JP2023156615A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蛍光体の温度上昇を抑制する。【解決手段】 本開示の表示装置1は、蛍光体層を有する回転円板12、蛍光体層にレーザ光を投射する光源11、を備え、前記蛍光体の蛍光によって表示を行う表示装置である。そして、回転円板12の回転方向RDは、レーザ光のスポットS1の長手方向D1に対し略直交する、ように構成した。上記の構成は、レーザ光が楕円状のスポットである場合に、最も広い実行照射面積を得ることができ、その結果、蛍光体の温度上昇を抑制できる。この温度上昇抑制効果は、レーザ光のスポットが真円(あるいは正円)でなければ温度上昇抑制効果を得ることができ、スポットの長手方向の長さが短手方向の長さに対し長いほど温度上昇抑制効果が高くなる。【選択図】 図4
Description
本開示は、レーザ光が照射された蛍光体の蛍光を用いて表示を行う表示装置に関する。
蛍光体層を有する回転円板にレーザ光を照射し、蛍光体層から出力される蛍光を用いて画像を表示する表示装置が特許文献1に開示されている。
このような表示装置においては、蛍光体がレーザ光によって熱されると、温度上昇に伴って蛍光体の発光効率が低下するという課題がある。
上述した課題から、本開示は、レーザ光が照射された蛍光体の蛍光を用いて表示を行う表示装置において、蛍光体の温度上昇を抑制することを目的とする。
本開示の表示装置は、
蛍光体層を有する回転円板、前記蛍光体層にレーザ光を投射する光源、を備え、前記蛍光体の蛍光によって表示を行う表示装置であって、
前記回転円板の回転方向は、前記レーザ光のスポットの長手方向に対し略直交する。
蛍光体層を有する回転円板、前記蛍光体層にレーザ光を投射する光源、を備え、前記蛍光体の蛍光によって表示を行う表示装置であって、
前記回転円板の回転方向は、前記レーザ光のスポットの長手方向に対し略直交する。
本開示によれば、レーザ光が照射された蛍光体の蛍光を用いて表示を行う表示装置において、蛍光体の温度上昇を抑制できる。
本開示の表示装置1の第1実施形態の構成を以下に説明する。
表示装置1は、図1に示すように、車両Cのヘッドライトに搭載された車両用表示装置であり、車両Cが走行する路面に向けて表示光を投影して画像Gを表示する。この画像Gは、車両の動作を歩行者などに報知するものであって、例えば、車両が右左折する際の進行方向を画像表示する。
図2を参照する。表示装置1は、光源11と、回転円板12と、走査ミラー13、これらを制御する制御部と、を備える。
光源11は、中心波長が約445ナノメートルである青色のレーザ光を回転円板12に向かって出力する光源である。
光源11は、例えば、複数のレーザ光源から出力されたレーザ光を1つのスポットにまとめて出力するマルチエミッタレーザダイオードである。このマルチエミッタレーザダイオードは、図3に示すように、輝度が最も高い点状のピークスポットPSが方向D1に沿って列状に連なった楕円状のスポットS1のレーザ光を出力する。つまり、光源11は、長手方向D1に延びる楕円状のスポットS1のレーザ光を出力する。
回転円板12は、透光性の円板状基材の表面に蛍光体層を有する円板と、この円板の中心Pを軸に所定の速度で回転させるモータ、を備える。
円板状基材は、光源11が出力するレーザ光の波長の光、及び、後述する蛍光体層が出力する蛍光の波長の光を透過する光透過性材料で形成されている。この光透過性材料は、例えば、石英ガラス、水晶ガラス、サファイヤガラスのような加熱変形が生じにくい耐熱性材料であることが好ましいが、アクリル樹脂のような樹脂材料であってもよい。
蛍光体層は、光源11から出力されるレーザ光を励起光として吸収し蛍光を発する蛍光物質が、円板状基材の表面に薄膜状に形成されている。この蛍光物質は、例えば、YAG蛍光体であり、波長が約445ナノメートルの青色光によって励起されて白色光の蛍光を出力する。
走査ミラー13は、蛍光体層から出力された蛍光を走査して画像Gを表示するMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーである。
制御部は、光源11、回転円板12、走査ミラー13を制御するマイクロコントローラを備えた制御回路基板である。制御部は、所定のトリガを検出すると、画像Gの表示をするための制御を行う。例えば、制御部は、車両Cの運転者が方向指示スイッチを操作したことを検出すると、光源11を点灯させ、回転円板12を回転させ、走査ミラー13の走査を開始して、画像Gを路面に表示する。
次に、レーザ光のスポット形状と回転円板の回転方向との関係性について説明する。
回転円板12は、図4のスポットS1に示すように、光源11から照射されるレーザ光のスポットS1の長手方向D1と略直交するような回転方向RDで回転する。言い換えるならば、長手方向D1は回転円板12の接線に平行、あるいは、長手方向D1は回転円板12の中心Pに向かって伸びる方向である、とも言える。
上記のスポットS1で示した構成は、図4のスポットS2に示すようなスポットS2の長手方向D2に沿って略平行な回転方向RDで回転する構成に対し、回転円板12に照射されるレーザ光のエネルギー密度が小さい。従って、レーザ光による蛍光体の温度上昇を抑制することができる。
図5に比較例を示す。この比較例は、以下のレーザ光の条件の下、比較例A~Cの実効照射面積(回転円板上を通過するレーザ光の面積)、エネルギー密度、蛍光体の温度上昇値を比較したものである。
<レーザ光の条件>
・レーザ光の強度:1.3ワット
・レーザ光のスポットの長手方向の長さ:19.5マイクロメートル
・レーザ光のスポットの短手方向の長さ: 2.1マイクロメートル
・レーザ光の強度:1.3ワット
・レーザ光のスポットの長手方向の長さ:19.5マイクロメートル
・レーザ光のスポットの短手方向の長さ: 2.1マイクロメートル
<比較例A>
回転円板を回転しない
回転円板を回転しない
<比較例B>
スポットの長手方向に沿って略平行な回転方向で回転する構成(図4のスポットS2で示した構成)
スポットの長手方向に沿って略平行な回転方向で回転する構成(図4のスポットS2で示した構成)
<比較例C>
スポットの長手方向に略直交する回転方向で回転する構成(図4のスポットS1で示した構成)
スポットの長手方向に略直交する回転方向で回転する構成(図4のスポットS1で示した構成)
図5の比較例Aと他の比較例(比較例B,比較例C)との比較から、「回転円板12を回転させる構成」は、「回転円板12を回転しない構成」よりも回転円板の蛍光体の温度上昇を抑制する効果が高い。これは、回転円板を回転させることにより、実効照射面積(回転円板上を通過するレーザ光の面積)が広くなり、蛍光体に照射されるレーザ光のエネルギー密度を低くすることができるためである。
また、図5の比較例Bと比較例Cとの比較から、「スポットの長手方向に略直交する回転方向で回転する構成(図4のスポットS1で示した構成)」は、「スポットの長手方向に沿って略平行な回転方向で回転する構成(図4のスポットS2で示した構成)」よりも回転円板の蛍光体の温度上昇を抑制する効果が高い。これは、回転円板の回転方向とレーザ光のスポットの長手方向が直交するように構成することで、実行照射面積を最も広くすることができるためである。
以上が本開示の表示装置1の第1実施形態の構成の説明である。
上述したように、本開示の表示装置1は、蛍光体層を有する回転円板12、蛍光体層にレーザ光を投射する光源11、を備え、前記蛍光体の蛍光によって表示を行う表示装置である。そして、回転円板12の回転方向RDは、レーザ光のスポットS1の長手方向D1に対し略直交する、ように構成した。
上記の構成は、レーザ光が楕円状のスポットである場合に、最も広い実行照射面積を得ることができ、その結果、蛍光体の温度上昇を抑制できる。この温度上昇抑制効果は、レーザ光のスポットが真円(あるいは正円)でなければ温度上昇抑制効果を得ることができ、スポットの長手方向の長さが短手方向の長さに対し長いほど温度上昇抑制効果が高くなる。
また、本開示の表示装置1の光源11は、レーザ光のスポットS1が、複数のピークスポットPSが列状に連なる様態で形成され、レーザ光のスポットS1の長手方向D1は、複数のピークスポットPSの列方向に一致する。
上記の構成は、特に、レーザ光が複数のエミッタの列が連なった楕円状のスポットとして形成されることが多いマルチエミッタレーザ光源に有効であり、「回転円板12の回転方向RDは、レーザ光のスポットS1の長手方向D1に対し略直交する」構成による蛍光体の温度上昇抑制効果の恩恵を受けやすい。
本開示の表示装置1は、以下の変形をしてもよい。
上述した表示装置1においては、光源11をマルチエミッタレーザダイオードとする例としたが、これに限らない。例えば、シングルエミッタレーザダイオードをシングルモードあるいはマルチモードでレーザ光を出力するものに適用してもよい。
また、表示装置1を車両Cのヘッドライトに搭載した例を示したが、これに限らない。表示装置1は画像Gを表示するものに限らず、単に蛍光によって照らす照明装置に適用してもよい。
また、表示装置1を車両Cのテールランプやドアに搭載して車両Cの周囲の路面に画像Gを表示するものに適用してもよい。さらに、表示装置1は、車両Cのインストルメントパネルに搭載し、ウインドシールドに画像Gを投影するヘッドアップディスプレイに適用してもよい。あるいは、スクリーンに画像Gを投影するプロジェクタに適用してもよい。
上記のように様々な適用ができるが、特に好ましくは、強い外光の下で高輝度な表示を行う利用シーンが想定される車載の表示装置に適用することである。この場合、光源から強いエネルギーの光を蛍光体に投射する必要があるため、本開示の構成による蛍光体の温度上昇抑制効果の恩恵が大きい。
また、表示装置1は、照明輝度分布を制御する種々のレンズを備えてもよい。例えば、光源11と回転円板12との間にコリメータレンズを備えてもよい。あるいは、走査ミラー13の後段に投影レンズを備えてもよい。
1 …表示装置
11 …光源
12 …蛍光体層を有する回転円板
13 …走査ミラー
G …画像
S1,S2…スポット
PS …ピークスポット
D1,D2…長手方向
RD …回転方向
11 …光源
12 …蛍光体層を有する回転円板
13 …走査ミラー
G …画像
S1,S2…スポット
PS …ピークスポット
D1,D2…長手方向
RD …回転方向
Claims (3)
- 蛍光体層を有する回転円板、前記蛍光体層にレーザ光を投射する光源、を備え、前記蛍光体の蛍光によって表示を行う表示装置であって、
前記回転円板の回転方向は、前記レーザ光のスポットの長手方向に対し略直交する、表示装置。 - 前記レーザ光のスポットは、複数のピークスポットが列状に連なる様態で形成される、請求項1に記載の表示装置。
- 前記レーザ光のスポットの長手方向は、前記複数のピークスポットの列方向に一致する、請求項2に記載の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022066089A JP2023156615A (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022066089A JP2023156615A (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023156615A true JP2023156615A (ja) | 2023-10-25 |
Family
ID=88468676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022066089A Pending JP2023156615A (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023156615A (ja) |
-
2022
- 2022-04-13 JP JP2022066089A patent/JP2023156615A/ja active Pending
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