JP2023151657A - 永久磁石電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】永久磁石の減磁を防止しながら、永久磁石の厚さを低減する永久磁石電動機を提供する。【解決手段】36スロットの固定子110と、6極の回転子120により構成され、回転子120の直径Lは、[83mm≦L≦101mm]に設定される。第1の外周面部分120aと固定子内周面115との間の距離Gは、[0.5mm≦G≦0.6mm]に設定される。ティース112の幅Wtは、[0.36×(L+2×G)×π/36<Wt<0.42×(L+2×G)×π/24]に設定される。第1の外周面部分120aの開角K1(機械角)は、[14.9度≦K1≦15.7度]に設定される。第1の外周面部分120aと第2の外周面部分120bとの間の径方向に沿った間隔Hは、[0.6mm≦H≦0.96mm]に設定される。永久磁石141、142の厚さは、[2×G×1.3<Wp<2×G×2.0]に設定される。【選択図】図1

Description

本出願は、回転子に形成された磁石挿入孔に永久磁石が挿入されている永久磁石電動機に関し、特に、永久磁石の厚さを低減する技術に関する。
圧縮機駆動電動機、車両駆動電動機、車載機器駆動電動機等として、固定子と、永久磁石が配置されている回転子を有する永久磁石電動機が用いられている。固定子は、周方向に沿って延在するヨークと、ヨークから径方向内側に延在する複数のティースを有している。複数のティースは、周方向に離間して配置されている。また、固定子は、周方向に隣接する2つのティースによって形成される複数のスロットを有している。回転子は、固定子の内側空間内に回転可能に配置される。回転子は、主磁極と補助磁極が周方向に交互に配置されている。主磁極には、磁石挿入孔が形成されているとともに、磁石挿入孔に永久磁石が挿入されている。磁石挿入孔や永久磁石の形状、数、配置位置等は、適宜設定される。
永久磁石としては、フェライト磁石や希土類磁石等が用いられる。希土類磁石は、フェライト磁石より高価であるが、残留磁束密度や保持力が大きい。希土類磁石としては、例えば、ネオジウム(Nd)と鉄(Fe)を含むネオジウム磁石が用いられる。ネオジウム磁石は、保持力が周囲温度の上昇とともに低下する。このため、ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)を外周面から拡散(粒界拡散)させたネオジウム磁石も用いられている。
永久磁石電動機として、6個の主磁極を有する固定子(極数が6あるいは極対数が3である固定子)と、36個のティース(あるいは36個のスロット)を有する回転子により構成される永久磁石電動機(以下、「6極36スロットの永久磁石電動機」という)が用いられている。6極36スロットの永久磁石電動機は、例えば、特許文献1に開示されている。
このような永久磁石電動機のトルクTrは、永久磁石による磁束をΦ、q軸電流をIq、d軸電流をId、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、回転子の極対数をP(=極数/2)とすると、以下の式で表される。
Tr=P[Φ×Iq+(Ld-Lq)×Id×Iq]
上式の右辺の第1項は、永久磁石の磁束Φによるマグネットトルクを示し、第2項は、回転子の突極性(Ld-Lq)によるリラクタンストルクを示している。
通常、q軸インダクタンスLqは、d軸インダクタンスLdより大きい。すなわち、(Ld-Lq)は、負である。この場合、負のd軸電流Idが流れると、リラクタンストルクが正となる。このため、マグネットトルクとリラクタンストルクとの和であるトルクTrを増加させる方法として、d軸電流Idを負に制御する方法が用いられている。d軸電流を負に制御する方法としては、通常、固定子巻線を流れる電流の位相角を進める方法(「進角制御」あるいは「弱め界磁制御」と呼ばれている)が用いられている。
特開2021-164325号公報
特許文献1に開示されている永久磁石電動機では、通電進み角を制御する進角制御を行うことによりトルクTrを増加させることができる。
一方、固定子のティースを介して回転子に流れ込む磁束によって、永久磁石が減磁することがある。永久磁石が減磁すると、永久磁石の磁束密度が低下し、永久磁石電動機の特性が変化する(例えば、トルクが低下する)。
このため、永久磁石の減磁を防止する(「減磁耐力を高める」)必要がある。従来の永久磁石電動機では、永久磁石の減磁を防止する方法として以下の方法が用いられている。第1の方法は、同じ永久磁石を用いるとともに、永久磁石の厚さを増加させる(厚くする)方法である。永久磁石の厚さを増加することにより、保持力が増加して、減磁耐力が増加する。第2の方法は、厚さを増加させないで、保持力が高い永久磁石を用いる方法である。例えば、ネオジウム磁石を用いている場合には、ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)を外周面から拡散(粒界拡散)させたネオジウム磁石を用いる。第3の方法は、永久磁石が減磁する可能性が高い電流を流す必要がある場合に電流を高速で遮断することができる高速電流遮断スイッチを用いる方法である。
しかしながら、第1の方法は、永久磁石の使用量が増大するため、永久磁石のコストが上昇する。また、第2の方法は、高価な永久磁石を用いる必要がある。また、第3の方法は、高価な高速電流遮断スイッチを用いる必要がある。このように、第1~第3の方法を用いた場合、永久磁石電動機のコストが上昇する。
そこで、本発明者は、永久磁石の厚さを増加させることなく、永久磁石の減磁を防止することができる技術について検討した。
図14、図15に、特許文献1に開示されている永久磁石電動機400が示されている。永久磁石電動機400は、固定子410と回転子420により構成されている。
固定子410は、ヨーク411と、24個のティース412を有している。ティース412は、ティース基部413と、ティース先端部414を有している。ティース基部413は、先端側(径方向内側)にティース先端面415を有している。
回転子420は、6個の主磁極と補助磁極が周方向に交互に配置されている。主磁極には、永久磁石441と442が挿入される磁石挿入孔431と432が形成されている。回転子420の外周面は、第1の外周面部分420a、第2の外周面部分420b、接続部分420cおよび420dにより形成されている。第1の外周面部分420aは、d軸と交差し、回転中心を中心点とする半径R1の円弧状に形成されている。第2の外周面部分420bは、q軸と交差し、回転中心を中心点とし、半径R1より小さい半径R2(R2<R1)の円弧状に形成されている。接続部分420cは、第1の外周面部分420aの周方向他方側(反時計方向)の接続部M1と第2の外周面部分420bを接続している。接続部分420dは、第1の外周面部分420aの周方向一方側(時計方向)の接続部M2と第2の外周面部分420bを接続している。第2の外周面部分420bと接続部分420cおよび420dは、直径Lの円形の外周を切欠いた切欠き部を形成する。
図14に示されている状態では、ティースJ1~J6のうちのティースJ2~J4が、主磁極[A]の第1の外周面部分420aに対向する位置に配置されている。図14では、接続部M1(中心点と接続部M1を通る線m1)は、ティースJ2の周方向一方側(時計方向)の側壁JB(側壁JBの延在線jb)より周方向他方側(反時計方向)に位置している。また、接続部M2(中心点と接続部M2を通る線m2)は、ティースJ4の周方向他方側(反時計方向)の側壁JA(側壁JAの延在線ja)より周方向一方側(時計方向)に位置している。
図14に示されている状態では、N極のティースJ3、J4から、第1の外周面部分420aを介して永久磁石442のS極に向かって磁束が流れ込む。この磁束は、第1の外周面部分420aとティース先端面415との間の空隙gを通るため、多い。また、N極のティースJ5、J6から、第2の外周面部分420bを介して永久磁石442のS極に向かって磁束が流れ込む。この磁束は、空隙gと切欠き部を通るため、少ない。
図15は、図14に示されている状態から、周方向一方側(時計方向)に5度(=360度/36の1/2)回転した状態を示している。
図15に示されている状態では、ティースJ1~J6のうちのティースJ2~J5が、主磁極[A]の第1の外周面部分420aに対向する位置に配置されている。図15では、接続部M1(中心点と接続部M1を通る線m1)は、ティースJ3の周方向他方側(反時計方向)の側壁JA(側壁JAの延在線ja)より周方向他方側(反時計方向)に位置している。また、接続部M2(中心点と接続部M2を通る線m2)は、ティースJ4の周方向一方側(時計方向)の側壁JB(側壁JBの延在線jb)より周方向一方側(時計方向)に位置している。
図15に示されている状態では、N極のティースJ3、J4、J5から、第1の外周面部分420aを介して永久磁石442のS極に向かって磁束が流れ込む。この磁束は、空隙gを通るため、多い。また、N極のティースJ6から、第2の外周面部分420bを介して永久磁石442のS極に向かって磁束流れ込む。この磁束は、空隙gと切欠き部を通るため、少ない。
図14、図15に示されているように、従来の永久磁石電動機400では、回転子420の第1の外周面部分420aに対向する位置に、4個のティース412と3個のティース412が交互に配置される。
そして、図14、図15に示されている解析結果から、従来の永久磁石電動機では、複数のティースから回転子の永久磁石に多くの磁束が流れ込んで、磁束密度が増加することが、永久磁石の減磁の原因の一つであることが分かった。すなわち、ティースから回転子の永久磁石に多くの磁束が流れ込むことを防止することにより、永久磁石の減磁を防止することができることを見出した。
本発明は、6極36スロットの永久磁石において、永久磁石の減磁を防止しながら、永久磁石の厚さを低減することができる技術を提供することを目的とする。
第1発明は、固定子と回転子を備える永久磁石電動機に関する。
固定子は、周方向に沿って離間して配置されている複数のティースと、周方向に隣接するティースによって形成される複数のスロットと、各ティースに巻き付けられている固定子巻線と、固定子内側空間を形成する固定子内周面と、を有している。
回転子は、固定子内側空間内に回転可能に配置されている。回転子は、周方向に沿って主磁極と補助磁極が交互に配置されているとともに、主磁極に形成されている磁石挿入孔に永久磁石が挿入されている。
本発明では、固定子巻線は、複数のティースに分布巻き方式で巻き付けられている。また、主磁極は、6個設けられ、ティースは、36個設けられている。すなわち、6極36スロットの永久磁石電動機として構成されている。
回転子の外周面は、複数の第1の外周面部分、複数の第2の外周面部分および複数の接続部分により形成されている。第1外周面部分は、d軸と交差し、回転中心を中心点とする半径R1の円弧状に形成されている。第2の外周面部分は、q軸と交差し、回転中心を中心点とする半径R2の円弧形状に形成されている。半径R2は、半径R1より小さく設定されている(R2<R1)。接続部分は、第1の外周面部分と第2の外周面部分を接続している。
そして、回転子の直径Lは、[83mm≦L≦101mm]を満足するように設定されている。また、第1の外周面部分と前記固定子内周面との間の空隙gの距離Gは、[0.5mm≦G≦0.6mm]を満足するように設定されている。また、ティースの幅Wtは、[0.36×(L+2×G)×π/36<Wt<0.42×(L+2×G)×π/36]を満足するように設定されている。また、回転中心に対する第1の外周面部分の開角K1(機械角)は、[14.9度≦K1≦15.7度]を満足するように設定されている。また、第1の外周面部分と第2の外周面部分との間の径方向に沿った間隔Hは、[0.6mm≦H≦0.96mm]を満足するように設定されている。
本発明では、ティースによって、永久磁石を減磁するおそれがある磁束が永久磁石に流れ込むのが規制される。このため、永久厚さを低減することができる。
第1発明では、永久磁石の減磁を防止しながら、永久磁石の厚さを低減することができる。
第1発明の異なる形態では、永久磁石として、残留磁束密度が1.34テスラと1.52テスラの範囲内、保持力が1550kA/mと2100kA/mの範囲内の永久磁石が用いられている。
第1発明の異なる形態では、固定子および回転子は、磁束密度が1.75テスラと1.9テスラの範囲内で線形領域から被線形領域に移行する電磁鋼板により構成されている。
第2発明は、圧縮機に関する。第2発明の圧縮機は、圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電動機を備えている。そして、電動機として前述した永久磁石電動機のいずれかが用いられている。
第2発明は、前述した永久磁石電動機と同様の効果を有している。
本発明の永久磁石電動機を用いることにより、6極36スロットの永久磁石電動機におい、永久磁石の減磁を防止しながら、永久磁石の厚さを低減することができる。
第1実施形態の永久磁石電動機の断面図である。 図1の要部拡大図である。 第1の電流が流れている状態において、通電進み角を変えて解析した、磁石厚さWpと永久磁石における磁束密度との関係を示すグラフである。 図3に示されている、磁石厚さWpと永久磁石における磁束密度との関係を、異なる方法で示したグラフである。 第2の電流が流れている状態において、通電進み角を変えて解析した、磁石厚さWpと永久磁石における磁束密度との関係を示すグラフである。 図5に示されている、磁石厚さWpと永久磁石における磁束密度との関係を、異なる方法で示したグラフである。 第1の外周面部分の開角K1とコギングトルクとの関係を示すグラフである。 第1の外周面部分と固定子内周面との間の距離Gと効率との関係を示す図である。 切欠部深さ(第1の外周面部分と第2の外周面部分との間の間隔)Hとティースを流れる磁束の磁束密度との関係を示すグラフである。 第1実施形態の永久磁石電動機における磁束を説明する図である。 第1実施形態の永久磁石電動機における磁束を説明する図である。 第2実施形態の永久磁石電動機を構成する回転子の断面図である。 第3実施形態の永久磁石電動機を構成する回転子の断面図である。 従来の永久磁石電動機における磁束を説明する図である。 従来の永久磁石電動機における磁束を説明する図である。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、本明細書中では、「軸方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転子の回転中心O(図1参照)を通る回転中心線の延在方向を示す。軸方向に沿って一方側を、「軸方向一方側」あるいは「軸方向第1側」といい、軸方向に沿って他方側を、「軸方向他方側」あるいは「軸方向第2側」という。
また、「周方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向一方側(あるいは軸方向他方側)から見て、回転子の回転中心Oを中心点とする円周方向を示す。そして、軸方向一方側から見て(図1参照)、時計方向(矢印Y方向)を「周方向一方側」あるいは「周方向第1側」といい、反時計方向(矢印Y方向と反対側)を「周方向他方側」あるいは「周方向第2側」という。
また、「径方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向一方側(あるいは軸方向他方側)から見て、回転子の回転中心Oを通る線の延在方向を示す。そして、径方向に沿って回転中心O側を「径方向内側」といい、回転中心Oと反対側を「径方向外側」という。
本発明の永久磁石電動機の第1実施形態100を、図1、図2を参照して説明する。図1は、第1実施形態の永久磁石電動機100の断面図であり、図2は、図1の要部拡大図である。
永久磁石電動機100は、固定子110と回転子120により構成されている。
固定子110は、板状の電磁鋼板を複数枚積層して形成された筒状の固定子コアにより構成されている。
固定子110は、周方向に延在するヨーク111と、ヨーク111から径方向内側に延在する複数のティース112を有している。複数のティース112は、周方向に離間して配置されている。
ティース112は、ティース基部113とティース先端部114を有している。ティース基部113は、ヨーク111から径方向内側に延在している。ティース先端部114は、ティース基部113の径方向内側に連設され、周方向に延在している。ティース先端部114の径方向内側には、ティース先端面115が形成されている。ティース先端面115は、回転中心Oを中心点とする円弧形状に形成されている。各ティース112のティース先端面115によって、固定子110の内側に固定子内側空間が形成される。
ティース先端面115が、本発明の「固定子内周面」に対応する。
周方向に隣接する2つのティース112によってスロット116が形成されている。
本実施形態の永久磁石電動機100は、36個のティース112(36個のスロット116)を有している。すなわち、永久磁石電動機100は、36スロットの固定子110を有している。
そして、固定子巻線(図示省略)は、分布巻き方式で各ティース112(詳しくは、ティース基部113)に巻き付けられている。
固定子巻線を分布巻き方式で巻き付ける方法としては、種々の方法を用いることができる。
固定子巻線を分布巻き方式で巻き付けることにより、集中巻き方式で巻き付ける場合に比べて、銅損は多いが、高出力を得ることができるとともに、振動や騒音を低減することができる。
回転子120は、板状の電磁鋼板を複数枚積層して形成された回転子コアにより構成されている。
回転子120は、固定子内周面(ティース先端面115)により形成される固定子内側空間内に回転可能に配置される。本実施形態では、回転子120は、第1の外周面部分120a(後述する)とティース先端面115(固定子内周面)との間に空隙(エアギャップ)gが保持されるように配置されている。
回転子120は、回転子内周面121により形成される回転子内側空間122を有している。回転子内側空間122内には、回転軸が挿入、例えば、圧入される。
回転子120は、主磁極[A]~[F]と補助磁極[AB]~[FA]を有している。主磁極[A]~[F]と補助磁極[AB]~[FA]は、周方向に沿って交互に配置されている。
本実施形態の永久磁石電動機100は、6個の主磁極を有する回転子120を有している。すなわち、永久磁石電動機100は、6極の回転子120を有している。なお、回転子の極数は、極対数P(=極数/2)で表されることもある。
36スロットの固定子110と6極の(極対数Pが3である)回転子120を有する永久磁石電動機100は、6極36スロットの永久磁石電動機100と呼ばれる。
各主磁極[A]~[F]には、1または複数の磁石挿入孔が形成されている。そして、各磁石挿入孔には、永久磁石が挿入されている。
各磁石挿入孔に挿入されている永久磁石によって、主磁極[A]~[F]の領域と主磁極[A]~[F]のd軸が規定されるとともに、補助磁極[AB]~[FA]の領域と補助磁極[AB]~[FA]のq軸が規定される。
なお、d軸は、回転中心Oと主磁極[A]~[F]の領域の周方向中心を結ぶ線として規定される。また、q軸は、回転中心Oと補助磁極[AB]~[FA]の領域の周方向中心を結ぶ線として規定される。
本実施形態では、主磁極[A]~[F]には、それぞれ第1の磁石挿入孔131と第2の磁石挿入孔132が形成されている。また、第1の磁石挿入孔131と第2の磁石挿入孔132は、d軸を挟んで両側に、回転中心O側が飛び出ている(回転中心Oと反対側が開いている)V字状に配置されている。
第1の磁石挿入孔131は、内周側壁部131a、外周側壁部131b、内周側端壁部131c、外周側端壁部131d、端壁部131eにより形成されている。
第2の磁石挿入孔132は、内周側壁部132a、外周側壁部132b、内周側端壁部132c、外周側端壁部132d、端壁部132eにより形成されている。
第1の磁石挿入孔131の内周側端壁部131cと第2の磁石挿入孔132の内周側端壁部132cの間には、d軸に平行(「略平行」を含む)に延在する中央ブリッジ部125が形成される。第1の磁石挿入孔131の外周側端壁部131dと回転子120の外周面(後述する、第2の外周面部分120b)の間には、周方向に延在する外周ブリッジ部126が形成される。第2の磁石挿入孔132の外周側端壁部132dと回転子120の外周面(後述する、第2の外周面部分120b)の間には、周方向に延在する外周ブリッジ部127が形成される。
また、隣接する2つの主磁極のうちの、一方の主磁極の第1の磁石挿入孔131の端壁部131eと、他方の主磁極の第2の磁石挿入孔132の端壁部132eの間に、q軸に平行(「略平行」を含む)に延在する磁束通路が形成される。
第1の磁石挿入孔131と第2の磁石挿入孔132には、永久磁石が挿入される。本実施形態では、第1の磁石挿入孔131と第2の磁石挿入孔132に、直線状に延在する第1の永久磁石141と第2の永久磁石142が挿入されている。
第1の永久磁石141は、内周側外壁面141a、外周側外壁面141b、内周側端壁面141c、外周側端壁面141dにより形成される長方形断面を有している。
第2の永久磁石142は、内周側外壁面142a、外周側外壁面142b、内周側端壁面142c、外周側端壁面142dにより形成される長方形断面を有している。
第1の永久磁石141(第2の永久磁石142)が第1の磁石挿入孔131(第2の磁石挿入孔132)に挿入された状態において、両端壁面側に空隙が形成されるように構成されている。
第1の永久磁石141、第2の永久磁石142としては、種々の永久磁石を用いることができる。本実施形態では、ネオジウム系磁石が用いられている。なお、ディスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)が拡散(粒界拡散)されたネオジウム磁石が用いられることもある。
回転子120の外周面(回転子外周面)は、複数の第1の外周面部分120a、複数の第2の外周面部分120b、複数の接続部分120cおよび120dにより形成されている。
第1の外周面部分120aは、d軸と交差している。第2の外周面部分120bは、q軸と交差し、第1の外周面部分120aより径方向内側に形成されている。接続部分120cおよび120dは、第1の外周面部分120aと第2の外周面部分120bを接続している。第1の外周面部分120aは、周方向他方側に、接続部分120cと接続されている接続部M2を有し、周方向一方側に、接続部分120dと接続されている接続部M2を有している。
第2の外周面部分120b、接続部分120cおよび120dは、第1の外周面部分120aを延在した外周面を有する円(半径R1)の外周を切欠いた切欠部を形成する。第2の外周面部分120b、接続部分120cおよび120dは、切欠部の底面、周方向一方側(時計方向側)の側面および周方向他方側(反時計方向側)の側面を形成する。
本実施形態では、第1の外周面部分120aは、回転中心Oを中心点とする半径R1mmの円弧形状を有している。半径R1は、回転子120の直径(外径)Lの(1/2)である。第2の外周面部分120bは、回転中心Oを中心点とする、半径R1より小さい半径R2mm(R2<R1)の円弧形状を有している。また、接続部分120cと120dは、d軸に平行(「略平行」を含む)に直線状に延在している。接続部分120cと120dの形状は、回転中心Oを通り、径方向に延在する線に平行(「略平行」を含む)に延在するように形成することもできる。なお、第1の外周面部分120a、第2の外周面部分120b、接続部分120cおよび120dの形状は、これに限定されない。
次に、本実施形態の永久磁石電動機100における、永久磁石141、142の減磁を防止しながら、永久磁石141、142の厚さ(周方向に沿った幅)を低減する構成について説明する。
なお、本実施形態では、前述したように、固定子110は、36個のスロット116(ティース112)を有し、回転子120は、6個の主磁極A~Fを有している。すなわち、永久磁石電動機100は、6極36スロットの永久磁石電動機として構成されている。
図2に示されているように回転子120には、d軸磁束とq軸磁束が流れる。
d軸磁束は、隣接する主磁極間を流れる磁束である。例えば、主磁極Aのd軸側から回転子120に流れ込み、主磁極Aに対して周方向一方側(図2において、時計方向)に隣接する主磁極Bのd軸側から流れ出る磁束である。d軸磁束によってd軸インダクタンスLdが定まる。
q軸磁束は、隣接する補助磁極間を流れる磁束である。例えば、主磁極Aと主磁極Aに対して周方向他方側(図2において、反時計方向)に隣接する主磁極Fとの間の補助磁極FA側から回転子120に流れ込み、主磁極Aと主磁極Aに対して周方向一方側に隣接する主磁極Bとの間の補助磁極AB側から流れ出る。
q軸磁束によってq軸インダクタンスLqが決まる。
次に、永久磁石の減磁を防止しながら、永久磁石の厚さを低減するための構成を以下に説明する。
従来の永久磁石電動機では、ティースを介して流れるd軸磁束が飽和しないように設定されているため、d軸インダクタンスLdは、電流が増減してもほぼ変わらない電流特性を有している。
これに対し、本実施形態では、ティースを介して流れるd軸磁束が飽和するように設定することによって、電流が大きい領域において、d軸インダクタンスLdが小さくなる電流特性を有するように構成している。
なお、電流の増加に伴ってティースの磁束密度が飽和するため、q軸インダクタンスLqが低下する。
すなわち、d軸インダクタンスLdが小さくなっても、[Ld-Lq]の絶対値は小さくならない。このため、リラクタンストルクを確保することができる。
回転子120の直径(外径)Lは、83mmと101mmの範囲内([83mm≦L≦101mm])に設定される。
第1の外周面部分120aは、直径Lの円形から、第2の外周面部分120bと接続部分120cおよび120dにより形成される切欠き部を除去した部分の外周面部分である。回転子120の直径Lが83mmより小さいと、第1の外周面部分120aの周方向に沿った長さが短くなって、十分な磁石を流せる通路を確保することができなくなる。十分な磁石を流せる通路を確保することができなくなると、磁束量が低下して、銅損が増加する。そして、銅損の増加に伴って、効率が低下する。
回転中心Oに対する第1の外周面部分120aの開角K1(機械角)について、図7を参照して説明する。
図7は、第1の外周面部分120aの開角K1とコギングトルクとの関係を測定した結果をグラフで示したものである。図7において、横軸は、開角K1(度)を示し、縦軸は、コギングトルク(N・m)を示している。
図7に示されているグラフでは、開角K1が14.9度より小さい領域および15.7度より大きい領域では、コギングトルクが大きい。
図7に示されているグラフから、開角K1を、14.9度と15.7度の範囲内([14.9度≦K1≦15.7度])に設定することにより、コギングトルクを低減することが理解される。
コギングトルクが低減されることにより、騒音や振動の発生を抑制することができる。また、コギングトルクが低減されることにより、トルクの発生に寄与しない磁束の流出入を低減することができる。この場合、トルクに寄与しない磁束の流出入による鉄損を低減することができる。
回転子120の第1の外周面部分120aと固定子内周面(ティース先端面115)との間の空隙gの距離Gについて、図8を参照して説明する。
図8は、空隙gの距離Gと永久磁石電動機100の効率との関係を測定した結果をグラフで示したものである。図8において、横軸は、空隙gの距離Gmmを示し、縦軸は、効率(%)を示している。
図8に示されているグラでは、距離Gが0.5mmより小さい領域および0.6mmより大きい領域では、効率が低下している。
距離Gが0.5mmより小さいと、起電力(誘導起電力)に含まれる高調波成分が増加する。そして、起電力に含まれる高調波成分の増加に伴って、高調波鉄損が増加し、効率が低下する。また、距離Gが小さいと、騒音や振動が大きくなる。
距離Gが0.6mmより大きいと、起電力に含まれる基本波成分が減少する。そして、起電力の減少に伴って、銅損が増加し、効率が低下する。
図8に示されているグラフから、空隙gの距離Gを、0.5mmと0.6mmの範囲内([0.5mm≦G≦0.6mm])に設定することにより、効率を高めることができることが理解される。
第1の外周面部分120aと第2の外周面部分120bとの間の径方向に沿った間隔(切欠き部の深さ)Hについて、図9を参照して説明する。
図9は、切欠き部の深さHとティース112の磁束密度との関係および切欠き部の深さHと起電力の基本波成分との関係を測定した結果をグラフで示したものである。図9において、横軸は、切欠き部の深さH(mm)を示し、左側の縦軸は、ティース112の磁束密度(テスラT)を示し、右側の縦軸は、起電力の基本波成分(ボルトV)を示している。また、図9には、起電力の基本波成分のグラフが実線で示され、ティースの磁束密度のグラフが破線で示されている。
図9に示されているグラフから、切欠き部の深さHが0.6mmより小さいと、ティース112の磁束密度が低下する。また、切欠き部の深さHが、0.96mmより大きいと、起電力の基本波成分が低下する。
図9に示されているグラフから、切欠き部の深さHを、0.6mmと0.96mmの範囲内([0.6mm≦H≦0.96mm])に設定することにより、ティース112の磁束密度を高くすることができるとともに、起電力に含まれる基本波成分を高くすることができる。
本実施形態では、運転電流を超える大きな電流が流れた場合に、ティース112の磁束密度が飽和するように構成することにより、永久磁石に過大な磁束が流れ込むのを防止している。
回転子の直径L、空隙gの距離G、第1の外周面部分120aの開角K1、切欠き部の深さHが前述した範囲内に設定されている状態で、運転電流を超える過大な電流が流れた場合にティース112の磁束密度を飽和させるには、ティース112の幅(詳しくは、ティース基部113の幅)Wtを、[0.36×(L+2×G)×π/36]と[0.42×(L+2×G)×π/36]の範囲内に設定する必要がある。すなわち、[0.36×(L+2×G)×π/36<Wt<0.42×(L+2×G)×π/36]を満足するように設定する必要がある。
この場合、永久磁石142、142の磁石厚さWpを、[2×G×1.3]と[2×G×2.0]の範囲内([2×G×1.3<Wp<2×G×2.0])に設定することができる。
なお、従来の永久磁石電動機400において、回転子420の直径L、空隙gの距離G、切欠き部の深さHが、本実施形態の永久磁石電動機100と同様に設定されている場合には、永久磁石441、442の厚さWpは、減磁を防止するために、[2×G×1.8]と[2×G×2.8]の範囲内に設定する必要がある。
次に、永久磁石141、142の厚さ(磁石厚さ)とティース112の磁束密度との関係を、図3~図6を参照して説明する。
図3~図6は、固定子巻線に所定電流を流している状態において、磁石厚さ(mm)と永久磁石141、142の磁束密度(テスラ)との関係を、通電進み角を変えて解析した結果をグラフで示したものである。
永久磁石の磁束密度は、永久磁石の長さ方向に沿った複数個所で測定した磁束密度を平均した平均磁束密度とした。
また、磁石厚さは、磁石挿入孔の圧さ方向の幅から類推できる。通常、磁石挿入孔の圧さ方向の幅は、磁石厚さより0.03mm~0.16mm程度大きく設定される。このため、磁石挿入孔の圧さ方向の幅を用いて解析し、磁石挿入孔の圧さ方向の幅から磁石厚さを類推した。
図3、図5において、横軸は、磁石厚さWp(mm)を示し、縦軸は、磁束密度(テスラ)を示している。また、図4、図6において、横軸は、磁石厚さWp(mm)を示し、縦軸は、磁束密度(%)を示している。
図3、図4は、電流値2Aのグラフである。
また、図5、図6は、電流値4Aのグラフである。
なお、図3、図5では、磁束密度を、解析値で示している。また、図4、図6では、磁束密度を、通電進み角0度の時の磁束密度を100%として正規化した値で示している。
図3~図6から、磁石厚さWpが1.7mm以下でグラフが非線形に曲がっている。
例えば、図4において、磁石厚さWpが1.7mmの場合、通電進み角20度の磁束密度(%)は98.5%まで低下している。磁束密度が低下すると、磁束量が低下する。磁束量が低下すると、高い回転数まで運転が可能となる。すなわち、「磁石厚さWpが1.7mmであり、通電進み角20度である場合における回転数」は、「磁石厚さWpが2.5mmであり、通電進み角30度である場合における回転数」にほぼ同等となる。
この場合、小さい通電進み角で運転することが可能になる。小さい通電進み角で運転すると、リラクタンストルクが小さくなる。その結果、リラクタンストルクに起因する鉄損を低減することができ、効率が向上する。さらに、永久磁石の厚さを低減することができるため、永久磁石のコストを低減することができる。
ティース112の幅(具体的には、ティース基部113の最小幅)Wtは、[0.36×(固定子内周/36)<Wt<0.42×(固定子内周/36)]を満足するように設定される。なお、固定子内周(mm)は、[固定子内周=(回転子120の直径D+距離G)×π]で表される。
ティース112の幅Wtが[0.39×(固定子内周/36)]より小さいと、ティース112から回転子120に十分な磁束が流れない。これにより、銅損が増加して効率が低下する。
ティース112の幅Wtが[0.42×(固定子内周/36)]より大きいと、ティース112と回転子120との間で十分な磁束が流れ、d軸磁束が飽和しない。この場合、d軸インダクタンスLdは、従来の永久磁石電動機と同じ電流特性を示す。
図10、図11に、本実施形態の永久磁石電動機100の磁束の流れが示されている。
図10に示されている状態では、ティースJ1~J6のうちのティースJ2が、主磁極[A]の第1の外周面部分120aに対向する位置に配置されている。図10では、接続部M1(中心点Oと接続部M1を通る線m1)は、ティースJ1の周方向一方側(時計方向)の側壁JB(側壁JBの延在線jb)より周方向一方側(反時計方向)に位置している。また、接続部M2(中心点Oと接続部M2を通る線m2)は、ティースJ3の周方向他方側(反時計方向)の側壁JA(側壁JAの延在線ja)より周方向他方側(反時計方向)に位置している。
図10に示されている状態では、N極のティースJ2から、第1の外周面部分120aを介して永久磁石142のS極に向かって磁束が流れ込む。この磁束は、第1の外周面部分120aとティース先端面115との間の空隙gを通るため、多い。また、N極のティースJ3~J5から、第2の外周面部分120bを介して永久磁石142のS極に向かって磁束が流れ込む。この磁束は、空隙gと切欠き部を通るため、少ない。
図11は、図10に示されている状態から、周方向一方側(時計方向)に5度(=360度/36の1/2)回転した状態を示している。
図11に示されている状態では、ティースJ1~J5のうちのティースJ2、J3が、主磁極[A]の第1の外周面部分420aに対向する位置に配置されている。図11では、接続部M1(中心点Oと接続部M1を通る線m1)は、ティースJ2の周方向他方側(反時計方向)の側壁JA(側壁JAの延在線ja)より周方向他方側(反時計方向)に位置している。また、接続部M2(中心点Oと接続部M2を通る線m2)は、ティースJ3の周方向一方側(時計方向)の側壁JB(側壁JBの延在線jb)より周方向一方側(時計方向)に位置している。
図11に示されている状態では、N極のティースJ2、J3から、第1の外周面部分120aを介して永久磁石142のS極に向かって磁束が流れ込む。この磁束は、第1の外周面部分120aとティース先端面115との間の空隙を通るため、多い。また、N極のティースJ4、J5から、第2の外周面部分120bを介して永久磁石142のS極に向かって磁束流れ込む。この磁束は、空隙gと切欠き部を通るため、少ない。
本実施形態では、図11に示す状態において、2つのティースJ2、J3から、第1の外周面部分120aを介して磁束が回転子120に流れ込む。
本実施形態では、ティースJ2、J3の磁束密度が飽和するように構成されている。このため、ティースj2、J3が、磁束リミッターとして機能し、それ以上の磁束が流れない。
これにより、永久磁石141、142の減磁を防止しながら、永久磁石141、142の厚さを低減することができる。また、ヨーク111を流れる磁束が少なくなるため、鉄損を低減することができる。さらに、ヨーク111の寸法(固定子110の寸法を小さくすることができる。あるいは、固定子110に、開口面積が大きい冷媒通路を形成することができる。
従来の永久磁石電動機400では、図14、図15に示されているように、回転子420の第1の外周面部分420aに対向する位置に、4個のティース412と3個のティース412が交互に配置されるように構成されている。
これに対し、本実施形態の永久磁石電動機100では、図10、図11に示されているように、回転子120の第1の外周面部分120aに対向する位置に、2個のティース112と1個のティース112が交互に配置されるように構成されている。
なお、主磁極に形成されている磁石挿入孔の長さは、ティース112が飽和した状態でティース113に流れている磁束に維持されるように設定される。
例えば、主磁極に形成されている磁石挿入孔の長さの総和が、ティース112の幅Wtの5倍以上に設定される。
本実施形態では、主磁極に形成されている磁石挿入孔131、132の幅がY(図2参照)であるので、(Y+Y)がWtの5倍以上に設定される。例えば、Wtが3.1mm、Yが19mmに設定される。この場合、[38mm(=2×19mm)/3.1mm=12.25倍]となる。
永久磁石141、142としては、好適には、飽和磁束密度が1.4テスラと1.6テスラの範囲内である永久磁石が用いられる。
また、好適には、固定子110(固定子コア)や回転子120(回転子コア)を構成する電磁鋼板として、磁束密度が、1.75テスラと1.9テスラの範囲内で線形領域から補遺線形領域に移行する電磁鋼板が用いられる。
第1実施形態の永久磁石電動機100では、直線状に延在する第1の磁石挿入孔131と第2の磁石挿入孔132が、回転中心O側が飛び出ているV字状に配置されている回転子120を用いたが、磁石挿入孔の形状、数、配置位置が異なる回転子を用いることもできる。
第2実施形態の永久磁石電動機の回転子220が、図12に示されている。
図12に示されている回転子220は、6個(極対数P=3)の主磁極それぞれに、直線状に延在する1つの磁石挿入孔231が形成されている。磁石挿入孔231は、d軸と交差する方向(図12では、d軸と直交する方向)に延在するように配置されている。そして、磁石挿入孔231に、直線状に延在する永久磁石241が挿入されている。
回転子220の外周面は、第1実施形態の永久磁石電動機100を構成する回転子120と同様に、d軸と交差する第1の外周面部分220a、q軸と交差する第2の外周面部分220b、接続部分220cおよび220dにより形成されている。
第3実施形態の永久磁石電動機の回転子320が、図13に示されている。
図13に示されている回転子320は、6個(極対数P=3)の主磁極それぞれに、直線状に延在する第1の磁石挿入孔331、第2の磁石挿入孔332、第3の磁石挿入孔333が形成されている。磁石挿入孔331~333は、d軸と交差し、回転中心O側が飛び出ている(回転中心Oと反対側が開いている)台形に沿って配置されている。すなわち、磁石挿入孔331~333は、台形状に配置されている。図13では、磁石挿入孔332が、台形の上底の位置に配置され、磁石挿入孔331と333が、台形の脚の位置に配置されている。そして、磁石挿入孔331~333それぞれに、直線状に延在する永久磁石341~343が挿入されている。
回転子320の外周面は、第1実施形態の永久磁石電動機100を構成する回転子120と同様に、d軸と交差する第1の外周面部分320a、q軸と交差する第2の外周面部分320b、接続部分320cおよび320dにより形成されている。
なお、各主磁極に、回転中心O側に飛び出ている台形状の磁石挿入孔を形成することもできる。この場合、台形状の磁石挿入孔に、直線状に延在する第1~第3の永久磁石が挿入される。
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
永久磁石電動機については説明したが、本発明は、永久磁石電動機を駆動電動機として用いた種々の装置として構成することができる。例えば、永久磁石電動機により圧縮機構部を駆動する圧縮機として構成することができる。
回転子の各主磁極に形成される磁石挿入孔の形状、数や配置位置、磁石挿入孔に挿入される永久磁石の形状、数や挿入位置等は適宜変更可能である。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
100、400 永久磁石電動機
110、410 固定子
111、411 ヨーク
112、412 ティース
113、413 ティース基部
114、414 ティース先端部
115、415 ティース先端面(固定子内周面)
116、416 スロット
120、220、320、420 回転子
120a、220a、320a、420a 第1の外周面部分
120b、220b、320b、420b 第2の外周面部分
120c、120d、220c、220d、320c、320d、420c、420dc 接続部分
121、221、321、421 内周面
122、222、322 内側空間
125 中央ブリッジ部
126、127 外周ブリッジ部
131、132、231、331、332、333、431、432 磁石挿入孔
131a、132a 内周側壁部
131b、132b 外周側壁部
131c、132c 内周側端壁部
131d、132d 外周側端壁部
131e、132e 端壁部
141、142、241、341、342、342、441、442 永久磁石
141a、142a 内周側外壁面
141b、142b 外周側外壁面
141c、142c 内周側端壁面
141d、142d 外周側端壁面

Claims (4)

  1. 固定子と回転子を備え、
    前記固定子は、周方向に沿って離間して配置されている複数のティースと、周方向に隣接するティースによって形成される複数のスロットと、各ティースに巻き付けられている固定子巻線と、固定子内側空間を形成する固定子内周面と、を有し、
    前記回転子は、前記固定子内側空間内に回転可能に配置され、また、周方向に沿って主磁極と補助磁極が交互に配置されているとともに、前記主磁極に形成されている磁石挿入孔に永久磁石が挿入されている、
    永久磁石電動機であって、
    前記固定子巻線は、前記複数のティースに分布巻き方式で巻き付けられており、
    前記主磁極は、6個設けられ、
    前記ティースは、36個設けられ、
    前記回転子の外周面は、前記主磁極のd軸と交差し、回転中心を中心点とする半径R1の円弧状に形成された第1の外周面部分と、前記補助磁極のq軸と交差し、前記回転中心を中心点とし、前記半径R1より小さい半径R2(R2<R1)の円弧状に形成された第2の外周面部分と、前記第1の外周面部分と前記第2の外周面部分を接続する接続部分と、を有し、
    前記回転子の直径Lは、[83mm≦L≦101mm]を満足するように設定され、
    前記第1の外周面部分と前記固定子内周面との間の距離Gは、[0.5mm≦G≦0.6mm]を満足するように設定され、
    前記ティースの幅Wtは、[0.36×(L+2×G)×π/36<Wt<0.42×(L+2×G)×π/36]を満足するように設定され、
    前記回転中心に対する前記第1の外周面部分の開角K1(機械角)は、[14.9度≦K1≦15.7度]を満足するように設定され、
    前記第1の外周面部分と前記第2の外周面部分との間の径方向に沿った間隔Hは、[0.6mm≦H≦0.96mm]を満足するように設定されていることを特徴とする永久磁石電動機。
  2. 請求項1に記載の永久磁石電動機であって、
    前記永久磁石として、残留磁束密度が1.34テスラと1.52テスラの範囲内、保持力が1550kA/mと2100kA/mの範囲内の永久磁石が用いられていることを特徴とする永久磁石電動機。
  3. 請求項1または2に記載の永久磁石電動機であって、
    前記固定子および前記回転子は、磁束密度が1.75テスラと1.9テスラの範囲内で線形領域から非線形領域に移行する電磁鋼板により構成されていることを特徴とする永久磁石電動機。
  4. 圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機を備える圧縮機であって、前記電動機として請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の永久磁石電動機が用いられていることを特徴とする圧縮機。
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