JP2023152449A - 測距装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定光の強度を変えることなく、窓における反射光の測距への影響を抑制する。【解決手段】ローゲインアンプ150、及びコンパレータ151は窓100の内面における反射光に応じた電圧値よりも高い閾値で、受光部13から取得する電圧値を選別する。そのため、近距離算出部15は、窓100の内面における反射光を検出せず、その反射光よりも高い強度の光を検出する。信号線112は、窓100における反射光が受光されるまで有効信号を送信しない。そのため、時間情報生成器172は、出射トリガ信号が送信されても、窓100の反射光が受光部13に受光されるまで機能を停止している。遠距離算出部17は、窓100の内面における反射光が受光された後であれば、比較的低い電圧値でも検出する。【選択図】図4
Description
本発明は、測距装置の技術に関する。
LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)は、自動運転等の各種の分野に用いられる測距装置の一種である。LIDARは、対象物へ向けて光を出射し、その対象物において反射した光を検出して、その光が往復した伝播時間に基づいて自装置からその対象物までの距離を測定する。
LIDARは、レーザ光の出射部を雨、埃等から保護するためにガラス、透明樹脂等の透過性のある材質で形成された窓を用いる。この窓の透過率は一般に約95%であり、5%程度の反射、吸収が生じる。この窓により反射したレーザ光が受光部に入ると測定対象物として検出されてしまうため、窓の反射光を受光しないようにレーザ光の窓への入射角を調整することが検討されている。
特許文献1は、レーザ光を発生させて投光する投光部と、投光部が投光したレーザ光の光軸に対して傾斜して、そのレーザ光を反射する第1ミラーと、第1ミラーを支える透明材料製の支持部と、第1ミラーが反射したレーザ光の偏向方向を三次元的に走査して、筐体窓を通して装置外部へ出射するとともに、レーザ光が装置外部の物体で反射して生じた反射光を反射する第2ミラーと、第2ミラーが反射した反射光の進行方向において、支持部よりも第2ミラーから遠い側に位置し、第2ミラーが反射した反射光を受光する受光部と、を備えるレーザレーダ装置を開示している。この特許文献1に記載されたレーザレーダ装置の筐体窓は、レーザ光の走査角度によらず、レーザ光が垂直に入射せず、かつ、レーザ光が筐体窓で反射して生じた内部反射光が支持部よりも第2ミラー側に向かう角度になっている。
特許文献1に記載の技術は、レーザレーダ装置において、筐体窓からの反射光が受光部に入らないようにその角度を調整したものである。しかし、窓からの反射光は正反射したものに限らないので、反射光を完全に受光部に入らないようにすることは困難である。そのため、特許文献1に記載の技術においても筐体窓からの反射光は、測距の妨げになることがある。
窓からの反射光は、強度が比較的小さい。そのため、測定光の強度を上げることで対象物からの反射光の感度を、窓からの反射光に比べて高くすることができると考えられる。しかし、測定光の強度を上げるとエネルギーが必要となる。
本発明の目的の一つは、測定光の強度を変えることなく、窓における反射光の測距への影響を抑制することである。
本発明は、出射部が窓を介して光を出射してから、閾値を超える強度の反射光を受光部が受光するまでの時間に基づき対象物までの距離を測定する装置であって、前記閾値を前記窓の内面における反射光の強度以上に設定する近距離モードと、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届くまで前記距離を測定しない遠距離モードと、を時分割で切替える測距装置、を第1の態様として提供する。
第1の態様の測距装置によれば、測定光の強度を変えることなく、窓における反射光の測距への影響を抑制することができる。
第1の態様の測距装置において、前記遠距離モードにおいて、前記閾値を前記窓の内面における反射光の強度以下に設定する、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
第2の態様の測距装置によれば、対象物における反射光が、窓の内面における反射光よりも弱い場合であっても、遠距離モードにおいてその対象物までの距離は測定される。
第1又は第2の態様の測距装置において、前記窓は、前記光が斜めに入射するように設置されている、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
第3の態様の測距装置によれば、光が垂直に入射する窓に比べて反射光の強度が抑えられる。
第1又は第2の態様の測距装置において、前記光を走査して得られる画像ごとに、前記近距離モード及び前記遠距離モードを切替える、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
第4の態様の測距装置によれば、モードの違いを画像ごとに比較することができる。
第1又は第2の態様の測距装置において、前記近距離モード及び前記遠距離モードにおける測定結果の組合せに基づいて前記窓の汚れを判定する、という構成が第5の態様として採用されてもよい。
第5の態様の測距装置によれば、窓の汚れを判定することができる。
第1又は第2の態様の測距装置において、前記近距離モードにおいて、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届く時点の前記閾値を該反射光の強度以上に設定し、時間の経過に従って該閾値を下げる、という構成が第6の態様として採用されてもよい。
第6の態様の測距装置によれば、近距離モードにおいても窓の内面における反射光を回避しつつ、対象物の測距の感度を向上させることができる。
<実施形態>
<測距システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る測距システム9の全体構成の例を示す図である。測距システム9は、測距装置1、及び情報処理装置2を有する。測距装置1は、光を対象物Jに出射してその反射光を受光し、対象物Jまでの距離を測定する装置である。
<測距システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る測距システム9の全体構成の例を示す図である。測距システム9は、測距装置1、及び情報処理装置2を有する。測距装置1は、光を対象物Jに出射してその反射光を受光し、対象物Jまでの距離を測定する装置である。
情報処理装置2は、測距装置1と有線又は無線により通信可能に接続されている。測距装置1から情報を取得してその情報を処理する装置である。また、図1に示すこの情報処理装置2は、測距装置1の窓に付着した汚れの程度を判定する。情報処理装置2は、測距装置1を制御してもよい。なお、情報処理装置2と測距装置1とは同一筐体内に収められていてもよいし、別筐体内に収められていてもよい。
<測距装置の構成>
図2は、測距装置1の構成の例を示す図である。図2には、測距装置1の構成要素の物理的な配置が示されている。図2に示す測距装置1は、筐体10、制御基板11B、出射部12、受光部13、及び光学系16を有する。
図2は、測距装置1の構成の例を示す図である。図2には、測距装置1の構成要素の物理的な配置が示されている。図2に示す測距装置1は、筐体10、制御基板11B、出射部12、受光部13、及び光学系16を有する。
出射部12は、出射基板12B、発光素子122、及びコリメータレンズ120を有する。受光部13は、受光基板13B、受光素子131,及び集光レンズ130を有する。光学系16は、第1ミラー161、第2ミラー162、及び第3ミラー163を有する。
制御基板11Bは、出射部12の出射基板12B、及び受光部13の受光基板13Bと信号線で接続されており、これらを制御する。
筐体10は、出射部12が出射する測定光の光路上に窓100を有する。窓100は、ガラス等の光を透過する材料(光透過部材という)で形成されており、筐体10の内部に雨、埃等が侵入することを防止しつつ、測定光を筐体10の外部へ進ませる。つまり、この窓100は、測定光の光路上に配置された光透過部材の例である。
また、筐体10は、インタフェース101を有する。このインタフェース101は、制御基板11Bと外部の機器とを通信可能に接続する部品である。インタフェース101は、筐体10の壁面を貫通するように設置され、壁面の外側に図示しない接続端子を露出させている。また、インタフェース101は、筐体10の内側で制御基板11Bとケーブルで接続されている。
窓100、出射部12、受光部13、及び光学系16は、いずれも筐体10によって固定されている。そのため、窓100に対する出射部12、受光部13、及び光学系16の配置はいずれも定まっている。
図2に示す制御基板11Bは、出射基板12Bに指示をして発光素子122から測定光を出射させる。発光素子122から出射した測定光は、図2に実線で示す矢印Paに沿って進む。この測定光は、コリメータレンズ120を通って平行光になり、第1ミラー161、第2ミラー162を順に反射して窓100に到達する。到達した測定光のほとんどがこの窓100を透過し、筐体10の外部に進んで対象物に到達する。
なお、第2ミラー162は、筐体10に固定された軸を中心に回動し得るように設けられていてもよい。ここで回動し得るとは、正逆どちらにも回転可能であることをいう。この場合、制御基板11Bは、図示しないモータ等の駆動部を制御して第2ミラー162を回動させ、測定光の出射方向を変化させてもよい。これにより、測定光は、対象物の存在する空間を走査する。
対象物で反射した測定光は、図2に破線で示す矢印Pbに沿って、窓100を透過して筐体10の内部に入る。この反射した測定光は、第2ミラー162、第3ミラー163を順に反射して集光レンズ130で集められ、受光素子131により受光(検出)される。受光基板13Bは、受光素子131が測定光を受光したタイミングを信号にして制御基板11Bに送る。制御基板11Bは、測定光の伝播時間に基づいてその測定光を反射させた対象物までの距離を測定する。
すなわち、この測距装置1は、出射部が窓を介して光を出射してから、閾値を超える強度の反射光を受光部が受光するまでの時間に基づき対象物までの距離を測定する測距装置の例である。
なお、図2に示す窓100は、矢印Paに沿って進む測定光の入射角θが0でないように設置されている。つまり、窓100は、測定光が垂直ではなく、斜めに入射するように設置されている窓の例である。
矢印Paに沿って進む測定光は、上述した通り、第1ミラー161、第2ミラー162を順に反射して窓100に到達する。一方、窓100で反射した測定光は、第2ミラー162、第3ミラー163を順に反射して受光部13に受光される。
ここで、光学系16は、測距装置1の内部のサイズに比べて、測定する対象物までの距離が長いから、測定光が出射する光路と反射光が戻る光路とがほぼ正反対の向きである。そして、窓100に対して出射部12が測定光を垂直に入射させると、窓100の内面において正反射した反射光が、第2ミラー162に戻ることになる。この場合、反射光の中でもっとも強い正反射光が受光部13に受光されるため、窓100の内面における反射光の影響が大きい。
上述した通り、窓100は、測定光が斜めに入射するように設置されているので、光が垂直に入射する場合に比べて、受光部13に受光される反射光の強度を小さくすることができる。
図3は、測距装置1の窓100における反射を説明するための図である。図3に示す通り、窓100は、発光素子122から出射した測定光のすべてを透過させることはなく、一部を反射させる。窓100において反射した測定光は、図3に二点鎖線で示す矢印Prに沿って進み、第2ミラー162、第3ミラー163を順に反射して集光レンズ130で集められ、受光素子131により受光される。
このとき受光素子131が受光する光は、筐体10の外に存在する対象物で反射したものではなく、窓100で反射したものである。この光は、発光素子122から、第1ミラー161、及び第2ミラー162でそれぞれ反射して窓100に至るまでの距離と、窓100で反射してから、第2ミラー162、及び第3ミラー163でそれぞれ反射して受光素子131に至るまでの距離とを合計した距離を進んでいる。
なお、図3に示す矢印Prは、図2に示す矢印Pbのうち筐体10の内部における部分と異なった光路を示しているが、その差は比較的小さい。そのため、以下の説明においてこれらは同じ光路である、と見做すことがある。
<測距装置の回路構成>
図4は、測距装置1の回路構成の例を示す図である。図4に示す測距装置1は、制御部11、出射部12、受光部13、光量測定部14、近距離算出部15、及び遠距離算出部17を有する。
図4は、測距装置1の回路構成の例を示す図である。図4に示す測距装置1は、制御部11、出射部12、受光部13、光量測定部14、近距離算出部15、及び遠距離算出部17を有する。
制御部11は、上述した図2に示す制御基板11Bに設けられている。制御部11は、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを有し、メモリに記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより測距装置1の各部を制御する。
制御部11は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよいし、FPGAを含んでもよい。制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は他のプログラマブル論理デバイスを有し、これらによって制御を行ってもよい。また、制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の、汎用的なプロセッサであってもよい。
制御部11は、ユーザに指示された、又は予め決められたタイミングで出射トリガ信号を生成し、この出射トリガ信号を出射部12に送信する。出射トリガ信号は、出射部12に指示して測定光を出射させる信号である。
出射部12は、制御部11の制御の下、光を出射する。図4に示す出射部12は、コリメータレンズ120、ドライバ121、発光素子122、及び検出器123を有する。ドライバ121、発光素子122、及び検出器123は、例えば、上述した図2に示す出射基板12Bに設けられている。
ドライバ121は、制御部11から出射トリガ信号を受信すると発光素子122を駆動させる。
発光素子122は、対象物が存在する可能性がある空間に向けて光を出射するデバイスであり、例えば、レーザーダイオード(LD:Laser Diode)である。
検出器123は、例えば、フォトダイオードと信号処理回路を有し、発光素子122による発光を検出して、そのタイミングを制御部11に通知する。
受光部13は、出射部12が出射した光が対象物により反射した場合に、その反射光を受光して検出する。図2に示す受光部13は、集光レンズ130、受光素子131、及び電流電圧変換器132を有する。受光素子131、及び電流電圧変換器132は、例えば、上述した図2に示す受光基板13Bに設けられている。
受光素子131は、上述した対象物からの反射光を検出して電流による信号を発生させる素子であり、例えば、APD(avalanche photodiode)である。
電流電圧変換器132は、受光素子131が反射光を検出したときの電流を電圧に変換する変換器であり、例えば、TIA(Transimpedance Amplifier)である。
光量測定部14は、受光素子131が検出した反射光の光量を測定する。図2に示す光量測定部14は、積分器141、ピークホールド回路142、及びA/D変換器143を有する。この光量測定部14は、例えば図2に示す制御基板11Bに設けられている。なお、光量測定部14は、図2に示す受光基板13Bに設けられていてもよい。
積分器141は、受光部13の電流電圧変換器132から出力された、受光素子131が検出した反射光の光量に応じた電圧値を積分する。
ピークホールド回路142は、積分器141による積分された値のピーク値を保持する。
A/D変換器143は、ピークホールド回路142が保持するピーク値によって示される光量のアナログ信号をデジタル信号に変換してこれを制御部11に送信する。
近距離算出部15は、受光部13による反射光の受光結果を取得して、この受光結果に基づき対象物までの距離を算出するデバイスである。図4に示す近距離算出部15は、ローゲインアンプ150、コンパレータ151、及び時間情報生成器152を有する。近距離算出部15は、例えば、図2に示す制御基板11Bに設けられている。なお、近距離算出部15は、図2に示す受光基板13Bに設けられていてもよい。
ローゲインアンプ150は、受光部13から反射光の光量に応じた電圧値の入力を受けて、この電圧値を予め決められた増幅率で増幅する回路である。ローゲインアンプ150の増幅率は、後述するハイゲインアンプ170に比べて低い。
コンパレータ151は、ローゲインアンプ150において増幅された電圧値と閾値とを比較し、この電圧値が閾値を超えたときにそのタイミングを時間情報生成器152に通知する素子である。このコンパレータ151は、上述した閾値を、初期状態の窓100の内面における反射光の強度を超える値に相当する値に設定している。なお、初期状態とは、例えば製造直後の状態であり、汚れ等が付着していない状態である。
つまり、ローゲインアンプ150、及びコンパレータ151は、汚れが付着していない窓100の内面における反射光に応じて受光部13が出力する電圧値を遮断する。
時間情報生成器152は、出射部12が光を出射してから受光部13が反射光を受光するまでの時間を示す時間情報を生成するデバイスである。時間情報生成器152は、要求される空間分解能に応じた時間分解能を達成するために、例えば、TDC(Time to Digital Converter)を備える。
時間情報生成器152は、制御部11と信号線111により接続されている。この信号線111は、制御部11の制御の下、時間情報生成器152へ、その機能を有効にする有効信号と、無効にする無効信号とを、それぞれ決められたタイミングで送信する。
信号線111は、出射トリガ信号と共通のタイミングで有効信号を送信する。そして、信号線111は、出射トリガ信号の送信のタイミングから予め決められた時間が経過したタイミングで無効信号を送信する。この予め決められた時間は、反射光の検知可能な距離に応じて定められる。つまり、信号線111が無効信号を送信するタイミングは、いわゆるタイムアウトを示している。
時間情報生成器152は、出射部12の検出器123から制御部11へ送信される信号を分岐により取得して、取得したこの信号から光を出射したタイミングの情報を得る。また、時間情報生成器152は、上述したコンパレータ151からの通知を受取り、この通知が示すタイミングを受光部13が反射光を受光したタイミングとして捉える。
そして、時間情報生成器152は、出射部12が測定光を出射したタイミングと、受光部13が反射光を受光したタイミングとの時間差を時間情報として算出し、制御部11に送信する。制御部11は、時間情報生成器152で算出された時間情報に基づいて、測距装置1(自装置)から対象物までの距離を算出する。
上述した通り、ローゲインアンプ150、及びコンパレータ151は窓100の内面における反射光に応じた電圧値よりも高い閾値で、受光部13から取得する電圧値を選別する。そのため、近距離算出部15は、窓100の内面における反射光を検出せず、その反射光よりも高い強度の光を検出する。近距離算出部15は、比較的高い閾値以上の電圧値のみを検出するので、近距離にある対象物の測定に適する。遠距離にある対象物は、近距離にある対象物に比べてその反射光の減衰が大きいからである。この近距離算出部15による距離の測定のモードを「近距離モード」という。すなわち、この近距離モードは、閾値を超える強度の反射光を検出する際に、その閾値を窓の内面における反射光の強度を超える値に設定する近距離モードの例である。
遠距離算出部17は、受光部13による反射光の受光結果を取得して、この受光結果に基づき対象物までの距離を算出するデバイスである。図4に示す遠距離算出部17は、ハイゲインアンプ170、コンパレータ171、及び時間情報生成器172を有する。遠距離算出部17は、例えば、図2に示す制御基板11Bに設けられている。なお、遠距離算出部17は、図2に示す受光基板13Bに設けられていてもよい。
ハイゲインアンプ170は、受光部13から反射光の光量に応じた電圧値の入力を受けて、この電圧値を予め決められた増幅率で増幅する回路である。ハイゲインアンプ170の増幅率は、上述した通り、ローゲインアンプ150比べて高い。
コンパレータ171は、ハイゲインアンプ170において増幅された電圧値と閾値とを比較し、この電圧値が閾値を超えたときにそのタイミングを時間情報生成器172に通知する素子である。このコンパレータ171は、上述した閾値を、初期状態の窓100の内面における反射光の強度以下に相当する値に設定している。この閾値は、窓の内面における反射光の強度以下に設定された閾値の例である。
つまり、ハイゲインアンプ170、及びコンパレータ171は、汚れが付着していない窓100の内面における反射光に応じて受光部13が出力する電圧値を検出する。
時間情報生成器172は、出射部12が光を出射してから受光部13が反射光を受光するまでの時間を示す時間情報を生成するデバイスである。時間情報生成器172は、要求される空間分解能に応じた時間分解能を達成するために、例えば、TDCを備える。
時間情報生成器172は、制御部11と信号線112により接続されている。この信号線112は、制御部11の制御の下、時間情報生成器172へ、その機能を有効にする有効信号と、無効にする無効信号とを、それぞれ決められたタイミングで送信する。
信号線112は、出射部12が出射した光が窓100において反射し、その反射光が受光部13により受光されるまで有効信号を送信しない。信号線112は、窓100における反射光の受光が完了した直後のタイミングで有効信号を送信する。
そして、信号線112は、出射トリガ信号の送信のタイミングから予め決められた時間が経過したタイミングで無効信号を送信する。この予め決められた時間は、反射光の検知可能な距離に応じて定められる。つまり、信号線112が無効信号を送信するタイミングは、いわゆるタイムアウトを示している。
時間情報生成器172は、出射部12の検出器123から制御部11へ送信される信号を分岐により取得して、取得したこの信号から光を出射したタイミングの情報を得る。また、時間情報生成器172は、上述したコンパレータ171からの通知を受取り、この通知が示すタイミングを受光部13が反射光を受光したタイミングとして捉える。
そして、時間情報生成器172は、出射部12が測定光を出射したタイミングと、受光部13が反射光を受光したタイミングとの時間差を時間情報として算出し、制御部11に送信する。制御部11は、時間情報生成器172で算出された時間情報に基づいて、測距装置1(自装置)から対象物までの距離を算出する。
上述した通り、信号線112は、窓100における反射光が受光されるまで有効信号を送信しない。そのため、時間情報生成器172は、出射トリガ信号が送信されても、測定光が出射され、窓100に到達し、窓100の反射光が受光部13に受光されるまで機能を停止している。つまり、遠距離算出部17は、窓100の内面における反射光を検出しない。
一方、窓100における反射光の受光が完了すると、信号線112は、時間情報生成器172に有効信号を送信する。コンパレータ171の閾値は、窓100の内面における反射光の強度以下である。そのため、窓100の内面における反射光よりも弱い反射光が窓100の外にある対象物から戻ってきても、遠距離算出部17は、これを検出することがある。
つまり、遠距離算出部17は、窓100の内面における反射光が受光された後であれば、比較的低い電圧値でも検出するので、遠距離にある対象物の測定に適する。この遠距離算出部17による距離の測定のモードを「遠距離モード」という。この遠距離モードは、窓の内面における反射光が受光部に届くまで距離を測定しない遠距離モードの例である。
<測距装置におけるタイミング>
図5は、測距装置1におけるタイミングを説明するための図である。図5における横軸は時間であり、縦軸は信号の大きさを示している。図5(a)には出射トリガ信号のタイミングが、図5(b)には出射光が出射され、これを検出器123が検出したことを示す検出信号のタイミングがそれぞれ示されている。
図5は、測距装置1におけるタイミングを説明するための図である。図5における横軸は時間であり、縦軸は信号の大きさを示している。図5(a)には出射トリガ信号のタイミングが、図5(b)には出射光が出射され、これを検出器123が検出したことを示す検出信号のタイミングがそれぞれ示されている。
出射トリガ信号によって出射部12のドライバ121は、発光素子122を発光させ、測定光(出射光ともいう)を出射させる。出射トリガ信号が発されたタイミングから測定光が出射されるタイミングまでの時間差はほとんどなく、両者はほぼ同じである。図5において、出射トリガ信号が発されたタイミングは時刻t0である。図5において、測定光が出射されるタイミングは時刻t1である。つまり、時刻t0から時刻t1までの時間は、ほぼ0である。
図5(c)には窓100の内面における反射光を検知するタイミングが示されている。図5において、窓100の内面における反射光を検知するタイミングは時刻t2である。また、窓100の内面におけるこの反射光は、強度I2を有する。
図5(d)には窓100の外に存在する対象物における反射光を検知するタイミングが示されている。図5において、窓100の外の対象物における反射光を検知するタイミングは時刻t3である。また、窓100の外の対象物におけるこの反射光は、強度I3を有する。
図5(e)には、受光部13による受光の検知信号の全体が示されている。図5(c)及び図5(d)に示した検知信号は区別されないため、図5(e)に示した一連の曲線として取得される。
<近距離モードのタイミング>
図6は、近距離モードのタイミングを示す図である。図6(a)には、近距離算出部15が処理を実行する際の近距離モードにおいて、受光部13が光を受光するタイミングとその光の強度とが示されている。図6(a)の横軸は時間を示し、縦軸は受光した光の強度を示している。
図6は、近距離モードのタイミングを示す図である。図6(a)には、近距離算出部15が処理を実行する際の近距離モードにおいて、受光部13が光を受光するタイミングとその光の強度とが示されている。図6(a)の横軸は時間を示し、縦軸は受光した光の強度を示している。
また、図6(b)には、信号線111により近距離算出部15の時間情報生成器152へ送信される有効信号のタイミングが示されている。
近距離算出部15は、例えば、図6(a)に示す閾値Hを設定している。この閾値Hは、強度I2よりも高く、強度I3よりも低い値である。つまり、この閾値Hは、窓100からの反射光を検知しないレベルであり、例えば、70mV(ミリボルト)である。
また、近距離算出部15は、例えば図6(b)に示す時刻t0から時刻tzまでの期間にわたり有効信号を受信している。ここで時刻tzはタイムアウトの時刻である。つまり、近距離算出部15は、出射トリガ信号が発されたタイミングから、タイムアウトまで有効に機能する。
なお、タイムアウトの時間、すなわち、時刻t0から時刻tzまでの時間は、例えば、107ns(ナノ秒)である。測定光、及びその反射光は、秒速約3×108メートルで空間を進むので、この107nsの間に、約32メートルの距離を往復する。つまり、タイムアウトの時間を107nsに設定すると、測距装置1の測定対象範囲は、測距装置1から約16メートルまでの距離になる。
図6に示す場合、近距離算出部15は、窓100の内面における反射光を、その強度が閾値Hに満たないために遮断する。一方、図6に示す場合、近距離算出部15は、窓100の外に存在する対象物で反射した反射光を検知する。
<遠距離モードのタイミング>
図7は、遠距離モードのタイミングを示す図である。図7(a)には、遠距離算出部17が処理を実行する際の遠距離モードにおいて、受光部13が光を受光するタイミングとその光の強度とが示されている。図7(a)の横軸は時間を示し、縦軸は受光した光の強度を示している。
図7は、遠距離モードのタイミングを示す図である。図7(a)には、遠距離算出部17が処理を実行する際の遠距離モードにおいて、受光部13が光を受光するタイミングとその光の強度とが示されている。図7(a)の横軸は時間を示し、縦軸は受光した光の強度を示している。
また、図7(b)には、信号線112により遠距離算出部17の時間情報生成器172へ送信される有効信号のタイミングが示されている。
遠距離算出部17は、例えば、図7(a)に示す閾値Lを設定している。この閾値Lは、強度I2、及び強度I3のいずれよりも低い値である。つまり、この閾値Lは、窓100からの反射光を検知するレベルであり、例えば、50mVである。
また、遠距離算出部17は、例えば図7(b)に示す時刻tsから時刻tzまでの期間にわたり有効信号を受信している。ここで時刻tsは、受光部13が窓100からの反射光の受光を完了した後の時刻である。図7(b)に示す例において、時刻tsは、時刻t0から時間Δtが経過した時刻である。
また、時刻tzはタイムアウトの時刻である。つまり、遠距離算出部17は、受光部13が窓100からの反射光を受光してから、タイムアウトまで有効に機能する。
図7に示す場合、遠距離算出部17は、窓100の内面における反射光を受光部13が受光したときに、無効信号を受けている。この無効信号を受けているとき、時間情報生成器172は、コンパレータ171からの出力を受信しない。そのため、遠距離算出部17は、窓100の内面における反射光を検知しない。一方、図7に示す場合、遠距離算出部17は、窓100の外に存在する対象物で反射した反射光を検知する。
<情報処理装置の構成>
図8は、情報処理装置2の構成の例を示す図である。図8に示す情報処理装置2は、プロセッサ21、メモリ22、インタフェース23、操作部24、及び表示部25を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
図8は、情報処理装置2の構成の例を示す図である。図8に示す情報処理装置2は、プロセッサ21、メモリ22、インタフェース23、操作部24、及び表示部25を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
プロセッサ21は、メモリ22に記憶されているプログラムを読出して実行することにより情報処理装置2の各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
インタフェース23は、有線又は無線により情報処理装置2を、他の装置に通信可能に接続する通信回路である。図8に示すインタフェース23は、図1に示した通り、有線で情報処理装置2と測距装置1とを直接、接続する。なお、情報処理装置2と測距装置1とは同一筐体内に収められていてもよいし、別筐体内に収められていてもよい。
操作部24は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マウス等の操作子を備えており、操作を受付けてその操作内容に応じた信号をプロセッサ21に送る。この操作は、例えば、キーボードに対する押下、タッチパネルに対するジェスチャー等である。
表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、プロセッサ21の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部24の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。なお、情報処理装置2は、操作部24及び表示部25を有しなくてもよい。情報処理装置2は、インタフェース23を介して外部の装置から操作され、又は外部の装置に情報を提示してもよい。
メモリ22は、プロセッサ21に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ22は、RAM、ROMを有する。なお、メモリ22は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
また、メモリ22は、判定表221を記憶する。図9は、判定表221の例を示す図である。プロセッサ21は、インタフェース23を介して測距装置1から近距離モード、及び遠距離モードにおける測距の状態を示す情報を取得する。測距装置1は、遠距離モードの処理の結果として、測距可能、及びタイムアウトの2種類の状態になる。また、測距装置1は、近距離モードの処理の結果として、測距可能、近距離測距、及びタイムアウトの2種類の状態になる。
「測距可能」は、窓100の外に存在する対象物までの距離が測定される状態である。「近距離測距」は、窓100の内面における反射光が測定される状態である。「タイムアウト」は、窓100の内面、又は対象物までのいずれの距離も測定されないままタイムアウトを迎える状態である。
判定表221は、近距離モード、及び遠距離モードにおける測距の各状態の組合せに、窓100に付着した汚れの判定結果を対応付けて記憶する。
例えば、判定表221において、遠距離モードの処理をした状態が「測距可能」であり、近距離モードの処理をした状態が「近距離測距」である場合、対応する判定結果は「軽度の汚れあり」である。
遠距離モードの結果、「測距可能」になったことは、少なくとも、窓100の外に測定光が出射していることを意味する。そして、近距離モードの結果、「近距離測距」になったことは、窓100の内面で生じた反射光が検出されていることを意味する。したがって、窓100には、検出される程度の反射光を生じさせ、かつ、測定光を透過させる程度の軽度の汚れが付着している、と判定される。
一方、遠距離モードの処理をした状態が「タイムアウト」であり、近距離モードの処理をした状態が「近距離測距」である場合、対応する判定結果は「軽度・重度の汚れあり」である。
遠距離モードの結果、「タイムアウト」になったことは、窓100の外に対象物が存在しないか、測定光が窓100を透過していないか、のいずれかであることを意味する。そして、近距離モードの結果、「近距離測距」になったことは、窓100の内面で反射光が検出されていることを意味する。
したがって、窓100の外に対象物が存在しない場合には、窓100には、少なくとも検出される程度の反射光を生じさせる軽度の汚れ、又は、測定光を外部に透過させない程度の重度の汚れ、のいずれかが付着している、と判定される。
また、窓100の外に対象物が存在している場合には、窓100は測定光を外部に透過させていないので、重度の汚れが付着している、と判定される。
上述した2つの組合せ以外の場合、窓100の汚れはない、と判定される。
<測距装置の動作>
図10は、測距装置1の動作の流れの例を示す図である。測距装置1の制御部11は、図示しないメモリ、レジスタ等にフレームカウンタを有する。フレームカウンタは、フレームの数を記憶する記憶領域である。フレームは、出射部12が測定光を走査して一枚の距離画像を生成する周期である。
図10は、測距装置1の動作の流れの例を示す図である。測距装置1の制御部11は、図示しないメモリ、レジスタ等にフレームカウンタを有する。フレームカウンタは、フレームの数を記憶する記憶領域である。フレームは、出射部12が測定光を走査して一枚の距離画像を生成する周期である。
制御部11は、まず、このフレームカウンタを初期化する(ステップS101)。制御部11は、例えば、フレームカウンタを初期値である0で上書きする。
次に、制御部11は、フレームカウンタが初期値であるか否かを判断する(ステップS102)。フレームカウンタが初期値である、と判断すると(ステップS102;YES)、制御部11は、近距離モードの処理を近距離算出部15に実行させる(ステップS103)。この近距離モードの処理は、出射部12が測定光を走査して一枚の距離画像を生成する期間にわたって行われる。
一方、フレームカウンタが初期値でない、と判断すると(ステップS102;NO)、制御部11は、遠距離モードの処理を遠距離算出部17に実行させる(ステップS104)。この遠距離モードの処理は、近距離モードの処理と同様、出射部12が測定光を走査して一枚の距離画像を生成する期間にわたって行われる。
近距離モード、又は遠距離モードの処理が完了すると、制御部11は、フレームカウンタに定数を加算する(ステップS105)。この定数は、例えば1である。そして、制御部11は、終了条件を満たしたか否か判断する(ステップS106)。ここで終了条件とは、予め決められた数の距離画像が生成されたという条件、決められた時刻になったという条件、終了の指示が利用者から入力されたという条件等である。
終了条件を満たした、と判断する場合(ステップS106;YES)、制御部11は、処理を終了する。一方、終了条件を満たしていない、と判断する場合(ステップS106;NO)、制御部11は、フレームカウンタが閾値以上であるか否かを判断する(ステップS107)。この閾値は、例えば16である。
フレームカウンタが閾値以上である、と判断する場合(ステップS107;YES)、制御部11は、処理をステップS101に戻す。一方、フレームカウンタが閾値以上でない、と判断する場合(ステップS107;NO)、制御部11は、処理をステップS102に戻す。
これにより、測距装置1は、フレームカウンタを初期値である0から15まで増加させ、15の次に0に戻す。そして、この測距装置1は、フレームカウンタが変化するごとに処理のモードを切替える。つまり、この測距装置1は、光を走査して得られる画像ごとに、近距離モード及び遠距離モードを切替える測距装置の例である。
この場合、この測距装置1は、フレームカウンタが初期値であるときだけ、近距離モードの処理を実行させ、それ以外であるときには遠距離モードの処理を実行させる。
つまり、この測距装置1は、16フレームのうち、1フレームを近距離モードに、それ以外の15フレームを遠距離モードに割り当てて処理を実行する。例えば、測距装置1が1秒間に16枚の測距画像を生成する場合、16フレームは1秒間に相当する。そして、この場合、測距装置1は、1秒ごとに1回の近距離モードと、15回の遠距離モードとを切替える。なお、上述した初期値、定数、及びフレームカウンタの上限を示す閾値は、例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
以上の動作を行うことにより、測距装置1は、近距離モードの処理において、窓100の内面における反射光と同等の強度の反射光を無視する。これにより、測距装置1は、窓100の外に存在する対象物のうち、反射光の強度が比較的高いもののみを検出する。
また、この測距装置1は、遠距離モードの処理において、窓100の内面における反射光を受光するまで時間情報生成器172を無効化する。これにより、測距装置1は、窓100の内面における反射光を受光した後、タイムアウトになるまでの期間だけ反射光を検出する。
そして、この測距装置1は、近距離モード、及び遠距離モードを時分割で切り替えて、それら両方の処理で得られた情報を基に、対象物までの距離を測定する。したがって、この測距装置1は、2つのモードのうち、一方のモードでできなかった測距は、他方のモードで補われる。そのため、この測距装置1は、測定光の強度を変えることなく、窓における反射光の測距への影響を抑制することができる。
なお、測距装置1による近距離モード、及び遠距離モードのそれぞれの測定結果は、情報処理装置2により取得される。情報処理装置2は、これらの測定結果を比較し、上述した判定表221に基づいて、窓100に付着した汚れの有無、及びその汚れの程度を判定することができる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ及び配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は組み合わされてもよい。
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は組み合わされてもよい。
<1>
上述した実施形態において、測距装置1は、フレームカウンタが変化するごとに処理のモードを切替えていたが、これに限らない。測距装置1は、フレームカウンタが変化するタイミングとは別のタイミングで(すなわち何らかの時分割で)、近距離モードと遠距離モードとを切り替えてもよい。また、測距装置1は、光を走査して測距画像を生成しなくてもよい。例えば、測距装置1は、光を二次元走査させるのではなく、一次元走査させてもよい。
上述した実施形態において、測距装置1は、フレームカウンタが変化するごとに処理のモードを切替えていたが、これに限らない。測距装置1は、フレームカウンタが変化するタイミングとは別のタイミングで(すなわち何らかの時分割で)、近距離モードと遠距離モードとを切り替えてもよい。また、測距装置1は、光を走査して測距画像を生成しなくてもよい。例えば、測距装置1は、光を二次元走査させるのではなく、一次元走査させてもよい。
<2>
上述した変形例において、窓100に付着した汚れの有無、及びその汚れの程度の判定は、情報処理装置2が、測距装置1から各モードの測定結果を取得して行っていた。しかし、この判定は、測距装置1が行ってもよい。この場合、測距装置1の制御部11は、内蔵されたメモリに記憶された判定表221に相当する表を読み出して、上述した判定を行えばよい。この変形例におけるこの測距装置1は、近距離モード及び遠距離モードにおける測定結果の組合せに基づいて窓の汚れを判定する測距装置の例である。
上述した変形例において、窓100に付着した汚れの有無、及びその汚れの程度の判定は、情報処理装置2が、測距装置1から各モードの測定結果を取得して行っていた。しかし、この判定は、測距装置1が行ってもよい。この場合、測距装置1の制御部11は、内蔵されたメモリに記憶された判定表221に相当する表を読み出して、上述した判定を行えばよい。この変形例におけるこの測距装置1は、近距離モード及び遠距離モードにおける測定結果の組合せに基づいて窓の汚れを判定する測距装置の例である。
<3>
上述した実施形態において、測距装置1は、近距離モードの処理を行う際に、強度I2よりも高く、強度I3よりも低く設定された閾値Hを用いていたが、これに限らない。閾値Hは、時間の経過に伴って変化してもよい。
上述した実施形態において、測距装置1は、近距離モードの処理を行う際に、強度I2よりも高く、強度I3よりも低く設定された閾値Hを用いていたが、これに限らない。閾値Hは、時間の経過に伴って変化してもよい。
図11は、時間の経過に伴って変化する閾値の例を示す図である。図11(a)には、この変形例で、近距離算出部15が処理を実行する際の近距離モードにおいて、受光部13が光を受光するタイミングとその光の強度とが示されている。図11(a)の横軸は時間を示し、縦軸は受光した光の強度を示している。また、図11(b)には、信号線111により近距離算出部15の時間情報生成器152へ送信される有効信号のタイミングが示されている。
図11(a)に示す通り、閾値Hは、関数f(t)に準じて変化する。関数f(t)は、時刻tを独立変数とする単調減少関数である。この閾値Hは、時刻t2において強度I2を超える値になり、その後、時間の経過に従って下がっていく。時刻t2は、窓100の内面における反射光を検知するタイミングである。したがって、この測距装置1は、近距離モードにおいて、窓の内面における反射光が受光部に届く時点の閾値をこの反射光の強度を超える値に設定し、時間の経過に従ってこの閾値を下げる測距装置の例である。
この変形例の測距装置1は、窓100の内面における反射光が受光部13に届く時点である時刻t2において、その反射光の強度I2を超える閾値を設定している。そのため、この測距装置1は、時刻t2において受光される窓100での反射光を無視する。一方、時刻t2を過ぎた後、この測距装置1は、閾値Hを時間経過に従って低下し続ける。そのため、この測距装置1は、窓100の外に存在する対象物における反射光の受光感度を、その対象物が遠くなるほど上昇させることができる。
1…測距装置、10…筐体、100…窓、101…インタフェース、11…制御部、111…信号線、112…信号線、11B…制御基板、12…出射部、120…コリメータレンズ、121…ドライバ、122…発光素子、123…検出器、12B…出射基板、13…受光部、130…集光レンズ、131…受光素子、132…電流電圧変換器、13B…受光基板、14…光量測定部、141…積分器、142…ピークホールド回路、143…A/D変換器、15…近距離算出部、150…ローゲインアンプ、151…コンパレータ、152…時間情報生成器、16…光学系、161…第1ミラー、162…第2ミラー、163…第3ミラー、17…遠距離算出部、170…ハイゲインアンプ、171…コンパレータ、172…時間情報生成器、2…情報処理装置、21…プロセッサ、22…メモリ、221…判定表、23…インタフェース、24…操作部、25…表示部、9…測距システム。
Claims (12)
- 出射部が窓を介して光を出射してから、閾値を超える強度の反射光を受光部が受光するまでの時間に基づき対象物までの距離を測定する装置であって、前記閾値を前記窓の内面における反射光の強度を超える値に設定する近距離モードと、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届くまで前記距離を測定しない遠距離モードと、を時分割で切替える測距装置。
- 前記遠距離モードにおいて、前記閾値を前記窓の内面における反射光の強度以下に設定する
請求項1に記載の測距装置。 - 前記窓は、前記光が斜めに入射するように設置されている
請求項1又は2に記載の測距装置。 - 前記光を走査して得られる画像ごとに、前記近距離モード及び前記遠距離モードを切替える
請求項1又は2に記載の測距装置。 - 前記近距離モード及び前記遠距離モードにおける測定結果の組合せに基づいて前記窓の汚れを判定する
請求項1又は2に記載の測距装置。 - 前記近距離モードにおいて、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届く時点の前記閾値を該反射光の強度を超える値に設定し、時間の経過に従って該閾値を下げる
請求項1又は2に記載の測距装置。 - 前記光を走査して得られる画像ごとに、前記近距離モード及び前記遠距離モードを切替える
請求項3に記載の測距装置。 - 前記近距離モード及び前記遠距離モードにおける測定結果の組合せに基づいて前記窓の汚れを判定する
請求項3に記載の測距装置。 - 前記近距離モードにおいて、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届く時点の前記閾値を該反射光の強度を超える値に設定し、時間の経過に従って該閾値を下げる
請求項3に記載の測距装置。 - 前記近距離モード及び前記遠距離モードにおける測定結果の組合せに基づいて前記窓の汚れを判定する
請求項4に記載の測距装置。 - 前記近距離モードにおいて、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届く時点の前記閾値を該反射光の強度を超える値に設定し、時間の経過に従って該閾値を下げる
請求項4に記載の測距装置。 - 前記近距離モードにおいて、前記窓の内面における反射光が前記受光部に届く時点の前記閾値を該反射光の強度を超える値に設定し、時間の経過に従って該閾値を下げる
請求項5に記載の測距装置。
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