JP2023152769A - 滅菌バッグ - Google Patents

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Toru Watanabe
憲一 中野
Kenichi Nakano
恭範 千葉
Yasunori Chiba
敏彦 森
Toshihiko Mori
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Abstract

【課題】簡易な構成で、引裂き開封性を高め、内部のシール性を維持すると共に、滅菌剤を内部に取り込むことができる滅菌バッグを提供する。【解決手段】本発明に係る滅菌バッグは、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含むシール層と、高密度ポリエチレンを含む基材層とが積層された積層フィルムを前記シール層側が対向するように重ね合わせて互いの外周縁部同士を溶着したシール部と、前記積層フィルム及び前記シール部によって画定され、滅菌対象物が保存される収容室とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、滅菌バッグに関する。
医薬品、医療用品、各種化粧品及び食品等の内容品を収納する包装体として滅菌バッグがある。滅菌バッグは、複数種の樹脂フィルムを積層した積層体を重ね合わせて外周をヒートシール等によって接合されることで形成された袋状体である。滅菌バッグは、内容品を収容して封止された後、使用される前にエチレンオキサイド(EO)ガスやγ線滅菌等で滅菌処理される。
このような滅菌バッグとして、例えば、耐熱性を有する合成樹脂製の2種類のフィルムから形成された包装袋本体に包装袋本体の内外を連通する間隙又は透孔を形成すると共に、この間隙又は透孔を不織布と多数の小孔が突設された耐熱性プラスチックフィルムとを積層したフィルター材で被覆した滅菌用包装袋が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平4-21481号公報
しかしながら、特許文献1は滅菌用包装袋の引裂き開封性について検討されておらず、特許文献1の滅菌用包装袋は使用時に引裂き難い、という問題があった。また、特許文献1の滅菌用包装袋では、フィルター材で外部から滅菌用包装袋の内部にエチレンオキサイドガスを滅菌剤として導入しているが、より簡易な構成で滅菌剤を内部に導入できる包装袋が求められている。さらに、滅菌用包装袋では、使用時において引裂き易くすると共に、滅菌対象物を使用するまで滅菌処理された状態を維持できるようにシール性を維持することが重要である。
本発明の一態様は、簡易な構成で、引裂き開封性を高め、内部のシール性を維持すると共に、滅菌剤を内部に取り込むことができる滅菌バッグを提供することを目的とする。
本発明に係る滅菌バッグの一態様は、
低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含むシール層と、高密度ポリエチレンを含む基材層とが積層された積層フィルムを前記シール層側が対向するように重ね合わせて互いの外周縁部同士を溶着したシール部と、対向する前記積層フィルムの互いの外周縁部同士が溶着されていない開口部とを備える。
本発明に係る滅菌バッグの一態様は、簡易な構成で、引裂き開封性を高め、内部のシール性を維持すると共に、滅菌剤を内部に取り込むことができる。
本発明の実施形態に係る滅菌バッグの平面図である。 図1のA-A方向視の図である。 積層フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 積層フィルムの各層を製造するフィルム押出成形装置の一例を示す斜視図である。 滅菌バッグを製造する製袋装置の斜視図である。 滅菌バッグの一例を示す平面図である。 図6のB-B方向視の断面図である。 実施例1、3及び比較例1の時間とEOガス量との試験結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<滅菌バッグ>
本発明の実施形態に係る滅菌バッグについて説明する。図1は、本実施形態に係る滅菌バッグの平面図であり、図2は、図1のA-A方向視の図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る滅菌バッグ1は、滅菌対象物が充填されるバッグ本体10で構成されている。滅菌バッグ1は、バッグ本体10内に滅菌剤を供給してバッグ本体10内に充填された滅菌対象物の滅菌処理が行われる。なお、滅菌バッグ1は、バッグ本体10の他にポート等を備えてもよい。
なお、本実施形態において、滅菌対象物は、医療用容器、医療機器、医療用品、医薬品(薬剤)、栄養剤、飲食物及び化粧品等が挙げられる。医療用容器としては、医薬品、動植物の細胞、組織及び培養物等が投入される容器等であり、具体的には、アンプル、バイヤル、シリンジ及びバッグ等が挙げられる。医療機器及び医療用品としては、滅菌バッグに収容して流通し得る医療用の小型の機械器具等が挙げられる。小型の機械器具等としては、メス、ナイフ、はさみ、さじ、へら、ピンセット、カテーテル、シリンジ、注射針、鉗子、縫合糸、縫合針、包帯、ガーゼ、レンズ、手袋及び指サック等が挙げられる。医薬品は、ニトログリセリン、アルブミン、ビタミン類、微量元素、ラジカル捕捉剤等、一般の樹脂に対する吸着性又は透過性が高い物質でもよいし、ピラゾロン誘導体であるエダラボン又はその薬学的に許容され得る塩を含有する水溶液でもよい。ピラゾロン誘導体は、ピラゾロンの炭素原子又は窒素原子にアルキル基、芳香族基、ハロゲン原子等の置換基を1以上有してもよい。ピラゾロン誘導体は、有機酸、無機酸等と塩類を形成していてもよい。同一又は異なる種類の複数の滅菌対象物が収容空間に同時に収容されてもよい。
滅菌剤は、殺菌剤、消毒剤等、滅菌対象物の滅菌に使用できる薬剤であれば特に限定されず、ガス又は蒸気として収容空間に充満させることができるものが好ましい。滅菌剤は、バッグ本体10に対して適度な透過性を有することが好ましく、バッグ本体10を介して外側に拡散できることが好ましい。また、滅菌剤は、バッグ本体10内で分解されてもよい。滅菌剤としては、例えば、過酸化水素(H)、エチレンオキサイド(EO)、オゾン及び有機過酸化物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過ギ酸、過酢酸等の有機過酸が挙げられる。その他の滅菌剤としては、ホルムアルデヒド等のアルデヒド系滅菌剤、二酸化塩素等の塩素系滅菌剤等が挙げられる。これら2種以上の滅菌剤は併用してもよい。
[バッグ本体]
バッグ本体10は、重ね合わされた一対の積層フィルム100A及び100Bで形成された包装袋(パウチ)である。バッグ本体10は、一対の積層フィルム100A及び100B同士を対向するように重ね合わせて互いの外周縁部同士を溶着したシール部11と、一対の積層フィルム100及びシール部11によって画定された収容室12と、一対の積層フィルム100の互いの外周縁部同士が溶着されていない開口部13とを有する。収容室12は、滅菌対象物が保存されるための空間である。開口部13は、対向する積層フィルム100同士の間の融着されていない隙間であり、収容室12に滅菌対象物が充填された後、溶着等されてよい。
バッグ本体10は、三方袋としているが、バッグ本体10の形態は、特に限定されず、四方袋、合掌貼り袋、ガゼット袋、自立袋等の小型の袋の他に、バッグインボックス用の内袋及びドラム缶内装袋等の大型の袋等に適用できる。
(積層フィルム)
積層フィルム100は、低密度ポリエチレン(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の少なくとも一つを主成分として含むシール層と、シール層に積層して設けられ、高密度ポリエチレン(HDPE)を主成分として含む基材層とを有する積層フィルムのシール層同士を対向するように重ね合わせて溶着させることで形成することができる。また、積層フィルム100は、シール層及び基材層以外の他の層を有してもよく、例えば、シール層と基材層との間に、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一つを主成分として含む中間層を含んでもよい。積層フィルム100は、シール層、基材層及び中間層の各層を2層以上有してもよい。
なお、主成分とは、含有量が50wt%以上であることをいい、好ましくは90wt%以上、より好ましくは99wt%以上であることをいう。
低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.911g/m~0.940g/m程度のポリエチレンをいう。高密度ポリエチレンは、密度0.941g/m~0.970g/m程度のポリエチレンをいう。
-積層フィルムの層構成-
積層フィルム100の層構成について説明する。図3は、積層フィルム100の構成の一例を示す概略断面図である。図3に示すように、積層フィルム100Aは、シール層110、中間層120及び基材層130を、シール層110側からこの順に積層して備えてよい。
(シール層)
シール層110は、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つを主成分として含み、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つから実質的に構成され、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つから構成されることが好ましい。シール層110は、バッグ本体10がシール性を発揮する点から、低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。
シール層110に含まれる低密度ポリエチレンとしては、密度が0.911g/m~0.925g/m程度のポリエチレンであれば特に限定されず、一般的な低密度ポリエチレンを用いることができる。
シール層110に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンは、通常、炭素数4以上のα-オレフィンを共重合させ、短鎖の分岐を導入することで、長鎖の分岐が少なく、直鎖状の分子構造を有する。直鎖状低密度ポリエチレンに共重合されるα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。
シール層110に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの種類としては、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合された樹脂、シングルサイト系触媒を用いて重合された樹脂等が挙げられる。シングルサイト系触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンは、分子量分布が狭く、機械的特性に優れるので好ましい。シングルサイト系触媒としては、メタロセン系触媒が挙げられる。メタロセン系触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含み、金属がジルコニウム、ハフニウム等であるメタロセン化合物を含む触媒が挙げられる。
シール層110に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンとしては、具体的には、日本ポリエチレン社製のハーモレックス(登録商標)シリーズ、東ソー社製のニポロン(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
シール層110に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンは、一種でもよいし、二種以上でもよい。
シール層110に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの曲げ弾性率は、200MPa~500MPaであることが好ましく、300MPa~450MPaであることがより好ましく、360MPa~400MPaであることがさらに好ましい。シール層110に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの曲げ弾性率が上記の好ましい範囲内であれば、シール層110は、適度な柔軟性を有すると共に中間層120に対する接着性を発揮できる。
なお、曲げ弾性率は、JIS K7171:2016(ISO 178:2010)に準拠する方法によって測定できる。
直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210-1:2014(ISO 1133-1:2011)に基づく測定(230℃、21N荷重)において、0.1g/10分~10g/10分が好ましく、0.5g/10分~5g/10分がより好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンのMFRが上記の好ましい範囲内であれば、シール層110を押出成形等して形成する場合、押出性が比較的安定し、成形不良が抑えられるので、フィルム状に安定して成形し易くなり、成形時にシール層110にバリ等の成形不良が生じることが抑えられる。
直鎖状低密度ポリエチレンの融点は、120℃~135℃が好ましく、122℃~128℃がより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.915g/cm~0.940g/cmが好ましく、0.920g/cm~0.930g/cmがより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、80質量%~100質量%であることが好ましく、85質量%~95質量%であることがさらに好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が上記の好ましい範囲内であれば、シール層110は十分な柔軟性を有すると共に中間層120に対する接着性を発揮できる。
シール層110に含まれる低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一部は、植物から生成したエチレンを重合させてなる植物由来ポリエチレンでもよい。
また、シール層110に含まれる低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一部は、ポリエチレン製品をリサイクルしたリサイクルポリエチレンであってもよい。リサイクルポリエチレンは、メカニカルリサイクルされたポリエチレンでもよいし、ケミカルリサイクルされたポリエチレンでもよい。
シール層110の厚さは、5μm~50μmが好ましく、10μm~30μmがより好ましく、8μm~20μmがさらに好ましい。
(中間層)
中間層120は、シール層110と基材層130との間に設けられ、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一つを主成分として含み、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一つから実質的に構成され、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一つから構成されてもよい。中間層120は、積層負フィルムの引裂き開封性を発揮する点から、高密度ポリエチレンを含むことが好ましい。
中間層120に含まれる高密度ポリエチレンとしては、一般的な高密度ポリエチレンを用いることができる。
中間層120で用いられる低密度ポリエチレンは、シール層110と同様であるため、詳細は省略する。
中間層120に含まれる高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一部は、植物から生成したエチレンを重合させてなる植物由来ポリエチレンでもよい。
中間層120に含まれる高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一部は、ポリエチレン製品をリサイクルしたリサイクルポリエチレンであってもよい。リサイクルポリエチレンは、メカニカルリサイクルされたポリエチレンでもよいし、ケミカルリサイクルされたポリエチレンでもよい。
中間層120の厚さは、3μm~75μmが好ましく、5μm~60μmがより好ましく、15μm~45μmがさらに好ましい。
(基材層)
基材層130は、基材層130の主面に設けられ、高密度ポリエチレンを主成分として含み、高密度ポリエチレンから実質的に構成され、高密度ポリエチレンから構成されることが好ましい。中間層120は、バッグ本体10が引裂き開封性を発揮する点から、高密度ポリエチレンからなることが好ましい。基材層130で用いられる高密度ポリエチレンは、中間層120と同様であるため、詳細は省略する。
基材層130の厚さは、3μm~50μmが好ましく、5μm~30μmがより好ましく、8μm~20μmがさらに好ましい。
積層フィルム100Aは、シール層110、中間層120及び基材層130の各層の何れかを2層以上有してもよいし、他の層を有してもよい。
積層フィルム100A及び100Bは、シール層110、中間層120及び基材層130の3層を有しているが、上述の通り、これらの層の何れかを複数備えてもよい。例えば、積層フィルム100Aは、シール層110、中間層120、基材層130、中間層120及び基材層130をこの順に積層した5層を含んでもよいし、シール層110、中間層120、基材層130、中間層120、基材層130、中間層120及び基材層130をこの順に積層した7層を含んでもよい。
積層フィルム100を構成する各層、即ち、シール層110、中間層120及び基材層130等を構成する材料には、容器外観の向上や品質の安定化、その他必要とされる性能を付与するために、安全性及び衛生性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等の各種添加剤等を含有してもよい。
積層フィルム100を構成する各層を成形する方法は、特に限定されないが、Tダイ成形法、インフレーション成形法等を用いることができる。Tダイ成形法を用いる場合、Tダイ成形後に、積層フィルム100を構成する各層をフィルム(シート)等とした後、冷却ロールで急冷してもよい。積層フィルム100を構成する各層のフィルム等を連続的に成形する場合には、成形後に、積層フィルム100を構成する各層のフィルム等の長尺成形体を巻き取ると、生産性に優れるため、好ましい。
積層フィルム100は、ヒートシール層及び基材等、必要に応じて他の層を積層してもよい。即ち、各層間には接着剤層又はアンカー剤層を介してもよいし、層間が直接接するように積層されていてもよい。他の層としては、補強層、ガスバリア層、遮光層、印刷層等、適宜、一層又は複数層を選択することができる。ヒートシール層とは、ヒートシールに用いられる層であり、包装材料としては内容品に接する最内層に配置される。ヒートシールは、ヒートシール層を溶融させることにより接着させる方法であるが、シール方法は特に限定されず、熱板シール、超音波シール、高周波シール、インパルスシール等が挙げられる。基材は、積層体のうちヒートシール層とは反対側である他方の最表面であってもよいし、他方の最表面より内側に積層されてもよい。
積層フィルム100の総厚みは、適宜設計可能であり、必要とされる性能(例えば、透明性、柔軟性等)及びコスト(例えば、生産性、材料費等)とのバランスの観点から、例えば、20μm~150μmが好ましく、30μm~120μmであることがより好ましく、40μm~90μmであることがさらに好ましい。
シール層110、中間層120及び基材層130の各層の厚さの比は、積層フィルム100を用いて成形される容器の用途等に適宜設計され、例えば、1:1:1~1:5:1が好ましく、1:2:1~1:3:1がより好ましい。
シール層110、中間層120及び基材層130の各層の厚さとしては、例えば、それぞれ、15μm、30μm及び15μmとしてもよい。
積層フィルム100の製造方法としては、特に限定されることなく、押出ラミネート工法、ドライラミネート工法、共押出工法、又はこれらのうち2以上の工法の併用により、積層フィルム100を構成する各層を適宜積層すればよい。
積層フィルム100の製造時に、積層フィルム100が、図3に示すように、シール層110、基材層130及び中間層120の3層を共押出工法で積層すると、これら3層の間が接着剤層又はアンカー剤層を介することなく積層させることができる。
シール層110、中間層120及び基材層130の各層は、例えば、図4に示すように、フィルム押出成形機30によって、シール層110、中間層120又は基材層130の各層を構成する樹脂フィルム31が押出及び横方向に一軸延伸成形されることで形成できる。そして、シール層110、中間層120及び基材層130の各層を形成する樹脂フィルム31が不図示のラミネート装置にセットされて繰り出され、シール層110、中間層120及び基材層130が貼り合わされる。これにより、長尺連続シート状の積層フィルム100の原反が成形される。
また、シール層110、中間層120又は基材層130の各層を構成する樹脂フィルム31の間に層間接着層となるポリエチレンが溶融状態で押し出されてサンドイッチされる。これによって、シール層110、中間層120又は基材層130が接着層を介して貼り合わされ、長尺連続シート状の積層フィルム100の原反がラミネート成形される。
積層フィルム100は、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100の搬送方向(MD)方向での引裂き強度は、26N以下であることが好ましく、より好ましくは20N以下であり、さらに好ましくは16N以下である。引裂き強度が23N以下であれば、バッグ本体10の引裂き開封性を高めることができる。
積層フィルム100は、その厚さが15mmである場合に、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100の搬送方向(MD)方向での引張強度は、21N/15mm以上であることが好ましい。また、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100の搬送方向と直交する方向(TD方向)の引張強度は、15N/15mm以上であることが好ましい。なお、引張強度は、JIS Z 0238に準拠して、幅15mm四方の積層フィルムを用いて算出される。
積層フィルム100は、その厚さが5mmである場合においても、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100のMD方向の引張強度は、21N/15mm以上であり、積層フィルム100のTD方向の引張強度は、15N/15mm以上であることが好ましい。
積層フィルム100は、その厚さが15mmである場合に、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100の搬送方向(MD)方向での引張伸度は、400%以上であることが好ましい。また、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100の搬送方向と直交する方向(TD方向)の引張伸度は、600%以上であることが好ましい。
積層フィルム100は、その厚さが5mmである場合においても、積層フィルム100の形成時における積層フィルム100の搬送方向の引張伸度は、400%以上であり、積層フィルム100のTD方向の引張伸度は、600%以上であることが好ましい。
滅菌バッグ1は、バッグ本体10内を構成する積層フィルム100の層間の一部にインジケータを備えてもよい。インジケータとしては、一般的に使用されるインジケータを用いることができる。バッグ本体10内に充填された滅菌対象物が滅菌処理される際、バッグ本体10内に供給した滅菌剤がバッグ本体10内に充填された滅菌対象物を滅菌した後、バッグ本体10を透過してインジケータを変色させることで、滅菌の完了の有無等、滅菌の状態を外部から確認できる。
滅菌バッグ1は、滅菌処理される際、滅菌装置の滅菌室内に置かれて、滅菌室内に存在する滅菌剤がバッグ本体10を構成する積層フィルム100を透過してバッグ本体10内に侵入し、バッグ本体10内の滅菌対象物を滅菌する。
バッグ本体10内に侵入した滅菌剤は、滅菌対象物を滅菌した後、バッグ本体10を構成する積層フィルム100を透過して外部に放出される。バッグ本体10を構成する積層フィルム100の層間の一部にインジケータが設けられる場合、バッグ本体10内に侵入した滅菌剤は、インジケータインキを変色させて外部に放出される。また、バッグ本体10を構成する積層フィルム100は透明であるため、インジケータインキの変色は滅菌バッグ1の外側から確認できる。
このように、本実施形態に係る滅菌バッグ1は、バッグ本体10で構成され、バッグ本体10は、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含むシール層と、高密度ポリエチレンを含む基材層とが積層された積層フィルム100で構成されている。バッグ本体10は、表層側(外側)に高密度ポリエチレンを含む基材層を設けることで引裂き易くすることができ、裏層側(外側)に低密度ポリエチレンを含むシール層を設けることで収容室12内の機密性を維持することができる。また、積層フィルム100は、上記のような層構成とすることで、滅菌バッグ1の外部に存在する滅菌剤はバッグ本体10を透過してバッグ本体10の内部に侵入することができる。よって、滅菌バッグ1は、バッグ本体10を備えることで、簡易な構成で、引裂き開封性を高め、収容室12のシール性を維持すると共に、滅菌剤をバッグ本体10の内部に取り込むことができる。
また、滅菌バッグ1は、滅菌バッグ1を構成するバッグ本体10を全て同一素材のポリエチレンで形成できるため、引裂き開封性を高め、収容室12のシール性を維持しながら、優れたリサイクル性を有することができる。
滅菌バッグ1は、積層フィルム100のシール層110と基材層130との間に中間層120を含むことができる。中間層120が高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンを含むことで、バッグ本体10は、引裂き易さ又は収容室12の機密性をより高めることができる。よって、滅菌バッグ1は、引裂き開封性及び収容室12のシール性をより向上させることができる。
即ち、滅菌バッグ1は、上記の通り、積層フィルム100で形成されたバッグ本体10で構成されている。積層フィルム100の構成に関して、従来の滅菌バッグは、一般に、製袋時、シール適性の観点から、バッグ本体は、表層にポリエチレンテレフラレート(PET)、ナイロン(Ny)等の耐熱性をもった材質と、シール性を有するL-LDPE、LDPE、PP等のシーラントフィルムを有する積層フィルムで構成されていた。
本願発明者は、積層フィルムで形成されたバッグ本体で構成された滅菌バッグの開発に当たり、滅菌バッグの製造の合理化及びコスト低減と、環境対応を考慮して、単一素材で構成して製品化を図ることに着目した。そして、本願発明者は、滅菌バッグ1の製造に当たり、バッグ本体10を構成する積層フィルム100をポリエチレンで形成することで、滅菌バッグ1を単一の素材であるポリエチレンで形成できることを見出した。
また、本願発明者は、滅菌バッグ1の製造に当たり、バッグ本体10がシール性を発揮する点から、積層フィルム100は表層に位置する基材層をHDPEで形成し、中間層をHDPE又はLDPEで形成し、シール層をLDPE又はL-LDPEで形成して、基材層とシール層との融点に温度差を付けることでシールし易くできることを見出した。
さらに、L-LDPEは高いシール強度を有するが、手切れ性に難があるという性質を有する。本願発明者は、手切れ性を考慮に入れると、シール層にはLDPEを用いると優位であることに着目し、積層フィルム100をシール層としてLDPEを用いれば、バッグ本体10は十分なシール強度を有することができることを見出した。
滅菌バッグ1は、中間層120に高密度ポリエチレンを含むことができる。これにより、バッグ本体10はより引裂き易くすることができる。よって、滅菌バッグ1は、引裂き開封性をより確実に高めることができる。
滅菌バッグ1は、シール層110に低密度ポリエチレンを含むことができる。これにより、バッグ本体10は収容室12の機密性をより高めることができる。よって、滅菌バッグ1は、収容室12のシール性をより確実に向上させることができる。
滅菌バッグ1は、積層フィルム100の厚みを、30μm~120μmとすることができる。これにより、積層フィルム100を薄くしても、バッグ本体10は引裂き易さと収容室12のシール性との両立を図ることができる。よって、滅菌バッグ1は、引裂き開封性を高めつつ収容室12のシール性の維持のバランスを保つことができる。
本発明の実施形態に係る滅菌バッグを製造する方法の一例について説明する。本実施形態に係る滅菌バッグでは、シール層と中間層と基材層とがこの順に積層された2枚の積層フィルム100を製造する(積層フィルムの製造工程)。
次に、2つの積層フィルム100A及び100Bの搬送方向に沿って、2つの積層フィルム100A及び100Bをシール層側が対向するように重ね合わせて、2つの積層フィルム100A及び100Bの外周縁部同士を溶着されていない開口部を残しつつ溶着してシール部を形成する(溶着工程)。
例えば、図5に示すように、製袋装置40に、2つの長尺連続シート状の積層フィルムの原反41がロール状態にセットされると共に、送り機構42によって流れ方向に沿って送られる。各積層フィルム100(図1参照)の搬送方向(MD方向)a1は、積層フィルムの原反41の流れ方向ととする。
このとき、一対の積層フィルムの原反41のうち、下方に位置する積層フィルムの原反41は、その幅方向の一側部を二つ折り状態として搬送されてもよい。
続いて、ヒートシール部43で、積層フィルムの原反41の所定箇所同士が融着(ヒートシール)されることによって、三方が封止され、一方の積層フィルム100Aのシール層に、通気性基材20が設けられた滅菌バッグ1が形成される。滅菌バッグ1の横方向が製袋装置40における進行方向となる。
切断部44によって、滅菌バッグ1が1つずつに切り出される。
その後、滅菌バッグ1は、バッグ本体10の開口部13から滅菌対象物を収容室12内に入れて開口部13をヒートシールした後、滅菌バッグ1を滅菌装置の滅菌室内に設置して、滅菌室内に供給された滅菌剤がバッグ本体10を透過してバッグ本体10の内部に侵入し、バッグ本体10内の滅菌対象物を滅菌する。
バッグ本体10の内部に侵入した滅菌剤は、バッグ本体10を透過して外部に放出されるが、滅菌室内には滅菌剤が供給されているため、滅菌バッグ1が滅菌室内にある間は、滅菌剤がバッグ本体10を透過してバッグ本体10の内部に継続して導入されるため、バッグ本体10内の滅菌剤の濃度は一定に維持でされる。滅菌室内への滅菌剤の供給を停止するか、滅菌バッグ1が滅菌装置の滅菌室から取り出された後は、バッグ本体10の内部に滅菌剤が導入されない。そのため、バッグ本体10内の滅菌剤は、バッグ本体10を透過して外部に放出されるため、バッグ本体10内の滅菌剤の濃度は徐々に低下する。
滅菌バッグの製造方法によれば、上記のような、引裂き開封性が高く、内部のシール性が維持された滅菌バッグ1を製造することができる。
滅菌バッグの製造方法は、溶着工程を含むため、平坦な積層フィルム100A及び積層フィルム100Bを貼り合わせてヒートシールして製袋することができる。このため、滅菌バッグの製造方法は、滅菌紙等のガス透過フィルムを積層フィルム100A又は積層フィルム100Bの端でシールして融着させなくても、滅菌バッグ1としての機能面を損なわず、生産性良く製造することができる。
例えば、シール層、中間層及び基材層の3層構造からなる積層フィルムと、滅菌紙等のガス透過フィルムとをシールして滅菌バッグを製造する場合、図8及び図9に示すように、滅菌バッグ200は、一対の積層フィルム210の内の一方の積層フィルム210Aの端211Aと他方の積層フィルム210Bの端211Bとをそれぞれガス透過フィルム220にシールすることで製造される。このような滅菌バッグ200では、ガス透過フィルム220の厚みの分だけ、積層フィルム210Aと積層フィルム210Bとのシール部分に段差が生じるため、ヒートシールし難く、生産効率が悪い。また、ヒートシールが十分行われていないと、滅菌バッグ200は十分なシール性及び強度等を得られない可能性がある。
さらに、積層フィルム210がシール層、中間層及び基材層の3層構造からなる場合、一般に、シール層には低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが用いられ、中間層及び基材層には高密度ポリエチレンが用いられる。積層フィルム210がこのような層構成である場合、積層フィルム210の基材層を構成する高密度ポリエチレンと、シール層を構成する低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンとの溶融温度差が低いため、ヒートシールに最適な条件が選択し難いため、滅菌バッグ200の生産効率が悪くなる。
本実施形態においては、滅菌バッグの製造方法は、溶着工程で、2つの平坦な積層フィルム100A及び100Bの外周縁部同士を溶着して製袋できる。このため、滅菌バッグの製造方法によれば、積層フィルム100Aと積層フィルム100Bとのシール部11に段差が生じないように溶着できるため、滅菌バッグ1としての機能を損なわず、生産性良く滅菌バッグ1を製造することができる。また、滅菌バッグの製造方法によれば、シール部11にヒートシールが不十分な部分が生じ難いため、滅菌バッグ1は十分なシール性及び強度等を有し、信頼性の高い滅菌バッグを提供することができる。
以上のように、滅菌バッグ1は、上記のような特性を有することから、医療用容器、医療機器、医療用品、医薬品(薬剤)、栄養剤、飲食物及び化粧品等を収容し、滅菌処理が施されるバッグとして好適に用いることができる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの例により限定されるものではない。
<実施例1>
[滅菌バッグの作製]
(積層フィルムの作製)
積層フィルムを構成するシール層の形成に低密度ポリエチレン(InnoPlus LD2426H、PTT Global Chemical Public Company Limited社製)を用い、中間層及び基材層の形成に高密度ポリエチレン(InnoPlus HD3355F、PTT Global Chemical Public Company Limited社製)を用いた。Tダイ式多層製膜機を用いて、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンを共押出工法により押し出して、シール層、中間層及び基材層がこの順に積層された積層フィルムを作製した。シール層、中間層及び基材層の各層の厚みは、15μm、30μm及び15μmとし、厚みが60μmの積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの評価)
作製した積層フィルムを所定の大きさ(幅15mm×長さ100mm)に切断し、矩形状の試験片1を作製した。積層フィルムは、試験片の短手方向が積層フィルムの搬送方向(MD方向)に相当し、試験片の長手方向が積層フィルムの搬送方向と直交する方向(TD方向)に相当するように切断した。JIS K 7127に準拠して、作製した積層フィルムの引張強度と引張伸度を測定して引張り性を評価すると共に、引裂き強度を測定して引裂き開封性を評価した。
-積層フィルムの引張強度の測定-
JIS Z 0238に準拠して、積層フィルムの短手方向、即ち、積層フィルムの搬送方向における、幅15mmの積層フィルムの引張強度(単位:N/15mm)を算出し、積層フィルムの引張性を評価した。試験片は、それぞれ3つ準備し、3つの試験片の測定値の平均値をそれぞれの厚さの試験片の引張強度とした。引張強度が21N/15mm以上の場合には、引張伸度は良好であると評価した。積層フィルムの引張強度の測定結果を表1に示す。
-積層フィルムの引張伸度の測定-
オートグラフにより、積層フィルムの短手方向、即ち、積層フィルムの搬送方向における引張伸度(単位:%)を測定し、積層フィルムの引張性を評価した。試験片は、それぞれ3つ準備し、3つの試験片の測定値の平均値をそれぞれの厚さの試験片の引張伸度とした。引張伸度が400%以上の場合には、引張伸度は良好であると評価した。積層フィルムの引張伸度の測定結果を表1に示す。
-積層フィルムの引裂き強度の測定-
JIS K 7128-2(エルメンドルフ引裂法)に準拠して、引裂き強度(単位:N)を測定した。積層フィルムを7枚重ねて、積層フィルムの短手方向、即ち、積層フィルムの搬送方向における引裂き強度(単位:N)を測定し、引裂き開封性を評価した。試験片は3つ準備し、3つの試験片の測定値の平均値を用いた。引裂き強度が26N以下の場合には、引裂き開封性は良好であると評価した。引裂き強度の測定結果を表1に示す。
Figure 2023152769000002
(バッグ本体の作製)
作製した一対の積層フィルムの最内層であるシール層同士を重ね合わせ、開口部(短手側の一辺)を除いて積層フィルムの外周をヒートシールし、外寸が300mm×360mmとなるバッグ本体であるパウチを作製した。
(滅菌バッグの作製)
バッグ本体の外周シール幅が5mmとなるようにトリミングした後、バッグ本体の開口部を溶着し、滅菌バッグを作製した。滅菌バッグは3個作製し、3個の滅菌バッグの平均値を用いた。
[滅菌処理後の外観の評価]
作製した滅菌バッグ内に滅菌剤としてエチレンオキサイド(EO)ガスを入れて、保存室内のガス量を測定した。時間とEOガス量との関係を図8に示す。
<実施例2>
実施例1において、シール層を直鎖状低密度ポリエチレン(InnoPlus LL7410D1、PTT Global Chemical Public Company Limited社製)を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様に行い、積層フィルムを作製した。作製した積層フィルムの引張強度と引張伸度との測定結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、(バッグ本体の作製)を、以下の通り行ったこと以外は、実施例1と同様に行い、滅菌バッグを作製した。
(バッグ本体の作製)
作製した積層フィルムのうち、一方の積層フィルムに、長さ1mmのスリット(切れ目)を2mm程度の間隔で5個形成した直線状のミシン目を、5mm程度の間隔を空けて、5本並列に形成した。この直線状のミシン目は、一方の積層フィルムの短手方向と略平行となるように形成した。その後、シール層側の表面に矩形状の滅菌紙(高密度ポリエチレン製不織布、「タイベック2FS」、デュポン社製)をヒートシールした。滅菌紙は、その長手方向が積層フィルムの短手方向に沿うように配置した。その後、一方の積層フィルムと他方の積層フィルムを用いて、最内層であるシール層同士を重ね合わせ、開口部(短手側の一辺)を除いて積層体の外周をヒートシールし、外寸が300mm×360mmとなるバッグ本体であるパウチを作製した。時間とEOガス量との関係を図8に示す。
<比較例1>
実施例1において、積層フィルムは、中間層を備えず、シール層及び基材層からなる2層構成とし、シール層の厚さを50μmnとし、シール層をPETで形成して厚さを12μmとし、滅菌紙に「タイベック(登録商標)1059B」を用いた。それ以外は、実施例1と同様に行い、滅菌バッグを作製した。時間とガス量との関係を図8に示す。
図8に示すように、実施例1では、滅菌バッグの収容室内のEOガス量は、0日目では約2230μg/gであり、その後、時間の経過と共に徐々に低下したが、2日目でも約230μg/gあり、3日目でも約150μg/gあった。2日目以降は滅菌バッグの収容室内のEOガス量は殆ど低下せず、比較例1と略同じ量であった。
実施例3では、滅菌バッグの収容室内のEOガス量は、0日目では約1730μg/gであり、その後、時間の経過と共に徐々に低下したが、2日目でも約240μg/gあり、3日目でも約170μg/gあった。2日目以降は滅菌バッグの収容室内のEOガス量は殆ど低下せず、比較例1と略同じ量であった。
よって、実施例1の滅菌バッグは、簡易な構成で、引裂き開封性を高めつつ収容室のシール性を維持すると共に、滅菌剤を内部に取り込んで保持することができるため、薬液バッグとしての機能を維持しつつ、滅菌対象物を簡易に取り出して使用できるといえる。
なお、本発明の実施形態の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含むシール層と、高密度ポリエチレンを含む基材層とが積層された積層フィルムを前記シール層側が対向するように重ね合わせて互いの外周縁部同士を溶着したシール部と、前記積層フィルム及び前記シール部によって画定され、滅菌対象物が保存される収容室とを備える滅菌バッグ。
<2> 前記積層フィルムは、前記シール層と前記基材層との間に、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含む中間層を含む<1>に記載の滅菌バッグ。
に記載の。
<3> 前記中間層は、前記高密度ポリエチレンを含む<2>に記載の滅菌バッグ。
<4> 前記シール層は、前記低密度ポリエチレンを含む<1>~<3>の何れか一つに記載の滅菌バッグ。
<5> 前記積層フィルムの厚みが、30μm~120μmである<1>~<4>の何れか一つに記載の滅菌バッグ。
<6> 前記滅菌対象物が、医薬品又は医療用品である<1>~<5>の何れか一つに記載の滅菌バッグ。
1 滅菌バッグ
10 バッグ本体
11 シール部
12 収容室
13 開口部
100、100A、100B 積層フィルム
110 シール層
120 中間層
130 基材層

Claims (6)

  1. 低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含むシール層と、高密度ポリエチレンを含む基材層とが積層された積層フィルムを前記シール層側が対向するように重ね合わせて互いの外周縁部同士を溶着したシール部と、前記積層フィルム及び前記シール部によって画定され、滅菌対象物が保存される収容室とを備える滅菌バッグ。
  2. 前記積層フィルムは、前記シール層と前記基材層との間に、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの少なくとも一つを含む中間層を含む請求項1に記載の滅菌バッグ。
  3. 前記中間層は、前記高密度ポリエチレンを含む請求項2に記載の滅菌バッグ。
  4. 前記シール層は、前記低密度ポリエチレンを含む請求項1に記載の滅菌バッグ。
  5. 前記積層フィルムの厚みが、30μm~120μmである請求項1に記載の滅菌バッグ。
  6. 前記滅菌対象物が、医薬品又は医療用品である請求項1に記載の滅菌バッグ。
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