JP2023156111A - 生体情報測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】取得された生体情報が、本来生体情報データを取得すべき測定対象者の測定結果であるか否かを容易に判別することができる生体情報測定システムを提供する。【解決手段】測定対象者40の体に装着されて前記測定対象者の生体情報を取得する測定端末10と、前記測定対象者が所持し、前記測定端末と短距離通信手段により接続された本体機器20とを備え、前記測定端末は、所定のタイミングで前記生体情報と自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を前記本体機器に送信し、前記本体機器は、適宜定められる期間内に前記測定端末の正しい識別情報を含む前記アドバタイズ信号を受信しない場合には、前記アドバタイズ信号を受信しなくなった時刻を示す受信不可情報を記憶部に記録するとともに、受信不可となった時刻以降に受信した前記生体情報に対して所定の識別フラグを付加して記憶部に記録する。【選択図】図1

Description

本願は、測定対象者に装着した小型の測定端末によって一定の期間にわたって当該測定対象者の生体情報を取得し、その変化を把握する生体情報測定システムに関し、得られた生体情報が正しい測定対象者のものであるか否かを容易に判別することができる生体情報測定システムに関する。
一定の期間、例えば数日間から2週間程度にわたって測定対象者の生体情報を継続的に把握する生体情報測定システムが知られている。このような生体情報測定システムでは、測定対象者が身につけて生体情報を取得する測定端末から、生体情報の測定値とその生体情報を取得した測定時刻とを含む生体データが、システム全体を管理する管理装置に送られる。管理装置では、取得した生体データの記録と分析を行い、必要に応じて生体データに基づいて測定対象者の健康状態に関する警告報知をするなど、各種の処理が行われる。
長時間測定端末を装着する測定対象者の負担を軽減するうえでは、測定端末は小型・軽量であることが好ましい。また、測定端末で測定された生体データは有線ではなく無線通信によって管理装置に送信されることが好ましい。この際、測定端末のデータ送信部を簡易な構成として測定端末の電源容量をより小さなものとするために、測定端末から直接管理装置に生体データを送信するのではなく、測定対象者に本体機器を別途所持させてこの本体機器を介して測定端末から管理装置へと生体データを送信する方法が採用されている。
なお、測定端末からは、生体データとともに測定端末自身の識別ID(測定端末情報)も管理装置に送信されて、管理装置で生体情報のデータ処理を行う際に測定端末の識別IDに基づいて、どの測定対象者のデータであるかが判別できるようになっている。
生体情報の測定期間において、測定端末が本来の測定対象者以外の人物に装着されてしまうと、本来の測定対象者の生体情報を継続して取得できなくなってしまう。このような不測の事態を避けるために、形状の変化から異なる人物が装着したことを自動的に検出できる測定端末を用いた生体情報測定システムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の生体情報測定システムでは腕時計型の測定端末が用いられ、装着時の時計バンドの長さを判別して、生体情報を取得している最中に時計バンドの長さが変わった場合には異なる人物が測定端末を装着したと判断して、警告を発するように設定されている。
特開2004-166896号公報
上記特許文献1に記載された従来の生体情報測定システムは、例えば複数の測定対象者が共用する測定端末の場合に、時計バンドの長さによって測定対象者が替わったか否かを判断可能とすることができる。このことを用いて、同一の測定対象者が装着し続ける場合には測定対象者を識別するための識別情報の入力の手間を無くし、異なる測定対象者が装着した場合には改めて識別情報を入力させることで、システムの簡易な運用と正しいデータの取得とを両立させることができる。
しかし、服内の体温を測定する場合や、入浴中や運動中も生体情報を継続して把握する生体情報取得システムでは、腕時計型の測定端末ではなく、粘着シートによって測定対象者の皮膚に貼着されるいわゆるパッチ型の測定端末が用いられる。パッチ型の測定端末は装着者の体型によって形状が変化しないため、上記従来の腕時計型の測定端末のように測定端末の形状変化から測定対象者が代わったことを検出することは困難である。また、腕時計型の測定端末の場合でも、装着時の時計バンドの長さがたまたま同じ測定対象者の場合は、測定対象者間で装着者が入れ替わっても形状変化が生じずに、測定端末自体で測定対象者が替わったことを判別できない可能性が高い。
本願は、上記従来技術の有する課題を解決することを目的とするものであり、測定端末自体では異なる測定対象者が装着したことを検出できない場合であっても、取得された生体情報が、本来生体情報データを取得すべき測定対象者の測定結果であるか否かを容易に判別することができる生体情報測定システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願で開示する生体情報測定システムは、測定対象者の体に装着されて前記測定対象者の生体情報を取得する測定端末と、前記測定対象者が所持し、前記測定端末と短距離通信手段により接続された本体機器とを備え、前記測定端末は、所定のタイミングで前記生体情報と自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を前記本体機器に送信し、前記本体機器は、適宜定められる期間内に前記測定端末の正しい識別情報を含む前記アドバタイズ信号を受信しない場合には、前記アドバタイズ信号を受信しなくなった時刻を示す受信不可情報を記憶部に記録するとともに、受信不可となった時刻以降に受信した前記生体情報に対して所定の識別フラグを付加して記憶部に記録することを特徴とする。
本願で開示する生体情報測定システムは、測定端末が所定のタイミングで自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を本体機器に送信し、本体機器は、適宜定められる期間内に測定端末の正しい識別情報を含むアドバタイズ信号を受信しない場合には、アドバタイズ信号を受信しなくなった時刻を示す受信不可情報を記憶部に記録するとともに、受信不可となった時刻以降に受信した生体情報に対して所定の識別フラグを付加して記憶部に記録する。このため、本来の測定対象者の生体情報を受信していなかった可能性がある期間とその期間内に受信した生体情報を後に判別することが可能となり、生体情報のデータ処理時に当該データを除外したり、測定対象者に正しく測定端末を装着するよう警告したりするなどの対応が可能となる。
図1は、本実施形態にかかる体温測定システムの各部の構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態にかかる体温測定システムに用いられる体温計の構成を示す分解斜視図である。 図3は、本実施形態にかかる体温測定システムに用いられる体温計の動作面に注目した各部材の関係を説明するための模式図である。 図4は、本実施形態にかかる体温測定システムの体温計を測定対象者が装着している状態を示すイメージ図である。 図5は、本実施形態にかかる体温測定システムでの各機器での動作とデータの流れを説明するフローチャートである。
本開示の生体情報測定システムは、測定対象者の体に装着されて前記測定対象者の生体情報を取得する測定端末と、前記測定対象者が所持し、前記測定端末と短距離通信手段により接続された本体機器とを備え、前記測定端末は、所定のタイミングで前記生体情報と自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を前記本体機器に送信し、前記本体機器は、適宜定められる期間内に前記測定端末の正しい識別情報を含む前記アドバタイズ信号を受信しない場合には、前記アドバタイズ信号を受信しなくなった時刻を示す受信不可情報を記憶部に記録するとともに、受信不可となった時刻以降に受信した前記生体情報に対して所定の識別フラグを付加して記憶部に記録する。
このようにすることで、本願で開示する生体情報測定システムでは、測定端末が送信するアドバタイズ信号を本体機器が受信して、生体情報を受信している測定端末が本来の測定対象者が装着しているものであるか否か確認することができる。また、測定端末の正しい識別情報を含むアドバタイズ信号を受信できなくなった時刻を示す受信不可情報と、アドバタイズ信号が受信不可となっている期間中に受信した生体情報に所定のフラグを付したものとが記憶部に記録されるため、測定対象者に紐つけられていない測定端末により取得された生体情報を判別することができ、後のデータ処理時に当該データを除去するなどの対応を採ることができる。
上記生体情報測定システムにおいて、前記本体機器から前記生体情報を受信する管理装置をさらに備え、前記本体機器は、前記受信不可情報と前記識別フラグが付加された前記生体情報とを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記受信不可情報と前記識別フラグが付加された前記生体情報とを記憶部に記録するとともに、前記受信不可情報と前記識別フラグの有無とに応じて前記測定対象者から取得された前記生体情報に関するデータ処理を行うことが好ましい。このようにすることで、管理装置においても測定端末の正しい識別情報を含むアドバタイズ信号を受信できなかった期間を示す受信不可情報と、当該期間中に受信した生体情報に所定のフラグを付したものとが記憶部に記録されるため、データ処理を行う際に正しい測定対象者から取得されたものではない可能性がある生体情報を判別することができ、当該データを除外するなどの対応を行うことが可能となる。
また、前記本体機器は、前記アドバタイズ信号を一定期間以上受信できない場合には、前記測定対象者に対して正しい測定端末を装着するように注意を促す注意情報を報知することが好ましい。このようにすることで、本来の測定対象者の生体情報を取得できる状態に戻すことができる。
さらに、前記本体機器が、前記測定対象者が所持するスマートフォンであることが好ましい。測定対象者が所持するスマートフォンを本体機器とすることで、測定対象者と本体機器との紐付けが自動的に成立することが期待できる。
さらにまた、前記管理装置は、インターネット環境上に配置されたクラウドサーバであることが好ましい。クラウドサーバを管理装置として用いることで、測定対象者が遠隔地にいる場合でもその生体データを取得することができ、結果としてより多くの測定対象者の生体情報を一元的に取得、記録して、いわゆるビッグデータとしてより正確なデータ処理を行うことができる。
また、前記生体情報を前記測定対象者の体温情報とすることができる。
以下、本願で開示する生体情報測定システムについて、具体的な実施形態を用いて説明する。
なお、本発明により、例えば、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標3「すべての人に健康と福祉を」に寄与することができる。
(実施の形態)
本実施形態で例示して説明する生体情報測定システムは、測定対象者の体温を継続的に測定することができる体温測定システムである。より具体的には、測定端末である体温計を測定対象者の体表に触れるように装着した状態で、所定の測定期間(一例として2週間)にわたって継続して測定対象者の体温の変化を生体情報として取得して、その変化から測定対象者の体調変化を読取り、体調が良くない場合には休憩を勧めるなどの対策を指示することができるシステムを例示する。
[各部の構成]
図1は、本実施形態にかかる体温測定システムの各部の構成例を示すブロック図である。
なお図1は、本実施形態にかかる体温測定システムに含まれる測定端末である体温計10、本体機器であるスマートフォン20、管理装置であるクラウドサーバ30、それぞれについて、その動作内容や機能面の観点から構成部材をブロックとして記載したものである。このため、図1に示すそれぞれのブロックは物理的な構成、例えば、それぞれの機能を実現する回路素子の構成をブロックとして示すものではない。例えば、図1では一つの構成部材として示されているブロックが複数の回路ブロックで構成され、場合によっては異なる回路基板上に分散して配置されている場合がある。また、図1に示す複数のブロックを一つの回路素子で実現している場合もあり得る。
(体温計)
体温計10は、測定対象者の体温を計測する生体情報測定部11、体温計10内部での時間情報の基準となるクロック信号を出力する基準クロック12、生体情報測定部11で取得された測定対象者の体温の測定値と、その測定値が得られた測定タイミングを表す測定タイミングデータとを組み合わせて生体データを生成する生体データ生成部13、測定対象者の体温の変化に基づいて体温を測定する測定時間の間隔を変更する測定間隔変更部14、体温計10内の各部の動作を制御する制御部15、生体データ生成部13で生成された生体データを記憶するとともに体温計自身の識別情報(機器ID)である測定端末情報を記憶する記憶部16、記憶部16に記憶された生体データを本体機器であるスマートフォン20へと送信するデータ送信部17、スマートフォン20から送信される測定タイミングデータの校正値などを受信するデータ受信部18を備えている。アドバタイズ信号(以下、図面ではAdv信号と表記)生成部19は、本体機器20との間の短距離通信を成立させるための情報(一例としてペアリング情報)と体温計10の機器IDとを含むアドバタイズ信号を生成するとともに、一定の間隔(一例として2570ms毎)でデータ送信部17からスマートフォン20へとアドバタイズ信号を送信させる。
図2は、本実施形態にかかる体温測定システムの体温計の構成を説明するための分解斜視図である。
また、図3は、本実施形態にかかる体温測定システムの体温計の特に動作面に注目した各部材の関係を説明するための模式図である。
さらに、図4は、本実施形態にかかる体温測定システムの体温計を測定対象者が装着している状態を示すイメージ図である。
本実施形態にかかる体温測定システムの体温計10は、測定対象者40の体表に密着して配置される。また、例えば2週間の測定期間の間、測定対象者40に装着された状態が続くことになるため、測定対象者40の負担にならないように、小型軽量であることが強く求められる。さらに、測定対象者40が入浴したり、汗をかいたりすることにより、体温計10が水や水分に晒された場合でも、正常に動作して体温を測定することができるように、防水処置が施されている。
図2に分解斜視図を示すように、体温計10は、ポリプロピレンなどの樹脂製の上側筐体1と下側筐体2とが外殻を構成していて、この外殻の内部に回路基板3や電池6が組み込まれた状態で、上側筐体1と下側筐体2との接続部分が超音波圧着されて内部を水密に保っている。なお、図2に示す体温計10の場合、その外径は22mm、厚さは4.5mmである。
体温計10が備える生体情報測定部10である体温測定部は、基板3上に配置されたチップタイプの温度センサ4と、温度センサ4の温度感知部と測定対象者40の体表とを熱的に接続する金属端子5によって構成されている。金属端子5の図2中の下端側の部分は下側筐体2に形成された同径の開口部内に埋め込まれるようになっていて、金属端子5の下端面は下側筐体2の下面と同じ位置にあって、体温計10が測定対象者40の体表に装着された際に、金属端子5の下端面が測定対象者40の皮膚に直接触れるようになっている。また、金属端子5の温度を温度センサ4でより確実に検出することができるように、金属端子5と温度センサ4との間には図示しない伝熱グリスが塗布されている。
本実施形態にかかる体温測定システムでは、体温計10で測定された測定対象者40の体温の測定値が、測定された時間を示す時間情報である測定タイミングデータと関連付けられて生体データを構成する。体温計10における時間情報は、水晶振動子により構成された基準クロック12によって生成される。また、アドバタイズ信号生成部19で生成されたアドバタイズ信号の本体機器であるスマートフォン20への送信タイミングも、基準クロック12で生成された時間情報に基づいて定められる。
基準クロック12に用いられる水晶振動子としては、例えば、汎用されている32MHzタイプのものを好適に使用することができる。なお、後述のように、本実施形態の体温測定システムでは、体温計10とスマートフォン20との間の無線通信がブルートゥース(Bluetooth:登録商標、以下この注記は省略する)規格を用いて行われる。このため、基準クロック12としては、ブルートゥース規格に対応した±50ppm以内の精度を有するものを用いることが好ましい。
生体データ生成部13は、生体情報測定部11で取得された生体情報である測定対象者40の体温の測定値と、その測定値が取得された時間を示す時間情報である測定タイミングデータとを結びつけて生体データである体温データを生成する。本実施形態にかかる体温測定システムでは、体温の測定値と結びつけられる時間情報として、前回の体温測定時からの経過時間、すなわち、体温の測定間隔を表す時間情報を測定タイミングデータとして用いる。
体温データは、測定対象者の体温が測定される度に、そのときの体温の測定値と前回の測定時との測定間隔、すなわち、一つ前の測定時からの経過時間であるタイミングデータとが結びつけられて生成されていく。生成された生体データは、記憶部16に順次記憶されていく。
本実施形態にかかる体温測定システムでは、測定対象者の体温を測定する間隔が予め定められている。基本的な体温の測定間隔は、一例として、30分、1時間、2時間等々の比較的長い間隔に設定されている。しかし、例えば、測定対象者の体調が悪くなったと想定される場合などは、体温の測定間隔を、15分、10分、5分、1分など、測定対象者の体温の変化を測定する当初目的に応じて、適宜より短い測定間隔に設定が変更される。測定間隔変更部14は、測定結果として得られる測定対象者の体温の変化、例えば、測定対象者の体温が高くなった場合として、例えば36.8°を超えた場合には体温の測定間隔を第1段階短くし、さらに体温が37.5°を超えた場合にはさらにもう一段階測定間隔を短くするなど、必要に応じて閾値を複数個設けて体温の測定間隔を段階に分けて変更することができる。また、測定間隔変更部14は、測定対象者の体温が下がって閾値を下回った場合には、当初設定していた測定間隔に順次戻すなど、体温の測定間隔が長くなるように変更することもできる。
制御部15は、体温計10に搭載された各回路部品の動作を制御する。制御部15は、ICチップ化されたマイコン(マイクロコンピュータ)や、各種演算回路素子の集合体として構成することができる。
記憶部16は、生体データ生成部13で生成された体温データを記憶する。また、記憶部16は、生体情報測定部11が測定対象者の体温を測定する初期設定の測定間隔や、測定間隔変更部14において測定間隔を変更する基準となる閾値などの、体温計10が動作する際に制御部15やそれぞれの動作回路部が参照するデータが記憶される。なお、小型軽量であることが求められる体温計10に用いられる記憶部16としては、容量を大きくしすぎることは好ましくなく、例えば容量が64Kbit程度で消費電力の小さいメモリであるEEPROMを好適に使用することができ、フラッシュメモリを使用することもできる。また、記憶部16のデータ容量を小さく抑えるために、体温計10とスマートフォン20との間のデータ通信によって記憶部16内の体温データが送信された後には、送信された古い体温データを全て消去するような動作制御を行うことが好ましい。さらに記憶部16は、自身の識別情報である体温計ID(測定端末情報)を記憶している。
本実施形態にかかる体温測定システムの体温計10は、本体機器であるスマートフォン20との間の短距離無線通信の手段として、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を使用している。このため、体温計10のデータ送信部17とデータ受信部18とは、ブルートゥース規格に準じた送受信部である。
スマートフォン20とのブルートゥース規格に基づく無線通信接続が成立すると、制御部15は、記憶部16で記憶されていた全ての体温データを、データ送信部17からスマートフォン20に送信する。このとき、制御部15は、基準クロック12の情報から、データ送信時点と、その直前における測定対象者の体温測定を行った測定時からの経過時間を把握して、同様にデータ送信部17からスマートフォン20へと送信する。
なお、図2、図3に示すように、体温計10は、その動作電源としてボタン型の電池6を備えている。電池6としては、ボタン型の一次電池の他にも、例えば空気電池や充放電可能な二次電池も使用可能ではあるが、空気電池の場合は、正極活物質として使用される酸素を取り入れる必要があるため、上下の筐体1、2が防水されてシーリングされている本実施形態の体温計の場合は、別途水分が侵入しないようにされた空気孔を設ける必要がある。また、二次電池を使用することで、体温計10を繰り返し使用することができるようになるが、小型の二次電池は容量が小さく頻繁に充電する必要性や充電時に発熱する可能性があるため、途切れなく継続して体温を測定する用途には不向きであり、二次電池よりも上記例示したボタン型の一次電池を用いることがより好ましい。
図3に示されているように、本実施形態にかかる体温計10は、上下の筐体1、2の内部にフォトトランジスタ7が配置されている。筐体1、2の少なくともいずれか一方を、上述のようにポリプロピレンなどの一定以上の透光性を有する樹脂部材で構成するとともに、内部にフォトトランジスタ7を備えることで、フォトトランジスタ7が光を検知したら体温計10内部の電気回路が動作を開始するようにする。また、製造後すぐに体温計10を、光を通さない部材であるラミネートフィルム60などの内部に密封して保管することで、使用開始時にラミネートフィルム60から取り出すまでの間体温計10の動作を最低限の維持動作のみに限定して、体温計10が実際に使用される前に電池6が消耗する事態を効果的に回避することができる。
体温計10は、測定対象者40の皮膚に金属端子5が接触するように装着される。体温計10が所定の体温測定期間の間同じ状態で測定対象者の表皮に接触しているように維持するため、体温計10の全体を医療用のサージカルテープなどの粘着テープ50で覆って測定対象者40に貼り付けることが好ましい。なお、体温計10が直径22mmという所定の大きさを有しているため、測定対象者40の深部体温を測定することは困難であるが、なるべく体温計10が外気に晒されない部分に装着されることが好ましい。この観点から、体温計10の装着場所としては、測定対象者40の服内温度が検出でき、また、体温計10を装着していることによる違和感を、測定対象者が感じにくい場所であって、さらに、表皮の動きが比較的小さな場所として、胸から脇腹にかけての部分が好ましい。
図4に、測定対象者が体温計を装着している状態のイメージ図を示す。
(スマートフォン)
図1に戻って、本実施形態の体温測定システムでは、測定端末である体温計10からのデータを受け取る本体機器としてスマートフォン20が用いられている。
本体機器としてのスマートフォン20は、その携帯電話機としての機能から、現在時刻を取得する現在時刻取得部21、液晶パネルや有機ELパネルなどの画像表示デバイスと表示する画像のデータ処理を行う処理回路とを含む画像表示部24、使用されるアプリケーションソフトや写真や音声、メールなどでの通信記録などを記憶するRAMやCPUのキャッシュメモリなどの記憶部25、キャリア通信を行うデータ送信部26、データ受信部27とを備えている。なお、本実施形態の体温測定システムでは、上述したように、測定端末である体温計10と本体機器であるスマートフォン20との間のデータの送受信をブルートゥース規格に基づいて行うが、体温計10やそれ以外のブルートゥース機器との相互通信もデータ送信部26とデータ受信部27の機能によって実行される。
測定結果データ生成部22は、体温計10とのデータ通信が成立したときに体温計10から送信された体温データのうち、体温が測定された時を示す時間情報である測定タイミングデータを、前回の測定時からの測定間隔を示す情報から体温が測定された実際の測定時刻を示す時刻情報に置き換えた測定結果データに変換する。体温データからの測定結果データへのデータ変換は、スマートフォン20にインストールされた本実施形態で示す体温測定システムを制御するアプリケーションソフトが行い、変換された測定結果データは順次スマートフォン20の記憶部25に記憶される。
タイミングデータ較正部23は、測定結果データ生成部22により生成された測定結果データに基づいて、体温計10の基準クロック12のクロック周波数の検証を行う。そして、クロック周波数に誤差がある場合には、この誤差を較正する較正データが作成される。較正データは、データ送信部26からブルートゥース規格の通信を通じて体温計10のデータ受信部18に送信され、体温計10の制御部15は、以降得られた体温データに記録される時間情報としての測定タイミングデータを、較正データを用いて較正する。なお、タイミングデータ較正部23の機能も、本実施形態にかかる体温測定システムに対応するアプリケーションソフトによって実行される。
スマートフォン20は、体温計10との間のブルートゥース規格によるデータ通信が成立し、体温計10から記憶部16に記録されていた生体データの送受信が無事に行われたことを、スマートフォン20の画像表示部24で表示して、測定対象者40または、データ管理を行う監督者などに報知することができる。
スマートフォン20のアドバタイズ信号判定部28は、体温計10から所定のタイミングで送信されるアドバタイズ信号が、短距離通信が成立した体温計10の正しい機器IDを含んでいるか確認することで、測定対象者が正規に登録されている体温計10を装着しているか否か、すなわち、測定された生体データが正規の測定対象者から得られたものであるか否かを判定する。
なお、本実施形態に示す体温測定システムでは、測定端末である体温計10から所定の間隔で送信されてくるアドバタイズ信号が正規の体温計10の機器IDを含んでいるか否かを確認する判定タイミングがランダムに設定される。このため、アドバタイズ信号判定部28には、アドバタイズ信号に含まれている体温計10の機器IDが正しいものであるか否かを判定するタイミングを設定するタイマーとして、ランダムに設定される次回の判定タイミングまでの時間をカウントする次回確認時刻タイマーと、判定タイミングとなったときに体温計10からアドバタイズ信号が送信されるまで待機する時間をカウントする待ち受けタイマーとが備えられている。
アドバタイズ信号判定部28が、短距離通信が成立している体温計10の機器IDを含まないアドバタイズ信号を受信したと判定した場合は、その時刻を、正しい機器IDを含むアドバタイズ信号を受信しなくなった時刻情報である受信不可情報として記憶部25に記憶する。
本実施形態にかかる体温測定システムでは、スマートフォン20が、測定対象者から取得された生体情報と当該生体情報が取得された時刻データとを含む測定結果データを、管理装置であるクラウドサーバ30へと送信する。本実施形態の生体情報測定システムでは、本体機器としてスマートフォン20を使用しているため、スマートフォン20が備えるキャリア通信手段のデータ送信部26をそのまま用いて、インターネット回線上に設置されたクラウドサーバ30に測定結果データを送信することができる。
(クラウドサーバ)
管理装置としてのクラウドサーバ30は、本実施形態で示す体温測定システムに登録された全ての測定対象者の生体情報である体温情報を、インターネット回線を通じて受領し、コンピューターとしての自身の機能を用いてデータの記録と記録されたデータを用いたデータ処理とを一元的に行う。
本実施形態にかかる体温測定システムでは、クラウドサーバ30のデータ処理機能を用いて、スマートフォン20から受信したデータを処理するデータ処理部31、クラウドサーバ30で実行されるデータの受信や送信、データ処理とデータ記録、必要な外部情報の取得などの一切を制御する制御部32、各種データや取得された情報、データ処理結果などを記憶する記憶部33を備えている。また、インターネット環境を通じて、スマートフォン20やその他の外部管理機関などに各種データを送信するデータ送信部34と、スマートフォン20から送信される測定結果データやID情報、外部機関からの環境データや統計学的なデータ処理を行う上での処理基準などを受信するデータ受信部35とを備えている。
[測定値データの処理]
次に、本実施形態にかかる体温測定システムにおいて、体温計10で測定された測定対象者の体温の測定値データの処理について説明する。本実施形態にかかる体温測定システムでは、測定端末である体温計10が取得した測定値データは、測定対象者が所持する本体機器であるスマートフォン20を介して管理装置であるクラウドサーバ30に送信される。また、体温計10は所定のタイミングで自身の識別情報である体温計IDを含むアドバタイズ信号をスマートフォン20に送信する。
スマートフォン20は、アドバタイズ信号に含まれている体温計IDが、記憶部25に記録されている測定対象者が装着している体温計10のものと一致するか否かをアドバタイズ信号判定部28で判定し、正しい体温計IDではなかった場合には、正しい体温計IDを含むアドバタイズ信号が受信できなくなった時刻を示す受信不可情報と、アドバタイズ信号に含まれる体温計IDが正しいものではなくなった時刻以降に受信した生体データから生成された測定結果データに所定のフラグを付加したものとを、記憶部25に記録する。
図5は、本実施形態で説明する体温測定システムにおいて、測定対象者から取得された生体情報である体温の測定値について、システムを構成する各部でのデータ処理の内容を説明するとともに、測定端末である体温計が正しい識別情報を持ったものであるか否かをスマートフォンで判断するデータ処理の流れを説明するフローチャートである。
上述したように、例えば体温計10がラミネートフィルム60のパッケージから取り出されることでフォトトランジスタ7が光を検知して、体温計10が起動して測定対象者の体温測定がスタートする(START)。
体温計10の制御部15は、一例として30分などの定められた測定間隔毎に温度センサ4の数値を読み取る(ステップS01)。併せて制御部15は、体温が読み取られた測定タイミングを示すタイミングデータを取得し、体温計10の体温データ生成部13で、体温の測定値とタイミングデータとが組み合わされて体温データが生成され(ステップS02)、順次記憶部16に蓄積されていく。
体温計10とスマートフォン20との間にブルートゥース規格の通信が成立して、体温データを体温計10からスマートフォン20に送信する準備ができると、制御部15は記憶部16に記憶されていた複数個の体温データを本体機器であるスマートフォン20へと送信する(ステップS03)。
一方、体温計10では、所定のタイミングでアドバタイズ信号生成部19が体温計10の識別信号である体温計IDを含んだアドバタイズ信号を生成して(ステップS11)、生成されたアドバタイズ信号が体温データとともにデータ送信部17からスマートフォン20へと送信される(ステップS12)。
体温計10のアドバタイズ信号生成部19におけるアドバタイズ信号の生成は、体温計10がラミネートフィルム60のパッケージから取り出されて体温測定が開始(START)してから、体温の測定が終了(ステップS13で「Yes」の場合)するまで繰り返し行われる(END)。
スマートフォン20は、体温計10から送信されてきた体温データを受信する(ステップS21)。
スマートフォン20の現在時刻取得部21は、スマートフォン20自身が備えている時計機能、または、アプリケーションを用いて取得した時刻情報を取得し、体温計10から体温データなどを受信した時刻に基づいて、体温データに含まれている測定間隔を示すタイミングデータを測定された時刻を示す時刻情報に変換し、全ての体温データを変換して実際の測定時刻情報を有する測定結果データを生成する(ステップS22)。なお、このときスマートフォン20は、タイミングデータから体温計10の基準クロック12のクロック周波数に誤差があることを検出した場合は、タイミングテータ較正部23がタイミングデータを較正する較正情報を作成して、データ送信部26から体温計10に較正データを送信する。
一方でスマートフォン20は、体温測定の開始(START)後に体温計10から測定対象者が装着している体温計10の体温計IDを含んだアドバタイズ信号を受信する。このアドバタイズ信号に基づいて、スマートフォン20と体温計10との間の短距離無線通信が確立される(ステップS31)。
体温計10との間の短距離無線通信が確立すると、アドバタイズ信号判定部28内のタイマーが動作を開始する。本実施形態で説明する体温測定システムでは、次回のアドバタイズ信号確認のタイミングまでの期間を定める次回確認時刻タイマーがランダムに設定された次のアドバタイズ信号確認タイミングとなるまでの期間、待機する(ステップS32で「No」の場合)。
アドバタイズ信号の確認タイミングとなると(ステップS32で「Yes」の場合)、待ち受けタイマーがスタートして体温計10からアドバタイズ信号が送られてくるのを待機し、待ち受けタイマーの動作中に受信されたアドバタイズ信号に含まれる体温計10の機器IDが、体温測定の開始時に短距離無線通信が成立した体温計の機器IDであるか否かを確認する(ステップS33)。
受信されたアドバタイズ信号に含まれる機器IDが、短距離無線通信開始時に受信した体温計10の機器IDである場合(ステップS33で「Yes」の場合)は、測定対象者が正規の体温計10を装着していて、送信されてくる体温データが正規の測定対象者の生体データによるものであると確認できる。この場合は、体温測定システムでの測定が終了するまで(ステップS34で「No」の場合)、アドバタイズ信号判定部28では再び次回確認時刻タイマーが動作を開始して、次のアドバタイズ信号確認タイミングとなるまで待機する。また、体温測定システムでの測定が終了した場合(ステップS34で「No」の場合)は、スマートフォン20での動作が終了する(END)。
一方、受信されたアドバタイズ信号に含まれる体温計10の機器IDが、測定開始時に短距離無線通信が確立した体温計10の機器IDと異なる場合(ステップS33で「No」の場合)は、スマートフォン20は測定対象者に紐つけられた体温計10が近くに存在していないと判断して、その時刻を示す受信不可情報を記憶部25に記憶する(ステップS35)。ここで、記憶部25に記録される受信不可情報としての時刻は、一例として前回正しいアドバタイズ信号を受信した時刻、すなわち、正しい体温計IDを含んだアドバタイズ信号を最後に受信した時刻とすることができる。また、受信不可情報に示される時刻以降に取得した測定結果データに対して、識別可能なフラグを付与する(ステップS35)。
本実施形態の体温測定システムでは、測定対象者が測定途中で誤って本来のものとは違う体温計10を装着してしまった場合を検出することができるようにするとともに、測定対象者が、故意に自身のものとして供与されたもの以外の体温計10を装着するようなケースを判別することをも目的とする。このため、アドバタイズ信号判定部28で、体温計10で生成されたアドバタイズ信号が設定された体温計10の機器IDを含むものであるか否かを確認するタイミングを不定期(ランダム)とすることによって、測定対象者は正しい体温計10を装着しているか否かを判定されるタイミングがわからないため、測定対象者が意図的に正しい体温計10ではない体温計10を装着しようとする試みを未然に防ぐ効果が期待できる。
また、本実施形態で示す体温測定システムでは、体温計10からのアドバタイズ信号の送信タイミングを一定の期間とし、スマートフォン20のアドバタイズ信号判定部28での判定のタイミングをランダムとしているため、体温計10の回路構成を簡易なものとすることができ、小型軽量化と長時間の連続動作が可能な低消費電力化のニーズに応えた体温計10を実現することができる。
なお、一例として、測定対象者の体温を24間継続して測定する場合には、この測定期間中に6回程度アドバタイズ信号が生成送信されるように設定することができる。また、アドバタイズ信号の送信間隔は、一例として最長で24時間、最短で1時間とすることができ、体温測定システムでの体温情報の取得期間を勘案して適宜設定することができる。また、体温計10から送信されるアドバタイズ信号に含まれる機器IDが正しいものであるか否かを確認するタイミングになった場合に、アドバタイズ信号を受信するまで待つ待ち受けタイマーの設定時間を、体温計10でアドバタイズ信号を送信する時間間隔として設定されている時間のうちの最長のものと同じかそれよりも少し長い時間とすることで、スマートフォン20が体温計10からのアドバタイズ信号を受信可能な状態であれば、体温計10から送信されるアドバタイズ信号を確実に受信することができる。
本実施形態で説明する体温測定システムでは、スマートフォン20は、ステップS35で生成されたフラグが付されているか否かにかかわらず、体温計10から受信した体温データから測定時刻を示す時刻データに変換して生成された測定結果データを記憶部25に記憶する(ステップS23)。
また、スマートフォン20のデータ送信部26は、フラグが付与されているか否かにかかわらず、測定結果データ生成部22で生成された測定結果データをデータ送信部26からインターネット回線を介してクラウドサーバ30へと送信する(ステップS24)。さらに、ステップS34で記録した受信不可情報も、データ送信部26からクラウドサーバ30へと送信される。
クラウドサーバ30のデータ受信部35は、スマートフォン20から送信されてきた測定結果データと受信不可情報とを受信し(ステップS41)、受信不可情報と測定データは記憶部33に記録される(ステップS42)。
以上の動作が、体温測定が終了するまで行われる(END)。
なお、スマートフォン20で正しい体温計IDを含むアドバタイズ信号が受信できなくなったときにスマートフォン20が自身のプログラムによって、または、クラウドサーバ30がスマートフォン20からフラグが付与された測定結果データまたは受信不可情報を受信したときにクラウドサーバ30が有する警告報知プログラムによって、測定対象者に対して体温計10が正規の距離より離れたところに存在していると考えられることを報知し、すぐに体温計10を正しく装着することを警告するような設定とすることができる。
測定対象者への報知、警告手段としては、スマートフォン20が備える画像表示部24での画像表示機能、およひ/または、音声や振動を発する機能を有効に利用することができる。
以上説明したように、本実施形態で説明する体温測定システムでは、測定端末である体温計10が、測定対象者から取得された生体情報とは別に自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を所定のタイミングで送信する。測定対象者が所持する本体機器であるスマートフォン20は、体温計10からのアドバタイズ信号をランダムに設定された確認タイミングで確認し、受信したアドバタイズ信号に含まれる体温計10の機器IDが正しいものではない場合には、体温計10が所定の距離以上に離れた場所にあると判断して、アドバタイズ信号が受信できなくなった時刻を示す受信不可情報を記録するとともに、アドバタイズ信号が受信できない状態で受信した生体情報に識別フラグを付与して記録する。さらに、スマートフォン20は、受信不可情報と、フラグを付与した生体情報を管理装置であるクラウドサーバ30にも送信する。
このような動作によって、体温計10によって正規の測定対象者の生体情報が正しく測定されていないと想定できる場合には、その事態が発生した時刻を示す情報とその事態が生じている間に測定された生体情報の測定結果とが、スマートフォン20とクラウドサーバ30との双方において記録される。また、測定結果の情報には所定の識別フラグが付与されているので、後のデータ処理時に対象となるデータのみを容易に選別することができる。このため、例えば、識別フラグが付加された生体情報をクラウドサーバ30でのデータ処理時に除外し正規の測定対象者から得られた生体情報のみを用いて、当該測定対象者の体調管理を高い精度で実現することができる。
本実施形態で説明する体温測定システムでは、特に測定端末である体温計10と本体機器であるスマートフォン20との連携を、測定端末である体温計10からアドバタイズ信号を送信することによって担保されるため、体温計10で測定された生体情報をスマートフォン20に送信する際に、測定結果データとともに体温計10の識別情報を送信する必要が無い。この結果、体温計10内でのデータ処理やデータ送信時に体温計10の電気回路に加わる負荷が大幅に低減できる。結果として、体温計10内の電気回路がより簡易なものとなり動作電源となるバッテリーの容量をふくめた体温計10の小型軽量化が実現できる。このため、長時間にわたって生体情報が測定される場合でも、測定対象者に与える違和感を低減することができる。
また、体温計10によって正規の測定対象者の生体情報が正しく測定されていないと想定できる場合の情報をスマートフォン20でも記憶しているため、クラウドサーバ30からの特別な指示が無い状態でも、スマートフォン20が測定対象者に必要な警告を行ったりする際に詳細な情報を提供するなど、より迅速な対応を行うことが可能となる。
さらに、スマートフォン20でも情報を記憶することで、体温の推移などを確認する際に、例えば、山岳、森林、地下などインターネットと接続しにくい状態でもクラウドサーバ30からデータをダウンロードすることなく、データを参照することができる。
なお、本実施形態にかかる体温測定システムでは、測定対象者が装着している体温計で測定されたものではないと考えられる生体情報について、そのことを示すフラグを付加するようにしている。このようにすることで、例えば、正規の測定対象者とは異なる者から取得された生体情報であっても、正規の測定対象者とほぼ同じ条件で作業等を行っている者の体温の経時変化を示す生体情報であれば、複数人から得られた生体情報を一括して集めたいわゆるビッグデータとして全体傾向の分析等に用いる場合には使用可能なデータであると考えることができる。例えば、クラウドサーバがビッグデータを集める際に、測定エラーなど体温の測定結果を示すデータとして明らかに正しくない数値を除去するフィルタリングを行うことで、本来測定すべき測定対象者とは異なる者の生体情報であっても有効なデータとして使用することができる。
また、測定端末である体温計が送信するアドバタイズ信号は、体温計と本体機器であるスマートフォンとの間の通信成立が可能な機器データ情報を含むようにすることが好ましい。このようにすることで、複数のルーター間の情報通信ルートを確保する際に用いられるアドバタイズ信号の特長を活かして、スマートフォン側からはアドバタイズ信号の送信元が、少なくとも本実施形態にかかる体温測定システムに使用されている体温計であることが判断できるので、スマートフォン側から見たときに、本実施形態にかかる体温測定システムとは無関係の機器からの通信である場合にはその判定を極めて容易に行うことができる。
なお、端末機器である体温計からのアドバタイズ信号にスマートフォンとの接続に必要な情報を含ませることは、体温計とスマートフォンとの最初の通信確立時のデータを援用することで容易に実現できる。
また、例えば、測定対象者が複数のスマートフォンを所持している場合には、複数のスマートフォンそれぞれにおいて同様なデータ処理の流れを実行できるように設定することが好ましい。このようにすることで、測定対象者が測定期間中に所持するスマートフォンを取り替えた場合や、一方のスマートフォンが機能しなくなった場合でも、継続して測定対象者の生体情報を測定端末である体温計から管理装置であるクラウドサーバ30へと送信することができ、体温計から送信された測定データが正しい測定対象者の生体情報であるか否かの判定を行うことができる。
以上のように、本実施形態で説明した体温測定システムでは、測定端末である体温計が所定のタイミングで自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を送信し、本体機器であるスマートフォンがこのアドバタイズ信号が正しく受信できているか否かをランダムなタイミングで判定することをもって、正しい測定対象者の生体情報が取得されていることを確認することができる。このため、測定端末から本体機器、さらには管理装置へと送信される測定データを少ない情報量で構成できるので、特に測定端末の小型軽量化、長時間動作などが可能となって、測定対象者に掛ける負荷を低減した生体情報測定システムを構築できる。
なお、上記実施形態では、本体機器であるスマートフォンのアドバタイズ信号判定部での判定タイミングを計測するタイマーとして、次回確認時刻タイマーと待ち受けタイマーとの2つのタイマーを備えた例を説明したが、タイマーを2つのタイマーで構成することは必須ではなく、一つのタイマー、または、3つ以上のタイマーの組み合わせにより、アドバタイズ信号を確認するランダムなタイミングを設定することが可能であることはいうまでもない。
また、本願で開示する測定システムでは、測定端末が送信するアドバタイズ信号が受信できていることを確認することで、測定対象者が本来使用すべき測定端末を使用していない状況を検出して、その事態が生じた時刻を示す測定不可情報を得るとともに、その事態が生じている間に得られたデータに識別フラグを付与する。特に、本体機器として測定対象者自身が自らの通信手段、情報収集手段等として使用するスマーフォンを使用することで、本体機器と測定対象者の関連づけが確実になり、測定端末を誤って取り違えた場合や、測定対象者が意図的に本来使用すべき測定端末を使用していない場合には、その状況で得られた生体情報をデータ処理の際に確実に選別して適切なデータ処理を行うことができる。
特に、測定端末からのアドバタイズ信号が測定端末の正しい識別情報を含んでいるか否かを確認するタイミングをランダムに設定することで、測定対象者が正しい測定端末を使用しない状態を意図的に作り出すことを効果的に防止でき、また、そのような意図的な不正使用を抑制する効果が期待できる。
このとき、上記実施形態で説明した測定システムのように、測定端末からアドバタイズ信号を送信するタイミングを一定とすることで、特に小型軽量化が要求される測定端末の動作をシンプルなのものとすることができ、測定端末の回路構成を簡易化でき、測定端末の動作電源として使用される電池の小型軽量化や長時間の動作を可能とすることができる。
なお、測定対象者が正しい測定端末を使用しない状態を意図的に作り出すことを効果的に防止するという観点からは、測定端末の識別IDの確認タイミングが測定対象者にわからないようにすればよい。このため、実施の形態として例示した上述の場合とは異なり、測定端末から識別IDを含んだアドバタイズ信号が送信されるタイミングをランダムにして、本体機器がこのアドバタイズ信号を正しく受信できるか否かで、測定対象者が正規の測定端末を装着しているか否かを判断するように構成することができる。この場合は、本体機器がアドバタイズ信号を受信する待機期間を測定端末からアドバタイズ信号が送信されるランダムな期間の最も長い期間と同じ期間、若しくは、それよりわずかに長い期間とすることで、測定端末が正規のものであるか否かを確実に判断することができる。
なお、上記実施形態では、測定端末として測定対象者の皮膚に密着させてサージカルテープなどで固定するパッチ型の体温計を例示した。しかし、本願で開示する生体情報測定システムで測定対象者の生体情報を取得する測定端末は、上記例示したパッチ型の体温計に限られない。
例えば、腕時計型、耳たぶや指先などを挟んで固定するクリップ型、さらに、所定の固着ベルトを用いて測定対象者の手首や腕、腹部、頭部などの測定個所に測定端末を固着するベルト装着型の測定端末を用いることができる。特に、腕時計型や、クリップ型などの容易に着脱できる形態の測定端末を用いる場合や、生体情報の測定が断続的で、測定対象者が入浴中や睡眠時には測定端末を外して測定端末の充電等を行う形態のシステムの場合は、測定端末の取付間違いが生じやすいため、正しい測定端末を使用していない状態で取得されたデータを確実に選別可能とするとともに、必要に応じて、測定端末の取り違えを測定対象者に通知することができる、本願で開示する生体情報測定システムを使用することがより好ましい。また、容易に装着できる一方で不所望に脱落してしまう可能性のある測定端末の場合も、測定端末からのアドバタイズ信号が受信できなくなったことから測定端末の脱落を判断でき、測定対象者に報知することが可能である。
また、測定端末で取得する生体情報も、上記実施形態で例示した体温以外に、心拍、発汗量など各種の者を対象とすることができる。さらには、純粋な各種の生体情報に加えて、測定対象者の身体の動きを把握可能な加速度センサにより取得された情報、気温、気圧、湿度、明るさなどの測定対象者の置かれている環境のデータを測定可能なセンサからの出力も、本願においては測定対象者の状況を把握する情報として生体情報に準じた測定データとして把握することができる。
さらにまた、上記実施形態では、測定端末で取得された生体情報の中継器として機能する本体機器として、スマートフォン、特に、測定対象者自身が使用するスマートフォンを例示したが、本体機器は、上述したデータの送受信機能と、自身の識別情報を併せて管理機器に送信する機能を有していれば、本体機器はスマートフォンには限られず、タブレット端末や本願で開示する生体情報測定システム専用の機器として特化された携帯機器を用いることができる。但し、測定対象者が個人的に使用するスマートフォン以外の携帯機器を本体機器として使用する場合には、当該本体機器が正規の測定対象者のみが使用するものであることを担保することが必要となる。
また、上記実施形態では、管理装置としてインターネット回線上に設置されたクラウドサーバを例示したが、インターネット回線を通じてデータの送受信ができ、取得されたデータを記録し、測定端末の識別情報と本体機器の識別情報との対応の判別や、得られたデータを用いたデータ処理を行うことができるデータ処理機能を有していれば、クラウドサーバには限られない。
さらに、建設現場やスポーツ施設、イベント会場などの物理的な大きさが限られた範囲内に測定対象者がいる場合には、本体機器から管理装置へのデータ送信はインターネット環境を使用するものには限られず、測定対象者が存在する領域の広さに対応した無線LANなどを使用した生体情報測定システムを構築することができる。
さらにまた、測定対象者が所持する本体機器が高いデータ処理能力を有する機器の場合には、管理装置を備えずに測定端末と本体機器のみでの生体情報測定システムを構築することが可能となる。
なお、上記実施形態において、測定端末である体温計内での時間管理を、測定間隔を示すタイミングデータを用いて行うものを例示した。これは、生体情報の測定時間を示すデータとして、実際の時刻を示すUNIXデータを用いる場合と比較して、測定間隔のみを示す時間情報の方が少ないbit数で表すことができるため、体温計内部でのデータ処理機能や記憶機能、データ送信機能などに掛かる負担が小さくなって体温計をより小型軽量化することができるためである。したがって、生体情報を取得した時刻情報としてUNIXデータを用いることを排除するものではない。
また、測定端末である体温計と本体機器であるスマートフォンとのデータ通信は、上記例示したブルートゥース規格によるものには限られず、他のローカルルールでの無線通信や、近接配置した際の電磁誘導を利用したデータ通信方法など、端末機器と本体機器との間での短距離でのデータ通信が可能な各種の方法を採用することができる。
本願で開示する生体情報測定システムにより取得された測定結果データの集合体は、測定対象者の体温の変化を示す情報として集積されて適宜データ解析されることにより、医療関係分野、スポーツ関係分野などのそれぞれの体温データ収集目的に応じた集合的データとして使用される。
また、得られたビッグデータを用いて、個々の測定対象者の体温データに対する各種のフィードバック、例えば、医療関係分野であれば現在の体調評価値や、体調変化の危険度に対する警告表示、スポーツ関係分野であれば、現在の練習メニューによる負荷の大きさの表示や、体調変化による練習中止の勧告を行うことなどに用いることができる。
また、本体機器として使用されるスマートフォンの画像表示機能やデータ処理機能を使用することによって、複数の測定対象者から得られた測定結果データの集合体であるビッグデータを使用しなくても、それぞれの測定対象者の生体情報測定結果の表示や、同一の測定対象者の過去の測定結果との対比データを示すなどの、測定対象者への測定情報のフィードバックを行うことができる。
これらの場合において、スマートフォンなどの本体機器が取得できる、気温データ、湿度データなどの環境データを、インターネット環境上のクラウドサーバに測定結果データと合わせて送信したり、測定対象者へのフィードバック情報に反映させたり、これらの環境情報に基づいてフィードバック情報を適宜加工したり、各種のバリエーションを付加して測定対象者に通知することができる。
本願で開示する生体情報測定システムは、測定端末がランダムなタイミングで自身の識別情報を含むアドバタイズ信号を送信し、本体機器がこのアドバタイズ信号を受信していることによって、正しく紐つけられた測定端末からの生体情報であることを確認できる。また、正しいアドバタイズ信号が受信できなくなった時刻を示す受信不可情報が記録されるとともに、正しいアドバタイズ信号が受信できない状態で受信した生体情報に識別可能なフラグが付加されて記録される。このため、測定端末の取り違えを確実に検出することができ、取得された生体情報をより有効に活用することが可能な生体情報測定システムとして有用である。
10 体温計(測定端末)
20 スマートフォン(本体機器)
30 管理装置(クラウドサーバ)
40 測定対象者

Claims (6)

  1. 測定対象者の体に装着されて前記測定対象者の生体情報を取得する測定端末と、
    前記測定対象者が所持し、前記測定端末と短距離通信手段により接続された本体機器とを備え、
    前記測定端末は、所定のタイミングで前記生体情報と自身の識別情報を含んだアドバタイズ信号を前記本体機器に送信し、
    前記本体機器は、適宜定められる期間内に前記測定端末の正しい識別情報を含む前記アドバタイズ信号を受信しない場合には、前記アドバタイズ信号を受信しなくなった時刻を示す受信不可情報を記憶部に記録するとともに、受信不可となった時刻以降に受信した前記生体情報に対して所定の識別フラグを付加して記憶部に記録することを特徴とする、生体情報測定システム。
  2. 前記本体機器から前記生体情報を受信する管理装置をさらに備え、
    前記本体機器は、前記受信不可情報と前記識別フラグが付加された前記生体情報とを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、前記受信不可情報と前記識別フラグが付加された前記生体情報とを記憶部に記録するとともに、前記受信不可情報と前記識別フラグの有無とに応じて前記測定対象者から取得された前記生体情報に関するデータ処理を行う、請求項1に記載の生体情報測定システム。
  3. 前記本体機器は、前記アドバタイズ信号を一定期間以上受信できない場合には、前記測定対象者に対して正しい測定端末を装着するように注意を促す注意情報を報知する、請求項1に記載の生体情報測定システム。
  4. 前記本体機器が、前記測定対象者が所持するスマートフォンである、請求項1に記載の生体情報測定システム。
  5. 前記管理装置は、インターネット環境上に配置されたクラウドサーバである、請求項1に記載の生体情報測定システム。
  6. 前記生体情報が、前記測定対象者の体温情報である、請求項1から5のいずれかに記載の生体情報測定システム。
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