JP2023164309A - 化学機械研磨のためのパッド - Google Patents

化学機械研磨のためのパッド Download PDF

Info

Publication number
JP2023164309A
JP2023164309A JP2023051717A JP2023051717A JP2023164309A JP 2023164309 A JP2023164309 A JP 2023164309A JP 2023051717 A JP2023051717 A JP 2023051717A JP 2023051717 A JP2023051717 A JP 2023051717A JP 2023164309 A JP2023164309 A JP 2023164309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polishing pad
polyurea
pad
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023051717A
Other languages
English (en)
Inventor
マシュー・アール・ガディンスキ
R Gadinski Matthew
ジョセフ・ソー
So Joseph
ドナ・エム・オールデン
Donna M Alden
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm and Haas Electronic Materials CMP Holdings Inc
Original Assignee
Rohm and Haas Electronic Materials CMP Holdings Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm and Haas Electronic Materials CMP Holdings Inc filed Critical Rohm and Haas Electronic Materials CMP Holdings Inc
Publication of JP2023164309A publication Critical patent/JP2023164309A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/11Lapping tools
    • B24B37/20Lapping pads for working plane surfaces
    • B24B37/24Lapping pads for working plane surfaces characterised by the composition or properties of the pad materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/11Lapping tools
    • B24B37/20Lapping pads for working plane surfaces
    • B24B37/22Lapping pads for working plane surfaces characterised by a multi-layered structure
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/30Low-molecular-weight compounds
    • C08G18/32Polyhydroxy compounds; Polyamines; Hydroxyamines
    • C08G18/3225Polyamines
    • C08G18/3237Polyamines aromatic
    • C08G18/3243Polyamines aromatic containing two or more aromatic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/48Polyethers
    • C08G18/4854Polyethers containing oxyalkylene groups having four carbon atoms in the alkylene group
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/48Polyethers
    • C08G18/50Polyethers having heteroatoms other than oxygen
    • C08G18/5003Polyethers having heteroatoms other than oxygen having halogens
    • C08G18/5015Polyethers having heteroatoms other than oxygen having halogens having fluorine atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】高い圧力で使用することができ、任意選択で、セリアスラリーと組み合わされて、マイナスの効果をもたらすことなく、より高い除去速度を達成することができるパッドを提供する。【解決手段】半導体、光学、磁性又は電気機械基材の少なくとも一つを研磨するように適合された研磨パッドは、軟質相及び硬質相を有するポリウレアを含む研磨層を含み、該軟質相は、脂肪族フッ素非含有種とフッ素化脂肪族種とのコポリマーであり、該ポリウレアは、硬化剤で硬化されており、該硬質相は結晶化度を含み、該ポリウレアは、該ポリウレアの動的走査熱量測定によって決定した場合に、少なくとも230℃の融解温度と、少なくとも3ジュール/グラムのΔHfとを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明の分野は、化学機械研磨及び化学機械研磨に有用なパッドである。
化学機械平坦化(CMP)は、多層三次元回路を正確に構築するために、集積回路の構造物の層を平らにする、すなわち平坦化するために広く使用される研磨法の一種である。研磨される層は通常、下にある基材上に堆積した薄い膜(10,000オングストローム未満)である。CMPの目的は、ウェーハ面積全体に延びる均一な厚さのきわめて平坦な層を製造するために、ウェーハ表面上の過剰な材料を除去することである。除去速度の制御及び除去の均一さが最重要である。
CMPは、ナノサイズの粒子を含有する、しばしばスラリーと呼ばれる液体を利用する。スラリーは、回転するプラテンに取り付けられている、回転する多層ポリマーシート、すなわちパッドの表面に供給される。ウェーハは、別個の回転手段を有する別個の固定具、すなわちキャリヤ中に取り付けられ、制御された荷重の下でパッドの表面に押し当てられる。これは、ウェーハと研磨パッドとの間で高速の相対運動を生じさせる(すなわち、基材とパッド表面の両方において高速の剪断が生じる)。パッド/ウェーハ接合部に閉じ込められたスラリー粒子がウェーハ表面を摩耗させて除去を達成する。速度を制御し、ハイドロプレーニングを防ぎ、スラリーをウェーハの下に効率的に運ぶために、研磨パッドの上面には様々なタイプのテクスチャが組み込まれている。微細スケールテクスチャは、微細ダイアモンドのアレイでパッドを摩耗させることによって製造される。これは、除去速度を制御し、高めるために実施され、一般的にコンディショニングと呼ばれる。また、流体動態及びスラリー輸送調節のために、より大きなスケールの、様々なパターン及び寸法(たとえばXY、円形、放射状)の溝が組み込まれる。
CMP中の除去速度は、プレストンの式:速度=Kp*P*V(式中、Pは、基材に対するパッドの圧力であり、Vは、基材に対するパッドの速度であり、Kpは、いわゆるプレストン係数である)に従うことが広く認められている。プレストン係数は、使用される消耗品セットに特徴的である一括合計定数(lumped sum constant)である。Kpに寄与する最重要な影響のいくつかは以下のとおりである:(a)パッド接触領域(パッドテクスチャ及び表面の機械的特性に大きく由来する);(b)作業を行うのに利用可能な接触領域表面上のスラリー粒子の濃度);及び(c)表面粒子と研磨される層の表面との間の反応速度。影響(a)は、主にパッド特性及びコンディショニング工程によって決まる。影響(b)は、パッド及びスラリーの両方によって決まり、影響(c)は、主にスラリーの特性によって決まる。
大容量多層メモリデバイス(たとえば3D NANDフラッシュメモリ)の出現は、除去速度のさらなる増大の必要性を招いた。3D NAND製造工程の重要な部分は、SiO2及びSi34膜の多層スタックを交互に角錐形の階段状に積み上げることからなる。ひとたび完成したならば、スタックを厚いSiO2オーバレイヤでキャップし、それをデバイス構造の完成の前に平坦化しなければならない。この厚い膜は一般にプレメタル絶縁体(PMD)(Pre-Metal Dielectric)と呼ばれる。デバイス容量は、積層スタック中の層の数に比例する。現在の市販品デバイスは32及び64の層を使用するが、当業界は128層へと急速に移行中である。スタック中の各酸化物/窒化物ペアの厚さは約125nmである。したがって、スタックの厚さは層の数に正比例して増す(32=4,000nm、64=8,000nm、128=16,000nm)。PMDステップの場合、除去されるキャッピング絶縁体の総量は、PMDの形状適合性堆積を仮定すると、スタック厚さの約1.5倍にほぼ等しい。
従来の絶縁体CMPスラリーは約250nm/minの除去速度を有する。これは、PMDステップにとって望ましくない長さのCMP加工時間を生み出し、それが今、3D NAND製造工程の主なボトルネックである。その結果、より高速のCMP工程を開発することに対して多大な労力が払われてきた。大部分の改良は、加工条件(より高いP及びV)、パッドコンディショニング工程の変更及びスラリー設計、特にセリア系スラリーの改善に焦点を定めたものであった。
特定のパッドは、一定の圧力(又はダウンフォース)までは、より高いダウンフォースから除去速度の利益を示すが、その一定の圧力を過ぎると、除去速度は横ばいになる、又は低下することさえある。より高い圧力で使用することができ、任意選択で、セリアスラリーと組み合わされて、マイナスの効果をもたらすことなく、より高い除去速度を達成することができる改良されたパッドは、CMP技術において有意な改善となるであろう。
本明細書に開示されるものは、半導体、光学、磁性又は電気機械基材の少なくとも一つを研磨するように適合された研磨パッドであって、軟質相及び硬質相を有するポリウレアを含む研磨層を含み、軟質相が、脂肪族フッ素非含有種とフッ素化脂肪族種とのコポリマーであり、ポリウレアが硬化剤で硬化されており、硬質相が結晶化度を含み、ポリウレアが、ポリウレアの動的走査熱量測定によって決定した場合に、少なくとも230℃の融解温度と、少なくとも3ジュール/グラムのΔHfとを特徴とする、研磨パッドである。
ここで、例示的な実施形態である図面を参照する。図中、類似の要素は類似の符号を付されている。
図1は、様々なフッ素化ポリウレアの性能を示すDSCサーモグラフである。 図2は、比較用パッド及び本発明パッドの場合の毎分90回転(rpm)のプラテン速度でのダウンフォース圧に対する除去速度のグラフである。 図3は、比較用パッド及び本発明パッドの場合の毎分120回転(rpm)のプラテン速度でのダウンフォース圧に対する除去速度のグラフである。
詳細な説明
本明細書に開示される研磨パッドは、半導体、光学、磁性又は電気機械基材の少なくとも一つを研磨するのに適している。研磨パッドの研磨層は、軟質相及び硬質相を有するポリウレアを含む。軟質相は、相対的に低い濃度のフッ素含有脂肪族高分子(軟質セグメントの総重量を基準にして約1~20重量%(wt%))と、非フッ素化脂肪族高分子とを使用して形成されるセグメントを含む。硬質相は、動的走査熱量測定によって決定した場合に、少なくとも230℃の融解温度(Tm)と、少なくとも3ジュール/グラム、少なくとも3.5ジュール/グラム又は少なくとも4ジュール/グラムの生成エンタルピー(ΔHf)とによって示される結晶化度を含む。Tmは、ポリマーの分解温度よりも低い温度まで、たとえば300℃以下、280℃以下、275℃以下又は270℃以下であることができる。ΔHfは、35ジュール/グラム以下、30ジュール/グラム以下又は25ジュール/グラム以下であることができる。より具体的に、融解温度Tmは、動的走査熱量測定(DSC)により、ポリマーの試料をパンに入れ、それを室温で平衡させたのち、温度を10℃/分の速度で300℃まで上げることによって決定することができる。融解温度は、曲線上の、融解を示す吸熱が出現する最下点として記録される。ΔHfは、DSC曲線から、吸熱が始まるところから吸熱が終わるところまでの面積の積分により、決定することができる。
パッドは、研磨中、改善された除去速度を生み出すことができ、より高い研磨圧及び研磨速度に耐えることができる。さらに、研磨パッドは、研磨中に親水性である研磨パッドにより、改善された性能を達成することができる。研磨中の親水性研磨パッドの達成は、効率的な研磨のための薄く効率的なパッド/ウェーハギャップを達成することを容易にする。フッ素含有コポリマーの添加はパッドの電気陰性度又はゼータ電位を減らし、それが、研磨中にパッド表面を非常に親水性にする。
硬質相は、剛性を提供する硬直した硬質セグメントを含む。硬質相は、部分的に結晶質であり、部分的に非晶質であることができる。非晶質部分は、軟質相(軟質セグメント)に比べて相対的に高いガラス転移温度(Tg)を有する。硬質相のTgは、たとえば、100~170℃の範囲であることができる。また、硬質相の部分的結晶構造のおかげで、硬質相には融解温度Tmが認められる。ポリウレアの融解温度は少なくとも230℃であることができる。Tgは、動的機械分析(DMA)によって決定することができる。
軟質相は、硬質相セグメントのTgと比べて低いTgを一般に有する、室温でより柔軟であるセグメントを含む。硬質セグメントと軟質セグメントとの間の不混和性のせいで相分離が起こる。軟質相のTgは、たとえば、-40~130℃の範囲であることができる。
硬質セグメントと軟質セグメントとは、ポリアミン(たとえばジアミン)によって架橋させる。アミン基が、硬質セグメント成分(たとえばプレポリマー)及び軟質セグメント(たとえばプレポリマー)のイソシアネート基と反応して、ポリウレアの尿素結合を形成する。
軟質相は、それぞれが二つの反応性末端基を有する、一つ以上の脂肪族フッ素非含有種(たとえばモノマー、ダイマー、トリマー又はより高次のオリゴマー)と、少なくとも一つのフッ素化種(たとえばモノマー、又はオリゴマーなどの高分子)とを有する軟質セグメントから形成することができる。フッ素化種は、少なくとも6、少なくとも8であり、20又は16以下の炭素原子の長さを有することができる。たとえば、フッ素化種は、フッ素化アルキレンオキシド及び非フッ素化アルキレンオキシドの高分子(たとえばオリゴマー)を含むことができる。脂肪族フッ素非含有ポリマー基は少なくとも一つのフッ素化種の反応性末端基と結合している。結合は窒素含有結合であることができる。窒素含有結合の例は尿素基及びウレタン基を含む。脂肪族フッ素非含有ポリマー基は、その一端が少なくとも一つのフッ素化種窒素含有結合に結合している。イソシアネート基は、脂肪族フッ素非含有ポリマー基の反応端をキャップすることができる。通常、反応している脂肪族フッ素非含有ポリマー種は、たとえばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して、又は製品添付文書での指定によると、200~7500又は250~5000の数平均分子量を有することができる。明確にするために、脂肪族フッ素非含有ポリマー基端の数平均分子量は以下のいずれをも含まない:イソシアネート末端基、窒素含有結合又はアミン硬化剤。軟質セグメントはポリウレアマトリックス内に軟質相を形成する。脂肪族フッ素非含有ポリマー基は、フッ素化種と結合するポリテトラメチレンエーテルであることができる。フッ素化種は少なくとも一つのフッ素化エーテルを含むことができる。フッ素化種は、フッ素化エチレンオキシド、フッ素化オキシメチレン及びエチレンオキシドの反応生成物を含むことができる。エチレンオキシドに対するフッ素化エーテル基、たとえばフッ素化エチレンオキシド及びフッ素化オキシメチレンの原子比は3未満であることができる。
硬質相は、フッ素基を含有しないジイソシアネート含有硬質セグメントと、アミン含有硬化剤とから形成することができる。硬質セグメントは、アミン含有硬化剤と反応した脂肪族フッ素非含有ポリマー基の外端をキャップするイソシアネート基から形成された尿素基を含むことができる。硬質セグメントは軟質相内で硬質相として凝集することができる。この形態が、フッ素に富む相(セリア相互作用を改善することができる)と、軟質相を強化するための硬質相とを提供して、複数のウェーハを研磨するときの高められたパッド寿命及び安定性のために研磨アスペリティ完全性を改善する。硬質セグメント(たとえばイソシアネート又は尿素部分)及び軟質セグメントはプレポリマーを形成することができ、その後、そのプレポリマーがアミン含有硬化剤と反応してポリウレアマトリックスを形成する。軟質セグメント中のフッ素含有部分の存在が軟質相の軟質セグメントガラス転移温度(Tg)を高める。この予想外のガラス転移温度の上昇がポリマーの熱安定性を高める。
研磨中、空気中のポリマーの最上面で、フッ素化軟質セグメント成分の濃縮が起こることができる。表面における、このフッ素に富む相のインサイチュかつ連続的な生成は、少量のフルオロポリマーの有益な影響をさらに高める。相対的に低いフッ素化軟質セグメント濃度(たとえば、全軟質セグメント含有量の20重量%未満)では、フッ素化種の量は、ポリマーがその後、特に剪断下で水に曝露されたとき、水分子の双極子再配置を防ぐのに不十分である。これは、液滴が剪断に曝露されるとき、複雑な濡れ挙動を生じさせる。具体的には、水表面が再配置されて、ポリマーの親水性部分との水相互作用の増大を生じさせると考えられる。これは、結果として、研磨中に、液滴の後退接触角の減少及び表面エネルギーの対応する増大を生じさせる。結果として、剪断下、本明細書に開示される研磨パッドは、そのフッ素非含有類似物よりも親水性になることができる。
本明細書に開示される研磨パッドの研磨層に使用されるポリウレアはブロックコポリマーである。本明細書に開示される化学機械研磨パッドの研磨層の形成に使用することができる末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、多官能イソシアネートと、二つ以上の成分(その一つはフッ素化されている)を含有するプレポリマー混合物とを含む成分の反応生成物を含むことができる。
イソシアネートは多官能であり、たとえばジイソシアネートである。ジイソシアネートの例は、2,4-トルエンジイソシアネート;2,6-トルエンジイソシアネート;4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート;ナフタレン-1,5-ジイソシアネート;トルイジンジイソシアネート;パラ-フェニレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート;及びそれらの混合物を含む。ジイソシアネートはトルエンジイソシアネートであることができる。
脂肪族フッ素非含有ポリマー基は、ジオール、ポリオール、ポリオールジオール、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から反応させることができる。たとえば、脂肪族フッ素非含有ポリマー基をジイソシアネートと反応させたのち、フッ素化種をそのジイソシアネートに結合させることが可能である。プレポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール(たとえば、アルキレンが2~5個の炭素原子を含むポリアルキレングリコール、たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール);ポリカーボネートポリオール;ポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;それらの混合物;それらの一つ以上と、エチレングリコール;1,2-プロピレングリコール;1,3-プロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,5-ペンタンジオール;3-メチル-1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;及びトリプロピレングリコールからなる群から選択される一つ以上の低分子量ポリオールとの混合物からなる群から選択することができる。プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG);又は、選択される一つ以上の低分子量ポリオール、たとえばエチレングリコール;1,2-プロピレングリコール;1,3-プロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,5-ペンタンジオール;3-メチル-1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;及びトリプロピレングリコールと任意選択で混合したそれらの混合物であることができる。プレポリマーポリオールは、主として(たとえば≧90重量%)ポリテトラメチレンエーテルであることができる。フッ素化ポリオールは、上記非フッ素化ポリオールのいずれかから、置換によりフッ素を加えて製造することができる。これは、最終的な機械的特性におけるばらつきを最小限にする。
末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、8.5~9.5重量%の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有することができる。市販されている末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D);Adiprene(商標)プレポリマー(Chemturaから市販、たとえばLF-800A、LF-900A、LF-910A、LF-930A、LF-931A、LF-939A、LF-950A、LF-952A、LF-600D、LF-601D、LF-650D、LF-667、LF-700D、LF-750D、LF-751D、LF-752D、LF-753D及びL325);Andur(商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。
末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する、低遊離イソシアネートで末端を修飾されたウレタンプレポリマーであることができる。
本発明者らは、研磨層の形成に使用される硬化剤の選択が、硬質相中の結晶化度の形成を可能にし、融解温度Tmを高めることができることを見いだした。特に、硬化剤は、式I
Figure 2023164309000001

(式中、R1、R2及びR3は、H、ハロゲン(好ましくはフッ素又は塩素、より好ましくは塩素)及び炭素原子1~3個、好ましくは2個のアルキル基から選択される。ただし、R1、R2及びR3の少なくとも一つ、好ましくはR1及びR2は炭素原子1~3個、好ましくは2個のアルキル基であり、芳香環1個あたり1つ以下のハロゲンが存在する)
の硬化剤を含む。
たとえば、硬化剤はビス(4-アミノ-2-クロロ-3,5-ジエチルフェニル)メタン(「MCDEA」)であることができる。
式Iの硬化剤、たとえばMCDEAは、硬化剤の全量を基準にして30、40、45~100、95、90又は80モル%の量で使用することができ、所望の熱安定性を達成することができる。
式Iの硬化剤、たとえばMCDEAに加えて、硬化剤は、一つ以上のさらなる多官能芳香族アミンを含むことができる。そのようなさらなる多官能芳香族アミンの例は、ジエチルトルエンジアミン(DETDA);3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体(たとえば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン);4,4′-ビス-(sec-ブチルアミノ)ジフェニルメタン;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p′-メチレンジアニリン(MDA);m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)(MBOCA);4,4′-メチレン-ビス-(2,6-ジエチルアニリン)(MDEA);4,4′-メチレン-ビス-(2,3-ジクロロアニリン)(MDCA);4,4′-ジアミノ-3,3′-ジエチル-5,5′-ジメチルジフェニルメタン;2,2′,3,3-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエート;及びそれらの混合物である。
本明細書に開示される研磨パッドは、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーを提供する工程;別に、硬化剤成分を提供する工程;末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと硬化剤成分とを合わせて混合物を形成する工程;混合物を反応させて生成物を形成する工程;生成物から研磨層を形成する、たとえば生成物をスカイビングすることにより、所望の厚さの研磨層を形成する工程;及びたとえば機械加工によって研磨層に溝を設ける工程;及び研磨層を有する化学機械研磨パッドを形成する工程を含む方法によって製造することができる。
本明細書に開示される化学機械研磨パッドの研磨層はさらに、複数のマイクロエレメントを含むことができる。マイクロエレメントは、研磨層全体を通して均一に分散していることもできるし、研磨層の上から下へと勾配にしたがって分散していることもできる。マイクロエレメントは、たとえば、閉じ込められた気泡、中空コアポリマー材料、液体充填中空コアポリマー材料、水溶性材料及び不溶相材料(たとえば鉱油)であることができる。より具体的には、複数のマイクロエレメントは、研磨層全体を通して均一に分散した、閉じ込められた気泡及び中空コアポリマー材料から選択することができる。複数のマイクロエレメントは、150μm未満又は50μm以下;及び少なくとも1μm又は少なくとも10μmの重量平均直径を有することができる。たとえば、複数のマイクロエレメントは、ポリアクリロニトリル又は塩化ビニリデン-ポリアクリロニトリルコポリマーのシェル壁を有するポリマーマイクロバルーン(たとえば、Akzo NobelのExpancel(商標)マイクロスフェア)であることができる。気孔を提供する複数のマイクロエレメントを研磨層に組み込んで、0~50体積%の気孔率又は10~35体積%の気孔率を生み出すことができる。気孔の体積%は、無充填の研磨層の比重とマイクロエレメント含有研磨層の比重との差を無充填の研磨層の比重で割ることによって決定することができる。
本明細書に開示される研磨パッドの研磨層は、多孔形態又は無孔(すなわち無充填)形態で提供されることができる。本明細書に開示される化学機械研磨パッドの研磨層は、ASTM D1622(2014)にしたがって測定して0.4~1.15g/cm3又は0.70~1.0g/cm3の密度を有することができる。
本明細書に開示される化学機械研磨パッドの研磨層は、ASTM D2240(2015)にしたがって測定して28~75のショアD硬さを有することができる。
研磨層は、20~150ミル(0.05~0.4cm)、30~125ミル(0.08~0.3cm)、40~120ミル(0.1~0.3cm)又は50~100ミル(0.13~0.25cm)の平均厚さを有することができる。
本明細書に開示される研磨パッドは、研磨機のプラテンとインタフェースするように適合されることができる。たとえば、CMP研磨パッドは、研磨機のプラテンに取り付けられる(たとえば、感圧接着剤及び真空の少なくとも一つを使用して)ように適合されることができる。
本発明に開示される研磨パッドはさらに、任意選択で、研磨層とインタフェースした少なくとも一つのさらなる層を含む。たとえば、CMP研磨パッドはさらに、任意選択で、研磨層に接着された圧縮性のベース層を含むことができる。圧縮性のベース層は、研磨される基材の表面への研磨層の形状適合性を改善することができる。この形状適合性は、研磨除去速度および広域的均一性を改善することができる。
本明細書に開示される研磨パッドはさらに、その最終形態において、一つ以上の寸法のテクスチャをその上面に含むことができる。そのようなテクスチャは、サイズによってマクロテクスチャ又はマイクロテクスチャへと分類することができる。マクロテクスチャは、流体力学的応答及びスラリー輸送の制御を促進することができる。マクロテクスチャは、非限定的に、多くの形態及びデザインの溝、たとえば環状、放射状、偏った放射状およびクロスハッチ状の溝、規則的もしくは偶発的又は環状もしくは放射状のパターンに配設された突出物(たとえば様々な形状の柱状物、角錐)などを含むことができる。これらは、成形によってパッド上に直に形成することもできるし、機械加工によって薄い均一なシート上に形成することもできる。マイクロテクスチャは、研磨が行われる基材ウェーハとの接触点である表面アスペリティの集団を形成する、より微細スケールの形体を含む。たとえば、マイクロテクスチャとしては、非限定的に、使用前、使用中又は使用後にダイアモンドなどの硬い粒子のアレイによる摩耗(しばしばパッドコンディショニングと呼ばれる)によって形成されるテクスチャ及びパッド作製工程中に形成されるマイクロテクスチャを含むことができる。
多孔性パッドとは異なり、無孔性パッドは、平坦化効率の改善、ディッシングの減少及び摩耗速度の低下のための増大した剛性を有する。無孔性パッドは多孔性パッドとは異なるふうに研磨するため、両パッドは通常、実現可能なCMPパッドを製造するために、異なる溝パターン及び異なるダイアモンドコンディショナを必要とする。適切な溝パターン及びマイクロテクスチャなしでは、これらのパッドは、研磨パッド表面のハイドロプレーニング及びグレージングを被りやすい。グレージングは、パッドが摩耗又は変形してテクスチャを減らすところである。たとえば、重度のグレージングは、パッドがそのマイクロテクスチャをすべて失うところである。
本明細書中「背景技術」に記載されたように、CMP研磨パッドは研磨スラリーとともに使用される。本明細書に開示される研磨パッドは特に、そのようなスラリー、特に、使用される粒子の等電点pH未満であるpHを有するスラリーとともに使用することができる。たとえば、セリアは約6.6の等電点pHを有する。このpH未満では、粒子表面は正味の正電荷を有する。このpHを超えると、粒子は正味の負電荷を有する。本明細書に開示されるパッドはそのpHで高い負電荷を示すことができるため、粒子が等電点未満であるとき速度増強が達成される。
本明細書に開示される研磨パッドは、熱硬化性ウレタンと適合性である多様な方法によって製造することができる。そのような方法は、上記のような成分を混合し、型に流し込み、アニールし、所望の厚さのシートへとスライスすることを含む。あるいはまた、より正確な正味の形態に製造することもできる。たとえば、以下の方法を使用することができる。1.熱硬化性樹脂の射出成形(しばしば「反応射出成形」又は「RIM」と呼ばれる);2.熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の射出ブロー成形;3.圧縮成形;又は4.流動性材料を配置し、固化させ、それにより、パッドのマクロテクスチャ又はマイクロテクスチャの少なくとも一部分を形成する任意の類似したタイプの方法。ある成形例においては:1.流動性材料を構造又は基材の中又は上に押し出し;2.材料が固化するとき、構造又は基材が材料の中に表面テクスチャを付与し、3.その後、固化した材料から構造又は基材を分離させる。
材料
PTMEGは、250~2000の範囲の分子量を有する様々なPTMEGのブレンドであった。
4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)。
トルエンジイソシアネート(TDI)。
トルエンジイソシアネート(「H12MDI/TDI」)PTMEGは、8.95~9.25重量%のNCOを有するプレポリマーであった。
ポリマーマイクロスフェアは、約20μmの平均粒子径を有する塩化ビニリデン-ポリアクリロニトリルコポリマーマイクロスフェアであった。
フルオロポリマーはエトキシ化ペルフルオロエーテルであった。フルオロポリマーは、フッ素化エチレンオキシド-エチレンオキシドでキャップされたフッ素化オキシメチレンの直鎖構造を有するものであった。エチレンオキシドに対するフッ素化エーテルの原子比「R」は1.9又は5.3であった。
MCDEAはビス(4-アミノ-2-クロロ-3,5-ジエチルフェニル)メタンであった。
MBOCAは4,4′-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)であった。
プレポリマー合成手順
プレポリマーは、約200~1000グラムの範囲のバッチとして合成した。エトキシ化ペルフルオロエーテルとPTMEGとを混合して、所望のフッ素化レベルのポリテトラメチルエーテルを生じさせた。TDI及びH12MDIを重量比80:20で混合したのち、混合物に加えた。次いで、所望のNCO重量%を達成するのに十分なイソシアネート混合物を、エトキシ化ペルフルオロエーテルとPTMEGとの混合物に加えた。全混合物を再び混合したのち、使用前に、65℃の予熱オーブンに4時間入れた。
パッド製造手順
合成したプレポリマー及び(「H12MDI/TDI」)PTMEGプレポリマーを65℃に加熱した。硬化剤を事前に秤量し、オーブン中110℃で融解させた。4時間の反応時間後、ポリマーマイクロスフェアをプレポリマーに加えた、又は一度加熱し、ポリマー中のポリマーマイクロスフェアとともに真空でガス抜きした。すべての充填された試料は、比重又は最終密度に達するのに十分なポリマーマイクロスフェアの分布を含む。ガス抜きしたのち、両成分が温度になったならば、硬化剤をプレポリマーに加え、混合した。混合したのち、試料を加熱プレートに注加し、Teflon(商標)コートされたバーを、175ミル(4.4mm)にセットされたスペーサとともに使用して、引き延ばした。次いで、プレートをオーブンに移し、104℃に加熱し、その温度で16時間保持した。次いで、ドローダウンを離型させ、22インチ(55.9cm)にパンチダウンし、使用して、研磨のための積層パッドを調製した。すべてのパッドは直径30インチ(76cm)であり、80ミル(2.0mm)トップパッドと、それぞれ20ミル、30ミル及び120ミル(0.51mm、0.76mm及び3.05mm)の幅、深さ及びピッチを有する1010円形溝と、サブパッドのための感圧接着膜と、Suba IV(商標)ポリウレタン含浸ポリエステルフェルトサブパッドと、感圧プラテン接着剤とを有していた。また、各材料セットのプラークを、ポリマーマイクロスフェア充填材を有する場合及び有しない場合の両方で、物性試験のためのプラークにした。
実施例1
上記プレポリマーから作製したポリマー(又は、対照の場合、フッ素化されていない(「H12MDI/TDI」)PTMEGプレポリマー)を、様々な硬化剤(表1に示す)とともに、動的走査熱量測定(DSC)により、30ミリグラムの試料をアルミニウムパンに入れ、室温から280℃又は300℃まで10℃/分の速度で上昇させることによって試験した。DSCサーモグラフが図1に示されている。図1の各ポリマーの曲線は工程中の相対的熱流を示し(すなわち、y軸が相対的熱流を示している)、各ポリマーの曲線は、見やすくするため、オフセットされていることに留意すること。換言するならば、たとえば、対照ポリマーは、全体的に他のポリマーよりも高い熱流を有するわけではないが、曲線は、他の曲線と重なることなく見ることができるよう、オフセットされている。表1の融解温度は、DSC曲線上の、融解を示す低下(すなわち吸熱)が見てとれる最下点である。曲線上の、吸熱が始まるところから吸熱が終わるところまでの吸熱の積分により、デルタHf(ΔHf、すなわち生成エンタルピー)を決定した。
Figure 2023164309000002
見てとれるように、25%MCDEA及び75%MBOCAで、試料3のサーモグラフ曲線は融解温度を示さず、非晶質ポリマー(特に非晶質硬質相)を暗示している。試料4及び5は、より多量のMCDEAが、いくらかの結晶化度と、MBOCAを75%以上有するポリマーに比べて上昇した融解温度とを有するポリマーを生み出すことを実証する。MCDEAの量が25モル%を超えると、ΔHfによって示される結晶化度の量は増す。
実施例2
以下の硬化剤を使用して、上記のようにパッドを製造した:試料1(100%MBOCA)、試料4(50モル%MBOCA/50モル%MCDEA)及び試料5(100%MCDEA)。また、対照として、市販品パッド(DuPontのIK4150)を試験した。AMAT Reflexion研磨機上、HS-0220(Hitachi製)スラリー及びAK45(Saesol製)コンディショナを使用して、様々なプラテン速度及び圧力で酸化ケイ素基材を研磨することにより、パッドを試験した。図2に示すように、90RPMで、本発明パッドの試料4及び5は、約275hPa(ヘクトパスカル)を超えるダウンフォース圧力では、対照パッド及び試料1に見られるような除去速度の平坦域を示さない。同様に、図3において、120RPMプラテンでは、試料4及び5は、除去速度が横ばいになり始めるが、試料1及び対照パッドは、実際、約275hPaを超える圧力で除去速度が低下した。本発明の試料4及び5の改善された性能は、より高い圧力及び速度での研磨中にポリマーがより高い加工温度に耐えることを可能にする、ポリマーの改善された熱安定性(たとえば、より高い融解温度)のおかげであった可能性がある。
本開示はさらに以下の態様を包含する。
態様1:半導体、光学、磁性又は電気機械基材の少なくとも一つを研磨するように適合された研磨パッドであって、軟質相及び硬質相を有するポリウレアを含む研磨層を含み、軟質相が、脂肪族フッ素非含有種とフッ素化脂肪族種とのコポリマーであり、ポリウレアが硬化剤で硬化されており、硬質相が結晶化度を含み、ポリウレアが、ポリウレアの動的走査熱量測定によって決定した場合に、少なくとも230℃の融解温度と、少なくとも3ジュール/グラム、好ましくは少なくとも3.5ジュール/グラム、より好ましくは少なくとも4ジュール/グラム、さらに好ましくは少なくとも4.5ジュール/グラムのΔHfとを特徴とする、研磨パッド。
態様2:融解温度が280℃未満である、態様1の研磨パッド。
態様3:ΔHfが、35ジュール/グラム以下、好ましくは30ジュール/グラム以下、より好ましくは25ジュール/グラム以下である、態様1又は2の研磨パッド。
態様4:研磨層のポリウレアがマトリックスを形成し、研磨層がさらに、マトリックス中に分散したガス又は液体充填ポリマーマイクロエレメントを含む、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様5:硬化剤が、式I
Figure 2023164309000003
(式中、R1、R2及びR3は、H、ハロゲン(好ましくはフッ素又は塩素、より好ましくは塩素)及び炭素原子1~3個、好ましくは2個のアルキル基から選択される。ただし、R1、R2及びR3の少なくとも一つ、好ましくはR1及びR2は、炭素原子1~3個、好ましくは2個のアルキル基であり、芳香環1個あたり1つ以下のハロゲンが存在する)
の硬化剤を含む、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様6:式Iの硬化剤が4,4′-メチレン-ビス-(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)である、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様7:硬化剤中の式Iの硬化剤の量が、硬化剤の30モル%、好ましくは35モル%、より好ましくは40モル%、さらに好ましくは45モル%~100モル%、好ましくは95モル%、より好ましくは90モル%、さらに好ましくは80モル%である、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様8:硬化剤がさらに、ジエチルトルエンジアミン(DETDA);3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体(たとえば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン);4,4′-ビス-(sec-ブチルアミノ)ジフェニルメタン;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p′-メチレンジアニリン(MDA);m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4′-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)(MBOCA);4,4′-メチレン-ビス-(2,6-ジエチルアニリン)(MDEA);4,4′-メチレン-ビス-(2,3-ジクロロアニリン)(MDCA);4,4′-ジアミノ-3,3′-ジエチル-5,5′-ジメチルジフェニルメタン;2,2′,3,3-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエートから選択される一つ以上のさらなる硬化剤を含む、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様9:軟質相のコポリマーが、フッ素化アルキレンオキシド及び非フッ素化アルキレンオキシドを含む構造を有する、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様10:非フッ素化アルキレンオキシドに対するフッ素化アルキレンオキシドのモル比が3未満である、態様9の研磨パッド。
態様11:脂肪族フッ素非含有種がポリテトラメチレンエーテルである、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様12:硬質相が、ジイソシアネート硬質セグメントと硬化剤との反応生成物を含む、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様13:研磨層が、マクロテクスチャを含む研磨面を有する、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様14:毎分120回転(RPM)で、圧力345hPaにおける除去速度が275hPaにおける除去速度以上である、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様15:研磨層が、研磨中、剪断条件下で親水性のままである、前記態様のいずれかの研磨パッド。
態様16:研磨される基材を提供する工程及び態様1~15のいずれか一つの研磨パッドを使用して基材を研磨する工程を含む方法。
態様17:基材と研磨パッドとの間にスラリーを適用する工程を含む、態様16の方法。
態様18:スラリーがセリアを含む、態様17の方法。
態様19:基材が表面上に二酸化ケイ素を含む、態様16~18のいずれか一つの方法。
本明細書に開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は、独立して、互いに組み合わせ可能である(たとえば、「25重量%以下、又はより具体的には5重量%~20重量%」の範囲は、「5重量%~25重量%」の範囲の終点及びすべての中間値を含む、など)。そのうえ、述べられる上限及び下限を組み合わせて範囲を形成することもできる(たとえば、「少なくとも1重量%又は少なくとも2重量%」と「10又は5重量%以下」とを組み合わせて、「1~10重量%」又は「1~5重量%」又は「2~10重量%」又は「2~5重量%」の範囲を形成することもできる)。
本開示は、択一的に、本明細書に開示される任意の適切な構成要素を含むこともできるし、それらからなることもできるし、それらから本質的になることもできる。本開示は、追加的又は代替的に、従来技術の組成物に使用される、又は他の点では本開示の機能又は目的の達成にとって必要ではない構成要素、材料、成分、補助剤又は種を含まない、又は実質的に含まないように調合されることもできる。
引用されるすべての特許、特許出願及び他の参考文献は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。しかし、本出願におけるある用語が、組み入れられる参考文献中の用語と矛盾する、又は相容れないならば、本出願からの用語が、組み入れられる参考文献からの相容れない用語よりも優先する。
本明細書中で別段の指定がない限り、すべての試験規格は、本出願の出願日の時点又は、優先権が主張されるならば、試験規格が記されている最先の優先権出願の出願日の時点で効力のある最新の規格である。

Claims (10)

  1. 半導体、光学、磁性又は電気機械基材の少なくとも一つを研磨するように適合された研磨パッドであって、軟質相及び硬質相を有するポリウレアを含む研磨層を含み、該軟質相が、脂肪族フッ素非含有種とフッ素化脂肪族種とのコポリマーであり、該ポリウレアが硬化剤で硬化されており、該硬質相が結晶化度を含み、該ポリウレアが、該ポリウレアの動的走査熱量測定によって決定した場合に、少なくとも230℃の融解温度と、少なくとも3ジュール/グラムのΔHfとを特徴とする、研磨パッド。
  2. 該研磨層の該ポリウレアがマトリックスを形成し、該研磨層がさらに、該マトリックス中に分散したガス又は液体充填ポリマーマイクロエレメントを含む、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 該硬化剤が、式I
    Figure 2023164309000004

    (式中、R1、R2及びR3は、H、ハロゲン及び炭素原子1~3個のアルキル基から選択される。ただし、R1、R2及びR3の少なくとも一つは、炭素原子1~3個のアルキル基であり、芳香環1個あたり1つ以下のハロゲンが存在する)
    の硬化剤を、硬化剤の全モルを基準にして30モル%以上含む、請求項1記載の研磨パッド。
  4. 式Iの該硬化剤が4,4′-メチレン-ビス-(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)である、請求項3記載の研磨パッド。
  5. 該硬化剤がさらに、ジエチルトルエンジアミン(DETDA);3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体(たとえば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン);4,4′-ビス-(sec-ブチルアミノ)ジフェニルメタン;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p′-メチレンジアニリン(MDA);m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4′-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)(MBOCA);4,4′-メチレン-ビス-(2,6-ジエチルアニリン)(MDEA);4,4′-メチレン-ビス-(2,3-ジクロロアニリン)(MDCA);4,4′-ジアミノ-3,3′-ジエチル-5,5′-ジメチルジフェニルメタン;2,2′,3,3-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエートから選択される一つ以上のさらなる硬化剤を含む、請求項3記載の研磨パッド。
  6. 該軟質相の該コポリマーが、フッ素化アルキレンオキシド及び非フッ素化アルキレンオキシドを含む構造を有し、
    非フッ素化アルキレンオキシドに対するフッ素化アルキレンオキシドのモル比が3未満である、請求項1記載の研磨パッド。
  7. 脂肪族フッ素非含有ポリマー基がポリテトラメチレンエーテルであり、該硬質相が、ジイソシアネート硬質セグメントと硬化剤との反応生成物を含む、請求項1記載の研磨パッド。
  8. 該研磨層が、マクロテクスチャを含む研磨面を有する、請求項1記載の研磨パッド。
  9. 毎分120回転で、圧力346ヘクトパスカルにおける除去速度が275ヘクトパスカルにおける除去速度以上である、請求項1記載の研磨パッド。
  10. 該研磨層が、研磨中、剪断条件下で親水性のままである、請求項1記載の研磨パッド。
JP2023051717A 2022-04-28 2023-03-28 化学機械研磨のためのパッド Pending JP2023164309A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/661,077 US20230347470A1 (en) 2022-04-28 2022-04-28 Pad for chemical mechanical polishing
US17/661,077 2022-04-28

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023164309A true JP2023164309A (ja) 2023-11-10

Family

ID=88306714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023051717A Pending JP2023164309A (ja) 2022-04-28 2023-03-28 化学機械研磨のためのパッド

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20230347470A1 (ja)
JP (1) JP2023164309A (ja)
KR (1) KR20230153276A (ja)
CN (1) CN116967931A (ja)
DE (1) DE102023107098A1 (ja)
FR (1) FR3135006A1 (ja)
TW (1) TW202405063A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
TW202405063A (zh) 2024-02-01
US20230347470A1 (en) 2023-11-02
CN116967931A (zh) 2023-10-31
DE102023107098A1 (de) 2023-11-02
FR3135006A1 (fr) 2023-11-03
KR20230153276A (ko) 2023-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109867764B (zh) 得自含胺引发的多元醇的固化剂的高去除速率化学机械抛光垫
CN105710794B (zh) 受控膨胀cmp垫浇注方法
US20100035529A1 (en) Chemical mechanical polishing pad
CN109015342B (zh) 一种化学机械抛光垫及其平坦化基材的方法
TW201623380A (zh) 黏度受控之cmp澆注方法
TWI683854B (zh) 高穩定性聚胺基甲酸酯拋光墊
TWI771417B (zh) 具有偏移周向槽以改良移除率及拋光均勻性之化學機械拋光墊
JP2023041641A (ja) 圧縮性非網状ポリ尿素研磨パッド
US20230347470A1 (en) Pad for chemical mechanical polishing
US20240207998A1 (en) Chemical mechanical polishing pad with fluorinated polymer and multimodal groove pattern
US11897082B2 (en) Heterogeneous fluoropolymer mixture polishing pad
JP2023041640A (ja) フッ素化ポリ尿素コポリマーパッド
KR20240100292A (ko) 플루오르화 중합체 및 다중모드 그루브 패턴을 갖는 화학적 기계적 폴리싱 패드
US20230390889A1 (en) Cmp pad having polishing layer of low specific gravity
US20230390970A1 (en) Method of making low specific gravity polishing pads
US20230390888A1 (en) Cmp pad having ultra expanded polymer microspheres
KR102677829B1 (ko) 아민 개시형 폴리올 함유 경화제로부터의 높은 제거 속도의 화학적 기계적 연마 패드
CN118238064A (zh) 含有氟化聚合物和多模态凹槽图案的化学机械抛光垫
JP2024009752A (ja) 多葉性埋め込み形体を有する研磨層を有する化学機械平坦化パッド
JP2017064885A (ja) 研磨パッド