JP2023151505A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリーブの組み付けを容易とする駆動装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明の駆動装置の一つの態様は、モータと、動力伝達部と、パーキング機構と、ギヤ収容部を有するハウジングと、を備える。パーキング機構は、パーキングギヤと、パーキングポールと、伝達部と、筒状のスリーブと、を有する。伝達部は、カムロッドと、カムロッドに取り付けられパーキングポールを動作させるカムと、を有する。カムは、スリーブによってガイドされる。ギヤ収容部には、ブリーザと、ギヤ収容部の内部でブリーザが開口する空間を区画する区画壁部と、が設けられる。ギヤ収容部は、第1ハウジング部材と第2ハウジング部材とを有する。第2ハウジング部材には、軸方向一方側に開口しスリーブを保持する保持凹部が設けられる。第1ハウジング部材には、スリーブの軸方向他方側を向く面を覆う抜け止め壁部が設けられる。抜け止め壁部は、区画壁部の一部である。【選択図】図2
Description
本発明は、駆動装置に関する。
車両を駆動する駆動装置には、パーキング機構が搭載される。特許文献1には、パーキングロッドでカム部材を移動させることにより、パーキングポールをパーキングギヤ側に押し出し、パーキングギヤとパーキングポールとをロックさせる車両用パーキング装置が開示されている。特許文献1には、カム部材をスリーブ部材でガイドする構造が開示されている。
従来構造のスリーブは、ボルトなどによってハウジングの内側面に固定されていたため、部品点数が増加するのみならず、組み立て工程が煩雑化するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みて、スリーブの組み付けを容易とする駆動装置の提供を目的の一つとする。
本発明の駆動装置の一つの態様は、中心軸線を中心として回転するモータと、前記モータの動力を伝達する動力伝達部と、パーキング機構と、前記動力伝達部、および前記パーキング機構を収容するギヤ収容部を有するハウジングと、を備える。前記動力伝達部は、少なくとも一つのシャフトを有する。前記パーキング機構は、前記シャフトの外周面に設けられるパーキングギヤと、前記パーキングギヤに噛み合う凸部が設けられるパーキングポールと、前記パーキングポールに動力を伝達する伝達部と、筒状のスリーブと、を有する。前記伝達部は、前記中心軸線の軸方向に沿って駆動するカムロッドと、前記カムロッドに取り付けられ前記パーキングポールを動作させるカムと、を有する。前記カムは、前記スリーブによってガイドされる。前記ギヤ収容部には、前記ギヤ収容部の内部と外部を連通するブリーザと、前記ギヤ収容部の内部で前記ブリーザが開口する空間を区画する区画壁部と、が設けられる。前記ギヤ収容部は、第1ハウジング部材と、前記第1ハウジング部材の軸方向一方側に配置され前記第1ハウジング部材に連結される第2ハウジング部材と、を有する。前記第2ハウジング部材には、軸方向一方側に開口し前記スリーブを保持する保持凹部が設けられる。前記第1ハウジング部材には、前記スリーブの軸方向他方側を向く面を覆う抜け止め壁部が設けられる。前記抜け止め壁部は、前記区画壁部の一部である。
本発明の一つの態様によれば、スリーブの組み付けを容易とする駆動装置を提供できる。
以下の説明では、駆動装置1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、重力方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。
XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。また、X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両の前後方向を示す。以下の実施形態において、X軸の矢印が向く側(+X側)は、車両における前側であり、X軸の矢印が向く側と逆側(-X側)は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の幅方向(左右方向)を示す。以下の実施形態において、Y軸の矢印が向く側(+Y側)は、車両における左側であり、Y軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は、車両における右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
以下の説明において特に断りのない限り、モータ2の中心軸線J1に平行な方向(Y軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする周方向、すなわち、中心軸線J1の軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。ただし、上記の「平行な方向」は、略平行な方向も含む。さらに、以下の説明において、中心軸線J1の軸方向のうち、+Y方向を単に軸方向一方側と呼び、-Y方向を単に軸方向他方側と呼ぶ場合がある。
<駆動装置>
図1は、本実施形態の駆動装置1の斜視図である。図2は、本実施形態の駆動装置1の概念図である。
本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
図1は、本実施形態の駆動装置1の斜視図である。図2は、本実施形態の駆動装置1の概念図である。
本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
図2に示すように、駆動装置1は、モータ2と動力伝達部4とパーキング装置5とインバータ7とハウジング6とを備える。ハウジング6は、モータ2、動力伝達部4、パーキング装置5およびインバータ7を収容する。ハウジング6の内部において、モータ2、動力伝達部4、およびインバータ7は、中心軸線J1上に配置される。
<モータ>
本実施形態のモータ2は、インナーロータ型の三相交流モータである。モータ2は、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備える。なお、モータ2の構成は本実施形態に限定されず、例えば四相以上の交流モータであってもよい。
本実施形態のモータ2は、インナーロータ型の三相交流モータである。モータ2は、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備える。なお、モータ2の構成は本実施形態に限定されず、例えば四相以上の交流モータであってもよい。
モータ2は、水平方向に延びる中心軸線J1を中心として回転する。モータ2は、ロータ20と、ロータ20と径方向に対向するステータ30と、を備える。本実施形態のモータ2は、ステータ30の内側にロータ20が配置されるインナーロータ型モータである。
ロータ20は、中心軸線J1を中心として回転する。ロータ20は、第1シャフト21と、第1シャフト21の外周面に固定されるロータコア24と、ロータコア24に固定されるロータマグネット(図示略)と、を有する。ロータ20のトルクは、動力伝達部4に伝達される。第1シャフト21は、中心軸線J1を中心として軸方向に沿って延びる。第1シャフト21の両端部は、ベアリングを介してハウジング6に回転可能に支持される。
ステータ30は、ハウジング6に保持される。ステータ30は、ロータ20を径方向外側から囲む。ステータ30は、中心軸線J1を中心とする環状のステータコア32と、ステータコア32に装着されるコイル31と、ステータコア32とコイル31との間に介在するインシュレータ(図示略)とを有する。ステータコア32は、環状のヨークの内周面から径方向内方に複数の磁極歯(図示略)を有する。磁極歯の間には、コイル線が配置される。隣り合う磁極歯の間の間隙内に位置するコイル線は、コイル31を構成する。インシュレータは、絶縁性の材料からなる。
<インバータ>
インバータ7は、モータ2と電気的に接続される。インバータ7は、車両に搭載されるバッテリ(不図示)に接続され、バッテリーから供給された直流電流を交流電流に変換して、モータ2に供給する。また、インバータ7は、モータ2を制御する。本実施形態のインバータ7は、モータ2に対し軸方向一方側(+Y側)に配置される。本実施形態によれば、インバータ7をモータ2の径方向外側に配置する場合と比較して駆動装置1を径方向に小型化することができる。
インバータ7は、モータ2と電気的に接続される。インバータ7は、車両に搭載されるバッテリ(不図示)に接続され、バッテリーから供給された直流電流を交流電流に変換して、モータ2に供給する。また、インバータ7は、モータ2を制御する。本実施形態のインバータ7は、モータ2に対し軸方向一方側(+Y側)に配置される。本実施形態によれば、インバータ7をモータ2の径方向外側に配置する場合と比較して駆動装置1を径方向に小型化することができる。
<動力伝達部>
図2に示すように、動力伝達部4は、モータ2に対し軸方向他方側(-Y側)に配置される。動力伝達部4は、ロータ20に接続されてモータ2の動力を伝達し出力シャフト47に出力する。動力伝達部4は、減速装置4aと差動装置4bとを有する。すなわち、駆動装置1は、減速装置4aおよび差動装置4bを有する。
図2に示すように、動力伝達部4は、モータ2に対し軸方向他方側(-Y側)に配置される。動力伝達部4は、ロータ20に接続されてモータ2の動力を伝達し出力シャフト47に出力する。動力伝達部4は、減速装置4aと差動装置4bとを有する。すなわち、駆動装置1は、減速装置4aおよび差動装置4bを有する。
モータ2から出力されるトルクは、減速装置4aを介して差動装置4bに伝達される。減速装置4aは、各ギヤの回転軸線が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。差動装置4bは、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ左右両輪に同トルクを伝達する。
減速装置4aは、第2シャフト(シャフト)44、第1ギヤ41、および第2ギヤ部48を有する。すなわち、駆動装置1は、第2シャフト44、第1ギヤ41、および第2ギヤ部48を有する。また、第2ギヤ部48は、第3シャフト45、大径ギヤ42、および小径ギヤ43を有する。差動装置4bは、第3ギヤ46g、デフケース46、およびデフケース46の内部に配置される差動機構部46cを有する。すなわち、動力伝達部4は、複数のギヤ41、42、43、46gを有する。
第2シャフト44は、中心軸線J1を中心として軸方向に延びる。第2シャフト44は、第1シャフト21と同軸上に配置される。第2シャフト44は、軸方向一方側(+Y側)の端部において、第1シャフト21の軸方向他方側(-Y側)の端部に連結される。第2シャフト44は、第1シャフト21ととともに中心軸線J1周りを回転する。すなわち、第2シャフト44は、モータ2の動力で中心軸線J1周りを回転する。
第1ギヤ41は、第2シャフト44の外周面に設けられる。第1ギヤ41は、第2シャフト44とともに中心軸線J1周りに回転する。
第2ギヤ部48の各部(第3シャフト45、大径ギヤ42、および小径ギヤ43)は、互いに固定される。第2ギヤ部48は、中心軸線J1と平行な中間軸線J2を中心として回転する。第3シャフト45は、中間軸線J2を中心として軸方向に延びる。大径ギヤ42と小径ギヤ43とは、軸方向に並んで配置される。小径ギヤ43は、軸方向において大径ギヤ42よりもモータ2側(すなわち、軸方向一方側)に配置される。大径ギヤ42および小径ギヤ43は、第3シャフト45の外周面に設けられる。
大径ギヤ42は、第1ギヤ41と噛み合う。これにより、大径ギヤ42は、中間軸線J2を中心として回転する。小径ギヤ43は、大径ギヤ42よりも直径が小さい。小径ギヤ43は、大径ギヤ42とともに中間軸線J2周りを回転する。
第3ギヤ46gは、小径ギヤ43と噛み合う。第3ギヤ46gは、中心軸線J1と平行な差動軸線J3周りを回転する。第3ギヤ46gには、モータ2から出力されるトルクが減速装置4aを介して伝えられる。第3ギヤ46gは、デフケース46に固定される。
デフケース46は、内部に差動機構部46cを収容するケース部46bと、ケース部46bに対して軸方向一方側および他方側にそれぞれ突出するデフケースシャフト46aと、を有する。デフケースシャフト46aは、差動軸線J3を中心として軸方向に沿って延びる筒状である。第3ギヤ46gは、デフケースシャフト46aの外周面に設けられる。デフケースシャフト46aは、差動軸線J3を中心として第3ギヤ46gとともに回転する。
一対の出力シャフト47は、差動装置4bに接続される。一対の出力シャフト47は、差動装置4bのデフケース46から軸方向一方側および他方側に突出する。出力シャフト47は、デフケースシャフト46aの内側に配置される。出力シャフト47は、デフケースシャフト46aの内周面に、ベアリングを介して回転可能に支持される。
モータ2から出力されるトルクは、モータ2の第2シャフト44、第1ギヤ41、大径ギヤ42、第3シャフト45および小径ギヤ43を介して差動装置4bの第3ギヤ46gに伝達され、差動装置4bの差動機構部46cを介して出力シャフト47に出力される。動力伝達部4の複数のギヤ41、42、43、46gは、第2シャフト44、第3シャフト45、デフケースシャフト46aの順でモータ2の動力を伝達する。
<ハウジング>
ハウジング6は、インバータホルダ6Aとハウジング本体6Bとギヤカバー6Cとウォータジャケット6Dと、ベアリングホルダ6Eと、を有する。インバータホルダ6A、ハウジング本体6B、ギヤカバー6C、ウォータジャケット6D、およびベアリングホルダ6Eは、それぞれ別部材である。インバータホルダ6Aは、ハウジング本体6Bの軸方向一方側(+Y側)に配置される。ギヤカバー6Cは、ハウジング本体6Bの軸方向他方側(-Y側)に配置される。ウォータジャケット6D、およびベアリングホルダ6Eは、ハウジング本体6Bの内部に配置される。
ハウジング6は、インバータホルダ6Aとハウジング本体6Bとギヤカバー6Cとウォータジャケット6Dと、ベアリングホルダ6Eと、を有する。インバータホルダ6A、ハウジング本体6B、ギヤカバー6C、ウォータジャケット6D、およびベアリングホルダ6Eは、それぞれ別部材である。インバータホルダ6Aは、ハウジング本体6Bの軸方向一方側(+Y側)に配置される。ギヤカバー6Cは、ハウジング本体6Bの軸方向他方側(-Y側)に配置される。ウォータジャケット6D、およびベアリングホルダ6Eは、ハウジング本体6Bの内部に配置される。
ハウジング本体6Bは、モータ2を収容し軸方向一方側(+Y側)に開口する。ハウジング本体6Bは、中心軸線J1を中心とする筒状の外側筒部65と、外側筒部65の軸方向他方側(-Y側)に配置され外側筒部65の軸方向他方側の開口を覆う隔壁部66と、隔壁部66の外縁から軸方向他方側(-Y側)に延びる第1ギヤ周壁部66aと、を有する。
なお、本明細書において、隔壁部66は、モータ2と動力伝達部4との間で軸方向と直交する平面に沿って延びる壁部全体を意味している。本明細書における隔壁部66は、ハウジング6内でモータ2と動力伝達部4とを収容する空間同士を隔てる部分のみならず、モータ2又は動力伝達部4を収容する空間に対して径方向外側に延び出る部分をも含む。
隔壁部66には、シャフト挿通孔65hが設けられる。シャフト挿通孔65hには、第1シャフト21を支持するベアリングと、第2シャフト44を支持するベアリングと、シール部材とが配置される。第1シャフト21と第2シャフト44とは、シャフト挿通孔65hの内部で互いに連結される。シール部材は、軸方向において2つのベアリングの間に配置される。シール部材は、シャフト挿通孔65hの内周面と第2シャフト44の外周面との間をシールする。なお、第1シャフト21と第2シャフト44とは、1つの部材であってもよい。
ハウジング本体6Bの外側筒部65は、モータ2を径方向外側から囲むモータ周壁部65eと、インバータ7の一部を径方向外側から囲むインバータ周壁部65fと、を有する。モータ周壁部65eは、ウォータジャケット6Dを介してステータ30を支持する。インバータ周壁部65fは、モータ周壁部65eの軸方向一方側(+Y側)に位置する。
ギヤカバー6Cは、ハウジング本体6Bの軸方向他方側(-Y側)に配置される。ギヤカバー6Cは、隔壁部66と対向する対向壁部67と、対向壁部67の外縁から軸方向一方側(+Y側)に延びる第2ギヤ周壁部67aと、を有する。第2ギヤ周壁部67aの軸方向一方側(+Y側)の端面は、ハウジング本体6Bの第1ギヤ周壁部66aの軸方向他方側(-Y側)の端面に締結される。
インバータホルダ6Aは、インバータ7を保持する。インバータホルダ6Aは、ハウジング本体6Bの外側筒部65の軸方向一方側(+Y側)の開口を覆う。インバータホルダ6Aには、インバータ7を冷却する第1流路部91が設けられる。
ウォータジャケット6Dは、中心軸線J1を中心とする筒状の内側筒部64を有する。内側筒部64は、ステータ30を径方向外側から囲む。内側筒部64の内径は、ステータコア32の外径と略一致する。内側筒部64の内周面は、ステータ30の外周面と接触する。また、内側筒部64は、外側筒部65によって径方向内側から囲まれる。内側筒部64の外径は、ハウジング本体6Bの外側筒部65の内径より小さい。内側筒部64と外側筒部65との間には、第3流路部93として機能する隙間が設けられる。
ベアリングホルダ6Eはハウジング本体6Bの内部でモータ2の軸方向一方側(+Y側)に配置される。ベアリングホルダ6Eは、ウォータジャケット6Dの軸方向一方側(+Y側)の端面に固定される。ベアリングホルダ6Eは、ロータ20を回転可能に支持するベアリングを保持する。本実施形態のベアリングホルダ6Eは、金属材料からなる板状部材である。ベアリングホルダ6Eは、例えば、プレス加工によって成形される。しかしながら、ベアリングホルダ6Eの構成および製法は、本実施形態に限定されない。
ハウジング6は、モータ収容部81、ギヤ収容部82、およびインバータ収容部83を有する。ギヤ収容部82は、モータ収容部81の軸方向他方側(-Y側)に配置される。インバータ収容部83は、モータ収容部81の軸方向一方側(+Y側)に配置される。モータ収容部81、ギヤ収容部82、およびインバータ収容部83は、インバータホルダ6A、ハウジング本体6B、ギヤカバー6C、およびウォータジャケット6Dの各部によって構成される。
モータ収容部81は、ハウジング本体6Bのモータ周壁部65eと、ウォータジャケット6Dの内側筒部64と、を有する。モータ収容部81には、モータ室ブリーザ63が設けられる。モータ室ブリーザ63は、モータ収容部81の内部と外部とを連通する。モータ室ブリーザ63は、モータ収容部81の内部空間の圧力が高まり過ぎることを抑制する。
インバータ収容部83は、ハウジング本体6Bのインバータ周壁部65fと、インバータホルダ6Aとによって構成される。インバータ7は、インバータホルダ6Aに支持される。インバータ7の一部は、インバータ周壁部65fの径方向内側に配置される。
ギヤ収容部82は、動力伝達部4と後述するパーキング機構50とを収容する。すなわち、ハウジング6は、ギヤ収容部82において、第2シャフト44、第1ギヤ41、第2ギヤ部48、差動装置4b、およびパーキング機構50を収容する。ギヤ収容部82は、ハウジング本体6Bの隔壁部66、および第1ギヤ周壁部66aと、ギヤカバー6Cの対向壁部67、および第2ギヤ周壁部67aと、によって構成される。なお、以下の説明における「ギヤ収容部82の内部」(又は「ギヤ収容部82内」)とは、軸方向において隔壁部66と対向壁部67とに挟まれ、径方向において第1ギヤ周壁部66aおよび第2ギヤ周壁部67aで囲まれる空間を意味する。
ギヤ収容部82の内部には、流体Oが貯留される。流体Oは、例えばオイルである。本実施形態において流体Oは、モータ2を冷却する冷媒として使用される。また、流体Oは、動力伝達部4およびベアリングに対して潤滑油として使用される。流体Oとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
図1に示すように、ギヤ収容部82の対向壁部67には、軸方向他方側(-Y側)に突出する第1突出部(突出部)10が設けられる。すなわち、ハウジング6は、軸方向に突出する第1突出部10を有する。また、第1突出部10はハウジング6の外側に向かって突出する。第1突出部10は、対向壁部67の他の部分と比較して軸方向他方側(-Y側)に突出する。すなわち、第1突出部10は、ギヤ収容部82の第1ギヤ41、第2ギヤ部48、および差動装置4bを収容する部分よりも軸方向他方側(-Y側)に突出している。
第1突出部10は、対向壁部67の一部でありギヤ収容部82の内部空間を広げるように外側に盛り上がる。第1突出部10の内部には、第1収容空間(収容空間)10aが設けられる。第1収容空間10aは、軸方向一方側(+Y側)から見て、対向壁部67を軸方向他方側(-Y側)に凹ませた部分の内部空間であり、ギヤ収容部82の内部空間を軸方向他方側(-Y側)に広げる。また、第1突出部10の上面には、パーキング機構50に動力を伝えるアクチュエータ59が固定される。
対向壁部67の軸方向他方側(-Y側)を向く面には、複数の取付部67bと、複数の直線リブ67dと、が設けられる。本実施形態において、取付部67bは、ボス状でありボルト孔67cが設けられる。取付部67bには、ハウジング6を車両に固定するためのボルトが締結される。複数の直線リブ67dは、複数の取付部67b同士を繋ぐ。複数の直線リブ67dのうちの2つは互いに交差する。
本実施形態において、取付部67b、および直線リブ67dの突出高さは、第1突出部10の突出高さよりも大きい。すなわち、取付部67b、および直線リブ67dの軸方向他方側(-Y側)の端部は、第1突出部10の軸方向他方側(-Y側)の端部よりも軸方向他方側(-Y側)に位置する。これにより、取付部67b、および直線リブ67dは、事故時の強い衝撃などから第1突出部10を保護する。
図3は、ギヤカバー6Cを取り外した状態のギヤ収容部82の正面図である。
ギヤ収容部82は、ギヤ収容部82の内部空間を上側から覆う天面部82tと、下側から覆う底部82mと、車両前方側(+X側)から覆う前面部82fと、車両後方側から覆う部分と、を有する。
ギヤ収容部82は、ギヤ収容部82の内部空間を上側から覆う天面部82tと、下側から覆う底部82mと、車両前方側(+X側)から覆う前面部82fと、車両後方側から覆う部分と、を有する。
ギヤ収容部82の内部には、キャッチタンク84が設けられる。キャッチタンク84は、上側に開口する。本実施形態のキャッチタンク84は、隔壁部66から軸方向に沿って突出するリブ状である。キャッチタンク84の一部は、天面部82tに繋がる。
キャッチタンク84は、ギヤ収容部82の内部で、動力伝達部4の各ギヤ(例えば、第3ギヤ46g、および大径ギヤ42)にかき上げられた流体Oを受ける。キャッチタンク84は、図示略の孔部を介してベアリングなどに流体Oを供給する。
ギヤ収容部82には、ブリーザ8が設けられる。ブリーザ8は、ギヤ収容部82の天面部82tに設けられる。すなわち、ブリーザ8は、ギヤ収容部82の上部に位置する。ブリーザ8は、ギヤ収容部82の内部と外部を連通しギヤ収容部82の内圧を調整する。
ブリーザ8は、孔部8aと、孔部8aに取り付けられる管部8bと、を有する。孔部8aは、天面部82tに設けられる。本実施形態の孔部8aは、鉛直方向に沿って直線的に延びる円形状の孔である。また、孔部8aの内周面には、メネジが設けられる。管部8bの外周面には、孔部8aのメネジに挿入できるオネジが設けられる。管部8bは、孔部8aに挿入され固定される。管部8bは、両端が開口する管状であり、ギヤ収容部82の内部と外部とを繋ぐ。管部8bの内部には、フィルタが設けられていてもよい。また、管部8bの先端には、ホースが接続されていてもよい。
ギヤ収容部82には、第1区画壁部(区画壁部)89と第2区画壁部86とが設けられる。第1区画壁部89、および第2区画壁部86は、ギヤ収容部82の内部に配置される。第1区画壁部89、および第2区画壁部86は、軸方向に沿って延びる。第1区画壁部89は、ギヤ収容部82の内部でブリーザ8が開口する空間(以下、ブリーザ室R8と呼ぶ)を区画する。第2区画壁部86は、ブリーザ室R8の内部に配置される。第2区画壁部86は、ブリーザ室R8の内部に複雑な経路を設ける。
本実施形態によれば、ギヤ収容部82内に第1区画壁部89で囲まれたブリーザ室R8を設けることで、ギヤ収容部82内で飛散する流体Oが、ブリーザ8の開口に達することを抑制できる。これにより、流体Oがハウジング6の外部に流出することを抑制できる。
本実施形態によれば、ブリーザ室R8内には、第2区画壁部86が設けられる。第2区画壁部86は、ブリーザ室R8の内部においてさらにブリーザ8の開口を囲む。第2区画壁部86が設けられることで、ブリーザ室R8の内部にラビリンス構造を構成することができる。第2区画壁部86は、飛散した流体Oがブリーザ室R8に侵入してもブリーザ8に達することを抑制できる。
なお、第2区画壁部86の機能は、ブリーザ室R8の内部をさらに区画するとも説明できる。すなわち、第2区画壁部86は、ギヤ収容部82の内部でブリーザ8が開口する空間を区画する。
図4は、ブリーザ室R8の近傍におけるギヤ収容部82の正面図である。
ブリーザ室R8は、ギヤ収容部82の内部において車両前方側(+X側)の端部に配置される。また、ブリーザ室R8は、ギヤ収容部82の内部において上端部に配置される。ブリーザ室R8は、ギヤ収容部82の前面部82fおよび天面部82tと第1区画壁部89によって囲まれる。
ブリーザ室R8は、ギヤ収容部82の内部において車両前方側(+X側)の端部に配置される。また、ブリーザ室R8は、ギヤ収容部82の内部において上端部に配置される。ブリーザ室R8は、ギヤ収容部82の前面部82fおよび天面部82tと第1区画壁部89によって囲まれる。
第1区画壁部89は、ギヤ収容部82の天面部82tから下側に延びる第1縦区画壁89aと、第1縦区画壁89aの下端から車両前方側(+X側)に延びる第1横区画壁89bと、を有する。第1横区画壁89bは、車両前方側(+X側)に向かうに従い下側に向かって傾斜する。第1横区画壁89bの車両前方側の先端部は、ギヤ収容部82の前面部82fと隙間を介して対向する。この隙間は、ブリーザ室R8とギヤ収容部82内の他の空間とを連通させる。第1横区画壁89bは、ブリーザ8の孔部8aの開口の直下に位置する。
第2区画壁部86は、ギヤ収容部82の天面部82tから下側に延びる第2縦区画壁86aと、第2縦区画壁86aの下端から車両後方側(-X側)に延びる第2横区画壁86bと、を有する。第2横区画壁86bは、車両後方側(-X側)に向かうに従い下側に向かってわずかに傾斜する。第2横区画壁86bの車両後方側の先端部は、第1縦区画壁89aと隙間を介して対向する。第2横区画壁86bは、鉛直方向において、ブリーザ8の孔部8aの開口と第1横区画壁89bとの間に配置される。
第1区画壁部89、および第2区画壁部86は、それぞれハウジング本体6Bおよびギヤカバー6Cからそれぞれ向かい合う方向に突出して突き合わされる一対のリブ状の壁部によって構成される。ここで、第1区画壁部89を構成する壁部のうち、ハウジング本体6B側から軸方向他方側(-Y側)に突出する壁部を第1壁部87と呼び、ギヤカバー6C側から軸方向一方側(+Y側)に突出する壁部を第2壁部88と呼ぶ。すなわち、第1区画壁部89は、ハウジング本体6Bの一部である第1壁部87とギヤカバー6Cの一部である第2壁部88とを有する。同様に、第2区画壁部86を構成する壁部のうち、ハウジング本体6B側から軸方向他方側(-Y側)に突出する壁部を第3壁部86Pと呼び、ギヤカバー6C側から軸方向一方側(+Y側)に突出する壁部を第4壁部86Qと呼ぶ。すなわち、第2区画壁部86は、ハウジング本体6Bの一部である第3壁部86Pとギヤカバー6Cの一部である第4壁部86Qとを有する。第1壁部87と第2壁部88との合わせ面、および第3壁部86Pと第4壁部86Qとの合わせ面は、それぞれハウジング本体6Bとギヤカバー6Cとの締結面と同一平面上に配置される。
第1壁部87の一部は、後述するパーキング機構50のスリーブ56の外周を囲む。ここで、第1壁部87の一部であって、スリーブ56の外周を囲む部分をスリーブガイド部87aと呼ぶ。スリーブガイド部87aには、切欠部87tが設けられる。
第1壁部87には、延長壁部87eが接続される。すなわち、ハウジング本体6Bの隔壁部66には、延長壁部87eが設けられる。延長壁部87eは、スリーブガイド部87aから車両後方側(-X側)に延長する。延長壁部87eは、スリーブ56の外周面に沿って円弧状に延びる。
第1壁部87の上端部は、ギヤ収容部82の天面部82tに繋がる。一方で、第2壁部88の上端部は、天面部82tに繋がらない。第2壁部88の上端部は、天面部82tと隙間を介して上下方向に対向する。したがって、第1区画壁部89と天面部82tとの間には、部分的に隙間が設けられる。これにより、ブリーザ室R8への連通路がより確実に確保される。
第3壁部86Pの上端部は、ギヤ収容部82の天面部82tに繋がる。一方で、第4壁部86Qの上端部は、天面部82tに繋がらない。第4壁部86Qの上端部は、天面部82tと隙間を介して上下方向に対向する。第2区画壁部86が天面部82tとの間には、部分的に隙間が設けられる。これにより、ブリーザ8の開口の周囲が完全に閉塞されることを確実に抑制できる。
図2に示すように、ハウジング6には、冷却水Lが流れる流路90が設けられる。冷却水Lは、例えば、水である。流路90は、ハウジング6の外部を通過する外部配管97と、ハウジング6の内部を通過する第1流路部91、第2流路部92、第3流路部93、および第4流路部94と、を有する。
外部配管97は、ハウジング6に接続される配管である。外部配管97の経路中には、冷却水Lを冷却するラジエータ(図示略)が配置される。冷却水Lは、ハウジング6の内部において、第1流路部91、第2流路部92、第3流路部93、第4流路部94の順で流れる。第1流路部91は、インバータ収容部83に設けられる。第1流路部91は、外部配管97に繋がる。第1流路部91を流れる冷却水Lは、インバータ7を冷却する。第2流路部92は、ハウジング本体6Bの外側筒部65に設けられる。第2流路部92は、第1流路部91と第3流路部93とを繋ぐ。第3流路部93は、ハウジング本体6Bの外側筒部65と、ウォータジャケット6Dの内側筒部64との間に配置される。内側筒部64の外周面には、螺旋状の突条部が設けられる。これにより、第3流路部93は、周方向に沿って螺旋状に延びる。第3流路部93を流れる冷却水Lは、ステータ30を冷却する。第4流路部94は、ハウジング本体6Bの外側筒部65に設けられる。第4流路部94は、第3流路部93と外部配管97とを繋ぐ。
<パーキング装置>
パーキング装置5は、ギヤ収容部82の内部に配置される。パーキング装置5は、動力伝達部4の1つのシャフト(本実施形態では第2シャフト44)の回転をロックする。
パーキング装置5は、ギヤ収容部82の内部に配置される。パーキング装置5は、動力伝達部4の1つのシャフト(本実施形態では第2シャフト44)の回転をロックする。
パーキング装置5は、アクチュエータ59と、アクチュエータ59によって駆動されるパーキング機構50と、を有する。すなわち、駆動装置1は、パーキング機構50とアクチュエータ59とを有する。アクチュエータ59は、ハウジング6の外部に配置される。一方で、パーキング機構50は、ハウジング6(より具体的には、ギヤ収容部82)の内部に配置される。
<アクチュエータ>
アクチュエータ59は、パーキング機構50を動作させる。アクチュエータ59は、第2シャフト44の回転を阻止するロック状態と、第2シャフト44の回転を許容するアンロック状態と、の間でパーキング機構50を切り替えさせる。パーキング装置5は、車両のギヤがパーキングである場合に、ロック状態となり、車両のギヤがパーキング以外である場合に、アンロック状態となる。車両のギヤがパーキング以外である場合とは、例えば、車両のギヤがドライブ、ニュートラル、リバースなどである場合を含む。
アクチュエータ59は、パーキング機構50を動作させる。アクチュエータ59は、第2シャフト44の回転を阻止するロック状態と、第2シャフト44の回転を許容するアンロック状態と、の間でパーキング機構50を切り替えさせる。パーキング装置5は、車両のギヤがパーキングである場合に、ロック状態となり、車両のギヤがパーキング以外である場合に、アンロック状態となる。車両のギヤがパーキング以外である場合とは、例えば、車両のギヤがドライブ、ニュートラル、リバースなどである場合を含む。
図5は、本実施形態のアクチュエータ59とパーキング機構50との接続部における駆動装置1の断面図である。
アクチュエータ59は、回転部58と、筐体59hとを有する。また、図示を省略するが、アクチュエータ59は、筐体59hの内部に配置される駆動用モータ、および伝達機構などを有する。
アクチュエータ59は、回転部58と、筐体59hとを有する。また、図示を省略するが、アクチュエータ59は、筐体59hの内部に配置される駆動用モータ、および伝達機構などを有する。
回転部58は、駆動用モータの動力により駆動軸線J5を中心に回転する。回転部58は、円筒状の筒部58aと、底部58cと、第1面58bと、を有する。
以下の説明では、駆動軸線J5を基準として、アクチュエータ59およびアクチュエータ59に接続される回転シャフト57について説明する。本実施形態では、駆動軸線J5の軸方向一方側とは下側(-Z側)を意味し、駆動軸線J5の軸方向他方側とは上側(+Z側)を意味する。
筒部58aは、上下方向に沿って延びる駆動軸線J5を中心とする筒状である。筒部58aは、駆動軸線J5の軸方向一方側(下側)に開口する。また、筒部58aの駆動軸線J5の軸方向他方側(上側)には、底部58cが設けられる。筒部58aの内周面には、駆動軸線J5の軸方向に延びる複数のスプライン溝58fが設けられる。すなわち、筒部58aには、スプライン溝58fが設けられる。筒部58aには、パーキング機構50の回転シャフト57が下側から挿入され連結される。アクチュエータ59は、筒部58aにおいてパーキング機構50に動力を伝える。
第1面58bは、駆動軸線J5の軸方向一方側(下側)を向く。第1面58bは、筒部58aの下端面である。第1面58bは、筒部58aの開口縁に位置する。第1面58bは、駆動軸線J5を囲む円環状の面である。
筐体59hは、筒部58aを囲む支持筒59kを有する。支持筒59kは、駆動軸線J5を中心とする円筒状である。支持筒59kは、筒部58aを回転可能に支持する。支持筒59kの内周面と筒部58aの外周面との間にはOリングが配置され、筐体59hの内部に液体が浸入することを抑制する。
アクチュエータ59は、ハウジング6の第1突出部10の上側に取り付けられる。第1突出部10は、上下方向において互いに対向する上壁(第1壁)11と下壁(第2壁)12とを有する。上壁11と下壁12とは、水平方向に沿って延びる。
上壁11には、駆動軸線J5を中心とする貫通孔19aが設けられる。貫通孔19aは、上壁11を上下方向に貫通する。また、上壁11には、上壁11の上面から上側に延びる連結筒部19が設けられる。連結筒部19は、貫通孔19aを駆動軸線J5の径方向外側から囲む。連結筒部19の内周面の直径は、貫通孔19aの直径より大きい。連結筒部19には、ハウジング6の外側からアクチュエータ59の支持筒59kが挿入される。連結筒部19の内周面と支持筒59kの外周面との間にはOリングが配置され、ハウジング6の内部に液体が浸入することを抑制する。
連結筒部19は、パーキング機構50の回転シャフト57を駆動軸線J5の径方向外側から囲む。連結筒部19の内周面には、ガスケット19gが固定される。ガスケット19gの内周面は、連結筒部19に挿入される回転シャフト57の外周面と接触する。ガスケット19gは、連結筒部19の内周面と回転シャフト57の外周面との間の隙間をシールする。
<パーキング機構>
図6は、パーキング機構50の斜視図である。
パーキング機構50は、パーキングギヤ51と、パーキングポール52と、パーキングポール52に動力を伝達する伝達部50Aと、筒状のスリーブ56と、を有する。また、伝達部50Aは、ポールシャフト50tと、カムロッド54と、カム53と、コイルバネ50dと、フランジ55と、回転シャフト57と、を有する。伝達部50Aは、回転シャフト57においてアクチュエータ59から動力を受け、カム53においてパーキングポール52に動力を伝える。
図6は、パーキング機構50の斜視図である。
パーキング機構50は、パーキングギヤ51と、パーキングポール52と、パーキングポール52に動力を伝達する伝達部50Aと、筒状のスリーブ56と、を有する。また、伝達部50Aは、ポールシャフト50tと、カムロッド54と、カム53と、コイルバネ50dと、フランジ55と、回転シャフト57と、を有する。伝達部50Aは、回転シャフト57においてアクチュエータ59から動力を受け、カム53においてパーキングポール52に動力を伝える。
図5に示すように、回転シャフト57、フランジ55、およびカムロッド54の一部は、第1突出部10の内部の第1収容空間10aに収容される。すなわち、伝達部50Aの少なくとも一部は、第1収容空間10aに収容される。
図2に示すように、ギヤ収容部82は、第1突出部10を有する。また、第1突出部10の内部の第1収容空間10aは、パーキング機構50の伝達部50Aの少なくとも一部を収容する。本実施形態によれば、パーキング機構50の収容体積を確保するためにギヤ収容部82を一方向に大きくするのではなく、パーキング機構50の形状に合わせて一部を局所的に広げることで、ギヤ収容部82の外形を全体として小型化できる。また、本実施形態の第1突出部10は、軸方向(Y軸方向)に突出するため、駆動装置1軸方向の投影面積が大きくなることを抑制できる。このため、車両内での駆動装置1の収容スペースが大きくなりにくい。
図2に示すように、本実施形態の第1突出部10は、軸方向と垂直な方向から見て大径ギヤ42の少なくとも一部に重なる。言い換えると、第1突出部10の軸方向位置は、大径ギヤ42の軸方向位置に重なる。本実施形態によれば、第1突出部10を動力伝達部4のギヤと軸方向において重ねて配置することで、第1突出部10の突出量に対しギヤ収容部82が軸方向に大型化することを抑制できる。
<回転シャフト>
図5に示すように、回転シャフト57は、駆動軸線J5を中心とする円柱状である。回転シャフト57は、駆動軸線J5の軸方向他方側(上側)に位置する第1端部57aと、軸方向一方側(下側)に位置する第2端部57bとを有する。回転シャフト57は、アクチュエータ59に連結される。回転シャフト57は、アクチュエータ59の動力によって駆動軸線J5周りを回転する。
図5に示すように、回転シャフト57は、駆動軸線J5を中心とする円柱状である。回転シャフト57は、駆動軸線J5の軸方向他方側(上側)に位置する第1端部57aと、軸方向一方側(下側)に位置する第2端部57bとを有する。回転シャフト57は、アクチュエータ59に連結される。回転シャフト57は、アクチュエータ59の動力によって駆動軸線J5周りを回転する。
回転シャフト57は、ハウジング6の内外に延びる。第1端部57aは、ハウジング6の外部に配置される。一方で、第2端部57bは、ハウジング6の内部に配置される。すなわち、回転シャフト57は、少なくとも一部がハウジング6の内部に配置される。回転シャフト57は、ハウジング6の外部でアクチュエータ59に連結され、ハウジング6の内部でフランジ55に接続される。
第1端部57aの外周面には、駆動軸線J5の軸方向に延びる複数のスプライン突起57mが設けられる。第1端部57aは、アクチュエータ59の筒部58aに挿入される。これにより、第1端部57aのスプライン突起57mは、筒部58aのスプライン溝58fと嵌合し、回転シャフト57が筒部58aに連結される。回転シャフト57と筒部58aとの連結は、スプライン嵌合であるため、駆動軸線J5の軸方向への相対的な移動を許容する。
第1端部57aは、回転シャフト57の他の部分と比較して外径が小さい。ここで、回転シャフト57のうち、第1端部57aを除く部分を大径部57cと呼ぶ。すなわち、回転シャフト57は、第1端部57aよりも直径の大きい大径部57cを有する。第2端部57bは、大径部57cの一部である。
第1端部57aと大径部57cとの間には、段差状の第2面57tが設けられる。第2面57tは、大径部57cの上端面である。また、第2面57tは、駆動軸線J5を囲む円環状の面である。第2面57tは、駆動軸線J5の軸方向他方側(上側)を向く。第2面57tは、駆動軸線J5の軸方向において、アクチュエータ59の第1面58bに対向する。
第1端部57aと大径部57cとの間には、第1端部57aよりも外径が小さいヌスミ部57gが設けられる。ヌスミ部57gは、周方向に沿って溝状に延びる。一般的に、スプライン突起57mは、軸方向の根元にまで完全な形状を成形することが困難である。本実施形態によれば、ヌスミ部57gを設けることで、スプライン突起57mの根元において不完全なスプライン形状を除去することができる。
大径部57cには、ハウジング6の上壁11に回転可能に支持される被支持部57dが設けられる。すなわち、回転シャフト57は、被支持部57dを有する。被支持部57dは、外周面において貫通孔19aの内周面と接触する。貫通孔19aは、駆動軸線J5を中心とする平面視円形である。貫通孔19aの内径は、被支持部57dの外径よりも若干大きい。被支持部57dは、貫通孔19aに挿入され回転可能に支持される。すなわち、貫通孔19aは、回転シャフト57に対する滑り軸受として機能する。
第2端部57bは、第1端部57aの反対側に位置する。第2端部57bは、ハウジング6の下壁12に回転可能に支持される。下壁12の上面には、駆動軸線J5を中心とする凹部12bが設けられる。すなわち、ハウジング6は、凹部12bを有する。凹部12bは、駆動軸線J5を中心とする平面視円形である。第2端部57bは、凹部12bに挿入される。
第2端部57bは、軸方向一方側(下側)を向く第4面57kを有する。第4面57kは、回転シャフト57の下端面である。第4面57kは、凹部12bの底面12cと対向する。第4面57kと底面12cとは、互いに接触していてもよい。凹部12bの内径は、第2端部57bの外径よりも若干大きい。第2端部57bは、凹部12bに回転可能に支持される。すなわち、凹部12bは、回転シャフト57に対する滑り軸受として機能する。
本実施形態の回転シャフト57は、駆動軸線J5の軸方向において互いに対向する上壁11および下壁12によって回転可能に支持される。本実施形態によれば、回転シャフト57を片持ち支持する場合などと比較して、回転シャフト57の支持を安定させることができる。
本実施形態において、回転シャフト57は、アクチュエータ59の回転部58にスプライン嵌合で連結される。回転シャフト57と回転部58との連結機構にスプライン嵌合を採用することで、パーキング機構50とアクチュエータ59との組み立て性を高めることができるが、一方で、回転部58に対する回転シャフト57の軸方向への移動を許容する。このため、回転シャフト57が、軸受部分(本実施形態の凹部12b)からの離脱する虞がある。このため、従来構造では、E形止め輪、ピンなど別部材を用いて回転シャフト57の離脱を抑制していた。
本実施形態によれば、駆動軸線J5の軸方向において、アクチュエータ59の第1面58bと回転シャフト57の第2面57tとが対向する。第1面58bは、第2面57tと接触して、回転シャフト57の上側への移動を制限する。本実施形態によれば、E止め輪、およびピンのような別部材を用いることなく、回転シャフト57の上側への移動を制限することができ、部品点数を削減するとともに組み立てが容易な駆動装置1を提供できる。
本実施形態によれば、第1面58bが、アクチュエータ59の回転部58に設けられる。このため、第1面58bと第2面57tとが互いに接触する場合であっても、第1面58bと第2面57tとの間には、動摩擦力抵抗が生じない。本実施形態によれば、アクチュエータ59から回転シャフト57への動力伝達効率を低下させることなく、回転シャフト57の離脱を抑制できる。
本実施形態において、駆動軸線J5の軸方向における第1面58bと第2面57tとの距離寸法h1は、第2端部57bの凹部12bへの挿入深さh2より小さい。このため、回転シャフト57が凹部12bから離脱する方向である上側(駆動軸線J5の軸方向他方側)に移動しても第1面58bと第2面57tとが接触する。第1面58bおよび第2面57tは、回転シャフト57の上側への移動を制限し、回転シャフト57が凹部12bから離脱することを抑制する。
距離寸法h1および挿入深さh2は、回転シャフト57がハウジング6に対し駆動軸線J5の軸方向に移動することで変化する。距離寸法h1と挿入深さh2とは、互いに相関関係がある。回転シャフト57の上側への移動により、距離寸法h1が小さくなると、それに伴い挿入深さh2も同じだけ小さくなる。このため、回転シャフト57が任意の位置で上述の関係を満たしていれば、何れの位置においても上述の関係を満たす。
また、本実施形態によれば、第1端部57aの端面57aa(すなわち、上端面)と回転部58の底面58caとの距離寸法jは、第1面58bと第2面57tとの距離寸法h1よりも十分に大きい。このため、第1面58bと第2面57tとが接触する前に、端面57aaと底面58caとが先に接触してしまうことを抑制できる。結果的に、第1面58bおよび第2面57tを、回転シャフト57の移動を制限する面として確実に機能させることができる。
本実施形態において、第1面58bは、駆動軸線J5の軸方向一方側(下側)を向く筒部58aの端面に設けられる。筒部58aの端面は、加工が比較的容易であるため、面精度を高め易い。本実施形態によれば、精度の高い第1面58bを有する回転部58を成形することができ、第2面57tとの距離寸法h1の管理が容易となる。
また、第1面58bを筒部58aの端面に設けることで、第1面58bを、駆動軸線J5を中心とする円環状とすることができる。これにより、第1面58bと第2面57tとを駆動軸線J5周りに安定的に接触させることができる。
本実施形態において、第2面57tは、大径部57cと第1端部57aとを段差状に繋ぐ面である。本実施形態によれば、第2面57tを、駆動軸線J5を中心とする円環状とすることができ、第1面58bと第2面57tとを駆動軸線J5周りに安定的に接触させることができる。なお、本実施形態では、スプライン突起57mの根元にヌスミ部57gが設けられており、スプライン突起57mの根元の不完全なスプライン形状が除去されている。このため、第1面58bと第2面57tとが接触するまで、スプライン突起57mをスプライン溝58fに挿入することが可能となる。
なお、本実施形態に説明した第1面58bおよび第2面57tの位置は一例である。第1面58bと第2面57tとは、それぞれ回転部58と回転シャフト57に設けられていればその場所は限定されない。例えば、第1面が回転部58の底部58cに設けられ、第2面が回転シャフト57の第1端部57aの端面に設けられていてもよい。
本実施形態において、回転シャフト57の第2端部57bは、第4面57kにおいて凹部12bの底面12cと対向する。底面12cは、第4面57kに接触することで回転シャフト57の下側への移動を制限して、スプライン突起57mがスプライン溝58fから離脱することを抑制する。
本実施形態において、駆動軸線J5の軸方向における第4面57kと底面12cとの距離寸法k1は、スプライン突起57mとスプライン溝58fの嵌合長さk2より小さい。このため、スプライン突起57mがスプライン溝58fから離脱する方向である下側(駆動軸線J5の軸方向一方側)に移動しても第4面57kと底面12cとが接触する。第4面57kおよび底面12cは、回転シャフト57の下側への移動を制限し、スプライン突起57mがスプライン溝58fから離脱することを抑制する。
なお、距離寸法k1と嵌合長さk2とは、上述した距離寸法h1と挿入深さh2との関係と同様の相関関係を有している。このため、距離寸法k1と嵌合長さk2とは、回転シャフト57が任意の位置で上述の関係を満たしていれば、何れの位置においても上述の関係を満たす。
本実施形態の回転シャフト57は、ハウジング6の外部から組み付けられる。ここで、駆動装置1の組み立て方法であって、回転シャフト57とアクチュエータ59とをハウジング6に組み付ける工程について具体的に説明する。この組み立て方法は、回転シャフト57をハウジング6の内部に挿入するシャフト挿入工程と、回転シャフト57の第1端部57aにアクチュエータ59を連通する連結工程と、を含む。
シャフト挿入工程で作業者は、まず、回転シャフト57を上壁11に設けられる貫通孔19aからハウジング6の内部に挿入する。このとき作業者は、回転シャフト57を第2端部57b側から貫通孔19aに挿入する。また、作業者は、回転シャフト57の第2端部57bを、下壁12の凹部12bに挿入する。これにより、作業者は、回転シャフト57を上壁11と下壁12との間に跨って支持させる。シャフト挿入工程の後の回転シャフト57は、第1端部57aにおいてハウジング6から突出する。
連結工程で作業者は、ハウジング6から突出する第1端部57aにアクチュエータ59を連結する。連結工程において、作業者は、アクチュエータ59の第1面58bと回転シャフト57の第2面57tとを駆動軸線J5の軸方向において対向させる。連結工程の後に、アクチュエータ59は、ハウジング6の外側面にボルトなどで締結固定される。
本実施形態の組み立て方法によれば、回転シャフト57を貫通孔19aに挿入しアクチュエータ59を連結するのみで、回転シャフト57のハウジング6内での脱落を抑制できる。すなわち、回転シャフト57に抜け止めを取り付ける工程を必要としておらず、組み立て工程を簡素化できる。なお、本実施形態の組み立て方法において、シャフト挿入工程では、回転シャフト57を凹部12bに挿入する前に第1収容空間10aの内部で回転シャフト57の外周面にフランジ55を固定することが好ましい。
<フランジ>
フランジ55は、回転シャフト57の外周面に設けられる。本実施形態のフランジ55は、回転シャフト57と別部材であり回転シャフト57の外周面に固定される。しかしながら、フランジ55は、回転シャフト57の一部であってもよい。
フランジ55は、回転シャフト57の外周面に設けられる。本実施形態のフランジ55は、回転シャフト57と別部材であり回転シャフト57の外周面に固定される。しかしながら、フランジ55は、回転シャフト57の一部であってもよい。
フランジ55は、第1突出部10の上壁11と下壁12との間に配置される。上述したように、回転シャフト57上壁11、および下壁12に対して回転可能に支持されている。フランジ55を、上壁11と下壁12との間で回転シャフト57に固定することで、上壁11および下壁12は、フランジ55および回転シャフト57を両端支持できる。このため、上壁11および下壁12は、フランジ55から回転シャフト57に付与される反力に対し回転シャフト57を安定的に支持できる。
フランジ55は、駆動軸線J5の径方向に沿って延びる。フランジ55は、回転シャフト57とともに駆動軸線J5周りに回転する。本実施形態によれば、回転シャフト57が第1突出部10の内部を上下方向に沿って延びる。また、フランジ55は、第1突出部10の上壁11および下壁12の間で上下方向と直交する平面に沿って回転する。本実施形態の構造によれば、第1突出部10の内部の第1収容空間10aを有効利用して、伝達部50Aの各部を効率的に配置できる。
図6に示すように、本実施形態のフランジ55は、駆動軸線J5の径方向に沿って延びるフランジ本体55aと、フランジ本体55aの先端に設けられる突出片55bと、を有する。突出片55bは、フランジ本体55aから駆動軸線J5の軸方向に沿って突出する。
フランジ本体55aは、駆動軸線J5と直交する板状である。フランジ本体55aには、厚さ方向に貫通する連結孔55hが設けられる。連結孔55hには、カムロッド54の連結部54aが通される。カムロッド54の連結部54aは、連結孔55hを中心として回転可能である。
<カムロッド>
カムロッド54は、連結部54aと、中継部54bと、ロッド本体54cと、を有する。カムロッド54において、連結部54aと中継部54bとの間には第1折曲部54Pが設けられ、中継部54bとロッド本体54cとの間には第2折曲部54Qが設けられる。カムロッド54は、第1折曲部54Pおよび第2折曲部54Qにおいて、それぞれ略90°で折り曲げられる。カムロッド54は、第1折曲部54Pおよび第2折曲部54Qにおいて折り曲げられた断面円形の棒状である。
カムロッド54は、連結部54aと、中継部54bと、ロッド本体54cと、を有する。カムロッド54において、連結部54aと中継部54bとの間には第1折曲部54Pが設けられ、中継部54bとロッド本体54cとの間には第2折曲部54Qが設けられる。カムロッド54は、第1折曲部54Pおよび第2折曲部54Qにおいて、それぞれ略90°で折り曲げられる。カムロッド54は、第1折曲部54Pおよび第2折曲部54Qにおいて折り曲げられた断面円形の棒状である。
連結部54aは、駆動軸線J5の軸方向に沿って延びる。したがって、連結部54aは、回転シャフト57と平行に延びる。連結部54aは、フランジ55の連結孔55hに挿入される。これにより、連結部54aは、フランジ55に対して回転可能に連結され支持される。すなわち、カムロッド54は、連結部54aにおいてフランジ55に回転可能に支持される。連結部54aの外周には、連結部54aの連結孔55hからの離脱を抑制する突起54acが設けられる。
ロッド本体54cは、中心軸線J1の軸方向に沿って延びる。ロッド本体54cは、連結部54aと直交する方向に延びる。ロッド本体54cは、スリーブ56の内部を通過する。ロッド本体54cは、スリーブ56によってガイドされる。また、カムロッド54は、フランジ55の動き(すなわち、駆動軸線J5周りの回転)に伴い中心軸線J1の軸方向に沿って動作する。
中継部54bは、連結部54aとロッド本体54cとの間を繋ぐ。中継部54bは、連結部54a、およびロッド本体54cと、それぞれ直交する。また、中継部54bは、駆動軸線J5、および中心軸線J1と直交する方向に沿って延びる。中継部54bの一端は連結部54aに接続され、他端はロッド本体54cに接続される。
中継部54bは、中心軸線J1の径方向に沿って延びる。中継部54bは、連結部54aとロッド本体54cとの相対的な位置をずらすために設けられる。中継部54bを中心軸線J1の径方向に沿って延びるように配置することで、連結部54aをロッド本体54cに対し中心軸線J1に近づけて配置できる。このため、ロッド本体54cに支持されるカム53を最適な位置に配置しつつ、連結部54aに接続されるフランジ55、回転シャフト57およびアクチュエータ59などを中心軸線J1側に近づけて配置できる。これにより、パーキング機構50の各部を中心軸線J1の周りに密集して配置することができ、駆動装置1内におけるパーキング機構50の配置スペースを小さくすることができる。
中継部54bの軸方向一方側(+Y側)には、フランジ55の突出片55bが配置される。突出片55bは、中心軸線J1の軸方向において中継部54bに対しパーキングギヤ51側、かつ中心軸線J1の軸方向から見て中継部54bに重なって配置される、突出片55bは中継部54bに対向する対向面55cを有する。対向面55cは、中心軸線J1の軸方向において隙間を介して中継部54bと対向する。
ロッド本体54cには、コイルバネ50dとカム53とキャップ50cとが通される。すなわち、コイルバネ50d、カム53、およびキャップ50cは、ロッド本体54cに取り付けられる。
以下の説明において、ロッド本体54cの中継部54bに接続される側の端部を基端54cbとし、基端54cbの反対側の端部を先端54caと呼ぶ。
以下の説明において、ロッド本体54cの中継部54bに接続される側の端部を基端54cbとし、基端54cbの反対側の端部を先端54caと呼ぶ。
コイルバネ50dは、カム53に対してロッド本体54cの基端54cb側に配置される。ロッド本体54cの基端54cbの外周には、コイルバネ50dの内径より大きい突起54ccが設けられる。コイルバネ50dは、自然長に対し圧縮された状態で突起54ccとカム53の間に配置される。コイルバネ50dは、カム53に対しロッド本体54cの先端54ca側に向かう力を付与する。
図7は、ロッド本体54cの先端54caの近傍の駆動装置1の断面図である。
キャップ50cは、ロッド本体54cの先端54caに固定される。キャップ50cは、ロッド本体54cにおいて、カム53より先端54ca側に配置される。キャップ50cは、カム53の端面に接触する。キャップ50cは、カム53がロッド本体54cに対して先端54ca側に移動することを制限する。キャップ50cは、カム53がロッド本体54cの先端54caから抜け落ちることを抑制する。
キャップ50cは、ロッド本体54cの先端54caに固定される。キャップ50cは、ロッド本体54cにおいて、カム53より先端54ca側に配置される。キャップ50cは、カム53の端面に接触する。キャップ50cは、カム53がロッド本体54cに対して先端54ca側に移動することを制限する。キャップ50cは、カム53がロッド本体54cの先端54caから抜け落ちることを抑制する。
<カム>
カム53は、ロッド本体54cを中心とする環状である。カム53の中央の貫通孔には、ロッド本体54cが挿通される。カム53の貫通孔の内径は、ロッド本体54cの外径より大きい。カム53は、ロッド本体54cの長さ方向においてコイルバネ50dとキャップ50cとの間に挟まれる。コイルバネ50dは、カム53の基端54cb側への移動に伴い圧縮される。カム53は、コイルバネ50dの反発力より強い基端54cb側に向かう力を受けた場合に、コイルバネ50dを圧縮させてロッド本体54cに対して基端54cb側に移動する。
カム53は、ロッド本体54cを中心とする環状である。カム53の中央の貫通孔には、ロッド本体54cが挿通される。カム53の貫通孔の内径は、ロッド本体54cの外径より大きい。カム53は、ロッド本体54cの長さ方向においてコイルバネ50dとキャップ50cとの間に挟まれる。コイルバネ50dは、カム53の基端54cb側への移動に伴い圧縮される。カム53は、コイルバネ50dの反発力より強い基端54cb側に向かう力を受けた場合に、コイルバネ50dを圧縮させてロッド本体54cに対して基端54cb側に移動する。
カム53は、外周面において、パーキングポール52のカム接触部52cに接触する。カムは、第1部分53aと第2部分53bとを有する。第1部分53a、および第2部分53bは、同軸上に配置される。第2部分53bは、第1部分53aに対して先端54ca側に位置する。第1部分53a、および第2部分53bは、それぞれ円錐台形状である。第1部分53a、および第2部分53bの外周面は、それぞれ、ロッド本体54cの基端54cb側から先端54ca側に向かうに従い徐々に外径が小さくなる円錐状のテーパ面である。したがって、第1部分53a、および第2部分53bは、それぞれ横断面が円形である。第1部分53aの外周面のテーパ角は、第2部分53bの外周面のテーパ角と比較して十分に小さい。第2部分53bの外周面のテーパ角は、ロック状態からアンロック状態への移行時に、スリーブ56とカム接触部52cとの間からカム53が円滑に離脱できる十分な角度とされる。なお、第1部分53aは、円錐台形状ではなく円柱状であってもよい。
カム53には、コイルバネ50dを介してロッド本体54cの動作が伝わる。これにより、カム53は、ロッド本体54cとともにロッド本体54cの長さ方向に沿って移動する。また、カム53は、外周面においてパーキングポール52のカム接触部52cに接触する。カム53は、カムロッド54の動作に伴い移動することでパーキングポール52を動作させる。アンロック状態のパーキング機構50において、カム53の第2部分53bは、パーキングポール52のカム接触部52cと、隙間を介して対向する。ロック状態、および待機状態のパーキング機構50において、カム53は、第1部分53aにおいてカム接触部52cに接触する。ロック状態とアンロック状態との間でパーキング機構50の状態が切り替わる際に、カム53は、第2部分53bにおいてカム接触部52cと接触しさらに摺動する。これにより、カム53は、カム接触部52cを上側に移動させパーキングポール52を支持軸線J4周りに回転させる。また、待機状態は、凸部52aがパーキングギヤ51の歯部51aの外周面に押し当てられる状態である。待機状態では、カムロッド54がロック状態の位置に移動しても、カム53が移動できず、カム53がカム接触部52cに押し付けられた状態となる。これにより、コイルバネ50dがカム53とロッド本体54cの突起54ccとの間で圧縮される。コイルバネ50dは、パーキングギヤ51が回転して凸部52aが歯部51aの間に噛み合うまで、カム53をカム接触部52cに押し当てる。
<スリーブ>
スリーブ56は、スリーブ軸線J6に沿って延びる筒状である。スリーブ56には、ロッド本体54cの先端54caが挿入される。また、スリーブ56は、ロック状態においてカム53を、パーキングポール52の反対側から支持する。なお、カム53は、アンロック状態においてスリーブ56から離間する。スリーブ56は、カム53をガイドして、カム53およびカムロッド54の動作範囲を制限する。スリーブ56には、内側面の一部を径方向外側に開口させるスリーブ切欠部56eが設けられる。スリーブ56は、ハウジング6の内側面に固定される。スリーブ56固定方法について、後段において詳細に説明する。
スリーブ56は、スリーブ軸線J6に沿って延びる筒状である。スリーブ56には、ロッド本体54cの先端54caが挿入される。また、スリーブ56は、ロック状態においてカム53を、パーキングポール52の反対側から支持する。なお、カム53は、アンロック状態においてスリーブ56から離間する。スリーブ56は、カム53をガイドして、カム53およびカムロッド54の動作範囲を制限する。スリーブ56には、内側面の一部を径方向外側に開口させるスリーブ切欠部56eが設けられる。スリーブ56は、ハウジング6の内側面に固定される。スリーブ56固定方法について、後段において詳細に説明する。
<突出片>
本実施形態によれば、フランジ55には突出片55bが設けられる。突出片55bは、パーキング機構50をハウジング6に組み付ける工程で利用される。パーキング機構50は、伝達部50Aをハウジング6に組み付けた後に、カムロッド54をスリーブ56に挿入しスリーブ56をハウジング6に保持させる。カムロッド54をスリーブ56に挿入しスリーブ56をハウジング6に取り付ける工程(以下、スリーブ取り付け工程)は、ハウジング6を傾けた状態で行う場合がある。本実施形態のスリーブ取り付け工程は、図中のY軸の矢印が向く側を鉛直方向下側となるようにハウジング6を傾けた姿勢で行う。スリーブ取り付け工程において、フランジ55の突出片55bは、カムロッド54の中継部54bの下側に配置される。スリーブ取り付け工程において、作業者は、突出片55bによって中継部54bを下側から支持させてロッド本体54cの先端54caをスリーブ56に挿入する。さらに、作業者は、スリーブ56をハウジング6の内側面に固定する。本実施形態によれば、組立工程において不安定になり易いカムロッド54を突出片55bによって仮保持することができる。これにより、スリーブ56にロッド本体54cの先端54caを挿入する作業を容易に行うことができ、パーキング機構50の組立工程を簡素化できる。
本実施形態によれば、フランジ55には突出片55bが設けられる。突出片55bは、パーキング機構50をハウジング6に組み付ける工程で利用される。パーキング機構50は、伝達部50Aをハウジング6に組み付けた後に、カムロッド54をスリーブ56に挿入しスリーブ56をハウジング6に保持させる。カムロッド54をスリーブ56に挿入しスリーブ56をハウジング6に取り付ける工程(以下、スリーブ取り付け工程)は、ハウジング6を傾けた状態で行う場合がある。本実施形態のスリーブ取り付け工程は、図中のY軸の矢印が向く側を鉛直方向下側となるようにハウジング6を傾けた姿勢で行う。スリーブ取り付け工程において、フランジ55の突出片55bは、カムロッド54の中継部54bの下側に配置される。スリーブ取り付け工程において、作業者は、突出片55bによって中継部54bを下側から支持させてロッド本体54cの先端54caをスリーブ56に挿入する。さらに、作業者は、スリーブ56をハウジング6の内側面に固定する。本実施形態によれば、組立工程において不安定になり易いカムロッド54を突出片55bによって仮保持することができる。これにより、スリーブ56にロッド本体54cの先端54caを挿入する作業を容易に行うことができ、パーキング機構50の組立工程を簡素化できる。
<パーキングギヤ>
図2に示すように、パーキングギヤ51は、第2シャフト44の外周面に設けられる。パーキングギヤ51は、軸方向において、第1ギヤ41と隔壁部66との間に配置される。
図2に示すように、パーキングギヤ51は、第2シャフト44の外周面に設けられる。パーキングギヤ51は、軸方向において、第1ギヤ41と隔壁部66との間に配置される。
本実施形態によれば、パーキングギヤ51は、軸方向において、モータ2と第1ギヤ41との間に配置される。すなわち、パーキングギヤ51は、第1ギヤ41に対し隔壁部66側に配置される。これにより、パーキング機構50をギヤ収容部82内においてモータ2側に寄せて配置することができ、パーキング機構50がギヤ収容部82から軸方向一方側(+Y側)に大きく突出して配置されることを抑制できる。結果的に駆動装置1の軸方向寸法の小型化を図ることができる。
本実施形態によれば、パーキングギヤ51は、軸方向と垂直な方向から見て第3ギヤ46gの少なくとも一部に重なる。言い換えると、パーキングギヤ51の軸方向位置は、第3ギヤ46gの軸方向位置に重なる。本実施形態によれば、パーキング機構50と動力伝達部4とを、軸方向において重ねて配置できる。すなわち、パーキング機構50を動力伝達部4の隙間に配置することができ、ギヤ収容部82の内部空間を有効利用して駆動装置1の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態において第3ギヤ46gは、小径ギヤ43に噛み合う。また、第3ギヤ46gの歯幅と小径ギヤ43の歯幅は略等しい。このため、軸方向と垂直な方向から見て、パーキングギヤ51は、第3ギヤ46gのみならず、小径ギヤ43の少なくとも一部とも重なる。
上述したように、パーキングギヤ51は、軸方向において、第1ギヤ41に対しモータ2側に近づけて配置される。このため、軸方向と直交する方向から見てパーキングギヤ51に重なる小径ギヤ43および第3ギヤ46gも、軸方向においてモータ2に近づけて配置される。動力伝達部4において最も直径が大きいギヤは、第3ギヤ46gである。第3ギヤ46gをモータ2に近づけて配置することで、動力伝達部4の収容空間であって軸方向から見て第3ギヤ46gと重なる領域を軸方向に小型化することができ、駆動装置1の小型化を図ることができる。
図3に示すように、本実施形態によれば、パーキングギヤ51は、軸方向から見て、少なくとも一部が大径ギヤ42と重なる。これにより、パーキング機構50の一部と動力伝達部4の一部とを軸方向に重ねて配置することができる。本実施形態によれば、パーキングギヤ51の直径を大きくしてパーキング機構50による動力伝達部4の回転を制動する力を十分に確保しつつ、駆動装置1の軸方向への投影面積を小さくできる。
本実施形態において、パーキングギヤ51は第2シャフト44の外周面に設けられる。第2シャフト44は、動力伝達部4の複数のシャフトのうち、伝達トルクが最も小さいシャフトである。第2シャフト44にパーキングギヤ51を設けることで、ロック時にパーキング機構50に加わる反力を小さくできる。本実施形態によれば、パーキング機構50に加わる反力を小さくして、パーキング機構50の小型化を図ることができる。
図6に示すように、本実施形態のパーキングギヤ51は、中心軸線J1を中心とする円環状である。パーキングギヤ51は、第2シャフト44とともに回転する。すなわち、パーキングギヤ51は、車両の車輪と連動して第1ギヤ41とともに中心軸線J1周りを回転する。パーキングギヤ51の外周には、周方向に沿って並ぶ複数の歯部51aが設けられる。歯部51aは、中心軸線J1の径方向外側に突出する。後述するロック状態において、歯部51aは、凸部52aに噛み合う。
<ポールシャフト>
ポールシャフト50tは、中心軸線J1と平行な支持軸線J4に沿って延びる。すなわち、ポールシャフト50tは、第2シャフト44と平行なシャフトである。ポールシャフト50tは、パーキングポール52を回転可能に支持する。
ポールシャフト50tは、中心軸線J1と平行な支持軸線J4に沿って延びる。すなわち、ポールシャフト50tは、第2シャフト44と平行なシャフトである。ポールシャフト50tは、パーキングポール52を回転可能に支持する。
本実施形態のポールシャフト50tは、回転シャフト57と直交する。本実施形態によれば、回転シャフト57とポールシャフト50tとが互いに平行に延びる場合と比較して、シャフト同士を立体的に配置することが可能となり、全体としてパーキング機構50の小型化を図ることができる。
ポールシャフト50tには巻きバネ50sが装着される。巻きバネ50sは、コイル状のバネ本体50scとバネ本体50scの両端部から延び出る第1脚部50sa、および第2脚部50sbとを有する。
図3に示すように、バネ本体50scには、ポールシャフト50tが挿入される。第1脚部50saは、キャッチタンク84の外側面に接触する。一方で、第2脚部50sbは、図6に示すように、パーキングポール52に設けられるバネ掛け孔52hに掛けられる。巻きバネ50sは、パーキングポール52に対して、先端をスリーブ56側に退避させる方向の弾性力を加える。
本実施形態によれば、キャッチタンク84の一部は、ポールシャフト50tの直下に配置され、外側面において、巻きバネ50sの第1脚部50saに接触する。これにより、キャッチタンク84は、第1脚部50saを支持し、巻きバネ50sによってパーキングポール52に位置方向に向かう弾性力を加えることができる。さらに、ハウジング6に第1脚部50saを支持するための部位を別途用意する場合と比較して、キャッチタンク84の外側面を利用することで、ハウジング6の加工に要するコストを削減することができる。
なお、キャッチタンク84の外側面において巻きバネ50sの第1脚部50saが掛けられる位置は一例である。第1脚部50saは、キャッチタンク84の外側面のうち何れの位置に掛けられていてもよく、例えばポールシャフト50tより上側であってもよい。
<パーキングポール>
図6に示すように、パーキングポール52は、パーキングギヤ51の側部に配置される。パーキングポール52は、基端部52dと、基端部52dから斜め下側に延びるパーキングポール本体部52bと、カム接触部52cと、凸部52aと、を有する。
図6に示すように、パーキングポール52は、パーキングギヤ51の側部に配置される。パーキングポール52は、基端部52dと、基端部52dから斜め下側に延びるパーキングポール本体部52bと、カム接触部52cと、凸部52aと、を有する。
パーキングポール本体部52bは、中心軸線J1の軸方向から見て、パーキングギヤ51とスリーブ56との間に配置される。凸部52aは、パーキングポール本体部52bのパーキングギヤ51側を向く面に設けられる。一方で、カム接触部52cは、パーキングポール本体部52bのスリーブ56側を向く側を向く面に設けられる。カム接触部52cは、パーキングポール52の先端部に位置する。凸部52aは、パーキングポール52の長さ方向において、基端部52dとカム接触部52cとの間に位置する。
パーキングポール52の基端部52dには、支持軸線J4を中心とする支持孔52kが設けられる。支持孔52kには、ポールシャフト50tが挿入される。これにより、パーキングポール52は、基端部52dにおいてポールシャフト50tに支持され、ポールシャフト50tにより支持軸線J4周りに回転可能となる。
凸部52aは、パーキングポール本体部52bからパーキングギヤ51に向かって突出する。凸部52aは、パーキングギヤ51の歯部51aに対向する。パーキングポール52が、ポールシャフト50t回りを回転移動することで、凸部52aは、パーキングギヤ51に対して近接および離間する方向に移動する。
パーキングポール52は、ロック状態とアンロック状態と待機状態との何れかの状態を取り得る。ロック状態とアンロック状態とは、操作者の操作に伴い相互に移行する。待機状態は、操作者がアンロック状態からロック状態に移行させる操作をした際に、アンロック状態からロック状態に移行する過程で現れる。
ロック状態は、凸部52aをパーキングギヤ51に噛み合わせてパーキングギヤ51の回転を阻害する状態である。ロック状態のパーキング機構50において、凸部52aは、パーキングギヤ51の歯部51a同士の間に嵌る。
アンロック状態は、凸部52aをパーキングギヤ51から離間させてロックを解除しパーキングギヤ51の回転を許容する状態である。アンロック状態のパーキング機構50において、凸部52aは、歯部51aの間から中心軸線J1の径方向外側に退避する。
待機状態は、凸部52aをパーキングギヤ51の歯部51aの外周面に押し当てて、ロック状態となるのを待機する状態である。待機状態において、パーキングギヤ51が回転し歯部51aの隙間と凸部52aとが一致すると、凸部52aが歯部51aに噛み合いロック状態に遷移する。
カム接触部52cは、スリーブ切欠部56eの内側に位置する(図7参照)。パーキングポール52は、カム接触部52cにおいてカム53から力を受けて支持軸線J4周りを回転する。すなわち、パーキングポール52は、カム53の移動に伴って動作する。
図3に示すように、本実施形態のパーキングポール52は、パーキングギヤ51の上側に配置される。このため、パーキングポール52をパーキングギヤ51に対して水平方向に配置する場合と比較して、ギヤ収容部82が水平方向に大型化することを抑制できる。さらに、本実施形態によれば、パーキングポール52、およびパーキングギヤ51の上下方向位置は、第3ギヤ46gの上下方向位置と重なる。このため、第3ギヤ46gの上端位置、および下端位置に対し、パーキングポール52、およびパーキングギヤ51が、上下方向に大きく突出することを抑制できる。結果的に、ギヤ収容部82が上下方向に大型化することを抑制できる。
本実施形態によれば、第3ギヤ46g、キャッチタンク84、およびパーキング機構50の伝達部50Aは、水平方向に沿って並んで配置される。このため、第3ギヤ46gの上端位置、および下端位置に対し、キャッチタンク84および伝達部50Aが上下方向に大きく突出することを抑制でき、駆動装置1を上下方向に小型化できる。
本実施形態によれば、ハウジング6の第1突出部10は、パーキングギヤ51より上側に位置する。本実施形態によれば、第1突出部10によってパーキングギヤ51の上側に配置されるパーキング機構50の一部を収容することができ、パーキングギヤ51の上側の領域を効率的に利用して駆動装置1を上下方向に小型化することができる。
本実施形態によれば、パーキングポール52は、伝達部50Aに対して軸方向一方側(+Y側)に配置され、軸方向から見て、第1突出部10に重なる。本実施形態によれば、パーキングポール52と伝達部50Aとを軸方向に並べて配置することで、パーキング機構50が上下方向(Z軸方向)および車両前後方向(X軸方向)に大型化することを抑制できる。これにより、駆動装置1の軸方向から見た投影面積を小さくすることができる。
本実施形態によれば、キャッチタンク84が第2ギヤ部48の上側に位置し、パーキングポール52の上下方向位置がキャッチタンク84の上下方向位置と重なる。このため、パーキング機構50の一部であるパーキングポール52をキャッチタンク84と水平方向に並べて配置することができる。本実施形態によれば、キャッチタンク84又はパーキング機構50が、ギヤ収容部82内の他の部材に対し上側に突出することを抑制でき、駆動装置1を上下方向に小型化できる。
本実施形態によれば、キャッチタンク84が第2ギヤ部48の上側に位置し、伝達部50Aが第1ギヤ41の上側に位置する。このため、伝達部50Aを第1ギヤ41に対して水平方向に配置する場合と比較して、ギヤ収容部82が水平方向に大型化することを抑制できる。本実施形態によれば、比較的直径の小さい第1ギヤ41の上側の空間を有効利用して、駆動装置1の小型化を図ることができる。
<スリーブの支持>
次にスリーブ56の支持について詳細に説明する。
図8は、スリーブ56およびスリーブ56を保持するハウジング6の一部を示す分解斜視図である。
スリーブ56は、円環部56aと円弧部56bと回り止め部56cとを有する。円環部56aは、スリーブ軸線J6を中心とする円環状である。円環部56aは、カムロッド54の先端54caをスリーブ軸線J6の径方向外側から囲む。
次にスリーブ56の支持について詳細に説明する。
図8は、スリーブ56およびスリーブ56を保持するハウジング6の一部を示す分解斜視図である。
スリーブ56は、円環部56aと円弧部56bと回り止め部56cとを有する。円環部56aは、スリーブ軸線J6を中心とする円環状である。円環部56aは、カムロッド54の先端54caをスリーブ軸線J6の径方向外側から囲む。
図8に示すように、円弧部56bは、円環部56aの軸方向他方側(-Y側)に接続される。円弧部56bは、スリーブ軸線J6を中心する円弧状に延びる。円弧部56bの軸方向の長さは、円環部56aの軸方向の長さより大きい。スリーブ軸線J6に対する円弧部56bの周方向両端面および円環部56aの軸方向一方側の端面で囲まれる領域には、スリーブ切欠部56eが設けられる。スリーブ56内に配置されるカムロッド54は、スリーブ切欠部56eにおいて、スリーブ軸線J6の径方向外側に露出し、パーキングポール52に接触する。
回り止め部56cは、円環部56aに対しスリーブ軸線J6の径方向外側に突出する。回り止め部56cは、スリーブ軸線J6周りの周方向において円弧部56bが設けられる領域に配置される。
本実施形態において、円弧部56bの外径は、円環部56aの外径より大きい。円弧部56bの外径を円環部56aの外径より大きくすることで、ハウジング6に保持させる際にハウジング6の保持面に対して円弧部56bを強く密着させることができる。これによりハウジング6によるスリーブ56の保持の安定性を高めることができる。また、円弧部56bの外周面には、回り止め部56cが設けられる。円環部56aの外径が、ハウジング6の挿入部分(保持凹部85)の内径に近いほど、円環部56aのハウジング6に対する取り付けが困難になる。本実施形態によれば、円環部56aの外径を円弧部56bの外径より小さくすることで、回り止め部56cの位置決めおよびハウジング6への取り付け工程を容易とすることができる。
本実施形態において、円弧部56bの軸方向寸法は、カム53の第1部分53aの軸方向寸法よりも大きい。円弧部56bの軸方向寸法が短すぎる場合、カム53から荷重を受けたときに、円弧部56bにおいて第1部分53aを安定的に支持できない虞がある。本実施形態によれば、円弧部56bの第1部分53aをカム53よりも軸方向において大きくすることで、カム53から荷重を受けた場合でも、円弧部56bにおいてカム53の第1部分53aを安定的に支持できる。
ハウジング本体6Bの隔壁部66には、スリーブ56を保持する保持凹部85と、保持凹部85の内縁から軸方向他方側(-Y側)に突出する第1壁部87のスリーブガイド部87aと延長壁部87eが設けられる。
保持凹部85は、中心軸線J1の軸方向他方側(-Y側)に開口する。すなわち、保持凹部85は、ギヤカバー6C側に開口する。保持凹部85は、スリーブ56の円弧部56bを保持する。
第1壁部87のスリーブガイド部87aと延長壁部87eとは、スリーブ軸線J6を中心として円弧状に延びる。スリーブ軸線J6の周方向において、スリーブガイド部87aと延長壁部87eとが設けられる領域と、スリーブ56の円弧部56bが設けられる領域とは一致する。
図7に示すように、スリーブ56は、軸方向他方側(-Y側)を向く先端面56tを有する。先端面56tは、ギヤカバー6Cの第2壁部88によって軸方向他方側(-Y側)から覆われる。すなわち、ギヤカバー6Cには、スリーブ56の軸方向他方側(-Y側)を向く面(先端面56t)を覆う第2壁部(抜け止め壁部)88が設けられる。
本実施形態のスリーブ56は、ハウジング本体6Bに設けられ軸方向一方側(+Y側)に開口する保持凹部85に挿入される。また、スリーブ56の先端面56tは、軸方向他方側(-Y側)からギヤカバー6Cの第2壁部88によって覆われる。これにより、スリーブ56が保持凹部85から離脱することを抑制できる。本実施形態のスリーブ56は、ハウジング6を構成する2部材(ハウジング本体6B、およびギヤカバー6C)によってハウジング6に固定される。本実施形態によれば、ハウジング6に固定用の別部材を設ける場合と比較して、部品点数を削減できる。さらに、組み立てを行う作業者は、スリーブ56を保持凹部85に挿入し、ハウジング本体6Bとギヤカバー6Cとを組み合わせることで、スリーブ56の固定が完了するため、スリーブ56をネジなどの締結部材で固定する場合と比較して、組み立て工程を簡素化できる。
本実施形態によれば、スリーブ56の先端面56tを覆う第2壁部88は、ギヤ収容部82の内部でブリーザ室R8を区画する第1区画壁部89の一部である。すなわち、第2壁部88は、第1区画壁部89の一部としての機能と、抜け止め壁部としての機能と、を有する。本実施形態によれば、ギヤ収容部82の内部に配置される各空間を密集して配置することができ、ギヤ収容部82の小型化を図ることができる。加えて、第2壁部88に複数の機能を持たせることで、それぞれの機能を有する壁部をそれぞれ設ける場合と比較して、ハウジング6の加工コストを低減できる。
本実施形態において、第2壁部88は、スリーブ56の先端面56tの少なくとも一部を覆う。また、第2壁部88とともに第1区画壁部89を構成する第1壁部87は、スリーブ56の少なくとも一部を囲む。すなわち、スリーブ56は、第1区画壁部89を構成する第1壁部87および第2壁部88によって囲まれ、支持される。これにより、ハウジング6によってスリーブ56を安定的に支持することができる。
本実施形態において、スリーブ56の先端面56tは、第1壁部87の軸方向他方側(-Y側)を向く第1合わせ面87fよりも軸方向一方側(+Y側)に配置される。第1壁部87の第1合わせ面87fは、第2壁部88の軸方向一方側(+Y側)を向く第2合わせ面88fと軸方向に対向する。第1合わせ面87fと第2合わせ面88fは、互いに接触する。スリーブ56の先端面56tが第1合わせ面87fよりも軸方向他方側(-Y側)に配置される場合に、ハウジング本体6Bとギヤカバー6Cの締結時に、スリーブ56に過剰な負荷が加わる虞がある。本実施形態によれば、スリーブ56の軸方向の大きさを第1壁部87から軸方向に突出しない高さとして、スリーブ56に過剰な負荷が加わることを抑制できる。
第1壁部87のスリーブガイド部87aには、切欠部87tが設けられる。切欠部87tは、軸方向においてギヤカバー6C側に開口する。切欠部87tの開口は、第2壁部88によって覆われる。切欠部87tは、スリーブ軸線J6の軸方向に沿って一様な幅で延びる。切欠部87tの幅寸法は、回り止め部56cの幅寸法よりも若干大きい。切欠部87tには、スリーブ56の回り止め部56cが挿入される。図7に示すように、切欠部87tは、保持凹部85に達する。
本実施形態によれば、ギヤカバー6C側に開口する切欠部87tにスリーブ56の回り止め部56cが挿入されることで、保持凹部85内のスリーブ56が、スリーブ軸線J6周りに回転することを抑制できる。これにより、スリーブ56をスリーブ軸線J6周りの周方向において位置決めすることができる。これにより、スリーブ56に設けられるスリーブ切欠部56eの開口方向を安定させ、カム53をパーキングポール52に対して確実に露出させることができる。
なお、本実施形態の回り止め部56cは、円環部56aの外周面に設けられるが回り止め部56cの構成は本実施形態に限定されない。回り止め部56cは、円環部56aから径方向外側に突出していればよく、例えば円弧部56bの外周面に設けられていてもよい。また、回り止め部56cは、径方向外側の端部が、円環部56aの外周面より径方向外側に位置していればよい。
図7に示すように、ハウジング本体6Bの軸方向一方側(+Y側)を向く面には、軸方向一方側に突出する第2突出部(突出部)82gが設けられる。本実施形態の第2突出部82gは、隔壁部66の軸方向一方側を向く面に設けられる。第2突出部82gは、軸方向から見て円形である。また、第2突出部82gは、軸方向から見て前記保持凹部85と重なる。第2突出部82gの内部には、第2収容空間(収容空間)82hが設けられる。第2収容空間82hは、隔壁部66の軸方向他方側(-Y側)を向く面に設けられる凹部である。第2突出部82gは、保持凹部85の底部に設けられる。第2突出部82gは、カムロッド54の先端54caを収容可能である。
本実施形態によれば、ハウジング本体6Bの隔壁部66が、カムロッド54の先端54caを収容するために軸方向一方側に突出する。これにより、カムロッド54の動作ストロークを確保しつつ、パーキング機構50をハウジング6の内部においてモータ2側に近づけて配置できる。結果的に、駆動装置1全体を軸方向に小型化することができる。さらに、カムロッド54のストロークを確保するために、隔壁部66の一部のみを軸方向一方側(+Y側)に部分的に突出させることで、隔壁部66の全体を軸方向一方側に配する場合と比較してハウジング6の外形を小型化できる。
図3に示すように、本実施形形態において、スリーブ56は、差動軸線J3、中間軸線J2、および中心軸線J1よりも車両前方側(+X側、水平方向の一方側)に配置される。また、スリーブ56は、差動軸線J3、中間軸線J2、および中心軸線J1よりも上側に配置される。ギヤ収容部82の内部の流体Oは、差動軸線J3周りを回転する第3ギヤ46gによって主にかき上げられ、中間軸線J2周りを回転する第2ギヤ部48によって補助的にかき上げられる。本実施形態によれば、スリーブ56を上述の配置とすることで、スリーブ56を、第3ギヤ46gから最も離間させ、第2ギヤ部48からもこれに準じて離間させることができる。また、本実施形態のスリーブ56は、ブリーザ8の開口を囲む第1区画壁部89によって支持されるため、ブリーザ8の近傍に位置する。結果的に、ブリーザ8を第3ギヤ46gおよび第2ギヤ部48から離間させることができ、ブリーザ8の開口への流体Oの到達を抑制できる。
上述したように、スリーブ56は、差動軸線J3、中間軸線J2、および中心軸線J1に対し、車両前方側(+X側)かつ上側(+Z側)に位置する。このため、スリーブ56の直下には、動力伝達部4のギヤが配置されない。本実施形態によれば、底部82mのスリーブ56の直下の領域82maは、差動軸線J3、中間軸線J2、および中心軸線J1より上側に位置する。このため、ギヤ収容部82の内部であってスリーブ56の直下に、何も収容されることがない空間が設けられることを抑制し、駆動装置1を小型化できる。また、ギヤ収容部82の底部82mを部分的に上側に配置させることで、ギヤ収容部82内の流体Oの液位を高め易くなり、動力伝達部4の各ギヤによる流体Oのかき上げを効率的に行うことができる。また、各ギヤによる流体Oのかき上げで飛散する流体Oの一部は、スリーブ56に達しスリーブ56を潤滑しカム53との摺動抵抗を低減させる。なお、ブリーザ8の開口は、第1区画壁部89、および第2区画壁部86によって区画された空間内に配置されるため、飛散した流体Oが到達し難い。
図3において仮想線(二点鎖線)で示すように、ハウジング6には、キャッチタンク84からスリーブ56に延びる供給路6fが設けられていてもよい。供給路6fは、例えば、キャッチタンク84からスリーブ56を保持する保持凹部85まで延びる貫通孔である。また、供給路6fの一部は、隔壁部66からギヤ収容部82の内部空間側に突出するリブを含んでいてもよい。この場合、キャッチタンク84から流出する流体Oが、リブの上側を伝ってスリーブ56に達する。スリーブ56に供給される流体Oは、スリーブ56とカム53との摺動抵抗を低減させる。
以上に、本発明の様々な実施形態および変形例を説明したが、各実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態では、スリーブを保持する保持凹部がハウジング本体に設けられ、スリーブの先端面を覆う抜け止め壁部がギヤカバーに設けられる場合について説明した。しかしながら、保持凹部がギヤカバーに設けられ、抜け止め壁部がハウジング本体に設けられていてもよい。
1…駆動装置、2…モータ、4…動力伝達部、4b…差動装置、5…パーキング装置、6…ハウジング、6f…供給路、8…ブリーザ、10…第1突出部(突出部)、10a…第1収容空間(収容空間)、11…上壁(第1壁)、12…下壁(第2壁)、12b…凹部、12c…底面、19a…貫通孔、41…ギヤ、41…第1ギヤ、42…大径ギヤ、43…小径ギヤ、44…第2シャフト(シャフト)、46g…第3ギヤ、48…第2ギヤ部、50…パーキング機構、50s…巻きバネ、50sa…第1脚部、50sb…第2脚部、50t…ポールシャフト、50A…伝達部、51…パーキングギヤ、52…パーキングポール、52a…凸部、53…カム、54…カムロッド、54a…連結部、54b…中継部、54c…ロッド本体、54ca…先端、55…フランジ、55a…フランジ本体、55b…突出片、56…スリーブ、56a…円環部、56b…円弧部、56c…回り止め部、57…回転シャフト、57a…第1端部、57b…第2端部、57c…大径部、57d…被支持部、57k…第4面、57m…スプライン突起、57t…第2面、58…回転部、58a…筒部、58b…第1面、58f…スプライン溝、59…アクチュエータ、82…ギヤ収容部、82g…第2突出部(突出部)、82h…第2収容空間(収容空間)、82m…底部、82ma…領域、84…キャッチタンク、85…保持凹部、87…第1壁部、87f,88f…面、87t…切欠部、88…第2壁部(抜け止め壁部)、89…第1区画壁部(区画壁部)、h1,k1…距離寸法、h2…挿入深さ、J1…中心軸線、J2…中間軸線、J3…差動軸線、J5…駆動軸線、J6…スリーブ軸線、k2…嵌合長さ
Claims (12)
- 中心軸線を中心として回転するモータと、
前記モータの動力を伝達する動力伝達部と、
パーキング機構と、
前記動力伝達部、および前記パーキング機構を収容するギヤ収容部を有するハウジングと、を備え、
前記動力伝達部は、少なくとも一つのシャフトを有し、
前記パーキング機構は、
前記シャフトの外周面に設けられるパーキングギヤと、
前記パーキングギヤに噛み合う凸部が設けられるパーキングポールと、
前記パーキングポールに動力を伝達する伝達部と、
筒状のスリーブと、を有し、
前記伝達部は、
前記中心軸線の軸方向に沿って駆動するカムロッドと、
前記カムロッドに取り付けられ前記パーキングポールを動作させるカムと、を有し、
前記カムは、前記スリーブによってガイドされ、
前記ギヤ収容部には、
前記ギヤ収容部の内部と外部を連通するブリーザと、
前記ギヤ収容部の内部で前記ブリーザが開口する空間を区画する区画壁部と、が設けられ、
前記ギヤ収容部は、
第1ハウジング部材と、
前記第1ハウジング部材の軸方向一方側に配置され前記第1ハウジング部材に連結される第2ハウジング部材と、を有し、
前記第2ハウジング部材には、軸方向一方側に開口し前記スリーブを保持する保持凹部が設けられ、
前記第1ハウジング部材には、前記スリーブの軸方向他方側を向く面を覆う抜け止め壁部が設けられ、
前記抜け止め壁部は、前記区画壁部の一部である、
駆動装置。 - 前記区画壁部は、前記第2ハウジング部材の一部である第1壁部と、前記第1ハウジング部材の一部である第2壁部と、を有し、
前記スリーブの外周面の少なくとも一部は、前記第1壁部に囲まれ、
前記スリーブの軸方向他方側を向く端面の少なくとも一部が、前記第2壁部によって覆われる、
請求項1に記載の駆動装置。 - 前記スリーブは、
スリーブ軸線を中心とする円環部と、
前記円環部に対し前記スリーブ軸線の径方向外側に突出する回り止め部と、を有し、
前記第1壁部には、前記回り止め部が挿入される切欠部が設けられる、
請求項2に記載の駆動装置。 - 前記スリーブは、前記円環部の軸方向他方側に接続され前記スリーブ軸線を中心する円弧状に延びる円弧部を有し、
前記円弧部の外径は、前記円環部の外径より大きい、
請求項3に記載の駆動装置。 - 前記カムは、それぞれ横断面が円形であり同軸上に配置される第1部分と第2部分とを有し、
前記第2部分は、前記第1部分に対して前記カムロッドの先端側に位置し、
前記第2部分の外径は、前記第1部の外径よりも小さく、
前記円弧部の軸方向寸法は、前記第1部分の軸方向寸法よりも大きい。
請求項4に記載の駆動装置。 - 前記第2ハウジング部材の軸方向一方側を向く面には、軸方向から見て前記保持凹部と重なり軸方向一方側に突出する突出部が設けられ、
前記突出部の内部には、前記カムロッドの先端部を収容可能な収容空間が設けられる、
請求項1~5の何れか一項に記載の駆動装置。 - 前記動力伝達部は、
前記中心軸線周りを回転する前記シャフトと、
前記シャフトの外周面に設けられる第1ギヤと、
前記第1ギヤに噛み合う大径ギヤ、および前記大径ギヤよりも直径が小さく前記大径ギヤとともに中間軸線周りを回転する小径ギヤを有する第2ギヤ部と、
前記小径ギヤに噛み合い差動軸線周りを回転する第3ギヤを有する差動装置と、を有し、
前記ギヤ収容部の内部には、上側に開口するキャッチタンクが配置され、
前記パーキングギヤは、前記シャフトの外周面に設けられ、
前記第3ギヤ、前記キャッチタンク、および前記伝達部は、水平方向に沿って並んで配置される、
請求項1~6の何れか一項に記載の駆動装置。 - 前記キャッチタンクは、前記第2ギヤ部の上側に位置し、
前記伝達部は、前記第1ギヤの上側に位置する、
請求項7に記載の駆動装置。 - 前記ハウジングには、前記キャッチタンクから前記スリーブに延びる供給路が設けられる、
請求項7又は8に記載の駆動装置。 - 前記スリーブは、前記差動軸線、前記中間軸線、および前記中心軸線よりも水平方向の一方側に配置され、
前記スリーブは、前記差動軸線、前記中間軸線、および前記中心軸線よりも上側に配置される、
請求項7~9の何れか一項に記載の駆動装置。 - 前記ギヤ収容部は、内部空間を下側から覆う底部を有し、
前記底部の前記スリーブの直下の領域は、前記差動軸線、前記中間軸線、および前記中心軸線より上側に位置する、
請求項10に記載の駆動装置。 - 前記ギヤ収容部の内部には、上側に開口するキャッチタンクが配置され、
前記パーキング機構は、
前記パーキングポールを回転可能に支持するポールシャフトと、
前記ポールシャフトに装着される巻きバネと、を有し、
前記巻きバネは、
前記キャッチタンクの外側面に接触する第1脚部と、
前記パーキングポールに掛けられる第2脚部と、を有する、
請求項1~11の何れか一項に記載の駆動装置。
Priority Applications (4)
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