JP2023151240A - 西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除に用いる除草剤組成物および該除草剤組成物を用いるメヒシバの防除方法 - Google Patents

西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除に用いる除草剤組成物および該除草剤組成物を用いるメヒシバの防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】西洋芝の芝生に発生するメヒシバに対する防除する除草剤組成物として、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドと、土壌処理型除草剤とを組み合わせた除草剤組成物を調製し、それぞれの単独の成分のメヒシバに対する除草効果に比べ成分量を低減させても安定した除草効果が得られ、西洋芝に対する薬害のない除草剤組成物、および、該除草剤組成物を用いる防除方法を提供すること。【解決手段】西洋芝の芝生内にて発生するメヒシバの防除に用いる除草剤組成物であって、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド、および、少なくとも1種の土壌処理型除草剤の有効成分を含有する除草剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除に用いる除草剤組成物に関し、より詳細は、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドおよび土壌処理型除草剤を含有する除草剤組成物、ならびに、該除草剤組成物を用いる西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除方法に関する。
一年生イネ科雑草のメヒシバ類(本発明においては、メヒシバ、コメヒシバ、アキメヒシバ、キタメヒシバなどの類似種含めて防除対象としてはメヒシバと記載する。)は、農耕地および芝生地などに発生し、近年、西洋芝地において発生・生育している雑草である。芝生地を形成し、メヒシバの発生が多くなっている西洋芝としては、例えば、主にゴルフ場などで使用されるベントグラス類やブルーグラス類などがあげられる。
ベントグラス類(ベント芝)は、ゴルフ場のグリーン部分を形成する芝種として用いられ、生育盛期には毎日機械による刈り込みおよび踏圧によるストレスをかけられ続けながら管理されている。したがって、ベントグリーンは、薬剤などの散布により生育が阻害される薬剤が多く、その中に発生する1年生イネ科雑草のメヒシバを防除することは非常に難しいことが知られている。このような西洋芝の芝生内に発生するメヒシバに対して、発生前から生育期のメヒシバを防除し、西洋芝に対し影響のない除草剤組成物が求められている。
たとえば、ベントグラス用メヒシバ防除除草剤としては、下記のような除草剤が知られている。2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド(一般名:エトベンザニド)は、ベントグラス用メヒシバ防除除草剤であり、ベントグラスとメヒシバ間に優れた選択性を有することが知られている(特許文献1)。
また、O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマート(特許文献2など)は、ベントグラス用メヒシバ防除除草剤であり、ベントグラスとメヒシバ間に優れた選択性を有し、メヒシバ実生を効果的に防除することができる。
特開2011-195492号公報 特開平4-5204号公報 特開昭60-4181号公報
西洋芝の芝生に発生するメヒシバを防除する除草剤組成物として、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドと、土壌処理型除草剤とを組み合わせた除草剤組成物を調製し、それぞれの単独の成分のメヒシバに対する除草効果に比べ成分量を低減させても安定した除草効果が得られ、西洋芝に対する薬害のない除草剤組成物、および、該除草剤組成物を用いるメヒシバの防除方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ベントグラスなどの西洋芝の生育に対し影響がなく、西洋芝の芝生内に発生するメヒシバを選択的に防除するための除草剤組成物および防除方法を見出した。以下を要旨とする。
1.西洋芝の芝生内に発生するメヒシバを防除する除草剤組成物であって、
2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド、および、少なくとも1種の土壌処理型除草剤の有効成分を含有する除草剤組成物。
2.前記2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドを有効成分として1~80質量部含有し、
前記土壌処理型除草剤の有効成分を1~80質量部含有する除草剤組成物。
3.前記土壌処理型除草剤の成分として、
チオカーバメート系除草剤またはクロロアセトアミド系除草剤から選択される少なくとも1種の有効成分を含有する除草剤組成物。
4.前記チオカーバメート除草剤の有効成分が、O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマートである除草剤組成物。
5.前記クロロアセトアミド系除草剤の有効成分が、2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリドである除草剤組成物。
6.前記除草剤組成物を用いる、西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除方法。
7.メヒシバの発生前から3葉期までに前記除草剤組成物を散布処理することを特徴とする、西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除方法。
8.前記除草剤組成物を芝生に散布処理する際に、該除草剤組成物を希釈する液量が50~1000mL/mの範囲内である防除方法。
本発明の除草剤組成物は、組成物中のそれぞれの成分(2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド、および、土壌処理型除草剤)のメヒシバに対する単独の殺草力に比べ、高い殺草力を示す。また、本発明の除草剤組成物を用いる防除方法は、ベントグラスなどの西洋芝の芝生内に発生するメヒシバを選択的に防除し、西洋芝の地上部および地下部に対する影響がなく優れた安全性を有しており、メヒシバを長期間防除する方法として有用である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で様々な形態で実施することができる。
本発明の除草剤または除草剤組成物は、原体として「2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド」(エトベンザニド)、および、少なくとも1種類の「土壌処理型除草剤」の原体を除草剤の成分として含有する除草剤組成物を含む。
本発明における「土壌処理型除草剤」とは、土壌表層に有効成分が局在する処理層を形成し、出芽した雑草が処理層を通過する際に有効成分を吸収し、除草効果を発現するものを指す。また、土壌処理型除草剤は、土壌に適用し根から吸収されて作用する作用機構、または、雑草の発芽成長を妨げる作用機構による分類である。
本発明の土壌処理型除草剤における成分としては、具体的に、カーバメート系除草剤(チオカーバメート系除草剤も含む)、酸アミド系除草剤(クロロアセトアミド系除草剤も含む)、ウレア系除草剤、ピラゾール系除草剤、トリケトン系除草剤、ウラシル系除草剤における有効成分を含むものがあげられる。これらの中でも、カーバメート系除草剤または酸アミド系除草剤が好ましく、チオカーバメート系除草剤またはクロロアセトアミド系除草剤における有効成分を含むものがより好ましい。
本発明のチオカーバメート系除草剤の有効成分としては、ピリブチカルブ、ベンフレセート、エトフメセート、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、ベンチオカーブ、モリネートなどがあげられる。本発明のチオカーバメート系除草剤の有効成分としては、ピリブチカルブ(化学名:O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマート)が好ましい。
本発明のクロロアセトアミド系除草剤の有効成分としては、テニルクロール、アラクロール、ジメテナミド、ブタクロール、プレチラクロール、メトラクロールなどがあげられる。本発明のクロロアセトアミド系除草剤の有効成分としては、テニルクロール(化学名:2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアトアニリド)が好ましい。2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセタトアニリドは、水稲用ノビエ防除除草剤として知られており、移植水稲においてノビエ実生を防除することができる(特許文献3)。
本発明の除草剤組成物は、有効成分として、
2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドと、
O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマートなどのチオカーバメート系除草剤、または、
2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリドなどのクロロアセトアミド系除草剤から選択される少なくとも1種類以上の土壌処理型除草剤の有効成分を含有する除草剤組成物であるものが好ましい。
本発明の除草剤組成物は、前記2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドを有効成分(有効成分A)として1~80質量部含有し、前記土壌処理型除草剤の有効成分(有効成分B)を1~80質量部含有することが好ましく、前記有効成分Aを3~50質量部含有し、前記有効成分Bを3~50質量部含有することがより好ましい。
本発明の除草剤組成物は、固体担体または液体担体を混合してもよく、その他の成分としては、水、必要に応じて、界面活性剤、分散剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤、分解防止剤、防腐剤、沈降防止剤、消泡剤などを添加剤(補助剤)として含んでいてもよい。
本発明の除草剤組成物は、上記の添加剤を添加し、種々の除草剤の製剤形態をとることができる。具体的な除草剤の製剤形態としては、液剤、乳剤、水和剤、懸濁剤(水性懸濁製剤)、顆粒水溶剤、顆粒水和剤、乳濁剤、サスポエマルジョン、粉剤、粒剤、ゲル剤など、任意の剤型の製剤で使用でき、さらに水溶性包装体に封入して使用することもできる。
本発明の除草剤組成物は、除草剤有効成分を水に希釈し、有効成分である原体が希釈液全体に均一に分散する製剤形態としたものであってもよく、西洋芝の芝生全面に散布することのできる形態を形成するものであればよい。具体的な製剤形態としては、水和剤、水性懸濁製剤または顆粒水和剤が好ましい。
本発明の除草剤組成物の液体担体としては、具体的に、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノールなどのアルコール類;
;トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、その他芳香族系の石油系極性溶媒;の脂肪酸エステルなどのエステル類、および植物油;大豆油、ナタネ油、綿実油、ヒマシ油等があげられる。本発明の液体担体としては、トルエン、キシレンなどの芳香族有機溶媒、または、石油系極性溶媒を用いることが好ましい。また、これらの液体担体は単品または2種類以上の組み合わせで使用することができる。
本発明の除草剤組成物において、水和剤および顆粒水和剤などの製剤化に使用される固体担体としては、珪藻土、乾式クレー、湿式クレー、タルク、ゼオライト、珪石、珪砂、炭酸カルシウム、オリビンサンド、バーミキュライト、シラスアタパルジャナイト、蝋石、酸性白土、活性白土、フライアッシュなどがあげられ、これらを単品または2種類以上の組み合わせで使用することができる。
本発明の除草剤組成物において、水和剤、水性懸濁製剤および顆粒水和剤などに混合する界面活性剤としては、具体的に陰イオン系では一般的にアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸エステル型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を使用することができる。また、非イオン系ではポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型を使用することができる。
本発明の除草剤組成物において、界面活性剤の添加量は、陰イオン系、非イオン系単品、または、これらの2種類以上の組み合わせで、0.5~10質量部の界面活性剤を、原体の物理特性および化学特性に合わせて、任意に選択して添加することができる。
本発明の除草剤組成物の調製方法としては、上記の原体、有効成分、液体担体または固体担体、添加剤などの製剤化に必要な成分を、それぞれ適した濃度で、適した手順に従って混合(または溶解、分散など)し、通常の公知の除草剤の製造の方法に従って調製または製剤化される。具体的には、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドを含有する除草剤組成物を調製し、その後に調製した少なくとも1種の土壌処理型除草剤の原体を含有する除草剤組成物と混合して調製してもよく、または、最初から両方の除草剤組成物の有効成分(原体)またはそれぞれの該有効成分を含有する除草剤組成物を混合して調製してもよい。さらに適宜、水などの担体を追加して希釈した除草剤組成物を調製してもよい。
本発明の除草剤組成物の調製(製造)において、混合などの操作に用いる装置(機器)としては、例えば、粉砕(湿式または乾式)、分級、分散、混練、撹拌、造粒、乳化、溶解などの各工程に適した公知のものがあげられる。混合などの条件は、各工程や装置に適した回転速度、温度などが用いられる。
本発明の除草剤組成物を用いる西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除方法(以下、単に「防除方法」)としては、西洋芝の全面に散布する処理方法(全面茎葉兼土壌処理)があげられる。また、メヒシバの芽や根が分布している土壌に、散布または潅注する方法(全面土壌処理)があげられる。本発明のメヒシバの防除方法としては、全面茎葉兼土壌処理が好ましい。
本発明の防除方法として、除草剤組成物を散布処理する場合、前記の製剤形態で調製した除草剤組成物を、散布などの処理に適した形態に調製する。散布処理する形態は、特に限定されないが、液状であることが好ましい。液体担体の場合、水などを追加し希釈してもよく、固体担体の場合、水を追加して水懸濁液を調製してもよい。調製は、散布場所に運搬する前に調製しておいてもよく、散布処理する現場で調製してもよい。
本発明の防除方法において、除草剤組成物を散布処理する場合、具体的な処理方法としては、例えば、スプレー、シャワー、スプリンクラー、ミスト機、じょうろ などの人力式または動力式の噴霧機または散布機などを使用して、除草剤組成物を芝生全面に散布する方法があげられる。
本発明の防除方法において、メヒシバの発生前から3葉期までに前記除草剤組成物を散布処理することが好ましい。
本発明の防除方法において、除草剤組成物を散布処理する場合、該除草剤組成物を希釈した液剤の液量が50~1000mL/mの範囲内であることが好ましく、100~500mL/mであることがより好ましく、100~300mL/mであることがさらに好ましい。
本発明の防除方法において、芝生に散布する際に、除草剤組成物に含有する2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドの10a当りの処理量(有効成分a.i.)は、50~500g a.i./10aの範囲内であり、土壌処理型除草剤の有効成分の10a当りの処理量は、50~500g a.i./10aの範囲内であることが好ましい。
本発明の防除方法において、除草剤組成物を散布等の処理後(10~90日後)に、無処理区に対し、処理区の雑草の占有率および無処理区の雑草に対する生育量を調査している。また、雑草(メヒシバ)に現れた症状(発生後の枯死、生育抑制、褐変、黄化、白化など)や保護したい西洋芝に現れた薬害の症状(出芽阻害、生育抑制、葉の、奇形、変色など)や程度を観察基準に従い達観調査している。雑草生育期の茎葉処理においては、処理時期の指標として雑草の葉齢を基準としている。
本発明は、以上のような除草剤組成物および防除方法によって、ストレスが継続的にかけられ続け、薬剤などによる影響が出やすいベントグラス内に発生するメヒシバの防除を効率よく行うことができる。本発明の除草剤組成物を処理することにより、西洋芝の地上部および地下部に対する影響が全く見られず、西洋芝の芝生内で防除が困難なメヒシバを長期間防除することができる。
以下、本発明の実施形態について実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。なお、除草剤組成物の調製時の原料等の比の記載に用いる「部」は「質量部」を意味し、「部」と省略する場合がある。また、原料や除草剤組成物中における各物質等の原の組成、純度または濃度を示す割合(%)は「質量%」を表し、「%」と省略する場合がある。
[製剤実施例1]
[水性懸濁製剤の調製]
2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド(保土谷化学工業株式会社製)36.84部(純度95.0%)、エチレングリコール(凍結防止剤)(和光純薬工業株式会社製)5部、ビーガム(沈降防止剤)0.3部、キサンタンガム(沈降防止剤)0.1部、Proxel GXL(防腐剤)0.02部、プロナールEX-300(消泡剤)0.5部、ソルポール3742(分散剤)(東邦化学工業株式会社製)7部、水50.64部を、ホモジナイザー(プライミクス株式会社製、超高速乳化分散試験装置、製品名:ラボ・リューション)で均一に撹拌し分散液を調製した。さらにその分散液を湿式粉砕機(アイメックス株式会社)に投入し、均一なスラリー(懸濁液)を調製し、除草剤組成物として2,3-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド35.0部を含有する水性懸濁製剤200mLを得た。
[製剤実施例2]
[顆粒水和剤の作成]
あらかじめ粉砕機(株式会社セイシン企業製、製品名:コジェットシステム(Co-JET))を用い微粉化した2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド(純度95.0%)21.05部、O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマート(純度100%)20部、ソルポール5115(アルケニルスルホネート、東邦化学工業株式会社製)5部、ソルポール9047K(リグニンスルホン酸ナトリウム塩、東邦化学工業株式会社製)5部、クレー(勝光山クレー、株式会社勝光山鉱業所製)53.15部を、ベンチニーダー(株式会社入江商会製、型式:PNV-5)均一に混合した。その後、約12部の水道水で加水混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機(FujiPaudal製、型式:PG-L1)を用いて造粒した。その後、60℃で5時間乾燥し、φ0.7mmの篩で篩分けして微粉を除去した後、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド20部とO-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマート20部を含有する約1kgの顆粒水和剤を得た。
[製剤実施例3]
[水和剤の作成]
あらかじめ粉砕し微粉化した2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド(純度95%)31.58部、2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリド(純度100%)30.0部、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム塩)ソルポール5029-o(東邦化学工業株式会社製)10部、クレー(勝光山クレー、株式会社勝光山鉱業所製)28.42部を、卓上ミル(HSIANGTAI製、SM-1)を用い均一に混合し、除草剤組成物として2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド30.0部、2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリド 30.0部を含有する水和剤約1kgを得た。
[実施例1]
[メヒシバ発生前処理の検討]
4月上旬に茨城県下妻市にある保土谷化学工業株式会社下妻圃場内の温室内においてポット(内面積:60cm)に沖積砂壌土を充填し、土壌表面に休眠覚醒したメヒシバを播種し、約0.5cmの厚さの覆土をした後、土壌表面を均平にした。ポット作成当日にじょうろを用い散水し、土壌表面を湿潤状態にした。
次に、製剤実施例1と同様の方法により、有効成分以外の成分は同様の濃度で、水を適宜増減させて混合し、
(a) 2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド 35%水性懸濁製剤、
(b1)O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマート 35%水性懸濁製剤、
および、
(b2)2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリド 4%水性懸濁製剤

上記の3種類の水性懸濁製剤を調製した。これらの水性懸濁製剤を用い、各剤の処理量が表1に示す所定量(1、0.5、0.25、0.125、および、0mL/m)となるように、(a)、(b1)および(b2)それぞれ単独で、または混合して、水で希釈して処方した除草剤組成物を含有する水懸濁液を調製した。
土壌面積当たりの水懸濁液の散布液量が1000L/10a(=1L/m)となるように、水懸濁液を土壌表面に均一に駒込ピペットで滴下した。
薬剤処理(上記水懸濁液の散布)後、ポット表面が湿潤状態を保持した状態になるように生育管理を行い、所定日数経過後(薬剤処理開始30日後および50日後)に、メヒシバに対する除草効果の観察調査を行い、薬剤無処理区と比較した。
芝生内の雑草(メヒシバ)に対する除草効果は、下記の観察基準に従い評価した。結果を表1に示す。
0:無処理区同様除草効果は観察されない。
1:無処理区に対し20%程度の防除効果を示す。
2:無処理区に対し40%程度の防除効果を示す。
3:無処理区に対し60%程度の防除効果を示す。
4:無処理区に対し80%程度の防除効果を示す。
5:完全枯死
Figure 2023151240000001
表1から、メヒシバ発生前処理において、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド単独の有効成分を含有する除草剤組成物(a)より、上記の土壌処理型除草剤成分(b1)または(b2)を混合したものを用いた方が、低濃度でも除草効果が高いことがわかった。
[実施例2]
[メヒシバ2葉期処理の検討]
実施例1と同じ温室内にて、4月上旬、実施例1において、ポット作成当日に薬剤散布(水懸濁液の散布)を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で、土壌表面に休眠覚醒したメヒシバを播種し、慣行に従い生育管理を行った。
薬剤散布は、メヒシバの生育後の2葉期に、下記のように行った。製剤実施例1と同様の方法で、
(a) 2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド 35%水性懸濁製剤、
(b1)O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマート 35%水性懸濁製剤、
および
(b2)2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリド 4%水性懸濁製剤

上記それぞれの水性懸濁製剤を調製し、これらを用い、実施例1同様、表2に示す所定量を含有する水懸濁液を調製し、土壌面積当たりの散布液量が100L/10aとなるように、散布処理した。
薬剤処理に際し、水性懸濁液剤の茎葉への付着を向上させるため、展着剤(日本農薬株式会社製、製品名:クサリノー10、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル10.0%溶液)を調製した水懸濁液中で1000倍希釈となるように加用した。
実際の散布時は、プラスチック枠(750cm)内に2葉期に生育したメヒシバポットを置き、散布機としてスプレーガンを用い、枠内に均一になるように水懸濁液を噴霧した。
薬剤処理当日1昼夜、散水を受けないように茎葉を自然乾燥した後、慣行に従い生育管理を行った。
所定日数経過後(薬剤処理30日後および50日後)に、メヒシバに対する除草効果の観察調査を行い、薬剤無処理区と比較した。実施例1の表1と同様の観察基準で評価した、芝生内の雑草に対する除草効果の結果を表2に示す。
Figure 2023151240000002
表2から、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド単独の有効成分を含有する除草剤組成物(a)より、上記土壌処理型除草剤成分(b1)または(b2)を混合したものの方が、除草効果が高いことがわかった。
[実施例3]
[メヒシバ発生前処理における除草効果およびベントグラスに対する影響の検討]
4月中旬に栃木県日光市にあるゴルフ場において、1年前にメヒシバの発生が確認され、同ゴルフ場で慣行の生育管理を行っているベントグラス(品種:ペンクロスベントグラス)圃場内を各区1m×1mに区画した。メヒシバは、出芽が確認されていない状態であることを確認した。
製剤実施例1、2および3に準じた方法により調製した水性懸濁製剤、水和剤および顆粒水和剤を水道水にて希釈し、電池式噴霧器(品番:IR-N1000、アイリスオーヤマ株式会社製)を用いて、散布液量200L/10aの全面に散布処理を行った。
薬剤処理30日後および60日後に、メヒシバに対する除草効果およびベントグラスに対する薬害程度を調査した。
芝生内の雑草(メヒシバ)に対する除草効果は、下記の観察基準に従い評価した。結果を表3に示す。
0:無処理区同様除草効果は観察されない。
2:無処理区に対し20%程度の防除効果を示す。
4:無処理区に対し40%程度の防除効果を示す。
6:無処理区に対し60%程度の防除効果を示す。
8:無処理区に対し80%程度の防除効果を示す。
10:完全枯死
ベントグラスに対する薬害程度は、下記の観察基準に従い評価した。結果を表3に合わせて示す。
0:無処理区同様(影響なし)
2:わずかな薬害症状あり(薬害が目視でき、許容できる限界)
4:薬害症状が観察されるが実用上問題ないと判断される程度
6:薬害症状が観察されるが実用できないと判断される程度
8:薬害症状は甚大であり実用できないと判断される程度
10:薬害症状により完全に枯死している程度
なお、ベントグラスに対する薬害程度の許容範囲は1以下と設定した。
Figure 2023151240000003
[実施例4]
[メヒシバ3葉期処理における除草効果およびベントグラスに対する影響の検討]
5月上旬に栃木県日光市にあるゴルフ場において、慣行の生育管理を行っているベントグラス(品種:ペンクロスベントグラス)圃場内を各区1m×1mに区画した。メヒシバは、1葉期から3葉期までに生育している状態であることを確認した。
上記メヒシバの生育状態が1葉期から3葉期まであること以外は、調製した除草剤組成物、散布処理方法、調査方法すべて、実施例3のメヒシバ発生前処理の方法と同様に行った。実施例3と同様、薬剤処理30日後および60日後に、メヒシバに対する除草効果およびベントグラスに対する薬害程度を調査した。結果を表4に示す。
Figure 2023151240000004
表3および表4から、実際のゴルフ場の芝生においても、2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド単独の有効成分を含有する除草剤組成物(a)より、土壌処理型除草剤を混合した本発明の除草剤組成物の方が、メヒシバの除草効果が高いことがわかった。また、本発明の除草剤組成物を用いる防除方法において、それぞれの有効成分の混合により薬害が助長されないことがわかった。
本発明の2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド、および、2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリドまたはO-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマートなどの、少なくとも1種の土壌処理型除草剤の原体(有効成分)を含有する除草剤組成物は、継続的に刈り込みや踏圧などによりストレスを受けている西洋芝に対し、薬害がなく、芝生内に発生するメヒシバなどの雑草を、その発生前から生育期において、単独の成分量に比べ、有効成分量を低減しても効率よく防除することができる。また本発明の除草剤組成物を用いるメヒシバの防除方法は、ベントグラスなどの西洋芝に対する影響のない防除方法として有用である。

Claims (8)

  1. 西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除に用いる除草剤組成物であって、
    2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド、および、少なくとも1種の土壌処理型除草剤の有効成分を含有する除草剤組成物。
  2. 前記2’,3’-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリドを有効成分として1~80質量部含有し、
    前記土壌処理型除草剤の有効成分を1~80質量部含有する、請求項1に記載の除草剤組成物。
  3. 前記土壌処理型除草剤の成分として、
    チオカーバメート系除草剤またはクロロアセトアミド系除草剤から選択される少なくとも1種の有効成分を含有する、請求項1または請求項2に記載の除草剤組成物。
  4. 前記チオカーバメート系除草剤の有効成分が、O-3-tert-ブチルフェニル=6-メトキシ-2-ピリジル(メチル)チオカルバマートである、請求項3に記載の除草剤組成物。
  5. 前記クロロアセトアミド系除草剤の有効成分が、2-クロロ-N-(3-メトキシ-2-テニル)-2’,6’-ジメチルアセトアニリドである、請求項3に記載の除草剤組成物。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の除草剤組成物を用いる、西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除方法。
  7. メヒシバの発生前から3葉期までに前記除草剤組成物を散布処理することを特徴とする、請求項6に記載の西洋芝の芝生内に発生するメヒシバの防除方法。
  8. 前記除草剤組成物を芝生に散布処理する際に、該組成物を希釈する液剤の液量が50~1000mL/mの範囲内である、請求項6または請求項7に記載の防除方法。
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