JP2023166216A - 既設管更生方法 - Google Patents

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【課題】浮上防止工の構造が簡易であっても、裏込め材の注入によって更生管の連通口の周縁部が局所的に大きく変形されるのを抑制可能な既設管更生方法を提供する。【解決手段】枝管2との接続口2aを有する既設管1の内面に更生管3をライニングし、更生管3には接続口2aとの連通口3bを形成する。管間間隙4における周縁間環状隙間4cには弾性を有する閉塞部材20を設置することにより、周縁間環状隙間4cを塞ぐ。簡易構造の浮上防止工10を設置して、管間間隙4に裏込め材6を注入する。その後、閉塞部材20を撤去し、撤去後の周縁間環状隙間4cに隙間充填材8を充填する。【選択図】図2

Description

本発明は、老朽化した下水道管などの既設管の内面に更生管をライニングする更生方法に関し、特に、既設管と更生管との管間間隙に裏込め材を充填する既設管更生方法に関する。
老朽化した管路の更生工法として、既設管内周に更生管をライニングし、更生管外周面と既設管の内周面の間にセメントミルクやモルタルなどの裏込め材を充填する方法が広く知られている。裏込め材を充填する際は更生管に浮力がかかるため、管が浮上しないように浮上防止工を行う。例えば、特許文献1~3の浮上防止工においては、更生管の底部に管軸方向へ延びる底部腹起しを設ける。底部腹起しの上には、複数の柱状の突張部材を互いに管軸方向へ間隔を置いて立設する、各突張部材の上端部を、更生管の頂部を貫通させて、既設管の頂部に突き当て、ジャッキによって突っ張らせる。これによって、更生管の底部が浮き上がるのを阻止できる。
特開2019-183632号公報 特開2021-067057号公報 特開2021-188293号公報
前掲特許文献1~3に開示された浮上防止工は、構造が簡素であり短時間で容易に設置及び撤去でき、作業性が良好である。一方、構造が簡易化されているため、更生管の剛性や浮力の掛かり方によっては、更生管の底部より上側部分が変形され得る。特に、更生管がライニング部材の連結によって管状に成形された構造である場合、ライニング部材自体の剛性が高くても連結部分が伸び変形可能であるため、更生管の変位量が大きくなる。このため、更生管に既設管の取付管口(枝管との接続口)と連なる連通口が形成されている場合、連通口の形状ひいては更生管の美観が損なわれやすい。
詳しくは、既設管の取付管口(枝管との接続口)の周縁部と、更生管の連通口の周縁部との間の周縁間環状隙間には、充填時の裏込め材が連通口から更生管内へ漏洩しないように、粘土セメントや急結セメント等のシール材が設けられる。裏込め材の充填時には、更生管が全体的に浮力を受けて変形しようとするが、更生管における連通口の周縁部は、硬化したシール材によって拘束されて変位しない。これにより、更生管における連通口の周縁部と、更にその周辺部とで凹凸差が発生し、連通口の周縁部が局所的に更生管の内側へ向かって突出するように変形される。
本発明はかかる事情に鑑みて、浮上防止工の構造が簡易であっても、裏込め材の注入によって更生管の連通口の周縁部が局所的に大きく変形されるのを抑制することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明方法は、枝管との接続口を有する既設管の内面に更生管をライニングし、前記更生管には前記接続口との連通口を形成するとともに、底部腹起し及び突張部材を含む浮上防止工を設置して、前記更生管と前記既設管との間の管間間隙に裏込め材を注入する既設管更生方法において、
前記裏込め材の注入前に、前記管間間隙における前記接続口の周縁部と前記連通口の周縁部との間の周縁間環状隙間に弾性を有する閉塞部材を設置することにより、前記周縁間環状隙間を塞ぐ工程と、
前記裏込め材の注入後、前記閉塞部材を撤去する工程と、
前記撤去後の周縁間環状隙間に隙間充填材を充填する工程と
を備えたことを特徴とする。
前記閉塞部材により周縁間環状隙間を塞いでおくことによって、裏込め材が連通口から更生管内へ漏れるのが防止される。
前記閉塞部材は、弾性変形可能であり、連通口の周縁部を拘束せず、連通口の周縁部の変位を許容している。したがって、裏込め材の注入時の浮力によって更生管が変形された場合、閉塞部材の弾性変形によって、連通口の周縁部についても、更にその周辺部と共に変位される。これにより、更生管における連通口の周縁部と、更にその周辺部とで凹凸差が発生するのが抑えられ、連通口の周縁部が局所的に大きく変形されるのが抑制される。この結果、連通口の形状が損なわれるのを回避でき、更生管の美観を確保できる。
裏込め材の硬化後、閉塞部材を撤去し、周縁間環状隙間に隙間充填材を充填して仕上げることによって、下水などの流体が、枝管から更生管へスムーズに流れるようにできる。閉塞部材を撤去することで、閉塞部材が施工後の更生管の性能に影響を及ぼすことはない。
浮上防止工としては、底部腹起し及び突張部材からなる簡易な構造とすることによって、短時間で設置及び撤去でき、作業性が良好である。
好ましくは、前記閉塞部材として、低吸水性の弾性材を用いる。これによって、モルタル等の裏込め材の水分が閉塞部材内に染み入るのを抑制でき、ひいては、裏込め材と閉塞部材とが一体化されるのを防止できる。したがって、裏込め材の硬化後、閉塞部材を容易に撤去できる。
好ましくは、前記閉塞部材として、独立気泡の軟質発泡樹脂材を用いる。これによって、閉塞部材を低吸水性にできる。さらには、裏込め材に対する不透過性を確保できる。
好ましくは、前記閉塞部材として、前記周縁間環状隙間の周長以上の長さの四角形断面の長尺弾性部材を用い、前記設置の際に、前記長尺弾性部材を前記周縁間環状隙間の周方向に少なくとも一周巻く。これによって、周縁間環状隙間を全周にわたって確実に塞くことができ、裏込め材の漏れを防止できる。長尺弾性部材の断面形状を四角形とすることによって、長尺弾性部材の既設管又は更生管との接触面積を大きくでき、周縁間環状隙間に長尺弾性部材を安定的に設置できる。
好ましくは、前記長尺弾性部材の両端部が先細であり、前記周縁間環状隙間に沿って一周させた前記長尺弾性部材の両端部どうしを重ね合わせる。
好ましくは、前記長尺弾性部材の両端面が長手方向に対して斜めになっており、これら両端面どうしを重ね合わせる。
前記更生管の外周に凹凸が形成されている場合、好ましくは、前記連通口の周縁部における凹の部分に平坦化充填材を充填した後、前記閉塞部材の設置を行なう。したがって、連通口の周縁部を平坦化したうえで、その平坦化された連通口の周縁部に閉塞部材を重ねることができる。これによって、閉塞部材と連通口の周縁部との間に隙間が出来るのを防止でき、裏込め材が漏れるリスクを抑制することができる。
平坦化充填材としては、セメント系材料等が挙げられる。
前記更生管の外周の凹凸構造として、例えば、前記更生管を構成するライニング部材が外周へ突出する複数条のリブを有する異形断面に形成されており、各リブが、前記凹凸における凸の部分を構成し、隣接するリブ間の溝が、前記凹凸における凹の部分を構成する。
好ましくは、前記裏込め材の注入に際して、前記更生管内に第2突張部材を架け渡し、前記第2突張部材の先端部の押え部材を、前記更生管の内側から前記連通口の周縁部に宛がう。第2突張部材によって、更生管の連通口の周縁部を介して、閉塞部材を管径方向の外側へ押圧することで、閉塞部材を既設管の接続口の周縁部と更生管の連通口の周縁部とによって挟み付ける。これによって、裏込め材の充填時の圧力が閉塞部材にかかっても、閉塞部材が周縁間環状隙間から抜け出るのを防止でき、裏込め材が漏れ出るリスクを抑制することができる。
好ましくは、前記裏込め材の注入に際して、前記周縁間環状隙間の内周に沿って中空環状のパッカーを設ける。これにより、前記周縁間環状隙間内に設置された前記閉塞部材を、内側から前記パッカーによって押えることができ、裏込め材の充填時の圧力が閉塞部材にかかっても、閉塞部材が周縁間環状隙間から抜け出るのを防止でき、裏込め材が漏れ出るリスクを抑制することができる。
本発明によれば、浮上防止工の構造が簡易であっても、裏込め材の注入によって更生管の連通口の周縁部が局所的に大きく変形されるのを抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る更生施工中の既設管及び更生管を、連通口と正対する側から見た側面図である。 図2は、前記更生施工中の既設管及び更生管を裏込め工程前の状態で示す正面断面図である。 図3(a)は、前記更生管及び既設管における図1のIII-III線に沿う断面を平坦化工程で示す断面図である。図3(b)は、前記断面を閉塞工程で示す断面図である。図3(c)は、前記断面を裏込め工程で示す断面図である。 図4(a)は、図2の円部IVaを拡大して示す断面図である。図4(b)は、同図(a)の部分において前記更生管の上側部分が裏込めによって変位した状態を示す断面図である。 図5は、図1に現れた閉塞部材を構成する長尺弾性部材を初期状態で示す斜視図である。 図6(a)は、図4(a)に示す部分を撤去工程で示す断面図である。図6(b)は、図4(a)に示す部分を仕上げ工程で示す断面図である。 図7は、本発明の第2実施形態を示し、長尺弾性部材の斜視図である。 図8(a)は、前記第2実施形態の長尺弾性部材による閉塞工程中の更生管を連通口と正対する側から見た側面図である。図8(b)は、前記第2実施形態の閉塞工程後の更生管を連通口と正対する側から見た側面図である。 図9は、本発明の第3実施形態を示し、更生施工中の既設管及び更生管の正面断面図である。 図10は、本発明の第4実施形態を示し、更生施工中の既設管及び更生管の正面断面図である。 図11は、前記第4実施形態における更生管を連通口と正対する側から見た側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態(図1~図4)>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る更生対象の既設管1は、老朽化した下水道管の特に本管である。なお、更生対象は、下水道管に限らず、上水道管、農業用水管、水力発電導水管、ガス管等であってもよい。図2に示すように、下水道本管からなる既設管1の上半部には取付管2(枝管)が接続されている。図4(a)に示すように、取付管2の端部の取付管口2a(枝管との接続口)が、既設管1の内部に連なっている。取付管2の端面2e(接続口の周縁部)は、既設管1の内面と面一をなしている。
既設管1は、次のようにして更生される。
<ライニング工程>
図1及び図2に示すように、既設管1の内面に沿って合成樹脂製の更生管3がライニングされる。既設管1と更生管3と間には、環状の管間間隙4が形成される。
図1に示すように、更生管3は、合成樹脂製の帯状のライニング部材30(プロファイル)によって構成されている。図3(a)に示すように、ライニング部材30は、帯板部31と、帯板部31から外周側(図3(a)において上側)へ突出された複数条のリブ32と、帯板部31の両縁の雌雄の嵌合部33,34とを有する異形断面形状に形成されている。図1及び図3(a)に示すように、ライニング部材30が既設管1の内面に沿って螺旋状に巻回されるとともに一周違いの隣接する嵌合部33,34どうしが凹凸嵌合にて連結されることによって、螺旋管状の更生管3が製管される。更生管3の外周には、凹凸が螺旋状に形成されている。リブ32と、嵌合部33,34どうしの連結部分36とが、前記凹凸における凸の部分を構成している。隣接するリブ32どうし間又はリブと連結部分36どうし間の溝35が、前記凹凸における凹の部分を構成している。
なお、図3以外の図面においては、リブ32の図示ひいては前記凹凸の図示を省略する。
<連通口形成工程>
図1及び図2に示すように、更生管3における、取付管口2aと対面する箇所には、削孔によって連通口3bを形成する。これによって、取付管口2aが、連通口3bを介して更生管3の内部と連通される。管間間隙4における連通口3bの周りを囲む環状部分は、周縁間環状隙間4cを構成している。周縁間環状隙間4cは、取付管2の端面2e(接続口の周縁部)と、更生管3における連通口3bの周縁部3cとの間に画成されている。周縁間環状隙間4cの大きさ(取付管端面2eと連通口周縁部3cとの間隔)は、例えば10mm~100mm程度であるが、本発明はこれに限らない。
<平坦化工程>
続いて、図3(a)に示すように、更生管3の連通口周縁部3cにおける溝35(凹の部分)内に平坦化充填材38を充填する。これによって、連通口周縁部3cの外周を平坦化する。平坦化充填材38としては、例えばセメント系材料等を用いる。
<閉塞工程>
その後、図3(b)及び図4(a)に示すように、周縁間環状隙間4cに閉塞部材20を設置する。環状の閉塞部材20を連通口3bから周縁間環状隙間4cの全域に詰め込むことによって、周縁間環状隙間4cを塞ぐ。更生管3の外面は凸凹であっても、予め平坦化工程を施しておくことによって、閉塞部材20と連通口周縁部3cとの間に大きな隙間が出来るのを防止できる。
好ましくは、図4(a)に示すように、閉塞部材20の内周側部分22を連通口3bの内周より少しはみ出させておく。連通口3bの内周からの内周側部分22の突出量は、好ましくは数mm~十数mm程度、より好ましくは10mm程度である。
閉塞部材20としては、後記裏込め材6(図3(c))に対して不透過性を有する弾性材ないしは低吸水性の弾性材が用いられる。好ましくは、閉塞部材20として、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)スポンジ等の独立気泡の軟質発泡樹脂材が用いられる。閉塞部材20の硬度は、好ましくは20±5程度である。
図5に示すように、閉塞部材20は、例えば四角形断面の長尺弾性部材21からなる。四角形断面とすることによって、閉塞部材20の上面と既設管1との接触面積及び閉塞部材20の下面と更生管3との接触面積を大きくできる。したがって、閉塞部材20を周縁間環状隙間4cに安定的に設置できる。
長尺弾性部材21の長さは、周縁間環状隙間4cの周長以上である。図1に示すように、長尺弾性部材21を周縁間環状隙間4cの周方向に少なくとも一周巻く。これによって、周縁間環状隙間4cを全周にわたって確実に塞くことができる。長尺弾性部材21の厚さ(高さ寸法)は、例えば30mm~50mm程度である。長尺弾性部材21の厚さよりも周縁間環状隙間4cが大きい場合には、長尺弾性部材21を2巻き以上巻き重ねることによって周縁間環状隙間4cを埋めることが好ましい。1本の長尺弾性部材21の長さを周縁間環状隙間4cの周長の数倍にすることで、2巻き以上巻き重ねてもよく、複数本の長尺弾性部材21を互いに巻き重ねてもよい。設置時(後記裏込め前)の閉塞部材20は、圧縮変形される余裕を持った状態、すなわち非圧縮状態ないし弱圧縮状態ないし未圧縮限界状態であることが好ましい。
<浮上防止工工程>
続いて、図2に示すように、更生管3内に浮上防止工10を設置する。
浮上防止工10は、底部腹起し11及び複数の突張部材12を含む。底部腹起し11を更生管3の底部に設置する。底部腹起し11の長手方向は更生管3の管軸方向へ向ける。底部腹起し11の上には、複数の柱状の突張部材12を互いに管軸方向へ間隔を置いて鉛直に立設する。各突張部材12の底部のジャッキ13を底部腹起し11と係合させる。各突張部材12の上端部を、更生管3の頂部を貫通させて、既設管1の頂部に突き当てる。さらに、ジャッキ13によって、突張部材12を突っ張らせる。
浮上防止工10は、構造が簡素であり短時間で容易に設置でき、作業性が良好である。
<裏込め工程>
図3(c)及び図4(b)に示すように、その後、管間間隙4に裏込め材6を注入、充填する。
このとき、更生管3は裏込め材6から浮力を受ける。これに対し、浮上防止工10の抗力によって、更生管3の少なくとも底部が浮上するのを防止できる。一方、浮上防止工10が簡易な構造であるため、更生管3の剛性や浮力の掛かり方によっては、更生管3の底部より上側の部分3aの変形が起き得る。更生管3においては、ライニング部材30自体の剛性が高かったとしても、連結部分36が伸び変形可能であるため、裏込め材6からの浮力による変形量が大きくなる。これによって、図2の二点鎖線にて示すように、更生管3の底部より上側の部分3aが全体的に上方へ変位されようとする。
図2及び図4(b)に示すように、更生管上側部分3aは、連通口周縁部3cを含み、更にその周辺部3dを含む。周辺部3dは、閉塞部材20の外側に在り、閉塞部材20によって直接的に拘束されていないため、更生管上側部分3aの他の部分と一体に上方へ変位され得る。
連通口周縁部3cには閉塞部材20が被さっているものの、閉塞部材20は弾性変形(特に圧縮変形)可能である。したがって、閉塞部材20は、連通口周縁部3cを変形出来ないように拘束してはいない。このため、連通口周縁部3cについても、更にその周辺部3dと共に上方へ変位するのが許容される。これにより、更生管3における連通口周縁部3cと、更にその周辺部3dとで凹凸差が発生するのが抑えられ、連通口周縁部3cが局所的に大きく変形されるのを抑制することができる。
この結果、連通口3bの形状が損なわれるのを回避でき、更生管3の美観を確保できる。
仮に、閉塞部材が弾性変形不能であったとしたら、図4(b)の仮想線(二点鎖線)で示すように、更生管上側部分3aの上方への変位に伴い、相対的に連通口周縁部3cが更生管3の径方向内側へ突出するように変形されてしまい、連通口3bの形状が損なわれる。ひいては更生管3の美観が損なわれる。
図3(c)及び図4(b)に示すように、閉塞部材20は、連通口周縁部3cの変位に伴って圧縮される。
図4(b)に示すように、閉塞部材20により周縁間環状隙間4cを塞いでおくことによって、裏込め材6が連通口3bから更生管3内へ漏れるのが防止される。特に、前記平坦化工程により連通口周縁部3cの外周を平坦化しておくことによって、閉塞部材20と連通口周縁部3cとの間から裏込め材6が漏れるリスクを抑制することができる。
閉塞部材20として、裏込め材6に対して不透過性の弾性材を用いることによって、裏込め材6の漏洩を確実に防止できる。閉塞部材20として、低吸水性の弾性材を用いることによって、裏込め材6の水分が閉塞部材20内に染み入るのを防止できる。閉塞部材20として、独立気泡の発泡樹脂材を用いることによって、低吸水性ひいては裏込め材6に対する不透過性を確保できる。
<撤去工程>
裏込め材6の養生、硬化後、図6(a)に示すように、浮上防止工10及び閉塞部材20を撤去する。前記閉塞工程(図4(a))の際に、閉塞部材20の内周側部分22を連通口3bの内周より突出させておくことによって、該内周側部分22を摘まんで引き取ることによって、閉塞部材20を周縁間環状隙間4cから簡単に引く抜くことができる。
浮上防止工10は、構造が簡素であり短時間で容易に撤去でき、作業性が良好である。
閉塞部材20は低吸水性であり、裏込め材6の水分が殆ど染み込んでいないから、閉塞部材20が硬化した裏込め材6と一体化されるのを防止できる。したがって、閉塞部材20を容易に撤去できる。
<仕上げ工程>
図6(b)に示すように、撤去後の周縁間環状隙間4cにモルタル等の隙間充填材8(仕上げ材)を充填して仕上げる。これによって、取付管2からの下水等の流体が、更生管3へスムーズに流れるようにできる。閉塞部材20は撤去されているため、閉塞部材20が施工後の更生管3の性能に影響を及ぼすことはない。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態(図7~図8)>
図7に示すように、本発明の第2実施形態においては、閉塞部材20を構成する長尺弾性部材21Bの両端面21e,21fが長手方向に対して斜めになっている。したがって、長尺弾性部材21Bの両端部が先細になっている。
図8(a)に示すように、第2実施形態の閉塞工程においては、長尺弾性部材21Bの一端面21eを連通口3b側へ向けて周縁間環状隙間4c内に収容するとともに、長尺弾性部材21Bを長手方向に沿って順次、周縁間環状隙間4cに挿し入れていく。
長尺弾性部材21Bを周縁間環状隙間4cに沿って一周させたら、反対側の端面21fを一端面21eへ向けて押し込むことで、これら端面21e,21fどうしを重ね合わせる。これによって、長尺弾性部材21Bの両端部どうしをぴったりと重ね合わせることができ、これら両端部どうし間から裏込め材6が漏れるのを抑制できる。
<第3実施形態(図9)>
図9に示すように、本発明の第3実施形態においては、裏込め材6の注入に際して、第2突張部材40を用意する。第2突張部材40は、突張棒41と、ジャッキ42と、押え部材43を含む。単管状の突張棒41の先端部に、ジャッキ42を介して押え部材43が設けられている。押え部材43は、更生管3の内周に沿うように湾曲された板状に形成されている。押え部材43の面積は、連通口3bの面積より大きい。
更生管3内に第2突張部材40を架け渡し、押え部材43を更生管3の内側から連通口周縁部3cに宛がう。突張棒41の基端部は、更生管3における連通口3bの180度反対側の部分に突き当てるか、又は該部分を貫通させて既設管1に突き当てる。さらに、ジャッキ42によって、連通口周縁部3cを介して、閉塞部材20を管径方向の外側へ押圧する。これにより、閉塞部材20が、取付管2の端面2e(接続口の周縁部)と更生管3の連通口周縁部5cとによって挟み付けられ、裏込め材6の充填時の圧力が閉塞部材20にかかっても、閉塞部材20が周縁間環状隙間4cから抜け出るのを防止できる。したがって、裏込め材6が漏れ出るリスクを抑制することができる。
裏込め材6からの浮力によって更生管3の上側部分3aが上方へ変位するときは、それに追随してジャッキ42を伸ばし、押え部材43が常時、連通口周縁部3cに適度な押圧力で当たるようにすることが好ましい。
<第4実施形態(図10~図11)>
図10及び図11に示すように、本発明の第4実施形態においては、裏込め材6の注入に際して、周縁間環状隙間4cの内周に沿ってパッカー50を設ける。パッカー50は、中心穴51を有する中空環状に形成されている。パッカー50の外周面が、環状の閉塞部材20の内周面に押し当てられる。これにより、閉塞部材20を径方向の内側から押えることができる。したがって、裏込め材6の充填時の圧力が閉塞部材20にかかっても、閉塞部材20が周縁間環状隙間4cから抜け出るのを防止できる。これによって、裏込め材6が漏れ出るリスクを抑制することができる。
下水道の供用中であっても、取付管2からの下水などの流体が、パッカー50の中心穴51を通して更生管3内へ流入することができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、更生管3は、異形断面の帯状のライニング部材30で構成されるのに限らず、外周面及び内周面が滑らかなチューブ状部材によって構成されていてもよい。この場合、平坦化工程を省略できる。
浮上防止工10の設置工程を、連通口3bの形成工程の前に行ってもよく、連通口3bの形成工程と併行して行ってもよい。
閉塞部材20の設置工程は、連通口3bの形成後、裏込め工程の前に行えばよく、浮上防止工10の設置工程と併行して行ってもよく、浮上防止工10の設置工程の後に行ってもよい。
閉塞部材として、長尺弾性部材に代えて、継ぎ目の無い閉環状の弾性部材を用いてもよい。
本発明は、例えば老朽化した下水道管の補修に適用できる。
1 下水道本管(既設管)
2 取付管(枝管)
2a 取付管口(接続口)
2e 端面(接続口の周縁部)
3 更生管
3a 底部より上側部分
3b 連通口
3c 連通口周縁部
3d 更にその周辺部
4 管間間隙
4c 周縁間環状隙間
6 裏込め材
8 隙間充填材(仕上げ材)
10 浮上防止工
11 底部腹起し
12 突張部材
13 ジャッキ
20 閉塞部材
21,21B 長尺弾性部材
30 ライニング部材
31 帯板部
32 リブ(凸の部分)
33 雌嵌合部
34 雄嵌合部
35 溝(凹の部分)
36 連結部分
38 平坦化充填材
40 第2突張部材
41 突張棒
42 ジャッキ
43 押え部材
50 パッカー
51 中心穴

Claims (8)

  1. 枝管との接続口を有する既設管の内面に更生管をライニングし、前記更生管には前記接続口との連通口を形成するとともに、底部腹起し及び突張部材を含む浮上防止工を設置して、前記更生管と前記既設管との間の管間間隙に裏込め材を注入する既設管更生方法において、
    前記裏込め材の注入前に、前記管間間隙における前記接続口の周縁部と前記連通口の周縁部との間の周縁間環状隙間に弾性を有する閉塞部材を設置することにより、前記周縁間環状隙間を塞ぐ工程と、
    前記裏込め材の注入後、前記閉塞部材を撤去する工程と、
    前記撤去後の周縁間環状隙間に隙間充填材を充填する工程と
    を備えたことを特徴とする既設管更生方法。
  2. 前記閉塞部材として、独立気泡の軟質発泡樹脂材を用いることを特徴とする請求項1に記載の既設管更生方法。
  3. 前記閉塞部材として、前記周縁間環状隙間の周長以上の長さの四角形断面の長尺弾性部材を用い、前記設置の際に、前記長尺弾性部材を前記周縁間環状隙間の周方向に少なくとも一周巻くことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管更生方法。
  4. 前記長尺弾性部材の両端部が先細であり、前記周縁間環状隙間に沿って一周させた前記長尺弾性部材の両端部どうしを重ね合わせることを特徴とする請求項3に記載の既設管更生方法。
  5. 前記長尺弾性部材の両端面が長手方向に対して斜めになっており、これら両端面どうしを重ね合わせることを特徴とする請求項4に記載の既設管更生方法。
  6. 前記更生管の外周には凹凸が形成されており、前記連通口の周縁部における凹の部分に平坦化充填材を充填した後、前記閉塞部材の設置を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管更生方法。
  7. 前記裏込め材の注入に際して、前記更生管内に第2突張部材を架け渡し、前記第2突張部材の先端部の押え部材を、前記更生管の内側から前記連通口の周縁部に宛がうことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管更生方法。
  8. 前記裏込め材の注入に際して、前記周縁間環状隙間の内周に沿って中空環状のパッカーを設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管更生方法。
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