JP2023151906A - 水素供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】水素の生産効率が向上された水素供給システムを提供する。【解決手段】水電解装置18を有して、水40を電気分解させることにより水素41を発生させると共に該水素41を水素利用装置19へ供給する水電解システム11と、上記水素利用装置19から排出される排出ガス42から、該排出ガス42に含まれる上記水素41を回収する水素分離膜20を有するとともに、上記水素分離膜20によって回収された回収水素ガス43を上記水素利用装置19に供給する水素回収システム12と、上記水電解システム11、及び上記水素回収システム12の、少なくともいずれか一方に設けられた加熱器13,14,36と、を備え、上記水素分離膜20によって上記回収水素ガス43が回収された後に残存するブリードガス44には上記水素41が含まれており、上記ブリードガス44は上記加熱器13,14,36の熱エネルギー源とされる、水素供給システム10。【選択図】図1
Description
本発明は、水素供給システムに関する。
従来、水素を製造する水素供給システムとして特許文献1に記載のものが知られている。この水素供給システムは、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の電解質を含むセルを有する。セルには、供給原料としての水が、液体として蒸気発生器に圧送される。水蒸気は、セルに供給される前に、予熱器により予熱されるようになっている。また、特許文献1に記載されたセルは、500℃~1000℃、場合によっては1000℃を超える高温で動作するようになっている。
供給原料としての水を蒸発させるために、継続的に液体の水を加熱しようとすると、多くのエネルギーが使用される。また、セルを高温に維持するためにも多くのエネルギーが使用される。このため、上記の技術においては、水素供給システムに供給されたエネルギーを考慮すると、水素の生産効率が低いという課題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、水素の生産効率が向上された水素供給システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
アノード(15)、カソード(16)、及び上記アノードと上記カソードとの間に配された電解質(17)、を含む水電解装置(18)を有して、水(40)を電気分解させることにより水素(41)を発生させると共に該水素を水素利用装置(19)へ供給する水電解システム(11)と、
上記水素利用装置から排出される排出ガス(42)から、該排出ガスに含まれる上記水素を回収する水素分離膜(20)を有するとともに、上記水素分離膜によって回収された回収水素ガス(43)を上記水素利用装置に供給する水素回収システム(12)と、
上記水電解システム、及び上記水素回収システムの、少なくともいずれか一方に設けられた加熱器(13,14,36,51、52)と、を備え、
上記水素分離膜によって上記回収水素ガスが回収された後に残存するブリードガス(44)には上記水素が含まれており、上記ブリードガスは上記加熱器の熱エネルギー源とされる、水素供給システム(10)にある。
アノード(15)、カソード(16)、及び上記アノードと上記カソードとの間に配された電解質(17)、を含む水電解装置(18)を有して、水(40)を電気分解させることにより水素(41)を発生させると共に該水素を水素利用装置(19)へ供給する水電解システム(11)と、
上記水素利用装置から排出される排出ガス(42)から、該排出ガスに含まれる上記水素を回収する水素分離膜(20)を有するとともに、上記水素分離膜によって回収された回収水素ガス(43)を上記水素利用装置に供給する水素回収システム(12)と、
上記水電解システム、及び上記水素回収システムの、少なくともいずれか一方に設けられた加熱器(13,14,36,51、52)と、を備え、
上記水素分離膜によって上記回収水素ガスが回収された後に残存するブリードガス(44)には上記水素が含まれており、上記ブリードガスは上記加熱器の熱エネルギー源とされる、水素供給システム(10)にある。
ブリードガスには水素が含まれているため、水電解システム、及び水素回収システムの少なくともいずれか一方に設けられた加熱器に、ブリードガスを熱エネルギー源として使用することができる。ブリードガスに含まれた水素は水電解システムによって生成されたものなので、上記水素供給システムのようにブリードガスを加熱器の熱エネルギー源とする場合、加熱器の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム全体に供給するエネルギー量を低減させることができる。これにより、水素供給システムに供給したエネルギーに対して水素の生産効率を向上させることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、水素の生産効率が向上された水素供給システムを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施形態1)
1.水素供給システム10の構成
水素供給システム10に係る実施形態について、図1を参照して説明する。本形態において、水素供給システム10は、水電解システム11と、水素回収システム12と、加熱器としての第1バーナ13、第2バーナ14及び熱交換器36と、を備える。水電解システム11は、アノード15、カソード16、及びアノード15とカソード16との間に配された電解質17、を含む水電解装置18を有する。水電解システム11は、水40を電気分解させることにより水素41を発生させると共に水素41を水素利用装置19へ供給する。水素回収システム12は、水素利用装置19から排出される排出ガス42から、排出ガス42に含まれる水素41を回収する水素分離膜20を有する。水素回収システム12は、水素分離膜20によって回収された回収水素ガス43を水素利用装置19に供給する。第1バーナ13、第2バーナ14及び熱交換器36は、水電解システム11に設けられている。水素分離膜20によって回収水素ガス43が回収された後に残存するブリードガス44には水素41が含まれている。ブリードガス44は第1バーナ13、第2バーナ14及び熱交換器36の熱エネルギー源とされる。
1.水素供給システム10の構成
水素供給システム10に係る実施形態について、図1を参照して説明する。本形態において、水素供給システム10は、水電解システム11と、水素回収システム12と、加熱器としての第1バーナ13、第2バーナ14及び熱交換器36と、を備える。水電解システム11は、アノード15、カソード16、及びアノード15とカソード16との間に配された電解質17、を含む水電解装置18を有する。水電解システム11は、水40を電気分解させることにより水素41を発生させると共に水素41を水素利用装置19へ供給する。水素回収システム12は、水素利用装置19から排出される排出ガス42から、排出ガス42に含まれる水素41を回収する水素分離膜20を有する。水素回収システム12は、水素分離膜20によって回収された回収水素ガス43を水素利用装置19に供給する。第1バーナ13、第2バーナ14及び熱交換器36は、水電解システム11に設けられている。水素分離膜20によって回収水素ガス43が回収された後に残存するブリードガス44には水素41が含まれている。ブリードガス44は第1バーナ13、第2バーナ14及び熱交換器36の熱エネルギー源とされる。
水電解システム11は、水電解装置18、第1バーナ13、電源21、エアポンプ22,23、フィルタ24、水ポンプ25、熱交換器36、水蒸発器26、第2バーナ14、後処理装置27、圧縮機28、及びタンク31を備える。第1バーナ13が、水電解システム11の水電解装置18を加熱するための第1加熱器に相当する。第2バーナ14は、水蒸発器26を加熱するための第2加熱器に相当する。熱交換器36は、水40を加熱するための加熱器に相当する。
水電解装置18は電解セル32を有する。図1には、1つの電解セル32が例示される。水電解装置18は、2以上の任意の個数の電解セル32を備える構成としてもよい。各電解セル32はアノード15、カソード16、及び電解質17を有する。電解セル32のカソード16には、フィルタ24によって不純物が除去された空気48が、エアポンプ23によって加圧された状態で供給されるようになっている。電解セル32のアノード15には、水蒸気45が供給されるようになっている。この水蒸気45は、水ポンプ25によって水蒸発器26に供給された水40が、水蒸発器26において第2バーナ14によって加熱されることによって得られる。この第2バーナ14の燃料は水素41とされる。第2バーナ14には、後述するブリードガス44が、燃料として供給されるようになっている。上記の燃料は、第2バーナ14に供給される熱エネルギー源に相当する。電解セル32には、電源21から所定の電圧が印加されるようになっている。
水40は、水蒸発器26に供給される前に、熱交換器36によって予熱される。熱交換器36には、ブリードガス44が熱源として供給されるようになっている。ブリードガス44は比較的に高温になっており、ブリードガス44の保持する熱エネルギーが、熱交換器36の熱エネルギー源に相当する。熱交換器36に供給されたブリードガス44は、熱交換器36に熱エネルギーを受け渡した後、第2バーナ14に燃料として供給される。ブリードガス44に含まれる水素41が第2バーナ14の燃料として使用される。
本形態において、水電解装置18は、固体酸化物形電解セル(すなわち、SOEC)によって構成されている。水電解装置18は第1バーナ13を備える。第1バーナ13によって水電解装置18は所定の温度に加熱される。水電解装置18の温度は特に限定されず、必要に応じて任意の温度に設定される。水電解装置18が固体酸化物形電解セルである本形態の場合、例えば、500℃~1000℃に設定される。なお、水電解装置18がプロトン伝導形セラミック電解セル(すなわち、PCEC)である場合には、例えば500℃~600℃に設定される。水電解装置18がプロトン交換膜形電解セル(すなわち、PEM)である場合には、例えば常温~100℃に設定される。水電解装置18がアルカリ水電解質を備える場合には、例えば約100℃に設定される。
第1バーナ13には、エアポンプ22によって加圧された空気48が供給されるようになっている。また、第1バーナ13には、燃料として水素41が供給される。上記の燃料は、第1バーナ13に供給される熱エネルギー源に相当する。本形態では、後述するタンク31に貯留された水素41、又は後述するブリードガス44が、燃料として第1バーナ13に供給されるようになっている。第1バーナ13の排気46は、後述する熱交換器33に供給された後に、外部に排出される。
電解セル32のカソード16において生成された酸素49は、カソード16に供給された空気48とともに外部に排出される。
電解セル32のアノード15において生成された水素41は、後処理装置27において後処理が実行される。後処理は必要に応じて任意の処理が採用可能であって、例えば、水素41の高純度化、未反応の水40の除去、不純物の除去、冷却による未反応の水蒸気45の除去等が実行される。
後処理が実行された水素41は、圧縮機28によって所定の圧力に加圧された後にタンク31に貯留される。タンク31に貯留された水素41の一部は、上記した第1バーナ13の燃料とされる。また、タンク31に貯留された水素41の一部は、電解セル32を還元雰囲気にして電解セル32を保護するために、水蒸気45とともに電解セル32に供給される。
タンク31に貯留された水素41は、水素41を利用する水素利用装置19に供給される。水素利用装置19は特に限定されない。水素利用装置19としては、例えば、水素41を原料として化学物質を製造する装置、水素41によって形成された還元雰囲気下で還元処理を実行する装置、水素41によって形成された還元雰囲気下で製品を製造加工する装置等、任意の装置を選択できる。水素利用装置19は、水素41を利用した後に、排出ガス42を排出する。排出ガス42には、タンク31から供給された水素41が残存している。排出ガス42に含まれる水素41の量は、水素利用装置19の種類によって変化しうる。
水素利用装置19から排出された排出ガス42は、水素回収システム12に供給される。水素回収システム12は、圧縮機29,30、熱交換器33、及び水素分離装置34を備える。
水素利用装置19から排出された排出ガス42は圧縮機29に供給され、圧縮機29によって所定の圧力に加圧される。圧縮機29によって加圧された排出ガス42は、熱交換器33によって加熱される。熱交換器33は、第1バーナ13からの排気46の熱によって、水素利用装置19から排出された排出ガス42を加熱する構成となっている。これにより、水素供給システム10の熱効率が向上する。
熱交換器33によって加熱された排出ガス42は、水素分離装置34に供給される。水素分離装置34は、筐体35と、筐体35内に配された水素分離膜20と、を備える。水素分離膜20の形状は特に限定されず、膜状、筒状、中空糸状等、任意の形状を適宜に選択できる。
水素分離膜20の材質は特に限定されず、例えば、公知のパラジウム、パラジウム合金膜、ニッケル-ニオブ-ジルコニウムの合金や、アモルファスシリカ、SiC系膜、高分子膜等、任意の材料を適宜に用いることができる。
水素分離装置34の筐体35内には、圧縮機29によって所定の圧力に高められるとともに、熱交換器33によって所定の温度まで高められた排出ガス42が注入される。排出ガス42に含まれる水素41は、筐体35内に配された水素分離膜20を通過する。これにより、排出ガス42から回収水素ガス43が回収される。回収水素ガス43には、排出ガス42よりも高い濃度の水素41が含まれている。回収水素ガス43は、圧縮機30によって加圧された後、タンク31に供給される。タンク31に供給された回収水素ガス43は、再び水素利用装置19に供給される。このように、本形態によれば水素41を再利用することができる。
一方、筐体35内に注入された排出ガス42のうち、水素分離膜20を通過しなかった気体は、ブリードガス44として水素分離装置34から排出される。ブリードガス44は、水素41以外の気体を含むとともに、水素分離膜20を通過できかった水素41も含む。ブリードガス44に含まれる水素41の割合は特に限定されず、任意の割合で水素41が含まれるようになっている。
ブリードガス44は、第1バーナ13と、第2バーナ14に供給される。ブリードガス44に含まれる水素41が、第1バーナ13及び第2バーナ14の燃料として利用される構成とされる。
なお、図1に示す各構成要素同士をつなぐ矢印は、液体又は気体の流通経路を示すが、これらの経路は、配管等にて構成される。後述する図2においても同様である。
2.効果
続いて、本形態の作用効果について説明する。本形態においては、水素分離膜20によって回収水素ガス43が回収された後に残存するブリードガス44には水素41が含まれている。そのため、水電解システム11に設けられた第1バーナ13及び第2バーナ14に、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することができる。ブリードガス44に含まれた水素41は水電解システム11によって生成されたものなので、第1バーナ13及び第2バーナ14及び熱交換器36の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム10全体に供給するエネルギー量を低減させることができる。また、ブリードガス44は比較的に高温なので、ブリードガス44を熱交換器36の熱エネルギー源として使用することができる。これにより、熱交換器36の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム10全体に供給するエネルギー量を低減させることができる。この結果、水素供給システム10に供給したエネルギーに対して水素41の生産効率を向上させることができる。
続いて、本形態の作用効果について説明する。本形態においては、水素分離膜20によって回収水素ガス43が回収された後に残存するブリードガス44には水素41が含まれている。そのため、水電解システム11に設けられた第1バーナ13及び第2バーナ14に、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することができる。ブリードガス44に含まれた水素41は水電解システム11によって生成されたものなので、第1バーナ13及び第2バーナ14及び熱交換器36の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム10全体に供給するエネルギー量を低減させることができる。また、ブリードガス44は比較的に高温なので、ブリードガス44を熱交換器36の熱エネルギー源として使用することができる。これにより、熱交換器36の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム10全体に供給するエネルギー量を低減させることができる。この結果、水素供給システム10に供給したエネルギーに対して水素41の生産効率を向上させることができる。
また、回収水素ガス43を水素利用装置19に供給することができるので、水素利用装置19に供給するために生産する水素41の量を減少させることができる。これにより、水素供給システム10のシステム規模、ランニングコストを低減させることができるので、水素41の製造コストを低減させることができる。
ブリードガス44を第1バーナ13及び第2バーナ14の燃料として使用するので、廃棄される水素41の量を低減させることができる。これにより、ブリードガス44に含まれた水素41を廃棄するために必要とされた設備が不要になるので、全体として排気処理を簡素化することができる。
ブリードガス44を熱交換器36に供給して水40を加熱するので、ブリードガス44の保持する熱エネルギー自体を熱源としてしようすることができる。これにより、水素41の生産効率を向上させることができる。さらに、熱エネルギーを熱交換器36に受け渡した後であっても、ブリードガス44は水素41を含んでいるので、さらに第2バーナ14に燃料として供給される。これにより、さらに水素41の生産効率を向上させることができる。ただし、ブリードガス44は、例えば加熱する必要のある装置、ガス等、任意の対象物を加熱するための熱交換器に供給されて、対象物を加熱するための熱エネルギー源とされる構成としてもよい。
本形態では、第1バーナ13は水電解システム11に設けられている。これにより、水電解システム11における水素41の生産効率を向上させることができるので、水素供給システム10における水素41の生産効率を向上させることができる。
本形態では、第1バーナ13は、水電解システム11の水電解装置18を加熱する構成とされる。水素41の生産効率の観点からは、水電解装置18は比較的に高温に維持されることが好ましい。水電解装置18を加熱するための第1バーナ13に、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することにより、第1バーナ13の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水電解システム11における水素41の生産効率を向上させることができる。これにより、水素供給システム10における水素41の生産効率を向上させることができる。
水電解システム11は水40を蒸発させるための水蒸発器26を有し、第2バーナ14は、水蒸発器26を加熱する構成とされる。水40を蒸発させる際、水40に蒸発潜熱に相当する熱エネルギーを与える必要がある。水蒸発器26において水40を継続的に蒸発させるためには、水40に継続的に熱エネルギーを与えることになるため、水蒸発器26に与えられる熱エネルギーは比較的に大きなものとなる。水蒸発器26を加熱するための第2バーナ14に、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することにより、第2バーナ14の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水電解システム11における水素41の生産効率を向上させることができる。この結果、水素供給システム10における水素41の生産効率を向上させることができる。
本形態では、水電解装置18には固体酸化物形電解セルが適用されている。固体酸化物形電解セルは、例えば、700℃以上の比較的高温で使用されるので、固体酸化物形電解セルを加熱する際には、比較的に多くの熱エネルギーが必要とされる。このような固体酸化物形電解セルを用いた水素供給システム10において、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することは、特に有効である。
(実施形態2)
続いて、実施形態2の水素供給システム50について図2を参照して説明する。本形態においては、水素回収システム12の熱交換器33に第3バーナ51が配置されている。第3バーナ51により熱交換器33が所定の温度に加熱される。これにより、熱交換器33を通過する排出ガス42が、水素分離膜20に流通される前に、所定の温度に加熱される。第3バーナ51が、排出ガス42を水素分離膜20に流通する前に加熱する第3加熱器に相当する。第3バーナ51には、ブリードガス44が燃料として供給される。上記の燃料は、第3バーナ51に供給される熱エネルギー源に相当する。
続いて、実施形態2の水素供給システム50について図2を参照して説明する。本形態においては、水素回収システム12の熱交換器33に第3バーナ51が配置されている。第3バーナ51により熱交換器33が所定の温度に加熱される。これにより、熱交換器33を通過する排出ガス42が、水素分離膜20に流通される前に、所定の温度に加熱される。第3バーナ51が、排出ガス42を水素分離膜20に流通する前に加熱する第3加熱器に相当する。第3バーナ51には、ブリードガス44が燃料として供給される。上記の燃料は、第3バーナ51に供給される熱エネルギー源に相当する。
また、本形態においては、水素分離装置34には第4バーナ52が配置されている。第4バーナ52により、水素分離装置34に配置された水素分離膜20が加熱される。第4バーナ52は、水素回収システムに設けられた加熱器に相当する。第4バーナ52には、ブリードガス44が燃料として供給される。上記の燃料は、第4バーナ52に供給される熱エネルギー源に相当する。
ただし、本形態では第3バーナ51及び第4バーナ52が配置される構成としたが、第3バーナ及び第4バーナの一方のみが配置される構成としてもよい。
本形態においては、水素分離装置34によって分離された回収水素ガス43は、後処理装置27において後処理が実行された後であって、且つ圧縮機28に供給される前に、水素41に合流される。これにより、圧縮機28を、水電解装置18によって生成された水素41と、水素分離装置34によって回収された回収水素ガス43とで共用できるので、水素41の製造コストを低減させることができる。
また、本形態においては、第1バーナ13からの排気47は、熱交換器33に供給されずに、外部に排出される構成とされている。ただし、排気47は、熱交換器33とは異なる熱交換器に供給されて、図示しない他の機器を加熱する構成としてもよい。
また、本形態においては、水40を加熱する熱交換器36が省略されている。
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
排出ガス42から水素分離膜20によって水素41を回収するためには、排出ガス42を所定の温度に加熱することが好ましい。排出ガス42の温度は、例えば、300~400℃に設定される。排出ガス42を加熱するための第3バーナ51に、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することにより、第3バーナ51の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム10における水素41の生産効率を向上させることができる。
また、水素分離膜20を加熱することにより、回収水素ガス43の分離効率を向上させることができる。この水素分離膜20を加熱するための第4バーナ52に、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することにより、第4バーナ52の熱エネルギー源を外部から供給する場合に比べて、水素供給システム10における水素41の生産効率を向上させることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
本形態においては、水電解装置18は固体酸化物形電解セルを備える構成としたが、これに限られず、例えば、プロトン伝導形セラミック電解セルを備える構成としてもよい。プロトン伝導形セラミック電解セルは、例えば、500℃~600℃のような比較的高温で使用されるので、プロトン伝導形セラミック電解セルを加熱する際には、比較的に多くの熱エネルギー源が必要とされる。このようなプロトン伝導形セラミック電解セルを用いた水素供給システム10において、ブリードガス44を熱エネルギー源として使用することは、特に有効である。また、水電解装置18は、プロトン交換膜(すなわち、PEM)を備えてもよく、また、アルカリ水電解質を適用する構成としてもよい。
実施形態2においては、第1~第4バーナ13、14,51,52にブリードガス44が熱エネルギー源として供給される構成としたが、ブリードガス44はイグナイタに燃料として供給される構成としてもよいし、他の燃焼装置の燃料として供給される構成としてもよい。
10,50…水素供給システム、11…水電解システム、12…水素回収システム、13…第1バーナ、14…第2バーナ、15…アノード、16…カソード、17…電解質、18…水電解装置、19…水素利用装置、20…水素分離膜、36…熱交換器、40…水、41…水素、42…排出ガス、43…回収水素ガス、44…ブリードガス、51…第3バーナ、52…第4バーナ
Claims (7)
- アノード(15)、カソード(16)、及び上記アノードと上記カソードとの間に配された電解質(17)、を含む水電解装置(18)を有して、水(40)を電気分解させることにより水素(41)を発生させると共に該水素を水素利用装置(19)へ供給する水電解システム(11)と、
上記水素利用装置から排出される排出ガス(42)から、該排出ガスに含まれる上記水素を回収する水素分離膜(20)を有するとともに、上記水素分離膜によって回収された回収水素ガス(43)を上記水素利用装置に供給する水素回収システム(12)と、
上記水電解システム、及び上記水素回収システムの、少なくともいずれか一方に設けられた加熱器(13,14,36,51,52)と、を備え、
上記水素分離膜によって上記回収水素ガスが回収された後に残存するブリードガス(44)には上記水素が含まれており、上記ブリードガスは上記加熱器の熱エネルギー源とされる、水素供給システム(10)。 - 上記加熱器は上記水電解システムに設けられている、請求項1に記載の水素供給システム。
- 上記加熱器は、上記水電解システムの上記水電解装置を加熱するための第1加熱器(13)である、請求項2に記載の水素供給システム。
- 上記水電解システムは上記水を蒸発させるための水蒸発器(26)を有し、
上記加熱器は、上記水蒸発器を加熱するための第2加熱器(14)である、請求項2又は3に記載の水素供給システム。 - 上記加熱器は、上記水素回収システムに設けられるとともに、上記排出ガスを上記水素分離膜に流通させる前に加熱する第3加熱器(51)である、請求項2~4のいずれか一項に記載の水素供給システム。
- 上記水電解装置は固体酸化物形電解セルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の水素供給システム。
- 上記水電解装置は、プロトン伝導形セラミック電解セル、請求項1~5のいずれか一項に記載の水素供給システム。
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