JP3745602B2 - 身体セット型スピーカ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオーディオ機器の再生音や通信機器の音声等を出力する身体セット型スピーカ装置に係り、詳しくは外界音の聞き取りを確保しつつスピーカ音を聞くことのできる身体セット型スピーカ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ機器、パソコン、通信機器等からの音を聞く機器として、イヤホーン及びヘッドホーンがある。また、内蔵スピーカ付き小型ラジオをワイシャツ等の胸ポケットに入れて、胸ポケット内の内蔵スピーカからのラジオ放送の音を聞いている人は時折、目にするところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
イヤホーンやヘッドホーンでは、耳が外界に対して塞がれてしまうため、ユーザは、外界音は聞けず、スピーカ音のみを聞くことになる。胸ポケット等、耳の周囲に配備したスピーカから音を聞く場合では、外界音の聞き取りは確保されるが、周囲へスピーカ音を撒き散らし、他人に迷惑を掛ける。
【0004】
なお、特開平8−33079号公報のイヤホーンでは、ミニチュアスピーカに弾性的なパッドカバーを被せ、パッドカバーを耳穴に挿入することにより、パッドカバーはスペーサの役割を担い、スピーカ面は耳穴から所定距離、離れて保持されるようになっている。しかしながら、このイヤホーンでは、スピーカ面と耳穴との間の空間は、パッドカバーにより外界に対して閉鎖され、外界音は耳穴へ到達するのを抑制されている。
【0005】
また、イヤホーンを片耳のみに装着して、別の片耳は開放して、外界音を聞くことがあるが、両耳でそれぞれスピーカ音及び外界音と別々の音を聞くことは、ユーザへ違和感を与えるとともに、聴覚神経上の疲れを招き易い。さらに、ステレオでスピーカ音を聞くためには、両耳にイヤホーンを装着しなければならず、その場合には、従来のイヤホーンやヘッドホーンでは、ステレオ音と合わせて、外界音を聞くことは無理である。
【0006】
本発明の目的は、ユーザは外界音とスピーカ音との両方を聞き取ることができるとともに、外界へはスピーカ音の漏れを防止することのできる身体セット型スピーカ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の身体セット型スピーカ装置は次のものを有している。
・ユーザの身体に着脱自在に装着される装着部材
・スピーカ面をユーザの耳穴の方へ向けたとき耳穴の方へスピーカ面から放射される音エネルギーがスピーカ面からの全放射音エネルギーに対して所定値以上になるような指向性を備える指向性スピーカ
・装着部材に結合されており耳と指向性スピーカとの間に外部開放空間を形成するように指向性スピーカをユーザの耳から所定距離、離して保持するスピーカ保持部材
【0008】
身体セット型スピーカ装置は、典型的には、ヘッドセット型であるが、「身体セット型」の「身体セット」には、頭、顔、肩、胴体、腕等、他の身体部分へのセットを排除しない。指向性スピーカは、その指向性が大きいものほど、ユーザの耳から離して、配置しても、騒音原因となる外界へのスピーカ音の漏れを防止できるが、指向性スピーカと耳との間における外部開放空間の形成を確保しつつ、指向性スピーカを耳になるべく近付けた方が、多少の指向性能の低さにもかかわらず、外界へのスピーカ音の漏れを防止できる。耳穴とは例えば外界への外耳道の開口である。
【0009】
スピーカ音には、CD、MD、及びDVD等の光ディスクやICメモリに記録されている音をプレーヤで再生した再生音、ラジオ放送やテレビ放送のチューナから出力される放送音、パソコンから出力される音、携帯電話機や通信機を介して通話中の相手側の音声等が含まれる。ユーザには、パソコンオペレータや、電話による商品やサービスの問い合わせに応答するサポートセンターの応答員も含まれる。身体セット型スピーカ装置は、典型的には、これら音を有線又は無線を介して入力されるが、小型のチューナ、電話機、通信機を一体に装備して、それらの音を指向性スピーカから出力するようになっている場合には、外部から信号を受信する無線や有線を省略できる。
【0010】
外部開放空間が耳と指向性スピーカとの間に形成されているので、耳は外界に対して遮断されず、外界音は外部開放空間を介して耳へ到達し、ユーザは、スピーカ音と外界音との両方を聞くことができる。また、指向性スピーカは、指向性について基準(=スピーカ面をユーザの耳穴の方へ向けたとき耳穴の方へスピーカ面から放射される音エネルギーがスピーカ面からの全放射音エネルギーに対して所定値以上になるような指向性)を満たすものが採用され、これにより、外界へのスピーカ音の漏れを有効に防止できる。 また、ユーザは、外界音の聴取を保証されるので、この身体セット型スピーカ装置を、楽曲や通話等の聴取時にのみ身体にセットし、不使用時には取り外す手間を省いて、常時、身体にセット状態に保持しつつ、必要時にはこの身体セット型スピーカ装置からのスピーカ音を聞くことができる。
【0011】
第2の発明の身体セット型スピーカ装置によれば、第1の身体セット型スピーカ装置において、スピーカ保持部材は、指向性スピーカからユーザの耳穴までの距離を調整自在に指向性スピーカを保持している。
【0012】
指向性スピーカからユーザの耳穴までの距離を調整可としたことにより、身体セット型スピーカ装置をユーザの体型に適合させて使用することができる。また、指向性スピーカからユーザの耳穴までの距離を変更することにより、ユーザの聞く外界音とスピーカ音との音量比を調整できる。なお、スピーカ音の音量を調整する音量調整手段を身体セット型スピーカ装置に装備し、ユーザはその音量調整手段を操作することにより、スピーカ音と外界音との音量比を適宜、調整することができる。
【0013】
第3の発明の身体セット型スピーカ装置によれば、第1又は第2の発明の身体セット型スピーカ装置において、スピーカ保持部材は、指向性スピーカの向きを調整自在に指向性スピーカを保持している。
【0014】
指向性スピーカの向きを調整可としたことにより、身体セット型スピーカ装置をユーザの体型に適合させて使用することができる。また、指向性スピーカの向きを変更することにより、ユーザの聞く外界音とスピーカ音との音量比を適宜、調整できる。
【0015】
第4の発明の身体セット型スピーカ装置によれば、第1〜第3の発明の身体セット型スピーカ装置のいずれかにおいて、指向性スピーカの出力する音を生成する音信号は無線により受信するようになっている。
【0016】
第5の発明の身体セット型スピーカ装置によれば、第1〜第3の発明の身体セット型スピーカ装置のいずれかにおいて、指向性スピーカの出力する音を生成する音信号は有線により受信するようになっている。
【0017】
第6の発明の身体セット型スピーカ装置は、第1〜第5の発明の身体セット型スピーカ装置のいずれかにおいて、ユーザの身体に接触する骨伝導型スピーカを装備し、骨伝導型スピーカは所定値以下の周波数の音を骨伝導によりユーザへ伝達するようになっている。
【0018】
「所定値以下の周波数の音」とは低音を意味し、該所定値とは、例えば、250Hz以下、好ましくは150Hz以下である。低音は、高音に比して到達距離が短く、指向性スピーカからユーザの耳穴までの距離が少し離れると、ユーザは聞き難い。この身体セット型スピーカ装置では、低音については骨伝導型スピーカによりユーザへ伝達するようになっているので、ユーザは低音も確実に聞き取ることができる。
【0019】
第7の発明の身体セット型スピーカ装置は、第6の発明の身体セット型スピーカ装置において、骨伝導型スピーカをユーザの身体へ押圧する付勢力を発生する付勢手段を装備する。
【0020】
付勢手段は、スピーカ保持部材とは別体の圧縮コイルばねから構成されてもよいし、また、スピーカ保持部材を板ばね等の所定のばね力を備える部材から製作し、スピーカ保持部材が付勢手段を兼ねることもある。
【0021】
第8の発明の身体セット型スピーカ装置は、第1〜第8の発明の身体セット型スピーカ装置のいずれかにおいて、マイクロホンを装備する。
【0022】
身体セット型スピーカ装置を通信やユーザの声の記録等にも使用する場合には、身体セット型スピーカ装置にマイクロホンが装備されていることは有益となる。
【0023】
第90の発明の身体セット型スピーカ装置によれば、第1〜第8の発明の身体セット型スピーカ装置のいずれかにおいて、指向性スピーカは、ユーザの左右の各耳用に1個ずつ、計2個装備されるか、又は左右一方の耳用に1個だけ、装備されている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10をそのセット状態で示した図、図2は前後方向へ外耳道18の位置での耳の垂直断面と共に耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10を後方から示す図である。耳掛け部11は、耳12の耳介の元部の後ろ側の輪郭に対応した湾曲形状とされ、耳介の元部の後ろ側に掛けられる。起立部13は、耳12の下端から鉛直方向上方へ起立し、上端はほぽ外耳道18の高さに達している。自在継手部16は起立部13の上端部に設けられ、ステー23は、一端側において自在継手部16へ三次元方向へ回動自在に結合し、他端側において超指向性スピーカ17を固定されている。超指向性スピーカ17は、平面的なスピーカ面24とは反対側の部分を膨出状に形成されている。自在継手部16に対するステー23の回動により、超指向性スピーカ17は、所定範囲において鉛直方向、左右方向、及び前後方向へ位置を調整可能とされるとともに、ステー23から外耳道18までの距離及びステー23の向きを調整可能とされる。開口部19は、外界への外耳道18の開口(=耳穴)を形成し、外界へ向かって径を増大させている。
【0025】
スピーカ面24は、開口部19の周縁から水平方向へ例えば1〜2cmの距離に位置付けられる。超指向性スピーカ17の指向性能についてであるが、スピーカ面24が開口部19から所定距離、離れ、スピーカ面24が開口部19の方へ向けたとき、スピーカ面24から開口部19の方へ放射される音エネルギーEaと、スピーカ面24から放射される全体の音エネルギーEtとの比Ea/Etが十分に大きい値Er(1に近い値)以上となる(Ea/Et≧Er)指向性能のスピーカが超指向性スピーカ17として採用される。超指向性スピーカ17の具体使用製品としては、各社からマイクロスピーカの呼び名で市販しているものを使用することが可能である。このようなマイクロスピーカの通常仕様は、口径が約20mm前後、重量が数gとなっている。また、このようなマイクロスピーカにリフレクタを適宜、付加して、指向性を一層、向上させることが可能である。外部開放空間26は、開口部19とスピーカ面24との間に形成され、外界へ開放され、外界の音は、外部開放空間26を経て開口部19から外耳道18へ伝達される。
【0026】
骨伝導型スピーカ29は、自在継手部16に対して前方、斜め上方の側部顔面14に接触するように、耳掛け部11の上端部に取付けられる。骨伝導型スピーカ29は、側部顔面14に当てられて音波を出力する押圧部28と、押圧部28に対してA方向へ回転自在にかつ側部顔面14とは反対側において押圧部28に被さるハウジング部30とを有している。耳掛け部11の上端部は、ユーザの側部顔面14の方へ所定の形状に曲げられて、耳12への耳掛け部11の掛け時には、該曲がり形状の復元力により骨伝導型スピーカ29をユーザの側部顔面14へ押圧する力を発生するようになっている。これにより、骨伝導型スピーカ29は側部顔面14に所定の押圧力で押圧され、骨伝導型スピーカ29からの音波は側部顔面14の直下の顔骨36へ効率的に伝導するようになっている。塑性変形管31は、上端部においてハウジング部30に固定され、ユーザが指で任意の形状に塑性変形自在とされている。マイクロホン32は塑性変形管31の下端部に固定され、ユーザは、塑性変形管31を塑性変形して、マイクロホン32の使用時では、マイクロホン32が自分の口元近くとなるように、また、マイクロホン32の不使用時では、マイクロホン32が口元から適当に離れるように、マイクロホン32の位置を変更する。なお、塑性変形管31の内部には、マイクロホン32からの入力信号を伝送する電線が配線される。
【0027】
耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10は、片耳用として、超指向性スピーカ17を1個しか装備していないが、超指向性スピーカ17を左右1個ずつ装備するようにしてもよい。その場合、超指向性スピーカ17は左右計2個であっても、骨伝導型スピーカ29及びマイクロホン32は通常は1個のみである。骨伝導型スピーカ29が耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10に1個しか装備されない場合にも、ユーザの身体へのハウジング部30の接触位置は、身体の左右中心の部位に限定ざれず、左右中心の部位から左右方向へ偏倚した部位であってよい。耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10は、超指向性スピーカ17及び骨伝導型スピーカ29から放射される音の音源をスピーカ装置10自体は装備せず、無線又は有線で所定の音源から供給を受ける。このような音源としては、CD、MD、及びDVD等の光ディスクやICメモリの再生機、ラジオやテレビのチューナ、パソコン、携帯電話機、又は卓上電話機等がある。図示は省略されているが、超指向性スピーカ17及び骨伝導型スピーカ29からの音出力のオン、オフを切替えるスイッチ、並びに超指向性スピーカ17及び骨伝導型スピーカ29からの出力の音量を調整する調整部が、パソコンやプレーヤのものとは別個に、耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10に装備されていてもよい。
【0028】
低音以外の音、例えば150Hzより大きい周波数の音は、超指向性スピーカ17のスピーカ面24から外耳道18へ向かって放射される。放射音の音量は極めて小さいが、超指向性スピーカ17は十分な指向性を有しており、また、外耳道18に到達するスピーカ面24からの放射音の音量は基準以上となっており、ユーザは超指向性スピーカ17からの音を支障なく聞くことができる。一方、外耳道18は、外界に対して封鎖されていることなく、開口部19及び外部開放空間26を介して外界へ開放されているので、外界音は、外部開放空間26及び開口部19を経て外耳道18へ到達し、耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10のユーザに認識される。こうして、ユーザは、超指向性スピーカ17からのスピーカ音を聞きつつ、外界音を聞くことができる。ユーザは、自在継手部16の中心点の周りに三次元方向へステー23を回動させることにより、スピーカ面24の向き、スピーカ面24から開口部19までの距離、さらには、超指向性スピーカ17の上下、左右、及び前後方向位置を所定範囲内で調整できる。この調整は、超指向性スピーカ17の向き及び位置をユーザの体型に適合させるのに役立つとともに、ユーザに聞こえる外界音とスピーカ音との音量比の調整にも寄与する。150Hz以下の周波数の音(以下、「低音」と言う。)は骨伝導型スピーカ29から側部顔面14への接触振動で出力される。この低音は、側部顔面14の直下の顔骨36へ伝導し、ユーザに認識される。骨伝導型スピーカ29は、耳掛け部11の上端部のばね力により側部顔面14へ十分な力で押圧されている。ユーザが、マイクロホン32を使用するときは、塑性変形管31を塑性変形させて、マイクロホン32を口元から適切な距離へ移動させる。
【0029】
図3は眼鏡取付け型マイクロホン付きスピーカ装置45を、それが取付けられる眼鏡40と共に示す斜視図である。なお、図3以降の各図において、超指向性スピーカ17、骨伝導型スピーカ29、塑性変形管31、及びマイクロホン32は、耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10(図1及び図2)の各部品と同一の構造であるので、耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置10のそれらと同一の符号を付している。 眼鏡取付け型マイクロホン付きスピーカ装置45は、片耳用として、超指向性スピーカ17を1個しか装備していないが、超指向性スピーカ17を左右1個ずつ装備するようにしてもよい。その場合、超指向性スピーカ17は左右計2個であっても、骨伝導型スピーカ29及びマイクロホン32は通常は1個のみである。眼鏡取付け型マイクロホン付きスピーカ装置45は、眼鏡40に適宜、取り外し自在に取付けられ、眼鏡40を介してユーザの顔に着脱自在にセットされる。眼鏡40は、左右の側方フレーム部分42と、左右の側方フレーム部分42の外側の端から後方へ延びる左右の側方フレーム部分42とを有している。眼鏡取付け型マイクロホン付きスピーカ装置45は装着部47を有し、フック48は、側方フレーム部分42の後端部にその上側から分離自在に掛けられるフック48を外側の面に備えている。側方フレーム部分42へのフック48の引っ掛け位置は側方フレーム部分42の延び方向へ任意となっている。塑性変形アーム50は、装着部47から斜め下方へ突出し、超指向性スピーカ17が、塑性変形アーム50の下端部に固定されている。ユーザは、塑性変形アーム50を適宜、塑性変形させて、超指向性スピーカ17の向き、外耳道18までの超指向性スピーカ17の距離、並びに超指向性スピーカ17の上下方向、左右方向、及び前後方向の位置を調整する。装着部47の下端部は上端部に対してユーザの顔面の方へ曲がっており、ユーザが眼鏡40を顔に掛けたときには、骨伝導型スピーカ29は、ユーザの側部顔面14に所定の押圧力で押圧される。塑性変形管31は、骨伝導型スピーカ29から延び出して、下端部にマイクロホン32を取付けられており、塑性変形によりマイクロホン32の位置を調整できるようになっている。
【0030】
図4はヘルメット型マイクロホン付きスピーカ装置55の外観図である。このヘルメット型マイクロホン付きスピーカ装置55は、自動二輪車のライダー用のものであるが、工場や土木、建築現場用のヘルメットにも同一の構造を採用可能である。 ヘルメット型マイクロホン付きスピーカ装置55は、片耳用として、超指向性スピーカ17を1個しか装備していないが、超指向性スピーカ17を左右1個ずつ装備するようにしてもよい。その場合、超指向性スピーカ17は左右計2個であっても、骨伝導型スピーカ29及びマイクロホン32は通常は1個のみである。圧縮コイルばね58は、ヘルメット56の内面の頂部に上端を固定され、下端部の方へ垂下している。骨伝導型スピーカ29は圧縮コイルばね58の下端に固定され、ユーザの頭部へのヘルメット56の装着時では、バンド(図示せず)を顎下で結ぶことにより、ヘルメット56は頭部に押し付けられ、圧縮コイルばね58は、圧縮されて、骨伝導型スピーカ29を所定の付勢力で頭部に押圧する。ステー60は、ヘルメット56の左側の下端部に上端部を固定され、所定長さだけ下方へ突出し、下端部には超指向性スピーカ17を取付けられている。超指向性スピーカ17は、ステー60の塑性変形により、向き、及び外耳道18までの距離を調整される。塑性変形管31は、上端部を超指向性スピーカ17に固定され、超指向性スピーカ17から下方へ延び出して、下端部にマイクロホン32を取付けられている。
【0031】
図5は帽子型マイクロホン付きスピーカ装置66の外観図である。 帽子型マイクロホン付きスピーカ装置66は、片耳用として、超指向性スピーカ17を1個しか装備していないが、超指向性スピーカ17を左右1個ずつ装備するようにしてもよい。その場合、超指向性スピーカ17は左右計2個であっても、骨伝導型スピーカ29及びマイクロホン32は通常は1個のみである。帽子67は、布地から製作され、前方へ張出す張出し部分と、頭に被さる被覆部分とから成る周知の構造となっている。 骨伝導型スピーカ29は、帽子67の被覆部分の周縁部内周側、例えば左側の内面部位に固定され、ユーザが帽子67を被ると、ユーザの頭部に所定力で押圧されるようになっている。ステー60は、この例では、帽子67の被覆部分において骨伝導型スピーカ29と同じ側に存在し、上端部を帽子67の被覆部分の下端部に固定され、帽子67から所定長さ、垂下している。超指向性スピーカ17は、ステー60の下端部に取付けられ、ステー60の塑性変形により、スピーカ面24の上下左右前後方向位置、スピーカ音の向き、及びスピーカ音から外耳道18間での距離を調整自在になっている。所定長さの塑性変形管31は、上端部において超指向性スピーカ17に結合し、下端部においてマイクロホン32を取付けられている。
【0032】
図6はカチュウシャ型マイクロホン付きスピーカ装置71の斜視図である。 カチュウシャ型マイクロホン付きスピーカ装置71は、片耳用として、超指向性スピーカ17を1個しか装備していないが、超指向性スピーカ17を左右1個ずつ装備するようにしてもよい。その場合、超指向性スピーカ17は左右計2個であっても、骨伝導型スピーカ29及びマイクロホン32は通常は1個のみである。カチュウシャ72は、拡開に対する復元力としての弾性力をもつ。骨伝導型スピーカ29は、カチュウシャ72の内面側の所定部位に固定され、ユーザの頭へのカチュウシャ72の装着時では、カチュウシャ72の弾性力によりユーザの頭部に押圧されて、頭部の所定の骨へ低音を伝動するようになっている。ステー60は、カチュウシャ72の左端部へ一端部を結合され、斜め下方の前方へ突出している。超指向性スピーカ17は、ステー60の他端部に取付けられ、ステー60の塑性変形により、スピーカ面24の上下左右方向位置、スピーカ音の向き、及びスピーカ音から外耳道18間での距離を調整自在になっている。所定長さの塑性変形管31は、上端部において超指向性スピーカ17に結合し、下端部においてマイクロホン32を取付けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置をそのセット状態で示した図である。
【図2】前後方向へ外耳道の位置での耳の垂直断面と共に耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置を後方から示す図である。
【図3】眼鏡取付け型マイクロホン付きスピーカ装置を、それが取付けられる眼鏡と共に示す斜視図である。
【図4】ヘルメット型マイクロホン付きスピーカ装置の外観図である。
【図5】帽子型マイクロホン付きスピーカ装置の外観図である。
【図6】カチュウシャ型マイクロホン付きスピーカ装置の斜視図である。
【符号の説明】
10 耳掛け型マイクロホン付きスピーカ装置(身体セット型スピーカ装置)
11 耳掛け部(装着部材)
13 起立部(スピーカ保持部材)
17 超指向性スピーカ(指向性スピーカ)
26 外部開放空間(外部開放空間)
29 骨伝導型スピーカ
32 マイクロホン
40 眼鏡(装着部材)
45 眼鏡取付け型マイクロホン付きスピーカ装置(身体セット型スピーカ装置)
47 装着部(装着部材)
50 塑性変形アーム(スピーカ保持部材)
55 ヘルメット型マイクロホン付きスピーカ装置(身体セット型スピーカ装置)
56 ヘルメット(装着部材)
60 ステー(スピーカ保持部材)
66 帽子型マイクロホン付きスピーカ装置(身体セット型スピーカ装置)
67 帽子(外部開放空間)
71 カチュウシャ型マイクロホン付きスピーカ装置(身体セット型スピーカ装置)
72 カチュウシャ(装着部材)

Claims (9)

  1. ユーザの頭部に着脱自在に装着される装着部材、
    スピーカ面をユーザの耳穴の方へ向けたとき耳穴の方へスピーカ面から放射される音エネルギーがスピーカ面からの全放射音エネルギーに対して所定値以上になるような指向性を備える指向性スピーカ、及び
    前記装着部材に結合されており耳と前記指向性スピーカとの間に外界音を耳に到達させる外部開放空間を形成するように前記指向性スピーカをユーザの耳穴から所定距離だけ離し、耳穴と対向させて保持するスピーカ保持部材、を有していることを特徴とする身体セット型スピーカ装置。
  2. 前記スピーカ保持部材は、前記指向性スピーカからユーザの耳穴までの距離を調整自在に前記指向性スピーカを保持していることを特徴とする請求項1記載の身体セット型スピーカ装置。
  3. 前記スピーカ保持部材は、前記指向性スピーカの向きを調整自在に前記指向性スピーカを保持していることを特徴とする請求項1又は2記載の身体セット型スピーカ装置。
  4. 前記指向性スピーカの出力する音を生成する音信号は無線により受信するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の身体セット型スピーカ装置。
  5. 前記指向性スピーカの出力する音を生成する音信号は有線により受信するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の身体セット型スピーカ装置。
  6. ユーザの身体に接触する骨伝導型スピーカを装備し、前記骨伝導型スピーカは所定値以下の周波数の音を骨伝導によりユーザへ伝達するようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の身体セット型スピーカ装置。
  7. 前記骨伝導型スピーカをユーザの身体へ押圧する付勢力を発生する付勢手段を装備することを特徴とする請求項6記載の身体セット型スピーカ装置。
  8. マイクロホンを装備することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の身体セット型スピーカ装置。
  9. 前記指向性スピーカは、ユーザの左右の各耳用に1個ずつ、計2個装備されるか、又は左右一方の耳用に1個だけ、装備されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の身体セット型スピーカ装置。
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