JP2023154907A - 水質検査装置及び飼育システム - Google Patents

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Abstract

【課題】濾材に定着した微生物の量に基づき水質判定する水質管理装置を提供する。【解決手段】飼育槽20を備える飼育システム10用の水質検査装置であって、飼育槽20に接続されており、飼育システム10内を循環する飼育水が流通する水質管理槽40と、水質管理槽40に収容されている濾材42と、濾材42を殺菌処理する外部水源70と、外部水源70が濾材42を殺菌処理した後に、水質管理槽40内の飼育水の濁度を測定する濁度計44と、濁度に基づき水質を判定する制御装置80と、を備える。【選択図】図1

Description

本明細書に開示の技術は、水質検査装置及びそれを用いた飼育システムに関する。
水棲生物を観賞魚用水槽、生け簀、養殖場などの飼育槽において飼育する場合、pH及び塩分濃度等の水質を水棲生物に適した状態に保つことが重要である。しかし、飼育水の水質は様々な要因により変化してしまい、中でも餌の残渣や水棲生物の排泄物による汚染の影響は顕著である。そのため、飼育水を飼育槽と濾過装置との間で循環させ、飼育水を濾過して水質改善することが一般に行われている。また、濾過装置による水質の調整が適切に行われていることを確認するために、水質の変化を自動で検出する装置も提案されている(特許文献1)。
特開平7-280793号公報
一般に濾過装置における濾過は、餌の残渣等を物理的に濾し取る物理濾過と、活性炭等の吸着性を有する濾材に有機化合物等を吸着させる化学濾過と、濾材に定着した微生物により有機物を分解・無毒化する生物濾過とに分類される。中でも、水質を長期間にわたって良好な状態に維持するためには生物濾過の重要性が非常に高いことが知られている。しかし、濾材に定着した微生物を簡便に定量する方法は未だ確立されていないため、当該微生物の量などに基づき生物濾過の効果を直接判定することは困難を伴う。
本明細書に開示の技術は、濾材に定着した微生物の量に基づき水質を判定する水質検査装置を提供することを目的とする。
その一つの例は、飼育槽を備える飼育システム用の水質検査装置であって、前記飼育槽に接続されており、前記飼育システム内を循環する飼育水が流通する容器と、前記容器に収容されている濾材と、前記濾材を殺菌処理する殺菌手段と、前記殺菌手段が前記濾材を殺菌処理した後に、前記容器内の飼育水及び前記容器を通過した飼育水の少なくとも一方の濁度を測定する濁度測定手段と、前記濁度に基づき水質を判定する水質判定手段と、
を備える、水質検査装置である。
この構成によると、水質検査装置は濾材を殺菌処理した後の飼育水の濁度に基づき水質を判定する。濾材の殺菌処理により濾材に定着していた微生物は死滅・遊離して飼育水の濁度は上昇するため、殺菌処理後の飼育水の濁度に基づき水質判定を行うことにより、微生物の量に基づく水質判定が可能である。
本開示の実施形態1に係る飼育システムの模式図である。 図1の飼育システムにおける各電動装置の稼働状態を示す図である。 殺菌処理後の時間経過と飼育水の濁度との関係を表す図である。 本開示の実施形態2に係る飼育システムの模式図である。 図4の飼育システムにおける各電動装置の稼働状態を表す図である。
<実施形態1>
以下、図面に基づき本明細書に開示の技術の実施形態1について説明を行う。本実施形態に係る飼育システム10は、陸上において水棲生物を飼育するためのシステムである。なお、本開示において水棲生物とは、水中または水辺に生息する動植物を意味する。また、飼育システム10は、システム内を循環する飼育水の水質を検査する飼育システム10用の水質検査装置を備える。本開示に係る水質検査装置は、飼育システム10自体の構成要素の一部を利用しているため、以下の説明では両者の構成要素を明確に区別せず、一体化したものとして説明する。図1は本開示の飼育システム10の模式図である。図1における各矢印は飼育システム10内における流体の流れ方向を示す。
[飼育システム10]
図1に示すように、飼育システム10は、水棲生物を飼育するための飼育槽20、飼育水を濾過するための濾過装置30、水質を検査するために飼育水を一時的に貯留する水質管理槽40、飼育水に微生物を添加するための微生物添加装置60を備える。また、飼育システム10は飼育システム10全体を制御する制御装置80を備える。
[飼育槽20]
飼育槽20は、水棲生物を飼育するために内部に飼育水を貯留している。水棲生物の種類は主に養殖魚や観賞魚が挙げられるが、これらに限定されず、例えば水耕栽培される植物であってもよい。また、飼育槽20は汚水通路22を介して濾過装置30に接続されており、汚れた飼育水を濾過装置30に向けて排出可能に構成されている。
[濾過装置30]
濾過装置30には、物理濾過、化学濾過、及び生物濾過にそれぞれ適した複数種の材料からなる濾材31が充填されている。濾材31の種類は特に限定されず、従来公知のものが利用可能である。中でも、硝化細菌等の生物濾過に寄与する微生物は通常好気性であるため、微生物が定着可能な表面積が大きく、流体が通過しやすい観点から、生物濾過用の濾材はセラミックス、砂利等の多孔質材料製であることが好ましい。濾過装置30は、浄水通路32を介して飼育槽20に接続されており、濾過装置30で濾過された飼育水は浄水通路32を介して飼育槽20へと循環される。
浄水通路32には、濾過装置30から飼育槽20へ向かう方向に沿って三方弁34と電磁弁36とがこの順に設けられている。三方弁34と電磁弁36とは、それぞれ電気的に制御装置80に接続されており、開閉制御される。また、三方弁34は電動ポンプ35と一体化されており、電動ポンプ35が駆動制御されることで飼育水が飼育槽20と濾過装置30との間を循環する。
[水質管理槽40]
水質管理槽40は、内部に濾材42が収容されている。濾材42は、生物濾過を行う微生物が定着しやすい多孔性材料で形成されている。水質管理槽40には濁度計44が設けられており、水質管理槽40に貯留された飼育水の濁度を測定するよう構成されている。濁度計44は制御装置80に電気的に接続されており、測定するタイミング等が制御されている。また、濁度計44による測定値、すなわち飼育水の濁度は濁度計44から制御装置80へと送信される。なお、本開示において、水質管理槽40は「容器」に相当し、濁度計44は「濁度測定手段」に相当する。
水質管理槽40は、浄水通路32から分岐した分岐通路46が接続されている。また、水質管理槽40は、戻し通路48を介して飼育槽20に接続されている。これにより、飼育システム10内を循環する飼育水の一部が、分岐通路46及び戻し通路48を介して水質管理槽40内を流通する。
分岐通路46には電磁弁50が設けられており、戻し通路48には電磁弁52が設けられている。電磁弁50,52は、それぞれ制御装置80に電気的に接続されており、開閉制御されている。また、戻し通路48の水質管理槽40と電磁弁52との間から排出通路54が分岐している。排出通路54の他端は外部に開放されており、飼育システム10内の飼育水を外部に排出できるように構成されている。排出通路54には電磁弁56が設けられており、制御装置80によって開閉制御されている。
[微生物添加装置60]
微生物添加装置60は、汚水通路22に沿って設けられており、飼育水が微生物添加装置60内部を流通するよう構成されている。微生物添加装置60は生物濾過を行う微生物を休眠状態で貯蔵しており、制御装置80から信号を受信すると、内部を流通する飼育水に休眠状態の微生物を添加する。なお、本開示において微生物添加装置60は「水質調整手段」に相当する。
[外部水源70]
三方弁34は、導入通路38を介して外部水源70に接続されている。外部水源70は、塩素を含む水道水を供給する。外部水源70は、通常は浄水通路32と連通していないが、制御装置80により三方弁34が切り替えられて外部水源70が浄水通路32と連通すると、水道水が浄水通路32へと導入される。なお、本開示において外部水源70は「殺菌手段」に相当する。
[制御装置80]
制御装置80は、様々な制御プログラムを記憶しているメモリと、制御プログラムを実行するためのプロセッサとを備えている。制御装置80は飼育システム10の各電動装置と電気的に接続されており、制御プログラムに基づき各電動装置を制御する。なお、本開示において制御装置80は「水質判定手段」に相当する。
<水質判定処理>
次に、本実施形態における水質判定処理を図1から図3に基づき説明する。図2は水質判定中における各電動装置の稼働状態と水質管理槽40内の濁度の変化を示した図である。図2において、十分な量の微生物が濾材42に定着している場合の濁度は実線で示されており、微生物の量が不十分である場合の濁度は破線で示されている。図3は殺菌処理後の時間経過と測定された濁度との関係を表す図である。
水質判定処理は一定周期、例えば一週間ごとに実施される。図2に示すように、通常の状態(T0)では、電動ポンプ35は稼働されており、三方弁34は外部水源70との連通を遮断して飼育水が浄水通路32を流通しており、電磁弁36,50,52は開弁しており、電磁弁56は閉弁している。これにより、飼育水は飼育槽20と濾過装置30を介して飼育システム10内を循環しており、循環している飼育水の一部は分岐通路46を介して水質管理槽40へと流入した後に戻し通路48から飼育槽20へと戻る。
水質判定処理が開始されると(T1)、電磁弁50及び電磁弁52が閉弁され、飼育水の水質管理槽40への流入及び水質管理槽40からの流出が防止される。この状態で、水質管理槽40内の飼育水の濁度が濁度計44を用いて測定される。
飼育水の濁度を測定した後(T2)、三方弁34は浄水通路32内の上流から下流への流通を遮断すると共に、外部水源70と浄水通路32の下流側とを連通するよう切り替えられる。また、電磁弁36が閉弁され、電磁弁50が開弁される。これにより、水道水が外部水源70から飼育システム10内に供給され、導入通路38、浄水通路32、及び分岐通路46を通って水質管理槽40へと流入する。そして、水道水に含有される塩素により濾材42が殺菌処理され、濾材42に定着していた微生物が死滅する。死滅した微生物は濾材42から遊離するため、時間経過に伴い水質管理槽40内の飼育水の濁度が上昇する。
一定量の水道水が水質管理槽40に流入した時点で(T3)、電動ポンプ35が停止される。この状態で、水質管理槽40内の飼育水の濁度が濁度計44により所定期間にわたって一定時間ごとに測定される。
濁度の測定が終了すると(T4)、電動ポンプ35が稼働されると共に、三方弁34は外部水源70との連通を遮断し、浄水通路32内を上流側から下流側へと飼育水が流通するよう切り替えられる。また、電磁弁56が開弁される。これにより、飼育水が浄水通路32、分岐通路46、水質管理槽40、及び排出通路54を介して外部へ流出し、これらの通路及び水質管理槽40内に残存していた塩素や微生物の死骸を含む液体が外部に排出される。一定量の飼育水を外部に排出した時点で(T5)、電磁弁36,52が開弁され、電磁弁56が閉弁されることにより、通常の状態に戻される。
その後、制御装置80は殺菌処理前(T1からT2の間)に測定された飼育水の濁度と、殺菌処理後(T3からT4の間)に測定された飼育水の濁度との差を算出する。なお、殺菌処理後の濁度は、死滅した微生物が濾材42から遊離した量に応じて上昇するため、通常は時間経過とともに上昇する。そのため、図3に示すように、一定時間ごとに測定された濁度(T31からT36)の中から、相互間の偏差が所定範囲内である複数の濁度(T35及びT36)を選択し、その平均値を殺菌処理後の濁度として用いる。なお、相互間の偏差が所定範囲内である複数の濁度を用いる場合、上述のように時間経過に伴い測定された複数の濁度から選択する他、水質管理槽40内の複数個所で同時に測定された濁度から選択してもよい。
殺菌処理前後の濁度の変化量は主に殺菌処理により死滅・遊離した微生物の量に起因するため、制御装置80は当該変化量が所定値以上である場合(図2における実線参照)には濾材42に定着している微生物量は十分であり、水質は良好であると判定する。一方、当該変化量が所定値未満である場合(図2における破線参照)には、微生物量が不十分であり、水質は不良であると判定される。
飼育水の水質が不良であるとの判定結果が得られると、微生物添加装置60は制御装置80からの制御信号に基づき休眠状態の微生物を飼育水に添加する。微生物は飼育水に添加されると休眠状態から活動状態に移行し、飼育システム10内を循環する過程において濾過装置30内の濾材31又は水質管理槽40内の濾材42に定着する。これにより、飼育システム10内の微生物量が増加するため、飼育水の水質改善を図ることができる。
<実施形態1の利点>
上記実施形態によると、濾材42の殺菌処理に起因する濁度の変化に基づいて水質の判定を行うため、濾材42に定着していた微生物の量に基づく水質の判定が可能である。
また、殺菌処理後の濁度を相互間の偏差が所定範囲内である複数の濁度に基づき算出しているため、水質管理槽40内の飼育水の流れ等に起因する濁度のばらつきによる影響を受けにくくなり、判定精度が向上する。
また、飼育水の水質が不良と判定された場合には微生物添加装置60が休眠状態の微生物を飼育水に添加することにより、生物濾過に寄与する微生物の量を増加させている。これにより、水質の改善を容易に行うことができる。
<実施形態2>
続いて、図4,5に基づき本開示の実施形態2を説明する。なお、実施形態2は実施形態1の構成を一部変更したものであるため、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。図4は実施形態2に係る飼育システム110を示す模式図であり、図中の各矢印は飼育システム110内における流体の流れ方向を示す。
[飼育システム110の構造]
図4に示すように、飼育システム110は、飼育槽20、濾過装置30、微生物添加装置60、及び制御装置80を備える。濾過装置30は、相互に並列に接続された複数の濾過ユニットを備え、濾過ユニットの数は特に限定されないが、5個以上であることが好ましい(図4では2個の濾過ユニット30A,30Bを示す)。濾過ユニット30A,30Bには濾材31が充填されている。なお、本開示において濾過ユニット30A,30Bは「容器」に相当する。
飼育槽20は汚水通路122を介して濾過装置30に接続されており、汚水通路122に沿って微生物添加装置60及び電動ポンプ35が設けられている。汚水通路122は微生物添加装置60と濾過装置30との間で第1汚水通路122Aと第2汚水通路122Bとに分岐しており、それぞれ濾過ユニット30A,30Bに接続されている。また、濾過ユニット30A,30Bからそれぞれ延在する第1浄水通路132A及び第2浄水通路132Bは、合流して浄水通路132を形成して飼育槽20に接続されている。これにより、電動ポンプ35が駆動されると、飼育槽20内の飼育水は汚水通路122、第1汚水通路122A、及び第2汚水通路122Bを介して濾過ユニット30A,30Bのいずれかに流入して濾過された後に、第1浄水通路132A、第2浄水通路132B、及び浄水通路132を介して飼育槽20へと循環される。
第1浄水通路132Aから第1分岐通路140Aが分岐しており、第1浄水通路132Aと第1分岐通路140Aとの合流箇所には三方弁142Aが設けられている。同様に、第2浄水通路132Bから第2分岐通路140Bが分岐しており、第2浄水通路132Bと第2分岐通路140Bとの合流箇所には三方弁142Bが設けられている。第1分岐通路140A及び第2分岐通路140Bは合流して分岐通路140を形成している。分岐通路140上にはヒータ144及び濁度計146が設けられている。
分岐通路140の下流端は、第1戻し通路148A及び第2戻し通路148Bに分岐している。第1戻し通路148Aは第1汚水通路122Aに接続されており、その合流箇所には三方弁150Aが設けられている。また、第2戻し通路148Bは第2汚水通路122Bに接続されており、その合流箇所には三方弁150Bが設けられている。
分岐通路140には、濁度計146の下流側において排出通路152及び導入通路154がそれぞれ接続されている。排出通路152と分岐通路140の合流箇所には三方弁156が設置されている。排出通路152の他端は外部に開放されており、分岐通路140を流れる飼育水を外部に排出可能に構成されている。一方、導入通路154と分岐通路140の合流箇所には三方弁158が設けられている。導入通路154の他端は、飼育水供給源160に接続されており、導入通路154と分岐通路140を連通させることにより、外部から新たな飼育水を飼育システム110内に導入できる。なお、三方弁142A,142B,150A,150B,156,158は、それぞれ制御装置80に電気的に接続されており、連通方向を制御されている。また、三方弁158は一体化された電動ポンプ162を備えており、電動ポンプ162も制御装置80によって駆動制御されている。
[ヒータ144]
ヒータ144は、制御装置80からの信号に基づき、内部を流通する飼育水を加熱するよう構成されている。加熱した飼育水を濾過ユニット30A,30Bに供給することにより、濾材31を殺菌処理することができる。なお、生物濾過に寄与する微生物は急激な温度上昇により死滅するため、ヒータ144は飼育水の温度を15~20℃上昇するよう構成されていることが好ましい。なお、本開示においてヒータ144は「殺菌手段」に相当する。
[濁度計146]
濁度計146は、内部を流通する飼育水の濁度を連続的又は断続的に測定できるよう構成されている。濁度計146は制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80からの信号に基づき飼育水の濁度を測定した後に、その測定結果を制御装置80へと送信する。
<水質判定処理>
続いて、本実施形態における水質判定処理を図4,5に基づき説明する。図5は水質判定中における各電動部材の稼働状態と濁度計146を流通する飼育水の濁度の変化とを示す図である。図5において、濾材31に定着した微生物の量が十分な場合の濁度は実線で示されており、微生物の量が不十分な場合の濁度は破線で示されている。また、図5における各三方弁の方向は、図4に示す各三方弁の連通方向、より詳しくは飼育水の流れ方向を意味する。
水質判定処理は一定周期、例えば一週間ごとに実施される。また、一度の水質判定処理で対象となる濾過ユニットは一個であり、濾過装置30が有する複数の濾過ユニットは事前に決められた順番に水質判定処理の対象になる。ここでは、濾過ユニット30Aを対象とした水質判定処理を例として説明する。
図5に示すように、通常の状態(T0)では、電動ポンプ162は停止しており、三方弁142A,150Aは左右方向に連通しており、三方弁156,158は右左方向に連通している。電動ポンプ35は常時稼働しているため、飼育水は汚水通路122及び浄水通路132を介して飼育槽20と濾過装置30との間を循環する。また、分岐通路140と汚水通路122及び浄水通路132との連通が遮断されているため、飼育槽20と濾過装置30との間を循環する飼育水が分岐通路140へと流入することはない。
水質判定処理が開始されると(T1)、三方弁150Aは第1戻し通路148Aと第1汚水通路122Aの下流側とを連通させるよう切り替えられ、三方弁142Aは第1浄水通路132Aの上流側と第1分岐通路140Aとを連通させるよう切り替えられる。また、電動ポンプ162とヒータ144とが稼働される。これにより、ヒータ144で加熱された飼育水は分岐通路140、第1戻し通路148A、及び第1汚水通路122Aを介して濾過ユニット30Aに流入し、第1浄水通路132A及び第1分岐通路140Aを介してヒータ144へと戻されることで循環する。高温に加熱された飼育水が濾過ユニット30Aに流入することにより、濾過ユニット30A内の濾材31が殺菌処理され、濾材31に定着していた微生物は死滅して遊離する。その結果、飼育水が濾過ユニット30Aを通過する際に微生物の死骸が飼育水中に混入し、飼育水の濁度が上昇する。濁度計146は、水質判定処理の開始後所定期間にわたって、内部を流通する飼育水の濁度を連続的又は断続的に測定する。なお、この状態において、飼育槽20と濾過ユニット30Bとは相互に連通しており且つヒータ144との連通は遮断されているため、加熱された飼育水が飼育槽20や濾過ユニット30Bに流入することが防止されていると共に、飼育槽20と濾過ユニット30Bとの間の飼育水の循環は維持される。
水質判定処理の開始から所定時間が経過すると(T2)、ヒータ144が停止されると共に、三方弁158は導入通路154と分岐通路140の下流側とを連通するよう切り替えられ、三方弁156は分岐通路140の上流側と排出通路152とを連通するよう切り替えられる。これにより、導入通路154を介して飼育水供給源160から常温又は飼育されている水棲生物に適した温度の飼育水が供給される。そして、新たに供給された飼育水は、第1戻し通路148A、第1汚水通路122A、濾過ユニット30A、第1浄水通路132A、第1分岐通路140A、分岐通路140、及び排出通路152を通って外部に排出される。これにより、各通路や濾過ユニット30A等の内部に残存していた高温の飼育水や微生物の死骸を外部に排出できる。
所定量の飼育水を外部に排出した時点で(T3)、電動ポンプ162が停止されると共に、各三方弁142A,150A,156,158は最初の状態に戻される。
その後、制御装置80は殺菌処理開始時(T1)に測定された飼育水の濁度と、殺菌処理後に測定された飼育水の濁度(T1からT2の間の最後の測定値)の変化量を算出する。制御装置80は当該変化量が所定値以上である場合(図5における実線参照)には生物濾過に寄与する微生物量は十分であり、水質は良好であると判定する。一方、当該変化量が所定値未満である場合(図5における破線参照)には、微生物量が不十分であり、水質は不良であると判定される。なお、殺菌処理後の濁度は最後に測定された濁度の代わりに、相互間の偏差が所定範囲内である複数の濁度を選択してその平均値を殺菌処理後の濁度として用いてもよい。
飼育水の水質が不良と判定されると、制御装置80は微生物添加装置60を稼働し、微生物添加装置60を通過する飼育水に休眠状態の微生物を添加させる。微生物は飼育水中で活動状態になり、飼育槽20及び濾過装置30を含む飼育システム110内を循環する間に濾過ユニット30A,30B内の濾材31に定着する。これにより、飼育システム110内の微生物量が増加するため、生物濾過の効率が向上し、飼育水の水質改善を図ることができる。
<実施形態2の利点>
上記実施形態によると、濾材31の殺菌処理に起因する濁度の変化に基づいて水質の判定を行うため、濾過装置30内の濾材31に定着していた微生物の量に基づき水質を判定できる。また、一度の水質判定処理において殺菌処理される濾過ユニットは複数あるうちの一つのみであるため、濾材31の殺菌処理による濾過性能の低下を最小限に抑えることができる。また、水質判定処理中において、当該処理の対象ではない濾過ユニットは飼育槽20と連通した状態に保たれており、電動ポンプ35も常時稼働状態に保たれるため、水質判定処理の実施中でも飼育槽20と濾過装置30との間を循環する飼育水を濾過することができる。
また、濾材31の殺菌処理をヒータ144による加熱により行うため、殺菌処理のために飼育システム110内に塩素等の殺菌成分を導入する必要がない。そのため、水質判定処理後に飼育システム110内に残存した殺菌成分により微生物や飼育槽20内の水棲生物が影響を受ける可能性を排除できる。
[他の実施形態]
本明細書に開示の技術は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、濾材の殺菌処理は塩素の導入や飼育水の加熱の代わりに、塩分濃度の変化、飼育水の急冷、溶存二酸化炭素量の増加、電気ショック、紫外線照射等により行ってもよい。例えば実施形態1において紫外線照射で殺菌処理を行う場合、水質管理槽40内に所定波長の紫外線を照射可能なUV殺菌灯を設置し、濾材42は紫外線を透過する透明セラミックを用いることが好ましい。また、その場合にはUV殺菌灯と濁度計44とが同じ光源を用いることにより、装置を簡素化できる。
また、上記実施形態では水質判定処理において殺菌処理前後の濁度の変化量を所定値と比較したが、殺菌処理後の濁度を所定値と比較してもよい。これにより、水質判定処理を簡素化することができ、処理時間を短縮できる。
また、上記実施形態では殺菌処理前後の濁度の変化量が所定値未満である場合に微生物を飼育水に添加する構成であったが、当該変化量を複数の所定値と比較し、濁度の変化量に応じて添加する微生物の量を調整してもよい。これにより、濾材に定着している微生物量に応じて適切な量の微生物を添加することができる。
また、水質調整の方法は微生物の添加に限らず、pH、塩分濃度、温度、溶存酸素濃度等の調整により行われてもよいし、これらを微生物の添加と併用してもよい。飼育システム中の微生物は様々な要因によって減少するため、pH等を測定及び調整する装置を設置し、水質が不良と判定された場合には、微生物の生育を阻害している要因を特定して改善してもよい。
10,110 飼育システム
20 飼育槽
30 濾過装置
30A,B 濾過ユニット(容器)
31,42 濾材
40 水質管理槽(容器)
44,146 濁度計(濁度測定手段)
60 微生物添加装置(水質調整手段)
70 外部水源(殺菌手段)
80 制御装置(水質判定手段)
144 ヒータ(殺菌手段)

Claims (4)

  1. 飼育槽を備える飼育システム用の水質検査装置であって、
    前記飼育槽に接続されており、前記飼育システム内を循環する飼育水が流通する容器と、
    前記容器に収容されている濾材と、
    前記濾材を殺菌処理する殺菌手段と、
    前記殺菌手段が前記濾材を殺菌処理した後に、前記容器内の飼育水及び前記容器を通過した飼育水の少なくとも一方の濁度を測定する濁度測定手段と、
    前記濁度に基づき水質を判定する水質判定手段と、
    を備える、水質検査装置。
  2. 請求項1に記載の水質検査装置であって、
    前記殺菌手段は所定波長の紫外線により前記濾材の殺菌処理を行い、
    前記殺菌手段と前記濁度測定手段とは同じ光源を用いる、水質検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の水質検査装置であって、
    前記水質判定手段による水質の判定は、相互間の偏差が所定範囲内である複数の濁度に基づいて行われる、水質検査装置。
  4. 請求項1又は2に記載の水質検査装置を備える飼育システムであって、
    前記水質判定手段による判定結果に基づき前記飼育水の水質調整を行う水質調整手段を有する、飼育システム。
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