JP2023151166A - スイッチ回路及びフロントエンド回路 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023151166000001
【課題】小さい回路規模でアイソレーション特性の低下を抑制するスイッチ回路及びフロントエンド回路を提供する。
【解決手段】フロントエンド回路101において、スイッチ回路151は、第1アンテナ端子51及び第2アンテナ端子52と、第1入出力端子41及び第2入出力端子42と、第1入出力端子の電気的な接続先を第1アンテナ端子及び第2アンテナ端子のいずれか一方に切り替え可能であり、第2入出力端子の電気的な接続先を第1アンテナ端子及び第2アンテナ端子のいずれか一方に切り替え可能であり、かつ、第1入出力端子と第2入出力端子とが電気的に接続可能であるように設けられた複数のスイッチ62~65と、複数のスイッチのうちの一部のスイッチを通じて第2入出力端子に電気的に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する接地スイッチ81と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチ回路及びフロントエンド回路に関する。
特定の導通経路に偏重した特性低下を防止し、導通経路の通過損失の低減、さらに非導通経路のアイソレーション特性の向上を図ったアンテナスイッチ半導体集積回路がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000―68807号公報
特許文献1に記載のアンテナスイッチ半導体集積回路では、ガリウム砒素電界効果トランジスタからなる複数のスイッチが、その導通及び非導通を外部からの制御信号に応じて制御される。
これらのスイッチには、導通経路を切り替えるために配線と直列に設けられたスイッチ(以下、シリーズスイッチと称することがある。)と、配線を接地するために当該配線と接地との間に設けられたスイッチ(以下、シャントスイッチと称することがある。)とがある。
スイッチは、寄生容量を有するため、非導通状態であっても高周波信号の一部が導通することがある。このため、高周波信号が、導通経路から非導通状態のスイッチを通じて非導通経路へ漏洩する可能性がある。
アンテナスイッチ半導体集積回路では、シャントスイッチとして機能するスイッチを導通状態にすることにより、非導通経路が接地電位に短絡されるため、上記高周波信号の漏洩が抑制される。これにより、非導通状態のシリーズスイッチの漏洩が低減され、アイソレーション特性を向上させている。
しかしながら、アンテナスイッチ半導体集積回路では、シャントスイッチが4つ設けられているため、回路規模が大きくなってしまう。小さい回路規模でアイソレーション特性の低下を抑制するための技術が求められる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、小さい回路規模でアイソレーション特性の低下を抑制することが可能なスイッチ回路及びフロントエンド回路を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るスイッチ回路は、第1アンテナ端子及び第2アンテナ端子と、第1入出力端子及び第2入出力端子と、前記第1入出力端子の電気的な接続先を前記第1アンテナ端子及び前記第2アンテナ端子のいずれか一方に切り替え可能であり、前記第2入出力端子の電気的な接続先を前記第1アンテナ端子及び前記第2アンテナ端子のいずれか一方に切り替え可能であり、かつ、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子とが電気的に接続可能であるように設けられた複数のスイッチと、前記複数のスイッチのうちの一部のスイッチを通じて前記第2入出力端子に電気的に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する接地スイッチと、を備え、前記第1入出力端子の電気的な接続先が前記第1アンテナ端子に切り替えられたとき、前記第1入出力端子と前記第1アンテナ端子とをつなぐ第1経路に設けられた、前記複数のスイッチのうちの第1経路スイッチ、並びに前記第2入出力端子と前記接地とをつなぐ第2経路に設けられた、前記複数のスイッチのうちの第2経路スイッチ及び前記接地スイッチが導通状態となり、かつ、前記第1経路と前記第2経路とをつなぐ第3経路に設けられた、前記複数のスイッチのうちの第3経路スイッチが非導通状態となる。
本発明によれば、小さい回路規模でアイソレーション特性の低下を抑制することが可能なスイッチ回路及びフロントエンド回路を提供することが可能となる。
図1は、第1接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。 図2は、第1接続状態でのスイッチ回路151における各スイッチの状態を示すロジック表LT1である。 図3は、第2接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。 図4は、第2接続状態でのスイッチ回路151における各スイッチの状態を示すロジック表LT2である。 図5は、第3接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。 図6は、第4接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。 図7は、入出力端子41及び42間のアイソレーションの周波数変化の一例を示す図である。 図8は、フィルタ回路201及び202の減衰特性の一例を示す図である。 図9は、積層基板401及び半導体チップ402のレイアウトの一例を示す図である。 図10は、積層基板401のzx面に平行な断面図である。 図11は、第5接続状態におけるフロントエンド回路102の回路図である。 図12は、第5接続状態でのスイッチ回路152における各スイッチの状態を示すロジック表LT3である。 図13は、第6接続状態におけるフロントエンド回路102の回路図である。 図14は、第6接続状態でのスイッチ回路152における各スイッチの状態を示すロジック表LT4である。 図15は、第7接続状態におけるフロントエンド回路103の回路図である。 図16は、第7接続状態でのスイッチ回路153における各スイッチの状態を示すロジック表LT5である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を極力省略する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係るフロントエンド回路101について説明する。図1は、第1接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。
図1に示すように、フロントエンド回路101は、スイッチ回路151と、フィルタ回路201(第2フィルタ回路)及び202(第1フィルタ回路)と、を備える。スイッチ回路151は、入出力端子41(第1入出力端子)及び42(第2入出力端子)と、アンテナ端子51(第1アンテナ端子)及び52(第2アンテナ端子)と、スイッチ62(第2スイッチ)、63(第3スイッチ)、64(第4スイッチ)及び65(第5スイッチ)と、接地スイッチ81と、を含む。
フロントエンド回路101は、例えば、第5世代移動通信システム(5G)で通信可能な移動体通信装置に設けられる。フロントエンド回路101におけるフィルタ回路201は、スイッチ回路151における入出力端子41に接続された第1端と、端子31に接続された第2端と、を有する。フィルタ回路202は、スイッチ回路151における入出力端子42に接続された第1端と、端子32に接続された第2端と、を有する。
端子31及び32を基準としてフィルタ回路201及び202の反対側には、送信信号を増幅して出力するパワーアンプと、受信信号を受信して増幅するローノイズアンプと、が設けられる。送信信号及び受信信号は、例えばRF(Radio Frequency)信号である。なお、端子31及び32を基準としてフィルタ回路201及び202の反対側には、パワーアンプとローノイズアンプとのどちらか一方のみが設けられていてもよい。
アンテナ端子51及び52は、それぞれメインアンテナ301及びダイバーアンテナ302に接続される。メインアンテナ301によって送受信される信号、及び、ダイバーアンテナ302によって受信される信号には、動画及び音声などの情報を含むデータ信号が含まれる。ダイバーアンテナ302によって送信される信号には、移動体通信装置内の各アンテナ端子と基地局との間の伝送経路の電力及び遅延をモニタリングするためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal : SRS)が含まれる。
サウンディング参照信号が送信される時間は短いので、アンテナ端子52を通じてダイバーアンテナ302から電波が送信される時間は、アンテナ端子51を通じてメインアンテナ301から電波が送信される時間より短い。
スイッチ回路151におけるスイッチ62、63、64及び65は、入出力端子41の電気的な接続先をアンテナ端子51及び52のいずれか一方に切り替え可能であり、入出力端子42の電気的な接続先をアンテナ端子51及び52のいずれか一方に切り替え可能であり、かつ、入出力端子41と入出力端子42とが電気的に接続可能であるように設けられる。
具体的には、スイッチ62は、アンテナ端子51と入出力端子41との間に設けられる。スイッチ63は、アンテナ端子52と入出力端子42との間に設けられる。スイッチ64は、アンテナ端子52と入出力端子41との間に設けられる。スイッチ65は、アンテナ端子51と入出力端子42との間に設けられる。
より具体的には、スイッチ62は、ノードN3を通じてアンテナ端子51に接続された第1端と、ノードN1を通じて入出力端子41に接続された第2端と、を有する。スイッチ63は、ノードN4を通じてアンテナ端子52に接続された第1端と、ノードN2を通じて入出力端子42に接続された第2端と、を有する。
スイッチ64は、ノードN4に接続された第1端と、ノードN1に接続された第2端と、を有する。スイッチ65は、ノードN3に接続された第1端と、ノードN2に接続された第2端と、を有する。接地スイッチ81は、ノードN4に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。
(第1接続状態)
図2は、第1接続状態でのスイッチ回路151における各スイッチの状態、及び、第1接続状態での第1比較例に係るスイッチ回路における各スイッチの状態を示すロジック表LT1である。ここで、第1比較例に係るスイッチ回路は、回路構成はスイッチ回路151と同様であるが、各スイッチの状態をスイッチ回路151の各スイッチとは異なる状態に制御するロジックで制御される回路である。図1及び図2に示すように、第1接続状態では、入出力端子41の電気的な接続先がアンテナ端子51に切り替えられるとともに、入出力端子42の電気的な接続先が接地に切り替えられる。
具体的には、第1接続状態では、入出力端子41とアンテナ端子51とをつなぐ経路P1(第1経路)に設けられた第1経路スイッチ、並びに入出力端子42と接地とをつなぐ経路P2(第2経路)に設けられた第2経路スイッチ及び接地スイッチ81が導通状態となり、かつ、経路P1と経路P2とをつなぐ経路P3(第3経路)及びP4(第3経路)にそれぞれ設けられた第3経路スイッチが非導通状態となる。
この場合、経路P1は、入出力端子41からノードN1及びN3を通じてアンテナ端子51に至る経路である。経路P2は、入出力端子42からノードN2及びN4を通じて接地に至る経路である。経路P3は、ノードN1からスイッチ64を通じてノードN4に至る経路である。経路P4は、ノードN2からスイッチ65を通じてノードN3に至る経路である。経路P1には、データ信号が伝送される。
第1経路スイッチ及び第2経路スイッチは、それぞれスイッチ62及び63である。第3経路スイッチは、スイッチ64及び65である。
そして、第1接続状態では、接地スイッチ81の第1端は、スイッチ62、63、64及び65のうちの一部であるスイッチ63を通じて入出力端子42に電気的に接続される。また、接地スイッチ81の第1端は、経路P1、及び入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路には直接接続されない。具体的には、接地スイッチ81の第1端は、非導通状態のスイッチ64を通じて、経路P1に間接的に接続される。また、接地スイッチ81の第1端は、導通状態のスイッチ63を通じて、入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路に間接的に接続される。
(第2接続状態)
図3は、第2接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。図4は、第2接続状態でのスイッチ回路151における各スイッチの状態、及び、第2接続状態での第1比較例に係るスイッチ回路における各スイッチの状態を示すロジック表LT2である。図3及び図4に示すように、第2接続状態では、入出力端子42の電気的な接続先がアンテナ端子51に切り替えられるとともに、入出力端子41の電気的な接続先が接地に切り替えられる。
具体的には、第2接続状態では、入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路P5(第1経路)に設けられた第1経路スイッチ、並びに入出力端子41と接地とをつなぐ経路P6(第2経路)に設けられた第2経路スイッチ及び接地スイッチ81が導通状態となり、かつ、経路P5と経路P6とをつなぐ経路P7(第3経路)及びP8(第3経路)にそれぞれ設けられた第3経路スイッチが非導通状態となる。
この場合、経路P5は、入出力端子42からノードN2及びN3を通じてアンテナ端子51に至る経路である。経路P6は、入出力端子41からノードN1及びN4を通じて接地に至る経路である。経路P7は、ノードN1からスイッチ62を通じてノードN3に至る経路である。経路P8は、ノードN2からスイッチ63を通じてノードN4に至る経路である。
経路P5には、データ信号が伝送される。第1経路スイッチ及び第2経路スイッチは、それぞれスイッチ65及び64である。第3経路スイッチは、スイッチ62及び63である。
そして、第2接続状態では、接地スイッチ81の第1端は、スイッチ62、63、64及び65のうちの一部であるスイッチ64を通じて入出力端子41に電気的に接続される。また、接地スイッチ81の第1端は、経路P5、及び入出力端子41とアンテナ端子51とをつなぐ経路には直接接続されない。具体的には、接地スイッチ81の第1端は、非導通状態のスイッチ63を通じて、経路P5に間接的に接続される。また、接地スイッチ81の第1端は、導通状態のスイッチ64を通じて、入出力端子41とアンテナ端子51とをつなぐ経路に間接的に接続される。
(第3接続状態)
図5は、第3接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。図5に示すように、第3接続状態では、入出力端子41の電気的な接続先がアンテナ端子51に切り替えられるとともに、入出力端子42の電気的な接続先がアンテナ端子52に切り替えられる。
具体的には、第3接続状態では、スイッチ62及び63が導通状態となる。そして、スイッチ64及び65並びに接地スイッチ81が非導通状態となる。
メインアンテナ301によって送受信される信号は、経路P9を通じて伝送される。ダイバーアンテナ302によって送受信される信号は、経路P10を通じて伝送される。
この場合、経路P9は、入出力端子41からノードN1、スイッチ62及びノードN3を通じてアンテナ端子51に至る経路である。経路P10は、入出力端子42からノードN2、スイッチ63及びノードN4を通じてアンテナ端子52に至る経路である。
経路P9には、データ信号が伝送される。経路P10には、サウンディング参照信号が伝送される。
(第4接続状態)
図6は、第4接続状態におけるフロントエンド回路101の回路図である。図6に示すように、第4接続状態では、入出力端子41の電気的な接続先がアンテナ端子52に切り替えられるとともに、入出力端子42の電気的な接続先がアンテナ端子51に切り替えられる。
具体的には、第4接続状態では、スイッチ64及び65が導通状態となる。そして、スイッチ62及び63並びに接地スイッチ81が非導通状態となる。
メインアンテナ301によって送受信される信号は、経路P11を通じて伝送される。ダイバーアンテナ302によって送受信される信号は、経路P12を通じて伝送される。
この場合、経路P11は、入出力端子42からノードN2、スイッチ65及びノードN3を通じてアンテナ端子51に至る経路である。経路P12は、入出力端子41からノードN1、スイッチ64及びノードN4を通じてアンテナ端子52に至る経路である。
経路P11には、データ信号が伝送される。経路P12には、サウンディング参照信号が伝送される。
ロジック表LT1(図2参照)における「第1比較例に係るスイッチ回路のロジック」によってスイッチ回路151が制御される場合、スイッチ62が導通状態となり、かつ、スイッチ63、64及び65並びに接地スイッチ81が非導通状態となる。
スイッチ65が非導通状態のとき、ノードN3とノードN2とは電気的に接続されないが、スイッチ65の寄生容量によってある程度のRF信号がスイッチ65を流れてしまう。このため、端子31に入力される送信信号がメインアンテナ301へ経路P1を通じて伝送される場合、当該送信信号の一部が、ノードN3から経路P4を通じて入出力端子42に伝送される。
「第1比較例に係るスイッチ回路のロジック」では、スイッチ63及び接地スイッチ81が非導通状態なので、経路P1から入出力端子42を電気的に十分に分離することができず、上記経路P4を通じての入出力端子42への送信信号の伝送を抑制できない。つまり、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することが困難となる。
また、ロジック表LT2(図4参照)における「第1比較例に係るスイッチ回路のロジック」によってスイッチ回路151が制御される場合、スイッチ65が導通状態となり、かつ、スイッチ62、63及び64並びに接地スイッチ81が非導通状態となる。
この場合において、端子32に入力される送信信号がメインアンテナ301へ経路P5を通じて伝送されるとき、当該送信信号の一部が、ノードN3から経路P7を通じて入出力端子41に伝送される。
「第1比較例に係るスイッチ回路のロジック」では、スイッチ64及び接地スイッチ81が非導通状態なので、経路P5から入出力端子41を電気的に十分に分離することができず、上記経路P7を通じての入出力端子41への送信信号の伝送を抑制できない。つまり、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することが困難となる。
図7は、入出力端子41及び42間のアイソレーションの周波数変化の一例を示す図である。なお、図7において、横軸は単位を「GHz」とする周波数を示し、縦軸は単位を「dB」とするアイソレーションを示す。
図7に示すように、曲線Cr1は、スイッチ回路に接地スイッチ81が設けられない場合におけるアイソレーションの周波数変化である。なお、ロジック表LT1(図2参照)及びLT2(図4参照)に示す「第1比較例に係るスイッチ回路のロジック」によってスイッチ回路151が制御された場合におけるアイソレーションの周波数変化も、曲線Cr1と同様である。
曲線C1は、ロジック表LT1及びLT2に示す「スイッチ回路151のロジック」によってスイッチ回路151が制御された場合におけるアイソレーションの周波数変化である。曲線C1は、曲線Cr1と比べて、2GHzから6GHzまでの広い周波数帯においてアイソレーションが大きく改善している。つまり、ロジック表LT1及びLT2に示す「スイッチ回路151のロジック」でスイッチ回路151が制御される構成により、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができる。
曲線Cr2は、入出力端子41と接地との間、及び入出力端子42と接地との間にそれぞれ2つのシャントスイッチが設けられた場合におけるアイソレーションの周波数変化である。曲線Cr2は、曲線C1と比べてアイソレーションが改善しているものの、スイッチ回路151と比べてさらに2つのシャントスイッチが設けられるため、回路規模が大きくなってしまう。これに対して、スイッチ回路151では、回路規模を小さくしつつ、曲線Cr2に近い曲線C1のアイソレーションを実現することができる。
なお、接地スイッチ81は、入出力端子41がアンテナ端子51と接続される場合、或いは、入出力端子42がアンテナ端子51と接続される場合に常に導通状態にならなくてもよい。具体的には、接地スイッチ81は、第3接続状態に示すように入出力端子41がアンテナ端子51と接続され、且つ、入出力端子42がアンテナ端子52と接続される場合、及び、第4接続状態に示すように入出力端子42がアンテナ端子51と接続され、且つ、入出力端子41がアンテナ端子52と接続される場合には導通状態にならない。このように、本開示においては、入出力端子41がアンテナ端子51と接続される場合、或いは、入出力端子42がアンテナ端子51と接続される場合に接地スイッチ81が導通状態となることがあれば、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保するという効果を奏せる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るフィルタ回路201及び202のフィルタ特性について説明する。第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図8は、フィルタ回路201及び202の減衰特性の一例を示す図である。なお、図8おいて、横軸は単位を「GHz」とする周波数を示し、縦軸は単位を「dB」とする挿入ロスを示す。
図8に示すように、曲線A1及びA2は、それぞれフィルタ回路201及び202の挿入ロスの周波数変化である。フィルタ回路201の通過帯域T1とフィルタ回路202の通過帯域T2とは異なる。また、フィルタ回路202の減衰極Pa2の周波数が、フィルタ回路201の通過帯域T1に含まれる。
仮に、入出力端子41及び42間において十分なアイソレーションが確保されていない場合、減衰極Pa2がフィルタ回路201の通過帯域T1中に共振として現れることがある。この場合、フィルタ回路201では、通過帯域T1に含まれる減衰極Pa2の周波数近傍の信号が減衰されて通過損失が増加してしまうため、好ましくない。
これに対して、フロントエンド回路101では、入出力端子41及び42間において十分なアイソレーションを確保することができるので、フィルタ回路202の減衰極Pa2の周波数が、フィルタ回路201の通過帯域T1に含まれる場合において、減衰極Pa2の周波数近傍の信号が減衰されて通過損失が増加してしまうことを抑制することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る積層基板及び半導体チップについて説明する。図9は、積層基板401及び半導体チップ402のレイアウトの一例を示す図である。図9に示すように、積層基板401は、z軸方向に複数の層が積層された基板である。半導体チップ402は、積層基板401のz軸+側に設けられる。
スイッチ回路151並びにフィルタ回路201及び202は、半導体チップ402に形成される。なお、フィルタ回路201及び202は、積層基板401に形成されてもよい。
図10は、積層基板401のzx面に平行な断面図である。図10に示すように、送受信信号TRX1が伝送される配線E1と、送受信信号TRX2が伝送される配線E2と、が近接して設けられる場合、配線E1と配線E2との間において予期せぬ電気的な結合が生ずることがある。つまり、配線E1と配線E2との間において、十分なアイソレーションが確保されなくなる。
これに対して、フロントエンド回路101では、配線E1及び配線E2が近接して設けられる場合において、配線E1と配線E2との間において予期せぬ電気的な結合が生じたときでも、入出力端子41及び42間において十分なアイソレーションを確保することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係るフロントエンド回路102について説明する。図11は、第5接続状態におけるフロントエンド回路102の回路図である。図11に示すように、第4実施形態に係るフロントエンド回路102は、アンテナ端子が3つ設けられる点で第1実施形態に係るフロントエンド回路101と異なる。
フロントエンド回路102は、図1に示すフロントエンド回路101と比べて、スイッチ回路151の代わりにスイッチ回路152を備える。スイッチ回路152は、図1に示すスイッチ回路151と比べて、アンテナ端子53(第3アンテナ端子)と、スイッチ66(第6スイッチ)、67(第7スイッチ)及び161(第1スイッチ)と、をさらに含む。
スイッチ回路152におけるスイッチ62、63、64、65、66及び67は、入出力端子41の電気的な接続先をアンテナ端子53にも切り替え可能であり、かつ、入出力端子42の電気的な接続先をアンテナ端子53にも切り替え可能である。
具体的には、スイッチ66は、アンテナ端子53と入出力端子41との間に設けられる。スイッチ67は、アンテナ端子53と入出力端子42との間に設けられる。
より具体的には、スイッチ66は、ノードN5を通じてアンテナ端子53に接続された第1端と、ノードN1を通じて入出力端子41に接続された第2端と、を有する。スイッチ67は、ノードN5に接続された第1端と、ノードN2を通じて入出力端子42に接続された第2端と、を有する。
スイッチ161は、アンテナ端子52(第2アンテナ端子)に接続された第1端と、経路P2におけるノードN4に接続された第2端と、を有する。
(第5接続状態)
図12は、第5接続状態でのスイッチ回路152における各スイッチの状態、及び、第5接続状態での第2比較例に係るスイッチ回路における各スイッチの状態を示すロジック表LT3である。ここで、第2比較例に係るスイッチ回路は、回路構成はスイッチ回路152と同様であるが、各スイッチの状態をスイッチ回路152の各スイッチとは異なる状態に制御するロジックで制御される回路である。図11及び図12に示すように、第5接続状態では、入出力端子41からノードN1及びN3を通じてアンテナ端子51に至る経路P1(第1経路)に設けられたスイッチ62(第1経路スイッチ)が導通状態となる。
入出力端子42からノードN2及びN4を通じて接地に至る経路P2(第2経路)に設けられたスイッチ63(第2経路スイッチ)及び接地スイッチ81が導通状態となる。そして、経路P1と経路P2とをつなぐ経路P3(第3経路)、P4(第3経路)及びP13(第3経路)にそれぞれ設けられた第3経路スイッチが非導通状態となる。
この場合、経路P13は、ノードN2からスイッチ67、ノードN5及びスイッチ66を通じてノードN1に至る経路である。第3経路スイッチは、スイッチ64、65、66及び67である。
ロジック表LT3(図12参照)における「第2比較例に係るスイッチ回路のロジック」によってスイッチ回路152が制御される場合、スイッチ63及び接地スイッチ81が非導通状態となる。この場合において、端子31に入力される送信信号が経路P1を通じてメインアンテナ301へ伝送されるとき、当該送信信号の一部が、主にスイッチ65の寄生容量によってノードN3から経路P4を通じて入出力端子42に伝送される。
「第2比較例に係るスイッチ回路のロジック」では、スイッチ63及び接地スイッチ81が非導通状態なので、経路P1から入出力端子42を電気的に十分に分離することができず、上記経路P4を通じての入出力端子42への送信信号の伝送を抑制できない。つまり、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することが困難となる。
これに対して、「スイッチ回路152のロジック」によってスイッチ回路152が制御される場合、スイッチ63及び接地スイッチ81が導通状態となるので、入出力端子42を電気的に接地に接続させることができる。これにより、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができる。
(第6接続状態)
図13は、第6接続状態におけるフロントエンド回路102の回路図である。図14は、第6接続状態でのスイッチ回路152における各スイッチの状態、及び、第6接続状態での第2比較例に係るスイッチ回路における各スイッチの状態を示すロジック表LT4である。図13及び図14に示すように、第6接続状態では、入出力端子42からノードN2及びN3を通じてアンテナ端子51に至る経路P5(第1経路)に設けられたスイッチ65(第1経路スイッチ)が導通状態となる。
入出力端子41からノードN1及びN4を通じて接地に至る経路P6(第2経路)に設けられたスイッチ64(第2経路スイッチ)及び接地スイッチ81が導通状態となる。そして、経路P7(第3経路)に設けられたスイッチ62、経路P8(第3経路)に設けられたスイッチ63並びに経路P13(第3経路)に設けられたスイッチ66及び67が第3経路スイッチである。第3経路スイッチは、非導通状態となる。
ロジック表LT4(図14参照)における「第2比較例に係るスイッチ回路のロジック」によってスイッチ回路152が制御される場合、スイッチ64及び接地スイッチ81が非導通状態となる。この場合において、端子32に入力される送信信号がメインアンテナ301へ経路P5を通じて伝送されるとき、当該送信信号の一部が、主にスイッチ62の寄生容量によってノードN3から経路P7を通じて入出力端子41に伝送される。
「第2比較例に係るスイッチ回路のロジック」では、スイッチ64及び接地スイッチ81が非導通状態なので、経路P5から入出力端子41を電気的に十分に分離することができず、上記経路P7を通じての入出力端子41への送信信号の伝送を抑制できない。つまり、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することが困難となる。
これに対して、「スイッチ回路152のロジック」によってスイッチ回路152が制御される場合、スイッチ64及び接地スイッチ81が導通状態となるので、入出力端子41を電気的に接地に接続させることができる。これにより、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係るフロントエンド回路103について説明する。図15は、第7接続状態におけるフロントエンド回路103の回路図である。図15に示すように、第5実施形態に係るフロントエンド回路103は、入出力端子が4つ設けられる点で第4実施形態に係るフロントエンド回路102と異なる。
フロントエンド回路103は、図11に示すフロントエンド回路102と比べて、スイッチ回路152の代わりにスイッチ回路153を備える。スイッチ回路153は、入出力端子41(第1入出力端子)、42(第2入出力端子)、43(第3入出力端子)及び44(第4入出力端子)と、アンテナ端子51(第1アンテナ端子)、52(第2アンテナ端子)及び53(第3アンテナ端子)と、スイッチ68(第8スイッチ)、69(第9スイッチ)、70(第10スイッチ)、71(第11スイッチ)、72(第12スイッチ)、73(第13スイッチ)、74(第14スイッチ)、161(第1スイッチ)、162及び163と、接地スイッチ81及び82と、を含む。
スイッチ回路153におけるスイッチ68~74及びスイッチ161~163は、入出力端子41、42、43及び44の各々の電気的な接続先をアンテナ端子51、52及び53のいずれか1つに切り替え可能であり、かつ、入出力端子41、42、43及び44のうちの任意の2つが電気的に接続可能であるように設けられる。
具体的には、スイッチ161は、アンテナ端子52に接続された第1端と、第2端と、を有する。スイッチ162は、アンテナ端子51に接続された第1端と、第2端と、を有する。スイッチ163は、アンテナ端子53に接続された第1端と、第2端と、を有する。
スイッチ68は、ノードN12を通じてスイッチ162の第2端に接続された第1端と、ノードN11を通じて入出力端子41に接続された第2端と、を有する。スイッチ69は、ノードN13を通じてスイッチ163の第2端に接続された第1端と、入出力端子42に接続された第2端と、を有する。スイッチ70は、ノードN15を通じてスイッチ161の第2端に接続された第1端と、ノードN16を通じて入出力端子44に接続された第2端と、を有する。
スイッチ71は、ノードN12に接続された第1端と、ノードN13に接続された第2端と、を有する。スイッチ72は、ノードN13に接続された第1端と、ノードN14に接続された第2端と、を有する。スイッチ73は、ノードN14に接続された第1端と、ノードN15に接続された第2端と、を有する。スイッチ74は、ノードN14に接続された第1端と、入出力端子43に接続された第2端と、を有する。
接地スイッチ81は、ノードN16に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。接地スイッチ82は、ノードN11に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。
(第7接続状態)
図16は、第7接続状態でのスイッチ回路153における各スイッチの状態、及び、第7接続状態での第3比較例に係るスイッチ回路における各スイッチの状態を示すロジック表LT5である。ここで、第3比較例に係るスイッチ回路は、回路構成はスイッチ回路153と同様であるが、各スイッチの状態をスイッチ回路153の各スイッチとは異なる状態に制御するロジックで制御される回路である。図15及び図16に示すように、第7接続状態では、入出力端子41の電気的な接続先がアンテナ端子51に切り替えられるとともに、入出力端子42の電気的な接続先が接地に切り替えられる。
具体的には、第7接続状態では、入出力端子41とアンテナ端子51とをつなぐ経路P21(第1経路)に設けられた第1経路スイッチ、並びに入出力端子42と接地とをつなぐ経路P22(第2経路)に設けられた第2経路スイッチ及び接地スイッチ81が導通状態となる。そして、経路P21と経路P22とをつなぐ経路P23(第3経路)に設けられた第3経路スイッチ、接地スイッチ82並びにスイッチ74、161及び163が非導通状態となる。なお、スイッチ74は、導通状態であってもよい。
この場合、経路P21は、入出力端子41からノードN11及びN12を通じてアンテナ端子51に至る経路である。経路P22は、入出力端子42からノードN13、N14、N15及びN16を通じて接地に至る経路である。経路P23は、ノードN12からノードN13に至る経路である。
第1経路スイッチは、スイッチ68及び162である。第2経路スイッチは、スイッチ69、72、73及び70である。第3経路スイッチは、スイッチ71である。
ロジック表LT5(図16参照)における「第3比較例に係るスイッチ回路のロジック」によってスイッチ回路153が制御される場合、スイッチ69、74、73、70及び72が非導通状態となる。この場合において、端子33に入力されるサウンディング参照信号がメインアンテナ301へ経路P21を通じて伝送されるとき、当該サウンディング参照信号の一部が、スイッチ71及び69の寄生容量によってノードN12からスイッチ71及び69を通じて入出力端子42に伝送される。
「第3比較例に係るスイッチ回路のロジック」では、スイッチ69、72、73及び70が非導通状態なので、経路P21から入出力端子42を電気的に十分に分離することができず、スイッチ71及び69を通じての入出力端子42への送信信号の伝送を抑制できない。つまり、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することが困難となる。
これに対して、「スイッチ回路153のロジック」によってスイッチ回路153が制御される場合、スイッチ69、72、73及び70が導通状態となるので、入出力端子42を電気的に接地に接続させることができる。これにより、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができる。
なお、スイッチ回路151では、アンテナ端子52とノードN4とが直接接続される構成について説明したが、これに限定するものではない。アンテナ端子52とノードN4との間にスイッチ161が設けられる構成であってもよい。
また、スイッチ回路152及び153では、アンテナ端子51、52及び53を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。スイッチ回路152は、4つ以上のアンテナ端子を備える構成であってもよい。この場合、4つ以上の端子のうち、例えば、少なくとも2つがメインアンテナに接続され、かつ、少なくとも1つがダイバーアンテナに接続される。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。スイッチ回路151、152及び153は、アンテナ端子51及び52と、入出力端子41及び42と、入出力端子41の電気的な接続先をアンテナ端子51及び52のいずれか一方に切り替え可能であり、入出力端子42の電気的な接続先をアンテナ端子51及び52のいずれか一方に切り替え可能であり、かつ、入出力端子41と入出力端子42とが電気的に接続可能であるように設けられた複数のスイッチと、当該複数のスイッチのうちの一部のスイッチを通じて入出力端子42に電気的に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する接地スイッチ81と、を備える。そして、入出力端子41の電気的な接続先がアンテナ端子51に切り替えられたとき、入出力端子41とアンテナ端子51とをつなぐ第1経路に設けられた、当該複数のスイッチのうちの第1経路スイッチ、並びに入出力端子42と接地とをつなぐ第2経路に設けられた、当該複数のスイッチのうちの第2経路スイッチ及び接地スイッチ81が導通状態となり、かつ、第1経路と第2経路とをつなぐ第3経路に設けられた、当該複数のスイッチのうちの第3経路スイッチが非導通状態となる。
入出力端子41と入出力端子42とが電気的に接続可能であるように複数のスイッチが設けられる場合、入出力端子41と入出力端子42とをつなぐ経路に設けられたスイッチが非導通状態であっても、当該スイッチが有する寄生容量によって、入出力端子41と入出力端子42との間を電気的に十分に分離することが困難となってしまう。これに対して、上記のように、第1経路に設けられた第1経路スイッチが導通状態となる構成により、入出力端子41とアンテナ端子51との間においてRF信号を伝送させることができる。そして、第2経路に設けられた第2経路スイッチと、接地スイッチ81とが導通状態となる構成により、入出力端子42を接地に電気的に接続することができる。これにより、第1経路を伝送されるRF信号が第3経路スイッチを通じて第2経路に流れることを抑制することができるので、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができる。また、接地スイッチ81が第2経路スイッチを介して間接的に入出力端子41及び42と接続されている構成により、第1経路、及び入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路において、伝送される信号の電力が接地スイッチ81によって低下することを抑制することができる。したがって、これらの経路において電力の大きい送信信号を良好に伝送させることができる。また、このようなアイソレーションの確保を1つの接地スイッチ81で実現することができるので、スイッチ回路151、152及び153の回路規模を小さくすることができる。したがって、小さい回路規模でアイソレーション特性の低下を抑制することができる。
また、スイッチ回路152は、アンテナ端子53をさらに備え、当該複数のスイッチは、入出力端子41の電気的な接続先をアンテナ端子53にも切り替え可能であり、かつ、入出力端子42の電気的な接続先をアンテナ端子53にも切り替え可能である。
このような構成により、入出力端子41の電気的な接続先をアンテナ端子51、52及び53のいずれか1つに切り替え可能であり、かつ、入出力端子42の電気的な接続先をアンテナ端子51、52及び53のいずれか1つに切り替え可能な場合であっても、小さい回路規模で、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができる。
また、スイッチ回路151、152及び153では、当該複数のスイッチは、アンテナ端子52に接続された第1端と、第2経路に接続された第2端と、を有するスイッチ161を含む。
このような構成により、アンテナ端子52に接続されたダイバーアンテナ302と、第2経路との間の電気的な接続及び非接続を切り替えることができる。また、例えば、ダイバーアンテナ302とメインアンテナ301又は303との間の距離が近く、これらが電気的に結合する場合においても、スイッチ161を非導通状態にすることで、このような結合による入出力端子41及び42間のアイソレーションの低下を抑制することができる。
また、スイッチ回路151、152及び153では、アンテナ端子52を通じて電波が送信される時間は、アンテナ端子51を通じて電波が送信される時間より短い。
このような構成により、一般に送信時間が長いデータ信号が伝送される経路と、サウンディング参照信号などの送信時間の短い信号が伝送される経路とを分けることができる。具体的には、例えば、第1経路及び入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路をデータ信号が伝送される経路とし、入出力端子41とアンテナ端子52とをつなぐ経路及び入出力端子42とアンテナ端子52とをつなぐ経路をサウンディング参照信号が伝送される経路とすることができる。これにより、例えば、電力の大きいデータ信号が伝送される経路に接地スイッチ81が直接接続される場合、サイズが大きく、信号に与える歪の小さい接地スイッチ81が求められるが、当該経路に接地スイッチ81が直接接続される構成を避けることができるので、接地スイッチ81を簡易にすることができる。また、伝送される電力が相対的に小さい経路に接地スイッチ81を設けることができるため、接地スイッチ81を設けることによる挿入損失を低減しやすくすることができる。
また、スイッチ回路151、152及び153では、接地スイッチ81の第1端は、第1経路、及び入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路には直接接続されない。
このような構成により、第1経路、及び入出力端子42とアンテナ端子51とをつなぐ経路において、伝送される信号の電力が接地スイッチ81によって低下することをさらに確実に抑制することができるので、これらの経路において電力の大きい送信信号を良好に伝送させることができる。
また、スイッチ回路151、152及び153では、入出力端子41又は42とアンテナ端子52とをつなぐ経路には、サウンディング参照信号が伝送される。
サウンディング参照信号を上記経路に伝送させるために多数のスイッチが設けられ、さらに小型化を実現しようとすると、端子同士が近接することがある。一方、端子同士が近接すると、端子間のアイソレーションを確保することが困難となるので、小型化とアイソレーションの確保とを両立させることが課題となっている。これに対して、スイッチ回路151、152及び153では、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保することができるので、サウンディング参照信号を伝送させるために多数のスイッチが設けられる構成であっても、小型化とアイソレーションの確保とを両立させることができる。
また、スイッチ回路151では、当該複数のスイッチは、アンテナ端子51と入出力端子41との間に設けられ、第1経路スイッチであるスイッチ62と、アンテナ端子52と入出力端子42との間に設けられ、第2経路スイッチであるスイッチ63と、アンテナ端子52と入出力端子41との間に設けられ、第3経路スイッチであるスイッチ64と、アンテナ端子51と入出力端子42との間に設けられ、第3経路スイッチであるスイッチ65と、を含む。そして、接地スイッチ81の第1端は、スイッチ63を通じて入出力端子42に電気的に接続される。
このように、4つのスイッチ及び1つの接地スイッチ81の簡易な回路構成により、小さい回路規模でアイソレーション特性の低下を抑制することができる。また、接地スイッチ81がスイッチ63を通じて入出力端子42に電気的に接続し、かつ、接地スイッチ81がスイッチ64を通じて入出力端子41に接続している構成により、アンテナ端子51と入出力端子41とを接続する経路、及び、アンテナ端子51と入出力端子42とを接続する経路において、電力の大きい送信信号を良好に伝送させることができる。
また、スイッチ回路152は、アンテナ端子53をさらに備える。当該複数のスイッチは、アンテナ端子53と入出力端子41との間に設けられたスイッチ66と、アンテナ端子53と入出力端子42との間に設けられたスイッチ67と、をさらに含む。そして、スイッチ62及び63並びに接地スイッチ81が導通状態であるとき、スイッチ64、65、66及び67が非導通状態である。
このように、6つのスイッチ及び1つの接地スイッチ81の簡易な回路構成により、入出力端子41及び42の電気的な接続先となるアンテナ端子を1つ増加させた回路を実現することができる。
また、スイッチ回路153は、アンテナ端子53と、入出力端子43及び44と、をさらに備える。当該複数のスイッチは、アンテナ端子51と入出力端子41との間に設けられ、第1経路スイッチであるスイッチ68と、アンテナ端子53と入出力端子42との間に設けられ、第2経路スイッチであるスイッチ69と、アンテナ端子52と入出力端子44との間に設けられ、第2経路スイッチであるスイッチ70と、アンテナ端子51とアンテナ端子53との間に設けられ、第3経路スイッチであるスイッチ71と、アンテナ端子53に接続された第1端と、第2端と、を有し、第2経路スイッチであるスイッチ72と、スイッチ72の第2端に接続された第1端と、アンテナ端子52に接続された第2端と、を有し、第2経路スイッチであるスイッチ73と、スイッチ72の第2端に接続された第1端と、入出力端子43に接続された第2端と、を有するスイッチ74と、を含む。そして、接地スイッチ81の第1端は、スイッチ70、73、72及び69を通じて入出力端子42に電気的に接続される。
このような構成により、入出力端子41、42、43及び44の各々について、電気的な接続先をアンテナ端子51、52及び53のいずれか1つに接続させつつ、小さい回路規模で、入出力端子41及び42間のアイソレーションを十分に確保した回路を実現することができる。
また、フロントエンド回路101、102及び103は、スイッチ回路151、152又は153と、入出力端子42に接続されたフィルタ回路202と、を備える。
このような構成により、入出力端子42に入力される送信信号について、アイソレーションを確保したい周波数を有する成分をフィルタ回路202によって減衰させることができるので、当該送信信号についての入出力端子41及び42間のアイソレーションを向上させることができる。
また、フロントエンド回路101及び102は、入出力端子41に接続されたフィルタ回路201をさらに備える。
このような構成により、入出力端子41に入力される送信信号について、アイソレーションを確保したい周波数を有する成分をフィルタ回路201によって減衰させることができるので、当該送信信号についての入出力端子41及び42間のアイソレーションを向上させることができる。
また、フロントエンド回路101、102及び103では、フィルタ回路202の通過帯域T2と、フィルタ回路201の通過帯域T1とは、異なる。
このような構成により、入出力端子41に入力される送信信号にとって雑音となる周波数を有する、入出力端子42に入力される送信信号の電力を小さくするとともに、入出力端子42に入力される送信信号にとって雑音となる周波数を有する、入出力端子41に入力される送信信号の電力を小さくすることができる。これにより、入出力端子41及び42間のアイソレーションを効果的に向上させることができる。
また、フロントエンド回路101及び102では、フィルタ回路202の減衰極Pa2の周波数が、フィルタ回路201の通過帯域T1に含まれる。
仮に、入出力端子41及び42間において十分なアイソレーションが確保されていない場合、減衰極Pa2がフィルタ回路201の通過帯域T1中に共振として現れることがある。この場合、フィルタ回路201では、通過帯域T1に含まれる減衰極Pa2の周波数近傍の信号が減衰されて通過損失が増加するため、好ましくない。これに対して、フロントエンド回路101、102及び103では、入出力端子42と41又は43との間において十分なアイソレーションを確保することができるので、フィルタ回路201の通過特性が劣化することを抑制することができる。
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10、P11、P12、P13、P21、P22、P23…経路
N1、N2、N3、N4、N5、N11、N12、N13、N14、N15、N16…ノード
LT1、LT2、LT3、LT4、LT5…ロジック表
E1、E2…配線
31、32、33、34…端子
41、42、43、44…入出力端子
51、52、53…アンテナ端子
62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74…スイッチ
81、82…接地スイッチ
101、102、103…フロントエンド回路
151、152、153…スイッチ回路
161、162、163…スイッチ
201、202…フィルタ回路
301、303…メインアンテナ
302…ダイバーアンテナ
401…積層基板
402…半導体チップ

Claims (13)

  1. 第1アンテナ端子及び第2アンテナ端子と、
    第1入出力端子及び第2入出力端子と、
    前記第1入出力端子の電気的な接続先を前記第1アンテナ端子及び前記第2アンテナ端子のいずれか一方に切り替え可能であり、前記第2入出力端子の電気的な接続先を前記第1アンテナ端子及び前記第2アンテナ端子のいずれか一方に切り替え可能であり、かつ、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子とが電気的に接続可能であるように設けられた複数のスイッチと、
    前記複数のスイッチのうちの一部のスイッチを通じて前記第2入出力端子に電気的に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する接地スイッチと、を備え、
    前記第1入出力端子の電気的な接続先が前記第1アンテナ端子に切り替えられたとき、前記第1入出力端子と前記第1アンテナ端子とをつなぐ第1経路に設けられた、前記複数のスイッチのうちの第1経路スイッチ、並びに前記第2入出力端子と前記接地とをつなぐ第2経路に設けられた、前記複数のスイッチのうちの第2経路スイッチ及び前記接地スイッチが導通状態となり、かつ、前記第1経路と前記第2経路とをつなぐ第3経路に設けられた、前記複数のスイッチのうちの第3経路スイッチが非導通状態となる、
    スイッチ回路。
  2. 請求項1に記載のスイッチ回路であって、
    前記スイッチ回路は、
    第3アンテナ端子をさらに備え、
    前記複数のスイッチは、前記第1入出力端子の電気的な接続先を前記第3アンテナ端子にも切り替え可能であり、かつ、前記第2入出力端子の電気的な接続先を前記第3アンテナ端子にも切り替え可能である、
    スイッチ回路。
  3. 請求項1又は2に記載のスイッチ回路であって、
    前記複数のスイッチは、
    前記第2アンテナ端子に接続された第1端と、前記第2経路に接続された第2端と、を有する第1スイッチを含む、
    スイッチ回路。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ回路であって、
    前記第2アンテナ端子を通じて電波が送信される時間は、前記第1アンテナ端子を通じて電波が送信される時間より短い、
    スイッチ回路。
  5. 請求項4に記載のスイッチ回路であって、
    前記接地スイッチの前記第1端は、前記第1経路、及び前記第2入出力端子と前記第1アンテナ端子とをつなぐ経路には直接接続されない、
    スイッチ回路。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のスイッチ回路であって、
    前記第1入出力端子又は前記第2入出力端子と前記第2アンテナ端子とをつなぐ経路には、サウンディング参照信号が伝送される、
    スイッチ回路。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ回路であって、
    前記複数のスイッチは、
    前記第1アンテナ端子と前記第1入出力端子との間に設けられ、前記第1経路スイッチである第2スイッチと、
    前記第2アンテナ端子と前記第2入出力端子との間に設けられ、前記第2経路スイッチである第3スイッチと、
    前記第2アンテナ端子と前記第1入出力端子との間に設けられ、前記第3経路スイッチである第4スイッチと、
    前記第1アンテナ端子と前記第2入出力端子との間に設けられ、前記第3経路スイッチである第5スイッチと、を含み、
    前記接地スイッチの前記第1端は、前記第3スイッチを通じて前記第2入出力端子に電気的に接続される、
    スイッチ回路。
  8. 請求項7に記載のスイッチ回路であって、
    前記スイッチ回路は、
    第3アンテナ端子をさらに備え、
    前記複数のスイッチは、
    前記第3アンテナ端子と前記第1入出力端子との間に設けられた第6スイッチと、
    前記第3アンテナ端子と前記第2入出力端子との間に設けられた第7スイッチと、をさらに含み、
    前記第1経路スイッチ、前記第2経路スイッチ及び前記接地スイッチが導通状態であるとき、前記第3経路スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチが非導通状態である、
    スイッチ回路。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ回路であって、
    前記スイッチ回路は、
    第3アンテナ端子と、
    第3入出力端子及び第4入出力端子と、をさらに備え、
    前記複数のスイッチは、
    前記第1アンテナ端子と前記第1入出力端子との間に設けられ、前記第1経路スイッチである第8スイッチと、
    前記第3アンテナ端子と前記第2入出力端子との間に設けられ、前記第2経路スイッチである第9スイッチと、
    前記第2アンテナ端子と前記第4入出力端子との間に設けられ、前記第2経路スイッチである第10スイッチと、
    前記第1アンテナ端子と前記第3アンテナ端子との間に設けられ、前記第3経路スイッチである第11スイッチと、
    前記第3アンテナ端子に接続された第1端と、第2端と、を有し、前記第2経路スイッチである第12スイッチと、
    前記第12スイッチの前記第2端に接続された第1端と、前記第2アンテナ端子に接続された第2端と、を有し、前記第2経路スイッチである第13スイッチと、
    前記第12スイッチの前記第2端に接続された第1端と、前記第3入出力端子に接続された第2端と、を有する第14スイッチと、を含み、
    前記接地スイッチの前記第1端は、前記第10スイッチ、前記第13スイッチ、前記第12スイッチ及び前記第9スイッチを通じて前記第2入出力端子に電気的に接続される、
    スイッチ回路。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のスイッチ回路と、
    前記第2入出力端子に接続された第1フィルタ回路と、を備える、
    フロントエンド回路。
  11. 請求項10に記載のフロントエンド回路であって、
    前記第1入出力端子に接続された第2フィルタ回路をさらに備える、
    フロントエンド回路。
  12. 請求項11に記載のフロントエンド回路であって、
    前記第1フィルタ回路の通過帯域と、前記第2フィルタ回路の通過帯域とは、異なる、
    フロントエンド回路。
  13. 請求項11又は12に記載のフロントエンド回路であって、
    前記第1フィルタ回路の減衰極の周波数が、前記第2フィルタ回路の通過帯域に含まれる、
    フロントエンド回路。


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