JP2023161038A - (s)-n-(3-((2-((4-((1-アセチルピロリジン-3-イル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)-5-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造のためのプロセスおよびその製剤 - Google Patents

(s)-n-(3-((2-((4-((1-アセチルピロリジン-3-イル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)-5-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造のためのプロセスおよびその製剤 Download PDF

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Kunhua Dong
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Bojie Weng
シャオペン モ
Xiaopeng Mo
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Kongen Dai
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Abstract

【課題】(S)-N-(3-((2-((4-((1-アセチルピロリジン-3-イル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)-5-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造のためのプロセスおよびその製剤の提供。【解決手段】本発明は、増殖および免疫学的障害、ならびにEGFR(HERを含む)、Alk、PDGFR、BLK、BMX/ETK、BTK、FLT3(D835Y)、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、TECおよびTXKを含むキナーゼの調節不全に関係する他の疾患の処置に有用な、ある特定のN-(ピリミジニルオキシ)アクリルアミド誘導体の固体形態に関する。本発明は、これらの材料ならびにそれらの塩および多形を作製する方法、ならびにこれらの材料を調製するための中間体、ならびにこれらの材料を含む薬学的組成物を提供する。【選択図】図1

Description

技術分野
本開示は、キナーゼ(例えば、EGFR(HERを含む)、Alk、PDGFR、BLK、BMX/ETK、BTK、FLT3(D835Y)、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、TECおよびTXKであるがこれらに限定されない)の調節不全に関係する増殖障害および免疫学的状態の処置に有用なN-(ピリミジノフェニル)-アクリルアミド化合物の固体形態に関する。これらの化合物およびその固体形態を作製および使用する方法がさらに開示される。前記化合物のある特定の塩形態および物理的形態、これらの化合物を含む薬学的組成物、ならびにキナーゼ活性を調節するためならびにある特定の増殖性および免疫学的状態を処置するためにこれらの化合物、固体形態および薬学的組成物を使用する方法も開示される。
背景技術
一般式(I)のある特定のN-(ピリミジノフェニル)アクリルアミド化合物
(式中、Rは、アルコキシであり得、Rは、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり得;Yは、N、CHまたはC-ハロであり得;Rは、Hまたはアルキルであり得る)
は、重要な薬学的標的であることが公知のある特定のタンパク質キナーゼの強力な調節因子と記載されている。WO2015/0067654。これらの化合物は、がん、免疫学的状態および慢性炎症を含む、タンパク質キナーゼによって媒介されるある特定の疾患の処置に有用である。
特に興味深いのは、式(I)の化合物によるブルトンチロシンキナーゼ(BTK)の阻害であり、このBTKは、B細胞の成熟およびマスト細胞の活性化において極めて重要な役割を果たす。BTKの阻害剤は、B細胞に関係する増殖性疾患(慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫)および自己免疫疾患(例えば、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA))に対して臨床試験が行われている。
化合物A
およびその薬学的に許容され得る塩を含む、一般式(I)のある特定の化合物は、EGFRおよびBTKを含むタンパク質キナーゼを強力に阻害するため、特段興味深く、ゆえに、EGFRおよび/またはBTKに関連する状態を処置するための臨床試験に適する可能性がある。それらの臨床的有用性を高めるために、これらの化合物の改善された形態および製剤が必要とされ、開発されたところである。
これらの化合物を作製する効率的な方法が、臨床試験での使用および商業的使用を可能にするために必要とされている。そのような方法、およびこれらの化合物の調製に有用な中間体が、本明細書中に記載される。これらの化合物のある特定の塩形態および多形ならびにそれらの調製方法も記載される。
一般に、薬物の安定性は、薬学的組成物の設計、製造および貯蔵において考慮すべき重要な事柄である。安定性を欠く薬物生成物は、望ましくない副作用を引き起こし得るかまたは場合によっては原薬自体の有効性およびバイオアベイラビリティを低下させ得る分解産物を形成し得、そのせいで、医師は、一貫した有効な用量を処方することが困難になる。広く薬学的に使用するための化合物Aを開発するために、長期間の貯蔵の間、安定であるこれらの固体形態の剤形および製剤として、安定して高純度で生成され得る固体形態が必要とされている。本発明は、化合物Aのそのような固体形態、ならびにこれらの固体形態を使用した薬学的組成物および処置方法を提供する。
国際公開第2015/0067654号
概要
本発明は、ある特定のN-(ピリミジニルオキシ)フェニルアクリルアミド化合物およびその固体形態を調製する方法、ならびにそれらの調製において有用な中間体に関する。医薬品の開発および製造に特に有用な、化合物Aのある特定の固体形態、塩および多形も記載される。化合物AとL-(+)-酒石酸との1:1塩(化合物A-TA)を含む、特に有用な、化合物Aの固体形態が記載される。さらに、これらの新規の固体形態を含む薬学的組成物、ならびにそれらを調製および使用するための方法も記載される。
本開示は、化合物A
およびその酒石酸塩を作製する方法、ならびに安定して生成することができ、製剤化および貯蔵の間、高度に安定である、前記酒石酸塩の新規固体形態を生成するための方法を提供する。化合物Aの塩の安定な多形も、薬学的組成物および剤形を調製するために前記多形または他の固体形態を使用する方法とともに開示される。
化合物Aは、キナーゼ阻害剤として高度に強力であるが、経口投与に対する適合性を下げる低い水溶性を示す。化合物Aの遊離塩基と称される中性の化合物は、弱塩基性であるので、高pHではほとんど溶けない。水溶性を高めることで経口バイオアベイラビリティが大幅に改善されると予想されるので、水溶性を高めるために、化合物Aの酸付加塩の調製を試みた。驚くべきことに、最初の試験において使用された12種の酸[HCl、HBr、HPO、マレイン酸、ヒドロキシブタン二酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、フマル酸、L-(+)-酒石酸およびD-(-)-酒石酸]のうち、(L)-(+)-酒石酸だけが、安定な結晶性固体を生成した。ゆえに、本明細書中以後、化合物A L-(+)-酒石酸塩または化合物A-TAと称される、化合物AのL-(+)-酒石酸塩が、特に開発にふさわしく、本明細書中の組成物および方法の多くにおいて使用される。
1つの態様において、本発明は、酒石酸塩である、化合物A:
の固体形態を提供する。いくつかの実施形態において、それは、化合物AとL-(+)-酒石酸との1:1塩である。いくつかの実施形態において、それは、結晶性の二水和物である。
別の態様において、本発明は、化合物Aの前記酒石酸塩の安定であり、特に有用な、多形(本明細書中にさらに記載される)およびこれらの塩を調製する方法を提供する。
本発明は、本明細書中に記載される固体形態を含む薬学的組成物、ならびにそれらの薬学的組成物を使用して、高度に安定な薬物生成物および投与単位を作製する方法も提供する。本発明は、望まれない活性レベルのEGFRおよび/またはBTKを特徴とする状態の処置に適した量の化合物Aの固体形態およびその製剤を伴う様々な形態(カプセル剤および錠剤を含む)の投与単位を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、少なくとも1つの保護剤とともに包装され、その保護剤は、乾燥剤、酸化防止剤、脱酸素物質および不活性ガスから選
択される1つまたはそれより多くの材料であり得る。その保護剤は、薬学的組成物が熱もしくは湿度またはその両方に曝露されたとき、微量の不純物の形成速度を低下させ得る。
本発明は、本発明の薬学的化合物を含む投与単位、およびこれらの化合物を含む包装された医薬品も提供する。
別の態様において、本発明は、被験体における増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、乾癬、ドライアイまたは自己免疫疾患、例えば、関節リウマチまたは狼瘡を処置するために、本発明の化合物、固体形態、薬学的組成物および投与単位を使用する方法を提供する。処置に適した例示的な増殖障害としては、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、メラノーマ、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頸部がんおよび膵がんが挙げられる。特段興味深いのは、B細胞に関係する型のリンパ腫または白血病、例えば、慢性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病である。
本発明は、化合物Aまたはその薬学的に許容され得る塩などの化合物を合成する改善された方法も提供する。
本発明の他の態様および利点は、本明細書中に提供される実施形態および実施例から明らかになる。
簡潔さのために、本明細書において引用される刊行物(特許を含む)の開示が、参照により本明細書に援用される。
図1は、化合物A-TAの多形形態Iの粉末X線回折パターンである。
図2は、化合物A-TAの赤外スペクトルである。
図3は、メタノール中の化合物A-TAの紫外スペクトルを示している。
図4は、酸性媒質中の化合物A-TAの紫外スペクトルを示している。
図5は、塩基性の水性媒質中の化合物A-TAの紫外スペクトルである。
図6は、d-DMSO中の化合物A-TAのプロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルである。
図7は、化合物A-TAの多形形態Iの熱重量分析を示している。
図8は、化合物A-TAの多形形態Iの示差走査熱量測定曲線を示している。
図9は、化合物A-TAで満たされたカプセル剤を調製するための湿式造粒プロセスについてのプロセスフローダイアグラムである。
図10は、化合物A-TAの錠剤を調製するための湿式造粒プロセスについてのプロセスフローダイアグラムである。
図11は、化合物A-TAで満たされたカプセル剤を調製するための直接混合プロセスについてのプロセスフローダイアグラムである。
図12は、化合物A-TAの錠剤を調製するための直接混合プロセスについてのプロセスフローダイアグラムである。
詳細な説明
本発明は、薬学的組成物においてならびにある特定の増殖性障害および免疫学的障害を処置する方法において有用なある特定のN-(ピリミジニルオキシ)フェニルアクリルアミド誘導体を作製する改善された方法を包含する。本発明に関連する化合物または前駆体を作製するための一般的な方法、ならびに本発明に関連する生化学的および生物学的データは、WO2015/0067654および米国特許第9,464,089号に見出され得る。
本発明をさらに説明する前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されるので、本明細書中で使用される専門用語が、単に特定の実施形態を説明する目的のものであって、限定することが意図されていないことも理解されるべきである。
本明細書中および添付の請求項で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。請求項は、任意の自由選択の要素を排除するように立案され得ることにさらに注意する。したがって、この陳述は、「単独で」、「のみ」などのような排他的な専門用語を請求項の要素の列挙と関連して使用すること、または「消極的な」限定を使用することに対する根拠として働くことが意図されている。
より簡潔な記載を提供するために、本明細書中で与えられる量的な表現のいくつかは、用語「約」で修飾されていない。用語「約」が、明示的に使用されるか使用されないかに関係なく、本明細書中で与えられるすべての数量は、所与の実際の値を指すことが意図されていること、およびそのような所与の値についての実験および/または測定の条件に起因する均等および近似値を含む、当該分野の通常の技術に基づいて合理的に推測されるであろうそのような所与の値の近似値を含むことも意図されていることが理解される。例えば、XRPDにおけるピークが、「約」特定の値と記載されるとき、その値は、±0.2°の範囲を含む。請求項に示される材料の量は、その文脈で通常達成される精度に関連した合理的な変動を少なくとも許容する範囲を含むと理解され、別段特定されていない場合は、通常、特定の値の前後±10%の範囲を含むように解釈されるべきである。DSCに対する温度が特定されている場合は、±3℃の範囲を含むと理解するべきである。
収率がパーセンテージとして与えられるときはいつでも、そのような収率は、特定の化学量論的条件下で得ることができる当該実体の最大量を基準にしたときの、その収率が与えられる実体の質量のことを指す。パーセンテージとして与えられる濃度は、そうではないと示されない限り、質量比のことを指す。
別段定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似または等価ないずれの方法および材料も、本発明の実施または試験において用いることができるが、好ましい方法および材料がここに記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物が、それらの刊行物が引用される方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書中に援用される。
別段述べられる場合を除いて、本実施形態の方法および手法は、通常、当該分野で周知の従来の方法に従って、ならびに本明細書全体を通じて引用されるおよび論じられる様々な一般的な参考文献およびより具体的な参考文献に記載されているように、行われる。例えば、Loudon,Organic Chemistry,Fourth Edition,New York:Oxford University Press,2002;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,Fifth Edition,Wiley-Interscience,2001を参照のこと。
本明細書中で使用されるとき、用語「~を含む(including)」、「~を含む(containing)」および「~を含む(comprising)」は、それらの非限定的なオープンな意味で使用される。ある実施形態が、特定の物質、工程または特徴「を含む」と記載される場合、本発明は、それらの物質、工程または特徴「から本質的になる」およびそれら「からなる」対応する実施形態も含むと理解される。
明確にするために別個の実施形態の文脈で記載されている本発明のある特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが認識されるべきである。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴は、別々にまたは任意の好適な部分組み合わせでも提供され得る。変数によって表される化学基に関係する実施形態のすべての組み合わせが、本発明によって明確に包含され、そして各組み合わせおよびすべての組み合わせが個々にかつ明示的に開示されたかのように、そのような組み合わせが、安定な化合物である化合物(すなわち、単離され得る化合物、特徴付けられ得る化合物、および生物学的活性について試験され得る化合物)を包含する程度まで本明細書中に開示される。さらに、そのような変数を説明している実施形態に列挙される化学基の部分組み合わせのすべても、本発明によって明確に包含され、そしてそのような化学基の各部分組み合わせおよびすべての部分組み合わせが個々にかつ明示的に本明細書中に開示されたかのように、本明細書中に開示される。
用語「アルキル」とは、鎖の中に1~12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基のことを指す。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル(tBu)、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ならびに当該分野の通常の技術および本明細書中に提供される教示に鑑みて前述の例のいずれか1つと等価であると見なされ得る基が挙げられる。
用語「アルコキシ」とは、酸素原子に結合した上で定義されたようなアルキル基のことを指す。アルコキシ基は、酸素原子を介して親構造に接続される。
用語「アミノ」とは、-NH基またはモノアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基のことを指す。
用語「ハロゲン」は、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を表す。用語「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。用語「ハロアルキル」は、1つまたはそれより多くのハロゲン原子で置換された上で定義されたようなアルキルを意味する。用語「ハロアルコキシ」は、1つまたはそれより多くのハロゲン原子で置換された上で定義されたようなアルコキシを意味する。
用語「アシル」とは、基R-C(O)-のことを指し、ここで、Rは、カルボニル官能
基を介して親構造に結合される、1~10個の炭素原子(C1-10)の直鎖、分枝鎖もしくは環状の配置またはそれらの組み合わせである。そのようなR基は、飽和または不飽和であり得、脂肪族または芳香族であり得る。
用語「シアノ」とは、基-CNのことを指す。
用語「ニトロ」とは、基-NOのことを指す。
用語「ヒドロキシル」とは、基-OHのことを指す。
当業者は、上記で列挙または例証された種が網羅的でないこと、およびこれらの定義された用語の範囲内のさらなる種も選択され得ることを認識する。
本明細書中に描かれるいずれの式も、その描かれた構造式と矛盾しない各化合物を表すことが意図されている。例えば、1つまたはそれより多くのキラル中心における立体化学をはっきりと説明していない本明細書中で与えられる式は、ラセミ型、あるいは1つまたはそれより多くの鏡像異性体、ジアステレオ異性体もしくは幾何異性体またはそれらの混合物を含むことが意図されている。さらに、本明細書中で与えられるいずれの式も、そのような化合物の水和物、溶媒和物もしくは多形またはそれらの混合物を指すことも意図されている。
特定のエナンチオマーとして本明細書中に描かれる化合物の構造および名称は、指定されたエナンチオマーについて言及している。それにもかかわらず、そのような化合物は、少量、すなわち、10%未満、通常は5%未満の逆のエナンチオマーを含むことがあると理解される。
本明細書中で与えられるいずれの式も、上記化合物の未標識の形態ならびに同位体標識された形態を表すとも意図されている。同位体標識された化合物は、1つまたはそれより多くの原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることを除いては、本明細書中で与えられる式によって描かれる構造を有する。それらの実施形態の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Clおよび125Iが挙げられる。そのような同位体標識された化合物は、代謝研究(好ましくは14Cを用いる)、反応速度論研究(例えばHまたはHを用いる)、薬物組織分布アッセイもしくは基質組織分布アッセイを含む検出もしくはイメージング技術[例えば、ポジトロン放出断層撮影法(PET)または単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)]、または患者の放射線処置において有用である。特に、18Fまたは11Cで標識された化合物は、PETまたはSPECT研究にとって特に好ましい場合がある。さらに、ジュウテリウム(すなわち、H)などのより重い同位体による置換は、より高い代謝的安定性、例えば、インビボ半減期の延長または必要用量の減少に起因する、ある特定の治療的利点をもたらし得る。それらの実施形態の同位体標識された化合物およびそれらのプロドラッグは、通常、容易に入手可能な同位体標識された試薬を同位体標識されていない試薬の代わりに用いることによって、下記に記載されるスキームまたは実施例および調製法に開示されている手順を行うことによって調製され得る。
「薬学的に許容され得る塩」は、無毒性であるか、生物学的に容認できるか、またはその他の点で被験体への投与に生物学的に適している、本明細書中に表される化合物の遊離酸または遊離塩基の塩を意味することが意図されている。S.M.Bergeら、“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977,66
,1-19を広く参照のこと。好ましい薬学的に許容され得る塩は、薬理学的に有効であって、過度の毒性、刺激作用またはアレルギー反応なしで被験体の組織と接触するのに適した塩である。本明細書中に記載される化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、両方のタイプの官能基、または各タイプの1個より多くを有し得るので、いくつかの無機塩基または有機塩基ならびに無機酸および有機酸と反応することにより、薬学的に許容され得る塩を形成する。
薬学的に許容され得る塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩およびマンデル酸塩が挙げられる。
代表的な実施形態
以下に列挙される実施形態は、本発明のいくつかの態様を表す。
1.酒石酸塩である、化合物A
の固体形態。
2.化合物AとL-(+)-酒石酸との1:1塩である、実施形態1に記載の固体形態。
3.化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩の水和物である、実施形態1または2に記載の固体形態。
4.二水和物である、実施形態3に記載の固体形態。
5.結晶性である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の固体形態。
6.2θに換算して、約5.7°、約9.8°、約11.6°、約14.7°、約15.4°、約16.1°、約17.1°、約19.3°、約23.8°、約24.5°および約25.4°から選択される少なくとも2つのピークを含む粉末X線回折パターンを有する結晶形態である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の固体形態。
7.前記粉末X線回折パターンが、少なくとも3つのピーク、または少なくとも4つの
ピーク、または少なくとも5つのピーク、または少なくとも6つのピーク、または少なくとも7つのピーク、または少なくとも8つのピーク、または少なくとも9つのピーク、または少なくとも10個のピークを含み、前記ピークは、2θに換算して、約5.7°、約9.8°、約11.6°、約14.7°、約15.4°、約16.1°、約17.1°、約19.3°、約23.8°、約24.5°および約25.4°から選択される、実施形態6に記載の固体形態。特定の例では、このXRPDパターンは、図1におけるXRPDと実質的に一致する。
8.約74℃に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の固体形態。
9.実質的に図7に示されているような熱重量分析(TGA)を有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の固体形態。
10.少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤と混合された、前述の実施形態のいずれか1つに記載の化合物Aの固体形態を含む、薬学的組成物。
11.少なくとも2つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、実施形態10に記載の薬学的組成物。
12.充填剤、崩壊剤、滑剤、接着剤、滑沢剤および酸化防止剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(酸化防止剤-264)、ブチル化ヒドロキシアニソール、クエン酸およびビタミンEから選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、実施形態10または11に記載の薬学的組成物。
13.微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)およびフマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、実施形態12に記載の薬学的組成物。いくつかの実施形態において、その微結晶性セルロースは、ケイ化微結晶性セルロース(silicified microcrystalline cellulose)、例えば、ケイ化微結晶性セルロース
50(SMCC50)および/またはケイ化微結晶性セルロース90(SMCC90)を含むか、またはそれからなる。
14.25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mgおよび400mgから選択される、遊離塩基の化合物Aの重量に相当する量で、実施形態1~9のいずれか1つに記載の化合物Aの固体形態を含む、投与単位。
15.錠剤またはカプセル剤である、実施形態14に記載の投与単位。
16.化合物A-TAおよび1つまたはそれより多くの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、実施形態14または実施形態15に記載の投与単位。
17.前記1つまたはそれより多くの薬学的に許容され得る賦形剤が、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)およびフマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択される1つまたはそれより多くの賦形剤を含む、実施形態16に記載の投与単位。
18.ケイ化微結晶性セルロース50、ケイ化微結晶性セルロース90、アルファ化デンプン、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、ポビドンおよびフマル酸ステア
リルナトリウムから選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、実施形態14~17のいずれかに記載の投与単位。
19.酸化防止剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(酸化防止剤-264)、ブチル化ヒドロキシアニソール、クエン酸およびビタミンEを含む、実施形態14~18のいずれか1つに記載の投与単位。
20.化合物Aを含む薬学的組成物と保護剤とを2つの別個の材料として閉鎖容器内に含む、包装された医薬品。
21.前記薬学的組成物が、実施形態14~18のいずれかに記載の投与単位を含む、実施形態20に記載の包装された医薬品。
22.前記保護剤が、乾燥剤、酸化防止剤、脱酸素物質および不活性ガスから選択される少なくとも1つの材料を含む、実施形態21~22のいずれか1つに記載の包装された医薬品。
23.前記保護剤が、モレキュラーシーブ、シリカゲルおよび繊維乾燥剤から選択される少なくとも1つの材料を含む、実施形態20~22のいずれか1つに記載の包装された医薬品。
24.前記保護剤および前記薬学的組成物が、気密容器内に入れられている、実施形態20~23のいずれか1つに記載の包装された医薬品。
25.前記気密容器が、密閉ボトルである、実施形態24に記載の包装された医薬品。
26.化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤と合わせる工程を含む、実施形態10~13のいずれか1つに記載の薬学的組成物を調製する方法。
27.前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、充填剤を含み、前記充填剤は、必要に応じて、マンニトールおよび微結晶性セルロースから選択される、実施形態26に記載の方法。
28.前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、崩壊剤を含み、前記崩壊剤は、必要に応じて、クロスカルメロースナトリウムを含む、実施形態26または27に記載の方法。
29.前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、接着剤を含み、前記接着剤は、必要に応じて、ポリビニルピロリドン(PVP)である、実施形態26~28のいずれか1つに記載の方法。
30.前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、滑沢剤を含み、前記滑沢剤は、必要に応じて、フマル酸ステアリルナトリウムである、実施形態26~29のいずれか1つに記載の方法。
31.化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を、微結晶性セルロース、フマル酸ステアリルナトリウムおよびPVP、ならびに必要に応じてマンニトールと合わせて、混合物を形成する工程を含む、実施形態26に記載の方法。
32.化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を、微結晶性セルロース、フマル酸ステアリルナトリウムおよびPVP、ならびに必要に応じてマンニトールと合わせて、混合物を形成する工程、ならびにPVPおよび必要に応じて水を加えて、湿顆粒混合物を形成する工程を含む、実施形態31に記載の方法。
33.実施形態26に記載の方法によって調製される、化合物A-TAを含む薬学的組成物。
34.前記混合物が、湿式造粒機においてブレンドされる、実施形態31または実施形態32に記載の方法。
35.化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を調製するためのプロセスであって、溶媒の存在下において化合物AをL-(+)-酒石酸と接触させる工程を含む、プロセス。
36.化合物Aの固体形態を調製するためのプロセスであって、溶媒中で化合物Aを酒石酸と接触させる工程を含む、プロセス。
37.化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩が溶媒から固体として沈殿する条件下にて前記溶媒の存在下で化合物AをL-(+)-酒石酸と接触させる工程を含む、実施形態36に記載のプロセス。
38.前記溶媒が、水および有機共溶媒を含む、実施形態37に記載のプロセス。
39.前記有機共溶媒が、アセトン、イソプロパノール、エタノールおよびテトラヒドロフランから選択される、実施形態38に記載のプロセス。
40.化合物Aの前記固体形態が、化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩の形態Iを含む、実施形態39に記載のプロセス。
41.化合物Aまたはその薬学的に許容され得る塩を合成するプロセスであって、化合物2を得るための化合物1の還元的水素化
を含む、プロセス。
この実施形態において、触媒は、通常、パラジウム、白金またはニッケルを含む。好適には、触媒は、必要に応じて炭素支持体上の、パラジウム触媒であり得る。
42.化合物2を化合物3と反応させて、化合物Aを得る工程:
をさらに含む、実施形態41に記載のプロセス。
43.化合物AをL-(+)-酒石酸と接触させて、化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を得る工程をさらに含む、実施形態42に記載の方法。
44.免疫学的障害または細胞増殖障害を処置する方法であって、前記は、それを必要とする被験体に、実施形態1~9のいずれか1つに記載の化合物Aの固体形態またはその薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
実施形態12において、薬学的組成物は、充填剤、崩壊剤、接着剤、滑沢剤および酸化防止剤から選択される1つまたはそれより多くの賦形剤を含み得る。実施形態12のいくつかの例は、マンニトール、デキストロースおよび微結晶性セルロースから選択され得る充填剤を含む。そのようないくつかの実施形態では、薬学的組成物は、約50~80重量%の充填剤を含む。これらの実施形態のうちの1つでは、充填剤は、マンニトールと微結晶性セルロースとの混合物である。実施形態12のいくつかの例は、クロスカルメロースナトリウムであり得る崩壊剤を含む。そのようないくつかの実施形態では、薬学的組成物は、約1~8重量%の崩壊剤を含み、好ましい実施形態では、それは2~5重量%の崩壊剤を含む。実施形態12のいくつかの例は、滑沢剤を含み、その滑沢剤は、ステアリン酸の塩およびフマル酸ステアリルの塩、特にフマル酸ステアリルナトリウムから選択され得る。そのようないくつかの実施形態では、薬学的組成物は、約0.5~2重量%の滑沢剤を含む。これらの実施形態のうちの1つでは、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。実施形態12のいくつかの例は、PVPまたは架橋PVPであり得る接着剤を含む。そのようないくつかの実施形態では、薬学的組成物は、約0~5重量%の接着剤を含む。これらの実施形態のうちの1つでは、接着剤は、Povidone K30であり、薬学的組成物は、約3重量%の接着剤を含む。表4に列挙される比(wt%)の材料を含む組成物が、好ましい実施形態である。表5に列挙される比(wt%)の材料を製剤化材料中に含む組成物が、別の好ましい実施形態である。これらの好ましい実施形態には、表4または5に列挙されたいずれかの材料の量が特定の値の±10%以内である組成物が含まれる。
実施形態26~32において、薬学的組成物を調製する方法は、湿式造粒プロセスであり得る。これらの実施形態のうちのある特定の実施形態において、薬学的組成物は、組成物の重量%として表現される、約35%の化合物A-TA、約25%のマンニトール25C、約30%の微結晶性セルロース、約5%のクロスカルメロースナトリウム、約3%のPVPおよび約2%のフマル酸ステアリルナトリウムを含む。この実施形態において、「約」は、各構成要素の重量パーセントが、特定のwt%のプラスまたはマイナス1wt%であることを意味する。ある特定の実施形態において、実施形態26~32のいずれか1つに記載の方法は、wt%で表現される比の材料を上記製剤中で用いて、好ましくは、表4または表5に記載の比の材料を用いて行われ、ここで、列挙される各比率は、必要に応じて、列挙される値からその特定の値の最大±10%だけ変わり得る。特定の例において、実施形態26~32のいずれか1つに記載のプロセスは、以下の工程を含む。
(a)化合物A-TA、マンニトール25C、微結晶性セルロース、およびある割合のクロスカルメロースナトリウムを合わせて、第1の混合物を形成する工程;
(b)第1の混合物を湿式造粒機において混合する工程;
(c)水に溶解したPVPを加えて、第2の混合物を形成し、湿式造粒機において混合する工程;
(d)第2の混合物を乾燥させて、第3の混合物を得る工程;
(e)第3の混合物に残りのクロスカルメロースナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムを加え、混合して、最終的な混合物を形成する工程。最終的な混合物は、カプセルを満たして本発明の投与単位を形成するのに適している。
請求項26に記載の方法の好ましい実施形態は、表4に列挙される材料を使用した実施例9および10に提示される。
いくつかの実施形態において、化合物A-TAの固体形態は、形態Iの結晶多形である。形態Iは、約5.7°、約9.8°、約11.6°、約14.7°、約15.4°、約16.1°、約17.1°、約19.3°、約23.8°、約24.5°および約25.4°からなる群より選択される2θ値(実験の誤差範囲内)に1つまたはそれより多くのピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態Iは、具体的に列挙されるピークから選択されるかまたは列挙されるピークの誤差範囲内の、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個またはそれより多くのピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態Iは、図1におけるXRPDパターンに実質的に対応するXRPDパターンを特徴とする。それらのピークは、通常の実験変動を考慮して「約」特定の値として記載されることがあり、含まれる変動は、±0.2 2θまたは±0.1 2θであり得る。
いくつかの実施形態において、形態Iの化合物A-TAのL-(+)-酒石酸塩は、エタノールと水との混合物、またはプロパノールと水との混合物、またはメタノールと水との混合物、またはアセトンと水との混合物から結晶化される。いくつかの実施形態において、形態Iは、1:1~9:1(v/v)の比のエタノール/水から結晶化される。いくつかの実施形態において、エタノール/水の比は、1:1であるか、または4:6であるか、または9:1である。いくつかの実施形態において、形態Iは、7:3(v/v)の比のメタノール/水から結晶化される。いくつかの実施形態において、形態Iは、1:1または4:6または9:1の比のアセトン/水から結晶化される。
薬学的組成物
1つの態様において、本発明は、経口投与用の薬学的組成物および投与単位を提供する。医薬品有効成分(API)の薬理学的活性とは別に、活性物質には、固体経口剤形(経口用散剤、顆粒剤、ペレット剤、錠剤、カプセル剤、チュアブル錠、分散錠、トローチ剤または舐剤を含む)の調製に関連するいくつかの物理的特徴または物理化学的特徴がある。適切な製剤の特徴(例えば、正確なアッセイ、含有量および質量の均一性、薬物生成物の化学的安定性および物理的安定性ならびに適切な溶解速度)を達成するために、薬物生成物中間体の特徴も、頑健な製造プロセスを支持しなければならない。
ゆえに、いくつかの態様において、どのようにして好適かつ妥当な製剤の特徴を達成するかは、化合物Aの固体形態もしくはその薬学的に許容され得る塩、またはその薬学的に許容され得る塩を含む安定な薬学的組成物に対する作製プロセスおよび製造プロセスに依存する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される薬学的組成物は、貯蔵の際または本明細書中に記載される安定性試験条件下にて、化合物Aの固体形態またはその薬学的
に許容され得る塩の高い安定性を示す。
いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的組成物を作製する方法にも関する。そのような方法は、湿式造粒プロセスを含み得る。いくつかの実施形態において、湿式造粒プロセスは、以下の工程を含む。
(a)化合物A-TA、マンニトール25C、微結晶性セルロース、およびある割合のクロスカルメロースナトリウム(例えば、この材料の示されている総量の80%)を合わせて、第1の混合物を形成する工程;
(b)第1の混合物を湿式造粒機において混合する工程;
(c)水に溶解したPVPを加えて、第2の混合物を形成し、湿式造粒機において混合する工程;
(d)第2の混合物を乾燥させて、第3の混合物を得て、必要に応じて、この混合物をコーミルにおいて粉砕する工程;および
(e)第3の混合物に残りのクロスカルメロースナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムを加え、混合して、最終的な混合物を形成する工程。最終的な混合物は、カプセルを満たして本発明の投与単位を形成するのに適している。
いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、任意の好適なタイプの単位剤形にする薬学的に許容され得る添加物を含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容され得る添加物をさらに含む。好適な添加物としては、希釈剤、結合剤、ビヒクル、キャリア、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、膨張剤、可溶化剤、ウィッキング剤、冷却剤、保存剤、安定剤、甘味料、矯味矯臭剤およびポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。任意の薬学的に許容され得る添加物が、本開示によって企図されるが、化合物Aまたはその薬学的に許容され得る塩とともに配合するために選択される添加物は、本開示の安定性の目標を覆すべきでないことが理解されるべきである。
崩壊剤の例としては、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(例えば、VIVASOL(登録商標))、クロスポビドンおよびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、約0.1%(w/w)~約10%(w/w)または約5%(w/w)のクロスカルメロースナトリウム(例えば、VIVASOL(登録商標))を含む。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはその薬学的に許容され得るアルカリ金属塩、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール6000)(特に、型との摩擦を減少させるために、顆粒剤またはフレーク製剤において)、ベヘン酸グリセリル、タルク、コロイド状二酸化ケイ素またはヒュームド二酸化ケイ素およびシリカ誘導体(例えば、Cab-O-Sil、Syloid(登録商標)製品など)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、タルクならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。滑沢剤の一部は、顆粒化の他の構成要素とともにブレンドされ、顆粒化される内部固体滑沢剤として使用され得る。滑沢剤の別の一部は、圧縮またはカプセル封入の直前に最終的なブレンド材料に加えられ得、最終的な製剤において、顆粒剤の外側をコーティングする。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、崩壊剤および滑沢剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、約0.05%(w/w)~約5%(w/w)のフマル酸ステアリルナトリウムを含む。
本明細書中に記載されるような経口用の薬学的組成物は、一般に、個別化された用量または複数単位の用量の形態(例えば、それぞれ、錠剤、カプレット、散剤、懸濁用錠(s
uspension tablet)、チュアブル錠、速溶錠、カプセル剤、例えば、一重殻または二重殻ゼラチンカプセル剤、錠剤で満たされたカプセル剤、発泡散剤、発泡錠剤、ペレット剤、顆粒剤、液剤、溶液または懸濁液)であり得る。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、経口剤形または固体経口剤形として製剤化される。いくつかの実施形態において、経口剤形は、経口用散剤、顆粒剤、ペレット剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤または舐剤である。いくつかの実施形態において、錠剤は、チュアブル錠、分散錠またはトローチ剤である。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、単回用量または複数回用量を含むように製剤化される。いくつかの実施形態において、各薬学的組成物剤形(例えば、各錠剤または各カプセル剤)は、25mgまたは50mgまたは100mgまたは150mgまたは200mgまたは250mgまたは300mgまたは350mgまたは400mgまたは450mgまたは500mgの遊離塩基当量の化合物Aを含む。いくつかの実施形態において、活性成分(例えば、化合物Aまたはその薬学的に許容され得る塩、例えば、化合物A-TA)は、約10~約70%(w/w)または約15~約60%(w/w)または約20%(w/w)~約50%(w/w)または約30~40%(w/w)の濃度で薬学的組成物中に存在する。塩形態の場合、その濃度は、その塩形態の遊離塩基当量として述べられる。
開示される化合物A-TAの固体形態は、高い化学的安定性および多形安定性を示すが、化合物Aまたは化合物A-TAを含む薬学的組成物は、湿度および/または酸素の存在下の長期の貯蔵条件下にて酸化に曝され得る。化合物A-TAの選択された薬学的組成物の安定性に関するデータを以下の表に提供する。この表には、高温での貯蔵において酸化生成物である不純物Bの形成が遅いこと、および脱酸素物質(Deoxidizer CD20とも称されるPharmaKeep(登録商標)CD20)があるとき、この不純物の形成速度が低下することが示されている。
表1における処方4とは、表4に示される成分および比率で作製された製剤化材料のことを指し、製剤化された薬学的組成物とともに貯蔵容器内に存在する脱酸素剤(脱酸素物質)ありおよびなしの両方で試験した。処方5は、表5に示される成分および比率で作製
された製剤化材料である。安定性を試験するために、上記の表1に示されたように60℃または40℃で最大6ヶ月間、材料を貯蔵した。両方の製剤(処方4および処方5)を、同じバッチの化合物A-TAを用いて調製した。製剤化された薬学的組成物を脱酸素物質(脱酸素剤CD20)の存在下の容器内で貯蔵したとき、最少量の、化合物Aの酸化型誘導体である不純物Bが発見された。したがって、化合物A-TAを含む薬学的組成物を脱酸素物質の存在下において包装することにより、長期の貯蔵中に少なくとも1つの不純物が形成されるのが減少する。
したがって、いくつかの実施形態において、化合物A-TAを含む薬学的組成物は、酸素、湿度またはその両方への曝露を減少させる条件下で貯蔵される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、保護剤の存在下において貯蔵されるか、または保護剤とともに包装されるか、または不活性雰囲気において貯蔵され得るか、またはフィルムでコーティングされ得る。この目的に適した保護剤としては、以下の乾燥剤および脱酸素剤が挙げられる:
例えば以下の代表的な乾燥剤を含むがこれらに限定されない乾燥剤:
1)シリカゲル乾燥剤、例えば、活性化シリカゲル;
2)モレキュラーシーブ乾燥剤、つまり、水分子に対する吸収性が高い合成ゼオライト。モレキュラーシーブ材料のポアサイズは、種々の加工法によって制御できるので、水蒸気の吸着に加えて、他の気体も吸着し得る。
3)繊維乾燥剤。
当該分野で公知の酸素吸収剤製品、例えば、鉄を含む脱酸素剤キャニスター、および医薬品とともに使用するためにデザインされた、Mitsubishi Gas Chemicals Company製の市販の酸素吸収PharmaKeep(登録商標)キャニスター(CD20、CD10、KD10およびKD20を含む)をはじめとした脱酸素剤。
当該分野で公知であるように、上記の酸素吸収剤のうちのある特定のものを、乾燥剤(例えば、モレキュラーシーブおよび/または活性化シリカゲル)と組み合わせて使用できる。
本開示の薬学的組成物中の化合物A-TAの酸化を減少させる他の方法は、1つまたはそれより多くの酸化防止剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、酸化防止剤-264(BHT)、ビタミンEなどを、製剤化された薬学的組成物に加える工程;またはその薬学的組成物を、酸素および/または湿度を実質的に含まない不活性ガス、例えば、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気において維持する工程を含む。
別々に包装された酸素吸収剤は、その包装内の酸素の(or)量を効果的に減少させることができ、生成物が長期の貯蔵中に酸化されることから保護できる。多くの好適な酸素吸収剤製品が当該分野で公知であり;例えば、鉄を含む脱酸素キャニスターが使用され得る。他の例としては、Mitsubishi Gas Chemicals Company製の酸素吸収PharmaKeep(登録商標)キャニスターが挙げられ、それには、医薬品とともに使用するためにデザインされたCD20、CD10、KD10およびKD20が含まれる。これらの酸素吸収剤は、乾燥剤、例えば、モレキュラーシーブおよび/または活性化シリカゲルと組み合わせて使用され得る。表2は、高温(40℃)での安定性試験において、化合物A-TAを含む薬学的組成物とともにPharmaKeep(登録商標)CD20酸素吸収剤を容器に含めることによって不純物プロファイルが改善されることを示している。
本明細書中に記載されるようにカプセル封入され、有効な脱酸素剤(例えば、PharmaKeep(登録商標)CD20)の存在下において、従来のLDPEキャップを備えた不透明のHDPEボトル内で貯蔵する場合、化合物A-TAは、40℃かつ75%相対湿度で最大6ヶ月間、または25℃かつ60%相対湿度で最大24ヶ月間貯蔵したとき、高度に安定である。
したがって、いくつかの実施形態において、化合物A-TAを含むカプセル剤または錠剤は、不透明の高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル内に包装され、不透明の高密度ポリエチレン(HDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)キャップで蓋をされる。必要に応じて、そのボトルは、保護剤、例えば、シリカゲルまたは活性炭または活性化ゼオライト(モレキュラーシーブ)乾燥剤も含み、必要に応じて、そのボトルは、脱酸素剤、例えば、PharmaKeep(登録商標)CD10、CD20、KD10またはKD20のような脱酸素キャニスター製品も含む。いくつかの実施形態において、保護剤は、その保護剤がボトル内の酸素に曝露されるのを許容しつつ、その保護剤が薬学的組成物と直接接触するのを防ぐように、そのボトル内のキャニスター、サシェ、エンベロープまたは類似の容器の中に入れられる。
いくつかの実施形態において、化合物A-TAを含むカプセル剤または錠剤を含むボトルは、医薬品を保護するための当該分野で公知の方法および製品を用いて、通気プラスチックキャニスターなどの容器内に、酸素捕捉剤(例えば、鉄粉、カテコール、カルシウム、アスコルビン酸または酸化カルシウム)を含む。いくつかの実施形態において、酸素捕捉剤は、PharmaKeep(登録商標)製品またはStabilOx製品であり、これらは、専売の酸素捕捉材料を含み、必要に応じて乾燥剤も含む、パウチまたはキャニスターであり得る。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、化合物A-TAを含む薬学的組成物および保護剤を含む包装された医薬品を提供し、その保護剤は、乾燥剤、酸化防止剤、酸素除去剤もしくは不透明のコーティング、またはその医薬品を包装するために使用されるボトル内もしくは他の容器内の空気を置き換えるために用いられる不活性ガスであり得る。いくつかの実施形態において、化合物A-TAの投与単位の形態、例えば、カプセル剤または錠剤であり得る薬学的組成物が、ボトル内に包装され、保護剤が、同じボトル、好ましくは実質的に気密である同じボトルの中に別々に包装される。これらの実施形態のいくつかにおいて、キャニスター内の脱酸素剤は、薬学的組成物とともにボトルに加えられる。必要に応じて、その脱酸素剤は、MitsubishiのPharmaKeep(登録商標)製品群におけるCDおよびKD製品、例えば、CD10およびKD10およびCD20およびKD20から選択され、これらは、医薬品とともに使用するためにデザインされ、組成物に対して保護を提供する。
いくつかの実施形態では、必要に応じて化合物A-TAの投与単位の形態の、化合物A-TAを含む薬学的組成物は、密閉バッグ、箱、円筒形容器または他の容器に包装され、不活性ガス、例えば、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気によって保護される。
本方法は、任意の好適な目的のために使用することができる。いくつかの実施形態において、本方法は、被験体における増殖障害、がん、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイもしくは免疫学的に関係する疾患または狼瘡を処置および/または予防するために使用することができる。本方法は、任意の好適な増殖障害を処置および/または予防するために使用することができる。例示的な増殖障害としては、肉腫、類表皮がん、線維肉腫、子宮頸がん、胃癌、皮膚がん、白血病、リンパ腫、肺がん、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、メラノーマ、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、頭頸部がんおよび膵がんが挙げられる。特に興味深いのは、狼瘡、関節リウマチ、慢性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病から選択される状態を処置するために、化合物A
-TAの固体形態、これらの固体形態を含む薬学的組成物および投与単位を使用する方法である。
例示的な化学的実体、薬学的組成物、ならびにそのような化合物および組成物を作製する方法が、以下の具体的な例に言及することによって説明される。当業者は、化学合成の場合、所望の生成物を得るために、適宜保護ありまたはなしの反応スキームを通じて最終的に所望の置換基が保持されるように、出発物質が適切に選択され得ることを認識する。あるいは、最終的に所望の置換基の代わりに、反応スキームを通じて保有され得、適宜所望の置換基で置き換えられ得る好適な基を用いることが必要であるかまたは望ましい場合がある。さらに、当業者は、下記の実施例に示される変換が、特定のペンダント基の官能性と適合する任意の順序で行われ得ることを認識する。一般的なスキームに示される各反応は、好ましくは、約0℃から使用される有機溶媒の還流温度までの温度で行われる。下記に提供される実施例に記載される反応のいくつかが、約-10℃~約100℃の温度において行われる。薬学的組成物の例に関して、当業者は、以下の実施例のバリエーションが適切であり得ることを認識する。
本明細書中に記載される実施例は、本発明の代表的な実施形態を例証するためにだけ提供される。したがって、本発明は、本明細書中で論じられるこれらのまたは他の任意の実施例に記載される特定の条件または詳細に限定されないこと、およびそのような実施例は、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでないことが理解されるべきである。本明細書全体にわたって、任意のおよびすべての参考文献は、それらの全体が明確に参照により本明細書中に援用される。
以下の略語が、本明細書および実施例において使用され得る:DCM=ジクロロメタン;DIEA=DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン;DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;EtOH=エタノール;EtOAc=酢酸エチル;MeOH=メタノール;t-BuOH=tert-ブチルアルコール;およびTHF=テトラヒドロフラン。本明細書中で使用される略語は、別段示されない限り、当該分野で通常理解されている意味を有する。
化合物Aを、3つの異なる方法によって合成した。
ストラテジー/経路1:
この合成ストラテジー/経路1は、様々な2-Cl-ピリミジン2および芳香族アミン3を合成に使用することによって構造の多様性を得ることができるので、特に創薬初期における、小規模合成(例えば、SAR研究/集中的なライブラリー合成)に許容され得る。このストラテジーでは、重要な中間体2および3を、Pdによって触媒されるC-Nカップリング反応によって結合した後、還元およびアシル化を行うことにより、標的の化合物6が得られる。この合成の欠点は、最終工程におけるアシル化反応が、当該分子中の他のNH基に影響されることが多い点であり、その結果、望まれない副産物(不純物)が生じる。この短所を克服するために、本発明者らは、カップリング反応の前にアシル化を行うことによってこの合成ストラテジー/経路を修正することに決めた(ストラテジー/経路2を参照のこと)。
ストラテジー/経路2:
ストラテジー/経路2では、カップリング反応の前にアシル化反応を行うことで、当該分子に他のNH基が存在しなくなり、合成ストラテジー/経路1におけるアシル化副反応の可能性が回避される。また、アクリルアミド基は、最後のカップリング反応において非常に安定であることが見出されている。
ストラテジー/経路3:
ストラテジー/経路3では、3-ニトロフェノールの代わりに安価な出発物質である3-アミノフェノールを使用することによって、2-Cl-ピリミジン4の合成を短縮することにより(還元反応が省かれる)、合成効率がさらに改善される。3-アミノフェノー
ルと塩化アクリロイルとの間のアシル化反応は、非常に選択的であることが見出されている。
さらに、プロセス開発中に、種々の純度の出発物質2-Cl-ピリミジン4を調べたところ、その結果から、97.8~99.2%の純度範囲を有する異なるバッチの2-Cl-ピリミジン4がすべて、容認基準を満たす生成物9(化合物A)を生じたことが示された。
上記3つの合成ストラテジーの試験結果に基づいて、本明細書中に記載される組成物および実験のための化合物Aのバッチを調製するために、化合物A遊離塩基を合成するための最後の合成ストラテジー/経路として経路3を使用した。
合成経路は、ee%(鏡像異性純度)が少なくとも98.5%である商業的に入手可能な(S)-tert-ブチル3-アミノピロリジン-1-カルボキシレート1から開始する。すべての反応が、穏やかな条件下にて、中程度から優れた収率で行われる。最も重要なことに、プロセス全体が、最終生成物である化合物A遊離塩基の立体化学の保持につながる。したがって、この合成経路を、さらなる開発およびスケールアップ製造のために選択する。
合成経路を完成させた後、合成の各工程に対する反応条件の最適化を開始し、製造スケールを徐々に5kg超に拡大した。
実施例1.出発物質(8)の合成
工程1:N-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(12)の合成
30Lのジャケット付き反応容器に、-20℃に設定した冷却システムを備え付けた。機械的撹拌を行いながら、この反応容器に3-アミノフェノール11(2.3kg,21.1mol)、THF(15L)およびKCO(4.5kg,32.6mol)を加えた。その反応容器内の温度が約-10℃に達したら、塩化アクリロイル(2kg,22.1mol)をその反応容器に滴下した。滴下中、内部温度を0℃より低く維持した。塩化アクリロイルの滴下後、反応物を1時間撹拌した。撹拌終了時点において、反応の完了を確認するために、インプロセスTLC解析(移動相として酢酸エチル/石油エーテル/HOAc=2/1/0.1)を行う。次いで、水(10L)をゆっくり加えることにより、その反応物をクエンチした。混合物を濃縮して、THFを減圧下で除去した。酢酸エチル(10L)を加え、そのバッチを30分間撹拌した。水層を分離し、水層中に化合物12が無くなるまで(TLCによって)、酢酸エチルで抽出した(10L×4)。有機層を合わせ、水で洗浄した(3L×3)。
上記の水層からの化合物12の回収量を最大にするために、抽出-洗浄プロセスをさらに2回繰り返した。すべての酢酸エチル層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で約5Lの体積に濃縮した。濃縮した溶液を室温で一晩静置し、沈殿物を
収集することにより、粗化合物12を得て、それを激しく撹拌しながら30分間、冷酢酸エチル(4L)と混合することによってさらに精製した。固体生成物を収集し、真空下で乾燥させることにより、化合物12(2.1kg,60%収率)を白色固体として得た。
工程2:N-(3-((2-クロロ-5-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(8)の合成
75℃に設定したヒーターが備え付けられた反応容器に、DMF(15L)を投入した。次いで、機械的撹拌を行いながら、化合物12(3.05kg,18.7mol)、2,4-ジクロロ-5-メトキシピリミジン(3.3kg,18.4mol)およびK2CO3(3.85kg,27.9mol)を加えた。内部温度が70℃に達したら、その混合物をさらに4~4.5時間撹拌した。撹拌終了時点において、インプロセスTLC解析(移動相として酢酸エチル/石油エーテル/Et3N=2/2/0.1)は、反応が完了したことを示した。次いで、その混合物を室温に冷却し、濾過し、DMF(1L)で洗浄した。得られたDMF溶液(濾液)をゆっくり水(DMFの体積の10倍)に注ぎ入れた。沈殿物を収集し、水層が中性になるまで水(約4L)で洗浄し、次いで、乾燥させることにより、粗製の8を得た。
その粗生成物を、酢酸エチル(約45L、粗化合物8の重量の8倍)と混合することによってさらに精製した。得られた懸濁液を加熱還流し、1時間撹拌した。冷却後、固体を収集し、酢酸エチルで洗浄し(1L×2)、乾燥させることにより、化合物8(4.79kg,85%収率)を白色固体として得た。
実施例2.化合物Aの合成
工程1:(S)-tert-ブチル3-((4-ニトロフェニル)アミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート(3)の合成
(S)-tert-ブチル3-アミノピロリジン-1-カルボキシレート1(5.996kg,32.19mol)、1-フルオロ-4-ニトロベンゼン2(4.622kg,32.75mol)、DMSO(19.8L)およびEtN(4.840kg,47.83mol)を、冷却器が備え付けられた50Lの反応容器に投入した。次いで、その反応混合物を、水浴(90~95℃)を用いて加熱し、12時間撹拌した(この時間中、内部温度を85~95℃で維持した)。撹拌終了時点において、インプロセスTLC解析(移動相として酢酸エチル/石油エーテル=1/2)は、反応が完了したことを示した。次いで、その反応混合物を室温に冷却した。得られた溶液を、氷水(60L)を含む反応容器にゆっくり移したところ、濃い沈殿物が形成された。得られたスラリーを2時間、激しく撹拌した。次いで、黄色沈殿物を濾過し、水で洗浄し(12L×2)、40~45℃で乾燥させることにより、化合物3(9.6kg,HPLCで97.09%純度、96.96%収率)を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく、次の工程反応に使用した。
工程2:(S)-tert-ブチル3-(メチル(4-ニトロフェニル)アミノ)ピロ
リジン-1-カルボキシレート(4)
100Lの反応容器に、化合物3(9.6kg,31.23mol)およびDMF(48L)を投入し、撹拌した。化合物3を完全に溶解させた後、得られた黄色溶液を0~5℃に冷却し、NaH(60%,1.876kg,46.90mol)をゆっくり(反応容器内の温度を0~5℃で維持して少しずつ)加えた。その反応混合物を15分間撹拌し、次いで、内部温度を0~5℃で維持しつつ、CHI(5.326kg,37.52mol)をゆっくり加えた。添加が完了したら、冷却を止め、その混合物を1時間撹拌した。撹拌終了時点において、インプロセスTLC解析(移動相として酢酸エチル/石油エーテル=1/6)は、反応が完了したことを示した。次いで、冷水(12L)を加えることにより、反応物をクエンチし、その反応混合物をさらに1時間撹拌した。
酢酸エチルによる抽出:その反応混合物をおおまかに3等分した。100Lの反応容器内のその反応混合物の1つの部分に、水(42L)を加えた。得られた溶液を酢酸エチル(24L)で抽出した。水層を除去した。有機層を水で洗浄し(18L×2)、次いで、Celite(登録商標)層で濾過した。上記反応混合物の他の2つの部分に対しても同じ手順を繰り返した。合わせた濾液(有機層)を減圧下で濃縮した。得られた固体をさらに乾燥させることにより、化合物4(10.080kg,HPLCで97.17%純度、100.12%収率)を茶色固体として得て、それをさらに精製することなく、次の工程反応に使用した。
工程3:(S)-N-メチル-N-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3-アミン塩酸塩(5)の合成
100Lの反応容器に、化合物4(10.045kg,31.26mol)、メタノール(10L)およびジクロロメタン(10L)を投入した。化合物4が完全に溶解するまで、その反応混合物を120~150rpmの速度で撹拌した。得られた黄色溶液を0~5℃に冷却し、HCl/MeOH(8M,20L)を、撹拌しながらゆっくり加えた。添加が完了したら、その反応混合物をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。冷却システムを除去し、その反応混合物を室温に加温し、さらに16.5時間撹拌し続けた(沈殿物が形成した)。撹拌終了時点において、インプロセスTLC解析(移動相として酢酸エチル/石油エーテル=1/1)は、反応が完了したことを示した。次いで、その懸濁液を0~5℃に再冷却した。得られた沈殿物を収集し、酢酸エチルで洗浄し(3L×2)、40~45℃で乾燥させることにより、化合物5(7.060kg,HPLCで99.93%純
度、88.05%収率)を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく、次の工程反応に使用した。
工程4:(S)-1-(3-(メチル(4-ニトロフェニル)アミノ)ピロリジン-1-イル)エテノン(6)の合成
EtN(6.940kg,68.65mol)を、メタノール(41L)およびジクロロメタン(32L)中の化合物5(7.052kg,27.58mol)の溶液に加えた。得られた黄色溶液を0~5℃に冷却し、次いで、反応温度を5℃より低く維持しつつ、撹拌しながら塩化アセチル(2.590kg,32.99mol)を滴下した。滴下が完了したら、その反応混合物をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。撹拌終了時点において、インプロセスTLC解析(移動相として酢酸エチル)は、反応が完了したことを示した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(72L)に再度溶解させ、水で洗浄した(36L×1、18L×2)。有機相を減圧下で濃縮した。この粗生成物を、激しく撹拌しながら1時間、ヘプタン/酢酸エチル(v/v=1:1,24L)に懸濁した。得られた懸濁液を濾過した。固体を収集し、ヘプタン(6L)で洗浄し、乾燥させることにより、化合物6(6.430kg,HPLCで99.84%純度,89.25%収率)を黄色粉末として得て、それをさらに精製することなく、次の工程反応に使用した。
工程5:(S)-1-(3-((4-アミノフェニル)(メチル)アミノ)ピロリジン-1-イル)エタノン(7)の合成
Pd/C(活性炭上に10%,257.00g,0.241mol)、THF(51.3L)、メタノール(12.8L)および化合物6(6.420kg,24.39mol)を100Lの反応容器に投入した。反応容器内の空気を窒素流によって除去した。通常大気においてバブリングによって水素圧力を加えた。内部温度を25~35℃で維持するように、水素流を制御した。その反応混合物を48時間撹拌した。撹拌終了時点において、インプロセスTLC解析(移動相としてジクロロメタン/メタノール=15:1)は、反応が完了したことを示した。その反応混合物をCelite(登録商標)で濾過して、触媒を除去した。濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物7(5.498kg,HPLCで98.00%純度,96.6%収率)を黒色油状物として得て、それをさらに精製することなく、次の工程反応に使用した。
工程6:(S)-N-(3-((2-((4-((1-アセチルピロリジン-3-イル
)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)-5-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(9:化合物A)の合成
ジャケット付きの30Lの反応容器に、110rpmの速度で機械的撹拌を行いながら、t-BuOH(16L)を加えた。化合物7(975.0g,4.18mol)および化合物8(1277.5g,4.18mol,別々に合成されたもの)を加えた。その反応混合物を5~10分間撹拌した。次いで、炭酸カリウム(805.6g,5.82mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(76.5g,0.084mol)およびジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル-2-イル)ホスフィン(74g,0.155mol)を、撹拌しながら加えた。反応容器内の空気を窒素流によって除去した。ジャケットを通じて熱水(95~97℃)を当てることにより、反応容器を加熱した。その反応混合物を7時間撹拌し、この時間中、反応温度を82~85℃で維持した。撹拌終了時点において、インプロセスHPLC解析は、5%未満の化合物7が未反応だったことを示した。次いで、その混合物を、50℃に冷却し、シリカゲル(約300メッシュ,2kg)とCelite(登録商標)(2kg)との混合物で濾過し、酢酸エチル(8L)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮することにより、粗9を得た。
その粗生成物を酢酸エチル(20L)に再度溶解させ、50Lの反応容器に移した。得られた溶液をブラインで洗浄した(12L×3)。下層を除去した。有機層を無水NaSO(2kg)で乾燥させ、濾過し、残留体積が約5Lになるまで減圧下で濃縮した。得られた溶液を室温に冷却し、それを撹拌しながら一晩、静置した。沈殿物が、オフホワイト色の固体として形成された。沈殿物を収集し、真空によって乾燥させることにより、第2の粗生成物(1300g,HPLCで96.4%純度,61.9%収率)を得て、それを、光を避けるように密閉し、重金属パラジウムを除去する次の工程に向けて、室温の乾燥した場所で貯蔵した。
パラジウム重金属を除去するためのさらなる処理のために、化合物9の第2の粗生成物の3回の合成品を合わせた。
TMT(s-トリアジン-2,4,6-トリチオール;1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール)によるパラジウム除去プロセス
第2の粗生成物(2950g,5.88mol)を、THF(29.5L)およびジクロロメタン(29.5L)を含む100Lの反応容器に投入した後、化合物9が完全に溶解するまで、室温で撹拌した。次いで、TMT(100g,0.85mol)、活性炭(295g)およびシリカゲル(300~400メッシュ,295g)を加えた。得られた懸濁液を室温で48時間撹拌し、次いで、Celite(登録商標)で濾過し、EtOH(5.4L)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(29.5L)に再度溶解させた。この溶液を希アンモニア水溶液(1.5~2.0%,5.4L)および水(13L×2)で洗浄した。有機層を分離し、NaSO(1.34kg)で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより、ジクロロメタンのほと
んどを除去した(沈殿物なし、約4.5Lが残った)。酢酸エチル(27L)をゆっくり加えた。沈殿物(再結晶化と類似)を収集し、真空下で乾燥させることにより、所望の最終生成物9(化合物9の第2の粗生成物から2398g,HPLCで98.91%純度,81.3%収率)をオフホワイト色の固体として得た。
実施例3.結晶性二水和物としての化合物A-TAの合成
(S)-N-(3-((2-((4-((1-アセチルピロリジン-3-イル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)-5-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドL-(+)-酒石酸塩二水和物(10、化合物A-TA)の合成
このプロセス工程のために、3つのバッチの化合物9(化合物A)を合わせた。
化合物9(5918g,約98.7%純度)を25℃のジクロロメタン(60L)に溶解させた。この溶液を40℃の減圧下で濃縮することにより、約55Lのジクロロメタンを除去した。酢酸エチル(30L)を撹拌しながらゆっくり加えた。その混合物を、結晶化のために約20℃に冷却した。得られた結晶を収集し、冷酢酸エチル(10L)で洗浄し、45℃の真空下で一晩乾燥させることにより、化合物9(4950g)を、HPLCで99.19%の純度にてオフホワイト色の粉末として得て、それを塩形成工程に使用した。
100Lの反応容器に、アセトン(30L)および水(3.5L)を投入した。化合物9の精製サンプル(遊離塩基,4.7kg,9.36mol)を、撹拌しながら加えた後、アセトン(12.3L)でリンスした。得られた懸濁液を、化合物9が完全に溶解するまで(約1.5時間)、45℃で激しく撹拌した。次いで、L-(+)-酒石酸(1.471kg,9.8mol)の水(1.2L)溶液を撹拌しながらゆっくり加えた。その溶液を室温に冷却し、5時間撹拌し続けた。得られた沈殿物を収集し、アセトン(1L)で洗浄し、45℃で24時間乾燥させた。次いで、その固体を砕き、篩にかけて60メッシュサイズにし、室温で風乾させることにより、所望の生成物10(化合物A-TA)を橙色粉末として得た(5.8kg,99.3%HPLC純度,90.0%収率)。
赤外スペクトル(IR)
連続したヒドロキシルは、3420cm-1領域に吸収ピークをもたらす。連続したアミンは、3302cm-1領域に吸収ピークをもたらす。連続したアルキルは、2822、2892、2953、3047および3117cm-1領域に吸収ピークをもたらす。連続したアンモニウム(NH)は、2310および2345cm-1領域に吸収ピークをもたらす。アンモニウム(NH)基の屈曲は、1956cm-1領域に吸収ピークをもたらす。カルボン酸部分における連続したカルボニル基は、1723および1610cm-1領域に吸収ピークをもたらす。アミド部分における連続したカルボニル基は、1660cm-1領域に吸収ピークをもたらす。アミド部分におけるアミン基の屈曲は、15
20cm-1領域に吸収ピークをもたらす。アミド部分における連続したC-N結合は、1266cm-1領域に吸収ピークをもたらす。次いで、ベンゼン骨格の振動は、1433、1461および1539cm-1領域に吸収ピークをもたらす。連続したアルキルアリールエーテルは、1227cm-1領域に吸収ピークをもたらす。連続したビアリールエーテルは、1203cm-1領域に吸収ピークをもたらす。
紫外分光法
UV吸収のデータおよび解析についての表を参照のこと。
(1)サンプル調製:サンプルを特定濃度の溶液に調製し、1.00cmセルに入れた。(2)波長:200~400nm。
(3)溶媒:メタノール、0.1M HCl水溶液、0.1M NaOH水溶液。
(4)濃度:3.3×10-5M。
UVスペクトル:メタノール、0.1M HCl水溶液および0.1M NaOH水溶液中のサンプルを測定した。測定値の範囲は、200~400nmであった。
UVスペクトル(F、図4および図5)を下記に示す。
中性溶媒(メタノール)中のサンプルの2つの最大吸収(λmax)は、それぞれ204.6nm(ε=4.62×10)および280.2nm(ε=3.58×10)において生じる。204.6nmにおける吸収は、ヘテロ原子のn-σ遷移として特定され、280.2nmにおける吸収は、ベンゼン環内の共役二重結合のπ-π遷移によって引き起こされるサンプルのK吸収帯として特定される。酸性溶媒では、共役系のK吸収帯は、268.6nm(ε=3.00×10)にλmaxを有する。塩基性溶媒では、共役系のK吸収帯は、277.0nm(ε=3.20×10)にλmaxを有する。
NMR
溶媒:DMSO-d6;内部標準:プロピオン酸トリメチルシリル(TSP) H-NMRスペクトルを図6に示す。
粉末X線回折
試験条件:電力40kV×250mA、CuKα線
走査モード:直線走査、刻み幅:0.02°、走査範囲(2θ):3°~40°、走査速度:5°/分。
粉末X線回折パターンをFに示す。
熱重量分析
掃引ガス:N120mL/分、昇温速度:10℃/分
温度範囲:室温から280℃まで
TGAトレースを図7に示す。
示差熱分析
掃引ガス:N50mL/分、昇温速度:10℃/分
温度範囲:室温から200℃まで
DSCトレースを図8に示す。
結晶型を生成し、有用な多形形態の化合物A-TAの特定を試みるために、様々な条件を試験した。表は、多形の調製のために用いた条件および得られた結果を簡潔に要約している。
剤形選択:経口即時放出カプセル製剤が、本明細書中に開示される。これの1つの実施形態は、HPMC#2カプセルシェルにおける25mg/カプセル(遊離塩基当量)であ
る。必要に応じて、より大きなカプセルを使用することによって薬物負荷を増加させることができ、その結果、各投与単位は、例えば、50mg/カプセルまたは100mg/カプセル(遊離塩基当量)を含むことができる。
プロセス選択:化合物A-TAは、2分子の水を伴う原薬(drug substance)である
。より高温の製造プロセス(例えば、錠剤作製において湿式造粒するための乾燥プロセス)中に生じ得る脱水を防ぐために、直接混合カプセル充填製造プロセスが用いられる。カプセル形成の前および後の薬学的組成物の安定性を守るために、カプセル充填および貯蔵工程を含むプロセスは、好ましくは、適度な条件下、例えば、約30℃未満の温度かつ約60%未満、好ましくは、約45%未満の相対湿度において行われる。
賦形剤選択:化合物A-TAカプセル剤において使用される賦形剤は、通常使用される賦形剤であり、FDAのInactive Ingredient Database(IID)に見られ得る。
物理化学的特性および生物学的特性
上記原薬遊離塩基は、およそ5.3のpKaを有する弱塩基性化合物である。この遊離塩基の水溶解度は、pH依存的である。それは、pHが上昇するとほとんど不溶性となり、pHが低下すると、溶解度が劇的に上昇する。吸収およびバイオアベイラビリティを高めるために、酒石酸塩(化合物A-TA)を作製して、経口投与を意図した組成物中の当該分子の溶解を増大させた。HPMCカプセル剤を用いたイヌのPK試験では、化合物A-TAを含むカプセル剤は、良好な溶解プロファイル(30分後に>85%放出)を示し、20%~39%のバイオアベイラビリティを達成した。
実施例4.湿式造粒によって調製された化合物A-TAを含むカプセル剤
化合物A-TAの薬物生成物を、34.26mgの酒石酸塩(化合物A-TA)に相当する25mgの化合物A遊離塩基を含む経口投与用のカプセル剤として調製した。そのカプセル剤は、32.00mgのProsolv(登録商標)SMCC50(ケイ化微結晶性セルロース)、89.74mgのProsolv(登録商標)SMCC90(ケイ化微結晶性セルロース)、3.20mgのクロスカルメロースナトリウム(VIVASOL(登録商標))および0.80mgのフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV(登録商標))も含む。1つのカプセル剤における内容物の総重量は、160mgである。淡青色の不透明キャップおよび白色の不透明本体を有するサイズ#2のHPMCカプセルシェルを使用した。その化合物A-TAカプセル剤を高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル内に包装し、モレキュラーシーブを備えた低密度ポリエチレン(LDPE)キャップで蓋をした。
上記プロセスを要約しているフローダイアグラムを図9に示す。
表4における成分リストに従って、化合物A-TAを湿式造粒するために以下の工程に従った:
a.内顆粒材料(化合物A-TA、マンニトール25C、微結晶性セルロースPH101)を計量し、40メッシュのシーブでふるいにかける。
b.内顆粒材料(ポビドンK30を除く)を湿式造粒機において5~10分間混合して、湿式造粒機内に混合物#1を得る。
c.水に溶解したポビドンPK30を湿式造粒機内の混合物#1に加え、5~10分間処理して、混合物#2を得る。
d.混合物#2を流動床において約60℃で30~60分間乾燥させて、混合物#3を得る。
e.混合物#3をコーミルにおいて10分間乾式粉砕して、混合物#4を得る。
f.外顆粒材料であるクロスカルメロースナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムを計量し、40メッシュのシーブでふるいにかける。これらを混合物#4に加え、10~20分間混合して、混合物#5を得る。
g.カプセルに混合物#5を充填する。カプセルのシェルは、HPMCでできたVcap
plusであった。
h.HDPEボトル(モレキュラーシーブ乾燥剤および脱酸素剤を含む)に包装する。
実施例5.化合物A-TAを含む錠剤の湿式造粒を介した調製
上記の表4に示されたものと同じ成分および比率を使用して、以下のプロセス工程によって化合物A-TAの投与単位として錠剤を作製した:
a.内顆粒材料材料(化合物A-TA、マンニトール25C、微結晶性セルロースPH101)を計量し、40メッシュのシーブでふるいにかける。
b.内顆粒材料(ポビドンPK30以外)を湿式造粒機において5~10分間混合して、湿式造粒機内に混合物#1を得る。
c.水に溶解したPvpK30を湿式造粒機内の混合物#1に5~10分間加え、混合物#2を得る。
d.混合物#2を流動床において約60℃で30~60分間乾燥させて、混合物#3を得る。
e.混合物#3をコーミルにおいて10分間乾式粉砕して、混合物#4を得る。
f.外顆粒材料であるクロスカルメロースナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムを計量し、40メッシュのシーブでふるいにかける。これらを混合物#4に加え、10~20分間混合して、混合物#5を得る。
g.混合物#5を打錠機において圧縮して、コーティングされていない錠剤#1を得る。h.錠剤#1をOPADRY 03B120001でコーティングする。
i.HDPEボトル(モレキュラーシーブ乾燥剤および脱酸素剤を含む)に包装する。
図10は、このプロセスのフローダイアグラムを示している。
実施例6.化合物A-TAを含むカプセル剤の直接混合を介した調製
化合物A-TAを含む異なる製剤製品に対する賦形剤および材料の量を表5に示す。表5における材料および直接混合プロセスを使用し、以下の工程によってカプセル剤を調製した:
a.原薬およびすべての賦形剤を調製および計量する。
b.化合物A-TA原薬をSMCC90およびSMCC50と混合する。そのブレンドを40メッシュシーブでふるいにかけて、混合物#1を得る。
c.混合物#1をクロスカルメロースナトリウム(Vivasol)と合わせ、18~22分間混合して、混合物#2を得る。
d.混合物#2およびフマル酸ステアリルナトリウム(Pruv)を一緒にふるいにかけ、3~7分間混合して、最終的な顆粒生成物を得る。
e.カプセルに充填する。
f.HDPEボトルに包装する。
図11は、このプロセスのフローダイアグラムを提供している。
実施例7.化合物A-TAを含む錠剤の直接混合を介した調製
表5に示された賦形剤および材料の量を用いて、以下の工程によって錠剤を作製した:(a)原薬およびすべての賦形剤を調製および計量する。
(b)化合物A-TA原薬およびSMCC90、SMCC50を混合する。そのブレンドを40メッシュシーブでふるいにかけて、混合物#1を得る。
(c)混合物#1をクロスカルメロースナトリウム(Vivasol)と合わせ、18~22分間混合して、混合物#2を得る。
(d)混合物#2およびフマル酸ステアリルナトリウム(Pruv)を一緒にふるいにかけ、3~7分間混合して、最終的な顆粒を得る。
(e)打錠機で圧縮して、コーティングされていない錠剤#1を得る。
(f)錠剤#1をOPADRY 03B120001でコーティングする。
HDPEボトル(モレキュラーシーブ乾燥剤および脱酸素剤を含む)に包装する。
図12は、このプロセスのフローダイアグラムを提供している。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
酒石酸塩である、化合物A
の固体形態。
(項目2)
化合物AとL-(+)-酒石酸との1:1塩である、項目1に記載の固体形態。
(項目3)
化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩の水和物である、項目1または2に記載の固体形態。
(項目4)
二水和物である、項目3に記載の固体形態。
(項目5)
結晶性である、前述の項目のいずれか1項に記載の固体形態。
(項目6)
2θに換算して、約5.7°、約9.8°、約11.6°、約14.7°、約15.4°、約16.1°、約17.1°、約19.3°、約23.8°、約24.5°および約25.4°から選択される少なくとも2つのピークを含む粉末X線回折パターンを有する結晶形態である、前述の項目のいずれか1項に記載の固体形態。
(項目7)
前記粉末X線回折パターンが、少なくとも3つのピークまたは少なくとも4つのピークまたは少なくとも5つのピークまたは少なくとも6つのピークまたは少なくとも7つのピークまたは少なくとも8つのピークまたは少なくとも9つのピークまたは少なくとも10個のピークを含み、前記ピークは、2θに換算して、約5.7°、約9.8°、約11.6°、約14.7°、約15.4°、約16.1°、約17.1°、約19.3°、約23.8°、約24.5°、約25.4°から選択される、項目6に記載の固体形態。
(項目8)
約74℃に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、前述の項目のいずれか1項に記載の固体形態。
(項目9)
実質的に図7に示されているような熱重量分析(TGA)を有する、前述の項目のいずれか1項に記載の固体形態。
(項目10)
少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤と混合された、前述の項目のいずれか1項に記載の化合物Aの固体形態を含む、薬学的組成物。
(項目11)
少なくとも2つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、項目10に記載の薬学的組成物。(項目12)
充填剤、崩壊剤、滑剤、接着剤、滑沢剤および酸化防止剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(酸化防止剤-264)、ブチル化ヒドロキシアニソール、クエン酸およびビタミンEから選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、項目10または11に記載の薬学的組成物。
(項目13)
微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)およびフマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、項目12に記載の薬学的組成物。
(項目14)
25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mgおよび400mgから選択される、遊離塩基の化合物Aの重量に相当する量で、項目1~9のいずれか1項に記載の化合物Aの固体形態を含む、投与単位。
(項目15)
錠剤またはカプセル剤である、項目14に記載の投与単位。
(項目16)
化合物A-TAおよび1つまたはそれより多くの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、項目14または項目15に記載の投与単位。
(項目17)
前記1つまたはそれより多くの薬学的に許容され得る賦形剤が、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)およびフマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択される1つまたはそれより多くの賦形剤を含む、項目16に記載の投与単位。
(項目18)
ケイ化微結晶性セルロース50、ケイ化微結晶性セルロース90、アルファ化デンプン、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、ポビドンおよびフマル酸ステアリルナトリウムから選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、項目14~17のいずれかに記載の投与単位。
(項目19)
酸化防止剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(酸化防止剤-264)、ブチル化ヒドロキシアニソール、クエン酸およびビタミンEを含む、項目14~18のいずれか1項に記載の投与単位。
(項目20)
化合物Aを含む薬学的組成物と保護剤とを2つの別個の材料として閉鎖容器内に含む、包装された医薬品。
(項目21)
前記薬学的組成物が、項目14~18のいずれかに記載の投与単位を含む、項目19に記載の包装された医薬品。
(項目22)
前記保護剤が、乾燥剤、酸化防止剤、脱酸素物質および不活性ガスから選択される少なくとも1つの材料を含む、項目19~20のいずれか1項に記載の包装された医薬品。
(項目23)
前記保護剤が、モレキュラーシーブ、シリカゲルおよび繊維乾燥剤から選択される少なくとも1つの材料を含む、項目19~21のいずれか1項に記載の包装された医薬品。
(項目24)
前記保護剤および前記薬学的組成物が、気密容器内に入れられている、項目19~21のいずれか1項に記載の包装された医薬品。
(項目25)
前記気密容器が、密閉ボトルである、項目24に記載の包装された医薬品。
(項目26)
化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤と合わせる工程を含む、項目10~13のいずれか1項に記載の薬学的組成物を調製する方法。
(項目27)
前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、充填剤を含み、前記充填剤は、必
要に応じて、マンニトール、デンプン、微結晶性セルロース(SMCC50、SMCC90を含む)、ラクトース、ゼラチン、アルファ化デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、マルトデキストリン、ソルビトール、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムから選択される、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、崩壊剤を含み、前記崩壊剤は、必要に応じて、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムを含む、項目26または27に記載の方法。
(項目29)
前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、接着剤を含み、前記接着剤は、必要に応じて、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)である、項目26~28のいずれか1項に記載の方法。(項目30)
前記少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤が、滑沢剤を含み、前記滑沢剤は、必要に応じて、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピルから選択される、項目26~29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を、微結晶性セルロース、フマル酸ステアリルナトリウムおよびPVP、ならびに必要に応じてマンニトールと合わせて、混合物を形成する工程を含む、項目26に記載の方法。
(項目32)
化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を、微結晶性セルロース、フマル酸ステアリルナトリウムおよびPVP、ならびに必要に応じてマンニトールと合わせて、混合物を形成する工程、ならびにPVPおよび必要に応じて水を加えて、湿顆粒混合物を形成する工程を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
項目26に記載の方法によって調製される、化合物A-TAを含む薬学的組成物。
(項目34)
前記混合物が、湿式造粒機においてブレンドされる、項目31または項目32に記載の方法。
(項目35)
化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を調製するためのプロセスであって、溶媒の存在下において化合物AをL-(+)-酒石酸と接触させる工程を含む、プロセス。
(項目36)
化合物Aの固体形態を調製するためのプロセスであって、溶媒中で化合物Aを酒石酸と接触させる工程を含む、プロセス。
(項目37)
化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩が溶媒から固体として沈殿する条件下にて前記溶媒の存在下で化合物AをL-(+)-酒石酸と接触させる工程を含む、項目36に記載のプロセス。
(項目38)
前記溶媒が、水および有機共溶媒を含む、項目37に記載のプロセス。
(項目39)
前記有機共溶媒が、アセトン、イソプロパノール、エタノールおよびテトラヒドロフランから選択される、項目38に記載のプロセス。
(項目40)
化合物Aの前記固体形態が、化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩の形態Iを含む、項目39に記載のプロセス。
(項目41)
化合物Aまたはその薬学的に許容され得る塩を合成するプロセスであって、化合物2を得るための化合物1の還元的水素化
を含む、プロセス。
(項目42)
化合物2を化合物3と反応させて、化合物Aを得る工程:
をさらに含む、項目41に記載のプロセス。
(項目43)
化合物AをL-(+)-酒石酸と接触させて、化合物Aの前記L-(+)-酒石酸塩を得る工程をさらに含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
被験体における増殖障害、増殖性障害、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、乾癬、ドライアイ、関節リウマチまたは狼瘡から選択される状態を処置する方法であって、前記方法は、それを必要とする被験体に、項目1~9のいずれか1項に記載の化合物Aの固体形態またはその薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目45)
前記状態が、慢性狼瘡、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病および慢性骨髄性白血病から選択される、項目44に記載の方法。

Claims (1)

  1. 図面に記載の発明。
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