JP2023157102A - 発振器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の寸法、形状や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造する製造方法を提供すること。【解決手段】発振器の製造方法は、第1の発振器および第2の発振器を含む複数種類の発振器の製造方法であって、振動素子と、振動素子と電気的に接続される発振回路と、発振回路の特性設定情報が記憶される記憶回路と、を含む振動デバイスを準備することと、振動デバイスを第1の容器に収容して第1の発振器を製造することと、振動デバイスを第1の容器とは異なる種類の第2の容器に収容して第2の発振器を製造することと、記憶回路に特性設定情報を設定することと、を含み、第1の容器に収容した振動デバイス、および第2の容器に収容した振動デバイスは、同一種類の振動デバイスである。【選択図】図9

Description

本発明は、発振器の製造方法に関する。
特許文献1には、水晶振動片とICチップとがセラミックパッケージに収容され、当該水晶振動片が、セラミックパッケージ内に接着剤で固定されたマウント台に固定された水晶発振器が記載されている。特許文献1に記載の水晶発振器によれば、マウント台をパッケージ内に固定する位置を変えることにより、大きさの異なる複数種類の水晶振動片及びICチップを共通のパッケージに収容することができるので、水晶振動片及びICチップのサイズに関する設計自由度を向上させることができる。
特開2009-232150号公報
特許文献1に記載の方法は、共通のパッケージ、すなわち、共通の容器を用いて複数種類の発振器を製造するものであり、容器の種類や、発振器の出力特性、例えば発振周波数など、が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造するためには改善の余地がある。
発振器の製造方法は、第1の発振器および第2の発振器を含む複数種類の発振器の製造方法であって、振動素子と、第1基板と、前記第1基板との間で前記振動素子を挟むように配置される第2基板と、前記振動素子と電気的に接続される発振回路と、前記発振回路の特性設定情報が記憶される記憶回路と、を含み、前記第1基板および前記第2基板のそれぞれは、半導体基板、水晶基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板である、振動デバイスを準備することと、前記振動デバイスを第1の容器に収容して前記第1の発振器を製造することと、前記振動デバイスを前記第1の容器とは異なる種類の第2の容器に収容して前記第2の発振器を製造することと、前記記憶回路に前記特性設定情報を設定することと、を含み、前記第1の容器に収容した前記振動デバイス、および前記第2の容器に収容した前記振動デバイスは、同一種類の振動デバイスである。
実施形態1に係る発振器群の構成を示す図。 実施形態1に係る第1の発振器の断面図。 第1の容器の平面図。 振動デバイスの断面図。 振動デバイスの平面図。 振動デバイスの機能ブロック図。 実施形態1に係る第2の発振器の断面図。 第2の容器の平面図。 実施形態1に係る発振器の製造方法の一例を示すフローチャート。 図9中の工程S1の一例を示すフローチャート。 図10中の工程S15におけるウエハの断面図。 図9中の工程S4の一例を示すフローチャート。 図9中の工程S7の一例を示すフローチャート。 実施形態2に係る振動デバイスの断面図。 第3基板の平面図。 振動デバイスの平面図。 図9中の工程S1の一例を示すフローチャート。 図17中の工程S84におけるウエハの断面図。 実施形態3に係る振動デバイスの機能ブロック図。 実施形態4に係る第1の発振器の断面図。 第1の容器の平面図。 実施形態4に係る第2の発振器の断面図。 第2の容器の平面図。
次に、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
説明の便宜上、図2~図5、図7、図8、図11、図14~図16、図18、および図20~図23には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸方向の矢印先端側を「プラス側」、矢印基端側を「マイナス側」とも言う。例えば、Y方向とは、Y方向プラス側とY方向マイナス側との両方の方向を言う。また、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向からの平面視を、単に「平面視」とも言う。
また、説明の便宜上、図3では、蓋体12を取り外した第1の容器8を図示している。図8では、蓋体12aを取り外した第2の容器9を図示している。図21では、モールド部122を取り外した第1の容器8dを図示している。図23では、モールド部122aを取り外した第2の容器9dを図示している。図3、図8、図21、および図23では、接続電極31,32,33,34を破線で図示している。また、説明の便宜上、図5では、第2基板53の上面を透視して振動デバイス5を図示している。
1.実施形態1
実施形態1に係る発振器群1について、図1を参照して説明する。
発振器群1は、それぞれ、振動デバイスが容器に収容された複数の発振器により構成される。この複数の発振器には、第1の発振器2と、第2の発振器3と、が含まれる。
第1の発振器2は、振動デバイス5と、振動デバイス5を収容する第1の容器8と、を有する。第2の発振器3は、振動デバイス5と、振動デバイス5を収容する第2の容器9と、を有する。
第1の容器8に収容される振動デバイス5、および第2の容器9に収容される振動デバイス5は、同一種類の振動デバイスである。詳細には、第1の容器8に収容される振動デバイス5、および第2の容器9に収容される振動デバイス5は、製造誤差を無視すると、それぞれの振動デバイス5の寸法、形状や、振動デバイス5が有する接続電極の寸法、形状、位置、数などが同じである。振動デバイス5が有する接続電極は、第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する内部電極と電気的に接続される。振動デバイス5が有する接続電極と、第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する内部電極と、については、後述する。
第1の容器8と、第2の容器9と、はそれぞれ異なる種類の容器である。詳細には、第1の容器8と、第2の容器9と、は、製造誤差を無視すると、それぞれの容器自体の寸法、形状や、第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する外部電極の寸法、形状、位置、数など、のうち少なくとも1つが互いに異なる。第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する外部電極は、第1の発振器2および第2の発振器3を顧客が顧客基板に実装するときに、顧客基板と電気的に接続される。第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する外部電極は、第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する内部電極と電気的に接続される。第1の容器8および第2の容器9がそれぞれ有する外部電極については、後述する。
このように、発振器群1は、同一種類の振動デバイス5がそれぞれ異なる種類の容器8,9に収容されている第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器により構成される。
第1の発振器2について、図2~図6を参照して説明する。
図2に示すように、第1の発振器2は、振動デバイス5と、振動デバイス5を収容する第1の容器8と、を有する。
本実施形態では、第1の容器8は、容器本体11と、蓋体12と、を有する。
図2および図3に示すように、容器本体11は、凹部13を有する箱状である。容器本体11は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、容器本体11は、セラミック基板である。ただし、容器本体11は、セラミック基板に限らず、例えば、半導体基板やプリント基板などであっても構わない。
凹部13は、容器本体11の上面に開口を有する。凹部13は、平面視で、矩形状である。
凹部13の底面には、複数の内部電極が配置される。詳細には、凹部13の底面には、4つの内部電極16,17,18,19が配置される。
容器本体11の下面には、複数の外部電極が配置される。詳細には、容器本体11の下面には、4つの外部電極21,22,23,24が配置される。
外部電極21,22,23,24と、内部電極16,17,18,19と、はそれぞれ貫通電極25を介して電気的に接続される。貫通電極25は、容器本体11の下面と凹部13の底面との間を貫通する電極である。
蓋体12は、平板状である。蓋体12は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、蓋体12は、コバールなどの金属により形成される。ただし、蓋体12は、金属に限らず、例えば、ガラス基板やセラミック基板などであっても構わない。
蓋体12の下面は、図示しない接合部材を介して、容器本体11の上面に接合される。蓋体12は、凹部13の開口を塞ぐように、容器本体11に接合される。これにより、蓋体12と容器本体11との間に、振動デバイス5が収容される収容空間27が形成される。収容空間27は、蓋体12と容器本体11とにより気密に封止される。収容空間27は、減圧状態である。収容空間27を減圧状態とすることにより、第1の容器8の外部と振動デバイス5との間の熱伝導を低減することができる。ただし、収容空間27は減圧状態でなくても構わない。
図2、図4、および図5に示すように、振動デバイス5は、複数の接続電極を有する。詳細には、振動デバイス5は、4つの接続電極31,32,33,34を有する。接続電極31,32,33,34は、振動デバイス5の下面に配置される。
接続電極31,32,33,34と、凹部13の底面に配置される内部電極16,17,18,19と、はそれぞれ導電性の接合部材35を介して機械的および電気的に接続される。接合部材35は、例えば、半田や、金や銅などにより形成される金属バンプである。
振動デバイス5は、振動素子51と、第1基板52と、第2基板53と、回路素子54と、を有する。第2基板53は、第1基板52と第2基板53との間で振動素子51を挟むように配置される。第2基板53と、振動素子51と、第1基板52と、回路素子54と、は下方に向かって、この順で配置される。このように配置されることにより、第2基板53の上面が、振動デバイス5の上面となり、回路素子54の下面が、振動デバイス5の下面となる。
振動素子51は、平板状の振動片57と、図示しない一対の励振電極と、を有する。一対の励振電極は、振動片57の上面および下面にそれぞれ配置される。
振動片57は、水晶基板により形成される。詳細には、振動片57は、ATカット水晶基板により形成される。一対の励振電極に駆動信号を印加することにより、一対の励振電極に挟まれた振動片57に厚みすべり振動を励振することができる。
なお、振動素子51は、上述した構成に限定されない。例えば、振動素子51は、厚みすべり振動する平板状の振動素子51に限定されない。例えば、振動素子51は、複数の振動腕が面内方向に屈曲振動する振動素子であっても構わないし、複数の振動腕が面外方向に屈曲振動する振動素子であっても構わない。また、例えば、振動素子51が有する振動片57は、Xカット水晶基板、Yカット水晶基板、Zカット水晶基板、BTカット水晶基板、SCカット水晶基板、STカット水晶基板などにより形成されても構わない。また、例えば、振動素子51は、水晶以外の圧電体を用いる振動素子であっても構わない。また、例えば、振動素子51は、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコンなどの半導体基板に圧電素子を配置したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子などであっても構わない。
第1基板52は、振動デバイス5のベース基板である。第1基板52は、平板状である。第1基板52は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、第1基板52は、シリコンなどの半導体で形成される半導体基板である。ただし、第1基板52は、半導体基板に限らず、水晶基板やガラス基板であっても構わない。
第1基板52の上面には、一対のマウント電極58が配置される。マウント電極58は、導電性の接合部材61を介して、振動素子51と機械的および電気的に接続される。詳細には、一対のマウント電極58のうち一方は、振動片57の一方面に配置される励振電極に電気的に接続され、一対のマウント電極58のうち他方は、振動片57の他方面に配置される励振電極に電気的に接続される。
接合部材61は、金や銅により形成される金属バンプである。
第1基板52の下面には、回路素子54が配置される。
振動デバイス5の下面、すなわち、回路素子54の下面には、接続電極31,32,33,34が配置される。
回路素子54は、IC(Integrated Circuit)である。回路素子54は、第1基板52の下面に配置される。本実施形態では、回路素子54は、周知の半導体素子製造技術により、半導体基板である第1基板52の下面に回路層として形成される。
回路素子54は、図示しない複数の電極パッドを有する。詳細には、回路素子54は、6つの電極パッドを有する。6つの電極パッドは、グランド電圧GNDに電気的に接続される電極パッドVSSと、電源電圧に電気的に接続される電極パッドVDDと、振動素子51を発振させることにより生成される周波数信号を出力する電極パッドOUTと、電極パッドOUTからの出力を制御する制御信号が入力される電極パッドOEと、振動素子51を励振するための駆動信号を出力する一対の電極パッドXI,XOと、である。
電極パッドVSSと、電極パッドVDDと、電極パッドOUTと、電極パッドOEと、は、回路素子54の内部に形成される図示しない配線を介して、それぞれ接続電極31,32,33,34と電気的に接続される。
一対の電極パッドXI,XOは、貫通電極62を介して、一対のマウント電極58の一方および他方とそれぞれ電気的に接続される。貫通電極62は、第1基板52の上面と下面との間を貫通する電極である。
電極パッドXI,XOは、貫通電極62、マウント電極58、および接合部材61を介して、振動片57の上面および下面に配置される励振電極と、電気的に接続される。
なお、本実施形態では、回路素子54は、第1基板52の下面に配置されているが、回路素子54は、第1基板52の上面に配置されても構わない。
第2基板53は、振動デバイス5の蓋体である。第2基板53は、凹部63を有する箱状である。第2基板53は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、第2基板53は、シリコンなどの半導体で形成される半導体基板である。ただし、第2基板53は、半導体基板に限らず、水晶基板やガラス基板であっても構わない。
凹部63は、第2基板53の下面に開口を有する。凹部63は、平面視で、矩形状である。
第2基板53の下面は、第1基板52の上面と接合される。凹部63の開口は、第1基板52により塞がれて、第1基板52と第2基板53との間にキャビティー65が形成される。
キャビティー65は、振動素子51が収容される収容空間である。第1基板52と第2基板53とが接合されたとき、振動素子51は、凹部63に囲まれるように、すなわち、キャビティー65に収容されるように第1基板52の上面に配置される。
キャビティー65は、第1基板52と第2基板53とにより気密に封止される。キャビティー65は、減圧状態である。キャビティー65を、減圧状態とすることにより、振動素子51の振動特性を高めることができる。ただし、キャビティー65は、減圧状態でなくても構わない。
本実施形態では、第2基板53と第1基板52とは、表面活性化接合により接合される。詳細には、第2基板53の下面と第1基板52の上面とに高速原子ビームを照射し、第2基板53の下面と第1基板52の上面とを活性化させた後に、第2基板53の下面と第1基板52の上面とを接触させる。これにより、第2基板53の下面と第1基板52の上面とが接合される。ただし、第2基板53と第1基板52との接合は、表面活性化接合に限らず、表面活性化接合以外の周知の接合方法を用いても構わない。
図6に示すように、振動デバイス5は、振動素子51と、回路素子54と、を有する。
上述したように、電極パッドVSSと、電極パッドVDDと、電極パッドOUTと、電極パッドOEと、は、それぞれ接続電極31,32,33,34と電気的に接続される。電極パッドXI,XOは、振動素子51と電気的に接続される。
回路素子54は、記憶回路71と、ロジック回路72と、バイアス回路73と、発振回路74と、を有する。なお、回路素子54は、これらの要素の一部を省略または変更し、あるいは他の要素を追加した構成としても構わない。
記憶回路71には、発振回路74の特性設定情報を含む各種の情報が記憶される。記憶回路71に特性設定情報が記憶されることにより、記憶回路71に特性設定情報が設定される。
発振回路74の特性設定情報とは、発振回路74の出力特性を設定する情報である。発振回路74の出力特性とは、発振回路74が生成する発振信号の特性であり、例えば、発振回路74が生成する発振信号の周波数や、発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性などである。なお、発振回路74が生成する発振信号の周波数を、出力周波数とも言う。
記憶回路71は、不揮発性メモリーであり、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。
ロジック回路72は、各回路の動作を制御する。
本実施形態では、ロジック回路72は、記憶回路71に設定される発振回路74の特性設定情報を、記憶回路71から読み出す。そして、ロジック回路72は、記憶回路71から読み出した特性設定情報を、適宜、各回路に供給する。各回路は、ロジック回路72から供給された特性設定情報に基づき、動作する。このようにして、ロジック回路72は、発振回路74の特性設定情報に基づき、所定の出力特性を有する発振信号を発振回路74に生成させることができる。
バイアス回路73は、接続電極32および電極パッドVDDを介して振動デバイス5の外部から供給される電源電圧と、接続電極31および電極パッドVSSを介して振動デバイス5の外部から供給されるグランド電圧GNDと、に基づいて一定の基準電圧VRGを生成し、各回路に供給する。なお、バイアス回路73は、各種の基準電圧を生成し、適宜、各回路に供給しても構わない。
発振回路74は、振動素子51と電気的に接続され、振動素子51を発振させる。そして、発振回路74は、振動素子51の発振周波数に基づき、発振信号を生成する。発振回路74により生成された発振信号は、電極パッドOUTおよび接続電極33を介して、振動デバイス5の外部に出力される。
本実施形態では、接続電極33は、接合部材35、内部電極18、および貫通電極25を介して、外部電極23に電気的に接続している。そのため、第1の発振器2が有する振動デバイス5の発振回路74により生成された発振信号は、第1の発振器2の発振信号として外部電極23から出力される。つまり、第1の発振器2が有する振動デバイス5の発振回路74の出力特性は、第1の発振器2の出力特性と同じである。したがって、第1の発振器2が有する振動デバイス5の発振回路74の出力特性は、適宜、第1の発振器2の出力特性と読み換えても構わない。
本実施形態では、記憶回路71に設定される発振回路74の特性設定情報は、発振回路74が生成する発振信号の周波数を設定する情報である。詳細には、後述するように、記憶回路71に設定される発振回路74の特性設定情報は、発振回路74が有する分周器の分周比である。発振回路74が有する分周器の分周比を設定することにより、発振回路74が生成する発振信号の周波数が設定される。
つまり、発振回路74が生成する発振信号の周波数は、発振回路74の出力特性の一例である。分周器の分周比は、発振回路74の特性設定情報の一例であり、詳細には、発振回路74が生成する発振信号の周波数を設定する特性設定情報である。
本実施形態では、発振回路74は、発振用回路76と、PLL回路(位相同期回路)77とを有する。
発振用回路76は、電極パッドXI,XOを介して振動素子51と電気的に接続され、振動素子51を発振させる。そして、発振用回路76は、振動素子51を発振させることにより、発振信号VOSを生成する。
PLL回路77は、発振信号VOSを基準信号として、この基準信号に同期した発振信号VPLを生成する回路である。
本実施形態では、PLL回路77が生成する発振信号VPLが、発振回路74が生成する発振信号となる。
PLL回路77は、位相比較器と、ローパスフィルターと、電圧制御型発振器と、分周器と、を有する。このようなPLL回路77は、周知の構成である。そのため、位相比較器、ローパスフィルター、電圧制御型発振器、および分周器の図示や説明は省略する。
PLL回路77が生成する発振信号VPLの周波数は、発振信号VOSの周波数を、PLL回路77が有する分周器の分周比に応じた倍率で演算した周波数となる。
つまり、PLL回路77が有する分周器の分周比を設定することにより、発振回路74が生成する発振信号としての発振信号VPLの周波数、すなわち出力周波数を設定することができる。
本実施形態では、後述するように、第1の発振器2の製造工程において、PLL回路77(発振回路74)が有する分周器の分周比DPLが、特性設定情報として、記憶回路71に記憶される。
ロジック回路72は、記憶回路71に記憶される分周器の分周比DPLを、記憶回路71から読み出し、PLL回路77に供給する。PLL回路77が有する分周器は、発振信号VOSの周波数を分周比DPLで分周する。このようにして、発振回路74が生成する発振信号としての発振信号VPLの周波数は、発振信号VOSの周波数を分周器の分周比DPLに応じた倍率で演算した周波数となる。
なお、PLL回路77の構成は、特に限定されない。例えば、PLL回路77は、インテジャーN型PLL回路であっても構わないし、フラクショナルN型PLL回路であっても構わない。また、PLL回路77は、インテジャーN型PLL回路とフラクショナルN型PLL回路との両方を備えていても構わない。
ここまで、第1の発振器2について、説明した。
次に、第2の発振器3について、図6、図7、および図8を参照して説明する。
上述したように、発振器群1は、同一種類の振動デバイス5がそれぞれ異なる種類の容器8,9に収容されている第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器により構成される。換言すると、第2の発振器3は、第1の発振器2と比べ、振動デバイス5が収容される第2の容器9が、第1の容器8とは異なる種類であること以外は、同一である。
そこで、まず、第2の容器9について図7および図8を参照して説明し、次に、第2の容器9に収容される振動デバイス5について図6を参照して説明する。
図7に示すように、第2の発振器3は、振動デバイス5と、振動デバイス5を収容する第2の容器9と、を有する。
本実施形態では、第2の容器9は、容器本体11aと、蓋体12aと、を有する。
第2の容器9は、第1の容器8とは異なる種類の容器である。本実施形態では、第2の容器9は、第1の容器8とは形状が異なる。詳細には、平面視で、第2の容器9のX方向およびY方向の寸法は、それぞれ第1の容器8のX方向およびY方向の寸法よりも大きく、X方向またはY方向から見た側面視で、第2の容器9のZ方向の寸法は、第1の容器8のZ方向の寸法と同じである。
図7および図8に示すように、容器本体11aは、凹部13aを有する箱状である。容器本体11aは、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、容器本体11aは、セラミック基板である。ただし、容器本体11aは、セラミック基板に限らず、例えば、半導体基板やプリント基板などであっても構わない。
凹部13aは、容器本体11aの上面に開口を有する。凹部13aは、平面視で、矩形状である。
凹部13aの底面には、複数の内部電極が配置される。詳細には、凹部13aの底面には、4つの内部電極16a,17a,18a,19aが配置される。
容器本体11aの下面には、複数の外部電極が配置される。詳細には、容器本体11aの下面には、4つの外部電極21a,22a,23a,24aが配置される。
外部電極21a,22a,23a,24aと、内部電極16a,17a,18a,19aと、はそれぞれ貫通電極25aを介して電気的に接続される。貫通電極25aは、容器本体11aの下面と凹部13aの底面との間を貫通する電極である。
蓋体12aは、平板状である。蓋体12aは、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、蓋体12aは、コバールなどの金属により形成される。ただし、蓋体12aは、金属に限らず、例えば、ガラス基板やセラミック基板などであっても構わない。
蓋体12aの下面は、図示しない接合部材を介して、容器本体11aの上面に接合される。蓋体12aは、凹部13aの開口を塞ぐように、容器本体11aに接合される。これにより、蓋体12aと容器本体11aとの間に、振動デバイス5が収容される収容空間27aが形成される。収容空間27aは、蓋体12aと容器本体11aとにより気密に封止される。収容空間27aは、減圧状態である。収容空間27aを減圧状態とすることにより、第2の容器9の外部と振動デバイス5との間の熱伝導を低減することができる。ただし、収容空間27aは減圧状態でなくても構わない。
振動デバイス5が有する接続電極31,32,33,34と、凹部13aの底面に配置される内部電極16a,17a,18a,19aと、はそれぞれ導電性の接合部材35を介して機械的および電気的に接続される。
本実施形態では、接続電極33は、接合部材35、内部電極18a、および貫通電極25aを介して、外部電極23aに電気的に接続している。そのため、第2の発振器3が有する振動デバイス5の発振回路74により生成された発振信号は、第2の発振器3の発振信号として外部電極23aから出力される。つまり、第2の発振器3が有する振動デバイス5の発振回路74の出力特性は、第2の発振器3の出力特性と同じである。したがって、第2の発振器3が有する振動デバイス5の発振回路74の出力特性は、適宜、第2の発振器3の出力特性と読み換えても構わない。
図6に示すように、第2の発振器3が有する振動デバイス5は、第1の発振器2が有する振動デバイス5と同一種類である。第2の発振器3が有する振動デバイス5は、回路素子54を有する。回路素子54は、記憶回路71と、ロジック回路72と、バイアス回路73と、発振回路74と、を有する。発振回路74は、発振用回路76と、PLL回路77とを有する。PLL回路77は、位相比較器と、ローパスフィルターと、電圧制御型発振器と、分周器と、を有する。
本実施形態では、後述するように、第2の発振器3の製造工程において、発振回路74が有する分周器の分周比DPLが、特性設定情報として、記憶回路71に記憶される。
ロジック回路72は、記憶回路71に記憶される分周器の分周比DPLを、記憶回路71から読み出し、PLL回路77に供給する。PLL回路77が有する分周器は、発振信号VOSの周波数を分周比DPLで分周する。このようにして、発振回路74が生成する発振信号としての発振信号VPLの周波数は、発振信号VOSの周波数を分周器の分周比DPLに応じた倍率で演算した周波数となる。
なお、第2の発振器3が有する振動デバイス5の記憶回路71に記憶される特性設定情報と、第1の発振器2が有する振動デバイス5の記憶回路71に記憶される特性設定情報と、は同じであっても構わないし、異なっていても構わない。本実施形態では、第2の発振器3における記憶回路71に記憶される分周比DPLと、第1の発振器2における記憶回路71に記憶される分周比DPLと、をそれぞれ異ならせることにより、第2の発振器3が有する振動デバイス5の発振回路74が生成する発振信号の周波数と、第1の発振器2が有する振動デバイス5の発振回路74が生成する発振信号の周波数と、をそれぞれ異なる周波数とすることができる。
つまり、第2の発振器3が有する振動デバイス5の記憶回路71に記憶される特性設定情報と、第1の発振器2が有する振動デバイス5の記憶回路71に記憶される特性設定情報と、を異ならせることにより、第2の発振器3が有する振動デバイス5の発振回路74の出力特性と、第1の発振器2が有する振動デバイス5の発振回路74の出力特性と、を異ならせることができる。
ここまで述べてきたように、発振器群1は、同一種類の振動デバイス5がそれぞれ異なる種類の容器8,9に収容されている第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器により構成される。つまり、第1の発振器2と、第2の発振器3と、は振動デバイス5を共通化することができるので、振動素子51や回路素子54などを第1の発振器2および第2の発振器3のそれぞれに応じて個別に開発および製造することが不要となる。
また、振動デバイス5は記憶回路71を有し、記憶回路71には発振回路74の特性設定情報が記憶される。記憶回路71に記憶される発振回路74の特性設定情報を変更することにより、発振回路74の出力特性を容易に変更することができるので、例えば、第1の発振器2および第2の発振器3のそれぞれの仕様などに応じて、発振回路74の出力特性を容易に設定することができる。
このように、本実施形態では、第1の発振器2および第2の発振器3の製造コストを低減することができ、第1の発振器2および第2の発振器3を効率よく製造することができる。つまり、容器の種類や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造することができる。
また、本実施形態では、第1の容器8における内部電極16,17,18,19の位置と、第2の容器9における内部電極16a,17a,18a,19aの位置と、は同じである。そのため、図3および図8に示すように、振動デバイス5における接続電極31,32,33,34と内部電極16,17,18,19とがそれぞれ接合される各位置と、振動デバイス5における接続電極31,32,33,34と内部電極16a,17a,18a,19aとがそれぞれ接合される各位置と、が同じである。
このように、第1の容器8における内部電極16,17,18,19の位置と、第2の容器9における内部電極16a,17a,18a,19aの位置と、を同じにすることにより、同一種類の振動デバイス5を、異なる種類である第1の容器8および第2の容器9にそれぞれ実装することができる。
本実施形態では、第1の容器8における内部電極16,17,18,19の寸法および形状と、第2の容器9における内部電極16a,17a,18a,19aの寸法および形状と、は同じである。ただし、振動デバイス5における接続電極31,32,33,34と接続可能である限りにおいて、内部電極16,17,18,19と、内部電極16a,17a,18a,19aと、のそれぞれの寸法および形状の少なくとも1つが異なっていても構わない。
また、第1の容器8における内部電極16,17,18,19は、「第1~第Nの内部電極」の一例であり、第2の容器9の内部電極16a,17a,18a,19aは「第N+1~第2Nの内部電極」の一例である。振動デバイス5における接続電極31,32,33,34は「第1~第Nの接続電極」の一例である。つまり、本実施形態では、第1の容器8における第1の内部電極としての内部電極16の位置および第2の容器9における第5の内部電極としての内部電極16aの位置は同じであり、第1の容器8における第2の内部電極としての内部電極17の位置および第2の容器9における第6の内部電極としての内部電極17aの位置は同じであり、第1の容器8における第3の内部電極としての内部電極18の位置および第2の容器9における第7の内部電極としての内部電極18aの位置は同じであり、第1の容器8における第4の内部電極としての内部電極19の位置および第2の容器9における第8の内部電極としての内部電極19aの位置は同じである。本実施形態では、整数Nは4である。
ただし、第1の容器8および第2の容器9における内部電極の数、および振動デバイス5における接続電極の数は、4に限らない。すなわち、2以上の任意の整数Nに対して、第1の容器8には第1~第Nの内部電極が設けられ、第2の容器9には第N+1~第2Nの内部電極が設けられ、振動デバイス5は第1~第Nの接続電極を有していれば構わない。
例えば、振動デバイス5が差動の発振信号を生成し、第1の発振器2および第2の発振器3がその差動の発振信号を出力する場合や、また、例えば、振動デバイス5に特定の用途に対応する接続電極を設け、第1の容器8および第2の容器9の外部から、その特定の用途に対応する接続電極との電気的な接続を行う場合など、第1の容器8および第2の容器9における内部電極の数、および振動デバイス5における接続電極の数は、4よりも多くても構わない。特定の用途とは、例えば、振動デバイス5の検査などである。
ここまで、第1の発振器2、および第2の発振器3について、説明した。
次に、本実施形態に係る発振器の製造方法について、図9~図13を参照して説明する。図9~図13に示す各工程は、例えば、図示しない製造装置によって行われる。
図9に示すように、本実施形態に係る発振器の製造方法は、振動デバイス5を準備する工程S1と、製造対象となる発振器が第1の発振器2であるか否かを判断する工程S2と、振動デバイス5の記憶回路71に特性設定情報を設定する工程S3と、振動デバイス5を第1の容器8に収容し、第1の発振器2を製造する工程S4と、製造対象となる発振器が第2の発振器3であるか否かを判断する工程S5と、振動デバイス5の記憶回路71に特性設定情報を設定する工程S6と、振動デバイス5を第2の容器9に収容し、第2の発振器3を製造する工程S7と、を有する。
工程S1は、振動デバイス5を準備する工程である。
図10に示すように、本実施形態では、工程S1は、第1ウエハW1を準備する工程S11と、第2ウエハW2を準備する工程S12と、振動素子51を準備する工程S13と、第1ウエハW1に振動素子51を配置する工程S14と、第1ウエハW1と第2ウエハW2とを接合する工程S15と、第1ウエハW1と第2ウエハW2とが接合されたウエハを切断し、各振動デバイス5を個片化する工程S16と、を有する。
工程S11は、第1ウエハW1を準備する工程である。第1ウエハW1には、複数の第1基板52が形成される。
第1基板52の上面となる第1ウエハW1の上面には、マウント電極58が配置される。後述する工程S14において、振動素子51は、マウント電極58が配置される第1基板52の上面に配置される。
振動素子51が配置される面とは反対側の面である第1基板52の下面には、回路素子54が配置される。回路素子54の下面には、接続電極31,32,33,34が配置される。マウント電極58と回路素子54との間には、両者を電気的に接続する貫通電極62が形成される。
本実施形態では、第1ウエハW1は、半導体基板である。なお、第1ウエハW1は、水晶基板やガラス基板であっても構わない。
また、本実施形態では、第1基板52の下面に回路素子54が配置されるが、第1基板52の上面に回路素子54を配置しても構わない。その場合は、マウント電極58と回路素子54との間を電気的に接続する貫通電極62は不要となり、回路素子54と接続電極31,32,33,34との間を電気的に接続する貫通電極を第1基板52に形成することになる。
工程S12は、第2ウエハW2を準備する工程である。第2ウエハW2には、複数の第2基板53が形成される。つまり、図11に示すように、第2ウエハW2には、複数の凹部63が形成される。複数の凹部63は、第2ウエハW2の下面、すなわち、第2基板53の下面に開口を有する。
本実施形態では、第2ウエハW2は、半導体基板である。なお、第2ウエハW2は、水晶基板やガラス基板であっても構わない。
工程S13は、振動素子51を準備する工程である。
まず、図示しない第3ウエハに複数の振動素子51を形成する。詳細には、フォトリソグラフィー技法やエッチング技法を用いて、第3ウエハに複数の振動片57を形成し、さらに、スパッタ技法やフォトリソグラフィー技法を用いて、励振電極や励振電極に電気的に接続する配線などを振動片57に形成する、このようにして、第3ウエハに複数の振動素子51を形成する。
次に、第3ウエハに形成された複数の振動素子51を、周知の切断方法を用いて個片化する。
このようにして、振動素子51を製造することができる。
本実施形態では、第3ウエハは水晶基板である。詳細には、第3ウエハはATカット水晶基板である。なお、第3ウエハは、ATカット水晶基板以外の水晶基板であっても構わないし、水晶以外の圧電体により形成されていても構わないし、半導体基板であっても構わない。
工程S14は、第1ウエハW1に振動素子51を配置する工程である。図11に示すように、第1ウエハW1の上面に配置されるマウント電極58と、振動素子51と、を接合部材61を介して接合する。このようにして、第1ウエハW1に振動素子51が配置される。
工程S15は、第1ウエハW1と第2ウエハW2とを接合する工程である。
図11に示すように、第1ウエハW1と第2ウエハW2とを接合することにより、複数の振動デバイス5が一括して形成された状態のウエハが得られる。
工程S15では、第2ウエハW2の下面と、第1ウエハW1の上面と、が接合される。凹部63の開口は、第1ウエハW1により塞がれて、第1ウエハW1と第2ウエハW2との間に複数のキャビティー65が形成される。
第1ウエハW1と第2ウエハW2とが接合されたとき、振動素子51は、複数のキャビティー65のそれぞれに収容されるように配置される。
換言すると、工程S15は、第1ウエハW1と第2ウエハW2との間に形成される複数のキャビティー65のそれぞれに収容されるように振動素子51を配置して、第1ウエハW1と第2ウエハW2とを接合する工程である。
本実施形態では、第1ウエハW1と第2ウエハW2との接合は、表面活性化接合により行われる。ただし、第1ウエハW1と第2ウエハW2との接合は、表面活性化接合に限らず、表面活性化接合以外の周知の接合方法を用いても構わない。
工程S16は、第1ウエハW1と第2ウエハW2とが接合されたウエハを切断し、このウエハに形成される複数の振動デバイス5を個片化する工程である。
第1ウエハW1と第2ウエハW2とが接合されたウエハに形成される複数の振動デバイス5は、図11に示す仮想線Lの位置で切断または折り取られることにより、個片化される。
なお、第1ウエハW1と第2ウエハW2とが接合されたウエハを切断または折り取って、各振動デバイス5を個片化する方法としては、周知の方法を用いることができる。例えば、ダイシングソーによるフルカットダイシングをしても構わない。あるいは、未切断部分が形成されるようにダイシングソーによるハーフカットダイシングやレーザーによるステルスダイシングをした後に、未切断部分のブレーキングをしても構わない。
このようにして、工程S11~工程S16により、振動デバイス5を製造することができる。
工程S11~工程S16により、第1の発振器2と第2の発振器3とに共通する構成要素である振動デバイス5を一括して製造することができるので、第1の発振器2および第2の発振器3を含む発振器群1を効率的に製造することができる。
ここまで、工程S1について、説明した。
図9に戻り、工程S2から説明する。
工程S2は、製造対象となる発振器が第1の発振器2であるか否かを判断する工程である。工程S2において、製造対象が第1の発振器2であるときは、工程S3に進む。工程S2において、製造対象が第1の発振器2ではないときは、工程S5に進む。
工程S3は、振動デバイス5が有する記憶回路71に特性設定情報を設定する工程である。詳細には、工程S3では、第1の発振器2の出力特性が所望の出力特性になるように、記憶回路71に特性設定情報が設定される。本実施形態では、第1の発振器2の出力周波数を設定する特性設定情報が記憶回路71に設定される。
本実施形態では、第1の発振器2の出力周波数を設定する特性設定情報は、振動デバイス5が有する発振回路74の出力周波数を設定する情報である。詳細には、発振回路74の出力周波数を設定する特性設定情報は、発振回路74が有するPLL回路77の分周比DPLである。つまり、本実施形態では、記憶回路71に設定される特性設定情報は、PLL回路77の分周比DPLである。
本実施形態では、工程S3において、振動デバイス5の接続電極33および接続電極34を、図示しない外部装置に電気的に接続する。例えば、外部装置が有するプローブなどを振動デバイス5の接続電極33および接続電極34に当接させることにより、外部装置と振動デバイス5とを電気的に接続することができる。
振動デバイス5の接続電極33および接続電極34は、それぞれ回路素子54の電極パッドOUTおよび電極パッドOEと電気的に接続している。そのため、回路素子54は、接続電極33,34と、電極パッドOUT,OEと、を介して外部装置とデータ通信を行うことができる。回路素子54が有するロジック回路72は、外部装置とデータ通信を行い、外部装置から送信される特性設定情報を記憶回路71に記憶させる。記憶回路71が特性設定情報を記憶することにより、記憶回路71に特性設定情報が設定される。
工程S4は、振動デバイス5を第1の容器8に収容し、第1の発振器2を製造する工程である。
図12に示すように、本実施形態では、工程S4は、振動デバイス5を第1の容器8の容器本体11に配置する工程S41と、振動デバイス5を第1の容器8に封止する工程S42と、を有する。
工程S41は、振動デバイス5を第1の容器8の容器本体11に配置する工程である。
図2に示すように、振動デバイス5が有する接続電極31,32,33,34と、容器本体11の凹部13の底面に配置される内部電極16,17,18,19と、はそれぞれ導電性の接合部材35を介して機械的および電気的に接続される。
このようにして、振動デバイス5は、第1の容器8の容器本体11に配置される。
工程S42は、振動デバイス5を第1の容器8に封止する工程である。
図2に示すように、第1の容器8の蓋体12の下面は、図示しない接合部材を介して、容器本体11の上面に接合される。これにより、蓋体12と容器本体11との間に、振動デバイス5が収容される収容空間27が形成される。収容空間27は、蓋体12と容器本体11とにより気密に封止される。
このようにして、工程S41,S42により、振動デバイス5を第1の容器8に収容し、第1の発振器2を製造することができる。
図9に戻り、工程S5から説明する。
工程S5は、製造対象となる発振器が第2の発振器3であるか否かを判断する工程である。工程S5において、製造対象が第2の発振器3であるときは、工程S6に進む。本実施形態では、工程S5において、製造対象が第2の発振器3ではないときは、発振器の製造を終了する。
工程S6は、振動デバイス5が有する記憶回路71に特性設定情報を設定する工程である。詳細には、工程S6では、第2の発振器3の出力特性が所望の出力特性になるように、記憶回路71に特性設定情報が設定される。より詳細には、本実施形態では、第2の発振器3の出力周波数を設定する特性設定情報が記憶回路71に設定される。
なお、工程S6は、工程S3と比べ、第2の発振器3の出力特性が所望の出力特性になるように、記憶回路71に特性設定情報が設定されること以外は、工程S3と同様である。したがって、工程S6については、詳細な説明は省略する。
工程S7は、振動デバイス5を第2の容器9に収容し、第2の発振器3を製造する工程である。
図13に示すように、本実施形態では、工程S7は、振動デバイス5を第2の容器9の容器本体11aに配置する工程S71と、振動デバイス5を第2の容器9に封止する工程S72と、を有する。
工程S71は、振動デバイス5を第2の容器9の容器本体11aに配置する工程である。
図7に示すように、振動デバイス5が有する接続電極31,32,33,34と、容器本体11aの凹部13aの底面に配置される内部電極16a,17a,18a,19aと、はそれぞれ導電性の接合部材35を介して機械的および電気的に接続される。
このようにして、振動デバイス5は、第2の容器9の容器本体11aに配置される。
工程S72は、振動デバイス5を第2の容器9に封止する工程である。
図7に示すように、第2の容器9の蓋体12aの下面は、図示しない接合部材を介して、容器本体11aの上面に接合される。これにより、蓋体12aと容器本体11aとの間に、振動デバイス5が収容される収容空間27aが形成される。収容空間27aは、蓋体12aと容器本体11aとにより気密に封止される。
このようにして、工程S71,S72により、振動デバイス5を第2の容器9に収容し、第2の発振器3を製造することができる。
図9に戻り、工程S7が終了すると、発振器の製造を終了する。
ここまで、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明した。
上述した発振器の製造方法によれば、同一種類の振動デバイス5をそれぞれ異なる種類の容器である第1の容器8および第2の容器9にそれぞれ収容することにより、第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器を製造することができる。つまり、第1の発振器2と、第2の発振器3と、は振動デバイス5を共通化することができるので、振動素子51や回路素子54などを第1の発振器2および第2の発振器3のそれぞれに応じて個別に開発および製造することが不要となる。
また、振動デバイス5は記憶回路71を有し、記憶回路71には発振回路74の特性設定情報が記憶される。記憶回路71に記憶される発振回路74の特性設定情報を変更することにより、発振回路74の出力特性を容易に変更することができるので、例えば、第1の発振器2および第2の発振器3のそれぞれの仕様などに応じて、発振回路74の出力特性を容易に設定することができる。
このように、本実施形態では、第1の発振器2および第2の発振器3の製造コストを低減することができ、第1の発振器2および第2の発振器3を効率よく製造することができる。つまり、容器の種類や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造することができる。
なお、第1の発振器2および第2の発振器3の構成と、その製造方法は、上述した構成および製造方法に限定されず、本開示の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、第1の発振器2が有する第1の容器8は、蓋体12を有し、蓋体12と容器本体11とが接合されることにより、振動デバイス5が収容される収容空間27は気密に封止される。同様に、第2の発振器3が有する第2の容器9は、蓋体12aを有し、蓋体12aと容器本体11aとが接合されることにより、振動デバイス5が収容される収容空間27aは気密に封止される。
ただし、第1の容器8に形成される収容空間27と、第2の容器9に形成される収容空間27aと、はそれぞれ気密に封止されなくても構わない。つまり、第1の容器8は蓋体12を有さなくても構わないし、第2の容器9は蓋体12aを有さなくても構わない。
第1の容器8が蓋体12を有さないときは、図12に示す工程S42は不要となる。第2の容器9が蓋体12aを有さないときは、図13に示す工程S72は不要となる。
また、第1の容器8および第2の容器9の一方が蓋体12,12aを有し、第1の容器8および第2の容器9の他方が蓋体12,12aを有さない構成としても構わない。このような構成にすることにより、第1の容器8と第2の容器9とのそれぞれの形状を異ならせて、第1の容器8と第2の容器9とを異なる種類の容器としても構わない。換言すると、第1の容器8および第2の容器9の一方の収容空間27,27aが気密に封止され、他方の収容空間27,27aが気密に封止されない構成とすることにより、第1の容器8と第2の容器9とを異なる種類の容器としても構わない。
また、本実施形態では、発振回路74はPLL回路77を有し、記憶回路71はPLL回路77が有する分周器の分周比DPLを特性設定情報として記憶し、分周比DPLに基づいて発振回路74の出力特性としての出力周波数が設定される。ただし、発振回路74の構成や出力特性、および記憶回路71が記憶する特性設定情報は、これに限定されない。
例えば、発振回路74は、波形整形回路を有し、記憶回路71は発振回路74が生成する発振信号の波形を設定する波形設定情報として記憶し、発振回路74は波形設定情報に基づいて波形を整形した発振信号を生成しても構わない。発振信号の波形は、発振回路74の出力特性の一例であり、波形設定情報は、特性設定情報の一例である。発振信号の波形は、例えば、CMOS波形や、クリップドサイン波形に設定することができる。
また、本実施形態では、図9に示すように、工程S3の後に工程S4を実施しているが、工程S4の後に工程S3を実施しても構わない。工程S4の後に工程S3を実施するときは、例えば、外部装置が有するプローブなどを第1の容器8の外部電極23および外部電極24に当接させることにより、貫通電極25、内部電極18,19、振動デバイス5の接続電極33および接続電極34を介して、外部装置が有するプローブなどを回路素子54が有する電極パッドOUT,OEと電気的に接続することができる。同様に、本実施形態では、図9に示すように、工程S6の後に工程S7を実施しているが、工程S7の後に工程S6を実施しても構わない。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
上述した発振器の製造方法は、第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器の製造方法であって、振動素子51と、振動素子51と電気的に接続される発振回路74と、発振回路74の特性設定情報が記憶される記憶回路71と、を含む振動デバイス5を準備することと、振動デバイス5を第1の容器8に収容して第1の発振器2を製造することと、振動デバイス5を第1の容器8とは異なる種類の第2の容器9に収容して第2の発振器3を製造することと、記憶回路71に特性設定情報を設定することと、を含み、第1の容器8に収容した振動デバイス5、および第2の容器9に収容した振動デバイス5は、同一種類の振動デバイスである。
これにより、容器の種類や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造することができる。
2.実施形態2
次に、実施形態2に係る発振器の製造方法について、説明する。
本実施形態に係る発振器の製造方法により製造される第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1に係る第1の発振器2および第2の発振器3と比べ、振動デバイス5に代わり、振動デバイス5aが第1の容器8および第2の容器9に収容されること以外は、実施形態1と同様である。振動デバイス5と、振動デバイス5aと、はそれぞれ構成は異なるが、同様な機能を有している。
換言すると、本実施形態に係る発振器の製造方法は、実施形態1に係る発振器の製造方法と比べ、振動デバイス5aを準備する工程S1が異なること以外は、実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
振動デバイス5aについて、図14~図18を参照して説明する。
図14に示すように、振動デバイス5aは、第1基板82と、第2基板83と、第3基板84と、回路素子86と、を有する。
第2基板83は、第1基板82と第2基板83との間で振動素子91を挟むように配置される。つまり、第3基板84は、第1基板82と第2基板83との間に配置される。
また、第3基板84は、振動素子91と、振動素子91を囲う枠部93と、を備える。つまり、振動デバイス5aは、第1基板82と第2基板83との間に、振動素子91と、振動素子91を囲う枠部93と、を備える第3基板84を含む。
回路素子86、第2基板83、第3基板84、第1基板82と、は下方に向かって、この順で配置される。このように配置されることにより、第1基板82の下面が、振動デバイス5aの下面となる。
振動デバイス5aの下面には、接続電極31,32,33,34が配置される。振動デバイス5aが第1の容器8に収容されるときは、接続電極31,32,33,34は、第1の容器8が有する内部電極16,17,18,19と、それぞれ接合部材35を介して接合される。振動デバイス5aが第2の容器9に収容されるときは、接続電極31,32,33,34は、第2の容器9が有する内部電極16a,17a,18a,19aと、それぞれ接合部材35を介して接合される。
第1基板82は、振動デバイス5aのベース基板である。第1基板82は、平板状である。第1基板82は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、第1基板82は、水晶基板である。ただし、第1基板82は、水晶基板に限らず、半導体基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板であっても構わない。
第2基板83は、振動デバイス5aの蓋体である。第2基板83は、平板状である。第2基板83は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、第2基板83は、水晶基板である。ただし、第2基板83は、水晶基板に限らず、半導体基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板であっても構わない。
第3基板84は、水晶基板である。本実施形態では、第3基板84は、ATカット水晶基板である。なお、第3基板84は、ATカット水晶基板に限定されず、Xカット水晶基板、Yカット水晶基板、Zカット水晶基板、BTカット水晶基板、SCカット水晶基板、STカット水晶基板などでも構わない。
第1基板82、第2基板83、および第3基板84を水晶基板で構成することにより、第1基板82、第2基板83、および第3基板84の熱膨張係数を略等しくすることができる。そのため、第1基板82、第2基板83、および第3基板84の熱膨張係数差に起因する熱応力が生じ難くなり、振動素子91が応力を受け難くなる。
なお、第1基板82および第2基板83は、第3基板84と同じカット角のATカット水晶基板であっても構わないし、第3基板84と異なるカット角の水晶基板であっても構わない。ただし、第1基板82および第2基板83を、第3基板84と同じカット角のATカット水晶基板とすることにより、第1基板82、第2基板83、および第3基板84の熱膨張係数差に起因する熱応力がさらに生じ難くなる。
図14および図15に示すように、第3基板84は、振動素子91と、振動素子91を囲う枠部93と、を有する。詳細には、第3基板84は、振動素子91と、枠部93と、連結部97と、を有する。
振動素子91は、振動片95と、図示しない一対の励振電極と、を有する。
振動片95は、平板状である。振動片95は、枠部93よりもZ方向の厚さが薄く、振動片95の上面は枠部93の上面よりもZ方向マイナス側に位置し、振動片95の下面は枠部93の下面よりもZ方向プラス側に位置している。
一対の励振電極は、振動片95の上面および下面にそれぞれ配置される。
枠部93は、平面視で、枠状であり、振動片95を囲むように配置される。振動片95は、平面視で、枠部93の内側に配置される。連結部97は、振動片95と、枠部93と、を連結する。
枠部93の上面は、第3基板84の上面であり、枠部93の下面は、第3基板84の下面である。
図14に示すように、第1基板82の上面と枠部93の下面とが接合され、枠部93の上面と第2基板83の下面とが接合される。これにより、第1基板82と第2基板83との間に、振動素子91を収容するキャビティー99が形成される。
キャビティー99は、振動素子91が収容される収容空間である。キャビティー99は、第1基板82と、第3基板84の枠部93と、第2基板83と、により気密に封止される。キャビティー99は、減圧状態である。キャビティー99を、減圧状態とすることにより、振動素子91の振動特性を高めることができる。ただし、キャビティー99は、減圧状態でなくても構わない。
本実施形態では、第1基板82と、第2基板83と、第3基板84と、は金属拡散接合により接合される。詳細には、第1基板82の上面、枠部93の下面、枠部の93の上面、および第2基板83の下面に、図示しない接合層がそれぞれ配置される。各接合層は、平面視で、キャビティー99を囲むように配置される。各接合層は、第1基板82と、第2基板83と、第3基板84と、を接合したときに、平面視でそれぞれ重なるように形成される。各接合層は、例えば、金や銅により形成される。各接合層の表面が清浄化された後に、第1基板82の上面に配置される接合層と枠部93の下面に配置される接合層とを接触させ、枠部93の上面に配置される接合層と第2基板83の下面とに配置される接合層とを接触させる。これにより、第1基板82の上面と枠部93の下面とが接合層を介して接合され、枠部93の上面と第2基板83の下面とが接合層を介して接合される。このようにして、第1基板82と、第2基板83と、第3基板84と、が接合される。ただし、第1基板82と、第2基板83と、第3基板84との接合は、金属拡散接合に限らず、金属拡散接合以外の周知の接合方法を用いても構わない。
図14および図16に示すように、第2基板83の上面には、配線パターン101が配置される。
また、第2基板83の上面には、回路素子86が配置される。
回路素子86は、ICチップである。回路素子86は、複数の電極パッドを有する。詳細には、回路素子86は、6つの電極パッドを有する。6つの電極パッドは、回路素子86の下面に配置される。6つの電極パッドは、グランド電圧GNDに電気的に接続される電極パッドVSSと、電源電圧に電気的に接続される電極パッドVDDと、振動素子51を発振させることにより生成される周波数信号を出力する電極パッドOUTと、電極パッドOUTからの出力を制御する制御信号が入力される電極パッドOEと、振動素子91を励振するための駆動信号を出力する一対の電極パッドXI,XOと、である。
回路素子86は、実施形態1の回路素子54と同様な回路および機能を有する。
詳細には、回路素子86は、記憶回路71と、ロジック回路72と、バイアス回路73と、発振回路74と、を有する。発振回路74は、発振用回路76と、PLL回路77とを有する。そして、記憶回路71には、発振回路74の特性設定情報を含む各種の情報が記憶される。記憶回路71に特性設定情報が記憶されることにより、記憶回路71に特性設定情報が設定される。回路素子86が有する各回路は、図6に示す回路素子54が有する各回路に相当する。したがって、各回路については、詳細な説明は省略する。
電極パッドVSSと、電極パッドVDDと、電極パッドOUTと、電極パッドOEと、電極パッドXIと、電極パッドXOと、は、それぞれ導電性の接合部材103を介して、配線パターン101と機械的および電気的に接続される。接合部材103は、例えば、金や銅により形成される金属バンプである。
また、本実施形態では、図示しないが、第1基板82、第2基板83、および第3基板84には、電極パッドVSS,VDD,OUT,OEをそれぞれ接続電極31,32,33,34と電気的に接続するための貫通電極や配線が形成されている。また、図示しないが、第1基板82および第2基板83には、電極パッドXI,XOと、振動素子91が有する一対の励振電極とをそれぞれ電気的に接続するための貫通電極や配線が形成されている。このように、図示しない貫通電極と配線により、電極パッドVSS,VDD,OUT,OEと接続電極31,32,33,34とがそれぞれ電気的に接続され、電極パッドXI,XOと振動素子91が有する一対の励振電極とがそれぞれ電気的に接続される。
ところで、本実施形態では、第1基板82と第3基板84とが接合され、第2基板83と第3基板84とが接合された構造体を、振動子とも言う。振動子の上面は、第2基板83の上面であり、振動子の下面は、第1基板82の下面である。振動子の上面に配置される配線パターン101に接合部材103を介して回路素子86を接続することにより、振動デバイス5aとなる。換言すると、振動デバイス5aから、接合部材103と、回路素子86を取り外した構造体が、振動子である。
ここまで、振動デバイス5aについて、説明した。
次に、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明する。
上述したように、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1に係る第1の発振器2および第2の発振器3と比べ、振動デバイス5に代わり、振動デバイス5aが第1の容器8および第2の容器9に収容されること以外は、実施形態1と同様である。したがって、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1と同様に、図9に示すフローチャートに基づいて製造することができる。ただし、本実施形態では、図9に示すフローチャートにおいて、工程S1の詳細が、実施形態1とは異なる。
そこで、工程S1について、図17を参照して説明する。
本実施形態では、工程S1は、振動デバイス5aを準備する工程である。
図17に示すように、本実施形態では、工程S1は、第1ウエハW1aを準備する工程S81と、第2ウエハW2aを準備する工程S82と、第3ウエハW3aを準備する工程S83と、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとを接合し、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとを接合する工程S84と、第1ウエハW1aと第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたウエハを切断し、各振動子を個片化する工程S85と、個片化した振動子に回路素子86を配置する工程S86と、を有する。
工程S81は、第1ウエハW1aを準備する工程である。第1ウエハW1aには、複数の第1基板82が形成される。第1基板82の下面である第1ウエハW1aの下面には、接続電極31,32,33,34が配置される。また、第1ウエハW1aには、図示しない貫通電極や配線が形成される。図示しない貫通電極や配線は、接続電極31,32,33,34と電気的に接続される。また、図示しない貫通電極や配線は、後述する工程S84において、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第3ウエハW3aに形成される図示しない貫通電極や配線と電気的に接続される。
また、第1基板82の上面である第1ウエハW1aの上面には、図示しない接合層が配置される。この接合層は、後述する工程S84において、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第3ウエハW3aの下面に配置される図示しない接合層と接合される。なお、第1ウエハW1aの上面に配置される接合層は、図示しない貫通電極と電気的に接続する配線として機能させても構わない。
本実施形態では、第1ウエハW1aは、水晶基板である。なお、第1ウエハW1aは、半導体基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板であっても構わない。
工程S82は、第2ウエハW2aを準備する工程である。第2ウエハW2aには、複数の第2基板83が形成される。第2基板83の上面である第2ウエハW2aの上面には、配線パターン101が配置される。また、第2ウエハW2aには、図示しない貫通電極や配線が形成される。図示しない貫通電極や配線は、配線パターン101と電気的に接続される。また、図示しない貫通電極や配線は、後述する工程S84において、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第3ウエハW3aに形成される図示しない貫通電極や配線と電気的に接続される。
また、第2基板83の下面である第2ウエハW2aの下面には、図示しない接合層が配置される。この接合層は、後述する工程S84において、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第3ウエハW3aの上面に配置される図示しない接合層と接合される。なお、第2ウエハW2aの下面に配置される接合層は、図示しない貫通電極と電気的に接続する配線として機能させても構わない。
本実施形態では、第2ウエハW2aは、水晶基板である。なお、第2ウエハW2aは、半導体基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板であっても構わない。
工程S83は、第3ウエハW3aを準備する工程である。第3ウエハW3aには、複数の振動素子91と、複数の枠部93と、複数の連結部97と、が形成される。
詳細には、まず、フォトリソグラフィー技法やエッチング技法を用いて、複数の振動片95と、複数の枠部93と、複数の連結部97と、が第3ウエハW3aに形成される。次に、スパッタ技法やフォトリソグラフィー技法を用いて、図示しない励振電極が振動片95の上面および下面にそれぞれ配置され、振動素子91が形成される。
このようにして、第3ウエハW3aには、複数の振動素子91と、複数の枠部93と、複数の連結部97と、が形成される。
複数の枠部93は、平面視で、複数の振動素子91をそれぞれ囲むように配置される。
また、第3ウエハW3aには、図示しない貫通電極や配線が形成される。図示しない貫通電極や配線の一部は、励振電極と電気的に接続される。また、図示しない貫通電極や配線は、後述する工程S84において、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとが接合され、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第1ウエハW1aおよび第2ウエハW2aにそれぞれ形成される図示しない貫通電極や配線と、適宜、接続される。
また、枠部93の上面および下面には、図示しない接合層が配置される。枠部93の下面に配置される接合層は、後述する工程S84において、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第1ウエハW1aの上面に配置される図示しない接合層と接合される。枠部93の上面に配置される接合層は、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたとき、第2ウエハW2aの下面に配置される図示しない接合層と接合される。なお、枠部93の上面および下面に配置される接合層は、図示しない貫通電極と電気的に接続する配線として機能させても構わない。
本実施形態では、第3ウエハW3aは水晶基板である。詳細には、第3ウエハW3aはATカット水晶基板である。なお、第3ウエハW3aは、ATカット水晶基板以外の水晶基板であっても構わないし、水晶以外の圧電体により形成されていても構わないし、半導体基板であっても構わない。
工程S84は、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとを接合し、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとを接合する工程である。詳細には、工程S84は、第1ウエハW1aと、第3ウエハW3aに形成された枠部93の一方面と、を接合し、第2ウエハW2aと、第3ウエハW3aに形成された枠部93の他方面と、を接合する工程である。より詳細には、工程S84は、第1ウエハW1aの上面と、枠部93の下面と、を接合し、第2ウエハW2aの下面と、枠部93の上面と、を接合する工程である。
図18に示すように、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとを接合し、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとを接合することにより、複数の振動子が一括して形成された状態のウエハが得られる。
また、第1ウエハW1aと枠部93とが接合され、第2ウエハW2aと枠部93とが接合されることにより、第1ウエハW1aと第2ウエハW2aとの間に複数のキャビティー99が形成される。キャビティー99は、第1ウエハW1aと、枠部93と、第2ウエハW2aと、により気密に封止される。
上述したように、複数の枠部93は、平面視で、複数の振動素子91をそれぞれ囲むように配置される。つまり、第1ウエハW1aと枠部93とが接合され、第2ウエハW2aと枠部93とが接合されたとき、振動素子91は、複数のキャビティー99のそれぞれに収容されるように、平面視で、枠部93の内側に配置される。
換言すると、工程S84は、第1ウエハW1aと第2ウエハW2aとの間に形成される複数のキャビティー99のそれぞれに収容されるように振動素子91を配置して、第1ウエハW1aと第2ウエハW2aとを接合する工程である。
本実施形態では、第1ウエハW1aと枠部93との接合は、第1ウエハW1aの上面に配置される接合層と枠部93の下面に配置される接合層とを接合することにより行われる。第1ウエハW1aの上面に配置される接合層と枠部93の下面に配置される接合層とを接合は、金属拡散接合により行われる。同様に、第2ウエハW2aと枠部93との接合は、第2ウエハW2aの下面に配置される接合層と枠部93の上面に配置される接合層とを接合することにより行われる。第2ウエハW2aの下面に配置される接合層と枠部93の上面に配置される接合層との接合は、金属拡散接合により行われる。
ただし、第1ウエハW1aと枠部93との接合、および第2ウエハW2aと枠部93との接合は、金属拡散接合に限らず、金属拡散接合以外の周知の接合方法を用いても構わない。
工程S85は、第1ウエハW1aと第3ウエハW3aとが接合され、第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたウエハを切断し、このウエハに形成される複数の振動子を個片化する工程である。
第1ウエハW1aと第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたウエハに形成される複数の振動子は、図18に示す仮想線Lの位置で切断または折り取られることにより、個片化される。
換言すると、工程S85は、工程S84において接合された第1ウエハW1a、第2ウエハW2a、および第3ウエハW3aを切断または折り取って、各振動子を個片化する工程である。
なお、第1ウエハW1aと第2ウエハW2aと第3ウエハW3aとが接合されたウエハを切断または折り取って、各振動子を個片化する方法としては、周知の方法を用いることができる。
工程S86は、個片化した振動子に回路素子86を配置する工程である。
振動子の上面、すなわち、第2基板83の上面に、回路素子86を配置する。詳細には、第2基板83の上面に配置される配線パターン101と、回路素子86の下面に配置される電極パッドVSS、電極パッドVDD、電極パッドOUT、電極パッドOE、電極パッドXI、および電極パッドXOと、をそれぞれ接合部材103を介して機械的および電気的に接続する。
このようにして、工程S81~工程S86により、振動デバイス5aを製造することができる。
工程S81~工程S86により、第1の発振器2と第2の発振器3とに共通する構成要素である振動デバイス5aを一括して製造することができるので、第1の発振器2および第2の発振器3を含む発振器群1を効率的に製造することができる。
ここまで、工程S1について、説明した。
上述したように、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、振動デバイス5aが第1の容器8および第2の容器9に収容されること以外は、実施形態1と同様である。したがって、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1と同様に、図9に示すフローチャートに基づいて製造することができるので、工程S2~工程S7の説明は省略する。
ここまで、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明した。
上述した発振器の製造方法によれば、同一種類の振動デバイス5aをそれぞれ異なる種類の容器である第1の容器8および第2の容器9にそれぞれ収容することにより、第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器を製造することができる。また、振動デバイス5aは記憶回路71を有し、記憶回路71には発振回路74の特性設定情報が記憶される。記憶回路71に記憶される発振回路74の特性設定情報を変更することにより、発振回路74の出力特性を容易に変更することができる。
これにより、容器の種類や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
3.実施形態3
次に、実施形態3に係る発振器の製造方法について、説明する。
本実施形態に係る発振器の製造方法により製造される第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1に係る第1の発振器2および第2の発振器3と比べ、振動デバイス5に代わり、振動デバイス5bを有すること以外は、実施形態1と同様である。
本実施形態に係る振動デバイス5bは、振動デバイス5と比べ、回路素子54に代わり、回路素子54bを有すること以外は、振動デバイス5と同様である。つまり、本実施形態に係る発振器の製造方法により製造される第1の発振器2および第2の発振器3は、回路素子54に代わり、回路素子54bを有すること以外は、実施形態1と同様である。
本実施形態に係る回路素子54bは、回路素子54と比べ、PLL回路77を有さず、温度センサー111と温度補償回路113とを有することや、PLL回路77が有する分周器の分周比DPLに代わり、温度補償回路113の温度補正設定情報を記憶回路71に記憶すること以外は、実施形態1に係る回路素子54と同様である。
温度補償回路113の温度補正設定情報は、発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性を設定する情報である。
つまり、発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性は、発振回路74の出力特性の一例である。温度補償回路113の温度補正設定情報は、発振回路74の特性設定情報の一例であり、詳細には、発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性を設定する特性設定情報である。
換言すると、本実施形態に係る発振器の製造方法は、実施形態1に係る発振器の製造方法と比べ、振動デバイス5bを準備する工程S1と、特性設定情報を設定する工程S3,S6が異なること以外は、実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
振動デバイス5bについて、説明する。
上述したように、振動デバイス5bは、回路素子54に代わり、回路素子54bを有すること以外は、振動デバイス5と同様である。つまり、振動デバイス5bは、図4および図11に示す回路素子54を回路素子54bに置き換えた構成に相当する。
振動デバイス5bが有する回路素子54bは、第1基板52の下面に形成される。
なお、本実施形態では、回路素子54bは、第1基板52の下面に配置されているが、回路素子54bは、第1基板52の上面に配置されても構わない。
また、振動デバイス5bの下面には、接続電極31,32,33,34が配置される。振動デバイス5bが第1の容器8に収容されるときは、接続電極31,32,33,34は、第1の容器8が有する内部電極16,17,18,19と、それぞれ接合部材35を介して接合される。振動デバイス5bが第2の容器9に収容されるときは、接続電極31,32,33,34は、第2の容器9が有する内部電極16a,17a,18a,19aと、それぞれ接合部材35を介して接合される。
次に、回路素子54bについて、図19を参照して説明する。
図19に示すように、回路素子54bは、記憶回路71と、ロジック回路72と、バイアス回路73と、発振回路74と、温度センサー111と、温度補償回路113と、を有する。なお、回路素子54bは、これらの要素の一部を省略または変更し、あるいは他の要素を追加した構成としても構わない。
本実施形態では、発振回路74は、発振用回路76を有する。発振用回路76が生成する発振信号VOSが、発振回路74が生成する発振信号となる。換言すると、発振用回路76が、発振回路74である。
記憶回路71には、発振回路74の特性設定情報を含む各種の情報が記憶される。
本実施形態では、記憶回路71に設定される発振回路74の特性設定情報は、発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性を設定する情報である。詳細には、記憶回路71に設定される発振回路74の特性設定情報は、温度補償回路113の温度補正設定情報である。
ロジック回路72は、記憶回路71に記憶される温度補償回路113の温度補正設定情報を、記憶回路71から読み出し、温度補償回路113に供給する。
温度センサー111は、振動素子51の周囲温度としての振動デバイス5bの温度を検出する。そして、温度センサー111は、その温度に応じた電圧の温度信号を出力し、温度補償回路113に供給する。
温度補償回路113は、温度センサー111からの出力である温度信号と、記憶回路71に記憶される温度補償回路113の温度補正設定情報と、に基づいて発振回路74が生成する発振信号の周波数を補正する。詳細には、温度補償回路113は、温度センサー111から出力される温度信号と、記憶回路71に記憶される温度補償回路113の温度補正設定情報と、に基づいて温度補正信号VTを生成する。
温度補償回路113は、例えば、温度補償関数に基づいて、温度補正信号VTを生成する。温度補償関数は、温度を入力変数とし、振動素子51の周波数温度特性を補償する温度補償信号VTを出力変数とする多項式である。多項式近似の次数は任意である。温度補償関数が、高次の多項式であるとき、多項式の0次係数と、1次係数と、2次以上の高次係数と、を含む係数情報DTが、温度補償回路113の温度補正設定情報となる。
なお、振動素子51の周波数温度特性を補償する温度補償関数の係数情報DTは、発振回路74の周波数温度特性を設定する特性設定情報の一例である。発振回路74の周波数温度特性を設定する特性設定情報は、温度補償関数の係数情報DTに限らない。
つまり、記憶回路71には、温度補償回路113の温度補正設定情報として、振動素子51の周波数温度特性を補償する温度補償関数の係数情報DTが記憶される。そして、ロジック回路72は、温度補償回路113の温度補正設定情報として、振動素子51の周波数温度特性を補償する温度補償関数の係数情報DTを、記憶回路71から読み出し、温度補償回路113に供給する。
温度補償回路113は、温度センサー111から出力される温度信号と、温度補償関数の係数情報DTにより各次係数が設定された温度補償関数と、に基づいて温度補正信号VTを生成する。温度補正信号VTは電圧信号である。温度補正信号VTは、発振回路74が有する図示しない可変容量素子の一端に印加される。この可変容量素子は、発振回路74の負荷容量として機能する。そのため、温度補正信号VTにより、発振回路74が生成する発振信号の周波数を制御することができる。
このようにして、本実施形態では、温度センサー111から出力される温度信号と、特性設定情報である温度補償回路113の温度補正設定情報と、に基づいて、発振回路74が生成する発振信号の周波数を補正することができる。温度センサー111から出力される温度信号と、温度補償回路113の温度補正設定情報と、に基づいて、発振回路74が生成する発振信号の周波数を補正することにより、発振回路74が生成する発振信号の周波数を、所定の温度範囲に含まれる任意の温度において、ほぼ一定の周波数となるように補正することができる。
ここまで、回路素子54bについて、説明した。
次に、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明する。
上述したように、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1に係る第1の発振器2および第2の発振器3と比べ、回路素子54を有する振動デバイス5に代わり、回路素子54bを有する振動デバイス5bが第1の容器8および第2の容器9に収容されること以外は、実施形態1と同様である。したがって、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1と同様に、図9に示すフローチャートに基づいて製造することができる。ただし、本実施形態では、図9に示すフローチャートにおいて、工程S1、および工程S3,S6の詳細が、実施形態1とは異なる。
そこで、工程S1、および工程S3,S6について、図9および図10を参照して説明する。
まず、工程S1について、説明する。
工程S1は、振動デバイス5bを準備する工程である。
図10に示すように、本実施形態では、工程S1は、工程S11、工程S12、工程S13、工程S14、工程S15、および工程S16を有する。
工程S11は、第1ウエハW1を準備する工程である。第1ウエハW1には、複数の第1基板52が形成される。第1ウエハW1の上面、すなわち、第1基板52の上面には、マウント電極58が配置される。第1基板52の下面には、回路素子54bが配置される。回路素子54bの下面には、接続電極31,32,33,34が配置される。マウント電極58と回路素子54bとの間には、両者を電気的に接続する貫通電極62が形成される。
工程S12~工程S16は、実施形態1と同様であるため、その説明は省略する。
このようにして、工程S11~工程S16により、回路素子54bを有する振動デバイス5bを製造することができる。
工程S11~工程S16により、第1の発振器2と第2の発振器3とに共通する構成要素である振動デバイス5bを一括して製造することができるので、第1の発振器2および第2の発振器3を含む発振器群1を効率的に製造することができる。
ここまで、工程S1について、説明した。
ここで、図9に戻るが、工程S2は、実施形態1と同様であるため、その説明は省略し、工程S3から説明する。
工程S3は、振動デバイス5bが有する記憶回路71に特性設定情報を設定する工程である。詳細には、工程S3では、第1の発振器2の出力特性が所望の出力特性になるように、記憶回路71に特性設定情報が設定される。本実施形態では、第1の発振器2の周波数温度特性を設定する特性設定情報が記憶回路71に設定される。
本実施形態では、第1の発振器2の周波数温度特性を設定する特性設定情報は、振動デバイス5bが有する発振回路74の周波数温度特性を設定する情報である。詳細には、発振回路74の周波数温度特性を設定する特性設定情報は、温度補償回路113の温度補正設定情報である。より詳細には、発振回路74の周波数温度特性を設定する特性設定情報は、振動素子51の周波数温度特性を補償する温度補償関数の係数情報DTである。つまり、本実施形態では、記憶回路71に設定される特性設定情報は、温度補償回路113の温度補正設定情報である。詳細には、記憶回路71に設定される特性設定情報は、振動素子51の周波数温度特性を補償する温度補償関数の係数情報DTである。
本実施形態では、工程S3において、振動デバイス5bの接続電極33および接続電極34を、図示しない外部装置に電気的に接続する。
回路素子54bが有するロジック回路72は、外部装置とデータ通信を行い、外部装置から送信される特性設定情報を記憶回路71に記憶させる。記憶回路71が特性設定情報を記憶することにより、記憶回路71に特性設定情報が設定される。
ここまで、工程S3について、説明した。
工程S4および工程S5は、実施形態1と同様であるため、その説明は省略し、工程S6から説明する。
工程S6は、振動デバイス5bが有する記憶回路71に特性設定情報を設定する工程である。詳細には、工程S6では、第2の発振器3の出力特性が所望の出力特性になるように、記憶回路71に特性設定情報が設定される。本実施形態では、第2の発振器3の周波数温度特性を設定する特性設定情報が記憶回路71に設定される。
工程S6において記憶回路71に設定される特性設定情報と、工程S3において記憶回路71に記憶される特性設定情報と、は、同じであっても構わないし、異なっていても構わない。つまり、第2の発振器3が有する振動デバイス5bの記憶回路71に記憶される特性設定情報と、第1の発振器2が有する振動デバイス5bの記憶回路71に記憶される特性設定情報と、は同じであっても構わないし、異なっていても構わない。本実施形態では、第2の発振器3における記憶回路71に記憶される温度補償関数の係数情報DTと、第1の発振器2における記憶回路71に記憶される温度補償関数の係数情報DTと、をそれぞれ異ならせることにより、第2の発振器3が有する振動デバイス5bの発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性と、第1の発振器2が有する振動デバイス5bの発振回路74が生成する発振信号の周波数温度特性と、をそれぞれ異なる周波数温度特性とすることができる。
工程S6は、工程S3と比べ、第2の発振器3の出力特性が所望の出力特性になるように、記憶回路71に特性設定情報が設定されること以外は、工程S3と同様である。したがって、工程S6については、詳細な説明は省略する。
工程S7は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
工程S7が終了すると、発振器の製造を終了する。
ところで、記憶回路71に設定される特性設定情報である温度補償回路113の温度補正設定情報は、振動素子51が生成する発振信号の周波数温度特性を測定し、その測定結果から算出することができる。例えば、本実施形態では、振動素子51が生成する発振信号の周波数温度特性を測定し、その測定結果に基づき、温度補償関数を算出し、その温度補償関数の係数情報DTを温度補償回路113の温度補正設定情報としている。
本実施形態では、図10に示す工程S15の終了後に、振動素子51が生成する発振信号の周波数温度特性の測定を行う。工程S15が終了したとき、第1ウエハW1と第2ウエハW2とが接合されたウエハには、複数の振動デバイス5bが形成されているため、複数の振動デバイス5bの周波数温度特性をウエハ毎に一括して測定することができる。また、本実施形態では、同一のウエハ内に形成された複数の振動デバイス5bのそれぞれの周波数温度特性と、それぞれのウエハ内の位置情報と、は互いに対応するようにデータベース化される。このデータベースを参照することにより、温度補償回路113の温度補正設定情報を設定することができる。
なお、振動素子51が生成する発振信号の周波数温度特性の測定は、工程S15が終了したときに限らず、例えば、工程S16の終了後、すなわち、振動デバイス5bが個片化された後でも構わない。
ここまで、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明した。
上述した発振器の製造方法によれば、同一種類の振動デバイス5bをそれぞれ異なる種類の容器である第1の容器8および第2の容器9にそれぞれ収容することにより、第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器を製造することができる。また、振動デバイス5bは記憶回路71を有し、記憶回路71には発振回路74の特性設定情報が記憶される。記憶回路71に記憶される発振回路74の特性設定情報を変更することにより、発振回路74の出力特性を容易に変更することができる。
これにより、容器の種類や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
なお、第1の発振器2および第2の発振器3の構成と、その製造方法は、上述した構成および製造方法に限定されず、本開示の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、本実施形態では、温度補償回路113には、回路素子54bが有する温度センサー111から出力される温度信号が供給されるが、温度補償回路113に供給される温度信号は、温度センサー111から出力される温度信号に限らない。例えば、温度補償回路113は、回路素子54bの外部に配置される温度センサーから出力される温度信号と、特性設定情報である温度補償回路113の温度補正設定情報と、に基づいて、発振回路74が生成する発振信号の周波数を補正しても構わない。
また、例えば、発振回路74には、発振用回路76に加え、発振用回路76が生成する発振信号VOSの周波数を補正する回路として、例えば、PLL回路やダイレクトシンセサイザー回路が設けられていても構わない。そして、PLL回路やダイレクトシンセサイザー回路が設けられているとき、温度補償回路113は、PLL回路やダイレクトシンセサイザー回路に温度補正信号を供給するようにしても構わない。ここで、例えば、発振用回路76が生成する発振信号VOSの周波数を補正する回路がPLL回路であるとき、温度補正信号は、PLL回路が有する分周器の分周比である。
4.実施形態4
次に、実施形態4に係る発振器の製造方法について、説明する。
本実施形態に係る発振器の製造方法により製造される第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1に係る第1の発振器2および第2の発振器3と比べ、第1の容器8に代わり、第1の容器8dを有することや、第2の容器9に代わり、第2の容器9dを有すること以外は、実施形態1と同様である。
換言すると、本実施形態に係る発振器の製造方法は、実施形態1に係る発振器の製造方法と比べ、振動デバイス5を第1の容器8dに収容する工程S4と、振動デバイス5を第2の容器9dに収容する工程S7と、が異なること以外は、実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1の発振器2について、図20を参照して説明する。
図20に示すように、第1の発振器2は、振動デバイス5と、振動デバイス5を収容する第1の容器8dと、を有する。
第1の容器8dは、容器本体121と、モールド部122と、を有する。
容器本体121の上面には、振動デバイス5が配置される。
また、容器本体121の上面には、モールド部122が配置される。モールド部122は、振動デバイス5を被覆する。
次に、第1の容器8dについて、図20および図21を参照して説明する。
図20および図21に示すように、容器本体121は、平板状である。容器本体121は、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、容器本体121は、セラミック基板である。ただし、容器本体121は、セラミック基板に限らず、例えば、半導体基板やプリント基板などであっても構わない。
容器本体121の上面には、内部電極16,17,18,19が配置される。内部電極16,17,18,19は、振動デバイス5が有する接続電極31,32,33,34と、それぞれ接合部材35を介して接合される。
容器本体121の下面には、外部電極21,22,23,24が配置される。
外部電極21,22,23,24と、内部電極16,17,18,19と、はそれぞれ貫通電極25を介して電気的に接続される。
モールド部122は、容器本体121の上面に配置される。モールド部122は、容器本体121の上面に配置される振動デバイス5を被覆するように形成される。振動デバイス5は、モールド部122により気密に封止される。モールド部122を形成する材料は、特に限定されない。モールド部122を形成する材料としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。モールド部122は、例えば、コンプレッションモールド法を用いて形成することができる。
次に、第2の発振器3について、図22を参照して説明する。
図22に示すように、第2の発振器3は、振動デバイス5と、振動デバイス5を収容する第2の容器9dと、を有する。
第2の容器9dは、容器本体121aと、モールド部122aと、を有する。
容器本体121aの上面には、振動デバイス5が配置される。
また、容器本体121aの上面には、モールド部122aが配置される。モールド部122aは、振動デバイス5を被覆する。
第2の発振器3は、第1の発振器2と比べ、振動デバイス5が収容される第2の容器9dが、第1の容器8dとは異なる種類であること以外は、同一である。
第2の容器9dは、第1の容器8dとは異なる種類の容器である。本実施形態では、第2の容器9dは、第1の容器8dとは形状が異なる。詳細には、平面視で、第2の容器9dのX方向およびY方向の寸法は、それぞれ第1の容器8dのX方向およびY方向の寸法よりも大きく、X方向またはY方向から見た側面視で、第2の容器9dのZ方向の寸法は、第1の容器8dのZ方向の寸法と同じである。
次に、第2の容器9dについて、図22および図23を参照して説明する。
図22および図23に示すように、容器本体121aは、平板状である。容器本体121aは、平面視で、矩形状である。
本実施形態では、容器本体121aは、セラミック基板である。ただし、容器本体121aは、セラミック基板に限らず、例えば、半導体基板やプリント基板などであっても構わない。
容器本体121aの上面には、内部電極16a,17a,18a,19aが配置される。内部電極16a,17a,18a,19aは、振動デバイス5が有する接続電極31,32,33,34と、それぞれ接合部材35を介して接合される。
容器本体121aの下面には、外部電極21a,22a,23a,24aが配置される。
外部電極21a,22a,23a,24aと、内部電極16a,17a,18a,19aと、はそれぞれ貫通電極25aを介して電気的に接続される。
モールド部122aは、容器本体121aの上面に配置される。モールド部122aは、容器本体121aの上面に配置される振動デバイス5を被覆するように形成される。振動デバイス5は、モールド部122aにより気密に封止される。モールド部122aを形成する材料は、特に限定されない。モールド部122aを形成する材料としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。モールド部122aは、例えば、コンプレッションモールド法を用いて形成することができる。
また、本実施形態では、第1の容器8dにおける内部電極16,17,18,19の位置と、第2の容器9dにおける内部電極16a,17a,18a,19aの位置と、は同じである。そのため、図21および図23に示すように、振動デバイス5における接続電極31,32,33,34と内部電極16,17,18,19とがそれぞれ接合される各位置と、振動デバイス5における接続電極31,32,33,34と内部電極16a,17a,18a,19aとがそれぞれ接合される各位置と、が同じである。
このように、第1の容器8dにおける内部電極16,17,18,19の位置と、第2の容器9dにおける内部電極16a,17a,18a,19aの位置と、を同じにすることにより、同一種類の振動デバイス5を、異なる種類である第1の容器8dおよび第2の容器9dにそれぞれ実装することができる。
本実施形態では、第1の容器8dにおける内部電極16,17,18,19の寸法および形状と、第2の容器9dにおける内部電極16a,17a,18a,19aの寸法および形状と、は同じである。ただし、振動デバイス5における接続電極31,32,33,34と接続可能である限りにおいて、内部電極16,17,18,19と、内部電極16a,17a,18a,19aと、のそれぞれの寸法および形状の少なくとも1つが異なっていても構わない。
また、第1の容器8dにおける内部電極16,17,18,19は、「第1~第Nの内部電極」の一例であり、第2の容器9dの内部電極16a,17a,18a,19aは「第N+1~第2Nの内部電極」の一例である。振動デバイス5における接続電極31,32,33,34は「第1~第Nの接続電極」の一例である。本実施形態では、整数Nは4である。
ただし、第1の容器8dおよび第2の容器9dにおける内部電極の数、および振動デバイス5における接続電極の数は、4に限らない。すなわち、2以上の任意の整数Nに対して、第1の容器8dには第1~第Nの内部電極が設けられ、第2の容器9dには第N+1~第2Nの内部電極が設けられ、振動デバイス5は第1~第Nの接続電極を有していれば構わない。
ここまで、第1の容器8dを有する第1の発振器2、および第2の容器9dを有する第2の発振器3について、説明した。
次に、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明する。
上述したように、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1に係る第1の発振器2および第2の発振器3と比べ、第1の容器8に代わり、第1の容器8dを有することや、第2の容器9に代わり、第2の容器9dを有すること以外は、実施形態1と同様である。したがって、本実施形態に係る第1の発振器2および第2の発振器3は、実施形態1と同様に、図9に示すフローチャートに基づいて製造することができる。ただし、本実施形態では、図9に示すフローチャートにおいて、工程S4および工程S7の詳細が、実施形態1とは異なる。
そこで、工程S4および工程S7について、図9、図12、図13、図20、および図22を参照して説明する。
工程S1~工程S3は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
工程S4は、振動デバイス5を第1の容器8dに収容し、第1の発振器2を製造する工程である。
図12に示すように、本実施形態では、工程S4は、振動デバイス5を第1の容器8dの容器本体121に配置する工程S41と、振動デバイス5を第1の容器8dに封止する工程S42と、を有する。
工程S41は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
工程S42は、振動デバイス5を第1の容器8dに封止する工程である。
図20に示すように、容器本体121の上面には、振動デバイス5を被覆するように、モールド部122が配置される。これにより、振動デバイス5は、モールド部122により、気密に封止される。
このようにして、工程S41,S42により、振動デバイス5を第1の容器8dに収容し、第1の発振器2を製造することができる。
ここで、図9に戻るが、工程S5および工程S6は、実施形態1と同様であるため、その説明は省略し、工程S7から説明する。
工程S7は、振動デバイス5を第2の容器9dに収容し、第2の発振器3を製造する工程である。
図13に示すように、本実施形態では、工程S7は、振動デバイス5を第2の容器9dの容器本体121aに配置する工程S71と、振動デバイス5を第2の容器9dに封止する工程S72と、を有する。
工程S71は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
工程S72は、振動デバイス5を第2の容器9dに封止する工程である。
図22に示すように、容器本体121aの上面には、振動デバイス5を被覆するように、モールド部122aが配置される。これにより、振動デバイス5は、モールド部122aにより、気密に封止される。
このようにして、工程S71,S72により、振動デバイス5を第2の容器9dに収容し、第2の発振器3を製造することができる。
図9に戻り、工程S7が終了すると、発振器の製造を終了する。
ここまで、本実施形態に係る発振器の製造方法について、説明した。
上述した発振器の製造方法によれば、同一種類の振動デバイス5をそれぞれ異なる種類の容器である第1の容器8dおよび第2の容器9dにそれぞれ収容することにより、第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器を製造することができる。また、振動デバイス5は記憶回路71を有し、記憶回路71には発振回路74の特性設定情報が記憶される。記憶回路71に記憶される発振回路74の特性設定情報を変更することにより、発振回路74の出力特性を容易に変更することができる。
これにより、容器の種類や、発振器の出力特性が互いに異なる複数種類の発振器を低コストで効率よく製造することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
なお、第1の発振器2および第2の発振器3の構成と、その製造方法は、上述した構成および製造方法に限定されず、本開示の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、第1の容器8dはモールド部122を有し、第1の発振器2に収容される振動デバイス5はモールド部122により気密に封止される。同様に、第2の容器9dはモールド部122aを有し、第2の発振器3に収容される振動デバイス5はモールド部122aにより気密に封止される。
ただし、第1の容器8dに収容される振動デバイス5と、第2の容器9dに収容される振動デバイス5と、はそれぞれモールド部122,122aにより気密に封止されなくても構わない。つまり、第1の容器8dはモールド部122を有さなくても構わないし、第2の容器9dはモールド部122aを有さなくても構わない。
第1の容器8dがモールド部122を有さないときは、図12に示す工程S42は不要となる。第2の容器9dがモールド部122aを有さないときは、図13に示す工程S72は不要となる。
また、第1の容器8dおよび第2の容器9dの一方がモールド部122,122aを有し、第1の容器8dおよび第2の容器9dの他方がモールド部122,122aを有さない構成としても構わない。このような構成にすることにより、第1の容器8dと第2の容器9dとのそれぞれの形状を異ならせて、第1の容器8dと第2の容器9dとを異なる種類の容器としても構わない。換言すると、第1の容器8dおよび第2の容器9dの一方に収容される振動デバイス5が気密に封止され、他方に収容される振動デバイス5が気密に封止されない構成とすることにより、第1の容器8dと第2の容器9dとを異なる種類の容器としても構わない。
以上、第1の発振器2および第2の発振器3を含む複数種類の発振器の製造方法について、実施形態1~実施形態4に基づいて説明した。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていても構わない。また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
例えば、実施形態1と、実施形態3と、を組み合わせても構わない。
2…第1の発振器、3…第2の発振器、5,5a,5b…振動デバイス、8,8d…第1の容器、9,9d…第2の容器、51,91…振動素子、52,82…第1基板、53,83…第2基板、84…第3基板、54,54b,86…回路素子、71…記憶回路、72…ロジック回路、73…バイアス回路、74…発振回路、76…発振用回路、77…PLL回路、111…温度センサー、113…温度補償回路、DPL…特性設定情報としての分周器の分周比、DT…特性設定情報としての温度補償関数の係数情報。

Claims (6)

  1. 第1の発振器および第2の発振器を含む複数種類の発振器の製造方法であって、
    振動素子と、第1基板と、前記第1基板との間で前記振動素子を挟むように配置される第2基板と、前記振動素子と電気的に接続される発振回路と、前記発振回路の特性設定情報が記憶される記憶回路と、を含み、前記第1基板および前記第2基板のそれぞれは、半導体基板、水晶基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板である、振動デバイスを準備することと、
    前記振動デバイスを第1の容器に収容して前記第1の発振器を製造することと、
    前記振動デバイスを前記第1の容器とは異なる種類の第2の容器に収容して前記第2の発振器を製造することと、
    前記記憶回路に前記特性設定情報を設定することと、
    を含み、
    前記第1の容器に収容した前記振動デバイス、および前記第2の容器に収容した前記振動デバイスは、同一種類の振動デバイスである、
    発振器の製造方法。
  2. Nを2以上の整数とし、
    前記第1の容器には、第1~第Nの内部電極が設けられ、
    前記第2の容器には、第N+1~第2Nの内部電極が設けられ、
    前記振動デバイスは、第1~第Nの接続電極を有し、
    1以上N以下の各整数iに対して、前記第1の容器における前記第iの内部電極の位置および前記第2の容器における前記第N+iの内部電極の位置は同じであり、
    前記第1の発振器を製造することは、前記第1~第Nの接続電極を前記第1~第Nの内部電極にそれぞれ接続することを含み、
    前記第2の発振器を製造することは、前記第1~第Nの接続電極を前記第N+1~第2Nの内部電極にそれぞれ接続することを含む、
    請求項1に記載の発振器の製造方法。
  3. 前記振動デバイスを準備することは、
    第1ウエハと第2ウエハとの間に形成される複数のキャビティーのそれぞれに収容されるように前記振動素子を配置して、前記第1ウエハと前記第2ウエハとを接合することと、
    接合された前記第1ウエハおよび前記第2ウエハを切断または折り取って個片化し、複数の前記振動デバイスを製造することと、
    を含み、
    前記第1ウエハおよび前記第2ウエハのそれぞれは、半導体基板、水晶基板、またはガラス基板である、
    請求項1または請求項2に記載の発振器の製造方法。
  4. 前記振動デバイスは、前記第1基板および前記第2基板との間に、前記振動素子と、前記振動素子を囲う枠部とを備える第3基板を含み、
    前記振動デバイスを準備することは、
    複数の前記振動素子および複数の前記枠部を第3ウエハに形成することと、
    第1ウエハと前記枠部の一方面とを接合し、第2ウエハと前記枠部の他方面とを接合することと、
    接合された前記第1ウエハ、前記第2ウエハ、および前記第3ウエハを切断または折り取って個片化し、複数の前記振動デバイスを製造することと、
    を含み、
    前記第1ウエハおよび前記第2ウエハのぞれぞれは、半導体基板、水晶基板、ガラス基板、または樹脂フィルム基板である、
    請求項1または請求項2に記載の発振器の製造方法。
  5. 前記記憶回路に前記特性設定情報を設定することは、前記発振回路の出力周波数を設定する前記特性設定情報を設定することを含む、
    請求項1または請求項2に記載の発振器の製造方法。
  6. 前記振動デバイスは、温度センサーと、前記温度センサーからの出力および温度補正設定情報に基づいて前記発振回路の出力周波数を補正する温度補償回路と、を含み、
    前記記憶回路に前記特性設定情報を設定することは、前記温度補償回路の前記温度補正設定情報を設定する前記特性設定情報を設定することを含む、
    請求項1または請求項2に記載の発振器の製造方法。
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