JP2023165497A - 缶蓋及びその成形方法 - Google Patents

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英樹 西本
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Abstract

【課題】本発明は、比較的簡単な形状で、耐圧強度の高い缶蓋を得ることを課題とする。【解決手段】センターパネル部11と、環状溝部12と、チャックウォール部13と、カール部14とを備えた缶蓋1であって、前記環状溝部は前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、前記環状溝部の中心軸側端部と前記環状溝部の最下部123との間の内周部124には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部1222及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部1221が設けられており、前記缶蓋の中心軸を含む断面において、前記環状溝部の外周側端部と前記環状溝部の前記最下部123との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線126より前記缶蓋の中心軸側にあり、前記外周部には複数の直線部又は曲線部を連接する1つ以上の屈曲部1242が設けられ、前記屈曲部のうち少なくとも1つが外周側に凸であることを特徴とする缶蓋。【選択図】図1

Description

本発明は、缶蓋及びその成形方法に関するものである。
飲料などが充填される金属缶は、2ピース缶の場合、有底筒状の缶胴の開口端に缶蓋を巻締めることによって内容物を密閉している。このような缶蓋は、ステイオンタブ型の開口用タブ付きのものが一般に採用されている。この缶蓋は、缶胴内に内容物を充填した後に、缶胴の開口端に巻締められるので、一般には、缶胴とは別に、積み重ね(スタック)状態で内容物の充填先に供給される。
缶蓋は、開口用タブが取り付けられるセンターパネル部を有し、センターパネル部の外周に、巻き締め機の内側ツール(シーミングチャック)の外縁突起が挿入される環状溝部を有し、環状溝部の外周にチャックウォール部を有し、チャックウォール部の外周に缶胴の開口端に巻き締められるカール部を有している(例えば、下記特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2019-112143号公報 特開平3-275443号公報
金属缶は、材料資源の節約や軽量化のために、板厚を可能な限り薄くすることが求められているが、板厚を薄くすると、缶内圧力が上昇した場合の強度(耐圧強度)が問題になる。
缶蓋は、缶内圧力が上昇すると、センターパネル部を上方に押し上げる力が作用するので、異常に缶内圧力が上昇した場合には、環状溝部が上方に反転突出して、環状溝部とセンターパネル部が上方に角状に突出した状態になる、いわゆるバックリングが生じる場合がある。特に、内容物が炭酸飲料などの場合には、周囲環境などによって缶内温度が異常に上昇すると、バックリングが生じやすくなる。
これに対して、耐圧強度を高めるための缶蓋の構造は、上記特許文献1に示された従来技術のように、様々な対応策が検討されている。しかしながら、その対応策は、前述した従来技術のように、チャックウォール部に第1湾曲部と第2湾曲部を設けて、第1湾曲部の曲率半径と第2湾曲部の曲率半径の関係を規定するといった、複雑な形状が必要なものとなっていた。
本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであり、缶蓋の環状溝部周辺の形状を複雑にすることなく、比較的簡単な形状で、耐圧強度の高い缶蓋を得ることが本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明による缶蓋は、以下の構成を具備するものである。
センターパネル部と、環状溝部と、チャックウォール部と、カール部とを備えた缶蓋であって、前記環状溝部は、前記センターパネル部の外周に連設され、前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、前記チャックウォール部は、前記環状溝部の外周に連設され、前記延長面より上方に延びており、前記カール部は、前記チャックウォール部の外周に連設され、前記チャックウォール部より延びて缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されており、前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの中心軸側の交線である前記環状溝部の中心軸側端部と、前記環状溝部の最下部との間の内周部には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部が設けられており、前記缶蓋の中心軸を含む断面において、前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの外周側の交線である前記環状溝部の外周側端部と、前記環状溝部の前記最下部との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より前記缶蓋の中心軸側にあり、前記外周部には複数の直線部又は曲線部を連接する1つ以上の屈曲部が設けられ、前記屈曲部のうち少なくとも1つが外周側に凸であることを特徴とする缶蓋。
また、本発明による缶蓋は、以下の構成を具備するものである。
センターパネル部と、環状溝部と、チャックウォール部と、カール部とを備えた缶蓋であって、前記環状溝部は、前記センターパネル部の外周に連設され、前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、前記チャックウォール部は、前記環状溝部の外周に連設され、前記延長面より上方に延びており、前記カール部は、前記チャックウォール部の外周に連設され、前記チャックウォール部より延びて缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されており、前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの中心軸側の交線である前記環状溝部の中心軸側端部と、前記環状溝部の最下部との間の内周部には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部が設けられており、前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの外周側の交線である前記環状溝部の外周側端部と、前記環状溝部の前記最下部との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より前記缶蓋の中心軸側にあり、前記缶蓋の中心軸を含む断面において、前記外周部は前記缶蓋の外周側に凸である1つの曲線部であることを特徴とする缶蓋。
このような特徴を有する缶蓋は、比較的簡単な形状の環状溝部の構成により、耐圧強度の高くすることができた。
缶蓋の部分断面を示した説明図であり、(a)は本実施形態、(b)は変形例である。 シーミングチャック15の外縁突起が挿入された状態の本実施形態の缶蓋の部分断面図である。 本実施形態の缶蓋の成形工程を示した説明図。 本実施形態の成形工程における成形体を示した説明図((a)が工程S1から工程S3によって成形される成形体、(b)、(c)、(d)が工程S4によって成形される成形体、(e)が最終的に得られる缶蓋1)。 ブランク打ち抜き工程S1を示した説明図((a)が打ち抜き前、(b)が打ち抜き後)。 外周部絞り工程S2の説明図((a)が絞り途中、(b)が絞り完了)。 パネル部絞り工程S3の説明図((a)が絞り開始時、(b)が絞り完了時)。 パネル部押し下げ工程S4の説明図((a)が押し下げ開始時、(b)が押し下げ途中)。 パネル部押し下げ工程S4の説明図((a)、(b)ともに押し下げ途中)。 パネル部押し下げ工程S4の説明図((a)が押し下げ完了、(b)成形物取り出し)。 成形工程の変形例におけるリフォーム工程の成形体挿入を示した説明図。 成形工程の変形例におけるリフォーム工程の成形体挟持を示した説明図。 成形工程の変形例におけるリフォーム工程の環状溝部の押上げを示した説明図。 成形工程の変形例におけるリフォーム工程の環状溝部の再成形を示した説明図。 成形工程の変形例におけるリフォーム工程の成形体取り出しを示した説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
[缶蓋の形状]
図1は、缶蓋1の部分断面を示した説明図である。
図2は、シーミングチャック15の外縁突起が挿入された状態の缶蓋の部分断面図である。
まず、図1(a)に示された本実施形態を説明する。
センターパネル部11は、缶蓋1の中央部分の略平坦状の部分であり、ステイオンタブ型の場合は、スコアや開口用タブが設けられる。
環状溝部12は、センターパネル部11の外周に連設され、センターパネル部11の上面の延長面111より下方に突出している。
そして、缶蓋1を缶筒(図示せず)の開口部上端に巻き締める際に、巻き締め機の内側ツールであるシーミングチャック15の外縁突起が挿入される部位になっている。
チャックウォール部13は、環状溝部12の外周に連設され、センターパネル部11の上面の延長面111より上方に延びている。
そして、缶蓋1を缶筒の開口部上端に巻き締める際に、巻き締め機の内側ツールであるシーミングチャック15が固定される部位になっている。(図2参照)
カール部14は、チャックウォール部13の外周に連設され、チャックウォール部13より缶蓋1の外周側に延びて、缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されている。
そして、缶筒に内容物が入れられて、缶筒の上端部とともに巻き締められて、缶蓋1と缶筒を密封する部位になっている。
[環状溝部の形状]
環状溝部12は、センターパネル部11の上面の延長面111との交線のうち缶蓋1の中心軸側の交線である中心軸側端部121、延長面111との交線のうち缶蓋1の外周側の端部との交線である外周側端部125との間で、延長面111より下方に突出するように成形されている。
環状溝部12の中心軸側端部121と最下部123との間の内周部122は、缶蓋1の外周側に窪んだリセス部1221と、缶蓋1の中心軸側に突出する突出部1222が設けられている。
このリセス部1221の窪み量、すなわち、缶蓋1の中心軸を含む断面における、突出部1222の中心軸側に最も突出した箇所とリセス部1221の外周側に最も窪んだ箇所との中心軸に直交する方向での距離は、0.1mm以上0.6mm以下が好ましい。
また、図2に示すように、環状溝部12は、缶蓋1を缶筒(図示せず)の開口部上端に巻き締める際に、巻き締め機の内側ツールであるシーミングチャック15の外縁突起が挿入される幅を有している。この環状溝部12の幅は、シーミングチャックの強度確保の点から0.5mm以上が好ましい。
環状溝部12は、缶蓋1の中心軸を含む断面において、最下部123と外周側端部125との間の外周部124は、2つの直線部1241を外周側に凸の屈曲部1242で連接した形状となっている。また、外周部124全体が、外周側端部125を通る垂線126より缶蓋1の中心軸側に位置するような形状となっている。
また、2つの直線部1241と、屈曲部1242上のすべての点における接線127は、缶蓋1の中心軸側に傾くように成形されている。
なお、直線部1241、接線127が缶蓋1の中心軸側に傾くとは、図1に示されるように、直線部1241、接線127の上側が下側より外周側に位置するように傾いていることを意味する。
環状溝部12は、このような形状により、全体的に缶蓋1の中心軸側に傾くような形状をなしている。(図1(a)の一点鎖線を参照)
缶蓋1は、環状溝部12が、缶蓋1が全体的に中心軸側に傾いている形状により、バックリング自体を起こりにくくするとともに、バックリングが起きたときに、缶蓋1に亀裂などが生じて内容物が缶の外に漏れることをも起こりにくくすることができるという効果を奏する。
環状溝部12の全体的な傾き度合いが小さいと、環状溝部12が上記効果を十分に奏することができず、また、傾き度合いが大きいと、缶蓋1の表面上のコーテイングにダメージが生じるおそれがある。そこで、環状溝部12の全体的な傾き度合いは、環状溝部12の大きさや厚さなども考慮して、最適化することにより上記効果を奏し得ることができる。
環状溝部12の垂線126に対する全体的な傾き度合い(垂線126と図1(a)の一点鎖線とのなす角)は、20°~60°程度が好ましい。
なお、本実施形態では、外周部124は2つの直線部1241を外周側に凸の屈曲部1242で連接した形状であったが、屈曲部1242が連接するものは直線状のものには限られない。
例えば、2つの曲線部を屈曲部1242で連接した形状や1つの直線部と1つの曲線部を屈曲部1242で連接した形状としてもよい。
さらに、3つ以上の直線部又は曲線部を2つ以上の屈曲部で連接した形状でもよい。
ただし、このような形状であっても、外周部124全体が垂線126より缶蓋1の中心軸側に位置するような形状で、直線部が缶蓋1の中心軸側に傾くように、曲線部及び屈曲部上のすべての点における接線が缶蓋1の中心軸側に傾くように成形されていることが重要である。
[環状溝部の変形例]
次に、図1(b)に示された変形例を説明する。
図1(a)に示された本実施形態とは、環状溝部12は、缶蓋1の中心軸を含む断面における、最下部123と外周側端部125との間の外周部124の形状が異なっている。
変形例では、環状溝部12の最下部123と外周側端部125との間の外周部124は、缶蓋1の外周側に凸である1つの曲線部1243に成形されている。
この場合も、外周部124全体が垂線126より缶蓋1の中心軸側に位置するような形状で、曲線部1243上のすべての点における接線127が缶蓋1の中心軸側に傾くように成形されていることが重要である。
変形例においても、環状溝部12は全体的に缶蓋1の中心軸側に傾くような形状をなしている。(図1(b)の一点鎖線を参照)
また、リセス部1221の窪み量、環状溝部12の幅、環状溝部12の垂線126に対する全体的な傾き度合い(垂線126と図1(b)の一点鎖線とのなす角)についても、本実施形態と同様である。
[缶蓋の成形]
図3は、缶蓋の成形工程を示した説明図である。
以下に、缶蓋1の成形方法を説明する。缶蓋1の成形工程は、図3に示すように、ブランク打ち抜き工程S1、外周部絞り工程S2、パネル部絞り工程S3、パネル部押し下げ工程S4を有する。
図4は、成形工程における成形体を示した説明図である。
これらの工程では、工程S1から工程S3によって、図4(a)に示した成形体M1が成形され、工程S4において、成形体M1に対してパネル部p(センターパネル部11に加工される被加工部)を押し下げる加工を行うことで、図4(b)、(c)、(d)に示した成形体M2、M3、M4が成形され、最終的に図4(e)に示す缶蓋1を得る。
図5~図10は、缶蓋1を成形する成形金型及び成形工程を示した説明図である。この成形工程はブランクの打ち抜きから缶蓋1の成形物までを一対の上下の金型内において1回のストロークで行う方法である。
なお、ブランクの打ち抜きから缶蓋1の成形物までを複数の工程で複数対の上下の金型内において、段階的に成形してもよい。
各工程を具体的に説明する。各工程には、複数の加工ツールからなる成形金型が使用される。
成形金型は、図5~図10に示すように、上ツールUと下ツールLからなり、上ツールUは、可動内側上ツールU1と可動外側上ツールU2を備えており、下ツールLは、固定内側下ツールL1と可動内側下ツールL2と可動中央下ツールL3と可動外側下ツールL4と固定外側下ツールL5を備えている。
図5は、ブランク打ち抜き工程S1を示した説明図((a)が打ち抜き前、(b)が打ち抜き後)である。
ブランク打ち抜き工程S1では、図5(a)に示すように、上ツールUと下ツールLの間に被加工材Mが搬入され、図5(b)に示すように、上ツールUが降下することで、可動外側上ツールU2の加工面aと固定外側下ツールL5の加工面bによる打ち抜きで、円盤状の成形体M01が成形される。
図6は、外周部絞り工程S2の説明図((a)が絞り途中、(b)が絞り完了)である。
外周部絞り工程S2では、更に、上ツールUが降下することで、図6(a)に示すように、可動外側上ツールU2の下面cと可動外側下ツールL4の上面dで成形体M02の外周部(カール部14に加工される被加工部)を挟んで、成形体M02の外周部に対して、可動中央下ツールL3の加工面eによる絞り加工がなされる。更に、上ツールUが降下し、図6(b)に示すように、可動外側上ツールU2の下面cが可動外側下ツールL4を押し下げることで、可動外側上ツールU2の加工面fと可動中央下ツールL3の加工面gとによって、成形体M03に対する絞り加工が進行する。
図7は、パネル部絞り工程S3の説明図((a)が絞り開始時、(b)が絞り完了時)である。
パネル部絞り工程S3では、図7(a)に示すように、更に上ツールUが降下して、可動外側上ツールU2の加工面hと可動中央下ツールL3の加工面eとが成形体M04の外周部を挟み、成形体M04のパネル部pが固定内側下ツールL1の上面に当たるので、パネル部pの絞り加工がなされる。また、この状態で、図7(b)に示すように、更に上ツールUが降下して、成形体M05の外周部を挟みながら、可動中央下ツールL3を押し下げ、同時に可動内側上ツールU1の下面と固定内側下ツールL1の上面がパネル部pを挟むことで、パネル部pの絞り加工が進行する。
図8は、パネル部押し下げ工程S4の説明図((a)が押し下げ開始時、(b)が押し下げ途中)である。
そして、パネル部押し下げ工程S4では、図8(a)に示すように、成形体M06の外周部を可動中央下ツールL3の加工面eと可動外側上ツールU2の加工面hが挟んだ状態で、可動中央下ツールL3が可動外側上ツールU2を押し上げることで、図8(b)に示すように、成形体M06のパネル部pが外周部に対して相対的に押し下げられ、成形体M07が成形される。この成形体M07には、環状溝部となる部分が形成されていく。この可動中央下ツールL3の上方への移動時には、可動内側下ツールL2と可動外側下ツールL4も、上方へ移動している。
図9は、パネル部押し下げ工程S4の説明図((a)、(b)ともに押し下げ途中)である。
図9(a)に示すように成形体M07を挟んだまま、可動外側上ツールU2と可動中央下ツールL3が上昇するとともに、可動内側下ツールL2も上昇することにより、成形体M07のパネル部pが外周部に対して相対的に押し下げられ、成形体M07の環状溝部となる部分の成形が終了すると、可動外側上ツールU2と可動中央下ツールL3と可動外側下ツールL4が停止して、可動内側下ツールL2のみが上昇する。そして、図9(b)に示すように、可動内側下ツールL2の加工面jが、成形体M07の環状溝部となる部分の下側に当接する。
図10は、パネル部押し下げ工程S4の説明図((a)が押し下げ完了、(b)成形物取り出し)である。
そして、成形体M07に当接した可動内側下ツールL2が、さらに上昇することにより、成形体M07のパネル部pが外周部に対して相対的に押し下げられ、可動内側下ツールL2の加工面jの形状に合わせて、図10(a)に示すように、全体的に缶蓋1の中心軸側に傾くような形状の環状溝部12を有する成形体M08が成形される。
合わせて、パネル部pの相対的な押し下げで、可動中央下ツールL3の加工面eと可動外側上ツールU2の加工面hに挟まれた外周部にカール部14が成形される。また、可動内側上ツールU1の下面と固定内側下ツールL1の上面で挟まれたパネル部pに、センターパネル部11が成形される。その後は、図10(b)に示すように、上ツールUと下ツールLを開放して、缶蓋1の成形物を取り出す。
その後、図示しないが、缶蓋1の成形物の最外周部を公知の方法により巻締に適する形状にカールさせてその内面部分にシーリングコンパウンドを塗布し、また用途に応じて、別工程であるコンバーションプレスにおいて、パネル部にリベット加工、スコア加工、タブのかしめ、等の工程を加えて缶蓋は完成する。
[成形金型と成形方法の変形例]
上述した成形工程はブランクの打ち抜きから缶蓋1の成形物までを一つの上下の金型内において1回のストロークで行う方法であるが、これらの一連の工程を複数対の上下の金型を用いて複数の工程(ストローク)で行うことも可能である。
例えば、従来の缶蓋の成形金型により、図4(c)に示した成形体M3まで成形し、その後、別の成形金型により、環状溝部12を、その内周部122及び外周部124が缶蓋1の中心軸に向けて傾斜するようにリフォーム成形してもよい。また、従来の缶蓋の成形金型により、図4(d)に示した成形体M4まで成形し、その後、別工程であるコンバーションプレスにおいて、リフォーム成形してもよい。成形工程は、これらの他に、種々の工程が考え得ることはいうまでもない。
図11~図15は、環状溝部12をリフォーム成形する工程(リフォーム成形工程)を示したものである。
リフォーム工程には、複数の加工ツールからなる成形金型が使用される。
成形金型は、図11~図15に示す上ツールUrと下ツールLrからなる。
上ツールUrは可動内側上ツールUr1と可動外側上ツールUr2を備えており、下ツールLrは可動内側下ツールLr1と可動外側下ツールLr2と固定外側下ツールLr3を備えている。
図11に示すように、上ツールUrと下ツールLrの間に、成形体M4を挿入し、チャックウォール部13を固定外側下ツールLr3の加工面m上に載置する。
続いて、可動内側上ツールUr1と可動外側上ツールUr2が降下させ、可動内側下ツールLr1を上昇させる。
図12に示すように、可動内側上ツールUr1の下面と可動内側下ツールLr1の上面とによって、成形体M4のチャックウォール部13のパネル部pを挟むとともに、可動外側上ツールUr2の加工面kと固定外側下ツールLr3の加工面mとによって、成形体M4のチャックウォール部13を挟む。
そして、図13に示すように、可動内側上ツールUr1の下面と可動内側下ツールLr1の上面とによって、成形体M4のチャックウォール部13のパネル部pを挟むとともに、可動外側上ツールUr2の加工面kと固定外側下ツールLr3の加工面mとによって、成形体M4のチャックウォール部13を挟んだまま、可動外側下ツールLr2が上昇することにより、成形体M4のパネル部pが外周部に対して相対的に押し下げられ、環状溝部12に可動外側下ツールLr2の加工面nを押し当てる。
そして、さらに、可動外側下ツールLr2が上昇することにより、成形体M4のパネル部pが外周部に対して相対的に押し下げられると、環状溝部12が、可動外側下ツールLr2の加工面nに沿って、図14に示すように、環状溝部12が全体的に缶蓋1の中心軸側に傾くようにリフォーム成形される。
最後に、可動内側上ツールUr1と可動外側上ツールUr2を上昇させるとともに、可動内側下ツールLr1と可動外側下ツールLr2を下降させて、図15に示すように、上ツールUrと下ツールLrを開放して、缶蓋1の成形物を取り出す。
上述の変形例は、成形体M4を経て、リフォーム工程により傾斜(変形)した環状溝部12を成形する方法であったが、被加工材Mから、複数の工程(ストローク)により、途中、成形体M4ではない任意の種々の成形体を経て、最終的に缶蓋1の成形物を得るような成形方法としてもよい。
[製品缶]
上記実施形態とその変形例の缶蓋1を、内容物を収納する缶筒の上端部に、カール部14が巻き締められて、製品缶が製造される。
[その他の実施形態]
本発明には、以下のような実施形態も考えられる。
(1)センターパネル部と、環状溝部と、チャックウォール部と、カール部とを備えた缶蓋であって、
前記環状溝部は、前記センターパネル部の外周に連設され、前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、
前記チャックウォール部は、前記環状溝部の外周に連設され、前記延長面より上方に延びており、
前記カール部は、前記チャックウォール部の外周に連設され、前記チャックウォール部より延びて缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されており、
前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの中心軸側の交線である前記環状溝部の中心軸側端部と、前記環状溝部の最下部との間の内周部には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部が設けられており、
前記缶蓋の中心軸を含む断面において、
前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの外周側の交線である前記環状溝部の外周側端部と、前記環状溝部の前記最下部との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より前記缶蓋の中心軸側にあり、
前記外周部には複数の直線部又は曲線部を連接する1つ以上の屈曲部が設けられ、前記屈曲部のうち少なくとも1つが外周側に凸であることを特徴とする缶蓋。
(2)前記外周部に設けられた前記複数の直線部又は曲線部において、前記直線部は前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より中心軸側に傾いており、前記曲線部のすべての点における接線が前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より中心軸側に傾いていることを特徴とする上記(1)に記載された缶蓋。
(3)センターパネル部と、環状溝部と、チャックウォール部と、カール部とを備えた缶蓋であって、
前記環状溝部は、前記センターパネル部の外周に連設され、前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、
前記チャックウォール部は、前記環状溝部の外周に連設され、前記延長面より上方に延びており、
前記カール部は、前記チャックウォール部の外周に連設され、前記チャックウォール部より延びて缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されており、
前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの中心軸側の交線である前記環状溝部の中心軸側端部と、前記環状溝部の最下部との間の内周部には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部が設けられており、
前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの外周側の交線である前記環状溝部の外周側端部と、前記環状溝部の前記最下部との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より前記缶蓋の中心軸側にあり、
前記缶蓋の中心軸を含む断面において、
前記外周部は前記缶蓋の外周側に凸である1つの曲線部であることを特徴とする缶蓋。
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載された缶蓋の成形に使用する缶蓋の成形金型であって、
前記缶蓋を成形する複数のツールを備え、
前記複数のツールのうちの少なくとも1つは、前記環状溝部の成形とともに、前記環状溝部の前記外周部に当接して、前記環状溝部が前記缶蓋の中心軸側へ傾くように成形を行うことを特徴とする缶蓋の成形金型。
(5)前記缶蓋を成形する前記複数のツールは、1回のストロークにより前記缶蓋を成形するものであることを特徴とする上記(5)に記載の缶蓋の成形金型。
(6)(1)~(3)の何れか1つに記載された缶蓋の成形に使用する缶蓋の成形金型であって、
前記環状溝部の形状をリフォーム成形する複数のツールを備え、
前記複数のツールのうちの少なくとも1つは、前記環状溝部の前記外周部に当接して、前記環状溝部が前記缶蓋の中心軸側へ傾くように成形を行うことを特徴とする缶蓋の成形金型。
(7)(1)~(3)の何れか1つに記載された缶蓋の成形方法であって、
前記缶蓋を成形する複数のツールを備えた成形金型を使用して前記缶蓋を成形し、
前記複数のツールのうちの少なくとも1つは、前記環状溝部の成形とともに、前記環状溝部の前記外周部に当接して、前記環状溝部が前記缶蓋の中心軸側へ傾くように成形を行うことを特徴とする缶蓋の成形方法。
(8)前記缶蓋を成形する前記複数のツールは、1回のストロークにより前記缶蓋を成形するものであって、前記複数のツールを使用して1回のストロークで前記缶蓋を成形することを特徴とする上記(7)に記載された缶蓋の成形方法。
(9)(1)~(3)の何れか1つに記載された缶蓋の成形方法であって、
前記環状溝部の形状をリフォーム成形する複数のツールを備えた成形金型を使用して、前記環状溝部の形状をリフォームするリフォーム工程を有し、
前記複数のツールのうちの少なくとも1つは、前記環状溝部の前記外周部に当接して、前記環状溝部が前記缶蓋の中心軸側へ傾くように成形を行うことを特徴とする缶蓋の成形方法。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。さらに、特許文献1の図1、特許文献2の第4図のような断面形状の缶蓋に本発明を組み合わせて行うことも可能である。
1 缶蓋
11 センターパネル部
111 延長面
12 環状溝部
121 中心軸側端部
122 内周部
1221 リセス部
1222 突出部
123 最下部
124 外周部
1241 直線部
1242 屈曲部
1243 曲線部
125 外周側端部
126 垂線
127 接線
13 チャックウォール部
14 カール部
15 シーミングチャック
U 上ツール
U1 可動内側上ツール
U2 可動外側上ツール
L 下ツール
L1 固定内側下ツール
L2 可動内側下ツール
L3 可動中央下ツール
L4 可動外側下ツール
L5 固定外側下ツール
Ur 上ツール
Ur1 可動内側上ツール
Ur2 可動外側上ツール
Lr 下ツール
Lr1 可動内側下ツール
Lr2 可動外側下ツール
Lr3 固定外側下ツール
a 可動外側上ツールU2の加工面
b 固定外側下ツールL5の加工面
c 可動外側上ツールU2の下面
d 可動外側下ツールL4の上面
e 可動中央下ツールL3の加工面
f 可動外側上ツールU2の加工面
g 可動中央下ツールL3の加工面
h 可動外側上ツールU2の加工面
j 可動内側下ツールL2の加工面
k 可動外側上ツールUr2の加工面
m 固定外側下ツールLr3の加工面
n 可動外側下ツールLr2の加工面
p パネル部

Claims (4)

  1. センターパネル部と、環状溝部と、チャックウォール部と、カール部とを備えた缶蓋であって、
    前記環状溝部は、前記センターパネル部の外周に連設され、前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、
    前記チャックウォール部は、前記環状溝部の外周に連設され、前記延長面より上方に延びており、
    前記カール部は、前記チャックウォール部の外周に連設され、前記チャックウォール部より延びて缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されており、
    前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの中心軸側の交線である前記環状溝部の中心軸側端部と、前記環状溝部の最下部との間の内周部には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部が設けられており、
    前記缶蓋の中心軸を含む断面において、
    前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの外周側の交線である前記環状溝部の外周側端部と、前記環状溝部の前記最下部との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より前記缶蓋の中心軸側にあり、
    前記外周部には複数の直線部又は曲線部を連接する1つ以上の屈曲部が設けられ、前記屈曲部のうち少なくとも1つが外周側に凸であることを特徴とする缶蓋。
  2. 前記外周部に設けられた前記複数の直線部又は曲線部において、前記直線部は前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より中心軸側に傾いており、前記曲線部のすべての点における接線が前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より中心軸側に傾いていることを特徴とする請求項1に記載された缶蓋。
  3. センターパネル部と、環状溝部と、チャックウォール部と、カール部とを備えた缶蓋であって、
    前記環状溝部は、前記センターパネル部の外周に連設され、前記センターパネル部の上面の延長面より下方に突出しており、
    前記チャックウォール部は、前記環状溝部の外周に連設され、前記延長面より上方に延びており、
    前記カール部は、前記チャックウォール部の外周に連設され、前記チャックウォール部より延びて缶筒の上端部に巻き締められるような曲面に形成されており、
    前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの中心軸側の交線である前記環状溝部の中心軸側端部と、前記環状溝部の最下部との間の内周部には、前記缶蓋の中心軸側に突出する突出部及び前記缶蓋の外周側に窪んだリセス部が設けられており、
    前記環状溝部と前記延長面との交線のうちの外周側の交線である前記環状溝部の外周側端部と、前記環状溝部の前記最下部との間の外周部のすべてが前記環状溝部の前記外周側端部を通る垂線より前記缶蓋の中心軸側にあり、
    前記缶蓋の中心軸を含む断面において、
    前記外周部は前記缶蓋の外周側に凸である1つの曲線部であることを特徴とする缶蓋。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載された缶蓋を缶筒の上端部に巻き締めたことを特徴とする製品缶。
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