JP2023156752A - 消火システムおよび火災の抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】火災が発生したときに消火器を運ぶ等することなく消火をすることができ、また、おおがかりな施行工事をすることなく安価に設置をすることができる消火システムを提供する。【解決手段】薬剤供給部11と、薬剤供給部11から供給された消火薬剤、消火抑制剤9の少なくともいずれかが流れる配管部13と、手摺5に設置され、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、配管部13を流れてきた消火薬剤、消火抑制剤9の少なくともいずれかを散布するノズル15とを有する消火システム1である。【選択図】図1
Description
本発明は、消火薬剤等を散布するノズルが手摺に設置されている消火システムおよび火災の抑制方法に関する。
従来、建築物に設置される消火機能を有するものとして、消火器、スプリンクラーが知られている。
消火器は、建築物の所定の場所に設置される。そして、火災が発生したときに、人間が所定の場所に置かれている消火器を火災が発生したところまで運び、火に向けて消火薬剤を散布する。
スプリンクラーは、法令によって設置が定められている建築物(建物)で火災が発生したきに、自動的に天井から水を広範囲(火災が発生したフロア)に散布し消火する。ここで、従来の技術に関する文献として特許文献1を掲げる。
また、人が意図的に可燃性液体たとえばガソリンや灯油のような燃料を撒いて火を着けることによって発生する放火テロのような作為的な火災は、未然に防ぐことは難しい。特に、燃料を撒かれた後であって時間が経過した後に着火されると爆発燃焼するだけでなく、着火後の消火対応は極めて困難である。
そこで、意図的でない可燃物(事故や不注意により漏洩や拡散してしまった可燃物)に対しても、事前に火災の抑制を効果的に行うことが望まれている。
ところで、消火器を用いた消火では、上述したように、火災が発生したときに、人間が消火器を火災が発生したところまで運び、火に向けて消火薬剤を散布する必要がある。
また、スプリンクラーが設置されていない建物に新たにスプリンクラーを設置するとなると、おおがかり施行工事が必要となり費用がかさんでしまう。
本発明は、火災が発生したときに消火器を運ぶ等することなく消火をすることができ、また、おおがかりな施行工事をすることなく安価に設置をすることができる消火システムを提供することを目的とする。さらに、放火テロのような作為的な火災、または意図的でない可燃性液体の漏洩による火災、を未然に防ぐための、また、火災の延焼防止のための、火災の抑制方法および火災の消火システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に係る消火システムは、薬剤供給部と、前記薬剤供給部から供給された消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかが流れる配管部と、手摺に設置され、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、前記配管部を流れてきた消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを散布するノズルとを有する消火システムである。
本発明の態様に係る消火システムでは、前記配管部の少なくとも一部が前記手摺の一部で構成されている。
本発明の態様に係る消火システムでは、前記薬剤供給部の少なくとも一部が前記手摺の一部で構成されている。
本発明の態様に係る消火システムは、前記ノズルの近傍に設けられ火災の炎を検知する炎検知センサと人による操作がされるスイッチとを有し、前記炎検知センサによって炎が検知されもしくは前記スイッチが操作されたときに前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するか、または、前記炎検知センサによって炎が検知されかつ前記スイッチが操作されたときに前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するように構成されている。
本発明の態様に係る消火システムは、前記ノズルの近傍に設けられ、可燃性液体を検知する可燃性液体検知センサと人による操作がされるスイッチとを有し、前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知され、もしくは、前記スイッチが操作されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するか、または、前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知され、かつ、前記スイッチが操作されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するように構成されている。
本発明の態様に係る消火システムでは、前記手摺が建物の壁に設置されており、前記薬剤供給部が前記建物の壁に収容されている。
本発明の態様に係る火災の抑制方法は、薬剤供給部と、前記薬剤供給部から供給された消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかが流れる配管部と、手摺に設置され、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、前記配管部を流れてきた消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを散布するノズルと、前記ノズルの近傍に設けられ、可燃性液体を検知する可燃性液体検知センサとを有し、前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給する火災の抑制方法である。
本発明によれば、火災が発生したときに消火器を運ぶ等することなく消火をすることができ、また、おおがかりな施行工事をすることなく安価に設置をすることができる消火システムを提供できるという効果を奏する。さらに、放火テロのような作為的な火災、または意図的でない可燃性液体の漏洩による火災、を未然に防ぐための、また、火災の延焼防止のための、火災の抑制方法および火災の消火システムを提供できるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る消火システム1は、図1から図4で示すように、建物3の手摺5を利用して、建物3の床面7に消火薬剤等9を散布するものであり、薬剤供給部11と配管部13とノズル15とを備えて構成されている。薬剤供給部11からは、消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれか(消火薬剤等)9が供給される。
配管部13は、薬剤供給部11から延出している。配管部13の内部を、薬剤供給部11から供給された消火薬剤等9が流れる。消火抑制剤として、たとえば、特開2021-176503号公報で掲げるものが採用される。
ノズル15は、建物3に設置されている手摺5に設置される。ノズル15は、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、配管部13を流れてきた消火薬剤等9を散布(噴霧)する。
手摺5は、たとえば、歩行補助用のものとして設置されており、横木(笠木;手摺本体)17を備えて構成されている。ノズル15は、たとえば手摺の横木17に設置される。
建物3の部屋や廊下等の通路19の壁21の壁面23に設置されている手摺5は、横木17と壁付けブラケット(手摺固定金具)25を備えて構成されており、横木17が壁付けブラケット25によって壁21の壁面23に設置されている。また、横木17が、通路19の床面7および壁21の壁面23と平行になって延伸している。さらに、説明すると、横木17は、床面7から750mm~800mm程度の高さで、壁面23から50mm程度離れている。
建物3の床面7から起立している手摺(図示せず)は、手摺柱と横木とを備えて構成されている。また、建物3の床面7から起立している手摺には、中桟が設けられている場合もある。
ノズル15から散布された消火薬剤等9は、ある程度の立体角で広がり、建物3の床面7の所定の範囲にほぼ均一にしかも広く散布される。なお、ノズル15から水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向に向けて放出された消火薬剤等9であっても、消火薬剤等9が大人の目に入ることを極力防止するために、消火薬剤等9の床面7からの最大到達高さは、1.2m以下になっている。
また、配管部13やノズル15が設置されている手摺5であっても、手摺5としての機能を発揮できる。手摺5の機能として、人が歩行するときにおける歩行の補助をすることを掲げる。具体的には、人の転倒を防ぎ、人の歩行や動作を円滑にする。
手摺5の機能は、人が手摺5の横木17に手を添えたり、人が手摺5の横木17を手でつかんだりすることで発揮される。人が手摺5の横木17に手を添えたり、人が手摺5の横木17を手でつかんでいる状態では、人は、転倒しないように自分の体重をある程度支えることができる。
配管部13やノズル15が手摺5に設置されていても、配管部13やノズル15は、横木17のごく一部にだけに設置されており、横木17のほとんどの部位には、配管部13やノズル15等の障害物が非存在になっている。これにより、配管部13やノズル15が設置されていても、人が手摺5の横木17に手を添えることができ、また、人が手摺5の横木17を手でつかんだりできる。
また、ノズル15が手摺5の横木17に設置されている態様では、手摺5の横木17のたとえば下側で手摺5の横木17にノズル15が設置されており、ノズル15が手摺5の横木17から下側に突出している。なお、ノズル15や配管部13は、既設の手摺5にも設置することが可能になっている。
また、消火システム1では、配管部13の少なくとも一部が手摺5の一部(たとえば横木17の一部)で構成されている。配管部13の一部が手摺5で構成されている態様では、配管部13を構成している手摺5の部位(手摺配管構成部位)29が筒状(たとえば円筒状)に形成されている。ノズル15が手摺配管構成部位29に設置されて態様では、手摺配管構成部位29の内側の空間が、ノズル15を介して手摺配管構成部位29の外側の空間とつながる。
また、ノズル15が手摺配管構成部位29に設置されている態様では、手摺5の横木17のたとえば下側で手摺5の横木17にノズル15が設置されており、ノズル15が手摺配管構成部位29から突出している。なお、ノズル15が手摺配管構成部位29に設置されている態様において、ノズル15が手摺5の手摺配管構成部位29の筒の肉部を貫通している貫通孔のみで形成されていてもよい。
また、消火システム1には、炎検知センサ31とスイッチ33とが設けられている。炎検知センサ31は、図2で示すように、ノズル15の近傍に設けられており、火災による炎の発生を検知する。さらには、炎検知センサ31は、ノズル15の近傍でたとえば手摺5の横木17もしくは横木17以外の部位に設けられている。スイッチ33として、たとえば、手動の押しボタンスイッチが採用される。また、スイッチ33が、炎検知センサ31に連動して動作する、自動起動スイッチであってもよく、手動押しボタンスイッチと自動起動スイッチの双方の機能を有してもよい。
そして、消火システム1では、炎検知センサ31によって炎が検知され、もしくは、スイッチ33が操作されたときに、薬剤供給部11が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれか(消火薬剤等9)を供給するように構成されている。または、消火システム1では、炎検知センサ31によって炎が検知され、かつ、スイッチ33が操作されたときに、薬剤供給部11が消火薬剤等9を供給するように構成されている。
消火システム1において手摺5が建物3の壁21に設置されている態様では、図1で示すように、薬剤供給部11が建物3の壁21内に収容される。
さらに説明すると、薬剤供給部11は、収容箱35と薬剤貯蔵容器37と圧力容器39と開閉器41とを備えて構成されている。薬剤貯蔵容器37と圧力容器39と開閉器41とは、収容箱35内に収容される。薬剤貯蔵容器37内には、消火薬剤等9が収容される。圧力容器39内には、圧縮された気体(たとえば窒素ガス)が収容される。薬剤貯蔵容器37内に圧力容器39内の圧縮された気体を供給するための配管43が、圧力容器39から薬剤貯蔵容器37まで延びる。開閉器(たとえば電磁開閉弁)41は、圧縮された気体を供給するための配管43の途中に設けられる。
開閉器41が閉状態にあるときには、圧縮された気体を供給するための配管43が遮断されており、圧力容器39から薬剤貯蔵容器37への圧縮された気体の供給がされない。開閉器41が開状態にあるときには、圧縮された気体を供給するための配管43が通じ、配管43を通って圧力容器39から薬剤貯蔵容器37への圧縮された気体の供給がされる。
手摺配管構成部位29内に薬剤貯蔵容器37内の消火薬剤等9を供給するための配管(配管部)13が、薬剤貯蔵容器37から手摺配管構成部位29まで延びている。薬剤貯蔵容器37から延出している配管13は、収容箱35内を通り建物3の壁21内を通り建物3の壁面23から壁21の外に出て手摺配管構成部位29まで延びている。
薬剤貯蔵容器37と圧力容器39と開閉器41とが収容されている収容箱35は、壁21内に収容される。これにより、壁面23から、手摺5が設けられている通路19側には、収容箱35が突出していない。
火災が発生していない通常の状態では、開閉器41が閉状態になっており、薬剤貯蔵容器37内の消火薬剤等9は、手摺配管構成部位29内に供給されない。
火災が発生し、たとえば、スイッチ(押しボタン)33が手で押されると、圧力容器39から薬剤貯蔵容器37への圧縮された気体の供給がされる。これにより、薬剤貯蔵容器37内の圧力が高まり、薬剤貯蔵容器37内の消火薬剤等9が、配管部13を通って手摺配管構成部位29内に供給される。そして、手摺配管構成部位29内に供給された消火薬剤等9が、手摺5に設けられたノズル15から散布される。
収容箱35は、図1で示すように、前板部45と後板部47と一対の側板部49と上板部51と底板部53とを備えて構成されている。前板部45と後板部47と一対の側板部49と上板部51と底板部53とは、矩形な平板状に形成されている。収容箱35の外形は直方体状になっており、収容箱35の内部空間も直方体状になっている。
収容箱35は、後板部47と一対の側板部49と上板部51と底板部53とが、壁21内に入り込み、前板部45が、壁21の壁面23とほぼ同一平面内に位置するようにして、壁21に設置されている。前板部45は、扉になっている。前板部45が閉じている状態で、前板部45が、壁21の壁面23とほぼ同一平面内に位置している。なお、後板部47と一対の側板部49と上板部51と底板部53とを設けることなく、壁21の表面と前板部45とで、収容箱35が構成されていてもよい。
薬剤貯蔵容器37は、配管部13および配管43に対して、容易に着脱できる。圧力容器39は、配管43に対して、容易に着脱できる。また、薬剤貯蔵容器37には、消火薬剤等9を再充填できる。圧力容器39にも、圧縮された気体を再充填できる。
前板部45が開いている状態で、収容箱35内の薬剤貯蔵容器37と圧力容器39を収容箱35の外に取り出すことができ、収容箱35の外から収容箱35内に薬剤貯蔵容器37と圧力容器39を入れることができる。
なお、収容箱35が、図3で示すように、壁21の外であって壁面23の近傍で通路19に設置されていてもよい。
手摺配管構成部位29には、消火薬剤等29が入る内部空間55が形成されている。内部空間55は、配管部13とノズル15とを除いて、外部の空間から遮断されている。なお、壁付けブラケット25で、配管部13の一部を構成してもよい。また、手摺5の横木17が、図3や図4で示すように、壁面23のコーナーに沿って配置されていることで、「L」字状に延びていてもよい。
図2で示すように、炎検知センサ31は、たとえば、ノズル15の近傍で手摺5の横木17の下側に設置されている。なお、炎検知センサ31が、建物3の壁面23や天井面に設置されていてもよい。スイッチ33は、炎検知センサ31とは離れたところ(たとえば、防災管理室や手摺5の近傍を監視できる場所や図2で示す収容箱35)に設置されているが、その他のところ(たとえば、建物3の壁面23や収容箱35や手摺5の横木17)に設けられていてもよい。
炎検知センサ31は、火災の炎を検知したときに、炎を検知した旨の信号を、スイッチ33に送る。このとき、スイッチ33は押しボタン33が動作したときと同様の信号を開閉器41に送る。図1に参照符号59で示すものは、起動用配線である。通常時は閉じている開閉器41は、スイッチ33や押しボタン33から受け取った信号によって開状態になる。
また、炎検知センサ31は、火災の炎を検知したときに、炎を検知した旨の信号を火災受信機57に送ってもよい。図1に参照符号59で示すものは、起動用配線である。通常時は閉じている開閉器41が、火災受信機57から受け取った信号によって開状態になってもよい。
ところで、消火システム1において、図6で示すように、既存の手摺5に支持体61を介してノズル15を設置してもよい。ノズル15には、配管部13が直接つながっている。また、図6に破線で示すように、薬剤供給部11(収容箱35)が、建物3の部屋の外部に設けられていてもよい。
次に、消火システム1の1つ目の動作について、図5を参照しつつ説明する。
初期状態では、薬剤貯蔵容器37に消火薬剤等9が充填されており、圧力容器39に圧縮された気体が充填されており、開閉器41が閉じている。
上記初期状態で、不審者がガソリン等の引火物を床面7に撒きあるいは火をつける(S1)。続いて、これに気付いた防火管理者もしくは他の人が、ガソリンが撒かれたことあるいはガソリンの炎に気付いて消火起動ボタン33を押す(S3)。これにより、ノズル15から消火薬剤等9が放出され散布される(S9)。
なお、上記1つ目の動作において、上記初期状態で、不審者がガソリン等の引火物を床面7にまき火をつける(S1)。すると、炎検知センサ31が炎の熱を感知し、消火起動信号を出力する(S5)。そして、ノズル15から消火薬剤等9が放出され散布される(S9)ようにしてもよい。
次に、消火システム1の2つ目の動作(上記1つ目の動作とは異なる動作)について、図5を参照しつつ説明する。
初期状態では、上述したように、薬剤貯蔵容器37に消火薬剤等9が充填されており、圧力容器39に圧縮された気体が充填されており、開閉器41が閉じている。
上記初期状態で、不審者がガソリン等の引火物を床面7にまき火をつける(S1)。これに気付いた防火管理者もしくは他の人がガソリンの炎に気付いて消火起動ボタン33を押し、かつ、炎検知センサ31が炎の熱を感知し消火起動信号を出力する(S7)。これにより、ノズル15から消火薬剤等9が放出され散布される(S9)。
なお、ノズル15から散布された消火薬剤等9は、図3、図4で示すように、建物3の床面7に参照符号63で示す範囲に広がる。複数のノズル15が、手摺5の横木17の延伸方向で、所定の間隔を空けてならんでいることで、消火薬剤等9が散布される複数の範囲63は、手摺5の横木17の延伸方向で互いがつながってならんでいる。
消火システム1では、ノズル15が手摺5に設置されており、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、消火薬剤等9を散布する。このように構成されていることで、火災が発生したときに消火器を運ぶ等することなく消火薬剤で消火をすることができ、消火抑制剤で火災の発生を未然に防止することができる。さらに、放火テロのような作為的な火災、または意図的でない可燃性液体の漏洩による火災、を未然に防ぐことができる。
また、ノズル15等が手摺5に固定的に設置されるので、消火器の場合のように消火設備を人間が持ち運ぶ必要が無く、迅速に消火等することができる。すなわち、消火システム1によって、火災発生現場近傍の消火器を持ち運び消火するよりも早く、消火薬剤や消火抑制剤を散布することができる。さらに、おおがかりな施行工事をすることなく安価に消火システム1を設置することができる。
また、消火システム1では、配管部13やノズル15が設置されている手摺5であっても、手摺5としての機能を発揮できるようになっている。これにより、通常時(火災が発生していないとき)は、手摺5を普通に使用することができる。
すなわち、消火システム1により、手摺5が消火機能(燃えているガソリン等を消火する機能)と、火災抑制機能(散布されたガソリン等の引火物に着火させない機能)との、付加価値を持つことになる。そして、避難誘導路も確保することが可能になる。また、消火薬剤等9が散布された場合、床面7が滑りやすくなるが、手摺5を持つことで、転倒することが防止しつつ安全に避難することができる。
さらに説明すると、最近、ガソリンを散布して放火する犯罪が増えている。このように建物3の床面7にガソリンが散布された場合であっても、手摺5に設置されているノズル15から消火薬剤等9を散布する。これにより、ガソリンの発火を防ぎ、また、ガソリンが発火したときには消火をすることができ、手摺5をもって安全に避難することができる。すなわち、非常時に迅速に消火等をし、避難路(避難誘導路)を確保できる。
また、消火システム1では、ノズル15が、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、消火薬剤等9を散布する。これにより、消火薬剤等9が人の目に入るおそれがほぼ無くなり、人が安全かつ確実に避難できる。
また、消火システム1では、配管部13の少なくとも一部が手摺5の一部で構成されている。これにより、消火システム1の構成が簡素化される。また、ノズル15が手摺配管構成部位29に設置されている態様において、ノズル15が手摺配管構成部位29の筒の肉部を貫通している貫通孔で形成することで、横木17からの出っ張りが無くなり、手摺5の機能を確実に維持できる。
また、消火システム1では、炎検知センサ31がノズル15の近傍に設けられており、炎検知センサ31によって炎が検知され、もしくは、スイッチ33が操作されたときに、薬剤供給部11から消火薬剤等9が供給されノズル15から消火薬剤等9が散布される。これにより、火災が発生した際、当該場所のみに対して自動または手動で薬剤を散布することができる。
また、炎検知センサ31によって炎が検知され、かつ、スイッチ33が操作されたときに、薬剤供給部11から消火薬剤等9が供給されノズル15から消火薬剤等9が散布されるように構成する。このように構成することで、誤作動や誤操作による消火薬剤等9の散布を防止することができる。
また、炎検知センサ31をガソリンなどの可燃性液体の検知センサ(気化した可燃性液体を検知するセンサ)とし、可燃性液体が撒かれたときに高濃度の可燃性液体の蒸気を検知し、炎が発生する前に消火システム1を動作させてもよい。さらに、可燃性液体の検知センサの検知とスイッチ33の操作でノズル15から消火薬剤等9が散布されてもよい。また、炎検知センサ31と、ガソリンなどの可燃性液体の検知センサの両方を設置してもよい。
可燃性液体の検知センサを用いることで、放火テロのような作為的な火災の発生、もしくが、意図的でない可燃性液体の漏洩による火災の発生を未然に防ぐことができる。
また、消火システム1では、手摺5が建物3の壁21に設置されており、薬剤供給部11が建物3の壁に21収容されている。これにより、手摺5が設置されている通路19に薬剤供給部11が非存在になり、通路19の見栄えを良くし、通路19の機能を的確に確保することができる。
また、消火システム1では、薬剤供給部11が薬剤貯蔵容器37や圧力容器39等を備えて構成されている。これにより、消火薬剤等9を散布させた後であっても、薬剤貯蔵容器37への消火薬剤等9の充填、圧力容器39への圧縮された気体の再充填を簡易的に行うことができ、消火システム1の復旧を簡単にすることができる。
なお、消火システム1を、手摺が設けられている建物の面の手摺近傍箇所の消火システム、もしくは、避難通路確保システムと呼んでもよい。
また、消火システム1において、薬剤供給部11の少なくとも一部が手摺5の一部で構成されていてもよい。たとえば、手摺5の横木17に、薬剤供給部11、配管部13の機能を持たせ、横木17にノズル15を設置してもよい。このように構成することで、消火システム1の構成を簡素化することができる。
また、上記記載内容を、薬剤供給部と、前記薬剤供給部から供給された消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかが流れる配管部と、手摺に設置され、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、前記配管部を流れてきた消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを散布するノズルと、前記ノズルの近傍に設けられ、可燃性液体を検知する可燃性液体検知センサとを有し、前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給する火災の抑制方法(火災発生抑制方法)として把握してもよい。この火災の抑制方法では、前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知されたとき、炎が発生する前に、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給することが望ましい。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 消火システム
3 建物
5 手摺
9 消火薬剤、消火抑制剤(消火薬剤等)
11 薬剤供給部
13 配管部
15 ノズル
21 壁
31 炎検知センサ
33 スイッチ
3 建物
5 手摺
9 消火薬剤、消火抑制剤(消火薬剤等)
11 薬剤供給部
13 配管部
15 ノズル
21 壁
31 炎検知センサ
33 スイッチ
Claims (7)
- 薬剤供給部と、
前記薬剤供給部から供給された消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかが流れる配管部と、
手摺に設置され、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、前記配管部を流れてきた消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを散布するノズルと、
を有する消火システム。 - 前記配管部の少なくとも一部が前記手摺の一部で構成されている請求項1に記載の消火システム。
- 前記薬剤供給部の少なくとも一部が前記手摺の一部で構成されている請求項1に記載の消火システム。
- 前記ノズルの近傍に設けられ、火災の炎を検知する炎検知センサと、
人による操作がされるスイッチと、
を有し、
前記炎検知センサによって炎が検知され、もしくは、前記スイッチが操作されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するか、
または、
前記炎検知センサによって炎が検知され、かつ、前記スイッチが操作されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するように構成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の消火システム。 - 前記ノズルの近傍に設けられ、可燃性液体を検知する可燃性液体検知センサと、
人による操作がされるスイッチと、
を有し、
前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知され、もしくは、前記スイッチが操作されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するか、
または、
前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知され、かつ、前記スイッチが操作されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給するように構成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の消火システム。 - 前記手摺は、建物の壁に設置されており、
前記薬剤供給部は、前記建物の壁に収容されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の消火システム。 - 薬剤供給部と、
前記薬剤供給部から供給された消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかが流れる配管部と、
手摺に設置され、下方向、斜め下方向、水平方向、水平方向に対して僅かな角度で交差する斜め上方向の少なくともいずれかの方向に向けて、前記配管部を流れてきた消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを散布するノズルと、
前記ノズルの近傍に設けられ、可燃性液体を検知する可燃性液体検知センサと、
を有し、
前記可燃性液体検知センサによって可燃性液体が検知されたときに、前記薬剤供給部が消火薬剤、消火抑制剤の少なくともいずれかを供給する火災の抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022066291A JP2023156752A (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 消火システムおよび火災の抑制方法 |
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JP2022066291A JP2023156752A (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 消火システムおよび火災の抑制方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023156752A true JP2023156752A (ja) | 2023-10-25 |
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ID=88468768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022066291A Pending JP2023156752A (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 消火システムおよび火災の抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023156752A (ja) |
-
2022
- 2022-04-13 JP JP2022066291A patent/JP2023156752A/ja active Pending
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