JP2023165985A - スプーフィング検出および阻止 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプーフィング検出および阻止の提供。【解決手段】アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、信号のセット内の疑わしい信号を識別することと、信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含み、サブセットが有効なGNSS衛星信号の最小数を満たし、疑わしい信号を含んでいないという判定に従って、有効なGNSS衛星信号のサブセットに基づいて、GNSSデバイスのおおよその位置を計算することとを含む、スプーフィング検出および阻止を実施するためのシステムおよび方法。【選択図】図6

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、その全内容が、あらゆる目的のために、本明細書に参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年11月20日に出願され、「SPOOF DETECTION AND REJECTION」と題された、米国仮出願第62/588,828号の優先権を主張する。
(分野)
本開示は、全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスに関し、より具体的には、偽信号が受信されるときにGNSSデバイスを使用して正確な測位を判定することに関する。
(背景)
GPSまたはGLONASS(以降、集合的に「GNSS」と称される)等の全地球ナビゲーション衛星システムを使用するナビゲーション受信機は、受信機の位置の高度に正確な判定を可能にする。しかしながら、正確度は、位置が、位置およびある場合には時間における誤った場所をもたらす、スプーフィングされた衛星信号に基づいて判定されると、損なわれ得る。
(要約)
下記に、スプーフィング検出および阻止を実施するための種々の実施形態が、説明される。いくつかの実施形態では、スプーフィング信号を検出および阻止するための方法は、アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、信号のセット内の疑わしい信号を識別することと、信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含み、サブセットが有効なGNSS衛星信号の最小数を満たし、疑わしい信号を含んでいないという判定に従って、有効なGNSS衛星信号のサブセットに基づいて、GNSSデバイスのおおよその位置を計算することとを含む。
本実施形態の種々の実施例が、検討される。いくつかの実施例では、本方法は、おおよその位置に基づいて、疑わしい信号が有効化されるかどうかを判定することと、有効化された信号に基づいて、GNSSデバイスの精密な位置を計算することとを含む。いくつかの実施例では、有効なGNSS衛星信号の最小数は、4つの有効なGNSS衛星信号である。いくつかの実施例では、本方法は、信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含んでいないという判定に従って、スプーフィング信号が検出されている警告を発することと、スプーフィングが検出されているスプーフィングされたエリアから外へナビゲートするためのガイダンスを提供することとを含む。
いくつかの実施例では、疑わしい信号を識別することは、1つを上回るピークを有する信号を識別すること、アルマナックデータに基づいて、GNSSデバイスによって受信されるはずではない信号を識別すること、最大信号対雑音比(SNR)を超える、または他の検出されるSNRと一貫しないSNRを有する信号を識別すること、類似するSNRを有する複数の信号内のある信号を識別することであって、複数の信号は、異なる擬似ランダム雑音(PRN)コードと関連付けられる、こと、完全な多周波数信号を発生させない衛星と関連付けられる信号を識別すること、C/Aコード信号である信号を識別すること、ならびに/もしくは最大信号電力または閾値背景雑音レベルを超える信号電力を有する信号を識別することを含む。
いくつかの実施例では、本方法は、GNSS衛星信号エネルギーが最小レベルに到達する方向を検出することによって、疑わしい信号の源の方向を判定することを含む。信号のセットが、アンテナが第1の配向にある間に、アンテナを介してGNSSデバイスにおいて受信されるいくつかの実施例では、本方法は、アンテナが第1の配向と異なる第2の配向にある間に、アンテナを介してGNSSデバイスにおいて信号の第2のセットを受信することと、信号のセットおよび信号の第2のセットに基づいて、疑わしい信号の源の方向を判定することとを含む。
さらに、いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、複数の衛星から複数の信号を受信するための複数のチャネルを含み、本方法は、複数の衛星の衛星毎に、衛星と関連付けられるPRNコードを使用して、複数のチャネルからの複数のチャネルを衛星に割り当てることと、複数のチャネルにおいて、信号のセットを受信することであって、信号のセットの各信号は、その源衛星と関連付けられるPRNコードを含む、こととを含む。いくつかの実施例では、有効なGNSS信号のサブセットは、GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou、QZSS、SBAS、およびIRNSSナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つから受信される信号を含む。いくつかの実施例では、本方法は、GNSSデバイスと関連付けられるユーザ入力デバイスにおいて、手動で入力されたおおよその位置を受信することと、手動で入力されたおおよその位置に基づいて、信号のセットがスプーフィング信号を含むかどうかを判定することとを含む。
いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプログラムを記憶する。1つ以上のプログラムは、アンテナを有するGNSSデバイスデバイスによって実行されると、本デバイスに、本明細書に説明される方法のいずれかを実施させる命令を含む。
いくつかの実施形態では、GNSSデバイスは、アンテナと、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプログラムであって、1つ以上のプログラムは、メモリ内に記憶され、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、本明細書に説明される方法のいずれかを実施するための命令を含む、1つ以上のプログラムとを含む。
いくつかの実施形態では、GNSSデバイスは、本明細書に説明される方法のいずれかを実施するための手段を含む。
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、信号のセットが疑わしい信号を含むかどうかを判定することであって、判定は、以下の属性:(a)信号が1つを上回る相関ピークを含有すること、(b)信号がアルマナックデータに基づいて受信されるはずではないこと、(c)信号が所定の信号対雑音比を超えること、(d)信号が所定の信号電力を超えること、または(e)信号が所定の雑音レベルを超えることのうちの1つ以上に基づく、ことと、信号のセットが疑わしい信号を含むという判定に従って、GNSSデバイスにおいて、疑わしい信号が受信されたというインジケーションを出力することとを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
スプーフィング信号を検出および阻止するための方法であって、
アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、
前記信号のセット内の疑わしい信号を識別することと、
前記信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含み、前記サブセットが有効なGNSS衛星信号の最小数を満たし、前記疑わしい信号を含んでいないという判定に従って、前記有効なGNSS衛星信号のサブセットに基づいて、前記GNSSデバイスのおおよその位置を計算することと
を含む、方法。
(項目2)
前記おおよその位置に基づいて、前記疑わしい信号が有効化されるかどうかを判定することと、
前記有効化された信号に基づいて、前記GNSSデバイスの精密な位置を計算することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
さらに、前記有効なGNSS衛星信号の最小数は、4つの有効なGNSS衛星信号である、項目1-2のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記信号のセットが前記有効なGNSS衛星信号のサブセットを含んでいないという判定に従って、
スプーフィング信号が検出されている警告を発することと、
前記スプーフィングが検出されているスプーフィングされたエリアから外へナビゲートするためのガイダンスを提供することと
をさらに含む、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目5)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、1つを上回るピークを有する信号を識別することを含む、項目1-4のいずれかに記載の方法。
(項目6)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、アルマナックデータに基づいて、前記GNSSデバイスによって受信されるはずではない信号を識別することを含む、項目1-5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、最大信号対雑音比(SNR)を超える、または他の検出されるSNRと一貫しないSNRを有する信号を識別することを含む、項目1-6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、類似するSNRを有する複数の信号内のある信号を識別することを含み、前記複数の信号は、異なる擬似ランダム雑音(PRN)コードと関連付けられる、項目1-7のいずれかに記載の方法。
(項目9)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、完全な多周波数信号を発生させない衛星と関連付けられる信号を識別することを含む、項目1-8のいずれかに記載の方法。
(項目10)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、C/Aコード信号である信号を識別することを含む、項目1-9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
さらに、前記疑わしい信号を識別することは、最大信号電力または閾値背景雑音レベルを超える信号電力を有する信号を識別することを含む、項目1-10のいずれかに記載の方法。
(項目12)
GNSS衛星信号エネルギーが最小レベルに到達する方向を検出することによって、前記疑わしい信号の源の方向を判定することをさらに含む、項目1-11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
さらに、前記信号のセットは、前記アンテナが第1の配向にある間に、前記アンテナを介して前記GNSSデバイスにおいて受信され、前記方法はさらに、
前記アンテナが前記第1の配向と異なる第2の配向にある間に、前記アンテナを介して前記GNSSデバイスにおいて信号の第2のセットを受信することと、
前記信号のセットおよび前記信号の第2のセットに基づいて、前記疑わしい信号の源の方向を判定することと
を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
さらに、前記GNSSデバイスは、複数の衛星から複数の信号を受信するための複数のチャネルを含み、前記方法はさらに、
前記複数の衛星の衛星毎に、前記衛星と関連付けられるPRNコードを使用して、前記複数のチャネルからの複数のチャネルを前記衛星に割り当てることと、
前記複数のチャネルにおいて、前記信号のセットを受信することであって、前記信号のセットの各信号は、その源衛星と関連付けられる前記PRNコードを含む、ことと
を含む、項目1-13のいずれかに記載の方法。
(項目15)
さらに、前記有効なGNSS信号のサブセットは、GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou、QZSS、SBAS、およびIRNSSナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つから受信される信号を含む、項目1-14のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記GNSSデバイスと関連付けられるユーザ入力デバイスにおいて、手動で入力されたおおよその位置を受信することと、
前記手動で入力されたおおよその位置に基づいて、前記信号のセットがスプーフィング信号を含むかどうかを判定することと
をさらに含む、項目1-15のいずれかに記載の方法。
(項目17)
1つ以上のプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプログラムは、アンテナを有するGNSSデバイスによって実行されると、前記デバイスに、項目1-16に記載の方法のいずれかを実施させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
(項目18)
GNSSデバイスであって、
アンテナと、
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
1つ以上のプログラムであって、前記1つ以上のプログラムは、前記メモリ内に記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、項目1-16に記載の方法のいずれかを実施するための命令を含む、1つ以上のプログラムと
を備える、GNSSデバイス。
(項目19)
項目1-16に記載の方法のいずれかを実施するための手段を備える、GNSSデバイス。
(項目20)
スプーフィング信号を識別するための方法であって、
アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、
前記信号のセットが疑わしい信号を含むかどうかを判定することであって、前記判定は、以下の属性:(a)前記信号が1つを上回る相関ピークを含有すること、(b)前記信号がアルマナックデータに基づいて受信されるはずではないこと、(c)前記信号が所定の信号対雑音比を超えること、(d)前記信号が所定の信号電力を超えること、または(e)前記信号が所定の雑音レベルを超えることのうちの1つ以上に基づく、ことと、
前記信号のセットが疑わしい信号を含むという判定に従って、前記GNSSデバイスにおいて、前記疑わしい信号が受信されたというインジケーションを出力することと
を含む、方法。
本願は、同様の部分が同様の番号によって参照され得る、付随の図面と併せて検討される、下記に説明される図を参照することによって最も深く理解されることができる。
図1は、本発明の種々の実施形態を実装するために使用され得る、例示的GNSSアンテナ、受信機、およびコンピューティングシステムを図示する。
図2は、本発明の種々の実施形態を実装するために使用され得る、別の例示的コンピューティングシステムを図示する。
図3Aは、本発明の種々の実施形態による、いかなるスプーフィング信号もGNSSデバイスにおいて検出されなかったことを示す、例示的ユーザインターフェースを図示する。
図3Bは、本発明の種々の実施形態による、スプーフィング信号がGNSSデバイスにおいて検出されたことを示す、例示的ユーザインターフェースを図示する。
図3Cは、本発明の種々の実施形態による、スプーフィング信号がGNSSデバイスにおいて検出されたことを示す、別の例示的ユーザインターフェースを図示する。
図3Dは、本発明の種々の実施形態による、スプーフィング信号を含む、追跡される衛星信号の詳細を提供する、例示的ユーザインターフェースを図示する。
図3Eは、本発明の種々の実施形態による、スプーフィング信号である受信された信号のスペクトルを示す、例示的ユーザインターフェースを図示する。
図4は、本発明の種々の実施形態による、第2のスプーファ相関ピークが検出される、例示的グラフを図示する。
図5Aは、本発明の種々の実施形態による、スプーファの方向を判定するためにGNSSデバイスを動作させる、ユーザの実施例を図示する。
図5Bは、本発明の種々の実施形態による、スプーファの判定された方向を示す、例示的ユーザインターフェースを図示する。
図6は、本発明の種々の実施形態による、スプーフィングされた信号を検出および阻止するための例示的プロセスを図示する。
(詳細な説明)
以下の説明は、当業者が種々の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。具体的デバイス、技法、および用途の説明が、実施例としてのみ提供される。本明細書に説明される実施例の種々の修正が、当業者に容易に明白となり、本明細書に定義される一般的原理は、請求されるような技術の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施例および用途にも適用され得る。したがって、種々の実施形態は、本明細書に説明され、示される実施例に限定されることを意図しておらず、請求項と一貫する範囲を与えられるものである。
全地球ナビゲーション衛星システム(「GNSS」)デバイスは、偽のGNSSのような「スプーフィング」信号(本明細書では、「スプーフィングされた」信号または「スプーファ」信号とも称される)が受信されると、誤った場所または時間解を提供するように欺かれ得る。例えば、スプーフィング信号が、偽信号が受信されたことを認識していないGNSSデバイスにおいて受信されると、デバイスは、その位置および時間を計算する際に偽信号を使用するように進み得る。しかしながら、偽信号から導出される位置および時間は、不正確であり、多くの場合、誤っている。
本開示は、そのような問題に対処し、関連する利点を提供することを意図している。具体的には、本開示は、スプーフィング検出および阻止を実施するためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施例では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、スプーフィング信号を検出し、スプーフィング信号が存在することをアラートするアラームまたは他の警告を発する。いくつかの実施例では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、スプーフィング信号が発信する方向を判定する。
単に実施例として、誤った信号をブロードキャストするスプーファシステム(以降、「スプーファ」とも称される)は、3つの一般的な方法を使用する。1つの方法では、スプーファは、GNSSデバイスによって使用されると、間違った位置および時間解を生成する、間違った測距情報を提供する偽のGNSSのような信号をブロードキャストする。ある場合には、本スプーフィング方法は、本物の衛星信号の相関ピークを無視し、スプーファ信号の相関ピークを使用するようにGNSSデバイスを騙す。下記にさらに議論されるように、本明細書に説明されるスプーフィング検出および阻止のためのシステムおよび方法は、本方法の攻撃を防御する。例えば、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、その本物のピークおよび任意のスプーファピーク等の各衛星信号のピークを受信および追跡するために各衛星信号に1つを上回るチャネルを割り当て、位置および時間計算から1つを上回る相関ピークを有する信号を除外する。
別のスプーフィング方法では、スプーファは、スプーフィングされたエリアにおける地平線の下方にある衛星または存在していない衛星に関する誤った信号をブロードキャストする。そのような信号は、この場合、スプーファピークであり得る1つのみの相関ピークを有し得る。下記にさらに議論されるように、本明細書に説明されるスプーフィング検出および阻止のためのシステムおよび方法は、本方法の攻撃を防御する。例えば、スプーフィング検出および阻止を採用するGNSSデバイスは、ミッションの前に衛星のステータスおよびそれらの可視性を取得するために、既知のソース(例えば、既知のウェブサイト)から有効な証明されたアルマナックデータをダウンロードする。そのようなアルマナックデータは、数週間にわたって使用され、必要に応じてGNSSデバイスにおいて更新されることができる。GNSSデバイスは、アルマナックデータに従って受信されるはずではない信号を識別し、そのような信号を位置および時間計算から除外することができる。
さらに別の方法では、スプーファは、雑音で可視衛星の実際の衛星信号をカバーし、ある場合には、雑音および実際の衛星信号の上部に偽信号を追加し、より多くの電力を伴う。下記にさらに議論されるように、本明細書に説明されるスプーフィング検出および阻止のためのシステムおよび方法は、不合理な信号電力および/または背景雑音を有する信号を認識する、ならびに/もしくはそれにフラグを付けることによって、本方法の攻撃を防御する。そのようなフラグ付き信号は、位置および時間計算から除外される、ならびに/もしくは続けて、精密な位置および時間を判定する際に任意の検証された有効な信号を使用することに先立って、既知の位置および時間に基づいて、真または偽の信号として検証される。
ここで図1に目を向けると、図1は、本明細書に説明される種々の実施形態および実施例による、スプーフィング検出および阻止を実施するためにGNSSデバイス内で使用され得る例示的全地球ナビゲーション衛星システム(「GNSS」)受信機100を図示する。GNSS受信機100は、GNSSアンテナ101を介して、GPSまたはGLONASS信号等のGNSS信号102を受信してもよい。GNSS信号102は、GNSS受信機の位置を判定するためにGNSS受信機100によって使用され得る、直交搬送波成分上に存在する2つの擬似雑音(「PN」)コード成分である、粗コードおよび精密コードを含有してもよい。例えば、典型的なGNSS信号102は、2つのPNコード成分によって変調される搬送波信号を含んでもよい。搬送波信号の周波数は、衛星特有であってもよい。したがって、各GNSS衛星は、異なる周波数においてGNSS信号を伝送してもよい。
GNSS受信機100はさらに、低雑音増幅器104と、基準発振器128と、周波数合成器130と、ダウンコンバータ106と、自動利得制御装置(AGC)109と、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)108とを含んでもよい。これらのコンポーネントは、増幅、フィルタ処理、周波数逓降変換、およびサンプリングを実施してもよい。基準発振器128および周波数合成器130は、GNSS信号102を、受信機周波数計画設計全体および利用可能な電子コンポーネントに依存するベースバンドまたは中間周波数に逓降変換するための周波数信号を発生させてもよい。ADC108は、次いで、GNSS信号102の複数の繰り返しをサンプリングすることによって、GNSS信号102をデジタル信号に変換してもよい。
GNSS受信機100はさらに、チャネル112および114等の複数のGNSSチャネルを含んでもよい。任意の数のチャネルが、任意の数の衛星からGNSS信号102を受信および復調するために提供され得ることを理解されたい。GNSSチャネル112および114は、それぞれ、ADC信号109内に含有されるGNSS PNコードを復調するための復調器と、PNコード基準ジェネレータと、PNコードジェネレータならびに搬送波周波数復調器(例えば、位相固定ループ-PLLの位相検出器)を駆動するための数値制御発振器(コードNCO)と、基準搬送波周波数および位相(搬送波NCO)を形成するための数値制御発振器とを含有してもよい。一実施例では、チャネル112および114の数値制御発振器(コードNCO)は、入力としてコード周波数/位相制御信号158を受信してもよい。さらに、チャネル112および114の数値制御発振器(搬送波NCO)は、入力として搬送波周波数/位相制御信号159を受信してもよい。
一実施例では、GNSSチャネルのための処理回路は、特定用途向け集積回路(「ASIC」)チップ110内に常駐してもよい。対応する周波数が検出されると、適切なGNSSチャネルは、衛星からの受信機の距離を判定するために、埋込PNコードを使用してもよい。本情報は、それぞれ、チャネル出力ベクトル113および115を通してGNSSチャネル112および114によって提供されてもよい。チャネル出力ベクトル113および115は、それぞれ、2つのベクトルを形成する4つの信号、すなわち、位相ループ弁別器(復調器)出力の平均化信号である同相Iおよび四相位相Qならびにコードループ弁別器(復調器)出力の平均化信号である同相dIおよび四相位相dQを含有してもよい。
いくつかの実施例では、コンピューティングシステム150が、GNSS受信機100から位置情報(例えば、チャネル出力ベクトル113および115または任意の他の位置の表現の形態における)を受信するために結合されてもよい。コンピューティングシステム150は、メモリ140内に記憶される、スプーフィング検出および阻止を実施するための(例えば、図6のプロセス600を実施するための)プロセッサ実行可能命令を含んでもよい。命令は、CPU152等の1つ以上のプロセッサによって実行可能であってもよい。しかしながら、当業者はまた、他のコンピュータシステムまたはアーキテクチャを使用して本技術を実装する方法を認識するであろう。CPU152は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の制御論理等の汎用もしくは専用処理エンジンを使用して実装されてもよい。本実施例では、CPU152は、バス142または他の通信媒体に接続される。
メモリ140は、CPU152のための静的情報および命令を記憶するためのバス142に結合される読取専用メモリ(「ROM」)または他の静的記憶デバイスを含んでもよい。メモリ140はまた、情報およびCPU152によって実行されるべき命令を記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的メモリを含んでもよい。メモリ140はまた、CPU152によって実行されるべき命令の実行の間に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。
コンピューティングシステム150はさらに、バス142に結合される情報記憶デバイス144を含んでもよい。情報記憶デバイスは、例えば、メディアドライブ(図示せず)およびリムーバブル記憶インターフェース(図示せず)を含んでもよい。メディアドライブは、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CDまたはDVDドライブ(RまたはRW)、もしくは他のリムーバブルまたは固定メディアドライブ等の固定またはリムーバブル記憶媒体をサポートするためのドライブまたは他の機構を含んでもよい。記憶媒体は、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、光学ディスク、CDまたはDVD、もしくはメディアドライブによって読み取られ、それによって書き込まれる他の固定またはリムーバブル媒体を含んでもよい。これらの実施形態が例証するように、記憶媒体は、特定のコンピュータソフトウェアまたはデータをその中に記憶している、非一過性コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。
他の実施例では、情報記憶デバイス144は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータがコンピューティングシステム150にロードされることを可能にするための他の類似する手段を含んでもよい。そのような手段は、例えば、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース、リムーバブルメモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリスロット、ならびにソフトウェアおよびデータがリムーバブル記憶ユニットからコンピューティングシステム150に転送されることを可能にする他のリムーバブル記憶ユニットおよびインターフェース等のリムーバブル記憶ユニット(図示せず)およびインターフェース(図示せず)を含んでもよい。
コンピューティングシステム150はさらに、通信インターフェース146を含んでもよい。通信インターフェース146は、ソフトウェアおよびデータがコンピューティングシステム150と外部デバイスとの間で転送されることを可能にするために使用されてもよい。通信インターフェース146の実施例は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)または他のNICカード等)、通信ポート(例えば、USBポート等)、PCMCIAスロットおよびカード等を含んでもよい。ソフトウェアおよびデータは、通信インターフェース146を介して転送される。通信インターフェース146のいくつかの実施例は、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインターフェース、ローカルエリアまたは広域ネットワーク、および他の通信チャネルを含む。
いくつかの実施例では、GNSSアンテナ101、GNSS受信機100、およびコンピューティングシステム150は、2010年8月30日に出願され、米国特許第8,125,376号として発行され、本願の譲受人に譲渡された、米国特許出願第12/871,705号(あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるものと類似する、または同じであるハンドヘルドGNSSデバイス内に含まれてもよい。例えば、ハンドヘルドGNSSデバイスは、GNSS受信機100および/またはコンピューティングシステム150に結合される、ディスプレイ、配向センサ、距離センサ、カメラ、コンパス、および同等物を含んでもよい。いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、高度計、コンパス、および/またはジャイロスコープ(図示せず)等の他のセンサもしくは検出器を含む。
図2は、本技術の種々の側面(例えば、GNSSデバイス、GNSS受信機100、マイクロプロセッサ132、コンピューティングシステム150、CPU152、アクティビティデータ論理/データベース、それらの組み合わせ、および同等物として)に関する処理機能性を実装するために採用され得る、別の例示的コンピューティングシステム200を図示する。いくつかの実施例では、コンピューティングシステム200は、図1のコンピューティングシステム150と同一または類似してもよく、図1のGNSSデバイスの例示的コンポーネントに加えて、および/またはその代替として使用されてもよい。当業者はまた、他のコンピュータシステムまたはアーキテクチャを使用して本技術を実装する方法を認識するであろう。コンピューティングシステム200は、例えば、所与の用途または環境に関して望ましい、もしくは適切であり得るようなデスクトップ、モバイル電話、測地デバイス等のユーザデバイスを表してもよい。コンピューティングシステム200は、プロセッサ204等の1つ以上のプロセッサを含むことができる。プロセッサ204は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の制御論理等の汎用もしくは専用処理エンジンを使用して実装されることができる。本実施例では、プロセッサ204は、バス202または他の通信媒体に接続される。
コンピューティングシステム200はまた、情報およびプロセッサ204によって実行されるべき命令を記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的メモリ等の主要メモリ208を含むことができる。主要メモリ208はまた、プロセッサ204によって実行されるべき命令の実行の間に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピューティングシステム200は同様に、プロセッサ204のための静的情報および命令を記憶するためのバス202に結合される読取専用メモリ(「ROM」)または他の静的記憶デバイスを含んでもよい。
コンピューティングシステム200はまた、例えば、メディアドライブ212およびリムーバブル記憶インターフェース220を含み得る、情報記憶機構210を含んでもよい。メディアドライブ212は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CDまたはDVDドライブ(RまたはRW)、もしくは他のリムーバブルまたは固定メディアドライブ等の固定またはリムーバブル記憶媒体をサポートするためのドライブまたは他の機構を含んでもよい。記憶媒体218は、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、光学ディスク、CDまたはDVD、もしくはメディアドライブ214によって読み取られ、それによって書き込まれる他の固定またはリムーバブル媒体を含んでもよい。これらの実施形態が例証するように、記憶媒体218は、特定のコンピュータソフトウェアまたはデータをその中に記憶している、コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。
代替実施形態では、情報記憶機構210は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータがコンピューティングシステム200にロードされることを可能にするための他の類似する手段を含んでもよい。そのような手段は、例えば、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース、リムーバブルメモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリスロット、ならびにソフトウェアおよびデータがリムーバブル記憶ユニット218からコンピューティングシステム200に転送されることを可能にする他のリムーバブル記憶ユニット222およびインターフェース220等のリムーバブル記憶ユニット222およびインターフェース220を含んでもよい。
コンピューティングシステム200はまた、通信インターフェース224を含むことができる。通信インターフェース224は、ソフトウェアおよびデータがコンピューティングシステム200と外部デバイスとの間で転送されることを可能にするために使用されることができる。通信インターフェース224の実施例は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)または他のNICカード等)、通信ポート(例えば、USBポート等)、PCMCIAスロットおよびカード等を含むことができる。通信インターフェース224を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、通信インターフェース224によって受信されることが可能な電子、電磁、光学、または他の信号であり得る信号の形態にある。これらの信号は、チャネル228を介して通信インターフェース224に提供される。本チャネル228は、信号を搬送してもよく、無線媒体、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、もしくは他の通信媒体を使用して実装されてもよい。チャネルのいくつかの実施例は、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインターフェース、ローカルエリアまたは広域ネットワーク、および他の通信チャネルを含む。
本書では、用語「コンピュータプログラム製品」および「コンピュータ可読記憶媒体」は、概して、例えば、メモリ208、記憶デバイス218、または記憶ユニット222等の媒体を指すために使用され得る。コンピュータ可読媒体のこれらおよび他の形態が、実行のためにプロセッサ204に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを提供することに関与してもよい。概して、「コンピュータプログラムコード」と称されるそのような命令(コンピュータプログラムまたは他のグループ化の形態においてグループ化され得る)は、実行されると、コンピューティングシステム200が本技術の実施形態の特徴または機能を実施することを可能にする。
要素がソフトウェアを使用して実装される実施形態では、ソフトウェアは、例えば、リムーバブル記憶ドライブ214、ドライブ212、または通信インターフェース224を使用して、コンピュータ可読媒体内に記憶され、コンピューティングシステム200にロードされてもよい。制御論理(本実施例では、ソフトウェア命令またはコンピュータプログラムコード)は、プロセッサ204によって実行されると、プロセッサ204に、本明細書に説明されるような技術の機能を実施させる。
ここで図3A-3Eに目を向けると、スプーフィング検出および阻止を採用するGNSSデバイスによって提供される種々のユーザインターフェースの実施例が、図示される。そのようなユーザインターフェースは、GNSSデバイスにおけるディスプレイ(例えば、タッチスクリーン)において、および/またはGNSSデバイスと動作可能に通信する外部ディスプレイにおいて提供されてもよい。下記に説明されるように、いくつかの実施例では、GNSSデバイスによって提供されるユーザインターフェースは、受信されている衛星信号に関連する情報を表示し、スプーフィング信号が検出されているときをユーザにリアルタイムおよび/またはほぼリアルタイムで示す。スプーファが検出されているときをユーザに示す利点は、GNSSデバイスが、潜在的に偽の場所および時間解をユーザに通知する、本デバイスの動作モードの変更(例えば、衛星ベースのナビゲーションから他のセンサタイプベースのナビゲーションへの変更)に関してユーザに警告する、本デバイスにおける改変された動作モードに関するさらなるユーザ入力を促す(例えば、スプーファの方向または源の判定)、および/またはナビゲーションのために(例えば、スプーフィングされたエリアから外へナビゲートするために)コンパスならびに高度計等の他のセンサを使用するようにユーザを誘導し得ることである。
図3A-3Cにおける例示的ユーザインターフェースは、GNSSデバイスにおいて受信および測定される衛星信号に関する情報を表示する表を提供する。図3Aは、いかなるスプーフィング信号もGNSSデバイスにおいて受信されていない、または別様に検出されていないことを示す、例示的ユーザインターフェースを図示する。具体的には、図3Aにおけるユーザインターフェースは、5つのナビゲーションシステム、すなわち、GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、およびQZSSから受信される信号を示す。ユーザインターフェースはさらに、衛星に関するアルマナックデータを示す。例えば、アルマナックデータによると、8つのGPS衛星、9つのGLONASS衛星、3つのGalileo衛星、7つのBeiDou衛星、および1つのQZSS衛星が、その時点で可視であった(または可視であるはずである)。さらに、ユーザインターフェース表は、GNSSデバイスによって受信および追跡される衛星信号を示す。例えば、ユーザインターフェース内の第1の行は、GPS衛星から、雑音レベルがC/A帯域(例えば、周波数帯域)内で2%であった間に8つのC/A信号が追跡され、雑音レベルがP1帯域内で0%であった間に6つのP1信号が追跡され、雑音レベルがP2帯域内で0%であった間に6つのP2信号が追跡され、雑音レベルが2C帯域内で0%であった間に6つの2C信号が追跡され、雑音レベルがL5帯域内で2%であった間に2つのL5信号が追跡されたことを示す。
図3Aにおけるユーザインターフェース内の他の入力も、類似する方式で解釈され得ることを理解されたい。単にさらなる実施例として、図3Aにおけるユーザインターフェースは、Galileo衛星に関して、雑音レベルがE1帯域内で0%であった間に3つのE1信号が追跡され、雑音レベルが5B帯域内で23%であった間に3つの5B信号が追跡され、雑音レベルが5A帯域内で2%であった間に3つの5A信号が追跡されたことを示す。ユーザインターフェースは、信号に関する検出された雑音レベルが最大雑音レベルを超えるとき等、高い雑音レベルが検出されるときを示す、そのときにフラグを付ける、アラームを発する、または別様に警告してもよい。例えば、図3Aにおいて、ユーザインターフェースは、高い23%雑音レベルが5B帯域内で検出された間に3つのGalileo 5B信号が検出されたことを強調する。
上記に説明される図3Aと異なり、図3B-3Cは、スプーフィング信号がGNSSデバイスにおいて受信されている、または別様に検出されていることを示す、警告する、または別様にアラームを発する、例示的ユーザインターフェースを図示する。例えば、図3Bにおいて、ユーザインターフェースは、9つのGPS衛星がアルマナックデータに従って可視であり、雑音レベルがC/A帯域内で2%であった間に6つのGPS C/A信号が追跡されたが、それらの6つのGPS C/A信号のうちの5つがスプーフィングされた信号であったことを示す。そのようなスプーフィングされた信号は、本明細書に説明される方法に従って、例えば、下記の図6におけるプロセス600において検出される。各帯域内で受信されたスプーフィングされた信号の数は、異なる色のフォント(例えば、他の情報に関する黒色の通常のフォントと比較して、赤色の太字フォント)等の異なる表示フォーマットによって示されることができる。図3Bでは、数値フォーマット凡例が、追跡に関するフォーマット対スプーフィング表示フォーマットを示すように表示される。図3Bにおけるユーザインターフェースは、4つの5B Galileo信号が受信されたときに24%の高雑音レベルが5B Galileo帯域内で検出されたことを強調することにさらに留意されたい。
図3Cは、スプーフィング信号がGNSSデバイスにおいて受信されたことを示す、ユーザインターフェースの別の実施例を示す。例えば、図3Cにおいて、ユーザインターフェースは、10個のGPS衛星がアルマナックデータに従って可視であり、雑音レベルがC/A帯域内で0%であった間に9つのGPS C/A信号が追跡されたが、それらの9つのGPS C/A信号のうちの6つがスプーフィングされた信号であったことを示す。ここでは、スプーフィングされた信号の数(例えば、「6」)は、受信された信号の数(例えば、黒色の通常のフォントにおいて示される「9」)と異なる表示フォーマット(例えば、赤色の太字フォント)によって示される。
図3Dに目を向けると、追跡される衛星信号のさらなる詳細を提供する別の例示的ユーザインターフェースが、図示される。例えば、図3Dにおけるユーザインターフェースは、種々のGPS衛星信号の詳細を示すチャートを提供する。具体的には、チャートの最初の6つの行は、6つのスプーフィングされたGPS C/A信号(例えば、衛星GPS3、GPS6、GPS9、GPS16、GPS22、GPS23からの信号)に関する詳細を示し、各スプーフィングされた信号は、列C1における「1」のインライン入力で示される。チャートはさらに、(例えば、「SS」、「MIN」、「C1」、「SS」、「MAX」、「C1」を伴う2つの区分の列における)6つのスプーフィングされたGPS C/A信号に関する各ピークの特性を示し、第2のSS列は、6つのスプーフィングされた信号の第2のピークが一貫した信号であるかどうかを示す。図3Dに図示されるように、6つのGPS衛星(例えば、GPS3、GPS6、GPS9、GPS16、GPS22、GPS23)がスプーフィングされたが、雑音レベルに関するいかなるインジケーションも存在せず(例えば、スプーフィングされた信号毎にインラインで「0%」を示す)、それらのスプーフィングされた衛星から追跡される信号がスプーフィング信号であるスペクトル形状およびレベルに関するいかなるインジケーションも存在しなかった(例えば、スプーフィングされた信号毎にインラインで「11.0」を示す)。
さらに、図3Eに示されるように、GNSSデバイスによって提供される別の例示的ユーザインターフェースが、追跡される信号のさらなる詳細を提供するように図示される。本ユーザインターフェースは、x軸が周波数であり、y軸が信号電力であるグラフにおいて受信された信号(例えば、GPS L1信号)のスペクトルを示す。少なくとも図3Dに関して上記に議論されるように、追跡される信号がスプーフィング信号であるスペクトル形状およびレベルに関するいかなるインジケーションも存在しない。
図3B-3Eにおける前述の実施例では、雑音レベルおよびスペクトル形状/レベルにおいてスプーフィングのいかなるインジケーションも存在しないが、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、各信号のピークを追跡することによってスプーフィング信号を検出することができる。例えば、図4において下記にさらに説明されるように、追跡される信号が1つを上回る相関ピークを有するとき、追跡される信号は、スプーフィング信号を含むと判定される。いくつかの実施例では、本明細書に説明されるシステムおよび方法はまた、雑音および/または電力レベルを監視することによってスプーフィング信号を検出する。例えば、追跡される信号が異常に高い雑音および/または電力レベルを有するとき、追跡される信号は、スプーフィング信号を含むと判定される。そのようなスプーフィング信号は、スプーファの方法が、本物の衛星信号をカバーし、本物の衛星信号の上部に偽信号を追加し、単一のピークのみを生産し、また、雑音レベルの200%を上回る増加を導入することを含むときに発生され得る。
図4に目を向けると、上記に議論されるようないくつかの実施例では、スプーフィング信号は、各信号内のピークを追跡することによって検出され、したがって、GNSSデバイスが任意のPRNコードに関する1つを上回る合理的かつ一貫した相関ピークを検出するとき、GNSSデバイスは、スプーファが存在すると判定し、スプーファ信号を識別する。例えば、図4は、x軸がコードチップ距離であり、y軸が電力であるグラフを示す。グラフは、同一の周波数にあるが、異なる位置またはコードチップ距離において、スプーファ信号が検出されることを図示する。スプーファ信号は、本物の衛星信号に対応するピークと異なるコードチップ距離においてピークを有する。ある場合には、スプーファ信号に対応するピークは、他の信号の既知の位置に基づいて識別される。いくつかの実施例では、コードチップ距離は、他の信号に基づいて判定されるGNSSデバイスの場所に合致するようにコードが偏移される必要がある距離を示す。そのようなコードチップ距離は、本物および/またはスプーファピークであるピークを示し得る。いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、PRNコード(例えば、衛星の一意の擬似ランダム雑音コード)に関して2つのピークが存在すると判定し、間違ったピーク(例えば、スプーファ信号ピーク)を隔離および/または無視する。
本明細書に説明されるスプーフィング検出および阻止は、GNSSデバイスにおけるOEM GNSS基板上で実装されることができる。単に実施例として、Javad GNSS,Inc.によって提供されるTRE-Quattro OEM基板は、合計864個のチャネル、2つのアンテナ上でのオールインビュー、GPS L1/L2/L2C/L5、Galileo E1/E5A,E5B/AltBoc、GLONASS L1/L2/L3、BeiDou B1/B2、QZSS L1/L2/L5、KFK WASS/EGNOS(SBAS)、高度なマルチパス低減、高速入手チャネル、高確度速度測定、ならびにある場合には、ほぼ無制限の高度および速度を有する。いくつかの実施例では、基板は、最大4つのアンテナから入力を受け取り、これは、全ての通信および他のアクティビティを協調させるように共通発振器および中央プロセッサと同期して動作する、4つの受信機と同等である。いくつかの実施例では、主要受信機は、基点と併せて長距離ベースラインRTKを実施することができる。他の3つの受信機は、主要受信機とともに、非常に高速かつ信頼性のある配向(姿勢)解を提供することができる。TRE-QUATTRO基板上のオンボード電力供給源は、+6~+40ボルトの電圧を受け取り、必要に応じて、クリーンなフィルタ処理された電圧を送達することができる。これは、クリーンな電力が別の場所で発生され、ケーブルを介して基板に送達されるときに生成され得る電力汚染(波紋)のリスクを排除する。例示的TRE-QUATTRO基板はまた、4つのLED、オン/オフおよび機能ボタンコントローラのための駆動装置を含む。加えて、基板は、データ記憶のための大量のフラッシュを含む。TRE-QUATTRO基板内のCANインターフェースは、全ての関連付けられるハードウェアおよびファームウェアを完全に提供される。他の基板およびGNSSデバイスも、検討され得ることに留意されたい。ある場合には、例えば、大量のスプーフィングが存在することが既知であるエリアに関して、例えば、単純なGPS C/Aコードを利用するGNSSデバイスではなく、より多くの衛星システムおよびより多くの信号を提供するOEM基板を有するGNSSデバイスを利用することが、推奨される。
ここで図5A-5Bに目を向けると、いくつかの実施例では、GNSSデバイスがスプーファが存在することを検出すると、GNSSデバイスは、スプーフィング信号が発せられる方向を見出すオプションを提供する。例えば、図5Aに示されるように、GNSSデバイス502(例えば、TRIUMPH-LS)を保持するユーザ500は、デバイス502が衛星エネルギーが最小になる方向を見出すように、受信機およびアンテナを方向Aに緩慢に回転させながら(例えば、30秒あたり1回転)水平に保持することができる。GNSSデバイス502におけるディスプレイスクリーン504は、スプーファがアンテナ受信パターンのヌルポイントの後方にある判定された配向を示す、ユーザインターフェース(例えば、図5Bにおけるユーザインターフェース502)を表示することができる。例えば、図5Bにおいて、1つ以上の完全回転後、GNSSデバイスは、スプーファのおおよその配向を示すグラフを含むユーザインターフェース510を表示する。いくつかの実施例では、例えば、全ての衛星の全ての信号がスプーフィングされていると判定される場合、GNSSデバイス(例えば、デバイス502)は、GNSS信号を無視し、スプーフィングされたエリアから外へナビゲートするために他のセンサ(例えば、コンパス、ジャイロスコープ、高度計)を使用するようにユーザに警告する。さらに、いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、スプーファが存在するかどうかを迅速に理解し、次いで、それらを識別するためにGNSSデバイスによって使用され得る、それらのおおよその位置を入力するようにユーザを促すことができる。
図6は、スプーフィング検出および阻止を実施するための例示的プロセス600を図示する。いくつかの実施例では、プロセス600は、図1のGNSSアンテナ101、受信機100、およびコンピューティングシステム150、ならびに/もしくは図2のコンピューティングシステム200と類似する、または同じであるGNSSアンテナ、受信機、およびコンピューティングシステムを有するGNSSデバイスによって実施される。
プロセス600は、ブロック602において、アンテナを有するGNSSデバイスにおいて、信号のセットを受信することを含む。単に実施例として、信号のセットは、GNSSデバイスにおけるユーザ要求に応答して、所定のタイミングに従って周期的に、ミッションの間および/またはGNSSデバイスがオンである間に連続的に、GNSSデバイスにおいて検出または判定される条件に応答して、ならびに/もしくはGNSSデバイスと関連する外部アプリケーションまたはデバイスからの要求に応答して受信されることができる。
いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、複数の衛星から複数の信号を受信するための複数のチャネルを含む。そのような場合では、プロセス600は、各衛星から伝送された全ての信号がGNSSデバイスによって受信される、および/または別様に追跡されるように、各衛星に1つを上回るチャネルを割り当てることを含むことができる。例えば、プロセス600は、複数の衛星の衛星毎に、少なくとも衛星と関連付けられるPRNコードを使用して、複数のチャネルを衛星に割り当てることと、複数のチャネルにおいて、信号(例えば、GNSS信号)のセットを受信することであって、それによって、信号のセットの各信号は、その源衛星と関連付けられるPRNコードを含み、GNSSデバイスにおけるその割り当てられたチャネルにおいて受信される、こととを含むことができる。単に実施例として、GNSSデバイスおよび/または、より具体的には、その受信機は、そのチップ(例えば、TRIUMPH2(登録商標) Chip)において864個の追跡チャネルおよび130,000個を上回る高速入手チャネルを含む。いくつかの実施例では、チップ(例えば、TRIUMPH(登録商標) Chip)は、GNSS信号を追跡するための216個のチャネルを含み、110,000個の通常の相関器が付随する。
プロセス600は、ブロック604において、信号のセット内の疑わしい信号(例えば、潜在的なスプーフィング信号)を識別することを含む。いくつかの実施例では、1つ以上の信号が、デジタル信号処理を採用することによって疑わしい信号として識別される。疑わしい信号として識別された信号は、後続分析または有効化のために、フラグを付けられる、および/または疑わしい信号のグループ(例えば、GNSSデバイスにおいて受信された信号のセットのサブセットである疑わしい信号のグループ)内に含まれることができる。
いくつかの実施例では、ブロック606において、疑わしい信号を識別することは、1つを上回るピークを有する信号を識別することを含む。例えば、プロセス600は、各受信された信号のピークを追跡し、相関させることと、受信された信号に関して、第2のピークが存在するかどうかを識別することとを含むことができる。少なくとも2つの合理的なピークが検出される(例えば、有意ではないピークが無視される)場合、ピークのうちの1つは、スプーファ相関ピークであると判定される、および/または信号は、スプーフィングまたは別様に疑わしい信号であると判定される。単に実施例として、GNSSデバイスは、そのチップ(例えば、TRIUMPH2(登録商標) Chip)において864個の追跡チャネルおよび130,000個を上回る高速入手チャネルを含む。いくつかの実施例では、チップ(例えば、TRIUMPH(登録商標) Chip)は、110,000個の通常の相関器が付随する、GNSS信号を追跡するための216個のチャネルを含む。上記に議論されるように、プロセス600は、1つを上回るチャネルを各衛星信号に割り当てることと、本物のピークおよびスプーファピークを含む各衛星信号の全てのピークを追跡することとを含んでもよい。プロセス600は、(例えば、少なくとも初期またはおおよその位置を判定する目的のために)1つを上回る相関ピークを有するいかなる信号も除外してもよい。複数の相関ピークを伴う信号を無視する利益は、場所および/または時間を判定するための間違った測距情報(例えば、スプーファ相関ピークに対応する情報)の使用が防止され、それによって、GNSSデバイスによって間違った位置および/または時間解を判定するリスクを低減させることである。しかしながら、ある場合には、受信された信号が、1つのみの合理的なピークを有すると判定されるが、下記にさらに議論されるように、受信された信号は、信号が未知または別様に無効な衛星から発信すると判定されるとき、スプーフィングまたは別様に疑わしい信号であると判定され得ることに留意されたい。
いくつかの実施例では、ブロック608において、疑わしい信号を識別することは、アルマナックデータ等の外部データに基づいて、GNSSデバイスによって受信されるはずではない信号を識別することを含む。例えば、いくつかの実施例では、プロセス600は、可視ではない、検出されない、または別様に存在するはずではない信号が受信されたと判定し、続けて、信号を疑わしい信号として指定する。単に実施例として、そのような疑わしい信号は、スプーファ(例えば、スプーフィング信号ブロードキャストシステムまたは無線)が、スプーフィングされたエリアにおける地平線の下方にある衛星または存在しない衛星に関するスプーフィング信号をブロードキャストしたことを示す。そのような場合では、1つのみの相関ピークが、スプーフィング信号に関して存在し得ることに留意されたい。いくつかの実施例では、プロセス600は、外部データソースから証明された有効なアルマナックデータをダウンロードする、または別様にそれにアクセスすることと、アルマナックデータに基づいて、受信された信号が疑わしい信号である(例えば、可視ではない、検出されない、または別様に存在するはずではない)かどうかを判定することとを含む。そのようなアルマナックデータは、ある時間窓にわたる衛星の可視性、時間、および/またはステータスについての情報を含み、所定の時間周期(例えば、数週間)後に終了する、もしくはもはや有効ではなくなり得る。いくつかの実施例では、アルマナックデータは、GNSSデバイスを利用するミッションに先立って入手される。ある場合には、GNSSデバイスは、種々の外側ソースから付加的外部データを入手し、信号が疑わしいかどうかを判定する際にアルマナックデータとともにそのような付加的外部データを利用する。さらに、いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、周期的に、またはこれが外部データソースへのネットワーク接続が利用可能であることを検出するとき、外部データを自動的に入手する。いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、本デバイスにおけるユーザ要求入力に基づいて、またはそれに応答して、そのようなデータを入手する。
いくつかの実施例では、ブロック610において、疑わしい信号を識別することは、最大信号対雑音比(SNR)を超える、または他の検出されるSNRと一貫しないSNRを有する信号を識別することを含む。例えば、不合理に高いSNRを有する受信された信号は、可視衛星の実際のGNSS信号をカバーするスプーフィング信号が存在し得ることを示す。スプーフィング信号は、雑音で実際のGNSS信号をカバーし得、これは、受信された信号が最大SNRを超えるときに検出され得る。
いくつかの実施例では、ブロック612において、疑わしい信号を識別することは、類似するSNRを有する複数の信号に所属する信号を識別することを含み、複数の信号は、異なる擬似ランダム雑音(PRN)コードと関連付けられる。いくつかの実施例では、複数の信号は、複数の疑わしい信号であると判定される。
いくつかの実施例では、ブロック614において、疑わしい信号を識別することは、完全多周波数信号を発生させない衛星と関連付けられる信号を識別することを含む。単に実施例として、衛星は、予期されるものと異なるPRNコードを有する、および/または別様にスプーフィングされた、または偽の衛星を示し得る。例えば、ある場合には、スプーファは、C/Aコード信号のみを発生させる。
いくつかの実施例では、ブロック616において、疑わしい信号を識別することは、C/Aコード信号である信号を識別することを含む。例えば、プロセス600は、初期のおおよその位置を計算するとき、C/A信号および/またはスプーファシステムによって一般的に発生される任意の分類もしくはタイプの信号を最初に無視することを含む。
いくつかの実施例では、ブロック618において、疑わしい信号を識別することは、不合理に高い電力レベル等の最大信号電力を超える信号電力を有する信号を識別することを含む。いくつかの実施例では、疑わしい信号を識別することは、閾値低または高背景雑音レベル等の閾値背景雑音レベルを超える雑音レベルを有する信号を識別することを含む。単に実施例として、最大信号電力および/または最大背景雑音レベルを超えることは、スプーフィング信号が追加された雑音および/または電力で実際のGNSS信号をカバーしているときに起こり得る。さらに、いくつかの実施例では、低すぎる(例えば、最小電力レベルを下回る)および/または閾値低背景雑音レベルを下回る信号電力は、一貫しない、または予期せぬ変則的な信号を示す。
なおもさらに、いくつかの実施例では、ユーザは、疑わしい信号としてフラグを付けられるべき信号の特性またはあるタイプを変更もしくは定義することができる。ある場合には、そのようなユーザ定義は、概して、GNSSデバイスにおいて適用される、または具体的ミッション、場所、時間および日付、ユーザプロファイル、バッテリまたは電力レベル等と関連付けられることができる。そのようなユーザ定義は、ユーザ入力デバイスを介してGNSSデバイスにおいて、および/または本デバイスと動作可能に通信するコンピューティングシステムにおいて受信されることができる。
プロセス600は、ブロック620において、信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含み、サブセットが有効なGNSS衛星信号の最小数を満たし、疑わしい信号を含んでいないという判定に従って、有効なGNSS衛星信号のサブセットに基づいて、GNSSデバイスのおおよその位置を計算することを含む。例えば、いくつかの実施例では、プロセス600は、信号のセットからのいかなる識別された疑わしい信号も無視する、または別様に除去することと、有効な信号のみを使用して初期のおおよその位置を算出することとを含む。算出されたおおよその位置は、GNSSデバイスにおけるおおよその緯度、経度、高度、速度、正確度、および/または時間を含んでもよい。
いくつかの実施例では、プロセス600は、信号のセットが有効なGNSS衛星信号の少なくとも最小数を含むかどうかを判定することを含む。初期のおおよその位置を算出することは、信号のセット内の全ての有効な信号および/またはいくつかの有効な信号に基づいてもよい。ある場合には、有効な信号は、(例えば、着信時間、最も強い信号から最も弱い信号、信号または衛星のタイプに基づいて)ランク付けされ、おおよその位置は、最も高いランクの有効な信号に基づいて判定される。いくつかの実施例では、ユーザは、おおよその位置を計算するために使用される信号の数、おおよその位置を計算するために使用される信号、衛星、および/または他の因子を規定することができる。いくつかの実施例では、GNSSデバイスのバッテリ電力レベルおよび/または信号の信号強度が、少なくとも部分的に、おおよその位置を計算する際に利用される有効な信号を判定する。
いくつかの実施例では、有効なGNSS衛星信号の最小数は、4つの有効な信号である。有効なGNSS衛星信号の最小数は、おおよその位置を算出するために必要とされる信号の最小数に対応することができる。いくつかの実施例では、信号の最小数は、ナビゲーションのために使用されている衛星信号の組み合わせおよび/または判定されている計算(例えば、住所、都市、緯度、経度、高度、速度、正確度、および/または時間)に基づいて変動する。いくつかの実施例では、有効な信号であると判定される各信号は、デジタル信号処理を使用して判定され得る、1つのみの合理的な、または別様に予期されるピークを有する。ある場合には、有効なGNSS信号(例えば、受信された有効なGNSS信号のサブセット)は、GPS(例えば、L1、L2、L2P、L2C、L5)、Galileo(例えば、E1、E5A、E5B、AltBoc)、GLONASS(例えば、L1、L2、L3)、BeiDou(例えば、B1、B2)、QZSS(例えば、L1、L2、L5)、SBAS、IRNSS、WASS/EGNOS(SBAS)ナビゲーションシステム等のGNSSデバイスによって把握される1つ以上の有効なナビゲーションシステムから受信される信号を含む。
いくつかの実施例では、プロセス600は、ブロック622において、おおよその位置に基づいて、疑わしい信号が有効化されるかどうかを判定することと、有効化された信号に基づいて、GNSSデバイスの精密な位置を計算することとを含む。例えば、本明細書に説明されるGNSSデバイスは、疑わしい信号が、有効な信号に基づいて計算されたおおよその位置および/または手動で入力された既知の位置等の既知の位置に合致するかどうかをチェックすることによって、各識別された疑わしい信号を有効化する。既知の位置に合致する疑わしい信号が、有効化される一方、既知の位置に合致しない疑わしい信号は、無効化される、または別様に非有効化もしくはスプーフィング信号と見なされ、破棄されてもよい。ある場合には、1つ以上の疑わしい信号が有効化されるという判定に従って、プロセス600は、より精密な位置を判定するために、有効な信号および有効化された信号の両方に基づいて、おおよその位置を再計算すること等の新しい、またはより精密な位置を計算することを含む。算出された精密な位置は、GNSSデバイスにおける精密な緯度、経度、高度、速度、正確度、および/または時間を含んでもよい。
いくつかの実施例では、いかなる疑わしい信号も有効化されないという判定に従って、プロセス600は、精密な位置または真の位置として最初に計算されたおおよその位置を指定する、または別様に参照することを含む。ある場合には、GNSSデバイスは、(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)1つ以上のスプーフィング信号が検出されていることを示し、おおよその位置および精密または真の位置の両方を表示する。
いくつかの実施例では、プロセス600は、ブロック624において、信号のセットが有効なGNSS衛星信号を含んでいないという判定に従って、スプーファ信号が検出されている警告を発すること、および/またはスプーファが検出されているスプーフィングされたエリアから外へナビゲートするためのガイダンスを提供することを含む。いくつかの実施例では、信号のセットは、全ての受信された信号がスプーフィングまたは別様に疑わしい信号であると判定されるとき、および/またはおおよその位置を提供するために有効なGNSS信号の最小数を満たすために十分な有効な信号が存在しないとき、有効なGNSS衛星信号のサブセットを含んでいない。ある場合には、GNSSデバイスは、(例えば、全ての衛星の全ての信号がスプーフィングされていると判定されるとき)GNSS信号のセットを無視する、および/またはナビゲーションのために統合されたGNSSシステム内の他のセンサを使用するために、警告(例えば、可視、可聴、および/または触覚)を発する。ある場合には、GNSSデバイスは、動作モードを改変する。例えば、ある場合には、GNSSデバイスは、他のセンサ(例えば、コンパス、ジャイロスコープ、高度計)を自動的にアクティブ化し、他のセンサから収集されたデータを採用し、スプーフィングされたエリアから外へGNSSデバイスのユーザをナビゲートするためのガイダンスを提供する。ある場合には、そのような警告は、GNSSデバイスと通信する他の外部システムに報告される。さらに、いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、衛星信号に基づいてナビゲーションを提供することから、受信されたスプーフィング信号の源または方向を判定すること、および/または他のセンサに基づいてナビゲーションを提供することに動作モードを改変する。
いくつかの実施例では、プロセス600は、GNSS衛星信号エネルギーが最小レベルに到達する方向を検出することによって、疑わしい信号の源の方向を判定することを含む。ある場合には、信号のセットは、アンテナが第1の配向にある間にアンテナを介してGNSSデバイスにおいて受信され、信号の第2のセットが、アンテナが第1の配向と異なる第2の配向にある間にアンテナを介して受信され、疑わしい信号の源(および/または複数の疑わしい信号の源)の方向は、信号のセットおよび信号の第2のセットに基づいて判定される。単に実施例として、GNSSデバイスは、デバイス(TRIUMPH-LS(登録商標))、受信機、および/またはアンテナを緩慢に回転させながら(例えば、約30秒に1回転および/または図5Aに示されるように)これを水平に保持するように(例えば、ディスプレイスクリーンまたは可聴出力を介して)ユーザに命令してもよい。回転する間、GNSSデバイスは、回転の間の複数の配向において受信される複数の衛星信号を捕捉し、受信された信号に基づいて、衛星エネルギーが最小に到達する方向を判定および表示してもよい。判定された方向は、スプーファシステムが検出されたアンテナ受信パターンのヌルポイントの後方にある配向または方向を示すことができる(例えば、図5B参照)。
いくつかの実施例では、プロセス600は、GNSSデバイスと関連付けられるユーザ入力デバイス(例えば、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード)において、手動で入力されたおおよその位置(例えば、住所、都市、緯度、経度、高度、速度、正確度、および/または時間)を受信することと、手動で入力されたおおよその位置に基づいて、信号のセットがスプーフィングまたは別様に疑わしい信号を含むかどうかを判定することとを含む。例えば、いくつかの困難な状況では、ユーザは、スプーファが存在するかどうかを迅速に判定し、次いで、それらを識別する、および/またはそれらの源の方向を判定するために、それらのおおよその位置を入力することを所望し得る。いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、手動で入力されたおおよその位置および受信されたGNSS衛星信号に基づいて、精密な場所(例えば、精密な住所、都市、緯度、経度、高度、速度、正確度、および/または時間)を判定する。
本明細書に説明されるシステムおよび方法の変形例が、検討されることができる。例えば、ある場合には、GNSSデバイスは、いったんスプーフィング信号または疑わしい信号として識別される信号が受信されると、アラート(例えば、リアルタイムアラート)を発生させる。例えば、信号(例えば、GNSS衛星信号)のセットを受信することに応じて、GNSSデバイスは、信号のセットがスプーフィングまたは別様に疑わしい信号を含むかどうかを判定することができる。そのようなスプーフィングまたは概して疑わしい信号は、信号処理および/またはアルマナックデータのデータベース等のデータベースに対する信号の特性の比較によって等、本明細書に説明される技法のうちのいずれかに従って、GNSSデバイスによって識別される。上記の実施例に議論されるように、信号が1つを上回る相関ピークを含有する(例えば、スプーファ相関ピークを含有する)、信号がアルマナックデータに基づいて存在するはずではない(例えば、信号がアルマナックデータに基づいて検出されるはずではない源衛星と関連付けられる場合)、信号が所定の信号対雑音比(例えば、最大SNR比)を超える、信号が所定の信号電力(例えば、最大信号電力)を超える、信号が所定の雑音レベル(例えば、閾値雑音レベル)を超える、信号が完全な多周波数信号ではない(例えば、信号がC/Aコード信号である)、および/または信号がこれらの属性もしくは本明細書に議論される他の属性の任意の組み合わせを含むとき、信号は、スプーフィングまたは疑わしい信号として識別される。
スプーフィングまたは別様に疑わしい信号が受信されたと判定することに応じて、GNSSデバイスは、偽信号が存在するというインジケーションを出力することができる。例えば、GNSSデバイスは、スプーフィングまたは疑わしい信号が受信されたことを示すユーザインターフェース等のそのディスプレイスクリーン上に視覚インジケーションを出力する。ある場合には、ユーザインターフェースは、これが検出されたときのタイムスタンプ、スプーフィングまたは疑わしい信号のタイプもしくは特性、および/またはユーザが本デバイスの動作モードを変更するかどうか(例えば、他のナビゲーションまたはセンサモード、スプーファの方向を判定するためのモードのアクティブ化)を選択するオプション等の受信された信号に関する詳細を含む。ある場合には、GNSSデバイスは、スプーフィングまたは疑わしい信号が識別されたとき、可聴インジケーションおよび/または触覚インジケーションを出力する。例えば、GNSSデバイスは、本デバイスにおけるスピーカにおいて出力のための警告音を発生させる、または本デバイスにおける触覚出力ジェネレータを通して出力のための振動パターンを発生させる。さらに、いくつかの実施例では、GNSSデバイスは、スプーフィングまたは疑わしい信号がGNSSデバイスにおいて検出されたというインジケーションを表示または別様に出力し得る、ユーザのスマートフォン等の外部ユーザデバイスに伝送されるアラートまたはメッセージ(例えば、テキストメッセージ)を発生させる。ある場合には、信号のセットがいかなるスプーフィングまたは疑わしい信号も含んでいないと判定することに応じて、GNSSデバイスは、そのようなインジケーションの発生を見合わせる、および/または通常の動作に進む(例えば、信号のセットに基づいて、位置および/または時間を計算する)。前述の実施例のうちのいずれかでは、GNSSデバイスは、データベースまたはログ内に本デバイスにおいて受信されたスプーフィングまたは疑わしい信号に関連する情報を記憶し得ることに留意されたい。
疑わしい信号の識別、おおよそおよび精密な場所の判定、ならびにスプーフィング信号発信の方向の判定を含む、本明細書に説明されるスプーフィング検出および阻止方法は、信号がGNSSデバイスにおいて受信および測定される間にリアルタイムでGNSSデバイスにおいて判定されることが検討される。後処理技法もまた、可能にされることに留意されたい。例えば、受信された信号および/または信号処理分析からの結果は、GNSSデバイスにおいて(例えば、メモリ140、メモリ208、記憶デバイス210のうちのいずれかにおいて)記憶され、リアルタイム処理および後処理の両方のために使用されることができる。
例示的方法、非一過性コンピュータ可読記憶媒体、システム、および電子デバイスが、以下の項目の例示的実装において記載される。
項目1.スプーフィング信号を検出および阻止するための方法であって、
アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、
信号のセット内の疑わしい信号を識別することと、
信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含み、サブセットが有効なGNSS衛星信号の最小数を満たし、疑わしい信号を含んでいないという判定に従って、有効なGNSS衛星信号のサブセットに基づいて、GNSSデバイスのおおよその位置を計算することと
を含む、方法。
項目2.おおよその位置に基づいて、疑わしい信号が有効化されるかどうかを判定することと、
有効化された信号に基づいて、GNSSデバイスの精密な位置を計算することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
項目3.さらに、有効なGNSS衛星信号の最小数は、4つの有効なGNSS衛星信号である、項目1-2のいずれかに記載の方法。
項目4.信号のセットが有効なGNSS衛星信号のサブセットを含んでいないという判定に従って、
スプーフィング信号が検出されている警告を発することと、
スプーフィングが検出されているスプーフィングされたエリアから外へナビゲートするためのガイダンスを提供することと
をさらに含む、項目1-3のいずれかに記載の方法。
項目5.さらに、疑わしい信号を識別することは、1つを上回るピークを有する信号を識別することを含む、項目1-4のいずれかに記載の方法。
項目6.さらに、疑わしい信号を識別することは、アルマナックデータに基づいて、GNSSデバイスによって受信されるはずではない信号を識別することを含む、項目1-5のいずれかに記載の方法。
項目7.さらに、疑わしい信号を識別することは、最大信号対雑音比(SNR)を超える、または他の検出されるSNRと一貫しないSNRを有する信号を識別することを含む、項目1-6のいずれかに記載の方法。
項目8.さらに、疑わしい信号を識別することは、類似するSNRを有する複数の信号内のある信号を識別することを含み、複数の信号は、異なる擬似ランダム雑音(PRN)コードと関連付けられる、項目1-7のいずれかに記載の方法。
項目9.さらに、疑わしい信号を識別することは、完全な多周波数信号を発生させない衛星と関連付けられる信号を識別することを含む、項目1-8のいずれかに記載の方法。
項目10.さらに、疑わしい信号を識別することは、C/Aコード信号である信号を識別することを含む、項目1-9のいずれかに記載の方法。
項目11.さらに、疑わしい信号を識別することは、最大信号電力または閾値背景雑音レベルを超える信号電力を有する信号を識別することを含む、項目1-10のいずれかに記載の方法。
項目12.GNSS衛星信号エネルギーが最小レベルに到達する方向を検出することによって、疑わしい信号の源の方向を判定することをさらに含む、項目1-11のいずれかに記載の方法。
項目13.さらに、信号のセットは、アンテナが第1の配向にある間に、アンテナを介してGNSSデバイスにおいて受信され、本方法はさらに、
アンテナが第1の配向と異なる第2の配向にある間に、アンテナを介してGNSSデバイスにおいて信号の第2のセットを受信することと、
信号のセットおよび信号の第2のセットに基づいて、疑わしい信号の源の方向を判定することと
を含む、項目12に記載の方法。
項目14.さらに、GNSSデバイスは、複数の衛星から複数の信号を受信するための複数のチャネルを含み、本方法はさらに、
複数の衛星の衛星毎に、衛星と関連付けられるPRNコードを使用して、複数のチャネルからの複数のチャネルを衛星に割り当てることと、
複数のチャネルにおいて、信号のセットを受信することであって、信号のセットの各信号は、その源衛星と関連付けられるPRNコードを含む、ことと
を含む、項目1-13のいずれかに記載の方法。
項目15.さらに、有効なGNSS信号のサブセットは、GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou、QZSS、SBAS、およびIRNSSナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つから受信される信号を含む、項目1-14のいずれかに記載の方法。
項目16.GNSSデバイスと関連付けられるユーザ入力デバイスにおいて、手動で入力されたおおよその位置を受信することと、
手動で入力されたおおよその位置に基づいて、信号のセットがスプーフィング信号を含むかどうかを判定することと
をさらに含む、項目1-15のいずれかに記載の方法。
項目17.1つ以上のプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、1つ以上のプログラムは、アンテナを有するGNSSデバイスによって実行されると、本デバイスに、項目1-16に記載の方法のいずれかを実施させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
項目18.GNSSデバイスであって、
アンテナと、
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
1つ以上のプログラムであって、1つ以上のプログラムは、メモリ内に記憶され、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、項目1-16に記載の方法のいずれかを実施するための命令を含む、1つ以上のプログラムと
を備える、GNSSデバイス。
項目19.項目1-16に記載の方法のいずれかを実施するための手段を備える、GNSSデバイス。
項目20.スプーフィング信号を識別するための方法であって、
アンテナを有する全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)デバイスにおいて、信号のセットを受信することと、
信号のセットが疑わしい信号を含むかどうかを判定することであって、該判定は、以下の属性:(a)信号が1つを上回る相関ピークを含有すること、(b)信号がアルマナックデータに基づいて受信されるはずではないこと、(c)信号が所定の信号対雑音比を超えること、(d)信号が所定の信号電力を超えること、または(e)信号が所定の雑音レベルを超えることのうちの1つ以上に基づく、ことと、
信号のセットが疑わしい信号を含むという判定に従って、GNSSデバイスにおいて、疑わしい信号が受信されたというインジケーションを出力することと
を含む、方法。
明確化の目的のために、上記の説明は、異なる機能ユニットおよびプロセッサに関する実施例を説明したことを理解されたい。しかしながら、異なる機能ユニット、プロセッサ、またはドメインの間の機能性の任意の好適な分散が使用され得ることが明白となるであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実施されるように例証される機能性は、同一のプロセッサまたはコントローラによって実施されてもよい。したがって、具体的機能ユニットの言及は、厳密な論理的または物理的構造もしくは編成を示すのではなく、説明される機能性を提供するための好適な手段の言及としてのみ見なされるものである。
さらに、個々に列挙されるが、複数の手段、要素、または方法ステップは、例えば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装されてもよい。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、場合によっては、有利なこととして、組み合わせられてもよく、異なる請求項における包含は、特徴の組み合わせが実現可能または有利ではないことを示唆するわけではない。また、請求項の1つのカテゴリにおける特徴の包含は、本カテゴリへの限定を示唆するわけではなく、むしろ、特徴は、適宜、他の請求項カテゴリに等しく適用可能であってもよい。
特徴は、特定の実施形態と関連して説明されるように考えられ得るが、当業者は、説明される実施形態の種々の特徴が組み合わせられ得ることを認識するであろう。さらに、ある実施形態と関連して説明される側面は、独立してもよい。さらに、第1、第2、第3等の用語の使用は、必ずしも任意の順序付けまたは重要性を表すわけではなく、むしろ、1つの要素を別のものから区別するために使用される。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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