JP4993575B2 - 作業車両のステアリングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ホイールローダ等の作業車両のステアリングシステムに関する。
ホイールローダ等の作業車両のステアリングシステムは、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるステアリングシリンダと、油圧ポンプからステアリングシリンダに供給される圧油の方向と流量を制御するステアリングバルブとを備え、ステアリングホイール(ハンドル)の回転方向と回転量に応じてステアリングバルブを切り換え、ステアリングシリンダを駆動制御している。この場合、ステアリングホイール(ハンドル)の回転方向と回転量に応じたステアリングバルブの切り換えは、オービットロール(商品名)と呼ばれる油圧ステアリングユニットを用いて行っている。ここで、その油圧ステアリングユニットは、ステアリングホイールの回転操作に連動して動作する油圧バルブと油圧モータを有し、その回転量と回転方向に応じた流量の油圧を発生する構成となっている。
このような作業車両のステアリングシステムにおいては、通常、油圧ステアリングユニットをメイン回路に配置し、ステアリングホイールによりステアリングバルブを操作し、ステアリングシリンダを駆動制御している。この場合、油圧ステアリングユニットの油圧バルブがステアリングバルブとして配置され、油圧バルブユニットで発生した油圧が直接ステアリングシリンダに導かれる。
このような通常の作業車両のステアリングシステムに対し、油圧ステアリングユニットをステアリングバルブの操作系として用い、ステアリングホイールの回転操作を軽く(小さな力で)行えるようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。この種のステアリングシステムでは、油圧源としてパイロットポンプを用い、油圧ステアリングユニットにより発生した油圧をステアリングバルブの油圧切換部(受圧部)に導き、ステアリングバルブを切り換えるようにしている。ステアリングバルブには、油圧ステアリングユニットから導かれた油圧をステアリングバルブ切り換え用の制御圧力に変換するための絞り通路が備えられている。
一方、ステアリングバルブの操作系を、コントローラと電磁弁を含む電気・油圧的なステアリングユニットにより構成し、ステアリングバルブの切り換えを電気・油圧的に行うものも知られている(例えば特許文献2)。このものでは、ステアリングホイールの回転操作角(操舵角)をポテンショメータで検出し、この検出値をコントローラに入力する。コントローラは、その検出値に応じた指令信号(電気信号)を電磁弁に出力し、電磁弁はその指令信号に応じた制御圧力を出力する。この制御圧力はステアリングバルブの油圧切換部(受圧部)に導かれ、ステアリングバルブを切り換える。
また、特許文献2記載のステアリングシステムにあっては、操舵角検出値に対する指令信号のゲイン(指令信号/操舵角)を、複数種類、コントローラに設定しておき、オペレータが切換スイッチを操作することにより、その内の1つのゲインを選択できるようにしている。これによりステアリングホイールの回転操作量に対するステアリングシリンダの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合を、走行時、実作業時のいずれにも適合するように調整可能となり、走行時、実作業時のそれぞれにおいて最適のステアリング操作性が得られる。また、走行速度を検出する速度センサを設け、走行速度に応じて連続的に指令信号を変化させる変形例も提案されている。
実開平1−154974号公報 特開平10−45014号公報
ホイールローダのような作業車両においては、運転状況に応じて、ステアリング操作時のステアリングホイールの回転操作量に対するステアリングシリンダの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合を変えることで、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪ステアリング速度)を変えたい場合がある。
例えば、走行中は、車速が早いときはステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪ステアリング速度)を遅くすると、安全性の面で有利である。一方、車速が遅いときはステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪ステアリング速度)を速くすると、応答良くステアリング操作を行うことができ、操作性が向上する。
また、走行しながらフロント作業機を操作するときは、走行とフロント作業機の同時操作であるため、車輪のステアリング速度が遅いとステアリング操作に気を使い、オペレータを疲労させる原因となる。したがって、走行しながらフロント作業機を操作するときは、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪のステアリング速度)を速くすると、オペレータの疲労が少なくなり、作業効率が向上する。一方、単独走行では、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪のステアリング速度)を早くしない方が、安全性が向上する。
特許文献1記載の作業車両のステアリングシステムにおいては、油圧ステアリングユニットをステアリングバルブの操作系として用いているため、ステアリングホイールの回転操作(以下、適宜「ステアリング操作」という)を小さな力で行うことができ、ステアリング操作性が向上する。しかし、ステアリング操作時のステアリングホイールの回転操作量に対するステアリングシリンダの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合は変えることができないため、運転状況に応じて、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪ステアリング速度)を変えることができない。
特許文献2記載の作業車両のステアリングシステムにおいては、切換スイッチを操作することにより操舵角検出値に対する指令信号の複数種類のゲインのうちの1つを選択することができるので、運転状況に応じてステアリングホイールの回転操作量に対するステアリングシリンダの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合を変えることができる。しかし、特許文献2では、ステアリングバルブの操作系を、コントローラと電磁弁とを用いた電気・油圧的なステアリングユニットにより構成しているため、万一、ステアリングユニットの電気系統に故障が生じた場合、ステアリングユニットが誤作動を起こし、作業車両のステアリグ動作が行えなくなることが懸念される。
本発明の目的は、ステアリングホイールの回転操作を小さな力で行うことができるとともに、運転状況に応じて、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度を変えることができ、かつ万一、電気系統に故障が生じても、作動車両のステアリング動作を確実に行うことができ、安全性の高い作業車両のステアリングシステムを提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるステアリングシリンダと、前記油圧ポンプから前記ステアリングシリンダに供給される圧油の方向と流量を制御するステアリングバルブと、オペレータにより回転操作されるステアリングホイールとを備え、前記ステアリングホイールの回転方向と回転量に応じて前記ステアリングバルブを切り換え、前記ステアリングシリンダを駆動制御する作業車両のステアリングシステムにおいて、前記ステアリングホイールが連結され、このステアリングホイールの回転操作により動作し、パイロット油圧源の圧油に基づいて前記ステアリングホイールの回転量と回転方向に応じた制御圧力を発生する油圧ステアリングユニットと、前記油圧ステアリングユニットにより発生した制御圧力を前記ステアリングバルブの操作部に導いて前記ステアリングバルブを切り換えるパイロット油路と、前記油圧ポンプと前記ステアリングバルブとの間に配置され、前記ステアリングバルブの前後差圧の目標値を設定する設定手段を有し、前記ステアリングバルブの前後差圧を前記目標値に保持するよう制御することで、前記油圧ポンプから吐出される圧油を前記ステアリングシリンダに優先的に供給し、余剰流量を作業機を駆動する作業用アクチュエータに供給するプライオリティバルブと、信号生成手段と、前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じて前記プライオリティバルブの設定手段に設定される前記ステアリングバルブの前後差圧の目標値を変更する制御手段とを備えるものとする。
このように構成した本発明においては、ステアリングホイールの回転操作により動作し、パイロット油圧源の圧油に基づいてステアリングホイールの回転量と回転方向に応じた制御圧力を発生する油圧ステアリングユニットと、油圧ステアリングユニットにより発生した制御圧力をステアリングバルブの操作部に導いてステアリングバルブを切り換えるパイロット油路とを設け、前記油圧ステアリングユニットをステアリングバルブの操作系として構成したので、ステアリングホイールの回転操作を小さな力で行うことができる。
また、信号生成手段と、この信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じてプライオリティバルブの設定手段に設定されるステアリングバルブの前後差圧の目標値を変更する制御手段とを設けたので、信号生成手段からの信号に応じてステアリングバルブの前後差圧を変え、ステアリングバルブの通過流量を変えることができる。これによりステアリングバルブの開口面積が一定であっても、ステアリングホイールの回転操作量に対するステアリングシリンダの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合を変えることができ、運転状況に応じて、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度を変えることができる。
更に、油圧ステアリングユニットではなく、プライオリティバルブによって、ステアリング操作時のステアリングホイールの回転操作量に対するステアリングシリンダの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合を変えるので、万一、制御手段の電気系統に故障が生じても、油圧ステアリングユニットには何ら影響を及ぼさず、油圧ステアリングユニットにより作動車両のステアリング動作を確実に行うことができ、高い安全性を確保することができる。
(2)上記(1)において、前記信号生成手段は、例えば車速検出手段であり、この場合、前記制御手段は、前記車速検出手段の検出値を入力し、車速が増加するにしたがって前記プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値が小さくなるよう前記目標値を変更する。
これにより走行中、車速が早いときはステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪ステアリング速度)が遅くなり、安全性が向上する。一方、車速が遅いときはステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪ステアリング速度)が速くなり、応答良くステアリング操作を行うことができ、操作性が向上する。
(3)上記(1)において、前記信号生成手段は、前記フロント作業機が操作されたかどうかを検出するフロント操作検出手段であってもよく、この場合、前記制御手段は、前記フロント操作検出手段の検出値を入力し、前記フロント作業機が操作されたときは、前記フロント作業機が操作されないときよりも前記プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値が大きくなるよう前記目標値を変更する。
これにより走行しながらフロント作業機を操作するときは、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪のステアリング速度)が速くなり、走行とフロント作業機の同時操作におけるオペレータの疲労が少なくなり、作業効率が向上する。一方、単独走行では、ステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度(車輪のステアリング速度)が速くならないので、安全性が向上する。
(4)また、上記(1)において、前記信号生成手段は、オペレータにより操作され、その操作量に応じた大きさの操作信号を出力するメータリング選択操作装置であってもよく、この場合は、前記制御手段は、前記メータリング選択操作装置の操作信号を入力し、その操作信号の値に応じて前記プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値を変更する。
これによりメータリング選択操作装置をオペレータが操作することで、プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値を変更することができ、運転状況に応じてステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度を変えることができる。
(5)また、上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、制御電流により作動し、この制御電流に応じた制御圧力を出力する電磁弁と、前記プライオリティバルブの設定手段に設けられ、前記制御圧力に応じて前記設定手段に設定される目標値を変更する受圧部と、前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じた値を演算し、前記設定手段に前記目標値としてその値が設定されるよう前記電磁弁に前記制御電流を出力するコントローラとを有する。
これにより制御手段は、信号生成手段からの信号に応じてプライオリティバルブの設定手段に設定されるステアリングバルブの前後差圧の目標値を変更することができる。
本発明によれば、ステアリングホイールの回転操作を小さな力で行うことができ、良好な操作性を得ることができる。
また、運転状況に応じてステアリングホイールの回転操作に対するステアリングシリンダの駆動速度を変えることができ、安全性、操作性、作業効率の向上等の効果を得ることができる。
更に、万一、電気系統に故障が生じても、作動車両のステアリング動作を確実に行うことができ、高い安全性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明が適用される作業車両の一例としてホイールローダの外観を示す図である。
図1において、100はホイールローダであり、ホイールローダ100は、車体前部101と車体後部102とを有し、車体前部101と車体後部102は、一対のステアリングシリンダ103a,103b(図2参照)により車体後部102に対して車体前部101の向きが変わるように相対回動白在に連結されている。車体前部101にはフロント作業機104と前輪105が設けられ、車体後部102には運転室106と後輪107が設けられている。運転室106には、運転席108、ステアリングホイール109、操作レバー装置110や、アクセルペダル、インチングペダル(図示せず)等の操作手段が設けられている。フロント作業機104はバケット111とリフトアーム112からなり、バケット111はバケットシリンダ114の伸縮によりチルト・ダンプ動作し、リフトアーム112はアームシリンダ113の伸縮により上下に動作する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる作業車両のステアリングシステムを示す図である。
図2において、本実施の形態に係わるステアリングシステムは、原動機(ディーゼルエンジン)1と、この原動機により駆動される可変容量制御装置(レギュレータ)2aを備えた油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2から吐出される圧油により駆動される上記一対のステアリングシリンダ103a,103bと、油圧ポンプ2からステアリングシリンダ103a,103bに供給される圧油の方向と流量を制御するステアリングバルブ4と、ステアリングホイール109が連結され、ステアリングホイール109の回転操作により動作し、パイロット油圧源(ポンプ)13の圧油に基づいてステアリングホイール109の回転量と回転方向に応じた制御圧力を発生する油圧ステアリングユニット5と、油圧ステアリングユニット5で発生した制御圧力をステアリングバルブ4の受圧部4a,4bに導くパイロット油路6a,6bと、油圧ポンプ2とステアリングバルブ4との間に配置され、ステアリングバルブ4のメータイン油路の前後差圧を目標値(後述)に保持するよう制御することで、油圧ポンプ2から吐出される圧油をステアリングシリンダ103a,103bに優先的に供給し、油圧ポンプ2から吐出される圧油の余剰流量を作業用油圧回路121に供給するプライオリティバルブ7とを備えている。
作業用油圧回路121は、例えば上記フロント作業機104のバケットシリンダ114及びアームシリンダ113に圧油を供給し、バケット111及びリフトアーム112を動作させるものであり、公知のコントロールバルブ装置を備えている。
油圧ステアリングユニット5は、メータリングバルブ11とジロータ12とを有し、オペレータがステアリングホイール109を回転操作すると、メータリングバルブ11はその回転方向に応じて回動し、図示の中立位置から左右いずれかの動作位置A又はBに切り換わる。
メータリングバルブ11がA位置に切り換わると、パイロット油圧源13からの圧油が油路14、メータリングバルブ11のA位置の内部通路、油路15を経由してジロータ12に供給され、ジロータ12はその圧油の供給により回転動作する。ジロータ12を経由した圧油は油路16、メータリングバルブ11のA位置の内部通路、油路17aを経由して、この油路17aに設けられた絞り18aを介してタンクに戻される。このとき油路17aには絞り18aにより圧油の流量に応じた圧力が発生し、この圧力が制御圧力としてパイロット油路6aに取り出され、ステアリングバルブ4の受圧部4aに導かれる。ステアリングバルブ4は、受圧部4aに制御圧力が導かれると、図示の中立位置から図示左側のC位置に切り換えられる。
一方、ジロータ12の回転動作はメータリングバルブ11にフィードバックされ、ジロータ12がステアリングホイール109の回転操作量(メータリングバルブ11の変位量)に応じた圧油の流量を計量して所定量回転すると、メータリングバルブ11は中立位置に復帰し、油路14から油路15への圧油の供給を遮断する。これにより油路17aの圧油はタンク圧となり、パイロット油路6aを介してステアリングバルブ4の受圧部4aに導かれる制御圧力もタンク圧となる。これによりステアリングバルブ4は図示の中立位置に復帰する。
メータリングバルブがB位置に切り換わった場合は、上記と逆の動作が行われる。すなわち、パイロット油圧源(ポンプ)13からの圧油が油路14、メータリングバルブ11のB位置の内部通路、油路16を経由してジロータ12に供給され、ジロータ12はその圧油の供給により回転動作する。ジロータ12を経由した圧油は油路15、メータリングバルブ11のB位置の内部通路、油路17bを経由して、この油路17bに設けられた絞り18bを介してタンクに戻される。このとき油路17bには絞り18bにより圧油の流量に応じた圧力が発生し、この圧力が制御圧力としてパイロット油路6bに取り出され、ステアリングバルブ4の受圧部4bに導かれる。ステアリングバルブ4は、受圧部4bに制御圧力が導かれると、図示の中立位置から図示右側のD位置に切り換えられる。
ジロータ12がステアリングホイール109の回転操作量(メータリングバルブ11の変位量)に応じた圧油の流量を計量して所定量回転すると、メータリングバルブ11は中立位置に復帰し、油路14から油路16への圧油の供給を遮断する。これにより油路17bの圧油はタンク圧となり、パイロット油路6aを介してステアリングバルブ4の受圧部4aに導かれる制御圧力もタンク圧となる。これによりステアリングバルブ4は図示の中立位置に復帰する。
プライオリティバルブ7は入口ポート7aと第1及び第2の2つの出口ポート7b,7cを有し、入口ポート7aは油路21を介して油圧ポンプ2に接続され、第1出口ポート7bは油路22を介してステアリングバルブ4に接続され、第2出口ポート7cは油路23を介して作業用油圧回路121に接続されている。また、プライオリティバルブ7は図示右側の切り換え位置Eと、図示左側の切り換え位置Fとの間を移動可能なスプール弁であり、プライオリティバルブ7のスプールが図示右側の位置Eにあるときは、入口ポート7aと第1出口ポート7b間の連通路を全開し、入口ポート7aと第2出口ポート7c間の連通路を全閉し、図示左側の位置Fにあるときは、入口ポート7aと第1出口ポート7b間の連通路を全閉し、入口ポート7aと第2出口ポート7c間の連通路を全開する。また、プライオリティバルブ7のスプールが図示右側の位置Eから図示左側の位置Fに移動するにしたがい(すなわち、図示右方向に移動するにしたがい)、入口ポート7aと第1出口ポート7b間の連通路の開口面積を徐々に絞り(小さくし)、入口ポート7aと第2出口ポート7c間の連通路の開口面積をを徐々に開け(大きくし)、プライオリティバルブ7のスプールが図示左側の位置Fから図示右側の位置Eに移動するにしたがい(すなわち、図示左方向に移動するにしたがい)、入口ポート7aと第2出口ポート7c間の連通路の開口面積を徐々に絞り(小さくし)、入口ポート7aと第1出口ポート7b間の連通路の開口面積をを徐々に開ける(大きくする)。
また、プライオリティバルブ7は、プライオリティバルブ7のスプールを図示右側の位置Eに向けて付勢する受圧部24a及びバネ25と、プライオリティバルブ7のスプールを図示左側の位置Fに向けて付勢する2つの受圧部24b,24cとを有し、受圧部24aにはステアリングバルブ4の出側の圧力(ステアリングバルブ4とステアリングシリンダ103a,103bの間のアクチュエータ油路26a,26bの圧力、或いはステアリングシリンダ103a,103bの負荷圧力)がパイロット油路27を経由して導かれ、受圧部24bにはステアリングバルブ4の入側の圧力(プライオリティバルブ7とステアリングバルブ4の間の油路22の圧力)がパイロット油路28を経由して導かれ、受圧室24cには制御圧力(後述)がパイロット油路29を経由して導かれている。
受圧部24a,24bは互いに反対方向にプライオリティバルブ7のスプールを付勢しているので、受圧部24aにステアリングバルブ4の出側の圧力が導かれ、受圧部24bにステアリングバルブ4の入側の圧力が導かれていることは、プライオリティバルブ7のスプールを図示右方向に付勢するようステアリングバルブ4のメータイン油路の前後差圧(以下、適宜単に「ステアリングバルブ4の前後差圧」という)が作用していることを意味する。
バネ25と受圧部24cはステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を設定する設定手段を構成し、プライオリティバルブ7の受圧部24a,24bに作用するステアリングバルブ4の前後差圧が、バネ25と受圧部24cにより設定される目標値よりも大きくなると、プライオリティバルブ7のスプールを図示右方向に移動させ、入口ポート7aと第1出口ポート7b間の連通路の開口面積を徐々に絞ってステアリングバルブ4への供給流量を減らし、ステアリングバルブ4の前後差圧を減少させる。このとき、油圧ポンプ2からの余剰流量は作業用油圧回路121に供給される。プライオリティバルブ7の受圧部24a,24bに作用するステアリングバルブ4の前後差圧が、バネ25と受圧部24cにより設定される目標値よりも小さくなると、逆に、プライオリティバルブ7のスプールを図示左方向に移動し、入口ポート7aと第1出口ポート7b間の連通路の開口面積を徐々に開けてステアリングバルブ4への供給流量を増やし、ステアリングバルブ4の前後差圧を増大させる。これによりプライオリティバルブ7は、ステアリングバルブ4のメータイン油路の前後差圧をバネ25と受圧部24cとからなる設定手段により設定される目標値に保持するよう制御する。
ここで、バネ25は上記目標値の基本値(一定値)を設定し、受圧部24cは制御圧力によりその基本値を調整することで目標値を可変値として設定する。受圧部24cに導かれる制御圧力は、バネ25と受圧部24cの付勢力の和が図示左方向に作用するよう、バネ25の付勢力の圧力換算値よりも小さな値に設定されている。
そして、本実施の形態に係わるステアリングシステムは、更に、車速センサ31と、コントローラ32と、電磁弁33とを備えている。車速センサ31の検出信号がコントローラ32に入力され、コントローラ32はその入力値に応じて所定の演算処理を行い、電磁弁33に制御電流を出力する。電磁弁33はその制御電流により作動し、制御電流に応じた制御圧力を出力する。この制御圧力はパイロット油路29を介してプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれる。
図3はコントローラ32の処理内容を示す機能ブロック図である。コントローラ32は、プライオリティバルブ設定圧力演算部32aと、電磁弁出力圧力演算部32bと、制御電流演算部32cとを有している。
プライオリティバルブ設定圧力演算部32aは、車速に応じたプライオリティバルブ設定圧力を演算するものであり、車速センサ31から車速信号を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの車速に対応する設定圧力を演算する。メモリのテーブルには、車速が高くなるにしたがって設定圧力が小さくなるよう、車速と設定圧力との関係が設定されている。ここで、演算部32aで演算されるプライオリティバルブ設定圧力とは、プライオリティバルブ7のバネ25と受圧部24cからなる設定手段により設定されるステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を意味する。例えば、ステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を20Kg/cmに設定したい場合、演算部32aではプライオリティバルブ設定圧力としてその20Kg/cmが演算される。
電磁弁出力圧力演算部32bは、プライオリティバルブ設定圧力演算部32aで演算した設定圧力を得るための電磁弁33の出力圧力(制御圧力)を算出するものであり、その設定圧力をメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、その設定圧力に対応する電磁弁33の出力圧力を演算する。メモリのテーブルには、設定圧力が増大するにしたがって出力圧力が小さくなるよう、設定圧力と出力圧力との関係が設定されている。ここで、例えばバネ25の図示左方の付勢力の圧力換算値(基本値)が30Kg/cmであるとすると、演算部32aで演算されたプライオリティバルブ設定圧力が20Kg/cmである場合は、電磁弁出力圧力演算部32bでは10Kg/cmの制御圧力が演算され、演算部32aで演算されたプライオリティバルブ設定圧力が15Kg/cmである場合は、電磁弁出力圧力演算部32bでは15Kg/cmの制御圧力が演算される。
制御電流演算部32cは、電磁弁出力圧力演算部32bで求めた電磁弁33の出力圧力を得るための電磁弁35の制御電流(駆動電流)を算出するものであり、電磁弁出力圧力演算部32で求めた電磁弁33の出力圧力をメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、その出力圧力に対応する電磁弁33の制御電流を演算する。メモリのテーブルには、出力圧力が増大するにしたがって制御電流が増大減少するよう、出力圧力と制御電流との関係が設定されている。この制御電流は図示しないアンプにより増幅され、電磁弁33に出力される。
以上において、車速センサ31は信号生成手段を構成し、コントローラ32と、電磁弁33と、パイロット油路29と、プライオリティバルブ7の受圧部24cは、前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じてプライオリティバルブ7の設定手段(バネ25と受圧部24c)に設定されるステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を変更する制御手段を構成する。
以上のように構成した本実施の形態においては、油圧ステアリングユニット5をステアリングバルブ4の操作系として構成したので、ステアリングホイール109の回転操作を小さな力で行うことができ、良好な操作性が得られる。
また、走行中、車速が速い時は、コントローラ32のプライオリティバルブ設定圧力演算部32aにおいて、設定圧力として小さめの値が演算され、その値に応じた制御圧力がプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれ、プライオリティバルブ7にステアリングバルブ4の前後差圧の目標値としてその値が設定される。プライオリティバルブ7はステアリングバルブ4の前後差圧をその目標値に保持されるよう制御する。これによりステアリングバルブ4の通過流量が減り、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度(車輪ステアリング速度)が遅くなり、ステアリング操作時の安全性が向上する。
一方、走行中、車速が遅いときは、コントローラ32のプライオリティバルブ設定圧力演算部32aにおいて、設定圧力として大きめの値が演算され、その値に応じた制御圧力がプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれ、プライオリティバルブ7にステアリングバルブ4の前後差圧の目標値としてその値が設定される。プライオリティバルブ7はステアリングバルブ4の前後差圧をその目標値に保持されるよう制御する。これによりテアリングバルブ4の通過流量が増え、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度(車輪ステアリング速度)が速くなり、応答良くステアリング操作を行うことができ、操作性が向上する。
以上のように運転状況に応じて、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度を変えることができ、安全性と操作性を確保することができる。
また、本実施の形態では、油圧ステアリングユニット5をステアリングバルブ4の操作系として用い、かつ油圧ステアリングユニット5の特性ではなく、プライオリティバルブ7の設定手段(バネ25と受圧部24c)の値を変えることで、ステアリングホイール109の回転操作時のステアリングホイール109の回転操作量に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動量(車輪ステアリング動作量)の変化割合を変えるので、万一、制御手段の電気系統である、例えば、コントローラ32や電磁弁33に故障が生じても、ステアリングバルブ4の操作系(油圧ステアリングユニット5)によりホイールローダのステアリング動作を確実に行うことができ、高い安全性を確保することができる。
以上のように本実施の形態によれば、ステアリングホイール109の回転操作を小さな力で行うことができ、良好な操作性を得ることができる。
また、車速(走行速度)に応じてステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度を変えることができ、安全性と操作性を向上することができる。
更に、万一、電気系統に故障が生じても、ホイールローダのステアリング動作を確実に行うことができ、高い安全性を確保することができる。
本発明の第2の実施の形態を図4〜図6を用いて説明する。図中、図2及び図3に示したものと同等の部材には同じ符号を付している。本実施の形態は、車速に変え、フロント操作信号に応じてプライオリティバルブの設定圧力(ステアリングバルブ4のメータイン油路の前後差圧の目標値)を変更するようにしたものである。
図4において、本実施の形態に係わるステアリングシステムは、図2に示した車速センサ31に代え、フロント操作検出装置131を備え、フロント操作検出装置131の検出信号がコントローラ132に入力され、コントローラ132は所定の演算処理を行い、電磁弁33に制御電流を出力する。
図5は、フロント操作検出装置の詳細の一例を示す図である。前述したように、ホイールローダの運転室106には操作レバー装置110が設けられている。この操作レバー装置110はユニバーサルに操作可能な操作レバー110cを有し、この操作レバー110cを十字の一方向(例えば前後方向)に操作したときは、フロント作業機104のバケット111用の操作レバー装置110aとして機能し、操作レバー110cを十字の他方向(例えば左右方向)に操作したときは、フロント作業機104のリフトアーム112用の操作レバー装置110bとして機能する。また、操作レバー装置110a,110bは油圧パイロット式であり、それぞれ、操作レバー110cのそれぞれの操作方向における操作量と中立位置を境とした操作方向に応じた操作パイロット圧を生成する。この操作パイロット圧は、パイロット油路43a又は43b及びパイロット油路44a又は44bを介して図示しないバケット用コントロールバルブ及びリフトアーム用コントロールバルブに導かれ、これらコントロールバルブを切り換え操作することで、バケットシリンダ114及びアームシリンダ113を駆動制御する。バケット用コントロールバルブ及びリフトアーム用コントロールバルブは作業用油圧回路121に備えられたコントロールバルブ装置の一部として構成されている。
パイロット油路43a,43bにはシャトル弁45が接続され、パイロット油路44a,44bにはシャトル弁46が接続され、これらシャトル弁45,46の出力側には更にシャトル弁47が接続され、パイロット油路43a,43b及びパイロット油路44a,44bに生成された操作パイロット圧の最も高い圧力がシャトル弁47により取り出される。このシャトル弁47の出力側には圧力センサ48が接続され、シャトル弁47により取り出された圧力が圧力センサ48により検出される。圧力センサ48の検出信号はフロント操作信号としてコントローラ132に入力される。シャトル弁45〜47及び圧力センサ48はフロント操作検出装置131を構成する。
図6はコントローラ132の処理内容を示す機能ブロック図である。コントローラ132は、プライオリティバルブ設定圧力演算部132aと、電磁弁出力圧力演算部132bと、制御電流演算部132cとを有している。
プライオリティバルブ設定圧力演算部132aは、フロント操作に応じたプライオリティバルブ設定圧力を演算するものであり、フロント操作検出装置131からフロント操作信号(圧力センサ48により検出した操作パイロット圧)を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのフロント操作信号に対応する設定圧力を演算する。メモリのテーブルには、例えば、オペレータが操作レバー装置110の操作レバー110cを操作したとみなせる操作パイロット圧の値を閾値とし、圧力センサ48により検出した操作パイロット圧がその閾値よりも小さいときは、設定圧力は小さめの第1の値となり、操作パイロット圧がその閾値以上になると、設定圧力は第1の値より大きな第2の値となるように、操作パイロット圧と設定圧力との関係が設定されている。ここで、演算部132aで演算されるプライオリティバルブ設定圧力とは、前述したように、プライオリティバルブ7のバネ25と受圧部24cからなる設定手段により設定されるステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を意味する。
電磁弁出力圧力演算部132b及び制御電流演算部132cの処理機能は図3に示した第1の実施の形態の電磁弁出力圧力演算部32b及び制御電流演算部32cの処理機能と同じである。
以上において、シャトル弁45〜47及び圧力センサ48(フロント操作検出装置131)は信号生成手段を構成し、コントローラ132と、電磁弁33と、パイロット油路29と、プライオリティバルブ7の受圧部24cは、前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じてプライオリティバルブ7の設定手段(バネ25と受圧部24c)に設定されるステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を変更する制御手段を構成する。
以上のように構成した本実施の形態においては、フロント作業機101が操作されたときは、コントローラ132のプライオリティバルブ設定圧力演算部132aにおいて、設定圧力として大きめの値が演算され、その値に応じた制御圧力がプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれ、プライオリティバルブ7にステアリングバルブ4の前後差圧の目標値としてその値が設定される。プライオリティバルブ7はステアリングバルブ4の前後差圧をその目標値に保持されるよう制御する。これによりステアリングバルブ4の通過流量が増え、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度(車輪のステアリング速度)が速くなり、走行とフロント作業機101の同時操作を行う作業でのステアリング操作時のオペレータの疲労が少なくなり、作業効率が向上する。
一方、単独走行では、コントローラ132のプライオリティバルブ設定圧力演算部132aにおいて、設定圧力として小さめの値が演算され、その値に応じた制御圧力がプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれ、プライオリティバルブ7にステアリングバルブ4の前後差圧の目標値としてその値が設定される。プライオリティバルブ7はステアリングバルブ4の前後差圧をその目標値に保持されるよう制御する。これによりステアリングバルブ4の通過流量が減り、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度(車輪のステアリング速度)が速くならないので、単独走行でのステアリング操作時の安全性が向上する。
また、第1の実施の形態と同様、ステアリングホイール109の回転操作を小さな力で行うことができ、良好な操作性が得られるとともに、万一、コントローラ132、電磁弁33等の電気系統に故障が生じても、ホイールローダのステアリング動作を確実に行うことができ、高い安全性を確保することができる。
なお、上記第2の実施の形態では、図6の補正係数演算部132cの演算に用いるテーブルにおいて、操作パイロット圧の閾値をオペレータが操作レバー装置110の操作レバー110cを操作したとみなせる操作パイロット圧の値に設定したが、フロント作業機の動きが比較的小さい、慎重を要する微操作作業であるとみなせる操作パイロット圧範囲と、フロント作業機の動きが比較的大きい通常操作作業であるとみなせる操作パイロット圧範囲の境界の値を閾値として設定してもよい。これにより走行とフロント作業機の同時操作で、フロント作業機の動きが比較的小さい、慎重を要する微操作作業を行うときは、操作パイロット圧が閾値以下であり、設定圧力は小さめの第1の値となるため、ステアリングバルブ4のストロークは小さくなるよう制御され、微操作作業を的確かつ正確に行うことができ、フロント作業機101から荷がこぼれたり、車体の挙動が乱れるのを防止することができる。一方、フロント作業機101の動きが比較的大きい通常作業を行うときは、操作パイロット圧は閾値を超え、設定圧力は大きめの第2の値となるため、ステアリングバルブ4のストロークは大きくなるよう制御され、走行とフロント作業機の同時操作でステアリングを切りやすくなり、オペレータの疲労が少なくなり、作業効率が向上する。
本発明の第3の実施の形態を図7及び図8を用いて説明する。図中、図2及び図3に示したものと同等の部材には同じ符号を付している。本実施の形態は、車速に変え、オペレータの選択操作の入力値に応じてプライオリティバルブの設定圧力(ステアリングバルブ4のメータイン油路の前後差圧の目標値)を変更するようにしたものである。
図7において、本実施の形態に係わるステアリングシステムは、図2に示した車速センサ31に代え、メータリング選択操作装置231を備え、メータリング選択操作装置231の入力値に応じた操作信号がコントローラ232に入力され、コントローラ232は所定の演算処理を行い、電磁弁33に制御電流を出力する。メータリング選択操作装置231は、例えばオペレータが操作するダイヤル231aを備えており、このダイヤル231aを回転させることにより、その回転量に比例した大きさの操作信号を出力する。
図8はコントローラ232の処理内容を示す機能ブロック図である。コントローラ232は、プライオリティバルブ設定圧力演算部232aと、電磁弁出力圧力演算部232bと、制御電流演算部232cとを有している。
プライオリティバルブ設定圧力演算部232aは、オペレータの選択操作に応じたプライオリティバルブ設定圧力を演算するものであり、メータリング選択操作装置231から操作信号を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの操作信号に対応する設定圧力を演算する。メモリのテーブルには、操作信号の値(操作量)が大きくなるにしたがって設定圧力が比例的に大きくなるよう、操作信号の値と設定圧力との関係が設定されている。ここで、演算部232aで演算されるプライオリティバルブ設定圧力とは、上述したように、プライオリティバルブ7のバネ25と受圧部24cからなる設定手段に設定されるステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を意味する。
電磁弁出力圧力演算部232b及び制御電流演算部232cの処理機能は図3に示した第1の実施の形態の電磁弁出力圧力演算部32b及び制御電流演算部32cの処理機能と同じである。
以上において、メータリング選択操作装置231は信号生成手段を構成し、コントローラ232と、電磁弁33と、パイロット油路29と、プライオリティバルブ7の受圧部24cは、前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じてプライオリティバルブ7の設定手段(バネ25と受圧部24c)に設定されるステアリングバルブ4の前後差圧の目標値を変更する制御手段を構成する。
以上のように構成した本実施の形態においては、高速走行するときは、メータリング選択操作装置231を小さめに操作すると、コントローラ232のプライオリティバルブ設定圧力演算部132aにおいて、設定圧力として小さめの値が演算され、その値に応じた制御圧力がプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれ、プライオリティバルブ7にステアリングバルブ4の前後差圧の目標値としてその値が設定される。プライオリティバルブ7はステアリングバルブ4の前後差圧をその目標値に保持されるよう制御する。これによりステアリングバルブ4の通過流量が減り、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度(車輪のステアリング速度)が遅くなり、高速走行でのステアリング操作時の安全性が向上する。
一方、走行しながらフロント作業機101を操作するときは、メータリング選択操作装置231を大きめに操作すると、コントローラ232のプライオリティバルブ設定圧力演算部132aにおいて、設定圧力として大きめの値が演算され、その値に応じた制御圧力がプライオリティバルブ7の受圧部24cに導かれ、プライオリティバルブ7にステアリングバルブ4の前後差圧の目標値としてその値が設定される。プライオリティバルブ7はステアリングバルブ4の前後差圧をその目標値に保持されるよう制御する。これによりステアリングバルブ4の通過流量が増え、ステアリングホイール109の回転操作に対するステアリングシリンダ103a,103bの駆動速度(車輪のステアリング速度)が速くなり、走行とフロント作業機101の同時操作を行う作業でのステアリング操作時のオペレータの疲労が少なくなり、作業効率が向上する。
また、第1の実施の形態と同様、ステアリングホイール109の回転操作を小さな力で行うことができ、良好な操作性が得られるとともに、万一、コントローラ232、電磁弁33等の電気系統に故障が生じても、ホイールローダのステアリング動作を確実に行うことができ、高い安全性を確保することができる。
本発明が適用される作業車両の一例としてホイールローダの外観を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係わる作業車両のステアリングシステムを示す図である。 コントローラの処理内容を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる作業車両のステアリングシステムを示す図である。 フロント操作検出装置の詳細の一例を示す図である。 コントローラの処理内容を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる作業車両のステアリングシステムを示す図である。 コントローラの処理内容を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 エンジン
2 油圧ポンプ
2a 可変容量制御装置
4 ステアリングバルブ
5 ステアリングユニット
6a,6b パイロット油路
7 プライオリティバルブ
7a 入口ポート
7b 第1出口ポート
7c 第2出口ポート
11 メータリングバルブ
12 ジロータ
17a,17b 油路
18a,18b 絞り
24a,24b,24c 受圧部
25 バネ
26a,26b アクチュエータ油路
27,28,29 パイロット油路
31 車速センサ(車速検出手段)(信号生成手段)
32 コントローラ
32a プライオリティバルブ設定圧力演算部
32b 電磁弁出力圧力演算部
32c 制御電流演算部
33 電磁弁
45,46,47 シャトル弁
48 圧力センサ
100 ホイールローダ
101 車体全部
102 車体後部
103a,103b ステアリングシリンダ
104 フロント作業機
106 運転室
107 後輪
108 運転席
109 ステアリングホイール
110 操作レバー装置
111 バケット
112 リフトアーム
113 バケットシリンダ
114 アームシリンダ
121 作業用油圧回路
131 フロント操作検出装置(フロント操作検出手段)(信号生成手段)
132 コントローラ
132a プライオリティバルブ設定圧力演算部
132b 電磁弁出力圧力演算部
132c 制御電流演算部
231 メータリング選択操作装置(メータリング選択操作手段)(信号生成手段)
231a ダイヤル
232 コントローラ
232a プライオリティバルブ設定圧力演算部
232b 電磁弁出力圧力演算部
232c 制御電流演算部
332 コントローラ
332a 最大値選択部
332b 電磁弁出力圧力演算部
332c 制御電流演算部

Claims (5)

  1. 油圧ポンプと、
    この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるステアリングシリンダと、
    前記油圧ポンプから前記ステアリングシリンダに供給される圧油の方向と流量を制御するステアリングバルブと、
    オペレータにより回転操作されるステアリングホイールとを備え、
    前記ステアリングホイールの回転方向と回転量に応じて前記ステアリングバルブを切り換え、前記ステアリングシリンダを駆動制御する作業車両のステアリングシステムにおいて、
    前記ステアリングホイールが連結され、このステアリングホイールの回転操作により動作し、パイロット油圧源の圧油に基づいて前記ステアリングホイールの回転量と回転方向に応じた制御圧力を発生する油圧ステアリングユニットと、
    前記油圧ステアリングユニットにより発生した制御圧力を前記ステアリングバルブの操作部に導いて前記ステアリングバルブを切り換えるパイロット油路と、
    前記油圧ポンプと前記ステアリングバルブとの間に配置され、前記ステアリングバルブの前後差圧の目標値を設定する設定手段を有し、前記ステアリングバルブの前後差圧を前記目標値に保持するよう制御することで、前記油圧ポンプから吐出される圧油を前記ステアリングシリンダに優先的に供給し、余剰流量を作業機を駆動する作業用アクチュエータに供給するプライオリティバルブと、
    信号生成手段と、
    前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じて前記プライオリティバルブの設定手段に設定される前記ステアリングバルブの前後差圧の目標値を変更する制御手段とを備えることを特徴とする作業車両のステアリングシステム。
  2. 請求項1記載の作業車両のステアリングシステムにおいて、
    前記信号生成手段は車速検出手段であり、
    前記制御手段は、前記車速検出手段の検出値を入力し、車速が増加するにしたがって前記プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値が小さくなるよう前記目標値を変更することを特徴とする作業車両のステアリングシステム。
  3. 請求項1記載の作業車両のステアリングシステムにおいて、
    前記信号生成手段は、前記フロント作業機が操作されたかどうかを検出するフロント操作検出手段であり、
    前記制御手段は、前記フロント操作検出手段の検出値を入力し、前記フロント作業機が操作されたときは、前記フロント作業機が操作されないときよりも前記プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値が大きくなるようを大きくするよう前記目標値を変更することを特徴とする作業車両のステアリングシステム。
  4. 請求項1記載の作業車両のステアリングシステムにおいて、
    前記信号生成手段は、オペレータにより操作され、その操作量に応じた大きさの操作信号を出力するメータリング選択操作装置であり、
    前記制御手段は、前記メータリング選択操作装置の操作信号を入力し、その操作信号の値に応じて前記プライオリティバルブの設定手段に設定される目標値を変更することを特徴とする作業車両のステアリングシステム。
  5. 請求項1記載の作業車両のステアリングシステムにおいて、
    前記制御手段は、
    制御電流により作動し、この制御電流に応じた制御圧力を出力する電磁弁と、
    前記プライオリティバルブの設定手段に設けられ、前記制御圧力に応じて前記設定手段に設定される目標値を変更する受圧部と、
    前記信号生成手段からの信号を入力し、この信号に応じた値を演算し、前記設定手段に前記目標値としてその値が設定されるよう前記電磁弁に前記制御電流を出力するコントローラとを有することを特徴とする作業車両のステアリングシステム。
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