JP2023162872A - 粘着シート及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくい、低誘電率を有する粘着シート及び該粘着シートを備える表示装置を提供する。【解決手段】本発明の粘着シートは、基材の両面に粘着剤層を備え、前記基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する。本発明粘着シートは、粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくい。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シート及び表示装置の使用方法に関する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置、表示装置と組み合わせて用いられるタッチパネルなどの入力装置が広く用いられている。これらタッチパネル等の入力装置には、その視認性を向上させるなどの目的で、タッチパネルを構成する機能性フィルム(フィルム基材)表面に、樹脂板等のカバーパネルが貼り合わされる。機能性フィルムとカバーパネルとの貼り合わせには粘着シートが使用される。
例えば、特許文献1には、特定のアクリル系モノマーと、オレフィンマクロマーと、親水性モノマーとを含む混合モノマーの共重合を粘着シートに適用する技術が開示されている。斯かる粘着シートは、低誘電率でありながら段差追従性に優れるので、表示装置等の粘着剤として適用することができるものであるとされている。
特開2014-145054号公報
しかしながら、従来の粘着シートは、例えば、打ち抜き時に糊(粘着剤層)が変形して、はみ出しが生じることがあり、加工性の点で課題が残るものであった。また、粘着剤層が変形することで、粘着剤層に負荷がかかった場合に気泡が発生しやすくなり、これにより、剥がれが生じやすくなるという問題も有していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくく、低誘電率を有する粘着シート及び該粘着シートを備える表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、二軸延伸ポリスチレンフィルムの両面に粘着剤層を形成することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
基材の両面に粘着剤層が形成されており、
前記基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する、粘着シート。
項2
前記基材の厚みが100μm以下であり、
前記基材の両面に形成された粘着剤層の厚みはそれぞれ20μm~80μmである、項1に記載の粘着シート。
項3
100kHzにおける比誘電率が3.5以下である、項1又は2に記載の粘着シート。
項4
ヘイズが1.0%以下である、項1又は2に記載の粘着シート。
項5
液晶用ガラス、有機ELディスプレイ用ガラス、偏光板、又は、タッチセンサーを貼り合わせるために使用される、項1又は2に記載の粘着シート。
項6
項1又は2に記載の粘着シートを備える、表示装置。
本発明の粘着シートは、粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくく、低誘電率を有する。
本発明の粘着シートの剥がれ耐性値の測定方法を示す模式図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.粘着シート
本発明の粘着シートは、基材の両面に粘着剤層を備え、前記基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する。斯かる粘着シートは、例えば、打ち抜き加工時において粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくく、この結果、本発明の粘着シートは、加工性(例えば、打ち抜き加工性)に優れ、しかも、剥がれが生じにくいものである。また、本発明の粘着シートは、比誘電率も低い。従って、本発明の粘着シートは、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置を形成するための粘着剤、表示装置と組み合わせて用いられるタッチパネルなどの入力装置を形成するための粘着剤等への使用に好適である。
(基材)
本発明の粘着シートにおいて、基材は、粘着剤層を支持するための部材であって、シート状に形成される部材である。斯かる基材は少なくとも二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する。
二軸延伸ポリスチレンフィルムは、ポリスチレンの二軸延伸によって得られるポリスチレンフィルムである。本発明で使用できる二軸延伸ポリスチレンフィルムの種類は特に限定されず、例えば、公知の二軸延伸ポリスチレンフィルムを広く使用することができる。
二軸延伸ポリスチレンフィルムを得る方法も特に限定されず、例えば、公知の二軸延伸ポリスチレンフィルムを製造する方法を本発明でも広く採用することができる。二軸延伸の条件も特に限定されず、例えば、公知の二軸延伸の条件と同様の条件とすることができる。
二軸延伸ポリスチレンフィルムは、市販品等から入手することもでき、例えば、旭化成アドバンス社のOPS(登録商標)フィルムを挙げることができる。
二軸延伸ポリスチレンフィルムの厚みは、100μm以下であることが好ましい。これにより、粘着シートの厚みが大きくなり過ぎず、粘着シートに適したものとなり、また、粘着シートの打ち抜き加工性も損なわれにくくなる。本発明の粘着シートにおいて、二軸延伸ポリスチレンフィルムの厚みは、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。また、本発明の粘着シートにおいて、二軸延伸ポリスチレンフィルムの厚みは、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。
基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムのみで形成されていてもよいし、あるいは、本発明の効果が阻害されない限り、他のフィルムが二軸延伸ポリスチレンフィルムの片面又は両面に積層されていてもよい。粘着シートの比誘電率が低くなりやすく、かつ、粘着剤層に負荷がかかった場合でも粘着剤層のはみ出しの発生が抑制されやすい点で、基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムのみで形成されていることが好ましい。
(粘着剤層)
本発明の粘着シートにおいて、粘着剤層は基材の両面に形成されるものであって、被着体どうしを接着させる機能を付与するための層である。
粘着剤層は、例えば、アクリル系粘着剤層を挙げることができ、具体的には、粘着剤層は、アクリルポリマー(A)の架橋体を含有することができる。
アクリルポリマー(A)の種類は特に限定されず、例えば、従来の粘着剤層に用いられている(メタ)アクリル系共重合体を広く挙げることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」または「メタクリル」を、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」または「メタクリレート」を、「(メタ)アリル」とは「アリル」または「メタリル」を意味する。
アクリルポリマー(A)は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を有することができる。本明細書において、「単位」は重合体を構成する繰り返し構造単位(単量体単位ともいう)である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を形成するための(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n-ウンデシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。アクリルポリマー(A)に含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位は1種を単独とすることができ、2種以上の単位を含むこともできる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、粘着物性をコントロールしやすい点で、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが特に好ましい。
アクリルポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位以外の他のアクリル系単量体単位を有してもよい。他のアクリル系単量体単位としては、架橋性官能基を有する単量体単位を挙げることができ、例えば、ヒドロキシ基含有単量体単位、カルボキシ基含有単量体単位を挙げることができる。これら単量体単位はアクリルポリマー(A)中に1種含むことができ、あるいは、2種以上を含むこともできる。
ヒドロキシ基含有アクリル系単量体単位を形成するためのヒドロキシ基含有アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
カルボキシル基含有アクリル系単量体単位は、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
アクリルポリマー(A)は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と共に架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位を含むことが好ましい。粘着剤層のはみ出しの発生がより抑制されやすく、また、気泡の発生もより起こりにくいという点で、架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位は、ヒドロキシ基含有アクリル系単量体単位及び/又はカルボキシル基含有アクリル系単量体単位を含むことがより好ましく、ヒドロキシ基含有アクリル系単量体単位を含むことがさらに好ましい。中でも、架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位は、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル単位を含むことが特に好ましい。
アクリルポリマー(A)は、架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位を含む場合、その含有量は特に限定されない。例えば、前記アクリルポリマー(A)中の構造単位の総質量100質量部に対し、架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位が3~20質量部であることが好ましい。この場合、本発明の粘着シートは、粘着剤層のはみ出しの発生がより抑制されやすく、また、気泡の発生もより起こりにくい。前記アクリルポリマー(A)中の構造単位の総質量100質量部に対し、架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位は5~15質量部であることがさらに好ましい。
アクリルポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位及び架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位(例えば、カルボキシル基含有単量体単位)以外の単量体単位(他の単量体単位)を有することもできる。他の単量体単位の含有量は(メタ)アクリル系共重合体の全質量に対して20質量%以下であることが好ましく、10質量%であることがより好ましい。アクリルポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位及び架橋性官能基を有するアクリル系単量体単位のみで形成されていても良く、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、ヒドロキシ基含有単量体単位及びカルボキシ基含有単量体単位のみで形成されていても良く、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位及びヒドロキシ基含有単量体単位のみで形成されていてもよい。
アクリルポリマー(A)の質量平均分子量は、特に限定されず、例えば、30万以上、150万以下、好ましくは35万以上、100万以下とすることができる。アクリルポリマー(A)の質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算で求めた値である。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF800L、KF800D(昭和電工(株)製を4本接続して使用)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI-2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI-2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/min
注入量:10μL
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工製)Mw=1320~2500000迄の10サンプルによる校正曲線を使用する。
粘着剤層は、前述のように、前記アクリルポリマー(A)の架橋体を含むことができる。アクリルポリマー(A)の架橋体とは、アクリルポリマー(A)が、例えば、架橋剤で架橋された構造を有することを意味する。架橋剤は、後記する粘着剤組成物に含まれる架橋剤を挙げることができる。
粘着剤層は、アクリルポリマー(A)の架橋体を含む他、本発明の効果が阻害されない限りは他の成分を含むことができる。例えば、粘着剤層は、アクリルポリマー(A)よりも分子量の小さい低分子量アクリルポリマー、シランカップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、着色剤等を含むこともできる。
粘着剤層の形成方法は特に限定されず、例えば、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を用いて、粘着剤層を形成することが好ましい。
粘着剤組成物は、例えば、前記アクリルポリマー(A)と架橋剤を含むことができる。前記アクリルポリマー(A)は、例えば、公知の方法で製造することができ、例として、(メタ)アクリルモノマーの重合反応によって製造することができる。
前記架橋剤としては、アクリルポリマー(A)の架橋反応を進行させることができるための成分を広く挙げることができる。特に、架橋剤は、アクリルポリマー(A)中のカルボキシ基又はヒドロキシル基と反応することができる成分を広く挙げることができる。架橋剤は、二官能型であることが好ましく、三官能以上であることが好ましい。
架橋剤は、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などの公知の架橋剤の中から選択できる。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;が挙げられる。イソシアネート化合物は、単独又は異なる2種以上を混合して使用することができる。市販品の例としては、トリレンジイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)、キシリレンジイソシアネート化合物(三井化学(株)製、タケネートD-110N)等が挙げられる
エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサノン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ化合物の市販品としては、例えば、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)、TETRAD-X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
中でも、架橋剤は、イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物であることが好ましく、イソシアネート化合物であることがより好ましい。
粘着剤組成物は、本発明の効果が阻害されない限りは他の成分を含むことができる。例えば、粘着剤組成物は、必要に応じて溶剤を含むことができる。粘着剤組成物が溶剤を含むことで粘着剤組成物の塗工性が向上し、粘着シートを形成しやすくなる。
前記溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体が挙げられる。
粘着剤組成物中の溶剤の含有量は特に限定されず、前記アクリルポリマー(A)100質量部に対し、25~500質量部が好ましく、30~400質量部がより好ましい。加えて、粘着剤組成物の全質量に対する溶剤の含有割合は、10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましい。粘着剤組成物に含まれる溶剤は、1種単独とすることができ、あるいは、2種以上とすることもできる。
上記粘着剤組成物を硬化することで、揮発分が除去されて粘着剤層を形成することができる。斯かる効果により、前記アクリルポリマー(A)と前記架橋剤との反応が進行して、前記アクリルポリマー(A)の架橋体が形成され、粘着剤層が得られる。従って、粘着剤層は、粘着剤組成物の硬化物を含むものである。
上記粘着剤組成物を硬化させる方法は特に限定されず、例えば、公知の方法と同様の方法を採用することができる。例えば、後記する工程1と同様の方法で粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を形成させることが好ましい(後記する「2.粘着シートの製造方法」の項を参照)。
粘着剤層は単層構造とすることができ、あるいは、単層の粘着剤層を複数積層した多層構造を有することもできる。
(粘着シート)
本発明の粘着シートは、前述のように、前記基材の両面に粘着剤層を備えるものである。基材の両面に設けられる粘着剤層は互いに同一の種類であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の粘着シートは、前記基材の厚みが100μm以下であり、かつ、前記基材の両面に形成された粘着剤層の厚みはそれぞれ20μm~80μm(すなわち、20μm以上、80μm以下)であることが好ましい。この場合、粘着シートは、粘着剤層のはみ出しの発生がより抑制されやすく、また、気泡の発生もより起こりにくくなる。なお、本発明の粘着シートにおいて、基材の両面に設けられる粘着剤層の厚みは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の粘着シートにおいて、基材の厚みは、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。また、本発明の粘着シートにおいて、基材の厚みは、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。
本発明の粘着シートにおいて、前記基材の両面に形成された粘着剤層の厚みはいずれも、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。また、本発明の粘着シートにおいて、粘前記基材の両面に形成された粘着剤層の厚みは、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。
本発明の粘着シートは、100kHzにおける比誘電率が3.5以下であることが好ましい。この場合、本発明の粘着シートは、低い比誘電率を有するので、各種の表示装置用の粘着剤として好適に使用することができる。粘着シートの100kHzにおける比誘電率の測定は、実施例に記載の方法に従う。本発明の粘着シートの100kHzにおける誘電率が3.0以下であることがより好ましい。
本発明の粘着シートは、ヘイズが1.0%以下であることが好ましい。この場合、本発明の粘着シートは、高い透明性を有するので、各種の表示装置用の粘着剤として好適に使用することができる。粘着シートのヘイズの測定は、実施例に記載の方法に従う。本発明の粘着シートのヘイズは、0.9%以下であることがより好ましい。
本発明の粘着シートは、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。この場合、本発明の粘着シートは、高い透明性を有するので、各種の表示装置用の粘着剤として好適に使用することができる。粘着シートの全光線透過率の測定は、実施例に記載の方法に従う。本発明の粘着シートの全光線透過率は、91%以上であることがより好ましい。
本発明の粘着シートは、b値が1以下であることが好ましい。この場合、本発明の粘着シートは、高い透明性を有するので、各種の表示装置用の粘着剤として好適に使用することができる。粘着シートのb値の測定は、実施例に記載の方法に従う。本発明の粘着シートのb値は0.8%以下であることがより好ましい。
本発明の粘着シートは、例えば、剥がれ耐性値が3mm以下であることが好ましい。この場合、粘着シートは、優れた粘着力を有し、また、粘着剤層の変形も起こりにくく、結果として、粘着剤層の発泡が生じにくいものとなりやすい。ここで、本発明の粘着シートの剥がれ耐性値は次のように測定することができる。
図1は、本発明の粘着シートの剥がれ耐性値を測定する様子を説明する模式図である。
本発明の粘着シートの剥がれ耐性値は、図1に示す治具Aを用いて測定する。図1(a)は治具Aを側面から描写した側面図であり、図1(b)は治具Aを上面から描写した平面図である。
図1に示すように、治具Aは、本発明の粘着シート1、偏光板付きガラス板2、ガラス板3、おもりGを備える。図1(a)に示すように、粘着シート1は、偏光板付きガラス板2と、ガラス板3との間に配置されており、粘着シート1が偏光板付きガラス板2とガラス板3とを接着させている。偏光板付きガラス板2は、ガラス板2aと偏光板2bとが貼り合わされてなる積層板であり、斯かる積層板の偏光板2b側の面が粘着シート1で貼り合わされる。
剥がれ耐性値の測定方法において、粘着シート1の大きさは15mm×15mm(厚みは任意)とする。剥がれ耐性値の測定方法において、ガラス板2aの大きさは30mm×50mmとし、厚みは4mmとする。ガラス板2aはソーダガラスを用いる。剥がれ耐性値の測定方法において、偏光板2bの大きさは30mm×50mmとし、厚みは220μmとする。偏光板2bは、ポラテクノ社製「SKN-18243T-HCを使用する。剥がれ耐性値の測定方法において、ガラス板3の大きさは30mm×50mmとし、厚み0.7mmとする。剥がれ耐性値の測定方法において、おもりGは300gとする。
図1(a)に示すように、治具Aにおいて、ガラス板3の短片と、偏光板付きガラス板2の長片の位置が上下で互いに平行に重なり合うように配置されている。また、図1(b)に示すように、ガラス板3の他端の短片は、偏光板付きガラス板2の一端から20mm突き抜けるように配置される。
図1(a)に示すように、治具Aにおいて、粘着シート1は、偏光板付きガラス板2及びガラス板3の重なり部分の中央部に配置されており、粘着シート1の1対の対角線がそれぞれ偏光板付きガラス板2の長片及び短片と平行になるように配置される。
図1(a)、(b)に示すように、治具Aにおいて、おもりGは、ガラス板3の、偏光板付きガラス板2が重なっていない部分の中心部に固定させた糸に連結させる。そして、おもりGの自重を15分にわたってガラス板3にかけ続けた後、粘着シートの剥がれた距離を計測し、この計測値を本発明の粘着シートの剥がれ耐性値とする。
以上のように、本発明の粘着シートは、上述のように、基材の両面に粘着剤層を備え、前記基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有することにより、例えば、打ち抜き加工において粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくく、この結果、本発明の粘着シートは、加工性(打ち抜き加工性))に優れ、しかも、剥がれが生じにくい。
従って、本発明の粘着シートは、各種被着体の貼り合わせに適用することができる。被着体の種類は特に限定されない。中でも、本発明の粘着シートは、液晶用ガラス、有機ELディスプレイ用ガラス、偏光板、又は、タッチセンサーを貼り合わせるために使用されることが好適であり、これにより、耐久性等に優れる表示装置を提供することができる。例えば、本発明の粘着シートは、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置、表示装置と組み合わせて用いられるタッチパネルなどの入力装置を形成するための粘着剤として使用できる。表示装置は、本発明の粘着シートを備える限り、その他の構成は、例えば、公知の表示装置と同様とすることができる。
本発明の粘着シートが各種表示装置に適用される場合、斯かる表示装置は、本発明の粘着シートを備えるので、例えば、時間が経過しても粘着剤層に発泡が生じにくく、剥がれも発生しにくいので、優れた耐久性を有する。また、本発明の粘着シートは低い比誘電率を有するので、表示装置の性能を低下させにくい。表示装置は、本発明の粘着シートを備える限り、その他の構成は、例えば、公知の表示装置と同様とすることができる。
本発明の粘着シートの使用形態の一例としては、例えば、樹脂板、フィルムなどの貼り合わせに使用することができる。樹脂板は、例えば、タッチパネルやカーナビパネル等の液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置に適用することができる樹脂板を広く採用することができる。
樹脂板としては特に制限されるものではなく、例えば、公知の透明又は半透明の樹脂板を用いることができる。例えば、ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース,ポリイミド、セルロースアシレートなどが例示される。これらの中でも、光学特性や耐熱性が良好であって、機械的強度、寸法安定性、耐候性、経済性に優れていることから、特にアクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂板であることがさらに好ましい。また、要求に応じてアクリル樹脂板とポリカーボネート樹脂板との積層品でもよく、2種2層板や2種3層板でもよい。
樹脂板の厚みは特に限定されず、例えば、従来タッチパネル等の入力装置に適用され得るカバーパネルなどと同様の厚みを採用することができる。樹脂板の厚みは、例えば、200~10000μmとすることができ、樹脂板の強度や機械加工時の加工性の観点から400~5000μmの範囲とすることが好ましく、400~2000μmの範囲がより好ましい。
フィルム基材の種類は特に限定されず、例えば、公知のフィルムを広く適用することができる。フィルム基材としては、タッチパネル等の入力装置に適用され得るカバーパネルに対して貼り合わされるフィルムを広く挙げることができる。斯かるフィルム基材としては、例えば、各種樹脂フィルム等を挙げることができ、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリオレフィンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルムなど光学分野に用いられる一般的なフィルムが広く例示される。また、フィルムの粘着剤層が貼り合わされる面には易接着層が設けられていてもよい。さらに、フィルム基材の粘着剤層とは逆面にはハードコート層や反射防止層、防汚層、紫外線吸収層などの機能層が備えられていてもよい。
フィルム基材の厚みは特に限定されず、例えば、従来タッチパネル等の入力装置に適用され得るカバーパネルに対して貼り合わされるフィルムと同様の厚みを採用することができる。フィルム基材の厚みは、例えば、10~200μmとすることができる。
(剥離シート付き粘着シート)
本発明の粘着シートは、剥離シート付き粘着シートを形成することができる。剥離シートは粘着シートの片面又は両面に直接貼り合わされ得る。
剥離シートとしては、公知の剥離シートを広く適用することができ、例えば、剥離シート用基材の片面に剥離剤層が形成されてなる剥離性積層シートを挙げることができ、剥離剤層を構成する剥離剤も限定されず、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。剥離性積層シートは、市販品から入手することもでき、例えば、東洋紡(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである重セパレータフィルムや、東洋紡(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである軽セパレータフィルムを挙げることができる。
剥離シート付き粘着シートは、粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを有することもできる。
2.粘着シートの製造方法
本発明の粘着シートの製造方法は特に限定されず、例えば、公知の製造方法を広く適用することができる。例えば、粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成する工程1と、この粘着剤層を、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する基材に貼り合わせる工程2を備える製造方法により、本発明の粘着シートを製造することができる。
工程1で使用する粘着剤組成物は前述と同様である。工程1では、例えば、適宜のシート材料に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成し、斯かる塗膜を硬化処理させることで、粘着剤層を形成させることができる。シート材料は、例えば、前記剥離シートが挙げられる。また、工程1ではシート材料に替えて、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する基材を用いてもよい。
粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、アプリケーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。粘着剤組成物の塗工後の厚みは特に制限されず、目的とする粘着剤層の厚みに応じて適宜設定することができる。
粘着剤組成物の塗工によって形成された塗膜を硬化処理する方法は特に限定されず、例えば、公知の硬化方法を広く採用することができる。例えば、塗膜を加熱処理することで、塗膜を硬化させ、粘着剤層を形成させることができる。硬化処理によって、粘着剤組成物に含まれるアクリルポリマー(A)および架橋剤の反応が進行して硬化物が形成され、前述のアクリルポリマー(A)の架橋体が生成する。粘着剤組成物に溶剤が含まれる場合は、加熱によって溶剤等の揮発分も除去される。
塗膜を加熱するにあたり、加熱温度は特に限定されず、例えば、50~150℃とすることが好ましい。加熱時間は、加熱温度、塗膜の厚み及び粘着剤組成物の溶剤の含有量によって適宜調節することができ、例えば、1~60分とすることができる。塗膜の加熱には、加熱炉、赤外線ランプ等の公知の加熱装置を用いることができる。また、加熱後は、エージング処理を施すことが好ましい。エージング処理は、例えば、23℃で7日間静置して行うことができる。
以上の工程1により、粘着剤層を備えた剥離シート(剥離シート付粘着剤層ともいう)を得ることができる。
工程2では、工程1で得られた粘着剤層を備えた剥離シートを、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する基材に貼り合わせる。二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムのみからなるものであってもよい。
具体的に工程2では、基材の一方の面に、工程1で形成させた粘着剤層を貼り合わせ、他方の面に、工程1で形成させた別の粘着剤層を貼り合わる(すなわち、工程1では、粘着剤層を少なくとも2つ作製する)。これにより、本発明の粘着シートを得ることができる。工程1で剥離シート付粘着剤層を得た場合は、工程2で得られる粘着シートは、前述の剥離シート付き粘着シートである。
工程2の後は、必要に応じて一定温度で一定期間粘着シートを静置するエージング処理を施すことも好ましい。エージング処理は、例えば、23℃で7日間静置して行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(製造例1;粘着剤組成物)
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び還流冷却管を備えた反応器内で、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)を質量比で20:70:10となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させ、アクリル系ポリマーを得た。アクリル系ポリマーの質量平均分子量は45万、固形分45%溶液温度23℃における粘度は5500mPa・sであった。次いで、得られたアクリルポリマー(A)100質量部(固形分換算)に対し、架橋剤としてポリイソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(三井化学製、D-110N)を0.2質量部添加し、粘着剤組成物を得た。
(実施例1)
製造例1で得られた粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmの第1の剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、王子エフテックス社製:38RL-07(2))の表面に、乾燥後の塗工量が50μm/mになるようにアプリケーターで均一に塗工し、塗膜を形成した。この塗膜を100℃の空気循環式恒温オーブンで3分間乾燥することで硬化処理し、第1の剥離フィルムの表面に第1の粘着剤層を形成させた。他方、製造例1で得られた粘着組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmの第2の剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、王子エフテックス社製:38RL-07(L))の表面に、乾燥後の塗工量が50μm/mになるようにアプリケーターで均一に塗工した。その後、100℃の空気循環式恒温オーブンで3分間乾燥し、第2の剥離フィルムの表面に第2の粘着剤層を形成させた。
次に、厚さ50μmの二軸延伸ポリスチレンフィルム(旭化成アドバンス社製:GM50μm)を基材として準備し、この基材の片面に前記第1の粘着剤層を貼り合わせ、他の面に前記第2の粘着剤を貼り合わせることで、「第1の剥離フィルム/第1の粘着剤層/二軸延伸ポリスチレンフィルム(基材)/第2の粘着剤層/第2の剥離フィルム」の構成を備える剥離シート付き粘着シートを得た。この剥離シート付き粘着シートに対し、23℃、相対湿度50%の条件で7日間静置するエージング処理を施した。
(比較例1)
製造例1で得られた粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmの第1の剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、王子エフテックス社製:38RL-07(2))の表面に、乾燥後の塗工量が150μm/mになるようにアプリケーターで均一に塗工し、塗膜を形成した。この塗膜を100℃の空気循環式恒温オーブンで3分間乾燥することで硬化処理し、第1の剥離フィルムの表面に第1の粘着剤層を形成させた。粘着剤層の第1の剥離フィルムと逆側の面に第2の剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、王子エフテックス社製:38RL-07(L))を貼り合わせ、第1の剥離フィルム/第1の粘着剤層/第2の剥離フィルムの構成を備える剥離シート付き粘着シートを得た。この剥離シート付き粘着シートに対し、23℃、相対湿度50%の条件で7日間静置するエージング処理を施した。
(比較例2)
厚さ50μmの二軸延伸ポリスチレンフィルムの代わりに、厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡製:A4360 50μm)を使用したこと以外は実施例1と同様の方法で剥離シート付き粘着シートを得た。
<比誘電率>
剥離シート付き粘着シートから第1の剥離フィルム及び第2の剥離フィルムを剥離して粘着シートとし、これを2枚の銅箔の間に挟み、オートクレーブ処理(処理条件は、40℃、0.5MPaで30分間保持)を実施し、測定用サンプルを得た。この測定用サンプルを、誘電体測定システム(Solartron製、1260A)によりJIS C 2138に基づいて比誘電率を測定した。この測定では、周波数100kHzとし、23℃、相対湿度50%の条件とした。
<粘着剤層のはみ出し量>
剥離シート付き粘着シートから長さ30mm×幅30mmのサイズでシート片を切り出した。このシート片の剥離シートの片側を剥離し、剥き出しにした粘着剤層に対し、予め50mm角に切り出しておいた剥離シート(A71 100μm;帝人デュポンフィルム)のシリコーン処理面を貼り付けた。次いで、剥離シート付き粘着シートに残っている他方の剥離シートの上に、別途50mm角に切り出しておいた剥離シート(A38#50、帝人デュポンフィルム)のシリコーン処理面を被せた後、プレス試験機(東洋精機社製:MP-WNL)を用いて、プレス部の温度を25℃に設定し、0.2MPaの圧力で5分間加圧を実施した。この加圧により粘着剤層が剥離シートの各辺から外側に広がった距離を計測した。具体的には、剥離シートの各辺における粘着剤層が最も広がっている点との距離(最大距離)を測定し、四辺の平均値(mm)をウーズ値(粘着剤層のはみ出し量)とした。
<光学特性>
剥離シート付き粘着シートを50mm×50mmサイズに切り出してから第1の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層をガラス板(S3112、松浪硝子社製)に貼り着けた。次いで、第2の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層にガラス板(S3112、松浪硝子社製)を貼り付けて積層体を得た。この積層体を、40℃、0.5MPaの雰囲気下オートクレーブ内に30分間にわたって収容させることで測定サンプルを得た。この測定サンプルを用い、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH5000」)、色差計(日本電色工業社製「SE2000」)を用いて、全光線透過率、ヘイズ、b値を測定した。
<剥がれ耐性値>
図1で示す治具Aを用い、前述の方法に従って、剥がれ耐性値(mm)を計測した。
Figure 2023162872000001
表1から、実施例で得られた粘着シートは、透明性が高く、また、比誘電率が低く、しかも、粘着剤層のはみ出し量が小さいものであることがわかった。従って、実施例で得られた粘着シートは、粘着剤層に負荷がかかった場合でも粘着剤層のはみ出しの発生が抑制され、変形しにくいものであり、加工性(とりわけ打ち抜き加工性)に優れるものであるといえる。
加えて、実施例で得られた粘着シートは、剥がれ耐性値も小さいので、粘着剤層に負荷がかかった場合でも気泡が発生しにくいものであることもわかった。

Claims (6)

  1. 基材の両面に粘着剤層が形成されており、
    前記基材は、二軸延伸ポリスチレンフィルムを含有する、粘着シート。
  2. 前記基材の厚みが100μm以下であり、
    前記基材の両面に形成された粘着剤層の厚みはそれぞれ20μm~80μmである、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 100kHzにおける比誘電率が3.5以下である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. ヘイズが1.0%以下である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  5. 液晶用ガラス、有機ELディスプレイ用ガラス、偏光板、又は、タッチセンサーを貼り合わせるために使用される、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  6. 請求項1又は2に記載の粘着シートを備える、表示装置。
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