JP2023158777A - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクルされたオレフィン系樹脂を用いて形成した場合であっても、優れた透明性と、表面における高い耐傷付き性とを有する化粧シート及び化粧材を提供する。【解決手段】本実施形態に係る化粧シート1は、着色基材層2と、接着層4と、透明樹脂層5とをこの順に備え、着色基材層2及び透明樹脂層5は、それぞれ、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合したポリオレフィンであるケミカルリサイクルポリオレフィンを含む樹脂組成物で形成された樹脂層であり、透明樹脂層5は、0.92g/cm3以上0.99g/cm3以下の範囲内の密度を有し、30μm以上150μm以下の範囲内の厚さを有し、着色基材層2は、0.92g/cm3以上1.12g/cm3以下の範囲内の密度を有し、40μm以上200μm以下の範囲内の厚さを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート及び化粧材に関する。
ポリ塩化ビニル製の化粧シートに代わる化粧シートとして、例えば、特許文献1に開示されているように、オレフィン系樹脂を使用した化粧シートが提案されている。
特開2014-188941号公報
従来の化粧シートは石油由来の材料で製造された化粧シートが大半であったが、近年、環境問題の背景から石油由来の材料からリサイクルプラスチック材料への代替が注目されている。
しかしながら、マテリアルリサイクルされたプラスチック材料(以下、便宜的に「マテリアルリサイクルプラスチック」とも称する)では透明性を確保するのが難しく、化粧シートの透明熱可塑性樹脂に使用できるリサイクルプラスチックは極めて少なかった。ここで、「マテリアルリサイクル」とは、一般に材料リサイクル、材料再生、再資源化、再生利用を意味する。
また、オレフィン系樹脂を使用した化粧シートで用いられている樹脂はポリプロピレンが主であり、ポリエチレンはアイデアとしてはあったものの、使用に耐え得る一定の硬度を必要とする表面側に用いる透明フィルムとしてポリエチレンを使用するには、透明性が足りず、また透明性を優先させると耐傷付き性など剛性が影響する物性が低下する等の問題があり、使用できない場合が多かった。
本発明は、上述した問題点を鑑み、リサイクルされたオレフィン系樹脂を用いて形成した場合であっても、優れた透明性と、表面における高い耐傷付き性とを有する化粧シート及び化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、着色熱可塑性樹脂層と、接着層と、透明熱可塑性樹脂層とをこの順に備え、前記着色熱可塑性樹脂層及び前記透明熱可塑性樹脂層は、それぞれ、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合したポリオレフィンであるケミカルリサイクルポリオレフィンを含む樹脂組成物で形成された樹脂層であり、前記透明熱可塑性樹脂層は、前記オレフィンを含み、0.92g/cm以上0.99g/cm以下の範囲内の密度を有し、30μm以上150μm以下の範囲内の厚さを有し、前記着色熱可塑性樹脂層は、前記オレフィンを含み、0.92g/cm以上1.12g/cm以下の範囲内の密度を有し、40μm以上200μm以下の範囲内の厚さを有し、前記透明熱可塑性樹脂層の密度をd1とし、前記着色熱可塑性樹脂層の密度をd2とした場合、d2>d1を満たすことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、リサイクルされたオレフィン系樹脂を用いて形成した場合であっても、優れた透明性と、表面における高い耐傷付き性とを有する化粧シート及び化粧材を提供することが可能となる。
本発明の実施形態における化粧シート及び化粧材の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
以下、図1を参照して、化粧材10の構成について説明する。
化粧材10は、図1に示すように、化粧シート1と、基材9を備える。なお、化粧シート1の具体的な構成については、後述する。
基材9は、例えば、木質ボード類、無機質ボード類、金属板等を用いて板状に形成されており、一方の面(図1では、上側の面)に、化粧シート1が積層されている。すなわち、化粧材10は、基材9と、基材9の一方の面に積層された化粧シート1を備える。
(化粧シートの構成)
化粧シート1は、図1に示すように、着色基材層(着色熱可塑性樹脂層)2と、絵柄層3と、接着層4と、透明樹脂層(透明熱可塑性樹脂層)5と、表面保護層6と、凹凸部7と、プライマー層8とを備える。
<着色基材層>
着色基材層2は、熱可塑性樹脂を用いて形成された樹脂層であって、ケミカルリサイクルされたエチレンを含むモノマーが重合したポリエチレンであるケミカルリサイクルポリエチレンを含む樹脂組成物で形成された着色樹脂層である。ここで、「ケミカルリサイクル」とは、使用済み資源を化学的に処理し、他の化学物質に転換して再利用するリサイクル手法を意味する。
以下、着色基材層2の組成について詳しく説明する。
(ケミカルリサイクルポリエチレン)
本実施形態において、ケミカルリサイクルポリエチレンは、ケミカルリサイクルされたエチレンを含むモノマーが重合してなるものである。ケミカルリサイクルされたエチレンは、特に限定されず、従来公知の方法により製造されたエチレンを用いることができる。原料であるモノマーとしてケミカルリサイクルされたエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはケミカルリサイクルされたものとなる。
なお、ポリエチレンの原料モノマーは、ケミカルリサイクルされたエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。
ケミカルリサイクルポリエチレンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンおよび化石燃料由来のα-オレフィンの少なくとも一種をさらに含んでもよいし、バイオマス由来のα-オレフィンをさらに含んでもよい。
上記のα-オレフィンは、炭素数は特に限定されないが、通常、炭素数3~20のものを用いることができ、ブチレン、ヘキセン、またはオクテンであることが好ましい。ブチレン、ヘキセン、またはオクテンであれば、ケミカルリサイクルされたエチレンの重合により製造することが可能となるからである。また、このようなα-オレフィンを含むことで、重合されてなるポリエチレンはアルキル基を分岐構造として有するため、単純な直鎖状のものよりも柔軟性に富むものとすることができる。
原料としてケミカルリサイクルされたエチレンを用いることで、理論上100%ケミカルリサイクルされた成分により化粧シートまたはそれを構成する層を製造することが可能となる。
本実施形態においては、理論上、ポリエチレンの原料として、全てケミカルリサイクルされたエチレンを用いれば、ケミカルリサイクルされたエチレン濃度は100%であり、ケミカルリサイクルポリエチレンのケミカルリサイクル度は100(%)となる。また、マテリアルリサイクルされた原料のみで製造されたポリエチレン中のケミカルリサイクルされたエチレン濃度は0%であり、マテリアルリサイクルポリエチレンのケミカルリサイクル度は0(%)となる。
なお、上述した「ケミカルリサイクル度」とは、ポリエチレン中のケミカルリサイクルされたエチレン濃度を意味する。
本実施形態において、ケミカルリサイクルポリエチレンやそのポリエチレンを含んで構成された化粧シートは、ケミカルリサイクル度が100である必要はない。
本実施形態において、ケミカルリサイクルされたエチレンを含むモノマーの重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。重合温度や重合圧力は、重合方法や重合装置に応じて、適宜調節するのがよい。重合装置についても特に限定されず、従来公知の装置を用いることができる。以下、エチレンを含むモノマーの重合方法の一例を説明する。
エチレン重合体やエチレンとα-オレフィンの共重合体の重合方法は、目的とするポリエチレンの種類、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の密度や分岐の違いにより、適宜選択することができる。例えば、重合触媒として、チーグラー・ナッタ触媒等のマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒等のシングルサイト触媒を用いて、気相重合、スラリー重合、溶液重合、および高圧イオン重合のいずれかの方法により、1段または2段以上の多段で行うことが好ましい。
また、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、エチレンの重合体やエチレンとα-オレフィンの共重合体を、単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
(ケミカルリサイクルポリエチレンを含む樹脂組成物)
本実施形態において、樹脂組成物は、上記のポリエチレンを主成分として含むものである。樹脂組成物は、ケミカルリサイクルされたエチレンを樹脂組成物全体に対して5質量%以上、好ましくは5~95質量%、より好ましくは40~95質量%含んでなるものである。樹脂組成物中のケミカルリサイクルされたエチレンの濃度が5質量%以上であれば、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、カーボンニュートラルな化粧シートを実現できる。
上記の樹脂組成物は、異なるケミカルリサイクル度のポリエチレンを2種以上含むものであってもよく、樹脂組成物全体として、ケミカルリサイクルされたエチレンの濃度が、上記範囲内であればよい。
上記の樹脂組成物は、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来のエチレンおよびα-オレフィンの少なくとも一方とを含むモノマーが重合してなる化石燃料由来のポリエチレンをさらに含んでもよい。つまり、本実施形態においては、樹脂組成物は、ケミカルリサイクルポリエチレンと、化石燃料由来のポリエチレンとの混合物であってもよい。混合方法は、特に限定されず、従来公知の方法で混合することができる。例えば、ドライブレンドでもよいし、メルトブレンドでもよい。
本実施形態によれば、樹脂組成物は、好ましくは5~95質量%、より好ましくは40~95質量%のケミカルリサイクルポリエチレンと、好ましくは5~95質量%、より好ましくは5~60質量%の化石燃料由来のポリエチレンとを含むものである。このような混合物の樹脂組成物を用いた場合でも、樹脂組成物全体として、ケミカルリサイクルされたエチレンの濃度が、上記範囲内であればよい。
上記の樹脂組成物の製造工程において製造された樹脂組成物には、その特性が損なわれない範囲において、主成分であるポリエチレン以外に、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料等を添加することができる。これら添加剤は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは1~20質量%、好ましくは1~10質量%の範囲で添加される。
以上のように、着色基材層2は、ケミカルリサイクルされたエチレンを着色基材層2全体に対して5質量%以上、好ましくは5~95質量%、より好ましくは40~95質量%、最も好ましくは60~95%含んでなるものである。着色基材層2中のケミカルリサイクルされたエチレンの濃度が5質量%以上であれば、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、カーボンニュートラルな化粧シートを実現できる。
着色基材層2は、0.92~1.12g/cm、好ましくは0.98~1.10g/cmの密度を有するものである。着色基材層2の密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。着色基材層2の密度が0.92g/cm以上であれば、着色基材層2の剛性を高めることができる。また、着色基材層2の密度が1.12g/cm以下であれば、着色基材層2の隠蔽性や機械的強度を高めることができる。
着色基材層2は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した高密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した低密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを含むもの、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレンとを含むもの、化石燃料由来の高密度ポリエチレンにケミカルリサイクル低密度ポリエチレンを含むものいずれであってもよい。
着色基材層2全体のケミカルリサイクル度が10%以上90%以下の範囲内であってもよい。
なお、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンとは、密度が0.94を超えるポリエチレンをいう。また、ケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとは、密度が0.94以下のポリエチレンをいう。
着色基材層2は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレン(ケミカルリサイクルされたものであっても、化石燃料由来のものであってもよい)が100:0~20:80の範囲内でブレンドされたものがよい。
着色基材層2の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。本実施形態においては、カレンダー成形で形成することが好ましい。
また、着色基材層2には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を添加してもよい。
着色基材層2の厚さは、40μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましく、50μm以上120μm以下であることがより好ましく、55μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。これは、ケミカルリサイクルポリエチレンからなる着色基材層2の厚さが40μm以上である場合、下地となる床材等の凹凸や段差等を吸収して化粧シート1の施工仕上がりを良好にすることが可能であることに起因する。また、着色基材層2の厚さが200μm以下である場合、着色基材層2を必要以上に厚く形成することがなく、化粧シート1の製造コストを削減することが可能であることに起因する。
なお、本実施形態では、着色基材層2を構成するケミカルリサイクルされた樹脂として、ケミカルリサイクルポリエチレンについて説明したが、本発明はこれに限定させるものではない。例えば、上述したケミカルリサイクルポリエチレンに代えて、ケミカルリサイクルポリプロピレンやケミカルリサイクルポリブチレン等を用いてもよい。つまり、本実施形態においては、着色基材層2を構成するケミカルリサイクルされた樹脂として、広くケミカルリサイクルされたポリオレフィンを用いることができる。
<絵柄層>
絵柄層3は、着色基材層2の一方の面(図1では、上側の面)に積層されており、意匠性を付与するための絵柄を付加するための層である。なお、絵柄層3は、着色基材層2の着色で代用することが可能である場合には、省略も可能である。
また、絵柄層3は、印刷インキ又は塗料等を用いて形成される。絵柄層3を形成する印刷インキ又は塗料等は、例えば、染料又は顔料等の着色剤を、適当なバインダ樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散させて形成される。
絵柄層3を形成する印刷インキ又は塗料等は、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法又はロールコート法等の各種塗工法等を用いて塗布される。
バインダ樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等、又はそれらの混合物等を用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。
絵柄としては、任意の絵柄を用いることが可能であり、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字、記号、単色無地等、又はそれらの組み合わせ等を用いること可能である。また、化粧シート1の隠蔽性を向上するために、絵柄層3と着色基材層2との間に、隠蔽層を設けてもよい。隠蔽層は、例えば、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキや塗料を用いて形成する。
絵柄層3の厚さは、1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。これは、絵柄層3の厚さが1μm以上である場合、印刷を明瞭にすることが可能であることに起因する。また、絵柄層3の厚さが10μm以下である場合、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上し、且つ製造コストを抑制することが可能であることに起因する。
また、絵柄層3には、各種機能を付与するために、例えば、体質顔料、可塑剤、分散剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、硬化剤、硬化促進剤及び硬化遅延剤等の機能性添加剤を添加してもよい。
また、絵柄層3は、例えば、化粧シート1が貼りつけられる下地の色・模様を隠蔽するために、ベタ塗りされた着色基材層と、意匠性を付与するための絵柄を付加するための絵柄模様層とを有する構成としてもよい。
<接着層>
接着層4は、絵柄層3の一方の面(図1では、上側の面)に積層されており、絵柄層3と透明樹脂層5との接着に用いられる層である。
接着層4の材料としては、例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル、ポリオレフィン系等を用いることが可能である。特に透明樹脂層5との接着性からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
<透明樹脂層>
透明樹脂層5は、接着層4の一方の面(図1では、上側の面)に積層されており、上述したケミカルリサイクルポリエチレンを含む樹脂組成物で形成された透明樹脂層である。より詳しくは、透明樹脂層5は、上述したケミカルリサイクルされたエチレンを含むモノマーが重合したケミカルリサイクルポリエチレンを含む樹脂組成物で形成された樹脂層である。つまり、透明樹脂層5において、着色基材層2で用いたケミカルリサイクルポリエチレンを含む樹脂組成物を用いてもよい。また、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来のエチレンおよびα-オレフィンの少なくとも一方とを含むモノマーが重合した化石燃料由来のポリエチレンを含んでいてもよい。
透明樹脂層5は、上述したケミカルリサイクルされたエチレンを透明樹脂層5全体に対して5質量%以上、好ましくは5~95質量%、より好ましくは40~95質量%、最も好ましくは60~95%含んでなるものであってもよい。透明樹脂層5中のケミカルリサイクルされたエチレンの濃度が5質量%以上であれば、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、カーボンニュートラルな化粧シートを実現できる。
透明樹脂層5の密度は、0.92~0.99g/cm、好ましくは0.94~0.98g/cm、より好ましくは0.95~0.97g/cmの密度を有するものである。透明樹脂層5の密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。透明樹脂層5の密度が0.92g/cm以上であれば、透明樹脂層5の剛性を高めることができる。また、透明樹脂層5の密度が0.99g/cm以下であれば、透明樹脂層5の透明性や機械的強度を高めることができる。
透明樹脂層5は、30~150μm、好ましくは55~100μm、より好ましくは60~80μmの厚さを有するものである。
透明樹脂層5は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンを含んでもよい。
また、透明樹脂層5は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを、100:0~20:80の範囲内でブレントされたポリエチレンを含んでもよい。
また、透明樹脂層5は、透明樹脂層5全体のケミカルリサイクル度が10%以上90%以下の範囲内であってもよい。
透明樹脂層5の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。本実施形態においては、押出成形で形成することが好ましく、押出成形が、Tダイ法またはインフレーション法により行われることがより好ましい。
本実施形態においては、透明樹脂層5と着色基材層2が、密度およびケミカルリサイクル度(ケミカルリサイクルされたエチレン濃度)について、以下の特定の関係を満たすものであることが好ましい。
本実施形態においては、透明樹脂層5の密度d1と着色基材層2の密度d2が、d2>d1を満たすことが好ましい。透明樹脂層5として機能するためには賦形性が要求され、着色基材層2として機能するためには生産性が要求されるからである。
なお、透明樹脂層5の密度d1と着色基材層2の密度d2との比(d2/d1)が、1.1以上1.5以下の範囲内であれば好ましく、1.1以上1.3以下の範囲内であればより好ましく、1.1以上1.2以下の範囲内であればさらに好ましい。透明樹脂層と着色基材層の密度の比がこの範囲であることによって、ケミカルリサイクルポリエチレンを用いた場合であっても化粧シートとして必要な押出適正、曲げ加工適正を有することができる。
本実施形態においては、透明樹脂層5におけるケミカルリサイクルされたエチレン濃度C1と着色基材層2におけるケミカルリサイクルされたエチレン濃度C2が、C1>C2を満たすことが好ましい。透明樹脂層5として機能するためには厚みが大きくエチレン使用量が多いことから、透明樹脂層5のケミカルリサイクル度を上げることで化石燃料の使用量をより削減できるからである。
透明樹脂層5を形成するケミカルリサイクルポリエチレンには、核剤が添加されていてもよい。
核剤は、ポリエチレンの質量を基準として、500ppm以上2000ppm以下の範囲内で、ポリエチレンに添加されていれば好ましく、1500ppm以上2000ppm以下の範囲内で、ポリエチレンに添加されていればさらに好ましい。
透明樹脂層5には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上を添加してもよい。
なお、透明樹脂層5は、化粧シート1の表面(上面)から絵柄層3の絵柄を透視することが可能な程度の透明性(無色透明、有色透明、半透明)を有することが好ましい。
なお、本実施形態では、透明樹脂層5を構成するケミカルリサイクルされた樹脂として、ケミカルリサイクルポリエチレンについて説明したが、本発明はこれに限定させるものではない。例えば、上述したケミカルリサイクルポリエチレンに代えて、ケミカルリサイクルポリプロピレンやケミカルリサイクルポリブチレン等を用いてもよい。つまり、本実施形態においては、透明樹脂層5を構成するケミカルリサイクルされた樹脂として、広くケミカルリサイクルポリオレフィンを用いることができる。
<表面保護層>
表面保護層6は、透明樹脂層5の一方の面(図1では、上側の面)に積層されており、化粧シート1に対して、耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性等の機能を付与するために設けられた層である。
また、表面保護層6は、熱硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂が使用でき、例えば、アクリル系樹脂組成物を用いて形成されている。
また、表面保護層6には、必要に応じて、耐候剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等の各種添加剤等を含有させてもよい。
また、表面保護層6には、必要に応じて、抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤等を含有させてもよい。
<凹凸部>
凹凸部7は、透明樹脂層5と表面保護層6の複数箇所に設けた凹部によって形成されている。
<プライマー層>
プライマー層8は、下地となる層であって、着色基材層2と基材9との密着性・耐食性を向上させるための層である。
また、プライマー層8は、着色基材層2の他方の面(図1では、下側の面)に積層されている。
さらに、プライマー層8は、例えば、ポリエステル系樹脂、有機添加剤、顔料等を用いて形成されている。
なお、プライマー層8には、耐食性を向上させる目的で防錆顔料を配合してもよい。
プライマー層8の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下の範囲内である。
なお、上述した実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(本実施形態の効果)
本実施形態の化粧シート1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)着色基材層2及び透明樹脂層5は、それぞれ、ケミカルリサイクルされたエチレンを含むモノマーが重合したケミカルリサイクルポリエチレンを含む樹脂組成物で形成された樹脂層であり、透明樹脂層5は、ケミカルリサイクルされたエチレンを含み、0.92g/cm以上0.99g/cm以下の範囲内の密度を有し、30μm以上150μm以下の範囲内の厚さを有し、着色基材層2は、ケミカルリサイクルされたエチレンを含み、0.92g/cm以上1.12g/cm以下の範囲内の密度を有し、40μm以上200μm以下の範囲内の厚さを有している。
このため、リサイクルされたポリエチレンを用いた構成であっても、例えば、石油由来のポリエチレン等を用いて形成した構成と同等である高い硬度を有する着色基材層2及び透明樹脂層5を形成することが可能となる。
その結果、ケミカルリサイクルポリエチレンを用いて形成した場合であっても、表面硬度の低下を抑制することが可能な化粧シート1を提供することが可能となる。
また、ケミカルリサイクルポリエチレンを用いた構成であっても、例えば、石油由来のポリエチレン等を用いて形成した構成と同等である高い透明度を有する透明樹脂層5を形成することが可能となる。
(2)透明樹脂層5及び着色基材層2の少なくとも一方の層は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを含んでいる。
その結果、さらに柔軟性を有する透明樹脂層5及び着色基材層2を形成することが可能となる。
(3)透明樹脂層5は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを、100:0~20:80の範囲内でブレントされたポリエチレンを含んでいる。
その結果、さらに高い硬度を有する透明樹脂層5を形成することが可能となる。
(4)着色基材層2は、ケミカルリサイクルポリエチレンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含み、且つ、ケミカルリサイクル度が10%以上90%以下の範囲内である。
その結果、製膜安定性が良く、化粧シートとして十分な柔らかさを有する着色基材層2を形成することが可能となる。
(5)透明樹脂層5の密度をd1とし、着色基材層2の密度をd2とした場合、d2>d1を満たす。
その結果、十分な押出適正を有する化粧シート1を形成することが可能となる。
また、本実施形態の化粧材10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(6)基材9と、基材9の少なくとも一方の面に積層された化粧シート1とを備える。
その結果、リサイクルされたポリエチレンを用いて形成した場合であっても、表面硬度の低下を抑制することが可能であり、且つ表面の透明性を高めることが可能な化粧材10を提供することが可能となる。
<変形例>
(1)実施形態では、化粧材10の構成を、基材9の一方の面に積層された化粧シート1を備える構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、化粧材10の構成を、基材9の一方の面に加え、基材9の他方の面(図1では、下側の面)に積層された化粧シート1を備える構成としてもよい。
[実施例]
本実施形態を参照しつつ、以下、実施例1から9の化粧材と、比較例1から8の化粧材と、参考例1の化粧材とについて説明する。
(実施例1)
基材の一方の面にコロナ放電処理を施した後、基材の一方の面に、ウレタン系印刷インキで印刷された絵柄層と、ウレタン系接着剤層と、透明接着性樹脂層と、透明樹脂層と、アクリル系樹脂組成物を主成分とする表面保護層とをこの順に積層した。また、基材の他方の面にコロナ放電処理を施した後、ポリエステルウレタン樹脂からなるプライマー層(厚さ:1~2μm)を形成した。こうして、実施例1の化粧シート(総厚:135μm)を得た。
実施例1では、基材として、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとを含む樹脂組成物で形成された着色基材層(厚さ:55μm)を用いた。この樹脂組成物をカレンダー成形することで着色基材層を得た。こうして形成された着色基材層のケミカルリサイクル度は80%であり、着色基材層の密度は1.08g/cmである。なお、本実施例では、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比調整や着色剤等を用いて、着色基材層の密度が1.08g/cmとなるように調整した。
透明樹脂層には、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとを含む樹脂組成物で形成された樹脂層(厚さ:70μm)を用いた。この樹脂組成物をルーダーラミネートすることで透明樹脂層を得た。こうして形成された透明樹脂層のケミカルリサイクル度は94%であり、透明樹脂層の密度は0.96g/cmである。なお、本実施例では、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比を、透明樹脂層の密度が0.96g/cmとなるように調整した。
(実施例2)
透明樹脂層の密度が0.92g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比を調整した以外は実施例1と同様にして、実施例2の化粧シートを得た。なお、こうして形成された透明樹脂層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(実施例3)
透明樹脂層の密度が0.99g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比を調整した以外は実施例1と同様にして、実施例3の化粧シートを得た。なお、こうして形成された透明樹脂層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(実施例4)
透明樹脂層の密度が0.92g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比を調整し、着色基材層の密度が0.92g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比調整や着色剤等を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の化粧シートを得た。なお、こうして形成された着色基材層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(実施例5)
着色基材層の密度が1.12g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比調整や着色剤等を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の化粧シートを得た。なお、こうして形成された着色基材層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(実施例6)
透明樹脂層の厚さを30μmとした以外は実施例1と同様にして、実施例6の化粧シートを得た。
(実施例7)
透明樹脂層の厚さを150μmとした以外は実施例1と同様にして、実施例7の化粧シートを得た。
(実施例8)
着色基材層の厚さを40μmとした以外は実施例1と同様にして、実施例8の化粧シートを得た。
(実施例9)
着色基材層の厚さを200μmとした以外は実施例1と同様にして、実施例9の化粧シートを得た。
(比較例1)
透明樹脂層の密度が1.01g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比を調整した以外は実施例1と同様にして、比較例1の化粧シートを得た。なお、こうして形成された透明樹脂層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(比較例2)
透明樹脂層の密度が0.91g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比を調整した以外は実施例1と同様にして、比較例2の化粧シートを得た。なお、こうして形成された透明樹脂層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(比較例3)
着色基材層の密度が1.15g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比調整や着色剤等を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の化粧シートを得た。なお、こうして形成された着色基材層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(比較例4)
着色基材層の密度が0.91g/cmになるように、ケミカルリサイクルされた高密度ポリエチレンとケミカルリサイクルされた低密度ポリエチレンとの含有量比調整や着色剤等を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の化粧シートを得た。なお、こうして形成された着色基材層のケミカルリサイクル度は94%であった。
(比較例5)
透明樹脂層の厚さを20μmとした以外は実施例1と同様にして、比較例5の化粧シートを得た。
(比較例6)
透明樹脂層の厚さを200μmとした以外は実施例1と同様にして、比較例6の化粧シートを得た。
(比較例7)
着色基材層の厚さを30μmとした以外は実施例1と同様にして、比較例7の化粧シートを得た。
(比較例8)
着色基材層の厚さを250μmとした以外は実施例1と同様にして、比較例8の化粧シートを得た。
(参考例1)
透明樹脂層を、現行品である石油由来のホモポリプロピレン樹脂を使用してルーダーラミネートすることで形成した以外は実施例1と同様にして、参考例1の化粧シートを得た。
(性能評価、評価結果)
実施例1から9の化粧シートと、比較例1から8の化粧シートと、参考例1の化粧シートとに対し、それぞれ、「透明樹脂層のヘイズ(%)」、「鉛筆硬度」、「ホフマンスクラッチ試験」、「押出適正」、「折り曲げ白化」を評価した。評価方法としては、以下に記載した方法を用いた。
<透明樹脂層のヘイズ(%)>
透明樹脂層のヘイズ(%)は、紫外可視近赤外分光光度計(メーカー:島津製作所 型番:UV-3600)を用いて測定した。
各実施例・比較例の透明樹脂層と同じ組成の樹脂を、厚さを70μm以上80μm以下の範囲内で押し出し、樹脂フィルムを得た。波長が555nmのヘイズを分光光度計(積分球)により測定して、ヘイズを評価した。そして、ヘイズが15%未満である場合を「◎」(合格)と評価し、ヘイズが15%以上25%未満の範囲内である場合を「○」(合格)と評価し、ヘイズが25%以上である場合を「×」(不合格)と評価した。
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度は、鉛筆硬度試験機(自動)(メーカー:吉満精機 型番:C221A)で測定した。
各実施例・比較例の化粧シートを含む化粧材に対し、硬度の異なる鉛筆を用いて鉛筆硬度試験を実施した後に、表面(表面保護層)に発生した損傷(抉れ)を確認して、表面硬度を評価した。そして、硬度が2B以上の鉛筆を用いて鉛筆硬度試験を実施した後に、表面に損傷が発生した場合を「◎」(合格)と評価し、硬度が4B以上の鉛筆を用いて鉛筆硬度試験を実施した後に、表面に損傷が発生した場合を「○」(合格)と評価した。これに加え、硬度が5B以下の鉛筆を用いて鉛筆硬度試験を実施した後に、表面に損傷が発生した場合を「×」(不合格)と評価した。
<ホフマンスクラッチ試験>
ホフマンスクラッチ試験は、化粧シート表面に対して45度の角度で接するようにスクラッチ刃(Φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧シート上で移動させて行った。
200~2000g荷重の範囲内で徐々に(200g刻みで)荷重(錘)を高めて引っかき、サンプル表面に傷がついた荷重(g)で評価した。なお、荷重800gで傷が付いた場合には、「600g」を耐荷重として表に記載した。
なお、本実施例では、耐荷重が「200g」の場合を不合格とした。
<押出適正>
透明樹脂層を押出成形し、その生産適正(押出適正)を確認した。
その結果、問題なく製造(成形)できるようであれば、「〇」(合格)と評価した。一方、不良が出る可能性があるものを「△」(合格)と評価した。また、不良が出る可能性が高いものを「×」(不合格)と評価した。
<折り曲げ白化>
MDFに貼り合わせた化粧シート(即ち化粧材)を用いてVカット加工適性(折り曲げ白化の有無)を確認した。
その結果、白化が生じなかったものを「〇」(合格)と評価し、少し白化が生じてしまったものを「△」(合格)と評価し、白化が生じしてしまったものを「×」(不合格)と評価した。
Figure 2023158777000002
上述した方法を用いて、各種の性能を評価した結果、実施例1から9の化粧シートは、全ての評価試験に対して、参考例1の化粧シート(透明樹脂層が現行品)と同等の優れた性能を示した。一方、比較例1から8の化粧シートは、少なくとも一部の評価試験において不十分な性能を示した。
また、例えば、本発明は以下のような構成を取ることができる。
(1)
着色熱可塑性樹脂層と、接着層と、透明熱可塑性樹脂層とをこの順に備え、
前記着色熱可塑性樹脂層及び前記透明熱可塑性樹脂層は、それぞれ、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合したポリオレフィンであるケミカルリサイクルポリオレフィンを含む樹脂組成物で形成された樹脂層であり、
前記透明熱可塑性樹脂層は、前記オレフィンを含み、0.92g/cm以上0.99g/cm以下の範囲内の密度を有し、30μm以上150μm以下の範囲内の厚さを有し、
前記着色熱可塑性樹脂層は、前記オレフィンを含み、0.92g/cm以上1.12g/cm以下の範囲内の密度を有し、40μm以上200μm以下の範囲内の厚さを有することを特徴とする化粧シート。
(2)
前記透明熱可塑性樹脂層及び前記着色熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の層は、前記ケミカルリサイクルポリオレフィンとして、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した高密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した低密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを含むことを特徴とする上記(1)に記載の化粧シート。
(3)
前記透明熱可塑性樹脂層は、前記ケミカルリサイクルポリオレフィンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを、100:0~20:80の範囲内でブレントされたポリエチレンを含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の化粧シート。
(4)
前記着色熱可塑性樹脂層は、前記ケミカルリサイクルポリオレフィンとして、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した高密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含み、且つ、ケミカルリサイクル度が10%以上90%以下の範囲内であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の化粧シート。
(5)
前記透明熱可塑性樹脂層の密度をd1とし、前記着色熱可塑性樹脂層の密度をd2とした場合、d2>d1を満たすことを特徴とする上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の化粧シート。
(6)
基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に積層された上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の化粧シートと、を備えることを特徴とする化粧材。
1…化粧シート、2…着色基材層、3…絵柄層、4…接着層、5…透明樹脂層、6…表面保護層、7…凹凸部、8…プライマー層、9…基材、10…化粧材

Claims (6)

  1. 着色熱可塑性樹脂層と、接着層と、透明熱可塑性樹脂層とをこの順に備え、
    前記着色熱可塑性樹脂層及び前記透明熱可塑性樹脂層は、それぞれ、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合したポリオレフィンであるケミカルリサイクルポリオレフィンを含む樹脂組成物で形成された樹脂層であり、
    前記透明熱可塑性樹脂層は、前記オレフィンを含み、0.92g/cm以上0.99g/cm以下の範囲内の密度を有し、30μm以上150μm以下の範囲内の厚さを有し、
    前記着色熱可塑性樹脂層は、前記オレフィンを含み、0.92g/cm以上1.12g/cm以下の範囲内の密度を有し、40μm以上200μm以下の範囲内の厚さを有することを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明熱可塑性樹脂層及び前記着色熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の層は、前記ケミカルリサイクルポリオレフィンとして、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した高密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した低密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記透明熱可塑性樹脂層は、前記ケミカルリサイクルポリオレフィンとして、ケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、ケミカルリサイクル低密度ポリエチレンとを、100:0~20:80の範囲内でブレントされたポリエチレンを含むことを特徴とする請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記着色熱可塑性樹脂層は、前記ケミカルリサイクルポリオレフィンとして、ケミカルリサイクルされたオレフィンを含むモノマーが重合した高密度ポリエチレンであるケミカルリサイクル高密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含み、且つ、ケミカルリサイクル度が10%以上90%以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の化粧シート。
  5. 前記透明熱可塑性樹脂層の密度をd1とし、前記着色熱可塑性樹脂層の密度をd2とした場合、d2>d1を満たすことを特徴とする請求項4に記載の化粧シート。
  6. 基材と、
    前記基材の少なくとも一方の面に積層された請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シートと、を備えることを特徴とする化粧材。
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