JP2023152279A - 真空ポンプ、真空ポンプ用回転体、及び真空ポンプ用バランス修正部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】バランス修正部材の小型化が可能であり、バランス修正部材の装着が容易な真空ポンプを提供する。【解決手段】本体ケーシングと、回転体103と、モータ121と、を備え、回転体103とモータ121は本体ケーシングの中に設けられ、回転体103の内周面211に溝部212が形成され、溝部212に、板状のウエイト220が設置されている。ウエイト220は、弾性変位部226a、226bを有し、溝部212に挟まれて固定されている。弾性変位部226a、226bは、ウエイト220に、一端が開放された変位許容穴222a、222bを空けることにより形成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、例えばターボ分子ポンプ等の真空ポンプ、真空ポンプ用回転体、及び真空ポンプ用バランス修正部材に関する。
一般に、真空ポンプの一種としてターボ分子ポンプが知られている。このターボ分子ポンプにおいては、ポンプ本体内のモータへの通電により回転翼を回転させ、ポンプ本体に吸い込んだガス(プロセスガス)の気体分子(ガス分子)を弾き飛ばすことによりガスを排気するようになっている。また、このようなターボ分子ポンプには、ポンプ内の温度を適切に管理するために、ヒータや冷却管を備えたタイプのものがある。
ターボ分子ポンプのように回転翼を回転させる真空ポンプにおいては、回転翼における重量のバランスを整えることが必要である。バランスが整っていない場合には、バランスを整えるための修正作業が行われる。重量バランスの修正方法としては、後掲の特許文献1~3に記載されたような方法が公知である。
特許文献1には、バランスを修正するために、回転翼の一部を削り取る方法(段落0010など)が記載されている。特許文献2には、回転翼の内側に樹脂製のウエイト(接着剤等)を貼り付ける方法(段落0029など)や、回転翼等の一部にネジ穴を設け、ネジを装着する方法(段落0046など)が記載されている。さらに、特許文献3には、回転翼の内側に溝を設け、ウエイトを嵌合させて装着する方法(段落0029など)が記載されている。
特許文献1の方法においては、回転翼の切削作業の手間が必要になる。また、一旦、削ってしまうと、元の状態に戻すことができず、バランス修正のやり直しが効かない。
特許文献2の接着剤を用いる方法においては、樹脂製のウエイトが、プロセスガスによって腐食したり、真空中で揮発したりして、経時変化する。また、回転翼が高温になる場合には、樹脂の耐熱温度を超えてしまう場合がある。さらに、特許文献2の回転翼にネジ穴を設ける方法においては、回転中に応力集中が生じるため、この応力集中を考慮した設計が必要になる。また、アーマチャディスク等にネジ穴を設けた場合には、アーマチャディスク等の直径は相対的に小さいため、アーマチャディスク等には、ネジを取り付けることが可能な領域が少ない。さらに、直径が小さい部材にネジを設ける場合には、回転中心(軸心)からの距離が短いため、バランス修正の効果を得難い。
特許文献3の方法においては、箱状のウエイトが用いられているが、箱状のウエイトは小型化が難しく、取り付けのために多くのスペースを要する。
本発明の目的とするところは、バランス修正部材の小型化が可能であり、バランス修正部材の装着が容易な真空ポンプ、及び、真空ポンプ用回転体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、小型化が可能で装着が容易な真空ポンプ用バランス修正部材を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために本発明に係る真空ポンプは、
外装体と、
前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転体と、
前記回転体の駆動機構と、を備えた真空ポンプであって、
前記回転体の内周面に配設された凹部に、板状のバランス修正部材が設置されたことを特徴とする。
(2)上記目的を達成するために本発明に係る真空ポンプ用回転体は、
外装体に内包されて回転自在に支持され、駆動機構により駆動される真空ポンプ用回転体であって、
板状のバランス修正部材が設置される凹部が内周面に配設されたことを特徴とする。
(3)上記目的を達成するために本発明に係る真空ポンプ用バランス修正部材は、
外装体に内包されて回転自在に支持され、駆動機構により駆動される真空ポンプ用回転体に装着される真空ポンプ用バランス修正部材であって、
板状に形成され、
前記真空ポンプ用回転体の内周面に配設された凹部に配置されることを特徴とする。
外装体と、
前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転体と、
前記回転体の駆動機構と、を備えた真空ポンプであって、
前記回転体の内周面に配設された凹部に、板状のバランス修正部材が設置されたことを特徴とする。
(2)上記目的を達成するために本発明に係る真空ポンプ用回転体は、
外装体に内包されて回転自在に支持され、駆動機構により駆動される真空ポンプ用回転体であって、
板状のバランス修正部材が設置される凹部が内周面に配設されたことを特徴とする。
(3)上記目的を達成するために本発明に係る真空ポンプ用バランス修正部材は、
外装体に内包されて回転自在に支持され、駆動機構により駆動される真空ポンプ用回転体に装着される真空ポンプ用バランス修正部材であって、
板状に形成され、
前記真空ポンプ用回転体の内周面に配設された凹部に配置されることを特徴とする。
上記発明によれば、バランス修正部材の小型化が可能であり、バランス修正部材の装着が容易な真空ポンプ、及び、真空ポンプ用回転体を提供することができる。また、本発明によれば、小型化が可能で装着が容易な真空ポンプ用バランス修正部材を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る真空ポンプについて、図面に基づき説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る真空ポンプとしてのターボ分子ポンプ100を示している。このターボ分子ポンプ100は、例えば、半導体製造装置等のような対象機器の真空チャンバ(図示略)に接続されるようになっている。
<ターボ分子ポンプ100の基本構成>
このターボ分子ポンプ100の縦断面図を図1に示す。図1において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。そして、外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードである複数の回転翼102(102a、102b、102c・・・)を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が備えられている。この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
このターボ分子ポンプ100の縦断面図を図1に示す。図1において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。そして、外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードである複数の回転翼102(102a、102b、102c・・・)を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が備えられている。この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104の近接に、かつ上側径方向電磁石104のそれぞれに対応されて4個の上側径方向センサ107が備えられている。上側径方向センサ107は、例えば伝導巻線を有するインダクタンスセンサや渦電流センサなどが用いられ、ロータ軸113の位置に応じて変化するこの伝導巻線のインダクタンスの変化に基づいてロータ軸113の位置を検出する。この上側径方向センサ107はロータ軸113、すなわちそれに固定された回転体103の径方向変位を検出し、制御装置200に送るように構成されている。
この制御装置200においては、例えばPID調節機能を有する補償回路が、上側径方向センサ107によって検出された位置信号に基づいて、上側径方向電磁石104の励磁制御指令信号を生成し、図2に示すアンプ回路150(後述する)が、この励磁制御指令信号に基づいて、上側径方向電磁石104を励磁制御することで、ロータ軸113の上側の径方向位置が調整される。
そして、このロータ軸113は、高透磁率材(鉄、ステンレスなど)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
さらに、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク(「アーマチャディスク」ともいう)111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向位置信号が制御装置200に送られるように構成されている。
そして、制御装置200において、例えばPID調節機能を有する補償回路が、軸方向センサ109によって検出された軸方向位置信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bのそれぞれの励磁制御指令信号を生成し、アンプ回路150が、これらの励磁制御指令信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bをそれぞれ励磁制御することで、軸方向電磁石106Aが磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bが金属ディスク111を下方に吸引し、ロータ軸113の軸方向位置が調整される。
このように、制御装置200は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。なお、これら上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150については、後述する。
一方、モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置200によって制御されている。また、モータ121には図示しない例えばホール素子、レゾルバ、エンコーダなどの回転速度センサが組み込まれており、この回転速度センサの検出信号によりロータ軸113の回転速度が検出されるようになっている。
さらに、例えば下側径方向センサ108近傍に、図示しない位相センサが取り付けてあり、ロータ軸113の回転の位相を検出するようになっている。制御装置200では、この位相センサと回転速度センサの検出信号を共に用いて磁極の位置を検出するようになっている。
回転翼102(102a、102b、102c・・・)とわずかの空隙(所定の間隔)を隔てて複数枚の固定翼123(123a、123b、123c・・・)が配設されている。回転翼102(102a、102b、102c・・・)は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。そして、固定翼123の外周端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125(125a、125b、125c・・・)の間に嵌挿された状態で支持されている。
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設されている。ベース部129には排気口133が形成され、外部に連通されている。チャンバ(真空チャンバ)側から吸気口101に入ってベース部129に移送されてきた排気ガスは、排気口133へと送られる。
さらに、ターボ分子ポンプ100の用途によって、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間には、ネジ付スペーサ131が配設される。ネジ付スペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。回転体103の回転翼102(102a、102b、102c・・・)が形成された回転体本体103aの下部には回転体下部円筒部103bが垂下されている。この回転体下部円筒部103bの外周面は、円筒状で、かつネジ付スペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付スペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。回転翼102および固定翼123によってネジ溝131aに移送されてきた排気ガスは、ネジ溝131aに案内されつつベース部129へと送られる。このように、ネジ付スペーサ131と、これに対向する回転体下部円筒部103bは、ホルベック型排気機構部204を構成する。ホルベック型排気機構部204は、ネジ付スペーサ131に対する回転体下部円筒部103bの回転により、排気ガスに方向性を与え、ターボ分子ポンプ100の排気特性を向上する。
ベース部129は、ターボ分子ポンプ100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。ベース部129はターボ分子ポンプ100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
かかる構成において、回転翼102がロータ軸113と共にモータ121により回転駆動されると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバから排気ガスが吸気される。吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導などにより、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は、輻射又は排気ガスの気体分子(ガス分子)などによる伝導により固定翼123側に伝達される。
固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱などを外部へと伝達する。
なお、上記では、ネジ付スペーサ131は回転体103の回転体下部円筒部103bの外周に配設し、ネジ付スペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に回転体下部円筒部103bの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
また、ターボ分子ポンプ100の用途によっては、吸気口101から吸引されたガスが上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107、モータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、軸方向電磁石106A、106B、軸方向センサ109などで構成される電装部に侵入することのないよう、電装部は周囲をステータコラム122で覆われ、このステータコラム122内はパージガスにて所定圧に保たれる場合もある。
この場合には、ベース部129にはパージガスポート13が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、回転翼102の内周側円筒部(回転体下部円筒部103b)とステータコラム122やベース部129との間の隙間(図5(a)に符号210で示す)を通じて排気口133へ送出される。
ここに、ターボ分子ポンプ100は、機種の特定と、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、上記ターボ分子ポンプ100は、その本体内に電子回路部141を備えている。電子回路部141は、EEP-ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、それらの実装用の基板143等から構成される。この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ100の下部を構成するベース部129の例えば中央付近の図示しない回転速度センサの下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
ところで、半導体の製造工程では、チャンバに導入されるプロセスガスの中には、その圧力が所定値よりも高くなり、或いは、その温度が所定値よりも低くなると、固体となる性質を有するものがある。ターボ分子ポンプ100内部では、排気ガスの圧力は、吸気口101で最も低く排気口133で最も高い。プロセスガスが吸気口101から排気口133へ移送される途中で、その圧力が所定値よりも高くなったり、その温度が所定値よりも低くなったりすると、プロセスガスは、固体状となり、ターボ分子ポンプ100内部に付着して堆積する。
例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]~10-2[torr])かつ、低温(約20[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。これにより、ターボ分子ポンプ100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ100の性能を低下させる原因となる。そして、前述した生成物は、排気口付近やネジ付スペーサ131付近の圧力が高い部分で凝固、付着し易い状況にあった。
そのため、この問題を解決するために、従来はベース部129等の外周に図示しないヒータや環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばベース部129に図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサの信号に基づいてベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つようにヒータの加熱や水冷管149による冷却の制御(以下TMSという。TMS;TemperatureManagement System)が行われている。
次に、このように構成されるターボ分子ポンプ100に関して、その上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150について説明する。このアンプ回路の回路図を図2に示す。
図2において、上側径方向電磁石104等を構成する電磁石巻線151は、その一端がトランジスタ161を介して電源171の正極171aに接続されており、また、その他端が電流検出回路181及びトランジスタ162を介して電源171の負極171bに接続されている。そして、トランジスタ161、162は、いわゆるパワーMOSFETとなっており、そのソース-ドレイン間にダイオードが接続された構造を有している。
このとき、トランジスタ161は、そのダイオードのカソード端子161aが正極171aに接続されるとともに、アノード端子161bが電磁石巻線151の一端と接続されるようになっている。また、トランジスタ162は、そのダイオードのカソード端子162aが電流検出回路181に接続されるとともに、アノード端子162bが負極171bと接続されるようになっている。
一方、電流回生用のダイオード165は、そのカソード端子165aが電磁石巻線151の一端に接続されるとともに、そのアノード端子165bが負極171bに接続されるようになっている。また、これと同様に、電流回生用のダイオード166は、そのカソード端子166aが正極171aに接続されるとともに、そのアノード端子166bが電流検出回路181を介して電磁石巻線151の他端に接続されるようになっている。そして、電流検出回路181は、例えばホールセンサ式電流センサや電気抵抗素子で構成されている。
以上のように構成されるアンプ回路150は、一つの電磁石に対応されるものである。そのため、磁気軸受が5軸制御で、電磁石104、105、106A、106Bが合計10個ある場合には、電磁石のそれぞれについて同様のアンプ回路150が構成され、電源171に対して10個のアンプ回路150が並列に接続されるようになっている。
さらに、アンプ制御回路191は、例えば、制御装置200の図示しないディジタル・シグナル・プロセッサ部(以下、DSP部という)によって構成され、このアンプ制御回路191は、トランジスタ161、162のon/offを切り替えるようになっている。
アンプ制御回路191は、電流検出回路181が検出した電流値(この電流値を反映した信号を電流検出信号191cという)と所定の電流指令値とを比較するようになっている。そして、この比較結果に基づき、PWM制御による1周期である制御サイクルTs内に発生させるパルス幅の大きさ(パルス幅時間Tp1、Tp2)を決めるようになっている。その結果、このパルス幅を有するゲート駆動信号191a、191bを、アンプ制御回路191からトランジスタ161、162のゲート端子に出力するようになっている。
なお、回転体103の回転速度の加速運転中に共振点を通過する際や定速運転中に外乱が発生した際等に、高速かつ強い力での回転体103の位置制御をする必要がある。そのため、電磁石巻線151に流れる電流の急激な増加(あるいは減少)ができるように、電源171としては、例えば50V程度の高電圧が使用されるようになっている。また、電源171の正極171aと負極171bとの間には、電源171の安定化のために、通常コンデンサが接続されている(図示略)。
かかる構成において、トランジスタ161、162の両方をonにすると、電磁石巻線151に流れる電流(以下、電磁石電流iLという)が増加し、両方をoffにすると、電磁石電流iLが減少する。
また、トランジスタ161、162の一方をonにし他方をoffにすると、いわゆるフライホイール電流が保持される。そして、このようにアンプ回路150にフライホイール電流を流すことで、アンプ回路150におけるヒステリシス損を減少させ、回路全体としての消費電力を低く抑えることができる。また、このようにトランジスタ161、162を制御することにより、ターボ分子ポンプ100に生じる高調波等の高周波ノイズを低減することができる。さらに、このフライホイール電流を電流検出回路181で測定することで電磁石巻線151を流れる電磁石電流iLが検出可能となる。
すなわち、検出した電流値が電流指令値より小さい場合には、図3に示すように制御サイクルTs(例えば100μs)中で1回だけ、パルス幅時間Tp1に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をonにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、正極171aから負極171bへ、トランジスタ161、162を介して流し得る電流値iLmax(図示せず)に向かって増加する。
一方、検出した電流値が電流指令値より大きい場合には、図4に示すように制御サイクルTs中で1回だけパルス幅時間Tp2に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をoffにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、負極171bから正極171aへ、ダイオード165、166を介して回生し得る電流値iLmin(図示せず)に向かって減少する。
そして、いずれの場合にも、パルス幅時間Tp1、Tp2の経過後は、トランジスタ161、162のどちらか1個をonにする。そのため、この期間中は、アンプ回路150にフライホイール電流が保持される。
このような基本構成を有するターボ分子ポンプ100は、図1中の上側(吸気口101の側)が対象機器の側に繋がる吸気部となっており、下側(排気口133を構成する排気ポート15が図中の右側に突出するようベース部129に設けられた側)が、図示を省略する補助ポンプ(バックポンプ)等に繋がる排気部となっている。そして、ターボ分子ポンプ100は、図1に示すような鉛直方向の垂直姿勢のほか、倒立姿勢や水平姿勢、傾斜姿勢でも用いることが可能となっている。
また、ターボ分子ポンプ100においては、前述の外筒127とベース部129とが組み合わさって1つのケース(以下では両方を合わせて「本体ケーシング」などと称する場合がある)を構成している。また、ターボ分子ポンプ100は、箱状の電装ケース(図示略)と電気的(及び構造的)に接続されており、電装ケースには前述の制御装置200が組み込まれている。
ターボ分子ポンプ100の本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)の内部の構成は、モータ121によりロータ軸113等を回転させる回転機構部と、回転機構部より回転駆動される排気機構部に分けることができる。また、排気機構部は、回転翼102や固定翼123等により構成されるターボ分子ポンプ機構部と、回転体下部円筒部103bやネジ付スペーサ131等により構成されるネジ溝ポンプ機構部(ホルベック型排気機構部204)に分けて考えることができる。
また、前述のパージガス(保護ガス)は、軸受部分や回転翼102等の保護のために使用され、排気ガス(プロセスガス)に因る腐食の防止や、回転翼102の冷却等を行う。このパージガスの供給は、一般的な手法により行うことが可能である。
例えば、ベース部129の所定の部位(排気口133に対してほぼ180度離れた位置など)に、径方向に直線状に延びるパージガスポート13を設ける。そして、このパージガスポート13に対し、ベース部129の外側からパージガスボンベ(N2ガスボンベなど)や、流量調節器(弁装置)などを介してパージガスを供給する。
前述の保護ベアリング120は、「タッチダウン(T/D)軸受」、「バックアップ軸受」などとも呼ばれる。これらの保護ベアリング120により、例えば万が一電気系統のトラブルや大気突入等のトラブルが生じた場合であっても、ロータ軸113の位置や姿勢を大きく変化させず、回転翼102やその周辺部が損傷しないようになっている。
なお、ターボ分子ポンプ100や回転体103の構造を示す図1では、部品の断面を示すハッチングの記載は、図面が煩雑になるのを避けるため省略している。
<ウエイトバランスの修正(調整)>
図5(a)は、図1において円Aで囲った部分を拡大して示している。回転体103の内周面211にはウエイト修正用の溝部212が形成されている。溝部212は、回転体103を、内周面211に対して垂直に(回転体103の半径方向に)削ることにより形成されている。回転体103には、内周面211に対して直角に、壁部213、214が形成されている。壁部213、214は、溝部212に面している。
図5(a)は、図1において円Aで囲った部分を拡大して示している。回転体103の内周面211にはウエイト修正用の溝部212が形成されている。溝部212は、回転体103を、内周面211に対して垂直に(回転体103の半径方向に)削ることにより形成されている。回転体103には、内周面211に対して直角に、壁部213、214が形成されている。壁部213、214は、溝部212に面している。
溝部212は、回転体の内周面211の全周に亘り、環状(「帯状」ともいう)に形成されている。溝部212の深さd1は、回転体103の厚みt1(例えば10mm程度、一部図示を省略する)よりも小さく、周方向にも幅方向(回転体103の軸方向)にも一定である。
溝部212には、第1実施形態に係るバランスウエイト(以下では「ウエイト」と称する)220が嵌め込まれている。第1実施形態では、ウエイト220の数は3枚である。3枚のウエイト220の配置は、例えば、1枚のウエイト220の位置を基準(0°)とし、120°と240°に1枚ずつ、又は、100°、260°などに1枚ずつ配置される。
個々のウエイト220は、図5(a)、(b)及び図6に示すように、矩形の平板状(「薄板状」ともいう)に加工されている。ウエイト220の厚みt2は、溝部212の深さd1よりも小さく、且つ、全板面に亘り一定である。ウエイト220は、回転体103の内周面211から内側(回転体103の径方向の軸心側)に飛び出しておらず、ウエイト220の全体は、溝部212の内部に収まっている。
また、ウエイト220の厚みt2は、回転体103の内周面211と、ベース部129との間の隙間210の大きさt3よりも大きい。つまり、ウエイト220の厚みt2と、隙間210の大きさt3との関係は、t2>t3である。
図6は、回転体103に装着されたウエイト220とその周辺部を、吸気口101の側から見た状態を示している。溝部212は、曲率を持って環状に形成されているため、ウエイト220と、溝部212の底面218との間には、平断面形状(投影形状)が三日月状となる隙間216が生じている。
図5(b)に示すように、ウエイト220には、2つの変位許容穴222a、222bが設けられている。変位許容穴222a、222bは、長穴状の形態を有しており、一端が、ウエイト220の側端面224a、224bで開放している。変位許容穴222a、222bは、ウエイト220における一方の側端面224aから、他方の側端面224aに向かって、直線状に、且つ、互いに平行に延びている。
変位許容穴222a、222bは、ウエイト220を厚さ方向(図5(a)のt2方向)に貫通している。変位許容穴222a、222bを設けることにより、ウエイト220には、ウエイト本体部227に繋がった弾性変位部226a、226bが形成されている。弾性変位部226a、226bは、ウエイト本体部227に片持ちの状態で支持されており、弾性変位部226a、226bの基端側には、支持部230a、230bが形成されている。
第1本実施形態において、弾性変位部226a、226bは、ウエイト220における長手方向(「長さ方向」ともいう)の各端部に位置している。ウエイト220の長手方向は、図5(b)に矢印Bで示す方向である。ウエイト220の長手方向は、ウエイト220を回転体103に装着する際に、回転体103の軸方向に対して平行に向けられる方向である。
ウエイト220の短手方向(「幅方向」ともいう)は、図5(b)に矢印Cで示す方向である。ウエイト220の短手方向(「幅方向」ともいう)は、ウエイト220を回転体103に装着する際に、回転体103の周方向に向けられる方向である。ウエイト220は、図5(b)に符号Dで示す中心点を中心として点対称な形状に形成されている。
弾性変位部226a、226bの先端部232a、232bは、支持部230a、230bの部位を中心として、図5(b)に円弧の矢印E、Fで示す方向に、弾性変位することが可能である。図5(b)の矢印Eは、弾性変位部226a、226bの先端部232a、232bが図5(b)における反時計回りに変位する方向を示しており、矢印Fは、先端部232a、232bが時計回りに変位する方向を示している。
図5(a)、(b)及び図6に示すように、ウエイト220を回転体103の溝部212に嵌め込むと、弾性変位部226a、226bが、弾性復元力を、溝部212の壁部213、214に作用させる。ウエイト220は、弾性変位部226a、226bが壁部213、214を押す力(突っ張り力)を利用して、溝部212内に挟まれた(挟持された)状態で固定される。
このように、ウエイト220は、長手方向(矢印B方向)の両端にばねを有する構造を有している。ばねの構造(ばね構造)は、一端が開放された変位許容穴222a、222bを設けることにより形成されている。変位許容穴222a、222bは、点Dで中心とした点対称に形成されている。
なお、第1実施形態では、弾性変位部(ここでは弾性変位部226a、226b)と変位許容穴(ここでは変位許容穴222a、222b)の組が2組設けられている。しかし、一組の弾性変位部と変位許容穴のみ(例えば、弾性変位部226aと変位許容穴222aの組のみ)を設け、他方の組の弾性変位部と変位許容穴(例えば、弾性変位部226bと変位許容穴222bの組)を設けないことも可能である。
また、弾性変位部226a、226bが壁部213、214を押す力を十分に大きく確保するためには、例えば、図7に二点鎖線で示すように、ウエイト220を、弾性変位部226a、226bが長手方向(矢印Bで示す方向、又は、矢印Fで示す方向)に広がって突出した形状(以下では「突出形状」と称する)に加工することが可能である。このようにすることで、より確実に、弾性変位部226a、226bに弾性復元力を発生させることや、弾性復元力を大とすることが可能となる。
また、一方の弾性変位部226aのみ(又は弾性変位部226bのみ)を突出形状に加工した場合でも、弾性復元力を発生させることは可能である。このため、一方の弾性変位部226aのみ(又は弾性変位部226bのみ)を突出形状に加工してもよい。ただし、対称(ここでは長手方向(矢印B方向)に対称)にばね力を発生させる必要がある場合には、図5(a)、(b)の弾性変位部226a、226bのように、弾性変位部を対称(第1実施形態では点対称)に配置することが望ましい。そして、弾性変位部226a、226bが、互いに平行な状態で、溝部212の壁部213、214に接することが望ましい。
弾性変位部226a(及び/又は226b)を突出形状に加工した場合には、ウエイト220を回転体103の溝部212に嵌め込む際、作業者が手指により、弾性変位部226a(及び/又は226b)を、変位許容穴222a(及び/又は222b)の側へ弾性的に変位させて(収縮させて)、ウエイト220を溝部212に嵌め込むことが可能である。
なお、弾性変位部226a(及び/又は226b)を突出形状に形成した場合も、一方の弾性変位部のみ(例えば弾性変位部226aのみ)を設け、他方の弾性変位部(例えば弾性変位部226b)を設けないことが可能である。
続いて、ウエイト220を、回転体103から取り外す際の操作について説明する。ウエイト220を取り外す際には、例えば、作業者が工具(マイナスドライバの先端部など)を、ウエイト220と、溝部212の底面218との間に差し込む(こじ入れる)。そして、工具を梃として動かし、工具の先端部によりウエイト220を持ち上げ、回転体103から分離する。その後は、作業者が、ウエイト220を、例えば手指で摘み上げる。
この操作を容易に行えるようにするため、図8(a)、(b)に示すように、底面218に取り外し用の溝(以下では「取り外し溝」と称する)240を形成することが可能である。取り外し溝240を設けておくことにより、ウエイト220の背後への工具の差し込みが容易になる。
また、図9(a)、(b)に示すように、ウエイト242に、取り外し溝244を設けてもよい。この場合も、ウエイト242と底面218との間への工具の差し込みが容易になる。取り外し溝244は、ウエイト242の幅方向(矢印C方向)における両端に形成されており、側端面224a、224bで開口している。図9(a)、(b)に示すウエイト242は、取り外し溝244を有すること以外は、図5(a)、(b)に示すウエイト220と同様の形状や構造を有している。
本実施形態では、ウエイト220は3枚使用されている。3枚のウエイト220の配置は、例えば120°毎の配置(0°、120°、240°)を基準とし、バランスを確認しながら、0°、100°、260°の配置に変更する、といったことが行われる。このように、複数のウエイト220の間隔を異なるように配置して、グラム単位でのバランスの修正を行うことが可能である。
以上説明したように、第1実施形態のターボ分子ポンプ100によれば、ウエイト220(又は、図9(a)、(b)に示すウエイト242、以下では両方を合わせて「ウエイト220等」と称する場合がある)を装着してウエイトバランスの修正が行われるため、例えば、前掲の特許文献1に記載された方法とは異なり、バランス修正作業のやり直しが可能である。また、ウエイト220等は着脱が自在であるため、取り付け作業のやり直しも可能である。さらに、ウエイト220等は、回転体103の溝部212に嵌め込むだけで装着でき、汎用の工具(マイナスドライバなど)により取り外せることから、着脱が容易である。
また、ウエイト220等の装着を、弾性変位部226a、226bを介して行っていることから、接着剤を用いずに、回転体103とウエイト220等の結合力を確保できる。このため、例えば、前掲の特許文献2に記載されているような、接着剤等が、プロセスガスに接して腐食するといったことや、高温に長期間晒されて劣化するといったことがない。この結果、ウエイト220等の固定を、長期に亘り安定して行うことができ、ターボ分子ポンプ100が長期安定性に優れる。
昨今は、回転体103の大型化することや、回転体103の材質をアルミ合金からステンレス合金に変更することなどが行われている。本実施形態の回転体も、アルミ合金からステンレス合金により形成することが可能である。特に、ステンレス合金を採用した場合には、アルミ合金に比べて、高温環境での使用が可能となる。このため、接着剤等を使用せずにウエイトバランスの修正を行えることは有効である。
また、ウエイト220等の材質をステンレス合金とすることで、接着剤等をウエイトとして用いた場合に比べて、ウエイト220の比重を大とすることができる。このため、バランス修正の効果が大となり、小さなウエイト220等により効率よくバランス修正を行うことが可能となる。
なお、接着剤の使用が可能な場合には、例えば、図10に示すように、ウエイト220と底面218との間の隙間216に接着剤250を充填してもよい。また、図示は省略するが、弾性変位部226a、226bと壁部213、214との間に接着剤250を塗布してもよい。これらのようにすることで、ウエイト220と回転体103との結合強度を高めることができる。弾性変位部226a、226bの弾性復元力のみでは結合強度が不足するような場合には、接着剤を併用することとで、結合強度を補うことができる。
また、図示は省略するが、ウエイト220の板面を、溝部212の底面218に沿うように曲面に加工し、ウエイト220と底面218との間の隙間216が生じないようにしてもよい。ただし、ウエイト220を薄板状とした場合には、打ち抜き加工やエッチング加工により弾性変位部226a、226bを形成できるため、曲面を形成するよりも、加工の工程が少ない。
また、図9(a)、(b)に示すように、取り外し溝244を有するウエイト242の場合には、取り外し溝244が埋まらないように、接着剤の塗布を行うことで、取り外し溝244が接着剤により無効化されてしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、ウエイト220等の装着により重量バランスの修正を行っていることから、例えば、前掲の特許文献2に記載されたような、重量バランスの修正のためのネジ穴や切削加工部を設ける必要がない。このため、応力集中が生じるような箇所を増やすことなく重量バランスの修正を行うことができ、応力集中が発生した箇所を起点とする変形等のリスクを低減できる。
また、薄板状のウエイト220により重量バランスの修正を行っていることから、例えば、前掲の先行特許文献3に開示されたような、容器状のウエイトを用いた場合に比べて、小さなスペースでバランス修正を行うことができる。また、ウエイト220の材質をステンレス合金とした場合には、比重が大であることから、より小さなスペースでバランス修正の効果を発揮することが可能である。
また、ウエイト220等の厚みt2が、回転体103の内周面211と、ステータコラム122との間の隙間210の大きさt3よりも大きいため(t2>t3)、例えば、組み立て作業時などに、ウエイト220が回転体103から脱落しても、ウエイト220が隙間210に入り込み排気口133からターボ分子ポンプ100の外に流出してしまうといったことがない。
そして、これらのことから、回転体103に対する着脱が容易で、確実に固定できる形状のウエイト220を実現することが可能となる。さらに、バランス修正の作業性や、製品の信頼性が向上し、故障し難いターボ分子ポンプ100を低価格で提供できるようになる。
なお、回転体103の溝部212を、図11(a)に示すように、入口の幅(回転体103の軸方向の開口幅)が奥の幅よりも狭い形状(入口の幅よりも奥の幅が広いテーパ形状)のアリ溝としてもよい。溝部212をアリ溝とした場合には、溝部212に面した壁部253、254が、回転体103の半径方向に対して傾斜する。
さらに、溝部212をアリ溝とした場合に、ウエイト220の弾性変位部226a、226bにおける端面255a、255bの形状を、図11(b)に示すように、壁部253、254の傾斜に合うよう傾斜させてもよい。図11(b)のようにすることで、弾性変位部226a、226bと、壁部253、254との接触面積を大とすることが可能となる。
なお、第1実施形態では、3枚のウエイト220を用いてバランス調整が行われるが、ウエイト220の重量を異ならせてもよい。この場合は、例えば、ウエイト220の他に、変位許容穴222a、222bの長さや幅、形状、及び/又は、これらの組み合わせが異なるウエイトを用いることが可能である。また、後述する第2実施形態~第6実施形態のウエイト(ウエイト242、260、270、280、290、300)を、第1実施形態のウエイト220と組み合わせて用いることも可能である。異なる重量のウエイトを組み合わせて用いることで、より緻密にバランス調整を行うことが可能となる。
<ウエイトに係る他の実施形態>
ウエイト(例えばウエイト220)に設けられた変位許容穴(例えば変位許容穴222a、222b)や、弾性変位部(例えば弾性変位部226a、226b)の形状は、第1実施形態の形状に限定されず、種々に変更することが可能である。以下に、変位許容穴の形状を変更した他の実施形態について説明する。第1実施形態と同様の部分については適宜説明を省略する。
ウエイト(例えばウエイト220)に設けられた変位許容穴(例えば変位許容穴222a、222b)や、弾性変位部(例えば弾性変位部226a、226b)の形状は、第1実施形態の形状に限定されず、種々に変更することが可能である。以下に、変位許容穴の形状を変更した他の実施形態について説明する。第1実施形態と同様の部分については適宜説明を省略する。
<<第2実施形態>>
図12(a)は、第2実施形態のウエイト260を示している。第2実施形態のウエイト260においては、1つの弾性変位部262a(及び、弾性変位部262b)が、2つの変位許容穴263a、264a(及び、変位許容穴263b、264b)を空けることにより形成されている。変位許容穴263a、264a(及び、263b、264b)の一端は、互いに逆向きに開放されている。
図12(a)は、第2実施形態のウエイト260を示している。第2実施形態のウエイト260においては、1つの弾性変位部262a(及び、弾性変位部262b)が、2つの変位許容穴263a、264a(及び、変位許容穴263b、264b)を空けることにより形成されている。変位許容穴263a、264a(及び、263b、264b)の一端は、互いに逆向きに開放されている。
弾性変位部262a(及び、弾性変位部262b)は、U字状に屈曲しており、2箇所の支持部265a、266a(及び、支持部265b、266b)を有している。弾性変位部262a(又は262b)の形状は、ウエイト260のウエイト本体部267と合わせて、S字状と捉えることも可能である。
弾性変位部262a(及び、弾性変位部262b)は、2箇所の支持部265a、266a(及び、支持部265b、266b)を中心として弾性変位することが可能である。このため、ばねを直列に配置したのと同様の構造を実現でき、弾性変位部226a、226bが柔軟になる。そして、弾性変位部262a、262bを、小さい力で大きく変位させることが可能となる。
支持部265a、266a(及び、支持部265b、266b)は屈曲した部分であることから、「屈曲部」と称することも可能である。また、弾性変位部262a、262bの中間部分(先端寄りの部分)に設けられた支持部265a、265bのみを「屈曲部」と称することも可能である。
このように、弾性変位部262a、262bを屈曲させて、弾性変位部262a、262bの長さを大とすることには、以下のような利点がある。例えば、第1実施形態に係る弾性変位部226a、226b(図5(b))を長く形成することにより、弾性変位部226a、226bが柔軟になり、弾性変位部226a、226bを、より小さい力で大きく変位させることができるようになる。
しかし、弾性変位部226a、226bを長くすることにより、例えば図6に二点鎖線で示すように、ウエイト220も大型化する。図6においては、第1実施形態におけるサイズのウエイト220が実線で示され、大型化されたウエイト220が仮想線(二点鎖線)により示されている。
しかし、ウエイト220を、幅方向(図5(b)の矢印C方向)に過度に大型化した場合には、回転体103の溝部212及び底面218が曲率を持って湾曲した形状に形成されていることから、図6に示すように、ウエイト220(二点鎖線)が、回転体103の内周面211から突出する。このため、ウエイト220を、回転体103の周方向に過度に大型化することは望ましくない。
そこで、第2実施形態のウエイト260のように、弾性変位部262a、262bを屈曲させて、弾性変位部262a、262bの長さを大とすることで、過度な大型化を伴うことなく、弾性変位部262a、262bの柔軟性を高めることが可能となる。
なお、第2実施形態に係る弾性変位部262a、262bも、一方のみ設けるようにしてもよい。また、図示は省略するが、弾性変位部262a、262bの少なくとも一方の形状を、長手方向(矢印Bで示す方向)に広がった突出形状としてもよい。
<<第3実施形態>>
続いて、図12(b)は、第3実施形態のウエイト270を示している。第3実施形態のウエイト270においては、変位許容穴274a、274bがL字状に形成されており、弾性変位部272a、272bもL字型である。変位許容穴274a、274b及び弾性変位部272a、272bは、ウエイト270の短手方向(矢印C)と長手方向(矢印B)の両方に沿って延びている。なお、図12(b)に符号277で示すのは、ウエイト本体部である。
続いて、図12(b)は、第3実施形態のウエイト270を示している。第3実施形態のウエイト270においては、変位許容穴274a、274bがL字状に形成されており、弾性変位部272a、272bもL字型である。変位許容穴274a、274b及び弾性変位部272a、272bは、ウエイト270の短手方向(矢印C)と長手方向(矢印B)の両方に沿って延びている。なお、図12(b)に符号277で示すのは、ウエイト本体部である。
第3実施形態のウエイト270においても、1つの弾性変位部272a(及び、弾性変位部272b)が、2箇所の支持部275a、276a(及び、支持部275b、276b)を有している。支持部275a、276aは、屈曲部を構成している。また、変位許容穴274a、274bは、それぞれ屈曲点278a、278bを有している。このため、第2実施形態のウエイト260と同様に、弾性変位部272a、272bを、小さい力で大きく変位させることが可能となる。
なお、第3実施形態に係る弾性変位部272a、272bも、一方のみ設けるようにしてもよい。また、図示は省略するが、弾性変位部272a、272bの少なくとも一方の形状を、長手方向(矢印Bで示す方向)に広がった突出形状としてもよい。
<<第4実施形態>>
続いて、図13(a)は、第4実施形態のウエイト280を示している。第4実施形態のウエイト280においては、変位許容穴284の両端が閉じている。弾性変位部282の両端が、ウエイト本体部286に繋がっており、弾性変位部282の両端が支持部288となっている。そして、弾性変位部282は、並列に配置された支持部288により支持されている。
続いて、図13(a)は、第4実施形態のウエイト280を示している。第4実施形態のウエイト280においては、変位許容穴284の両端が閉じている。弾性変位部282の両端が、ウエイト本体部286に繋がっており、弾性変位部282の両端が支持部288となっている。そして、弾性変位部282は、並列に配置された支持部288により支持されている。
弾性変位部282及び変位許容穴284は、何れも円弧状に形成されている。さらに、弾性変位部282は、ウエイト280の長手方向(矢印B)の一方に突な突出形状に形成されている。弾性変位部282における幅方向(矢印C方向)の中央部は、屈曲点289Aを構成している。また、変位許容穴284の中央部は、屈曲点289Bを構成している。そして、ウエイト280は、長さ方向に延びる中心線Gを中心として線対称な形状に形成されている。
第4実施形態のウエイト280によれば、溝部212(図5(a)、(b)を援用する)に嵌め込まれた際には、弾性変位部282が、ウエイト本体部286の側に押され、変位許容穴284の範囲内で弾性変位する。弾性変位部282は、二点鎖線で示すように、幅方向に(矢印C方向)に平行な状態に変位し、壁部213(図5(a)、(b)を援用する)に、弾性復元力を作用させながら接する。
第4実施形態のウエイト280における変位許容穴284は、第1実施形態~第3実施形態と異なり、閉じた穴である。第1実施形態の変位許容穴222a、222b(図5(b))や、第2実施形態の変位許容穴263a、264a、263b、264b(図12(a))、及び、第3実施形態の変位許容穴274a、274b(図12(b))の方が、柔軟性は得易い。しかし、第4実施形態のように変位許容穴(変位許容穴284)が閉じていても、十分な柔軟性が得られる場合には、必ずしも開放した変位許容穴を採用する必要はない。
図13(a)の例では、弾性変位部282及び変位許容穴284の組が1つのみ形成されているが、弾性変位部282及び変位許容穴284の組を、ウエイト280における長さ方向の両側に設けてもよい。また、弾性変位部282及び変位許容穴284の組を3つ以上設けることも可能である。
<<第5実施形態>>
続いて、図13(b)は、第5実施形態のウエイト290を示している。第5実施形態のウエイト290においては、長円状の弾性変位部292が設けられている。弾性変位部292は、細首状の支持部296により支持されている。弾性変位部292の内側には、円弧状の変位許容穴294が形成されており、弾性変位部292の幅方向(ウエイト290の幅方向(矢印B方向)に一致する)における両端の部位も、支持部298となっている。
続いて、図13(b)は、第5実施形態のウエイト290を示している。第5実施形態のウエイト290においては、長円状の弾性変位部292が設けられている。弾性変位部292は、細首状の支持部296により支持されている。弾性変位部292の内側には、円弧状の変位許容穴294が形成されており、弾性変位部292の幅方向(ウエイト290の幅方向(矢印B方向)に一致する)における両端の部位も、支持部298となっている。
弾性変位部292は、第4実施形態の弾性変位部282と同様に、ウエイト290の長手方向(矢印B方向)の一方に突な突出形状に形成されている。弾性変位部292における幅方向(矢印C方向)の中央部は、屈曲点297a、297bを構成している。また、変位許容穴294の中央部は、屈曲点299を構成している。そして、ウエイト290は、中心線Gを中心として線対称な形状に形成されている。
ここで、細首状の支持部296を、例えば「中央支持部」と称し、弾性変位部292における両端の支持部298を、例えば「両端支持部」と称して、両者を区別することが可能である。なお、図13(b)に符号299で示すのは、ウエイト本体部である。
また、図13(b)の例では、弾性変位部292及び変位許容穴294の組が1つのみ形成されているが、弾性変位部292及び変位許容穴294の組を、ウエイト290における長手方向(矢印B方向)の両側に設けてもよい。
<<第6実施形態>>
続いて、図13(c)は、第6実施形態のウエイト300を示している。第6実施形態のウエイト300においては、両端を閉じた変位許容穴304が、U字状(又は、片仮名のコの字状ともいう)に形成されている。弾性変位部302も、U字状(又は片仮名のコの字状ともいう)に形成されている。さらに、ウエイト300には、弾性変位部302の中間部分に位置する2箇所の支持部(「中間支持部」ともいう)306と、基端部に位置する2箇所の支持部(「基端支持部」ともいう)308が形成されている。
続いて、図13(c)は、第6実施形態のウエイト300を示している。第6実施形態のウエイト300においては、両端を閉じた変位許容穴304が、U字状(又は、片仮名のコの字状ともいう)に形成されている。弾性変位部302も、U字状(又は片仮名のコの字状ともいう)に形成されている。さらに、ウエイト300には、弾性変位部302の中間部分に位置する2箇所の支持部(「中間支持部」ともいう)306と、基端部に位置する2箇所の支持部(「基端支持部」ともいう)308が形成されている。
弾性変位部302は、第4実施形態の弾性変位部282及び第5実施形態の弾性変位部292と同様に、ウエイト300の長さ方向に突な突出形状に形成されている。弾性変位部302における幅方向(矢印C方向)の中央部は、屈曲点307を構成している。また、変位許容穴304には、3箇所の屈曲点308a~308cが形成されている。そして、ウエイト300は、中心線Gを中心として線対称な形状に形成されている。なお、図13(c)に符号309で示すのは、ウエイト本体部である。
図13(c)の例では、弾性変位部302及び変位許容穴304の組が1つのみ形成されているが、弾性変位部302及び変位許容穴304の組を、ウエイト300における長手方向(矢印B方向)の両側に設けてもよい。
<各実施形態から抽出可能な発明>
以上説明したように、本出願に係る真空ポンプ(ターボ分子ポンプ100など)は、以下のような特徴を有している。
(1)本出願に係る真空ポンプは、
外装体(本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)など)と、
前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転体(回転体103など)と、
前記回転体の駆動機構(モータ121など)と、を備えた真空ポンプであって、
前記回転体の内周面(内周面211など)に配設された凹部(溝部212など)に、板状のバランス修正部材(ウエイト220、242、260、270、280、290、300など)が設置されたことを特徴とする。
(2)上記(1)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記バランス修正部材は、
少なくとも一部にバネ構造部(弾性変位部226a、226b、262a、262b、272a、272b、282、292、302など)を有し、前記凹部に挟持されることを特徴とする。
(3)上記(2)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記バネ構造部は、
前記バランス修正部材に設けられ、一端が開放された穴(第1実施形態~第3実施形態に係る変位許容穴222a、222b、263a、263b、264a、264b、274a、274bなど)で構成されたことを特徴とする。
(4)上記(3)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記穴は、少なくとも1つの屈曲点(第3実施形態~第6実施形態に係る屈曲点278a、278b、289B、299、308a~308cなど)を有することを特徴とする。
(5)上記(2)から(4)のいずれか一つに係る真空ポンプの一実施形態は、
前記凹部がアリ溝(第1実施形態の変形例に係る図11(a)、(b)の溝部212や、当該変形例を第2実施形態~第6実施形態に適用した場合の溝部212など)であることを特徴とする。
(6)上記(2)から(4)のいずれか一つに係る真空ポンプの一実施形態は、
前記バネ構造部は、
前記バランス修正部材の中心に対し、点対称(第1実施形態~第3実施形態の中心点Dを中心とする点対称)の構造を有することを特徴とする。
(7)上記(6)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記凹部がアリ溝(第1実施形態の変形例に係る図11(a)、(b)の溝部212や、当該変形例を第2実施形態、及び、第3実施形態に適用した場合の溝部212など)であることを特徴とする。
(8)本出願に係る真空ポンプ用回転体は、
外装体(本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)など)に内包されて回転自在に支持され、駆動機構(モータ121など)により駆動される真空ポンプ用回転体(回転体103など)であって、
板状のバランス修正部材(ウエイト220、242、260、270、280、290、300など)が設置される凹部(溝部212など)が内周面(内周面211など)に配設されたことを特徴とする。
(9)本出願に係る真空ポンプ用バランス修正部材は、
外装体(本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)など)に内包されて回転自在に支持され、駆動機構(モータ121など)により駆動される真空ポンプ用回転体(回転体103など)に装着される真空ポンプ用バランス修正部材(ウエイト220、242、260、270、280、290、300など)であって、
板状に形成され、
前記真空ポンプ用回転体の内周面(内周面211など)に配設された凹部(溝部212など)に配置されることを特徴とする。
以上説明したように、本出願に係る真空ポンプ(ターボ分子ポンプ100など)は、以下のような特徴を有している。
(1)本出願に係る真空ポンプは、
外装体(本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)など)と、
前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転体(回転体103など)と、
前記回転体の駆動機構(モータ121など)と、を備えた真空ポンプであって、
前記回転体の内周面(内周面211など)に配設された凹部(溝部212など)に、板状のバランス修正部材(ウエイト220、242、260、270、280、290、300など)が設置されたことを特徴とする。
(2)上記(1)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記バランス修正部材は、
少なくとも一部にバネ構造部(弾性変位部226a、226b、262a、262b、272a、272b、282、292、302など)を有し、前記凹部に挟持されることを特徴とする。
(3)上記(2)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記バネ構造部は、
前記バランス修正部材に設けられ、一端が開放された穴(第1実施形態~第3実施形態に係る変位許容穴222a、222b、263a、263b、264a、264b、274a、274bなど)で構成されたことを特徴とする。
(4)上記(3)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記穴は、少なくとも1つの屈曲点(第3実施形態~第6実施形態に係る屈曲点278a、278b、289B、299、308a~308cなど)を有することを特徴とする。
(5)上記(2)から(4)のいずれか一つに係る真空ポンプの一実施形態は、
前記凹部がアリ溝(第1実施形態の変形例に係る図11(a)、(b)の溝部212や、当該変形例を第2実施形態~第6実施形態に適用した場合の溝部212など)であることを特徴とする。
(6)上記(2)から(4)のいずれか一つに係る真空ポンプの一実施形態は、
前記バネ構造部は、
前記バランス修正部材の中心に対し、点対称(第1実施形態~第3実施形態の中心点Dを中心とする点対称)の構造を有することを特徴とする。
(7)上記(6)に係る真空ポンプの一実施形態は、
前記凹部がアリ溝(第1実施形態の変形例に係る図11(a)、(b)の溝部212や、当該変形例を第2実施形態、及び、第3実施形態に適用した場合の溝部212など)であることを特徴とする。
(8)本出願に係る真空ポンプ用回転体は、
外装体(本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)など)に内包されて回転自在に支持され、駆動機構(モータ121など)により駆動される真空ポンプ用回転体(回転体103など)であって、
板状のバランス修正部材(ウエイト220、242、260、270、280、290、300など)が設置される凹部(溝部212など)が内周面(内周面211など)に配設されたことを特徴とする。
(9)本出願に係る真空ポンプ用バランス修正部材は、
外装体(本体ケーシング(外筒127とベース部129の組み合わせ)など)に内包されて回転自在に支持され、駆動機構(モータ121など)により駆動される真空ポンプ用回転体(回転体103など)に装着される真空ポンプ用バランス修正部材(ウエイト220、242、260、270、280、290、300など)であって、
板状に形成され、
前記真空ポンプ用回転体の内周面(内周面211など)に配設された凹部(溝部212など)に配置されることを特徴とする。
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々に変形や各実施形態の組合せをすることが可能である。
100 :ターボ分子ポンプ
103 :回転体
113 :ロータ軸
121 :モータ
210 :隙間
211 :内周面
212 :溝部
213、253:壁部
214、254:壁部
216 :隙間
218 :底面
220、242、260、270、280、290、300:ウエイト
222a、222b、263a、263b、264a、264b、274a、274b、284、294、304:変位許容穴
224a、224b:側端面
226a、226b、262a、262b、272a、272b、282、292、302:弾性変位部
227、267、277、286、299、309:ウエイト本体部
230a、230b、232a、232b、265a、265b、266a、266b、275a、275b、276a、276b、288、296、298:支持部
240 :取り外し溝
244 :取り外し溝
250 :接着剤
255a、255b:端面
278a、278b、289B、299、308a~308c:屈曲点
103 :回転体
113 :ロータ軸
121 :モータ
210 :隙間
211 :内周面
212 :溝部
213、253:壁部
214、254:壁部
216 :隙間
218 :底面
220、242、260、270、280、290、300:ウエイト
222a、222b、263a、263b、264a、264b、274a、274b、284、294、304:変位許容穴
224a、224b:側端面
226a、226b、262a、262b、272a、272b、282、292、302:弾性変位部
227、267、277、286、299、309:ウエイト本体部
230a、230b、232a、232b、265a、265b、266a、266b、275a、275b、276a、276b、288、296、298:支持部
240 :取り外し溝
244 :取り外し溝
250 :接着剤
255a、255b:端面
278a、278b、289B、299、308a~308c:屈曲点
Claims (9)
- 外装体と、
前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転体と、
前記回転体の駆動機構と、を備えた真空ポンプであって、
前記回転体の内周面に配設された凹部に、板状のバランス修正部材が設置されたことを特徴とする真空ポンプ。 - 前記バランス修正部材は、
少なくとも一部にバネ構造部を有し、前記凹部に挟持されることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 - 前記バネ構造部は、
前記バランス修正部材に設けられ、一端が開放された穴で構成されたことを特徴とする請求項2に記載の真空ポンプ。 - 前記穴は、少なくとも1つの屈曲点を有することを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
- 前記凹部がアリ溝であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
- 前記バネ構造部は、
前記バランス修正部材の中心に対し、点対称の構造を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の真空ポンプ。 - 前記凹部がアリ溝であることを特徴とする請求項6に記載の真空ポンプ。
- 外装体に内包されて回転自在に支持され、駆動機構により駆動される真空ポンプ用回転体であって、
板状のバランス修正部材が設置される凹部が内周面に配設されたことを特徴とする真空ポンプ用回転体。 - 外装体に内包されて回転自在に支持され、駆動機構により駆動される真空ポンプ用回転体に装着される真空ポンプ用バランス修正部材であって、
板状に形成され、
前記真空ポンプ用回転体の内周面に配設された凹部に配置される真空ポンプ用バランス修正部材。
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