JP2023161735A - エンジンのトルク異常判定装置及びそれを備えたハイブリッド車両 - Google Patents

エンジンのトルク異常判定装置及びそれを備えたハイブリッド車両 Download PDF

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Abstract

【課題】トルクの推定値が過小となる異常状態を判定することができるエンジンのトルク異常判定装置及びそれを備えたハイブリッド車両を提供することを課題とする。【解決手段】エンジンのトルクの第1推定値を算出する第1算出部と、前記第1推定値の算出方法とは異なる方法により前記トルクの第2推定値を算出する第2算出部と、前記第1推定値と前記第2推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第2推定値に対して過小となる異常状態かを判定するトルク判定部と、を備えたエンジンのトルク異常判定装置。【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンのトルク異常判定装置及びそれを備えたハイブリッド車両に関する。
エンジンのトルクを推定し、この推定値が過剰となる異常状態を判定する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2017-014973号公報
上述した推定値が過小となる異常状態となることが考えられる。例えばこのような推定値が過小となる場合に、この推定値に基づいて種々の制御を実行すると、問題が生じるおそれがある。
そこで本発明は、トルクの推定値が過小となる異常状態を判定することができるエンジンのトルク異常判定装置及びそれを備えたハイブリッド車両を提供することを目的とする。
上記目的は、エンジンのトルクの第1推定値を算出する第1算出部と、前記第1推定値の算出方法とは異なる方法により前記トルクの第2推定値を算出する第2算出部と、前記第1推定値と前記第2推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第2推定値に対して過小となる異常状態かを判定するトルク判定部と、を備えたエンジンのトルク異常判定装置によって達成できる。
前記第1算出部は、前記エンジンの吸入空気量に基づいて前記第1推定値を算出し、前記第2算出部は、前記エンジンのスロットル開度に基づいて前記第2推定値を算出してもよい。
前記第2算出部は、前記スロットル開度に基づいて前記エンジンの第1負荷率を算出し、前記第1負荷率に基づいて前記第2推定値を算出してもよい。
前記スロットル開度に基づいて算出された前記第1負荷率が正常か異常かを判定する負荷率判定部を備え、前記トルク判定部は、前記負荷率判定部により前記第1負荷率が正常と判定された場合に、前記第1推定値と前記第2推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第2推定値に対して過小となる異常状態かを判定してもよい。
前記第1及び第2推定値とは異なる方法により前記トルクの第3推定値を算出する第3算出部を備え、前記トルク判定部は、前記負荷率判定部により前記第1負荷率が異常と判定された場合に、前記第1推定値と前記第3推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第3推定値に対して過小となる異常状態かを判定してもよい。
前記第3算出部は、前記エンジンへの要求軸トルクに基づいて前記エンジンの第2負荷率を算出し、前記第2負荷率に基づいて前記第3推定値を算出し、前記負荷率判定部は、前記第1負荷率に基づいて算出したトルクと、前記第2負荷率に基づいて算出したトルクとの差分に基づいて、前記第1負荷率が正常か異常かを判定してもよい。
上記目的は、上記のトルク異常判定装置と、前記第1推定値に基づいて前記エンジンのトルクをアシストするアシストトルクを出力するモータと、を備えたハイブリッド車両によっても達成できる。
本発明によれば、トルクの推定値が過小となる異常状態を判定することができるエンジンのトルク異常判定装置及びそれを備えたハイブリッド車両を提供できる。
図1は、ハイブリッド車両の概略構成図である。 図2は、エンジンの概略構成図である。 図3Aは、Ga系軸トルクが正常の場合での合計トルクの推移を示したタイミングチャートの一例であり、図3Bは、Ga系軸トルクが過小となる異常状態の場合での合計トルクの推移を示したタイミングチャートの一例である。 図4は、ECUが実行するトルク異常判定制御の一例を示したフローチャートである。 図5は、TA系判定制御の一例を示したフローチャートである。 図6は、トルク閾値と時間閾値とを規定したマップの一例である。 図7は、TA系軸トルク算出制御の一例を示したフローチャートである。 図8は、トルク異常判定制御の変形例を示したフローチャートである。 図9は、負荷率判定制御の一例を示したフローチャートである。 図10は、TA系仮判定制御の一例を示したフローチャートである。 図11は、要求系仮判定制御の一例を示したフローチャートである。 図12は、本判定制御の一例を示したフローチャートである。 図13Aは、要求系MBTトルク算出制御の一例を示したフローチャートであり、図13Bは、要求系軸トルク算出制御の一例を示したフローチャートである。
[ハイブリッド車両の概略構成]
図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1には、エンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、湿式クラッチ18、及び変速機19が順に設けられている。エンジン10及びモータ15はハイブリッド車両1の走行動力源として搭載されている。エンジン10は、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。K0クラッチ14、モータ15、湿式クラッチ18、及び変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、ディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、解放状態から油圧の供給を受けて係合状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を接続する。K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15が同じ回転数となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が離れた状態である。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能し、更にエンジン10や駆動輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
インバータ17は、後述するECU100によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換し、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
変速機19は、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機であるが、これに限定されず無段式の自動変速機であってもよい。変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と駆動輪13の間に設けられている。油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と変速機19とを直結する湿式クラッチ18が設けられている。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、湿式クラッチ18、及び変速機19にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、湿式クラッチ18、及び変速機19のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。尚、湿式クラッチ18の代わりに、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータを設けてもよい。
ハイブリッド車両1には、同車両の制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100が設けられている。ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100はトルク異常判定装置の一例であり、詳しくは後述する第1算出部、第2算出部、第3算出部、トルク判定部、及び負荷率判定部を機能的に実現する。
ECU100は、エンジン10及びモータ15の駆動を制御する。具体的にはECU100は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10のトルクや回転数を制御する。ECU100は、インバータ17を制御してモータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15の回転数やトルクを制御する。またECU100は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14や湿式クラッチ18、変速機19の駆動制御を行う。
ECU100には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72a、モータ回転数センサ72b、車速センサ73、エアフローメータ74、スロットル開度センサ75、吸気圧センサ76a、インマニ圧センサ76b、大気圧センサ76c、水温センサ77a、及び油温センサ77bからの信号が入力される。クランク角センサ72aは、エンジン10のクランクシャフトの回転数、即ちエンジン回転数を検出する。モータ回転数センサ72bは、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。車速センサ73は、ハイブリッド車両1の走行速度を検出する。エアフローメータ74は、エンジン10の吸入空気量を検出する。スロットル開度センサ75は、後述するスロットル弁40の開度を検出する。吸気圧センサ76aは、スロットル弁40よりも上流側の後述する吸気通路35内の圧力(以下、吸気圧と称する)を検出する。インマニ圧センサ76bは、スロットル弁40よりも下流側の吸気通路35内の圧力(以下、インマニ圧と称する)を検出する。大気圧センサ76cは、大気圧を検出する。水温センサ77aは、エンジン10の冷却水の温度(以下、水温と称する)を検出する。油温センサ77bは、エンジン10の潤滑油の温度(以下、油温と称する)を検出する。
ECU100は、モータモード及びハイブリッドモードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU100はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。ハイブリッドモードでは、ECU100はK0クラッチ14を係合状態に切り替えて少なくともエンジン10の動力により走行する。尚、ハイブリッドモードには、エンジン10のみの動力で走行するモード、モータ15を力行運転させてエンジン10及びモータ15の双方を動力源として走行するモードを含む。
走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。例えば、要求駆動力が比較的小さくバッテリ16の蓄電量を示すSOC(State Of Charge)が比較的高い場合には、燃費を向上させるためにエンジン10を停止したモータモードが選択される。要求駆動力が比較的大きい場合やバッテリ16のSOCが比較的低い場合には、エンジン10が駆動したハイブリッドモードが選択される。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10は、気筒30、ピストン31、コネクティングロッド32、クランク軸33、吸気通路35、吸気弁36、排気通路37、及び排気弁38を有している。図2には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。気筒30では混合気の燃焼が行われる。ピストン31は、各気筒30に往復動可能に収容され、エンジン10の出力軸であるクランク軸33にコネクティングロッド32を介して連結されている。コネクティングロッド32は、ピストン31の往復運動をクランク軸33の回転運動に変換する。
吸気通路35は、各気筒30の吸気ポートに吸気弁36を介して接続されている。排気通路37は、各気筒30の排気ポートに排気弁38を介して接続されている。吸気通路35には、エアフローメータ75、吸気圧センサ76a、インマニ圧センサ76b、及び吸入空気量を調整するスロットル弁40が設けられている。排気通路37には排気浄化用の触媒43が設けられている。
気筒30には筒内噴射弁41が設けられている。筒内噴射弁41は気筒30内に直接燃料を噴射する。尚、筒内噴射弁41の代わりに、又は筒内噴射弁41に加えて、吸気ポートに向けて燃料を噴射するポート噴射弁が設けられていてもよい。各気筒30には、吸気通路35を通じて導入された吸気と筒内噴射弁41が噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火装置42が設けられている。
[トルクの異常状態]
ECU100は、走行モードがハイブリッドモードである場合には、エアフローメータ74に基づいてエンジン10の軸トルク(以下、Ga系軸トルクと称する)を算出し、Ga系軸トルクを実エンジン軸トルクとみなして、モータ15のアシストトルクを制御する。具体的には、エンジン10の軸トルクとモータ15のアシストトルクとの合計値である合計トルクが要求トルクとなるように、モータ15のアシストトルクが制御される。図3Aは、Ga系軸トルクが正常の場合での合計トルクの推移を示したタイミングチャートの一例である。図3Aでは、エンジン10及びモータ15が停止した状態からモータ15を駆動させてK0クラッチ14をスリップさせてエンジン10を始動させる場合を示している。
モータ15が駆動を開始し(時刻t1)、K0クラッチ14を解放からスリップさせてエンジン10のクランキングを開始する(時刻t2)。合計トルクが要求トルクまで増大して(時刻t3)、エンジン10が始動してK0クラッチ14が係合する(時刻t4)。その後、実エンジン軸トルクを増大させ、その分だけモータ15のアシストトルクを0にまで低減させて(時刻t5)、合計トルクを要求トルクに維持する。ここで、上述したようにECU100は、推定したGa系軸トルクを実エンジン軸トルクとみなして、モータ15のアシストトルクの低下を制御する。
ここでGa系軸トルクは、上述したようにエアフローメータ74に基づいて算出される。このため、例えばエアフローメータ74やその他のセンサやアクチュエータが故障したり、または各種センサ値が異常となるメモリの不具合(RAM化け)が発生した場合に、Ga系軸トルクが実エンジン軸トルクに対して許容誤差を超えて大きく低下した異常状態となる場合がある。図3Bは、Ga系軸トルクが過小となる異常状態の場合での合計トルクの推移を示したタイミングチャートの一例である。図3Bに示すように、Ga系軸トルクが過小となると、ECU100はその過小分を補うようにモータ15のアシストトルクを増大させる。しかしながら実エンジン軸トルクは実際には正常であるため、合計トルクが要求トルクに対して過剰となり、ハイブリッド車両1が不必要に加速して運転者に違和感を与えるおそれがある。そこでECU100は、Ga系軸トルクが実エンジン軸トルクに対して許容誤差を超えて過小となった異常状態を判定するトルク異常判定制御を実行する。
[トルク異常判定制御]
図4は、ECU100が実行するトルク異常判定制御の一例を示したフローチャートである。本制御では、イグニッションがオンの状態で所定の周期ごとに繰り返し実行される。
ECU100は、走行モードがハイブリッドモードでありK0クラッチ14及び湿式クラッチ18が係合した状態か否かを判定する(ステップS10)。ステップS10でNoの場合には、本制御を終了する。ステップS10でYesの場合に、ECU100はセンサ値を取得する(ステップS20)。具体的にはECU100は、スロットル開度、エンジン回転数、車速、吸入空気量、吸気圧、インマニ圧、大気圧、水温、及び油温を上述したセンサにより取得する。
次にECU100は、上述したように吸入空気量に基づいてGa系軸トルクを算出する(ステップS25)。具体的には、吸入空気量、スロットル開度、吸気圧、水温、油温等基づいたモデル式により、Ga系軸トルクが算出される。Ga系軸トルクの算出は、吸入空気量に基づいていればこのようなモデル式に限定されず、その他公知の方法により算出してもよい。Ga系軸トルクは第1推定値の一例である。ステップS25は、第1算出部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、詳しくは後述するが、Ga系軸トルクとは異なる方法に基づいてエンジン10の軸トルク(以下、TA系軸トルクと称する)を算出する(ステップS30)。TA系軸トルクは、第2推定値の一例である。ステップS30は、第2算出部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、TA系軸トルクからGa系軸トルクを減算した差分(以下、TA系差分と称する)を算出する(ステップS40)。次にECU100はTA系差分に基づいて、Ga系軸トルクが正常かTA系軸トルクに対して過小となる異常状態かの判定(以下、TA系判定と称する)を実行する(ステップS50)。ステップS50は、トルク判定部が実行する処理の一例である。
上述したTA系軸トルクは、Ga系軸トルクと異なり、吸入空気量に基づかずにスロットル開度に基づいて算出される。このため、例えばエアフローメータ75が故障して吸入空気量を正確に検出することができない場合において、TA系差分に基づいてGa系軸トルクがTA系軸トルクに対して過小となる異常状態を判定することができる。
次にTA系判定制御について説明する。図5は、TA系判定制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、トルク閾値を設定する(ステップS51)。トルク閾値の設定については後述する。
次にECU100は、TA系差分がトルク閾値以上であるか否かを判定する(ステップS52)。ステップS52でYesの場合に、ECU100は時間カウンタをインクリメントする(ステップS53)。時間カウンタとは、トルク閾値が設定されてからの経過時間をカウントした値である。次にECU100は時間閾値を設定する(ステップS54)。時間閾値の設定については後述する。次にECU100は、時間カウンタが時間閾値以上であるか否かを判定する(ステップS55)。
ステップS55でYesの場合にECU100は、Ga系軸トルクは異常状態であると判定する(ステップS56)。ステップS55でNoの場合にECU100は、Ga系軸トルクは正常であると判定する(ステップS57)。また、ステップS52でNoの場合にECU100は、時間カウンタをゼロにクリアして(ステップS58)、Ga系軸トルクは正常であると判定する(ステップS57)。即ち、TA系差分がトルク閾値以上である状態であり、且つ時間カウンタが時間閾値以上の場合に、Ga系軸トルクは異常状態であると判定される。
次にトルク閾値及び時間閾値の設定方法について説明する。図6は、トルク閾値と時間閾値とを規定したマップの一例である。縦軸はトルクを示し横軸は継続時間を示す。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。図6のマップでは3つのトルク閾値α1~α3と、トルク閾値α1~α3のそれぞれに対応する時間閾値β1~β3とを規定している。例えばTA系差分がトルク閾値α1以上の場合にはトルク閾値α1が、TA系差分がトルク閾値α1未満でありトルク閾値α2以上の場合にはトルク閾値α2が、TA系差分がトルク閾値α2未満の場合にはトルク閾値α3が設定される。また、トルク閾値α1が設定された場合には時間閾値β1が、トルク閾値α2が設定された場合には時間閾値β2が、トルク閾値α3が設定された場合には時間閾値β3が設定される。トルク閾値α1~α3は、TA系軸トルクを実エンジン軸トルクとみなした場合での、実エンジン軸トルクに対するGa系軸トルクの許容誤差に基づいて定められている。許容誤差は、本実施例ではGa系軸トルクに基づく制御に影響を与えず運転者にも違和感を与えない程度の誤差である。
例えばトルク閾値α1及び時間閾値β1が設定された場合には、TA系差分がトルク閾値α1以上となる継続時間が時間閾値β1未満の場合には、Ga系軸トルクは正常と判定され、この継続時間が時間閾値β1以上となった場合にGa系軸トルクは異常状態であると判定される。同様に、例えばトルク閾値α2及び時間閾値β2が設定された場合には、TA系差分がトルク閾値α2以上となる継続時間が時間閾値β2未満の場合には、Ga系軸トルクは正常と判定され、この継続時間が時間閾値β2以上となった場合にGa系軸トルクは異常状態であると判定される。トルク閾値α3及び時間閾値β3が設定された場合も同様である。尚、図6のマップは車速に応じて異なっており、車速が速いほど、トルク閾値α1~α3はそれぞれ高い値に設定され、時間閾値β1~β3はそれぞれ長い時間に設定される。このように設定されたトルク閾値が小さくても、TA系差分がそのトルク閾値以上となった継続時間が長いと、運転者にも違和感を与えるおそれがあるためGa系軸トルクは異常状態であると判定される。また、設定されたトルク閾値が大きくても、TA系差分がそのトルク閾値以上となった継続時間が短いと、運転者に違和感を与えるおそれは少ないためGa系軸トルクは正常と判定される。
次にECU100は、TA系軸トルク算出制御について説明する。図7は、TA系軸トルク算出制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、TA系負荷率を算出する(ステップS31)。TA系負荷率は、ステップS20で取得した、スロットル開度、エンジン回転数、吸気圧、インマニ圧、大気圧等に基づいたモデル式により算出される。
次にECU100は、噴射気筒率を算出する(ステップS32)。具体的には、エンジン10の720°CAでの噴射気筒数を、エンジン10の気筒数で除算することにより算出できる。噴射気筒率は、例えば燃料カットの実行の際に所定の気筒順に燃料噴射を停止する場合や、休止気筒がある場合を考慮したものである。従って、燃料カットの実行要求がなく、休止気筒もない限り、噴射気筒率は1として算出される。
次にECU100は、TA系負荷率に基づいて、点火時期がMBT(Minimum advance for the Best Torque)となった場合でのトルク(以下、TA系MBTトルクと称する)を算出する(ステップS33)。TA系MBTトルクは、TA系負荷率とエンジン回転数とMBTトルクとの関係を規定したマップを参照してMBTトルクを算出し、このMBTトルクに噴射気筒率を乗算することにより算出される。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。
次にECU100は、TA系負荷率に基づいたトルク効率(以下、TA系負荷率と称する)を算出する(ステップS34)。TA系トルク効率は、点火時期遅角量とTA系負荷率とエンジン回転数とTA系トルク効率とを規定したマップを参照して算出される。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。点火時期遅角量は、要求点火時期からMBT点火時期を減算することにより算出される。MBT点火時期は、TA系負荷率とエンジン回転数とベースMBT点火時期を規定したマップを参照してベースMBT点火時期を算出し、ベースMBT点火時期に各種点火時期補正量を加算することにより算出される。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。各種点火時期補正量は、例えばVVT補正量、低温補正量、大気圧補正量等である。VVT補正量とは、例えばバルブタイミング機構(可変動弁機構)により制御される吸気弁36及び排気弁38の開閉タイミングに応じた点火時期の補正量である。低温補正量とは、例えば冷却水温度に応じた点火時期の補正量である。大気圧補正量とは、大気圧に応じた点火時期の補正量である。
次にECU100は、TA系MBTトルク及びTA系トルク効率に基づいた図示トルク(以下、TA系図示トルクと称する)を算出する(ステップS35)。TA系図示トルクは、TA系MBTトルクにTA系トルク効率を乗算することにより算出される。
次にECU100は、TA系軸トルクを算出する(ステップS36)。TA系軸トルクは、TA系図示トルクからポンプ損トルクと摩擦・補機負荷トルクとを減算することにより算出される。ポンプ損トルクとは、エンジン10のポンピングロスによる損失トルクである。摩擦・補機負荷トルクとは、エンジン10の回転部の摩擦による損失トルクと、エンジン10によって駆動する補機による損失トルクとの合計である。補機とは、例えばハイブリッド車両1に搭載されたエアコン装置やパワーステアリング装置である。ポンプ損トルクと摩擦・補機負荷トルクとは、エンジン10の回転方向とは逆向きの負のトルクである。ポンプ損トルクは、インマニ圧とエンジン回転数とポンプ損トルクとを規定したマップを参照して算出される。摩擦・補機負荷トルクは、補機の駆動状態と、マップとを参照して算出される。このマップは、エンジン回転数とTA系負荷率と水温と油温とに応じた摩擦・補機負荷トルクを規定している。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。
以上のように、TA系軸トルクは、吸入空気量に基づいて算出したGa系軸トルクとは異なり、吸入空気量を用いずにスロットル開度に基づいて算出される。このため、Ga系軸トルクが異常状態であっても、TA系軸トルクは実エンジン軸トルクに近似した正常値として算出される。このためTA系差分に基づいて、Ga系軸トルクの異常状態を判定することができる。
尚、このようにGa系軸トルクが異常状態と判定された場合には、ECU100は例えば湿式クラッチ18を解放してもよい。また、ECU100の車両のインストルメントパネルに設けられた警告灯を点灯させてもよい。
[トルク異常判定制御の変形例]
次に、トルク異常判定制御の変形例について説明する。図8は、トルク異常判定制御の変形例を示したフローチャートである。ステップS10でYesの場合にステップS20及びS25の実行後、ECU100はTA系MBTトルクを算出する(ステップS30a)。TA系MBTトルクは、上述した本実施例でのステップS31~S33の処理と同様の処理を実行することにより算出される。
次にECU100は、詳しくは後述するが、要求軸トルクに基づいて、点火時期がMBTとなった場合でのトルク(以下、要求系MBTトルクと称する)を算出する(ステップS30b)。次にECU100は、TA系MBTトルクと要求系MBTトルクとの差分の絶対値(以下、MBT差分と称する)を算出する(ステップS40a)。次にECU100は、詳しくは後述するが、MBT差分に基づいてTA系負荷率が正常か異常かを判定する負荷率判定を実行する(ステップS40b)。TA系負荷率は、第1負荷率の一例である。ステップS40bは、負荷率判定部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、TA系軸トルクを算出する(ステップS50a)。TA系軸トルクは、TA系MBTトルクと上述した本実施例でのステップS34~S36の処理と同様の処理を実行することにより算出される。次にECU100は、詳しくは後述するが、Ga系軸トルクやTA系軸トルクとは異なる算出方法によりエンジン10の軸トルク(以下、要求系軸トルクと称する)を算出する(ステップS50b)。要求系軸トルクは第3推定値の一例である。ステップS50bは、第3算出部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、TA系差分を算出する(ステップS60a)。TA系差分の算出は、上述した本実施例でのステップS40の処理と同様の処理を実行することにより算出される。次にECU100は、詳しくは後述するが、TA系差分に基づいてTA系仮判定を実行する(ステップS60b)。ステップS60bは、トルク判定部が実行する処理の一例である。
次にECU100は、要求系軸トルクからGa系軸トルクを減算した差分(以下、要求系差分と称する)を算出する(ステップS70a)。次にECU100は、詳しくは後述するが、要求系差分に基づいて要求系仮判定を実行する(ステップS70b)。ステップS70bは、トルク判定部が実行する処理の一例である。次にECU100は、詳しくは後述するが、TA系仮判定と要求系仮判定との結果に基づいて、Ga系軸トルクが正常か過小となる異常状態かの本判定を実行する(ステップS80)。ステップS80は、トルク判定部が実行する処理の一例である。
次に、負荷率判定制御について説明する。図9は、負荷率判定制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、トルク閾値を設定する(ステップS41b)。トルク閾値の設定は、上述した本実施例でのステップS51の処理と同様の処理を実行することにより設定される。
次にECU100は、MBT差分がトルク閾値以上であるか否かを判定する(ステップS42b)。ステップS42bでYesの場合には、ECU100は時間カウンタをインクリメントする(ステップS43b)。時間カウンタは、負荷率判定用の時間カウンタである。次にECU100は、時間閾値を設定する(ステップS44b)。時間閾値の設定は、上述した本実施例でのステップS54の処理を同様の処理を実行することにより設定される。次にECU100は、時間カウンタが時間閾値以上であるか否かを判定する(ステップS45b)。
ステップS45bでYesの場合にECU100は、TA系負荷率は異常であると判定する(ステップS46b)。ステップS45bでNoの場合にECU100は、TA系負荷率は正常であると判定する(ステップS47b)。また、ステップS42bでNoの場合にECU100は、時間カウンタをゼロにクリアして(ステップS48b)、TA系負荷率は正常であると判定する(ステップS47b)。即ち、MBT差分がトルク閾値以上である状態であり、且つ時間カウンタが時間閾値以上の場合に、TA系負荷率は異常であると判定される。
以上のように、TA系負荷率が正常か異常かの判定に、TA系MBTトルクと要求系MBTトルクとの差分の絶対値であるMBT差分を用いる。例えば、要求系MBTトルクに基づいて負荷率(以下、要求系MBTトルクと称する)を算出して、TA系負荷率と要求系負荷率との差分に基づいてTA系負荷率を判定することも考えられる。しかしながらこの場合、負荷率の差分が正常か異常かを判定するための閾値に、トルクを用いることができない。詳しくは後述するが、MBT差分との比較に用いられるトルク閾値は、TA系仮判定や要求系仮判定の際にも用いられる。このように、負荷率判定、TA系仮判定、及び要求系仮判定に共通のトルク閾値を用いることにより、ECU100への算出負荷を低減することができる。
次にTA系仮判定制御について説明する。図10は、TA系仮判定制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、TA系負荷率が正常と判定され且つTA系差分がトルク閾値以上であるか否かを判定する(ステップS62b)。ここでのトルク閾値は、ステップS41bで設定された閾値を用いる。ステップS62bでYesの場合にECU100は、時間カウンタをインクリメントする(ステップS63b)。時間カウンタとは、ステップS43bでの時間カウンタとは異なった、TA系仮判定用の時間カウンタである。次にECU100は、この時間カウンタが時間閾値以上であるか否かを判定する(ステップS65b)。ここでの時間閾値は、ステップS44bで設定された閾値を用いる。
ステップS65bでYesの場合にECU100は、Ga系軸トルクはTA系軸トルクに対して過小となる異常状態であると仮判定する(ステップS66b)。ステップS65bでNoの場合にECU100は、Ga系軸トルクは正常であると仮判定する(ステップS67b)。また、ステップS62bでNoの場合にECU100は、時間カウンタをゼロにクリアして(ステップS68b)、Ga系軸トルクは正常であると仮判定する(ステップS67b)。即ち、TA系負荷率が正常であり且つTA系差分がトルク閾値以上である状態が時間閾値以上に継続した場合に、Ga系軸トルクは異常状態であると仮判定される。
次に要求系仮判定制御について説明する。図11は、要求系仮判定制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、TA系負荷率が異常と判定され且つ要求系差分がトルク閾値以上であるか否かを判定する(ステップS72b)。ここでのトルク閾値は、ステップS41bで設定された閾値を用いる。ステップS72bでYesの場合にECU100は、時間カウンタをインクリメントする(ステップS73b)。ここでの時間カウンタとは、時間カウンタとは、ステップS43b及びS63bでの時間カウンタとは異なった、要求系仮判定用の時間カウンタである。次にECU100は、この時間カウンタが時間閾値以上であるか否かを判定する(ステップS75b)。ここでの時間閾値は、ステップS44bで設定された閾値を用いる。
ステップS75bでYesの場合にECU100は、Ga系軸トルクは要求系軸トルクに対して過小となる異常状態であると仮判定する(ステップS76b)。ステップS75bでNoの場合にECU100は、Ga系軸トルクは正常であると仮判定する(ステップS77b)。また、ステップS72bでNoの場合にECU100は、時間カウンタをゼロにクリアして(ステップS78b)、Ga系軸トルクは正常であると仮判定する(ステップS77b)。即ち、TA系負荷率が異常であり且つ要求系差分がトルク閾値以上である状態が時間閾値以上に継続した場合に、Ga系軸トルクは異常であると仮判定される。
次に本判定制御について説明する。図12は、本判定制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、ステップS66b又はS76bでGa系軸トルクは異常状態と仮判定されたか否かを判定する(ステップS81)。ステップS81でYesの場合にECU100は、Ga系軸トルクは異常状態であると本判定をする(ステップS82)。ステップS81でNoの場合にECU100は、Ga系軸トルクは正常であると本判定する(ステップS83)。
以上のように、TA系負荷率が正常の場合にはTA系差分に基づいてGa系軸トルクの異常状態が判定され、TA系負荷率が異常の場合には要求系差分に基づいてGa系軸トルクの異常状態が判定される。このため、TA系負荷率が異常の場合であってTA系差分への信頼性が損なわれている場合であっても、要求系差分に基づいてGa系軸トルクの異常状態を精度よく判定することができる。
また、図8に示したように、TA系仮判定(ステップS60b)が実行される前に、要求系軸トルクが算出されている(ステップS50b)。このため、TA系負荷率が異常の場合であっても、直ちに要求系差分を算出でき(ステップS70a)、これに基づいて要求系仮判定を実行することができる(ステップS70b、S72b)。これにより、TA系負荷率が異常であっても、本判定が実行されるまでの期間の長期化を抑制できる。
次に要求系MBTトルク算出制御について説明する。図13Aは、要求系MBTトルク算出制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、要求エンジントルクを算出する(ステップS31b)。要求エンジントルクは、エンジン10への要求軸トルクに、ポンプ損トルクと摩擦・補機負荷トルクとを加算することにより算出される。要求軸トルクは、アクセル開度に基づいてECU100により算出される。ポンプ損トルクと摩擦・補機負荷トルクの算出は、上述した本実施例でのステップS36での算出方法と同様である。
次にECU100は、要求エンジントルクに基づいて要求系MBTトルクを算出する(ステップS32b)。具体的には、なまし後要求MBTトルクに噴射気筒率を乗算することにより、要求MBTトルクが算出される。噴射気筒率は、上述した本実施例でのステップS32と同様の方法により算出される。なまし後要求MBTトルクは、要求エンジントルクを要求効率で除算した値に、むだ時間と一時遅れ時定数とに基づいたなまし処理を施すことにより算出される。
次に要求系軸トルク算出制御について説明する。図13Bは、要求系軸トルク算出制御の一例を示したフローチャートである。ECU100は、要求系MBTトルクに基づいた負荷率(以下、要求系負荷率と称する)を算出する(ステップS53b)。ここで、要求系MBTトルクは、上述したように要求軸トルクに基づいて算出されているため、要求系軸トルクは要求軸トルクに基づいて算出されているといえる。要求系負荷率は、要求系MBTトルクとエンジン回転数と要求系負荷率とを規定したマップを参照して算出される。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。要求系負荷率は、第2負荷率の一例である。
次にECU100は、要求系負荷率に基づいたトルク効率(以下、要求系トルク効率と称する)を算出する(ステップS54b)。要求系トルク効率は、点火時期遅角量と要求系負荷率とエンジン回転数と要求系トルク効率とを規定したマップを参照して算出される。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。点火時期遅角量は、要求点火時期から要求系MBT点火時期を減算することにより算出される。要求系MBT点火時期は、要求系負荷率とエンジン回転数とベースMBT点火時期を規定したマップを参照してベースMBT点火時期を算出し、ベースMBT点火時期に各種点火時期補正量を加算することにより算出される。このマップは予めECU100のROMに記憶されている。各種点火時期補正量は、上述した本実施例のステップS34の処理と同様である。
次にECU100は、要求系MBTトルク及び要求系トルク効率に基づいた図示トルク(以下、要求系図示トルクと称する)を算出する(ステップS55b)。TA系図示トルクは、要求系MBTトルクに要求系トルク効率を乗算することにより算出される。
次にECU100は、要求系軸トルクを算出する(ステップS56b)。要求系軸トルクは、要求系図示トルクからポンプ損トルクと摩擦・補機負荷トルクとを減算することにより算出される。ポンプ損トルクと摩擦・補機負荷トルクとは、上述したステップS36と同様の方法により算出される。
上記実施例及び変形例では、第1~第3推定値の例として軸トルクを説明したが、これに限定されず、例えば第1~第3推定値は図示トルクであってもよいし、MBTトルクであってもよい。
上記実施例及び変形例では、過給機を備えていないエンジン10を例に説明したが、これに限定されず過給機を備えたエンジンであってもよい。この場合、上記実施例で説明した吸気圧は、過給機のコンプレッサよりも下流側であってスロットル弁よりも上流側での吸気通路内の圧力であり、いわゆる過給圧に相当する。
上記実施例及び変形例では、単一のECU100によりハイブリッド車両を制御する場合を例示したが、これに限定されず、例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU等の複数のECUが設けられている場合には、エンジンECUによって上述した制御を実行してもよい。
上記実施例及び変形例では、ハイブリッド車両1を例に説明したがこれに限定されない。例えば走行動力源としてエンジンのみが設けられたエンジン車両であってもよい。また、車両以外にエンジンが搭載された機器であってもよい。車両以外の機器であってもGa系軸トルクが実エンジン軸トルクに対して許容誤差を超えて過小となった場合には、Ga系軸トルクに基づいた制御に影響を与えるおそれがあるからである。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ハイブリッド車両(車両)
10 エンジン
40 スロットル弁
100 ECU(トルク異常判定装置、第1算出部、第2算出部、第3算出部、トルク判定部、負荷率判定部)

Claims (7)

  1. エンジンのトルクの第1推定値を算出する第1算出部と、
    前記第1推定値の算出方法とは異なる方法により前記トルクの第2推定値を算出する第2算出部と、
    前記第1推定値と前記第2推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第2推定値に対して過小となる異常状態かを判定するトルク判定部と、を備えたエンジンのトルク異常判定装置。
  2. 前記第1算出部は、前記エンジンの吸入空気量に基づいて前記第1推定値を算出し、
    前記第2算出部は、前記エンジンのスロットル開度に基づいて前記第2推定値を算出する、請求項1のエンジンのトルク異常判定装置。
  3. 前記第2算出部は、前記スロットル開度に基づいて前記エンジンの第1負荷率を算出し、前記第1負荷率に基づいて前記第2推定値を算出する、請求項2のトルク異常判定装置。
  4. 前記スロットル開度に基づいて算出された前記第1負荷率が正常か異常かを判定する負荷率判定部を備え、
    前記トルク判定部は、前記負荷率判定部により前記第1負荷率が正常と判定された場合に、前記第1推定値と前記第2推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第2推定値に対して過小となる異常状態かを判定する、請求項3のトルク異常判定装置。
  5. 前記第1及び第2推定値とは異なる方法により前記トルクの第3推定値を算出する第3算出部を備え、
    前記トルク判定部は、前記負荷率判定部により前記第1負荷率が異常と判定された場合に、前記第1推定値と前記第3推定値との差分に基づいて、前記第1推定値が正常か前記第3推定値に対して過小となる異常状態かを判定する、請求項4のトルク異常判定装置。
  6. 前記第3算出部は、前記エンジンへの要求軸トルクに基づいて前記エンジンの第2負荷率を算出し、前記第2負荷率に基づいて前記第3推定値を算出し、
    前記負荷率判定部は、前記第1負荷率に基づいて算出したトルクと、前記第2負荷率に基づいて算出したトルクとの差分に基づいて、前記第1負荷率が正常か異常かを判定する、請求項5のトルク異常判定装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかのトルク異常判定装置と、
    前記第1推定値に基づいて前記エンジンのトルクをアシストするアシストトルクを出力するモータと、を備えたハイブリッド車両。
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