JP2023151986A - ハイドロタルサイト化合物及びそれを用いたフッ素徐放剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】液相中の揮発性硫黄化合物を良好に吸着することができつつ、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができる材料を提供する。【解決手段】2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオンと、フッ素イオンを含むアニオンと、を含有する、ハイドロタルサイト化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、ハイドロタルサイト化合物及びそれを用いたフッ素徐放剤に関する。
口腔内細菌が歯に堆積することで歯垢(デンタルプラーク)が形成されると、細菌が歯肉を炎症させ、歯と歯肉の間の上皮付着を破壊することで、歯周ポケットが発生し、ポケット底部に歯周病原性グラム陰性嫌気性菌が存在するようになり、口腔内の含硫アミノ酸であるメチオニン、システイン等が分解され、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド等の揮発性硫黄化合物(VSC:Volatile Sulfer Compounds)が発生する。揮発性硫黄化合物(VSC)には強い忌避感があり、口臭の指標物質となっている。また、揮発性硫黄化合物(VSC)濃度が高くなると、歯肉組織の破壊、歯周病の悪化、虫歯の再発、虫歯治療に用いる補綴材の黒化等が発生する。
このため、口腔内の揮発性硫黄化合物(VSC)濃度を減少させ,歯周ポケットが改善されることが口臭改善に有効であるが、揮発性硫黄化合物(VSC)を吸着及び除去できる材料は市販品には見当たらない。このため、揮発性硫黄化合物(VSC)を吸着し消臭する要望は高い。例えば、特許文献1では、硫酸ヒドロキシルアミンと有機ヒドラジド化合物と、酸化亜鉛とスメクタイトの混合物にハイドロタルサイトを含有させたものが硫化水素に対する吸着性(消臭性)を有するという報告がされている。
ところで、ハイドロタルサイト化合物は、アニオン交換機能を有する層状複水酸化物であり、例えば、
[M 2+ 1-x 3+ (OH)][(An-x/n・mHO]
[式中、Mは2価金属を示す。Mは3価金属を示す。0<x<1を示す。An-はアニオンを示す。nは1又は2を示す。mは1以上の整数を示す。]
で表される組成を有する。
例えば、Mとして亜鉛を採用したハイドロタルサイト化合物は、さまざまな局面で吸着剤として利用されている。
口臭除去剤として、液相中の揮発性硫黄化合物(VSC)をハイドロタルサイトに吸着させるという報告もある(例えば、特許文献2参照)。ここでは、M 2+としてMgが選ばれた例が開示されている。
特許文献1を参照すると、硫化水素等の揮発性硫黄化合物は、吸着剤(結果として消臭剤ともいえる。)の需要があるが、吸着性の高いものは得られていないという現状がある。
一方、特許文献2では、水中の揮発性硫黄化合物をよく吸着するハイドロタルサイトが紹介されている。しかし、これはハイドロタルサイトを合成した後、さらに加熱したハイドロタルサイト[Mg2+ 1-xAl3+ (OH)][(CO 2-x/2]である。この場合、水中の揮発性硫黄化合物を吸着させるには、層構造を解消させるために500℃という高温での熱処理も必要であった。
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][(CO 2-x/2・mHO]
[Mg2+ 1-xFe3+ (OH)][(CO 2-x/2・mHO]
[Mg2+ 1-xFe3+ (OH)][Cl x/2・mHO]
を有するハイドロタルサイト化合物が、熱処理を行うことなく、液相中の揮発性硫黄化合物を吸着することができることが報告されており、マウスガード等への適用が検討されている。
ところで、現在、フッ素は予防歯科先進国では当たり前のように使われ、虫歯予防にとって欠かせない重要なものになっている。2017年、規制緩和により、フッ素の規制含有量は1500ppmとなった。フッ素は、初期虫歯を治す、虫歯菌の活動を抑える、酸の生産を抑制する、歯質強化につながる等、虫歯を予防する4つのメカニズムがある。現在フッ素は、歯磨剤に添加されるのみならず、洗口剤やガムにも添加されている。また歯科医院で塗装されている等幅広く利用されている。フッ素配合歯磨剤のマーケットシェアは90%を超えており、ほとんどの歯磨剤にフッ素が配合されている。その配合量は、500~1500ppmであり、1回分の歯磨剤使用量は1~1.5gとされている。フッ素含有洗口剤であるコンクール ジェルコートF(ウェルテック)の場合、フッ素は950ppmである。
特開2011-030967号公報 国際公開第2012/150459号 特開2015-193000号公報
上記特許文献3によれば、熱処理を行うことなく、液相中の揮発性硫黄化合物を良好に吸着することができる。材料選択の幅が狭く、各種要求特性に応じて、様々な元素の揮発性硫黄化合物が求められていた。
また、上記のように、フッ素を歯磨剤に添加したり塗装したりする等の方法では、その効果は一時的なもののみにとどまるが、フッ素を徐放する物質を歯磨剤に添加したり塗装したりすることができれば、長期間にわたってフッ素が口腔内に存在し、その効果を長期間にわたって発揮することも期待される。
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、液相中の揮発性硫黄化合物を良好に吸着することができつつ、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができる材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオンと、フッ素イオンを含むアニオンとを含有するハイドロタルサイト化合物によれば、上記課題を解決し、液相中の揮発性硫黄化合物を良好に吸着することができつつ、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができることを見出した。本発明者は、以上の知見をもとにさらに研究を重ね、本発明を完成した。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオンと、
フッ素イオンを含むアニオンと、
を含有する、ハイドロタルサイト化合物。
項2.フーリエ変換赤外分光スペクトルにおいて、1120~1280cm-1に少なくとも1つのピークを有する、項1に記載のハイドロタルサイト化合物。
項3.前記ハイドロタルサイト化合物が、一般式(1):
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][{(F(An-1-yx/{y+n(1-y)}・mHO] (1)
[式中、0<x<1を示す。0<y≦1を示す。An-はフッ素イオン以外のアニオンを示す。nは1又は2を示す。mは1以上の整数を示す。]
で表される組成を有する、項1又は2に記載のハイドロタルサイト化合物。
項4.項1~3のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物を含有する、フッ素徐放剤。
項5.液相中の揮発性硫黄化合物を吸着しつつ、フッ素を徐放する、項4に記載のフッ素徐放剤。
項6.項4又は5に記載のフッ素徐放剤を含有する、口臭除去剤。
項7.項1~3のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物、又は項4若しくは5に記載のフッ素徐放剤の製造方法であって、
(A1)2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにアニオンを含有するハイドロタルサイト化合物を380℃以下で熱処理する工程、及び
(A2)前記工程(A1)で得られた熱処理物と、フッ化物塩とを混合する工程
を備える、製造方法。
項8.項1~3のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物、又は項4若しくは5に記載のフッ素徐放剤の製造方法であって、
(B1)2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにフッ素イオン以外の1価アニオンを含有し、熱処理されていないハイドロタルサイト化合物と、フッ化物塩とを混合する工程
を備える、製造方法。
項9.前記混合を液相中で行う、項7又は8に記載の製造方法。
項10.フッ素を徐放させる方法であって、
液相中で、液相中の揮発性硫黄化合物と、項1~3のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物、又は項4若しくは5に記載のフッ素徐放剤とを接触させ、液相中の揮発性硫黄化合物を吸着させつつ、前記ハイドロタルサイト化合物又はフッ素徐放剤中のフッ素を徐放させる工程
を備える、方法。
項11.前記接触工程が、0~50℃で行われる、項10に記載の方法。
本発明によれば、液相中の揮発性硫黄化合物を良好に吸着することができつつ、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができる材料を提供することができる。
比較例1の生成物Aの粉末X線回折図形である。(a)生成物A、(b)Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO:亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(ICDD♯48-1025)。 比較例2の生成物Bの粉末X線回折図形である。(a)生成物B、(b)Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO:亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(ICDD♯48-1025)、(c)ZnO(ICDD♯05-0628)。 比較例3の生成物C、比較例4の生成物D及び実施例1の生成物Eの粉末X線回折図形である。(a)生成物C、(b)生成物D、(c)生成物E、(d)Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO:亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(ICDD♯48-1025)、(e)ZnO(ICDD♯05-0628)。 実施例2の生成物Fの粉末X線回折図形である。(a)生成物F、(b)Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO:亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(ICDD♯48-1025)、(c)ZnO(ICDD♯05-0628)。 比較例1の生成物Aのフーリエ変換赤外分光(FT-IR)スペクトルを示す。 比較例2の生成物Bのフーリエ変換赤外分光(FT-IR)スペクトルを示す。 実施例2の生成物Fのフーリエ変換赤外分光(FT-IR)スペクトルを示す。 試験例3において使用した硫化水素発生装置の模式図を示す。 試験例3において使用したねじ口付2口フラスコの模式図を示す。 試験例3における吸光度測定による硫化水素濃度に対する検量線を示す。 試験例3における実施例2の生成物Fを硫化水素水に投下した際の溶液中の硫化水素濃度の経時変化を示す。 試験例4における吸光度測定によるフッ化物濃度に対する検量線を示す。 試験例4におけるフッ化物濃度及び硫化物濃度の経時変化を示すグラフである。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
1.ハイドロタルサイト化合物
本発明のハイドロタルサイト化合物は、2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオンと、フッ素イオンを含むアニオンと、を含有する。
ハイドロタルサイト化合物は、層間のアニオン交換によりインターカレーションを生じる。アニオン交換とは,例えば、アニオンを含む溶液にハイドロタルサイト化合物を浸すことにより、ハイドロタルサイトナノ化合物自らが有するアニオンを放出し、溶液中のアニオンを自身へ取り込む現象である。また、ハイドロタルサイト化合物を加熱処理することによりアニオンを脱離させることができる。
代表的な揮発性硫黄化合物(VSC)である硫化水素は、
S ⇔ H + HS
HS ⇔ H + S2-
にしたがって解離する。
中性付近では、遊離HS及びHSがほとんどを占める。ハイドロタルサイト化合物は、HSは層間のアニオンとの交換により吸着し、遊離HSは層間水との交換により吸着する。
ハイドロタルサイト化合物への硫化物の吸着のメカニズムは解明されていないが、本発明者の先行研究から、ハイドロタルサイト化合物への硫化物の吸着量はハイドロタルサイト化合物のホスト層を構成する金属原子と硫化物の親和性に依存することが理解できる。また、亜鉛は硫黄と化合しやすい性質を持つ親銅元素と呼ばれる元素であり、硫化物との親和性が高い。
硫黄と結合しやすい金属として、亜鉛のほか、鉄、銅、モリブデン、水銀、鉛等が知られているが、口腔中での使用を想定すると使用できる金属元素は限られる。亜鉛を含むハイドロタルサイト化合物は白色であり、審美的にも望ましい。三価のカチオンとして、鉄及びクロムもあるが、口腔内使用のため、鉄及びアルミニウムに限定される。鉄は価数制御が難しく、着色するがアルミニウムは白色であり、体内に万一溶出しても99%以上体外に排出され、暫定耐容週間摂取量2mg/kg体重/週(JECFA)を満たす懸念はない。
また、本発明のハイドロタルサイト化合物は、アニオンとしてフッ素イオンを含有しており、上記のとおり、層間のアニオン交換によるインターカレーションによって液相中の揮発性硫黄化合物を吸着する際に、本発明のハイドロタルサイト化合物が有するフッ素イオンを徐々に放出する(徐放する)ことも可能である。
このため、本発明のハイドロタルサイ化合物は、一般式(1):
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][{(F(An-1-yx/{y+n(1-y)}・mHO] (1)
[式中、0<x<1を示す。0<y≦1を示す。An-はフッ素イオン以外のアニオンを示す。nは1又は2を示す。mは1以上の整数(例えば1~10の整数)を示す。]
で表される組成を有することが好ましい。
このハイドロタルサイト化合物は、Zn2+ 1-xAl3+ (OH)で表され正電荷を帯びた八面体層からなるホスト層と、正電荷を補償するアニオン(F及び必要に応じてその他のアニオン)と層間水とからなり{(F(An-1-yx/n・mHOで表されるゲスト層と、が交互に積層したハイドロタルサイト構造を有していることが好ましい。
このハイドロタルサイト化合物においては、アルミニウムイオンに対する亜鉛イオンのモル比(亜鉛イオン/アルミニウムイオン)は、揮発性硫黄化合物(VSC)吸着速度、揮発性硫黄化合物(VSC)吸着性能、フッ素徐放性能等の観点から、0.7~4.0が好ましく、1.8~3.0がより好ましい。つまり、一般式(1)におけるxは0.20~0.60が好ましく、0.25~0.35がより好ましい。
このハイドロタルサイト化合物では、ゲスト層のアニオンは、フッ素を徐放するために、Fを含んでいる。ゲスト層のアニオンは、Fのみであってもよいし、Fと他のアニオンを含んでいてもよい。ゲスト層のアニオンが、Fと他のアニオンを含んでいる場合、他のアニオンは、どのようなアニオンでも採用できるが、例えば、CO 2-、NO 、SO 2-、PO 3-、B 4-等のオキソ酸イオン;Cl、Br、I等のフッ素イオン以外のハロゲンイオン等を採用することができる。他のアニオンとしては、特に、電子密度の高いアニオンが層間で安定であり、CO 2-は最も安定である。なお、本発明のハイドロタルサイト化合物が他のアニオンを含んでいる場合、後述の製造方法によれば、当該他のアニオンは、原料として使用するハイドロタルサイト化合物が有するアニオンに由来するものであるため、本発明のハイドロタルサイト化合物は、原料として使用するハイドロタルサイト化合物が有するアニオンを含むことができる。
このハイドロタルサイト化合物においては、フッ素イオンに対するフッ素イオン以外のアニオンのモル比(フッ素イオン/フッ素イオン以外のアニオン)は、揮発性硫黄化合物(VSC)吸着速度、揮発性硫黄化合物(VSC)吸着性能、フッ素徐放性能等の観点から、0.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。なお、フッ素イオンに対するフッ素イオン以外のアニオンのモル比(フッ素イオン/フッ素イオン以外のアニオン)の上限値は特に制限はなく、フッ素イオン以外のアニオンを含まなくとも差し支えない。つまり、一般式(1)におけるyは0.33~1が好ましく、0.67~1がより好ましい。
なお、このハイドロタルサイト化合物は、例えば、原料としてCO 2-を有するハイドロタルサイト化合物を使用する場合は、一般式(1A):
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][{(F(CO 2-1-yx/(2-y)・mHO] (1A)
[式中、0<x<1を示す。0<y≦1を示す。mは1以上の整数(例えば1~10の整数)を示す。]
で表される組成を有することができる。
また、このハイドロタルサイト化合物は、例えば、原料としてClを有するハイドロタルサイト化合物を使用する場合は、一般式(1B):
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][{(F(Cl1-y・mHO] (1B)
[式中、0<x<1を示す。0<y≦1を示す。mは1以上の整数(例えば1~10の整数)を示す。]
で表される組成を有することができる。
一般式(1A)及び(1B)において、フッ素イオン以外のアニオンを含まない場合、つまり、yが1の場合は、ゲスト層は(Fx/n・mHOとすることができる。
以上のような本発明のハイドロタルサイト化合物は、フッ素イオンを有しているため、フーリエ変換赤外分光スペクトル(FT-IRスペクトル)において、1120~1280cm-1に少なくとも1つのピークを有することが好ましく、1150~1250cm-1に少なくとも1つのピークを有することがより好ましい。
(1-2)フッ素徐放剤及び口臭除去剤
本発明のハイドロタルサイト化合物は、500℃等の高温熱処理を施さなくてもよい。通常、ハイドロタルサイト化合物は、反応生成後に対して高温で熱処理をすることで、無水物となり、吸着能を発揮する。しかし、本発明のハイドロタルサイト化合物は、高温での熱処理を施さなくても、揮発性硫黄化合物(VSC)の吸収能を有する。このため、本発明のハイドロタルサイトナノ化合物は、反応生成物を加熱処理することなく、例えば、液相中の揮発性硫黄化合物と、本発明のハイドロタルサイト化合物とを、例えば0~80℃、好ましくは5~50℃で接触させることで、揮発性硫黄化合物(VSC)をすばやく且つ十分に吸着させることが可能であるとともに、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができる。このため、本発明のハイドロタルサイト化合物は、フッ素徐放剤として有用であり、この本発明のフッ素徐放剤は、揮発性硫黄化合物(VSC)をすばやく且つ十分に吸着させることが可能であるとともに、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができるものであるため、液相中の揮発性硫黄化合物吸着剤(なかでも、100℃以上(特に300~1000℃)等の高温での熱処理を施さないで使用する非加熱型液相内揮発性硫黄化合物吸着剤)としても有用である。
また、本発明のハイドロタルサイト化合物は、揮発性硫黄化合物(VSC)をすばやく且つ十分に吸着させることが可能であるとともに、フッ素を徐々に放出する(徐放する)ことができるため、口臭除去剤としても有用である。この場合、本発明の口臭除去剤は、錬歯磨剤、口腔咽頭薬等を含んでいてもよい。錬歯磨剤は、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の研磨剤と、ラウロイルサルコシソーダ、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等の発泡剤と、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール等の保湿剤、アルギン酸等の結合剤とともに、本発明のハイドロタルサイト化合物を含有することができる。
また、口腔咽頭薬は、セチルピリジニウム塩化物水和物、グリチルリチン酸ニカリウム、キキョウエキス等の成分が含まれている。本発明のハイドロタルサイト化合物は、これらの成分とともに口頭咽薬に含ませることができる。
2.ハイドロタルサイト化合物の製造方法
上記した本発明のハイドロタルサイト化合物は、特に制限されるわけではないが、例えば、
(A1)2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにアニオンを含有するハイドロタルサイト化合物を380℃以下で熱処理する工程、及び
(A2)前記工程(A1)で得られた熱処理物と、フッ化物塩とを混合する工程
を備える製造方法(製造方法A;再構築交換法)により得ることができる。
また、上記した本発明のハイドロタルサイト化合物は、特に制限されるわけではないが、例えば、
(B1)2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにフッ素イオン以外の1価アニオンを含有し、熱処理されていないハイドロタルサイト化合物と、フッ化物塩とを混合する工程
を備える製造方法(製造方法B;イオン交換法)によっても得ることができる。
ただし、単一相の本発明のハイドロタルサイト化合物が得られやすく、揮発性硫黄化合物(VSC)吸着速度、揮発性硫黄化合物(VSC)吸着性能、フッ素徐放性能等の観点からは、製造方法Aが好ましい。
製造方法Aを採用する場合、2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにアニオンを含有するハイドロタルサイト化合物は、ホスト層を構成するカチオンの種類が本発明のハイドロタルサイト化合物と同じものであり、また、ゲスト層を構成するアニオンの種類は特に制限はない。具体的には、アニオンとしては、例えば、CO 2-、NO 、SO 2-、PO 3-、B 4-等のオキソ酸イオン;F、Cl、Br、I等のハロゲンイオン等を採用することができる。つまり、原料として使用するハイドロタルサイト化合物が有するアニオンとして、フッ素イオンを採用することもできるし、フッ素イオン以外のアニオンを採用することもできる。本発明の製造方法では、アニオンとしてフッ素イオンを有するハイドロタルサイト化合物を製造するものであるため、元々フッ素イオンを含んでいるハイドロタルサイト化合物ではなく、フッ素イオン以外のアニオンを採用するハイドロタルサイト化合物を使用する場合に、特に有用な製造方法である。このような原料としての2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにアニオンを含有するハイドロタルサイト化合物は、公知の方法で製造することができ、また、市販品を採用することもできる。
このため、製造方法A(再構築交換法)において、原料としての2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにアニオンを含有するハイドロタルサイト化合物は、一般式(2):
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][(A n1-x/n・mHO] (2)
[式中、0<x<1を示す。A n1-はアニオンを示す。n1は1又は2を示す。mは1以上の整数(例えば1~10の整数)を示す。]
で表される組成を有することが好ましい。
一方、製造方法Bを採用する場合、2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにフッ素イオン以外の1価アニオンを含有するハイドロタルサイト化合物は、ホスト層を構成するカチオンの種類が本発明のハイドロタルサイト化合物と同じものであり、また、ゲスト層を構成するアニオンの種類は、フッ素イオン以外の1価アニオンであれば特に制限はない。具体的には、フッ素イオン以外の1価アニオンとしては、例えば、NO 等の1価オキソ酸イオン;Cl、Br、I等のフッ素イオン以外のハロゲンイオン等を採用することができる。このような原料としての2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにフッ素イオン以外の1価アニオンを含有するハイドロタルサイト化合物は、公知の方法で製造することができ、また、市販品を採用することもできる。
このため、製造方法Bにおいて、原料としての2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにフッ素イオン以外の1価アニオンを含有するハイドロタルサイト化合物は、一般式(3):
[Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][(A n2-x/n・mHO] (3)
[式中、0<x<1を示す。A n2-はフッ素イオン以外の1価アニオンを示す。n2は1又は2を示す。mは1以上の整数(例えば1~10の整数)を示す。]
で表される組成を有することが好ましい。
製造方法Aにおける工程(A1)では、上記した原料としてのハイドロタルサイト化合物を、380℃以下、好ましくは100~350℃、より好ましくは200~330℃で熱処理する。これにより、層間のアニオン及び水を除去することができ、後述の工程(A2)により、容易にイオン交換を行い、フッ素イオンをハイドロタルサイト化合物中に含ませることが可能となる。ただし、熱処理温度が380℃をこえると、ハイドロタルサイト化合物の構造を維持することができない。
製造方法Aにおける工程(A1)における熱処理においては、均一加熱とコストの観点から、昇温速度は、1~10℃/分が好ましく、2~5℃/分がより好ましい。
製造方法Aにおける工程(A1)における熱処理においては、十分に反応を完了させやすい観点から、熱処理時間)(最高到達温度での保持時間)は、38~380分が好ましく、76~190分がより好ましい。
製造方法Aにおける工程(A2)及び製造方法Bにおける工程(B1)において使用できるフッ化物塩としては、特に制限はなく、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム等のアルカリ金属フッ化物;フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等のアルカリ土類金属フッ化物塩;フッ化アンモニウム等が挙げられる。これらのフッ化物塩は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
製造方法Aにおける工程(A2)及び製造方法Bにおける工程(B1)におけるフッ化物塩の使用量は、特に制限されるわけではないが、本発明のハイドロタルサイト化合物を得られやすい観点から、原料としてのハイドロタルサイト化合物1モルに対して、1~20モルが好ましく、3~7モルがより好ましい。
製造方法Aにおける工程(A2)及び製造方法Bにおける工程(B1)において、混合は常法にしたがって行うことができる。例えば、液相中で攪拌することが簡便である。
液相中で攪拌する場合、例えば、原料としてのハイドロタルサイト化合物を、フッ化物塩の水溶液に添加することができる。
液相中で攪拌する場合、攪拌時間は、特に制限されるわけではないが、本発明のハイドロタルサイト化合物を得られやすい観点から、180~1440分間が好ましく、720~1440分間がより好ましい。
この後、必要に応じて、常法にしたがい、遠心分離、吸引ろ過、乾燥等を施し、固体の本発明のハイドロタルサイト化合物を得ることもできる。この後、必要に応じて、例えば、20~100℃、特に30~90℃で乾燥し、次いで、必要に怖じて、分級したり、解砕したりすること等により所定の粒度に調製したりすることもできる。また、スラリー状にしたり、バインダ等を添加し粒状にしたり、等各種形態に調製することができる。
以下、本発明について実施例の形式で詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の用途を何ら限定するものではない。
比較例1:炭酸型Zn-Al LDHの合成
炭酸型Zn-Al LDH([Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][CO 2- x/2・mHO](x=0.33)を、共沈法を用いて、以下の手順で合成した。
メスシリンダーで秤量した超純水(Milli-Q水)200mLを500mLビーカーに入れ、炭酸ナトリウム(特級,富士フイルム和光純薬(株))13.568gを、分析天秤(sefi IBA-200,アズワン(株))で精秤し、撹拌子とホットスターラー(REXIM RSH-10,アズワン(株))で、800rpmで撹拌して溶解させ、炭酸ナトリウム水溶液を調製した。また、300mLのビーカーにMilli-Q水67mLに15.865gの硝酸亜鉛六水和物(特級,富士フイルム和光純薬(株))を同様に撹拌して溶解させ、得られた混合液及びMilli-Q水100mLに水酸化ナトリウム(特級,富士フイルム和光純薬(株))4gを溶解させ、硝酸塩混合水溶液を調製した。ホットスターラーで50℃に保ち、4cmの撹拌子を用いて500rpmで撹拌しながら、得られた硝酸塩混合水溶液を5mLホールピペットで、得られた炭酸ナトリウム水溶液に10mm±0.5mm/minの速度で滴下した。炭酸ナトリウム水溶液は初期pHが7.8であったが、硝酸塩混合水溶液滴下により直ちに酸化されるため、pHメーターで溶液のpHが10.5±0.2になるように、水酸化ナトリウム水溶液を加えた。得られた水溶液を50℃で24時間及び500rpmで撹拌させ、得られた水溶液を吸引ろ過にて固液分離し、Milli-Q水で3回洗浄した。得られた生成物を80℃で24時間乾燥させた後、乳鉢で解砕し、生成物Aを得た。
なお、Milli-Q水は、超純水製造装置(Direct-Q,メルクミリポア(株))から採取して実験に供した。以下の実施例及び比較例においても同様である。
比較例2:塩素型Zn-Al LDHの合成
塩素型Zn-Al LDH([Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][Cl ・mHO](x=0.33)を、共沈法を用いて、以下の手順で合成した。
Milli-Q水1000mLを、溶存している炭酸イオンを低減させるために煮沸させた。そのMilli-Q水167mLに塩化ナトリウム(特級,富士フイルム和光純薬(株))4.884gを溶解させ、塩化ナトリウム水溶液を調製した。また、Milli-Q水150mLに水酸化ナトリウム(特級,富士フイルム和光純薬(株))12.002gを溶解させ、得られた水酸化ナトリウム水溶液及びMilli-Q水に硝酸アルミニウム九水和物(特級,富士フイルム和光純薬(株))2.061gと硝酸亜鉛六水和物(特級,富士フイルム和光純薬(株))4.911gを溶解させた硝酸塩の混合水溶液をそれぞれ調製した。得られた炭酸ナトリウム水溶液をホットスターラーで、4cmの撹拌子を用いて室温で、500rpmで撹拌しながら、硝酸塩の混合水溶液を、ホールピペットを用い塩化ナトリウム水溶液に10mm±0.5mm/minの速度で滴下した。pHメーターで溶液のpHが10.5±0.2になるよう、水酸化ナトリウム水溶液を加えた。この溶液を50℃で24時間、500rpmで撹拌させ、得られた水溶液を吸引ろ過にて固液分離し、Milli-Q水で3回洗浄した。得られた生成物を80℃で24時間乾燥させた後、乳鉢で解砕し、生成物Bを得た。
比較例3:フッ素型Zn-Al LDHの合成(製造方法A;500℃)
フッ素型Zn-Al LDH([Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][F ・mHO](x=0.33)を、再構築交換法を用いて、以下の手順で合成することを試みた。
比較例1で得た生成物A(炭酸型Zn-Al LDH)をアルミナるつぼに移して、卓上マッフル炉(MUFFLE FURNACE F-1404P,東京硝子器械(株))を用い、処理温度500℃で保持時間60分、昇降温度10℃/minで熱処理した。得られた試料1gを上皿天秤で秤量し、フッ化ナトリウム水溶液0.05M(30mL;フッ化ナトリウムが、生成物A1モルに対して5.92×10-3モル)に投下し、常温、ホットスターラーと撹拌子を用いて400rpmで24時間撹拌した。分析天秤(sefi IBA-200,アズワン(株))でフッ化ナトリウム(特級,富士フイルム和光純薬(株))1.2671g精秤し、メスシリンダーで採取したMilli-Q水300mLに攪拌子(4cm)とホットスターラーを用いて、室温、800rpmで10分撹拌して溶解させ、フッ化ナトリウム水溶液を調製した。得られた水溶液を、桐山漏斗、耐圧鐘及びアスピレーター(A-3S,EYELA 東京理化器械(株))を用い、吸引ろ過にて固液分離し、Milli-Q水200mLで3回洗浄した。得られた生成物を、定温乾燥機を用い80℃で18時間乾燥させた。乾燥処理後、めのう乳鉢で解砕し、生成物Cを得た。
比較例4:フッ素型Zn-Al LDHの合成(製造方法A;400℃)
フッ素型Zn-Al LDH([Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][F ・mHO](x=0.33)を、再構築交換法を用いて、以下の手順で合成することを試みた。
卓上マッフル炉での熱処理温度を500℃ではなく、400℃とした他は比較例3と同様に、フッ素型Zn-Al LDHの合成を試み、生成物Dを得た。
実施例1:フッ素型Zn-Al LDHの合成(製造方法A;300℃)
フッ素型Zn-Al LDH([Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][F ・mHO](x=0.33)を、再構築交換法を用いて、以下の手順で合成した。
卓上マッフル炉での熱処理温度を500℃ではなく、300℃とした他は比較例3と同様に、フッ素型Zn-Al LDHを合成し、生成物Eを得た。
実施例2:フッ素型Zn-Al LDHの合成(製造方法B)
フッ素型Zn-Al LDH([Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][F ・mHO](x=0.33)を、イオン交換法を用いて、以下の手順で合成した。
比較例3で得られた生成物C(塩素型Zn-Al LDH)1gをフッ化ナトリウム水溶液に投下し、常温、ホットスターラー及び撹拌子を用いて400rpmで24時間撹拌した。得られた水溶液を吸引ろ過により固液分離し、Milli-Q水で3回洗浄した。得られた生成物を、定温乾燥機を用い、80℃で18時間乾燥させた。乾燥処理後、乳鉢で解砕し、生成物Fを得た。
試験例1:XRDによる結晶相の同定
得られた生成物について、粉末X線回折法(XRD)により結晶相の同定を行った。測定はX線回折装置(RINT2200、リガク(株))で、ターゲットはCo、モノクロメータを使用し、分析ソフト(JADE6、リガク(株))で結晶相の同定を行った。測定条件は、スキャン範囲10~80°、サンプリング幅0.02°、走査速度2.0°/min、印加電圧40kV、印加電流20mA、発光スリット1°、散乱スリット0.05°、受光スリット0.3mmとした。試料はめのう乳鉢で微細に粉砕し、深さ0.5mmのくぼみをつけたガラス板製20×18mmの試料ホルダ(リガク(株))に試料を充填し、回折面が出るようにX線回折装置に取り付けて測定した。なお、測定において、内部標準法でピーク補正を行った。試料0.10gに対して金属シリコン(99.99%、三津和化学薬品(株))を0.05g混合、粉砕し、測定に供した。
比較例1の生成物A、比較例2の生成物B、比較例3の生成物C、比較例4の生成物D、実施例1の生成物E及び実施例2の生成物Fの粉末X線回折図形を図1~4に示す。
生成物Aのピークは、ICDDデータの亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(炭酸型Zn-Al LDH;Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO)の回折ピークと一致しており、未知のピークは見当たらないため、亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレートの単一相が得られたことが理解できる。
生成物Bのピークは、ICDDデータの亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(炭酸型Zn-Al LDH;Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO)の回折ピークと比較すると、低角にピーク位置がシフトしているが、炭酸根が塩素に置換したためと想定される。
生成物C及びDのピークは、ZnOのピークと一致している。未知のピークは見当たらず、ZnOの単一層が得られ、ハイドロタルサイト化合物は得られていないことが理解できる。生成物Eの粉末X線回折図形をICDDデータの亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(炭酸型Zn-Al LDH;Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO)の回折線図と比較すると、低角にピーク位置がシフトしているが、炭酸根がフッ素に置換したためだと考えられる。また、未知のピークは見当たらず、フッ素型Zn-Al LDHの単一層が得られたことが理解できる。
生成物Fでは、典型的なハイドロタルサイト化合物のX線プロファイルを示した。また、ICDDデータの亜鉛アルミニウムカーボネートヒドロキシドハイドレート(炭酸型Zn-Al LDH;Zn0.67Al0.33(OH)(CO0.165・xHO)のX回折図形に類似したピークを持つが、ピークがやや低角にシフトしていた。炭酸根がフッ素に置換したため、層間距離が大きくなったためと考えられる。中性に近いフッ化ナトリウム水溶液であり、ZnOのピークもわずかにみられており、単一相ではないことが理解できる。
試験例2:FT-IRスペクトル分析
フーリエ変換赤外分光装置(FT/IR-430、日本分光(株))で、測定範囲400~4000cm-1、積算回数100、分解能4cm-1として測定を行った。分析ソフト(Spectra Manager、日本分光(株))を用いてスペクトル解析を行った。測定試料はKBr剤法で作製した。KBr(特級、富士フイルム和光純薬(株))微粉末2.000gに対し試料を0.010g加えてめのう乳鉢で粉砕、よく混合した後、錠剤成形器に入れ、油圧成形器(MP-1、日本分光(株))で加圧した。試料は分析天秤(sefi IBA-200,アズワン(株))を用いて秤量した。
図5~7に、比較例1の生成物A、比較例2の生成物B、及び実施例2の生成物Fのフーリエ変換赤外分光(FT-IR)スペクトルを示す。
図5(比較例1の生成物A)において、3450cm-1付近の吸収ピークは、層状複水酸化物ブルーサイト状シート構造の水酸基の水素結合の伸縮活動及び変角振動による。2850cm-1から2950cm-1の吸収ピークは層間水とアニオンの水素結合である。1700cm-1から1450cm-1付近の吸収ピークは層間水の水酸基の伸縮によるものである。また、1400cm-1、950cm-1及び800cm-1付近の吸収ピークは炭酸イオンによるものである。650cm-1でみられる吸収ピークはAl-O結合、400cm-1から500cm-1付近に見られる吸収ピークはZn-O結合の振動である。以上より、生成物Aは、炭酸イオンを含むブルーサイト(Mg(OH))状の層状構造を持つZn-Al LDHであることが理解できる。
図6(比較例2の生成物B)において、3450cm-1付近の吸収ピークは、層状複水酸化物ブルーサイト状シート構造の水酸基の水素結合の伸縮振動及び変角振動による。2850cm-1から2950cm-1の吸収ピークは、層間水とアニオンの水素結合である。1700cm-1から1450cm-1付近の吸収ピークは層間水の水酸基の伸縮による吸収ピークである。また、1400cm-1、1100cm-1、950cm-1及び800cm-1の吸収ピークは炭酸イオンによる吸収ピークである。650cm-1でみられる吸収ピークはAl-O結合、400cm-1から550cm-1付近に見られる吸収ピークはZn-O結合の振動である。また、1300cm-1付近と700cm-1付近のピークは塩素イオンによる吸収ピークである。以上より、比較例2の生成物Bは、塩素イオンを含むブルーサイト(Mg(OH))状の層状構造を持つZn-Al LDHであることが理解できる。
図7(実施例2の生成物F)において、3450cm-1付近の吸収ピークは、層状複水酸化物ブルーサイト状シート構造の水酸基の水素結合の伸縮運動及び変角振動による吸収ピークである。2850cm-1及び2950cm-1の吸収ピークは、層間水とアニオンとの水素結合である。1650cm-1付近及び1450cm-1付近の吸収ピークは、層間水の水酸基の伸縮による吸収ピークである。また、1350cm-1、1050cm-1、950cm-1及び750cm-1の吸収ピークは炭酸イオンによる吸収ピークである。400cm-1から550cm-1付近に見られる吸収ピークはZn-O結合の振動である。また、1150cm-1から1250cm-1付近のピークはフッ素イオンによる吸収ピークである。以上より、実施例2の生成物Fは、フッ素イオンを含むブルーサイト(Mg(OH))状の層状構造を持つZn-Al LDHであることが理解できる。
試験例3:硫化水素の吸着実験
(3-1)硫化水素の発生
硫化水素発生装置の模式図を図8に示す。5L四口フラスコの3つの側管にそれぞれシリコン栓、ガラス管付シリコン栓及びスポンジ栓を、主管に分液漏斗付シリコン栓を取り付けた。ガラス管からはシリコンチューブを経由し、内部の気体が二方コック、ガス洗浄瓶及び塩化カルシウム管へと流れるように接続した。ガス洗浄瓶には1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を入れた。1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液は、水酸化ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株),特級)を4.000g秤量し、Milli-Q水100mLにガラス棒で溶解して得た。作業手順は以下の通りである。四口フラスコに硫化鉄(富士フイルム和光純薬(株),特級)を3.000g入れ、分液漏斗から濃度1mol/Lの希硫酸を加え、フラスコ内で硫化水素を発生させた。硫化水素が十分発生した状態で、マイクロシリンジ(HAMILTON製,1001RN-81330,1.0mL)を用いてスポンジ栓から硫化水素の所定量を採取した。
(3-2)水溶液中の硫化水素濃度
硫化水素の発生は図8で示した装置により行い、発生した硫化水素ガスをフラスコ内のMilli-Q水200mLに導入し、約100ppmの濃度になるように調整した。図9にねじ口付2口フラスコの模式図を示す。ねじ口付2口フラスコにはセプタム付ホールキャップ及びシリコン栓付分液漏斗を備えて密閉した。溶液調整直後は硫化水素が液相と気相で平衡状態になるために濃度が変化することから、ホットスターラーにより600rpmで2時間撹拌及び保持した。
試料0.1998gを分液漏斗から容器内のビーカーに入るように注意深く投入した。マイクロシリンジ(HAMILTON製,1001LTN,横穴針PT5,1.0mL)を用いて、硫化水素吸着容器から0.1mLを取り出し、Milli-Q水10mLを入れた共栓試験管に採取し、p-アミノジメチルアニリン溶液1.0mLを加え、栓をして静かに一回転倒して混合し、直ちにFeCl溶液1.0mLを加えて、再び栓をして静かに一回転倒して混合した。この溶液を15分間放置し、その後紫外可視分光光度計(日本分光(株),V-550)を用いて測定した。硫化水素水の濃度調整及び硫化水素ガスの導入から15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、18時間後及び24時間後の容器内における硫化水素濃度を測定した。また、バックグラウンドとして試料を入れない場合の硫化水素濃度も測定した。
(3-3)検量線の作成
硫化水素標準溶液は、以下の通りに調製した。硫化ナトリウム九水和物(富士フイルム和光純薬(株),特級)を0.150g秤量し、Milli-Q水200mLに溶解した。この溶液をメスピペットで5.0mLはかり取り、0.1Nヨウ素溶液(富士フイルム和光純薬(株),容量分析用)10.0mL及び塩酸(富士フイルム和光純薬(株),特級)1.0mLを加え、密栓して、常温で15分放置した後、0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液を滴下した。溶液の色が黄色に変化した後、でんぷん溶液1.0mLを加え、さらに無色になるまでチオ硫酸ナトリウムを滴下した。同様に空試験を行い、標準液の規定度を決定した。また、でんぷん溶液は、でんぷん0.1987gをMilli-Q水10mLに溶かして調製した。滴定の結果、標準液の滴下量は平均9.8mL、空試験の滴下量は平均10.0mLであった。
これらの結果より、標準液の滴下量をa、空試験の滴下量をbとして、硫化水素標準液の濃度計算を行った。計算は以下の式:
硫化水素濃度(mg/L(ppm))=(0.1×0.001×(b―a)×1000×34)/(2×0.005)
を用いて行った。これにより、硫化水素標準液の濃度は91ppmであることがわかった。
次に、吸光度スペクトル解析を行うため、以下の測定を行った。硫化水素標準溶液(91ppm)0.1mLを共栓試験管に採取し、Milli-Q水10.0mLを加え、p-アミノジメチルアニリン溶液1.0mL及びFeCl水溶液1.0mLを添加し、常温で15分間放置した。この溶液を角型石英セル(10mm,JASCO PARTS CENTER)に入れ、紫外可視分光光度計(日本分光(株),JASCO V-550)でスペクトル測定を行った。測定条件は、測光モード:Abs,レスポンス:Medium,バンド幅:1.0nm,走査速度400nm/min,開始波長900nm,終了波長200nm,繰り返し回数:3回,繰り返し間隔:3秒とした。測定した結果665nmにおいて極大波長を示した。したがって、以降の検討には測定波長として665nmを用いた。
検量線を作成するため、91ppmの硫化水素標準液をとり、Milli-Q水で希釈を行い、0ppm、1ppm、10ppm、30ppm、50ppm及び91ppmの標準溶液を作成した。標準溶液0.1mLを共栓試験管に採取し、Milli-Q水10.0mLを加え、p-アミノジメチルアニリン溶液1.0mL及びFeCl水溶液1.0mLを添加し、常温で15分間放置した。この水溶液を角形石英セルに入れ、波長665nmにおける吸光度を測定した。紫外可視分光光度計の測定条件は、レスポンス:Slow、バンド幅:1.0nm、繰り返し回数:3回、繰り返し間隔:3秒とした。各標準液の吸光度は、0ppm:0.070033、1ppm:0.07271、10ppm:0.147033、30ppm:0.306787、50ppm:0.489423、91ppm:0.73187であった。
本法では、硫化水素濃度0~100ppmの範囲で、図10のように良好な直線性が得られた。
この結果より、以下の式:
濃度(ppm)=吸光度/0.0075-10.2
のとおり、硫化水素濃度のデータ計算を行った。
(3-4)硫化水素吸着実験
実施例2の生成物Fを硫化水素水に投下した際の溶液中の硫化水素濃度の経時変化を図11に示す。
硫化物濃度は初期濃度が1.3ppmであり、短時間で迅速に低下し、4時間後には0.2ppmまで低下し、そこから24時間後まで0.2ppmのままであった。硫化水素水は200mLであり、試料0.2gで220μg吸着したことがわかる。試料0.1gで約110μg吸着することがわかる。口腔の容積を150mLとすると、中程度の口臭(250ppb)では約20μgの硫化物が存在するので、すべて吸着できることが理解できる。また、試料をより微細化することで、試料と硫化物の衝突回数が増え、より短時間での濃度低下が可能であることが理解できる。
試験例4:フッ素の徐放
(4-1)検量線の作成
以下の方法で検量線を作成した。アルフッソン(富士フイルム和光純薬(株),試験研究用)2.5gをMilli-Q水50mLに溶解させ、アルフッソン液を調製した。フッ化イオン標準液F1000(1005mg/L,富士フイルム和光純薬(株))を希釈し、1m/L,2mg/L又は4mg/Lの基準液を調製した。希釈は1mLのホールピペットと500mLのメスフラスコとを用いた。試験管に10mLメスシリンダーでアルフッソン液1mL、アセトン(一級,キシダ化学(株))2mL、作成したそれぞれの基準液を4mL、Milli-Q水を10mLメスシリンダーで秤量し、10mLの標準液を調製した。紫外-可視分光光度計(日本分光(株),V550)を用いて、それぞれの標準液を測定し、検量線を作成した。得られた吸光度のピークは、基準液0mg/Lでは平均0、基準液1mg/Lでは平均0.28093、基準液2mg/Lでは平均0.57295、基準液4mg/Lでは平均1.10515であった。図12に吸光度とフッ化物濃度の関係を示す。
(4-2)フッ素の検出
試験官にアルフッソン液1mL、アセトン2mL、試料溶液6mL及びMilli-Q水を加えメスシリンダーで秤量し10mLにした試料液を調製した。試料溶液6mLは、実施例2の生成物Fを試験例3に示した吸着実験を行い、試料を投下し、10分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、18時間後及び24時間後の硫化水素水からシリンジにより採取した。フッ素の検出ピークは紫外-可視分光光度計で測定した。
(4-3)フッ素の検出結果
フッ素濃度の算出方法は、検量線より、
放出したフッ素濃度(ppm)=吸光度/0.2784
で算出することができる。実施例2の生成物Fを硫化水素水に投下してから10分~24時間後の吸光度を表1に、実施例2の生成物Fを硫化水素水に投下してから10分~24時間後のフッ化物濃度を表2に示す。また、フッ化物濃度及び硫化物濃度の経時変化を図13に示す。
Figure 2023151986000001
Figure 2023151986000002

Claims (14)

  1. 2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオンと、
    フッ素イオンを含むアニオンと、
    を含有する、ハイドロタルサイト化合物。
  2. 以下の(A)~(B):
    (A)フーリエ変換赤外分光スペクトルにおいて、1120~1280cm-1に少なくとも1つのピークを有する、
    (B)前記ハイドロタルサイト化合物が、一般式(1):
    [Zn2+ 1-xAl3+ (OH)][{(F(An-1-yx/{y+n(1-y)}・mHO] (1)
    [式中、0<x<1を示す。0<y≦1を示す。An-はフッ素イオン以外のアニオンを示す。nは1又は2を示す。mは1以上の整数を示す。]
    で表される組成を有する
    の少なくとも1つを満たす、請求項1に記載のハイドロタルサイト化合物。
  3. 前記(A)を満たす、請求項2に記載のハイドロタルサイト化合物。
  4. 前記(B)、又は
    前記(A)及び(B)
    を満たす、請求項2に記載のハイドロタルサイト化合物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物を含有する、フッ素徐放剤。
  6. 液相中の揮発性硫黄化合物を吸着しつつ、フッ素を徐放する、請求項5に記載のフッ素徐放剤。
  7. 請求項5に記載のフッ素徐放剤を含有する、口臭除去剤。
  8. 請求項6に記載のフッ素徐放剤を含有する、口臭除去剤。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物の製造方法であって、
    (A1)2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにアニオンを含有するハイドロタルサイト化合物を380℃以下で熱処理する工程、及び
    (A2)前記工程(A1)で得られた熱処理物と、フッ化物塩とを混合する工程
    を備える、製造方法。
  10. 請求項1~4のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物の製造方法であって、
    (B1)2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウムイオンを含むカチオン、並びにフッ素イオン以外の1価アニオンを含有し、熱処理されていないハイドロタルサイト化合物と、フッ化物塩とを混合する工程
    を備える、製造方法。
  11. 前記混合を液相中で行う、請求項9に記載の製造方法。
  12. 前記混合を液相中で行う、請求項10に記載の製造方法。
  13. フッ素を徐放させる方法であって、
    液相中で、液相中の揮発性硫黄化合物と、請求項1~4のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト化合物とを接触させ、液相中の揮発性硫黄化合物を吸着させつつ、前記ハイドロタルサイト化合物又はフッ素徐放剤中のフッ素を徐放させる工程
    を備える、方法。
  14. 前記接触工程が、0~50℃で行われる、請求項13に記載の方法。
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