JP2023153093A - 再剥離粘着テープ - Google Patents

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秀実 松永
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Abstract

【課題】環境負荷が少なく、かつ被着体から剥離する際に基材層の割れが防止できる再剥離粘着テープを提供すること。【解決手段】紙基材と、該紙基材の表面に積層された粘着剤層とを備える再剥離粘着テープであって、前記紙基材への粘着剤含浸率が20%以上であり、J.TAPPI No.18-1に準拠して測定される前記紙基材の層間強度が45N/18mmφ以上である、再剥離粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、再剥離粘着テープに関する。
粘着テープは、作業性に優れることから、梱包、養生、仮止めなどを目的として広く使用されている。例えば、アクリル系の粘着剤を有する粘着テープは、耐候性、耐久性、耐熱性、透明性等の各種物性に優れているため、種々の用途に用いられている。
養生、仮止めなどを目的に使用した粘着テープは、使用後に被着体から剥離することが必要であるため、粘着テープの材料である粘着剤や基材が被着体表面に残らないなどの剥離性に優れた粘着テープが求められる。
特許文献1には、施行後剥がす際に、テープ破断が少なく、手切れ性の良好な粘着テープとして、スパンボンド法熱可塑性長繊維不織布からなる基材に特定の樹脂を一定量含浸させた粘着テープであって、前記不織布が部分熱圧着を有し、テープの幅方向に特定のエンボスを有する粘着テープに関する発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の基材は、ポリプロピレン長繊維不織布などのプラスチック系の材料であり、環境保全の観点から、改善の余地がある。
特許文献2には、バイオ系ポリオレフィン樹脂を含み、バイオ率が40質量%以上の特定の発泡体シートと粘着材とを備える粘着テープについて記載されている。特許文献2の粘着テープは、バイオ率が一定以上であるため、一定の環境負荷の低減効果はあるものの、紙基材などの非プラスチック系の材料を用いる場合と比較すると、改善の余地があり、使用後の被着体からの剥離性については検討されていない。
特許文献3には、被着体から剥離する際に粘着剤が残らない粘着テープとして、和紙の背面にポリオレフィン系の合成樹脂層を設けた複合基材を用いて和紙粘着テープを製造する方法に関する発明が記載されており、粘着剤としてアクリル系再剥離粘着剤を用いることが記載されている。
特許第6104170号公報 国際公開第2020/175699号 特開平6-299128号公報
しかしながら、粘着テープの基材として、環境負荷の小さい紙基材を用いると、被着体から剥離する際に、紙基材の割れが生じて、粘着剤と一緒に被着体表面に残り易くなる傾向がある。
上記した特許文献3では、紙基材を用いているものの、剥離する際の基材層の割れを防止する具体的手段について検討はなされていない。
そこで、本発明は、環境負荷が少なく、かつ被着体から剥離する際に紙基材の割れが防止できる再剥離粘着テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、紙基材と、該紙基材の表面に積層された粘着剤層とを備える再剥離粘着テープであって、前記紙基材への粘着剤含浸率及び紙基材の層間強度が一定以上である、再剥離粘着テープにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は、以下の[1]~[11]の通りである。
[1]紙基材と、該紙基材の表面に積層された粘着剤層とを備える再剥離粘着テープであって、前記紙基材への粘着剤含浸率が20%以上であり、J.TAPPI No.18-1に準拠して測定される前記紙基材の層間強度が45N/18mmφ以上である、再剥離粘着テープ。
[2]バイオベース度が30%以上である、上記[1]に記載の再剥離粘着テープ。
[3]JIS Z 0237に準拠して、剥離速度300mm/分で測定したSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力Aが20N/24mm以下である、上記[1]又は[2]に記載の再剥離粘着テープ。
[4]JIS Z 0237に準拠して、剥離速度30m/分で測定したSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力Bが30N/24mm以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の再剥離粘着テープ。
[5]さらに離型剤層を備える、上記[1]~[4]のいずれかに記載の再剥離粘着テープ。
[6]前記離型剤層と紙基材との間に目止め層を備える、上記[5]に記載の再剥離粘着テープ。
[7]前記目止め層が、スチレンアクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びアニオン性ポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種から形成されている、上記[6]に記載の再剥離粘着テープ。
[8]前記粘着剤層がアクリル系粘着剤よりなる、上記[1]~[7]のいずれかに記載の再剥離粘着テープ。
[9]養生用又は仮固定用として用いられる、上記[1]~[8]のいずれかに記載の再剥離粘着テープ。
[10]紙基材の表面に粘着剤組成物を塗工して、粘着剤を紙基材に含浸させる工程を含む、上記[1]~[9]のいずれかに記載の再剥離粘着テープの製造方法。
[11]前記粘着剤組成物に含まれる粘着剤のうち、20質量%以上100質量%以下の粘着剤を紙基材に含浸させた後、乾燥させる上記[10]に記載の再剥離粘着テープの製造方法。
本発明によれば、環境負荷が少なく、かつ被着体から剥離する際に基材層の割れが防止可能な再剥離粘着テープを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る再剥離粘着テープを示す模式的な断面図である。
[再剥離粘着テープ]
本発明の再剥離粘着テープは、紙基材と、該紙基材の表面に積層された粘着剤層とを備える再剥離粘着テープであって、前記紙基材への粘着剤含浸率が20%以上であり、J.TAPPI No.18-1に準拠して測定される前記紙基材の層間強度が45N/18mmφ以上である。なお、再剥離粘着テープは、被着体に貼付した後、一定期間経過後に剥離することを目的に使用される粘着テープである。
<粘着剤含浸率>
本発明の再剥離粘着テープは、紙基材の粘着剤含浸率が20%以上である。紙基材の粘着剤含浸率が20%未満であると、再剥離粘着テープを被着体から剥離する際に、基材割れが生じやすくなり、被着体に粘着剤及び紙基材の一部が残りやすくなる。剥離時の基材割れを抑制しやすくする観点から、紙基材の粘着剤含浸率は、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。紙基材の粘着剤含浸率の上限値は特に制限されず、例えば100%である。
粘着剤含浸率は、粘着剤層を構成する粘着剤が、紙基材にどの程度含浸されているかを表す指標であり、紙基材の厚みに対する、紙基材における粘着剤含浸部分の厚みの割合を意味し、以下の式で求められる。
粘着剤含浸率(%)=[紙基材における粘着剤含浸部分の厚み/紙基材の厚み]×100
具体的には、再剥離粘着テープの断面を顕微鏡で観察し、得られた画像から、紙基材の厚みと、紙基材における粘着剤含浸部分の厚みを求めて粘着剤含浸率を算出するとよい。顕微鏡としては、マイクロスコープ又は走査型電子顕微鏡を用いることができる。紙基材における粘着剤含浸部分の厚みは、紙基材と粘着剤層との界面から、紙基材における粘着剤の存在する部分の厚み方向の長さを等間隔で10点以上測定し、これらの平均値として算出することとする。粘着剤含浸率は、後述する粘着剤組成物に含まれる粘着剤の種類、粘着剤組成物の粘度などにより調整することができる。
<紙基材の層間強度>
本発明の再剥離粘着テープにおける紙基材の層間強度は45N/18mmφ以上である。紙基材の層間強度が45N/18mmφ未満であると、再剥離粘着テープを被着体から剥離する際に、基材割れが生じやすくなる。剥離時の基材割れを抑制しやすくする観点から、紙基材の層間強度は、好ましくは48N/18mmφ以上であり、より好ましくは50N/18mmφ以上である。紙基材の層間強度の上限値は特に限定されないが、実用的には層間強度は150N/18mmφ以下である。紙基材の層間強度は、紙基材及び粘着剤の種類、並びに上記した粘着剤含浸率などにより調整することができる。なお、18mmφは、直径18mmの円形状を意味する。
紙基材の層間強度は、紙基材の内部結合強さを意味し、JAPAN.TAPPI 紙パルプ試験方法 No.18-1:2007に準拠して測定される。層間強度の測定方法の詳細は実施例で記載する。
<剥離力>
本発明の再剥離粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、剥離速度300mm/分で測定したSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力Aが20N/24mm以下であることが好ましい。上記剥離力Aが20N/24mm以下であることにより、被着体から剥離する際に、剥離しやすく、基材割れを抑制することができる。上記剥離力Aは、被着体からの剥離性を高める観点から、好ましくは18N/24mm以下であり、より好ましくは15N/24mm以下である。また、上記剥離力Aは、再剥離粘着テープの粘着力を確保する観点から、好ましくは0.5N/24mm以上であり、より好ましくは5N/24mm以上であり、さらに好ましくは10N/24mm以上である。なお、剥離力Aは、室温(23℃)、相対湿度50%の環境下で、例えば、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「RTC-1310A」)を用いて測定することができる。
本発明の再剥離粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、剥離速度30m/分で測定したSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力Bは30N/24mm以下であることが好ましい。上記剥離力Bが30N/24mm以下であることにより、被着体から剥離する際に、剥離しやすく、基材割れを抑制することができる。上記剥離力Bは、被着体からの剥離性を高める観点から、好ましくは29N/24mm以下であり、より好ましくは28N/24mm以下である。また、上記剥離力Bは、再剥離粘着テープの粘着力を確保する観点から、好ましくは2N/24mm以上であり、より好ましくは10N/24mm以上であり、さらに好ましくは20N/24mm以上であり、さらに好ましくは25N/24mm以上である。なお、剥離力Bは、室温(23℃)、相対湿度50%の環境下で、高速剥離試験機(テスター産業社製「TE-701」)を用いて測定することができる。
本発明の再剥離粘着テープは、剥離力A及び剥離力Bが共に上記した所望の範囲であることが好ましい。これにより、種々の剥離速度における基材割れが抑制され、再隔離粘着テープとしての利用価値が高まる。
<ボールタック>
本発明の再剥離粘着テープのボールタックは、特に限定されないが、被着体への貼付性を良好にする観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは3以上であり、そして好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下である。
なお、ボールタックは、再剥離粘着テープの粘着剤層を測定面として、JIS Z0237:2009に準拠して測定された、傾斜角30°におけるボールタックを意味する。
<バイオベース度>
本発明の再剥離粘着テープのバイオベース度は、好ましくは30%以上である。バイオベース度が30%以上であると、化石資源系材料の使用量が相対的に少なくなり、環境負荷が低減される。環境負荷低減の観点から、バイオベース度は、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。バイオベース度は高い値であるほど、環境負荷低減の観点から好ましく、理想的には100%であるが、実用上は90%以下である。
バイオベース度は、生物由来の炭素の含有率である。生物由来の炭素には一定割合の質量数14の炭素同位体(C14)が含まれるのに対し、石油由来の炭素にはC14がほとんど含まれない。そのため、上記生物由来の炭素の含有率は、粘着テープに含まれるC14の炭素同位体の濃度を測定することによって算出することができる。具体的には、バイオベース度は、ASTM D6866に準拠して測定され、質量数14の炭素同位体(C14)の含有量から見積もることができる。
なお、再剥離粘着テープを構成する各成分のバイオベース度が既知の場合は、各成分の重量及び分子構造を考慮して、計算によりバイオベース度を見積もることもできる。
<紙基材>
本発明の再剥離粘着テープは、紙基材を備えている。これにより、再剥離粘着テープのバイオベース度が高くなり、環境負荷を低減することができる。
紙基材としては、特に限定されないが、クラフト紙、グラシン紙、上質紙などが挙げられ、中でも粘着剤含浸率を所望の範囲に調整しやすくする観点から、クラフト紙が好ましい。
クラフト紙としては、例えば、未晒クラフト紙、半晒クラフト紙、晒クラフト紙、これらに伸長性を付与するためにクルパック加工が施されたもの、また、これらに湿潤強度を付与するためにウェットストレングス加工が施されたもの等が挙げられる。
紙基材の厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上であり、さらに好ましくは80μm以上であり、そして好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
<粘着剤層>
本発明の再剥離粘着テープが備える粘着剤層は、粘着剤からなるものである。粘着剤は後述する粘着剤組成物に含まれ、粘着剤組成物を構成する各成分から溶媒を除いた固形分からなるものである。
粘着剤の種類は、特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤などを用いることができる。中でも、上記した紙基材への粘着剤含浸率及び層間強度、並びにSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力の要件を満足させ易い観点から、粘着剤層は、アクリル系粘着剤からなることが好ましい。
<アクリル系粘着剤>
アクリル系粘着剤からなる粘着剤層は、以下説明するように、アクリル系重合体(A)を少なくとも含有する粘着剤組成物により形成されるものである。
(アクリル系重合体(A))
アクリル系重合体(A)は、少なくともアクリル系単量体を含む単量体を重合したものである。また、アクリル系重合体は、反応性官能基を含有する重合体であることが好ましい。反応性官能基とは、後述する架橋剤と反応性を有する官能基である。
アクリル系重合体は、反応性官能基を有する官能基含有単量体(a1)と、官能基含有単量体(a1)以外のアクリル系単量体(a2)との共重合体、又は上記単量体(a1)及び(a2)と、(a1)及び(a2)以外のその他の単量体(a3)との共重合体が挙げられる。
反応性官能基としては、活性水素を有し、後述する架橋剤と反応可能な官能基であれば特に限定されず、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基等が挙げられる。これらの官能基のなかでは、カルボキシ基が好ましい。カルボキシ基は、後述するアジリジン系架橋剤と反応性が高く、容易に架橋構造を形成することが可能である。
水酸基を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、アリルアルコール等が挙げられる。中でも、水酸基を有する(メタ)アクリレートが好適に用いられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの一方又はこれら両方を意味する用語として使用する。
また、カルボキシ基を有する単量体としては、メタアクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。
これらの中でも、反応性官能基を有する官能基含有単量体(a1)としては、カルボキシ基を有する単量体が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
アクリル系単量体(a2)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。アクリル系単量体(a2)としては、アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素数が1~12のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
これらの中でもアクリル系単量体(a2)としては、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートが好ましい。また、アクリル系単量体(a2)として、n-ブチル(メタ)アクリレート及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートの両方を用いること、又はn-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートの全てを用いることが好ましい。
その他の単量体(a3)としては、アクリル系単量体と共重合可能であれば特に限定されず、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物、N-ビニルピロリドン、N-ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でもその他の単量体(a3)としては、酢酸ビニルが好ましい。
アクリル系重合体(A)に用いる単量体の使用量は、アクリル系単量体(a2)100質量部に対して、反応性官能基を有する官能基含有単量体(a1)が好ましくは1~20質量部、より好ましくは2~10質量部である。
反応性官能基を有する官能基含有単量体(a1)及びアクリル系単量体(a2)以外のその他の単量体(a3)の使用量は、アクリル系単量体(a2)100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
また、アクリル系重合体(A)に用いる全単量体成分中の反応性官能基を有する官能基含有単量体(a1)及びアクリル系単量体(a2)の合計量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。また上限は100質量%である。
アクリル系重合体(A)は、上述の単量体を通常の重合方法、例えば、縣濁重合、乳化重合、溶液重合等により重合することにより得られる。これらの重合方法のうち、高分子量体が得られやすく、粘着物性に影響を及ぼしやすい界面活性剤や分散剤を含まない溶液重合が好ましい。また、重合開始剤としては、パーオキサイド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが用いられる。
アクリル系重合体(A)は、重量平均分子量が30万~100万であることが好ましく、40万~70万であることがより好ましい。重量平均分子量をこれら範囲内とすることで、粘着剤層の保持力、粘着力及びタック性を良好に維持しやすくなる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
粘着剤組成物において、アクリル系重合体は、主成分となるものであり、粘着剤組成物全量(固形分基準)に対して、通常、50質量%以上、好ましくは70~98質量%、より好ましくは75~97質量%である。
(粘着付与樹脂)
粘着剤組成物は、アクリル系重合体(A)に加えて、粘着付与樹脂を含有することが好ましい。粘着付与樹脂としては、重合ロジン、不均化ロジン、テルペンフェノールから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
重合ロジンとしては、ロジンを重合した重合ロジン、重合ロジンのエステル化合物、例えば、ジアビエチン酸のエステル化合物等が挙げられる。重合ロジンの市販品としては、ベンセルKK(荒川化学工業社製)、ベンセルD160(荒川化学工業社製)、ベンセルD135(荒川化学工業社製)、ベンセルD125(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
不均化ロジンとしては、ロジンを不均化した不均化ロジン、不均化ロジンのエステル化合物、例えば、デヒドロアビエチン酸のエステル化合物等が挙げられる。不均化ロジンの市販品としては、スーパーエステルA125(荒川化学工業社製)、スーパーエステルA115(荒川化学工業社製)、W125(荒川化学工業社製)、W100(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
テルペンフェノールは、テルペン構造とフェノール構造とを有する樹脂である。テルペンフェノールの市販品としては、YSポリスターG150、YSポリスターT130(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
粘着付与樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着付与樹脂の含有量は、アクリル系重合体100質量部に対して、好ましくは1~40質量部であり、より好ましくは1~30質量部であり、さらに好ましくは2~10質量部である。
(架橋剤)
粘着剤組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。すなわち、粘着剤層は、粘着剤組成物に含まれる粘着剤が架橋剤により架橋されたものであることが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤が好ましく使用される。
イソシアネート系架橋剤は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物等のイソシアネート化合物が挙げられる。また、市販品としては、スミジュールN(住友バイエルウレタン社製)等のビューレットポリイソシアネート化合物、デスモジュールIL、HL(バイエルAG社製)、コロネートEH(日本ポリウレタン社製)等のイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物、スミジュールL(住友バイエルウレタン社製)、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等が挙げられる。又、上記イソシアネート基がブロックされたブロックイソシアネート化合物が用いられてもよい。
アジリジン系架橋剤としては特に限定されず、例えば、N,N′-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N′-ジフェニルメタン-4,4′-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
粘着剤組成物における架橋剤の含有量は、アクリル系重合体100質量部対して0.3~2.0質量部が好ましく、0.7~1.2質量部がより好ましい。
粘着剤層の架橋度を示すゲル分率は、30~80質量%であることが好ましく、35~55質量%であることがより好ましい。ゲル分率を上記範囲内とすることで、粘着剤層の保持力、及びタック性を良好に維持しやすくなる。
粘着剤組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤は、アクリル系重合体を合成するときに使用した溶媒であってもよいし、アクリル系重合体を合成した後に加えられたものでもよい。有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられ、中でも酢酸エチルが好ましい。有機溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、充填剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、粘度調節剤等がさらに配合されてもよい。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常300μm以下、好ましくは0.5~180μm、より好ましくは5~50μmである。
<再剥離粘着テープの層構成>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る再剥離粘着テープについて説明する。なお、本発明の再剥離粘着テープは図面の内容に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る再剥離粘着テープ10は、紙基材11と、該紙基材11の一方の表面に積層された粘着剤層12とを備える。また、再剥離粘着テープ10は、紙基材11の他方の表面に目止め層13を備えることが好ましい。これにより後述する離型剤層14を構成する離型剤が、紙基材に浸み込み吸収されて性能が低下するのを防止することができる。
再剥離粘着テープ10は、さらに離型剤層14を備えることが好ましく、具体的には図1に示すように、目止め層13の紙基材11と接触する面とは反対側の面に離型剤層14を備えることが好ましい。
離型剤層14が設けられることで、再剥離粘着テープをロール状に巻回して巻回体とする際、粘着剤層12が離型剤層14に接触することになる。そのため、再剥離粘着テープを巻回体から容易に繰り出すことが可能になる。
すなわち、再剥離粘着テープ10は、粘着剤層12、紙基材11、目止め層13、離型剤層14がこの順に積層されたテープである。
<目止め層>
目止め層は、離型剤層と紙基材との間に設けられる層であり、樹脂により形成された層であることが好ましい。前記樹脂としては、紙基材との接着性などの観点から、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましいが、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。ポリエチレン系樹脂を使用することで、耐熱性や、紙基材との接着性などが良好となりやすい。
また、目止め層は、スチレンアクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びアニオン性ポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂から形成されていることも好ましい。目止め層にこれらの樹脂を用いることにより、再剥離粘着テープのバイオベース率が高くなる。
スチレンアクリル樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの重合物を意味する。
スチレン系モノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体等が挙げられ、これらの中ではスチレンが好ましい。
アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸及びそのアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は例えば2~20である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の一方又はこれらの両方を意味する用語として使用する。
ポリビニルアルコール樹脂(PVA)は、従来公知の方法に従って、ビニルエステルを重合してポリマーを得た後、ポリマーをケン化、すなわち加水分解することにより得られる。ケン化には、一般に、アルカリ又は酸が用いられるが、アルカリを用いることが好ましい。また、ケン化後のポリビニルアルコールの水酸基に他モノマーを付加した誘導体でも良い。
ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及び安息香酸ビニル等が挙げられる。また、ビニルエステルの重合方法は特に限定されないが、例えば、溶液重合法、塊状重合法及び懸濁重合法等が挙げられる。
アニオン性ポリアクリルアミドは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等のアニオン性基を有するポリアクリルアミドである。アニオン性アクリルアミドとしては、例えばハリマ化成社製の商品名「ハリコート」シリーズや「ハイコート」シリーズなどが挙げられる。
目止め層の厚さは、特に限定されないが、単位面積あたりの重量で、0.05g/m以上20g/m以下が好ましく、0.05g/m以上10g/m以下がより好ましく、0.1g/m以上5g/m以下がさらに好ましい。
<離型剤層>
離型剤層は、シリコーン系離型剤、長鎖アルキル系離型剤などの公知の離型剤より形成すればよい。離型剤層の厚さは、特に限定されないが、その付着量が例えば0.1g/m以上10g/m以下、好ましくは0.3g/m以上5g/m以下程度となるように調製すればよい。
<用途>
本発明の再剥離粘着テープの用途は特に限定されないが、剥離する際に紙基材の割れが生じ難いため、貼って剥がすことを前提とされる用途に好適に使用され、例えば、養生用又は仮固定用として各種被着体に対して使用することが好ましい。
[再剥離粘着テープの製造方法]
本発明の再剥離粘着テープの製造方法は、特に限定されないが、紙基材の表面に粘着剤組成物を塗工して、粘着剤を基材に含浸させる工程を含むことが好ましい。
粘着剤を含浸させる紙基材としては、紙基材単体を用いてもよいし、紙基材の一方の面に目止め層を設けたものを使用してもよい。
粘着剤組成物を紙基材の表面に塗工する方法は特に限定されず、例えばスピンコーターやドクターナイフ等の従来公知の方法を用いることができる。
粘着剤を基材に含浸させる工程において、粘着剤組成物に含まれる粘着剤のうち、好ましくは20質量%以上100質量%以下、より好ましくは30質量%以上100質量%以下の粘着剤を含浸させることが好ましい。
粘着剤組成物の組成は上記したとおりであるが、紙基材への粘着剤含浸率を上記した所望の範囲とする観点から、粘着剤組成物の固形分濃度は、好ましくは20~70質量%であることが好ましく、30~60質量%であることがより好ましい。
また、同様の観点から、粘着剤組成物の25℃における粘度は、好ましくは1,000~25,000mPa・sであり、より好ましくは1,000~15,000mPa・sであり、さらに好ましくは1,000~11,000mPa・sである。
粘着剤組成物の紙基材の表面に対する塗工量は、10~300g/10cmであることが好ましく、30~200g/10cmであることがより好ましく、50~150g/10cmであることがさらに好ましい。塗工量をこのように調整することで、紙基材への粘着剤含浸率、剥離力などを上記した所望の範囲に調整しやすくなる。
紙基材の表面に粘着剤組成物を塗工して、粘着剤を基材に含浸させる工程の後、乾燥させて、粘着剤層を形成させることが好ましい。乾燥における温度及び時間は、粘着剤組成物に含まれる溶剤の揮発温度、及び必要に応じて用いられる目止め層の溶融温度に応じて適宜設定すればよい。乾燥温度は、例えば50~150℃であり、好ましくは70~105℃であり、より好ましくは80~100℃である。また乾燥時間は10秒~3分の範囲とするとよい。
このようにして、紙基材と、該紙基材の表面に積層された粘着剤層とを備える再剥離粘着テープが得られる。
以下に本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
<粘度>
粘着剤組成物の粘度は、25℃においてB型粘度計により測定した。
<粘着剤含浸率>
各実施例及び比較例において使用した粘着剤組成物において、固形分全量に対して10質量%のマジックインキ赤T2(寺西化学工業)を混合した粘着剤組成物をそれぞれ作製した。該粘着剤組成物を用いて、各実施例及び比較例に示した方法で再剥離粘着テープを作製した。
このように作製した再剥離粘着テープの断面をマイクロスコープ(キーエンス社製、「VH-Z100R」)により観察し、得られた画像から、紙基材の厚みと、紙基材における粘着剤含浸部分の厚みを求めて粘着剤含浸率を以下の式に基づいて算出した。
粘着剤含浸率(%)=[紙基材における粘着剤含浸部分の厚み/紙基材の厚み]×100
紙基材における粘着剤含浸部分の厚みは、紙基材と粘着剤層との界面から、紙基材における粘着剤の存在する部分の厚み方向の長さを等間隔で10点以上測定し、これらの平均値として算出した。
なお、上記の粘着剤含浸率はマジックインキを用いて測定しているが、マジックインキを用いなくても粘着剤含浸率は求められる。その場合は、糊(粘着剤)の含浸に伴う紙繊維の変色、あるいは紙繊維の膨張を顕微鏡で観察して、上記の式に基づいて算出するとよい。
<紙基材の層間強度>
紙基材の層間強度は、J.TAPPI No.18-1に準拠して測定した。具体的には、以下のとおり測定した。
再剥離粘着テープの離型剤層を360番の紙やすりで削り、離型剤層の全部と離型剤層に接触している目止め層の一部を除去した後、ポンチで18mmφに打ち抜いたテープサンプルを作製した。該テープサンプルを、両面粘着テープ(ハンディカット多用途強力両面テープ、株式会社ニトムズ製)により2つの円柱状のSUS製治具(20mmφ)の間に挟み込むようにして固定して、10kg/20mmφの荷重で10分間接着させて測定試料を作製した。該測定試料の2つのSUS製治具を上下方向に引張試験機により1000mm/分の条件で引張り、紙基材の層間強度を測定した。
<使用した粘着剤に対する、紙基材に含浸した粘着剤の量の割合>
粘着剤組成物に含まれる粘着剤のうち、紙基材に含浸した粘着剤の量を次のように求めた。
各実施例及び比較例で使用した粘着剤組成物を、各実施例及び比較例と同様の塗工量でPETフィルムに塗布し、乾燥させてPETフィルム上に粘着剤層を形成させた。該粘着剤層の厚みと、各実施例及び比較例で作製した再剥離粘着テープにおける紙基材(クラフト紙)上の粘着剤層の厚みを比較し、下記式により求めた。
紙基材に含浸した粘着剤の量の割合(質量%)=[〔(PETフィルム上の粘着剤層の厚み-紙基材上の粘着剤層厚み)×粘着剤の比重〕/〔(PETフィルム上の粘着剤層の厚み)×粘着剤の比重〕]×100%
<剥離力A、剥離力B、バイオベース度、ボールタック>
各実施例及び比較例の再剥離粘着テープの剥離力A、剥離力B、バイオベース度、及びボールタックは、明細書に記載の方法に従って測定した。
<剥離力Aの試験における基材割れの評価>
剥離力Aの測定条件(剥離速度300mm/分)で、再剥離粘着テープを10回剥離させ、紙基材割れが生じた頻度を評価して、以下の基準で評価した。
評価A:紙基材割れの頻度が0~20%
評価B:紙基材割れの頻度が30~50%
評価C:紙基材割れの頻度が60~100%
<剥離力Bの試験における基材割れの評価>
剥離力Bの測定条件(剥離速度30m/分)で、再剥離粘着テープを10回剥離させ、紙基材割れが生じた頻度を評価して、以下の基準で評価した。
評価A:紙基材割れの頻度が0~20%
評価B:紙基材割れの頻度が30~80%
評価C:紙基材割れの頻度が90~100%
[粘着剤組成物の各成分]
(アクリル系重合体の製造に用いた単量体)
・ブチルアクリレート(BA)
・2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)
・酢酸ビニル
・イソノニルアクリレート(INA)
・アクリル酸
(ゴム成分)
・天然ゴムRSS1
・SIS 日本ゼオン社製「クインタック3421」、スチレン含有量14%、カップリング率74%、メルトインデックス10.0g/10分(G条件)
・スチレンブタジエンゴム JSR株式会社製 「SBR1500」、結合スチレン23.5%、ムーニー粘度ML1+4 52(100℃)、比重0.94、ムーニー粘度はJIS K6300-1に準拠して測定した値
(粘着付与樹脂)
・重合ロジン 荒川化学工業社製「ペンセルD-135」
・不均化ロジン 荒川化学工業社製「スーパーエステルA125」
・テルペンフェノール ヤスハラケミカル社製「YSポリスターG150」
・脂肪族/芳香族系炭化水素樹脂 日本ゼオン社製「クイントンN180」
・脂肪族系炭化水素樹脂 日本ゼオン社製「クイントンA100」
(プロセスオイル、可塑剤、酸化防止剤)
・プロセスオイル 谷口石油精製社製「NCL220」、密度(15℃)0.9287g/cm,動粘度(40℃)217.1mm/s,動粘度(100℃)13.02mm/s
・可塑剤 ジイソデシルフタレート(DIDP)
・酸化防止剤 ADDIBANT社製「ANOX20」
(架橋剤)
・アジリジン系架橋剤 相互薬工社製「HDU」
・イソシアネート系架橋剤 東ソー社製「コロネートL-45」
(溶媒)
・酢酸エチル
・トルエン
・ヘキサン
[粘着剤組成物Aの調製]
温度計、攪拌機、冷却管及び滴下漏斗を備えた反応器を準備した。該反応器にて、n-ブチルアクリレート80質量部、2-エチルヘキシルアクリレート15質量部、アクリル酸4質量部、酢酸ビニル5質量部からなるモノマー混合物を酢酸エチルに溶解し、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド0.3質量部を用いて、沸点下にて10時間反応させてアクリル系重合体溶液を得た。このようにして得られた溶液を冷却した後、メタノールを600質量部加えてポリマーを沈殿させ、上澄み液を分離・除去した。さらにメタノール300質量部を加え、上澄み液を分離・除去した後、酢酸エチルにてアクリル系重合体を再溶解し、アクリル系重合体の溶液を調製した。
次いで、該アクリル系重合体の溶液に、表1に記載の配合量となるように粘着付与樹脂及び架橋剤を配合し、粘着剤組成物Aを得た。
[粘着剤組成物B~Eの調製]
アクリル系重合体を得るための各単量体の種類及び量を表1のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、アクリル系重合体の溶液を調製した。
次いで、該アクリル系重合体の溶液に、表1に記載の配合量となるように粘着付与樹脂及び架橋剤を加えて混合し、粘着剤組成物B~Eを得た。
[粘着剤組成物Fの調製]
ゴム成分、粘着付与樹脂、プロセスオイル、可塑剤、酸化防止剤、トルエン、及びヘキサンを表1に示す配合量で混合して、粘着剤組成物Fを得た。
[実施例1]
クルパック加工およびウェットストレングス加工が施された厚み107μmの未晒クラフト紙の片面に、ポリエチレン系樹脂を押出ラミネートして厚み15μmの目止め層1を形成して、クラフト紙と目止め層1との積層体を得た。得られた積層体の目止め層1の表面に、シリコーン系離型剤を乾燥後の付着量が1g/mとなるように塗布し乾燥して、離型剤層を有する積層体を形成させた。該離型剤層を有する積層体のクラフト紙表面に、粘着剤組成物Aをクラフト紙表面に対する塗工量が34.7g/10cmとなるように塗工した後、90℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成し、再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表2に示した。
[実施例2~16、19]
粘着剤組成物の種類及びクラフト紙表面に対する塗工量を表2のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして、再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表2及び3に示した。
[実施例17]
クルパック加工およびウェットストレングス加工が施された厚み107μmの未晒クラフト紙の片面に、水溶性のスチレンアクリル樹脂を塗布して、100℃で2分乾燥し固形分で3.0~3.5g/mの目止め層1を形成して、クラフト紙と目止め層1との積層体を得た。得られた積層体の目止め層1の表面に、シリコーン系離型剤を乾燥後の付着量が1g/mとなるように塗布し乾燥して、離型剤層を有する積層体を形成させた。該離型剤層を有する積層体のクラフト紙表面に、粘着剤組成物Dをクラフト紙表面に対する塗工量が65.1g/10cmとなるように塗工した後、90℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成し、再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表3に示した。
なお、本実施例で用いた水溶性スチレンアクリル樹脂は、三井化学社製「ボンロンS-476」、不揮発分45%、粘度50~300mPa・s(25℃)、pH6~8、である。
[実施例18]
クルパック加工およびウェットストレングス加工が施された厚み107μmの未晒クラフト紙の片面に、ポリビニルアルコール樹脂を塗布して、100℃で2分乾燥し固形分で3.0~3.5g/mの目止め層1を形成して、クラフト紙と目止め層1との積層体を得た。得られた積層体の目止め層1の表面に、シリコーン系離型剤を乾燥後の付着量が1g/mとなるように塗布し乾燥して、離型剤層を有する積層体を形成させた。該離型剤層を有する積層体のクラフト紙表面に、粘着剤組成物Dをクラフト紙表面に対する塗工量が65.1g/10cmとなるように塗工した後、90℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成し、再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表3に示した。
なお、本実施例で用いたポリビニルアルコール樹脂は、高松油脂株式会社製「WAC-10」、不揮発分20%、粘度<500mPa・s(25℃)、pH7~9、である。
[比較例1]
クルパック加工およびウェットストレングス加工が施された厚み107μmの未晒クラフト紙の両面に、ポリエチレン系樹脂を押出ラミネートして厚み15μmの目止め層1及び目止め層2をそれぞれ形成して、目止め層1、クラフト紙、目止め層2がこの順に積層された積層体を得た。得られた積層体の目止め層1の表面に、シリコーン系離型剤を乾燥後の付着量が1g/mとなるように塗布し乾燥して、離型剤層を有する積層体を形成させた。該積層体の目止め層2の表面に、粘着剤組成物Aを目止め層2の表面に対する塗工量が34.7g/10cmとなるように塗工した後、90℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成し、再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表3に示した。
[比較例2]
粘着剤組成物Aの塗工量を表3のとおり変更した以外は、比較例1と同様にして再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表3に示した。
[比較例3]
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Fを用い、かつ塗工量を101.6g/10cmとした以外は、実施例1と同様にして再剥離粘着テープを得た。該再剥離粘着テープを用いて各種評価を行い、結果を表3に示した。
紙基材への粘着剤含浸率が20%以上であり、かつ紙基材の層間強度が45N/18mmφ以上である各実施例の再剥離粘着テープは、剥離する際に基材割れが生じ難いことが分かる。さらに、各実施例の再剥離粘着テープは紙基材を用いているため、環境負荷が低減される。
これに対して、紙基材への粘着剤含浸率が20%未満であり、紙基材の層間強度が45N/18mmφ未満である各比較例の再剥離粘着テープは、剥離する際に基材割れが生じやすいことが分かる。
10 再剥離粘着テープ
11 紙基材
12 粘着剤層
13 目止め層
14 離型剤層

Claims (11)

  1. 紙基材と、該紙基材の表面に積層された粘着剤層とを備える再剥離粘着テープであって、
    前記紙基材への粘着剤含浸率が20%以上であり、
    J.TAPPI No.18-1に準拠して測定される前記紙基材の層間強度が45N/18mmφ以上である、再剥離粘着テープ。
  2. バイオベース度が30%以上である、請求項1に記載の再剥離粘着テープ。
  3. JIS Z 0237に準拠して、剥離速度300mm/分で測定したSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力Aが20N/24mm以下である、請求項1又は2に記載の再剥離粘着テープ。
  4. JIS Z 0237に準拠して、剥離速度30m/分で測定したSUS304鋼板に対する180°方向の剥離力Bが30N/24mm以下である、請求項1又は2に記載の再剥離粘着テープ。
  5. さらに離型剤層を備える、請求項1又は2に記載の再剥離粘着テープ。
  6. 前記離型剤層と紙基材との間に目止め層を備える、請求項5に記載の再剥離粘着テープ。
  7. 前記目止め層が、スチレンアクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びアニオン性ポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種から形成されている、請求項6に記載の再剥離粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層がアクリル系粘着剤よりなる、請求項1又は2に記載の再剥離粘着テープ。
  9. 養生用又は仮固定用として用いられる、請求項1又は2に記載の再剥離粘着テープ。
  10. 紙基材の表面に粘着剤組成物を塗工して、粘着剤を紙基材に含浸させる工程を含む、請求項1又は2に記載の再剥離粘着テープの製造方法。
  11. 前記粘着剤組成物に含まれる粘着剤のうち、20質量%以上100質量%以下の粘着剤を紙基材に含浸させた後、乾燥させる請求項10に記載の再剥離粘着テープの製造方法。
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