JP2023155686A - 微小粒子、血管新生眼疾患の予防薬または治療薬および血管新生眼疾患の改善方法 - Google Patents

微小粒子、血管新生眼疾患の予防薬または治療薬および血管新生眼疾患の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパク質および/または遺伝子の発現を制御できる、新規な微小粒子の提供。【解決手段】血管内皮増殖因子(VEGF-A)のタンパク質の発現に関する遺伝子およびロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H)遺伝子のうち少なくとも1種類を標的遺伝子とするmiRNAを含む、微小粒子;血管新生眼疾患の予防薬または治療薬;血管新生眼疾患の改善方法。【選択図】図4

Description

本発明は、微小粒子、血管新生眼疾患の予防薬または治療薬および血管新生眼疾患の改善方法に関する。特に血管新生眼疾患が加齢黄斑変性である、血管新生眼疾患の予防薬または治療薬および血管新生眼疾患の改善方法に関する。
加齢黄斑変性(AMD)、加齢黄班変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄班浮腫(DME)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、および角膜血管新生などの病的血管新生と関連する眼疾患(血管新生眼疾患)が知られている。これまでの研究で、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の発生機序の解明が進んでいる。
そして、血管新生眼疾患の治療方法薬とその作用機序も知られてきている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
不適切な新生血管の成長の原因となる血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害する方法が知られている。特許文献1には、硝子体内注射によるラニビズマブと抗VEGF抗体の1月ごとの投与をする方法や、反復用量のVEGFアンタゴニストを8週またはそれより多い週に1度の頻度で患者に投与する方法が記載されている。
一方、別の血管新生眼疾患の治療方法として、非特許文献1には、病的血管新生をもたらすM2マクロファージの網膜への浸潤はロイコトリエンB4に依存すること、BLT1拮抗薬やロイコトリエンB4産生酵素阻害薬は病的血管新生を抑制すること、加齢黄斑変性症の新規治療法につながることが記載されている。
特開2021-193115号公報
JCI Insight., 2018; 3(18):e96902
血管新生眼疾患の予防薬または治療薬として、特許文献1および非特許文献1に記載された以外の新規なものが求められている。
本発明が解決しようとする課題は、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパク質および/または遺伝子の発現を制御(抑制や阻害など)できる、新規な微小粒子を提供することである。
本発明者らは、特定のマイクロRNAを含む微小粒子が、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパク質および/または遺伝子の発現を制御(抑制や阻害など)できることを見出した。
具体的に、本発明および本発明の好ましい構成は、以下のとおりである。
[1] 血管内皮増殖因子(VEGF-A)のタンパク質の発現に関する遺伝子およびロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H)遺伝子のうち少なくとも1種類を標的遺伝子とするmiRNAを含む、微小粒子。
[2] 微小粒子がエクソソームである、[1]に記載の微小粒子。
[3] 微小粒子が、歯髄由来幹細胞の培養上清よりも高い濃度で、VEGF-Aの発現に関する遺伝子およびLTA4Hのうち少なくとも1種類の遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含む、[1]に記載の微小粒子。
[4] VEGF-Aの発現抑制剤であり、
微小粒子がVEGF-Aの発現に関する遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含む、[1]に記載の微小粒子。
[5] 微小粒子が下記VEGF-A抑制関連miRNA群のうち少なくとも1種類を含む、[4]に記載の微小粒子;
VEGF-A抑制関連miRNA群:
hsa-miR-1-3p、hsa-miR-101-3p、hsa-miR-106b-5p、hsa-miR-107、hsa-miR-126-3p、
hsa-miR-134-5p、hsa-miR-140-5p、hsa-miR-145-5p、hsa-miR-150-5p、hsa-miR-15a-5p、
hsa-miR-15b-5p、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-17-5p、hsa-miR-185-5p、hsa-miR-195-5p、
hsa-miR-199a-5p、hsa-miR-200b-3p、hsa-miR-203a-3p、hsa-miR-205-5p、hsa-miR-206、
hsa-miR-20a-5p、hsa-miR-20b-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-299-3p、hsa-miR-29a-3p、
hsa-miR-29b-3p、hsa-miR-29c-3p、hsa-miR-329-3p、hsa-miR-335-5p、hsa-miR-361-5p、
hsa-miR-362-3p、hsa-miR-3646、hsa-miR-369-3p、hsa-miR-373-3p、hsa-miR-374a-5p、
hsa-miR-374b-3p、hsa-miR-374b-5p、hsa-miR-374c-5p、hsa-miR-377-3p、hsa-miR-378a-3p、
hsa-miR-383-5p、hsa-miR-410-3p、hsa-miR-423-3p、hsa-miR-424-5p、hsa-miR-4497、
hsa-miR-451b、hsa-miR-452-5p、hsa-miR-495-3p、hsa-miR-497-5p、hsa-miR-504-5p、
hsa-miR-567、hsa-miR-5692a、hsa-miR-576-5p、hsa-miR-613、hsa-miR-670-5p、
hsa-miR-7-1-3p、hsa-miR-718、hsa-miR-93-5p。
[6] 微小粒子がVEGF-A抑制関連miRNA群のうち、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-29a-3p、hsa-miR-423-3pおよびhsa-miR-93-5pを含む、請求項5に記載の微小粒子。
[7] LTA4Hの発現抑制剤であり、
微小粒子がLTA4Hを標的遺伝子とするmiRNAを含む、請求項1に記載の微小粒子。
[8] 微小粒子が下記LTA4H抑制関連miRNA群のうち少なくとも1種類を含む、請求項7に記載の微小粒子;
LTA4H抑制関連miRNA群:
hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5p、hsa-let-7c-5p、hsa-miR-124-3p、hsa-miR-125b-5p、
hsa-miR-26b-5p、hsa-miR-338-3p。
[9] 微小粒子がLTA4H抑制関連miRNA群のうち、hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pを含む、請求項8に記載の微小粒子。
[10] 微小粒子が歯髄由来幹細胞の培養上清から精製されて単離された微小粒子であり、
微小粒子が、歯髄由来幹細胞の培養上清からエクソソームを除いた成分を含まない、[1]に記載の微小粒子。
[11] [1]に記載の微小粒子を含む、血管新生眼疾患の予防薬または治療薬。
[12] 血管新生眼疾患が加齢黄斑変性である、[11]に記載の血管新生眼疾患の予防薬または治療薬。
[13] 有効量の[1]に記載の微小粒子、あるいは有効量の[11]に記載の血管新生眼疾患の予防薬または治療薬を、血管新生眼疾患を発症した対象に投与することを含む、血管新生眼疾患の改善方法。
本発明によれば、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパク質の発現を制御できる、新規な微小粒子を提供することができる。
図1は、加齢黄斑変性の発生機序を示すフローチャートである。 図2は、ロイコトリエン産生阻害薬およびLTB4阻害薬の作用機序を示す概略図である。 図3は、VEGFAをtargetとする歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソーム(実施例1の微小粒子;SGF exosome)に発現するmiRNAの発現量を、大脳皮質(Cerebral Cortex)におけるmiRNAの発現量と対比して示したヒートマップである。 図4は、LTA4Hをtargetとする歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソーム(実施例1の微小粒子;SGF exo)に発現するmiRNAの発現量を、大脳皮質(Cerebral Cortex)におけるmiRNAの発現量と対比して示したヒートマップである。 図5は、VEGFAまたはLTA4Hをtargetとする歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソーム(実施例1の微小粒子)に発現するmiRNAの発現量を示したヒートマップである。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[微小粒子]
本発明の微小粒子は、血管内皮増殖因子(VEGF-A)のタンパク質の発現に関する遺伝子およびロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H)遺伝子のうち少なくとも1種類を標的遺伝子とするmiRNAを含む。
本発明の微小粒子は、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパク質および/または遺伝子の発現を制御できる。その結果、本発明の微小粒子は、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患を改善できることが好ましく、予防または治療できることがより好ましい。
以下、本発明の微小粒子の好ましい態様を説明する。
<血管新生眼疾患の定義>
本発明において、血管新生眼疾患とは、病的血管新生と関連する眼疾患のことを言う。血管新生眼疾患には、加齢黄斑変性(AMD)、加齢黄班変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄班浮腫(DME)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、および角膜血管新生などが含まれる。
加齢黄斑変性(AMD)の発生は、脈絡膜新生血管(CNV)と呼ばれるプロセスと関連する。CNVからの漏出は、黄斑浮腫および黄斑の下の液貯留を引き起こし、視力喪失につながる。
糖尿病黄斑浮腫(DME)は、血管新生を伴う別の眼疾患である。DMEは、糖尿病患者の中等度視力喪失に最も多く見られる原因であって、糖尿病網膜症の一般的な合併症であり、網膜の血管に影響を及ぼす疾患である。DMEは、網膜の光に敏感な部分である黄斑の中心に、流体が漏出したときに起る。黄斑内の流体は、重篤な視力喪失、または失明を引き起こす可能性がある。
異常な血管新生に関連するさらに別の眼疾患は、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)である。CRVOは、網膜の血液および体液のバックアップを導く中心静脈の閉塞によって引き起こされる。また、網膜も虚血状態になる可能性があり、不適切な新生血管の成長を招き、それがさらなる視力喪失およびより重篤な合併症を引き起こす可能性がある。
本発明の微小粒子は、これらの血管新生眼疾患の中でも加齢黄斑変性を予防または治療できることが好ましい。
加齢黄斑変性の病型としては、例えば、前駆病変(視力に影響はなく多少の歪みを自覚)、萎縮型(ゆっくりと網膜の働く気が弱くなる。軽い視力低下にとどまることが多い)、滲出型(脈絡膜から新生血管が発生する。早期治療対象になる)などが挙げられる。本発明の微小粒子の投与対象となる加齢黄斑変性は、滲出型の加齢黄斑変性であることが好ましい。
以下、血管新生眼疾患の中でも代表例として加齢黄斑変性について詳しく説明をする。ただし、本明細書の説明は、加齢黄斑変性以外の血管新生眼疾患にも適用される。
<加齢黄斑変性の病的血管新生の発生機序>
加齢黄斑変性症の病的血管新生の発生機序を示したフローチャートを、図1に示す(JCI Insight., 2018; 3(18):e96902参照)。
図1のフローチャートを説明する。
(1)網膜障害が発生する。
(2)ロイコトリエンB4(LTB4)が産生される。さらに、ロイコトリエンB4が、ロイコトリエンB4受容体(BLT1)に結合する。
(3)M2マクロファージを網膜に湿潤させる。
(4)マクロファージが血管内皮増殖因子(VEGF)を産生する。
(5)血管内皮増殖因子(VEGF)タンパク質により脈絡膜の新生血管の成長が促進され、滲出型の加齢黄斑変性が発生する。
その後、加齢黄斑変性が進行すると、網膜下出血を発生し、その後硝子体出血が発生し、失明に至る。
なお、マクロファージは均一な細胞集団ではなく、異なる特徴を有する細胞の集団である。特に、M1マクロファージは炎症惹起性、M2マクロファージ(M2タイプと呼ばれるマクロファージ)は炎症収束性の細胞と考えられている。M2マクロファージには血管新生を促進する作用がある。
<加齢黄斑変性の治療薬と作用機序>
本発明の微小粒子は、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の改善をできることが好ましい。以下、加齢黄斑変性の治療薬と作用機序を、本発明の微小粒子の作用機序とあわせて説明する。
加齢黄斑変性の治療薬と作用機序としては、以下のものが挙げられる。
(a)VAGF-A阻害剤による治療
VAGF-A阻害剤は、VAGFの産生を阻害して、VAGFの産生を抑制する。例えば、VEGFシグナル抑制たんぱく質であるSPRED1およびPIK3R2が挙げられる。
本発明の微小粒子において、微小粒子がVEGF-Aの発現に関する遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含む場合、好ましくは遺伝子の発現制御剤、より好ましくはVAGFの発現抑制剤、特に好ましくはVAGF-A阻害剤として機能する。
(b)ロイコトリエン産生阻害薬。
ロイコトリエン産生阻害薬は、ロイコトリエンB4(LTB4)の産生またはLTB4の原料となる化合物の産生を阻害して、LTB4の産生を抑制する。ロイコトリエン産生阻害薬およびLTB4阻害薬の作用機序を図2に示した。
図2に示したロイコトリエンA4(LTA4)の産生に関わるタンパク質5-lipoxygenase(5-LO)の阻害薬(Zileuton)や、タンパク質5-lipoxygenase activating protein(FLAP)の阻害薬(MK-886)が、ロイコトリエン産生阻害薬として用いられる。また、ロイコトリエンA4(LTA4)をロイコトリエンB4(LTB4)に変換する酵素の産生に関わるLTA4H遺伝子の阻害薬(Bestatin;ウベニメスク)が、ロイコトリエン産生阻害薬として用いられる。
本発明の微小粒子において、微小粒子がLTA4Hを標的遺伝子とするmiRNAを含む場合、好ましくは遺伝子の発現制御剤、より好ましくはロイコトリエン産生阻害薬、特に好ましくはLTA4Hの発現抑制剤として機能する。
なお、生理活性脂質ロイコトリエンB4は、アラキドン酸から酵素学的に産生される生理活性脂肪酸である。好中球、好酸球、分化T細胞を炎症部位に遊走させる走化性因子としても知られている。
(c)BLT1拮抗薬
BLT1拮抗薬は、LTB4の受容体BLT1への結合に対して、拮抗または阻害する。
図2に示したとおり、LTB4の受容体BLT1への結合の拮抗薬としてCP105696が知られている。
BLT1は、ロイコトリエンB4に対する高親和性の細胞膜受容体である。BLT1は、好中球、好酸球、分化T細胞に発現し、ロイコトリエンB4が結合したことを細胞内にシグナルを伝え、細胞走化性をもたらす。BLT1拮抗薬は、関節リウマチ、気管支喘息などの炎症性疾患の治療薬となることが想定されている。
なお、BLT1拮抗薬は、本発明の微小粒子とは関連性が低い。
<微小粒子の詳細>
本発明の微小粒子の有効成分であるmiRNAは、微小粒子に含まれる。
本発明の微小粒子は、例えば、歯髄由来幹細胞等の間葉系幹細胞からの分泌、出芽または分散などにより、歯髄由来幹細胞等から導き出され、細胞培養培地に浸出、放出または脱落するものである。微小粒子は、歯髄由来幹細胞等の培養上清に含まれることが好ましく、歯髄由来幹細胞の培養上清に由来する微小粒子であることがより好ましい。ただし、歯髄由来幹細胞の培養上清に由来する微小粒子は、必ずしも歯髄由来幹細胞の培養上清から取得する必要がない。例えば、歯髄由来幹細胞の内部の微小粒子を任意の方法で単離したものであっても、歯髄由来幹細胞の培養上清から単離できる微小粒子と同じものであれば、歯髄由来幹細胞の培養上清に由来する微小粒子と言える。
歯髄由来幹細胞等の培養上清に由来する微小粒子は、培養上清に含まれた状態で用いてもよく、または培養上清から精製した状態で用いてもよい。微小粒子が培養上清から精製された微小粒子であることが好ましい。
微小粒子の由来は、公知の方法で判別することができる。例えば、微小粒子は、J Stem Cell Res Ther (2018) 8:2に記載の方法で、歯髄由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、骨髄由来幹細胞、臍帯由来幹細胞などのいずれの幹細胞に由来するか判別することができる。具体的には、微小粒子のmiRNAパターンに基づいて、それぞれの微小粒子の由来を判別することができる。
(miRNA)
本発明では、微小粒子が血管内皮増殖因子(VEGF-A)のタンパク質の発現に関する遺伝子およびロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H)遺伝子のうち少なくとも1種類を標的遺伝子とするmiRNAを含む。
本発明において、miRNA(MicroRNAs)は、例えば21~25塩基(ヌクレオチド)のRNA分子である。miRNAは、標的遺伝子(target;ターゲット)mRNAの分解または解読段階における抑制により遺伝子発現を調節できる。
本発明において、miRNAとは、例えば、一本鎖(一量体)でもよいし、二本鎖(二量体)であってもよい。また、本発明において、miRNAは、Dicer等のリボヌクレアーゼにより切断された成熟型miRNAが好ましい。
なお、hsa-let-7a-5pなどの本明細書に記載のmiRNAの配列は公知のデータベース(例えば、miRBase database)にアクセッション番号と関連づけられて登録されており、当業者であれば配列を一義的に定めることができる。例えば、hsa-let-7a-5pのアクセッション番号はMI0000060であり、miRBase databaseに配列が登録されている。以下、各miRNAのアクセッション番号は省略する。
ただし、本明細書におけるmiRNAは、hsa-let-7a-5pなどの成熟型miRNAに対して1~5個程度の塩基が異なるバリアントも含む。また、本明細書における各miRNAは、各miRNA(例えばhsa-let-7a-5p)の塩基配列と同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、または、それらの相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、本発明におけるmiRNAの機能を有するポリヌクレオチドを含む。「同一性」とは、比較する配列同士を適切にアライメントしたときの同一の程度であり、前記配列間のアミノ酸の正確な一致の出現率(%)を意味する。アライメントは、例えば、BLAST等の任意のアルゴリズムの利用により行うことができる。同一性は、例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または約99%である。同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドは、例えば、miRNAの塩基配列において、点変異、欠失および/または付加を有してもよい。前記点変異等の塩基数は、例えば、1~5個、1~3個、1~2個、または1個である。また、相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドは、例えば、miRNAの塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、本発明におけるmiRNAの機能を有するポリヌクレオチドを含む。ストリンジェントな条件としては、特に限定されないが、例えば、特開2017-184642号公報の[0028]に記載の条件を挙げることができ、この公報の内容は参照して本明細書に組み込まれる。
本発明では、微小粒子が、歯髄由来幹細胞の培養上清よりも高い濃度で、VEGF-Aの発現に関する遺伝子およびLTA4Hのうち少なくとも1種類の遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含むことが好ましい。以下、微小粒子が含むmiRNAの好ましい態様を説明する。
(1)VEGF-Aの発現抑制剤
本発明の微小粒子はVEGF-Aの発現抑制剤であることが好ましい。この場合、微小粒子がVEGF-Aの発現に関する遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含むことが好ましい。
本発明では、微小粒子が下記VEGF-A抑制関連miRNA群(58種類)のうち少なくとも1種類を含むことがより好ましい。
VEGF-A抑制関連miRNA群:
hsa-miR-1-3p、hsa-miR-101-3p、hsa-miR-106b-5p、hsa-miR-107、hsa-miR-126-3p、
hsa-miR-134-5p、hsa-miR-140-5p、hsa-miR-145-5p、hsa-miR-150-5p、hsa-miR-15a-5p、
hsa-miR-15b-5p、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-17-5p、hsa-miR-185-5p、hsa-miR-195-5p、
hsa-miR-199a-5p、hsa-miR-200b-3p、hsa-miR-203a-3p、hsa-miR-205-5p、hsa-miR-206、
hsa-miR-20a-5p、hsa-miR-20b-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-299-3p、hsa-miR-29a-3p、
hsa-miR-29b-3p、hsa-miR-29c-3p、hsa-miR-329-3p、hsa-miR-335-5p、hsa-miR-361-5p、
hsa-miR-362-3p、hsa-miR-3646、hsa-miR-369-3p、hsa-miR-373-3p、hsa-miR-374a-5p、
hsa-miR-374b-3p、hsa-miR-374b-5p、hsa-miR-374c-5p、hsa-miR-377-3p、hsa-miR-378a-3p、
hsa-miR-383-5p、hsa-miR-410-3p、hsa-miR-423-3p、hsa-miR-424-5p、hsa-miR-4497、
hsa-miR-451b、hsa-miR-452-5p、hsa-miR-495-3p、hsa-miR-497-5p、hsa-miR-504-5p、
hsa-miR-567、hsa-miR-5692a、hsa-miR-576-5p、hsa-miR-613、hsa-miR-670-5p、
hsa-miR-7-1-3p、hsa-miR-718、hsa-miR-93-5p。
微小粒子がVEGF-A抑制関連miRNA群のうち2種類以上を含むことが好ましく、5種類以上を含むことがより好ましく、20種類以上を含むことが特に好ましく、30種類以上を含むことがより特に好ましい。
微小粒子がVEGF-A抑制関連miRNA群のうち、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-29a-3p、hsa-miR-423-3pおよびhsa-miR-93-5pのうちいずれか1種類を含むことがより好ましく、hsa-miR-16-5pおよびhsa-miR-21-5pのうちいずれか1種類を含むことが特に好ましい。さらに、微小粒子が、hsa-miR-16-5pおよびhsa-miR-21-5pをいずれも含むことがより好ましく、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-29a-3p、hsa-miR-423-3pおよびhsa-miR-93-5pをいずれも含むことが特に好ましい。
微小粒子はVEGF-A抑制関連miRNA群のうち少なくとも1種類を、IMOTAを用いた解析で得られるリードカウント数のLog2Ratioとして、4.0以上含むことが好ましく、10.0以上含むことがより好ましく、15.0以上含むことが特に好ましい。微小粒子は、IMOTAを用いた解析で得られるリードカウント数のLog2Ratioとして、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-29a-3p、hsa-miR-423-3pおよびhsa-miR-93-5pをいずれも4.0以上含むことが好ましく、hsa-miR-16-5pおよびhsa-miR-21-5pを10.0以上含むことがより好ましく、hsa-miR-16-5pおよびhsa-miR-21-5pを15.0以上含むことが特に好ましい。
本発明の微小粒子は、脂肪由来幹細胞の培養上清から得られるエクソソームまたは臍帯由来幹細胞の培養上清から得られるエクソソームと比較して、hsa-miR-16-5pおよびhsa-miR-21-5pのうち少なくとも一方(好ましくは両方)の発現量が1.1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることが特に好ましい。
本発明の微小粒子がVEGF-Aの発現抑制剤である場合、任意の細胞内におけるVEGF-Aの遺伝子の発現を通常の(未処理の細胞の場合の)0.8倍以下に抑制できることが好ましく、0.6倍以下に抑制できることがより好ましく、0.4倍以下に抑制できることが特に好ましい。
(2)LTA4Hの発現抑制剤
本発明の微小粒子はLTA4Hの発現抑制剤であることが好ましい。この場合、微小粒子がLTA4H(すなわち、LTA4Hでコードされるタンパク質の発現に関する遺伝子)を標的遺伝子とするmiRNAを含むことが好ましい。
本発明では、微小粒子が下記LTA4H抑制関連miRNA群(7種類)のうち少なくとも1種類を含むことがより好ましい。
LTA4H抑制関連miRNA群:
hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5p、hsa-let-7c-5p、hsa-miR-124-3p、hsa-miR-125b-5p、
hsa-miR-26b-5p、hsa-miR-338-3p。
微小粒子がLTA4H抑制関連miRNA群のうち2種類以上を含むことが好ましく、3種類以上を含むことがより好ましく、5種類以上を含むことが特に好ましく、7種類を含むことがより特に好ましい。
微小粒子がLTA4H抑制関連miRNA群のうち、hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pのうちいずれか1種類を含むことがより好ましく、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pのうちいずれか1種類を含むことが特に好ましい。さらに、微小粒子が、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pをいずれも含むことがより好ましく、hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pをいずれも含むことが特に好ましい。
微小粒子はVEGF-A抑制関連miRNA群のうち少なくとも1種類を、IMOTAを用いた解析で得られるリードカウント数のLog2Ratioとして、4.0以上含むことが好ましく、10.0以上含むことがより好ましく、15.0以上含むことが特に好ましい。微小粒子は、IMOTAを用いた解析で得られるリードカウント数のLog2Ratioとして、hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pをいずれも4.0以上含むことが好ましく、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pを10.0以上含むことがより好ましく、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pを15.0以上含むことが特に好ましい。
本発明の微小粒子は、脂肪由来幹細胞の培養上清から得られるエクソソームまたは臍帯由来幹細胞の培養上清から得られるエクソソームと比較して、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pのうち少なくとも一方(好ましくは両方)の発現量が1.1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることが特に好ましい。
本発明の微小粒子がLTA4Hの発現抑制剤である場合、任意の細胞内におけるLTA4H遺伝子の発現を通常の(未処理の細胞の場合の)0.8倍以下に抑制できることが好ましく、0.6倍以下に抑制できることがより好ましく、0.4倍以下に抑制できることが特に好ましい。
(miRNAの種類)
ここで、歯髄由来幹細胞の培養上清に由来する微小粒子には、約2600種類のsmall RNAが含まれる。このうちの約1800種類がmiRNAである。これらのmiRNAのうち、含有量が多いmiRNAは180~200種類である。歯髄由来幹細胞に由来する微小粒子における含有量が多いmiRNAは、脳神経疾患や眼疾患に治療に関連するマイクロRNAが多い点が特徴であり、従来知られておらず、本発明者が新たに見出した知見である。この特徴は、その他の間葉系幹細胞の微小粒子における含有量が多いmiRNAの種類とは大きく異なる。例えば、脂肪由来幹細胞の微小粒子や臍帯由来幹細胞の微小粒子における含有量が多いmiRNAには、脳神経疾患や眼疾患に治療に関連するマイクロRNAはほとんど含まれない。
微小粒子は、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパク質の発現を制御できるマイクロRNA(以下、血管新生眼疾患関連マイクロRNAともいう)として2種類以上を含むことが好ましく、5種類以上を含むことがより好ましく、20種類以上を含むことがより好ましく、30種類以上を含むことが特に好ましく、50種類以上を含むことがより特に好ましい。
(微小粒子の種類)
微小粒子は、エクソソーム(exosome)、微小胞、膜粒子、膜小胞、エクトソーム(Ectosome)およびエキソベシクル(exovesicle)、またはマイクロベシクル(microvesicle)からなる群から選択される少なくとも1種類であることが好ましく、エクソソームであることがより好ましい。
微小粒子の直径は、10~1000nmであることが好ましく、30~500nmであることがより好ましく、50~150nmであることが特に好ましい。
また、微小粒子の表面には、CD9、CD63、CD81などのテトラスパニンという分子が存在することが望ましく、それはCD9単独、CD63単独、CD81単独でもよく、あるいはそれらの2つないしは3つのどの組み合わせでも良い。
以下、微小粒子として、エクソソームを用いる場合の好ましい態様を説明することがあるが、本発明に用いられる微小粒子はエクソソームに限定されない。
エクソソームは、原形質膜との多胞体の融合時に細胞から放出される細胞外小胞であることが好ましい。
エクソソームの表面は、歯髄由来幹細胞の細胞膜由来の脂質およびタンパク質を含むことが好ましい。
エクソソームの内部には、核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)およびタンパク質など歯髄由来幹細胞の細胞内の物質を含むことが好ましい。
エクソソームは、ある細胞から別の細胞への遺伝情報の輸送による、細胞と細胞とのコミュニケーションのために使用されることが知られている。エクソソームは、容易に追跡可能であり、特異的な領域に標的化され得る。
(微小粒子の含有量)
微小粒子組成物における、微小粒子の含有量は特に制限はない。微小粒子組成物は、微小粒子を0.5×10個以上含むことが好ましく、1.0×10個以上含むことがより好ましく、2.0×10個以上含むことが特に好ましく、2.5×10個以上含むことがより特に好ましく、1.0×10個以上含むことがさらにより特に好ましい。
また、微小粒子組成物における、微小粒子の含有濃度は特に制限はない。微小粒子組成物は、微小粒子を1.0×10個/mL以上含むことが好ましく、2.0×10個/mL以上含むことがより好ましく、4.0×10個/mL以上含むことが特に好ましく、5.0×10個/mL以上含むことがより特に好ましく、2.0×10個/mL以上含むことがさらにより特に好ましい。
本発明の微小粒子の好ましい態様は、微小粒子をこのように多量または高濃度で含むことにより、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患で発現が抑制されるmiRNAまたは加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の治療に用いられるmiRNAの量を高く維持できる。
<その他の成分>
微小粒子組成物は、微小粒子の他に、投与する対象の動物の種類や目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、栄養成分、抗生物質、サイトカイン、保護剤、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤などを挙げられる。
栄養成分としては、例えば、脂肪酸等、ビタミン等を挙げることができる。
抗生物質としては、例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン等が挙げられる。
担体としては、薬学的に許容可能な担体として公知の材料を挙げることができる。
微小粒子組成物は、歯髄由来幹細胞の培養上清それ自体または微小粒子それ自体であってもよく、薬学的に許容可能な担体や賦形剤などをさらに含む医薬組成物であってもよい。医薬組成物の目的は、投与対象への微小粒子の投与を促進することである。
薬学的に許容可能な担体は、投与対象に対して顕著な刺激性を引き起こさず、投与される化合物の生物学的活性および特性を抑止しない担体(希釈剤を含む)であることが好ましい。担体の例は、プロピレングリコール;(生理)食塩水;エマルション;緩衝液;培地、例えばDMEMまたはRPMIなど;フリーラジカルを除去する成分を含有する低温保存培地である。
微小粒子組成物は、従来公知の加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の治療薬の有効成分を含んでいてもよい。当業者であれば用途や投与対象などにあわせて適切に変更することができる。
一方、微小粒子組成物は、所定の物質を含まないことが好ましい。
例えば、微小粒子組成物は、歯髄由来幹細胞を含まないことが好ましい。
また、微小粒子組成物は、MCP-1を含まないことが好ましい。ただし、MCP-1以外のサイトカインを含んでいてもよい。その他のサイトカインとしては、特開2018-023343号公報の[0014]~[0020]に記載のもの等が挙げられる。
また、微小粒子組成物は、シグレック9を含まないことが好ましい。ただし、シグレック9以外のその他のシアル酸結合免疫グロブリン様レクチンを含んでいてもよい。
なお、微小粒子組成物は、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)を実質的に含まないことが好ましい。また、微小粒子組成物は、Knockout serum replacement(KSR)などの従来の血清代替物を実質的に含まないことが好ましい。
微小粒子組成物は、上記したその他の成分の含有量(固形分量)がいずれも1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。
<微小粒子の製造方法>
微小粒子の製造方法は、特に制限はない。
歯髄由来幹細胞等の培養上清を調製し、続けて歯髄由来幹細胞の培養上清から微小粒子を精製して、本発明の微小粒子を調製してもよい。あるいは、商業的に購入して入手した歯髄由来幹細胞の培養上清から微小粒子を精製して、本発明の微小粒子を調製してもよい。さらには、廃棄処理されていた歯髄由来幹細胞の培養上清を含む組成物を譲り受けて(またはその組成物を適宜精製して)、そこから微小粒子を精製して、本発明の微小粒子を調製してもよい。
(歯髄由来幹細胞等の培養上清の調製方法)
歯髄由来幹細胞等の培養上清は、特に制限はない。
歯髄由来幹細胞等の培養上清は、血清を実質的に含まないことが好ましい。例えば、歯髄由来幹細胞等の培養上清は、血清の含有量が1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。
歯髄由来幹細胞は、ヒト由来であっても、ヒト以外の動物由来であってもよい。ヒト以外の動物としては、後述する本発明の微小粒子を投与する対象の動物(生物種)と同様のものを挙げることができ、哺乳動物が好ましい。
培養上清に用いられる歯髄由来幹細胞としては、特に制限はない。脱落乳歯歯髄幹細胞(stem cells from exfoliated deciduous teeth)や、その他の方法で入手される乳歯歯髄幹細胞や、永久歯歯髄幹細胞(dental pulp stem cells;DPSC)を用いることができる。ヒト乳歯歯髄幹細胞やヒト永久歯歯髄幹細胞の他、ブタ乳歯歯髄幹細胞などのヒト以外の動物由来の歯髄由来幹細胞を用いることができる。
歯髄由来幹細胞は、エクソソームに加え、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子-ベータ(TGF-β)-1および-3、TGF-α、KGF、HBEGF、SPARC、その他の成長因子、ケモカイン等の種々のサイトカインを産生し得る。また、その他の多くの生理活性物質を産生し得る。
本発明では、歯髄由来幹細胞の培養上清に用いられる歯髄由来幹細胞が、多くのタンパク質が含まれる歯髄由来幹細胞であることが特に好ましく、乳歯歯髄幹細胞を用いることが好ましい。すなわち、本発明では、乳歯歯髄幹細胞の培養上清を用いることが好ましい。
本発明に用いられる歯髄由来幹細胞は、目的の処置を達成することができれば、天然のものであってもよく、遺伝子改変したものであってもよい。
特に本発明では、歯髄由来幹細胞の不死化幹細胞を用いることができる。実質的に無限増殖が可能な不死化幹細胞を用いることで、幹細胞の培養上清中に含まれる生体因子の量と組成を、長期間にわたって安定させることができる。歯髄由来幹細胞の不死化幹細胞としては、特に制限はない。不死化幹細胞は、癌化していない不死化幹細胞であることが好ましい。歯髄由来幹細胞の不死化幹細胞は、歯髄由来幹細胞に、以下の低分子化合物(阻害剤)を単独または組み合わせて添加して培養することにより、調製することができる。
TGFβ受容体阻害薬としては、トランスフォーミング増殖因子(TGF)β受容体の機能を阻害する作用を有するものであれば特に限定されることはなく、例えば、2-(5-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル-2-tert-ブチル-1H-イミダゾール-4-イル)-6-メチルピリジン、3-(6-メチルピリジン-2-イル)-4-(4-キノリル)-1-フェニルチオカルバモイル-1H-ピラゾール(A-83-01)、2-[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)プテリジン-4-イル]ピリジン-4-イルアミン(SD-208)、3-[(ピリジン-2-イル)-4-(4-キノニル)]-1H-ピラゾール、2-(3-(6-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1,5-ナフチリジン(以上、メルク社)、SB431542(シグマアルドリッチ社)などが挙げられる。好ましくはA-83-01が挙げられる。
ROCK阻害薬としては、Rho結合キナーゼの機能を阻害する作用を有するものであれば特に限定されない。ROCK阻害薬としては、例えば、GSK269962A(Axonmedchem社)、Fasudil hydrochloride(Tocris Bioscience社)、Y-27632、H-1152(以上、富士フイルム和光純薬株式会社)などが挙げられる。好ましくはY-27632が挙げられる。
GSK3阻害薬としては、GSK-3(Glycogen synthase kinase 3,グリコーゲン合成酵素3)を阻害するものであれば特に限定されることはなく、A 1070722、BIO、BIO-acetoxime(以上、TOCRIS社)などが挙げられる。
MEK阻害薬としては、MEK(MAP kinase-ERK kinase)の機能を阻害する作用を有するものであれば特に限定されることはなく、例えば、AZD6244、CI-1040(PD184352)、PD0325901、RDEA119(BAY86-9766)、SL327、U0126-EtOH(以上、Selleck社)、PD98059、U0124、U0125(以上、コスモ・バイオ株式会社)などが挙げられる。
本発明の微小粒子を再生医療に用いる場合、再生医療等安全性確保法の要請から、歯髄由来幹細胞またはこれらの不死化幹細胞の培養上清や、それに由来する微小粒子を含む組成物は、歯髄由来幹細胞等以外のその他の体性幹細胞を含有しない態様とする。微小粒子組成物は、歯髄由来幹細胞等以外の間葉系幹細胞やその他の体性幹細胞を含有していてもよいが、含有しないことが好ましい。
間葉系幹細胞以外のその他の体性幹細胞の例としては、真皮系、消化系、骨髄系、神経系等に由来する幹細胞が含まれるが、これらに限定されるものではない。真皮系の体性幹細胞の例としては、上皮幹細胞、毛包幹細胞等が含まれる。消化系の体性幹細胞の例としては膵臓(全般の)幹細胞、肝幹細胞等が含まれる。(間葉系幹細胞以外の)骨髄系の体性幹細胞の例としては、造血幹細胞等が含まれる。神経系の体性幹細胞の例としては、神経幹細胞、網膜幹細胞等が含まれる。
微小粒子組成物は、体性幹細胞以外の幹細胞を含有していてもよいが、含有しないことが好ましい。体性幹細胞以外の幹細胞としては、胚性幹細胞(ES細胞)、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性癌腫細胞(EC細胞)が含まれる。
歯髄由来幹細胞またはこの不死化幹細胞の培養上清の調製方法としては特に制限はなく、従来の方法を用いることができる。
歯髄由来幹細胞等の培養上清は、歯髄由来幹細胞を培養して得られる培養液である。例えば歯髄由来幹細胞の培養後に細胞成分を分離除去することによって、本発明に使用可能な培養上清を得ることができる。各種処理(例えば、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存等)を適宜施した培養上清を用いることにしてもよい。
歯髄由来幹細胞の培養上清を得るための歯髄由来幹細胞は、常法により選別可能であり、細胞の大きさや形態に基づいて、または接着性細胞として選別可能である。脱落した乳歯や永久歯から採取した歯髄細胞から、接着性細胞またはその継代細胞として選別することができる。歯髄由来幹細胞の培養上清には、選別された幹細胞を培養して得られた培養上清を用いることができる。
なお、「歯髄由来幹細胞等の培養上清」は、歯髄由来幹細胞等を培養して得られる細胞そのものを含まない培養液であることが好ましい。本発明で用いる歯髄由来幹細胞の培養上清は、その一態様では全体としても細胞(細胞の種類は問わない)を含まないことが好ましい。当該態様の組成物はこの特徴によって、歯髄由来幹細胞自体は当然のこと、歯髄由来幹細胞を含む各種組成物と明確に区別される。この態様の典型例は、歯髄由来幹細胞を含まず、歯髄由来幹細胞の培養上清のみで構成された組成物である。
本発明で用いる歯髄由来幹細胞の培養上清は、乳歯歯髄由来幹細胞および大人歯髄由来幹細胞の両方の培養上清を含んでいてもよい。本発明で用いる歯髄由来幹細胞の培養上清は、乳歯歯髄由来幹細胞の培養上清を有効成分として含むことが好ましく、50質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが好ましい。本発明で用いる歯髄由来幹細胞の培養上清は、乳歯歯髄由来幹細胞の培養上清のみで構成された組成物であることがより特に好ましい。
培養上清を得るための歯髄由来幹細胞の培養液には基本培地、或いは基本培地に血清等を添加したもの等を使用可能である。なお、基本培地としてはダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)の他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社、GIBCO社等)、RPMI1640培地等を用いることができる。また、培地に添加可能な成分の例として、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミン(BSA)、抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
但し、血清を含まない「歯髄由来幹細胞の培養上清」を調製するためには、全過程を通して或いは最後または最後から数回の継代培養についは無血清培地を使用するとよい。例えば、血清を含まない培地(無血清培地)で歯髄由来幹細胞を培養することによって、血清を含まない歯髄由来幹細胞の培養上清を調製することができる。1回または複数回の継代培養を行うことにし、最後または最後から数回の継代培養を無血清培地で培養することによっても、血清を含まない歯髄由来幹細胞等の培養上清を得ることができる。一方、回収した培養上清から、透析やカラムによる溶媒置換などを利用して血清を除去することによっても、血清を含まない歯髄由来幹細胞の培養上清を得ることができる。
培養上清を得るための歯髄由来幹細胞の培養には、通常用いられる条件をそのまま適用することができる。歯髄由来幹細胞の培養上清の調製方法については、幹細胞の種類に応じて幹細胞の単離および選抜工程を適宜調整する以外は、後述する細胞培養方法と同様とすればよい。歯髄由来幹細胞の種類に応じた歯髄由来幹細胞の単離および選抜は、当業者であれば適宜行うことができる。
また、歯髄由来幹細胞の培養には、エクソソームなどの微小粒子を多量に生産させるために、特別な条件を適用してもよい。特別な条件として、例えば、低温条件、低酸素条件、微重力条件など、何らかの刺激物と共培養する条件などを挙げることができる。
本発明でエクソソームなどの微小粒子の調製に用いる歯髄由来幹細胞の培養上清は、歯髄由来幹細胞の培養上清の他にその他の成分を含んでいてもよいが、その他の成分を実質的に含まないことが好ましい。
ただし、エクソソームの調製に使用する各種類の添加剤を、歯髄由来幹細胞の培養上清に添加してから保存しておいてもよい。
(微小粒子の調製)
歯髄由来幹細胞等の培養上清から、微小粒子を精製して、微小粒子を調製することができる。
微小粒子の精製は、歯髄由来幹細胞の培養上清から微小粒子を含む画分の分離であることが好ましく、微小粒子の単離であることがより好ましい。
微小粒子は、微小粒子の特性に基づいて非会合成分から分離されることにより、単離され得る。例えば、微小粒子は、分子量、サイズ、形態、組成または生物学的活性に基づいて単離され得る。
本発明では、歯髄由来幹細胞の培養上清を遠心処理して得られた、微小粒子を多く含む特定の画分(例えば沈殿物)を分取することにより、微小粒子を精製することができる。所定の画分以外の画分の不要成分(不溶成分)は除去してもよい。微小粒子組成物からの、溶媒および分散媒、ならびに不要成分の除去は完全な除去でなくてもよい。遠心処理の条件を例示すると、100~20000gで、1~30分間である。
本発明では、歯髄由来幹細胞の培養上清またはその遠心処理物を、ろ過処理することにより、微小粒子を精製することができる。ろ過処理によって不要成分を除去することができる。また、適切な孔径のろ過膜を使用すれば、不要成分の除去と滅菌処理を同時に行うことができる。ろ過処理に使用するろ過膜の材質、孔径などは特に限定されない。公知の方法で、適切な分子量またはサイズカットオフのろ過膜でろ過をすることができる。ろ過膜の孔径はエクソソームを分取しやすい観点から、10~1000nmであることが好ましく、30~500nmであることがより好ましく、50~150nmであることが特に好ましい。
本発明では、歯髄由来幹細胞の培養上清またはその遠心処理物あるいはそれらのろ過処理物を、ラムクロマトグラフィーなど、さらなる分離手段を用いて分離することができる。例えば様々なカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用できる。カラムは、サイズ排除カラムまたは結合カラムを使用できる。
各処理段階におけるそれぞれの画分中で、微小粒子(またはその活性)を追跡するために、微小粒子の1つ以上の特性または生物学的活性を使用できる。例えば、微小粒子を追跡するために、光散乱、屈折率、動的光散乱またはUV-可視光検出器を使用できる。または、それぞれの画分中の活性を追跡するために、特定の酵素活性などを使用できる。
微小粒子の精製方法として、特表2019-524824号公報の[0034]~[0064]に記載の方法を用いてもよく、この公報の内容は参照して本明細書に組み込まれる。
微小粒子組成物の最終的な形態は、特に制限はない。例えば、微小粒子組成物は、微小粒子を溶媒または分散媒とともに容器に充填してなる形態;微小粒子をゲルとともにゲル化して容器に充填してなる形態;微小粒子を凍結および/または乾燥して固形化して製剤化または容器に充填してなる形態などが挙げられる。容器としては、例えば凍結保存に適したチューブ、遠沈管、バッグなどが挙げられる。凍結温度は、例えば-20℃~-196℃とすることができる。
本発明の微小粒子は、従来の加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の治療薬または予防薬として用いることができる組成物と比較して、大量生産しやすい、従来は産業廃棄物等として廃棄されていた幹細胞の培養液を利活用できる、幹細胞の培養液の廃棄コストを減らせる等の利点がある。特に歯髄由来幹細胞の培養上清が、ヒト歯髄由来幹細胞の培養上清である場合は、本発明の微小粒子をヒトに対して適用する場合に、免疫学上などの観点での安全性が高く、倫理性の問題も少ないという利点もある。歯髄由来幹細胞の培養上清が、認知症の患者からの歯髄由来幹細胞の培養上清である場合は、本発明の微小粒子をその患者に対して適用する際により安全性が高まり、倫理性の問題も少なくなるであろう。
本発明の微小粒子が、歯髄由来幹細胞の培養上清に由来する場合、修復医療の用途にも用いられる。特に歯髄由来幹細胞等の培養上清に由来する微小粒子を含む組成物は、修復医療の用途に好ましく用いられる。ここで、幹細胞移植を前提とした再生医療において、幹細胞は再生の主役ではなく、幹細胞の産生する液性成分が自己の幹細胞とともに臓器を修復させる、ということが知られている。従来の幹細胞移植に伴うがん化、規格化、投与方法、保存性、培養方法などの困難な問題が解決され、歯髄由来幹細胞の培養上清またはそれに由来する微小粒子を用いた組成物により修復医療が可能となる。幹細胞移植と比較すると、本発明の微小粒子を用いた場合は細胞を移植しないために腫瘍化などが起こりにくく、より安全と言えるだろう。また、本発明の微小粒子は一定に規格化した品質のものを使用できる利点がある。大量生産や効率的な投与方法を選択することができるので、低コストで利用ができる。
[血管新生眼疾患の予防薬または治療薬]
本発明の血管新生眼疾患の予防薬または治療薬は、本発明の微小粒子を含む。
本明細書において「予防」とは、疾患(本明細書では血管新生眼疾患)の発症を未然に防ぐことをいう。また、本明細書において「治療」とは、発症した疾患における症状の進行を緩和し、抑制し、又は阻止すること、及び症状を改善することをいう。
[血管新生眼疾患の改善方法]
本発明の血管新生眼疾患の改善方法は、有効量の本発明の微小粒子あるいは有効量の本発明の血管新生眼疾患の予防薬または治療薬を、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患を発症した対象に投与することを含む。
本発明の微小粒子を、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患を発症した対象に投与する工程は特に制限はない。
投与方法は、口腔、鼻腔または気道への噴霧または吸引、点滴、局所投与、点鼻薬などを挙げることができ、侵襲が少ないことが好ましい。局所投与の方法としては、注射が好ましい。また、皮膚表面に電圧(電気パルス)をかけることにより細胞膜に一時的に微細な穴をあけ、通常のケアでは届かない真皮層まで有効成分を浸透させられるエレクトロポレーションも好ましい。局所投与する場合、静脈内投与、動脈内投与、門脈内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与などを挙げることができ、動脈内投与、静脈内投与、皮下投与または腹腔内投与であることがより好ましい。
また、種々の製剤化技法を用い、微小粒子のインビボ分布を変えることができる。インビボ分布を変える多数の方法が当業者に既知である。そのような方法の例には、たとえば、タンパク質、脂質(たとえば、リポソーム)、炭水化物または合成ポリマーのような物質で構成される小胞におけるエクソソームの保護が挙げられる。
加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患を発症した対象に投与された本発明の微小粒子は対象の体内を循環し、所定の組織に到達してもよい。
投与回数および投与間隔は、特に制限はない。投与回数は1週間当たり1回以上とすることができ、5回以上であることが好ましく、6回以上であることがより好ましく、7回以上であることが特に好ましい。投与間隔は、1時間~1週間であることが好ましく、半日間~1週間であることがより好ましく、1日(毎日1回)であることが特に好ましい。ただし、投与対象の生物種や投与対象の症状に応じて、適宜調整することができる。
本発明の微小粒子は、微小粒子を治療有効期間にわたって1週間に1回以上、認知症を発症した対象に投与する用途であることが好ましい。投与対象がヒトである場合は、1週間当たりの投与回数は多い方が好ましく、治療有効期間にわたって1週間に5回以上投与することが好ましく、毎日投与することが好ましい。
2.0×10個/mlの濃度の歯髄由来幹細胞の培養上清を用いる場合、マウスモデルでは、マウス1匹(約25g)当たり0.1~5mlであることが好ましく、0.3~3mlであることがより好ましく、0.5~1mlであることがより特に好ましい。
0.1×10個/μgの濃度の微小粒子を用いる場合、マウスモデルでは、マウス1匹(約25g)当たり1~50μgであることが好ましく、3~30μgであることがより好ましく、5~25μgであることがより特に好ましい。
その他の動物への体重当たりの投与量の好ましい範囲は、モデルマウスへの体重(約25g)当たりの投与量から比例関係を用いて計算することができる。ただし、投与対象の症状に応じて、適宜調整することができる。
本発明の微小粒子を投与する対象の動物(生物種)は、特に制限はない。本発明の微小粒子を投与する対象の動物は、哺乳動物、鳥類(ニワトリ、ウズラ、カモなど)、魚類(サケ、マス、マグロ、カツオなど)であることが好ましい。哺乳動物としては、ヒトであっても、非ヒト哺乳動物であってもよいが、ヒトであることが特に好ましい。非ヒト哺乳動物としては、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ハムスターであることがより好ましい。
本発明の微小粒子は、従来公知の加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の治療薬と併用してもよい。具体的には、例えば従来公知のVAGF-A阻害剤、LTA4Hの発現抑制剤などのロイコトリエン産生阻害薬、BLT1拮抗薬と併用してもよい。
以下に実施例と比較例または参考例とを挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<歯髄由来幹細胞の培養上清の調製>
DMEM/HamF12混合培地の代わりにDMEM培地を用い、その他は特許第6296622号の実施例6に記載の方法に準じて、ヒト乳歯歯髄幹細胞の培養上清を調製して、培養上清を分取した。初代培養ではウシ胎仔血清(FBS)を添加して培養し、継代培養では初代培養液を用いて培養した継代培養液の上清をFBSが含まれないように分取し、乳歯歯髄幹細胞の培養上清を調製した。なお、DMEMはダルベッコ改変イーグル培地であり、F12はハムF12培地である。
<エクソソームの調製>
得られた歯髄由来幹細胞の培養上清から、歯髄由来幹細胞のエクソソームを以下の方法で精製した。
乳歯歯髄幹細胞の培養上清(100mL)を0.22マイクロメーターのポアサイズのフィルターで濾過したのち、その溶液を、60分間、4℃で100000×gで遠心分離した。上清をデカントし、エクソソーム濃縮ペレットをリン酸緩衝食塩水(PBS)中に再懸濁した。再懸濁サンプルを、60分間100000×gで遠心分離した。再度ペレットを濃縮サンプルとして遠心チューブの底から回収した(およそ100μl)。タンパク濃度は、マイクロBSAタンパク質アッセイキット(Pierce、Rockford、IL)によって決定した。エクソソームを含む組成物(濃縮溶液)は、-80℃で保管した。
歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソームを含む組成物を、実施例1の微小粒子組成物サンプルとした。
実施例1の微小粒子組成物に含まれる微小粒子の平均粒径、濃度を評価した。
実施例1の微小粒子組成物に含まれる微小粒子の平均粒径は50~150nmであった。
実施例1の微小粒子組成物は1.0×10個/ml以上の高濃度エクソソーム溶液であり、具体的には2.0×10個/mlの高濃度エクソソーム溶液であった。
また、得られた実施例1の微小粒子組成物の成分を公知の方法で分析した。その結果、実施例1の微小粒子組成物は、歯髄由来幹細胞の幹細胞を含まず、MCP-1を含まず、シグレック9も含まないことがわかった。そのため、間葉系幹細胞の培養上清の有効成分であるMCP-1およびシグレック9ならびにこれらの類縁体とは異なる有効成分が、実施例1の微小粒子組成物の有効成分であることがわかった。
[試験例1]:エクソソームで発現するマイクロRNA
実施例1の微小粒子組成物に含まれるsmall RNAを次世代シーケンシング(NGS)解析により解析した。NGS解析により、実施例1の微小粒子組成物(歯髄由来幹細胞のエクソソーム)に含まれるmiRNAが1787個同定された。得られた結果を下記表1に示す。
[試験例2]:大脳皮質のmiRNAとの対比
マイクロRNAの解析にはIMOTA(Interactive Multi-Omics-Tissue Atlas)を用いた。
タンパクを制御するマイクロRNAをIMOTAで大脳皮質(Cerebral Cortex)を中心に検索した。IMOTAは、各組織や細胞におけるmiRNAやmRNA、タンパク質の相互作用や発現量について調べることができる対話型のマルチオミクスアトラスである(Nucleic Acids Research, Volume 46, Issue D1, 4 January 2018, Pages D770-D775, "IMOTA: an interactive multi-omics tissue atlas for the analysis of human miRNA-target interactions")。大脳皮質では、Omicのカウント数は、タンパク質が3071個、mRNAが14182個、miRNAが1124個であった。また、大脳皮質で発現率(Expression Rate)がHighのOmicのカウント数は、タンパク質が1119個、mRNAが1110個、miRNAが145個であった。
大脳皮質で発現している1124個のmiRNAと、歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソーム(実施例1の微小粒子組成物;SGF exosome)で発現しているmiRNA1787個の間で、共通に発現しているmiRNAは859個であった。すなわち、実施例1の微小粒子組成物(歯髄由来幹細胞のエクソソーム)で発現しているmiRNAのうち、大脳皮質でも発現しているmiRNAの割合は48.1%であり、非常に高かった。
また、実施例1の微小粒子組成物(歯髄由来幹細胞のエクソソーム)で発現があり、大脳皮質での発現がHighであるmiRNAは、下記表2および表3に記載の122個であった。
[試験例3]:疾患に関わるマイクロRNAの探索
得られた解析結果をもとに疾患に関わるマイクロRNAを探索した。疾患に関連するmiRNAの抽出を、IMOTAを用いて行った。ここでは、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患に関連するタンパクを抑制するマイクロRNAが含まれているか、または、治療薬のターゲットとなるタンパクを制御しているマイクロRNAが含まれているかを探索した。
加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の原因となる血管新生を促進するVEGFを制御しているmiRNAについてImotaで検索した。
JCI Insight., 2018; 3(18):e96902には、病的血管新生をもたらすM2マクロファージの網膜への浸潤はロイコトリエンB4に依存すること、BLT1拮抗薬やロイコトリエンB4産生酵素阻害薬は病的血管新生を抑制すること、加齢黄斑変性症の新規治療法につながることが記載されている。一方、LTA4H遺伝子によってコードされるタンパク質(EC 3.3.2.6)は、ロイコトリエンA4をロイコトリエンB4に変換する酵素である。本実施例では、LTA4HにかかわるmiRNAをImotaで検索したところ、7個のmiRNAがこの酵素の制御に関わっていることがわかった。
これらのmiRNAが実施例1の微小粒子組成物(SGF exosome)に含まれているかを確認したところ多くのmiRNAが見つかった。
得られた結果を、各miRNAの発現量を大脳皮質(Cerebral Cortex)と実施例1の微小粒子組成物(図3ではSGF exosome、図4ではSGF exo)とを対比して図3および図4に示した。
図3より、VEGFAをtargetとする歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソームに発現するmiRNAは、下記のVEGF-A抑制関連miRNA群(58種類)であった。
hsa-miR-1-3p、hsa-miR-101-3p、hsa-miR-106b-5p、hsa-miR-107、hsa-miR-126-3p、
hsa-miR-134-5p、hsa-miR-140-5p、hsa-miR-145-5p、hsa-miR-150-5p、hsa-miR-15a-5p、
hsa-miR-15b-5p、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-17-5p、hsa-miR-185-5p、hsa-miR-195-5p、
hsa-miR-199a-5p、hsa-miR-200b-3p、hsa-miR-203a-3p、hsa-miR-205-5p、hsa-miR-206、
hsa-miR-20a-5p、hsa-miR-20b-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-299-3p、hsa-miR-29a-3p、
hsa-miR-29b-3p、hsa-miR-29c-3p、hsa-miR-329-3p、hsa-miR-335-5p、hsa-miR-361-5p、
hsa-miR-362-3p、hsa-miR-3646、hsa-miR-369-3p、hsa-miR-373-3p、hsa-miR-374a-5p、
hsa-miR-374b-3p、hsa-miR-374b-5p、hsa-miR-374c-5p、hsa-miR-377-3p、hsa-miR-378a-3p、
hsa-miR-383-5p、hsa-miR-410-3p、hsa-miR-423-3p、hsa-miR-424-5p、hsa-miR-4497、
hsa-miR-451b、hsa-miR-452-5p、hsa-miR-495-3p、hsa-miR-497-5p、hsa-miR-504-5p、
hsa-miR-567、hsa-miR-5692a、hsa-miR-576-5p、hsa-miR-613、hsa-miR-670-5p、
hsa-miR-7-1-3p、hsa-miR-718、hsa-miR-93-5p。
図4より、LTA4Hをtargetとする歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソームに発現するmiRNAは、下記のLTA4H抑制関連miRNA群(7種類)であった。
hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5p、hsa-let-7c-5p、hsa-miR-124-3p、hsa-miR-125b-5p、
hsa-miR-26b-5p、hsa-miR-338-3p。
以上の試験例3では、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の原因となる血管新生を促進するVEGFを制御しているmiRNA、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の新規治療薬のターゲットとなるLTA4H遺伝子の抑制をするmiRNAがそれぞれ発見された。
加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の治療または予防をできるmiRNAを一覧する目的で、図3および図4の結果をまとめて、図5に示した。図5は、VEGFAまたはLTA4Hをtargetとする歯髄由来幹細胞の培養上清から精製したエクソソーム(実施例1の微小粒子)に発現するmiRNAの発現量を示したヒートマップである。本発明の微小粒子に含まれる、加齢黄斑変性などの血管新生眼疾患の治療または予防をできるmiRNAは、(58+7=)65種類であった。

Claims (13)

  1. 血管内皮増殖因子(VEGF-A)のタンパク質の発現に関する遺伝子およびロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H)遺伝子のうち少なくとも1種類を標的遺伝子とするmiRNAを含む、微小粒子。
  2. 前記微小粒子がエクソソームである、請求項1に記載の微小粒子。
  3. 前記微小粒子が、歯髄由来幹細胞の培養上清よりも高い濃度で、前記VEGF-Aの発現に関する遺伝子および前記LTA4Hのうち少なくとも1種類の遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含む、請求項1に記載の微小粒子。
  4. 前記VEGF-Aの発現抑制剤であり、
    前記微小粒子が前記VEGF-Aの発現に関する遺伝子を標的遺伝子とするmiRNAを含む、請求項1に記載の微小粒子。
  5. 前記微小粒子が下記VEGF-A抑制関連miRNA群のうち少なくとも1種類を含む、請求項4に記載の微小粒子;
    VEGF-A抑制関連miRNA群:
    hsa-miR-1-3p、hsa-miR-101-3p、hsa-miR-106b-5p、hsa-miR-107、hsa-miR-126-3p、
    hsa-miR-134-5p、hsa-miR-140-5p、hsa-miR-145-5p、hsa-miR-150-5p、hsa-miR-15a-5p、
    hsa-miR-15b-5p、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-17-5p、hsa-miR-185-5p、hsa-miR-195-5p、
    hsa-miR-199a-5p、hsa-miR-200b-3p、hsa-miR-203a-3p、hsa-miR-205-5p、hsa-miR-206、
    hsa-miR-20a-5p、hsa-miR-20b-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-299-3p、hsa-miR-29a-3p、
    hsa-miR-29b-3p、hsa-miR-29c-3p、hsa-miR-329-3p、hsa-miR-335-5p、hsa-miR-361-5p、
    hsa-miR-362-3p、hsa-miR-3646、hsa-miR-369-3p、hsa-miR-373-3p、hsa-miR-374a-5p、
    hsa-miR-374b-3p、hsa-miR-374b-5p、hsa-miR-374c-5p、hsa-miR-377-3p、hsa-miR-378a-3p、
    hsa-miR-383-5p、hsa-miR-410-3p、hsa-miR-423-3p、hsa-miR-424-5p、hsa-miR-4497、
    hsa-miR-451b、hsa-miR-452-5p、hsa-miR-495-3p、hsa-miR-497-5p、hsa-miR-504-5p、
    hsa-miR-567、hsa-miR-5692a、hsa-miR-576-5p、hsa-miR-613、hsa-miR-670-5p、
    hsa-miR-7-1-3p、hsa-miR-718、hsa-miR-93-5p。
  6. 前記微小粒子が前記VEGF-A抑制関連miRNA群のうち、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-21-5p、hsa-miR-29a-3p、hsa-miR-423-3pおよびhsa-miR-93-5pを含む、請求項5に記載の微小粒子。
  7. 前記LTA4Hの発現抑制剤であり、
    前記微小粒子が前記LTA4Hを標的遺伝子とするmiRNAを含む、請求項1に記載の微小粒子。
  8. 前記微小粒子が下記LTA4H抑制関連miRNA群のうち少なくとも1種類を含む、請求項7に記載の微小粒子;
    LTA4H抑制関連miRNA群:
    hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5p、hsa-let-7c-5p、hsa-miR-124-3p、hsa-miR-125b-5p、
    hsa-miR-26b-5p、hsa-miR-338-3p。
  9. 前記微小粒子が前記LTA4H抑制関連miRNA群のうち、hsa-let-7a-5p、hsa-let-7b-5pおよびhsa-miR-125b-5pを含む、請求項8に記載の微小粒子。
  10. 前記微小粒子が歯髄由来幹細胞の培養上清から精製されて単離された微小粒子であり、
    前記微小粒子が、前記歯髄由来幹細胞の培養上清から前記エクソソームを除いた成分を含まない、請求項1に記載の微小粒子。
  11. 請求項1に記載の微小粒子を含む、血管新生眼疾患の予防薬または治療薬。
  12. 前記血管新生眼疾患が加齢黄斑変性である、請求項11に記載の血管新生眼疾患の予防薬または治療薬。
  13. 有効量の請求項1に記載の微小粒子、あるいは有効量の請求項11に記載の血管新生眼疾患の予防薬または治療薬を、血管新生眼疾患を発症した対象に投与することを含む、血管新生眼疾患の改善方法。
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