JP2023151650A - ショベル - Google Patents

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陽二 三崎
Yoji Misaki
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Abstract

【課題】旋回ブレーキの損耗を防止するショベルを提供することを目的とする。【解決手段】 操作レバーと、アタッチメントと、油圧アクチュエータと、油圧ポンプと、前記油圧ポンプが吐出する作動油を複数の前記油圧アクチュエータに供給可能な油路と、前記油路に配置された複数の制御弁と、記制御弁に対応するパイロットラインに設けられ、前記操作レバーの操作に応じて開口を調整する電磁比例弁と、を有したショベルであって、前記操作レバーの操作状態に応じて、前記電磁比例弁への指令値を補正するショベル。【選択図】図6

Description

本開示は、ショベルに関する。
下部走行体と、下部走行体に対し旋回可能な上部旋回体と、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、上部旋回体を旋回させる旋回油圧モータと、アタッチメントを駆動する油圧アクチュエータと、を備える作業機械が知られている。特許文献1には、油圧式作業機械用の操作装置が開示されている。
特開2015-190159号公報
ところで、ショベルは、上部旋回体が静止状態において上部旋回体の旋回停止を保持するための旋回ブレーキを有している。この旋回ブレーキは、パイロットラインから作動油(パイロット圧)が供給されることによりブレーキを解除し、作動油(パイロット圧)が供給されていない状態で上部旋回体の旋回を止めるように構成されている。ここで、ショベルにおいて、上部旋回体の旋回やアタッチメントを作動させた際、パイロットポンプから制御弁に作動油を供給することにより作動油の流量が不足し、パイロットラインの1次圧が低下するおそれがある。パイロットラインの1次圧が低下することで、旋回ブレーキが作動するおそれがある。これにより、旋回ブレーキが損耗するおそれがある。
そこで、本発明は、旋回ブレーキの損耗を防止するショベルを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るショベルは、操作レバーと、アタッチメントと、油圧アクチュエータと、油圧ポンプと、前記油圧ポンプが吐出する作動油を複数の前記油圧アクチュエータに供給可能な油路と、前記油路に配置された複数の制御弁と、記制御弁に対応するパイロットラインに設けられ、前記操作レバーの操作に応じて開口を調整する電磁比例弁と、を有したショベルであって、前記操作レバーの操作状態に応じて、前記電磁比例弁への指令値を補正する。
本発明によれば、旋回ブレーキの損耗を防止するショベルを提供することができる。
本発明の実施形態に係るショベルの側面図である。 図1のショベルの上面図である。 図1のショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す図である。 図1のショベルに搭載されるパイロットラインの構成例を示す図である。 アームシリンダの操作に関する油圧システムの一部の図である。 旋回油圧モータに関する油圧システムの一部の図である。 コントローラによる比例弁の制御を示すフローチャートである。 パイロット1次圧の変化の一例を示すグラフである。
最初に、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る掘削機としてのショベル100について説明する。図1はショベル100の側面図であり、図2はショベル100の上面図である。
本実施形態では、ショベル100の下部走行体1はクローラ1Cを含む。クローラ1Cは、下部走行体1に搭載されている走行アクチュエータとしての走行油圧モータ2Mによって駆動される。具体的には、クローラ1Cは左クローラ1CL及び右クローラ1CRを含む。左クローラ1CLは左走行油圧モータ2MLによって駆動され、右クローラ1CRは右走行油圧モータ2MRによって駆動される。
下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。旋回機構2は、上部旋回体3に搭載されている旋回アクチュエータとしての旋回油圧モータ2Aによって駆動される。但し、旋回アクチュエータは、電動アクチュエータとしての旋回電動発電機であってもよい。
上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5及びバケット6は、アタッチメントの一例であるアタッチメントATを構成する。ブーム4はブームシリンダ7で駆動され、アーム5はアームシリンダ8で駆動され、バケット6はバケットシリンダ9で駆動される。ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9は、アタッチメントアクチュエータを構成している。図1及び図2に示す例では、バケット6は、掘削バケットであるが、スケルトンバケット又は(除礫バケット)であってもよい。また、バケット6は、バケットチルト機構を備えていてもよい。
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。キャビン10の内部には、操作装置26、コントローラ30、及び操作方式切換装置SD等が設けられている。また、上部旋回体3には、空間認識装置70等が取り付けられている。なお、本書では、便宜上、上部旋回体3における、アタッチメントATが取り付けられている側を前方とし、カウンタウェイトが取り付けられている側を後方とする。
空間認識装置70は、ショベル100の周囲の三次元空間に存在する物体を認識するように構成されている。また、空間認識装置70は、空間認識装置70又はショベル100から認識された物体までの距離を算出するように構成されていてもよい。空間認識装置70は、例えば、超音波センサ、ミリ波レーダ、撮像装置、LIDAR、距離画像センサ、赤外線センサ等、又はそれらの任意の組み合わせを含む。撮像装置は、例えば、単眼カメラ又はステレオカメラ等である。本実施形態では、空間認識装置70は、キャビン10の上面前端に取り付けられた前方センサ70F、上部旋回体3の上面後端に取り付けられた後方センサ70B、上部旋回体3の上面左端に取り付けられた左方センサ70L、及び、上部旋回体3の上面右端に取り付けられた右方センサ70Rを含む。上部旋回体3の上方の空間に存在する物体を認識する上方センサがショベル100に取り付けられていてもよい。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。操作装置26は、例えば、操作レバー及び操作ペダルを含む。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも1つを含む。
操作方式切換装置SDは、操作レバーの操作方式を切り換えることができるように構成される。例えば、操作方式切換装置SDは、キャビン10内の右側コンソールに設けられた押しボタンスイッチを含み、押しボタンスイッチが押される度に、第1操作方式と第2操作方式との間で操作レバーの操作方式を切り換えることができるように構成される。例えば、第1操作方式は、左操作レバー26L(図3参照。)が前方に倒されたときにアーム5が開かれ、左操作レバー26Lが後方に倒されたときにアーム5が閉じられ、左操作レバー26Lが左方に倒されたときに左旋回が実行され、且つ、左操作レバー26Lが右方に倒されたときに右旋回が実行されるように構成されている。また、第1操作方式は、右操作レバー26R(図3参照。)が前方に倒されたときにブーム4が下げられ、右操作レバー26Rが後方に倒されたときにブーム4が上げられ、右操作レバー26Rが左方に倒されたときにバケット6が閉じられ、且つ、右操作レバー26Rが右方に倒されたときにバケット6が開かれるように構成されている。一方で、第2操作方式は、左操作レバー26L(図3参照。)が前方に倒されたときに右旋回が実行され、左操作レバー26Lが後方に倒されたときに左旋回が実行され、左操作レバー26Lが左方に倒されたときにアーム5が開かれ、且つ、左操作レバー26Lが右方に倒されたときにアーム5が閉じられるように構成されている。
ショベル100の操作者は、例えば、掘削バケットを用いて掘削作業を行う場合に第1操作方式を選択し、スケルトンバケット(除礫バケット)を用いて除礫作業を行う場合に第2操作方式を選択してもよい。
コントローラ30は、ショベル100を制御するための制御装置である。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を備えたコンピュータで構成されている。そして、コントローラ30は、各機能に対応するプログラムを不揮発性記憶装置から読み出して揮発性記憶装置にロードし、対応する処理をCPUに実行させる。各機能は、例えば、操作者によるショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能、及び、操作者によるショベル100の手動操作を支援したり或いはショベル100を自動的或いは自律的に動作させたりするマシンコントロール機能を含む。コントローラ30は、ショベル100の周囲の監視範囲内に存在する物体とショベル100との接触を回避するためにショベル100を自動的或いは自律的に動作させたり或いは停止させたりする接触回避機能を含んでいてもよい。ショベル100の周囲の物体の監視は、監視範囲内だけでなく監視範囲外に対しても実行される。
次に、図3を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図3は、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す図である。図3は、機械的動力伝達系、作動油ライン、パイロットライン及び電気制御系を、それぞれ、二重線、実線、破線及び点線で示している。
ショベル100の油圧システムは、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作センサ29、及びコントローラ30等を含む。
図3において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14から、センターバイパス管路40又はパラレル管路42を経て作動油タンクまで作動油を循環させることができるように構成されている。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給できるように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御できるように構成されている。本実施形態では、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによってメインポンプ14の吐出量を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロット圧生成装置の一例であり、パイロットラインを介して油圧制御機器に作動油を供給できるように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロット圧生成装置は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給する機能に加え、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給する機能を備えていてもよい。この場合、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できるように構成されている。制御弁171~176は、例えば、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行油圧モータ2ML、右走行油圧モータ2MR及び旋回油圧モータ2Aを含む。
操作装置26は、操作者がアクチュエータを操作できるように構成されている。本実施形態では、操作装置26は、操作者が油圧アクチュエータを操作できるように構成された油圧アクチュエータ操作装置を含む。具体的には、油圧アクチュエータ操作装置は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できるように構成されている。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出できるように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作センサ29は、操作者による操作装置26の操作の内容を検出できるように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
メインポンプ14は、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。そして、左メインポンプ14Lは、左センターバイパス管路40L又は左パラレル管路42Lを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、右メインポンプ14Rは、右センターバイパス管路40R又は右パラレル管路42Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
左センターバイパス管路40Lは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁171、173、175L及び176Lを通る作動油ラインである。右センターバイパス管路40Rは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁172、174、175R及び176Rを通る作動油ラインである。
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行油圧モータ2MLへ供給し、且つ、左走行油圧モータ2MLが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行油圧モータ2MRへ供給し、且つ、右走行油圧モータ2MRが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
左パラレル管路42Lは、左センターバイパス管路40Lに並行する作動油ラインである。左パラレル管路42Lは、制御弁171、173、及び175Lの何れかによって左センターバイパス管路40Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル管路42Rは、右センターバイパス管路40Rに並行する作動油ラインである。右パラレル管路42Rは、制御弁172、174、及び175Rの何れかによって右センターバイパス管路40Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
レギュレータ13は、左レギュレータ13L及び右レギュレータ13Rを含む。左レギュレータ13Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。具体的には、左レギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節して吐出量を減少させる。右レギュレータ13Rについても同様である。吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収パワー(吸収馬力)がエンジン11の出力パワー(出力馬力)を超えないようにするためである。
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁176のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁173のパイロットポートに導入させる。
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右側パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、制御弁173の左側パイロットポートに作動油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、制御弁173の右側パイロットポートに作動油を導入させる。
図3に示す例では、左操作レバー26Lは、前後方向に操作されたときにアーム操作レバーとして機能し、左右方向に操作されたときに旋回操作レバーとして機能する。
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁175のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁174のパイロットポートに導入させる。
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、制御弁175Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの右側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、制御弁174の右側パイロットポートに作動油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、制御弁174の左側パイロットポートに作動油を導入させる。
図3に示す例では、右操作レバー26Rは、前後方向に操作されたときにブーム操作レバーとして機能し、左右方向に操作されたときにバケット操作レバーとして機能する。
走行レバー26Dは、クローラ1Cの操作に用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、左クローラ1CLの操作に用いられる。左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁171のパイロットポートに導入させる。右走行レバー26DRは、右クローラ1CRの操作に用いられる。右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁172のパイロットポートに導入させる。
吐出圧センサ28は、吐出圧センサ28L及び吐出圧センサ28Rを含む。吐出圧センサ28Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。吐出圧センサ28Rについても同様である。
操作センサ29は、操作センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL、29DRを含む。操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作の内容は、例えば、レバー操作方向、レバー操作量(レバー操作角度)等である。
同様に、操作センサ29LBは、操作者による左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RAは、操作者による右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RBは、操作者による右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DLは、操作者による左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DRは、操作者による右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、操作センサ29の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。また、コントローラ30は、絞り18の上流に設けられた制御圧センサ19の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19は左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。
左センターバイパス管路40Lには、最も下流にある制御弁176Lと作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。そのため、左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左レギュレータ13Lを制御するための制御圧を発生させる。左制御圧センサ19Lは、この制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は、この制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、この制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、この制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増大させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
具体的には、図3で示されるようにショベル100における油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態の場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス管路40Lを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増大させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を許容最小吐出量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス管路40Lを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lに至る量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を低下させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を循環させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、コントローラ30は、右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御する。
上述のような構成により、図3の油圧システムは、待機状態においては、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス管路40で発生させるポンピングロスを含む。また、図3の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。
また、ブームシリンダ7にはブームロッド圧センサS7R及びブームボトム圧センサS7Bが取り付けられている。アームシリンダ8にはアームロッド圧センサS8R及びアームボトム圧センサS8Bが取り付けられている。バケットシリンダ9にはバケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bが取り付けられている。ブームロッド圧センサS7R、ブームボトム圧センサS7B、アームロッド圧センサS8R、アームボトム圧センサS8B、バケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bは、集合的に「シリンダ圧センサ」とも称される。また、旋回油圧モータ2Aには左旋回圧センサS10L及び右旋回圧センサS10Rが取り付けられている。
ブームロッド圧センサS7Rはブームシリンダ7のロッド側油室の圧力(以下、「ブームロッド圧」とする。)を検出し、ブームボトム圧センサS7Bはブームシリンダ7のボトム側油室の圧力(以下、「ブームボトム圧」とする。)を検出する。アームロッド圧センサS8Rはアームシリンダ8のロッド側油室の圧力(以下、「アームロッド圧」とする。)を検出し、アームボトム圧センサS8Bはアームシリンダ8のボトム側油室の圧力(以下、「アームボトム圧」とする。)を検出する。バケットロッド圧センサS9Rはバケットシリンダ9のロッド側油室の圧力(以下、「バケットロッド圧」とする。)を検出し、バケットボトム圧センサS9Bはバケットシリンダ9のボトム側油室の圧力(以下、「バケットボトム圧」とする。)を検出する。左旋回圧センサS10Lは、旋回油圧モータ2Aの左側ポートにおける作動油の圧力を検出する。右旋回圧センサS10Rは、旋回油圧モータ2Aの右側ポートにおける作動油の圧力を検出する。各センサで検出された値は、コントローラ30に送信される。
次に、図4を参照し、ショベル100に搭載されるパイロットラインの構成例について説明する。図4は、ショベル100に搭載されるパイロットラインの構成例を示す図である。図4は、機械的動力伝達系、パイロットライン及び電気制御系を、それぞれ、二重線、実線及び破線で示している。
パイロットポンプ15は、パイロットラインに作動油を吐出する。パイロットラインには、リリーフ弁50が設けられている。リリーフ弁50は、パイロットラインの1次圧が所定圧力(例えば、4MPa)以上で開き、作動油タンクに作動油を排出する。
パイロットポンプ15が吐出する作動油は、開閉弁51を介して、旋回ブレーキ52に供給される。開閉弁51は、コントローラ30によって開閉が制御される電磁開閉弁である。
ここで、旋回油圧モータ2Aの出力軸は、減速機53を介して旋回機構2のピニオン54を回転させる。旋回油圧モータ2Aの出力軸が回転することで、ピニオン54が回転する。ピニオン54が回転することで、旋回機構2の内歯車(図示せず)を回転し、内歯車(図示せず)と固定された上部旋回体3が旋回する。また、旋回油圧モータ2Aの出力軸の回転が停止することで、上部旋回体3の旋回も停止する。
旋回ブレーキ52は、上部旋回体3が静止状態において上部旋回体3の旋回停止を保持するための装置である。旋回ブレーキ52は、旋回油圧モータ2Aの出力軸に設けられている。旋回ブレーキ52は、パイロットラインから作動油(パイロットラインの1次圧)が供給されることによりブレーキを解除し、作動油(パイロットラインの1次圧)が供給されていない状態で旋回油圧モータ2Aの出力軸の回転を止める、換言すれば、上部旋回体3の旋回を止める、ように構成されている。
コントローラ30は、例えば操作装置26が操作され、上部旋回体3が旋回する際に、開閉弁51を開く。これにより、旋回ブレーキ52を解除する。また、コントローラ30は、例えば上部旋回体3の旋回を停止して、所定時間経過後に開閉弁51を閉じる。これにより、旋回ブレーキ52を解除する。
また、パイロットポンプ15が吐出する作動油は、複数の比例弁31にそれぞれ供給される。また、複数の比例弁31のそれぞれは、制御弁171~176の一方のポート及び他方のポートにそれぞれ接続される。比例弁31は、コントローラ30によって開閉及び開度が制御される電磁比例弁である。図4に示す例において、パイロットポンプ15が吐出する作動油は、一の比例弁31を介して、制御弁176の一方のポートに供給される。また、パイロットポンプ15が吐出する作動油は、他の比例弁31を介して、制御弁176の他方のポートに供給される。なお、図4においては、比例弁31を介して制御弁176のそれぞれのポートに作動油を供給する回路を図示しているが、同様に比例弁31を介して制御弁171~175のそれぞれのポートに作動油を供給する。
比例弁31を開くことにより、制御弁171~176に作動油を供給し、制御弁171~176を駆動する。
ここで、図5A~図5Bを参照し、コントローラ30がマシンコントロール機能によってアクチュエータを動作させるための構成について説明する。図5A~図5Bは、油圧システムの一部を抜き出した図である。具体的には、図5Aは、アームシリンダ8の操作に関する油圧システム部分を抜き出した図であり、図5Bは、旋回油圧モータ2Aの操作に関する油圧システム部分を抜き出した図である。なお、図5A及び図5Bでは、アームシリンダ8の動作、旋回油圧モータ2Aの動作を例に説明したが、これに限られるものではなく、ブームシリンダ7の動作、バケットシリンダ9の動作、左走行油圧モータ2MLの動作、右走行油圧モータ2MRの動作についても同様であり、重複する説明は省略する。
図5A~図5Bに示すように、油圧システムは、比例弁31を含む。比例弁31は、比例弁31AL、31DL及び31AR、31DRを含む。
比例弁31は、マシンコントロール用制御弁として機能する。比例弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートとを接続する管路に配置され、その管路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、比例弁31は、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、コントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できる。そして、コントローラ30は、比例弁31が生成するパイロット圧を、対応する制御弁のパイロットポートに作用させることができる。
この構成により、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。また、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われている場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータの動作を強制的に停止させることができる。
例えば、図5Aに示すように、左操作レバー26Lは、アーム5を操作するために用いられる。具体的には、左操作レバー26Lは、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、前後方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁176のパイロットポートに作用させる。より具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向(後方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの右側パイロットポートと制御弁176Rの左側パイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向(前方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの左側パイロットポートと制御弁176Rの右側パイロットポートに作用させる。
左操作レバー26LにはスイッチNSが設けられている。本実施形態では、スイッチNSは、左操作レバー26Lの先端に設けられた押しボタンスイッチである。操作者は、スイッチNSを押しながら左操作レバー26Lを操作できる。スイッチNSは、右操作レバー26Rに設けられていてもよく、キャビン10内の他の位置に設けられていてもよい。
操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
比例弁31ALは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から比例弁31ALを介して制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調整する。比例弁31ARは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から比例弁31ARを介して制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調整する。比例弁31ALは、制御弁176L及び制御弁176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。同様に、比例弁31ARは、制御弁176L及び制御弁176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
また、比例弁31ALと制御弁176の一方のポート(制御弁176Lの右側ポート及び制御弁176Rの左側ポート)とを接続するパイロットラインには、パイロット圧を検出するパイロット圧センサ32ALが設けられている。また、比例弁31ARと制御弁176の他方のポート(制御弁176Lの左側ポート及び制御弁176Rの右側ポート)とを接続するパイロットラインには、パイロット圧を検出するパイロット圧センサ32ARが設けられている。各パイロット圧センサ32AL,32ARで検出された値は、コントローラ30に送信される。
この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ALを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ALを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作に応じ、或いは、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、アーム5を閉じることができる。
また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ARを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ARを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作に応じ、或いは、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、アーム5を開くことができる。
また、この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作が行われている場合であっても、必要に応じて、制御弁176の閉じ側のパイロットポート(制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポート)に作用するパイロット圧を減圧し、アーム5の閉じ動作を強制的に停止させることができる。操作者によるアーム開き操作が行われているときにアーム5の開き動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
或いは、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作が行われている場合であっても、必要に応じて、比例弁31ARを制御し、制御弁176の閉じ側のパイロットポートの反対側にある、制御弁176の開き側のパイロットポート(制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポート)に作用するパイロット圧を増大させ、制御弁176を強制的に中立位置に戻すことで、アーム5の閉じ動作を強制的に停止させてもよい。操作者によるアーム開き操作が行われている場合にアーム5の開き動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
また、以下の図5Bを参照しながらの説明を省略するが、操作者によるブーム上げ操作又はブーム下げ操作が行われている場合にブーム4の動作を強制的に停止させる場合、操作者によるバケット閉じ操作又はバケット開き操作が行われている場合にバケット6の動作を強制的に停止させる場合、及び、操作者による旋回操作が行われている場合に上部旋回体3の旋回動作を強制的に停止させる場合についても同様である。また、操作者による走行操作が行われている場合に下部走行体1の走行動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
また、図5Bに示すように、左操作レバー26Lは、旋回機構2を操作するためにも用いられる。具体的には、左操作レバー26Lは、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、左右方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁173のパイロットポートに作用させる。より具体的には、左操作レバー26Lは、左旋回方向(左方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁173の左側パイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、右旋回方向(右方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁173の右側パイロットポートに作用させる。
操作センサ29LBは、操作者による左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
比例弁31DLは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から比例弁31DLを介して制御弁173の左側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調整する。比例弁31DRは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から比例弁31DRを介して制御弁173の右側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調整する。比例弁31DLは、制御弁173を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。同様に、比例弁31DRは、制御弁173を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
また、比例弁31DLと制御弁173の一方のポート(制御弁173の左側ポート)とを接続するパイロットラインには、パイロット圧を検出するパイロット圧センサ32DLが設けられている。また、比例弁31DRと制御弁173の他方のポート(制御弁173の右側ポート)とを接続するパイロットラインには、パイロット圧を検出するパイロット圧センサ32DRが設けられている。各パイロット圧センサ32DL,32DRで検出された値は、コントローラ30に送信される。
この構成により、コントローラ30は、操作者による左旋回操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31DLを介し、制御弁173の左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者による左旋回操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31DLを介し、制御弁173の左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者による左旋回操作に応じ、或いは、操作者による左旋回操作とは無関係に、旋回機構2を左旋回させることができる。
また、コントローラ30は、操作者による右旋回操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31DRを介し、制御弁173の右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者による右旋回操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31DRを介し、制御弁173の右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者による右旋回操作に応じ、或いは、操作者による右旋回操作とは無関係に、旋回機構2を右旋回させることができる。
ショベル100は、下部走行体1を自動的に前進・後進させる構成を備えていてもよい。この場合、左走行油圧モータ2MLの操作に関する油圧システム部分、及び、右走行油圧モータ2MRの操作に関する油圧システム部分は、ブームシリンダ7の操作に関する油圧システム部分等と同じように構成されてもよい。
また、操作装置26の形態として電気式操作レバーに関する説明を記載したが、電気式操作レバーではなく油圧式操作レバーが採用されてもよい。この場合、油圧式操作レバーのレバー操作量は、圧力センサによって圧力の形で検出されてコントローラ30へ入力されてもよい。また、油圧式操作レバーとしての操作装置26と各制御弁のパイロットポートとの間には電磁弁が配置されてもよい。電磁弁は、コントローラ30からの電気信号に応じて動作するように構成される。この構成により、油圧式操作レバーとしての操作装置26を用いた手動操作が行われると、操作装置26は、レバー操作量に応じてパイロット圧を増減させることで各制御弁を移動させることができる。また、各制御弁は電磁スプール弁で構成されていてもよい。この場合、電磁スプール弁は、電気式操作レバーのレバー操作量に対応するコントローラ30からの電気信号に応じて動作する。
次に、コントローラ30による比例弁31の制御について、図6を用いて説明する。
図6は、コントローラ30による比例弁31の制御を示すフローチャートである。
ステップS101において、コントローラ30は、パイロットポンプ15が供給可能なパイロット流量の把握を行う。例えば、コントローラ30は、パイロットポンプ15を駆動するエンジン11の出力軸の回転速度、パイロットポンプ15の特性(入力回転と吐出する作動油の流量との関係)等に基づいて、パイロットポンプ15が供給可能な作動油の流量(パイロット流量)を算出して、把握する。
ステップS102において、コントローラ30は、制御弁171~176のスプール操作を受け付ける。具体的には、コントローラ30は、複数の操作装置(左操作レバー26L、右操作レバー26R)で検出した操作量を受け付ける。
ステップS103において、コントローラ30は、操作レバー(左操作レバー26L、右操作レバー26R)の操作量に基づいて、1次圧が低下するような操作か否かを判定する。具体的には、コントローラ30は、操作者による操作レバーの操作に対応する方向制御弁171~176のスプールの移動量を算出する。そして、スプールの移動量に基づいて、作動油の必要流量を算出する。そして、算出された必要流量に基づいて、1次圧が所定の閾値よりも低下するか否かを判定する。ここで、複数の方向制御弁171~176の移動量の合算値を算出し、算出された移動量の合算値に基づいて、作動油の必要流量を算出してもよい。そして、算出された必要流量に基づいて、1次圧が所定の閾値よりも低下するか否かを判定してもよい。また、単位時間当たりの操作量(操作速度)を算出し、算出された操作速度に基づいて、1次圧が所定の閾値よりも低下するか否かを判定してもよい。ここで、操作量とは、方向制御弁171~176のスプールの移動量も含まれる。スプールの移動量は、スプールストロークセンサによって検出されてもよい。
1次圧が低下しない場合(S103・No)、コントローラ30の制御は、ステップS104に進む。ステップS104において、コントローラ30は、比例弁31に操作通りの出力を行う。
1次圧が低下する場合(S103・Yes)、コントローラ30の制御は、ステップS105に進む。ステップS105において、コントローラ30は、スプールの動きを抑制し、1次圧が所定の閾値よりも低下しない程度、比例弁31への指令値を補正する。具体的には、コントローラ30は、パイロット圧の1次圧の低下を抑制するように比例弁31への指令値を補正する。また、コントローラ30は、パイロット圧の2次圧の昇圧速度を抑えるように、比例弁31への指令値を補正する。ここで、操作内容に応じて、比例弁41の優先度を決定してもよい。例えば、旋回操作を優先し、旋回操作に対応する比例弁41の指令値を補正せず、アタッチメント操作に対応する比例弁の指令値を補正してもよい。また、アタッチメント操作を優先し、アタッチメント操作に対応する比例弁41の指令値を補正せず、旋回操作に対応する比例弁の指令値を補正してもよい。
このように、コントローラ30は、操作装置26の操作状態に基づいて、比例弁31の指令値を補正する。具体的には、1次圧が所定の閾値よりも低下するような操作の場合、コントローラ30は、スプールの操作量を制限するように比例弁31の指令値を補正する。これにより、パイロットラインの1次圧が所定の閾値よりも低下することを抑制する。
図7は、パイロット1次圧の変化の一例を示すグラフである。
ここで、参考例においては、コントローラ30は、比例弁31に操作通りの出力を行う。参考例において、時間T1において例えば操作装置26の複合操作を行うことにより、パイロットポンプ15から比例弁31を介して制御弁171~176に供給される作動油の流量が不足すると、パイロット1次圧が圧力P1から低下する。1次圧が所定の閾値圧力P0(破線で示す)より下がると、旋回ブレーキ52が作動する。これにより、旋回ブレーキ52が損耗するおそれがある。
これに対し、本実施形態においては、コントローラ30は、1次圧が低下しないように比例弁31の指令値を補正する。これにより、時間T2においてパイロット1次圧は閾値圧力P0よりも高い圧力P2で下げ止まり、パイロット1次圧の低下を抑制することができる。これにより、旋回ブレーキ52の意図しない作動を防止し、旋回ブレーキ52が損耗することを防止することができる。
100 ショベル
1 下部走行体
2A 旋回油圧モータ
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
15 パイロットポンプ
17 コントロールバルブユニット
171~176 制御弁
26 操作装置
30 コントローラ
31 比例弁(電磁比例弁)

Claims (8)

  1. 操作レバーと、
    アタッチメントと、
    油圧アクチュエータと、
    油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプが吐出する作動油を複数の前記油圧アクチュエータに供給可能な油路と、
    前記油路に配置された複数の制御弁と、
    前記制御弁に対応するパイロットラインに設けられ、前記操作レバーの操作に応じて開口を調整する電磁比例弁と、を有したショベルであって、
    前記操作レバーの操作状態に応じて、前記電磁比例弁への指令値を補正する
    ショベル。
  2. 所定の操作量以上の操作が行われた場合、パイロットラインに設けられる電磁比例弁への指令値を補正する、
    請求項1に記載のショベル。
  3. パイロット圧の1次圧の低下を抑制するように、電磁比例弁への指令値を補正する、
    請求項2に記載のショベル。
  4. パイロット圧の2次圧の昇圧速度を抑えるように、電磁比例弁への指令値を補正する、
    請求項2に記載のショベル。
  5. 前記操作レバーの操作状態に基づいて、必要流量を算出し、前記算出された必要流量に基づいて電磁比例弁への指令値を補正するか否かを判断する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のショベル。
  6. 前記パイロットラインからのパイロット圧が印加されることにより、上部旋回体の旋回ブレーキを解除する旋回ブレーキを備える、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のショベル。
  7. 前記操作レバーの操作状態とは、複数の操作レバーの操作量である、
    請求項1に記載のショベル。
  8. 前記操作レバーの操作状態に基づいて、前記パイロットラインの1次圧が低下するか否かを判定する、
    請求項1に記載のショベル。
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