JP2023151600A - ショベル及びショベルの制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】より正確に旋回角度を検出できるショベルを提供すること。【解決手段】ショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載された撮像装置S6と、上部旋回体3の旋回角度を検出する測位装置P1(GNSSコンパス)と、上部旋回体3に搭載されたコントローラ30と、を備えている。コントローラ30は、撮像装置S6が取得する画像に基づいて算出する旋回角度を用い、測位装置P1(GNSSコンパス)が検出する旋回角度を補正するように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、ショベル及びショベルの制御システムに関する。
従来、GNSSコンパス又は旋回角速度センサの出力に基づいて旋回角度を検出するショベルが知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2019/112059号
しかしながら、旋回角度の検出にGNSSコンパスが用いられる構成では、GNSS信号の受信周期よりも短い期間における旋回角度の変化を検出できない場合がある。また、旋回角度の算出に旋回角速度センサが用いられる構成では、旋回機構における機械的なガタ(遊び)のために旋回角度の変化を検出できない場合がある。
そこで、より正確に旋回角度を検出できるショベルを提供することが望ましい。
本開示の実施形態に係るショベルは、下部走行体と、前記下部走行体に搭載された上部旋回体と、前記上部旋回体に搭載された撮像装置と、前記上部旋回体の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、前記上部旋回体に搭載された制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記撮像装置が取得する画像に基づいて算出する旋回角度を用い、前記旋回角度検出装置が検出する旋回角度を補正するように構成されている。
上述のショベルは、より正確に旋回角度を検出できる。
本開示の実施形態に係るショベルの側面図である。 図1のショベルの駆動系の構成例を示すブロック図である。 図1のショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す概略図である。 アームシリンダの操作に関する油圧システムの一部の図である。 旋回角度の時間的推移の一例を示すグラフである。 補正処理の一例の流れを示すフローチャートである。 図1のショベルの上面図である。 センタージョイントの断面図である。 センタージョイントの上面図である。 旋回角度の時間的推移の別の例を示すグラフである。 補正処理の別の一例の流れを示すフローチャートである。
図1は本開示の実施形態に係る掘削機としてのショベル100の側面図である。ショベル100の下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例としての掘削アタッチメントを構成している。そして、ブーム4はブームシリンダ7で駆動され、アーム5はアームシリンダ8で駆動され、バケット6はバケットシリンダ9で駆動される。また、ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケット6にはバケット角度センサS3が取り付けられている。
ブーム角度センサS1はブーム4の回動角度を検出するように構成されている。図示例では、ブーム角度センサS1は加速度センサであり、上部旋回体3に対するブーム4の回動角度(以下、「ブーム角度」とする。)を検出できる。ブーム角度は、例えば、ブーム4を最も下げたときに最小角度となり、ブーム4を上げるにつれて大きくなる。
アーム角度センサS2はアーム5の回動角度を検出するように構成されている。図示例では、アーム角度センサS2は加速度センサであり、ブーム4に対するアーム5の回動角度(以下、「アーム角度」とする。)を検出できる。アーム角度は、例えば、アーム5を最も閉じたときに最小角度となり、アーム5を開くにつれて大きくなる。
バケット角度センサS3はバケット6の回動角度を検出するように構成されている。図示例では、バケット角度センサS3は加速度センサであり、アーム5に対するバケット6の回動角度(以下、「バケット角度」とする。)を検出できる。バケット角度は、例えば、バケット6を最も閉じたときに最小角度となり、バケット6を開くにつれて大きくなる。
ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3はそれぞれ、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ、ジャイロセンサ、又は、加速度センサとジャイロセンサの組み合わせ等であってもよい。
上部旋回体3には運転室であるキャビン10が設けられ且つエンジン11等の動力源が搭載されている。また、上部旋回体3には、コントローラ30、表示装置40、入力装置42、音声出力装置43、記憶装置47、機体傾斜センサS4、旋回角速度センサS5、撮像装置S6、通信装置TD、及び測位装置P1等が取り付けられている。
コントローラ30は、処理回路の一例であり、ショベル100の駆動制御を行う主制御部として機能するように構成されている。図示例では、コントローラ30は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を含むコンピュータで構成されている。コントローラ30の各種機能は、例えば、不揮発性記憶装置に格納されたプログラムをCPUが実行することで実現される。各種機能は、操作者によるショベル100の手動操作を案内するマシンガイダンス機能、及び、操作者によるショベル100の手動操作を自動的に支援する若しくはショベル100を自動的に動作させるマシンコントロール機能の少なくとも一つを含む。図示例では、コントローラ30に含まれるマシンガイダンス装置50は、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能を実行できるように構成されている。
表示装置40は、各種情報を表示するように構成されている。表示装置40は、CAN等の通信ネットワークを介してコントローラ30に接続されていてもよく、専用線を介してコントローラ30に接続されていてもよい。
入力装置42は、操作者が各種情報をコントローラ30に入力できるように構成されている。図示例では、入力装置42は、キャビン10内に設置されたタッチパネル、ノブスイッチ、及びメンブレンスイッチ等を含む。
音声出力装置43は、音声を出力するように構成されている。音声出力装置43は、例えば、コントローラ30に接続される車載スピーカであってもよく、ブザー等の警報器であってもよい。図示例では、音声出力装置43は、コントローラ30からの音声出力指令に応じて各種情報を音声出力するように構成されている。
記憶装置47は、各種情報を記憶するように構成されている。記憶装置47は、例えば、半導体メモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶装置47は、ショベル100の動作中に各種機器が出力する情報を記憶してもよく、ショベル100の動作が開始される前に各種機器を介して取得する情報を記憶してもよい。記憶装置47は、通信装置TD等を介して取得される目標施工面に関する情報を記憶していてもよい。目標施工面は、ショベル100の操作者が設定したものであってもよく、施工管理者等が設定したものであってもよい。
機体傾斜センサS4は仮想水平面に対する上部旋回体3の傾斜を検出するように構成されている。図示例では、機体傾斜センサS4は上部旋回体3の前後軸回りの傾斜角及び左右軸回りの傾斜角を検出する加速度センサである。上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、ショベル100の旋回軸SX上の一点であるショベル中心点で互いに直交する。
旋回角速度センサS5は、旋回角度検出装置の一例であり、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角度を検出或いは算出するように構成されていてもよく、上部旋回体3の旋回速度を検出或いは算出するように構成されていてもよい。図示例では、旋回角速度センサS5は、磁気センサである。旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサ、レゾルバ、ロータリエンコーダ等であってもよい。
撮像装置S6は、空間認識装置の一例であり、ショベル100の周辺の画像を取得するように構成されている。図示例では、撮像装置S6は、ショベル100の後方の空間を撮像する後方撮像装置S6B、ショベル100の前方の空間を撮像する前方撮像装置S6F、ショベル100の左方の空間を撮像する左方撮像装置S6L、及び、ショベル100の右方の空間を撮像する右方撮像装置S6Rを含む。
撮像装置S6は、例えば、CCD又はCMOS等の撮像素子を有する単眼カメラであり、撮影した画像を表示装置40に出力する。撮像装置S6は、ステレオカメラ、距離画像カメラ、又はLIDAR等であってもよい。また、撮像装置S6は、超音波センサ、ミリ波レーダ、又は赤外線センサ等の他の空間認識装置で置き換えられてもよく、他の空間認識装置と撮像装置S6との組み合わせで置き換えられてもよい。
前方撮像装置S6Fは、例えば、キャビン10の天井、すなわちキャビン10の内部に取り付けられている。但し、前方撮像装置S6Fは、キャビン10の屋根、すなわちキャビン10の外部に取り付けられていてもよい。左方撮像装置S6Lは上部旋回体3の上面左端に取り付けられ、右方撮像装置S6Rは上部旋回体3の上面右端に取り付けられ、後方撮像装置S6Bは上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
通信装置TDは、ショベル100の外部にある外部機器との通信を制御できるように構成されている。図示例では、通信装置TDは、衛星通信網、携帯電話通信網、又はインターネット網等を介した外部機器との通信を制御する。外部機器は、例えば、外部施設に設置されたサーバ等の管理装置であってもよく、ショベル100の周囲の作業者が携帯しているスマートフォン等の支援装置であってもよい。外部機器は、例えば、1又は複数のショベル100に関する施工情報を管理できるように構成されている。施工情報は、例えば、ショベル100の稼動時間、燃費、及び作業量等の少なくとも一つに関する情報を含む。作業量は、例えば、掘削した土砂の量、及び、ダンプトラックの荷台に積み込んだ土砂の量等である。ショベル100は、通信装置TDを介し、所定の時間間隔でショベル100に関する施工情報を外部機器に送信するように構成されている。
測位装置P1は、上部旋回体3の位置を計測できるように構成されている。測位装置P1は、上部旋回体3の向きを測定できるように構成されていてもよい。図示例では、測位装置P1はGNSSコンパスであり、上部旋回体3の位置及び向きを検出し、検出値をコントローラ30に対して出力する。そのため、測位装置P1は、上部旋回体3の向きを検出する向き検出装置としても、上部旋回体3の旋回角度を検出する旋回角度検出装置としても機能し得る。向き検出装置は、上部旋回体3に取り付けられた方位センサであってもよい。また、測位装置P1は省略されてもよい。
図2は、ショベル100の駆動系の構成例を示すブロック図であり、機械的動力系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系をそれぞれ二重線、太実線、破線、及び点線で示している。
ショベル100の駆動系は、主に、エンジン11、ポンプレギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作センサ29、コントローラ30、及び比例弁31等を含む。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。図示例では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。また、エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給するように構成されている。図示例では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
ポンプレギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。図示例では、ポンプレギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによってメインポンプ14の吐出量を制御する。具体的には、コントローラ30は、操作センサ29等の出力を受信し、必要に応じてポンプレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26及び比例弁31を含む各種油圧制御機器に作動油を供給する。図示例では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロットポンプ15は省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能はメインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に回路を設け、絞り等により作動油の供給圧力を低下させた後で、操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。図示例では、コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171~176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御できるように構成されている。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ2M、及び旋回用油圧モータ2Aを含む。走行用油圧モータ2Mは、左走行用油圧モータ2ML及び右走行用油圧モータ2MRを含む。旋回用油圧モータ2Aは、電動アクチュエータとしての旋回用電動発電機であってもよい。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。図示例では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、原則として、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量に応じた圧力である。操作装置26のうちの少なくとも一つは、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できるように構成されている。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出できるように構成されている。図示例では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出できるように構成されている。図示例では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量を角度(操作レバーの傾倒角度)の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、抵抗値又は圧力値等、角度以外の他の物理量の値を用いて検出されてもよい。
マシンコントロール用制御弁として機能する比例弁31は、パイロットポンプ15と制御弁171~176のそれぞれとを接続するパイロットラインに配置され、そのパイロットラインの流路面積を変更できるように構成されている。図示例では、比例弁31は、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、コントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できる。この構成により、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。
次に、コントローラ30に含まれているマシンガイダンス装置50について説明する。マシンガイダンス装置50は、例えば、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能を実行できるように構成されている。図示例では、マシンガイダンス装置50は、目標施工面とアタッチメントの作業部位との間の距離等の作業情報を操作者に伝えるように構成されている。目標施工面に関する情報は、例えば、記憶装置47に予め記憶されている。マシンガイダンス装置50は、通信装置TDを介し、目標施工面に関する情報を外部機器から取得してもよい。目標施工面に関する情報は、例えば、基準座標系で表現される。基準座標系は、例えば、世界測地系である。世界測地系は、地球の重心に原点をおき、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、そしてZ軸を北極の方向にとる三次元直交XYZ座標系である。目標施工面は、基準点との相対的な位置関係に基づいて設定されてもよい。この場合、操作者は、施工現場の任意の点を基準点として定めてもよい。アタッチメントの作業部位は、例えば、バケット6の爪先又はバケット6の背面等である。マシンガイダンス装置50は、表示装置40又は音声出力装置43等を介して作業情報を操作者に伝えることでショベル100の操作をガイドできるように構成されていてもよい。
マシンガイダンス装置50は、操作者によるショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能を実行してもよい。例えば、マシンガイダンス装置50は、操作者が手動で掘削操作を行っているときに、目標施工面とバケット6の先端位置とが一致するようにブーム4、アーム5、及びバケット6の少なくとも一つを自動的に動作させてもよい。
図示例では、マシンガイダンス装置50は、コントローラ30に組み込まれているが、コントローラ30とは別に設けられた制御装置であってもよい。この場合、マシンガイダンス装置50は、コントローラ30と同様、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を含むコンピュータで構成されてもよい。そして、マシンガイダンス装置50の各種機能は、CPUが不揮発性記憶装置に格納されたプログラムを実行することで実現されてもよい。また、マシンガイダンス装置50とコントローラ30とはCAN等の通信ネットワークを通じて互いに通信可能に接続されてもよい。
具体的には、マシンガイダンス装置50は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、機体傾斜センサS4、旋回角速度センサS5、撮像装置S6、測位装置P1、通信装置TD、及び入力装置42等から情報を取得する。そして、マシンガイダンス装置50は、取得した情報に基づいてバケット6と目標施工面との間の距離を算出し、音声及び画像表示の少なくとも一つにより、バケット6と目標施工面との間の距離の大きさをショベル100の操作者に伝えるようにする。
そのため、マシンガイダンス装置50は、位置算出部51、距離算出部52、情報伝達部53、及び自動制御部54を有する。
位置算出部51は、測位対象の位置を算出できるように構成されている。図示例では、位置算出部51は、アタッチメントの作業部位の基準座標系における座標点を算出する。座標点は、緯度、経度、及び高度で表される絶対座標点であってもよく、ショベル中心点等の基準点に対する相対座標点であってもよい。具体的には、位置算出部51は、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれの回動角度からバケット6の爪先の座標点を算出する。位置算出部51は、バケット6の爪先の中央の座標点だけでなく、バケット6の爪先の左端の座標点、及び、バケット6の爪先の右端の座標点を算出してもよい。
距離算出部52は、二つの測位対象間の距離を算出できるように構成されている。図示例では、距離算出部52は、バケット6の爪先と目標施工面との間の鉛直距離を算出する。距離算出部52は、ショベル100が目標施工面に正対しているか否かをマシンガイダンス装置50が判断できるよう、バケット6の爪先の左端及び右端のそれぞれの座標点とそれらに対応する目標施工面との距離(例えば鉛直距離)を算出してもよい。なお、ショベル100が目標施工面に正対している状態は、例えば、上部旋回体3が目標施工面に正対している状態、すなわち、バケット6の背面と目標施工面とが略平行になっている状態である。
情報伝達部53は、各種情報をショベル100の操作者に伝えるように構成されている。図示例では、情報伝達部53は、距離算出部52が算出した各種距離の大きさをショベル100の操作者に伝える。具体的には、視覚情報及び聴覚情報の少なくとも一つを用いて、バケット6の爪先と目標施工面との間の鉛直距離の大きさをショベル100の操作者に伝える。
例えば、情報伝達部53は、音声出力装置43が出力する断続音を用いて、バケット6の爪先と目標施工面との間の鉛直距離の大きさを操作者に伝えてもよい。この場合、情報伝達部53は、鉛直距離が小さくなるほど、断続音の間隔を短くしてもよい。情報伝達部53は音声出力装置43が出力する連続音を用いてもよい。この場合、情報伝達部53は、音の高低及び強弱等の少なくとも一つを変化させて鉛直距離の大きさの違いを表すようにしてもよい。また、情報伝達部53は、バケット6の爪先が目標施工面よりも低い位置になった場合には警報を発してもよい。警報は、例えば、断続音より顕著に大きい連続音である。
また、情報伝達部53は、バケット6の爪先と目標施工面との間の鉛直距離の大きさを作業情報として表示装置40に表示させてもよい。表示装置40は、例えば、撮像装置S6から受信した画像データとともに、情報伝達部53から受信した作業情報を画面に表示してもよい。情報伝達部53は、例えば、アナログメータの画像又はバーグラフインジケータの画像等を用いて鉛直距離の大きさを操作者に伝えるようにしてもよい。
自動制御部54は、アクチュエータを自動的に動作させることで操作者によるショベル100の手動操作を自動的に支援する。例えば、自動制御部54は、操作者が手動でアーム閉じ操作を行っている場合に、目標施工面とバケット6の爪先の位置とが一致するようにブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させてもよい。この場合、操作者は、例えば、アーム操作レバーを閉じ方向に操作するだけで、バケット6の爪先を目標施工面に一致させながら、アーム5を閉じることができる。この自動制御は、入力装置42の一つである所定のスイッチが押下されているときに実行されるように構成されていてもよい。所定のスイッチは、例えば、マシンコントロールスイッチ(以下、「MCスイッチ」とする。)であり、ノブスイッチとして操作装置26の先端に配置されていてもよい。
自動制御部54は、MCスイッチ等の所定のスイッチが押下されたときに、上部旋回体3を目標施工面に正対させるために旋回用油圧モータ2Aを自動的に回転させてもよい。この場合、操作者は、所定のスイッチを押下するだけで、若しくは、所定のスイッチを押下した状態で旋回操作レバーを操作するだけで、上部旋回体3を目標施工面に正対させることができる。或いは、操作者は、所定のスイッチを押下するだけで、上部旋回体3を目標施工面に正対させ且つマシンコントロール機能を開始させることができる。以下では、上部旋回体3を目標施工面に正対させる制御を「正対制御」と称する。図示例では、マシンガイダンス装置50は、バケット6の爪先の左端の座標点と目標施工面との間の鉛直距離である左端鉛直距離と、バケット6の爪先の右端の座標点と目標施工面との間の鉛直距離である右端鉛直距離とが等しくなった場合に、ショベル100が目標施工面に正対していると判断する。但し、マシンガイダンス装置50は、左端鉛直距離と右端鉛直距離とが等しくなった場合ではなく、すなわち左端鉛直距離と右端鉛直距離との差がゼロになった場合ではなく、その差が所定値以下になった場合に、ショベル100が目標施工面に正対していると判断してもよい。マシンガイダンス装置50は、旋回用油圧モータ2Aを自動的に回転させた後で、ショベル100が目標施工面に正対していると判断した場合、視覚情報及び聴覚情報の少なくとも一つを用い、正対制御が完了したことを操作者に知らせてもよい。すなわち、マシンガイダンス装置50は、上部旋回体3を目標施工面に正対させたことを操作者に知らせてもよい。
図示例では、自動制御部54は、各アクチュエータに対応する制御弁に作用するパイロット圧を個別に且つ自動的に調整することで各アクチュエータを自動的に動作させることができる。例えば、正対制御では、自動制御部54は、左端鉛直距離と右端鉛直距離との差に基づいて旋回用油圧モータ2Aを動作させてもよい。具体的には、自動制御部54は、所定のスイッチが押下された状態で旋回操作レバーが操作されると、上部旋回体3を目標施工面に正対させる方向に旋回操作レバーが操作されたか否かを判断する。例えば、バケット6の爪先と目標施工面(上り法面)との間の鉛直距離が大きくなる方向に旋回操作レバーが操作された場合、自動制御部54は、正対制御を実行しない。一方で、バケット6の爪先と目標施工面(上り法面)との間の鉛直距離が小さくなる方向に旋回操作レバーが操作された場合、自動制御部54は、正対制御を実行する。その結果、自動制御部54は、左端鉛直距離と右端鉛直距離との差が小さくなるように旋回用油圧モータ2Aを動作させることができる。その後、自動制御部54は、その差が所定値以下或いはゼロになると、旋回用油圧モータ2Aを停止させる。或いは、自動制御部54は、その差が所定値以下或いはゼロとなる旋回角度を目標角度として設定し、その目標角度と現在の旋回角度(検出値)との角度差がゼロになるように旋回角度制御を行ってもよい。この場合、旋回角度は、例えば、基準方向に関する上部旋回体3の前後軸の角度である。基準方向は、例えば、下部走行体1の前後軸の延在方向である。
また、自動制御部54は、掘削操作又は法面仕上げ操作等の目標施工面に関する操作が行われているときに、上部旋回体3が目標施工面に正対している状態が維持されるようにアクチュエータを自動的に動作させてもよい。例えば、自動制御部54は、掘削反力等により下部走行体1又は上部旋回体3の向きが変わり、上部旋回体3が目標施工面に正対しなくなった場合、上部旋回体3を速やかに目標施工面に正対させるために、旋回用油圧モータ2Aを自動的に動作させてもよい。或いは、自動制御部54は、目標施工面に関する操作が行われているときに、掘削反力等によって上部旋回体3の向きが変化しないように、アクチュエータを予防的に動作させてもよい。
次に、図3を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図3は、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す図である。図3は、機械的動力伝達系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系を、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示している。
ショベル100の油圧システムは、主に、エンジン11、ポンプレギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作センサ29、コントローラ30、及び制御弁60等を含む。
図3において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14から、センターバイパス油路CB又はパラレル油路PCを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給するように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
ポンプレギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。本実施形態では、ポンプレギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによってメインポンプ14の吐出量(押し退け容積)を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26を含む油圧制御機器に作動油を供給するように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を低下させた後で操作装置26及び比例弁31(図4参照)等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171~176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行用油圧モータ2ML、右走行用油圧モータ2MR、及び旋回用油圧モータ2Aを含む。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。本実施形態では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに向けて供給する。パイロットポートのそれぞれに向けて供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作センサ29は、操作者による操作装置26の操作の内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダルの操作方向及び操作量を角度の形で検出する角度センサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、角度センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
メインポンプ14は、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。そして、左メインポンプ14Lは、左センターバイパス油路CBL又は左パラレル油路PCLを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、右メインポンプ14Rは、右センターバイパス油路CBR又は右パラレル油路PCRを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
左センターバイパス油路CBLは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁171、173、175L、及び176Lを通る作動油ラインである。右センターバイパス油路CBRは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁172、174、175R、及び176Rを通る作動油ラインである。
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ2MLへ供給し、且つ、左走行用油圧モータ2MLが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行用油圧モータ2MRへ供給し、且つ、右走行用油圧モータ2MRが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回用油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
左パラレル油路PCLは、左センターバイパス油路CBLに並行する作動油ラインである。左パラレル油路PCLは、制御弁171、173、又は175Lの何れかによって左センターバイパス油路CBLを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル油路PCRは、右センターバイパス油路CBRに並行する作動油ラインである。右パラレル油路PCRは、制御弁172、174、又は175Rの何れかによって右センターバイパス油路CBRを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
ポンプレギュレータ13は、左ポンプレギュレータ13L及び右ポンプレギュレータ13Rを含む。左ポンプレギュレータ13Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量(押し退け容積)を制御する。具体的には、左ポンプレギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節して吐出量(押し退け容積)を減少させる。右ポンプレギュレータ13Rについても同様である。これは、吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収パワー(吸収馬力)がエンジン11の出力パワー(出力馬力)を超えないようにするためである。
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R、及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁176のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁173のパイロットポートに導入させる。
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、制御弁173の左パイロットポートに作動油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、制御弁173の右パイロットポートに作動油を導入させる。
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁175のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁174のパイロットポートに導入させる。
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、制御弁175Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、制御弁174の右パイロットポートに作動油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、制御弁174の左パイロットポートに作動油を導入させる。
走行レバー26Dは、クローラ1Cの操作に用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、左クローラ1CLの操作に用いられる。左走行レバー26DLは、左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁171のパイロットポートに導入させる。右走行レバー26DRは、右クローラ1CRの操作に用いられる。右走行レバー26DRは、右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁172のパイロットポートに導入させる。
吐出圧センサ28は、左吐出圧センサ28L及び右吐出圧センサ28Rを含む。左吐出圧センサ28Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。右吐出圧センサ28Rについても同様である。
操作センサ29は、操作センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL、及び29DRを含む。操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向及びレバー操作量(レバー操作角度)等である。同様に、操作センサ29LBは、操作者による左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RAは、操作者による右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RBは、操作者による右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DLは、操作者による左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DRは、操作者による右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、操作センサ29の出力を受信し、必要に応じてポンプレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。
ここで、絞り18と制御圧センサ19を用いたネガティブコントロール制御について説明する。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19は左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。
左センターバイパス油路CBLには、最も下流にある制御弁176Lと作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。そのため、左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左ポンプレギュレータ13Lを制御するための制御圧を発生させる。左制御圧センサ19Lは、この制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は、この制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、この制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、この制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増大させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
具体的には、図3で示されるようにショベル100における油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態の場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス油路CBLを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増大させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を許容最小吐出量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス油路CBLを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lに至る量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を低下させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を流入させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、コントローラ30は、右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御する。
上述のような構成により、図3の油圧システムは、待機状態においては、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス油路CBで発生させるポンピングロスを含む。また、図3の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。
制御弁60は、操作装置26の有効状態と無効状態とを切り換えるように構成されている。操作装置26の有効状態は、操作者が操作装置26を操作することで関連する被駆動体を動かすことができる状態であり、操作装置26の無効状態は、操作者が操作装置26を操作しても関連する被駆動体を動かすことができない状態である。
本実施形態では、制御弁60は、パイロットポンプ15と操作装置26とを繋ぐパイロットラインCD1の連通状態と遮断状態とを切り換え可能な電磁弁である。具体的には、制御弁60は、コントローラ30からの指令に応じてパイロットラインCD1の連通状態と遮断状態とを切り換えるように構成されている。
制御弁60は、不図示のゲートロックレバーに連動するように構成されていてもよい。具体的には、ゲートロックレバーが押し下げられたときにパイロットラインCD1を遮断状態にし、ゲートロックレバーが引き上げられたときにパイロットラインCD1を連通状態にするように構成されていてもよい。但し、制御弁60は、ゲートロックレバーに連動してパイロットラインCD1の連通状態と遮断状態とを切り換え可能な電磁弁とは別の電磁弁であってもよい。
次に、図4を参照し、コントローラ30がマシンコントロール機能によってアクチュエータを動作させるための構成について説明する。図4は、油圧システムの一部を抜き出した図である。具体的には、図4は、アームシリンダ8の操作に関する油圧システム部分を抜き出した図である。なお、図4を参照する以下の説明は、アームシリンダ8の操作に関するが、ブームシリンダ7、バケットシリンダ9、旋回用油圧モータ2A、左走行用油圧モータ2ML、又は右走行用油圧モータ2MR等の他のアクチュエータの操作に対しても同様に適用される。
図4に示すように、油圧システムは、比例弁31を含む。比例弁31は、比例弁31AL及び31ARを含む。
比例弁31は、マシンコントロール用制御弁として機能する。比例弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートとを接続する油路に配置され、その油路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、比例弁31は、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、コントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できる。そして、コントローラ30は、比例弁31が生成するパイロット圧を、対応する制御弁のパイロットポートに作用させることができる。
この構成により、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。また、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われている場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータの動作を強制的に停止させることができる。
例えば、図4に示すように、左操作レバー26Lは、アーム5を操作するために用いられる。具体的には、左操作レバー26Lは、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、前後方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁176のパイロットポートに作用させる。より具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向(後方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの右側パイロットポートと制御弁176Rの左側パイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向(前方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの左側パイロットポートと制御弁176Rの右側パイロットポートに作用させる。
操作装置26にはスイッチSW1が設けられている。本実施形態では、スイッチSW1は、左操作レバー26Lの先端に設けられた押しボタンスイッチである。操作者は、スイッチSW1を押しながら左操作レバー26Lを操作できる。スイッチSW1は、右操作レバー26Rに設けられていてもよく、キャビン10内の他の位置に設けられていてもよい。
操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
比例弁31ALは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から比例弁31ALを介して制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調整する。比例弁31ARは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から比例弁31ARを介して制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調整する。比例弁31ALは、制御弁176L及び制御弁176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。同様に、比例弁31ARは、制御弁176L及び制御弁176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ALを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ALを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作に応じ、或いは、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、アーム5を閉じることができる。
また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ARを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ARを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作に応じ、或いは、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、アーム5を開くことができる。
また、この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作が行われている場合であっても、必要に応じて、制御弁176の閉じ側のパイロットポート(制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポート)に作用するパイロット圧を減圧し、アーム5の閉じ動作を強制的に停止させることができる。操作者によるアーム開き操作が行われているときにアーム5の開き動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
或いは、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作が行われている場合であっても、必要に応じて、比例弁31ARを制御し、制御弁176の閉じ側のパイロットポートの反対側にある、制御弁176の開き側のパイロットポート(制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポート)に作用するパイロット圧を増大させ、制御弁176を強制的に中立位置に戻すことで、アーム5の閉じ動作を強制的に停止させてもよい。操作者によるアーム開き操作が行われている場合にアーム5の開き動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
また、図を参照しながらの説明を省略するが、操作者によるブーム上げ操作又はブーム下げ操作が行われている場合にブーム4の動作を強制的に停止させる場合、操作者によるバケット閉じ操作又はバケット開き操作が行われている場合にバケット6の動作を強制的に停止させる場合、及び、操作者による旋回操作が行われている場合に上部旋回体3の旋回動作を強制的に停止させる場合についても同様である。また、操作者による走行操作が行われている場合に下部走行体1の走行動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
また、操作装置26の形態として電気式操作レバーに関する説明を記載したが、電気式操作レバーではなく油圧式操作レバーが採用されてもよい。この場合、油圧式操作レバーのレバー操作量は、角度センサによって角度の形で検出されてコントローラ30へ入力されてもよい。また、油圧式操作レバーとしての操作装置26と各制御弁のパイロットポートとの間には電磁弁が配置されてもよい。電磁弁は、コントローラ30からの電気信号に応じて動作するように構成される。この構成により、油圧式操作レバーとしての操作装置26を用いた手動操作が行われると、操作装置26は、レバー操作量に応じてパイロット圧を増減させることで各制御弁を移動させることができる。また、各制御弁は電磁スプール弁で構成されていてもよい。この場合、電磁スプール弁は、電気式操作レバーのレバー操作量に対応するコントローラ30からの電気信号に応じて動作する。
次に、図5を参照し、旋回角度検出装置の出力に基づいて算出される旋回角度(算出角度)と上部旋回体3の実際の旋回角度(実角度)との関係について説明する。図示例では、旋回角度は、ショベル100を上から見たときの上面視で下部走行体1の前後軸と上部旋回体3の前後軸との間に形成される角度を意味する。上面視で下部走行体1の前後軸と上部旋回体3の前後軸とが一致している場合、旋回角度はゼロである。なお、下部走行体1の前後軸と上部旋回体3の前後軸とは、旋回角度がゼロ以外のときに、上面視において、旋回軸SXの位置で交差している。図5は、旋回角度(算出角度)及び旋回角度(実角度)のそれぞれの時間的推移を示すグラフである。具体的には、図5は、旋回角度を縦軸にとり、時間を横軸にとっている。また、図5の太実線は旋回角度(実角度)の時間的推移を示し、図5の一点鎖線は旋回角度(算出角度)の時間的推移を示している。
図5に示す例では、旋回角度(算出角度)は、旋回角度検出装置としての測位装置P1が出力する値に基づいて算出される。測位装置P1は、所定の受信周期RPでGNSS信号を受信するように構成されている。具体的には、測位装置P1は、時点t1~時点t10のそれぞれでGNSS信号を受信するように構成されている。図5に示す例では、受信周期RPは1秒である。
また、図5に示す例では、ショベル100の操作者は、時点t1で右旋回動作を開始させ、時点taで右旋回動作を停止させ、時点tbで左旋回動作を開始させ、時点tcで左旋回動作を停止させている。なお、右旋回動作による右旋回の大きさと左旋回動作による左旋回の大きさとは同じである。すなわち、上部旋回体3の向きは、右旋回動作及び左旋回動作を含む往復旋回動作が行われた後で元に戻っている。
しかしながら、旋回角度検出装置としての測位装置P1は、受信周期RPが経過する度に断続的に算出角度を更新するように構成されているため、実角度と算出角度との間に差を生じさせてしまう場合がある。
図5に示す例では、旋回角度(算出角度)は、時点t1~時点t2までの期間ではゼロであり、時点t2~時点t3までの期間ではA1であり、時点t3~時点t4までの期間ではA2であり、時点t4~時点t9までの期間ではA3であり、時点t9~時点t10までの期間ではA4であり、時点t10~時点tcまでの期間ではA5である。そのため、旋回角度(算出角度)は、例えば、時点taにおいて旋回角度(実角度)よりもΔA1だけ小さく、時点tcにおいて旋回角度(実角度)よりもΔA2だけ大きい。
旋回角度(算出角度)と旋回角度(実角度)との差が過度に大きくなってしまうと、コントローラ30は、マシンコントロール機能を実行して上部旋回体3を所望の旋回角度だけ自動的に旋回させることが困難になってしまうおそれがある。
そこで、コントローラ30は、旋回角度検出装置としての測位装置P1の出力に基づいて算出される旋回角度(算出角度)を、撮像装置S6が取得する画像に基づいて補正するように構成されている。以下では、コントローラ30が旋回角度(算出角度)を補正する処理は「補正処理」と称される。
具体的には、コントローラ30は、基準時点である第1時点において撮像装置S6が取得する画像である基準画像と、第1時点よりも後の第2時点において撮像装置S6が取得する画像である現在画像とを用い、第1時点と第2時点との間における旋回角度の差分(増分)を算出する。
図6は補正処理の一例の流れを示すフローチャートである。コントローラ30は所定の制御周期でこの補正処理を繰り返し実行する。なお、所定の制御周期は、所定の受信周期RPよりも短い周期であり、以下では「補正周期CP」と称される。図5に示す例では、補正周期CPは40ミリ秒である。
最初に、コントローラ30は、基準画像を取得する条件が満たされたか否かを判定する(ステップST1)。図6に示す例では、コントローラ30は、旋回操作が開始されたと判定した場合、又は、旋回角度検出装置(測位装置P1)の出力が更新されたと判定した場合に、基準画像を取得する条件が満たされたと判定する。
具体的には、コントローラ30は、操作センサ29LBの出力に基づいて旋回操作が開始されたか否かを判定する。なお、コントローラ30は、制御弁173のパイロットポートに作用するパイロット圧に基づいて旋回操作が開始されたか否かを判定してもよく、他のセンサの出力に基づいて旋回操作が開始されたか否かを判定してもよい。
また、コントローラ30は、旋回角度検出装置(測位装置P1)が出力する値が変化した場合に、基準画像を取得する条件が満たされたと判定する。すなわち、コントローラ30は、受信周期RPが経過する度に基準画像を取得する。基準画像は、基準画像を取得する条件が満たされた時点である基準時点において撮像装置S6が取得する画像である。
基準画像を取得する条件が満たされたと判定した場合(ステップST1のYES)、コントローラ30は、基準画像を取得する(ステップST2)。
その後、コントローラ30は、旋回角度検出装置(測位装置P1)の出力に基づいて旋回角度を算出する(ステップST3)。すなわち、コントローラ30は、旋回角度検出装置(測位装置P1)の出力に基づいて算出する旋回角度を補正せずにそのまま採用する。コントローラ30は旋回角度(算出角度)と旋回角度(実角度)との間に顕著な差はないと判断できるためである。
一方、基準画像を取得する条件が満たされていないと判定した場合(ステップST1のNO)、コントローラ30は、現在画像を取得する(ステップST4)。現在画像は、基準時点よりも後の時点である現在時点において撮像装置S6が取得する画像である。
その後、コントローラ30は、基準画像と現在画像とに基づいて旋回角度の増分を算出する(ステップST5)。具体的には、コントローラ30は、基準画像を取得した基準時点から、現在画像を取得した現在時点までの期間における旋回角度の変化の大きさを旋回角度の増分として算出する。二つの画像に基づいて旋回角度の増分を算出する方法については後述する。
その後、コントローラ30は、直近の旋回角度に旋回角度の増分を加算して旋回角度を補正する(ステップST6)。具体的には、コントローラ30は、ステップST3において算出した直近の旋回角度に対し、ステップST5において算出した増分を加算することによって旋回角度を補正する。
この補正により、コントローラ30は、旋回動作が行われる全期間にわたって旋回角度(算出角度)と旋回角度(実角度)との間の差を小さくすることができる。そのため、コントローラ30は、例えば、マシンコントロール機能を利用した自動旋回動作をより正確に実行できる。例えば、コントローラ30は、正対制御を実行する際に、上部旋回体3を目標施工面(法面)に正確に正対させることができる。
図7は、右旋回動作が行われる際のショベル100の上面図である。具体的には、図7の実線で表されるショベル100は、時点t1(図5参照)における右旋回動作が開始される前のショベル100の状態を示し、図7の破線で表されるショベル100Aは、時点tx(図5参照)における右旋回中のショベル100の状態を示す。時点txは、時点t1から補正周期CP(図5参照)が経過した時点である。また、図7の一点鎖線で囲まれた範囲は、右旋回動作が開始される前のショベル100(上部旋回体3)における左方撮像装置S6Lの撮像範囲の一部を示し、図7の二点鎖線で囲まれた範囲は、右旋回動作中のショベル100(上部旋回体3)における左方撮像装置S6Lの撮像範囲の一部を示す。
図7に示すように、ショベル100の左方には地物FTが位置している。図7に示す例では、地物FTは、地面から上方に突出する岩石である。但し、地物FTは、地面の凹凸又は設置物等、撮像装置S6が取得する画像内において周囲の地物(例えば地面等)と区別可能なものであればどのようなものであってもよい。
図7に示す例では、地物FTは、時点t1における左方撮像装置S6Lの撮像範囲内に存在し、且つ、時点txにおける左方撮像装置S6Lの撮像範囲内にも存在している。そのため、地物FTの画像は、時点t1において左方撮像装置S6Lが撮像する画像である基準画像内に存在し、時点txにおいて左方撮像装置S6Lが撮像する画像である現在画像内にも存在している。したがって、コントローラ30は、基準画像内における地物FTの画像の位置と、現在画像内における地物FTの画像の位置とに基づき、写真測量技術を用い、時点t1と時点txとの間に行われた右旋回動作の大きさである旋回角度の増分A11を導き出すことができる。そして、コントローラ30は、時点t1において算出した旋回角度検出装置(測位装置P1)の出力に基づく旋回角度(この場合はゼロ)と増分A11とに基づいて時点txにおける旋回角度を算出することができ、旋回角度(算出角度)と旋回角度(実角度)との間の差を低減できる。
なお、図5~図7を参照する上述の例では、コントローラ30は、旋回角度検出装置としての測位装置P1の出力に基づいて算出される旋回角度に、撮像装置S6が撮像した画像に基づいて算出される旋回角度の増分を加算して旋回角度を補正するように構成されている。
しかしながら、コントローラ30は、測位装置P1の出力を用いずに、撮像装置S6が撮像した画像に基づいて旋回角度を算出するように構成されていてもよい。この場合、旋回角度検出装置としての測位装置P1は省略されてもよい。また、旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5は省略されてもよい。
次に、図8及び図9を参照し、測位装置P1を搭載しないショベル100での旋回角度の算出について説明する。図8はショベル100に搭載されるセンタージョイントの一例であるセンタージョイントCJの断面図であり、図9はセンタージョイントCJの上面図である。具体的には、図8は、図9の左図における切断線VIII-VIIIを含む断面(紙面に垂直な面)を矢印で示すように左側から見たときの図である。なお、図8では、明瞭化のため、回転(旋回)可能な部材の断面には斜線パターンが付され、回転(旋回)不能な部材の断面にはクロスパターンが付されている。また、図9の左図は、上部旋回体3の旋回が開始される前のセンタージョイントCJの状態を示し、図9の中央図は、上部旋回体3が上面視で反時計回りに旋回し始めたときのセンタージョイントCJの状態を示し、図9の右図は、上部旋回体3が上面視で反時計回りに旋回しているときのセンタージョイントCJの状態を示す。なお、図9では、明瞭化のため、回転(旋回)可能な部材の表面にはドットパターンが付され、回転(旋回)不能な部材の表面にはクロスパターンが付されている。また、回転(旋回)可能な部材のうちの回転(旋回)していない部材の表面には粗いドットパターンが付され、回転(旋回)可能な部材のうちの回転(旋回)している部材の表面には細かいドットパターンが付されている。
センタージョイントCJは、上部旋回体3から下部走行体1に作動油を供給するための機構である。図示例では、センタージョイントCJは、可動側部材70及び固定側部材80を有する。センタージョイントCJは「スイベルジョイント」とも称される。
可動側部材70は、上部旋回体3とともに回転(旋回)する部材であり、円柱状部材71、アーム部材72、ベース部材73、及びアーム付勢部材74を含む。固定側部材80は、下部走行体1に固定される部材、すなわち、上部旋回体3とともには回転(旋回)しない部材であり、円筒状部材81及び棒状部材82を含む。
円柱状部材71は、作動油を流すための複数の油路HLが内部に形成された部材である。複数の油路HLは、図8に示すように、右走行用油圧モータ2MRの第1ポートに作動油を流すための第1油路HL1、左走行用油圧モータ2MLの第1ポートに作動油を流すための第2油路HL2、右走行用油圧モータ2MRの第2ポートに作動油を流すための第3油路HL3(図8では不可視)、左走行用油圧モータ2MLの第2ポートに作動油を流すための第4油路HL4(図8では不可視)、及び、走行用油圧モータ2Mの制御に利用されるパイロットラインCD2を含む。走行用油圧モータ2Mの制御は、例えば、減速比の切り換え制御等を含む。
具体的には、第1油路HL1は、円柱状部材71の上部に形成された第1可動側ポートMP1と円筒状部材81の側部に形成された第1固定側ポートFP1とを繋ぐように構成されている。第2油路HL2は、円柱状部材71の上部に形成された第2可動側ポートMP2と円筒状部材81の側部に形成された第2固定側ポートFP2とを繋ぐように構成されている。第3油路HL3は、円柱状部材71の上部に形成された第3可動側ポートMP3(図9の左図参照)と円筒状部材81の側部に形成された第3固定側ポートFP3とを繋ぐように構成されている。第4油路HL4は、円柱状部材71の上部に形成された第4可動側ポートMP4(図9の左図参照)と円筒状部材81の側部に形成された第4固定側ポートFP4とを繋ぐように構成されている。
円筒状部材81は、作動油を流すための複数の環状凹部ACが形成された部材である。図示例では、複数の環状凹部ACは、円筒状部材81の内周面に形成される第1環状凹部AC1~第4環状凹部AC4を含む。
具体的には、第1環状凹部AC1は、第1油路HL1と第1固定側ポートFP1とを繋ぐように形成され、第2環状凹部AC2は、第2油路HL2と第2固定側ポートFP2とを繋ぐように形成され、第3環状凹部AC3は、第3油路HL3と第3固定側ポートFP3とを繋ぐように形成され、第4環状凹部AC4は、第4油路HL4と第4固定側ポートFP4とを繋ぐように形成されている。また、複数の環状凹部ACの上下にはシールリングSRを収容するための別の環状凹部が形成されている。
棒状部材82は、旋回軸SXに沿って延びるパイロットラインCD2内に配置される部材であり、旋回軸SXに沿って延びるように配置されている。そして、棒状部材82の上端には磁石MGが取り付けられている。
磁石MGは、旋回角度検出装置の一例である旋回角速度センサS5が旋回角度を検出できるように配置される被検出部材の一例である。図示例では、磁石MGは、可動側部材70(円柱状部材71)に取り付けられた旋回角速度センサS5としての磁気センサが旋回角度を検出できるように固定側部材80(棒状部材82)に取り付けられる永久磁石であり、旋回軸SXを含む仮想面を境界として二極に着磁されている。具体的には、磁石MGは、円柱状部材71の上端に取り付けられた旋回角速度センサS5に対し、旋回軸SXの方向に僅かな隙間を挟んで対向するように配置されている。なお、磁石MGは、四極磁石等の多極磁石であってもよい。また、旋回角速度センサS5が磁気センサ以外の他のセンサである場合、被検出部材としての磁石MGは、永久磁石以外の他の部材で置き換えられてもよい。例えば、旋回角速度センサS5が光学センサである場合、被検出部材としての磁石MGは、金属製のコードホイール(エンコーダディスク)で置き換えられてもよい。また、旋回角速度センサS5等の旋回角度検出装置は固定側部材80に取り付けられていてもよい。この場合、磁石MG等の被検出部材は可動側部材70に取り付けられる。
アーム部材72は、円柱状部材71に剛結されて円柱状部材71の径方向に延びるように構成される部材である。図示例では、アーム部材72は、図9の左図に示すように、上面視でY字形状を有し、円柱状部材71に溶接されている。
ベース部材73は、上部旋回体3の旋回フレーム3F(図1参照)に剛結される部材であり、旋回軸SXを回転中心として上部旋回体3とともに回転(旋回)する。図示例では、ベース部材73は、図9の左図に示すように、円形の貫通孔73Hを有する板状部材である。円柱状部材71は、図8に示すように、その上端部がベース部材73の上面側に突出するように配置されている。また、アーム部材72は、ベース部材73の上面側に突出する円柱状部材71の上端部に剛結されており、ベース部材73の上面側に固定されているアーム付勢部材74と接触できるように配置されている。
アーム付勢部材74は、ベース部材73に剛結される部材であり、旋回軸SXを回転中心としてベース部材73とともに回転(旋回)するように構成されている。そして、回転(旋回)するアーム付勢部材74は、アーム部材72と接触して回転(旋回)方向にアーム部材72を押すことにより、旋回軸SXを回転中心としてアーム部材72及び円柱状部材71を回転(旋回)させることができる。図示例では、アーム付勢部材74は、図9の中央図及び右図のそれぞれに示すように上部旋回体3が左方向に回転(旋回)したときにアーム部材72と接触しながらアーム部材72を付勢する左アーム付勢部材74Lと、上部旋回体3が右方向に回転(旋回)したときにアーム部材72と接触しながらアーム部材72を付勢する右アーム付勢部材74Rとを含む。なお、アーム部材72と左アーム付勢部材74L及び右アーム付勢部材74Rの少なくとも一方との間は弾性部材(ばね)等の追加部品によって接続されていてもよい。旋回機構2における機械的なガタ(遊び)が旋回角度の検出(算出)に及ぼす影響を抑えるためである。
具体的には、左アーム付勢部材74Lは、図9の中央図に示すように、旋回用油圧モータ2Aによって点線矢印AR1で示す方向(反時計回り方向)に上部旋回体3(ベース部材73)が角度αだけ回転(旋回)したときに、アーム部材72と接触する。
角度αは、線分L1と線分L2との間に形成される角度である。なお、線分L1は、左アーム付勢部材74Lと右アーム付勢部材74Rとの間の中点を通り且つ旋回軸SXを通る線分である。線分L2は、アーム部材72の径方向外側への延在方向を示す線分である。
ベース部材73及びアーム付勢部材74が図9の右図における点線矢印AR2で示すように更に回転(旋回)すると、アーム部材72は、左アーム付勢部材74Lに押される形で、図9の右図における実線矢印AR3で示すように、ベース部材73及びアーム付勢部材74とともに回転(旋回)する。アーム部材72が溶接された円柱状部材71についても同様である。
図9の右図は、上部旋回体3(ベース部材73及びアーム付勢部材74)が角度α+βだけ回転(旋回)したときの状態、すなわち、円柱状部材71及びアーム部材72が角度βだけ回転(旋回)したときの状態を示す。
角度βは、線分L2と線分L3との間に形成される角度であり、旋回角速度センサS5によって検出される角度に相当する。なお、線分L3は、上部旋回体3(ベース部材73及びアーム付勢部材74)の回転(旋回)が開始された時点における線分L1(左アーム付勢部材74Lと右アーム付勢部材74Rとの間の中点を通り且つ旋回軸SXを通る線分)に対応する線分である。
このように、図8及び図9に示す例では、旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5は、円柱状部材71及びアーム部材72の旋回角度である角度βを検出するように構成されているが、円柱状部材71及びアーム部材72の回転(旋回)が開始される前に行われた上部旋回体3(ベース部材73及びアーム付勢部材74)の旋回角度である角度αを検出できない。
そのため、コントローラ30は、旋回角度検出装置(旋回角速度センサS5)以外の装置を用いて角度αを検出するように構成されている。具体的には、コントローラ30は、撮像装置S6が取得する画像を用いて角度αを検出することにより、旋回角度(算出角度)を補正できるように構成されている。撮像装置S6が取得する画像を用いた角度αの検出は、例えば、図7を参照して説明した方法(写真測量技術を用いた方法)で行われる。
ここで、図10を参照し、測位装置P1を搭載しないショベル100のコントローラ30が旋回角度(算出角度)を補正する処理(補正処理)の例について説明する。
図10は、旋回角度(算出角度)及び旋回角度(実角度)のそれぞれの時間的推移を示すグラフであり、図5に対応する。具体的には、図10は、旋回角度を縦軸にとり、時間を横軸にとっている。また、図10の上図及び下図のそれぞれにおける太実線は旋回角度(実角度)の時間的推移を示し、図10の上図における一点鎖線は、補正処理が実行されないときの旋回角度(算出角度)の時間的推移を示し、図10の下図における一点鎖線は、補正処理が実行されたときの旋回角度(算出角度)の時間的推移を示している。なお、図10の上図における旋回角度(実角度)の時間的推移と図10の下図における旋回角度(実角度)の時間的推移とは同じである。
図10に示す例では、時点t1において上部旋回体3の左回転(左旋回)が開始する。そして、時点t2において、図9の中央図に示すようにアーム部材72と左アーム付勢部材74Lとが接触したときに可動側部材70の左回転(左旋回)が開始する。この時点において、上部旋回体3は既に角度αだけ左回転(左旋回)している。以下では、旋回機構2の機械的なガタ(遊び)に起因する角度αは「ガタ角度」と称される。その後、上部旋回体3は、時点t3において角度α+βだけ左回転(左旋回)した時点で停止する。この時点において、上部旋回体3は基準角度から角度α+βだけ左回転(左旋回)した状態となっており、可動側部材70は基準角度から角度βだけ左回転(左旋回)した状態となっている。なお、上部旋回体3の基準角度は、例えば、時点t1における上部旋回体3の旋回角度(ゼロ)であり、可動側部材70の基準角度は、例えば、時点t1における可動側部材70の旋回角度(ゼロ)である。
このように、左旋回が停止した時点では、上部旋回体3の旋回角度(実角度)と可動側部材70の旋回角度(算出角度)との間にはガタ角度である角度αと同じ大きさの差が生じている。そのため、図10の上図に示すように、補正処理が実行されない場合、旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角度(実角度)である角度α+βよりもガタ角度と同じ大きさだけ小さい角度βを旋回角度(算出角度)として出力してしまう。
その後、時点t4において上部旋回体3の右回転(右旋回)が開始する。そして、時点t5においてアーム部材72と右アーム付勢部材74Rとが接触したときに可動側部材70の右回転(右旋回)が開始する。この時点において、旋回角速度センサS5は旋回角度として依然として角度βを出力し続けているが、上部旋回体3は既に角度2α(ガタ角度の二倍の大きさの角度)だけ右回転(右旋回)している。すなわち、上部旋回体3は基準角度から角度β-αだけ左回転(左旋回)した状態となっている。その後、上部旋回体3は、時点t6において角度α+βだけ右回転(右旋回)した時点で停止する。この時点において、上部旋回体3は基準角度(ゼロ)に戻っているが、可動側部材70は角度β-αだけ右回転(右旋回)した状態、すなわち、基準角度から角度αだけ左回転(左旋回)した状態となっている。
このように、右旋回を停止させた時点では、上部旋回体3の旋回角度(実角度)と可動側部材70の旋回角度(算出角度)との間にはガタ角度である角度αと同じ大きさの差が生じている。そのため、図10の上図に示すように、補正処理が実行されない場合、旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角度(実角度)である角度(ゼロ)よりもガタ角度と同じ大きさだけ大きい角度αを旋回角度(算出角度)として出力してしまう。
そこで、コントローラ30は、撮像装置S6が取得する画像を用い、可動側部材70が回転(旋回)していないときに上部旋回体3が回転(旋回)しているときの上部旋回体3の旋回角度であるガタ角度を算出することにより、旋回角度(算出角度)を補正する。すなわち、コントローラ30は、以下に説明するような補正処理を実行することにより、上部旋回体3の旋回角度(実角度)と可動側部材70の旋回角度(算出角度)との間の差をゼロに近付けることができる。
図11は、測位装置P1を搭載しないショベル100のコントローラ30が実行する補正処理の一例の流れを示すフローチャートである。コントローラ30は所定の制御周期でこの補正処理を繰り返し実行する。
最初に、コントローラ30は、旋回操作が開始されたか否かを判定する(ステップST11)。具体的には、コントローラ30は、操作センサ29LBの出力に基づいて旋回操作が開始されたか否かを判定する。なお、コントローラ30は、制御弁173のパイロットポートに作用するパイロット圧に基づいて旋回操作が開始されたか否かを判定してもよく、他のセンサの出力に基づいて旋回操作が開始されたか否かを判定してもよい。
旋回操作が開始されていないと判定した場合(ステップST11のNO)、コントローラ30は、ステップST11の判定を改めて実行する。すなわち、コントローラ30は、旋回操作が開始されるまでステップST11の判定を繰り返す。
そして、旋回操作が開始されたと判定した場合(ステップST11のYES)、コントローラ30は、基準画像を取得する(ステップST12)。基準画像は、基準時点である第1時点において撮像装置S6が取得する画像である。
図10の下図に示す例では、コントローラ30は、時点t1において左旋回操作が開始されたと判定したときに、時点t1において撮像装置S6が撮像した画像を第1の基準画像として取得する。或いは、コントローラ30は、時点t4において右旋回操作が開始されたと判定したときに、時点t4において撮像装置S6が撮像した画像を第2の基準画像として取得する。
その後、コントローラ30は、旋回角度検出装置の出力が変化したか否かを判定する(ステップST13)。具体的には、コントローラ30は、旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5が出力する値が変化した場合に、旋回角度検出装置の出力が変化したと判定する。
旋回角度検出装置の出力が変化していないと判定した場合(ステップST13のNO)、コントローラ30は、ステップST13の判定を改めて実行する。すなわち、コントローラ30は、旋回角度検出装置の出力が変化するまでステップST13の判定を繰り返す。
そして、旋回角度検出装置の出力が変化したと判定した場合(ステップST13のYES)、コントローラ30は、現在画像を取得する(ステップST14)。現在画像は、第1時点よりも後の第2時点において撮像装置S6が取得する画像である。
図10の下図に示す例では、コントローラ30は、時点t2において旋回角度検出装置の出力が変化したと判定したときに、時点t2において撮像装置S6が撮像した画像を第1の現在画像として取得する。或いは、コントローラ30は、時点t5において旋回角度検出装置の出力が変化したと判定したときに、時点t5において撮像装置S6が撮像した画像を第2の現在画像として取得する。
その後、コントローラ30は、基準画像及び現在画像に基づいて旋回角度の増分を算出する(ステップST15)。
図10の下図に示す例では、コントローラ30は、時点t2において、第1の基準画像と第1の現在画像とに基づき、時点t1と時点t2との間の期間における上部旋回体3の旋回角度の増分である角度αをガタ角度として算出する。そのため、時点t2から時点t3までの期間では、コントローラ30は、旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5が出力する旋回角度にガタ角度としての角度αを加算した値を旋回角度(算出角度)として認識し且つ出力することができる。或いは、コントローラ30は、時点t5において、第2の基準画像と第2の現在画像とに基づき、時点t4と時点t5との間の期間における上部旋回体3の旋回角度の増分である角度2αをガタ角度として算出する。そのため、時点t5から時点t6までの期間では、コントローラ30は、旋回角速度センサS5が出力する旋回角度にガタ角度としての角度2αを減算した値を旋回角度(算出角度)として認識し且つ出力することができる。
このように、補正処理が実行される場合には、旋回角速度センサS5は、図10の下図に示すように、可動側部材70が回転(旋回)していないときに上部旋回体3が回転(旋回)する期間である時点t1から時点t2までの期間と時点t4から時点t5までの期間とを除き、上部旋回体3の旋回角度(実角度)と同じ値を旋回角度(算出角度)として出力できる。なお、以下では、可動側部材70が回転(旋回)していないときに上部旋回体3が回転(旋回)する期間は、上部旋回体3が旋回しているにもかかわらず旋回角速度センサS5が応答しない期間を意味する「無応答期間」と称される。
また、コントローラ30は、無応答期間中においても、撮像装置S6が取得する画像に基づき、無応答期間中に増加するガタ角度をリアルタイムで算出するように構成されていてもよい。この場合、コントローラ30は、無応答期間を含む全期間にわたり、上部旋回体3の旋回角度(実角度)と同じ値を旋回角度(算出角度)として出力できる。
このように、本開示の実施形態に係るショベル100は、図1に示すように、下部走行体1と、下部走行体1に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載された撮像装置S6と、上部旋回体3の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、上部旋回体3に搭載された制御装置としてのコントローラ30と、を備えている。そして、コントローラ30は、撮像装置S6が取得する画像と旋回角度検出装置が検出する旋回角度とに基づいて上部旋回体3の旋回角度を算出するように構成されている。
具体的には、コントローラ30は、図6に示すような補正処理を実行し、撮像装置S6が取得する画像と旋回角度検出装置としての測位装置P1(GNSSコンパス)が検出する旋回角度とに基づいて上部旋回体3の旋回角度を算出するように構成されていてもよい。
或いは、コントローラ30は、図11に示すような補正処理を実行し、撮像装置S6が取得する画像と旋回角度検出装置としての旋回角速度センサS5が検出する旋回角度とに基づいて上部旋回体3の旋回角度を算出するように構成されていてもよい。
この構成は、より正確に旋回角度を算出できるという効果をもたらす。また、この構成は、旋回機構2を構成する部材間に機械的なガタ(遊び)が存在する場合であっても旋回角度を正確に算出できるという効果をもたらす。
そのため、コントローラ30は、例えば、バケット6の背面が目標施工面(法面)に正対し且つ接触した状態で掘削が行われ、更に旋回動作を伴う排土が行われた後で、バケット6の背面を再び目標施工面(法面)に正対させる正対制御を実行する際に、バケット6の背面と目標施工面(法面)との間にズレが生じてしまうのを防止できる。
或いは、コントローラ30は、掘削目標位置へバケット6の爪先の移動させる作業、升掘り作業(押し付け掘削作業)、又はクレーン積み下ろし作業等において微小な旋回動作を行う際に、上部旋回体3を正確に旋回させることができる。
また、コントローラ30は、第1時点で撮像装置S6が取得する第1画像と第2時点で撮像装置S6が取得する第2画像とに基づいて第1時点から第2時点までの期間中における上部旋回体3の旋回角度を算出してもよい。
具体的には、コントローラ30は、旋回角度検出装置として測位装置P1(GNSSコンパス)が採用されている場合には、図5に示すように、第1時点としての時点t1で第1画像としての基準画像を取得し、第2時点としての時点txで第2画像としての現在画像を取得してもよい。そして、コントローラ30は、基準画像と現在画像とに基づいて時点t1から時点txまでの期間中における上部旋回体3の旋回角度を算出してもよい。
或いは、コントローラ30は、旋回角度検出装置として旋回角速度センサS5が採用されている場合には、図10の下図に示すように、第1時点としての時点t1で第1画像としての基準画像を取得し、第2時点としての時点t2で第2画像としての現在画像を取得してもよい。そして、コントローラ30は、その基準画像とその現在画像とに基づいて時点t1から時点t2までの期間中における上部旋回体3の旋回角度を算出してもよい。
この構成は、旋回角度検出装置として測位装置P1(GNSSコンパス)が採用されている場合、及び、旋回角度検出装置として旋回角速度センサS5が採用されている場合の何れであっても、より正確に旋回角度を算出できるという効果、及び、旋回機構2を構成する部材間に機械的なガタ(遊び)が存在する場合であっても旋回角度を正確に算出できるという効果をもたらす。
また、旋回角度検出装置は、所定の検出周期で旋回角度を検出するように構成されていてもよい。そして、コントローラ30は、その検出周期よりも短い算出周期で旋回角度を算出するように構成されていてもよい。
具体的には、旋回角度検出装置としての測位装置P1(GNSSコンパス)は、図5に示すように、所定の検出周期(受信周期RP)でGNSS信号を受信して旋回角度を検出するように構成されていてもよい。そして、コントローラ30は、その検出周期(受信周期RP)よりも短い算出周期(補正周期CP)で、測位装置P1が検出した旋回角度を補正し、旋回角度を算出するように構成されていてもよい。
この構成は、旋回角度検出装置の検出周期(受信周期RP)が長い場合であっても検出周期よりも短い算出周期(補正周期CP)で旋回角度を算出(補正)できるため、検出周期の中間においても旋回角度を正確に算出できるという効果をもたらす。
また、コントローラ30は、撮像装置S6が取得する画像に基づいて算出する旋回角度を用い、旋回角度検出装置が検出する旋回角度を補正するように構成されていてもよい。
具体的には、コントローラ30は、図7に示すように、時点t1において左方撮像装置S6Lが撮像した画像内に存在する地物FTの画像と、時点txにおいて左方撮像装置S6Lが撮像した画像内に存在する地物FTの画像とに基づき、写真測量技術を用いて旋回角度を算出してもよい。そして、コントローラ30は、このように算出した旋回角度を用い、旋回角度検出装置が検出する旋回角度を補正してもよい。
この構成は、異なるタイミングで取得された二つの画像に基づいて旋回角度が算出されるため、簡易且つ正確に旋回角度を算出できるという効果をもたらす。
また、ショベル100は、撮像装置S6が取得した画像に基づいて上部旋回体3の周囲に存在する物体を検知する物体検知装置を備えていてもよい。すなわち、撮像装置S6が取得する画像は、旋回角度を算出するためばかりでなく、上部旋回体3の周囲に存在する物体を検知するために利用されてもよい。なお、物体検知装置は、コントローラ30であってもよく、コントローラ30とは別の処理回路であってもよい。
具体的には、物体検知装置として機能するコントローラ30は、上部旋回体3の周囲に存在する物体を検知できるように構成されていてもよい。物体は、例えば、人、動物、車両、建設機械、建造物、又は穴等である。また、コントローラ30は、人と人以外の物体とを区別して検知できるように構成されていてもよい。
この構成は、ショベル100の周囲に存在する物体を検知するために利用されている撮像装置S6が旋回角度の補正のためにも利用されるため、旋回角度の補正のみのために撮像装置S6を新たに取り付ける必要がないという効果をもたらす。
また、本開示の実施形態に係るショベルの制御システムは、撮像装置S6の出力と旋回角度検出装置が検出した旋回角度とに基づいて上部旋回体3の旋回角度を算出するように構成されていてもよい。すなわち、ショベルの制御システムでは、撮像装置S6の出力と旋回角度検出装置が検出した旋回角度とに基づいて上部旋回体3の旋回角度を算出する制御装置(処理回路)は、ショベル100の外部に配置された処理回路によって実現されてもよい。
ショベル100の外部に配置された処理回路は、例えば、ショベル100に搭載されたコントローラ30と無線又は有線で通信できるように構成されたサーバ等の管理装置であってもよく、コントローラ30と無線又は有線で通信できるように構成されたスマートフォン等の支援装置であってもよい。
この構成は、処理回路がショベル100に搭載されている場合と同様に、より正確に旋回角度を算出できるという効果、及び、旋回機構を構成する部材間に機械的なガタ(遊び)が存在する場合であっても旋回角度を正確に算出できるという効果をもたらす。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、後述する実施形態に制限されることもない。上述した又は後述する実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
例えば、上述の実施形態では、測位装置P1(GNSSコンパス)を搭載しないショベル100において、コントローラ30は、撮像装置S6が取得する画像を用いて旋回開始時のガタ角度を算出することにより、旋回開始時に発生する旋回角度(実角度)と旋回角度(算出角度)との間の差を低減できるように構成されている。しかしながら、コントローラ30は、旋回停止時に発生する旋回角度(実角度)と旋回角度(算出角度)との間の差を低減できるように構成されていてもよい。また、旋回停止時に発生する差は、旋回停止時の揺れ戻しによって発生する差であってもよい。すなわち、コントローラ30は、旋回停止時の揺れ戻しによる旋回角度を算出するように構成されていてもよい。
1・・・下部走行体 2M・・・走行用油圧モータ 2・・・旋回機構 2A・・・旋回用油圧モータ 3・・・上部旋回体 3F・・・旋回フレーム 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 13・・・ポンプレギュレータ 14・・・メインポンプ 15・・・パイロットポンプ 17・・・コントロールバルブユニット 18・・・絞り 19・・・制御圧センサ 26・・・操作装置 28・・・吐出圧センサ 29・・・操作センサ 30・・・コントローラ 31・・・比例弁 40・・・表示装置 42・・・入力装置 43・・・音声出力装置 47・・・記憶装置 50・・・マシンガイダンス装置 51・・・位置算出部 52・・・距離算出部 53・・・情報伝達部 54・・・自動制御部 60・・・制御弁 70・・・可動側部材 71・・・円柱状部材 72・・・アーム部材 73・・・ベース部材 73H・・・貫通孔 74・・・アーム付勢部材 80・・・固定側部材 81・・・円筒状部材 82・・・棒状部材 100・・・ショベル 171~176・・・制御弁 AC・・・環状凹部 CB・・・センターバイパス油路 CD1、CD2・・・パイロットライン CJ・・・センタージョイント HL・・・油路 MG・・・磁石 PC・・・パラレル油路 S1・・・ブーム角度センサ S2・・・アーム角度センサ S3・・・バケット角度センサ S4・・・機体傾斜センサ S5・・・旋回角速度センサ S6・・・撮像装置 S6B・・・後方撮像装置 S6F・・・前方撮像装置 S6L・・・左方撮像装置 S6R・・・右方撮像装置 SR・・・シールリング SX・・・旋回軸 P1・・・測位装置 TD・・・通信装置

Claims (6)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体に搭載された上部旋回体と、
    前記上部旋回体に搭載された撮像装置と、
    前記上部旋回体の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、
    前記上部旋回体に搭載された制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記撮像装置が取得する画像に基づいて算出する旋回角度を用い、前記旋回角度検出装置が検出する旋回角度を補正するように構成されている、
    ショベル。
  2. 下部走行体と、
    前記下部走行体に搭載された上部旋回体と、
    前記上部旋回体に搭載された撮像装置と、
    前記上部旋回体の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、
    前記上部旋回体に搭載された制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記撮像装置が取得する画像と前記旋回角度検出装置が検出する旋回角度とに基づいて前記上部旋回体の旋回角度を算出する、
    ショベル。
  3. 前記制御装置は、第1時点で前記撮像装置が取得する第1画像と第2時点で前記撮像装置が取得する第2画像とに基づいて前記第1時点から前記第2時点までの期間中における前記上部旋回体の旋回角度を算出する、
    請求項2に記載のショベル。
  4. 前記制御装置は、前記撮像装置が取得する画像に基づいて算出する旋回角度を用い、前記旋回角度検出装置が検出する旋回角度を補正するように構成されている、
    請求項2又は3に記載のショベル。
  5. 前記撮像装置が取得した画像に基づいて前記上部旋回体の周囲に存在する物体を検知する物体検知装置を備える、
    請求項1乃至4の何れかに記載のショベル。
  6. 下部走行体と、前記下部走行体に搭載された上部旋回体と、前記上部旋回体に搭載された撮像装置と、前記上部旋回体の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、を備えるショベルの制御システムであって、
    前記撮像装置の出力と前記旋回角度検出装置が検出した旋回角度とに基づいて前記上部旋回体の旋回角度を算出する、
    ショベルの制御システム。
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