JP2023167287A - 回転子及び電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】減磁を抑制しつつ総磁束量を増加できる回転子及び電動機を提供する。【解決手段】回転子は、回転子鉄心20と、第1主磁石71と、第2主磁石72と、第1補助磁石81と、第2補助磁石82とを備えている。回転子鉄心20は、主磁石配置穴110及び補助磁石配置穴120を有する。第1主磁石71は、主磁石配置穴110に配置されている。第2主磁石72は、主磁石配置穴110において第1主磁石71に対して回転中心側に配置されている。第1補助磁石81は、補助磁石配置穴120に配置されている。第2補助磁石82は、補助磁石配置穴120において第1補助磁石81に対して回転中心側と反対側に配置されている。第1主磁石71は、第2主磁石72よりも保磁力が高い。第1補助磁石81は、第2補助磁石82よりも保磁力が高い。【選択図】図5
Description
本開示は、回転子及び電動機に関し、特に、複数の磁石を備える回転子、及び回転子を備える電動機に関する。
特許文献1には、電動機の回転子鉄心の内部に埋め込まれる永久磁石として、保磁力の異なる複数の磁石材料を寄せ集めて一体的に形成された永久磁石が開示されている。具体的には、特許文献1に記載の磁石では、最も高い保磁力を示す磁石材料より形成された高保磁力部が回転子鉄心の径方向外側に配置されている。
一方、特許文献1に記載の電動機とは別の従来例として、回転子鉄心の周方向に並んで配置された複数の主磁石と、それぞれ隣接する2つの主磁石の間に配置された複数の補助磁石とが設けられた回転子が知られている。
ところで、主磁石及び補助磁石を備える従来の回転子では、主磁石の磁束と補助磁石の磁束とが互いに逆方向に作用する可能性があり、その場合は減磁が起こりやすく、そのために回転子の総磁束量の増加に限界がある。
本開示は上記の点に鑑みてなされたものであり、減磁を抑制しつつ総磁束量を増加できる回転子及び電動機を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る回転子は、回転子鉄心と、第1主磁石と、第2主磁石と、第1補助磁石と、第2補助磁石とを備えている。前記回転子鉄心は、主磁石配置穴及び補助磁石配置穴を有する。前記第1主磁石は、前記主磁石配置穴に配置されている。第2主磁石は、前記主磁石配置穴において前記第1主磁石に対して前記回転子鉄心の回転中心側に配置されている。第1補助磁石は、前記補助磁石配置穴に配置されている。前記第2補助磁石は、前記補助磁石配置穴において前記第1補助磁石に対して前記回転中心側と反対側に配置されている。前記第1主磁石は、前記第2主磁石よりも保磁力が高い。前記第1補助磁石は、前記第2補助磁石よりも保磁力が高い。
本開示の一態様に係る電動機は、前記回転子と固定子とを備えている。
本開示の一態様に係る回転子及び電動機によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を増加できる。
(実施形態)
以下、本開示の実施形態に係る回転子及び電動機について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下、本開示の実施形態に係る回転子及び電動機について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第1実施形態)
(1)電動機の概要
図1~図3を用いて、本開示の実施形態に係る電動機1を説明する。電動機1は、インナーロータ型のモータである。
(1)電動機の概要
図1~図3を用いて、本開示の実施形態に係る電動機1を説明する。電動機1は、インナーロータ型のモータである。
電動機1は、固定子2と、回転子10とを有している。なお、これ以降の説明において、回転軸40(後述)の軸心A0(後述)が延びる方向を軸心方向A1とし、回転子10の周方向(回転方向)を周方向C1と呼ぶ。
(2)固定子
固定子2は、複数(図1では12個)のティースブロックTB1を備える。複数のティースブロックTB1は、それぞれ同一の構成を有している。複数のティースブロックTB1は、回転子10を囲むように環状に結合されている。
固定子2は、複数(図1では12個)のティースブロックTB1を備える。複数のティースブロックTB1は、それぞれ同一の構成を有している。複数のティースブロックTB1は、回転子10を囲むように環状に結合されている。
複数のティースブロックTB1の各々は、ティース61と、コイル69と、を有する。ティース61の表面には、コイル69が巻かれる。複数のコイル69は、複数のティース61に対応し、各コイル69は、対応するティース61に導体が巻かれることによって形成されている。
ティース61は、磁性材料により形成されている。ティース61は、例えば、複数の電磁鋼板が厚さ方向に積層された積層コアである。ティース61は、胴部62と、2つの外突部63と、2つの内突部64と、を含む。胴部62の形状は、例えば、直方体状である。胴部62は、径方向に延びている。2つの外突部63は、胴部62の外側から周方向C1に沿って突出している。2つの外突部63は、互いに反対向きに突出している。2つの内突部64は、胴部62の内側から周方向C1に沿って突出している。2つの内突部64は、互いに反対向きに突出している。
ティースブロックTB1の外突部63と、このティースブロックTB1に隣り合うティースブロックTB1の外突部63とは、互いに結合されている。例えば、各外突部63には凹凸が設けられており、凹凸の嵌め合いにより、互いに結合されている。このように、互いに隣り合う2つのティースブロックTB1は、外突部63において互いに結合されている。
(3)回転子
回転子10は、回転子鉄心の内部に永久磁石が埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)型のロータである。回転子10は、固定子2の径方向内側に配置され、回転子鉄心20と、回転軸40と、複数(図1では10個)の主磁石30と、複数(図1では10個)の補助磁石80とを備えている。
回転子10は、回転子鉄心の内部に永久磁石が埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)型のロータである。回転子10は、固定子2の径方向内側に配置され、回転子鉄心20と、回転軸40と、複数(図1では10個)の主磁石30と、複数(図1では10個)の補助磁石80とを備えている。
(3-1)回転子鉄心及び回転軸
回転子鉄心20は、複数の電磁鋼板17が厚さ方向に積層された積層コアである。複数の電磁鋼板17の積層方向は、図3に示すように、軸心方向A1である。回転子鉄心20の中心には、図3に示すように、軸心方向A1に回転子鉄心20を貫通し、両端面でそれぞれ開口する軸孔100が形成されている。
回転子鉄心20は、複数の電磁鋼板17が厚さ方向に積層された積層コアである。複数の電磁鋼板17の積層方向は、図3に示すように、軸心方向A1である。回転子鉄心20の中心には、図3に示すように、軸心方向A1に回転子鉄心20を貫通し、両端面でそれぞれ開口する軸孔100が形成されている。
回転軸40は、円柱状の部材であり、回転中心となる軸心A0を有している。回転軸40は、回転子鉄心20の軸孔100に挿入され、固定されている。
(3-2)主磁石配置穴及び補助磁石配置穴
回転子鉄心20には、図2に示すように、複数(図2では10個)の主磁石配置穴110及び複数(図2では10個)の補助磁石配置穴120が設けられている。複数の主磁石配置穴110は、周方向C1に並んで設けられている。複数の補助磁石配置穴120は、周方向C1に並んで設けられている。主磁石配置穴110及び補助磁石配置穴120の各々は、軸心方向A1に沿って延伸し、複数の電磁鋼板17を軸心方向A1に貫通している。主磁石配置穴110及び補助磁石配置穴120は、一方端が塞がれていてもよい。
回転子鉄心20には、図2に示すように、複数(図2では10個)の主磁石配置穴110及び複数(図2では10個)の補助磁石配置穴120が設けられている。複数の主磁石配置穴110は、周方向C1に並んで設けられている。複数の補助磁石配置穴120は、周方向C1に並んで設けられている。主磁石配置穴110及び補助磁石配置穴120の各々は、軸心方向A1に沿って延伸し、複数の電磁鋼板17を軸心方向A1に貫通している。主磁石配置穴110及び補助磁石配置穴120は、一方端が塞がれていてもよい。
(3-2-1)主磁石配置穴
複数の主磁石配置穴110は、図2に示すように、放射状に、具体的には周方向C1に等間隔に10箇所設けられている。主磁石配置穴110は、開口形状が略長方形状であり、具体的には長手方向が径方向に沿っている。
複数の主磁石配置穴110は、図2に示すように、放射状に、具体的には周方向C1に等間隔に10箇所設けられている。主磁石配置穴110は、開口形状が略長方形状であり、具体的には長手方向が径方向に沿っている。
(3-2-2)補助磁石配置穴
複数の補助磁石配置穴120は、図2に示すように、放射状に、具体的には周方向C1に等間隔に10箇所設けられている。補助磁石配置穴120は、周方向C1において隣接する2つの主磁石配置穴110の間に設けられている。周方向C1に隣り合う主磁石配置穴110の周方向C1間に配置されている。より具体的には、補助磁石配置穴120は、開口形状がほぼ四角形状であり、回転子鉄心20の内径側部分(軸心A0に近い部分)に設けられている。補助磁石配置穴120の径方向長さは、主磁石配置穴110の径方向長さよりも短い。また、補助磁石配置穴120の開口面積は、主磁石配置穴110の開口面積よりも小さい。以上より、補助磁石配置穴120は、周方向C1に隣り合う主磁石配置穴110の径方向内側端同士の間に配置されている。なお、主磁石配置穴110と補助磁石配置穴120の径方向内側縁同士の径方向位置は、ほぼ一致又は近接している。
複数の補助磁石配置穴120は、図2に示すように、放射状に、具体的には周方向C1に等間隔に10箇所設けられている。補助磁石配置穴120は、周方向C1において隣接する2つの主磁石配置穴110の間に設けられている。周方向C1に隣り合う主磁石配置穴110の周方向C1間に配置されている。より具体的には、補助磁石配置穴120は、開口形状がほぼ四角形状であり、回転子鉄心20の内径側部分(軸心A0に近い部分)に設けられている。補助磁石配置穴120の径方向長さは、主磁石配置穴110の径方向長さよりも短い。また、補助磁石配置穴120の開口面積は、主磁石配置穴110の開口面積よりも小さい。以上より、補助磁石配置穴120は、周方向C1に隣り合う主磁石配置穴110の径方向内側端同士の間に配置されている。なお、主磁石配置穴110と補助磁石配置穴120の径方向内側縁同士の径方向位置は、ほぼ一致又は近接している。
(3-3)主磁石及び補助磁石
主磁石30及び補助磁石80は、重希土類元素を含んでいる希土類磁石である。重希土類元素は、例えば、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ホルミウムである。すなわち、主磁石30及び補助磁石80に用いられる希土類磁石は、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石である。
主磁石30及び補助磁石80は、重希土類元素を含んでいる希土類磁石である。重希土類元素は、例えば、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ホルミウムである。すなわち、主磁石30及び補助磁石80に用いられる希土類磁石は、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石である。
(3-3-1)主磁石
主磁石30は、回転子10の駆動力となる磁束を発生する部材である。図4に示すように、主磁石30は、各主磁石配置穴110と略同形状の直方体状に形成されており、各主磁石配置穴110に配置されて固定されている。主磁石30は、磁極の方向が回転子鉄心20の周方向C1に沿うように着磁されている。
主磁石30は、回転子10の駆動力となる磁束を発生する部材である。図4に示すように、主磁石30は、各主磁石配置穴110と略同形状の直方体状に形成されており、各主磁石配置穴110に配置されて固定されている。主磁石30は、磁極の方向が回転子鉄心20の周方向C1に沿うように着磁されている。
図4に示すように、主磁石30は、第1主磁石71と、第2主磁石72とを有している。第2主磁石72は、第1主磁石71の径方向内側(回転中心側)に配置されている。回転子鉄心20の径方向において、第1主磁石71は第2主磁石72よりも短い。この実施形態では、第1主磁石71は、磁石粉末材料から製造された焼結体であり、第2主磁石72は、他の磁石粉末材料から製造された焼結された成形体である。これら2つの焼結体同士が貼り合わされることによって、主磁石30が製造される。第1主磁石71及び第2主磁石72の表面には、表面被膜(図示せず)が設けられている。表面被膜は、合成樹脂や酸化膜、金属膜からなり、樹脂被覆、めっき、酸化処理または化成処理等によって形成される。これにより、主磁石30の耐食性を向上できる。
第1主磁石71と第2主磁石72は、磁石粉末材料が異なっており、具体的には重希土類元素の含有量の割合が異なっている。さらに具体的には、第2主磁石72の重希土類元素の割合は、第1主磁石71の重希土類元素の割合よりも低い。第2主磁石72に含まれる重希土類元素の重量パーセント濃度に対する第1主磁石71に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度に対する比は、2以上50以下である。なお、第2主磁石72に含まれる重希土類元素量は、0.2wt%以下である。以上より、第1主磁石71は、第2主磁石72よりも保磁力が高く、残留磁束密度が低い。
(3-3-2)補助磁石
補助磁石80は、電動機1の駆動時に発生トルクを確保できるように主磁石30を補助する。各補助磁石80は、図4に示すように、各補助磁石配置穴120と略同形状の直方体状に形成され、各補助磁石配置穴120に配置されて固定されている。補助磁石80は、磁極の方向が回転子鉄心20の径方向に沿うように着磁されている。補助磁石80は、主磁石30に比べて径方向に短く、したがって体積も小さい。
補助磁石80は、電動機1の駆動時に発生トルクを確保できるように主磁石30を補助する。各補助磁石80は、図4に示すように、各補助磁石配置穴120と略同形状の直方体状に形成され、各補助磁石配置穴120に配置されて固定されている。補助磁石80は、磁極の方向が回転子鉄心20の径方向に沿うように着磁されている。補助磁石80は、主磁石30に比べて径方向に短く、したがって体積も小さい。
図4に示すように、補助磁石80は、第1補助磁石81と、第2補助磁石82とを有している。第2補助磁石82は、第1補助磁石81の径方向外側(回転中心側と反対側)に配置されている。回転子鉄心20の径方向において、第1補助磁石81と第2補助磁石82は長さがほぼ同じである。この実施形態では、第1補助磁石81及び第2補助磁石82は、第1主磁石71及び第2主磁石72と同様に、互いに貼り合わされている。第1補助磁石81及び第2補助磁石82の表面には、第1主磁石71及び第2主磁石72と同様に、表面被膜(図示せず)が設けられている。
第1補助磁石81と第2補助磁石82は、磁石粉末材料が異なっており、具体的には重希土類元素の含有量の割合が異なっている。さらに具体的には、第2補助磁石82の重希土類元素の重量パーセント濃度は、第1補助磁石81の重希土類元素の重量パーセント濃度よりも低い。第2補助磁石82に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度に対する第1補助磁石81に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度の比は、2以上50以下である。なお、第2補助磁石82に含まれる重希土類元素量は0.2wt%以下である。以上より、第1補助磁石81は、第2補助磁石82よりも保磁力が高いものの、第2補助磁石82よりも残留磁束密度が低い。
なお、主磁石30の第1主磁石71と補助磁石80の第1補助磁石81は、特性又は材料が同じでもよいし、異なっていてもよい。主磁石30の第2主磁石72と補助磁石80の第2補助磁石82も同様である。
(4)主磁石と補助磁石により発生する磁界
図5を用いて、主磁石30及び補助磁石80付近における磁界を説明する。なお、図5は、説明の便宜のために磁束を概略的に示している。
図5を用いて、主磁石30及び補助磁石80付近における磁界を説明する。なお、図5は、説明の便宜のために磁束を概略的に示している。
主磁石30の磁束102は、概ね周方向C1に沿って延びる。補助磁石80の磁束103は、概ね回転子鉄心20の径方向外側に延びている。
ここで、主磁石30及び補助磁石80には、固定子2からの逆磁界が作用している。具体的には、固定子2からの磁束101が、径方向内側に延びており、主磁石30と補助磁石80を通る。特に、磁束101のうち主磁石30の径方向外側端(固定子2に最も近い部分)に、最も大きな反磁界(図5の磁束101A)が印加されるので、従来であれば、主磁石30の径方向外側端部の領域X1において磁束密度が低下しやすい。しかし、本実施形態では、主磁石30の径方向外側端部に高保磁力の第1主磁石71が配置されているので、固定子2からの磁束101Aに起因する減磁を抑えることができる。また、第1主磁石71に比べれば低保磁力ではあるが高残留磁束密度の第2主磁石72を第1主磁石71と組み合わせて用いることで、主磁石30の総磁束量を多くできる。
一方、主磁石30の磁束102のうち径方向内側の磁束102Aは、補助磁石80の径方向内側端に入り、さらに回りこむように延びており、そのため補助磁石80の磁束103と逆方向に作用する。この場合に前述の磁束102Aによって、補助磁石80の径方向内側端部の領域Y1において磁束密度が低下することが想定される。しかし、本実施形態では、補助磁石80の径方向内側端部に高保磁力の第1補助磁石81が配置されているので、主磁石30からの磁束102Aに起因する減磁を抑えることができる。また、第1補助磁石81に比べれば低保磁力ではあるが高残留磁束密度の第2補助磁石82を第1補助磁石81と組み合わせて用いることで、補助磁石80の総磁束量を多くできる。
上記のように主磁石30の外径側を高保磁力・低残留磁束密度の第1主磁石71とし、補助磁石80の内径側を高保磁力・低残留磁束密度の第1補助磁石81とすることで、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。つまり、単一成分の磁石材料からなる永久磁石に比べ、永久磁石の体積を小さくすることが可能となり、さらには電動機1の小型化、高出力化を図ることが可能になる。
(5)電動機の動作
電動機1は、以下のように動作する。図示しない電源接続部を通じて、互いに電気角で120°の位相差を有する3相の電流がそれぞれ複数のコイル69に供給されて固定子2が励磁され、回転磁界が発生する。この回転磁界と、回転子10に設けられた主磁石30及び補助磁石80が発生する磁界とが相互作用して、回転子10に回転トルクが発生し、その結果、回転子10が軸心A0回りに回転する。
電動機1は、以下のように動作する。図示しない電源接続部を通じて、互いに電気角で120°の位相差を有する3相の電流がそれぞれ複数のコイル69に供給されて固定子2が励磁され、回転磁界が発生する。この回転磁界と、回転子10に設けられた主磁石30及び補助磁石80が発生する磁界とが相互作用して、回転子10に回転トルクが発生し、その結果、回転子10が軸心A0回りに回転する。
(6)回転子の製造方法
次に、回転子10の製造方法を説明する。ただし、以下に説明する製造方法は一例であり、一部の工程の順番が入れ替わっても構わない。なお、以下に説明する製造方法は、種々の製造装置によって自動化されているが、一部の工程が人の手で行われても構わない。
次に、回転子10の製造方法を説明する。ただし、以下に説明する製造方法は一例であり、一部の工程の順番が入れ替わっても構わない。なお、以下に説明する製造方法は、種々の製造装置によって自動化されているが、一部の工程が人の手で行われても構わない。
回転子10の製造方法は、少なくとも第1工程、第2工程、第3工程を含んでいる。
第1工程は、複数の主磁石配置穴110及び補助磁石配置穴120を有する回転子鉄心20を準備する工程である。具体的には、元の電磁鋼板をプレス機により打ち抜いて、電磁鋼板17を複数枚形成し、次に電磁鋼板17を積層することで回転子鉄心20を製造する。
第2工程は、回転子鉄心20に主磁石30及び補助磁石80を取り付ける工程である。図2に示すように、主磁石配置穴110の各々に主磁石30を配置し、補助磁石配置穴120の各々に補助磁石80を配置する。
第3工程は、回転子鉄心20に回転軸40を取り付ける工程である。図3に示すように、保持された回転子鉄心20の軸孔100に、回転軸40を圧入する。
なお、第3工程の後、回転子鉄心20の主磁石配置穴110と主磁石30との間隙に、補助磁石配置穴120と補助磁石80との間隙に接着剤を塗布して樹脂層を形成してもよい。樹脂層を形成することで、主磁石30及び補助磁石80を回転子鉄心20に対してより強固に固定できる。
(7)効果
上記実施形態によれば、主磁石30において軸心A0と反対側を高保磁力の第1主磁石71とし、補助磁石80において軸心A0側を高保磁力の第1補助磁石81とすることで、回転子10において減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
上記実施形態によれば、主磁石30において軸心A0と反対側を高保磁力の第1主磁石71とし、補助磁石80において軸心A0側を高保磁力の第1補助磁石81とすることで、回転子10において減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では各主磁石を構成する磁石(磁石成分)の数は2であったが、3以上であってもよい。
第1実施形態では各主磁石を構成する磁石(磁石成分)の数は2であったが、3以上であってもよい。
図6及び図7を用いて、そのような例を第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、説明を適宜省略する。
(1)回転子
図6に示すように、回転子10Aにおいて、回転子鉄心20Aの各主磁石配置穴110に、これと略同形状の直方体状に形成された主磁石30Aが配置されて固定されている。主磁石30Aは、磁極の方向が回転子鉄心20の周方向C1に沿うように着磁されている。
図6に示すように、回転子10Aにおいて、回転子鉄心20Aの各主磁石配置穴110に、これと略同形状の直方体状に形成された主磁石30Aが配置されて固定されている。主磁石30Aは、磁極の方向が回転子鉄心20の周方向C1に沿うように着磁されている。
図4に示すように、主磁石30Aは、第1主磁石71Aと、第2主磁石72Aと、第3主磁石73Aとを有している。
第1主磁石71Aは、第1実施形態の第1主磁石70と同様に、主磁石配置穴110の径方向外側端に配置されている。第2主磁石72Aは、第1実施形態の第2主磁石72と同様に、主磁石配置穴110の径方向内側端に配置されている。第3主磁石73Aは、第1主磁石70Aと第2主磁石72Aとの間に配置されている。この実施形態では、第1主磁石71、第2主磁石72A及び第3主磁石73Aは、各磁石粉末材料から製造された部分焼結体同士を貼り合わせて製造されている。第1主磁石71、第2主磁石72及び第3主磁石73Aの表面には、表面被膜(図示せず)が設けられている。
第1主磁石71Aと第2主磁石72Aと第3主磁石73Aは、磁石粉末材料が異なっており、具体的には重希土類元素の含有量の割合が異なっている。第1主磁石71Aと第2主磁石72Aと第3主磁石73Aの中では、第1主磁石71Aの重希土類元素の含有量(重量パーセント濃度)の割合が最も高く、第2主磁石72Aの重希土類元素の含有量の割合が最も低くなっている。言い換えると、第1主磁石71A、第3主磁石73A、第2主磁石72Aの順番で、重希土類元素の含有量の割合が高くなっており、そのため第1主磁石71Aが高保磁力となり、第3主磁石73Aが中保磁力となり、第2主磁石72Aが低保磁力となる。
(2)主磁石と補助磁石により発生する磁界
図7を用いて、主磁石30A及び補助磁石80付近における磁界を説明する。なお、図7は、説明の便宜のために磁束を模式的にしめしている。
図7を用いて、主磁石30A及び補助磁石80付近における磁界を説明する。なお、図7は、説明の便宜のために磁束を模式的にしめしている。
主磁石30の磁束102は、概ね周方向C1に沿って延びる。補助磁石80の磁束103は、概ね径方向外側に延びている。
ここで、主磁石30A及び補助磁石80には、固定子2からの逆磁界が作用する。具体的には、固定子2からの磁束101が、径方向内側に延びており、主磁石30Aと補助磁石80にも入っている。特に、磁束101のうち主磁石30Aの径方向外側端(固定子2に最も近い部分)に、最も大きな反磁界(図7の磁束101A)が印加されるので、従来であれば、主磁石30の径方向外側端部の領域X1において磁束密度が低下しやすい。しかし、本実施形態では、主磁石30Aの径方向外側端部に高保磁力の第1主磁石71Aが配置されているので、固定子2からの磁束101Aに起因する減磁を抑えることができる。
一方、主磁石30Aの磁束102のうち径方向内側の磁束102Aは、補助磁石80の径方向内側端に入り、さらに回りこむように延びており、そのため補助磁石80の磁束103と逆方向に作用する。この場合に前述の磁束102Aによって、補助磁石80の径方向内側端部の領域Y1において磁束密度が低下することが想定される。しかし、本実施形態では、補助磁石80の径方向内側端部に高保磁力の第1補助磁石81が配置されているので、主磁石30からの磁束102Aに起因する減磁を抑えることができる。
上記のように回転子鉄心20の内径側部分に補助磁石80を配置し、主磁石30の外径側を高保磁力・低残留磁束密度の第1主磁石71Aとし、補助磁石80の内径側を高保磁力・低残留磁束密度の第1補助磁石81とすることで、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。つまり、単一成分の磁石材料からなる永久磁石に比べ、永久磁石の体積を小さくすることが可能となり、電動機1の小型化、高出力化を図ることが可能になる。
また、本実施形態のような構造では、図7に示すよう、補助磁石80の磁束103のうちの磁束103Aが主磁石30Aの径方向中間部分に回り込むように入ることで、主磁石30の径方向中間部分の領域Z1において磁束密度が低下することが想定される。それに対して、本実施形態では、主磁石30Aの径方向中間部に中保磁力の第3主磁石73Aを配置しているので、補助磁石80の逆磁界に起因する減磁が生じにくい。
第2主磁石72Aの径方向長さL1は、補助磁石配置穴120の径方向長さL2よりも長い。したがって、中保磁力の第3主磁石73Aの径方向長さを短く、つまり体積を減らすことができ、その結果、高残留磁束密度の第2主磁石72Aの径方向長さを長く、つまり体積を増やすことができるので、回転子10Aの総磁束を最大限にできる。なお、第2主磁石72Aの径方向長さL1を補助磁石配置穴120の径方向長さL2よりも長くすることで、第3主磁石73Aの径方向内側縁が補助磁石配置穴120の径方向外側縁よりも径方向外側に配置されている。ただし、主磁石30Aの内径側部分において補助磁石80の径方向と外側縁と同じ径方向位置より径方向内側の部分には、補助磁石80の磁束103は逆向きにはあまり又はほとんど作用しないので、上記のように第3主磁石73Aの径方向位置を設定しても問題は生じにくい。
(3)効果
上記実施形態では、主磁石30Aにおいて軸心A0と反対側を高保磁力の第1主磁石71Aとし、補助磁石80において軸心A0側を高保磁力の第1補助磁石81とすることで、回転子10において減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
上記実施形態では、主磁石30Aにおいて軸心A0と反対側を高保磁力の第1主磁石71Aとし、補助磁石80において軸心A0側を高保磁力の第1補助磁石81とすることで、回転子10において減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
上記実施形態では、さらに、主磁石30Aの径方向中間部に中保磁力の第3主磁石73Aを配置することで、補助磁石80の逆磁界に起因する減磁が生じにくい。さらに、第2主磁石72Aの径方向長さL1が補助磁石配置穴120の径方向長さL2よりも長くなっているので、中保磁力材の使用量は極力減らして、回転子10の総磁束を最大限にできる。
(変形例)
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(1)電動機の変形例
第1実施形態及び第2実施形態はインナーロータ型の電動機を対象にしていたが、本開示はアウターロータ型の電動機にも適用できる。
第1実施形態及び第2実施形態はインナーロータ型の電動機を対象にしていたが、本開示はアウターロータ型の電動機にも適用できる。
第1実施形態及び第2実施形態はIPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)を対象にしていたが、本開示はSPMモータ(Surface Permanent Magnet Motor)にも適用できる。
回転子鉄心は、粉状の磁性体を加圧成形してなる圧粉材を主な構成要素とする圧粉コアであってもよい。
(2)磁石配置穴の変形例
磁石配置穴及び永久磁石の形状、数、位置は限定されない。永久磁石の形状は、平面視半径方向長さが短い矩形形状でもよい。
磁石配置穴及び永久磁石の形状、数、位置は限定されない。永久磁石の形状は、平面視半径方向長さが短い矩形形状でもよい。
(3)磁石の変形例
第1実施形態では、第1主磁石は第2主磁石よりも残留磁束密度が低かった。しかし、両者は第1実施形態に記載の保磁力の高低関係が得られる複数の磁石材料により形成されていればよい。そのため、例えば、各磁石材料間で残留磁束密度が一致していてもよい。第1補助磁石と第2補助磁石の場合も同様である。
第1実施形態では、第1主磁石は第2主磁石よりも残留磁束密度が低かった。しかし、両者は第1実施形態に記載の保磁力の高低関係が得られる複数の磁石材料により形成されていればよい。そのため、例えば、各磁石材料間で残留磁束密度が一致していてもよい。第1補助磁石と第2補助磁石の場合も同様である。
第2実施形態では、第1主磁石、第3主磁石、第2主磁石の順番で残留磁束密度が低かった。しかし、三者は第2実施形態に記載の保磁力の高低関係が得られる複数の磁石材料より形成されていればよい。そのため、例えば、各磁石材料間で残留磁束密度が一致していてもよい。
主磁石及び補助磁石に採用される永久磁石の例として、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、プラセオジム磁石、サマリウム鉄窒素磁石、白金磁石、セリウムコバルト磁石等が挙げられる。
主磁石及び補助磁石は、硬磁性材料の磁石粉末を樹脂やゴム等の結合剤と混合・混錬し、成形するボンド磁石であってもよいし、磁石粉末を高温で焼き固めた焼結磁石であってもよい。
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
本明細書には、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る回転子(10、10A)は、回転子鉄心(20、20A)と、第1主磁石(71、71A)と、第2主磁石(72、72A)と、第1補助磁石(81)と、第2補助磁石(82)と、を備えている。回転子鉄心(20、20A)は、主磁石配置穴(110)及び補助磁石配置穴(120)を有する。第1主磁石(71、71A)は、主磁石配置穴(110)に配置されている。第2主磁石(72、72A)は、主磁石配置穴(110)において第1主磁石(71、71A)に対して回転子鉄心(20、20A)の回転中心(A0)側に配置されている。第1補助磁石(81)は、補助磁石配置穴(120)に配置されている。第2補助磁石(82)は、補助磁石配置穴(120)において第1補助磁石(81)に対して回転中心(A0)側と反対側に配置されている。第1主磁石(71、71A)は、第2主磁石(72、72A)よりも保磁力が高い。第1補助磁石(81)は、第2補助磁石(82)よりも保磁力が高い。
この態様によれば、主磁石(30)において回転中心(A0)と反対側を高保磁力の第1主磁石(71、71A)とし、補助磁石(80)において回転中心(A0)側を高保磁力の第1補助磁石(81)とすることで、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第2の態様に係る回転子(10、10A)では、第1の態様において、第1主磁石(71、71A)は、第2主磁石(72、72A)よりも残留磁束密度が低い。第1補助磁石(81)は、第2補助磁石(82)よりも残留磁束密度が低い。
この態様によれば、第2主磁石(72、72A)の残留磁束密度が第1主磁石(71、71A)の残留磁束密度よりも高く、及び第2補助磁石(82)の残留磁束密度が第1補助磁石(81)の残留磁束密度よりも高い。したがって、主磁石(30)全体について高い磁力が得られ、補助磁石(80)全体について高い磁力が得られる。
第3の態様に係る回転子(10、10A)では、第1又は第2の態様において、第2補助磁石(82)の重希土類元素量の重量パーセント濃度は、第1補助磁石(81)の重希土類元素量の重量パーセント濃度よりも少ない。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第4の態様に係る回転子(10、10A)では、第3の態様において、第2補助磁石(82)に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度に対する第1補助磁石(81)に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度の比は、2以上50以下である。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第5の態様に係る回転子(10、10A)では、第3又は第4の態様において、第2補助磁石(82)に含まれる重希土類元素量は0.2wt%以下である。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第6の態様に係る回転子(10、10A)では、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、第2主磁石(72、72A)の重希土類元素量の重量パーセント濃度は、第1主磁石(71、71A)の重希土類元素量の重量パーセント濃度よりも少ない。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第7の態様に係る回転子(10、10A)では、第6の態様において、第2主磁石(72、72A)に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度に対する第1主磁石(71、71A)に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度の比は、2以上50以下である。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第8の態様に係る回転子(10、10A)では、第6又は第7の態様において、第2主磁石(72、72A)に含まれる重希土類元素量は0.2wt%以下である。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第9の態様に係る回転子(10、10A)では、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、回転子鉄心(20、20A)の軸心方向(A1)及び回転方向(C1)と直交する方向において、補助磁石配置穴(120)の長さは、主磁石配置穴(110)の長さよりも短い。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第10の態様に係る回転子(10、10A)では、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、補助磁石配置穴(120)の開口面積は、主磁石配置穴(110)の開口面積よりも小さい。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第11の態様に係る回転子(10)では、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、第1主磁石(71)及び第2主磁石(72)は互いに接着されている。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第12の態様に係る回転子(10、10A)は、第1~第11の態様のいずれか1つにおいて、第1主磁石(71、71A)及び第2主磁石(72、71A)の表面に設けられた被膜を更に備える。
この態様によれば、主磁石(30)の耐食性を向上できる。
第13の態様に係る回転子(10A)は、第1~第12の態様のいずれか1つにおいて、主磁石配置穴(110)において、第1主磁石(71A)と第2主磁石(72A)との間に配置された第3主磁石(73A)を更に備えている。第3主磁石(73A)は、第1主磁石(71A)よりも保磁力が低く、かつ、第2主磁石(72A)よりも保磁力が高い。回転子鉄心(20A)の軸心方向(A1)及び回転方向(C1)と直交する方向において、第2主磁石(72A)の長さ(L1)は、補助磁石配置穴(120)の長さ(L2)よりも長い。
この態様によれば、主磁石(30A)の第1磁石(71A)と第2主磁石(72A)の間に中保磁力の第3主磁石(73A)を配置することで、補助磁石(80)の逆磁界に起因する減磁が生じにくい。さらに、回転子鉄心(20A)の軸心方向(A1)及び回転方向(C1)と直交する方向において、第2主磁石(72A)の長さ(L1)が補助磁石配置穴(120)よりも長くなっているので、中保磁力材の使用量は極力減らして、回転子(10)の総磁束を最大限にできる。
第14の態様に係る回転子(10、10A)では、第1~第13の態様のいずれか1つにおいて、主磁石配置穴(110)及び補助磁石配置穴(120)は、各々、回転方向(C1)に並んで複数設けられている。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
第15の態様に係る回転子(10、10A)では、第1~第14の態様のいずれか1つにおいて、補助磁石配置穴(110)は、回転子鉄心(20)の回転中心(A0)側部分に設けられている。
この態様によれば、減磁を抑制して総磁束量を向上させることができる。
第16の態様に係る電動機(1)は、第1~第15の態様のいずれか1つに係る回転子(10、10A)と、固定子(2)と、を備える。
この態様によれば、減磁を抑制しつつ総磁束量を向上させることができる。
1 :電動機
2 :固定子
10 :回転子
20 :回転子鉄心
40 :回転軸
71 :第1主磁石
71A :第1主磁石
72 :第2主磁石
72A :第2主磁石
73A :第3主磁石
81 :第1補助磁石
82 :第2補助磁石
110 :主磁石配置穴
120 :補助磁石配置穴
2 :固定子
10 :回転子
20 :回転子鉄心
40 :回転軸
71 :第1主磁石
71A :第1主磁石
72 :第2主磁石
72A :第2主磁石
73A :第3主磁石
81 :第1補助磁石
82 :第2補助磁石
110 :主磁石配置穴
120 :補助磁石配置穴
Claims (16)
- 主磁石配置穴及び補助磁石配置穴を有する回転子鉄心と、
前記主磁石配置穴に配置されている第1主磁石と、
前記主磁石配置穴において前記第1主磁石に対して前記回転子鉄心の回転中心側に配置されている第2主磁石と、
前記補助磁石配置穴に配置されている第1補助磁石と、
前記補助磁石配置穴において前記第1補助磁石に対して前記回転中心側と反対側に配置されている第2補助磁石と、
を備え、
前記第1主磁石は、前記第2主磁石よりも保磁力が高く、
前記第1補助磁石は、前記第2補助磁石よりも保磁力が高い、
回転子。 - 前記第1主磁石は、前記第2主磁石よりも残留磁束密度が低く、
前記第1補助磁石は、前記第2補助磁石よりも残留磁束密度が低い、
請求項1に記載の回転子。 - 前記第2補助磁石の重希土類元素量の重量パーセント濃度は、前記第1補助磁石の重希土類元素量の重量パーセント濃度よりも少ない、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記第2補助磁石に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度に対する前記第1補助磁石に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度の比は、2以上50以下である、
請求項3に記載の回転子。 - 前記第2補助磁石に含まれる重希土類元素量は0.2wt%以下である、
請求項3に記載の回転子。 - 前記第2主磁石の重希土類元素量の重量パーセント濃度は、前記第1主磁石の重希土類元素量の重量パーセント濃度よりも少ない、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記第2主磁石に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度に対する前記第1主磁石に含まれる重希土類元素量の重量パーセント濃度の比は、2以上50以下である、
請求項6に記載の回転子。 - 前記第2主磁石に含まれる重希土類元素量は0.2wt%以下である、
請求項6に記載の回転子。 - 前記回転子鉄心の軸心方向及び回転方向と直交する方向において、前記補助磁石配置穴の長さは、前記主磁石配置穴の長さよりも短い、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記補助磁石配置穴の開口面積は、前記主磁石配置穴の開口面積よりも小さい、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記第1主磁石及び前記第2主磁石は互いに接着されている、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記第1主磁石及び前記第2主磁石の表面に設けられた被膜を更に備える、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記主磁石配置穴において、前記第1主磁石と前記第2主磁石との間に配置された第3主磁石を更に備え、
前記第3主磁石は、前記第1主磁石よりも保磁力が低く、かつ、前記第2主磁石よりも保磁力が高く、
前記回転子鉄心の軸心方向及び回転方向と直交する方向において、前記第2主磁石の長さは、前記補助磁石配置穴の長さよりも長い、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記主磁石配置穴及び前記補助磁石配置穴は、各々、回転方向に並んで複数設けられている、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 前記補助磁石配置穴は、前記回転子鉄心の回転中心側部分に設けられている、
請求項1又は2に記載の回転子。 - 請求項1又は2に記載の回転子と、
固定子と、
を備える、
電動機。
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