JP2023172232A - 飲料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズルからの飲料の吐出を良好なものとし衛生的に供給すること。【解決手段】装置本体1に形成された飲料供給部22に配置されたカップCに対して、装置本体1の内部に設けられた飲料生成部30で生成した飲料を、飲料供給部22を臨む態様で配設されたノズル50より吐出して供給する飲料供給装置であって、ノズル50は、飲料を導入するノズル本体部51の内部に上端開口である第1流入口531を通じて連通し、第1流入口531より流入した飲料を下端開口である第1吐出口532より吐出する第1ノズル吐出部53と、ノズル本体部51の内部に上端開口である第2流入口541を通じて連通し、第2流入口541より流入した飲料を下端開口である第2吐出口542より吐出する第2ノズル吐出部54を備え、第2ノズル吐出部54は、第1ノズル吐出部53に隣接する態様で設けられ、第2流入口541が第1流入口531よりも下方に配置されている。【選択図】図5
Description
本発明は、飲料供給装置に関するものである。
従来、容器であるカップに対して飲料を供給する飲料供給装置として、飲料生成部及びノズルを備えたものが知られている。飲料生成部は、装置本体の内部に設けられており、粉砕された原料(例えばコーヒー豆)と湯とから飲料を抽出して生成するものである。ノズルは、装置本体の前方部分に形成された飲料供給部を臨む態様で設けられている。
このような飲料供給装置においては、飲料供給部に配置されたカップに対して、飲料生成部で生成した飲料をノズルより吐出して供給している(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述した特許文献1に提案された飲料供給装置では、カップに対する飲料供給時間の短縮化のため、圧縮空気で加圧して飲料をノズルより吐出している。そのため、ノズルより飲料が脈動した状態で吐出されることがあり、カップの周辺への飲料の飛散等が生ずる虞れがあり、衛生的ではなかった。特に飲料生成部で高濃度で少量の飲料を生成した場合には、ノズルから脈動した状態で吐出されることが顕著であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、ノズルからの飲料の吐出を良好なものとし衛生的に供給することができる飲料供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料供給装置は、装置本体に形成された飲料供給部に配置されたカップに対して、前記装置本体の内部に設けられた飲料生成部で生成した飲料を、前記飲料供給部を臨む態様で配設されたノズルより吐出して供給する飲料供給装置であって、前記ノズルは、前記飲料を導入するノズル本体部の内部に上端開口である第1流入口を通じて連通し、該第1流入口より流入した飲料を下端開口である第1吐出口より吐出する第1ノズル吐出部と、前記ノズル本体部の内部に上端開口である第2流入口を通じて連通し、該第2流入口より流入した飲料を下端開口である第2吐出口より吐出する第2ノズル吐出部とを備え、前記第2ノズル吐出部は、前記第1ノズル吐出部に隣接する態様で設けられ、かつ前記第2流入口が前記第1流入口よりも下方に配置されたことを特徴とする。
また本発明は、上記飲料供給装置において、前記第2ノズル吐出部は、前記第1ノズル吐出部よりも内径が小さいことを特徴とする。
また本発明は、上記飲料供給装置において、前記第2ノズル吐出部は、前記第2吐出口が前記第1吐出口よりも下方に配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、ノズルが、飲料を導入するノズル本体部の内部に上端開口である第1流入口を通じて連通し、該第1流入口より流入した飲料を下端開口である第1吐出口より吐出する第1ノズル吐出部と、ノズル本体部の内部に上端開口である第2流入口を通じて連通し、該第2流入口より流入した飲料を下端開口である第2吐出口より吐出する第2ノズル吐出部とを備え、第2ノズル吐出部は、第1ノズル吐出部に隣接する態様で設けられ、かつ第2流入口が第1流入口よりも下方に配置されているので、第2ノズル吐出部にてノズル本体部に貯留した飲料を安定的に吐出させつつ、第2ノズル吐出部で吐出される飲料に引き寄せた状態で第1ノズル吐出部より飲料を吐出させることができ、飲料を脈動した状態で吐出して飛散等させる虞れがない。従って、ノズルからの飲料の吐出を良好なものとし衛生的に供給することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である飲料供給装置を示すものであり、図1は、外観構成を示す斜視図であり、図2は、各構成要素を模式的に示す模式図である。
ここで例示する飲料供給装置は、例えばコンビニエンスストア等の店舗に設置されるコーヒーマシンであり、例えばコーヒー豆挽き及びドリッピングの抽出処理を行って、容器であるカップCにコーヒー等の飲料を供給するものである。このような飲料供給装置は、装置本体1を備えている。
装置本体1は、本体キャビネット10及び前面扉20を備えて構成されている。本体キャビネット10は、前面に図示せぬ開口(以下、前面開口ともいう)を有した略直方体状の形態を成すものである。この本体キャビネット10の内部には、飲料(例えばコーヒー)を生成する飲料生成部30及び制御部60が設けられている。
前面扉20は、本体キャビネット10の前面開口を閉塞するのに十分な大きさを有する扉体である。この前面扉20は、本体キャビネット10の前方側の左側縁部において、上下方向に沿って延在する図示せぬ軸部の中心軸回りに揺動可能に設けられており、本体キャビネット10の前面開口を開閉することが可能である。
かかる前面扉20は、前面が接客面を構成するものであり、図3にも示すように、表示部21、飲料供給部22、開閉扉23が設けられている。
表示部21は、例えば液晶タッチパネルにより構成されており、制御部60から与えられる指令に応じて各種情報を表示するとともに、タッチ操作等の入力操作が可能である。かかる表示部21は、タッチ操作等の入力操作が行われた場合、販売信号を制御部60に送出するものである。
飲料供給部22は、表示部21の下方側に設けられており、ステージ22aを有している。ステージ22aは、カップCを載置させるものであり、円弧状のストッパ22bが設けられている。
開閉扉23は、例えば透明な樹脂等の透光性材料により構成されるものであり、飲料供給部22の入口22cを覆うのに十分な大きさを有している。この開閉扉23は、左側端部が前面扉20に軸支されており、前後方向に沿って揺動可能なものである。
つまり開閉扉23は、飲料供給部22に近接離反する態様で前後方向に沿って揺動可能であり、飲料供給部22に近接する態様で後方に揺動する場合に飲料供給部22の入口22cを閉成させることが可能であり、飲料供給部22から離隔する態様で前方に揺動する場合に飲料供給部22の入口22cを開成させることが可能である。
上記飲料生成部30について説明する。飲料生成部30は、原料箱31、粉砕機33、給湯手段35、抽出機37、収容箱39、加圧空気供給ライン41、排水ライン43及びノズル50を備えて構成されている。
原料箱31は、飲料原料である焙煎されたコーヒー豆を収容するものであり、一部が本体キャビネット10の天板部12から上方に突出する態様で設けられている。この原料箱31は、原料供給駆動部311が設けられている。この原料供給駆動部311は、制御部60から駆動指令が与えられた場合に駆動するものである。かかる原料供給駆動部311は、駆動指令に含まれる所定量のコーヒー豆を払い出すものである。
粉砕機33は、いわゆるミルと称されるもので、制御部60から駆動指令が与えられた場合に駆動するものである。この粉砕機33は、原料箱31の下方域に設置されており、該原料箱31に原料シュート32を介して連結されている。
上記粉砕機33は、駆動する場合に、原料箱31から払い出されるとともに原料シュート32により案内されたコーヒー豆を粉砕し、粉シュート34を通じて粉砕したコーヒー豆(以下、コーヒー粉砕豆ともいう)を抽出機37に投入するものである。ここで粉シュート34は、樹脂により各構成要素が一体化されて構成されている。
給湯手段35は、抽出機37に湯を供給するためのものであり、湯タンク351、定量ポンプ352、補助タンク353、給湯ポンプ354及び逆止弁355が、給湯配管により構成される給湯ライン356に順次接続されて構成されている。
湯タンク351は、図示せぬ水供給手段から供給された水道水等の水をヒータ351aにより加熱して湯として貯留するものである。定量ポンプ352は、制御部60から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合には、湯タンク351から補助タンク353に定量の湯を送出するものである。補助タンク353は、湯タンク351より容積が小さいものであり、定量ポンプ352により送出された湯を一時的に貯留するものである。給湯ポンプ354は、制御部60から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合には、補助タンク353の湯を加圧して抽出機37に送出するものである。この給湯ポンプ354は、送出量が定量ポンプ352の送出量よりも大きくなるようにされている。逆止弁355は、給湯ポンプ354から送出された湯が抽出機37に向けて通過することを許容する一方、抽出機37から補助タンク353に向けて湯が通過することを規制する弁体である。この逆止弁355は、図には明示していないが、湯タンク351に熱的に接続された状態で配置されている。
抽出機37は、いわゆるブリュアユニットと称されるものであり、粉砕機33から粉シュート34を介して投入されたコーヒー粉砕豆と、給湯手段35により供給された湯とから飲料(以下、コーヒーともいう)を抽出するものである。
このような抽出機37には、飲料供給ライン38が接続されている。飲料供給ライン38は、単独の飲料供給配管により、あるいは複数の飲料供給配管を接続して構成されており、抽出機37で抽出されたコーヒーをノズル50まで供給するものである。
この飲料供給ライン38には、その途中に第1ピンチバルブ381が設けられている。この第1ピンチバルブ381は、制御部60から与えられる指令に応じて開閉するものであり、開状態となる場合に、流体の通過を許容する一方、閉状態となる場合に、流体の通過を規制するものである。
かかる抽出機37は、シリンダ371、蓋体372及びフィルタブロック373を備えて構成されている。シリンダ371は、略円筒状の形態を成しており、本体キャビネット10に対して着脱可能に設けられている。
蓋体372は、例えばモータ等の駆動機構372aが制御部60から与えられる指令により駆動することにより、シリンダ371の上面開口に対して近接離反する態様で移動するもので、シリンダ371の上面開口を開閉するものである。この蓋体372には、図に明示しないが、粉シュート34を通じて供給されたコーヒー粉砕豆がシリンダ371に投入されることを許容する孔や、給湯手段35により供給された湯がシリンダ371に投入されることを許容する孔が形成されている。
フィルタブロック373は、シリンダ371の下方域に設けられており、上記飲料供給ライン38に接続されている。このフィルタブロック373は、制御部60から与えられる指令に応じてモータ373aが駆動することにより、シリンダ371に近接離反する態様で上下方向に移動するものである。
このようなフィルタブロック373は、本体キャビネット10に取り付けられたフィルタ収納部45に着脱可能に設けられている。すなわち、フィルタブロック373は、装置本体1に着脱可能に設けられている。ここでフィルタ収納部45は、ペーパーフィルタPFを巻回するフィルタロールFRを回転可能に支持して収納するものである。
上記フィルタブロック373には、ペーパーローラ部375が設けられている。ペーパーローラ部375は、フィルタロールFRから引き出され、ガイドローラGRにより案内されたペーパーフィルタPFを挟持するものである。このペーパーローラ部375は、制御部60から動作指令が与えられた場合に回転するものである。またフィルタブロック373には、図には明示しないが、ペーパーフィルタPFを切断するためのカッター部が設けられている。
収容箱39は、抽出機37の下方域に設置されており、抽出機37でのコーヒーの抽出により生じた抽出滓をペーパーフィルタPFとともに収容するものである。
加圧空気供給ライン41は、複数の加圧空気供給配管を接続して構成されており、一端が蓋体372に接続されるとともに、他端が飲料供給ライン38の途中に接続されている。この加圧空気供給ライン41には、エアポンプ411、第2ピンチバルブ412及び第3ピンチバルブ413が設けられている。
エアポンプ411は、制御部60から与えられる指令に応じて駆動するものであり、空気を圧縮して送出するものである。第2ピンチバルブ412は、エアポンプ411よりも一端側(蓋体372側)に設けられている。この第2ピンチバルブ412は、制御部60から与えられる指令に応じて開閉するものであり、開状態となる場合に、流体の通過を許容する一方、閉状態となる場合に、流体の通過を規制するものである。第3ピンチバルブ413は、エアポンプ411よりも他端側(飲料供給ライン38側)に設けられている。この第3ピンチバルブ413は、制御部60から与えられる指令に応じて開閉するものであり、開状態となる場合に、流体の通過を許容する一方、閉状態となる場合に、流体の通過を規制するものである。
排水ライン43は、単数若しくは複数の排水配管を接続して構成されており、飲料供給ライン38の途中から分岐する態様で設けられている。この排水ライン43には、第4ピンチバルブ431が設けられている。この第4ピンチバルブ431は、制御部60から与えられる指令に応じて開閉するものであり、開状態となる場合に、流体の通過を許容する一方、閉状態となる場合に、流体の通過を規制するものである。
図4及び図5は、それぞれ図2等に示したノズル50を示すものであり、図4は外観構成を示す斜視図であり、図5は内部構造を示す縦断面図である。
ここで例示するノズル50は、飲料供給部22を臨む態様で配設されており、飲料供給ライン38を通じて供給されたコーヒーを、ステージ22aに載置されたカップCに対して吐出するものである。
そのようなノズル50は、上部に開口511を有するノズル本体部51に対し、該開口511が蓋部52により閉塞されて構成されており、この蓋部52の基端部分に形成された導入孔52aに連通する態様で飲料供給ライン38が接続されている。これによりノズル本体部51は、コーヒーを導入するものである。
またノズル本体部51は、基端部分から先端部分に向けて底部512が漸次下方に傾斜する態様で形成され、先端部分には第1ノズル吐出部53及び第2ノズル吐出部54が形成されている。
第1ノズル吐出部53は、上下方向に沿って延在しており、上端開口である第1流入口531と、下端開口である第1吐出口532と、これら第1流入口531と第1吐出口532とを連通する第1中空部533とを有した筒状部分である。この第1ノズル吐出部53は、第1流入口531を通じてノズル本体部51の内部に連通しており、第1流入口531より流入したコーヒーを第1吐出口532より吐出するものである。
第2ノズル吐出部54は、上下方向に沿って延在しており、上端開口である第2流入口541と、下端開口である第2吐出口542と、これら第2流入口541と第2吐出口542とを連通する第2中空部543とを有した筒状部分である。この第2ノズル吐出部54は、第2流入口541を通じてノズル本体部51の内部に連通しており、第2流入口541より流入したコーヒーを第2吐出口542より吐出するものである。
かかる第2ノズル吐出部54は、第1ノズル吐出部53の基端側に形成されており、該第1ノズル吐出部53に隣接している。また第2ノズル吐出部54の第2流入口541、第2中空部543及び第2吐出口542の内径d2は、第1ノズル吐出部53の第1流入口531、第1中空部533及び第1吐出口532の内径d1よりも小さく、例えば2~3mm程度とされている。
かかる第2ノズル吐出部54の第2流入口541は、ノズル本体部51の底部512に形成されているが、第1ノズル吐出部53の第1流入口531は、該底部512よりも上方に形成されており、第1流入口531と第2流入口541との上下方向の離間距離Lは、例えば10~20mm程度とされている。
更に第2ノズル吐出部54は、第1ノズル吐出部53よりも下方に延在しており、第2吐出口542は、第1吐出口532よりも下方に配置されている。
制御部60は、図示せぬ記憶部に記憶されたプログラムやデータにしたがって飲料供給装置の各部の動作を統括的に制御するものである。特にこの制御部60は、飲料生成部30にて飲料の生成及び供給を制御するものである。
尚、制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
以上のような構成を有する飲料供給装置では、次のようにして飲料供給部22のステージ22aに載置されたカップCに対して、コーヒーを供給することができる。尚、前提として、湯タンク351では、所定の温度の湯が生成されて貯留されているものとし、第1ピンチバルブ381、第2ピンチバルブ412及び第4ピンチバルブ431が閉状態で、第3ピンチバルブ413が開状態にあるものとする。
利用者により表示部21がタッチ操作されることにより、選択された飲料の販売信号が与えられた制御部60は、図6に示すように、フィルタブロック373を上方に向けて移動させた後、原料供給駆動部311に駆動指令を与えて該飲料に対応した量のコーヒー豆を粉砕機33に払い出させ、粉砕機33に駆動指令を与えてコーヒー豆を粉砕させて抽出機37に投入させる。その後、原料供給駆動部311の駆動を停止させる。
制御部60は、定量ポンプ352を駆動させて湯タンク351から定量の湯を補助タンク353に送出しつつ、給湯ポンプ354を駆動させて補助タンク353の湯を加圧して抽出機37に送出することで、湯を抽出機37に投入させる。その後、定量ポンプ352及び給湯ポンプ354の駆動を停止させる。
そして、制御部60は、エアポンプ411を駆動させることにより、図7に示すように、飲料供給ライン38の一部を利用して、シリンダ371に加圧空気(撹拌用の加圧空気)を供給してコーヒー粉砕豆と湯とを撹拌(強制撹拌)させる。その後、エアポンプ411の駆動を停止させる。
そのようにしてコーヒー粉砕豆と湯とを強制撹拌させた制御部60は、蓋体372を下方に移動させてシリンダ371の上面開口を閉成させ、第3ピンチバルブ413を閉状態にして、第1ピンチバルブ381及び第2ピンチバルブ412を開状態にさせ、エアポンプ411を駆動させる。尚、第4ピンチバルブ431は閉状態に維持させる。
これにより図8に示すように、シリンダ371に加圧空気(抽出用の加圧空気)を供給することで、コーヒーが抽出され、抽出されたコーヒーが飲料供給ライン38を介してノズル50まで供給され、ノズル50よりカップCに吐出される。
このノズル50によるコーヒーの吐出について図を用いて説明する。飲料供給ライン38より供給されたコーヒーは、導入孔52aよりノズル本体部51に導入される。尚、ノズル本体部51には、コーヒーとともに加圧空気も導入される。
ノズル本体部51にコーヒーが導入される場合、導入孔52aにおける時間当たりのコーヒーの通過量が、第1ノズル吐出部53(第1吐出口532)及び第2ノズル吐出部54(第2吐出口542)における時間当たりのコーヒーの通過量よりも大きいので、導入されるコーヒーの一部は、ノズル本体部51に貯留される。
上述したように第2流入口541が第1流入口531より下方に配置されているので、第2ノズル吐出部54からのコーヒーの吐出が第1ノズル吐出部53よりも先に行われる。この場合、第2ノズル吐出部54は、第1ノズル吐出部53に対して内径d2が例えば2~3mm程度と小径であり、ノズル本体部51に貯留されたコーヒーを吐出しているので、ノズル本体部51にコーヒーとともに導入される加圧空気を第1ノズル吐出部53より排出することができる。そのため、ノズル50の第2ノズル吐出部54では、ノズル本体部51にコーヒーとともに導入される加圧空気の影響を受けない。すなわち、第2ノズル吐出部54では、脈動した状態でコーヒーを吐出しない。
そして、図9に示すように、ノズル本体部51に貯留されるコーヒーの液面が第1流入口531より上方となる場合、第1流入口531より流入したコーヒーは、第1中空部533を通じて第1吐出口532より下方に吐出される。ここで第2ノズル吐出部54は、第2吐出口542が第1吐出口532よりも下方に配置されて第1ノズル吐出部53に隣接する態様で設けられているので、第1吐出口532からのコーヒーは、該第1吐出口532よりも先に吐出されている第2吐出口542からのコーヒーに引き寄せられるようにして吐出される。
ところで、コーヒーの吐出によりノズル本体部51に貯留されるコーヒーの液面が第1流入口531と略同一の高さ位置になると、ノズル本体部51に導入される加圧空気の影響で第1ノズル吐出部53(第1吐出口532)からのコーヒーが脈動した状態で吐出される虞れがある。
しかしながら、上述したように第1吐出口532からのコーヒーが第2吐出口542からのコーヒーに引き寄せられるように吐出されているので、第1ノズル吐出部53では、脈動した状態でコーヒーを吐出しない。
その後、図10に示すようにノズル本体部51へのコーヒーの供給が停止してノズル本体部51に貯留されるコーヒーの液面が第1流入口531よりも下方となる場合、第2ノズル吐出部54のみからコーヒーが吐出される。
このようにしてカップCに対してノズル50より所定量のコーヒーが供給されると、制御部60は、エアポンプ411の駆動を停止させる。これにより利用者は、開閉扉23を開く方向に揺動させて飲料供給部22よりカップCを取り出すことができる。
制御部60は、蓋体372を上方に移動させてシリンダ371の上面開口を開成させることにより、シリンダ371の内圧を開放させる。そして、制御部60は、抽出機37に給湯手段35より湯を供給してシリンダ371の内部を洗浄し、第4ピンチバルブ431を開状態にさせて、図11に示すように排水ライン43を経由して抽出機37に残った水分を排出させる。
そのようにして水分を排出させた制御部60は、第4ピンチバルブ431を閉状態にさせ、図12に示すようにフィルタブロック373を下方に移動させる。そして、制御部60は、ペーパーローラ部375に動作指令を与えてペーパーフィルタPFを所定量だけ繰出動作させ、コーヒーの抽出により生じた抽出滓をペーパーフィルタPFとともに収容箱39に収容させ、今回のコーヒーの供給を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態である飲料供給装置においては、ノズル50が、ノズル本体部51の内部に第1流入口531を通じて連通し、第1流入口531より流入したコーヒーを第1吐出口532より吐出する第1ノズル吐出部53と、ノズル本体部51の内部に第2流入口541を通じて連通し、第2流入口541より流入したコーヒーを第2吐出口542より吐出する第2ノズル吐出部54とを備え、第2ノズル吐出部54が、第1ノズル吐出部53に隣接する態様で設けられ、かつ第2流入口541が第1流入口531よりも下方に配置されているので、第2ノズル吐出部54にてノズル本体部51に貯留したコーヒーを安定的に吐出させつつ、第2ノズル吐出部54で吐出されるコーヒーに引き寄せた状態で第1ノズル吐出部53よりコーヒーを吐出させることができ、コーヒーを脈動した状態で吐出して飛散等させる虞れがない。従って、上記飲料供給装置によれば、ノズル50からのコーヒーの吐出を良好なものとし衛生的に供給することができる。
また上記飲料供給装置によれば、第2ノズル吐出部54が第1ノズル吐出部53よりも内径が小さいので、第2ノズル吐出部54からコーヒーを加圧空気等の影響を受けずに安定的に吐出させることができる。
更に上記飲料供給装置によれば、第2ノズル吐出部54の第2吐出口542が第1吐出口532よりも下方に配置されているので、第1ノズル吐出部53で吐出されるコーヒーを確実に第2ノズル吐出部54で吐出されるコーヒーに引き寄せた状態で吐出させることができ、飛散等の影響をさらに小さくすることができる。
図13は、図4等に示したノズル50の変形例の内部構造を示す縦断面図である。尚、上述した実施の形態である飲料供給装置を構成するノズル50と同様の構成を有するものには同一の符号を付して重複した説明を適宜省略する。
この図13に示すノズル50Aは、上部に開口511を有するノズル本体部51Aに対し、該開口511が蓋部52により閉塞されて構成されている。このノズル本体部51Aは、基端部分から先端部分に向けて底部512が漸次下方に傾斜する態様で形成され、先端部分には第1ノズル吐出部53A及び第2ノズル吐出部54が形成されている。
第1ノズル吐出部53Aは、上下方向に沿って延在しており、上端開口である第1流入口531と、下端開口である第1吐出口532aと、これら第1流入口531と第1吐出口532aとを連通する第1中空部533aとを有した筒状部分である。この第1ノズル吐出部53Aは、第1流入口531を通じてノズル本体部51Aの内部に連通しており、第1流入口531より流入した飲料を第1吐出口532aより吐出するものである。
第2ノズル吐出部54は、第2流入口541を通じてノズル本体部51Aの内部に連通しており、第2流入口541より流入した飲料を第2吐出口542より吐出するものである。かかる第2ノズル吐出部54は、第1ノズル吐出部53Aの基端側に形成されており、該第1ノズル吐出部53Aに隣接している。また第2ノズル吐出部54の第2流入口541、第2中空部543及び第2吐出口542の内径は、第1ノズル吐出部53Aの第1流入口531、第1中空部533a及び第1吐出口532aの内径よりも小さい。また第2ノズル吐出部54の第2流入口541は、ノズル本体部51Aの底部512に形成されているが、第1ノズル吐出部53Aの第1流入口531は、該底部512よりも上方に形成されている。
このように図13に示すノズル50Aは、上記ノズル50と比して、第1吐出口532aと第2吐出口542とが同一の高さ位置に配置されており、それ以外は共通である。
かかるノズル50Aからのコーヒーの吐出について図を用いて説明する。飲料供給ライン38より供給されたコーヒーは、導入孔52aよりノズル本体部51Aに導入される。尚、ノズル本体部51Aには、コーヒーとともに加圧空気も導入される。
ノズル本体部51Aにコーヒーが導入される場合、導入孔52aにおける時間当たりのコーヒーの通過量が、第1ノズル吐出部53A(第1吐出口532a)及び第2ノズル吐出部54(第2吐出口542)における時間当たりのコーヒーの通過量よりも大きいので、導入されるコーヒーの一部は、ノズル本体部51Aに貯留される。
上述したように第2流入口541が第1流入口531より下方に配置されているので、第2ノズル吐出部54からのコーヒーの吐出が第1ノズル吐出部53Aよりも先に行われる。この場合、第2ノズル吐出部54は、第1ノズル吐出部53Aに対して内径が小径であり、ノズル本体部51Aに貯留されたコーヒーを吐出しているので、ノズル本体部51Aにコーヒーとともに導入される加圧空気を第1ノズル吐出部53Aより排出することができる。そのため、ノズル50Aの第2ノズル吐出部54では、ノズル本体部51Aにコーヒーとともに導入される加圧空気の影響を受けない。すなわち、第2ノズル吐出部54では、脈動した状態でコーヒーを吐出しない。
そして、図14に示すように、ノズル本体部51Aに貯留されるコーヒーの液面が第1流入口531より上方となる場合、第1流入口531より流入したコーヒーは、第1中空部533aを通じて第1吐出口532aより下方に吐出される。ここで第2ノズル吐出部54は第1ノズル吐出部53Aに隣接する態様で設けられているので、第1吐出口532aからのコーヒーは、該第1吐出口532aよりも先に吐出されている第2吐出口542からのコーヒーに引き寄せられるようにして吐出される。
ところで、コーヒーの吐出によりノズル本体部51Aに貯留されるコーヒーの液面が第1流入口531と略同一の高さ位置になると、ノズル本体部51Aに導入される加圧空気の影響で第1ノズル吐出部53A(第1吐出口532a)からのコーヒーが脈動した状態で吐出される虞れがある。
しかしながら、上述したように第1吐出口532aからのコーヒーが第2吐出口542からのコーヒーに引き寄せられるように吐出されているので、第1ノズル吐出部53Aでは、脈動した状態でコーヒーを吐出しない。
その後、図15に示すように、ノズル本体部51Aへのコーヒーの供給が停止してノズル本体部51Aに貯留されるコーヒーの液面が第1流入口531よりも下方となる場合、第2ノズル吐出部54のみからコーヒーが吐出される。
以上説明したように、そのようなノズル50Aを有する飲料供給装置においては、該ノズル50Aが、ノズル本体部51Aの内部に第1流入口531を通じて連通し、第1流入口531より流入したコーヒーを第1吐出口532aより吐出する第1ノズル吐出部53Aと、ノズル本体部51Aの内部に第2流入口541を通じて連通し、第2流入口541より流入したコーヒーを第2吐出口542より吐出する第2ノズル吐出部54とを備え、第2ノズル吐出部54が、第1ノズル吐出部53Aに隣接する態様で設けられ、かつ第2流入口541が第1流入口531よりも下方に配置されているので、第2ノズル吐出部54にてノズル本体部51Aに貯留したコーヒーを安定的に吐出させつつ、第2ノズル吐出部54で吐出されるコーヒーに引き寄せた状態で第1ノズル吐出部53Aよりコーヒーを吐出させることができ、コーヒーを脈動した状態で吐出して飛散等させる虞れがない。従って、上記飲料供給装置によれば、ノズル50Aからのコーヒーの吐出を良好なものとし衛生的に供給することができる。
また上記飲料供給装置によれば、第2ノズル吐出部54が第1ノズル吐出部53Aよりも内径が小さいので、第2ノズル吐出部54からコーヒーを加圧空気等の影響を受けずに安定的に吐出させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態及び主な変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態及び変形例では、第2ノズル吐出部54の内径が第1ノズル吐出部53,53Aの内径よりも小さいものであったが、本発明においては、第2ノズル吐出部の内径が第1ノズル吐出部の内径と同一の大きさであってもよい。
上述した実施の形態や変形例では述べられていないが、第1吐出口と第2吐出口との間に下方に向けて延在するガイド板を設置し、該ガイド板に沿って下方に吐出するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、飲料生成部30にてコーヒーを抽出して生成する例について述べたが、本発明においては、飲料生成部でコーヒー以外の飲料を抽出して生成してもよい。
1…装置本体、10…本体キャビネット、20…前面扉、21…表示部、22…飲料供給部、23…開閉扉、30…飲料生成部、31…原料箱、33…粉砕機、35…給湯手段、37…抽出機、38…飲料供給ライン、39…収容箱、41…加圧空気供給ライン、43…排水ライン、50…ノズル、51…ノズル本体部、511…開口、512…底部、52…蓋部、52a…導入孔、53…第1ノズル吐出部、531…第1流入口、532…第1吐出口、533…第1中空部、54…第2ノズル吐出部、541…第2流入口、542…第2吐出口、543…第2中空部、60…制御部、C…カップ。
Claims (3)
- 装置本体に形成された飲料供給部に配置されたカップに対して、前記装置本体の内部に設けられた飲料生成部で生成した飲料を、前記飲料供給部を臨む態様で配設されたノズルより吐出して供給する飲料供給装置であって、
前記ノズルは、
前記飲料を導入するノズル本体部の内部に上端開口である第1流入口を通じて連通し、該第1流入口より流入した飲料を下端開口である第1吐出口より吐出する第1ノズル吐出部と、
前記ノズル本体部の内部に上端開口である第2流入口を通じて連通し、該第2流入口より流入した飲料を下端開口である第2吐出口より吐出する第2ノズル吐出部と
を備え、
前記第2ノズル吐出部は、前記第1ノズル吐出部に隣接する態様で設けられ、かつ前記第2流入口が前記第1流入口よりも下方に配置されたことを特徴とする飲料供給装置。 - 前記第2ノズル吐出部は、前記第1ノズル吐出部よりも内径が小さいことを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
- 前記第2ノズル吐出部は、前記第2吐出口が前記第1吐出口よりも下方に配置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲料供給装置。
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