JP2023167557A - 密閉型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下での安全性および信頼性に優れた電池を提供する。【解決手段】密閉型電池は、開口を有する有底筒形状であり、筒部の開口側に縮径部が設けられた電池ケースと、電池ケースに収容される電極体と、電解液と、電池ケースの開口を塞ぐ封口部材と、電池ケースの縮径部よりも開口側の開口端部と封口部材との間に配置され、開口端部の内周側面および封口部材の外周側面と接触するガスケットと、を備える。封口部材は、熱感抵抗素子(PTC)を含み、ガスケットを介して開口端部によってかしめられており、封口部材と縮径部との間に、ガスケットよりも高い耐熱性を有するリング状部材が配されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電池ケースと、電池ケースに収容された電極体と、電池ケースの開口を塞ぐ封口部材とを具備する密閉型電池に関する。
密閉型電池における封止の方法として、有底筒形状の電池ケースの開口端部をガスケットを介して封口部材にかしめる方法が一般的に用いられている。これにより、電池ケースの開口を封口部材で塞ぎながら、ガスケットの反発力により高い密閉性が得られる。
電池が高温環境で使用される場合、あるいは、異常発熱が生じた場合、高温によりガスケットが軟化あるいは溶融することがある。ガスケットの軟化あるいは溶融により、密閉性が低下するほか、電池ケースが封口部材と接触し易くなり、短絡が引き起こされる虞がある。
特許文献1では、融点が200℃以上であり、ショア硬さ基準で硬度が100D以下であり、特定の化学式で表されるモノマーユニットを含む高分子樹脂を、ガスケットに用いることを開示している。これにより、特許文献1は、円筒型二次電池において、高耐熱性の高分子樹脂からなるガスケットを備えることで、二次電池の内部温度の上昇によりガスケットが高温環境に露出したときにも熱変形によるショート発生を防止することを提案している。
特許文献2では、ガスケットは、電池ケース側の表層をなす第1絶縁層、及び第1絶縁層よりも封口体側に配置される第2絶縁層の少なくとも2層でガスケットを構成し、第1絶縁層を形成する第1材料を、第2絶縁層を形成する第2材料よりも融点が高く、融点を230℃以上とすることを提案している。
特許第5767407号明細書 特許第6033876号明細書
特許文献1のようにガスケットをエンジニアリングプラスチックと総称される高融点樹脂とした場合、成形および加工が容易でないため、ガスケット形状に成形し、かしめた場合に成形過程に起因するクラックが発生し易くなる。
特許文献2のようにガスケットを2層構造とした場合、特許文献1と同様の問題があるほか、封口構造の複雑になるとともに部品点数が増加し、封口部の体積が増加する。加えて、ガスケットの第1層と第2層の間に隙間が生じると、その隙間が漏液経路となって液漏れが発生し易くなる、という課題もある。
上記を鑑み、本発明の一局面は、開口を有する有底筒形状であり、筒部の前記開口側に縮径部が設けられた電池ケースと、前記電池ケースに収容される電極体と、電解液と、前記電池ケースの前記開口を塞ぐ封口部材と、前記電池ケースの前記縮径部よりも前記開口側の開口端部と前記封口部材との間に配置され、前記開口端部の内周側面および前記封口部材の外周側面と接触するガスケットと、を備え、前記封口部材は、熱感抵抗素子(PTC)を含み、前記封口部材は、前記ガスケットを介して前記開口端部によってかしめられており、前記封口部材と前記縮径部との間に、前記ガスケットよりも高い耐熱性を有するリング状部材が配された、密閉型電池に関する。
本開示によれば、高温下においてもガスケットの熱変形に起因した弁作動を抑制しながら、安全性および信頼性に優れた電池を提供できる。
本開示の一実施形態に係る密閉型電池の一例を示す断面模式図である。 本開示の一実施形態に係る密閉型電池の他の例を示す断面模式図である。
以下では、本開示に係る密閉型電池の実施形態について例を挙げて説明するが、本開示は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。この明細書において、「数値A~数値B」という記載は、数値Aおよび数値Bを含み、「数値A以上で数値B以下」と読み替えることが可能である。以下の説明において、特定の物性や条件などに関する数値の下限と上限とを例示した場合、下限が上限以上とならない限り、例示した下限のいずれかと例示した上限のいずれかを任意に組み合わせることができる。複数の材料が例示される場合、その中から1種を選択して単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本開示は、添付の特許請求の範囲に記載の複数の請求項から任意に選択される2つ以上の請求項に記載の事項の組み合わせを包含する。つまり、技術的な矛盾が生じない限り、添付の特許請求の範囲に記載の複数の請求項から任意に選択される2つ以上の請求項に記載の事項を組み合わせることができる。
本開示の一実施形態に係る密閉型電池(以下、単に電池と称する場合がある。)は、開口を有する有底筒形状であり、筒部の開口側に縮径部が設けられた電池ケースと、電池ケースに収容される電極体と、電解液と、電池ケースの開口を塞ぐ封口部材と、ガスケットと、を備える。ガスケットは、電池ケースの縮径部よりも開口側の開口端部と封口部材との間に配置され、開口端部の内周側面および封口部材の外周側面と接触している。封口部材は、ガスケットを介して開口端部によってかしめられている。
封口部材は、熱感抵抗素子(PTC)を含む。熱感抵抗素子(PTC:Positive Temperature Coefficient)は、温度上昇に伴って電気抵抗が上昇する素子である。電池に異常電流が流れると、発熱により熱感抵抗素子の温度が上昇し、これに伴って熱感抵抗素子の抵抗が増大する。これにより、電池に流れる電流を減少させて、防爆弁が作動する前に電池の異常発熱を抑制する。
熱感抵抗素子を含む封口部材の例として、端子板と、端子板と電極体の一方の極性の電極とを電気的に接続する底板と、を備える封口部材が挙げられる。熱感抵抗素子は、端子板と底板との間に介在している。この場合、電池に異常電流が流れると、熱感抵抗素子の抵抗が増大し、これにより底板から端子板に流れる電流を、異常を起こさない小さな電流にまで低減させる。
一方、電池の温度上昇に伴い、ガスケットも高温に晒される。電池の温度上昇により、ガスケットが軟化あるいは溶融などの熱変形を受けると、封口部材の端子板が開口端部のかしめ部分と接触、あるいは、封口部材の底板が電池ケースの縮径部と接触して、封口部材と電池ケースとが短絡する虞がある。この場合、封口部材の端子板が開口端部のかしめ部分と接触したとしても、端子板に流れる電流は熱感抵抗素子を介することによって低減されており、短絡電流が流れることは抑制される。しかしながら、封口部材の底板が電池ケースの縮径部と接触した場合、熱感抵抗素子を介さない短絡電流経路が生じるため、異常電流が継続して流れる。結果、電池の過度な温度上昇により電解液の分解が進行してガスが発生する。ガス発生により内圧が閾値を超えることで、防爆弁が作動する。
しかしながら、本実施形態に係る電池によれば、封口部材と縮径部との間に、ガスケットよりも高い耐熱性を有するリング状部材が配されている。リング状部材により、ガスケットが軟化あるいは溶融した場合においても、封口部材と電池ケースの縮径部との接触が規制され、短絡が抑制される。結果、防爆弁の作動を最低限に抑制しながら、安全性および信頼性の高い電池を実現できる。
リング状部材は、縮径部の上を、ガスケットの外周側面または内周側面に沿って延びている。しかしながら、縮径部よりさらに開口端部側に向かって、かしめ部に至るまでは延びていない。換言すると、ガスケットは、その全周に渡って、開口端部の内周側面および封口部材の外周側面と接触しており、リング状部材は封口部材より上方に突出しない。この場合、電池ケースの開口端部をガスケットを介して封口部材にかしめるに際してリング状部材が変形し難いため、クラックの発生が抑制される。また、リング状部材とガスケットの間の界面が漏液経路を形成しないため、液漏れの発生が抑制される。よって、信頼性が高く、安全性に優れた電池を実現できる。
リング状部材は、縮径部とガスケットの間に挟まれるように配置されてもよい。すなわち、リング状部材は、縮径部と、ガスケットの縮径部に沿って延びる部分における外周側面との間に配置されてもよい(図1参照)。あるいは、リング状部材は、ガスケットと封口部材の間に挟まれるように配置されてもよい。すなわち、リング状部材は、封口部材と、ガスケットの縮径部に沿って延びる部分における内周側面との間に配置されてもよい(図2参照)。
リング状部材が縮径部とガスケットの外周側面との間に配置される場合、リング状部材は、縮径部と開口端部の境界よりも電極体側において、ガスケットの外周側面を覆っていればよい。リング状部材は、開口端部に沿ったガスケットの外周側面を覆わず、開口端部の内周側壁の全面がガスケットと直接接触していることが好ましい。
リング状部材が封口部材とガスケットの内周側面との間に配置される場合、リング状部材は、少なくとも縮径部に沿って屈曲したガスケットの部分におけるガスケットの内周側面を覆っていればよい。リング状部材は、さらに、熱感抵抗素子が設けられた位置よりも下方(電極体側)において、ガスケットの内周側面を覆っていてもよい。リング状部材は、熱感抵抗素子が設けられた位置よりも上方(電極体と反対側)では、ガスケットの内周側面を覆わなくてもよい。熱感抵抗素子および熱感抵抗素子よりも上方(電極体と反対側)に設けられた封口部材の一部(例えば、端子板)は、ガスケットと直接接触してよい。
リング状部材は、ガスケットよりも高い耐熱性を有する。耐熱性は、例えば、ガスケットおよびリング状部材に用いられる樹脂の融点(または、軟化点)により評価することができる。リング状部材の融点は、例えば、180℃以上であり、200℃以上もしくは230℃以上であってもよい。また、ガスケットおよびリング状部材に用いられる樹脂の融点(または、軟化点)が同程度であっても、リング状部材に用いられる樹脂に耐熱性フィラーを含ませることにより、リング状部材の耐熱性をガスケットよりも高めることができる。
リング状部材に用いることができる、融点の高い樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)樹脂やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などのフッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリブチレンテレフタラート(PBT)樹脂などが挙げられる。これらのなかでも、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
一方で、ガスケットに用いられる樹脂材料としては、成形が容易である点で、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、プロピレンとエチレンの共重合体、あるいはポリアミド樹脂(ナイロン)などが一般的に用いられている。リング状部材に、これらの樹脂材料を用いてもよい。その場合、樹脂材料に無機フィラーを含ませることにより、リング状部材に耐熱性を付与することができる。
無機フィラーは、樹脂が軟化する高温環境においてもリング状部材の形状を保持することで、リング状部材の耐熱性を高める効果を奏する。無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニアなどのセラミックス粒子などが挙げられる。これらのセラミックス粒子は、機械強度に加えて熱伝導性にも優れており、電池の異常発熱時の放熱性を向上させて、耐熱性を一層向上させることができる。無機フィラーとしては、他に、チタン酸カリウム、珪酸カルシウム(ゾノトライト、トバモライト)、マイカ、タルクなどを用いることができる。
無機フィラーは、繊維を含んでもよい。例えば、無機フィラーは、ガラス繊維、カーボン繊維およびアラミド繊維からなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。これらのなかでも、無機フィラーは、ガラス繊維を含むことが好ましい。例えば、リング状部材は、ガラス繊維により強化された樹脂(GFRP)であってもよい。無機フィラーは、リング状部材の全体に対して10質量%~60質量%の範囲で含まれていてもよい。
ガスケットは、無機フィラーを含まないことが好ましいが、無機フィラーを含んでもよい。その場合、ガスケットに含まれる無機フィラーの質量基準の含有割合は、リング状部材に含まれる無機フィラーの質量基準の含有割合よりも小さい。
以下に、本実施形態に係る密閉型電池の構成について、図面を参照しながら説明する。ただし、本実施形態はこれに限定されるものではない。なお、以下の図示例において、同じ機能を有する部材には、同じ符号を付している。
図1は、密閉型電池の一例の縦断面模式図である。
電池100は、有底円筒形の電池ケース(電池缶)9と、電解液(図示せず)とともに電池ケース9に収容された円筒型の電極体10と、封口部材20と、リング状部材28を備え、電池ケース9の開口は封口部材により塞がれている。封口部材20は、PTC素子25およびガスケット26を含む。図1の例では、封口部材20は、PTC素子25およびガスケット26に加えて、端子板21と、底板22と、弁体23と、スペーサ(弁体支持板)24と、をさらに備える。
電池ケース9は、その開口側に縮径部9Xを有する。縮径部9Xよりも開口側の開口端部9Yにおいて、封口部材20が開口端部9Yに挿入されるとともに、開口端部9Yをガスケット26を介して封口部材20にかしめて、これにより電池ケースの開口が封口部材により封口されている。
電極体10は、正極1と、負極2とが、セパレータ3を介して巻回され構成され得る。正極1の集電体1aに接続された正極リード4は、底板22に接続されている。負極2に接続された負極リード5は、ケース9に接続されている。また、電極体10の上部と下部には、内部短絡防止のためにそれぞれ上部絶縁板6、下部絶縁板7が配置されている。
底板22は、例えば、中央に開口を有するリング状の部材であり、外周縁部において内周方向に屈曲して折り返されている。屈曲して延びる折り返し部により、弁体23およびスペーサ24が底板22に挟み込まれ、弁体23およびスペーサ24が底板22に固定されている。換言すると、弁体23は、スペーサ24を介して底板22にかしめられて、底板22に固定されている。底板22は、正極リード4を介して電極体の一方の電極(正極1)と電気的に接続するとともに、折り返し部、およびPTC素子25を介して、端子板21と電気的に接続している。
弁体23は、底板22の正極リード4との接続部分と端子板21との間に設けられる。端子板21と、底板22との間に、PTC素子25が介在している。
弁体23は、例えば、開口を有しない円盤状の板材である。電池100の内圧が上昇すると、弁体23のスペーサ24で覆われていない部分に、外方に向けて盛り上がる方向に圧力が加わる。内圧が所望の弁作動圧を超えると、弁体23の少なくとも一部領域が引っ張り応力により破断する。電池100内のガスは、弁体23の破断箇所、および端子板の孔21aを介して外部に排出される。これにより、防爆機能が作動して内圧が解放される。
弁体23は、例えば金属板(例えば、アルミニウム箔)であり、その表面の両面が樹脂材料で被覆されていてもよい。これにより、電解液が弁体の表面に付着した場合においても、弁体の腐食を抑制できる。
弁体23と底板22の折り返し部との間に介在するスペーサ(弁体支持板)24は、リング状の部材であり、内圧の上昇により弁体23が膨張するに際して、弁体23が膨張する領域をスペーサ24が介在していないリングの中央領域に制限する役割を有する。リングの幅を調整することにより、弁作動圧が所望の値に制御される。
PTC(Positive Temperature Coefficient)素子25は、リング状の部材であり、温度上昇に伴って電気抵抗が上昇する材料を含む。電池100に異常な大電流が流れる場合、PTC素子25内の温度が発熱により上昇する。これに伴ってPTC素子25の電気抵抗が上昇することによって、電池100に流れる電流を減少させる。
端子板21、PTC素子25、および、弁体23およびスペーサ24が固定された底板22は、重ねられ、ガスケット26を介して電池ケース9にかしめられることで、電池ケース9の開口が封口されている。
リング状部材28が、封口部材20と縮径部9Xとの間に設けられている。リング状部材28は、図1の例では、縮径部9Xの内周側壁に沿うように、ガスケット26の外周側面と縮径部9Xとの間に介在している。リング状部材28は、ガスケット26よりも高い耐熱性を有する。
電池100が高温環境に晒される場合、あるいは、異常放電等により電池100に大電流が流れる場合、温度上昇に伴ってPTC素子25の抵抗が上昇し、底板22から端子板21に流れる電流が減少する。これにより、大電流が電池100に流れることが抑制される。
しかしながら、電池100の温度上昇に伴い、ガスケット26が高温により軟化または溶融し易くなり、熱変形を受け易くなる。リング状部材28を設けない場合、ガスケット26の熱変形により、端子板21が開口端部9Yのかしめ部分と接触し、短絡する場合や、底板22が縮径部9Xと接触し、短絡する場合が発生し得る。
このうち、端子板21が開口端部9Yと接触する場合については、底板22から端子板21に流れる電流はPTC素子25を介することによって低減されるため、短絡により大電流が流れることは抑制されている。しかしながら、底板22が縮径部9Xと接触する場合は、PTC素子25を介さない電流経路が形成されるため、底板22と縮径部9Xとの間に大電流が流れ続ける。結果、電池の過度な温度上昇により電解液の分解等が進行してガスが発生し、電池内圧が閾値を超えることで、防爆機能が作動して弁体23が破断する場合がある。
リング状部材28は、ガスケット26が熱変形を受け易い高温においても、その形状を維持し、底板22を縮径部9Xから絶縁する働きを有する。リング状部材28により、高温環境においても底板22と縮径部9Xとの接触が規制され、底板22と縮径部9Xとの間の短絡を抑制することができる。つまり、防爆機能を作動させることなく、電池100に異常電流が流れるのを抑制することができる。
リング状部材28は、封口部材20(特に、底板22)を電池ケース(特に、縮径部9X)から絶縁する働きを有すればよいので、図1のようにガスケット26の外周側面と縮径部9Xとの間に設ける場合に限られず、ガスケット26の内周側面と封口部材との間に設けてもよい。図2に、リング状部材28を、封口部材の底板22の側面および下面に沿うように、ガスケット26の内周側面と底板22との間に介在させた電池101の一例を示す。
リング状部材28の厚みは、封口部材と電池ケースとの絶縁を確保する点から、例えば、5μm以上であればよく、500μm以下であってもよい。リング状部材28は、リング状のフィルムまたは板であってもよい。リング状部材がフィルムまたは板であると、製造に成形を必要としないため、ガスケットよりも高い耐熱性を有するものの、成形性が低い樹脂をリング状部材に用いることができる。
電池ケース9の材質は特に限定されず、鉄、および/または鉄合金(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、アルミニウム合金(マンガン、銅などの他の金属を微量含有する合金など)、などが例示できる。
次に、リチウム一次電池を例として、電池100の他の構成について例示的に説明する。
(正極)
正極は正極活物質を含み、正極活物質として二酸化マンガンを用いることができる。正極は、例えば、正極集電体と、正極集電体に付着している正極合剤層とを具備する。正極合剤層は、正極活物質の他に、フッ素樹脂などの樹脂材料を結着剤として含み得る。正極合剤層は、炭素材料などの導電性材料を導電剤として含んでもよい。正極集電体は、例えばステンレス鋼製のエキスパンドメタル、ネット、パンチングメタルなどである。
(負極)
負極は負極活物質を含み、負極活物質として金属リチウムまたはリチウム合金を用いることができる。金属リチウムまたはリチウム合金は、例えば、長尺のシート状に押し出し成形され、負極として用いられる。リチウム合金としては、Li-Al、Li-Sn、Li-Ni-Si、Li-Pbなどの合金が用いられるが、Li-Al合金が好ましい。リチウム合金に含まれるリチウム以外の金属元素の含有量は、放電容量の確保や内部抵抗の安定化の観点から、0.1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の微多孔膜や不織布が好ましく用いられる。セパレータの材料(樹脂)としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミドイミドなどが好ましい。
(電解液)
電解液にはリチウム塩を溶解させた非水溶媒を用い得る。非水溶媒は、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2-ジメトキシエタン、γ-ブチロラクトンなどを使用することができる。リチウム塩としては、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどを用いることができる。
[実施例]
以下、本開示を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)正極の作製
電解二酸化マンガン100質量部と、導電剤であるケッチェンブラック5質量部と、を混合し、さらに結着剤であるポリテトラフルオロエチレン5質量部と、適量の純水と、を加えて混錬し、湿潤状態の正極合剤を調製した。
SUS製のエキスパンドメタル(正極集電体)に、正極合剤をロールにより圧着し、乾燥させ、正極を得た。圧延後の正極の厚みは520μmとし、単位面積当たりの正極合剤重量は、0.134g/cmとした。
その後、正極を、幅が38mmで長さ192mmの帯状に裁断し、続いて、充填された正極合剤の一部を剥離し、正極集電体を露出させた部分にSUS製のタブリードを抵抗溶接した。
(2)負極の作製
厚み200μmのシート状のLi-Al合金(Al含有量:0.3質量%)を、所定寸法に裁断し、帯状の負極を得た。負極の所定箇所にニッケル製のタブリードを圧接により接続した。
(3)電極体の作製
正極と負極とをセパレータを介して重ね、直径3.5mmの巻き芯に沿って渦巻き状に巻回させて、電極体を作製した。セパレータには厚み25μmのポリエチレン製の微多孔膜を用いた。
(4)電解液の調製
プロピレンカーボネート(PC)と、1,2-ジメトキシエタン(DME)とを、体積比4:6で混合した非水溶媒に、リチウム塩としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを0.7mol/Lの濃度で溶解させ、電解液を調製した。電解液の粘度は、20℃において、0.0014Pa・sであった。
(5)円筒形電池の組み立て
内径4.0mmのリング状の底板(SUS製、厚み0.3mm)を準備した。底板に、弁体、およびスペーサ(SUS製、厚み0.3mm)を重ね、底板の外周縁部を内周方向に屈曲させることで弁体をスペーサを介してかしめ、底板と弁体を含む下部封口部材を作製した。弁体は、厚み25μmのアルミニウム箔であり、その両面を厚み50μmのポリエチレン(PE)膜で被覆したものを用いた。
所定サイズのニッケルめっき鋼板製の有底円筒形の電池ケースを準備した。電極体を、その底部にリング状の下部絶縁板を配した状態で、電池ケースの内部に挿入した。その後、負極のタブリードを電池ケースの内底面に接続した。
電解液を電池ケースの内部に一定量注液し、電極体に電解液を含侵させた。上部絶縁板を電極群の上に配置した。PPS製のリング状部材を電池ケースの縮径部の上に配置した。その後、正極のタブリードを底板の内面に接続した状態で、下部封口部材、PTC素子(厚み0.3mm、内径5.0mm)、端子板(SUS製、厚み0.3mm)を重ね、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)のブロック共重合体で構成されたガスケットを介してこれらの部材を電池ケースでかしめることにより封口し、試験用のリチウム一次電池(直径17mm、高さ45.5mm)を完成させた。
このようにして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池A1を30個作製した。
《実施例2》
実施例1において、PPS製のリング状部材に代えて、PI製のリング状部材を用いて円筒形電池を組み立てた。他は実施例1と同様にして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池A2を30個作製した。
《実施例3》
実施例1において、ポリプロピレン(PP)で構成されたガスケットを用いた。他は実施例1と同様にして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池A3を30個作製した。
《実施例4》
実施例1において、ポリプロピレン(PP)で構成され、無機フィラーとしてガラス繊維を含むガラス繊維強化樹脂(GFRP)をリング状部材に用いた。強化樹脂の全体に占めるガラス繊維の割合は質量基準で20%とした。
これ以外については、実施例1と同様にして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池A4を30個作製した。
《比較例1》
実施例1において、リング状部材を用いずに円筒形電池を組み立てた。他は実施例1と同様にして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池B1を30個作製した。
《比較例2》
実施例1において、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)で構成されたガスケットを用いた。他は実施例1と同様にして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池B2を30個作製した。
《比較例3》
実施例1において、ガスケットを、外周側のPPS製の第1のガスケットと内周側のPP製の第2のガスケットとの2層構造とした。他は実施例1と同様にして、図1に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム一次電池B3を30個作製した。
[評価]
30個のリチウム一次電池を10個ずつ、3つの組に分けた。このうち、1組の10個のリチウム一次電池について、作製直後の電池を試験槽内に置き、試験槽の温度を5℃/分の上昇速度で、室温から125℃まで上昇させた。その後、10分間、電池を125℃の環境に保持した。
125℃で保持後の電池を試験槽から取り出し、室温まで冷却した後、弁作動および漏液の有無を目視で確認した。弁作動または漏液が確認された電池の数をn1として、電池の総数に対する弁作動が確認された電池の割合(=n1/10)を評価した。
もう1組の10個のリチウム一次電池については、電池の保持温度を125℃から160℃に変更した。160℃で保持後の電池について、同様にして弁作動および漏液の有無を目視で確認した。弁作動または漏液が確認された電池の数をn2として、電池の総数に対する弁作動が確認された電池の割合(=n2/10)を評価した。
残りの1組の10個のリチウム一次電池については、電池の保持温度を125℃から170℃に変更した。170℃で保持後の電池について、同様にして弁作動および漏液の有無を目視で確認した。弁作動または漏液が確認された電池の数をn3として、電池の総数に対する弁作動が確認された電池の割合(=n3/10)を評価した。
リチウム一次電池A1~A4、B1~B3のそれぞれについて、上記の評価を行った。リチウム電池A1~A4、B1~B3について、評価結果を表1に示す。表1には、各電池で用いたガスケットおよびリング状部材の構成が併せて示されている。
Figure 2023167557000002
表1に示すように、リング状部材を配置していない電池B1では、125℃で保持した場合には全ての電池で弁作動および漏液は発生しなかったが、160℃以上で保持した場合に、弁作動した電池が見られた。これに対し、耐熱性を有するリング状部材を配置した電池A1~A4では、170℃以上で保持した場合であっても、全ての電池で弁作動および漏液は発生しなかった。
リング状部材を設けず、ガスケットの全体を耐熱性を有する樹脂材料(PFA)で構成した電池B2では、125℃で保持した場合であっても、少なくない確率で弁作動した電池が見られた。これは、電池B2では、成形性および加工性に難のあるPFAをガスケットに用いたことから、ガスケットの成形およびかしめの際にクラックが生じ易く、高温下でクラックを介して水分等が電池内に侵入し、ガス発生量が増加して早期に弁が作動したためと考えられる。
ガスケットを高耐熱性樹脂(PPS)を含む第1のガスケットと第2のガスケットの2層構造とした電池B3では、125℃で保持した場合には全ての電池で弁作動および漏液は発生しなかったが、160℃以上で保持した場合に、漏液した電池が見られた。これは、第1のガスケットと第2のガスケットの間に隙間が生じ、高温下で隙間が広がって漏液経路が形成されたためと考えられる。
本発明に係る密閉型電池は、高温下での安全性及び信頼性に優れるため、様々な電子機器の電源に適している。
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
3 セパレータ
4 正極リード
5 負極リード
6 上部絶縁板
7 下部絶縁板
9 電池ケース
9X 縮径部
9Y 開口端部
10 電極体
20 封口部材
21 端子板
21a 孔
22 底板
23 弁体
24 スペーサ
25 PTC素子
26 ガスケット
28 リング状部材
100、101 電池

Claims (7)

  1. 開口を有する有底筒形状であり、筒部の前記開口側に縮径部が設けられた電池ケースと、
    前記電池ケースに収容される電極体と、
    電解液と、
    前記電池ケースの前記開口を塞ぐ封口部材と、
    前記電池ケースの前記縮径部よりも前記開口側の開口端部と前記封口部材との間に配置され、前記開口端部の内周側面および前記封口部材の外周側面と接触するガスケットと、を備え、
    前記封口部材は、熱感抵抗素子(PTC)を含み、
    前記封口部材は、前記ガスケットを介して前記開口端部によってかしめられており、
    前記封口部材と前記縮径部との間に、前記ガスケットよりも高い耐熱性を有するリング状部材が配された、密閉型電池。
  2. 前記リング状部材は、前記縮径部と、前記ガスケットの前記縮径部に沿って延びる部分における外周側面との間に配置された、請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 前記リング状部材は、前記封口部材と、前記ガスケットの前記縮径部に沿って延びる部分における内周側面との間に配置された、請求項1に記載の密閉型電池。
  4. 前記封口部材は、端子板と、
    前記端子板と前記電極体の一方の極性の電極とを電気的に接続する底板と、を備え、
    前記端子板と前記底板との間に、前記熱感抵抗素子が介在している、請求項1に記載の密閉型電池。
  5. 前記リング状部材は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、および、ポリブチレンテレフタラート(PBT)樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の密閉型電池。
  6. 前記リング状部材は、樹脂材料と無機フィラーとを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の密閉型電池。
  7. 前記無機フィラーは、ガラス繊維、カーボン繊維およびアラミド繊維からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項6に記載の密閉型電池。
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