JP2023165262A - 電力管理装置および電力管理システム - Google Patents

Abstract

【課題】宿泊施設の利用を促進させることによって宿泊施設の利用者を増加させることが可能な電力管理装置を提供する。
【解決手段】このサーバ１００（電力管理装置）は、宿泊施設３００の電力状態に関する情報を取得する電力管理装置である。サーバ１００は、上記情報を取得する通信部１０３（取得部）と、通信部１０３により取得された上記情報に基づいて、電動車両１０を用いて電力制御をＥＶＳＥ２０において行うように電動車両１０のユーザに要求するプロセッサ１０１（制御部）とを備える。そして、プロセッサ１０１は、上記ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、上記ユーザに宿泊施設３００に関する特典を付与する。
【選択図】図１

Description

本開示は、電力管理装置および電力管理システムに関する。

特開２０２０－０４７０１８号公報（特許文献１）には、民泊施設の利用者による電力使用態様を認識する電力使用態様認識部を備える宿泊施設管理システムが開示されている。さらに、上記宿泊施設管理システムは、電力使用態様認識部により認識された電力使用態様に基づいて、利用者による民泊施設の利用期間中における民泊施設の電気使用プランを選定する電気使用プラン選定部を備えている。

特開２０２０－０４７０１８号公報

しかしながら、特許文献１では、利用者による電力使用態様に基づいて民泊施設の電気使用プランが選定されるだけであって、利用者は、民泊施設の利用における利点を明確に感じにくい。このため、民泊施設の利用を促進させにくいと考えられる。したがって、宿泊施設の利用を促進させることによって宿泊施設の利用者を増加させることが望まれている。

本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、宿泊施設の利用を促進させることによって宿泊施設の利用者を増加させることが可能な電力管理装置および電力管理システムを提供することである。

本開示の第１の局面に係る電力管理装置は、宿泊施設、および、宿泊施設が設けられる地域のうち少なくとも一方の電力状態に関する情報を取得する電力管理装置であって、情報を取得する取得部と、取得部により取得された情報に基づいて、電動車両を用いて外部充電および外部給電の少なくとも一方を含む電力制御を電力スタンドにおいて行うように電動車両のユーザに要求する制御部と、を備え、制御部は、ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、ユーザに宿泊施設に関する特典を付与する。

本開示の第１の局面に係る電力管理装置では、上記のように、ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、ユーザに宿泊施設に関する特典が付与される。これにより、宿泊施設に関する特典を得たユーザが宿泊施設をより頻繁に利用することによって、宿泊施設の利用が促進される。その結果、宿泊施設の利用者を増加させることができる。また、特典を目当てにしたユーザによる電力制御が促進されるので、宿泊施設および宿泊施設が設けられる地域のうち少なくとも一方の電力状態を、電動車両の電力制御により容易に調整することができる。

また、上記第１の局面に係る電力管理装置において、好ましくは、制御部は、ユーザによって宿泊施設に備えられる電力スタンドにおいて上記所定の条件が満たされた場合に、ユーザに特典を付与する。このように構成すれば、より多くのユーザが電力制御を行うために宿泊施設（電力スタンド）を訪れるので、宿泊施設の利用者をより増加させることができる。

また、上記第１の局面に係る電力管理装置において、好ましくは、制御部は、外部給電によって宿泊施設に電力が供給された場合、および、上記地域の電力系統からの電力需給調整要求に対して電力制御が行われた場合の少なくとも一方において、ユーザに特典を付与する。このように構成すれば、外部給電によって宿泊施設に電力が供給されることにより、宿泊施設が電力不足になるのを抑制することができる。また、上記地域の電力系統からの電力需給調整要求に対して電力制御を行うことにより、上記地域に設けられる宿泊施設における使用電力のピークを容易に移動（ピークシフト）および低下（ピークカット）させることができる。これらにより宿泊施設は利益を得ることができるので、上記利益をユーザに還元することによってユーザに容易に特典を付与することができる。

また、上記第１の局面に係る電力管理装置において、好ましくは、制御部は、電力制御におけるユーザの貢献度に応じて、特典を調整する。このように構成すれば、より多くの特典を得ることを目当てにしたユーザが、より積極的に電力制御を行うので、電力制御をより促進することができる。

また、上記第１の局面に係る電力管理装置において、好ましくは、特典を付与することは、宿泊施設の利用料金を減額すること、宿泊施設および宿泊施設の付近の店舗の少なくとも一方において利用可能な優待券およびポイントの少なくとも一方を付与すること、および、宿泊施設における所定のサービスを所定のサービスに対応する通常料金未満で提供することのうち少なくとも１つを含む。このように構成すれば、ユーザは、宿泊施設を利用することにおいて明確に利点を感じやすい。これにより、宿泊施設の利用をより一層促進させることができる。

また、上記第１の局面に係る電力管理装置において、好ましくは、所定の条件は、電力スタンドに電動車両が電気的に接続されたことを含む。このように構成すれば、ユーザが電力制御を行わずに特典を取得するのを抑制することができる。その結果、悪意のあるユーザにより特典が取得されるのを抑制することができる。

本開示の第２の局面に係る電力管理システムは、宿泊施設、および、宿泊施設が設けられる地域のうち少なくとも一方の電力状態に関する情報を取得する電力管理装置であって、情報を取得する取得部と、取得部により取得された情報に基づいて、電動車両を用いて外部充電および外部給電の少なくとも一方を含む電力制御を電力スタンドにおいて行うように電動車両のユーザに要求する制御部と、を備え、制御部は、ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、ユーザに宿泊施設に関する特典を付与する。

本開示の第２の局面に係る電力管理システムでは、上記のように、ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、ユーザに宿泊施設に関する特典が付与される。これにより、宿泊施設に関する特典を得たユーザが宿泊施設をより頻繁に利用することによって、宿泊施設の利用が促進される。その結果、宿泊施設の利用者を増加させることが可能な電力管理システムを提供することができる。

本開示によれば、宿泊施設の利用を促進させることによって宿泊施設の利用者を増加させることができる。

第１実施形態による電力管理システムの概略的な構成を示す図である。 第１実施形態による電力管理ステムのシーケンス制御を示すシーケンス図である。 特典の選択画面の一例を示す図である。 選択可能な特典の一覧の一例を示す図である。 第２実施形態による電力管理システムの概略的な構成を示す図である。 第２実施形態による電力管理ステムによるシーケンス制御を示すシーケンス図である。

［第１実施形態］
以下、本開示の第１実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。

（電力管理システムの構成）
図１は、第１実施形態に係る電力管理システム１の構成を示す図である。電力管理システム１は、サーバ１００と、サーバ２００と、電動車両１０と、ＥＶＳＥ（Electric Vehicle Supply Equipment）２０とを備える。なお、サーバ１００およびＥＶＳＥ２０は、それぞれ、本開示の「電力管理装置」および「電力スタンド」の一例である。

サーバ１００は、プロセッサ１０１と、記憶装置１０２と、通信部１０３とを含む。なお、プロセッサ１０１および通信部１０３は、それぞれ、本開示の「制御部」および「取得部」の一例である。

記憶装置１０２には、プロセッサ１０１に実行されるプログラムのほか、プログラムで使用される情報（たとえば、マップ、数式、および各種パラメータ）が記憶されている。通信部１０３は、各種通信Ｉ／Ｆを含む。プロセッサ１０１は、通信部１０３を制御する。具体的には、プロセッサ１０１は、通信部１０３を通じて、サーバ２００と通信する。また、プロセッサ１０１は、通信部１０３を通じて、ユーザにより携帯可能な携帯端末１５（たとえば、スマートフォンまたはタブレット等）と通信する。

また、サーバ１００は、登録された複数の電動車両１０の情報（以下、「車両情報」とも称する）と、登録された各ユーザの情報（以下、「ユーザ情報」とも称する）と、登録されたＥＶＳＥ２０の情報（以下、「ＥＶＳＥ情報」とも称する）と、を管理するように構成される。ユーザ情報、車両情報、および、ＥＶＳＥ情報は、識別情報（ＩＤ）で区別されて記憶装置１０２に記憶されている。

ユーザＩＤは、ユーザを識別するための識別情報であり、ユーザに携帯される携帯端末１５を識別する情報（端末ＩＤ）としても機能する。サーバ１００は、携帯端末１５から受信した情報をユーザＩＤごとに区別して保存するように構成される。ユーザ情報には、ユーザが携帯する携帯端末１５の通信アドレスと、ユーザに帰属する電動車両１０の車両ＩＤとが含まれる。

車両ＩＤは、電動車両１０を識別するための識別情報である。車両ＩＤは、ナンバープレートであってもよいし、ＶＩＮ（Vehicle Identification Number）であってもよい。車両情報には、各電動車両１０の行動予定が含まれる。

ＥＶＳＥ－ＩＤは、ＥＶＳＥ２０を識別するための識別情報である。ＥＶＳＥ情報には、各ＥＶＳＥ２０の通信アドレスと、各ＥＶＳＥ２０に接続された電動車両１０の状態とが含まれる。また、ＥＶＳＥ情報には、互いに接続されている電動車両１０とＥＶＳＥ２０との組合せを示す情報（たとえば、ＥＶＳＥ－ＩＤと車両ＩＤとの組合せ）も含まれる。

サーバ２００は、宿泊施設３００の電力状態を管理するサーバである。宿泊施設３００は、ホテルおよび温泉旅館等を含む。宿泊施設３００は、太陽光により電力を発電可能な太陽光発電設備３０１を備えている。また、宿泊施設３００は、ＢＥＭＳ（Building Energy Management System）により建物全体のエネルギー設備が統合的に監視および自動制御されている。

また、宿泊施設３００には、ＥＶＳＥ２０が備えられている。ＥＶＳＥ２０は、たとえば宿泊施設３００の駐車場に備えられている。ＥＶＳＥ２０の個数は、１つであってもよいし、複数であってもよい。

ＥＶＳＥ２０は、車両用給電設備を意味する。電動車両１０は、ＥＶＳＥ２０に電気的に接続可能に構成される。たとえば、ＥＶＳＥ２０につながる充電ケーブル２１が電動車両１０のインレット（図示せず）に接続されることによって、ＥＶＳＥ２０と電動車両１０との間で電力の授受を行うことが可能になる。

電動車両１０は、ＥＶＳＥ２０を介して、宿泊施設３００との間で電力の授受が可能である。電動車両１０は、外部給電および外部充電を含む制御（以下、電力制御と称する）が可能に構成されている。なお、電動車両１０は、外部給電および外部充電の一方のみが可能に構成されていてもよい。

また、電動車両１０は、ＤＣＭ（Data Communication Module）を含んでいてもよいし、５Ｇ（第５世代移動通信システム）対応の通信Ｉ／Ｆを含んでもよい。

サーバ１００は、宿泊施設３００の電力状態に関する情報を取得する。具体的には、サーバ１００（通信部１０３）は、上記情報を、サーバ２００から通信により取得する。

サーバ１００（プロセッサ１０１）は、通信部１０３により取得された宿泊施設３００の電力状態に関する情報に基づいて、ＥＶＳＥ２０において電力制御を行うように電動車両１０のユーザに要求する。具体的には、プロセッサ１０１は、ユーザに、宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０において電力制御を行うように要求する。

たとえば、プロセッサ１０１は、宿泊施設３００の電力が不足している場合に、ユーザに、外部給電を行うことにより宿泊施設３００に電力を供給するように要求する。なお、宿泊施設３００の電力状態とは、現時点での宿泊施設３００の電力状態だけではなく、たとえば太陽光発電設備３０１による発電予想量を考慮した宿泊施設３００の予想電力状態をも含む。

この場合、プロセッサ１０１は、通信部１０３を通じて、ユーザの携帯端末１５に上記要求を送信する。なお、電動車両１０に上記要求が送信されてもよい。

ここで、上記のような構成の電力管理システム１において、宿泊施設３００の利用を促進させることによって宿泊施設３００の利用者を増加させることが望まれている。

そこで、プロセッサ１０１は、ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、ユーザに宿泊施設３００に関する特典を付与する。

また、上記要求が送信されるユーザは、たとえば、宿泊施設３００を過去に利用した実績のあるユーザを含む。また、上記要求が送信されるユーザは、宿泊施設３００から所定の距離の範囲内に位置する（居住している）ユーザを含んでいてもよい。また、プロセッサ１０１は、ユーザがアプリ等により宿泊施設３００の利用予約をしている最中に上記アプリ等の画面に上記要求を表示させてもよい。また、上記要求が送信されるユーザは、宿泊施設３００に宿泊中のユーザ、および、宿泊施設３００の利用の予約が完了しているユーザを含んでいてもよい。なお、プロセッサ１０１は、サーバ１００が管理する全てのユーザに上記要求を送信してもよい。

また、プロセッサ１０１は、電動車両１０のＳＯＣ（State Of Charge）に基づいて、上記要求を送信するユーザ（電動車両１０）を選択してもよい。たとえば、宿泊施設３００の電力が不足している場合、プロセッサ１０１は、ＳＯＣが高い電動車両１０のユーザに上記要求を送信してもよい。また、宿泊施設３００の電力に余剰がある場合は、プロセッサ１０１は、ＳＯＣが低い電動車両１０のユーザに上記要求を送信してもよい。

また、上記の所定の条件は、ＥＶＳＥ２０に電動車両１０が電気的に接続されたことを含む。具体的には、プロセッサ１０１は、上記要求に対して受認する旨の返答をしたユーザの電動車両１０が、宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０に電気的に接続されたことに基づいて、上記ユーザに特典を付与する。すなわち、ユーザは、上記要求に応じる一方でＥＶＳＥ２０に電動車両１０を電気的に接続させなければ、特典を受けられない。また、ユーザは、上記要求に応じずに、ＥＶＳＥ２０に電動車両１０を電気的に接続させても、上記特典を受けられない。

なお、所定時間以上（たとえば１５分以上）電力制御が行われたこと（または所定時間以上の電力制御を行う設定がユーザによりなされたこと）を条件に特典がユーザに付与されてもよい。また、ＥＶＳＥ２０に電動車両１０が電気的に接続された場合、上記要求にユーザが応じていなくても、特典がユーザに付与されてもよい。

また、上記要求にユーザが応じた場合、ＥＶＳＥ２０に電動車両１０が電気的に接続される前に特典がユーザに付与されてもよい。この場合、ＥＶＳＥ２０に電動車両１０が電気的に接続されたことに基づいて、付与された特典が有効化されてもよい。

なお、特典が付与されて電力制御を行わなかったユーザには、宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０または他の施設のＥＶＳＥにおける次回の電力制御において、所定のペナルティが課せられてもよい。具体的には、上記のユーザが電力制御を行っても所定の報酬（上記特典または金銭の報酬等）がユーザに与えられないように制御されてもよい。

また、第１実施形態では、プロセッサ１０１は、電力制御におけるユーザの貢献度に応じて、特典を調整する。言い換えると、プロセッサ１０１は、ユーザへの電力制御の要求に対してユーザが貢献した度合いに応じて、特典を調整する。たとえば、プロセッサ１０１は、宿泊施設３００の電力不足によりユーザに外部給電が要求されている場合は、電力制御による給電量（電力不足解消に対する貢献度）に応じて、特典を調整する。この場合、給電量だけではなくその他の要因（たとえば給電開始時間および給電時間等）によって特典が調整されてもよい。

また、上記の特典は、電力制御における貢献度以外によっても調整されてよい。たとえば、上記特典が、ユーザの宿泊施設３００（宿泊部屋、利用部屋）における今回または過去の電力の使用量に基づいて調整されてもよい。

また、上記特典を付与することは、たとえば、宿泊施設３００の利用料金を減額することを含む。宿泊施設３００の利用料金は、宿泊料金、宿泊施設３００内の飲食店および設備（ジムや娯楽室等）の利用料金等を含む。また、上記利用料金は、宿泊施設３００へのアーリーチェックインに要する料金、および、宿泊施設３００からのレイトチェックアウトに要する料金を含んでいてもよい。

また、上記特典を付与することは、宿泊施設３００および店舗３０において利用可能な優待券（クーポン券）およびポイントを付与することを含む。上記優待券およびポイントは、携帯端末１５等で使用可能なアプリにおいて付与される。なお、上記優待券は、ユーザに直接（通信を介さず、手渡しで）付与されてもよい。

図１に示す店舗３０は、たとえば、宿泊施設３００の付近の店舗である。店舗３０は、たとえば自転車をレンタル可能な店舗を含む。電力制御において上記所定の条件を満たしたユーザ（宿泊施設３００の利用者）には、店舗３０において通常より低価格で自転車をレンタルすることが可能な優待券またはポイントが付与される。

また、日中に電力制御を行うユーザには、追加の（または上記特典よりも価値が高い）特典が付与されてもよい。

なお、店舗３０において利用可能な優待券またはポイントがユーザに付与されることにより店舗３０における売り上げが増加すると考えられるので、宿泊施設３００に店舗３０から所定額の手数料（マージン）が支払われてもよい。

また、上記特典を付与することは、宿泊施設３００における所定のサービスを上記所定のサービスに対応する通常料金未満で提供することを含む。たとえば、所定のサービスは、飲料（紅茶および酒等）を無料で提供するサービスを含む。

なお、上記では、電動車両１０から宿泊施設３００に電力を給電する例を示したが、本開示はこれに限られない。ユーザは、宿泊施設３００の電力に余剰がある場合に、外部充電を行うことにより宿泊施設３００の電力を電動車両１０の充電に使用することを要求されてもよい。この場合、電動車両１０の外部充電による充電量、充電開始時間、および、充電時間等（電力余剰解消に対する貢献度）に基づいて特典が調整されてもよい。

上記のように外部充電を行うことが要求される場合、電動車両１０が通常のチェックイン時間よりも早い時間帯（たとえば１２時）にＥＶＳＥ２０に接続されることに対応する特典がユーザに付与されてもよい。この場合、太陽光発電設備３０１による発電量が比較的多い時間帯において電動車両１０により外部充電が行われること（電力余剰解消に対する貢献）に対して特典が付与される。

さらに、外部充電を行うことが要求される場合、電動車両１０のユーザが通常のチェックイン時間よりも早い時間帯（たとえば１１時～１５時）において宿泊部屋を仕事等で利用することに対応する特典が付与されてもよい。

これらの場合、特典は、たとえば、宿泊施設３００のジムおよびお風呂の利用券などを含んでいてもよい。

また、上述した各種特典のうちの少なくとも１つを、ユーザが選択可能であってもよい。この制御の具体的な説明は、後述する。

（電力管理方法）
次に、図２のシーケンス図を参照して、電力管理システム１による、ユーザに特典が付与されるまでのシーケンス制御の一例を説明する。

まず、ステップＳ１では、サーバ１００（通信部１０３）は、サーバ２００から宿泊施設３００の電力状態に関する情報を受信する。

次に、ステップＳ２では、プロセッサ１０１は、電力制御を要求する対象となるユーザ（電動車両１０）を決定する。選択基準の具体的な例については、上述の通りである。なお、サーバ１００が管理する全てのユーザに要求を送信する場合は、ステップＳ２は設けられていなくてよい。

次に、ステップＳ３では、プロセッサ１０１は、ステップＳ１において受信された情報に基づいて、ステップＳ２において選択されたユーザに、宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０において電力制御（たとえば外部給電）を行うことを要求する。なお、サーバ１００は、電力制御を要求するための問い合わせ信号を、電動車両１０に直接送信してもよいし、ユーザの携帯端末１５に送信してもよい。

次に、ステップＳ４では、ユーザは、ステップＳ３における電力制御の要求に対して、受認する旨（電力制御に参加する旨）を示す信号をサーバ１００に送信したとする。

次に、ステップＳ５では、電動車両１０がＥＶＳＥ２０と電気的に接続されることにより、ステップＳ３における電力制御の要求に対応する電力制御が開始されたとする。

次に、ステップＳ６では、プロセッサ１０１は、電力制御におけるユーザの貢献度を算出する。たとえば、プロセッサ１０１は、ステップＳ３およびＳ４において電動車両１０とサーバ１００との間で約定された内容（充電／給電時間、充電／給電量、充電／給電開始時間）に基づいて、上記貢献度を算出する。また、ユーザによる電力制御の積算値（これまでの電力制御の回数、および、これまでの充電（給電）量の積算値等）に基づいて、上記貢献度が算出されてもよい。なお、ステップＳ６における上記貢献度の算出は、ステップＳ４とステップＳ５との間において行われてもよい。また、ステップＳ６における上記貢献度の算出は、電力制御が完了した後に、実際の充電（給電）量に基づいて行われてもよい。この場合、上記充電（給電）量の情報は、サーバ２００からサーバ１００に送信される。

次に、ステップＳ７では、プロセッサ１０１は、利用する特典を選択するか否かをユーザに確認する。たとえば、サーバ１００（プロセッサ１０１）は、ユーザの携帯端末１５に、特典を選択するか否かを確認するためのメッセージ画面１５ａ（図３参照）が表示されるように、通信部１０３を制御する。メッセージ画面１５ａには、「ＹＥＳ」と記載されたボタン１５ｂと、「ＮＯ」と記載されたボタン１５ｃとが表示されている。「ＹＥＳ」と記載されたボタン１５ｂが選択されることにより、特典の選択を要求する旨を示す情報がサーバ１００に送信される。「ＮＯ」と記載されたボタン１５ｃが選択されることにより、特典の選択を要求しない旨を示す情報がサーバ１００に送信される。また、ステップＳ７の処理は、ステップＳ６の処理の前に行われてもよい。

次に、ステップＳ８において、ユーザは、ステップＳ７における確認に対して応答したとする。すなわち、メッセージ画面１５ａの「ＹＥＳ」と記載されたボタン１５ｂおよび「ＮＯ」と記載されたボタン１５ｃのいずれかが選択されたとする。

次に、ステップＳ９では、プロセッサ１０１は、ユーザによる特典の選択要求があるか否かを判定する。ステップＳ８においてユーザが特典の選択を要求した場合（すなわち「ＹＥＳ」と記載されたボタン１５ｂが選択された場合）、プロセッサ１０１は上記選択要求があると判定して、処理はステップＳ９１に進む（Ｓ９においてＹｅｓ）。また、ステップＳ８においてユーザが特典の選択を要求しなかった場合（すなわち「ＮＯ」と記載されたボタン１５ｃが選択された場合）、プロセッサ１０１は上記選択要求がないと判定して、処理はステップＳ９３に進む（Ｓ９においてＮｏ）。

ステップＳ９１では、プロセッサ１０１は、特典の選択画面１５ｄ（図４参照）のデータがユーザの携帯端末１５に送信されるように、通信部１０３を制御する。これにより、携帯端末１５に選択画面１５ｄが表示される。この際、選択画面１５ｄにおいて選択可能な特典の種類（個数）および利用可能期間等が、ステップＳ６において算出された貢献度に基づいて調整（制限）される。

次に、ステップＳ９２では、ユーザは、選択画面１５ｄに表示された複数の特典のうち少なくとも１つを選択する。たとえば、選択画面１５ｄに表示された特典のうち少なくとも１つが選択された状態で、選択画面１５ｄの「完了」と記載されたボタン１５ｅ（図４参照）が選択されると、ユーザにより選択された特典の情報がサーバ１００に送信される。

一方、ステップＳ９３では、プロセッサ１０１は、予め準備された複数の特典のうち少なくとも１つをランダムに選択する。この際、プロセッサ１０１は、選択する特典の種類（個数）および利用可能期間等を上記貢献度に基づいて調整する。なお、プロセッサ１０１は、ユーザの過去の特典の利用履歴等を参照して、特典を選択してもよい。

そして、ステップＳ１０では、プロセッサ１０１は、通信部１０３を通じて、ステップＳ９２またはステップＳ９３において選択された特典（優待券およびポイント等）を、ユーザの携帯端末１５に送信する。

なお、上記の電力管理システム１による電力管理方法は一例であって、本開示は上記の例に限られない。たとえば、特典の選択や貢献度に基づく特典の調整が行われなくてもよい。

以上のように、第１実施形態においては、プロセッサ１０１は、ユーザによって電力制御に関する上記所定の条件が満たされた場合で、かつ、ユーザが宿泊施設３００を利用する場合に（利用する際に）、ユーザに特典が付与される。これにより、特典を目当てに宿泊施設３００を利用する電動車両１０のユーザを増加させることができる。また、電動車両１０の電力を用いて宿泊施設３００の電力状態が悪化するのを容易に抑制することができる。

［第２実施形態］
次に、図５および図６を参照して、第２実施形態に係るサーバ１１０および電力管理システム２について説明する。

（電力管理システムの構成）
図５は、第２実施形態に係る電力管理システム２の構成を示す図である。電力管理システム２は、サーバ１１０と、サーバ２１０と、系統管理サーバ４００と、電動車両１０と、ＥＶＳＥ２０と、電力系統ＰＧとを備える。電力管理システム２は、地域５００の各電力調整リソース（宿泊施設３００、電動車両１０、ビル５１０、および、ビル５２０等）に対する電力系統ＰＧの電力需給状態を管理するシステムである。図５に示す例では、ＥＶＳＥ２０は、後述する地域５００内において複数設けられている。なお、サーバ１１０は、本開示の「電力管理装置」の一例である。

サーバ１１０は、プロセッサ１１１と、記憶装置１１２と、通信部１１３とを含む。なお、プロセッサ１１１および通信部１１３は、それぞれ、本開示の「制御部」および「取得部」の一例である。

サーバ２１０は、宿泊施設３００の電力状態を管理するサーバである。また、複数のＥＶＳＥ２０の各々は、電力系統ＰＧと電気的に接続されている。したがって、複数のＥＶＳＥ２０は、電力系統ＰＧの電力網を介して互いに電気的に接続されている。なお、上記第１実施形態の図１では電力系統ＰＧの図示が省略されているが、電力系統ＰＧとＥＶＳＥ２０とが電気的に接続されている点は第２実施形態と同じである。

電力系統ＰＧは、図示しない発電所および送配電設備によって構築される電力網である。第２実施形態では、電力会社が発電事業者および送配電事業者を兼ねる。電力会社は、一般送配電事業者に相当し、電力系統ＰＧを保守および管理する。電力会社は、電力系統ＰＧの管理者に相当する。

系統管理サーバ４００は、電力系統ＰＧ（電力網）の需給を管理する。また、系統管理サーバ４００は、電力会社に帰属する。系統管理サーバ４００は、地域５００における各電力調整リソースによる電力の発電および消費に基づいて、電力系統ＰＧの電力需要量を調整するための要求（需給調整要求）をサーバ１１０（通信部１１３）に送信する。具体的には、系統管理サーバ４００は、上記電力調整リソースの発電電力または消費電力が通常よりも大きくなると見込まれる場合（または現時点で大きい場合）に、通常時よりも電力需要量を増加または低下させるための要求をサーバ１１０に送信する。なお、上記の需給調整要求は、本開示の「地域の電力状態に関する情報」および「電力系統からの電力需給調整要求」の一例である。

プロセッサ１１１は、通信部１１３により取得された需給調整要求に基づいて、電力制御をＥＶＳＥ２０において行うように電動車両１０のユーザに要求する。たとえば、プロセッサ１１１は、通常時よりも電力需要量を増加させるための要求を受信した場合は、上記ユーザに、ＥＶＳＥ２０において外部充電を行うように要求する。また、プロセッサ１１１は、通常時よりも電力需要量を低下させるための要求を受信した場合は、上記ユーザに、ＥＶＳＥ２０において外部給電を行うように要求する。

ここで、第２実施形態では、プロセッサ１１１は、上記需給調整要求に対して電力制御が行われた（電力制御に関する所定の条件が満たされた）場合に、ユーザに宿泊施設３００に関する特典を付与する。なお、第２実施形態では、宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０に限らず、地域５００におけるいずれのＥＶＳＥ２０を用いて電力制御が行われた場合にも、ユーザに特典が付与される。

また、図５に示す例では、地域５００には宿泊施設３００しか存在していないので、宿泊施設３００に関する（宿泊施設３００および店舗３０において利用可能な）特典がユーザに付与される。一方で、地域５００に複数の宿泊施設が存在している場合は、上記複数の宿泊施設（および各宿泊施設の付近の店舗）のいずれにおいても利用可能な特典がユーザに付与されてよい。

また、第２実施形態では、プロセッサ１１１は、電力系統ＰＧ（系統管理サーバ４００）からの需給調整要求に対する貢献度に基づいて、ユーザに付与する特典を調整する。

なお、宿泊施設３００の使用電力のピークは、ユーザによる電力制御によって、容易に移動（ピークシフト）および低下（ピークカット）される。この実績に基づいて宿泊施設３００と電力会社との間の契約費が削減される分、特典に費やすことが可能な費用が増加される。

（電動管理方法）
次に、図６のシーケンス図を参照して、サーバ１１０による電力管理方法の一例を説明する。なお、上記第１実施形態と同じ内容については、繰り返し説明をしない。

まず、ステップＳ１１では、通信部１１３は、系統管理サーバ４００から需給調整要求を受信する。

ステップＳ１３では、プロセッサ１１１は、ステップＳ１１において受信された情報に基づいて、ステップＳ２において選択されたユーザに、地域５００内のＥＶＳＥ２０において電力制御を行うことを要求する。なお、プロセッサ１１１は、特定のＥＶＳＥ２０（たとえば宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０）において電力制御を行うように要求してもよい。

以上のように、第２実施形態においては、プロセッサ１１１は、ユーザによって電力制御に関する所定の条件が満たされた場合で、かつ、ユーザが宿泊施設３００を利用する場合に、ユーザに特典が付与される。これにより、上記第１実施形態と同様に、特典を目当てに宿泊施設３００を利用する電動車両１０のユーザを増加させることができる。さらに、電動車両１０による電力制御が促進されることにより、地域５００の各電力調整リソースによる電力系統ＰＧの電力需給バランスを改善することができる。

なお、その他の構成および効果については、上記第１実施形態と同じであるので、詳細な説明は繰り返さない。

また、上記第１実施形態では、宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０において電力制御が行われた場合に特典が付与される例を示したが、本開示はこれに限られない。宿泊施設３００のＥＶＳＥ２０と共通の電力網に存在するＥＶＳＥであれば、いずれのＥＶＳＥにおいて電力制御が行われてもよい。

また、上記第１および第２実施形態では、電力制御に関して所定の条件を満たしたユーザに特典が付与される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、電力制御に関して所定の条件を満たした場合で、かつ、ユーザが宿泊施設３００を利用する（または利用する予定がある）場合に、ユーザに特典が付与されてもよい。

今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

１０ 電動車両，２０ ＥＶＳＥ（電力スタンド），１００、１１０ サーバ（電力管理装置），１０１、１１１ プロセッサ（制御部），１０３、１１３ 通信部（取得部），３００ 宿泊施設，５００ 地域。

Claims (7)

1. 宿泊施設、および、前記宿泊施設が設けられる地域のうち少なくとも一方の電力状態に関する情報を取得する電力管理装置であって、
   前記情報を取得する取得部と、
   前記取得部により取得された前記情報に基づいて、電動車両を用いて外部充電および外部給電の少なくとも一方を含む電力制御を電力スタンドにおいて行うように前記電動車両のユーザに要求する制御部と、を備え、
   前記制御部は、前記ユーザによって前記電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、前記ユーザに前記宿泊施設に関する特典を付与する、電力管理装置。
2. 前記制御部は、前記宿泊施設に備えられる電力スタンドにおいて前記所定の条件が満たされた場合に、前記ユーザに前記特典を付与する、請求項１に記載の電力管理装置。
3. 前記制御部は、前記外部給電によって前記宿泊施設に電力が供給された場合、および、前記地域の電力系統からの電力需給調整要求に対して前記電力制御が行われた場合の少なくとも一方において、前記ユーザに前記特典を付与する、請求項１または２に記載の電力管理装置。
4. 前記制御部は、前記電力制御における前記ユーザの貢献度に応じて、前記特典を調整する、請求項１または２に記載の電力管理装置。
5. 前記特典を付与することは、前記宿泊施設の利用料金を減額すること、前記宿泊施設および前記宿泊施設の付近の店舗の少なくとも一方において利用可能な優待券およびポイントの少なくとも一方を付与すること、および、前記宿泊施設における所定のサービスを前記所定のサービスに対応する通常料金未満で提供することのうち少なくとも１つを含む、請求項１または２に記載の電力管理装置。
6. 前記所定の条件は、前記電力スタンドに前記電動車両が電気的に接続されたことを含む、請求項１または２に記載の電力管理装置。
7. 宿泊施設、および、前記宿泊施設が設けられる地域のうち少なくとも一方の電力状態に関する情報を取得する電力管理装置と、
   電動車両により、外部充電および外部給電の少なくとも一方を含む電力制御が行われる電力スタンドと、を備え、
   前記電力管理装置は、
   前記情報に基づいて、前記電動車両を用いて前記電力制御を前記電力スタンドにおいて行うように前記電動車両のユーザに要求するとともに、
   前記ユーザによって前記電力制御に関する所定の条件が満たされた場合に、前記ユーザに前記宿泊施設に関する特典を付与する、電力管理システム。

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