JP2023170825A - 膜厚測定装置及び膜厚測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜厚の測定時間を短縮することができる膜厚測定装置及び膜厚測定方法を提供する。【解決手段】本開示に係る膜厚測定装置100は、基板31と、基板31上に設けられた薄膜32と、を含む試料30の薄膜32の膜厚を測定する膜厚測定装置100であって、共焦点光学系101を介して試料30を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択部12と、共焦点光学系101を介して試料30で反射した反射光を検出し、反射光に含まれる各波長の光による試料30の測定領域における各画像を取得する光検出器19と、膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する処理部20と、を備え、処理部20は、波長と反射率との関係が膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、測定データから膜厚を近似して算出する。【選択図】図4
Description
本発明は、膜厚測定装置及び膜厚測定方法に関する。
ウエハーや光学部品等の基板のコーティング(フォトレジスト、反射防止膜、透明導電樹脂、摩耗防止、潤滑剤等)には、広域の膜ムラや局所的な膜厚分布が生じやすい。図1は、基板及び基板上にコーティングされた薄膜を含む試料全体を例示した平面図である。図2は、試料全体における広域の膜厚プロファイルを例示したグラフであり、横軸は一方向に沿った薄膜の位置を示し、縦軸は膜厚を示す。図3は、顕微鏡の視野における局所の膜厚プロファイルを例示したグラフであり、横軸は一方向に沿った薄膜の位置を示し、縦軸は膜厚を示す。
図1~図3に示すように、基板上にコーティングされた薄膜には、広域の膜ムラや局所的な膜厚分布が生じている。このような膜ムラや膜厚分布を含む薄膜の膜厚を検査・測定する技術は、ウエハーや光学部品の均一性等の品質改善のために必要不可欠である。
膜厚ムラ及び膜厚ムラによる反射率ムラを測定する方法の一つに光学式膜厚測定法がある。
光学式膜厚測定法としては、(1)反射分光による方法、(2)偏光解析による方法、(3)白色干渉縞走査による方法、(4)共焦点顕微鏡による方法が挙げられる。また、例えば、特許文献1~3のような(5)分光膜厚分布測定法によっても、膜厚を測定することができる。しかしながら、これらの方法にはそれぞれ以下に示すような問題がある。
(1)反射分光による方法は、白色光で照明した試料の反射光を分光することで分光スペクトルを測定する。反射分光による方法のうち、ピークバレー法(PV法)は、分光スペクトルから反射率の極大と極小に対応する波長を求めて膜厚を解析する方法である。この方法では、可視光を使う場合に、波長程度(約0.5μm)以下の膜厚では極大・極小のスペクトルパターンを得ることができない。このため、波長程度以下の膜厚の測定には適用することができない。
また、反射分光による方法のうち、カーブフィット法は、分光スペクトルを、光の波長、薄膜の膜厚、薄膜と基板との屈折率(n)及び滅衰係数(k)で決定される条件により、絶対反射率の波長依存性という形で理論的に計算する。そして、測定データに対して、理論的に計算された絶対反射率をパラメータフィッティングすることにより膜厚を決定する。一般に、数nmから数μmの膜厚までカーブフィット法により膜厚を求めることができる。しかし、測定に用いる照明光の各波長に対して十分なサンプリング数を必要とする。
一般的な分光計は、膜厚の空間分布を高分解に測定することはできず、光が照明するエリアの平均的な値が得られるにとどまる。照明エリア内で膜厚分布(変化)が存在する場合には、反射率が平均化されてしまうため、正確な絶対反射率を得ることができない。このように、カーブフィット法は、膜厚分布を高分解能で測定することはできない。
(2)偏光解析による方法(エリプソメトリー)は、反射光を解析することで膜厚を求める。しかし、試料に対して照明光を斜入射させる必要があるので、膜厚の空間分布を高分解能で測定することはできず、光が照明するエリア(1mm□~100μm□程度)の平均的な値が得られるにとどまる。さらに、薄膜自体が偏光特性を持つ場合は、膜厚を高分解能で測定することが困難となる。
(3)白色干渉縞走査による方法は、試料あるいは対物レンズをzスキャンすることにより、白色光の干渉縞の最大強度位置を計算する。これにより、干渉縞を発生させた薄膜の膜厚を求めることができる。薄膜の膜厚を測定するためには、下地基板と薄膜表面からの干渉強度信号をそれぞれ分離して測定することが必要である。しかし、膜厚が1μm以下の場合、それらの強度信号を分離することが困難となる。さらに、反射率の高い基板上に、反射率の低い透明な薄膜が存在する場合には、透明な薄膜からの干渉強度を精密に測定することはできず、膜厚の測定はいっそう困難なものとなる。多層膜等の膜厚の測定はさらに困難となる。
(4)共焦点顕微鏡による方法は、対物レンズと試料との間の距離をzスキャンすることにより変化させ、合焦点位置を検出することで膜厚を測定する。膜厚が数μm以下の場合には、下地基板と膜表面の反射信号を分離することができないため、膜厚を測定することができない。信号の分離限界は対物レンズの開口数に大きく依存するため、膜厚測定限界は高倍では数μm、低倍率広視野では数十μmとなり、膜厚の測定が困難となる。
(5)光学式膜厚測定法は、共焦点光学系を用いて、複数の波長の光を切り替えることで、膜厚を測定する。具体的には、第1波長及び第2波長に対する反射率の測定データをそれぞれ求め、波長と反射率との関係が膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、測定データから膜厚を近似して算出している。複数波長の画像から、各画素に対してカーブフィット法を適用することで膜厚を計算し、膜厚分布を求めることができる。
(1)~(4)の方法は、空間分解能が低いため、数μm□~数百μm□の領域内で、膜厚が数nmから数μmまで連続的に増減する場合には、任意測定点の平均値で品質を評価することが難しい。そこで、凹凸やそりのある試料の局所的な空間分解能を高めるためには、(5)分光膜厚分布測定法が適している。
しかしながら、(5)分光膜厚分布測定法は、例えば、6波長の照明光によるデータ取得に6回の焦点合成が必要なため時間がかかる。データ取得時間を短縮するためには波長数を少なくしたいが、一方で、膜厚の解析には十分な波長数が必要である。
また、(5)分光膜厚分布測定法は、複数波長の画像から、各画素に対してカーブフィット法を適用することで膜厚計算し、膜厚分布が得られる。この手法は、1μm以下の膜厚に対しては有効であるが、それ以上の膜厚に対しては、波長情報が足りない場合には、カーブフィットが難しくなる。一つの波長に対して一つの全焦点画像を撮像するために、一回のZスキャンが必要となる。このため、多数の波長データを取得する場合には、波長数に比例して測定時間が増大してしまう。測定時間を短縮するために、波長数を極端に減らすと膜厚解析のカーブフィット法が適用できなくなる。
このように、(1)~(5)の方法は、空間分解能と波長情報を維持したまま、測定時間を短縮できない課題を有している。
本発明の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、膜厚の測定時間を短縮することができる膜厚測定装置及び膜厚測定方法を提供することである。
本開示に係る膜厚測定装置は、基板と、基板上に設けられた薄膜と、を含む試料の前記薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、共焦点光学系を介して前記試料を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び前記第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択部と、前記共焦点光学系を介して前記試料で反射した反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による前記試料の測定領域における各画像を取得する光検出器と、前記膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する処理部と、を備え、前記処理部は、前記波長と前記反射率との関係が膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する。
上記膜厚測定装置では、前記処理部は、前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出し、算出した前記決定係数が所定の閾値未満の場合に、前記波長選択部は、前記照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、前記光検出器は、少なくとも前記第3波長の光による前記測定領域における前記画像を取得し、前記処理部は、少なくとも前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出してもよい。
上記膜厚測定装置では、前記波長選択部は、前記第1波長帯域の前記第1波長、前記第2波長帯域の前記第2波長、及び、前記第3波長として、それぞれ、青色波長帯域の前記波長、緑色波長帯域の前記波長及び赤色波長帯域の前記波長のいずれかから選択し、前記光検出器は、前記青色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する青色画像撮像素子、前記緑色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する緑色画像撮像素子及び前記赤色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する赤色画像撮像素子を有してもよい。
上記膜厚測定装置では、前記測定領域は、基準視野及び前記基準視野と異なる任意視野を含み、前記基準視野の前記膜厚を算出する場合には、前記波長選択部は、第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択するとともに、第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、前記光検出器は、前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得するとともに、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる少なくとも前記第3波長の光による前記画像を取得し、前記処理部は、各画像に基づいて、前記第1波長、前記第2波長、及び、前記第3波長に対する各反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出してもよい。
上記膜厚測定装置では、前記任意視野の前記薄膜の前記膜厚を算出する場合には、前記波長選択部は、前記第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択し、前記光検出器は、前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得し、前記処理部は、各画像に基づいて、前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出するとともに、前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出し、算出した前記決定係数が所定の閾値未満の場合に、前記波長選択部は、前記第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、前記光検出器は、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる少なくとも前記第3波長の光による前記画像を取得し、前記処理部は、前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出してもよい。
上記膜厚測定装置では、前記処理部は、前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出し、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出し、前記第1波長、前記第2波長及び前記第3波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出し、各決定係数のうち最も大きい前記決定係数が算出された場合の前記膜厚を、前記薄膜の膜厚に決定してもよい。
本開示に係る膜厚測定方法は、基板と、基板上に設けられた薄膜と、を含む試料の前記薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、共焦点光学系を介して前記試料を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び前記第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択ステップと、前記共焦点光学系を介して前記試料で反射した反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による前記試料の測定領域における各画像を取得する焦点合成画像取得ステップと、前記膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する膜厚解析ステップと、前記波長と前記反射率との関係が前記薄膜の膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する膜厚算出ステップと、を備える。
上記膜厚測定方法では、前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出する決定係数算出ステップと、算出した前記決定係数が所定の閾値未満か判定する判定ステップと、をさらに備え、前記判定ステップにおいて、算出した前記決定係数が前記所定の閾値未満の場合に、前記波長選択ステップ、前記焦点合成画像取得ステップ、前記膜厚解析ステップ、前記膜厚算出ステップ、前記決定係数算出ステップ及び前記判定ステップを繰り返し、繰り返す際に、前記波長選択ステップにおいて、前記照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、前記焦点合成画像取得ステップにおいて、少なくとも前記第3波長の光による前記測定領域における前記画像を取得し、前記膜厚解析ステップにおいて、少なくとも前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、前記膜厚算出ステップにおいて、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出してもよい。
上記膜厚測定方法では、前記波長選択ステップにおいて、前記第1波長帯域の前記第1波長、前記第2波長帯域の前記第2波長、及び、前記第3波長として、それぞれ、青色波長帯域の前記波長、緑色波長帯域の前記波長及び赤色波長帯域の前記波長のいずれかから選択し、前記焦点合成画像取得ステップにおいて、前記青色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像、前記緑色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像及び前記赤色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得してもよい。
上記膜厚測定方法では、前記測定領域は、基準視野及び前記基準視野と異なる任意視野を含み、前記基準視野の前記薄膜の膜厚を算出する場合には、前記波長選択ステップにおいて、第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択するとともに、第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、前記焦点合成画像取得ステップにおいて、前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得するとともに、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる少なくとも前記第3波長の前記光による前記画像を取得し、前記膜厚解析ステップにおいて、各画像に基づいて、前記第1波長、前記第2波長、及び、前記第3波長に対する各反射率の測定データを取得し、前記膜厚算出ステップにおいて、前記計算データを参照して、前記測定データから前記薄膜の膜厚を近似して算出してもよい。
上記膜厚測定方法では、前記任意視野の前記薄膜の膜厚を算出する場合には、前記薄膜の膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出する決定係数算出ステップと、算出した前記決定係数が所定の閾値未満か判定する判定ステップと、をさらに備え、前記波長選択ステップにおいて、前記第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択し、前記焦点合成画像取得ステップにおいて、前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得し、前記膜厚解析ステップにおいて、各画像に基づいて、前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の測定データを取得し、前記膜厚算出ステップにおいて、前記計算データを参照して、前記測定データから前記薄膜の膜厚を近似して算出し、前記判定ステップにおいて、算出した前記決定係数が前記所定の閾値未満の場合には、前記波長選択ステップ、前記焦点合成画像取得ステップ、前記膜厚解析ステップ、及び、前記膜厚算出ステップを繰り返し、繰り返す際に、前記波長選択ステップにおいて、前記第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、前記焦点合成画像取得ステップにおいて、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる前記第3波長の光による前記画像を取得し、前記膜厚解析ステップにおいて、前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、前記膜厚算出ステップにおいて、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出してもよい。
上記膜厚測定方法では、前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出するステップと、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出するステップと、前記第1波長、前記第2波長及び前記第3波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出するステップと、各決定係数のうち最も大きい前記決定係数が算出された場合の前記膜厚を、前記薄膜の膜厚に決定するステップと、をさらに備えしてもよい。
本発明によれば、膜厚の測定時間を短縮することができる膜厚測定装置及び膜厚測定方法を提供することができる。
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
(実施形態1)
本実施形態の膜厚測定装置及び膜厚測定方法は、基本的な原理として、反射分光(分光干渉)式の分光膜厚分布測定法を利用する。画像の明度を確保するために、帯域幅を10~20nm程度確保すると、可干渉距離は10~20μm程度になる。膜厚分布を短時間に測定して評価するという目的のために、以下の4点を利用した反射分光膜厚分布測定を考える。
(1)共焦点光学系を使うことで、透明基板の裏面反射光を除去することができ、正味の表面反射光を正確に測定することが期待される。
(2)従来の分光膜厚計のように反射光を分光するかわりに、照明を単色光を含むものとして試料の反射強度を測定する。そして、照明波長を変える度に、反射強度を同一視野に対して測定する。従って、反射率の波長依存性、すなわち、反射スペクトルを得ることができる。この時に各波長に対して撮像することで、反射率を2次元的に画像化できる。
(3)共焦点光学系を使いzスキャンすることで、表面形状を膜厚程度の誤差を含んだ形だが、3次元計測することができる。測定点が照明光軸に対してどの程度傾斜しているのかを見積もることができる。従って、傾斜による反射率変化を補正する場合にも利用できる。
(4)共焦点光学系を使い、微細パターンの膜厚分布を測定するために、開口数NAの大きな対物レンズを使うことで、数μmのパターン幅でも反射像を撮像できる。
本実施形態の膜厚測定装置及び膜厚測定方法は、基本的な原理として、反射分光(分光干渉)式の分光膜厚分布測定法を利用する。画像の明度を確保するために、帯域幅を10~20nm程度確保すると、可干渉距離は10~20μm程度になる。膜厚分布を短時間に測定して評価するという目的のために、以下の4点を利用した反射分光膜厚分布測定を考える。
(1)共焦点光学系を使うことで、透明基板の裏面反射光を除去することができ、正味の表面反射光を正確に測定することが期待される。
(2)従来の分光膜厚計のように反射光を分光するかわりに、照明を単色光を含むものとして試料の反射強度を測定する。そして、照明波長を変える度に、反射強度を同一視野に対して測定する。従って、反射率の波長依存性、すなわち、反射スペクトルを得ることができる。この時に各波長に対して撮像することで、反射率を2次元的に画像化できる。
(3)共焦点光学系を使いzスキャンすることで、表面形状を膜厚程度の誤差を含んだ形だが、3次元計測することができる。測定点が照明光軸に対してどの程度傾斜しているのかを見積もることができる。従って、傾斜による反射率変化を補正する場合にも利用できる。
(4)共焦点光学系を使い、微細パターンの膜厚分布を測定するために、開口数NAの大きな対物レンズを使うことで、数μmのパターン幅でも反射像を撮像できる。
(1)~(4)から、観察画像の各画素に対して、分光スペクトルを得ることができるので、絶対反射率に換算して、可干渉性因子を考慮して膜厚をパラメータとするフィッティングを行うことにより、0~1μm以上の膜厚まで求めることができる。可干渉性因子の補償パラメータもフィッティングに含めることも可能である。波長は、例えば、400~700nmの間の数波長でもよい。
共焦点光学系において、観察波長を変えると、合焦点位置が変化することが考えられるので、これによる輝度の変化が予想される。これは、各波長による合焦点位置のズレ分を予め、PCに記憶しておき、各波長に対して、ズレ分だけ自動的に試料あるいは対物レンズのz位置を調整することでキャンセルする。あるいは、それぞれの波長において、全焦点画像をzスキャンにより作製してもよい。
絶対反射率の基準試料として、シリコンや石英ガラスなどの、反射スペクトルが既知のサンプルを予め測定しておくことで、観察光学系自身の波長依存性は計算により補正できる。
共焦点顕微鏡を使うことにより、空間分解能を高めることができ、細線パターンや微小領域、局所的な膜厚分布を測定することができる。マルチバンドパスフィルタを適用することで、一度の焦点スキャンで複数波長画像が得らえるので測定時間を短縮できる。最適なマルチバンドパスフィルタを使用することで、解析者の試行錯誤による時間コストを削減できる。また、従来と同じ焦点スキャン回数でより多数の波長画像を得られるため、フィッティング計算が良くなり、多層膜、厚膜(2μm程度)、光学定数解析などができる。複数波長間の波長による焦点位置のズレも、焦点スキャンによって回避できる。
共焦点顕微鏡を用いて、照明波長を切り替えながら、反射強度を測定することで、基板上の膜厚分布を測定することができる。膜厚分布のムラの大きい場合でも非接触・非破壊で短時間に測定することができる。光学顕微鏡の焦点深度より大きな段差のある表面の膜厚測定にも対応できる。
以下で、実施形態1に係る膜厚測定装置及び膜厚測定方法を具体的に説明する。まず、[膜厚測定装置の構成]を説明する。その後、[膜厚測定方法]を説明し、[膜厚解析]を説明する。
[膜厚測定装置の構成]
図4は、実施形態1に係る膜厚測定装置の構成を例示した図である。図4に示すように、本実施形態に係る膜厚測定装置100は、光源11、波長選択部12、レンズ13a、13b、13c、スリット14、ビームスプリッタ15、振動ミラー16、対物レンズ17、ステージ18、光検出器19、処理部20を備えている。光源11及び波長選択部12は、光源部10を構成している。レンズ13a、13b、13c、スリット14、ビームスプリッタ15、振動ミラー16及び光検出器19は、共焦点光学系101を構成している。ステージ18上には、試料30が載置されている。膜厚測定装置100は、基板31と、基板31上に設けられた薄膜32とを含む試料30の薄膜32の膜厚を測定する。
図4は、実施形態1に係る膜厚測定装置の構成を例示した図である。図4に示すように、本実施形態に係る膜厚測定装置100は、光源11、波長選択部12、レンズ13a、13b、13c、スリット14、ビームスプリッタ15、振動ミラー16、対物レンズ17、ステージ18、光検出器19、処理部20を備えている。光源11及び波長選択部12は、光源部10を構成している。レンズ13a、13b、13c、スリット14、ビームスプリッタ15、振動ミラー16及び光検出器19は、共焦点光学系101を構成している。ステージ18上には、試料30が載置されている。膜厚測定装置100は、基板31と、基板31上に設けられた薄膜32とを含む試料30の薄膜32の膜厚を測定する。
光源11としては、水銀ランプ、キセノンランプ等のような連続スペクトルに複数の輝線を含む白色光源が用いられる。なお、例えば、紫外から赤外域(185nm~2000nm)に幅広い連続スペクトルを有するキセノンランプを用いてもよい。もちろん、光源11としては、キセノンランプに限らず、白色ダイオード、白色レーザ等を用いてもよい。後述するように、波長を選択できればどのような光源を用いてもよい。
光源11からの光によって、試料30を観察するための光学系について説明する。光源11から出射した光は、波長選択部12を通過し、特定の波長の光を含む照明光に変換される。
波長選択部12は、例えば、バンドパスフィルタBPFである。バンドパスフィルタBPFは、複数の波長帯を透過させるマルチバンドパスフィルタでもよいし、1つの波長帯を透過させるバンドパスフィルタBPFでもよい。本明細書において、バンドパスフィルタBPFと呼ぶ場合は、マルチバンドパスフィルタ及びバンドパスフィルタを含む。バンドパスフィルタBPFと光検出器19との関係は、後述する。
共焦点光学系101は、光源部10からの照明光を試料30まで導くとともに、試料30からの反射光を光検出器19まで導く。波長選択部12を透過した照明光は、レンズ13aを透過して、スリット14に入射する。照明光は、スリット14を通してX方向のライン状に整形される。そして、ライン状の照明光は、ビームスプリッタ15に入射する。ビームスプリッタ15は、偏光状態によらずに、反射光と透過光の光量が略1:1になるように、光を分岐する。従って、照明光の略半分がビームスプリッタ15を透過する。
その後、図1中右方向に進む光は、振動ミラー16に入射する。振動ミラー16により、X方向のライン状の照明光で試料30上をY方向に走査する。これにより、試料30面上をXYに走査することができる。振動ミラー16としては、例えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー等を用いることができる。
振動ミラー16により、下方に反射された照明光は、対物レンズ17により集光され、試料30に照射される。試料30は、ステージ18上に載置されている。そして、試料30からの反射光は、再度対物レンズ17を通過し、振動ミラー16により再び反射され、ビームスプリッタ15へ入射する。その後、入射した光の略半分がビームスプリッタ15で反射され、レンズ13cに入射する。レンズ13cは、光検出器19の受光面に合成光を結像させる。レンズ13cを透過した光は、光検出器19で受光される。
本実施形態では、光検出器19は、試料30のコンフォーカル画像を撮像する3CCDラインセンサ等である。例えば、光検出器19は、青色画像撮像素子、緑色画像撮像素子及び赤色画像撮像素子の3つの撮像素子を有してもよい。青色画像撮像素子は、青色波長帯域の波長の光による画像を取得する。緑色画像撮像素子は、緑色波長帯域の波長の光による画像を取得する。赤色画像撮像素子は、赤色波長帯域の波長の光による画像を取得する。
このようにして、光検出器19は、共焦点光学系101を介して試料30で反射した反射光を検出し、反射光に含まれる各波長の光による試料30の測定領域における各画像を取得する。なお、共焦点光学系101の方式が用いられていれば、走査方法等は異なってもよく、スリット14や及び光検出器19は、方式に適応したものを適宜用いることができる。例えば、振動ミラー16の代わりに、音響光学素子であるAODを用いることも可能である。
ステージ18は、図示しないZ軸駆動モータを有しており、試料30をZ方向に移動させることができる。ステージ18をZ方向に移動することにより、試料面が焦点位置にくるように制御される。なお、ステージ18がZ方向に移動するかわりに、対物レンズ17を移動させて焦点位置調整を行うこともできる。可変焦点レンズ等による焦点合成でもよい。
共焦点光学系101において、観察する波長が異なると合焦点位置が変化することが考えられ、これによる輝度の変化が予想される。この場合には、各波長の合焦点位置のズレ分を予め測定して処理部20に記憶しておき、波長毎に、ズレ分だけ自動的に試料30あるいは対物レンズ17のZ位置を微調整することでキャンセルすることができる。あるいは、それぞれの波長において、全焦点画像をZスキャンにより作製してもよい。全ての波長の焦点位置をカバーできるようにZスキャン範囲を広げてもよい。なお、観察光学系自身の波長依存性は、シリコンや石英ガラスなどの、反射スペクトルが既知のサンプルを予め測定しておくことで、計算により補正できる。
本実施形態の膜厚測定装置100は、共焦点光学系101を用いることで、基板31のそりや基板31の凹凸表面の全焦点反射像を取得することができる。本実施形態の膜厚測定装置100は、光源11から生成される白色光から複数の波長を透過させるバンドパスフィルタBPF等の波長選択部12と、3CCDカメラ等の光検出器19とで構成されたカラーの共焦点光学系101を組み合わせることで、一回の焦点合成で複数の画像を取得することができる。
次に、光検出器19と波長選択部12との組み合わせを説明する。まず、光検出器19の分光特性を説明する。図5は、実施形態1に係る膜厚測定装置100において、光検出器19の分光特性を例示したグラフであり、横軸は、波長を示し、縦軸は透過率を示す。図5に示すように、光検出器19は、可視光領域を3分割して透過させた反射光を検出する分光特性を有するように設計されている。例えば、光検出器19は、青色の波長帯域の光を検出するチャネルB-ch、緑色の波長帯域の光を検出するチャネルG-ch、赤色の波長帯域の光を検出するチャネルR-chのそれぞれに対応した青色撮像素子、緑色撮像素子及び赤色撮像素子を有している。なお、青色の波長帯域、緑色の波長帯域及び赤色の波長帯域のいずれかを、第1波長帯域、第2波長帯域と呼ぶ場合がある。これら3つの撮像素子で受信した信号を用いることにより、可視光全体のカラー画像を取得することができる。なお、可視光を含む照明光を検出した画像をカラーレビュー画像として用いる。
次に、波長選択部12の例としてバンドパスフィルタBPFの透過波長帯を説明する。図6は、実施形態1に係るバンドパスフィルタBPFの透過波長帯を例示したグラフであり、横軸は、波長を示し、縦軸は、透過率を示す。図7は、実施形態1に係るバンドパスフィルタBPFの透過波長を例示した図である。図6及び図7に示すように、バンドパスフィルタBPF-1~BPF-5は、それぞれ、特定の波長を含む波長帯を透過させる。特定の波長を、第1波長、第2波長、第3波長と呼ぶ場合がある。具体的には、波長選択部12は、第1波長、第2波長、及び、第3波長として、それぞれ、青色波長帯域の波長、緑色波長帯域の波長及び赤色波長帯域の波長のいずれかから選択してもよい。バンドパスフィルタBPF-1~BPF-5は、それぞれ、特定の波長を中心波長とする波長帯を透過させてもよいし、特定の波長にピークを有する波長帯を透過させてもよい。
例えば、バンドパスフィルタBPF-1は、波長b1、波長g1及び波長r1の3つの波長を含む照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-2は、波長b2、波長g2及び波長r2の3つの波長を含む照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-3は、波長b3、波長g3及び波長r3の3つの波長を含む照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-4は、波長c4及び波長r4の2つの波長を含む照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-5は、波長y5を含む照明光を透過させる。
波長b1、波長b2及び波長b3は、チャネルB-chの波長帯域に含まれる。波長g1、波長g2及び波長g3は、チャネルG-chの波長帯域に含まれる。波長r1、波長r2、波長r3及び波長r4は、チャネルR-chの波長帯域に含まれる。波長c4は、チャネルB-chとチャネルG-chとの間の波長帯域(例えば、シアン色の波長帯域)に含まれる。波長y5は、チャネルG-chとチャネルR-chとの間の波長帯域(例えば、黄色の波長帯域)に含まれる。異なるチャンネルの間の波長帯域は、両チャンネルの信号を合算した信号を使う。
このように、バンドパスフィルタBPF等の波長選択部12は、共焦点光学系101を介して試料30を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する。そして、光検出器19は、共焦点光学系101を介して試料30で反射した反射光を検出し、反射光に含まれる各波長の光による試料30の測定領域における各画像を取得する。したがって、バンドパスフィルタBPF-1~BPF-5を用いた5回の焦点合成を行えば、12の波長の画像を得ることができる。
図8は、実施形態1に係る他のバンドパスフィルタBPFの透過波長帯を例示したグラフであり、横軸は、波長を示し、縦軸は、透過率を示す。図9は、実施形態1に係る他のバンドパスフィルタBPFの透過波長を例示した図である。図8及び図9に示すように、バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3及びBPF-6~BPF-8は、それぞれ、特定の波長の照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3は、前述と同様に、それぞれ、波長b1、波長g1及び波長r1の3つの波長、波長b2、波長g2及び波長r2の3つの波長、並びに、波長b3、波長g3及び波長r3の3つの波長を含む照明光を透過させる。
バンドパスフィルタBPF-6は、波長v1及び波長y1の2つの波長を含む照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-7は、波長c1及び波長r4の2つの波長を含む照明光を透過させる。バンドパスフィルタBPF-8は、波長c2及び波長r5の2つの波長を含む照明光を透過させる。
波長v1、波長b1、波長b2及び波長b3は、チャネルB-chの波長帯域に含まれる。波長g1、波長g2及び波長g3は、チャネルG-chの波長帯域に含まれる。波長r1、波長r2、波長r3、波長r4及び波長r5は、チャネルR-chの波長帯域に含まれる。波長c1及び波長c2は、チャネルB-chとチャネルG-chとの間の波長帯域に含まれる。波長y1は、チャネルG-chとチャネルR-chとの間の波長帯域に含まれる。
バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3及びBPF-6~BPF-8を用いた6回の焦点合成を行えば、15の波長の画像を得ることができる。
処理部20は、薄膜の膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する。そして、処理部20は、波長と反射率との関係が膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、測定データから薄膜の膜厚を近似して算出する。また、処理部20は、薄膜の膜厚を近似して算出する際の決定係数(Coefficient of Determination)を算出し、算出した決定係数が所定の閾値以上か(所定の閾値未満か)判定する。
決定係数は、各波長の反射率の測定値から最小自乗法で膜厚をパラメータとしてフィッティングさせる際のあてはまりの良さの尺度を示す。決定係数の最大値は、1である。決定係数が1に近いほど、フィッティングは合致していると評価される。一般的には、決定係数は、R2で表される。本実施形態では、反射率Rと区別するため、決定係数をD2で表す。決定係数は、例えば、フィッティングさせる際の残差の自乗和を平均値からの偏差の自乗和で割ったものを1から引いた値でもよいが、フィッティングさせる際のあてはまりの良さの尺度を示せば、これに限らない。
処理部20は、決定係数が所定の閾値未満の場合に、波長選択部12及び光検出器19の動作を制御する。具体的には、決定係数が所定の閾値未満の場合には、他の波長を追加し、追加した他の波長で膜厚測定を繰り返す。すなわち、波長選択部12は、照明光が他の波長を含むように波長を選択する。光検出器19は、他の波長の光による画像を取得する。そして、処理部20は、他の波長の光による画像に基づいて、他の波長に対する反射率の測定データを取得し、計算データを参照して、測定データから膜厚を近似して算出する。
処理部20は、例えば、サーバ装置、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置でもよい。情報処理装置は、図示しない制御部、通信部、記憶部及びインターフェース部を有している。制御部、通信部、記憶部及びインターフェース部は、それぞれ、制御手段、通信手段、記憶手段及びインターフェース手段としての機能を有している。
制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のプロセッサを含む。制御部は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。また、制御部は、通信部、記憶部、インターフェース部及び各装置の機能を実行するための各構成要素の動作を制御する。
情報処理装置の各構成要素は、例えば、制御部の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部に格納されたプログラムを、制御部が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
通信部は、情報処理装置が情報処理を行う上で必要な通信を行う。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部は、制御部によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。
インターフェース部は、例えば、ユーザインターフェース(User Interface)である。インターフェース部は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力手段と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力手段とに接続されている。インターフェース部は、ユーザ(オペレータ等)によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。
[膜厚測定方法]
次に、膜厚測定方法を説明する。膜厚測定方法は、基板31と、基板31上に設けられた薄膜32と、を含む試料30の薄膜32の膜厚を測定する。図10は、実施形態1に係る膜厚測定方法を例示したフローチャート図である。図10に示すように、膜厚測定方法は、波長選択ステップ(S11)、焦点合成画像取得ステップ(S12)、膜厚解析ステップ(S13)及び膜厚算出ステップ(S14)を備えている。
次に、膜厚測定方法を説明する。膜厚測定方法は、基板31と、基板31上に設けられた薄膜32と、を含む試料30の薄膜32の膜厚を測定する。図10は、実施形態1に係る膜厚測定方法を例示したフローチャート図である。図10に示すように、膜厚測定方法は、波長選択ステップ(S11)、焦点合成画像取得ステップ(S12)、膜厚解析ステップ(S13)及び膜厚算出ステップ(S14)を備えている。
波長選択ステップ(S11)において、波長選択部12は、例えば、バンドパスフィルタBPF-1を選択する。バンドパスフィルタBPF-1は、照明光がチャネルB-chの波長帯域の波長b1、チャネルG-chの波長帯域の波長g1及びチャネルR-chの波長帯域の波長r1を含む照明光を透過させる。このように、波長選択ステップにおいて、共焦点光学系101を介して試料30を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長(例えば、波長b1)及び第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長(例えば、波長g1)を含むように波長を選択する。
次に、焦点合成画像取得ステップ(S12)において、共焦点光学系101を介して照明光が試料30で反射した反射光を検出する。光検出器19は、チャネルB-ch、チャネルG-ch及びチャネルR-chの各波長帯域の撮像素子によって、反射光に含まれる波長b1、波長g1及び波長r1の光による画像を取得する。このように、焦点合成画像取得ステップにおいて、共焦点光学系101を介して試料30で反射した反射光を検出し、反射光に含まれる各波長の光による試料30の測定領域における各画像を取得する。
次に、膜厚解析ステップ(S13)において、処理部20は、薄膜32の膜厚を算出するために、反射光に含まれる波長b1、波長g1及び波長r1の光による試料30の各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する。
次に、膜厚算出ステップ(S14)において、処理部20は、波長と反射率との関係が薄膜の膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、測定データから薄膜の膜厚を近似して算出する。
図11は、実施形態1に係る別の膜厚測定方法を例示したフローチャート図である。図11に示すように、別の膜厚測定方法は、波長選択ステップ(S11)、焦点合成画像取得ステップ(S12)、膜厚解析ステップ(S13)及び膜厚算出ステップ(S14)に加えて、さらに、決定係数算出ステップ(S15)、判定ステップ(S16)及び膜厚決定ステップ(S18)を備えている。
決定係数算出ステップ(S15)において、処理部20は、波長b1、波長g1及び波長r1に対する各反射率の測定データから薄膜32の膜厚を近似して算出する際の決定係数D2を算出する。すなわち、処理部20は、少なくとも第1波長及び第2波長に対する各反射率の測定データから薄膜32の膜厚を近似して算出する際の決定係数D2を算出する。
判定ステップ(S16)において、算出した決定係数D2が所定の閾値Dth
2以上か判定する。所定の閾値Dth
2は、例えば、0.8である。なお、所定の閾値Dth
2は、0.8に限らない。
判定ステップ(S16)において、算出した決定係数D2が所定の閾値Dth
2未満のNOの場合には、ステップS17に示すように、次のバンドパスフィルタBPFがあるか判定する。次のバンドパスフィルタBPFがないNOの場合には、膜厚決定ステップ(S18)に進み、薄膜32の膜厚を決定する。
ステップS17において、次のバンドパスフィルタBPFがあるYESの場合には、波長選択ステップ(S11)、焦点合成画像取得ステップ(S12)、膜厚解析ステップ(S13)、膜厚算出ステップ(S14)、決定係数算出ステップ(S15)及び判定ステップ(S16)を繰り返す。
繰り返す際に、波長選択ステップ(S11)において、波長選択部12は、例えば、バンドパスフィルタBPF-1の代わりに、バンドパスフィルタBPF-2を選択する。バンドパスフィルタBPF-2は、照明光がチャネルB-chの波長帯域の波長b2、チャネルG-chの波長帯域の波長g2及びチャネルR-chの波長帯域の波長r2を含む照明光を透過させる。このように、波長選択部12は、繰り返す際に、照明光が第1波長及び第2波長と異なる少なくとも第3波長(例えば、波長b2)を含むように波長を選択する。
焦点合成画像取得ステップ(S12)において、光検出器19は、チャネルB-ch、チャネルG-ch及びチャネルR-chの各波長帯域の撮像素子によって、反射光に含まれる波長b2、波長g2及び波長r2の光による各画像を取得する。このようにして、光検出器19は、繰り返す際に、少なくとも第3波長の光による測定領域における画像を取得する。
膜厚解析ステップ(S13)において、処理部20は、薄膜32の膜厚を算出するために、反射光に含まれる波長b2、波長g2及び波長r2の光による試料30の各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する。よって、処理部20は、繰り返す際に、少なくとも第3波長の光による画像に基づいて、第3波長に対する反射率の測定データを取得する。
膜厚算出ステップ(S14)において、処理部20は、計算データを参照して、波長b2、波長g2及び波長r2に対する各反射率の測定データから薄膜32の膜厚を近似して算出する。すなわち、処理部20は、繰り返す際に、少なくとも第3波長に対する反射率の測定データから膜厚を近似して算出する。また、処理部20は、計算データを参照して、波長b1、波長g1、波長r1、波長b2、波長g2及び波長r2に対する各反射率の測定データから薄膜の膜厚を近似して算出してもよい。すなわち、処理部20は、繰り返す際に、第1波長、第2波長及び第3波長に対する各反射率の測定データから膜厚を近似して算出してもよい。
決定係数算出ステップ(S15)において、処理部20は、波長b2、波長g2及び波長r2に対する各反射率の測定データから薄膜32の膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出する。すなわち、処理部20は、第3波長に対する反射率の測定データから薄膜の膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出する。また、決定係数算出ステップ(S15)において、波長b1、波長g1、波長r1、波長b2、波長g2及び波長r2に対する各反射率の測定データから薄膜の膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出してもよい。すなわち、処理部20は、第1波長、第2波長及び第3波長に対する各反射率の測定データから膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出してもよい。
判定ステップ(S16)において、算出した決定係数D2が所定の閾値Dth
2以上のYESの場合には、膜厚決定ステップ(S18)に進み、薄膜32の膜厚を決定する。波長選択ステップ(S11)~決定係数算出ステップ(S15)を複数回行った場合には、処理部20は、算出された決定係数D2のうち最も大きい決定係数D2が算出された場合の膜厚を、薄膜32の膜厚に決定してもよい。このようにして、薄膜32の膜厚を測定することができる。
次に、膜厚測定方法の具体例を説明する。例えば、バンドパスフィルタBPF-1~BPF-5を用いて、5回の焦点合成を行うことにより、膜厚測定する方法を説明する。図12(a)は、実施形態1に係る膜厚測定方法において、基準視野及び任意視野を含む測定領域を例示した平面図であり、図12(b)は、基準視野の中心位置及び周辺位置を例示した平面図であり、図12(c)は、任意視野の中心位置及び周辺位置を例示した平面図である。図13は、実施形態1に係る膜厚測定方法において、基準視野の膜厚を測定する方法を例示したフローチャート図である。図14は、実施形態1に係る膜厚測定方法において、任意視野の膜厚を測定する方法を例示したフローチャート図である。
図12(a)に示すように、基板31上に形成された薄膜32において、試料30全体に渡る広域の膜厚を検査・測定してもよい。試料30全体に渡る広域の領域は、膜厚測定装置100の複数の視野40を含んでいる。図12(a)では、図が煩雑にならないように、いくつかの符号を省略している。基準視野41は、例えば、測定領域における中心の視野40である。任意視野42は、測定領域における基準視野41と異なる視野40である。よって、測定領域は、基準視野41及び任意視野42を含む。基準視野41の膜厚を5回の焦点合成によって解析する。この時に、薄膜32は連続に形成されていることから、任意視野42における膜厚のムラを、±100nmと仮定する。
図12(b)に示すように、基準視野41は、中心位置41a及び周辺位置41bを有している。なお、中心位置41aは、基準視野41を代表する位置を示し、必ずしも基準視野41の中心の位置に限らない。周辺位置41bは、中心位置41aと異なる位置である。中心位置41a及び周辺位置41bは、同一の視野に入っているので、中心位置41aと周辺位置41bとは、同一のバンドパスフィルタBPFを用いた焦点合成画像を取得する。
同様に、図12(b)に示すように、任意視野42は、中心位置42a及び周辺位置42bを有している。なお、中心位置42aは、任意視野42を代表する位置を示し、必ずしも任意視野42の中心の位置に限らない。周辺位置42bは、中心位置42aと異なる位置である。中心位置42a及び周辺位置42bは、同一の視野に入っているので、中心位置42aと周辺位置42bとは、同一のバンドパスフィルタBPFを用いた焦点合成画像を取得する。
まず、基準視野41の膜厚の測定方法を説明する。基準視野41は、中心位置41a及び周辺位置41bを含む。図13のステップS21に示すように、基準視野41を選択する。例えば、試料30の中央の視野40を基準視野41とする。
次に、ステップS22に示すように、バンドパスフィルタを選択する(波長選択ステップ)。例えば、バンドパスフィルタBPF-1を選択する。バンドパスフィルタBPF-1は、波長b1、波長g1及び波長r1の3つの波長を含む照明光を透過させる。
次に、ステップS23に示すように、共焦点光学系101によって焦点合成した画像を取得する(焦点合成画像取得ステップ)。例えば、共焦点光学系101を介して、波長b1、波長g1及び波長r1の3つの波長を含む照明光が試料30で反射した反射光を検出する。そして、反射光に含まれる各波長の光による試料30の測定領域における各画像を取得する。
次に、ステップS24に示すように、次のバンドパスフィルタBPFがあるか判定する。ステップS24において、測定に用いる他のバンドパスフィルタBPFがあるYESの場合には、ステップS22に進み、ステップS22~ステップS24を繰り返す。例えば、バンドパスフィルタBPF-2~BPF-5について、ステップS22~ステップS24を繰り返すことにより、基準視野41で5回の焦点合成した画像を取得する。
ステップS24において、測定に用いる他のバンドパスフィルタBPFがないNOの場合には、ステップS25に示すように、膜厚解析を行う(膜厚解析ステップ)。具体的には、処理部20は、膜厚を算出するために、取得した各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する。
次に、ステップS26に示すように、膜厚及び決定係数D2を算出する(膜厚算出ステップ及び決定係数算出ステップ)。
このように、基準視野41の薄膜32の膜厚を算出する場合には、1回目の波長選択ステップにおいて、照明光が少なくとも第1波長及び第2波長を含むように波長を選択し、2回目の波長選択ステップにおいて、照明光が少なくとも第3波長を含むように波長を選択する。また、1回目の焦点合成画像取得ステップにおいて、反射光に含まれる少なくとも第1波長及び第2波長の光による各画像を取得し、2回目の焦点合成画像取得ステップにおいて、反射光に含まれる少なくとも第3波長の光による画像を取得する。膜厚解析ステップにおいて、各画像に基づいて、少なくとも第1波長、第2波長、及び、第3波長に対する各反射率の測定データを取得する。膜厚算出ステップにおいて、計算データを参照して、測定データから薄膜32の膜厚を近似して算出する。
膜厚の算出方法は、後述するが、各波長の反射率の測定値から最小自乗法で膜厚をパラメータとしてフィッティングさせることにより算出する。また、フィッティングの際の決定係数D2を算出する。
次に、任意視野42の膜厚の測定方法を説明する。任意視野42は、中心位置42a及び周辺位置42bを含む。図14のステップS31に示すように、任意視野42を選択する。例えば、基準視野41と異なる位置を任意視野42として選択する。
次に、ステップS32に示すように、バンドパスフィルタを選択する(波長選択ステップ)。例えば、バンドパスフィルタBPF-1を選択する。バンドパスフィルタBPF-1は、波長b1、波長g1及び波長r1の3つの波長を含む照明光を透過させる。
次に、ステップS33に示すように、共焦点光学系101によって、焦点合成した画像を取得する(焦点合成画像取得ステップ)。例えば、共焦点光学系101を介して、波長b1、波長g1及び波長r1の3つの波長を含む照明光が試料30で反射した反射光を検出する。そして、反射光に含まれる各波長の光による試料30の測定領域における各画像を取得する。
次に、ステップS34に示すように、膜厚解析を行う(膜厚解析ステップ)。具体的には、処理部20は、膜厚を算出するために、取得した各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する。
次に、ステップS35に示すように、膜厚及び決定係数D2を算出する(膜厚算出ステップ及び決定係数算出ステップ)。処理部20は、各波長の反射率の測定値から最小自乗法で膜厚をパラメータとしてフィッティングさせることにより膜厚を算出する。また、フィッティングの際の決定係数D2を算出する。
次に、ステップS36に示すように、決定係数D2が閾値Dth
2以上か判定する。また、算出された膜厚tが基準視野41の膜厚t0に対して許容値の範囲内か判定する。許容値は、例えば、±100nmである。よって、許容される膜厚の最小値tminは、例えば、(t0-100)nmであり、許容される膜厚の最大値tmaxは、例えば、(t0+100)nmである。
ステップS36において、算出した決定係数D2が閾値Dth
2未満の場合、算出された膜厚tがtminよりも小さい場合、及び、算出された膜厚tがtmaxよりも大きい場合の少なくともいずれかの場合(NOの場合)には、ステップS37に示すように、次のバンドパスフィルタBPFがあるか判定する。
ステップS37において、次のバンドパスフィルタBPFがあるYESの場合には、ステップS32に進み、ステップS32~ステップS36を繰り返す。例えば、ステップS32において、バンドパスフィルタBPF-2を選択する。バンドパスフィルタBPF-2は、波長b2、波長g2及び波長r2の3つの波長を含む照明光を透過させる。そして、波長b2、波長g2及び波長r2の3つの波長を含む照明光を用いて、焦点合成画像取得ステップ、膜厚解析ステップ、膜厚算出ステップ、決定係数算出ステップ、判定ステップを繰り返す。
ステップS37において、次のバンドパスフィルタがないNOの場合には、ステップS38に進み、膜厚を決定する。
ステップS36において、算出した決定係数D2が閾値Dth
2以上であり、算出された膜厚tがtmin以上tmax以下のYESの場合には、ステップS38に示すように膜厚を決定する。
以上の焦点合成は、共焦点顕微鏡の視野40内で実行されるものである。バンドパスフィルタBPFの選択は、基準視野41及び任意視野42によって異なってもよい。各視野40の膜厚分布を連結することで広域の測定も行うことができる。
[膜厚解析]
次に、膜厚解析を説明する。まず、膜厚解析で参照する計算データについて説明する。その後、反射率を測定し、測定した反射率の測定データから、計算データを参照して、膜厚を算出する方法を説明する。
次に、膜厚解析を説明する。まず、膜厚解析で参照する計算データについて説明する。その後、反射率を測定し、測定した反射率の測定データから、計算データを参照して、膜厚を算出する方法を説明する。
<可干渉性因子の導入>
高開口数の対物レンズを使用する場合及び膜厚が1μm以上の場合のように、反射光の可干渉性が低下した場合でも、反射率を算出することができるように、反射率の計算に可干渉性因子を導入する。試料30における薄膜の干渉による反射率Rは、干渉成分の項と非干渉成分の項とに分けられる。よって、試料30における薄膜の干渉による反射率Rは、非干渉成分の項Ricと干渉成分の項Rifと可干渉性因子Γを使って、式(1)のように書くことができる。
高開口数の対物レンズを使用する場合及び膜厚が1μm以上の場合のように、反射光の可干渉性が低下した場合でも、反射率を算出することができるように、反射率の計算に可干渉性因子を導入する。試料30における薄膜の干渉による反射率Rは、干渉成分の項と非干渉成分の項とに分けられる。よって、試料30における薄膜の干渉による反射率Rは、非干渉成分の項Ricと干渉成分の項Rifと可干渉性因子Γを使って、式(1)のように書くことができる。
薄膜内の反射光が完全に干渉する状態を完全可干渉(Γ=1)、全く干渉しない状態を完全非可干渉(Γ=0)とすると、一般の状態はそれらの中間にあると考えることができる。反射率を理論計算する際に、Γ=1の場合(R=Rch)とΓ=0場合(R=Ric)についてそれぞれフレネル係数から計算することができる。従って、それらの差をとることで、干渉成分Rifを式(2)で計算することができる。
従って、可干渉性因子Γを入れて式(3)を使い、反射率Rを理論計算することができる。
可干渉性には時間的可干渉性と空間的可干渉性が含まれているが、前者に関しては可干渉距離Lcという形で見積ることが出来る。照明光の波長帯域Δλと中心波長λを使って式(4)のように計算できる。例えば、中心波長λ=546nm、波長帯域Δλ=16nmの場合には、可干渉距離Lc=18μm程度になる。
膜厚tが可干渉距離Lcよりも十分小さい範囲では可干渉性因子Γ~1となり、大きい範囲では可干渉性因子Γ<<1となるので、可干渉性因子Γは、ガウス関数型で変化すると考えるのが一般的である。多重反射の影響でガウス型から歪む可能性があるが、近似とする。補正係数として、βとする。薄膜の屈折率がn1の場合、行路差は2tn1となる。(後で開口数NAの効果の補正によって、tn1はΔLに置き換える。)
可干渉距離以外の要因には焦点深度の影響がある。膜面と基板面の焦点位置のズレは可干渉性を低下させる方向に作用する。焦点位置からのズレと受光強度の関係(I-Z曲線)をガウス関数またはローレンツ関数で近似した場合の半値幅が、膜厚tに対して十分小さくなければ、可干渉性への影響が無視できなくなる。この効果の補正は、補正係数βで吸収できると考える。
この理論値を実測値に対して、補正係数βをパラメータに含めて、カーブフィット法で膜厚解析することができる。代表点の解析で求めた補正係数βの値を使って、画像全体の膜厚分布解析をすることもできる。
<絶対反射率の理論計算>
次に、絶対反射率の理論計算を説明する。図15及び図16は、実施形態1に係る薄膜32が形成された基板31を例示した光学モデルである。図15及び図16に示すように、光学モデルは、測定対象として考える試料30の構造の断面を示している。試料30は、基板31と、基板31の上に設けられた薄膜32を含んでいる。基板31は、例えばシリコン基板Siであり、薄膜32は、例えば、フォトレジスト膜(Photo Resist)PRである。
次に、絶対反射率の理論計算を説明する。図15及び図16は、実施形態1に係る薄膜32が形成された基板31を例示した光学モデルである。図15及び図16に示すように、光学モデルは、測定対象として考える試料30の構造の断面を示している。試料30は、基板31と、基板31の上に設けられた薄膜32を含んでいる。基板31は、例えばシリコン基板Siであり、薄膜32は、例えば、フォトレジスト膜(Photo Resist)PRである。
試料30の構造は、上から、空気air/フォトレジスト膜PR/シリコン基板Siとなり、波長λに対するそれぞれの複素屈折率をN0、N1、N2、屈折率をn0=1、n1、n2、消衰係数をk0=0、k1、k2とする。複素屈折率は式(7)~(9)のように定義する。求めたいフォトレジスト膜PRの膜厚を膜厚tとする。
<1.完全可干渉の場合>
次に、シリコン基板Si上のフォトレジスト膜PRによる薄膜干渉強度について考える。波長λの光が薄膜に対して垂直に入射するものとする(図15では、対物レンズの開口数NAを考えて斜め入射にしている)。入射した光の一部は、空気air/フォトレジスト膜PRの界面0で反射する。また、一部は、透過し、フォトレジスト膜PR/シリコン基板Siの界面1で反射する。界面1からの反射光の一部は、界面0を透過するが、さらに、一部は、界面0で反射され、再び界面1で反射する。一般的に、薄膜では、このような多重反射が起こる。これらの反射光が全て干渉し、合計されたものから、反射率Rが得られる。複素屈折率が既知であるならば、垂直入射の反射率Rは波長λと膜厚tだけで決まる。
次に、シリコン基板Si上のフォトレジスト膜PRによる薄膜干渉強度について考える。波長λの光が薄膜に対して垂直に入射するものとする(図15では、対物レンズの開口数NAを考えて斜め入射にしている)。入射した光の一部は、空気air/フォトレジスト膜PRの界面0で反射する。また、一部は、透過し、フォトレジスト膜PR/シリコン基板Siの界面1で反射する。界面1からの反射光の一部は、界面0を透過するが、さらに、一部は、界面0で反射され、再び界面1で反射する。一般的に、薄膜では、このような多重反射が起こる。これらの反射光が全て干渉し、合計されたものから、反射率Rが得られる。複素屈折率が既知であるならば、垂直入射の反射率Rは波長λと膜厚tだけで決まる。
界面0(空気air/フォトレジスト膜PRの界面)と界面1(フォトレジスト膜PR/シリコン基板Siの界面)での振幅反射率をそれぞれ、式(10)(11)とする。このとき薄膜を1回透過する光の位相変化と振幅変化をそれぞれ、式(12)(13)のようにδとγとする。
多重反射を考慮した膜構造全体の振幅反射率は式(14)となる。
反射率Rは振幅反射率の絶対値の自乗となるので、式(15)となる。
従って、複素屈折率が既知であれば、垂直入射の反射率は波長λと膜厚tのみから計算することができる。
ここで、対物レンズの開口数NAによる斜入射効果の補正を考える。図17は、実施形態1に係る薄膜が形成された基板における反射光の屈折による光路差を例示した図である。図17に示すように、光軸に対して角度θ0で入射した光は、界面0で式(16)のスネルの法則に従い、界面0でθ1だけ屈折し、界面1で反射し、再び界面0で屈折する反射光E1となる。反射光E1と、界面0で反射した反射光E0との間で、多重反射による干渉が起こる。垂直入射の場合と異なるのは、反射光E0と反射光E1の光路差が式(17)のようになることである。入射角が大きくなるに従い、見掛け上の膜厚tは小さくなる。
入射光には、対物レンズの開口数NAによる角度θNAから0度までの様々な光が含まれているため、厳密には反射光の干渉を全ての角度で計算する必要がある。しかし、振幅反射率と光路差の角度依存性を全て扱うのは計算負荷が大きいので、垂直入射の振幅反射率と平均光路差を使って近似する。入射光は無偏光なので、反射率の角度依存より、光路差の角度依存が支配的だと考える。
開口数NAと屈折角の関係は式(18)のようになるため、平均光路差は式(17)を-θmax~+θmaxの範囲で、角度分布の平均を式(19)のように求めればよい。よって、式(17)を式(19)に置き換えて、式(15)を計算すれば、任意の開口数NAに対する反射率を簡便に計算することができる。
ここまで説明した単層の薄膜32の計算は、多層膜の場合でも基板31側から合成フレネル係数の合成則を使って計算することにより実行することができる。
<2.完全非可干渉の場合>
次に、シリコン基板Si上のフォトレジスト膜PRによる薄膜干渉のない場合の反射率Ricについて検討する。図18は、実施形態1に係る薄膜32内の干渉のない多重反射を例示した図である。完全可干渉の場合と同様に、薄膜32内では多重反射が起こるが、界面0及び界面1の反射光は互いに干渉しないため、これらの反射光を単純合計されたものから、反射率Ricが得られる。
次に、シリコン基板Si上のフォトレジスト膜PRによる薄膜干渉のない場合の反射率Ricについて検討する。図18は、実施形態1に係る薄膜32内の干渉のない多重反射を例示した図である。完全可干渉の場合と同様に、薄膜32内では多重反射が起こるが、界面0及び界面1の反射光は互いに干渉しないため、これらの反射光を単純合計されたものから、反射率Ricが得られる。
界面0の反射率をR0、界面1の反射率をR1、薄膜32の内部透過率をTiとする。それぞれの界面の反射率はフレネル係数から、式(20)及び式(21)となる。内部透過率Tiは、ランベルトの法則から吸収係数αと消衰係数k1の関係を使い、式(22)のようになる。基板31によるm回反射の反射率をRmとすると、mを0から∞まで足し合わせたものが反射率Ricとなり、式(23)のように書くことができる。
内部透過率Tiに対する開口数NAの影響を補正する。角θ1の場合の内部透過率Tiは、式(22)中の膜厚tを角度平均<t>に置き換えればよい。入射角は0~θmaxとすると、式(24)となり、角度平均<t>は、式(25)のように書くことができる。ここで改めて、内部透過率Tiを式(26)のようにする。
以上の計算は、多層膜の場合でも基板31側から界面反射率を合成計算することで実行できる。
<3.部分可干渉の場合>
完全可干渉の反射率Rch、完全非可干渉の反射率Ric、可干渉性因子Γを使うことで、それらの中間状態(部分可干渉性)の反射率Rを式(27)として計算することができる。
完全可干渉の反射率Rch、完全非可干渉の反射率Ric、可干渉性因子Γを使うことで、それらの中間状態(部分可干渉性)の反射率Rを式(27)として計算することができる。
式(30)の可干渉性因子Γは、式(19)の開口数NAの補正を使って、式(5)の膜厚tn1をΔLに置き換えた。多層膜の場合は、各層のΔLの合計を、最終的なΔLとして使う。
図19及び図20は、実施形態1に係る波長と反射率との関係を例示したグラフであり、横軸は波長を示し、縦軸は絶対反射率を示す。図19に示すように、開口数NA=0.3の場合について、膜厚t=1000nmの条件で、波長400~700nmにおける反射率Rの補正係数β依存性を計算した。補正係数β=0の場合はΓ=1、補正係数β=1の場合はΓ<0.8、補正係数β=2の場合はΓ<0.65、補正係数β=10の場合はΓ<0.1であり、Γが小さくなると干渉成分が減衰する。さらに、Γは波長依存性があるので、波長が短い側から干渉成分が減衰している。図20に示すように、開口数NA=0.3の場合について、膜厚t=2000nmの場合をみると、膜厚が厚い程、干渉成分が減衰している。
ここで、照明光の波長として、436nm、486nm、514nm、546nm、578nm、633nmの6つの波長を選択する。反射率は、キャプチャーした画像の輝度値Isampleから求める。各波長の反射率Rの測定値を式(27)に対して、最小自乗法で膜厚tと、補正係数βをパラメータとしてフィッティングさせることで、膜厚tを求めることができる。
反射率Rを測定する場合は、測定に使用している光学系の特性や光源の特性を補正するために、反射率Rが既知である基準試料の反射率測定を行う。例えば、シリコン(Si)を基準とする場合(石英ガラス等でも構わない)は、各波長でシリコン(Si)の反射画像をキャプチャーする(カラーバランス、ゲインコントロール等は一定にする)。このシリコン(Si)の輝度値ISiに対する相対値として、試料の反射率Rを計算し、さらに、シリコン(Si)の既知の反射率の波長依存性のデータRSiで補正を行う。従って、試料の反射率は式(32)のように求められる。I0は照明光のシャッターを閉じた場合に受光される暗輝度値である。
共焦点顕微鏡のゲイン調整を固定した状態で、基準のシリコン(Si)と試料30について、同一の視野の画像を、波長を変えて取得した。画像上で指定したエリアに関する輝度値の平均値あるいは各画素の輝度値に対してIsample、ISiとして使い、式(32)から絶対反射率を求める。
図21は、実施形態1に係る波長と反射率との関係を例示したグラフであり、横軸は波長を示し、縦軸は絶対反射率を示す。図21には、式(32)から求めた測定反射率と、式(27)から求めた計算反射率とをプロットしたものを示した。補正係数βを、0及び0.5として計算したものである。測定値の反射率Rmesと計算値の反射率Rcalの残差Σを式(33)により求める。
図22は、実施形態に係る薄膜の膜厚と残差との関係を例示したグラフであり、横軸は、薄膜の膜厚を示し、縦軸は残差を示す。
残差Σが最小になる場合の膜厚tを、この試料の測定点の膜厚とすることができる。したがって、ここでは、補正係数β=0の場合(完全可干渉)は、膜厚t=44nmと判定され、補正係数β=0.5の場合(部分可干渉)は、膜厚t=1580nmと判定されている。可干渉性因子Γを導入した解析結果は、白色干渉の測定結果と合致している。6つの波長の測定でも、可干渉性因子Γを解析に導入することで、1μm以上の膜厚tを、高精度で測定することができる。
同様の方法で、画像の各画素に対して膜厚tを求めることができるので、膜厚分布を表示することができる。従って、膜厚分布を、容易にヒストグラム解析することができる。薄膜上に、ゴミや異物が存在することにより測定値の異常点が発生しても、周囲の正常値で補間処理(ノイズリダクション)することも容易である。表示方法として、図23に示すように、鳥瞰図にすることもできる。
[反射率計算の補足]
試料30における薄膜32が多層膜の場合において、多層膜中に、幾つかの厚さゼロの層が存在する場合の反射率計算の取り扱いについて補足する。完全可干渉の場合は、各界面のフレネル係数の合成式は厚さ0の場合でもそのまま適用できるので、問題は生じない。しかし、完全非可干渉の場合には、層の厚さが0のときは、式(20)、式(21)及び式(23)をそのまま適用できないため、以下に説明する特別な計算法則を導入する必要がある。
試料30における薄膜32が多層膜の場合において、多層膜中に、幾つかの厚さゼロの層が存在する場合の反射率計算の取り扱いについて補足する。完全可干渉の場合は、各界面のフレネル係数の合成式は厚さ0の場合でもそのまま適用できるので、問題は生じない。しかし、完全非可干渉の場合には、層の厚さが0のときは、式(20)、式(21)及び式(23)をそのまま適用できないため、以下に説明する特別な計算法則を導入する必要がある。
図24は、実施形態1に係る完全非可干渉の場合の膜厚がゼロの反射率計算の取り扱いを例示した図である。図24に示すように、N層膜の中の連続する(m-1)層、m層、(m+1)層の3つの層の重なりを考える。m層に着目すると、光学定数はnm、km及び膜厚tmである。(m-1)層とm層との界面を(m-1、m)界面とし、m層と(m+1)層との界面を(m、m+1)界面とする。界面のフレネル係数をそれぞれ、rm-1、m及びrm、m+1とし、式(10)及び式(11)と同様に表現できる。この関係を、(m-1)層と(m+1)層についても考えことができる。
(m+2)層までの合成反射率R’m+2、m+3まで計算できている状況で、(m+1)層の膜厚tm+1>0の場合、(m+1、m+2)界面の合成反射率R’m+1、m+2は、式(23)と同様にして計算できる。ここで、m層の膜厚tm=0の場合は、上下の界面のフレネル係数、rm-1、m及びrm、m+1を、式(34)及び式(35)のような特別な規則で置き換え処理を行う。この改訂されたフレネル係数を使い、それぞれの界面の反射率を、式(36)及び式(37)と再定義する。この時の内部透過率Tiは、それぞれ式(38)及び式(39)とおける。
(m、m+1)界面の合成反射率R’m。m+1は、合成規則より式(40)となる。
さらに、上のm層の合成反射率R’m-1、mも、合成規則より式(41)となる。
式(41)をよく観ると、まさにm層が存在しない場合の反射率の式になっている。このようなフレネル係数の変換則を適用することで、多層膜中に膜厚が0の層が存在する場合でも、完全非可干渉の反射率を計算することができる。N層膜中にJ個の膜厚0層が分布して存在する場合も同様に計算することができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の膜厚測定装置100は、バンドパスフィルタBPFによって照明光が複数の波長帯域の波長を含むように波長を選択する。また、光検出器19は、複数の波長帯域の波長を検出する撮像素子を含んでいる。よって、1回の撮像で複数の波長の光による複数の共焦合成画像を取得することができる。これにより、膜厚の測定時間を短縮することができる。
薄膜の膜厚を近似して算出する際に決定係数を算出し、算出した決定係数が所定の閾値未満の場合に、他のバンドパスフィルタBPFによって、さらに、複数の波長帯域の波長を含むように波長を選択し、膜厚測定を繰り返す。よって、膜厚の精度を向上させることができる。
一方、算出した決定係数が所定の閾値以上の場合には、他のバンドパスフィルタBPFによる追加の膜厚測定を不要とすることができる。これにより、膜厚の測定時間を短縮することができる。
また、本実施形態の膜厚測定装置100は、共焦点光学系101を備えているので、通常の光学顕微鏡よりも高解像の画像が得られる。よって、膜厚分布の空間分解能を向上させることができる。また、基板31が透明フィルムのような薄い場合でも、裏面反射を除去できる。このため、単純な光学モデルを使って解析でき、実測と理論とを容易に整合させることができる。試料30の表面に焦点深度を超える起伏がある場合でも、全焦点画像を作成することができ、試料30の全表面の反射率を測定することができる。バンドパスフィルタBPFを使用した場合に、波長による焦点位置のズレが生じても、焦点スキャンによる全焦点像を合成することで、ズレを抑制することができる。
本実施形態では、波長と反射率との関係が薄膜32の膜厚毎にそれぞれ示されている計算データにおける反射率は、非干渉成分の項を含んでいる。よって、可干渉性が減少するような1μm以上の膜厚の薄膜にたいしても高精度で膜厚を解析することができる。これにより、1μm以上の膜厚の薄膜32における膜厚分布を高解像度で解析することができる。
また、計算データにおける反射率の非干渉成分Ricの項は、基板31側の界面による所定の回数までの各反射における反射率の総和を含んでいる。これにより、薄膜32内での多重反射を反映させることができるので、1μm以上の膜厚の薄膜32にたいしても高精度で膜厚を解析することができる。
計算データにおける反射率は、干渉成分Rifの項と、干渉成分の項の割合を示す可干渉因子Γとの積を含んでいる。これにより、反射率が非干渉成分Ricと干渉成分Rifとを含む部分可干渉の場合でも、薄膜の膜厚を高精度で解析することができる。
さらに、計算データにおける反射率は、対物レンズの開口数NAによる補正を含んでいる。これにより、高開口数の対物レンズを使用する場合でも、薄膜の膜厚を高精度で解析することができる。また、膜厚分布を高解像度で解析することができる。
膜厚測定装置100は、薄膜32が多層膜の場合でも、積層された各複数の薄膜32の膜厚毎にそれぞれ示されている反射率を合成して、計算データにおける反射率としている。よって、多層膜からなる薄膜32の膜厚を高精度で解析することができる。また、多層膜における膜厚分布を高解像度で解析することができる。多層膜におけるいくつかの膜厚が0の場合でも光学モデルの構成を変えずに、フレネル係数の変換則を適用することで、高精度で膜厚を解析することができる。
このように、膜厚測定装置100は、観察画像の各画素に対して、分光スペクトルを得ることができる。そして、分光スペクトルを絶対反射率に換算し、可干渉性因子を考慮した膜厚をパラメータとするフィッティングを行っている。これにより、0~1μmの膜厚だけでなく、1μm以上の膜厚まで精度よく求めることができる。
(変形例1)
変形例としては、薄膜32の膜厚の均一性が十分ある場合に、薄膜32の欠陥等を検出することができる。まず、基準視野41でバンドパスフィルタBPF-1~BPF-5の5種のフィルターで12の波長を用いた5回の焦点合成画像による膜厚測定を行う。次に、12の波長を用いた膜厚測定の結果と同じ結果を与えるバンドパスフィルタBPFが、バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3にあるか探索する。バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3の中に、12の波長を用いた膜厚測定の結果と同じ結果を与えるバンドパスフィルタBPFがあれば、それを用いて、1回の焦点合成画像の生成を試料30の全体に対して行う。この場合に、決定係数が閾値未満であるか、膜厚の許容範囲を超える箇所を検出することにより、薄膜32の欠陥の発生を判定することができる。
変形例としては、薄膜32の膜厚の均一性が十分ある場合に、薄膜32の欠陥等を検出することができる。まず、基準視野41でバンドパスフィルタBPF-1~BPF-5の5種のフィルターで12の波長を用いた5回の焦点合成画像による膜厚測定を行う。次に、12の波長を用いた膜厚測定の結果と同じ結果を与えるバンドパスフィルタBPFが、バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3にあるか探索する。バンドパスフィルタBPF-1~BPF-3の中に、12の波長を用いた膜厚測定の結果と同じ結果を与えるバンドパスフィルタBPFがあれば、それを用いて、1回の焦点合成画像の生成を試料30の全体に対して行う。この場合に、決定係数が閾値未満であるか、膜厚の許容範囲を超える箇所を検出することにより、薄膜32の欠陥の発生を判定することができる。
(変形例2)
光学定数が未知の材料に対しては、12の波長の光による画像に基づいた反射率を含む情報を使い、コーシー分散式等で屈折率を解析することができる。よって、膜厚測定時には、解析した光学定数を用いることにより、最適なバンドパスフィルタBPFを用いた1回の焦点合成画像の取得により、膜厚測定を行うこともできる。
光学定数が未知の材料に対しては、12の波長の光による画像に基づいた反射率を含む情報を使い、コーシー分散式等で屈折率を解析することができる。よって、膜厚測定時には、解析した光学定数を用いることにより、最適なバンドパスフィルタBPFを用いた1回の焦点合成画像の取得により、膜厚測定を行うこともできる。
(実施形態2)
次に、実施形態2を説明する。本実施形態は、画像の位置ズレを補正する例である。各波長別に撮像された画像は、光検出器19の位置ズレや複数回測定の間の試料30の位置変動等を含む画素レベルの位置ズレが生じる。このような画素レベルの位置ズレは、反射スペクトルを歪ませるため、薄膜パターンの膜厚分布解析等において、薄膜32のエッジの計算誤差を引き起こす。
次に、実施形態2を説明する。本実施形態は、画像の位置ズレを補正する例である。各波長別に撮像された画像は、光検出器19の位置ズレや複数回測定の間の試料30の位置変動等を含む画素レベルの位置ズレが生じる。このような画素レベルの位置ズレは、反射スペクトルを歪ませるため、薄膜パターンの膜厚分布解析等において、薄膜32のエッジの計算誤差を引き起こす。
そこで、撮像した波長別の画像に対して、基準となる画像(例えば、波長が546nmの画像)を指定し、この画像をテンプレートとして各画像との画素ズレをテンプレートマッチングで計算する。ズレ量は、サブピクセルまで計算し、位置修正を行う。波長によって明暗が反転しているものがあるため、画像マッチングする場合には、単純にオリジナル画像を使うだけでなく、マッチング率が閾値より小さい場合は、明暗が反転した画像についてもマッチングを行う。
図25は、シアン色(Cyan)及び赤色(Red)の光の画像を例示した図である。図25に示すように、シアン色の光による画像と赤色の光による画像との間には、位置ズレが発生している。
図26は、実施形態2に係る波長別の画像に対する白色(White)の光の基準画像を用いた場合の、等倍(1画素=0.29μm)の正規化相互相関(Normalized Cross-Correlation)によるテンプレートマッチング(Template Matching)を行うことにより計算した位置ズレ量を例示した図である。図26に示すように、青色(Blue)、シアン色(Cyan)、緑色(Green)、ライム色(Lime)、黄色(Yellow)及び赤色(Red)の波長を入力し、テンプレートマッチング(Template Matching)を行うことにより位置ズレ量は計算される。
図27は、実施形態2に係る計算した位置ズレ量に基づいて画像位置を補正した画像を例示した図である。図27に示すように、計算した位置ズレ量に基づいて画像位置を補正することにより、図25で見られた上下方向の位置ズレは解消されている。なお、1画素以下の補正には、線形補間(Bilinear Interpolation)が実施されている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。また、実施形態1及び2における各構成は、適宜、組み合わせてもよい。
また、本実施形態の膜厚測定方法をコンピュータに実行させる下記の膜厚測定プログラムも実施形態の技術思想に含まれる。
基板と、基板上に設けられた薄膜と、を含む試料の前記薄膜の膜厚を測定する膜厚測定プログラムであって、
共焦点光学系を介して前記試料を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び前記第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択ステップと、
前記共焦点光学系を介して前記試料で反射した反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による前記試料の測定領域における各画像を取得する焦点合成画像取得ステップと、
前記膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する膜厚解析ステップと、
前記波長と前記反射率との関係が前記薄膜の膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する膜厚算出ステップと、
をコンピュータに実行させる膜厚測定プログラム。
共焦点光学系を介して前記試料を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び前記第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択ステップと、
前記共焦点光学系を介して前記試料で反射した反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による前記試料の測定領域における各画像を取得する焦点合成画像取得ステップと、
前記膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する膜厚解析ステップと、
前記波長と前記反射率との関係が前記薄膜の膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する膜厚算出ステップと、
をコンピュータに実行させる膜厚測定プログラム。
また、上述した膜厚測定プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
10 光源部
11 光源
12 波長選択部
13a、13b、13c レンズ
14 スリット
15 ビームスプリッタ
16 振動ミラー
17 対物レンズ
18 ステージ
19 光検出器
20 処理部
30 試料
31 基板
32 薄膜
40 視野
41 基準視野
41a 中心位置
41b 周辺位置
42 任意視野
42a 中心位置
42b 周辺位置
100 膜厚測定装置
101 共焦点光学系
BPF バンドパスフィルタ
BPF-1、BPF-2、BPF-3、BPF-4、BPF-5 バンドパスフィルタ
11 光源
12 波長選択部
13a、13b、13c レンズ
14 スリット
15 ビームスプリッタ
16 振動ミラー
17 対物レンズ
18 ステージ
19 光検出器
20 処理部
30 試料
31 基板
32 薄膜
40 視野
41 基準視野
41a 中心位置
41b 周辺位置
42 任意視野
42a 中心位置
42b 周辺位置
100 膜厚測定装置
101 共焦点光学系
BPF バンドパスフィルタ
BPF-1、BPF-2、BPF-3、BPF-4、BPF-5 バンドパスフィルタ
Claims (12)
- 基板と、基板上に設けられた薄膜と、を含む試料の前記薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、
共焦点光学系を介して前記試料を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び前記第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択部と、
前記共焦点光学系を介して前記試料で反射した反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による前記試料の測定領域における各画像を取得する光検出器と、
前記膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記波長と前記反射率との関係が膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する、
膜厚測定装置。 - 前記処理部は、前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出し、
算出した前記決定係数が所定の閾値未満の場合に、
前記波長選択部は、前記照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、
前記光検出器は、少なくとも前記第3波長の光による前記測定領域における前記画像を取得し、
前記処理部は、少なくとも前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する、
請求項1に記載の膜厚測定装置。 - 前記波長選択部は、前記第1波長帯域の前記第1波長、前記第2波長帯域の前記第2波長、及び、前記第3波長として、それぞれ、青色波長帯域の前記波長、緑色波長帯域の前記波長及び赤色波長帯域の前記波長のいずれかから選択し、
前記光検出器は、前記青色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する青色画像撮像素子、前記緑色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する緑色画像撮像素子及び前記赤色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する赤色画像撮像素子を有する、
請求項2に記載の膜厚測定装置。 - 前記測定領域は、基準視野及び前記基準視野と異なる任意視野を含み、
前記基準視野の前記膜厚を算出する場合には、
前記波長選択部は、第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択するとともに、第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、
前記光検出器は、前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得するとともに、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる少なくとも前記第3波長の光による前記画像を取得し、
前記処理部は、各画像に基づいて、前記第1波長、前記第2波長、及び、前記第3波長に対する各反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する、
請求項1に記載の膜厚測定装置。 - 前記任意視野の前記薄膜の前記膜厚を算出する場合には、
前記波長選択部は、前記第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択し、
前記光検出器は、前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得し、
前記処理部は、各画像に基づいて、前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出するとともに、前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出し、
算出した前記決定係数が所定の閾値未満の場合に、
前記波長選択部は、前記第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、
前記光検出器は、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる少なくとも前記第3波長の光による前記画像を取得し、
前記処理部は、前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する、
請求項4に記載の膜厚測定装置。 - 前記処理部は、
前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出し、
前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出し、
前記第1波長、前記第2波長及び前記第3波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出し、
各決定係数のうち最も大きい前記決定係数が算出された場合の前記膜厚を、前記薄膜の膜厚に決定する、
請求項2~5のいずれか1項に記載の膜厚測定装置。 - 基板と、基板上に設けられた薄膜と、を含む試料の前記薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
共焦点光学系を介して前記試料を照明する照明光が少なくとも第1波長帯域の第1波長及び前記第1波長帯域と異なる第2波長帯域の第2波長を含むように波長を選択する波長選択ステップと、
前記共焦点光学系を介して前記試料で反射した反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による前記試料の測定領域における各画像を取得する焦点合成画像取得ステップと、
前記膜厚を算出するために、各画像に基づいて、各波長に対する各反射率の測定データを取得する膜厚解析ステップと、
前記波長と前記反射率との関係が前記薄膜の膜厚毎にそれぞれ示されている計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する膜厚算出ステップと、
を備えた膜厚測定方法。 - 前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出する決定係数算出ステップと、
算出した前記決定係数が所定の閾値未満か判定する判定ステップと、
をさらに備え、
前記判定ステップにおいて、算出した前記決定係数が前記所定の閾値未満の場合に、前記波長選択ステップ、前記焦点合成画像取得ステップ、前記膜厚解析ステップ、前記膜厚算出ステップ、前記決定係数算出ステップ及び前記判定ステップを繰り返し、繰り返す際に、
前記波長選択ステップにおいて、
前記照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、
前記焦点合成画像取得ステップにおいて、
少なくとも前記第3波長の光による前記測定領域における前記画像を取得し、
前記膜厚解析ステップにおいて、
少なくとも前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、
前記膜厚算出ステップにおいて、
前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する、
請求項7に記載の膜厚測定方法。 - 前記波長選択ステップにおいて、
前記第1波長帯域の前記第1波長、前記第2波長帯域の前記第2波長、及び、前記第3波長として、それぞれ、青色波長帯域の前記波長、緑色波長帯域の前記波長及び赤色波長帯域の前記波長のいずれかから選択し、
前記焦点合成画像取得ステップにおいて、
前記青色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像、前記緑色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像及び前記赤色波長帯域の前記波長の前記光による前記画像を取得する、
請求項8に記載の膜厚測定方法。 - 前記測定領域は、基準視野及び前記基準視野と異なる任意視野を含み、
前記基準視野の前記薄膜の膜厚を算出する場合には、
前記波長選択ステップにおいて、
第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択するとともに、第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、
前記焦点合成画像取得ステップにおいて、
前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得するとともに、前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる少なくとも前記第3波長の前記光による前記画像を取得し、
前記膜厚解析ステップにおいて、
各画像に基づいて、前記第1波長、前記第2波長、及び、前記第3波長に対する各反射率の測定データを取得し、
前記膜厚算出ステップにおいて、
前記計算データを参照して、前記測定データから前記薄膜の膜厚を近似して算出する、
請求項7に記載の膜厚測定方法。 - 前記任意視野の前記薄膜の膜厚を算出する場合には、
前記薄膜の膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出する決定係数算出ステップと、
算出した前記決定係数が所定の閾値未満か判定する判定ステップと、
をさらに備え、
前記波長選択ステップにおいて、
前記第1照明光が少なくとも前記第1波長及び前記第2波長を含むように前記波長を選択し、
前記焦点合成画像取得ステップにおいて、
前記第1照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる各波長の光による各画像を取得し、
前記膜厚解析ステップにおいて、
各画像に基づいて、前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の測定データを取得し、
前記膜厚算出ステップにおいて、
前記計算データを参照して、前記測定データから前記薄膜の膜厚を近似して算出し、
前記判定ステップにおいて、
算出した前記決定係数が前記所定の閾値未満の場合には、前記波長選択ステップ、前記焦点合成画像取得ステップ、前記膜厚解析ステップ、及び、前記膜厚算出ステップを繰り返し、繰り返す際に、
前記波長選択ステップにおいて、
前記第2照明光が前記第1波長及び前記第2波長と異なる少なくとも第3波長を含むように前記波長を選択し、
前記焦点合成画像取得ステップにおいて、
前記第2照明光が前記試料で反射した前記反射光を検出し、前記反射光に含まれる前記第3波長の光による前記画像を取得し、
前記膜厚解析ステップにおいて、
前記第3波長の光による前記画像に基づいて、前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データを取得し、
前記膜厚算出ステップにおいて、
前記計算データを参照して、前記測定データから前記膜厚を近似して算出する、
請求項10に記載の膜厚測定方法。 - 前記第1波長及び前記第2波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の決定係数を算出するステップと、
前記第3波長に対する前記反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出するステップと、
前記第1波長、前記第2波長及び前記第3波長に対する各反射率の前記測定データから前記膜厚を近似して算出する際の前記決定係数を算出するステップと、
各決定係数のうち最も大きい前記決定係数が算出された場合の前記膜厚を、前記薄膜の膜厚に決定するステップと、
をさらに備えた請求項8~11のいずれか1項に記載の膜厚測定方法。
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