JP2023170827A - 汚水流路清浄化システム、汚水流路清浄化方法 - Google Patents

汚水流路清浄化システム、汚水流路清浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚水流路内を広範囲にわたって満遍なく清浄化処理でき、汚水流路を構成する配管の腐食を抑制できる汚水流路清浄化システム及び汚水流路清浄化方法を提供する。【解決手段】取り込まれた酸素からオゾンガスを生成するオゾンガス発生器と、オゾンガス発生器と汚水流路とを連絡し、オゾンガス発生器で生成されたオゾンガスを汚水流路内へと導く導入管とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、清浄化システム、清浄化方法に関し、特に、汚水流路の清浄化システム、清浄化方法に関する。
住宅等から排出される排水は、住宅内、又は住宅の外壁等に配設された排水管から下水管へと流れ込む。そして、下水管に流れ込んだ排水は、汚水処理場へと導かれて適切な処理が行われる。
住宅等から排出される排水、特に、人の排泄物を含むトイレからの排水は、有機物質が多く含まれる。排水に含まれる有機物質は、排水管内や下水管内に存在する細菌によって、悪臭を放つ物質、人体に対して有害な物質、排水管を腐食させる物質の生成に利用される。
排水管内や下水管内に存在する細菌としては、例えば、硫黄酸化細菌や硫酸塩還元細菌が知られている。硫黄酸化細菌は、汚水に含まれる有機物質を取り込み、下記(1)式の反応により、硫化水素を生成する細菌である。硫酸塩還元細菌は、硫化水素を取り込み、下記(2)式の反応により、排水管や下水管を腐食させる硫酸を生成する細菌である。

SO4 2- + 2C + 2H2O → 2HCO3 - + H2S (1)
2S + 2O2 → H2SO4 (2)
住宅やオフィスビルに備えられている排水管は、詰まりや腐食が発生しないように、排水口等から洗浄水を高い圧力で流し込んで、排水管の内壁面に付着している汚れや細菌を押し流す清掃作業が定期的に実施される。しかしながら、当該排水管は、多数の屈曲部や分岐が形成されており、非常に複雑な流路が形成されていることが多い。このため、水道水や洗浄剤を混ぜた水を、排水口等から高い圧力で流し込んだだけでは、部分的に洗浄されない領域が生じるおそれがある。また、当該洗浄方法は、排水管のどこの内壁面に付着しているか、汚れが十分に取り除かれたかどうかを確認しながら作業することができないため、上述したような細菌が排水管内に残存してしまう可能性が高い。
そこで、近年では、洗浄水が接触した部分において清浄化処理が行われるように、オゾンを溶解させた洗浄水(以下、「オゾン水」と称する場合がある。)を排水管内に流し込む方法が提案されている。例えば、下記特許文献1には、オゾン水を洗浄水として排水管に流し込む洗浄方法が記載されている。
特開平6-136817号公報
オゾンは、強い酸化力を示す物質であり、細菌に接触することで殺菌処理する効果を有するとともに、例えば、下記(3)式に示すように、硫黄酸化細菌が生成する硫化水素を分解処理する効果をも有する。

2S + O3 → SO2 + H2O (3)
オゾンは、処理対象の物質や細菌に接触することで上記効果を発揮する。このため、上記特許文献1に記載されているようなオゾン水を排水管に流し込む洗浄方法では、排水管の内壁面のうちのオゾン水が付着した部分でのみオゾンによる上記効果が得られる。つまり、当該洗浄方法では、オゾン水が付着しない領域が存在すると、当該領域ではオゾンの上記効果は得られず、排水管の腐食が進行してしまうおそれがある。
なお、オゾン水によって排水管の内側を満遍なく清浄化処理する方法として、例えば、洗浄対象となる排水管の出口を閉鎖し、一時的に排水管の内側をオゾン水で満たすことが考えられる。しかしながら、このような方法では、排水管に流し込んだオゾン水が、台所やトイレ等の排水口から住宅内へと逆流してしまう。このような現象が生じると、住宅内で生活している人の健康状態に影響を及ぼすおそれがある。また、住宅内への逆流を防止するために、オゾン水を流し込む部分以外の排水口を全て閉鎖することも考えられるが、住居内の対象となる排水口を全て閉鎖することは現実的ではない。
本発明は、上記課題に鑑み、汚水流路内を広範囲にわたって満遍なく清浄化処理でき、汚水流路を構成する配管の腐食を抑制できる汚水流路清浄化システム及び汚水流路清浄化方法を提供することを目的とする。
本発明の清浄化システムは、
汚水流路を清浄化するためのシステムであって、
取り込まれた酸素からオゾンガスを生成するオゾンガス発生器と、
前記オゾンガス発生器と前記汚水流路とを連絡し、前記オゾンガス発生器で生成された前記オゾンガスを前記汚水流路内へと導く導入管とを備えたことを特徴とする。
本明細書において、「汚水」は、生活や事業に起因して排出される排水や廃水、又は生活や事業に付随して排出される排水や廃水をいう。つまり、住宅やオフィス、さらには、イベント会場や公共施設、公園における、台所、洗面所、トイレ、休憩所、手洗い場等から排出されて、汚水流路によって汚水処理施設へと流れ込む排水や廃水が、「汚水」と総称される。
本明細書において、「汚水流路」とは、汚水が通流する流路をいい、住宅やオフィスビル等の建造物に配設された排水管や、地下に埋設されている下水管、さらには、排水管や下水管を流れる汚水を一時的に貯留する貯留部を含む概念である。
本明細書において、「オゾンガス」とは、気相中オゾン濃度が0.01ppm以上であるガスを指す。
オゾンガス発生器によって順次生成されて、導入管により汚水流路内に流れ込むオゾンガスは、汚水流路内で徐々に拡散し、排水管と排水管との接続部や、排水管と貯留部との接続部において、オゾン水が付着しにくいような隙間や段差等にも進行する。そして、汚水流路内に存在する細菌は、汚水流路内で拡散するオゾンガスと接触することで、オゾンによる清浄化処理が実施される。また、汚水流路内に拡散し、充満したオゾンガスが管内に一時的に滞留することで、より長い時間にわたって清浄化処理の効果が持続させることができる。
つまり、上記構成の汚水流路清浄化システムによれば、汚水流路内のオゾン水が付着しにくい領域にもオゾンガス進行するため、オゾン水を利用した従来の清浄化システムに比べて、より確実な清浄化処理が行われる。
また、上述したように、汚水流路を満遍なく清浄化処理しようとして汚水流路内をオゾン水で満たそうとすると、オゾン水が排水口から住宅内へと逆流するおそれがある。これに対し、オゾンガスを汚水流路内で拡散させる場合は、ほとんどの排水口に一般的に設けられる悪臭防止用のトラップシールドによって、大量のオゾンガスが排水口から住宅内へと逆流することが抑制される。したがって、上記構成の汚水流路清浄化システムによれば、オゾンガスを汚水流路に流し込む前に、全ての排水口を閉じる作業は要しない。
なお、例えば、オゾンガスによる清浄化システムと同じ効果を得るために、ミスト状のオゾン水を汚水流路に導入する清浄化システムを採用することが考えられる。しかしながら、水に溶解した状態のオゾンは、水、又は水に含まれる物質等と接触して分解しやすいため、一般的にガス状のオゾンよりも半減期が短い。したがって、オゾンガスを導入する上記構成の汚水流路清浄化システムは、ミスト状のオゾン水を導入する清浄化システムと比べて、より広範囲にわたって汚水流路内を清浄化処理することができ、かつ、より長い時間にわたって清浄化処理の効果を持続させることができる。
上記汚水流路清浄化システムにおいて、
前記導入管は、建造物に沿って鉛直方向に汚水を通流させる、前記汚水流路の一部を構成する第一流路に対し、汚水が流れ込む領域よりも鉛直上方側の位置に接続されていても構わない。
本明細書において、「建造物に沿って鉛直方向に汚水を通流させる第一流路」とは、建造物の外壁面等に配設された直管形状の配管によって汚水を、鉛直方向に落下させる構成のみならず、螺旋状等の任意の形状の配管によって、建造物の内壁面、外壁面に固定、又は柱や壁の内部等に配設された配管により、高い位置から低い位置へと汚水を運ぶ流路を指す。
また、本明細書において、「汚水が流れ込む領域」とは、洗面台の排水口やトイレの便器に接続されている個々の流路から第一流路へと流れ込んだ汚水が、実際に通流する領域に相当する。当該領域については、「発明を実施するための形態」の項目において、図1及び図3を参照しながら詳述される。
オゾンの分子量は、48であり、空気の平均分子量28.8よりも大きい。このため、オゾンガスは、空気中において鉛直下方に向かって拡散しやすく、鉛直上方には拡散しにくい。
したがって、上記構成によれば、オゾンガスが、汚水流路内において鉛直上方から鉛直下方に向かって自然拡散しやすい。つまり、上記構成の汚水流路清浄化システムは、送風機等を要することなく、オゾンガスの自然拡散によって、汚水流路内をより広範囲にわたって清浄化処理することができる。
上記汚水流路清浄化システムは、
前記汚水流路内に導入された前記オゾンガスが、所定の方向へ流れるように気流を発生させる送風機を備えていても構わない。
ここでいう「汚水流路内に導入されたオゾンガスが所定の方向に流れるように気流を発生させる」とは、汚水流路内に送風機を設置して、気流を発生させる場合や、汚水流路外に送風機を設置して、空気又はオゾンガスを流し込むことで気流を発生させる場合をも含む。
上記構成とすることで、オゾンガスが汚水流路内に発生する気流によって、より広範囲にまで拡散される。つまり、上記構成の汚水流路清浄化システムは、汚水流路内をより広範囲にわたって清浄化処理することができる。
上記汚水流路清浄化システムにおいて、
前記オゾンガス発生器は、主たる発光波長が200nm以下の波長範囲に属する紫外光を出射する紫外光源を備えていても構わない。
さらに、上記汚水流路清浄化システムにおいて、
前記紫外光源は、キセノン(Xe)ガスを含む発光ガスが封入された発光管を備えるエキシマランプであっても構わない。
本明細書における「主たる発光波長」とは、ある波長λに対して±10nmの波長域Z(λ)を発光スペクトル上で規定した場合において、発光スペクトル内における全積分強度に対して40%以上の積分強度を示す波長域Z(λi)における、波長λiを指す。
酸素の光吸収スペクトルの波長範囲である100nm以上240nm以下の紫外光が酸素に照射されると、下記(4)~(5)式の反応が進行しオゾンが生成される。(4)式において、hνは、紫外光が吸収されていることを示す。なお、(4)式及び(5)式では、O(1D)とO(3P)の両者を包括して、「O」で表現している。特に(4)式において、O(1D)が生じるか否かは、照射される紫外光の波長に依存する。

2 + hν → O + O ‥‥(4)
O + O2 → O3 ‥‥(5)
上記(4)及び(5)式からわかるように、紫外光によるオゾンの生成過程では、酸素分子の分解処理と、原子状酸素と酸素分子との反応によってオゾンが生成される。つまり、酸素以外の物質が反応に寄与することがほとんどなく、副次的に有害な物質や、オゾン発生器を構成する部材や汚水流路を構成する配管を腐食させてしまうような物質が発生するおそれが極めて小さい。
なお、キセノンガスを含む発光ガスが封入された発光管を備えるエキシマランプは、波長172nm付近にピーク強度を示す、狭小なスペクトルの光を出射することが知られており、オゾンガス発生器に搭載する紫外光源として好適である。
オゾンは、人体に対して有毒な物質であり、高濃度のオゾンガスが住宅内等に流れ込むと、生活している人の健康状態に影響を及ぼすおそれがある。そこで、有人環境におけるオゾンの許容濃度は、日本産業衛生学会等により0.1ppm以下とすることが勧告されている。
一般的に住宅やオフィス等の排水口には、S字状に屈曲させた排水管によって排水の一部を滞留させて臭いや有毒ガス等の逆流を防止するためのシールドトラップが形成されている。このため、通常では、汚水流路に導入されたオゾンガスが、住宅内へと流れ込むおそれは極めて小さい。しかしながら、シールドトラップ内の水の蒸発等により、オゾンガスが住宅内に流れ込む可能性は少なからずある。また、気密性が高い住宅等では、住宅内の気圧と汚水流路内の気圧との差によって、汚水流路内のガスがシールドトラップを超えて逆流してしまうおそれもある。このように、オゾンガスが住宅内に逆流してしまうおそれが少なからずあるため、万が一汚水流路から住宅1内への逆流が生じた場合であっても、上記基準を超えるおそれがないように、生成するオゾンガスのオゾン濃度を適切に調整することが好ましい。
上記構成の汚水流路清浄化システムは、紫外光源の輝度や点灯時間を制御することで、容易に生成するオゾンガスのオゾン濃度を制御することができる。したがって、上記構成とすることで、汚水流路清浄化システムの信頼性がより高められる。
上記汚水流路清浄化システムにおいて、
前記導入管は、前記汚水流路の一部を構成する貯留部の側壁面と接続されていても構わない。
また、上記汚水流路清浄化システムにおいて、
前記導入管は、前記汚水流路の一部を構成する貯留部の底面と接続されていても構わない。
一般的に汚水流路には、汚水をスムーズに下流へと流すために、一時的に汚水を貯留して、汚水に含まれるゴミや固形物を底に沈殿させる貯留部が形成される。貯留部は、例えば、汚水桝(排水桝や、排水ピット等とも称される。)、集合住宅やオフィスの地下に設けられる汚水用の貯水槽等である。
貯留部は、上述のように、汚水を一時的に貯留する部分であることから、有機物質が蓄積しやすく、人に対して有害な物質や、汚水流路を腐食させる物質がより多く発生しやすい。
そこで、上記構成とすることで、貯留部内及び汚水流路内の貯留部近傍の空間をより重点的に処理することができる。なお、導入管が貯留部の側壁面に接続されている場合は、底面に接続されている場合と比較すると、貯留部内の空間にオゾンガスをより多く導入しやすく、貯留部と接続されている排水管内にも、より多くのオゾンガスを導入することができる。つまり、貯留部周辺をより広範囲にわたって清浄化処理することができる。
また、導入管が貯留部の底面に接続されている場合は、側壁面に接続されている場合と比較すると、より確実に汚水に対してオゾンガスを供給することができる。このため、当該構成によれば、汚水に含まれる有機物質の分解処理及び細菌の殺菌処理をすることができる。なお、汚水に供給されるオゾンガスの一部は、汚水に溶解することなく汚水面から貯留部内の空間に拡散する。このため、当該構成においても、貯留部の壁面を清浄化処理することができる。
本発明の清浄化方法は、
汚水流路を清浄化する方法であって、
オゾンガス発生器により、取り込んだ酸素からオゾンガスを生成する工程(A)と、
前記オゾンガスを前記汚水流路内へと導入する工程(B)とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、汚水流路内を広範囲にわたって満遍なく清浄化処理でき、汚水流路を構成する配管の腐食を抑制できる汚水流路清浄化システム及び汚水流路清浄化方法実現される。
住宅及び住宅から排出される汚水が通流する汚水流路の一部の構成を模式的に示す図面である。 汚水流路清浄化システムの一実施形態を模式的に示す図面である。 図1の導入管と第一流路とが接続されている部分を拡大した図面である。 図1の汚水流路清浄化システムが併設された貯留部を拡大した図面である。 図4のA-A断面図である。 汚水流路清浄化システムの別実施形態を模式的に示す図面である。 汚水流路清浄化システムの別実施形態を模式的に示す図面である。
以下、本発明の汚水流路清浄化システム及び汚水流路清浄化方法について、図面を参照して説明する。なお、汚水流路清浄化システムに関して、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
[汚水流路の構成]
まず、住宅から排出される汚水(生活排水)と、汚水流路の構成の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、住宅1及び住宅1から排出される汚水が通流する汚水流路の一部の構成を模式的に示す図面である。図1に示すように、一般的な住宅1においては、トイレの便器(2,3)、洗面台4、洗濯機5、浴槽6、台所のシンク7等から汚水が汚水流路に対して排出される。なお、図1において、紙面の上下方向が鉛直上下方向に対応する。
住宅1から排出される汚水は、排出される場所によって、様々な種類のゴミや固形物等が含まれ得るが、特に、トイレの便器(2,3)から排出される汚水は、人の排泄物が含まれるため、硫黄等の有機物質が多量に含まれる。
そして、住宅1から排出される汚水が通流する汚水流路は、図1に示すように、第一流路30と、第二流路31と、複数の貯留部32と、下水管33とによって構成される。なお、当該構成は説明のための単なる一例であり、後述される汚水流路清浄化システム10が、このような構成の汚水流路のみを対象としているわけではない。
図1に示すように、第一流路30は、建造物である住宅1の壁面に沿って鉛直方向に汚水を通流させる流路であり、住宅1の外壁面1aに固定された配管で構成されている。なお、第一流路30は、住宅1に沿って鉛直方向に汚水を通流させる流路であればよく、図1に示すように、直管形状の配管ではなく、例えば、螺旋形状の配管等によって構成されていても構わない。また、住宅1の外壁面1aに固定された流路ではなく、例えば、住宅1内の柱や壁の内部に配設された配管で構成された、住宅1の壁面に沿って鉛直方向に汚水を通流させる流路であっても構わない。
第二流路31は、住宅1の地下に埋設された、貯留部32の間を連絡する流路である。
貯留部32は、汚水に含まれるゴミや固形物を沈殿させるために、一時的に汚水を貯留する汚水流路を構成する一要素である。貯留部32は、例えば、図1に示すように、地下に埋設された汚水桝や、マンション等の集合住宅の地下に構成された汚水用の貯留槽等に相当する。
下水管33は、戸建て住宅や集合住宅、オフィスビル等のそれぞれの第二流路31から流れ込む汚水を、汚水処理場へと通流させる、公共の汚水流路である。下水管33は、多くの場合、図1に示すように、地下に埋設された配管で構成されており、人が入ってメンテナンス作業等を行うためのマンホール40が設けられている。
[汚水流路清浄化システム10]
次に、上述した汚水流路を清浄化する汚水流路清浄化システム10の構成について説明する。図2は、汚水流路清浄化システム10の一実施形態を模式的に示す図面である。図2に示すように、本実施形態の汚水流路清浄化システム10は、オゾンガス発生器11と、導入管12と、送風機20とを備える。
本実施形態のオゾンガス発生器11は、空気に含まれる酸素から上記(4)式及び(5)式に示す反応によりオゾンガスを生成する。念の為に、(4)式及び(5)式を再掲する。

2 + hν → O・+ O・ ‥‥(4)
O・ + O2 → O3 ‥‥(5)
導入管12は、オゾンガス発生器11と第一流路30とを連絡する配管であり、オゾンガス発生器11で生成されたオゾンガスを第一流路30へと導く。導入管12は、オゾンガスを第一流路30に導くことができる構成であれば、長さや太さ、柔軟性等を特に問わないが、長時間オゾンに曝されても劣化しにくい材料で構成されていることが好ましく、例えば、SUS製の配管やPTFE製の配管を採用し得る。
送風機20は、吸気口15aから空気を取り込むとともに、オゾンガス発生器11が生成したオゾンガスを排気口15bから導入管12へと送り込む気流を発生させる。送風機20は、第一流路30内へとオゾンガスを順次送り込むことによって、汚水流路内において所定の方向に気流を発生させる。
なお、本実施形態における送風機20は、オゾンガス発生器11の排気口15bに装着されているが、送風機20は、オゾンガス発生器11と別体として設けられていても構わない。また、送風機20は、オゾンガス発生器11の設置場所とは異なる場所、例えば、貯留部32内等に配置されていても構わない。さらに、オゾンガス発生器11によって生成されたオゾンガスが、自然対流や気圧差等によって汚水流路内で十分に拡散する場合等は、送風機20が設けられていなくても構わない。
図3は、図1の導入管12と第一流路30とが接続されている部分を拡大した図面である。図3は、排水管2aから流れ込む汚水が通流する通流領域30aがハッチングにより示されている。通流領域30aは、図3において破線で示された位置よりも鉛直下方の領域であって、排水管2aから流れ込む汚水が自然に流れる領域である。
図3に示すように、導入管12は、第一流路30における通流領域30aよりも鉛直上方側の位置に接続されている。なお、例えば、通流領域30aが狭く、第一流路30の鉛直下方側からオゾンガスを送り込むことで通流領域30a内に十分にオゾンを拡散させることができる場合には、導入管12が、第一流路30における通流領域30aの鉛直下方側の位置に接続されていても構わない。
また、汚水流路清浄化システム10は、導入管12が汚水流路のうちの、第二流路31、貯留部32、又は下水管33と接続されていても構わない。図4は、図1の汚水流路清浄化システム10が併設された貯留部32を拡大した図面であり、図5は、図4のA-A断面図である。なお、図5においては、図示の都合上、汚水D1が図示されていない。
図4及び図5に示すように、本実施形態における汚水流路清浄化システム10は、導入管12が貯留部32の底面32aに接続されており、底面32aに設けられた吹き出し口32cから汚水D1に対してオゾンガスを供給するように構成されている。
本実施形態においては、汚水流路清浄化システム10の導入管12が貯留部32の底面32aに接続されているが、導入管12が貯留部32の側壁面32bに接続されていても構わない。
[オゾンガス発生器11]
以下、オゾンガス発生器11の詳細について説明する。図2に示すように、オゾンガス発生器11は、筐体13と、紫外光源14と、通流路15と、電源部16と、インバータ17とを備える。
図2に示すように、筐体13は、内側に紫外光源14が収容された通流路15と、通流路15とは分離された電源部16とを構成する。
本実施形態における紫外光源14は、発光管内に、キセノン(Xe)ガスを含む発光ガスが封入された、主たる発光波長が172nmの紫外光L1を発するエキシマランプである。酸素ガスに対して紫外光L1が照射されることで、通流路15内で上記(4)式及び(5)式の反応が起こり、オゾンガスが生成される。
なお、紫外光源14は、主たる発光波長が200nm以下の波長範囲に属する紫外光を発するエキシマランプであれば、キセノンガスを含まない発光ガスが封入されたエキシマランプであってもよく、エキシマランプの形状も任意である。また、紫外光源14は、エキシマランプに限られず、固体光源や、他の放電ランプを採用しても構わない。
通流路15は、図2に示すように、外部から通流路15内に酸素(O2)を含む空気を取り込むための吸気口15aと、生成したオゾン(O3)を含むオゾンガスを筐体13外に排出する排気口15bとが形成されている。
また、波長が200nm以下の波長範囲に属する紫外光は、酸素に吸収されやすいため、空気中においては、およそ10mm程度しか進行しない。このため、本実施形態における通流路15は、図2に示すように、吸気口15aから取り込まれた酸素が紫外光源14から発せられる紫外光L1に十分に曝されるように、一部が狭くなっている。
電源部16は、外部電源(不図示)から供給される電力から、紫外光源14を点灯させるための電力を生成する電気回路であるインバータ17を備える。インバータ17で生成された電力は、インバータ17と紫外光源14とを接続する給電線17aによって、紫外光源14へと供給される。
本実施形態におけるインバータ17は、導入管12から汚水流路内に導入されるオゾンガスのオゾン濃度を調整するため、紫外光源14をオン時間1秒、オフ時間9秒での、周期的な間欠点灯を実行するように紫外光源14に対して電力を供給する。このような電力の供給により、本実施形態の汚水流路清浄化システム10は、導入管12から汚水流路に供給されるオゾンガスのオゾン濃度が50ppm以下となるように調整されている。オゾン濃度が50ppmを超えるオゾンガスは、人に対して、短時間の曝露であっても急性中毒を引き起こすおそれがある。このため、上記のような調整がなされることで、作業者が誤ってオゾン発生器の近傍に近づく場面においても、作業者への過度な負担が避けられる。なお、汚水流路内のオゾン濃度が0.01ppm以上に維持されるよう、汚水流路の経路や大きさに応じて、オゾン濃度は適宜設定することが望ましい。
なお、基準の単なる一例ではあるが、二階建てでトイレが一つである戸建て住宅の場合、オゾンが汚水流路内において徐々に分解することも考慮すると、導入管12から汚水流路に供給されるオゾンガスのオゾン濃度は、25ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。さらに、上述したように、汚水流路の清掃作業を行う作業者への負担等も考慮した低濃度の清浄化処理を実現するため、1ppm以下としても良い。
上記構成の汚水流路清浄化システム10によれば、汚水流路内のオゾン水が付着しにくい領域にもオゾンガスが進行して清浄化処理が実行される。このため、オゾン水を利用した従来の清浄化システムに比べて清浄化処理が行われない領域が生じにくい。そして、オゾンガスを導入する上記構成の汚水流路清浄化システム10は、従来の清浄化システムに比べて、より広範囲にわたって汚水流路内を清浄化処理することができ、かつ、より長い時間にわたって清浄化処理の効果を持続させることができる。
上記構成の汚水流路清浄化システム10は、外気を取り込み、図2に示すように、空気中に含まれる酸素に紫外光L1を照射してオゾンガスを生成する構成で説明したが、例えば、オゾンガス発生器11の吸気口15aに酸素を供給するための酸素ボンベを備えていても構わない。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉 図6は、汚水流路清浄化システム10の別実施形態を模式的に示す図面である。図6に示すように、オゾンガス発生器11は、紫外光源14の代わりに、複数の電極板60aを有する無声放電式のオゾナイザ60を備えていても構わない。
当該構成によれば、通流路15の形状は、電極板60aの配置構成によって適宜調整可能であり、紫外光L1の到達範囲等を考慮する必要がない。つまり、上記構成の汚水流路清浄化システム10は、紫外光源14が搭載される場合と比較して、通流路15の構成が設計しやすい。
〈2〉 図7は、図6とは別の、汚水流路清浄化システム10の別実施形態を模式的に示す図面である。図7に示すように、本実施形態の汚水流路清浄化システム10は、オゾンセンサ70と、制御部71とを備える。
オゾンセンサ70は、排気口15bを通流するオゾンガスを検知し、制御部71に対して検知信号を出力する。なお、オゾンセンサ70は、例えば、半導体式センサや電気化学式センサ、紫外線式センサ、赤外線式センサ等を採用し得る。
制御部71は、オゾンセンサ70から検知信号が入力されなくなると、オゾンが生成されなくなったことを通知するための無線信号S1を発信する。制御部71は、例えば、マイコンが搭載された無線モジュールであり、無線信号S1は、例えば、PC、スマートフォン、タブレット等で受信可能な信号である。
汚水流路は、一般的に住宅の外壁や柱の内部、地下等に設けられる。このため、汚水流路清浄化システム10は、住宅の外や地下に設置されることが想定され、常に動作状態を確認することが難しい場合が想定される。また、設置した汚水流路清浄化システム10について、定期的に全て動作確認を行うことは、非効率的であり現実的ではない。
そこで、上記構成の汚水流路清浄化システム10は、例えば、紫外光源14に汚れが付着してオゾンの生成効率が低下している場合や、不具合や寿命により消灯してしまった場合に、汚水流路清浄化システム10が正常に動作していないことを検知することができる。
また、汚水流路内に非常に高い濃度のオゾンガスが供給されてしまうことで、住宅やオフィス内にオゾンガスが流入してしまうことを防止するため、制御部71は、オゾンセンサ70が基準値よりも高い濃度のオゾンガスを検知した場合に、無線信号S1を発信するように構成されていても構わない。
〈3〉 さらに、汚水流路を清浄化する方法として、例えば、汚水流路を構成する貯留部32の一部のスペースにオゾンガス発生器11を設置し、導入管12を介さず、オゾンガス発生器11の排気口14bから排出されるオゾンガスを汚水流路内に直接導入する方法を採用しても構わない。
〈4〉 上述した汚水流路清浄化システム10が備える構成は、あくまで一例であり、本発明は、図示された各構成に限定されない。また、汚水流路清浄化システム10が清浄化処理の対象とする汚水流路は、一般住宅やオフィスから排出される汚水が通流する汚水流路に限定されず、上述したように、公共施設や公園等から排出される汚水が通流する汚水流路等も含まれる。
1 : 住宅
1a : 外壁面
2,3 : トイレ
4 : 洗面台
5 : 洗濯機
6 : 浴槽
7 : シンク
10 : 汚水流路清浄化システム
11 : オゾンガス発生器
12 : 導入管
13 : 筐体
14 : 紫外光源
15 : 通流路
15a : 吸気口
15b : 排気口
16 : 電源部
17 : インバータ
17a : 給電線
20 : 送風機
30 : 第一流路
30a : 通流領域
30b : 接続部
31 : 第二流路
32 : 貯留部
32a : 底面
32b : 側壁面
32c : 吹き出し口
33 : 下水管
40 : マンホール
60 : 放電式オゾナイザ
60a : 電極板
70 : オゾンセンサ
71 : 制御部
D1 : 汚水
L1 : 紫外光
S1 : 無線信号

Claims (8)

  1. 汚水流路を清浄化するためのシステムであって、
    取り込まれた酸素からオゾンガスを生成するオゾンガス発生器と、
    前記オゾンガス発生器と前記汚水流路とを連絡し、前記オゾンガス発生器で生成された前記オゾンガスを前記汚水流路内へと導く導入管とを備えたことを特徴とする汚水流路清浄化システム。
  2. 前記導入管は、建造物に沿って鉛直方向に汚水を通流させる、前記汚水流路の一部を構成する第一流路に対し、汚水が流れ込む領域よりも鉛直上方側の位置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の汚水流路清浄化システム。
  3. 前記汚水流路内に導入された前記オゾンガスが、所定の方向へ流れるように気流を発生させる送風機を備えることを特徴とする請求項1に記載の汚水流路清浄化システム。
  4. 前記オゾンガス発生器は、主たる発光波長が200nm以下の波長範囲に属する紫外光を出射する紫外光源を備えることを特徴とする請求項1に記載の汚水流路清浄化システム。
  5. 前記紫外光源は、キセノン(Xe)ガスを含む発光ガスが封入された発光管を備えるエキシマランプであることを特徴とする請求項4に記載の汚水流路清浄化システム。
  6. 前記導入管は、前記汚水流路の一部を構成する貯留部の側壁面と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の汚水流路清浄化システム。
  7. 前記導入管は、前記汚水流路の一部を構成する貯留部の底面と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の汚水流路清浄化システム。
  8. 汚水流路を清浄化する方法であって、
    オゾンガス発生器により、取り込んだ酸素からオゾンガスを生成する工程(A)と、
    前記オゾンガスを前記汚水流路内へと導入する工程(B)とを含むことを特徴とする汚水流路清浄化方法。
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