JP2023167431A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ロータ爪状磁極の周方向両端部にエアギャップ拡大面が設けられていないため、磁気騒音が大きく発生するという課題があった。
周方向に間隔をおいて径方向内側に延びる複数のティースによりスロットが形成された固定子鉄心と、前記スロットに巻装された複数相の固定子巻線とを有する固定子と、
複数の爪状磁極部が周方向に予め設定されたピッチで設けられ、隣り合う前記爪状磁極部が噛み合うように対向させてシャフトに固定され、前記爪状磁極部の最外周面部とティース先端部との間にエアギャップを有するように設けられた一対のポールコア、および、前記爪状磁極部に覆われるように設けられた界磁コイルを有する回転子と、を備えた回転電機であって、
前記爪状磁極部の外周には、周方向中央の前記最外周面部と周方向両端の爪状磁極縁部の間に、複数の平面形状のエアギャップ拡大面が形成され、前記エアギャップ拡大面の爪状磁極中心線に対する傾斜角度は、前記爪状磁極中心線に近い前記エアギャップ拡大面ほど大きく、
径方向から見て、隣り合う前記爪状磁極部間の周方向中心位置が前記ティース先端部の周方向中心位置に一致したときに、前記ティース先端部が、隣り合う前記爪状磁極部の前記最外周面部に重ならず、隣り合う前記爪状磁極部の前記エアギャップ拡大面の少なくとも一部に重なるように構成され、
前記スロットの数が、前記固定子巻線の相数および磁極の極数について1相1極あたり2つ形成され、
前記固定子巻線は、複数相の第1巻線および第2巻線を備え、前記第1巻線の各相コイルおよび前記第2巻線の各相コイルは、予め設定された電気角ずらして前記スロット内に設置され、
前記第1巻線の各相コイルの交流端末と共通直流端子との間に接続される第1ブリッジ回路と、前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間に接続される第2ブリッジ回路とを備え、
前記第1および第2ブリッジ回路の少なくとも一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、少なくとも一方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作する。
実施の形態における各図は、本願を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。
また、実施の形態の説明において「軸方向」、「径方向」、「回転方向」、「周方向」は、特に断り書きがない場合は、回転電機の回転子の「軸方向」、「径方向」、「回転方向」、「周方向」を表す。
さらに、本願の実施の形態において、回転電機として例えば車両用回転電機を例に挙げて説明しているが、本願の回転電機は、必ずしも車両用に限定されるものではない。
図1は、実施の形態1に係る回転電機の構成を模式的に示した断面図である。なお、図1では、図の簡略化のために、本実施の形態1と直接関連しない部品については、それらの説明は省略されている。
図2は、実施の形態1に係る回転電機に適用される回転子の構成を示す図であり、図2では、回転子としてランデル型の回転子構造を示している。
回転機部2は、略椀形状のアルミ製のフロントブラケット4aおよびリヤブラケット4bを備え、両ブラケット4aおよび4bの内部に軸受7を介してシャフト6が回転自在に支持されている。シャフト6には、図示しないエンジンからベルトを介して接続されるプーリ5が設けられている。また、両ブラケット4aおよび4bの内部には、シャフト6に連結されて回転自在に設置される回転子13と、回転子13の軸方向の両端面に固定されるファン14と、回転子13の外周側であって、回転子13に対して一定の空隙を有して配置され、両ブラケット4aおよび4bに固定された固定子10と、を備えている。
電気機器部3は、ブラシ8とスリップリング9を介して、回転子巻線18に電力供給する構成が備えられている。
図2は、ポールコア体を含む回転電機の回転子を示す斜視図であり、図3はポールコア体の第1ポールまたは第2ポールを示す斜視図である。
図に示すように、第1ポール16は、軸方向端面を正円とする円筒体に作製され、シャフト挿通穴が軸心位置を貫通して形成されたボス部23と、ボス部23の一端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の継鉄部24と、継鉄部24の外周部から軸方向他端側に延設された第1爪状磁極部21とを有している。第1爪状磁極部21は、その最外周面形状が略台形形状となる最外周面部53を有するとともに、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚が先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成されている。そして、第1爪状磁極部21は、継鉄部24の外周部に周方向に等ピッチで、例えば8つ配列されている。
図に示すように、第1ポール16の第1爪状磁極部21および第2ポール17の第2爪状磁極部22のそれぞれ外周部には、周方向中央に位置する略台形状の最外周面部53と周方向両端に位置する爪状磁極縁部50との間に、2つの平面形状の第1エアギャップ拡大面51および第2エアギャップ拡大面52が形成されている。
第1エアギャップ拡大面51は、爪状磁極縁部50と第2エアギャップ拡大面52との間に形成されている。第2エアギャップ拡大面52は、第1エアギャップ拡大面51と最外周面部53との間に形成されている。
第1エアギャップ拡大面51の周方向外側の第1境界線61は、爪状磁極縁部50に接している。第1エアギャップ拡大面51と第2エアギャップ拡大面52とは第2境界線62を介して接している。第2エアギャップ拡大面52の周方向中心側の第3境界線63は、最外周面部53と接している。
すなわち、第1および第2エアギャップ拡大面51、52は、爪状磁極縁部50に対して略平行に延びて形成されており、第1境界線61、第2境界線62および第3境界線63は、それぞれ略平行になっている。
図5において、複数のエアギャップ拡大面の傾斜角度はそれぞれ異なる。すなわち、第1エアギャップ拡大面51と平行な直線を直線51Lとし、第2エアギャップ拡大面52と平行な直線を直線52Lとし、回転電機の回転中心Oを基準とした爪状磁極中心線を40とし、さらに爪状磁極中心線40と前記直線51Lがなす角度をθ1、爪状磁極中心線40と前記直線52Lがなす角度をθ2とした場合に、それぞれの角度が90度>θ2>θ1>0度となるように設定する。すなわち、回転中心Oを基準とした爪状磁極中心線40に近いエアギャップ拡大面ほど、爪状磁極中心線40とのなす角度が大きいことを意味している。
そして、第1および第2エアギャップ拡大面51および52は平面性を有し再現可能にかつ安価に製作することができるがゆえに、エアギャップ拡大面の傾斜角度を容易に設計変更することができる。そのため、多種類のエアギャップ拡大面の形状を容易に設計することができ、回転電機の磁束流れ方に対して、最適なエアギャップ拡大面を製作することができる。その結果、より効果的に磁気騒音を低減する効果を得ることができる。
また、前記では第1および第2エアギャップ拡大面51および52の2つのエアギャップ拡大面を示したが、より効果的に磁気騒音低減作用を得るために必要であれば3つ以上の平面状のエアギャップ拡大面を備えることができる。
図7は、実施の形態1の回転電機の固定子において毎極毎相が2の固定子鉄心の斜視図であり、具体的には、毎極毎相が2となる96スロットの固定子鉄心を示している。
なお、図6および図7において、11は固定子鉄心であり、151A、151Bがティースであり、151AA、151BAがティース先端部、152A、152Bがスロットを示している。
図6の毎極毎相が1の固定子鉄心11の場合、ティース先端部151AAの周方向幅が広いため剛性が高いが、図7の毎極毎相が2の場合の固定子鉄心11のティース先端部151BAの周方向幅は図6の毎極毎相が1の場合の固定子鉄心11と比較して2分の1ほどと狭いため、ティースの剛性が低く回転子から生じる電磁力によって磁気騒音が大きくなる。
図8および図9において、固定子鉄心の内周面と回転子の外周面との位置関係を径方向外側から見て、隣接する第1および第2爪状磁極部21、22の間の周方向中心位置がティース151の先端部151BAの内周面の周方向中心位置に一致したときに、ティース151の先端部151BAが、第1および第2爪状磁極部21、22の最外周面部53と重ならず、かつ、隣接する第1および第2爪状磁極部21、22のそれぞれの第1エアギャップ拡大面51の一部と重なるように設定する。このときの第1エアギャップ拡大面51および第2エアギャップ拡大面52の境界とティース151の先端部151BAとの周方向距離(隙間距離)TはT>0となっている。
なお、図8および図9では、ティース151の先端部151BAが、第1爪状磁極部21、22の第1エアギャップ拡大面51と重なっている場合を示したが、ティース151の先端部151BAが、第1爪状磁極部21、22の第1エアギャップ拡大面51および第2エアギャップ拡大面52と重なっている場合であっても良い。
図10に示すように、図7および図8の固定子鉄心11のスロット152Bには、固定子巻線12として、3相の第1巻線101および3相の第2巻線102が電気角が30度、すなわちπ/6(ラジアン)ずれた状態で配置されている。第1巻線101は、第1相コイル101Aと、第2相コイル101Bと、第3相コイル101Cとを有している。第2巻線102は、第1相コイル102Aと、第2相コイル102Bと、第3相コイル102Cとを有している。
図11に示すように、固定子鉄心11の複数のスロット152B内に、第1巻線101の第1相コイル101A、第2巻線102の第1相コイル102A、第1巻線101の第2相コイル101B、第2巻線102の第2相コイル102B、第1巻線101の第3相コイル101C、第2巻線102の第3相コイル102Cが順番に配置されている。
以上の構成により、固定子巻線の相数および磁極について1相1極あたり、スロットの数が2となる。
そして、第1巻線の第1相コイル101Aと第2巻線の第1相コイル102Aとが電気角でπ/6(ラジアン)離れており、第1巻線の第2相コイル101Bと第2巻線の第2相コイル102Bとが電気角でπ/6(ラジアン)離れており、第1巻線の第3相コイル101Cと第2巻線の第3相コイル102Cとが電気角でπ/6(ラジアン)離れている。
本実施の形態の回転電機を、車両の発電機として動作させる場合について説明する。
エンジン運転状態では、エンジンの回転トルクがクランクシャフトからベルトおよびプーリ5を介してシャフト6に伝達され、回転子13が回転される。このとき、界磁電流制御回路105が、スイッチング制御回路106からの指令に基づいて、ブラシ8およびスリップリング9を介して、回転子13の回転子巻線18に界磁電流を供給する。これにより、回転子巻線18に磁束が発生する。当該磁束は、固定子10の第1巻線101、第2巻線102と鎖交し、三相交流電圧が第1巻線101、第2巻線102に誘起される。そして、スイッチング制御回路106が、第1ブリッジ回路111の各スイッチ素子210をPWM(Pulse Width Modulation)制御等によりON/OFF制御して昇圧させ、第1巻線101に誘起された三相交流電力を直流電力に変換し、バッテリー108を充電、または、電気負荷109によって消費される。また、第2巻線102は第2ブリッジ回路112の各整流ダイオード213によって、第2巻線102に誘起された三相交流電力を直流電力に変換しバッテリー108を充電、または、電気負荷109によって消費される。
周方向に間隔をおいて径方向内側に延びる複数のティースによりスロットが形成された固定子鉄心と、前記スロットに巻装された複数相の固定子巻線とを有する固定子と、
複数の爪状磁極部が周方向に予め設定されたピッチで設けられ、隣り合う前記爪状磁極部が噛み合うように対向させてシャフトに固定され、前記爪状磁極部の最外周面部とティース先端部との間にエアギャップを有するように設けられた一対のポールコア、および、前記爪状磁極部に覆われるように設けられた界磁コイルを有する回転子と、を備えた回転電機であって、
前記爪状磁極部の外周には、周方向中央の前記最外周面部と周方向両端の爪状磁極縁部の間に、複数の平面形状のエアギャップ拡大面が形成され、前記エアギャップ拡大面の爪状磁極中心線に対する傾斜角度は、前記爪状磁極中心線に近い前記エアギャップ拡大面ほど大きく、
径方向から見て、隣り合う前記爪状磁極部間の周方向中心位置が前記ティース先端部の周方向中心位置に一致したときに、前記ティース先端部が、隣り合う前記爪状磁極部の前記最外周面部に重ならず、隣り合う前記爪状磁極部の前記エアギャップ拡大面の少なくとも一部に重なるように構成され、
前記スロットの数が、前記固定子巻線の相数および磁極の極数について1相1極あたり2つ形成され、
前記固定子巻線は、複数相の第1巻線および第2巻線を備え、前記第1巻線の各相コイルおよび前記第2巻線の各相コイルは、予め設定された電気角ずらして前記スロット内に設置されているので、
磁気騒音をより低減することができる回転電機を提供することができる。
また、ティースを介して隣接する爪状磁極部間に流れる無効磁束量を低減することができ、有効磁束を増加させて低速回転域での出力を向上できる。
さらに、回転子と固定子との間の磁気抵抗の増大を抑えて、高速回転域での出力を確保できるとともに、磁気騒音を低減することができる。
前記固定子巻線は、それぞれ複数相の第1巻線および第2巻線を備え、前記第1巻線および前記第2巻線の各相コイルは、予め設定された電気角ずらして前記スロット内に設置されているので、
2つの位相の異なる第1巻線および第2巻線を1つの固定子に配置することにより、各相の交流電流による起磁力をキャンセルするように合成できるので、電磁機械としての回転電機の磁気騒音を大幅に低減できる。
前記第1および第2ブリッジ回路の一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより前記第1巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作し、前記第1および第2ブリッジ回路の他方のブリッジ回路は、複数相に対応する整流素子を備え、前記整流素子により前記第1巻線の各相コイルの交流端末から前記共通直流端子への整流を行うようにしたので、
前記第1および第2ブリッジ回路の一方のブリッジ回路のスイッチ素子を高周波でON/OFF制御を行う場合、固定子から発生する磁束も高周波で変動するので、前記の通り爪状磁極部の形状を最適に形成することにより、当該高周波数の磁気騒音をも低減することができる。
実施の形態1では、第1ブリッジ回路111にのみスイッチ素子210を配置したが、実施の形態2では、図12に示すように、第1ブリッジ回路111のみならず、第2ブリッジ回路113にもスイッチ素子210を配置しても良い。
図12は、実施の形態2に係る回転電機の回路構成図である。なお、図12以外の構成および動作については、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
最初に、本実施の形態の回転電機を、車両の電動機としての動作させる場合について説明する。
回転電機が設けられている車両には、バッテリー108が設けられており、エンジン始動時に、バッテリー108から直流電力が電源端子を介して第1ブリッジ回路111および第2ブリッジ回路113に供給される。スイッチング制御回路106Aおよび106Bは、それぞれ第1ブリッジ回路111および第2ブリッジ回路113の各スイッチ素子210をPWM(Pulse Width Modulation)制御等によりON/OFF制御して、直流電力を交流電力に変換する。当該交流電力は、固定子10の第1巻線101および第2巻線102に供給される。一方、界磁回路部は、界磁電流制御回路105からの指令に基づいて、ブラシ8およびスリップリング9を介して、回転子13の回転子巻線18に界磁電流を供給する。これにより、回転子巻線18に磁束が発生する。当該磁束により、例えば、第1ポール16の第1爪状磁極部21がN極に磁化され、第2ポール17の第2爪状磁極部22がS極に磁化される。回転子13の磁束と固定子巻線に流れる電流とが鎖交することで、駆動トルクが発生する。そして、当該駆動トルクにより、回転子13が回転駆動される。
エンジン運転状態では、エンジンの回転トルクがクランクシャフトからベルトおよびプーリ5を介してシャフト6に伝達され、回転子13が回転される。このとき、界磁電流制御回路105が、スイッチング制御回路106からの指令に基づいて、ブラシ8およびスリップリング9を介して、回転子13の回転子巻線18に界磁電流を供給する。これにより、回転子巻線18に磁束が発生する。当該磁束は、固定子10の第1巻線101、第2巻線102と鎖交し、三相交流電圧が第1巻線101、第2巻線102に誘起される。そして、スイッチング制御回路106Aおよび106Bが、第1ブリッジ回路111および第2ブリッジ回路113の各スイッチ素子210をPWM(Pulse Width Modulation)制御等によりON/OFF制御して昇圧させ、第1巻線101および第2巻線102に誘起された三相交流電力を直流電力に変換し、バッテリー108を充電、または、電気負荷109によって消費される。
前記第1巻線の各相コイルの交流端末と共通直流端子との間に接続される第1ブリッジ回路と、前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間に接続される第2ブリッジ回路と備え、
前記第1および第2ブリッジ回路は、それぞれ複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより前記第1巻線および前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作するようにしたので、
2つの位相の異なる第1巻線および第2巻線に接続される第1ブリッジ回路および第2ブリッジ回路のスイッチ素子をON/OFF制御することにより、電動機として駆動でき、また、各相の交流電流による起磁力変化をキャンセルするように合成できるので、電動機としての磁気騒音の低減効果を高めることができる。
さらに、第1および第2ブリッジ回路のブリッジ回路のスイッチ素子を高周波でON/OFF制御を行う場合、固定子から発生する磁束も高周波で変動するので、前記の通り爪状磁極部の形状を最適に形成することにより、当該高周波数の磁気騒音をも低減することができる。
実施の形態1では、図4に示すように、第1および第2爪状磁極部21、22の外周には、周方向中央に位置する略台形状の最外周面部53と周方向両端に位置する2つの平面形状の第1および第2エアギャップ拡大面51、52とが形成されており、第1および第2エアギャップ拡大面51、52は、それぞれ爪状磁極縁部50に対して略平行に延びるように設けられている。
本実施の形態3では、図13に示すように、第1および第2爪状磁極部21、22の外周部には、周方向中央に位置する略長方形状の最外周面部53Aと、この最外周面部53Aと爪状磁極縁部50Aとの間に、2つの平面形状の第1エアギャップ拡大面51Aおよび第2エアギャップ拡大面52Aが形成されている。
第1エアギャップ拡大面51Aの周方向外側の第1境界線61Aは、爪状磁極縁部50Aに接している。第1エアギャップ拡大面51Aと第2エアギャップ拡大面52Aの境界線である第2境界線62Aは、第2エアギャップ拡大面52Aと最外周面部53Aの境界線である第3境界線63Aと略平行となっている。
第1エアギャップ拡大面51Bの周方向外側の第1境界線61Bは、爪状磁極縁部50Bに接している。第1エアギャップ拡大面51Bと第2エアギャップ拡大面52Bの境界線である第2境界線62Bは、第1エアギャップ拡大面51Bと爪状磁極縁部50Bの境界線である第1境界線61Bと略平行となっている。
ここで、固定子または回転子における磁束の流れ方、固定子のティース幅に対して、最適なエアギャップ拡大面の形状が存在し、2つ以上のエアギャップ拡大面が平面性を有するがゆえに、最適なエアギャップ拡大面の形状が容易に再現可能に安価に製作できる。その結果、ギャップにおける磁束密度波形の変化を緩やかにでき、磁気騒音を低減できる効果を強めることができる。
回転電機の磁束の流れ方に対して、最適なエアギャップ拡大面を設けることができ、その結果、エアギャップの磁束密度波形の変化を緩やかにでき、磁気騒音を低減できる効果を高めることができる。
回転電機の磁束の流れ方に対して、最適なエアギャップ拡大面を設けることができ、その結果、エアギャップの磁束密度波形の変化を緩やかにでき、磁気騒音を低減できる効果を高めることができる。
回転電機の磁束の流れ方に対して、最適なエアギャップ拡大面を設けることができ、その結果、エアギャップの磁束密度波形の変化を緩やかにでき、磁気騒音を低減できる効果を高めることができる。
図15は実施の形態4に係る回転電機の1極分のポールコア体の断面図であり、図4におけるポールコア体をH-H面で切断した断面を示す。
図15において、第1および第2爪状磁極部21、22の外周には、周方向中央に位置する最外周面部53と、最外周面部53の周方向外側に位置する2つの平面形状の第1および第2エアギャップ拡大面51、52とが形成されている。そして、図5の説明と同様に、爪状磁極中心線40に近いエアギャップ拡大面ほど、爪状磁極中心線40とのなす角度が大きく形成されている。
固定子とのエアギャップをより広くとることができ、極間の漏れ磁束の低減と、ギャップ磁束密度波形の変動低減による磁気騒音を低減する機能を、より効果の大きなものとすることができる。
図16は、実施の形態5に係る回転電機のポールコア体の爪状磁極部の形状を示す正面図である。
図16に示すように、第1および第2爪状磁極部21、22には、周方向中央に位置する略台形状の最外周面部53と、この最外周面部53と爪状磁極縁部50との間に、2つの平面形状の第1エアギャップ拡大面51および第2エアギャップ拡大面52が形成されている。
本実施の形態5では、第1および第2エアギャップ拡大面51、52は、それぞれ軸方向に、爪状磁極根元部80から爪状磁極先端部90に至る領域(長さL1)に形成されている。
なお、図16以外のその他の構成については、前記実施の形態と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
固定子のティース先端部との間に発生する磁束密度分布は緩やかな変化となり、本願効果である磁気騒音低減を高める機能を、より効果の大きなものとすることができる。
図10および図11で説明したスイッチング制御回路106、106A、106Bおよび界磁電流制御回路105は、ハードウエアの一例を図17に示すように、プロセッサ1000と記憶装置1010から構成される。記憶装置1010は、図示していない、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを備える。
また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクとしての補助記憶装置を備えてもよい。プロセッサ1000は、記憶装置1010から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ1000にプログラムが入力される。また、プロセッサ1000は、演算結果等のデータを記憶装置1010の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
周方向に間隔をおいて径方向内側に延びる複数のティースによりスロットが形成された固定子鉄心と、前記スロットに巻装された複数相の固定子巻線とを有する固定子と、
複数の爪状磁極部が周方向に予め設定されたピッチで設けられ、隣り合う前記爪状磁極部が噛み合うように対向させてシャフトに固定され、前記爪状磁極部の最外周面部とティース先端部との間にエアギャップを有するように設けられた一対のポールコア、および、前記爪状磁極部に覆われるように設けられた界磁コイルを有する回転子と、を備えた回転電機であって、
前記爪状磁極部の外周には、周方向中央の前記最外周面部と周方向両端の爪状磁極縁部の間に、複数の平面形状のエアギャップ拡大面が形成され、前記エアギャップ拡大面の爪状磁極中心線に対する傾斜角度は、前記爪状磁極中心線に近い前記エアギャップ拡大面ほど大きく、
径方向から見て、隣り合う前記爪状磁極部間の周方向中心位置が前記ティース先端部の周方向中心位置に一致したときに、前記ティース先端部が、隣り合う前記爪状磁極部の前記最外周面部に重ならず、隣り合う前記爪状磁極部の前記エアギャップ拡大面の少なくとも一部に重なるように構成され、
前記スロットの数が、前記固定子巻線の相数および磁極の極数について1相1極あたり2つ形成され、
前記固定子巻線は、複数相の第1巻線および第2巻線を備え、前記第1巻線の各相コイルおよび前記第2巻線の各相コイルは、予め設定された電気角ずらして前記スロット内に設置され、
前記第1巻線の各相コイルの交流端末と共通直流端子との間に接続される第1ブリッジ回路と、前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間に接続される第2ブリッジ回路とを備え、
前記第1および第2ブリッジ回路の少なくとも一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、少なくとも一方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作する回転電機。
(付記2)
前記第1および第2ブリッジ回路の一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、一方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作し、前記第1および第2ブリッジ回路の他方のブリッジ回路は、複数相に対応する整流素子を備え、前記整流素子により、他方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末から前記共通直流端子への整流を行う付記1に記載の回転電機。
(付記3)
前記第1および第2ブリッジ回路は、それぞれ複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、前記第1巻線および前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作する付記1に記載の回転電機。
(付記4)
前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面のうち、前記爪状磁極縁部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向中心側の境界線が、前記爪状磁極縁部に対して平行に設けられている付記1から付記3のいずれか1項に記載の回転電機。
(付記5)
前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面のうち、前記最外周面部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向外側の境界線が、当該エアギャップ拡大面と前記最外周面部の境界線に対して平行に設けられている付記1から付記3のいずれか1項に記載の回転電機。
(付記6)
前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面のうち、前記爪状磁極縁部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向中心側の境界線が、前記爪状磁極縁部に対して平行に設けられており、前記最外周面部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向外側の境界線が、当該エアギャップ拡大面と前記最外周面部の境界線に対して平行に設けられている付記1から付記3のいずれか1項に記載の回転電機。
(付記7)
前記爪状磁極部の径方向厚さにおいて、前記爪状磁極縁部に最も近い箇所に設けられた前記エアギャップ拡大面の径方向厚さが、前記爪状磁極部のエアギャップ拡大面が設けられている径方向厚さの中で最も薄くなるように形成されている付記1から付記6のいずれか1項に記載の回転電機。
(付記8)
前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面は、軸方向に、爪状磁極根元部から爪状磁極先端部に至る領域に形成されている付記1から付記7のいずれか1項に記載の回転電機。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
11 固定子鉄心、12 固定子巻線、13 回転子、15 ポールコア体、
16 第1ポール、17 第2ポール、18 回転子巻線、21 第1爪状磁極部、
22 第2爪状磁極部、40 爪状磁極中心線、50 爪状磁極縁部、
51 第1エアギャップ拡大面、52 第2エアギャップ拡大面、151B ティース、
151BA ティース先端部、152B スロット、101 第1巻線、
102 第2巻線、103 共通直流端子、105 界磁電流制御回路、
106 スイッチング制御回路、107 回転数検知器、111 第1ブリッジ回路、
112 第2ブリッジ回路、210 スイッチ素子、213 整流ダイオード。
周方向に間隔をおいて径方向内側に延びる複数のティースによりスロットが形成された固定子鉄心と、前記スロットに巻装された複数相の固定子巻線とを有する固定子と、
複数の爪状磁極部が周方向に予め設定されたピッチで設けられ、隣り合う前記爪状磁極部が噛み合うように対向させてシャフトに固定され、前記爪状磁極部の最外周面部とティース先端部との間にエアギャップを有するように設けられた一対のポールコア、および、前記爪状磁極部に覆われるように設けられた界磁コイルを有する回転子と、を備えた回転電機であって、
前記爪状磁極部の外周には、周方向中央の前記最外周面部と周方向両端の爪状磁極縁部の間に、複数の平面形状のエアギャップ拡大面が形成され、前記エアギャップ拡大面の爪状磁極中心線に対する傾斜角度は、前記爪状磁極中心線に近い前記エアギャップ拡大面ほど大きく、
複数の前記エアギャップ拡大面はそれぞれ、軸方向に、爪状磁極根元部から爪状磁極先端部に至る領域に形成されており、
径方向から見て、隣り合う前記爪状磁極部間の周方向中心位置が前記ティース先端部の周方向中心位置に一致したときに、前記ティース先端部が、隣り合う前記爪状磁極部の前記最外周面部に重ならず、隣り合う前記爪状磁極部の前記エアギャップ拡大面の少なくとも一部に重なるように構成され、
前記スロットの数が、前記固定子巻線の相数および磁極の極数について1相1極あたり2つ形成され、
前記固定子巻線は、複数相の第1巻線および第2巻線を備え、前記第1巻線の各相コイルおよび前記第2巻線の各相コイルは、予め設定された電気角ずらして前記スロット内に設置され、
前記第1巻線の各相コイルの交流端末と共通直流端子との間に接続される第1ブリッジ回路と、前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間に接続される第2ブリッジ回路とを備え、
前記第1および第2ブリッジ回路の少なくとも一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、少なくとも一方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作する。
Claims (8)
- 周方向に間隔をおいて径方向内側に延びる複数のティースによりスロットが形成された固定子鉄心と、前記スロットに巻装された複数相の固定子巻線とを有する固定子と、
複数の爪状磁極部が周方向に予め設定されたピッチで設けられ、隣り合う前記爪状磁極部が噛み合うように対向させてシャフトに固定され、前記爪状磁極部の最外周面部とティース先端部との間にエアギャップを有するように設けられた一対のポールコア、および、前記爪状磁極部に覆われるように設けられた界磁コイルを有する回転子と、を備えた回転電機であって、
前記爪状磁極部の外周には、周方向中央の前記最外周面部と周方向両端の爪状磁極縁部の間に、複数の平面形状のエアギャップ拡大面が形成され、前記エアギャップ拡大面の爪状磁極中心線に対する傾斜角度は、前記爪状磁極中心線に近い前記エアギャップ拡大面ほど大きく、
径方向から見て、隣り合う前記爪状磁極部間の周方向中心位置が前記ティース先端部の周方向中心位置に一致したときに、前記ティース先端部が、隣り合う前記爪状磁極部の前記最外周面部に重ならず、隣り合う前記爪状磁極部の前記エアギャップ拡大面の少なくとも一部に重なるように構成され、
前記スロットの数が、前記固定子巻線の相数および磁極の極数について1相1極あたり2つ形成され、
前記固定子巻線は、複数相の第1巻線および第2巻線を備え、前記第1巻線の各相コイルおよび前記第2巻線の各相コイルは、予め設定された電気角ずらして前記スロット内に設置され、
前記第1巻線の各相コイルの交流端末と共通直流端子との間に接続される第1ブリッジ回路と、前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間に接続される第2ブリッジ回路とを備え、
前記第1および第2ブリッジ回路の少なくとも一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、少なくとも一方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作する回転電機。 - 前記第1および第2ブリッジ回路の一方のブリッジ回路は、複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、一方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作し、前記第1および第2ブリッジ回路の他方のブリッジ回路は、複数相に対応する整流素子を備え、前記整流素子により、他方の前記ブリッジ回路に接続される前記第1巻線または前記第2巻線の各相コイルの交流端末から前記共通直流端子への整流を行う請求項1に記載の回転電機。
- 前記第1および第2ブリッジ回路は、それぞれ複数相に対応するスイッチ素子を備え、前記スイッチ素子のON/OFF制御を行うことにより、前記第1巻線および前記第2巻線の各相コイルの交流端末と前記共通直流端子との間で交流/直流変換するように動作する請求項1に記載の回転電機。
- 前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面のうち、前記爪状磁極縁部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向中心側の境界線が、前記爪状磁極縁部に対して平行に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面のうち、前記最外周面部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向外側の境界線が、当該エアギャップ拡大面と前記最外周面部の境界線に対して平行に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面のうち、前記爪状磁極縁部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向中心側の境界線が、前記爪状磁極縁部に対して平行に設けられており、前記最外周面部に隣接する少なくとも1つのエアギャップ拡大面の周方向外側の境界線が、当該エアギャップ拡大面と前記最外周面部の境界線に対して平行に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記爪状磁極部の径方向厚さにおいて、前記爪状磁極縁部に最も近い箇所に設けられた前記エアギャップ拡大面の径方向厚さが、前記爪状磁極部のエアギャップ拡大面が設けられている径方向厚さの中で最も薄くなるように形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記爪状磁極部の外周に設けられた複数のエアギャップ拡大面は、軸方向に、爪状磁極根元部から爪状磁極先端部に至る領域に形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
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