に当たるという不都合も解消される。
また、音響装置本体の筐体は、収納凹部の開口部より広い面積で、開口部を覆って蓋をするような形の所定厚の底面の部分と、底面の部分の上面から上方向に膨出し、収納凹部に収納される膨出部を有し、底面の部分にはワイヤレス充電のための受電用コイルが設けられているので、ヘルメットの上下を変えることなく、ヘルメットを安定した状態で載置しての充電が可能となった。
また、音響装置本体は収納凹部に少なくともその一部が収納されて取り付けられるよう構成されており、音響装置本体内のバッテリーに充電用の電源を供給する接続コネクターを有し、接続コネクターがヘルメットの下縁部より突出するとともに、ヘルメットの底部を下に載置したときの載置面に対して接続コネクターが略横方向に向いているように構成されているので、接続コネクターに接続プラグを差し込んだ状態で、ヘルメットの底部を下に載置されたときでも、ヘルメットを安定した状態で載置しながら充電することが可能となった。
また、ヘルメット用音響装置は、外音マイクが検出した外部の騒音について緊急音が所定音量以上ある場合には、ノイズキャンセルを中断するか、または緊急音の略音域幅の位相の反転を中断するよう構成されているので、緊急車両等が近づいてきたとき等の緊急音をノイズキャンセルなしに聴くことが可能となり、快適に自動二輪車を走行させることができるものとなる。
そして、ヘルメット用音響装置は、外音マイクが検出した外部の騒音について緊急音が所定音量以上ある場合には、音楽再生がされている場合には、音楽再生の音量を下げるか、または再生を中断するよう構成されているので、緊急車両等が近づいてきたとき等の緊急音を、音楽再生に妨げられないようにして聴くことが可能となり、快適に自動二輪車を走行させることができるものとなる。
本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置をヘルメットに取り付けたときの状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の使用例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は背面方向から見た斜視図、(B)は前面方向から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は表面方向から見た参考斜視図、(B)は正面図、(C)は同じく背面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(D)は下面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図、(G)は裏面方向から見た参考斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は前面方向から見た断面図、(B)は下面方向から見た断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は表面方向から見た参考斜視図、(B)は裏面方向から見た参考斜視図、(C)は分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の使用時における位置関係を示す前方からみた部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部のヘルメットへの取り付け位置における周波数特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るヘルメット用音響装置をヘルメットに取り付けるときの状態を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るヘルメット用音響装置の使用例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示す三面図である。 本発明の第2の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は上面方向から見た断面図、(B)は裏面方向から見た分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るヘルメット用音響装置の使用例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は下面方向から見た斜視図、(B)は底面図である。 本発明の第5の実施形態に係るヘルメット用音響装置をヘルメットに取り付けるときの状態を示し、(A)は背面方向から見た部分斜視図、(B)は部分背面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、ヘルメット用音響装置が取り付けられたヘルメットを頭部に使用者が装着した状態における、使用者側から見た状態での前後方向、上下方向、左右方向を示し、使用者の顔のある方向を前方向(前面方向)、その反対の方向を後方向(背面方向)、使用者の顔の左側の方向を左方向、その反対の方向を右方向と呼ぶこととする。
但し、以下に示す前後、上下、左右の方向は、説明の便宜上示すものであり、本技術はこれらの方向に限定して適用されることはない。
(第1の実施形態)
図1乃至図13を参照して、第1の実施形態のヘルメット用音響装置1(ヘルメット用音響装置)について説明する。
図1はヘルメット用音響装置1の構成を示す斜視図、図2及び図3はその取り付け方と使用例を示す斜視図、図4(A)(B)は要部の構成を示す斜視図、図5及び図6の(A)乃至(G)は要部の外形を意匠的に表現した図、図7は要部の斜視分解図である。そして、図8(A)(B)は要部の断面図、図9(A)(B)(C)は要部の斜視図及び斜視分解図、図10は回路ブロック図、図11が要部の使用時における位置関係を示す部分断面図、図12はその周波数特性を示すグラフ、図13はその動作を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態のヘルメット用音響装置1は、音響装置本体3と取り付けアダプター4を有する音響装置本体ユニット2(音響装置本体)、2つの音響ユニット5、5(加振型音響ユニット)とマイクユニット6(音声マイク)を有している。音響ユニット5、5とマイクユニット6は、それぞれ防水コネクター22、22、22を介して接続ケーブル21、21、21(接続ケーブル)により、音響装置本体ユニット2に接続されている。
図2に示すように、本実施形態の自動二輪車用のヘルメット1000には、頭頂部から顎の部分まで、頭をすっぽりと覆い隠し安全性の高いフルフェイス型ヘルメットを用いている。ヘルメット1000は、硬い外殻のシェル1100、シェル1100に対し回動自在に構成されたシールド1200、シェル1100の内側に位置する衝撃吸収ライナー1300等を有している。ここで、シェル1100は繊維強化プラスチック等の硬い材質からなり、転倒などによる衝撃を分散・吸収する役割を果たすものであり、シールド1200は透明な樹脂等からなり、走行時の風や埃、虫等の侵入を防いでいる。また、衝撃吸収ライナー1300は発泡スチロール等からなり、転倒などの際にはシェル1100と頭に圧し潰されながら衝撃を吸収する役割を果たす。なお、ヘルメット1000は、内装や顎ひも等も有しているが、図2においてはその記載を省略している。
図2に示すように、音響装置本体ユニット2はヘルメット1000後部の外面の下部に、音響ユニット5、5は左右側面の外面の下縁部に、マイクユニット6は顎部の内面に固定される。そして、接続ケーブル21、21、21と防水コネクター22、22、22は、シェル1100とその内側に位置する衝撃吸収ライナー1300の間に、挟まれるようにして取り付けられる。
図3は、ヘルメット用音響装置1が取り付けられたヘルメット1000を頭部に装着した使用者Uが、自動二輪車を走行させながら、スマートフォン等の携帯端末S(携帯端末)を介して音楽を聴いたり、通話をしたりしている状況を示すものである。すなわち、ヘルメット用音響装置1は、使用者Uが所持する携帯端末SとBluetooth(登録商標)等の無線接続が可能に構成されている。使用者Uは携帯端末Sを操作して、ヘルメット用音響装置1に音響信号を送ったり、ヘルメット用音響装置1をコントロールしたりすることができる。
図4(A)(B)は、音響装置本体3を取り付けアダプター4から取り外した状態における音響装置本体ユニット2であって、図4(A)は背面方向から、図4(B)は前面方向から見たときの斜視図である。図4(A)(B)に示すように、音響装置本体3は所定厚で横長略矩形形状の箱型で水密に構成された音響装置本体ケース31を有しており、背面側下部には背面方向に膨出し、底面には接続操作部32が形成されている。接続操作部32には、左方向から外音量マイク穴33、電源ボタン34、接続コネクター35(接続コネクター)が配置され、外音量マイク穴33の内部には後述する外音量マイク81が水密に収納されている。また、背面側下部の膨出部の左右には、通信表示36と充電表示37が配置されているが、この通信表示36と充電表示37を膨出部に設けたのは、外部から見易くするためである。
図4(B)に示すように、音響装置本体3の内面側中央部には、四角く膨出した係合部38を有し、係合部38の四隅には左右方向に突出した係合凸部39、39、39、39が形成されている。また、内面の左右端部の下部からは、接続ケーブル21、21が防水パッキンを介して、水密に外部に引き出されるように構成されている。
図4(A)(B)に示すように、取り付けアダプター4は、外形が音響装置本体3と同じ大きさの横長矩形に形成され、外面側中央部には、四角く凹んだ被係合部41を有している。被係合部41の四隅には左右方向に凹部の内面側に突出した被係合凸部42、42、42、42が形成され、被係合部41の上部左側には係合ロック43を備えている。音響装置本体3を取り付けアダプター4に係合させるには、被係合部41に、係合部38を少し上にずらすようにして押し当て、下に押し下げると、係合ロック43が掛かって係合する。また、音響装置本体3を取り付けアダプター4から外すには、係合ロック43を左方向に押圧してロックを解除し、音響装置本体3を少し上に押し上げるようにして外せばよい。
図4(A)(B)に示すように、取り付けアダプター4の外面側左右端部の下面には、ケーブル用切り欠き44、44が設けられ、係合した状態で、接続ケーブル21、21を外部に出せるように構成されている。取り付けアダプター4の前面側は、ヘルメット1000の背面下部の形状に略合わせた曲面であるヘルメット取り付け面45が形成されており、ヘルメット取り付け面45には、取り付けアダプター用両面粘着テープ46が貼付されている。すなわち、取り付けアダプター4は、取り付けアダプター用両面粘着テープ46により、ヘルメット1000の背面下縁部に取り付けられるよう構成されている。
ここで、音響装置本体ユニット2を、音響装置本体3と取り付けアダプター4と2つに分けて分離可能としたのは、音響装置本体3単体での充電を可能とするためである。すなわち、防水コネクター22、22、22を外し、取り付けアダプター4から取り外せば、音響装置本体3を大きなヘルメット1000から容易に分離して充電することができる。
なおここで、大きさの異なるヘルメット1000の背面下縁部の曲面の形状に略合わせたヘルメット取り付け面45を持つ、複数の取り付けアダプター4を用意してもよいことは、勿論である。
図5(A)乃至(C)、及び図6(D)乃至(G)は、音響ユニット5の外形の詳細を意匠図的に示している。すなわち、図5(A)乃至(C)、及び図6(D)乃至(G)は音響ユニット5の、それぞれ、外面方向からの斜視図、正面図、背面図、下面図、左側面図、右側面図、内面方向からの斜視図、を示している。ここで、図6(D)として下面図を示したが、上面図も同様の形状をしている。図7は音響ユニット5の外面方向から見た分解図、図8(A)は図5(B)におけるA―A断面、図9(B)は図5(B)におけるB―B断面、図9(A)乃至(C)は音響ユニット5に使用される主要部品の斜視図及び分解図を示している。
それでは、図5乃至図9を用いて、音響ユニット5の構造等について説明する。
図5(A)乃至(C)、及び図6(D)乃至(G)に示すように、音響ユニット5は、前部が尖った形のいわゆる流線形の形状をしており、上下対称で横長の、外面部51(筐体)と内面部52(筐体)を有する略箱型をしている。そして、図6(D)に示すように、外面部51は略中央部に向かって膨出した形のなだらかな曲面で形成され、後縁部には、接続ケーブル21を接続するための接続ケーブル穴53が設けられている。また、図5(A)及び(B)に示すように、外面部51後部には外音マイク穴54が設けられている。
図7及び図8(A)(B)に示すように、音響ユニット5は、内部にエキサイター7(加振型音響発生器)と外音マイク82(外音マイク)が自動二輪車の進行方向に対して略前後方向に並んで所定間隔を取って収納されている。接続ケーブル21は防水ケーブルブッシュ55を介して取り付けられ、外面部51と内面部52は薄いゴム状の防水パッキンシート56を介してネジで固定されているため、水密な構造を形成している。また、音響ユニット5はウレタンゴム等の柔軟な材質からなるスカート部57を有し、ヘルメット1000の外面に防水性の音響ユニット用両面粘着テープ58を介して内面部52の外面が固定される構成となっている。ここで、スカート部57は、外面部51の曲面と連続した曲面を有し、ヘルメット1000に当たる風をスムーズに後に流すとともに、柔軟な材質のため音響ユニット5のヘルメット1000への振動の伝達を妨げないという働きをする。
ここで、音響ユニット5は、内部にエキサイター7と外音マイク82が進行方向に対して略前後方向に並んで収納されているので、ヘルメット1000外面の左右の側面から突出する前方向から見た面積を減少させることが可能となる。ところで、自動二輪車走行中には、ヘルメット1000に直接、大きな風が吹き付けてくることになる。そして、その風を直接受けやすいヘルメットの側面に音響ユニット5を固定して走行中のノイズをキャンセルさせるための音響を発生するよう構成している。しかし、その音響ユニット5自体によって大きな風切り音のノイズを発生してしまっては、何のためのノイズキャンセルなのか問題となってしまう。そこで、その一つの対策として、外音マイク82がエキサイター7の風下にくるように配置されるように構成して、風の抵抗を減らし、風切り音を大きく低減することを可能とした。なお、エキサイター7が外音マイク82の風下にくるように配置されている場合も同様のこととなり、略前後方向という内容にこの場合も含まれているものとする。
図7及び図8(A)(B)に示すように、内面部52内面には、エキサイター7を所定位置に取り付けるためのエキサイター取り付け凹部59が形成されていて、エキサイター7が固定される。また、外音マイク穴54は、内側から防水シート83により水密に塞がれている。防水シート83は、空気は通すが水は通さないという膜であり、防水性を持たせながら、音がこもらないようにするためのものである。そして、その内側は略筒状に形成され、ウインドスクリーンのための風防発泡材84と外音マイク82が固定されている。なお、音響装置本体3の外音量マイク穴33内部の外音量マイク81も、マイクユニット6に収納されている音声マイク85も、外音マイク82の構成と同様の構成を有しており、水密にそれぞれ固定されている。
ここで、図9(A)(B)(C)を用いて、この音響ユニット5に使用されているエキサイター7の構成について説明する。図9(A)はエキサイター7を表面方向から見た斜視図、図9(B)は裏面方向から見た斜視図、図9(C)は表面方向から斜視した状態での分解図である。
図9(A)(B)(C)に示すように、エキサイター7は、略長方形の形状のエキサイターフレーム71を有し、中央には中空部を有している。この中空部中央には、略有底で底部に穴のある円筒形をした振動伝達部72があり、略S字型をした4本のダンパー73、73、73、73で振動自在に保持されている。振動伝達部72の一端の有底の底部の部分は中空部の外部に突出し、この有底の部分の外面にはエキサイター用面粘着テープ74が貼付されている構成となっている。なお、エキサイターフレーム71と振動伝達部72、ダンパー73、73、73、73は一体の樹脂から構成されている。
図9(C)に示すように、振動伝達部72の他端部の円筒形の外面に円筒形に巻かれたコイル75が嵌合されて接着剤等で固着される。コイル75の両端子は端子板76、76に接続されている。エキサイター70は、他のエキサイターと同様、磁気回路を形成する有底の円筒状をしたヨーク77と円柱形の永久磁石78を有し、コイル75はヨーク77の円筒部の内面部と永久磁石78の外面側部との隙間に位置するよう保持される。そして、端子板76、76から駆動電力がコイル75に供給されると、コイル75はヨーク77と永久磁石78の隙間を往動し、4本のダンパー73、73、73、73に保持された振動伝達部72が振動を開始する構成となっている。
ここで、図8(A)(B)に示すように、エキサイター7は音響ユニット5の内面部52の内面のエキサイター取り付け凹部59に固定されているので、振動伝達部72が振動すれば、その振動は内面部52が固定されているシェル1100に伝達される。そして、ヘルメット1000のシェル1100が振動することにより間接的に音響が発生し、その音響が使用者Uに伝達されることになる。
それでは、ヘルメット用音響装置1がどのように作動するかについて、図10に示す回路ブロック図を用いて説明する。
図10に示すように、音響装置本体ユニット2の音響装置本体3はメイン基板9とバッテリー86等を有し、マイクユニット6は音声マイク85を有している。メイン基板9はコントロール部91を有し、バッテリー86は電源部92を介して、表示部93と操作部94はそれぞれのインターフェイスを介して、コントロール部91に接続されている。
図10に示すように、2つの音響ユニット5、5に搭載されたエキサイター7、7はコントロール部91に接続されたエキサイター駆動部95、95により駆動される。また、外音マイク82、82はそれぞれ外音マイク信号処理部96、96を介してコントロール部91に接続される。音声マイク85と外音量マイク81はそれぞれ音声マイク信号処理部97と外音量マイク信号処理部98を介してコントロール部91に接続される。また、コントロール部91は通信部99(通信部)と接続され、通信部99を介して携帯端末Sと通信を行うよう構成されている。
図10において、接続コネクター35であるUSBコネクターに図示されない外部ケーブルが接続されると、電源部92を介してバッテリー86の充電が行われる。このとき、表示部93の図示されないLEDが作動し充電表示37を赤く点灯して、充電が完了すると消灯する。また、接続コネクター35に外部ケーブルを接続させた状態で、コントロール部91のファームウェアのアップデート等を行うこともできる。
図10において、操作部94の一つである電源ボタン34が長押しされると、ヘルメット用音響装置1が起動する。ここで、初めて電源をいれたときには、自動的にペアリングモードになり、表示部93の図示されないLEDが作動し通信表示36が赤と青を交互に点滅する。通信部99は携帯端末SとBluetooth(登録商標)接続して無線通信可能に構成されているので、ここでペアリングを行えば、以後は自動的に接続がされる。携帯端末Sと接続待ち、接続中の状態は、それぞれ異なる通信表示41の青色の点滅の仕方で表示がされる。また、携帯端末Sに接続された状態で、ファームウェアのアップデート等を行ったり、携帯端末Sによっていろいろなヘルメット用音響装置1の設定を行ったりすることが可能となっている。
また、図10において、操作部94として図示されない加速度センサーを有しており、ヘルメット用音響装置1またはヘルメット1000の表面を手の平でたたくようにしてタップ操作をすることができる。例えば、電話がかかってきたときに、タップを1回すれば通話が可能となり、もう1回タップすると電話を切ることができる。また、タップを2回すると、Siri(登録商標)やGoogleアシスタント(登録商標)等の音声アシスタントを立ち上げることができる。
図10において、外音量マイク81は、自動音量調節機能のためのものである。すなわち、最初に携帯端末Sを用いて、エキサイター7による音量を合わせれば、後は周囲の騒音等の外音の音量に合わせて、騒音が大きくなれば音量も大きくなり、静かになれば音量が自動で下がるよう構成されている。
なお、本実施形態では外音量マイク81を設けたが、2つの外音マイク82、82で検出した外音を用いて外音量を得ることにより、外音量マイク81を省略するように構成してもよい。
図10において、音声マイク85は通話のとき等において、使用者Uの音声を捉えるためのものである。ここで、図3に示すように、音声マイク85の位置は、口元から少しすらしたところに配置してある。このように口元から少しずらした位置であっても、指向性があまり高いマイクでなければ、使用者Uの音声をマイクが十分に捕らえることができることは、発明者たちによって確認されている。ここで、口元の位置に音声マイク85を配置してもよいことは、勿論である。
図10において、外音マイク82、82は自動二輪車を走行させているときに発生する騒音を検出するためのものである。すなわち、前述した特許文献1の図11のグラフに示されているように、高速走行時には数百Hzにピークを有する風切り音成分と、数kHzにピークを有するエンジン音、ロードノイズ、排気音成分という大きな騒音が発生する。しかも、例えば高速道路走行時は、この騒音が長時間継続することになる。
そこで、外部の騒音を外音マイク82、82により検出し、メイン基板9で信号処理して位相の反転した音響信号を、音楽再生がされている場合には音楽信号と合成処理されて、駆動信号を発生する。そして、これによりエキサイター7、7がそれぞれ駆動されてヘルメット1000が振動し音響が発生し、ヘルメット1000内においてノイズキャンセルが行われ、自動二輪車走行時の騒音を軽減するよう構成している。
ここで、音響ユニット5は、ヘルメット1000外面の側面に取り付けられ、内部のエキサイター7の近傍に外音マイク82が収納されているので、エキサイター7と外音マイク82はヘルメット1000の同じ外面側にあり、また耳との間隔は略一致する。そうすると、外音マイクで捉えた外部の騒音を反転させ、エキサイター7でヘルメット1000を振動させて騒音を反転させた音を発生させるようにすれば、外部の騒音のノイズキャンセルをすることが可能となる。すなわち、自動二輪車を走行させているときに生ずる風切り音やエンジン音、排気音やロードノイズ等の騒音を減少させ、明瞭な音楽を楽しみながら、快適に自動二輪車を走行させることができるものとなる。
次に、図11及び図12を用いて、音響ユニット5のヘルメット1000に取り付ける位置の違いによる、周波数特性について説明する。
図11に示すように、音響ユニット5をヘルメット1000に対して、「A.下縁部に設置した場合」と「B.耳横部に設置した場合」において測定した。そして、図12には、それぞれの場合の、測定した周波数特性を示している。
なお、この周波数特性の測定においては、図11においてハッチングで示すような形の、実際に人間の耳から型を取った、樹脂で耳介や外耳道を形成した耳ダミー2100にダミー用マイク2200を埋め込んだ耳ダミーマイク2000を用いた。
図12に示すように、下縁部に設置した場合には、耳横部に設置した場合に比べ、100Hz以下の重低音が出ており、900Hzや3500Hzの近傍にピークを持つ耳障りな高音が軽減され、300Hzの近傍の落ち込みも少ないことが分かる。すなわち、低音部も高音部も発生させることが可能となるので、使用者Uにとって、聴きやすい音となるとともに、数百Hzにピークを有する風切り音成分に対してもノイズキャンセルを効果的に行うことが可能となる。
これは、音響ユニット5をヘルメット1000の下縁部に設置すると、ヘルメット1000の耳側の内面を効果的に振動させることが可能となり、良い音を発生させることができるからである。すなわち、ヘルメット1000の側面の下縁部は、ヘルメット1000の構造上、シェル1100を大きな振幅で振動させやすい部分であることを発明者達は見出した。そして、この下縁部を、エキサイター7を用いて振動させると、その振動が伝達され、シェル1100の耳側の内面が振動板として振動して音響が発生する。
ここで、ヘルメット1000の耳側の内面は、内側に向かって略円弧を持つ曲面であり、音響がそれぞれの耳に集まりやすい構造となっている。また、耳横からは、ずれた位置にエキサイター7を配置することになり、外音がヘルメット1000を通過するのを妨げにくく、使用者は外音が聴きやすくなるという効果を有する。すなわち、耳の傍で大きな音を鳴らすのではなく、伝達された振動によりシェル1100が振動して発生した音響は、実際に聴いてみると、部屋の中でスピーカーを用いて聴く音のような、包み込まれるような音となっていることが分かる。
また、下縁部は振動をさせやすい場所なので、音響を発生するのに小型のエキサイター7を用いることが可能となり、加振型音響ユニットの小型化が可能となり、これは風切り音の減少等に役立つことになる。すなわち、エキサイター7で振動させやすいシェル1100の下縁部に装着したことは、エキサイター7自身の小型化にも役立つものである。
例えば、特許文献3にて開示された、本発明と同一の出願人により開発されたヘルメット用音響装置では、ヘルメットの背面の部分をエキサイターで振動させるように構成したため、大型で強力なエキサイターを使用する必要が生じた。ヘルメットの背面のシェルの部分は、使用者の後頭部を守る重要な役目をするため、頑丈に構成され、振動させにくい部分であるので、エキサイターで振動させるのは大型で強力なものを使用する必要があるからである。
ここで、特許文献3にて開示されたヘルメット用音響装置で使用のエキサイターでは、定格入力(Continuous power handling)2ワット、最大入力(Burst power handling)4ワット未満のものを使用している。これに対し、本発明で使用のエキサイター7では、定格入力0.5ワット、最大入力1ワット未満のものを使用している。
これにより、ヘルメット1000の側面から突出する部分を大幅に減少させ、風切り音の低減に役立ち、また、消費電力が削減されることにより、連続使用時間の長時間化に貢献することになった。また、おなじ連続使用時間とすると、バッテリー86の小型化が可能となり、音響装置本体ユニット2の小型化も可能となることになる。
エキサイターは、振動板を振動させて音響を発生させる構造であるため、スピーカーと比べ、低音域も出せて、音量も得ることができるが、しかしながら、振動板を振動させて、所定の音量を発生させるためのパワーも少なくとも必要となる。
すなわち、ヘルメット1000の側面に定格入力2ワットのものを設置した場合は大きく突出し、風切り音が大きくなるので、小さい方が好ましいが、振動板であるシェル1100を振動させて、十分な音量の得られるパワーも必要である。そうすると、エキサイター7の定格入力は、2ワットのものの半分の1ワット以下であって、0.3ワット以上のものが望ましいということとなる。
なお、音響ユニット5のヘルメット1000に取り付ける位置を、ヘルメット1000の下縁部としたが、これは音響ユニット5をヘルメット1000の下縁に沿わすようにして取り付ける場合に限定されない。例えば、ヘルメットによっては、ヘルメットの下縁を所定の厚さのゴム状のものでUの字状に膨出するように覆ってあるものもあり、この場合、音響ユニット5を下縁に沿わすように取り付けることは難しい。このような場合、このゴム状のものを避けて、その上の部分に取り付けても、十分に効果が発揮できることを確認している。すなわち、ヘルメット1000の下縁部とは、下縁近傍の部分を指すものとする。
ここで、ヘルメット用音響装置1のノイズキャンセルにおいては、パトカーや救急車等の緊急車両のサイレン等、緊急音への対応をするように構成されている。それでは、図13のフローチャートを用いて、ヘルメット用音響装置1がどのようにノイズキャンセル等を動作させるかについて説明する。
図13に示すように、S01において、検出した外音が所定の音量以上かどうかの判断が行われる。外音が所定の音量以上の場合は、S02に進み、ノイズキャンセルを作動させる。
図13のS03において、外音の中の緊急音が所定の音量以上のときには、S04に進み、ノイズキャンセルの作動を中断し、S05に進み、音楽再生中では、その再生を中断する。そして、S06でカウンターをゼロにして、S07、S08、S09に進み、「緊急車両が近付いています」との音声の案内が、初回のみ3回繰り返される。
図13のS10において、ヘルメット1000または音響装置本体3がタップされたかが判断される。すなわち、例えば緊急車両が反対車線を走行しているような場合等、使用者Uがこれを確認してタップを行えばS12に進む。タップが行われない場合には、S11に進み、外音の中の緊急音が所定の音量以上のときには、S07に戻り、音声の案内はされないが現状が維持され、緊急音の音量が所定の音量以下になったら、S12に進む。そして、S12において、ノイズキャンセルを作動させ、S13で音楽再生が再開される。
以上の述べたように、ヘルメット用音響装置1の動作が行われる。
ここで、検出した外音が所定の音量以上の場合にはそれ以降、ノイズキャンセルをずっと作動させることになるが、ノイズキャンセル作動中に外音が所定の音量未満になったときには、ノイズキャンセルの作動を中止するように構成してもよい。また、外音の中の緊急音が所定の音量以上かどうかの判断等は、音響装置本体3で行ってもよいし、音響装置本体3が携帯端末Sと通信して、携帯端末Sで行うようにしてもよい。携帯端末Sで判断すれば、より綿密で高度な判断が可能になるし、通信せず音響装置本体3で判断した場合には、より速やかな判断が可能となる。
以上、緊急音によりノイズキャンセルの作動を中断し、音楽再生を中断するように構成したので、緊急音がノイズキャンセルや音楽再生により妨げられることなく使用者Uに伝達されることになり、より快適に自動二輪車を走行させることができるものとなる。
なお、ここで緊急音によりノイズキャンセルの作動を中断し、音楽再生を中断するよう構成したが、緊急音の略音域幅の部分の位相の反転を中断したり、音楽再生の音量を下げたりするよう構成してもよい。この場合も、緊急音が使用者Uに伝達されることを妨げることを防止することができるからである。
なお、本実施形態の発明は、以下のように表現することもできる。
自動二輪車用のヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、駆動信号を発生する音響装置本体と、ヘルメットの左右の側面に固定され、駆動信号によりヘルメットを振動させて音響を発生する加振型音響ユニットを有し、加振型音響ユニット内の外音マイクで検出した外部の騒音の位相を反転した音響信号を、音楽の音響信号と合成処理した駆動信号により音響を発生して、外部の騒音がノイズキャンセルされるように構成したヘルメット用音響装置。
このように構成されることにより、自動二輪車を走行中に発生する風切り音等の外部の騒音がノイズキャンセルされて、音楽を楽しみながら快適に自動二輪車を走行させることができるものとなった。
(第2の実施形態)
図14乃至図17を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ヘルメット用音響装置1は、音響装置本体ユニット2と2つの音響ユニット5、5とマイクユニット6を有しており、同様の機能を有する。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図14は本実施形態のヘルメット用音響装置1とヘルメット1000の取り付け方を示す斜視図であり、ヘルメット1000の上下を逆さにして、音響装置本体ユニット2と片方の音響ユニット5を一部取り外している状態を示している。図15は、ヘルメット用音響装置1の使用例を示す斜視図であり、第1の実施形態と同様、使用者Uは自動二輪車を走行させながら、携帯端末Sを介して音楽を聴いたり、通話をしたりすることができる。図16は、音響装置本体3の側面図と底面図に加え、斜め方向から見た図を加えたものである。図17(A)は音響ユニット5の図14におけるC-C断面を示す断面図であり、図17(B)は斜視分解図を示している。
ここで、本実施形態で用いられる自動二輪車用のヘルメット1000は、第1の実施形態と同様にシェル1100とシールド1200、衝撃吸収ライナー1300等を有するフルフェイス型ヘルメットである。しかし、ヘルメット用音響装置1が取り付けられる取り付け構成が大きく異なるので、図14及び図15を用いてこのヘルメット1000について説明する。
図14に示すように、本実施形態のヘルメット1000は、非特許文献2で説明した自動二輪車用ヘルメットと同様の構成を有し、非特許文献1のインカム装置が取り付け可能に構成されているものである。すなわち、ヘルメット1000後部の下縁部を背面側に少し膨出させ、その内面側に底部から上向きの凹部を設け収納凹部1400(収納凹部)とした。また、ヘルメット1000外面の左右側部の下縁部には略三角形の取り付け部1500、1500(取り付け部)が設けられている。取り付け部1500、1500の周囲には、シェル1100の外面から取り付け部1500、1500側に向かって膨出する取り付け部縁部1600、1600が設けられている。
なおここで、非特許文献2のヘルメットでは、フェイスカバーが開閉できる構成となっているが、本実施形態のヘルメット1000では、この機能は有していないものとなっている。また、図14では、接続ケーブル21等の記載は省略している。
図14及び図15に示すように、本実施形態のヘルメット用音響装置1は、第1の実施形態の機能はそのままに、この非特許文献2のものと同様の構成のヘルメット1000に、ぴったりと違和感なく装着できる形状のものになっている。
すなわち、図14に示すように、ヘルメット1000の後部の内側底部の収納凹部1400には音響装置本体ユニット2が、外面の左右側部下縁部の取り付け部1500、1500に音響ユニット5、5が装着可能に構成されている。
ここで、音響装置本体ユニット2は、第1の実施形態と異なり取り付けアダプター4は有しておらず、音響装置本体3のみから構成される。
図16に示すように、音響装置本体3は所定厚の底面の部分である底面部ケース47(底面の部分)と、底面部ケース47から斜め上部に突出する収納部ケース48(収納部)の部分からなる水密な構成の音響装置本体ケース31を有している。そして、底面部ケース47の底面には接続操作部32が形成されている。接続操作部32には、左方向から電源ボタン34と通信表示36、充電表示37、接続コネクター35、外音量マイク穴33が配置され、外音量マイク穴33の内部には図示されない外音量マイク81が水密に収納されている。また、底面部ケース47の前部中央には係合部38が形成され、前部左右からは接続ケーブル21、21が防水パッキンを介して、水密に外部に引き出されるように構成されている。
図14及び図16に示すように、ヘルメット1000の後部の内側底部の上向きの凹部を持つ収納凹部1400の内部に、音響装置本体3の収納部ケース48が収納される。また、底面部ケース47は収納凹部1400の開口部よりも広い面積に構成され、蓋をするような形で取り付けられる。そして、ヘルメット1000の収納凹部1400には、もともと本来取り付けることができるインカム装置のBluetoothモジュールを係合するための図示されない被係合部を有している。そして、この収納凹部1400に音響装置本体3を取り付けた場合には、係合部38がこの被係合部に脱着自在に係合してヘルメット1000に固定される構成となっている。
なお、音響装置本体3の収納部ケース48には、図示されないバッテリー86等の電気部品が収納されている。この収納部ケース48は、ヘルメット1000の収納凹部1400の内部の形状に合わせて、側面から見たとき先端を平らにした鋭角三角形のような形状になっているが、収納凹部1400に収まるものであれば、形状をいろいろ変更することが可能である。また、収納凹部1400の開口部より広い面積の底面部ケース47によって、電源ボタン34や接続コネクター35、そしていろいろな表示部等を有する接続操作部32が配置可能となり、使用者Uが使用しやすいものとなっている。
すなわち、音響装置本体3の構造については、次のように表現することもできる。
ヘルメットの後部の底部内側に上向きの凹部である収納凹部を有するヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生させる音響装置本体と、音響装置本体と接続ケーブルで接続され、駆動信号によりヘルメット内で音響を発生させる音響発生器を有し、音響装置本体は、収納凹部の開口部より広い面積で、開口部を覆って蓋をするような形の所定厚の底面部と、底面部の上面から上方向に膨出し、収納凹部に収納される収納部を有し、収納部には少なくともヘルメット用音響装置を駆動するためのバッテリーが収納され、底面部の下面には操作部と表示部が設けられていることを特徴とするヘルメット用音響装置。
そして、このようにヘルメット用音響装置を構成することによって、大きな操作面を設けることが可能となり、使用者Uが操作をしやすいものとなった。
図14及び図15、図17(A)(B)に示すように、音響ユニット5、5は、左右の三角形の取り付け部1500、1500に適合した外面部51と内面部52を有する三角形の箱型形状に構成されている。すなわち、左右の取り付け部1500、1500に取り付けるために、左用と右用の音響ユニット5、5は、面対称の形状に形成されている。外面部51は取り付け部縁部1600、1600と連続した略中央部が膨出した曲面を有していて、後部には外音マイク穴54が設けられている。
図17(A)(B)に示すように、音響ユニット5は、外面部51と内面部52は薄いゴム状の防水パッキンシート56を介してネジで固定され、接続ケーブル21は図示されない防水パッキングを介して引き出されているため、水密な構造を形成している。そして、音響ユニット5は、防水性の音響ユニット用両面粘着テープ58を介して、内面部52の外面が取り付け部1500に固定される構成となっている。ここで、音響ユニット5の外面部51は、取り付け部縁部1600の膨出する曲面と連続した曲面を有しているので、ヘルメット1000に当たる風をスムーズに後に流す構成となっている。
図17(A)(B)に示すように、音響ユニット5は、内部にエキサイター7とその近傍に外音マイク81が、自動二輪車の進行方向に対して略前後に並んで収納されている。内面部52内面には、エキサイター7を所定位置に取り付けるためのエキサイター取り付け凹部59が形成されていて、エキサイター7が固定される。また、外音マイク穴54は、内側から防水シート83により水密に塞がれ、その内側は略筒状に形成され、ウインドスクリーンのための風防発泡材84と外音マイク82が固定されている。
ここで、音響ユニット5は、第1の実施形態と同様、内部にエキサイター7と外音マイク82が進行方向に対して略前後方向に並んで収納されているので、ヘルメット1000外面の左右の側面から突出する前方向から見た面積を減少させることが可能となる。ところで、自動二輪車走行中には、ヘルメット1000に直接、大きな風が吹き付けてくることになる。そして、この風を直接受けやすいヘルメットの側面に音響ユニット5が固定されていても、外音マイク82がエキサイター7の風下にくるように配置されていることになるので風の抵抗が減り、風切り音を大きく低減することが可能となる。なお、エキサイター7が外音マイク82の風下にくるように配置されている場合も同様である。
またここで、音響ユニット5は、ヘルメット1000外面の側面に取り付けられ、内部のエキサイター7の近傍に外音マイク82が収納されているので、エキサイター7と外音マイク82はヘルメット1000の同じ外面側にあり、また耳との間隔は略一致する。そうすると、外音マイクで捉えた外部の騒音を反転させ、エキサイター7でヘルメット1000を振動させて騒音を反転させた音を発生させるようにすれば、外部の騒音のノイズキャンセルをすることが可能となる。すなわち、自動二輪車を走行させているときに生ずる風切り音やエンジン音、排気音やロードノイズ等の騒音を減少させ、明瞭な音楽を楽しみながら、快適に自動二輪車を走行させることができるものとなる
またここで、取り付け部1500、1500の設けられている位置は、まさにヘルメット1000の左右側面の外面の下縁部である。すなわち、2つのエキサイター7、7は、それぞれヘルメット1000の左右側面の外面の下縁部に固定されていることになるので、ヘルメット1000のそれぞれの耳側の内面を効果的に振動させることが可能となり、良い音を発生させることができる。
ここで、ヘルメット1000の側面の下縁部は、ヘルメットを大きな振幅で振動させやすい部分であり、エキサイター7を用いて、ヘルメット1000のそれぞれの耳側の内面を振動板として振動させて音響が発生する。ここで、ヘルメット1000の耳側の内面は、内側に向かって略円弧を持つ曲面であり、音響がそれぞれの耳に集まりやすい構成となっている。また、耳から少し離れた位置にエキサイター7を配置することになり、使用者はヘルメット1000を通過する外音を直接聴きやすくなる効果を有する。更に、振動させやすい場所なので、小型のエキサイター7を用いることが可能となり、これは風切り音の減少に役立つことになる
以上説明したように、本実施形態のヘルメット用音響装置1を構成したので、本実施形態に用いられるヘルメット1000に対して、音響装置本体3や音響ユニット5、5等を、それぞれピッタリと違和感なく取り付けることが可能となる。また、非特許文献1のインカム装置のスピーカーは不要となり、スピーカーが耳に当たるという不都合も解消され、その取り付け等も必要がなくなった。
(第3の実施形態)
図18を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態では、第2の実施形態と同様のヘルメット用音響装置1を用いるが、取り付けるヘルメット1000の構成が少し異なるため、これに対応するアーム付きマイクユニット61を用いている。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図18は、ヘルメット用音響装置1の使用例を示す斜視図であり、第1の実施形態や第2の実施形態と同様、使用者Uは自動二輪車を走行させながら、携帯端末Sを介して音楽を聴いたり、通話をしたりすることができる。
図18に示すように、本実施形態で用いられているヘルメット1000は、第1の実施形態や第2の実施形態で用いられたフルフェイス型ではなく、オープンフェイス型ヘルメットまたはジェットヘルメットと呼ばれるタイプのものである。オープンフェイス型のヘルメットは、頭から耳、頬までを守るヘルメットのことをいい、フルフェイス型のヘルメットと異なり顎部の部分は有してはいない。
このオープンフェイス型のヘルメットは顎の部分が開いた形状となるので、フルフェイス型のヘルメットと比べて着用時の蒸れがなく、眼鏡をかけたままの装着が可能で、更に視野も広いものとなる。なお、風を防ぐシールドは、付いているものと付いていないものがあり、本実施形態のヘルメット1000では、回動自在に設けられたシールド1200を有している。
ここで、本実施形態のヘルメット1000は、第2の実施形態と同様、非特許文献2で説明した自動二輪車用ヘルメットと同様の取り付け構成を有するものである。すなわち、第2の実施形態と同様のヘルメット1000後部の内側底部には上向き凹部を持つ図示されない収納凹部1400を有し、外面の左右側部の下縁部には略三角形の取り付け部1500、1500を有している。
そして、本実施形態のヘルメット用音響装置1は、第2の実施形態と同様に、音響装置本体ユニット2を収納凹部1400に、音響ユニット5、5を取り付け部1500、1500に取り付けることができる。しかし、ヘルメット1000は顎部の部分を有していないため、マイクユニット6はそのままでは取り付けることができない。そこで、本実施形態のアーム付きマイクユニット61について、以下、説明する。
図18に示すように、アーム付きマイクユニット61は、マイクユニット6と音声マイクアーム62を有している。ここで使用されるアーム付きマイクユニット61は、第1の実施形態と第2の実施形態におけるマイクユニット6そのものを、音声マイクアーム62の一端部に取り付けて固定したものである。すなわち、この音声マイクアーム62の一端部は略丸い外形で略平面状に形成され、その裏面にマイクユニット6を固定することができるよう構成されている。そして、内面側に向かう段差を介して、音声マイクアーム62の他端部は、薄く略平板状で略長方形に形成され、取り付けられるヘルメット1000の内面に沿うような形で略球面を描くような曲面状に形成されている。
ここで、ヘルメット1000内面の頬の部分には、図示されない頬当てパッドが脱着自在に設けられている。この頬当てパッドを取り外して、音声マイクアーム62の他端部外面とヘルメット1000内面を面ファスナーや両面粘着テープ等で固定することにより、アーム付きマイクユニット61をヘルメット1000に固定することができる。音声マイクアーム62の他端部は、薄く略平板状に形成されていて、取り外した頬当てパッドを、ヘルメット1000内面の元の位置に取り付ければ、取り付け作業が完了する。
なお、本実施形態のヘルメット1000はオープンフェイス型のもので説明したが、フェイスカバーが開閉できる構成を有する非特許文献2記載のヘルメットにも対応するものである。すなわち、フェイスカバーが開閉できる構成を有するヘルメットでは、顎部の部分がフェイスカバーと一緒に動いてしまうため、マイクユニット6はそのままでは取り付けることができない。そこで、本実施形態の音声マイクアーム62を用いることにより、本実施形態のオープンフェイス型のヘルメット1000と同様に、アーム付きマイクユニット61がヘルメットに取り付け可能となる。
(第4の実施形態)
図19(A)(B)を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態では、第2の実施形態と同様のヘルメット用音響装置1の構成を有するが、音響装置本体ユニット2の音響装置本体3の一部を変更し、充電をよりやり易くしたものである。以下、第2の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
ここで、ヘルメット1000を装着したままで音響を聞けるようにしたヘルメット用音響装置1では、これを機能させるためには充電をすることがまず必要となる。音響装置本体3単体で外部ケーブルを接続させれば充電は可能だが、その度毎に、ヘルメット1000から分離させる必要が生じる。ヘルメット1000に音響装置本体3を装着したままで充電を行うことができるようにすれば、取り扱いが簡単になり便利である。またここで、次の第5の実施形態において詳しく後述するように、音響装置本体3の底面部で底面方向に向いて配置されている接続コネクター35に電源供給ケーブルを用いて充電しようとすると、いろいろと不都合が生じる。そこで、本実施形態では、ヘルメット用音響装置1をヘルメット1000に装着した状態のまま、電源供給ケーブルを用いずに、簡単かつ安定した状態での充電を可能とする構成を示すものである。
図19(A)は、音響装置本体ユニット2の音響装置本体3を底面方向から見た斜視図を示し、図19(B)は、音響装置本体3の底面図を示している。図19(A)(B)に示すように、本実施形態の音響装置本体3は、外形は第2の実施形態とほぼ同様であって所定厚の底面部ケース47とこの底面部ケース47から斜め上部に突出した収納部ケース48を有しているが、底面部ケース47の接続操作部32等の構成等が異なっている。
ここで、音響装置本体ユニット2は、第2の実施形態と同様に、取り付けアダプター4は有しておらず、音響装置本体3のみから構成される。
すなわち、図19(A)(B)に示すように、音響装置本体3の下面にある接続操作部32は中央部が所定面積の平面になっていて、この部分が下方に膨出している。そして、左端近傍の部分に電源ボタン34と通信表示36、外音量マイク穴33が配置され、右端近傍に接続コネクター35と充電表示37が配置されている。ここで、接続操作部32の所定面積の膨出する平面の内面には、ワイヤレス充電システムのための受電用コイル87が配置されていて充電膨出部49を形成し、音響装置本体3に収納されているバッテリー86のワイヤレスでの充電が可能に構成されている。
この構成によれば、音響装置本体3の底面部ケース47は、ヘルメット1000の底部に位置して下方に突出することになるので、ヘルメット1000に音響装置本体3を取り付けたまま、充電パッド等の給電器の上に置くだけでの充電が可能となる。すなわち、接続操作部32の中央部を所定面積の平面としたのは、給電器の給電用コイルの磁界を電磁誘導で受電用コイル87に受けて、スムーズにワイヤレス充電を可能にするためである。受電用コイル87と給電器の給電用コイルとの位置合わせのため、互いに引き合うマグネットをそれぞれに配置してもよいし、または、互いに係合する凹凸等を適宜設けたりしてもよいことは、勿論である。
また、このワイヤレス充電システムは、ワイヤレスパワーコンソーシアムにより規定されたQi(登録商標)規格に準拠することが望ましい。すでに市販等されている給電器や受電用コイルを用いることができるからである。そして、受電用コイルを取り付けるためには、載置面と略平行な所定の面積の受電部を設けることが必要となるが、本実施形態の音響装置本体3は、収納部ケース48だけでなく底面部ケース47を設けたため、これを可能としたものである。
すなわち、本実施形態の音響装置本体3の構造については、次のように表現することもできる。
ヘルメットの後部の底部内側に上向きの凹部である収納凹部を有するヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生させる音響装置本体と、音響装置本体と接続ケーブルで接続され、駆動信号によりヘルメット内で音響を発生させる音響発生器を有し、音響装置本体は、収納凹部の開口部より広い面積で、開口部を覆って蓋をするような形の所定厚の底面部と、底面部の上面から上方向に膨出し、収納凹部に収納される膨出部を有し、底面部にはワイヤレス充電のための受電用コイルが設けられていることを特徴とするヘルメット用音響装置。
そして、このようにヘルメット用音響装置を構成することによって、底面部ケース47に受電コイルを載置面に略平行に配置することが可能となり、また、ヘルメットの上下を変えたりせず、ヘルメットを安定した状態で載置しての充電が可能となった。
ここで、所定面積の平面を、音響装置本体3の下面から下方に膨出させ、充電膨出部49を形成したことについて説明する。
ところで、一般に受電用コイルが内蔵されたスマートフォン等の携帯端末等を給電器で充電する場合、給電器の上面に携帯端末全体が載置されるので、両者間は密着されて隙間はなく、効率よく充電がされる。一方、ヘルメット用音響装置1の場合、音響装置本体3はヘルメット1000後部の底部に取り付けられ、所定厚さを有する給電器をヘルメット1000後部の底部に差し込まれるような形で充電が行われる。すなわち、ヘルメット1000の前部は載置面に当接し、後部は給電器分持ち上げられた状態で、音響装置本体3が装着されたヘルメット1000は載置されて充電がされる。
ここで、ヘルメット1000には、前述したようにフルフェイス型やオープンフェイス型等のいろいろな形やサイズがあり、給電器にもいろいろな厚さがある。この場合、ヘルメット1000を充電のため載置したとき、ヘルメット1000の後部の給電器等による持ち上げられ方は、いろいろ変わってしまう。そうすると、ヘルメット1000を充電のため載置したとき、音響装置本体3の下面が給電器の上面に対して、わずかに傾斜してしまう可能性が生ずる。この傾斜を生じれば、隙間が生じ、充電効率が落ちてしまうことになる。
図19(A)(B)に示すように、本実施形態では、充電膨出部49は、音響装置本体3の下面より下方に膨出し、左右方向よりも前後方向が短く形成されている。充電膨出部の内面には、充電膨出部49内面にすっぽりと覆われるように、左右方向に長い外形が略角丸長方形で平面型の受電用コイル87が設けられている。音響装置本体3が給電器の上面に載置されたときに傾斜がある場合には、充電膨出部49の前端または後端が当接し、他方の端部は傾斜分浮き上がって隙間ができることになる。この隙間は、前端と後端の幅が大きくなれば大きなものとなるが、本実施形態では、充電膨出部49の前後の幅が短くなるように構成されているため、生じる隙間も小さなものとなる。そのため、音響装置本体3の下面と給電器の上面に傾斜があっても、隙間が小さく、充電効率への影響も小さなものとすることが可能となった。
すなわち、本実施形態の音響装置本体3の構造については、次のように表現することもできる。
ヘルメットの後部の底部内側に上向きの凹部である収納凹部を有するヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生させる音響装置本体と、音響装置本体と接続ケーブルで接続され、駆動信号によりヘルメット内で音響を発生させる音響発生器を有し、音響装置本体は収納凹部に少なくともその一部が収納されて取り付けられるよう構成されており、音響装置本体は音響装置本体内のバッテリーに充電用の電源がワイヤレスで供給される受電コイルを有し、受電コイルは下向きに形成され、横幅よりも前後方向の幅が短く構成され、受電コイルを覆う横幅よりも前後方向の幅が短い筐体内に収納され、収納凹部より下方に突出するように構成されていることを特徴とするヘルメット用音響装置。
そして、このようにヘルメット用音響装置を構成することによって、音響装置本体の下面と給電器の上面に傾斜があっても、隙間が小さく、充電効率への影響も小さなものとすることが可能となった。
なお、本実施形態のヘルメット用音響装置1として、音響ユニット5にエキサイター7を用いるもので説明しているが、スピーカーを用いるヘルメット用音響装置に適用してもよいことは、勿論である。ヘルメット内部の耳近傍に設けられたスピーカーを用いるヘルメット用音響装置やヘルメット用インカム装置等であっても、同様に便利に使用できるからである。
またなお、例えば、受電用コイル87の前後幅の中心上であって、充電膨出部49の左右の端部近傍等に2つの凹部を設け、給電器の上面であって給電用コイルの前後幅の中心上の左右に、この凹部に対応する2つの凸部を設けるように構成してもよい。凹部と凸部の嵌合を緩めに構成すれば、音響装置本体3の下面と給電器の上面が傾斜可能となり、しかも受電用コイル87と給電用コイルとの位置出しもできることになる。凹部と凸部が逆の場合も、同様である。いずれにせよ、受電用コイル87と給電用コイルを略中心として、互いに前後方向に揺動可能に嵌合するよう構成すれば、この効果を得ることが可能となる。
またなお、例えば、給電器の載置脚の高さを調整して給電器上面と載置面との角度を調整可能としたり、収納部ケース48に対して底面部ケース47の前後方向を回動可能としたり、またはそのヘルメット専用の給電器を用意したりしてもよい。この場合、音響装置本体3の下面と給電器の上面との間に傾きを生じないようにすることができるので、充電膨出部49の全面を給電器の上面に密着させることができる。このように構成したときには、充電膨出部49を音響装置本体3の下面から膨出させず、同一面としても、充電効率が落ちることのない充電が可能となる。
またなお、本実施形態の音響装置本体3には、受電用コイル87の他に接続コネクター35も設けてあるが、これは接続コネクター35を介してファームウェアのアップデート等を可能とするとともに、いわゆる注ぎ足し充電等を可能とするものである。すなわち、自動二輪車でのツーリング先で、例えば昼食時等に、モバイルバッテリー等を用いての充電が可能となる。
またなお、音響装置本体3から接続コネクター35を取り去り、充電を受電用コイル87によるものだけにしてもよい。接続コネクター35を取り去れば、コストダウンやより小型化にすることも可能となり、また、ファームウェアのアップデート等に関しては、前述したように、音響装置本体3と携帯端末Sを通信させて行うことも可能であるからである。
(第5の実施形態)
図20(A)(B)を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態では、第1の実施形態と同様のヘルメット用音響装置1を用いるが、取り付けるヘルメット1000の構成が異なるため、これに対応する音響装置本体ユニット2の音響装置本体3を用いている。そして、充電をよりやり易くするように構成している。以下、第1乃至第4の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
ここで、第4の実施形態でも説明したように、ヘルメット1000に音響装置本体3を装着したままで充電を行うようにすれば、取り扱いが簡単になり便利である。そこで、本実施形態では、異なる構成のヘルメット1000に対応する音響装置本体3を示すとともに、ヘルメット用音響装置1をヘルメット1000に装着した状態で、簡単かつ安定した状態での充電を可能とする構成を示すものである。
図20(A)(B)は、本実施形態のヘルメット用音響装置1の使用例であって、図20(A)はヘルメット1000に音響装置本体ユニット2の音響装置本体3を取り付けた状態で背面下方からの斜視図の一部、図20(B)は背面図の一部を示している。
ここで、音響装置本体ユニット2は、第2の実施形態と同様に、取り付けアダプター4は有しておらず、音響装置本体3のみから構成される。また、接続ケーブル21等については、記載を省略している。
図20(A)(B)に示すように、本実施形態のヘルメット1000は、第2の実施形態で示したものと同様、収納凹部1400を有するが、その構成が異なっている。第2の実施形態のヘルメット1000では、後部の下縁部を背面側に少し膨出させて、この内面側に、底部から上向きの凹部を設け収納凹部1400としたが、本実施形態のヘルメット1000では、背面側に所定厚の略矩形形状の収納凹部1400を設けている。そのため、収納凹部1400に、略矩形板状の形状の音響装置本体3の収納部ケース48を収納させることを可能としている。
なお、本実施形態のヘルメット1000は、フルフェイス型またはオープンフェイス型のものである。
ところで、自動二輪車等の乗車用ヘルメットについては、JIS T8133により、安全性能が規定されている。この規定によれば、ヘルメットの前部上部から後部上部までの部分の衝撃吸収性能が求められ、衝撃試験を行う義務が課されている。
そして、本実施形態のヘルメット1000では、衝撃試験を行う範囲外の後部の下部であって、安全性の確保できる範囲内で、衝撃吸収ライナー1300の背面側を一部薄くして、収納凹部1400を設けたものである。すなわち、収納凹部1400はシェル1100内面と衝撃吸収ライナー1300の隙間に挟まれた位置にある。そのため、シェル1100内面の曲面に沿う形で、音響装置本体3の収納部ケース48の背面側の左右端近傍の部分は少し薄く構成されている。
なお、ヘルメット1000の背面側全体を背面側に膨出させて、収納凹部1400を設けても厚さが十分大きい衝撃吸収ライナー1300としてもよいことは、勿論である。
図20(A)(B)に示すように、本実施形態の音響装置本体3は、底面部ケース47と収納部ケース48の部分から構成される水密な構造の音響装置本体ケース31を有している。すなわち、音響装置本体ケース31は、左右方向の中央部が下方に膨出した形の略弓形状の円弧面を持つ所定厚の底面の部分である底面部ケース47と、この底面部ケース47から上部に突出した略矩形板状の収納部ケース48から構成される。略弓形状の円弧面は接続操作部32を形成し、接続操作部32には右から通信表示36と電源ボタン34、充電表示37、外音量マイク穴33が配置されている。また、接続操作部32の下端部近傍の左右には、載置用脚部40、40が形成されており、底面部ケース47の背面側略中央には、接続コネクター35が設けられている。
図20(A)(B)に示すように、音響装置本体3の底面部ケース47は背面から見たとき、ヘルメット1000の下縁から更に下方に膨出するように構成されている。そのため、底面部ケース47の背面側に設けられた接続コネクター35は、外部ケーブルの接続プラグPをヘルメット1000の背面側から差し込んで接続することが可能となっている。
ところで、第1の実施形態乃至第4の実施形態では、接続コネクター35は音響装置本体3の底面部であって、底面方向に向いて配置されていた。そうすると、音響装置本体3をヘルメット1000に取り付けたままで接続コネクター35に外部ケーブルの接続プラグPを接続するときには、ヘルメット1000の上下を逆さにした状態で行う必要がある。しかし、この状態で所定の時間を必要とする充電を行うのは問題があった。
ここで、ヘルメット1000の外面は略球面状の形をしており、上下逆さにした状態はたいへん不安定な状態であり、この状態で所定時間充電するために手を離したりすると、転がってしまうことになる。そして、テーブル等の上から転がって、床の上に落下すれば、ヘルメット1000は衝撃を受け、衝撃吸収性が低下してしまう。
また、自動二輪車用のヘルメット1000は高価なものであるが、落下の衝撃等により、外面の塗装に傷が付いたり、剥がれたりしてしまう。ヘルメット1000を横にして置いた状態でも、上下逆さにしたときと同様に不安定な状態となってしまう。
例えば、ドーナツ型のクッションのようなものを用意すれば、上下逆さでの載置は可能であるが、安定している状態とはならず、軽い衝撃を与えれば、簡単に転がってしまう。
やはり、ヘルメット1000の上下を変えず、そのままで載置するのが一番安定する。しかしながら、第1乃至第4の実施形態の場合、接続コネクター35はヘルメット1000の底部であって底面方向に向いて配置されているため、接続プラグPを差し込んだ状態では、ヘルメット1000の底部から下方に接続プラグPが突出することになる。この状態で、ヘルメット1000の底部を下に載置すれば、ヘルメット1000の重力が接続プラグPにかかってしまうことになる。これは、接続プラグPに繋がっている外部ケーブルの断線の原因になるし、ヘルメット1000に何らかの力がかかった場合等では、音響装置本体3の接続コネクター35が壊れてしまう可能性も生じてしまうことになる。
ここで、本実施形態の目的の一つは、ヘルメット1000の底部を下に載置されたときでも、差し込んだ接続プラグPに外力等がかからないようにすることにある。
本実施形態では、図20(A)(B)に示すように、接続コネクター35はヘルメット1000の下縁から更に下方に位置しており、底面部ケース47の背面側に、背面側に向くように設けられている。そして、接続コネクター35に接続プラグPを差し込んだ状態では、接続プラグPは、ヘルメット1000のシェル1100等の下縁からも、載置した面からも離間した位置になるよう、接続コネクター35が位置するよう構成されている。
以上のように構成したので、ヘルメット1000の載置時に、接続プラグPに外力等がかからないようにすることが可能となった。
ここで、本実施形態では、接続プラグPを背面側から接続コネクター35に差し込むように構成したが、これに限定されない。例えば、接続コネクター35を前方向に向くように構成して、接続プラグPを差し込んだ状態で、接続プラグPは、ヘルメット1000の衝撃吸収ライナー1300等の下縁からも、載置面からも離間した位置になるよう、接続コネクター35は位置させる構成としてもよい。このように構成しても、ヘルメット1000の底部を下にして載置したとき接続プラグPに外力等がかからないようにする構成にすることができる。
なお、接続コネクター35を左または右方向とか、斜め方向にした場合も同様である。
すなわち、接続コネクター35を載置面の方向の下向きではなく、載置面に対して略横向き(略平行な向き)にして、接続プラグPをヘルメット1000の下縁からも、載置面からも離間した位置になるように構成すればよい。
このように構成することにより、接続コネクター35に接続プラグPを差し込んだ状態で、接続プラグPに外力等が加わることなく、ヘルメット1000の上下等を変えることなく、そのまま安定した状態で載置することができる。
そして、接続コネクター35の底面には載置用脚部40、40を有しているので、ヘルメット1000をより安定した状態で、載置することができる。
ここで、本実施形態の音響装置本体3の構造については、次のように表現することもできる。
ヘルメットの後部の底部内側に上向きの凹部である収納凹部を有するヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生させる音響装置本体と、音響装置本体と接続ケーブルで接続され、駆動信号によりヘルメット内で音響を発生させる音響発生器を有し、音響装置本体は収納凹部に少なくともその一部が収納されるよう構成されており、音響装置本体内のバッテリーに充電用の電源を供給する接続コネクターがヘルメットの下縁部より突出するとともに、略横方向に向いているように構成されていることを特徴とするヘルメット用音響装置。
このように接続コネクターを配置することによって、接続プラグを差し込んだ状態で、ヘルメットの上下を変えず、ヘルメットを安定した状態で載置しながら充電することが可能となった。
そして、次のように付け加えることもできる。
接続コネクターに電源供給ケーブルの接続プラグを差し込んだ状態でヘルメットを載置したときに、接続プラグがヘルメットの下縁部にもヘルメットが載置されている載置面にも当接されないよう保持されるように構成されていることを特徴とするヘルメット用音響装置。
このように構成することにより、ヘルメットを載置した状態で、接続プラグに力がかかるのを防ぎ、電源供給ケーブルの断線や接続コネクターが壊れてしまう可能性を防止することが可能となった。
なお、上記の「駆動信号によりヘルメット内で音響を発生させる音響発生器」について、本実施形態では音響発生器として加振型音響発生器が用いられているが、これに限定されず、音響発生器としてスピーカーを用いてもよいことは、勿論である。音響発生器としてヘルメット内部の耳近傍に設けられたスピーカーを用いるヘルメット用音響装置においても、同様の効果を発生させることができるからである。すなわち、電源供給ケーブルの接続プラグを差し込んだ状態で、ヘルメットを安定して載置することが可能となる。
なお、本実施形態では、載置用脚部40、40を音響装置本体3の底面下端部の中心部近傍の左右に設けているが、底面の左右端近傍に設けて、載置できるよう突出させるように構成してもよい。載置用脚部40、40の間隔が広がれば、ヘルメット1000をより安定した状態での載置をすることが可能となる。
またなお、本実施形態では、音響装置本体3の底面部ケース47を下方に膨出するようにしたが、底面部ケース47全体でなく、接続コネクター35と載置用脚部40、40だけを下方に膨出させるように構成してもよい。接続コネクター35がヘルメット1000の下縁部より突出し、横方向に向いていれば、ヘルメット1000を安定した状態で、充電等が可能となるからである。
この場合、底面部ケース47を削除し、収納部ケース48から直接、接続コネクター35と載置用脚部40、40を下方に膨出させるように構成してもよい。
またこの場合、例えば接続コネクター35の下部の部分の幅を広げたりして、接続コネクター35の部分と載置用脚部40、40を一体に構成するようにしてもよい。
またなお、ヘルメット1000のシェル1100等の下縁や衝撃吸収ライナー1300等の下縁を上方に少し削るような感じで、接続コネクター35に対応する位置の部分を、上方向に凹ませるような円弧状等の凹みを入れるように構成してもよい。上方向の凹みにより、接続コネクター35に対応する位置のヘルメット1000の下縁部の位置が上方向に上がるため、この下縁部と接続プラグPを離間させながら、接続コネクター35の位置を上方向に上げることができる。そうすると。接続コネクター35のヘルメット1000に対する下方への突出量を、減少させることが可能となる。
またなお、第1の実施形態乃至第4の実施形態において、本実施形態と同様にして、接続コネクター35をヘルメット1000の下縁部より突出させ、接続コネクター35を横方向に向いているような構成としてもよい。そして、接続コネクターに電源供給ケーブルの接続プラグを差し込んだ状態でヘルメットを載置したときに、接続プラグがヘルメットの下縁部にもヘルメットが載置されている載置面にも当接されないよう保持されるように構成してもよい。このように本実施形態の構成を取り入れれば、接続プラグに力がかかるのを防ぎ、電源供給ケーブルの断線や接続コネクターが壊れてしまう可能性を防止するようにして、ヘルメット1000の底部を下にした安定した状態での充電が可能となる。
本発明のヘルメット用音響装置は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、音響ユニット5、5とマイクユニット6は、それぞれ防水コネクター22、22、22を介して接続ケーブル21、21、21により、音響装置本体ユニット2に接続されているように構成したが、これに限定はされない。
すなわち、接続ケーブル21、21、21を一つのコネクターにまとめて、音響装置本体ユニット2に接続されるよう構成してもよい。また、収納凹部1400の奥の部分等にコネクターや接点を設け、音響装置本体ユニット2を収納凹部1400に差し込むだけで、接続や接触がされるように構成してもよいことは勿論である。このように構成することにより、音響装置本体ユニット2をヘルメット1000から取り外して、単体での充電等が更に容易に可能となる。
また、使用者Uは携帯端末Sを介して通話を行うと説明をしたが、これに限定されない。例えば、非特許文献1のインカム装置では、同じインカム装置同士でのインターコム会話が可能であるが、これと同様に構成して、音響装置本体ユニット2にインターコム会話機能を持たせるようにしてもよい。このように構成すれば、携帯端末Sを介さずに、ヘルメット用音響装置1同士での直接通話が可能となる。
すなわち、これまでの説明で、ヘルメットに取り付けられるのをヘルメット用音響装置と記しているが、例えば、ヘルメット用インカム装置等に言葉を置き換えて表現してもよいことは、勿論である。ここで、本発明のヘルメット用音響装置とは、自動二輪車用のヘルメットを装着したままで、音響を聞けるようにした装置のことであり、ヘルメット用インカム装置等も含むものとする。
また、本発明の対応する自動二輪車用ヘルメットは、前述の実施の形態で説明したようなヘルメットに限定はされない。
例えば、現在、ヘルメット後部の底部に、上向き凹部の形の収納凹部を設けてバイク用インカムを収納するという「ユニバーサル通信ソリューション」という規格が提案されているが、この規格に合致されるように構成してもよいことは勿論である。
すなわち、音響装置本体ユニット2の音響装置本体3の外形をこの収納凹部に合うような形にして、第1の実施形態で示したような音響ユニット5、5をヘルメットに取り付ける構成としてもよいことは勿論である。
ここで、前述したように、この音響装置本体3を、収納凹部の開口部を覆って蓋をするような形の所定厚の底面部と、底面部の上面から上方向に膨出し、収納凹部に収納される収納部を有するよう構成してもよい。
このように音響装置本体3を構成することによって、底面部は収納部の下部端面より広く形成され、収納部には少なくともヘルメット用音響装置を駆動するためのバッテリーが収納され、収納部の下面には操作部と表示部、接続コネクターを設けることができて、操作面が大きくなり、使用者Uが操作しやすいものとなる。
また、底面部は収納部の下部端面より広く形成するように構成すれば、底面部に受電用コイルを設置することが可能となり、充電パッド等の給電器によって、ワイヤレスでの充電が可能となる。また、ヘルメットの上下を変えず、置くだけで充電が可能となり、ヘルメットを安定した状態で載置しての充電ができる。
また、音響装置本体は電源が供給される接続コネクターを有し、接続コネクターがヘルメットの下縁部より突出するとともに、ヘルメットを載置する載置面に対して略横方向に向いているように構成してもよい。接続プラグを差し込んだ状態で、ヘルメットの上下を変えず、ヘルメットを安定した状態で載置しながら充電することが可能となる。
また、受電用コイルを収納部の下部端面より下向きに突出させ、受電コイルの横幅よりも前後方向の幅が短く構成され、横幅よりも前後方向の幅が短い音響装置本体3の筐体内に収納されているように構成してもよい。このようにすることにより、音響装置本体の下面と給電器の上面に傾斜があっても、隙間が小さく、充電効率への影響も小さなものとすることができる。この規格に適合するヘルメットの様々な形状や大きさのものが生産されていくとき、これらに対応するヘルメット用音響装置にワイヤレス給電する場合に、この構成は有効に活用されるものである。
また、前述してきた第1乃至第5の実施形態で詳細に説明してきた細部の特徴等を、この規格に適合するヘルメットに適用するように構成してもよいことは、勿論である。さらに便利に使用できるものにすることができるからである。
またなお、上述した実施の形態においては、ヘルメット用音響装置を自動二輪車用として説明したがこれに限定されず、例えば、四輪自動車レースやボートレース用等としても用いてよいことは、勿論である。
また例えば、発泡材等をヘルメットの形に成型したものに、本発明のヘルメット用音響装置を取り付ければ、ドルビーアトモス(登録商標)等の技術を用いた空間オーディオが再生可能となり、三次元での定位感に優れた音響装置を得ることができる。これは、ノイズキャンセルを働かせての、映画鑑賞や音楽鑑賞等にも使用できるし、また、ゲーム用にも便利に使用できる。すなわち、相手の足音や、味方の位置等を音で状況を把握しながら、遠く離れたプレーヤーとマイクで通話しながら、優位にゲームを進めることが可能となる。
U 使用者
S 携帯端末
P 接続プラグ
1 ヘルメット用音響装置
2 音響装置本体ユニット
21 接続ケーブル
22 防水コネクター
3 音響装置本体
31 音響装置本体ケース
32 接続操作部
33 外音量マイク穴
34 電源ボタン
35 接続コネクター
36 通信表示
37 充電表示
38 係合部
39 係合凸部
4 取り付けアダプター
41 被係合部
42 被係合凸部
43 係合ロック
44 ケーブル用切り欠き
45 ヘルメット取り付け面
46 取り付けアダプター用両面粘着テープ
47 底面部ケース
48 収納部ケース
49 受電膨出部
40 載置用脚部
5 音響ユニット
51 外面部
52 内面部
53 接続ケーブル穴
54 外音マイク穴
55 防水ケーブルブッシュ
56 防水パッキンシート
57 スカート部
58 音響ユニット用両面粘着テープ
59 エキサイター取り付け凹部
6 マイクユニット
61 アーム付きマイクユニット
62 音声マイクアーム
7 エキサイター
71 エキサイターフレーム
72 振動伝達部
73 ダンパー
74 エキサイター用両面粘着テープ
75 コイル
76 端子板
77 ヨーク
78 永久磁石
81 外音量マイク
82 外音マイク
83 防水シート
84 風防発泡材
85 音声マイク
86 バッテリー
87 受電用コイル
9 メイン基板
91 コントロール部
92 電源部
93 表示部
94 操作部
95 エキサイター駆動部
96 外音マイク信号処理部
97 音声マイク信号処理部
98 外音量マイク信号処理部
99 通信部
1000 ヘルメット
1100 シェル
1200 シールド
1300 衝撃吸収ライナー
1400 収納凹部
1500 取り付け部
1600 取り付け部縁部
2000 耳ダミーマイク
2100 耳ダミー
2200 ダミー用マイク

Claims (11)

  1. 自動二輪車用のヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置であって、
    前記ヘルメット用音響装置は、駆動信号を発生する音響装置本体と、前記音響装置本体と接続ケーブルで接続され、前記ヘルメットを振動させる加振型音響発生器と前記加振型音響発生器を収納する筐体とを備える2つの加振型音響ユニットを有し、
    前記2つの加振型音響ユニットは前記ヘルメット外面の左右の側面にそれぞれ固定され、それぞれの前記加振型音響発生器が前記駆動信号により振動を発生させて、その振動により前記ヘルメットを振動させることにより音響が発生され、
    前記音響装置本体は携帯端末と通信可能に構成され、前記携帯端末からの音楽の音響信号により前記音響装置本体は前記駆動信号を発生し、前記加振型音響ユニットが駆動されて前記ヘルメット内で音楽再生がされ、
    前記加振型音響ユニットには、前記筐体内にそれぞれ外音マイクが前記加振型音響発生器の近傍に収納され、外部の騒音を前記外音マイクにより検出し、前記音響装置本体で信号処理して前記外部の騒音の位相を反転した音響信号を、前記音楽再生がされている場合には前記音楽の音響信号と合成処理されて、前記駆動信号を発生し、これにより前記加振型音響ユニットが駆動されて、ヘルメット内においてノイズキャンセルがされるように構成されている
    ことを特徴とするヘルメット用音響装置。
  2. 前記2つの加振型音響ユニットは、それぞれ前記ヘルメットの左右側面の外面の下縁部に固定されている
    ことを特徴とする請求項1記載のヘルメット用音響装置。
  3. 前記加振型音響発生器と前記外音マイクは、それぞれの前記筐体内において、自動二輪車の進行方向に対して略前後に並んだ位置に収納されている
    ことを特徴とする請求項2記載のヘルメット用音響装置。
  4. 前記加振型音響発生器の定格入力は、1ワット以下であって、0.3ワット以上のものである
    ことを特徴とする請求項3記載のヘルメット用音響装置。
  5. 前記ヘルメット用音響装置は、前記音響装置本体と接続ケーブルで接続された音声マイクを有し、
    前記音声マイクと前記加振型音響ユニットを用いて、使用者は前記音響装置本体と通信可能に構成された前記携帯端末または前記音響装置本体を介して通話が可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のヘルメット用音響装置。
  6. 前記ヘルメットの後部の内側底部には上向きの凹部である収納凹部を有し、
    前記音響装置本体の筐体の少なくとも一部が前記収納凹部に収納されて、取り付け可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のヘルメット用音響装置。
  7. ヘルメットの左右側面の外面の下縁部には、略三角形型の取り付け部を有し、
    前記加振型音響ユニットは同様の外形の略三角形型の形状をなし、前記取り付け部に取り付け可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載のヘルメット用音響装置。
  8. 前記音響装置本体の筐体は、前記収納凹部の開口部より広い面積で、開口部を覆って蓋をするような形の所定の厚さの底面の部分と、底面の部分の上面から上方向に膨出し、収納凹部に収納される収納部を有し、底面の部分にはワイヤレス充電のための受電用コイルが設けられている
    ことを特徴とする請求項6記載のヘルメット用音響装置。
  9. 前記音響装置本体は前記収納凹部に少なくともその一部が収納されて取り付けられるよう構成されており、前記音響装置本体内のバッテリーに充電用の電源を供給する接続コネクターを有し、前記接続コネクターがヘルメットの下縁部より突出するとともに、前記ヘルメットの底部を下に載置したときの載置面に対して前記接続コネクターが略横方向に向いているように構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載のヘルメット用音響装置。
  10. 前記ヘルメット用音響装置は、前記外音マイクが検出した前記外部の騒音について緊急音が所定音量以上ある場合には、ノイズキャンセルを中断するか、または前記緊急音の略音域幅の位相の反転を中断するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のヘルメット用音響装置。
  11. 前記ヘルメット用音響装置は、前記外音マイクが検出した前記外部の騒音について緊急音が所定音量以上ある場合には、前記音楽再生がされている場合には、前記音楽再生の音量を下げるか、または再生を中断するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のヘルメット用音響装置。
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