JP7307726B2 - Gnss受信装置及びgnss受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、GNSS受信装置及びGNSS受信方法に関する。
従来から、マルチパスに関する電波の入射を抑制した衛星電波受信用アンテナが知られている。例えば、特許文献1には、低仰角の反射送信電波を入射させない衛星電波受信用アンテナが開示されている。
実開平7-25609号公報
しかし、上記特許文献1の構成は、マルチパス等の信号の受信を完全に回避できるものではない。また、特許文献1の構成は、アンテナで受信した信号が、衛星からの直接波に基づく信号であるか、そうでないマルチパス等に関する信号であるかについて判定することができない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、アンテナで受信したGNSS信号が、衛星からの直接波に基づくものか、そうでないかについて簡単に判定することができるGNSS受信装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のGNSS受信装置が提供される。即ち、このGNSS受信装置は、少なくとも2つのアンテナと、衛星方向取得部と、推定部と、判定部と、を備える。前記衛星方向取得部は、前記アンテナが受信したGNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する。前記推定部は、複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向を推定する。前記判定部は、前記衛星を前記アンテナから見た方向と、前記推定部が推定した前記到来方向と、を比較することにより、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する。
これにより、衛星をアンテナから見た方向と、推定したGNSS信号の到来方向と、を比較する簡単な方法により、受信した信号が、衛星からの直接波に基づくGNSS信号であるか、そうでないGNSS信号であるかについて判定することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成のGNSS受信装置が提供される。即ち、このGNSS受信装置は、少なくとも2つのアンテナと、推定部と、判定部と、を備える。前記推定部は、複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向の推定に関して、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求める。前記判定部は、前記推定部が求めた前記角度スペクトラムに基づいて、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する。
これにより、GNSS信号の到来方向の推定に関して角度スペクトラムを求めることにより、受信した信号が、衛星からの直接波に基づくGNSS信号であるか、そうでないGNSS信号であるかについて判定することができる。
前記のGNSS受信装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このGNSS受信装置は、前記アンテナが受信した前記GNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する衛星方向取得部を備える。前記判定部は、前記角度スペクトラムに基づく、前記衛星を前記アンテナから見た方向に対応する前記GNSS信号の強度の値を用いて、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が前記直接GNSS信号であるか前記非直接GNSS信号であるかについて判定する。
非直接GNSS信号を受信した場合の角度スペクトラムは、衛星軌道情報に基づいて得られた衛星の方向で信号強度が大きくならないことが殆どである。この性質を用いて、直接GNSS信号と非直接GNSS信号とを適切に区別することができる。
前記のGNSS受信装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このGNSS受信装置は、前記アンテナが受信した前記GNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する衛星方向取得部を備える。前記判定部は、前記衛星を前記アンテナから見た方向と、前記角度スペクトラムのピークに相当する方向と、を比較することにより、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、前記直接GNSS信号であるか前記非直接GNSS信号であるかについて判定する。
非直接GNSS信号を受信した場合の角度スペクトラムのピークに相当する方向は、衛星軌道情報に基づいて得られた衛星の方向と乖離することが殆どである。この性質を用いて、直接GNSS信号と非直接GNSS信号とを適切に区別することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記判定部は、前記角度スペクトラムが複数のピークを有する場合に、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することが好ましい。
通常、直接GNSS信号を受信した場合の角度スペクトラムは、ある方向を単一のピークとする分布を示す。この性質を用いて、直接GNSS信号と非直接GNSS信号とを適切に区別することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記判定部は、前記アンテナで受信した複数のGNSS信号が互いに異なる送信元衛星を示すにもかかわらず、前記推定部が推定した前記GNSS信号の到来方向が互いに類似する場合に、当該GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することが好ましい。なお、「GNSS信号の到来方向が互いに類似する」場合には、到来方向の角度が類似する場合と、角度スペクトラム同士が類似する場合と、が含まれる。
直接GNSS信号は、通常、衛星ごとに異なる角度で到来する。一方、なりすまし信号は、悪意のある者が設置した1つ又は少数の送信源が複数の衛星になりすましてGNSS信号を送信することが多いため、それぞれのGNSS信号が異なる衛星を示していても、その到来角度が互いに類似する傾向がある。この性質を用いて、直接GNSS信号と非直接GNSS信号(なりすまし信号)とを適切に区別することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記非直接GNSS信号であると前記判定部が判定したGNSS信号について前記推定部が推定した到来方向を出力可能に構成されていることが好ましい。
これにより、例えば、マルチパスの状況、なりすまし信号の送信源の位置等に関する有用な情報を得ることができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記非直接GNSS信号にマルチパス信号が含まれることが好ましい。
これにより、マルチパスに対処することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記非直接GNSS信号になりすまし信号が含まれることが好ましい。
これにより、GNSSスプーフィングに対処することができる。
前記のGNSS受信装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このGNSS受信装置は、複数の前記アンテナから構成されるアンテナアレイを複数備える。前記GNSS受信装置は、前記非直接GNSS信号であると判定されたGNSS信号がある場合に、それぞれの前記アンテナアレイから見た当該GNSS信号の到来方向について前記推定部が推定した結果と、それぞれの前記アンテナアレイの位置と、に基づいて、前記なりすまし信号の送信源の位置を推定する。
これにより、なりすまし信号の送信源がどこにあるかを知ることができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記推定部は、複数のアンテナで受信したGNSS信号に含まれるPRNコードのタイミングの差から、当該GNSS信号の到来方向を推定するように構成することができる。
この場合、GNSS信号の到来方向を簡単な処理で推定することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記推定部は、複数のアンテナで受信したGNSS信号の搬送波の位相差から、当該GNSS信号の到来方向を推定することもできる。
この場合、GNSS信号の到来方向を精密に推定することができる。
前記のGNSS受信装置においては、それぞれの前記アンテナは、地面に対して位置が変動しないように固定的に設けられていることが好ましい。
これにより、複数のアンテナの位置関係が変化しないので、GNSS信号の到来方向を安定して推定することができる。
前記のGNSS受信装置においては、少なくとも3つの前記アンテナを備えることが好ましい。
これにより、GNSS信号の到来方向を良好に推定することができる。
前記のGNSS受信装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このGNSS受信装置は、複数の受信機を備える。複数の前記アンテナは、複数の前記受信機のうち何れかに接続される。複数の前記受信機に対して、共通のクロック源からクロック信号が供給される。
これにより、受信機が異なっても、それぞれのアンテナがGNSS信号を受信したタイミングを、共通のクロックを利用して表すことができる。従って、GNSS信号の受信タイミングの差を正確かつ容易に求めて、GNSS信号の到来方向を推定することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記判定部の判定結果に基づいて、前記受信したGNSS信号から前記非直接GNSS信号を除去する非直接GNSS信号除去部を備えることが好ましい。
これにより、精度を低下させる非直接GNSS信号を除去することにより、装置の正確な動作を実現することができる。
前記のGNSS受信装置においては、前記非直接GNSS信号の受信を前記判定部の判定結果に基づいて報知する報知部を備えることが好ましい。
これにより、非直接GNSS信号を受信したことをユーザに知らせ、注意を喚起することができる。
本発明の第3の観点によれば、以下の構成のGNSS受信装置が提供される。即ち、このGNSS受信装置は、少なくとも2つのアンテナと、角度スペクトラム取得部と、表示データ生成部と、を備える。前記角度スペクトラム取得部は、複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求める。前記表示データ生成部は、前記角度スペクトラムを表示するためのデータを生成する。
これにより、ユーザがGNSS信号の電波受信状況を具体的に把握することができる。
前記のGNSS受信装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記角度スペクトラム取得部は、前記GNSS信号の強度の角度スペクトラムを、方位角及び仰角に関する2次元の角度スペクトラムとして求める。前記表示データ生成部は、天球における前記角度スペクトラムをグラフィカルに表示するためのデータを生成する。
これにより、角度スペクトラムを視覚的に理解し易く表示することができる。
前記のGNSS受信装置においては、表示される前記角度スペクトラムにおける信号強度は、カラースケール、色の濃淡又は等強度線によって表現されることが好ましい。
これにより、見易い角度スペクトラムの表示が可能になる。
前記のGNSS受信装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このGNSS受信装置は、前記アンテナが受信したGNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する衛星方向取得部を備える。前記表示データ生成部は、前記衛星を前記アンテナから見た方向を表示するためのデータを生成する。
これにより、ユーザは、GNSS信号の角度スペクトラムを、当該GNSS信号に対応する衛星の方向とともに理解することができる。
本発明の第4の観点によれば、以下のGNSS受信方法が提供される。即ち、少なくとも2つのアンテナでGNSS信号を受信する。前記アンテナが受信した前記GNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する。複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向を推定する。前記衛星を前記アンテナから見た方向と、推定された前記GNSS信号の到来方向と、を比較して、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する。
本発明の第5の観点によれば、以下のGNSS受信方法が提供される。即ち、少なくとも2つのアンテナでGNSS信号を受信する。複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求める。前記角度スペクトラムに基づいて、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する。
本発明の第6の観点によれば、以下のGNSS受信方法が提供される。即ち、少なくとも2つのアンテナでGNSS信号を受信する。複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求める。前記角度スペクトラムを表示するためのデータを生成する。
本発明の実施形態に係るGNSS受信装置の電気的構成を示すブロック図。 アンテナの配置の一例を示す図。 GNSS信号の強度の角度スペクトラムの例を示す図。 なりすまし信号の送信装置の位置を、複数のアンテナアレイを用いて取得する概念図。 別の実施形態のGNSS受信装置の電気的構成を示すブロック図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るGNSS受信装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2は、アンテナ11の配置の一例を示す図である。
図1に示すGNSS受信装置1は、受信したGNSS信号に基づいて、GNSS時刻に正確に同期した1PPS信号をタイミングパルスとして出力するものであり、例えば通信基地局又は放送局等で使用することができる。このGNSS受信装置1は、受信したGNSS信号が、直接GNSS信号であるか、非直接GNSS信号であるかについて判定し、非直接GNSS信号を除外して測位計算を行うことにより、高い精度のタイミングパルス信号を出力することができる。
本明細書において、直接GNSS信号とは、GNSS衛星から送信された電波を直接受信したGNSS信号を意味する。非直接GNSS信号とは、直接GNSS信号以外のGNSS信号を意味する。非直接GNSS信号の例としては、GNSS衛星から送信された電波が建物等の壁面に当たって反射した後に受信したGNSS信号(以下、マルチパス信号という)を挙げることができる。また、非直接GNSS信号には、スプーフィングを目的として何者かがGNSS衛星以外の送信源から送信した電波を受信したGNSS信号(以下、なりすまし信号という)が含まれる。
GNSS受信装置1は、アンテナアレイを備える。アンテナアレイは、GNSS信号を受信可能な複数のアンテナ11を備える。それぞれのアンテナ11の構成は任意であるが、例えばパッチアンテナとすると、コストを低減できるために好ましい。
このアンテナアレイにおいて、各アンテナ11は、所定の間隔をあけて配置される。アンテナ11は物理的に位置を異ならせて配置されているので、同一のGNSS信号を受信する場合においても、各アンテナ11での受信タイミングは、特別な場合を除いて異なる。本実施形態において、それぞれのアンテナ11は地面に対して移動することがないように固定的に設置される。
図1ではアンテナ11が2つだけ示されているが、本実施形態では、図2に示すように、アンテナアレイは6個のアンテナ11を備える。アンテナアレイにおいて、アンテナ11は、正6面体における6つの面の面心位置に対応するように配置されている。
正6面体の上面のアンテナ11、下面のアンテナ11の2つに着目すると、アンテナアレイからみて高仰角の領域に存在する1番の衛星101がGNSS信号を送信した場合、このGNSS信号111は、上、下の順に、2つのアンテナ11によって時間差をおいて受信される。なお、GNSS信号が建物等に反射したマルチパスGNSS信号112については後述する。
アンテナアレイからみて低仰角の領域に存在する2番の衛星102がGNSS信号を送信した場合も、このGNSS信号113は、上、下の順に、2つのアンテナ11によって時間差をおいて受信される。ただし、低仰角の2番の衛星102の場合、上下の2つのアンテナ11がGNSS信号113を受信するタイミングの差は、高仰角の1番の衛星101のGNSS信号111と比較して小さくなる。
上記の説明では、アンテナアレイにおいて高さの異なる2つのアンテナ11に着目して説明しているが、水平面内で位置が異なる4つのアンテナ11に着目した場合、それぞれのアンテナ11がGNSS信号を受信するタイミングの先後及びその時間差は、アンテナアレイから見たGNSS信号の到来方向(方位角及び仰角)に応じて異なる。
本実施形態に係るGNSS受信装置1は、位置を異ならせて配置された複数のアンテナ11での受信タイミングの時間差を利用して、受信したGNSS信号が、直接GNSS信号であるか、非直接GNSS信号であるかについて判定することができる。更に、GNSS受信装置1は、非直接GNSS信号を除外した上で、直接GNSS信号に基づいてタイミングパルス信号を生成して外部に出力することができる。
図1に示すように、GNSS受信装置1は、信号処理部21と、判断処理部51と、フィルタ部(非直接GNSS信号除去部)61と、測位計算部71と、タイミングパルス生成部81と、を備える。
信号処理部21は、受信したGNSS信号に対して信号処理を行う。この信号処理部21は、クロックパルス発生部31と、受信機41と、を備える。
クロックパルス発生部31は、所定の周波数(クロック周波数)を有するクロック信号を受信機41に出力する。クロックパルス発生部31は、受信機41にクロック信号を供給するクロック源として機能する。
クロックパルス発生部31は、発振器32と、シンセサイザ33と、を備える。
発振器32は、例えば水晶からなる振動子を発振させることにより、所定の周波数の信号を生成する。発振器32は、生成した信号をシンセサイザ33に出力する。
シンセサイザ33は、発振器32から出力された信号に基づいて、所定の周波数(クロック周波数)のクロック信号を生成する。シンセサイザ33は、生成したクロック信号を受信機41に出力する。
受信機41は、信号処理を行う。本実施形態では、受信機41は、各アンテナ11に対応して1つずつ配置されている。それぞれの受信機41は、対応するアンテナ11に接続される。従って、各アンテナ11で受信したGNSS信号は、各受信機41によって個別に信号処理される。
それぞれの受信機41は、信号入力部42と、RF/IFダウンコンバータ部43と、ベースバンド処理部(衛星方向取得部)44と、を備える。
信号入力部42には、アンテナ11が受信したGNSS信号が入力される。信号入力部42は、例えばコネクタとすることができる。このコネクタには、アンテナ11と受信機41とを電気的に接続する信号線が接続される。
RF/IFダウンコンバータ部43は、信号入力部42で取得したGNSS信号を、後述するベースバンド処理部44で処理することができる信号データに変換する。
RF/IFダウンコンバータ部43は、VCO(電圧制御発振器)と、ミキサ(混合器)と、を備える。RF/IFダウンコンバータ部43は、信号入力部42で取得したGNSS信号と、クロック周波数の位相に一致するように制御されたVCOからの出力と、をミキサで混合する。これにより、RF/IFダウンコンバータ部43は、GNSS信号の周波数を、クロック周波数の分周比倍の中間周波数に変換することができる。
また、RF/IFダウンコンバータ部43は、アンプと、A/Dコンバータと、を備える。アンプは、中間周波数に変換したGNSS信号を増幅する。A/Dコンバータは、増幅した当該GNSS信号をデジタルデータに変換する。RF/IFダウンコンバータ部43は、当該GNSS信号に関するデータを、ベースバンド処理部44に出力する。
ベースバンド処理部44は、公知のコンピュータとして構成されており、CPU、ROM、相関器等を備える。ROMには、GNSS信号を処理するためのプログラムが格納されており、ベースバンド処理部44は、当該プログラムに基づいて動作する。
ベースバンド処理部44の相関器には、RF/IFダウンコンバータ部43から出力されたGNSS信号に関するデータと、シンセサイザ33からのクロック信号と、が入力される。相関器は、複数種類のPRNコード(疑似雑音符号)と、GNSS信号と、の相関を、PRNコードのタイミングを少しずつズラしながら求める。ベースバンド処理部44は、これにより、GNSS信号が変調されているPRNコード番号を特定するとともに、当該PRNコードの受信タイミングを特定する。
GNSSシステムは多数のGNSS衛星によって構築されているが、PRNコードは1つ1つのGNSS衛星に固有のものである。従って、PRNコード番号を特定することは、受信したGNSS信号に対応するGNSS衛星を特定することと同義である。
PRNコードの受信タイミングを特定することで、GNSS信号の受信タイミングを求めることができる。PRNコードの受信タイミングを特定するにあたっては、クロックパルス発生部31から相関器に入力されるクロック信号が基準となる。
ベースバンド処理部44は、当該相関器に入力されたデータに対してCPUによる演算処理を行う。これにより、PRNコードに基づいて変調されているGNSS信号を復調することができる。
ベースバンド処理部44は、復調したデータに含まれる航法メッセージを利用して、衛星の位置情報を計算する。衛星の位置情報は、航法メッセージに含まれる各GNSS衛星の軌道情報(衛星軌道情報)と、GNSS時刻とにより、公知の計算式を用いて得ることができる。また、GNSS時刻は、通常の方法で測位計算を行うことにより得ることができる。
ベースバンド処理部44は、GNSS信号に対応するGNSS衛星の位置と、測位計算により得られたアンテナ11の位置と、に基づいて、受信したGNSS信号に対応するGNSS衛星をアンテナアレイから見た方向(具体的には、方位角及び仰角)の情報を計算する。図2に示す例を参照して具体的に説明すると、ベースバンド処理部44は、例えば、1番の衛星101が、アンテナアレイからみて方位角が212°であり、仰角が88°である方向に位置することを計算することができる。
ベースバンド処理部44は、アンテナアレイから見た衛星101,102の方位角及び仰角に関するデータ、及び、GNSS信号の受信タイミングに関して取得したデータを、判断処理部51の推定部52及び判定部53に出力する。また、ベースバンド処理部44は、取得したGNSS信号をフィルタ部61に出力する。
判断処理部51は、受信機41から入力されたデータに基づいて、受信したGNSS信号が、直接GNSS信号であるか非直接GNSS信号であるかを判定する。判断処理部51は、推定部52と、判定部53と、を備える。
推定部52は、6つのアンテナ11に対応する受信機41で取得したPRNコードの受信タイミングと、6つのアンテナ11の位置関係と、に基づき、受信したGNSS信号の到来方向を推定する。
アンテナアレイにおいて、6つのアンテナ11は、正6面体の中心を挟んでそれぞれが対をなすように3対で配置される。上述したように、対をなす2つのアンテナ11が同一のGNSS信号を受信する場合、受信タイミングの時間差が発生し、その時間差は、当該GNSS信号の到来方向に応じて異なる。
到来方向を推定する方法を簡単に説明すると、対をなす2つのアンテナ11を結ぶ仮想直線に垂直な面に対してGNSS信号の到来方向がなす角をθとすると、GNSS信号の経路差は、2つのアンテナ11の間隔をdとして、dsinθと表すことができる。従って、光速をcとして、GNSS信号の受信タイミングの差Δtは、Δt=dsinθ/cで表すことができる。この式は、受信タイミングの差Δtから、上述の角θを求めることができることを示している。
アンテナ11の3つの対の並べられる方向(対をなすアンテナ11を結ぶ仮想直線の向き)は、互いに異なっている(図2の例では、互いに直交している)。従って、残りの2対のアンテナ11についてもそれぞれ角θを求めることにより、GNSS信号の到来方向を3次元的に特定することができる。
推定部52が推定したGNSS信号の到来方向の例が、図2に示されている。図2の例で、推定部52は、GNSS信号111について、方位角が206°であり、仰角が85°である方向から到来したと推定している。GNSS信号112については、方位角が147°であり、仰角が11°である方向から到来したと推定されている。GNSS信号113については、方位角が296°であり、仰角が17°である方向から到来したと推定されている。推定部52は、推定したGNSS信号の到来方向に関するデータを、判定部53に出力する。
判定部53は、それぞれのGNSS信号について、推定部52が推定した当該GNSS信号の到来方向を示す方位角及び仰角と、当該GNSS信号に対応する衛星についてベースバンド処理部44が航法メッセージから取得した方位角及び仰角と、を比較し、一致しているか否かを判断する。
これにより、判定部53は、受信したGNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定することができる。
詳細には、判定部53は、推定部52より取得したGNSS信号の到来方向を示す方位角及び仰角と、航法メッセージから取得した衛星の位置に基づく方位角及び仰角と、を比較する。そして、方位角の差及び仰角の差が何れも所定範囲内である場合、判定部53は、受信したGNSS信号が直接GNSS信号であると判定する。方位角の差及び仰角の差のうち少なくとも一方が所定範囲を外れる場合、判定部53は、受信したGNSS信号が非直接GNSS信号であると判定する。
図2に示すように、衛星101が送信したGNSS信号111をアンテナアレイで直接受信する場合、GNSS信号111の到来方向は、1番の衛星101の方位角及び仰角と一致する。一方、マルチパスに基づくGNSS信号112は、反射により向きを変えるため、その到来方向は1番の衛星101の方位角及び仰角と大きく異なることが殆どである。従って、判定部53は、方向を比較することで、GNSS信号111が直接GNSS信号であり、GNSS信号112が非直接GNSS信号であると判定することができる。
図2ではなりすましGNSS信号については省略されているが、なりすましGNSS信号を送信する送信源の位置は、なりすますのを意図する衛星の位置とは、通常異なる。従って、判定部53は、上記と全く同様に方向を比較することで、そのような発信機器から受信したGNSS信号について非直接GNSS信号であると判定することができる。判断処理部51は、判定部53の判定結果を、フィルタ部61に出力する。
フィルタ部61には、1つの受信機41のベースバンド処理部44からGNSS信号が入力されるとともに、判断処理部51の判定部53から判定結果が入力される。フィルタ部61は、受信機41から入力されるGNSS信号から、判定部53によって非直接GNSS信号であると判定された信号を選択的に除去する。フィルタ処理後のGNSS信号は、直接GNSS信号だけになる。フィルタ部61は、フィルタ処理後のGNSS信号を測位計算部71に出力する。
測位計算部71は、フィルタ部61から入力されたGNSS信号に基づいて、公知の測位計算を行う。この結果、GNSS時刻が得られる。測位計算部71は、得られたGNSS時刻を、タイミングパルス生成部81に出力する。
タイミングパルス生成部81は、測位計算部71から入力されるGNSS時刻に基づき、当該GNSS時刻に同期した1秒に1回のパルス信号(1PPS信号)を生成する。タイミングパルス生成部81が生成したタイミングパルス信号は、GNSS受信装置1から出力され、外部の機器(例えば、公知の基準周波数発生装置等)に入力される。
GNSS受信装置1は、受信したGNSS信号が直接GNSS信号であるか非直接GNSS信号であるかを判定し、測位精度を低下させる非直接GNSS信号を除外した形で測位計算を行ってタイミングパルスを生成している。従って、マルチパス及びなりすまし信号等の影響を回避し、正確なタイミングパルスを安定的に出力することができる。
複数の受信機41においてGNSS信号の受信タイミングが特定されるが、これら複数の受信機41には、単一のクロックパルス発生部31から共通のクロック信号が供給される。従って、複数の受信機41が共通の基準で受信タイミングを表すことができるので、推定部52において受信タイミングの時間差を正確かつ容易に求めることができる。
このGNSS受信装置1は、タイミングパルスを生成する用途に限定されない。例えば、GNSS受信装置1が出力する測位結果を用いるナビゲーション用途のほか、様々な用途で好適に用いることができる。
アンテナアレイを構成するアンテナ11の数及び配置は、様々に変更することができる。図2のアンテナアレイにおいて、アンテナ11が、正6面体の体心位置に更に配置されていても良い。あるいは、アンテナ11を立体的に(高さを異ならせて)配置することに代えて、水平な面内において多角形をなすように適宜の数のアンテナを並べて配置することができる。
アンテナアレイを構成するアンテナ11から任意に2つのアンテナ11を選ぶ組合せを考えたときに、2つのアンテナ11を結ぶ仮想直線を、互いに向きが異なるように3つ以上定めることが可能であることが好ましい。これにより、GNSS信号の到来方向を3次元的に容易に特定することができる。図2で説明したアンテナアレイもこの条件を満たしているが、当該条件を満たす最も簡素なアンテナアレイとしては、3角形をなすように3つのアンテナ11を配置した構成が考えられる。
2つのアンテナ11からアンテナアレイを構成しても良い。この場合、GNSS信号の到来方向をピンポイントで推定することはできないが、当該到来方向は、アンテナアレイ(アンテナ11)の位置を頂点とし、2つのアンテナ11を結ぶ仮想直線を軸とする円錐面の母線となるはずである。この円錐面の母線が仮想直線(軸)となす角度は、90°から上述の角θを減じた角度に等しい。このように、推定部52は、GNSS信号の到来方向を、ある範囲に絞り込むように推定しても良い。判定部53は、当該GNSS信号に対応するGNSS衛星をアンテナアレイから見た方向が円錐面から所定以上乖離していた場合、当該GNSS信号を非直接GNSS信号であると判定するように構成することができる。
複数のアンテナ11による受信タイミングの時間差まで評価せず、アンテナ11による受信の順番に基づいて、直接GNSS信号であるか非直接GNSS信号であるかを判定するように構成しても良い。例えば、図2の構成のアンテナアレイを用いて、南側のアンテナ11が北側のアンテナよりも早くGNSS信号を受信した場合、推定部52は、GNSS信号の到来方向が概ね南であると推定する。推定部52の推定結果に反し、当該GNSS信号に対応するGNSS衛星をアンテナアレイから見た方向が北である場合は、判定部53が、当該GNSS信号を非直接GNSS信号であると判定する。
図1のGNSS受信装置1は、2つのアンテナ11がGNSS信号を受信したときのPRNコードの受信時間差を用いて、GNSS信号の到来方向を推定している。ただし、PRNコードの時間差に代えて、GNSS信号の搬送波位相差を利用してGNSS信号の到来方向を推定することもできる。この場合、GNSS信号の到来方向について精密な推定を行うことができる。位相は時間を角度で表したものであるので、搬送波位相差は、GNSS信号の受信タイミングの差の一種である。
以上に説明したように、本実施形態のGNSS受信装置1は、少なくとも2つのアンテナ11と、ベースバンド処理部44と、推定部52と、判定部53と、を備える。ベースバンド処理部44は、アンテナ11が受信したGNSS信号に対応する衛星101,102をアンテナ11から見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する。推定部52は、複数のアンテナ11でGNSS信号を受信したタイミングの差Δtに基づいて、GNSS信号111,112,113の到来方向を推定する。判定部53は、衛星101,102をアンテナから見た方向と、推定部52が推定した到来方向と、を比較することにより、アンテナ11で受信したGNSS信号111,112,113が、衛星101,102からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する。
これにより、推定したGNSS信号111,112,113の到来方向と、アンテナ11から見た衛星101,102の方向と、を比較する簡単な方法に基づいて、受信したGNSS信号が直接GNSS信号であるか非直接GNSS信号であるかについて判定することができる。
推定部52は、複数のアンテナ11でのGNSS信号の受信タイミングの差Δtに基づいて、GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求めるように構成することもできる。角度スペクトラムは、例えば、最小ノルム法、線形予測法、MUSIC法等、公知の方法を用いて計算することができる。角度スペクトラムは、GNSS信号に含まれるPRNコードのタイミングの差に基づいて求めても良いし、GNSS信号の搬送波の位相差から求めても良い。ただし、搬送波の位相差を用いると、高精度な角度スペクトラムが得られるために好ましい。
通常、ある方向がGNSS信号の到来方向に近い程、当該方向での信号強度が強いはずである。従って、GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求めることは、ある方向がGNSS信号の到来方向であると推定したときの正しさの分布を求めることと実質的に同じである。
角度スペクトラムは、方位角及び仰角の何れか一方に関するスペクトラム(1次元のスペクトラム)としても良いが、両方に関する2次元のスペクトラムとするのが好ましい。
図3(a)及び図3(b)には、角度スペクトラムの例が示されている。図3においては、アンテナアレイを中心とする仮想球(天球)の内面に2次元の角度スペクトラムを配置し、アンテナアレイの地点から天球を見上げた様子が示されている。円の中心からの角度が、GNSS信号の到来方向の方位角に対応する。最も外側の円は、到来方向の仰角=0°に対応し、円の中心は、到来方向の仰角=90°に対応する。図面での説明の都合上、図3の角度スペクトラムでは信号強度はハッチングの間隔で表現されている。間隔の狭いハッチングの領域は信号強度が大きいことを示し、間隔の広いハッチングの領域は信号強度が小さいことを示し、ハッチングがない領域は信号強度が実質的にゼロであることを示す。
上記のように角度スペクトラムを求めることにより、判定部53は、直接GNSS信号と非直接GNSS信号の判定を、例えば以下のように行うことができる。以下に例示する4つの判定方法は、複数組み合わせても良い。また、測位演算等で必要となる精度に応じて判定方法を切り換えても良い。
第1に、角度スペクトラムを用いて、ベースバンド処理部44が計算した衛星の方向に相当する信号強度を求め、この信号強度が所定の強度以上であれば、判定部53が直接GNSS信号であると判定し、そうでなければ非直接GNSS信号であると判定する。
図3(a)及び図3(b)には、ベースバンド処理部44が計算した衛星の方向が、×印で示されている。図3(a)の場合、×印に相当する位置の信号強度が大きく、図3(b)の場合、×印に相当する位置の信号強度がゼロになっている。従って、判定部53は、図3(a)のGNSS信号を直接GNSS信号であると判定し、図3(b)のGNSS信号を非直接GNSS信号であると判定する。
第2に、角度スペクトラムにおける信号強度のピークに相当する方向を求め、この方向と、ベースバンド処理部44が計算した衛星の方向と、を比較し、方向の差が所定以内であれば、判定部53が直接GNSS信号であると判定し、そうでなければ非直接GNSS信号であると判定する。
図3(b)の場合、角度スペクトラムにおいて信号強度が最も大きくなっている方向と、ベースバンド処理部44が計算した衛星の方向(×印)と、がやや大きく乖離している。従って、判定部53は、図3(b)のGNSS信号を非直接GNSS信号であると判定する。
第3に、角度スペクトラムにおける信号強度のピークが複数ある場合は、送信源が複数ある可能性及びマルチパスの可能性等が疑われるので、判定部53が非直接GNSS信号であると判定する。
図3(b)の場合、角度スペクトラムにおいて、ピークが南と北の両方に現れている。従って、判定部53は、図3(b)のGNSS信号を非直接GNSS信号であると判定する。
第4に、複数の衛星を示すGNSS信号同士(言い換えれば、異なるPRNコードで拡散符号化されているGNSS信号同士)の角度スペクトラムを比較して、互いに類似していれば、判定部53が非直接GNSS信号であると判定する。即ち、悪意のある者が、移動体の現在位置を誤信させて特定の箇所に誘導するためになりすまし信号を送信する場合、異なる複数の衛星になりすましてGNSS信号を当該移動体に送信する必要がある。一方、なりすまし信号を送信するための設備は1つ又は少数であることが殆どであるため、なりすまし信号は、少ない場所から送信される。従って、なりすまし信号は、複数の異なる衛星を示すGNSS信号であっても、その角度スペクトラム同士が類似する傾向がある。これを利用すれば、受信したGNSS信号が非直接GNSS信号であるか否か(特に、なりすまし信号であるか否か)を適切に判定することができる。
なりすまし信号の対策の1つとして、そのような信号の送信源の位置を特定するニーズがある。この点、例えば図2に示す構成のアンテナアレイを複数備え、アンテナアレイ同士を互いに距離をあけて配置し、それぞれのアンテナアレイにおいて受信したなりすまし信号の到来方向を推定すれば、公知の幾何学的な計算によって送信源の位置を知ることができる。
図4には、なりすまし信号の送信源である送信装置105の位置を、複数のアンテナアレイを用いて取得する概念図が示されている。なりすまし信号の到来方向の推定は、例えば、それぞれのアンテナアレイにおいて計算した角度スペクトラムのピークに相当する方向を求めることで実現できる。
図4において、なりすまし信号の到来方向を逆向きに延長した直線が交わる箇所に、送信装置105が存在するものと推定することができる。アンテナアレイは複数あれば良いが、送信源の位置を高精度で求めるためには、アンテナアレイの数は多いことが好ましい。
以上に示すように、GNSS受信装置1において、推定部52は、複数のアンテナ11でGNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向の推定に関して、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求めるように構成することができる。判定部53は、推定部52が求めた角度スペクトラムに基づいて、アンテナ11で受信したGNSS信号が直接GNSS信号であるか非直接GNSS信号であるかについて判定する。
このように、GNSS信号の到来方向の推定の確からしさの分布を角度スペクトラムとして求めることにより、受信したGNSS信号が、衛星からの直接波に基づくGNSS信号であるか、そうでないGNSS信号であるかについて判定することができる。
角度スペクトラムは、GNSS受信信号の到来方向を推定する用途に限らず、例えば、信号の監視を目的として単に表示するために計算しても良い。
図5に示す実施形態のGNSS受信装置1xにおいては、上述の実施形態における判断処理部51、フィルタ部61、測位計算部71、及びタイミングパルス生成部81が省略されている。
図5のGNSS受信装置1xは、角度スペクトラム取得部91と、表示データ生成部92と、を備える。
角度スペクトラム取得部91は、ベースバンド処理部44から得られた各衛星のGNSS信号の搬送波の位相差に基づいて、GNSS信号の強度の角度スペクトラムを、衛星番号ごとに(言い換えれば、PRNコード番号ごとに)計算して取得する。この角度スペクトラム取得部91の動作は、図1の推定部52が角度スペクトラムを計算する場合と全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
表示データ生成部92は、角度スペクトラム取得部91によって得られた角度スペクトラムを、GNSS受信装置1xに接続された表示装置3に表示するための表示データを生成する。表示装置3は、例えば液晶ディスプレイとして構成され、様々な情報を表示することができる。
表示装置3には、例えば図3(a)及び図3(b)に示すものと同等の内容を表示することが考えられる。このように、アンテナアレイを中心とする天球に配置した角度スペクトラムを表示装置3にグラフィカルに表示することにより、ユーザはGNSS信号の受信状況を直感的に理解することができる。
表示データ生成部92が生成する表示データは、角度スペクトラムに加えて、図3の×印で示すように、ベースバンド処理部44が計算した衛星の方向をスカイプロットのように表示するための表示データを含むことが好ましい。これにより、ユーザは、角度スペクトラムを、当該GNSS信号に対応する衛星の方向とともに理解することができる。
表示装置3には、図3(a)で示すように、1つの衛星番号(言い換えれば、1つのPRNコード)に着目した角度スペクトラムを表示することができる。ただし、表示装置3に、角度スペクトラムを衛星番号ごとに多数並べて一覧表示することもできる。
角度スペクトラムの表現としては、図3(a)のように天球を用いた円状の領域での表現に限らず、例えば、横軸を方位角、縦軸を仰角とした矩形の領域での表現とすることができる。また、表示装置3に表示される角度スペクトラムにおける信号強度の分布は、例えばサーモグラフィのようなカラースケールで表現しても良いし、色の濃淡で表現しても良いし、等強度線で表示しても良い。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
アンテナアレイを構成するアンテナ11は、地面に対して固定的に設置されなくても良い。例えば、アンテナアレイを、自動車及び船舶等の移動体に設けることができる。
衛星軌道情報は、衛星から送信されるGNSS信号から取得しなくても良い。例えば、GNSS受信装置1,1xをインターネットに接続可能に構成し、インターネットを通じて配信されるGNSSアシストデータから受信機41が衛星軌道情報を取得しても良い。
衛星をアンテナアレイから見た方位角及び仰角をベースバンド処理部44が求める場合、前提として、アンテナアレイの位置(アンテナ11の位置)の情報が必要になる。アンテナアレイが地面に対して固定的に設けられる場合、アンテナアレイの位置は事前に求めておくことができる。従って、ベースバンド処理部44は、アンテナアレイの位置を測位計算で求めずに、事前にユーザにより設定された位置を用いることもできる。
1つにつき2以上のアンテナ11を接続可能な受信機41を用いても良い。この場合、GNSS受信装置1は、例えば、6つのアンテナ11と、3つの受信機41と、を備える構成とすることができる。この場合でも、3つの受信機41には、共通のクロックパルス発生部31からクロック信号が供給されることが好ましい。アレイアンテナを構成する全てのアンテナ11を、1つの受信機41に接続しても良い。
GNSS受信装置1は、フィルタ部61に代えて、又は、それに加えて、非直接GNSS信号の受信を報知する報知部を備えてもよい。この場合、非直接GNSS信号を受信したことをユーザに知らせ、注意を喚起することができる。報知部の構成は、特に限定されない。報知部は、例えば、音を利用して報知するブザーとすることができる。また、報知部は、警告表示を行う表示装置とすることができる。
複数の異なる衛星を示すGNSS信号について、図2のように到来方向をピンポイントで推定し、この推定した到来方向の角度の差が所定値以下である(言い換えれば、到来方向同士が互いに類似する)場合には、当該GNSS信号が非直接GNSS信号(なりすまし信号)であると判定部53が判定するように構成しても良い。
判定部53が非直接GNSS信号であると判定したGNSS信号につき、推定部52が推定した当該GNSS信号の到来方向をGNSS受信装置1が適宜の表示装置に出力できるように構成しても良い。この場合、どのようにマルチパスが発生しているか、なりすまし信号がどの方向から送信されているか等に関する有用な情報を得ることができる。
図1のGNSS受信装置1が図3の表示データ生成部92を備え、角度スペクトラムを表示装置3に表示する機能を有するように構成しても良い。
GNSS受信装置1,1xが表示装置3を一体的に備えていても良い。
1,1x GNSS受信装置
11 アンテナ
31 クロックパルス発生部(クロック源)
41 受信機
44 ベースバンド処理部(衛星方向取得部)
52 推定部
53 判定部
61 フィルタ部(非直接GNSS信号除去部)
91 角度スペクトラム取得部
92 表示データ生成部
101,102 衛星
111,112,113 GNSS信号
用語
必ずしも全ての目的または効果・利点が、本明細書中に記載される任意の特定の実施形態に則って達成され得るわけではない。従って、例えば当業者であれば、特定の実施形態は、本明細書中で教示または示唆されるような他の目的または効果・利点を必ずしも達成することなく、本明細書中で教示されるような1つまたは複数の効果・利点を達成または最適化するように動作するように構成され得ることを想到するであろう。
本明細書中に記載される全ての処理は、1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサを含むコンピューティングシステムによって実行されるソフトウェアコードモジュールにより具現化され、完全に自動化され得る。コードモジュールは、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶装置に記憶することができる。一部または全ての方法は、専用のコンピュータハードウェアで具現化され得る。
本明細書中に記載されるもの以外でも、多くの他の変形例があることは、本開示から明らかである。例えば、実施形態に応じて、本明細書中に記載されるアルゴリズムのいずれかの特定の動作、イベント、または機能は、異なるシーケンスで実行することができ、追加、併合、または完全に除外することができる (例えば、記述された全ての行為または事象がアルゴリズムの実行に必要というわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作またはイベントは、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサまたはプロセッサコアを介して、または他の並列アーキテクチャ上で、逐次ではなく、並列に実行することができる。さらに、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能し得る異なるマシンおよび/またはコンピューティングシステムによっても実行され得る。
本明細書中に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロックおよびモジュールは、プロセッサなどのマシンによって実施または実行することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、またはそれらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはコンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行する他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、デジタル信号プロセッサ(デジタル信号処理装置)とマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。本明細書中では、主にデジタル技術に関して説明するが、プロセッサは、主にアナログ素子を含むこともできる。例えば、本明細書中に記載される信号処理アルゴリズムの一部または全部は、アナログ回路またはアナログとデジタルの混合回路により実装することができる。コンピューティング環境は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または装置内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
特に明記しない限り、「できる」「できた」「だろう」または「可能性がある」などの条件付き言語は、特定の実施形態が特定の特徴、要素および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝達するために一般に使用される文脈内での意味で理解される。従って、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に必要とされる任意の方法であること、または1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、または実行されるかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを意味するという訳ではない。
語句「X、Y、Zの少なくとも1つ」のような選言的言語は、特に別段の記載がない限り、項目、用語等が X, Y, Z、のいずれか、又はそれらの任意の組み合わせであり得ることを示すために一般的に使用されている文脈で理解される(例: X、Y、Z)。従って、このような選言的言語は、一般的には、特定の実施形態がそれぞれ存在するXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つ、の各々を必要とすることを意味するものではない。
本明細書中に記載されかつ/または添付の図面に示されたフロー図における任意のプロセス記述、要素またはブロックは、プロセスにおける特定の論理機能または要素を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、潜在的にモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すものとして理解されるべきである。代替の実施形態は、本明細書中に記載された実施形態の範囲内に含まれ、ここでは、要素または機能は、当業者に理解されるように、関連する機能性に応じて、実質的に同時にまたは逆の順序で、図示または説明されたものから削除、順不同で実行され得る。
特に明示されていない限り、「一つ」のような数詞は、一般的に、1つ以上の記述された項目を含むと解釈されるべきである。従って、「~するように設定された一つのデバイス」などの語句は、1つ以上の列挙されたデバイスを含むことを意図している。このような1つまたは複数の列挙されたデバイスは、記載された引用を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「以下のA、BおよびCを実行するように構成されたプロセッサ」は、Aを実行するように構成された第1のプロセッサと、BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサとを含むことができる。加えて、導入された実施例の具体的な数の列挙が明示的に列挙されたとしても、当業者は、このような列挙が典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾語を用いない「2つの列挙と」の単なる列挙は、通常、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきである。
一般に、本明細書中で使用される用語は、一般に、「非限定」用語(例えば、「~を含む」という用語は「それだけでなく、少なくとも~を含む」と解釈すべきであり、「~を持つ」という用語は「少なくとも~を持っている」と解釈すべきであり、「含む」という用語は「以下を含むが、これらに限定されない。」などと解釈すべきである。) を意図していると、当業者には判断される。
説明の目的のために、本明細書中で使用される「水平」という用語は、その方向に関係なく、説明されるシステムが使用される領域の床の平面または表面に平行な平面、または説明される方法が実施される平面として定義される。「床」という用語は、「地面」または「水面」という用語と置き換えることができる。「垂直/鉛直」という用語は、定義された水平線に垂直/鉛直な方向を指します。「上側」「下側」「下」「上」「側面」「より高く」「より低く」「上の方に」「~を越えて」「下の」などの用語は水平面に対して定義されている。
本明細書中で使用される用語の「付着する」、「接続する」、「対になる」及び他の関連用語は、別段の注記がない限り、取り外し可能、移動可能、固定、調節可能、及び/または、取り外し可能な接続または連結を含むと解釈されるべきである。接続/連結は、直接接続及び/または説明した2つの構成要素間の中間構造を有する接続を含む。
特に明示されていない限り、本明細書中で使用される、「およそ」、「約」、および「実質的に」のような用語が先行する数は、列挙された数を含み、また、さらに所望の機能を実行するか、または所望の結果を達成する、記載された量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」とは、特に明示されていない限り、記載された数値の10%未満の値をいう。本明細書中で使用されているように、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が先行して開示されている実施形態の特徴は、さらに所望の機能を実行するか、またはその特徴について所望の結果を達成するいくつかの可変性を有する特徴を表す。
上述した実施形態には、多くの変形例および修正例を加えることができ、それらの要素は、他の許容可能な例の中にあるものとして理解されるべきである。そのような全ての修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることを意図し、以下の特許請求の範囲によって保護される。

Claims (18)

  1. 少なくとも2つのアンテナと、
    前記アンテナが受信したGNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する衛星方向取得部と、
    複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向を推定する推定部と、
    前記衛星を前記アンテナから見た方向と、前記推定部が推定した前記到来方向と、を比較することにより、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する判定部と、
    を備え
    前記判定部は、前記アンテナで受信した複数のGNSS信号が互いに異なる送信元衛星を示すにもかかわらず、前記推定部が推定した前記GNSS信号の到来方向が互いに類似する場合に、当該GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することを特徴とするGNSS受信装置。
  2. 少なくとも2つのアンテナと、
    複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向の推定に関して、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求める推定部と、
    前記推定部が求めた前記角度スペクトラムに基づいて、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定する判定部と、
    を備え、
    前記判定部は、前記アンテナで受信した複数のGNSS信号が互いに異なる送信元衛星を示すにもかかわらず、前記推定部が推定した前記GNSS信号の角度スペクトラムが互いに類似する場合に、当該GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することを特徴とするGNSS受信装置。
  3. 請求項2に記載のGNSS受信装置であって、
    前記アンテナが受信した前記GNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する衛星方向取得部を備え、
    前記判定部は、前記角度スペクトラムに基づく、前記衛星を前記アンテナから見た方向に対応する前記GNSS信号の強度の値を用いて、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が前記直接GNSS信号であるか前記非直接GNSS信号であるかについて判定することを特徴とするGNSS受信装置。
  4. 請求項2に記載のGNSS受信装置であって、
    前記アンテナが受信した前記GNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得する衛星方向取得部を備え、
    前記判定部は、前記衛星を前記アンテナから見た方向と、前記角度スペクトラムのピークに相当する方向と、を比較することにより、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、前記直接GNSS信号であるか前記非直接GNSS信号であるかについて判定することを特徴とするGNSS受信装置。
  5. 請求項2から4までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記判定部は、前記角度スペクトラムが複数のピークを有する場合に、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することを特徴とするGNSS受信装置。
  6. 請求項1からまでの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記非直接GNSS信号であると前記判定部が判定したGNSS信号について前記推定部が推定した到来方向を出力可能に構成されていることを特徴とするGNSS受信装置。
  7. 請求項1からまでの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記非直接GNSS信号にマルチパス信号が含まれることを特徴とするGNSS受信装置。
  8. 請求項1からまでの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記非直接GNSS信号になりすまし信号が含まれることを特徴とするGNSS受信装置。
  9. 請求項に記載のGNSS受信装置であって、
    複数の前記アンテナから構成されるアンテナアレイを複数備え、
    前記非直接GNSS信号であると前記判定部が判定したGNSS信号がある場合に、それぞれの前記アンテナアレイから見た当該GNSS信号の到来方向について前記推定部が推定した結果と、それぞれの前記アンテナアレイの位置と、に基づいて、前記なりすまし信号の送信源の位置を推定することを特徴とするGNSS受信装置。
  10. 請求項1からまでの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記推定部は、
    複数のアンテナで受信したGNSS信号に含まれるPRNコードのタイミングの差から、当該GNSS信号の到来方向を推定することを特徴とするGNSS受信装置。
  11. 請求項1から10までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記推定部は、複数のアンテナで受信したGNSS信号の搬送波の位相差から、当該GNSS信号の到来方向を推定することを特徴とするGNSS受信装置。
  12. 請求項1から11までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    それぞれの前記アンテナは、地面に対して位置が変動しないように固定的に設けられていることを特徴とするGNSS受信装置。
  13. 請求項1から12までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    少なくとも3つの前記アンテナを備えることを特徴とするGNSS受信装置。
  14. 請求項1から13までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    複数の受信機を備え、
    複数の前記アンテナは、複数の前記受信機のうち何れかに接続され、
    複数の前記受信機に対して、共通のクロック源からクロック信号が供給されることを特徴とするGNSS受信装置。
  15. 請求項1から14までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記受信したGNSS信号から前記非直接GNSS信号を除去する非直接GNSS信号除去部を備えることを特徴とするGNSS受信装置。
  16. 請求項1から15までの何れか一項に記載のGNSS受信装置であって、
    前記非直接GNSS信号の受信を前記判定部の判定結果に基づいて報知する報知部を備えることを特徴とするGNSS受信装置。
  17. 少なくとも2つのアンテナでGNSS信号を受信し、
    前記アンテナが受信した前記GNSS信号に対応する衛星を前記アンテナから見た方向を、衛星軌道情報に基づいて取得し、
    複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の到来方向を推定し、
    前記衛星を前記アンテナから見た方向と、推定された前記GNSS信号の到来方向と、を比較して、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定し、
    前記判定においては、前記アンテナで受信した複数のGNSS信号が互いに異なる送信元衛星を示すにもかかわらず、前記推定した前記GNSS信号の到来方向が互いに類似する場合に、当該GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することを特徴とするGNSS受信方法。
  18. 少なくとも2つのアンテナでGNSS信号を受信し、
    複数の前記アンテナで前記GNSS信号を受信したタイミングの差に基づいて、当該GNSS信号の強度の角度スペクトラムを求め、
    前記角度スペクトラムに基づいて、前記アンテナで受信した前記GNSS信号が、衛星からの直接波に基づく直接GNSS信号であるか、そうでない非直接GNSS信号であるかについて判定し、
    前記判定においては、前記アンテナで受信した複数のGNSS信号が互いに異なる送信元衛星を示すにもかかわらず、前記推定した前記GNSS信号の角度スペクトラムが互いに類似する場合に、当該GNSS信号が前記非直接GNSS信号であると判定することを特徴とするGNSS受信方法。
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