JP2023167774A - 波長変換部材および光源装置 - Google Patents

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Yosuke Yatsuya
慎二 坂
Shinji Saka
利之 桜井
Toshiyuki Sakurai
智雄 田中
Tomoo Tanaka
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Abstract

Figure 2023167774000001
【課題】放熱部材の熱膨張時に蛍光体からの排熱効率を上昇させることができる技術を提供する。
【解決手段】波長変換部材であって、励起光によって蛍光を発する蛍光体であって、励起光が入射する入射面および入射面の反対側に位置する裏面を有する蛍光体と、蛍光体の裏面の側に配置される反射膜と、反射膜のうち蛍光体が配置された側の面とは反対の面の側に配置され、蛍光体で発生する熱を外部に放熱する放熱部材と、を備え、放熱部材は、反射膜の側に位置する第1面と、第1面の反対側に位置する第2面と、を有し、放熱部材の第2面には、第1面の側に向けて窪んだ窪み部が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換部材および光源装置に関する。
従来、光源から照射された励起光を別の波長の光である蛍光に変換して発する波長変換部材が知られている。例えば、特許文献1には、励起光によって蛍光を発する蛍光体であるコンバーターと、コンバーターのうち励起光が照射される側とは反対側に配置された反射膜である被覆と、を備えた波長変換部材が開示されている。このような波長変換部材において、蛍光体に入射した励起光の一部が変換されて生じた熱でコンバーターの温度が上昇すると、励起光を蛍光に変換する変換効率の低下が起こる。このため、特許文献1に開示された波長変換部材では、そのような熱を放熱する放熱部材としての冷却体を備え、更に冷却体はヒートシンクと接合されて、ヒートシンクへと熱を伝達する。
特表2016-534396号公報
励起光の一部が変換されて生じる熱が放熱部材に伝達されると、放熱部材は熱膨張する。しかし、特許文献1では、放熱部材である冷却体の熱膨張について考慮していないことから、冷却体のうちヒートシンクと接合した側の部分が励起光の照射時に熱膨張した場合、冷却体とヒートシンクとの接触面積が減少して、蛍光体からの排熱効率が低下する虞があった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、放熱部材の熱膨張時に蛍光体からの排熱効率を上昇させることができる波長変換部材および光源装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、波長変換部材が提供される。この波長変換部材は、励起光によって蛍光を発する蛍光体であって、前記励起光が入射する入射面および前記入射面の反対側に位置する裏面を有する蛍光体と、前記蛍光体の前記裏面の側に配置される反射膜と、前記反射膜のうち前記蛍光体が配置された側の面とは反対の面の側に配置され、前記蛍光体で発生する熱を外部に放熱する放熱部材と、を備え、前記放熱部材は、前記反射膜の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を有し、前記放熱部材の前記第2面には、前記第1面の側に向けて窪んだ窪み部が形成されていることを特徴とする。
蛍光体に入射した励起光の一部が変換されて生じる熱は、蛍光体から反射膜を介して放熱部材に伝達される。この構成によれば、放熱部材の第2面には、第1面の側に向けて窪んだ窪み部が形成されていることから、蛍光体から伝達された熱によって放熱部材が熱膨張する際、窪み部の形状は第1面から離れる方向へ膨らむように変化する。したがって、放熱部材の第2面にヒートシンクが配置されている場合には、放熱部材の熱膨張時に、放熱部材とヒートシンクとの接触面積を増加させることができる。その結果、放熱部材の熱膨張時に蛍光体からの排熱効率を上昇させることができる。
(2)上記態様の波長変換部材において、前記窪み部と前記蛍光体とは、前記蛍光体の側から前記放熱部材を透過視したときに、少なくとも一部が重なっていてもよい。
この構成によれば、蛍光体の側から放熱部材を透過視したときに窪み部と蛍光体とが重なっていない構成と比べて、蛍光体の裏面から窪み部までの距離を短くすることができる。したがって、蛍光体への励起光の入射が開始されてから熱膨張による形状変化が窪み部に生じ始めるまでの時間を短縮することができる。その結果、放熱部材の第2面にヒートシンクが配置されている場合には、励起光の入射が開始されてから放熱部材とヒートシンクとの接触面積が増加し始めるまでの時間を短縮することができる。また、放熱部材のうち蛍光体の裏面と対向する位置が最も膨張する可能性が高いことから、そのような位置に窪み部の少なくとも一部が配置されていることによって、励起光の照射時における窪み部の形状変化を促進することができる。
(3)上記態様の波長変換部材において、前記窪み部のうち前記第2面からの深さが最も大きい底部は、透過視した際の前記窪み部と前記蛍光体との重なり部分に含まれていてもよい。
この構成によれば、蛍光体の側から放熱部材を透過視したときに窪み部と蛍光体との重なり部分に窪み部の底部が含まれていない構成と比べて、蛍光体の裏面から窪み部の底部までの距離を短くすることができる。このため、蛍光体への励起光の入射が開始されてから熱膨張による形状変化が底部に生じ始めるまでの時間を短縮することができる。底部は第2面からの深さが最も大きい部分であるため、底部の形状変化は窪み部全体に広がりやすいことから、底部に形状変化が生じ始める時間を早めることによって、窪み部の形状を効率よく第1面から離れる方向へ膨らませことができる。
(4)上記態様の波長変換部材において、前記窪み部の内表面は曲面であってもよい。
この構成によれば、放熱部材の熱膨張時に窪み部の内表面にかかる応力が特定の箇所に集中するのを抑制できることから、窪み部の内表面におけるクラックの発生を抑制することができる。
(5)上記態様の波長変換部材において、前記第2面から前記底部までの深さは、30μm以下であり、前記第2面を基準として、前記窪み部のうち前記第2面の側の外縁から前記底部に到るまでの勾配は、20μm/mm以下であってもよい。
この構成によれば、放熱部材の第2面にヒートシンクが配置されている場合において、放熱部材が熱膨張して窪み部の形状が変化する際、放熱部材とヒートシンクとの良好な接触を実現させることができる。その結果、放熱部材の熱膨張時に、蛍光体からの排熱効率を一層上昇させることができる。
(6)本発明の別の一形態によれば、光源装置が提供される。この光源装置は、上記形態に記載の波長変換部材と、前記入射面に前記励起光を照射する光源と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、光源から蛍光体に照射された励起光は、蛍光体から蛍光として発せられる。また、波長変換部材を構成する放熱部材には、第1面の側に向けて窪んだ窪み部が形成されていることから、光源からの励起光の照射により蛍光体から伝達される熱で放熱部材が熱膨張する際、窪み部の形状は第1面から離れる方向へ膨らむように変化する。このため、放熱部材の第2面にヒートシンクが配置されている場合には、放熱部材の熱膨張時に、放熱部材とヒートシンクとの接触面積を増加させることができる。よって、このような放熱部材を備えていることにより、光源から励起光を照射している際の蛍光体からの排熱効率が高められた光源装置を提供することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、波長変換部材、光源装置、発光装置、照明、およびこれらを備える装置、およびこれらの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態の波長変換部材の断面構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態の波長変換部材の平面図である。 比較例の波長変換部材の断面構成を模式的に示す説明図である。 比較例の放熱部材が熱膨張している状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態の放熱部材が熱膨張している状態を示す説明図である。 励起光レーザーを照射した際の試験結果を示した説明図である。 「深さ」および「勾配」について説明するための説明図である。
図1は、本発明の一実施形態の波長変換部材1の断面構成を模式的に示す説明図である。図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。このXYZ軸は、図1以降の各図においても共通する。図1に示す断面は、波長変換部材1のXZ断面にあたる。波長変換部材1は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザー(LD:Laser Diode)等の光源50から照射された励起光L1を、励起光L1とは異なる別の波長の蛍光L2に変換して発する部材である。波長変換部材1は、例えば、ヘッドランプ、照明、プロジェクタなどの各種光学機器において使用される。図1に示された波長変換部材1は、光源装置100の一部である。光源装置100は、波長変換部材1の他に、励起光L1を照射する光源50と、ヒートシンク60と、を備えている。波長変換部材1は、蛍光体10と、反射膜20と、接合層30と、放熱部材40と、を備える。
蛍光体10は、照射された励起光L1によって蛍光L2を発する。蛍光体10は、入射面10Fと、裏面10Bと、を有する。入射面10Fは、励起光L1が入射する面である。裏面10Bは、入射面10Fの反対側に位置する面である。蛍光体10を構成するセラミック焼結体には、蛍光性を有する結晶粒子を主体とする蛍光相と、透光性を有する結晶粒子を主体とする透光相と、が含まれる。透光相の結晶粒子は、Al23(アルミナ)である。一方、蛍光相の結晶粒子は、A3512:Ceで表される組成(いわゆる、ガーネット構造)であることが好ましい。A3512:Ceとは、A3512の中にCeが固溶し、元素Aの一部がCeに置換されていることを示す。
3512:Ce中の元素Aおよび元素Bは、それぞれ下記の元素群から選択される少なくとも1種類の元素から構成されている。
元素A:Sc、Y、Ceを除くランタノイド(ただし、元素AとしてさらにGdを含んでいてもよい)
元素B:Al(ただし、元素BとしてさらにGdを含んでいてもよい)
蛍光体10として、セラミック焼結体を採用することで、蛍光相と透光相との界面で光が散乱し、光の色の角度依存性を減らすことができる。これにより、色の均質性を向上することができる。なお、蛍光体10の材料は、上述の材料に限定されない。
反射膜20は、蛍光体10の裏面10Bの側に配置され、蛍光体10に入射した励起光L1のうち蛍光体10を透過した励起光や、蛍光体10から発せられた蛍光L2のうち裏面10Bの側に向かった蛍光を、蛍光体10の側に反射する。反射膜20を構成する金属として、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銀合金などが例示され、本実施形態では、反射膜20を構成する金属は、銀(Ag)である。また、反射膜20は、一方面20Fと、他方面20Bと、を有する。一方面20Fは、反射膜20のうち蛍光体10が配置された側の面である。他方面20Bは、一方面20Fとは反対の面である。
接合層30は、反射膜20と後述する放熱部材40との間に配置され、反射膜20と放熱部材40とを接合している。接合層30は、金(Au)と錫(Sn)とを含むAuSn半田から形成されている。なお、接合層30は、AuSn半田に限定されず、例えば、銀(Ag)や銅(Cu)などの微細粉末を焼結して形成されていてもよい。
放熱部材40は、他方面20Bの側に配置され、蛍光体10で発生する熱を波長変換部材1の外部に放熱する。本実施形態では、放熱部材40は、接合層30を介して、反射膜20のうち他方面20Bの側に配置されている。放熱部材40を構成する材料として、銅、銅モリブデン合金、銅タングステン合金、アルミニウム、窒化アルミニウムなど、蛍光体10よりも高い熱伝導性を有する材料が例示され、本実施形態では、放熱部材40を構成する材料は、銅である。
放熱部材40は、第1面40Fと、第2面40Bと、を有する。第1面40Fは、反射膜20の側に位置する面である。第2面40Bは、第1面40Fの反対側に位置する面である。第2面40Bには、ヒートシンク60が配置されている。第2面40Bには、第1面40Fの側に向けて窪んだ窪み部42が形成されている。詳細には、窪み部42は、第2面40Bから第1面40Fまでの長さの50%以下の深さの範囲内で、第1面40Fの側に向けて窪んでいる。ここで、深さとは、第2面40Bから第1面40Fに向かう方向の長さ(図1においては+Z軸方向への長さ)のことである。また、本実施形態では、第2面40Bに窪み部42が形成されていることにより、放熱部材40とヒートシンク60との間には、窪み部42およびヒートシンク60で画定された空間Sが存在している。底部42Bは、窪み部42のうち第2面40Bからの深さが最も大きい部分である。外縁EDについては、次の図2を用いて説明する。
図2は、波長変換部材1の平面図である。すなわち、図2は、+Z軸方向側から波長変換部材1を見た状態を示している。図2において、波長変換部材1は透過視されており、円形状の破線は、窪み部42のうち第2面40Bの側の外縁ED(図1にも図示)を示している。底部42Bの位置は、点で示されている。窪み部42と蛍光体10とは、蛍光体10の側(図1,2においては+Z軸方向側)から放熱部材40を透過視したときに少なくとも一部が重なっている。本実施形態では、図2に示すように、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに、窪み部42の内側に蛍光体10が含まれる位置関係で、窪み部42と蛍光体10とは重なっている。また、底部42Bは、透過視した際の窪み部42と蛍光体10との重なり部分に含まれている。重なり部分とは、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに蛍光体10と窪み部42とが重なっている部分のことであり、本実施形態では、蛍光体10のうちXY平面に沿って伸びた領域(図2に図示)の内側部分にあたる。さらに、詳細には、本実施形態では、底部42Bは、図2に示すように、+Z軸方向側から見た蛍光体10の中央位置と対向する位置に配置され、この対向する位置は、+Z軸方向側から見た窪み部42の中央位置である。
また、図1に示すように、窪み部42の内表面は、曲面である。詳細には、本実施形態では、窪み部42の内表面は、外縁EDから底部42Bに向かうほど第1面40Fに近付く形状の曲面である。すなわち、窪み部42の内表面は、+Z軸方向側から見た際の中央位置(底部42Bに相当)が最も深い曲面である。
図3は、比較例の波長変換部材1cの断面構成を模式的に示す説明図である。図3に示された波長変換部材1cは、光源50とともに光源装置100cを構成している。波長変換部材1cは、窪み部42が形成されていない放熱部材40に相当する放熱部材40cを備える点を除いて、図1,2において説明した実施形態の波長変換部材1と同じである。
放熱部材40cの第1面40cFおよび第2面40cBは、実施形態の放熱部材40の第1面40Fおよび第2面40Bにあたる。放熱部材40cの第2面40cBには、窪み部42が形成されていない。このため、比較例の波長変換部材1cにおいては、放熱部材40cとヒートシンク60との間に空間S(図1参照)は存在していない。
図4は、比較例の波長変換部材1cにおいて、放熱部材40cが熱膨張している際の状態を示した説明図である。光源50から蛍光体10に入射した励起光L1の一部が変換されて生じる熱は、蛍光体10から反射膜20および接合層30を介して放熱部材40cに伝達されたのち、放熱部材40cを熱膨張させる。このとき放熱部材40cのうち第2面40cBは、第1面40cFから離れる方向へ膨らむ。図4に示す膨張部分exは、第2面40cBのうち熱膨張によって第1面40cFから離れる方向へ膨らんだ部分である。比較例の波長変換部材1cには空間S(図1参照)が存在していないことから、蛍光体10への励起光L1の照射時に膨張部分exが生じることにより、放熱部材40cとヒートシンク60との接触面積が減少して、蛍光体10からの排熱効率が低下する場合がある。
図5は、図1,2において説明した実施形態の波長変換部材1において、放熱部材40が熱膨張している際の状態を示した説明図である。図4の場合と同様に、光源50から蛍光体10に入射した励起光L1の一部が変換されて生じる熱は、放熱部材40を熱膨張させる。このとき放熱部材40のうち第2面40Bに形成された窪み部42の形状は、第1面40Fから離れる方向へ膨らむように変化する。図5に示す膨張部分EXは、窪み部42のうち熱膨張によって第1面40Fから離れる方向へ膨らんだ部分である。蛍光体10への励起光L1の照射時に膨張部分EXが生じることにより、空間S(図1参照)が小さくなるとともに放熱部材40とヒートシンク60との接触面積が増加することから、蛍光体10からの排熱効率を上昇させる。
図6は、図1,2で説明した窪み部42に関するパラメータを調整して作製した波長変換部材(実施例1~9、比較例1)の各々に対して、励起光レーザーを照射した際の蛍光体10の「最高温度」を示した試験結果の説明図である。実施例1~9、比較例1は、窪み部42に関する各種パラメータとして、図6に示された「深さ」および「勾配」を調整して作製された波長変換部材である。図6に示された「最高温度」や「判定」については後述する。
図7は、図6に示された「深さ」および「勾配」について説明するための説明図である。図7に示す一点鎖線DLは、放熱部材40の断面における第2面40Bの端部OTを通る線である。「深さ」は、一点鎖線DLから底部42Bまでの深さDPのことである。「勾配」は、一点鎖線DLを基準として、窪み部42のうち外縁EDから底部42Bに到るまでの勾配(深さDPを、次に説明する長さLGで除した値)のことである。長さLGは、底部42Bから深さDPだけ第2面40Bの側に離れた位置Pから外縁EDまでの長さのうち最小長さのことである。本実施形態では、+Z軸方向側から見た窪み部42の中央位置に底部42Bが位置しているため(図2参照)、位置Pから外縁EDまでの長さは、外縁EDのいずれの位置においても一定である。
図6の説明に戻る。実施例1~9の各々は、「深さ」を3~50μmの範囲、且つ、「勾配」を1~25μm/mmの範囲内に調整して作製した波長変換部材である。すなわち、実施例1~9は、窪み部42が形成された波長変換部材1(図1参照)にあたる。一方、比較例1は、「深さ」0μm、且つ、「勾配」0μm/mmに調整して作製した波長変換部材である。すなわち、比較例1は、窪み部42が形成されていない波長変換部材1c(図3参照)にあたる。
図6に示された「最高温度」は、ヒートシンク60上に配置した波長変換部材(実施例1~9、比較例1)中の蛍光体10に対して、スポット径1Φmmの励起光レーザー(波長450nm)を1分間照射した際、その間にサーモグラフィーにて測定された蛍光体10の温度のうちの最高温度のことである。この「最高温度」が低いほど、励起光レーザーの照射時に蛍光体10にて生じた熱が、蛍光体10から反射膜20および接合層30を介して放熱部材40cおよびヒートシンク60に伝わる熱伝達効率が高いことを示す。特に、実施例1~9のように、窪み部42が形成された波長変換部材1においては、「最高温度」が低いほど、励起光レーザーの照射によって放熱部材40とヒートシンク60との接触面積が増加して、蛍光体10からの排熱効率が上昇していることを示す。図6に示された「判定」は、「最高温度」に関する判定であり、A、B、Cの3段階で示されている。「最高温度」が、80℃未満の場合をAと判定し、80℃以上~100℃未満の場合をBと判定し、100℃以上の場合をCと判定した。
比較例1において、「最高温度」は103℃であったことから、「判定」はCであった。また、実施例1,2,6においては、各々の「最高温度」は88℃、83℃、81℃であったことから、「判定」はBであった。実施例3~5,7~9においては、各々の「最高温度」は75℃、74℃、68℃、62℃、64℃、73℃であったことから、「判定」はAであった。したがって、図6に示された結果から、比較例1と比べて、少なくとも実施例1~9の各々に示す「深さ」と「勾配」との組み合わせで作製された波長変換部材1(図1参照)の場合には、励起光レーザーの照射時に放熱部材40とヒートシンク60との接触面積が増加して、蛍光体10からの排熱効率が上昇することが確認された。また、図6に示された実施例1~9の結果から、「判定」がAとなるのは、「深さ」は30μm以下であり、且つ、「勾配」は20μm/mm以下の場合であることが確認された。すなわち、図6に示された結果から、波長変換部材1に形成された窪み部42について、「深さ」は30μm以下であり、且つ、「勾配」は20μm/mm以下であるのが好ましいことが確認された。
以上説明したように、本実施形態の波長変換部材1によれば、放熱部材40の第2面40Bには、第1面40Fの側に向けて窪んだ窪み部42が形成されていることから、蛍光体10から伝達された熱によって放熱部材40が熱膨張する際、窪み部42の形状は第1面40Fから離れる方向へ膨らむように変化する(図5参照)。したがって、放熱部材40の第2面40Bにヒートシンク60が配置されている場合には、放熱部材40の熱膨張時に、放熱部材40とヒートシンク60との接触面積を増加させることができる。その結果、放熱部材40の熱膨張時に蛍光体10からの排熱効率を上昇させることができる。
また、本実施形態の波長変換部材1では、図2に示したように、窪み部42と蛍光体10とは、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに少なくとも一部が重なっている。このため、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに窪み部42と蛍光体とが重なっていない構成と比べて、蛍光体10の裏面10Bから窪み部42までの距離を短くすることができる。したがって、蛍光体10への励起光L1の入射が開始されてから熱膨張による形状変化が窪み部42に生じ始めるまでの時間を短縮することができる。その結果、放熱部材40の第2面40Bにヒートシンク60が配置されている場合には、励起光L1の入射が開始されてから放熱部材40とヒートシンク60との接触面積が増加し始めるまでの時間を短縮することができる。また、放熱部材40のうち蛍光体10の裏面10Bと対向する位置が最も膨張する可能性が高いことから、そのような位置に窪み部42の少なくとも一部が配置されていることによって、励起光L1の照射時における窪み部42の形状変化を促進することができる。
また、本実施形態の波長変換部材1では、図2に示したように、底部42Bは、透過視した際の窪み部42と蛍光体10との重なり部分に含まれている。このため、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに窪み部42と蛍光体10との重なり部分に窪み部42の底部42Bが含まれていない構成と比べて、蛍光体10の裏面10Bから窪み部42の底部42Bまでの距離を短くすることができる。このため、蛍光体10への励起光L1の入射が開始されてから熱膨張による形状変化が底部42Bに生じ始めるまでの時間を短縮することができる。底部42Bは第2面40Bからの深さが最も大きい部分であるため、底部42Bの形状変化は窪み部42全体に広がりやすいことから、底部42Bに形状変化が生じ始める時間を早めることによって、窪み部42の形状を効率よく第1面40Fから離れる方向へ膨らませことができる。
さらに、本実施形態の波長変換部材1では、図2に示したように、透過視した際の窪み部42と蛍光体10との重なり部分のうち、底部42Bは、+Z軸方向側から見た蛍光体10の中央位置と対向する位置に配置され、この対向する位置は、+Z軸方向側から見た窪み部42の中央位置である。+Z軸方向側から見た蛍光体10の中央位置に対して励起光L1が照射される場合、励起光L1の一部が変換されて生じる熱は、その中央位置に集中しやすい。このため、そのような中央位置と対向する位置に底部42Bが配置されていることによって、励起光L1の照射時に蛍光体10の中央位置に集中して発生する熱を、底部42Bの形状変化に利用することができる。また、底部42Bは、+Z軸方向側から見た窪み部42の中央位置に配置されていることから、熱膨張による底部42Bの形状変化を窪み部42全体に一層広がりやすくすることができる。
また、本実施形態の波長変換部材1では、窪み部42の内表面は、曲面である。このため、放熱部材40の熱膨張時に窪み部42の内表面にかかる応力が特定の箇所に集中するのを抑制できることから、窪み部42の内表面におけるクラックの発生を抑制することができる。
また、波長変換部材1に形成された窪み部42について、「深さ」は30μm以下であり、且つ、「勾配」は20μm/mm以下であるのが好ましい。このような「深さ」および「勾配」を備える窪み部42が形成された波長変換部材1においては、放熱部材40の第2面40Bにヒートシンク60が配置されている場合において、放熱部材40が熱膨張して窪み部42の形状が変化する際、放熱部材40とヒートシンク60との良好な接触を実現させることができる。その結果、放熱部材40の熱膨張時に、蛍光体10からの排熱効率を一層上昇させることができる。
また、本実施形態の光源装置100によれば、光源50から蛍光体10に照射された励起光L1は、蛍光体10から蛍光L2として発せられる。また、波長変換部材1を構成する放熱部材40には、第1面40Fの側に向けて窪んだ窪み部42が形成されていることから、光源50からの励起光L1の照射により蛍光体10から伝達される熱で放熱部材40が熱膨張する際、窪み部42の形状は第1面40Fから離れる方向へ膨らむように変化する。このため、放熱部材40の第2面40Bにヒートシンク60が配置されている場合には、放熱部材40の熱膨張時に、放熱部材40とヒートシンク60との接触面積を増加させることができる。よって、このような放熱部材40を備えていることにより、光源装置100では、光源50から励起光L1を照射している際の蛍光体10からの排熱効率が高められている。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、反射膜20は、図1に示すように、蛍光体10の裏面10Bに直接接触された状態で配置されていたが、これに限られない。例えば、反射膜20は、蛍光体10の裏面10Bの側に配置される限り、反射膜20と蛍光体10との間に他の構成が配置されていてもよい。他の構成としては、密着性を高める密着膜や増反射膜が例示される。また、反射膜20と接合層30との間にも密着膜や保護層等が配置されていてもよい。
上記実施形態では、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに、窪み部42の内側に蛍光体10が含まれる位置関係で、窪み部42と蛍光体10とが重なっていたが、これに限られない。例えば、蛍光体10の側から放熱部材40を透過視したときに、窪み部42と蛍光体10とは一部が重なっているだけでもよいし、蛍光体10の内側に窪み部42が含まれる位置関係で窪み部42と蛍光体10とが重なっていてもよい。
上記実施形態では、透過視した際の窪み部42と蛍光体10との重なり部分のうち、底部42Bは、蛍光体10の側から見た蛍光体10の中央位置と対向する位置に配置され、この対向する位置は、蛍光体10の側から見た窪み部42の中央位置であったが、これに限られない。例えば、底部42Bは、蛍光体10の中央位置と対向する位置とは異なる位置に配置され、その位置が蛍光体10の側から見た窪み部42の中央位置であってもよい。また、底部42Bは、蛍光体10の側から見た蛍光体10の中央位置と対向する位置に配置され、この対向する位置が蛍光体10の側から見た窪み部42の中央位置とは異なる位置であってもよい。
上記実施形態では、窪み部42の内表面は、外縁EDから底部42Bに向かうほど第1面40Fに近付く形状の曲面であったが、これに限られない。例えば、窪み部42の内表面が曲面である場合に、その形状は任意の形状であってもよい。また、窪み部42の内表面は曲面でなくてもよく、例えば、窪み部42の形状は直方体形状であってもよい。また、窪み部42の内表面のうち一部が曲面であってもよく、例えば、窪み部42の形状は円錐台形状であってもよい。
上記実施形態では、第2面40Bに1つの窪み部42が形成されていたが、これに限られない。例えば、第2面40Bに2つ以上の窪み部42が形成されていてもよい。また、そのような窪み部42の深さや勾配、外縁の大きさは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
波長変換部材であって、
励起光によって蛍光を発する蛍光体であって、前記励起光が入射する入射面および前記入射面の反対側に位置する裏面を有する蛍光体と、
前記蛍光体の前記裏面の側に配置される反射膜と、
前記反射膜のうち前記蛍光体が配置された側の面とは反対の面の側に配置され、前記蛍光体で発生する熱を外部に放熱する放熱部材と、を備え、
前記放熱部材は、
前記反射膜の側に位置する第1面と、
前記第1面の反対側に位置する第2面と、を有し、
前記放熱部材の前記第2面には、前記第1面の側に向けて窪んだ窪み部が形成されていることを特徴とする、波長変換部材。
[適用例2]
適用例1に記載の波長変換部材であって、
前記窪み部と前記蛍光体とは、前記蛍光体の側から前記放熱部材を透過視したときに、少なくとも一部が重なっていることを特徴とする、波長変換部材。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の波長変換部材であって、
前記窪み部のうち前記第2面からの深さが最も大きい底部は、透過視した際の前記窪み部と前記蛍光体との重なり部分に含まれていることを特徴とする、波長変換部材。
[適用例4]
適用例1から適用例3までのいずれかに記載の波長変換部材であって、
前記窪み部の内表面は、曲面であることを特徴とする、波長変換部材。
[適用例5]
適用例1から適用例4までのいずれかに記載の波長変換部材であって、
前記第2面から前記底部までの深さは、30μm以下であり、
前記第2面を基準として、前記窪み部のうち前記第2面の側の外縁から前記底部に到るまでの勾配は、20μm/mm以下であることを特徴とする、波長変換部材。
[適用例6]
光源装置であって、
適用例1から適用例5までのいずれかに記載の波長変換部材と、
前記入射面に前記励起光を照射する光源と、を備えることを特徴とする、光源装置。
1…波長変換部材
10…蛍光体
10F…入射面
10B…裏面
20…反射膜
20F…一方面
20B…他方面
30…接合層
40…放熱部材
40F…第1面
40B…第2面
42…窪み部
42B…底部
50…光源
60…ヒートシンク
100…光源装置

Claims (6)

  1. 波長変換部材であって、
    励起光によって蛍光を発する蛍光体であって、前記励起光が入射する入射面および前記入射面の反対側に位置する裏面を有する蛍光体と、
    前記蛍光体の前記裏面の側に配置される反射膜と、
    前記反射膜のうち前記蛍光体が配置された側の面とは反対の面の側に配置され、前記蛍光体で発生する熱を外部に放熱する放熱部材と、を備え、
    前記放熱部材は、
    前記反射膜の側に位置する第1面と、
    前記第1面の反対側に位置する第2面と、を有し、
    前記放熱部材の前記第2面には、前記第1面の側に向けて窪んだ窪み部が形成されていることを特徴とする、波長変換部材。
  2. 請求項1に記載の波長変換部材であって、
    前記窪み部と前記蛍光体とは、前記蛍光体の側から前記放熱部材を透過視したときに、少なくとも一部が重なっていることを特徴とする、波長変換部材。
  3. 請求項2に記載の波長変換部材であって、
    前記窪み部のうち前記第2面からの深さが最も大きい底部は、透過視した際の前記窪み部と前記蛍光体との重なり部分に含まれていることを特徴とする、波長変換部材。
  4. 請求項3に記載の波長変換部材であって、
    前記窪み部の内表面は、曲面であることを特徴とする、波長変換部材。
  5. 請求項4に記載の波長変換部材であって、
    前記第2面から前記底部までの深さは、30μm以下であり、
    前記第2面を基準として、前記窪み部のうち前記第2面の側の外縁から前記底部に到るまでの勾配は、20μm/mm以下であることを特徴とする、波長変換部材。
  6. 光源装置であって、
    請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の波長変換部材と、
    前記入射面に前記励起光を照射する光源と、を備えることを特徴とする、光源装置。
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